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幼馴染「ずっと前は好きだったよ」 男「えっ」
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27 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/16(金) 20:58:55.14 ID:m1QkxQto0
女「買い物?」
男「ああ、スポーツ用品店に行きたいんだ」
女「スポーツ用品店で買い物してる男くんが想像できない……」
男「悪かったな」
女「まぁ、付き合ってあげてもいいんだけど、今日は部活が長引きそうなんだよね……明日なら体育館が使えなくて比較的早めに終わるから、その後でどう?」
男「悪いな。頼むよ」
女「報酬はアイスでよろしくねー」
男「はいはい……」
28 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/16(金) 20:59:37.92 ID:m1QkxQto0
木曜日 朝 公園
幼馴染「疲れたー。男、飲み物取って」
男「あいよ」スッ
幼馴染「ありがとう!」
男「サプリメントはどうする?」
幼馴染「……」
男「いらないのか?」
幼馴染「いや、なんか、男がマネージャーみたいだなー、と思ってさ」
男「マネージャーか……」
幼馴染「私の専属マネージャーとして契約しちゃうー?」
男「いや、プロデューサーとして幼をプロデュースしたい」
幼馴染「意味わかんないけど、気持ち悪いから却下ね」
29 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/16(金) 21:00:04.27 ID:m1QkxQto0
幼馴染「男って、放課後なにしてるの?」
男「まぁ、いろいろとな」
幼馴染「いろんな方法で時間を潰してるのね。大事な青春の時間を無駄にしちゃってるなぁ……」
男「うるせー。俺だって、これからバイト始めるんだよ」
幼馴染「へー、バイトするんだ?」
男「まぁな。社会経験を積んでおこうと思ってな」
幼馴染「でもさー、私たち今年受験じゃん? 勉強しないとやばくない?」
男「……」
幼馴染「社会経験よりも学業に力を入れたほうがいいと思うけどな」
30 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/16(金) 21:00:40.41 ID:m1QkxQto0
幼馴染「男がバイトかぁ」
男「まぁ、面接もまだなんだけどな」
幼馴染「いつ面接なの?」
男「今度の土曜日。そこで決まれば来週から働くことになるかな」
幼馴染「じゃあ、今度の土曜日はお互いに勝負の日だね!」
男「俺と幼で2連勝といきたいな」
幼馴染「……できるといいよね」
男「急にテンション落ちたな」
幼馴染「べ、別に落ちてないし!」
31 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/16(金) 21:04:29.58 ID:m1QkxQto0
放課後 ショッピングモール
女「で、スポーツ用品店に何の用なの?」
男「ちょっと見たいものがあってな」
女「んー。わざわざ私を指名するくらいだから、バスケ用品でもみるの?」
男「まぁ、そんなとこ」
女「友達として言っておくけど、バスケを始めたところで男くんがリア充の仲間入りすることはないよ」
男「そんなこと目論んでねえよ」
32 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/16(金) 21:05:00.37 ID:m1QkxQto0
スポーツ用品店
男「いろいろあるんだな」
女「えっ。バッシュ買うの?」
男「バスケ用品って言ったろ」
女「わーい! ありがとー!」
男「はっ?」
女「総体に臨む私にバッシュを買ってくれるんじゃないの?」
男「なんで、俺がお前に買うんだよ……」
女「……だよね。男くんに買ってもらったバッシュなんて呪われてそうで履けないもん」
男「だんだん俺のツボを抑えてきたな」
女「いや、今のはマジなんだけどね」
男「えっ」
33 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/16(金) 21:05:28.56 ID:m1QkxQto0
女「誰にプレゼントするの?」
男「プレゼントするとは言ってないだろ」
女「いやいや、君がバイトしてまでバッシュを買おうとしてるんだもん。大切な人へのプレゼント以外に何があるのよ」
男「……中学の同級生にな。総体に向けて頑張ってるから、応援してやりたくてさ」
女「へー。この辺りでバスケやってるなら、私も知ってるかも。どこ高の子?」
男「どこだっていいだろ」
女「えー、教えてよー」
???「……」ジー
女「ん?」
???「……」サッ
女「……」
34 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/16(金) 21:06:02.94 ID:m1QkxQto0
男「そんなことはいいから、アドバイスくれよ。どれがいいのかさっぱりわからん」
女「ナイキでおすすめなのはねー」
男「……よくナイキを探してるって気づいたな」
女「バスケ女子は往々にしてナイキが好きだからね」
男「そうなのか」
女「ナイキの中で私がオススメなのは……」
女「これかな!」バッ
???「!?」
女「……」ニヤァ
35 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/16(金) 21:06:35.28 ID:m1QkxQto0
男「痛! 突然、被さってくるなよ!」
女「あ、ごめんごめん。ちょうどそこにあったからさ」
男「ったく、気を付けろよな」
女「ていうか、その反応は男子としてどうなの? 女の子と接触したんだよ? それも思いっきり胸が当たったんだから、喜ぶべきでしょ」
男「鉄板がぶつかってきて喜ぶ人間なんかいるかよ」
女「あははー。やめてよー。私の胸はまっ平だけど、そこまで硬くないから」パチン
???「……」
女「……」ニヤニヤ
36 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/16(金) 21:07:01.30 ID:m1QkxQto0
男「悪いけど、このバッシュはダメだ」
女「これ、履き心地いいから人気なんだよ?」
男「値段がなぁ……」
女「バッシュの相場なんてこんなもんだよ。ちなみに予算はどれくらいを想定してるの?」
男「3万」
女「あの子にそんな高級なバッシュなんてもったいないから!!」
男「お前、誰のことなのかわかってんの?」
女「い、いや……わかってないよ」
37 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/16(金) 21:07:28.92 ID:m1QkxQto0
男「向こうが3万くらいのバッシュが欲しいって言うんだから仕方ねえだろ」
女「それ、騙されてんじゃないの?」
男「そんなことする奴じゃねえよ」
女「……」
???「……」
女「……まぁ、歩く財布だと思ってるなら、あんな表情してないか」
男「あ?」
女「なんでもなーい」
38 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/16(金) 21:08:15.34 ID:m1QkxQto0
女「まっ、今回買うってわけじゃないんでしょ?」
男「そうだな。今日は下見に来たってだけだから」
女「なら、実際に買うときは、その子と一緒に選んだらいいよ」
男「それじゃあ、サプライズにならないだろ」
女「はぁ……どうして男子ってサプライズが好きなのかねぇ。突然、物を渡されても困るんだよねぇ」
男「そんなのお前の感覚だろ」
女「その子の靴のサイズ知ってるの?」
男「……それはおいおい」
女「女性に靴のサイズを訊ねていいのは王子様だけだよ。そこら辺のモブが靴のサイズを訊ねたら、警察に通報されちゃうよ」
男「……」
39 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/16(金) 21:08:54.31 ID:m1QkxQto0
女「じゃ、今日はこの辺でいいかな?」
男「もうこんな時間か。途中まで送るよ」
女「いいよ。私、これからお楽しみがあるからさ」
男「なにそれ?」
女「男くんには内緒。じゃあね。また明日―!」タッタッタ
・
・
・
???「……」
女「捕まーえた!」
???「!?」
女「久しぶりだね。西高の部長さん」
幼馴染「……」
40 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/16(金) 21:10:39.84 ID:m1QkxQto0
今日はここまでです。
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/16(金) 21:26:41.19 ID:53bMFpSbo
おつおつ
期待
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/16(金) 23:37:48.26 ID:Aw0+CJJ/o
うゎああああ
好き
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/17(土) 00:31:04.53 ID:5U6h8rqpo
男がなんで久々に会う幼馴染にここまでしてやるのか分からん
これじゃただ貢いでるだけで気持ち悪いな
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/17(土) 00:31:54.10 ID:/u8exRWFo
次回予告(今回の担当:死に掛け神)
どうもー!駄文メーカーにして、
本作の作者、死に掛け神ですっ!
八幡が大罪のバハムートと呼ばれ由比ヶ浜ることになった理由と、空白の一ヶ月(少しも明かされてないとは言ってない。)の出来事が遂に明らかに!
そして遂に動き出す黒幕!
行け!八幡!お前はもっと強くなれる!
何故なら俺がそういう展開がすきだから!
次回!
「八幡が『大罪のバハムート』と呼ばれる理由」
見てくれると嬉しいな!
八幡「メタ発言とネタバレ止めろ!」
あとがき
葉山への復讐の第一回目が終わりました。
葉山にはまだまだ地獄を見せるので
まだまだ終わりません!
今回も読んで下さってありがとうございました!
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/17(土) 00:33:00.60 ID:5hIRECXl0
>>1
の頭悪いんだから頭脳系キャラは出さないほうがいいぞ
ほかのSSで散々叩かれてもう書きません宣言したのにしれっと続き書いてるくらいだから学習能力はないようだけど一応
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/17(土) 20:32:16.94 ID:V/MDZIHY0
よくわからんけど幼馴染が死ぬのはわかった
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/19(月) 01:21:08.96 ID:AZEJJ59So
ーーーキャラ設定的なものーーー
・清滝八幡二冠 (旧:比企谷八幡) 20歳(1話時点)
今作の主人公。相変わらず年下に甘いが、今作の八幡はシスコンでは無いし、女の子にも男の子にも(比較的)平等に接する優しいお兄さん。但し眼が腐っているのでちいさい子にはよく怖がられる模様。
尚、最近は眼鏡をかけることによって眼の腐りが誤魔化せることに気付いた。7歳の頃に清滝一門へ弟子入り。原作主人公(九頭竜八一)や妹弟子の空銀子との初邂逅は11歳の時。この時点で既に眼が腐りはじめていた。
この世界線では小町は双子の妹だが、両親からは小町のオマケ扱いされ、小町からは都合のいい道具扱いされていた。
小町が家出したのを連れ帰ったところ、両親に理不尽に叱られ、躾という名目で暴力を振るわれるようになる。
思わず家を飛び出し、公園で一人で将棋を指している所を偶然将棋のイベントの帰りに通りがかった清滝鋼介が拾った。
優しくされて、今までの事を話す。
それを聞いた清滝は激昂して両親に話を付けようとするが、八幡が清滝を苦心の末に説得、中学校を卒業するまでは家庭内の問題に不干渉でいることを約束させた。
その代わりとして自身の弟子になること、中学を卒業後養子縁組し、大阪へ来ることを約束した。
それ以来、長期休暇を使って清滝家に将棋を習いに行っていた。
その時は家事を手伝ったりしていたが、入門してから暫くは清滝一門主催のイベントの運営をやったりもした。実は苦労人ポジ(知ってた)。
周囲の環境と生来の気質の関係で周りより精神の成熟が早く、同年代の子供と馴染めなかったため、学校でもいじめられるようになる。
そして更に眼が腐る。中学は同じ小学校の子供が通わない総武中を選択。ここで俺ガイル原作イベント。
但し修学旅行の出来事以来、奉仕部とは決裂。それからはひっそりと息を潜め、最終的に数学と理科以外は学年1位を維持したまま卒業する。高校へは行かず、そのままプロ棋士入りする。
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/19(月) 20:53:33.57 ID:7wfoOm8vO
なんだこいつ
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/20(火) 01:19:18.81 ID:554tqYqq0
おつ
50 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 19:22:52.65 ID:DiQugAwX0
幼馴染「ひ、久しぶりね」
女「本当にね。新人戦ぶりになるのかな?」
幼馴染「……私は関東大会予選で貴女を見たけどね」
女「でも、試合してないよね」
幼馴染「試合を見学したってことよ」
女「そういうことね。でも、関東大会予選は残念だったね。西高が絶対に決勝に上がってくると思ってたんだけどなぁ。まさか、準決勝で負けちゃうなんて」
幼馴染「うちは準々決勝敗退なんだけど……嫌味で言ってんの?」
女「うん。嫌味だよ」
51 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 19:26:22.04 ID:DiQugAwX0
女「あの名門が20年ぶりに準々決勝敗退だもん。この県内でバスケをやっている人間からすれば嫌味も言いたくなるよ」
幼馴染「それはこっちの台詞。県ナンバー1のあんたが北高に入学したおかげで県内の勢力図が変わったんだから」
女「やめてよ。私は県ベスト8くらい負けるようなチームでお気楽にバスケしたかったのに、西高が弱体化したせいで、全国常連になったんだからさ」
幼馴染「なっ……!」
女「全国なんていいことないよ。休みはなくなるしさー。1年のときも2年のときも全国にでたせいで夏休みが潰れたんだから」
幼馴染「高校生最後の夏休みはたっぷりとエンジョイさせてあげるわ」
女「そうしてもらえるとありがたいけど、新人戦の決勝で20点差の大敗したようなチームには期待できないなぁ」
52 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 19:26:58.89 ID:DiQugAwX0
幼馴染「……私たちはあれから必死に練習したわ。厳しい練習を重ねて、技術を磨いてきた。西高が全国に返り咲くために、血が滲むような努力をしてきたんだから」
女「その結果が関東大会予選準々決勝敗退?」
幼馴染「あ、あれは……」
女「貴女が5ファールで退場してから流れ変わったのよね」
幼馴染「……っ」
女「まぁ、西高は全国の舞台に戻れるよ」
女「君が引退した後に、必ずね」
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/20(火) 19:31:27.20 ID:RDvKXtbZO
乙
前作の時も思ったが、スポ根好きなんだな
54 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 19:35:03.99 ID:DiQugAwX0
>>53
バスケやらサッカーやってたんで、その影響もあるかもしれないです。
前回よりはスポ根要素は薄くなりますけどね。
55 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 19:35:45.19 ID:DiQugAwX0
幼馴染「……今度の土曜日は覚悟してなさい」
女「男くんとデートするの?」
幼馴染「は、はぁ!? なんで男とデートするのよ!」
女「やっぱり、男くんと知り合いなんだ」
幼馴染「!!?」
女「まぁ、私が男くんにボディタッチするたびに顔面蒼白になってたもんね。知り合い以上の関係に決まってるか」
56 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 19:36:12.21 ID:DiQugAwX0
幼馴染「ち、違う!」
女「いや、隠す必要ないでしょ? 別に私は男くんと何かあるわけではないし」
幼馴染「……なら、なんで一緒にいるのよ」
女「気になる?」
幼馴染「いいから言いなさいよ!」
女「私が性格悪いの知っていて、回答してもらえると思うほうが間違ってるよ」
57 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 19:36:41.24 ID:DiQugAwX0
女「まっ、これで男くんにメールできる口実ができたわけだし良かったんじゃないの」
幼馴染「別にメールしなくたって、直接聞くからいいわよ」
女「会う機会あるの?」
幼馴染「毎日、私の朝練を見に来てくれるからね」
女「……ごめん。ドヤ顔されても困るんだよね」
58 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 19:54:26.28 ID:DiQugAwX0
金曜日 朝 公園
幼馴染「……」
男「なにぼーっとしてんだよ」
幼馴染「男……」
男「ったく、練習サボってていいのかよ」
幼馴染「あ、あのね……」
男「……なんだよ?」
幼馴染「えっと、その……」モジモジ
男「トイレに行きたいのか?」
幼馴染「どうしてそうなるのよ!」ベチン
59 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 19:54:57.42 ID:DiQugAwX0
男「違うのか……?」
幼馴染「あったりまえでしょ!?」
男「じゃあなんで、もじもじしてんだよ……」
幼馴染「変態! 変態 変態!!!」ポカポカ
男「痛い! 痛いから!」
幼馴染「いいじゃん、ドMなんでしょ! これもまた気持ちいいんじゃないの!」
男「俺は言葉責め専門だよ!」
幼馴染「へ、変態! 変態!! 変態―――!」ベチン
60 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 19:55:33.78 ID:DiQugAwX0
幼馴染「もう! 変なこと言わないでよね!」
男「解せぬ……」
幼馴染「なんか言った!?」
男「なにも言ってねえよ……それで、なんだよ? なんか話があるんだろ?」
幼馴染「き、昨日さ……」
男「昨日?」
幼馴染「昨日の晩御飯は何食べたの!?」
男「……」
幼馴染「……」
男「……カレーだけど」
幼馴染「ああ、そうなんだぁ……」ガックシ
61 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 20:17:57.51 ID:DiQugAwX0
男「そんなこと聞いてどうすんだよ……」
幼馴染「どうするんだろうね、本当にね……」
男「まぁ、いいや。俺もお前に聞きたいことがあってだな」
幼馴染「なに!? 私は何も見てないし、聞いてないからね!?」
男「何をだよ……」
幼馴染「だ、だから、別に……羨ましいだなんて思って……ないんだから……」グスッ
男「ど、どうした!?」
62 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 20:19:18.16 ID:DiQugAwX0
幼馴染「どうして、あの子は私ができないことをいとも簡単にするの……」
男「あの子……?」
幼馴染「狡い、狡いよぅ……」ポロポロ
男「お、おい……」゙
幼馴染「私だって……男と買い物したい……」
男「……えっ」
幼馴染「一緒にバッシュ選んだりしたかった……」
男「えっ」
63 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 20:20:44.10 ID:DiQugAwX0
男「ち、ちょっと待て! あの子って、女のことか!?」
幼馴染「そうだよ……昨日、二人が買い物してるとこ見たんだよ……」
男「!?」
幼馴染「私も男と同じ高校に通ってればあんな風に……」
男「違う! 昨日のアレは違うんだ!」
幼馴染「私、見たもん……二人で楽しそうに買い物してるとこ見たもん。恋人みたいに買い物してたもん」
男「誤解だって!」
幼馴染「……見たもん」プイッ
男「な、なんでこうなるんだ……」
64 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 20:25:52.08 ID:DiQugAwX0
幼馴染「バスケ部の部長なんか知らない、なんて嘘じゃんか……」
男「えっ!? あいつ、部長だったの!?」
幼馴染「白々しい……」
男「本当に知らなかったんだってば! あいつとそんなに仲良くないしさ」
幼馴染「……一緒に買い物するほど仲良いじゃん」
男「それは、女がバスケ部だから……」
幼馴染「私だってバスケ部だもん。男と一緒にいた時間は私のほうが長いもん……」
幼馴染「……なのにどうして、あの子を選ぶの」
65 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 20:26:35.13 ID:DiQugAwX0
男「俺の話を聞いてくれ」
幼馴染「……やだ」プイッ
男「いいから聞けって!」グイッ
幼馴染「……やだ! 絶対聞かない!」ブンブン
男「どうして、そこまで頑ななんだよ!」
幼馴染「だって……だって、話しを聞いたら、男とあの子が付き合ってることを認めなきゃいけなくなっちゃう……」
男「付き合ってない。あいつはクラスメイトってだけ」
幼馴染「……嘘だ。ただの同級生なだけで一緒に買い物するわけない」
男「仕方ないだろ。俺の知り合いでバスケやってんのは幼と女だけなんだから。俺の人脈の狭さ舐めんな」
幼馴染「つまり、私よりあの子を選んだんでしょ……」
男「俺がバッシュを買う理由ってなんだよ。俺がバスケを始めると思うか?」
幼馴染「……女にプレゼントするためじゃないの」
男「なんで肝心なところはわからないかなぁ」
幼馴染「な、なによ……」
男「お前にプレゼントしたかったんだよ」
66 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 20:28:20.39 ID:DiQugAwX0
幼馴染「わ、私に……?」
男「そうだよ。総体前にサプライズでプレゼントしようと思ってな」
幼馴染「な、なんで……?」
男「お前が頑張ってるから、なにか力になりたかったんだ」
幼馴染「……っ」
男「まぁ、なんだその……誤解させて悪かったな」
幼馴染「……やだ。許さない。私をこんなに泣かせて、恥ずかしい思いまでさせたんだから、絶対に許さない」
男「ま、まじか……」
幼馴染「……買うときは私も一緒に連れていってくれないと許さないんだから」
男「……」
幼馴染「……」
男「そうだな。一緒に行こうな」
幼馴染「なににやにやしてんのよ!」ベチン
67 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 20:31:01.93 ID:DiQugAwX0
幼馴染「あーもう最悪! 朝っぱらからこんなに泣くなんて!」
男「気分転換にプリンでも食うか?」
幼馴染「……」ジー
男「な、なに……?」
幼馴染「食べさせて」
男「はっ?」
幼馴染「ほら、早く」
男「……お前、なに言ってるのかわかってんの?」
幼馴染「女とは恋人みたいなことをするのに、私とはしないの?」
男「それはさっき説明しただろ」
幼馴染「はーやーく」
男「いや、だから……」
幼馴染「早くしろよ、この童貞!!!!!」バチン
男「はいいいいいいいいいいいい!」
68 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 20:31:40.43 ID:DiQugAwX0
幼馴染「はー、美味しかったぁ」
男「ご満足いただけたようならなによりです……」
幼馴染「ねぇ」
男「まだなにか?」
幼馴染「男と一緒にいられて幸せだよ」ニコッ
男「……っ!」カァァァ
幼馴染「顔真っ赤だよ」
男「こ、この……童貞殺しめ」
69 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 20:32:13.84 ID:DiQugAwX0
幼馴染「これで明日に向けて気合が入ったでしょ? バイト面接頑張ってね」
男「……そうだな。幼と買い物に行けるように、絶対にバイト受からないとな」
幼馴染「そうそう! 楽しみにしてからね!」
男「幼も明日試合だよな? 頑張れよ」
幼馴染「任せてよ。あの女に勝つから」
幼馴染「……絶対に勝つんだから」
70 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 20:35:08.59 ID:DiQugAwX0
今日はここまで
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/20(火) 21:03:13.67 ID:W/pZlUzL0
おつ
過去作も知りたい
72 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/20(火) 21:26:40.30 ID:DiQugAwX0
>>71
こちらになります。
男「ずっと前から好きでした!」 後輩「……誰?」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477304804/
一応、時系列は同じ時期です。よろしくお願いします。
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/20(火) 23:43:45.56 ID:AxcwZngpO
>>24
のやりとりが前作と同じだけど登場人物は関係あるの?
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/21(水) 00:51:44.56 ID:RGcR6Smv0
>>72
一気に読んだわ
途中でまったく出なくなった男友が主人公なのか
75 :
◆TMTTBwd/ok
[sage]:2018/03/21(水) 11:23:32.69 ID:8rh8t3df0
>>73
前作から名前の表記が変わっただけで、登場人物は同じです。
また、時系列も同時期です。前作で描き切れなかった部分の話です。
>>74
あんなに長いSSを読んでくださってありがとうございます!
前作における男友が、今作の主人公です!
76 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/22(木) 22:10:20.80 ID:z7Uy+8zu0
土曜日 西高 体育館
女「やっほー。男くんに聞けた―?」
幼馴染「……」ギロッ
女「あれ? 聞けなかったの?」
幼馴染「試合前よ。黙ってくれない?」
女「たかが練習試合なんだし力抜いていこうよ」
幼馴染「私にとっては公式戦のようなものなの!」
女「そんなに力んだって結果は変わらないって」
幼馴染「その減らず口を黙らせてやるわ……!」
77 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/22(木) 22:11:47.46 ID:z7Uy+8zu0
・
・
・
女「さて」ダムダム
幼馴染「……」
女「適当に遊ぶかな」スッ
幼馴染「やらせない!」ベシッ
女「……へぇ!」
幼馴染「よ、よし!」
78 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/22(木) 22:13:49.10 ID:z7Uy+8zu0
・
・
・
幼馴染「入れ!」シュッ
「……」パサッ
西高部員「部長、ナイシュー!」
幼馴染「……ふふん」ドヤァ
女「……」
79 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/22(木) 22:30:19.37 ID:z7Uy+8zu0
審判「チャージドタイムアウト!」
西高 ベンチ
西高顧問「よし! ナイスゲームだ!」
西高部員「北高に20点差をつけてリードしてるなんて……!」
西高顧問「そうだな。新人戦のころとはまったく別のゲームになっている。特に幼、相手のエースを良く抑え込んでいるぞ!」
幼馴染「は、はいっ!」
西高顧問「この点差はお前の頑張りによるところは大きい。このまま続けてくれ」
幼馴染「……っ!」
西高顧問「期待してるぞ」ポンポン
幼馴染「〜〜〜〜〜〜はいっ!」グッ
80 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/22(木) 22:30:49.42 ID:z7Uy+8zu0
北高 ベンチ
北高顧問「おい、このままで終わるなよ! 最低でも10点差以内にするんだ! この点差で負けたりしたら罰走だからな!」
女「あら、ずいぶん弱気だこと。勝たなくていいのかねー」
1年生部員「でも、この点差だと、逆転は難しいんじゃ……」
女「いや、むしろちょうどいいんじゃないかな」
1年生部員「へ……?」
女「試合が終わればわかるよ」
81 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/22(木) 22:31:59.45 ID:z7Uy+8zu0
女(……残り8分か。そろそろ始めますかね)
幼馴染「もう北高の時代は終わりよ」
女「気が早いなぁ。試合は終わってないよ」
幼馴染「この点差じゃ終わったようなもの。逆転なんかできやしない」
女「知らないの? 湘北は残り5分で20点差を逆転したんだよ」
幼馴染「漫画の話でしょ。これは現実なのよ」
女「そう。これから貴女は残酷な現実を知ることになる」
幼馴染「なに言って……」
女「私が本気出してると思った?」
幼馴染「……!」
82 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/22(木) 22:37:51.73 ID:z7Uy+8zu0
夜 公園
幼馴染「……」
男「やっぱりここに来てたのか」
幼馴染「男……」
男「幼がいるかと思って面接の帰りに寄ってみたんだけど、正解だったな」
幼馴染「……っ」
男「プリン買ってきたんだ。一緒に食べようぜ」
幼馴染「……」ギュウウウウウウ
男「幼……」
83 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/22(木) 22:38:33.95 ID:z7Uy+8zu0
同時刻 ファミレス
女「いやー、美味しかったねえ」
1年生部員「すみません。奢ってもらって……」
女「いいよいいよ。お互いに、今日はあんまり早く帰るのもアレだろうしさ」
1年生部員「まあ、確かに……」
女「それに、今日は君も頑張ったし、これはご褒美だよ」
1年生部員「あたしなんてなにも……」
女「なに言ってるのさ。西高に逆転勝ちできたのは、君がDFを頑張ってくれたからだよ。いくら点を決めても、DFがザルなら追いつくこともできなかっただろうし」
1年生部員「そうかもしれませんけど。でも、今日のMVPは部長ですよ。ラスト10分であれだけ得点を奪うなんて凄すぎます」
女「そうかな? たいしたことないと思うけどなあ」
1年生部員「だって、部長がマッチアップしていたのは、西高のキャプテンですよ? あの人、選抜に選ばれていますよね?」
女「選抜って言ってもたかが地区選抜じゃん」
1年生部員「そりゃ、県選抜の部長と比較したら実力は劣ると思いますけど……」
84 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/22(木) 22:39:07.81 ID:z7Uy+8zu0
女「まあ、今日の彼女は良かったとは思うよ」
1年生部員「ですよね。第3ピリオドまで、部長を抑えこんでましたもん」
女「本当にしつこいDFだったよ」
1年生部員「……すみません」
女「いいの。抑えこまれたように見せたのは事実だし」
1年生部員「見せた……?」
女「いやー。開始から凄い気合が入っててさ、うるさいのなんの。しかも、点が入るたびにドヤ顔してくるんだよ? 20点差がついた時なんて、あいつ絶頂を迎えてたんじゃないかな」
女「だからこそ、試合が終わった瞬間の、あの女の顔が最高に笑えたんだけどね」
85 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/22(木) 22:39:34.51 ID:z7Uy+8zu0
1年生部員「え、えっと……」
女「もう少し、希望を持たせてやりたかったんだけどね。あの馬鹿顧問がうるさいから、ラスト20秒で逆転することにしたよ。本当は、ブザービーターで終わらせるつもりだったのに」
1年生部員「……まさか、わざと相手にリードさせたんですか?」
女「あれ、気付かなかったの? 私が、あんなヘタクソにあれだけやられるわけないじゃん。手を抜いてあげてたんだよ」
1年生部員「どうしてそんなことを……」
女「だってあの子、私に勝とうと必死だったし。夢くらい見させてあげてもいいじゃない? 実際、幸せだったと思うよ。中学からの宿敵である私をあれだけ打ちのめしたわけだから」 女「さすがにあれだけ挑発的な顔をされると、頭にきたけどね、でも、よかったよ。あの顔が見れたんだから。全てに絶望して、生きる希望を失った、あの醜い顔。写真撮っておけばよかった」
女「本当、幸せの絶頂からどん底に落ちる人間って、見ていて楽しいよね」
86 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/22(木) 22:55:15.09 ID:z7Uy+8zu0
男「20点差を逆転されたのか……」
幼馴染「……馬鹿だよね、私。あの子を抑え込めてるなんて舞い上がっていたけれど、それはただ本気を出してなかっただけなのにね」
男「女が強がってただけだろ」
幼馴染「ううん。実際、タイムアウト明けから動きが違ったもん。……それまでは別人だったのかと錯覚するほど、スピードが違ったの」
幼馴染「だから、本当に手を抜いていたんだよ……」
男「な、何のためにそんなことするんだよ!」
幼馴染「そんなの決まってるじゃん。私なんかに本気を出す価値はないってことだよ」
87 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/22(木) 22:55:56.68 ID:z7Uy+8zu0
男「で、でも、お前だって、あの名門で部長になれるくらいの実力なんだろ?」
幼馴染「……うちの代はね、捨て学年なんだって」
男「なんだよ、それ……?」
幼馴染「私たちの代は北高が最強で全国に出る見込みがない。逆に2年生は有望な選手が揃っている。それなら、3年生よりも2年生を優先的に起用して育成しよう、っていうのが顧問の方針なんだ」
男「酷い話だな。実力でレギュラーに入れないなら諦めがつくけど、将来的なことを見越して実力の劣る下級生がレギュラーなんてさ」
幼馴染「……うん。だから、みんなもそれが納得できなくてやめちゃった」
男「だから、3年生が幼しかいないのか……」
幼馴染「私が部長になれたのはそういう理由なんだよ。3年生は私しかいないから自動的に部長になっただけなの」
88 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/22(木) 22:56:41.55 ID:z7Uy+8zu0
幼馴染「部長だけじゃない。レギュラーに入れたのだってそう」
男「そこまで卑屈になることないだろ。レギュラーを勝ち取ったのは、幼の実力だよ」
幼馴染「関東大会の予選は準々決勝で負けちゃったんだけど、その試合で私退場したの。退場した時点で15点差つけられて負けてたんだけど、そこから追い上げていったんだ……私の代わりに入った選手が大活躍してね」
幼馴染「顧問に言われちゃったよ。3年生だから試合に出してるだけだからな、一人くらい3年生を入れておかないといけないから地区選抜クラスでも我慢して起用してるだけだ、って」
男「ひ、酷すぎる! 頑張ってるやつにそんなこと言うなんてあり得ねえよ!」
幼馴染「仕方ないよ事実だもん。それに、見返してやろうって奮起したし、朝練を始めたことで男と再会もできたしね」
幼馴染「だからこそ……今日の試合を勝ちたかったんだけどなぁ……」グスッ
89 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/22(木) 23:02:31.36 ID:z7Uy+8zu0
幼馴染「もう……我慢してたのに泣けてきちゃった……」
男「幼は泣き虫だしな」
幼馴染「そう、だね……。昔から私は事あるごとに泣いてたね」
男「俺が小学校の運動会で転んだ時も高校受験で志望校に落ちた時もお前は泣いてたな」
幼馴染「……よく覚えてるね」
男「ああ。それで救われたからな」
幼馴染「私が泣いていることが?」
男「俺が落ち込んだとき幼は必ず傍にいて感情を共有してくれた。嬉しい時は笑って、悲しい時は泣いて、俺に寄り添ってくれた。それがどれだけ幸せなことだったのか、別々の高校に通うようになって痛感したよ」
幼馴染「男……」
男「……俺は幼みたいに一緒に泣いてやることはできないけど、傍にいる。お前が立ち直れるまで、ずっと」
男「だから、なんつーか、その……思う存分泣いてくれ」
幼馴染「なによ、それ……泣けとか、馬鹿じゃないの……もう泣いてるっつーの」ギュッ
男「……うん」ポンポン
幼馴染「……ありがとう」ギュウウウウウ
男「どういたしまして」ナデナデ
90 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/22(木) 23:02:59.91 ID:z7Uy+8zu0
幼馴染「ふぅ……」
男「落ち着いたか?」
幼馴染「……うん。おかげさまで」
男「そりゃ、良かった」フッ
幼馴染「……っ!」カァァ
男「ん? どうした、顔真っ赤だけど?」
幼馴染「……ど、童貞のくせにそんな風に微笑むんじゃないわよ」
91 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/22(木) 23:03:32.15 ID:z7Uy+8zu0
男「おい、大丈夫か?」
幼馴染「な、なんであんたは平気なのよ!?」
男「はぁ?」
幼馴染「〜〜〜〜〜プリン! プリン頂戴!」
男「……なんで、口開けてるんですか?」
幼馴染「いちいち言わなきゃわかんないの!?」
男「それはもうさすがに……」
幼馴染「私が立ち直るためならなんでもするんじゃないの?」
男「なんでもなんて言ってねえよ!」
幼馴染「……ダメ?」ウルウル
男「お前、それ反則だろ……」カァァ
幼馴染「さっきの微笑みのほうがよっぽど反則だったわよ」
92 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/22(木) 23:04:00.08 ID:z7Uy+8zu0
今日はここまで
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/23(金) 00:41:12.47 ID:b6/CPVIEO
乙
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/23(金) 08:58:35.24 ID:2tyuWKwB0
おっつおっつ
95 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 18:55:00.53 ID:RRr/r9DU0
男『あ、あのさ、幼……』
幼馴染『どうしたの、そんな緊張しちゃってさ』
男『今度の金曜日にバイト代が出るんだ』
幼馴染『……!』
男『来週の日曜日、幼の試合の後、バッシュを買いに行かないか』
幼馴染『……』
男『遅くなったけど、お前にプレゼントしたいんだ』
幼馴染『……本当に遅すぎるよ』
男『わ、悪い……』
幼馴染『楽しみにしてたんだから、期待を裏切らないでよね!』
男『……おう。任せとけ!』
96 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 18:55:39.53 ID:RRr/r9DU0
一か月後 月曜日 西高 体育館
幼馴染「じゃ、先に上がるねー」
副部長「……ぶっちょー」
幼馴染「なんで、不満そうな顔してるのよ」
副部長「だってえー、部長、最近帰るの早いんですもん」
幼馴染「そんなことないけど……」
副部長「ありますって! 前は1時間くらい残って練習してましたもん! 今はストレッチしたら、すぐ帰るじゃないですか!」
幼馴染「まぁ、長い時間練習しても効率悪いじゃない? それに、私が練習している間、後輩たちは帰れないから悪い気がしてた」
副部長「……彼氏でもできました?」
幼馴染「!!?」
97 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 18:56:17.34 ID:RRr/r9DU0
副部長「女ぽくなったっていうか、色気が出てきたっていうか……肌の艶もいいし、オシャレにも気を使うようになったし。なーんか、男の影がちらちらと見えるんですよねえ」
幼馴染「彼氏なんかいないよ!」
副部長「じゃあ、好きな人ができたとか?」
幼馴染「……」
副部長「……」
幼馴染「で、できたっていうわけじゃない!」
副部長「なんですか、それ……」
98 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 18:56:52.78 ID:RRr/r9DU0
幼馴染「もう変なこと言わないでよ! いい加減にしないと怒るよ!」
副部長「だってぇ……最近、部長が居残り練習に付き合ってくれないんですもん」
幼馴染「あ……」
副部長「前はあたしが納得するまで付き合ってくれたのに……」
幼馴染「……ごめんね。確かにみんなとの時間が減ってたかもしれない」
副部長「ほんとですよー。部長は居残り練習しなくてもどんどん上手くなってるし、置いてかれてる気分です!」
幼馴染「……実は朝練してるんだ」
副部長「朝練?」
幼馴染「うん。毎朝、5時に起きて近くの公園で練習してるの。その分、居残り練習を早めに切り上げてたんだ」
副部長「朝5時かぁ……起きれるかなあ」
幼馴染「えっ」
99 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 18:57:27.86 ID:RRr/r9DU0
副部長「どこの公園でやってるんですか?」
幼馴染「南中近くの公園だけど……」
副部長「あそこですかー! だったら、うちから10分くらいなんで行けます!」
幼馴染「い、いいよ、悪いし。私が居残り練習に参加するようにするからさ」
副部長「いーえ。朝5時から起きているのなら、早く寝たほうがいいですって」
幼馴染「そうだけど……」
副部長「なにか問題あるんですか?」
幼馴染「問題っていうか、その……」
副部長「……誰かと一緒に朝練をしてるとか?」
幼馴染「何でもない! 何でもないから! 一緒にやろうね!」
100 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 18:58:15.47 ID:RRr/r9DU0
帰り道
幼馴染(はぁ……。ややこしいことになっちゃったな)
幼馴染(とりあえず、朝練来ないように男にメールしておこう。日曜日のこととか話しておきたかったんだけどしょうがないか)
幼馴染(まぁ、メールでやりとりすればいいか)
幼馴染(……うん。そうだよ。むしろ、毎日会ってたここ最近のほうがおかしいんだ)
幼馴染(だから、大丈夫。……大丈夫だよね)
ブーブー
男「珍しいな。幼からメールなんて」
【しばらくの間、朝練に来ないで】
男「えぇ……」
101 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 19:09:04.65 ID:RRr/r9DU0
翌日 朝 公園
副部長「ぶっちょー!」
幼馴染「……お、おはよ」
副部長「なに驚いてるんですか?」
幼馴染「だって、合宿の時はなかなか起きない眠り姫なのに、私よりも早く公園にいるんだもん。そりゃあ、驚くよ」
副部長「ふふん。あたしだってやればできるんです!」
幼馴染「合宿の時にやってくれると嬉しいんだけどね」
102 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 19:09:34.50 ID:RRr/r9DU0
幼馴染「あれ? なんでボール持ってきてるの?」
副部長「そりゃあ、バスケの練習をするからですよ」
幼馴染「残念だけど、ステップワークしかやりませーん」
副部長「ええ……朝っぱらからハード過ぎませんか……」ウゲェ
幼馴染「そんな嫌そうな顔しないの」
副部長「だってぇ、せっかく早起きしたのにボールを触らないなんて……」
幼馴染「つまらないことをどれだけやるかが重要なんだよ」
副部長「はぁ……」
幼馴染「それにね、ガンガン走った後に食べるプリンは超美味しいんだよ。それだけできついステップワークを頑張れるから」
副部長「……プリン? えっ、プリン食べれるんですか?」
幼馴染「うん! そのうち、おと……」
副部長「部長?」
幼馴染「……練習が終わったら、近くにあるコンビニに買いに行こう」
103 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 19:10:08.46 ID:RRr/r9DU0
コンビニ
副部長「美味しいー!」
幼馴染「でしょ?」
副部長「はいっ! ただのプリンがこんなに美味しく感じるなんて!」
幼馴染「もっと本数をこなせば美味しくなるよ」
副部長「そこまでしたくはないです……」
幼馴染「私も食べよっと」パクッ
幼馴染「……?」
副部長「あー、おかわりしたくなっちゃった。もう一個たべませんか?」
幼馴染「……」
副部長「どうしたんですか?」
幼馴染「……ううん。なんでもないよ」
幼馴染(……いつもより美味しくない)
104 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 19:26:10.84 ID:RRr/r9DU0
北高 3年生教室
男「うーす」
男友「……遅くね? 最近はやけに早く登校してたのに」
男「早起きする必要がなくなったんだよ」
男友「まぁ、早起きしても得はないからな。なんなら、起きてもいいことはないまである。そのまま眠り続けていたほうがいいんじゃねえの」
男「そうだな。お前も永眠はしっかりとったほうがいいぞ」
105 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 19:26:46.27 ID:RRr/r9DU0
男「お前、いつも以上にやる気なさそうだけどどうしたの?」
男友「疲れてんだよ……」
男「あらあらお盛んですなー」
男友「出ました、童貞思考。平日にヤルわけねえだろ。猿じゃあるまいし」
男「まぁ、それもそうか」
男友「つーか、結婚するまで純潔を守るから」
男「そんなこと言ってるから、彼女持ちのくせに童貞なんだよ、お前」
106 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 19:27:12.96 ID:RRr/r9DU0
男友「つーか、お前も顔色悪くね」
男「ちょっと体がだるくてな」
男友「大丈夫か?」
男「……」
男友「なんだよ、その面は」
男「友が心配してくれるなんて思わなかったからよ」
男友「お前を看病してくれる人なんていないんだから、俺が心配してやらないと可哀想だろ」
男「余計なお世話だ!」
107 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 20:10:49.97 ID:RRr/r9DU0
昼休み 西高 バスケ部部室
幼馴染「……」ボー
副部長「部長がたそがれてるー」
幼馴染「……副部長?」
副部長「ぶっちょー、恋する乙女の顔してますよ」
幼馴染「し、してないし! ぼーっとしてただけで、あいつのことなんて……」
副部長「あいつ?」
幼馴染「な、なんでもない!」
副部長「やっぱり好きな人できたんでしょー?」
幼馴染「できたわけじゃないもん!」
副部長「だから、なんなんです、それ……」
108 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 20:12:08.75 ID:RRr/r9DU0
幼馴染「つーか、私に好きな人がいたとしても副部長に教える義務はないから!」
副部長「……そうですよね」
幼馴染「あ、ごめん……」
副部長「あたしがズバリ当ててみせましょう!」
幼馴染「……はい?」
副部長「部長の思い人を絶対に解いてみせる!」
幼馴染「……」
副部長「おばあちゃんの名に懸けて!」
幼馴染「副部長?」
109 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 20:15:22.42 ID:RRr/r9DU0
副部長「実は怪しい人物を何名かリストアップしてきたんです」
幼馴染「まぁ、面白そうだし付き合ってあげるよ」
副部長「まず一人目は男バスの部長です」
幼馴染「いや、ないから」
副部長「即答!?」
110 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 20:16:19.88 ID:RRr/r9DU0
幼馴染「だって、あいつ、彼女いるじゃん。彼女がいる男を想い続けられるほど気長な女じゃありませーん」
副部長「でも、相手に恋人がいるほうが、燃えてくるじゃないですか。絶対、振り向かせてみせる! てきな」
幼馴染「そりゃ、副部長はそうかもしれないけど、私は相手の彼女のことを考えると引いちゃうよ」
副部長「潔癖だなあ……。じゃあ、もしも好きな人に彼女ができたらどうしますか?」
幼馴染「それは……」
・
・
・
男『実は俺、彼女出来たんだ』
幼馴染『えっ……えっ!?』
男『だからもう、お前とは会わない』
幼馴染『待って、待ってよ、男!』
男『さよなら』
幼馴染『男―――――――!』
・
・
・
幼馴染「あ、会わなくなるんじゃないかなあ……」ジワッ
副部長「どうしたんですか、部長!?」
111 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 20:16:48.17 ID:RRr/r9DU0
幼馴染「べ、別に何でもないし!」
副部長「明らかに泣きそうになってましたけど……」
幼馴染「……もうこれで終わりなら、私は次の授業の準備するけど」
副部長「あります! まだありますって!」
幼馴染「じゃあ、さっさと言いなさいよ」
副部長「わ、わかりましたよ……次は軽音部の部長です」
幼馴染「……ああ、去年の文化祭でバンドやってた人?」
副部長「そうです! ボーカルを務めてたイケメンですよ!」
幼馴染「まぁ、あり得ないよね」
副部長「!?」
112 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 20:17:40.55 ID:RRr/r9DU0
幼馴染「あいつの女癖の悪さ知ってるでしょ?」
副部長「知ってますけど……でも、イケメンですよ? 女なら一度は抱かれてみたくありません?」
幼馴染「そんなに言うほどイケメンかな?」
副部長「どう見たって、イケメンでしょう!? ファンクラブができるほどですよ!?」
幼馴染「まー、私の好みではないかな」
副部長「じゃあ、どんなのがいいんですか?」
幼馴染「そうだなあ……」
・
・
・
男『……』ニコッ
・
・
・
幼馴染「……馬面、かな」
副部長「えぇ……」
113 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 20:18:44.29 ID:RRr/r9DU0
副部長「部長ってB専なんですね……」
幼馴染「そんなことないと思うけど」
副部長「でも、馬面って、要は面長ってことですよね。……ないわー。マジないわー」
幼馴染「副部長だって人のこと言えないでしょ」
副部長「なんでですかー! あたしはオラオラ系イケメンが大好物な面食いですもん! 馬面が好きなゲテモノ食いの部長とは違います!」
幼馴染「……あえてツッコミをいれないであげたけど、副部長がそこまで馬鹿にするなら、私だって言わせてもらうけどさ」
幼馴染「今、名前が挙がった2人の男は、副部長が好きだった男どもじゃないの! しかも、両方に二股をかけられた上に、ヤリ捨てされたんでしょ!? よくもそんなクズ野郎共を私の彼氏候補として挙げられたわね!」
副部長「ぶ、部長も騙されちゃったかなー、って……」
幼馴染「ヤリ捨てられて落ち込んでる副部長を慰めてたのは、誰?」
副部長「……部長です」
幼馴染「その私が、あの二人と付き合うなんて、わざわざヤリ捨てられに行ってるようなもんじゃないのよ!!」
114 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 20:19:13.17 ID:RRr/r9DU0
幼馴染「なにがリストアップよ。副部長の過去の男の名前を挙げただけじゃない」
副部長「つ、次が本命なんです!」
幼馴染「誰よ?」
副部長「西高の……」
幼馴染「ち、ちが……」
副部長「部長さんです!」
幼馴染「……何部の?」
副部長「やだなー。女バスに決まってるじゃないですか!」
幼馴染「……」
副部長「ライバル関係の2人が切磋琢磨を重ねていくうちに、相手のいい部分を知っていき、やがて恋に落ちていく……うーん! 美しい百合です!」
幼馴染「ねえよ」
副部長「あ、はい」
115 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 20:19:49.12 ID:RRr/r9DU0
西高 3年生教室
幼馴染(まったく。副部長のせいで、貴重な昼休みが潰れちゃったじゃない)
幼馴染(……男に彼女ができたら、か。その時、私はどうするんだろう)
幼馴染(まぁ、男に彼女ができるなんてあり得ないか。男のこと好きになるような物好きな女の子なんているわけ……いや、いるか。私がそうなんだから)
幼馴染(それに男が誰かを好きになる可能性だってあるんだ。私以外の誰かを愛おしいって想うことはあり得るんだ)
幼馴染(……男に会いたくなってきた。メールしてみようかな)
幼馴染(……)
幼馴染(ううん。日曜日には会えるんだし、それまで我慢しよう……)
116 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 20:21:55.19 ID:RRr/r9DU0
>>114
訂正
幼馴染「なにがリストアップよ。副部長の過去の男の名前を挙げただけじゃない」
副部長「つ、次が本命なんです!」
幼馴染「誰よ?」
副部長「北高の……」
幼馴染「ち、ちが……」
副部長「部長さんです!」
幼馴染「……何部の?」
副部長「やだなー。女バスに決まってるじゃないですか!」
幼馴染「……」
副部長「ライバル関係の2人が切磋琢磨を重ねていくうちに、相手のいい部分を知っていき、やがて恋に落ちていく……うーん! 美しい百合です!」
幼馴染「ねえよ」
副部長「あ、はい」
117 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/03/28(水) 20:22:23.70 ID:RRr/r9DU0
今日はここまで
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/28(水) 21:34:31.44 ID:zv9VgqWWo
可愛いなぁ幼馴染ちゃん
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/28(水) 23:12:26.06 ID:5lfnDps60
今年を捨て学年にしても、北高って、来年以降もくっそ強くないか?
1年に女妹ちゃんと男友妹ちゃんおるわけでしょ?
120 :
◆TMTTBwd/ok
[sage]:2018/03/30(金) 00:40:30.67 ID:X5sfUY020
コメントありがとう!
>>118
可愛いって言ってくれてありがとう! 前作のヒロインと比較して、幼馴染は可愛いって言ってもらえないから自信失ってた。
本当にありがとう。今後ともよろしく!
>>119
今後、作中でその辺に言及することはないと思うのでここで回答するね。
北高は1年と3年に有力選手が揃ってる。つまり、2年生の代は谷間の世代。
逆に西高は2年生に有力選手が集まっていて、北高から県内王者の座を奪い返す絶好のチャンス。なので、現3年を捨てて2年の育成に力を入れてるっていうこと。
わかりづらくてごめん。
また疑問に思ったことがあったら、ガンガン質問してね!
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/03(火) 06:03:23.52 ID:n7exnQOf0
最近ちょっと見てなかったら、続きでてたのかー
応援してるぞ
122 :
◆TMTTBwd/ok
[sage]:2018/04/04(水) 02:49:44.42 ID:hYwXPhdi0
>>121
ありがとう!
全力で頑張ります!
123 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/04/08(日) 21:50:07.73 ID:USOiCkgC0
金曜日 朝 公園
副部長「……」ハァハァ
幼馴染「さぁ、ラスト3本だよ。キツイだろうけど頑張ろう」
副部長「あた……しは……よゆ……うですよ」
幼馴染「なに言ってんのよ。息も絶え絶えなくせに」
副部長「な……んで……ぶっちょー……はよゆうなんで……すか」
幼馴染「私は走り込んできたからねー。ステップワークをサボってきた副部長とは違うんです」
副部長「……この体力お化けが」
幼馴染「なんで、悪口を言うときは呼吸整ってんのよ!」
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/04/08(日) 21:58:16.86 ID:BHKPBdw10
草
125 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/04/08(日) 21:59:30.79 ID:USOiCkgC0
・
・
・
副部長「朝練終わりのプリンは格別ですー!」
幼馴染「さらに追い込んだら、もっと美味しいよ」
副部長「そこまでしてまで味わいたくないです……」
幼馴染「そう? 美味しいのに」
副部長「そんなこと言ってるわりには全然食べてないじゃないですか」
幼馴染「……なんか、食欲なくてね」
副部長「やっぱり体調悪いんですか……?」
幼馴染「ううん。そういうわけじゃないけど……」
副部長「……みんな、心配してるんです。最近の部長、元気なさそうだから、どこか悪いのかなって」
126 :
◆TMTTBwd/ok
[saga]:2018/04/08(日) 22:05:54.03 ID:USOiCkgC0
幼馴染(なにやってんだろ、私。後輩たちに心配をかけるなんて……)
幼馴染「ごめんね。心配かけて……」
副部長「いえ、そんなことはいいんですよ! それよりも部長の体調のほうが……」
幼馴染(しっかりしなきゃ。部長の私がこんなんじゃ、日曜日の総体予選で勝てない)
幼馴染「体調は大丈夫なんだけど……」
副部長「なら、どうして元気ないんですか……」
幼馴染(わかってる、わかってるけど……)
幼馴染「それは……」
幼馴染(男に会いたくてたまらないの……)
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