未央「暇だね」藍子「暇ですね」

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2 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:30:22.09 ID:UNZskKHx0

未央「犬!」

藍子「ハムスター」

未央「チンチラ」

藍子「カワウソ」

未央「キツネ」

藍子「スズメ、とか」

未央「……もう思いつかないねー」

藍子「そうですね」

ガチャ

モバP「あ゙ー疲れた、ったく椅子ぐらい自分らで片付けろっての……どしたん君ら?」

未央「あ、プロデューサー!」

藍子「お疲れ様です」

P「おーお疲れ様。で、何してんの?」

未央「暇つぶしだよ」

P「暇つぶしねぇ……なんか動物の名前が聞こえてきてたけど」

藍子「もふもふな動物を言い合ってるんですよ」

P「へぇ。そりゃまた何で」

未央「あかねちんが居ないからね」
3 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:30:57.96 ID:UNZskKHx0

P「あいつ今日はロケで地方に一泊だもんな。で、茜がもふもふな動物とどう関係するんだ?」

未央「あかねちんってほら、もふもふじゃない? 髪の毛いっぱいだし」

P「確かに」

藍子「ハムスターとか犬に似てませんか?」

P「……飛躍しすぎじゃね?」

未央「想像してみてよプロデューサー。あかねちんと、机の上に置かれたご飯」

P「…………」

藍子「美味しそうなご飯を前に、涎を垂らす茜ちゃんです。でも茜ちゃんはまだご飯に手を付けないんです。お預けされているんです」

未央「……犬だよね?」

P「待って、まだ分かんない」

藍子「ドッグフードを前にして、でも『待て』と命令されているから待機してる犬を想像してみてください。……すっごく、似てませんか?」

未央「……もう、犬だよね?」

P「…………」

P「…………確かに」
4 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:31:24.86 ID:UNZskKHx0

未央「それでね、あかねちんのお預けがね、解除されるんだよ」

藍子「そうしたらですね、茜ちゃんは満面の笑みでご飯を頬張り始めるんですよ」

未央「……これはもう、ハムスターだよね?」

P「待って。置いていかないでくれ」

未央「えぇ……? 物分かりが悪いなぁプロデューサーは」

藍子「ハムスターってほら、よく頬にヒマワリの種を入れてるじゃないですか。あんなイメージですよ」

未央「……これはつまり、ハムスターだよね?」

P「…………」

P「………………」

P「………………確かに」
5 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:31:56.69 ID:UNZskKHx0

未央「あかねちんってさ、よく夕日に向かって走ってるじゃん?」

未央「…………犬じゃん!」デデーン

P「何そのオーバーリアクション。よく分からないんだが」

藍子「犬ってボールとかフリスビー投げたらそっちに向かって走っていきますよね」

未央「…………」

未央「…………それはもう、犬だよね? 犬っぽいというより、もう、実質犬だよね?」

P「…………」

P「………………」

P「……………………」

P「……………………確かに」
6 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:32:25.16 ID:UNZskKHx0

未央「動物ってさ、人を癒す力があるんだよね」

P「あー、駅前にセラピードッグ集団とかたまにいるもんな」

未央「ねぇプロデューサー。癒しを取り除かれたら人はどうなると思う?」

P「……さぁ?」

未央「こうなるんだよ」グデーン

藍子「未央ちゃん今朝からずっとこの調子で……」

P「ああ、それで元気がないのか。パッションなのに」

未央「パッションなのにね」グデーン

藍子「現実に茜ちゃんがいないなら、脳内の茜ちゃんに頼るしかないってことで、茜ちゃんに似てる動物を挙げてたわけです」

P「ハイレベルだなぁ。茜の写真とかでいいじゃないの」

未央「試してみたけどピンと来なくて」ダラーン

藍子「写真の中の茜ちゃんは動かないですからね」

未央「よくブレてるけどね。しかも何故かあかねちんだけ」
7 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:32:56.11 ID:UNZskKHx0

未央「ああーもう! 暇だよ暇!」ガタン

P「やおら立ち上がったな」

藍子「やおら立ち上がりましたね」

未央「普段ツッコミ不足で嘆いてるけどさ、ボケがいないのも困りものだよね」

藍子「茜ちゃんはボケてるんじゃなくて真面目に受け答えしてるつもりなんだと思うけど……」

未央「そうだあーちゃん、代わりにボケやってよ!」

藍子「えぇ?!」

P「急に生き生きし始めたな」

未央「ねぇプロデューサー! あーちゃんのボケ見てみたいよね?」

藍子「ちょっと、や、やめてよぉ」

P「そりゃ見てみたいけどさ」

藍子「プロデューサーさんも……」

未央「よーし決まり!」

藍子「うぅ……」

未央「じゃああーちゃん、なんかボケて! 321はい!」

藍子「……って雑ですよ!!! もっと環境整えてくださいよ!!!」クワッ

P「おー。鋭いツッコミ」

未央「キャラ崩壊してない? 大丈夫?」

藍子「…………///」カオマッカ

P「うわ、めっちゃ照れてる」

未央「写真撮ろっと」パシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャ

P「怒涛の10連射だ」
8 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:33:29.18 ID:UNZskKHx0

藍子「意外とツッコミって出来るものなんですね」

未央「あーちゃん才能あるんじゃないの? ところでスマホ返してほしいな」

藍子「そんな才能要らないよぉ……」

P「バラエティ系の番組に出たこともあったし、多少鍛えられたのかもな」

未央「あーちゃんの意外な一面を発掘したよね。ところでスマホ返して。うん、謝るから」

藍子「私は怒りました。絶対にスマホは返しませんっ」プイッ

未央「ごめんよあーちゃん。消すから。『最近削除した項目』からも消すから」

藍子「……本当に?」

未央「本当だよ」

藍子「絶対に消しますか?」

未央「もちろん!」

藍子「神に誓って?」

未央「神に誓って!」

藍子「でも本当は?」

未央「消す前にあかねちんに送る」
9 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:33:58.31 ID:UNZskKHx0

未央「嘘嘘嘘! ジョークだよ! 未央ちゃんジョーク! ああっ返して!」

藍子「もう怒りました。どんな手段も辞しません」

P「2人とも好戦的だなぁ」

藍子「パスコードをわざと間違え続けて、50年はロック解除できないようにしちゃいますからね」

未央「それ冗談じゃ済まないやつだよ! ホント謝るから! プロデューサーもしみじみ眺めてないで手伝って!」

P「どう手伝えと」

藍子「ふんだ。スマホのカバーをきらりちゃんのと交換しちゃいます」ツーン

未央「絶妙に恥ずかしいからやめて!」

P「きらりに失礼じゃないか?」
10 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:34:51.76 ID:UNZskKHx0

未央「散々な目にあった」

P「返してくれたからいいじゃないか」

未央「まぁね。ところで、あーちゃんがレッスンに行っちゃったからなおさら暇なんだけど」グデーン

P「また元気がなくなったな。パッション切れか」

未央「そんなパッションを充電とかガソリンみたいに言わないでよ」ダラーン

P「溶けたバターみたいだ」

未央「……あーちゃん、なんだかんだノリノリだったね」

P「そうだな」

未央「写真、欲しかったなぁ」

P「消されちゃったからな」



未央「でさ、あかねちんの話の続きなんだけど」

P「あぁ、まだあの話続いてたのな」

未央「プロデューサー、他にもふもふな動物思いつかない?」
11 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:35:17.63 ID:UNZskKHx0

P「えぇ、急だな…………タヌキとか」

未央「タヌキねぇ……あんまりあかねちんっぽくないかも。のろまなイメージだし」

P「確かに。茜は素早いもんな」

未央「他には?」

P「そんな急に言われてもなかなか思いつかんよなぁ……テンとか」

未央「テン……って何?」

P「えっ、知らない? カワウソみたいな見た目の」

未央「ちょっと調べてみるね……あっなにこれ! かわいい! ぬいぐるみみたい!」

P「だろ? 飼いたいよな」

未央「飼えるの?」

P「さぁ」

未央「ペットショップには売ってないよね」

P「そりゃね。見たことないし」

未央「ちょっと調べてみるね。……『テン 飼える』で検索っと」

P「そんなので欲しい情報出てくるのか?」

未央「あ、それっぽい内容のヤ〇―知恵袋がヒットしたよ」

P「出てくるのかよ」

未央「許可を取れば捕獲可能らしいよ」

P「マジか」

未央「あかねちん、足早いし捕まえてくれるかもね」

P「さすがに期待しすぎじゃないか?」
12 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:36:47.75 ID:UNZskKHx0

未央「ふと思ったんだけど」

P「おう」カタカタ

未央「漫画とかでさ、ウワサされてると、当の本人がくしゃみするシーンってあるじゃん?」

P「そうだな」カタカタッターン

未央「……あかねちん、今日一日ずっとくしゃみしてそうだよね」

P「確かに」カタカタ

未央「ロケ撮ってるのにね」


P「くしゃみと言えば、茜って風邪引かないよな」

未央「そうだね」

P「…………」

未央「……今さ、あかねちんに失礼なこと言おうとしてなかった?」
13 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:37:50.14 ID:UNZskKHx0

P「…………そんなまさか」

未央「じゃあ今の間は何なの?」

P「……いやいや、あいつアレでいて結構賢いんだよな」

未央「……具体的には?」

P「敬語が上手」

未央「あー、確かに。あの子、体育会系だもんね」

P「局のお偉いさんと話してるときとかでも、結構安心して見てられるんだよな」

未央「私と話すときでも、未だに敬語なんだよね」

P「そういえば茜がタメ口で話してるの見たことないな」

未央「……あかねちんのタメ口を聞きたい!」

P「今度頼んでみたら?」

未央「そういうんじゃなくてさ、もっとこう、自然な形で聞きたい」

P「でも、茜がタメ口でしゃべる相手って存在するのか?」

未央「家族とかは?」

P「さすがに家族相手ならタメ口だよな。『斜陽』じゃあるまいし」

未央「あかねちんの家に遊びに行くしかないね」
14 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:38:49.96 ID:UNZskKHx0

P「そういえば、未央って茜の家に行ったことないのか?」

未央「ん、無いよ?」

P「へぇ、なんか意外だな」

未央「そりゃ、栃木は遠いからね。2時間かかるもん」

P「地理的な問題か……」

未央「他県は他県でも千葉とは大違いだよ」

P「間に埼玉あるもんな」

未央「埼玉県がなかったら近いのになー」

P「埼玉がなかったら色々困るぞ」

未央「ホントに?」

P「仮にさ、埼玉が栃木だったらどうなるんだろう。仮にね」

未央「…………」

P「…………」


未央「栃木スーパーアリーナ」

P「栃木西武ライオンズ」

未央「栃木新都心」


未央「…………」

P「……語呂悪っ」

未央「埼玉が4文字で良かったよ」
15 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:39:26.94 ID:UNZskKHx0

P「茜って2時間かけてこっちまで来てるのか」

未央「あかねちんは早起きできる人だから行きはいいんだけどね。帰りは大体晩御飯の時間に直撃するんだよ」ペラ

P「あー、想像に難くないな」

未央「例えばさ、夕方の5時とかに事務所を出るじゃん?」ペラ

P「……家に着くころには19時とかになってんのか」

未央「そ。なんかさ、申し訳ないよね」カキカキ

P「未央が申し訳なく思うことはないだろ」

未央「まぁね。でもこういうのは理屈じゃないのよ」カキカキ



P「…………ところでそれ、クロスワードか?」

未央「あー、うん。あーちゃんのレッスンが終わるまでの、暇つぶし」

P「あれ? もしかして藍子を待ってたのか」

未央「え、そうだよ? むしろ他になんか理由ある?」

P「ずっとこんなところで何してんのかなーって」

未央「私を何だと思ってるのさ」
16 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:40:09.78 ID:UNZskKHx0

未央「ところでプロデューサー」

P「……ん」カタカタ

未央「未央ちゃんね、手持ちが1000円なのです」

P「…………」カタカタ

未央「あーちゃんと行きたいお店があってね、美味しいお肉が食べれるんだけどね」

P「…………」カタカタ

未央「そのお店の食べたいセットがね、1080円なんだ」

P「……オーケイ未央。ステイ、ステイ」

未央「なんで言い方が洋画チックなの?」

P「みなまで言わずともわかるさ。つまり未央はさ、アレだろう?」

未央「察しが良くて助かるよプロデューサー。たまにはね、アリだと思うんだ」

P「つまり未央は――」

未央「うんうん♪」
17 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:40:55.11 ID:UNZskKHx0

P「80円貸してほしいわけだ」

未央「ちがーう!!!」ガタン

P「えっ?」

未央「仮定の話だよ? もしね、残金0円で家に帰ろうとしてさ、途中で何かあったらどうするの? 私カードとかも持ってないんだよ?」

P「確かにそれは大変だ。じゃあ何かあったときのために500円を追加しよう」

未央「合理的だけども! すごく理にかなってるけれども! もープロデューサーは! 財布の紐が堅いなぁ!!!」

P「ハハッ冗談さ。俺だって社会人の端くれだ。1000円や2000円ぐらい奢ってやろうとも」

未央「ホントに?! やったぁ!!!」ピョンピョン

P「――ただし、条件がある」

未央「さっきから何で洋画チックなの? 条件って何さ!」

P「いや、言ってみたかっただけだけど」

未央「えぇー……」
18 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:42:16.63 ID:UNZskKHx0

P「そうだ未央、こういうのはどうだ? 藍子がレッスンから帰ってくるまでに、そのクロスワードを解ききったら、2000円ぐらいのセット料理を奢ってやろう」

未央「……ホント!? 言ったね? 未央ちゃん本気出したらすごいんだよ?」

P「ほう……具体的には?」

未央「ネットで答えを調べる」

P「ちょ、おま  ガチャ 藍子「お疲れ様ですー未央ちゃん待たせちゃってごm  

未央「ああああーちゃん!? ちょ、ちょ〜っと早すぎるよ!!!」

藍子「え、えぇ? み、未央ちゃん、え? なんで外に? え?」

未央「あーちゃん、ちょっと外で待っててね」

藍子「え、えぇ? 未央ちゃんどうしたn」ガチャン


P「…………」

未央「…………」

P「……今の、シンプルにひどくないか?」

未央「……今のはね、あーちゃんの影武者なんだよ」

P「言い訳下手すぎるだろ……」
19 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:45:28.43 ID:UNZskKHx0

藍子「もう! 今日の未央ちゃんは酷いですっ!」プンスカ

未央「ごめんよあーちゃん。私はどうしてもハンバーグにエビフライをつけたかったんだ。およよよよ……」

藍子「プロデューサーさん……どうしても、だめですか?」

P「そんな捨て猫のような顔で見ないでくれ…… 分かったよ、藍子に免じて2000円のを奢ってやろう」

未央「ホント?! やったぁ!!!」ピョーン

P「今日だけな。……すげえ嬉しそうなのな」

未央「それはほら、演技派だから」

P「演技派」



P「んじゃ、出る準備しろよー」

未央「あいあいさー!」

藍子「はーい♪」

20 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:46:10.92 ID:UNZskKHx0


―― 一方その頃 ――


茜「っくしゅん!!!!!」

茜「……花粉症ですかね?」ズビー


おわり

21 : ◆YF8GfXUcn3pJ [saga]:2018/03/13(火) 14:47:47.57 ID:UNZskKHx0

読了ありがとうございました。
気分の赴くままに書くのも悪くないですね。書いててすごく楽しかったです。
日野茜はかわいい。みんなも日野茜を愛でよう! あと空想探査計画を聴こう!

過去作
高森藍子「終末旅行」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1499442756/
高森藍子「観察日記」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515091247/
もよろしくお願いします。
※過去作は本ssと無関係です
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 20:42:30.70 ID:i/zTLECjo
おつ
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