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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/14(水) 13:09:31.84 ID:SF3+G1lX0
捏造過去SSです
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1521000571
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/14(水) 13:10:01.95 ID:SF3+G1lX0
1
小煩い店長をぶん殴って自宅謹慎になってから3日が経とうとしている。ぶん殴る直前まではあちらが悪者だったはずだが、店長が後ろの棚まで吹き飛び、商品のコート(¥18,000)に埋もれながら、よろよろと起き上がる頃には悪者という役はわたしに移っていた。やりすぎた。完全にやりすぎだった。物事には限度がある。もう20代も後半に差し掛かっている大人なのだから限度くらい弁えているつもりだった。いくら店長が普段からわたしたちにパワハラと呼ぶような行為をしてきていたとはいえ、いくら後輩ちゃんが理不尽に怒鳴られていたとはいえ、殴り飛ばすのはやりすぎだったのだ。怒鳴られていた後輩ちゃんですらドン引きし、わたしを庇ってくれることはなかった。
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/14(水) 13:10:42.69 ID:SF3+G1lX0
わたし佐藤心はアパレル店の店員だった。過去形(笑)。ようやく正社員として働ける場所を見つけられたのに、あんな店長の下について働くことになるとは。店長がいない日には女子共で集まり、店長をぶん殴ってやりたいなんて冗談ぽく話していたが、まさか本当に殴り飛ばすバカがここにいるとは同僚たちも驚いていたことだろう。自宅謹慎なんて形を取っているが実質クビだ。そりゃそうだろう。警察沙汰にならなかっただけでわたしは感謝するべきだ。
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/14(水) 13:11:11.56 ID:SF3+G1lX0
服飾系の専門学校を出て、ファッションデザインの仕事なんて転がってないかなと、のんびり探していた20歳ピチピチのわたしに現実を叩きつけてきたのは、自宅アパートのポストに積まれた公共料金の請求書たち。世の中、普通に暮らしているだけでとてもお金がかかるんだなあとびっくりする。シャワーを浴びるだけで水道代もガス台もかかる。地球上にはあんなに水があるのに、どうしてわたしがシャワーを浴びる程度のことにお金がかかるんだ。なんて文句を言いたくもなるが、とにかくお金がいる。デザイナーの仕事はアルバイトでもしながら見つけよう。と、夢見る若者らしく、わたしはフリーターとなった。
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/14(水) 13:11:40.86 ID:SF3+G1lX0
フリーターになり、そうこうしてるうちに5年が過ぎた。生きていくので精一杯の日々。街ですれ違うあの綺麗なお姉さんも、あの禿げたおっちゃんもみんな生きるために働いている。みんな凄い!偉いぞ☆フリーターとして時給換算で長時間労働してきたわたしには正社員という立場が輝いて見えていたが、なったらなったで待っていたのは数字だとかノルマだとか管理だとか責任だとか。その上、直属の上司である店長はパワハラ人間。働くってとても大変、生きるってとても大変。生きることに必死になりすぎていたせいで、いつの間にかファッションデザイナーになりたいという気持ちは、部屋の隅のミシンと一緒にホコリを被っていた。
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/14(水) 13:12:06.71 ID:SF3+G1lX0
そういえば来月の給料はどうなるんだろう。有給なんて使ったことないし(あるのかどうかすら知らない)、謹慎中はそれが充てがわれるのだろうか。そうじゃないと、家賃も電気代もガス台も水道代だって払えない。そこで思い出した。わたしは給料日の度に宝くじを買っているのだ。なんでかって?なんでだろう。誰かが言っていたが、多分夢を買っているのだ。2億だとか3億みたいなお金が入ってくる夢。生きていくためにそれをアテにしているのではない。数週間前に6つの数字を選ぶタイプのものを買った記憶があるが、まだ当選確認をしていない。どうせ当たってないからチェックするのも気が滅入る。結果を確認さえしなければシュレディンガーの宝くじだ、この部屋に3億の価値がある(かもしれない)くじが転がっていることにしよう。チェックは今度でいいや。
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/14(水) 13:12:33.86 ID:SF3+G1lX0
自宅謹慎とはいえどもお腹はすく。別に家を出ちゃいけないわけではないので、コンビニに買い物へ行くことにした。外の空気は冬が終わりかけているのか、思っていたほど寒くない。パジャマにコートを羽織るずぼらファッションでも十分耐えられる空気の冷たさだ。コンビニに着き、弁当を選んでいるとスマホが震える。電話だ。妹くらいしかわたしに電話を寄越す人物はいないが、画面に表示されるのは知らない番号だ。一旦、弁当を棚に戻し店の外に出て電話を取る。
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/14(水) 13:13:02.78 ID:SF3+G1lX0
「◯◯店の佐藤さんです?」
はいそうですが?
「本社人事部の△△です」
わーお、会社の人だ
「これからどうするつもりですか?」
ははーん、こいつはわたしの口から辞めるって言わせたいんだな
「聞いてます?」
聞いてる聞いてる、辞めるぞ☆
「そうですか、じゃあ手続きがあるので一度本社まで来てもらえますか?」
はいはい
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/14(水) 13:13:40.16 ID:SF3+G1lX0
電話はその要件だけで切れた。辞めるって言ってしまった。こういう時、後先考えないのがわたしの悪い癖だ。無職誕生である。おめでとう。要件だけ言って切りやがって仕事人間が。あの店長があれからどうなったか聞きたかったのだが。ともかくもう辞めるんだし、顔を合わせることもなさそうだ。寂しいな、ぐすん。さて、辞めるとなったら本格的に生活を心配しなくちゃならない。働かざるもの良い物食うべからず。貯金も少ないし、コンビニ弁当なんか食べてる場合じゃないな。スーパーでもやしでも買おう。
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