戦士「うはwwwww勇者逃亡したwwwwww」

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19 : ◆ALICE6.PAk :2018/03/13(火) 14:25:09.97 ID:Ro/E0HG/0
今戻った
現在なんとか群れから離れて、ダンジョンのメイン通路の外れで休んでる

道を進んだ先にはやっぱりゴブリン(Lv5)が居た
しかも数がヤバい。ざっと見ただけでも6匹程度居る。しかもその奥に、まだ何匹か潜んでるのがわかった
奴らが居た道はダンジョンのメイン通路で、普段は魔物避けの魔法が施されてる
けどなんでか奴らは平然とそこに居た。魔物避けが切れてたのかな?
ゴブリン達は何かを取り囲んで、そこで魔物語で作戦会議をしているように聞こえた

さて、俺たちはそんなゴブリンを曲がり角から覗き見てた
俺と僧侶はここから取り敢えず逃げて別の道を探すってことで完全に意見が一致
ただ魔物語を聞いてた魔法使い(このパーティで唯一魔物語がわかる)の様子が途中から変になって
青ざめたかと思うと、いきなりゴブリン達に突撃していこうとすんの
流石に俺だけじゃなくて僧侶も困惑
二人で羽交い締めにして抑えてたんだけど、そんな事をしてたらゴブリンに見つかるに決まってるわな

そこからはもう大苦戦
もともと相手は数が多い上に、レベル的にも格上の相手だ
俺は前線でなんとか敵の攻撃を抑えるのに精一杯。とにかく後衛二人に攻撃がいくのはまずいから、なんとか相手を抑えてた
僧侶は必死で俺を回復してくれてたが、もともと一番レベルも低いからな。流石に回復量は追いつかない
魔法使いは必死の形相で魔法を連打してた。いつもは魔翌力が残るように調整して使ってたのに、魔翌力全開で大技連打。
当然前線にいる俺も、何度もフォローファイアを食らいそうになった。本当に勘弁してほしいぜ。
ただ魔翌力最大の[炎の矢]が2体のゴブリンを一気に始末してから、向こうも流石にその威力にビビったみたいだった。
そのうちに俺が前線の1匹を斬り殺して、まだ戦おうとする魔法使いを引っ掴んでなんとか撤退。
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 14:31:33.81 ID:jD4NIzBu0
多分ゴブリン共が逃げる勇者を馬鹿にしたんだな。
ところで僧侶と話出来たのか?
21 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/13(火) 14:39:09.23 ID:Ro/E0HG/0
で、今はダンジョンのメイン通路の外れで休んでる
僧侶には魔物を近づけさせない[光の結界]って魔法があるんだけど、まだこいつには使えないらしい
仕方がないから火を消して、できるだけ縮こまってる感じだ

俺は全身に結構な切り傷はあるけど、致命的な傷は幸運にも無かった。まあ頑丈さだけが取り柄だからな
ただ出血がそこそこ危なくて、戦闘終了後すぐは文字も打てないくらい手が震えてたし、頭もなんかぼうっとしてた
僧侶の回復魔法と俺がアホみたいに買い込んでた[ヒーリングポーション]のおかげで立ち直ったけど、もうこんな危ない戦いは勘弁してほしいぜ

僧侶は大きなキズらしいものは無いけど、魔力を結構消費してしまったらしい
俺が傷だらけのときはなんだかんだずっと回復魔法や傷の手当をしてくれたからな。こいつは無愛想で性格は悪いが、仕事への真面目さだけは心底尊敬できる
今は横たわってる魔法使いを手当てしてる

で、魔法使いだが
俺に抱えられて逃げてる間、こいつは本当に必死の形相で早く戻らないと、早くしないとばっかり叫んでた
なんでだよって聞いても良いから早くの一点張り。話にもなりゃしねえ
僧侶からとりあえず落ち着いてって言われた時すら、全然落ち着いた様子が無かった
こんなに取り乱したコイツは幼馴染の俺でも初めて見るぜ

今は魔力切れが祟ったのか静かに寝てやがる
散々暴れた挙げ句に寝るとか、こいつはお嬢様か何かかよ
人間の魔力はガス欠になると回復に丸一日かかるらしいし、こいつは暫く起きないだろうな
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 14:40:58.68 ID:kXXIicnJ0
勇者が殺される話かも、早く起こして事情を聴こうず
23 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/13(火) 14:44:21.18 ID:Ro/E0HG/0
>>15
確かに、それぐらいはする約得があるかもしれんな
魔法使いが起きたらちょっと提案してみるか
何を要求しようかな。案とかあるか?

>>16
先々進むのは良いが、罠を踏み込んで回復が間に合わないのが怖いかな……
とりあえず本当に魔力が切れてるのが痛いところだ
街でなら幾らでも切れてくれていいが、ダンジョンでやられるとこっちも困るからな

>>17
まあ勇者は、奴以外にもあと数十人は居るらしいしなあ
他の勇者達はもっとぶっ飛んだやつも居て、ずっとこのダンジョンで暮らしてるのも珍しくないらしい
もしこのダンジョンをもっと潜っていれば、他の勇者にも会えたのかなあ
とはいえ勇者がいなくなった今、パーティも帰り次第解散なんだろうが
24 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/13(火) 14:49:11.47 ID:Ro/E0HG/0
>>18
しかも自分が強いと散々吹聴してのコレだからな……
まあ帰ったら幾らでも馬鹿にできるんだ。良い弱みを掴んだと思ってるぜ

>>20
僧侶は今は魔法使いの側で看護してるよ
話しかけたいのは山々なんだが、こいつ無口でほんと俺に話しかけないからな
魔法使いとは良く喋ってるくせによ
こっちから話しかけたいのは山々なんだが、女の子と二人きりだと思うと、会話が思いつかないんだ
こういう時、童貞はつらいぜ……

>>22
魔力が切れちまった人間は、ある程度魔力が回復するまでは目を覚ませないんだ
本当に無防備になるから、特に女性の魔法使いは、魔力はある程度温存しとくもんなんだぜ
だからこそコイツも普段は温存させてるんだよな
それをここまで焦って魔力を使うなんて、初めて見たぜ
25 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/13(火) 14:51:39.80 ID:Ro/E0HG/0
このままメイン通路を進めば帰れるんだろうが、さっきのゴブリンが警戒して歩き回ってるのがここからでも聞こえてくるぜ……
とはいえ端道に進んだら、今度は入り組んだ迷宮が待ってる。迷宮区は殆ど探索が行われてない場所ばっかりだから、宝もあるが罠もたんまりだ
ここにずっと居ると、いつゴブリン達に見つかるかわかったもんじゃねえ

さて、どうしようかね
お前らの知恵を貸してくれ
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 14:56:03.15 ID:kXXIicnJ0
ゴブリンって弓使う?使わないなら洞窟の上の空間に潜むという手が…
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 14:57:41.34 ID:xEGB2xO90
出来るだけ客観的に彼我の戦力差を教えろ

自分は敵を突破する方向で考えるから
28 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/13(火) 15:15:09.21 ID:Ro/E0HG/0
>>26
少なくとも俺が見た群れの中には居なかった
魔物図鑑には弓を持つゴブリンの目撃情報はあるな
ただ1Fの奥底にあるゴブリンの本拠地にしか居ない筈だから、入り口付近のこの辺に居る事はまあないだろう
弓や魔法を扱うゴブリンは、奴らにとってビショップやナイトに等しいからな

あと俺は多少の凹みに捕まっていられるが、僧侶まで隠れるスペースは難しいかね……
魔法使いも背負って行かなきゃいけないんだ。これがかなりキツい

>>27
こっちの戦力は>>2に書いたままだ。追加で言うなら装備品以外の持ち物だが


・[ヒーリングポーション]*5
・[安物の砥石]*3
・[松明]*2
・[安物のナイフ]*2
・[寝具]
・[食器と携帯鍋]
あとは全員の携行食と水が4日分程度か

魔法使い
・[魔法の触媒(火/下級)]*11
・[ヒーリングポーション]*2
・[ブランドモノのナイフ]
・[寝具]

僧侶
・[聖典(下級)]
・[ヒーリングポーション]*3
・[瑞々しい薬草(4日)]*8
・[うさぎのぬいぐるみ]
・[寝具]

敵の戦力だが、正直正確には図りきれん
とりあえずゴブリン自体はLv5の魔物でもかなり弱い方だ。1体1でなんとか俺が優勢、万全の回復魔法アリなら1体2でも俺が勝てるだろう
ただ3体以上になると厳しい。奴らは近距離武器を用いての近距離戦しかしないので全く歯がたたないことはないが、如何せん前衛で数の違いは絶望的だ
遠距離の魔法や矢があれば、大分状況は好転するが……

あと、一応ゴブリンにも魔法を使うやつは居る。ゴブリンメイジ(Lv8)って奴だな
レベルを見ればわかると思うが、他のゴブリンとは一線を画するほど強いし、何より頭がいい
まあ前述した通りこいつ等は普段奥で籠もってるから、ここまで来ることは無いだろうが
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 15:26:31.20 ID:kXXIicnJ0
狭い通路で敵を誘い出して即死攻撃繰り出したらいいんじゃない?首落とし、一刀両断、etc…
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 15:28:48.08 ID:xEGB2xO90
音を立ててよそ見してる間とかに奇襲(バックアタック)を仕掛けられれば回復込みで3匹行けそう
でも警戒してる奴等を倒しても、控えてる奴等が出てきそうだな……
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 15:30:58.29 ID:xEGB2xO90
魔法使いが起きたら昔みたいに普通に話してくれって言うのはどう?
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 15:31:55.15 ID:b7TwhBsDO
>>29
それよく言われるけど、味方の屍も踏み越えてとにかく圧で攻めてくるようなのに対しては逆に逃げ場が無い分マイナスになる
文字通り味方を盾にして突撃してくるぞ

少なくとも言語能力がある程度の知能があるのは判ってるから交渉してどうこうするって余地もあったんだけど
肝心の交渉役がダウンしてるからどうしようもない

これ逆にダンジョン進んで下の階層の階段付近で待機して別のパーティに助けてもらうのが現実的なんじゃないかと
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 15:34:23.00 ID:jD4NIzBu0
>>29->>30
奇襲狙うなら曲がり角だな。首落とせば叫ばれて仲間呼ばれる事も無いだろう。

ナイフは安物なんだろう?帰れれば買えるだろうし投げナイフとしてみるのはどうだ?
もしもゴブリンメイジが来たら口目掛けて投げろ。詠唱を止められるだろう。
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 15:36:37.74 ID:kXXIicnJ0
奥へ進んだら死ゾ。>>33の戦法をやろう。
障害物は全部デリートして洞窟を抜けよう(ガンギマリ)
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 15:51:55.75 ID:kXXIicnJ0
あ、僧侶の好感度稼ぎに「私が死んでも、諦めずに生きてほしい」とか言うといいと思う
36 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/13(火) 15:59:34.87 ID:Ro/E0HG/0
ついさっき、ここに偵察役のゴブリンがやってきた
装備は石斧。ゴブリンが一般的に装備してる武器だな
殺すと逆に怪しまれると思って暗闇に隠れた。一先ず見つからなかったようで安心だ
とはいえ、パーティは誰も[隠密]技能を所持していない。長くは保たないな。早く行動を決め打とう

>>29
1匹1匹ならそれでも良いだろうが、姿を見せたり音を晒せば間違いなく団体でやってくるだろう
1匹目は奇襲で殺せても、2匹目以降が不安だな
相手の総数が分からないのが怖いところだ

>>30
こっちから仕掛ける場合、それが一番良い手かもしれないな
ナイフでも投げればそっちの方を向くだろうか……
ただ奥にどれだけ居るかが判らない。ゴブリンは数の多い種族だしな

>>31
もし生きて帰れたらそうしてみよう
ただここ数年でアイツもがらっと雰囲気が変わってしまったからな
昔は俺にひっついて離れないようなおとなしい子だったんだが

奇襲をするか、奥まで進んで助けを呼ぶか、見てる感じふたつにひとつか
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 16:05:30.80 ID:JwEKSDfK0
>>36
魔法使いが起きて普通に話してくれっていうのは面白くないから
俺達は遊びをやってるんじゃねえぞ!ってシリアスしよう
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 16:06:37.19 ID:xEGB2xO90
音をたてるだけならその辺にあれば石ころとかでも出来るから
ナイフを使うのはちょっと待ってくれ

自分は奇襲をする方向が良いと思う
39 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/13(火) 16:16:47.97 ID:Ro/E0HG/0
>>32
奥に助けを求めるのは十分にアリな選択肢だと俺も見ている
ただ、この迷宮は広大だからな
奥に進んで他のパーティを見つけるまでに、果たして食料が尽きないかどうかだけが心配だ

>>33
やはり奇襲が良いだろうか
もし仮にだが、ゴブリンメイジが居たとすればもう俺たちはどうにもならないだろう
[投擲]は盗賊や踊り子の技能であるし、それ以前にレベルが違いすぎるからな

>>34-35
やはり奇襲する以外に手段は無いか
果たして奥にどれだけ敵が居るかは分からんが、やるしかない、ということだな
暫し様子を見た後、見張り役がバラけた辺りで行動してみる

あと、僧侶はどちらにせよ生かすつもりだ。もし状況が悪ければ、僧侶と魔法使いだけでも逃してやるつまりだ
俺はどうせ金儲けと女にモテるだめだけにダンジョンに潜ってるダメ人間だが、この子はまだ小さいし、未来があるし、何より可愛いからな
俺よりは生きる価値があるだろう
それに、童貞は可愛いものに弱いからな
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 16:16:59.43 ID:cHKE2FGbO
今俺らと会話してる端末で外部に助け呼んだら?
41 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/13(火) 16:19:36.81 ID:Ro/E0HG/0
>>37
良いね。俺程度の言葉じゃ果たして驚いてくれるかも分からんが
いつも澄ましてるあいつが怒られて縮こまるのは、それはそれで見てみたい
勿論、本気ではやらないけどね

>>38
了解した。脇道なら整備も全くされてないから、石程度なら拾い放題だ
ナイフはまだおいておくよ


とりあえず時間もないから、音を立てて奇襲というのをやってみようと思う
もしこのままレスがなければ、俺は死んだと思ってくれ
じゃあ次のレスでな
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 16:20:31.28 ID:kXXIicnJ0
>>40
貴様ぁ!言ってはならん事を!
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 16:25:32.51 ID:p9GT+iHMO
何らかの罠は張れないか?
張る時間も材料もない?そもそも罠作る技術がない?
44 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/13(火) 16:44:16.39 ID:Ro/E0HG/0
助かった……んだろうか
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 16:48:28.30 ID:xEGB2xO90
大丈夫か? 怪我してるなら早急に治すんだぞ
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 16:48:33.04 ID:Y2PMtlTg0
是非とも戦士には頑張って欲しい。
もし無事に街に帰ってこれたら、俺の妹をファックする権利をやってもいい。
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 16:52:35.68 ID:jD4NIzBu0
>>46
妹カワイソス

とりあえず奇襲の成否、現在の物資の減少とかあったら教えてくれ。
48 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/13(火) 16:56:57.14 ID:Ro/E0HG/0
とりあえず助かったらしい
俺にもよく分かってないんだが、とりあえず状況を説明させてくれ

お前らの助言通り、石を床に放り投げてみた
迷宮は基本的に狭い通路が延々と続いてる空間だからな。たった一つの石の反響音でも、やろうと思えば結構響く
かなり遠方からの投擲だったんだが、見張り役で回ってたゴブリンが2匹、こっちに気がついたようだった

近づいてくる足音を聞きながら、俺は壁の陰にできる限り寄って、敵が近づいてくるのを待ち続けた
僧侶は少し離れて待機させた。いざと慣れば逃げられるようにな
一歩、一歩と近づいてくる足音を、息を止めて待つのは心臓が破裂しそうなほど緊張した
ゴブリンが、曲がり角に入って石を見た。不可思議そうに石を見つめる。俺にはまだ気づかない
その一瞬のタイミングで剣を振りかぶり、音もなくそれを振り落とした
もはやゴブリンにこっちを見る間すら与えない
必当の一撃。避けられない致命打。冒険者の中じゃクリティカルって呼ばれるやつだな
こんな綺麗な一振りは、多分もう数年に一度のレベルだと思う

果たして刃はゴブリンの首を切り落として、そのまま床にぶち当たった
その時の俺の頭は既にアドレナリンで一杯だったんだと思う。クリティカルの余韻に浸る間もなく、剣を横に振りかぶる
もう理性の効かない本能の一撃だった
普通のモンスターなら、回避はおろか反応すらできないほどの二連撃だったと思う
俺は二匹目のゴブリンの胴を切り落とすべく、刃を振るった


そして、その刃は止められたんだ
ゴブリンが持っていた[鋼の剣+4]によって
49 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/13(火) 17:07:40.28 ID:Ro/E0HG/0
そのゴブリンは、他のゴブリンとは明らかに違う外見をしていた
普通のゴブリンよりも頭ふたつは高い、2mは超えるであろう身長。勿論、俺は見上げるしかない
全身はゴブリンとは到底思えないほどの筋肉で包まれていた。ただつけただけの筋肉じゃない、鍛え上げられた戦士にのみ許された肉の鎧
そしてそれらを守るようにして、[鉄の兜+3]と[鉄の鎧+3]を装備していた。いずれも、俺が装備しているより格上の装備だ
右手に所持している[鋼のつるぎ+4]は、俺の剣を受けてびくともせずに、鈍い光を放っていた
鋭い眼光は青白く光り輝いて、俺を真っ直ぐに見下ろしていた

魔物図鑑では見覚えのないモンスターだった
ただ俺は、街で他の冒険者から聞いた覚えがあった
1Fの最深部、まだ攻略の手のつかない[1F-ゴブリンの本拠地]
そこに鎮座する、数多くのゴブリンを指揮する将軍の存在を
まだ実際にスケッチが取られておらず、見た人間も限られていることから、魔物図鑑にも乗っていないモンスター
ゴブリンジェネラル
そのモンスターレベルは、推定でLv13

俺は死んだと思った
50 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/13(火) 17:08:33.18 ID:Ro/E0HG/0
すまない、ちょっと水が炊けたから僧侶を飯に呼んでくるよ
続きは後で話す
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 17:17:04.82 ID:dt2xoc4Ao
期待
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 18:06:26.19 ID:UBnXYbHHo
生きてるみたいでなにより
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 18:59:55.83 ID:jD4NIzBu0
ちょっと出掛けていたんだがそんなことが…
元気そうでなによりだ。
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 19:12:07.76 ID:u9RZx4XuO
面白い
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 20:05:58.68 ID:qswW4K02O
入口付近なら多少のダメージは覚悟して走り抜けられないかな
戦士なら盾持ってるだろうし、それかざして走ればいい
洞窟内なら薄暗いだろうから松明も消せば見えにくくて攻撃も当たりづらいと思うし
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 20:19:02.98 ID:b7TwhBsDO
>>55
耐久紙の後衛職のお荷物2人を守るって言ってる時点でその選択肢は無いよ
動きも遅い体力も無いしかも1人寝てるって時点でやれる事限られる

個人的には勇者とかいう絶対的リーダーに脳死でイェスイェス言うだけの依存しか出来ない餓鬼共なんて肉盾にでも何にでもしてさっさと逃げるに限るんだけどな
下手に情を見せて懐かれて依存対象にされても迷惑だし
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 20:32:15.31 ID:qswW4K02O
入り口までの距離と地形がわかれば対策も考えられるんだけどな
そういう基本情報無しで思いつきの付け焼き刃の行き当たりばったりやっててもジリ貧で全滅するだけだろう

というか、冒険開始して5分てことは入り口から10メートルとかそこらの距離しか進んでなかっただろ
それで勇者離脱なら、とっとと入り口に戻るべきだったと思う、何で奥に進んでるんだ?
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 21:01:20.98 ID:b7TwhBsDO
お前の徒歩での速度分速2mかよ
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 21:29:16.91 ID:xEGB2xO90
戦士今日の飯はどんなのだった?
60 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/13(火) 23:14:11.54 ID:Ro/E0HG/0
やあおはよう、戦士だ
軽く飯を食べて仮眠を取って、ようやく身体もマシになった

続きを書く前に、この街のダンジョン構造に疑問を持っている人間も多いみたいなんで
それについてちょっと話そうと思う
61 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/13(火) 23:31:41.64 ID:Ro/E0HG/0
俺たちが探索してるダンジョン――"迷宮"は、港町の地下に張り巡らされた巨大な地下ダンジョンだ
ダンジョンは主に中心部分となる[中心区]と、そこから四方八方に真っ直ぐ続く整備された[通路区]、そしてロビーから分岐した[迷宮区]に別れてる
丁度蜘蛛の巣みたいな感じだな
[中心区]と[通路区]は灯りもあって整備もしっかりされてる事が多い。まあ俺らが居る末端部分になると、流石に灯りが殆どついてない事も多いがな
[迷宮区]は1Fですらまだ80%程度しか探索されてない。十数年、何度も冒険者が足を運んでやっと80%だ
ここがどれだけ広いかが分かってもらえると思う

さて、俺たち低レベルの冒険者の仕事ってのは、基本的に通路の末端を広げたり、未探査の[迷宮区]を探索することが多い
まあ入口付近なんてのはとうの昔に探索されてるからな
なんで俺たちは[短距離ポータルクリスタル]ってアイテムで、ダンジョンの末端まで移動してから探索を始めるんだ
まあその辺りは>>9に簡単に書いたかな
普段は探索がキツくなると[帰還用ポータルクリスタル]で即時帰還するんだが、勇者がビビった時に落として割ってしまったので、今は徒歩で帰還してるってわけだ

一応探索者には探索予定フロアの地図が渡されるんだが、俺が探索してるのは末端部分なわけで、正直あっても微妙だな
実際今いる場所は周辺の殆どが未探査部分で、どこに何が在るのかは想定がつかん
わかってるのは街から離れてる場所ってことくらいだ

取り敢えずはこんなとこだが、他にもしダンジョンのことで疑問点があれば教えてほしいぞ
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 23:54:16.77 ID:dn9jMIYw0
迷宮の床や壁は土と岩でできてんの?草生えてたりとか、水が湧き出てる所とか、物が落ちてたりとかないの?
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 00:24:26.95 ID:SSqZt4At0
迷宮の入口って中心区だよね 階段か何かで昇り降り出来るようになってんの?
64 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 01:08:57.20 ID:JHjscdeQ0
さて、続きを話そう

ゴブリンジェネラルを見たその瞬間、俺の頭にはふたつの考えが浮かんでいた
ひとつはとにかく僧侶だけでも逃げる時間を作らなきゃいけないなって考え
だからジェネラルと目があったその瞬間、俺は振り返ることもなく僧侶に大声で逃げるよう叫んでた……んだと思う
正直記憶は曖昧だ

そしてもうひとつは、どうやって勝とうかってこと
相手のLvは13。俺とのレベル差は9もある。これは絶望的な数字だ
一対一の立会において、レベルの差は3つですら極めて厳しい状況だからな
ただ、それでもゴブリン種には"総合レベルは高くても技能レベルは低い"って特徴があるから、工夫次第ではなんとかなるかもと思ったんだ
例えばLv5のゴブリンは技能の割当が[略奪Lv2][剣技Lv1][徒党Lv1][暗視Lv1]とかなりバラけてる
だからこそ基礎レベルの低い俺でも剣技の立会に持っていけば、なんとかスキを突いて倒す事が出来るわけだ
技能レベルの優劣は、それだけを比べる場面においては基礎レベルの優劣よりも優先されるからな

ただ奴が、ゴブリンジェネラルが軽く腕を振り払った時、俺は自分の考えの浅はかさを知った
[剣技Lv3]の俺の横薙ぎはまるで児戯みたいに簡単に振り払われて、大きく姿勢をずらした俺の腹に、奴は蹴りをかましてきた
鎧が凹むほどの衝撃を受けて、肺から空気が漏れ出す。潰れた蛙みたいな声が出る
そしてそのまま、俺の身体は2m近く吹き飛ばされた
65 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 01:26:44.69 ID:JHjscdeQ0
それだけで俺はもう、歴然とした力の差を思い知った
奴の[剣技]技能は、少なくともLv5以上の域にいる。俺が太刀打ちできるレベルじゃない
全身の焼けるような痛みに絶望感も手伝って、吹き飛ばされた俺は動くことすらできなかった

ただヤツの青白い目が、吹き飛ばした俺から身体を竦ませて震える僧侶に向いた時、それだけはダメだと思った
どんなに性格が悪いやつでも、可愛い女の子を目の前で見殺しにするのは、男として恥だと思った
童貞は可愛いものに弱いからな

俺は剣をとって、再び奴に斬りかかった
もう無我夢中だったんだと思う。感じた痛みを脳内麻薬がかき消して、それによって動かされる身体でより強い痛みを感じる
それを延々と繰り返していた
俺が起死回生で打った垂直打ちを、奴は剣を横に構えて受け止める
それが見えたときにはもう、次の攻撃を繰り出している
攻撃されたら終わりだから、俺はもうただ無心で、可能な限り早く攻撃を連打していた

俺が逃げろと叫んだ時、僧侶はひどく狼狽しているようだった
ただ僧侶は魔法使いを迷宮区の小脇に隠して、それから俺の後方で呪文を唱え始めた
次の瞬間、癒やしの光が俺を包む。Lv1の光魔法[癒やしの滴]
彼女は何かを言っていた、と思う。彼女が自分から俺に話しかけてきた事の珍しさと、目の前の敵に集中した頭の所為で、何を言っていたのかまでは覚えてない
ただその目には俺と同じ、決死の覚悟が見て取れた
だから俺も、彼女に攻撃が行かないように、ただ最前線で奴の攻撃を捌き続けた
66 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 01:40:10.77 ID:JHjscdeQ0
それから何度攻撃を繰り返したかわからない
ただ反撃がされないよう、我武者羅に剣を振っていた
ジェネラルは適宜剣を構えて、反撃もせずに俺の攻撃を全て受けきっていた
まるで何かを待ってるみたいに

そしてついに、何かが砕ける音が響いた

それは俺の[鋼のつるぎ]の刀身が、半ばから折れた音だった
まあ当然の話なんだよな。奴が持っていたのは[鉄のつるぎ+4]。俺より4つもランクが高い武器だ
それで武器を受け続けられれば、いずれこっちの武器が打ち負けて割れるだろう
そして武器が折れてさえしまえば、戦士なんてただのおっさんだ

奴はそれを、ずっと待ち続けてたみたいだった
基本的にモンスターの表情なんてのは分かりにくいもんなんだが、その時は俺にもわかった
奴はにんまりと笑みを浮かべて、これまで受けるばかりだった剣を上段に振りかぶった
もう俺にそれを受ける手段はない
つまりもう死ぬしかない
せめて童貞は捨てたかったなあとか、そんときは考えてたよ
67 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 01:51:30.72 ID:JHjscdeQ0
だから剣を振り下ろされる寸前、
石畳の床になにか硬いものが振り落とされた音が聞こえた時、俺は動きを止めたし、ジェネラルもまた動きを止めた

それはジェネラルの背後、つまり俺の正面の通路から聞こえてきたんだ
そこに居たものを見た時、俺はジェネラルを見たときよりも大きな衝撃に襲われた
そいつはゴブリンジェネラルよりも更に大きなゴブリンだった。筋肉質な四肢と、深い緑色の肌
甲冑を身にまとって、背中には赤いマントを、頭には燦然と輝く黄金の王冠を冠っている
何よりも存在感を表していたのは、両手で地面に突き立てられた剣だった
一般的に用いられる量産品の武器じゃない。迷宮で見つかる、呪いがかかった強力な剣
俺たちはそれを魔剣と呼んでいる

その肩には小さな1匹のゴブリンが乗ってた。白いドレスに身を包んで、右手には豪奢な装飾の為された杖を持ってる
そのゴブリンもまた、頭に王冠を冠っていた

俺たちを静止した音は、大きなゴブリンが魔剣を床に突き刺した音だった
大きなゴブリンが、なにかをジェネラルに話しているのが聞こえた。残念ながら魔物語はわからんかったが
ただ一言二言話したあと、ジェネラルは俺を足で突き飛ばして、背を向けてしまった
俺たちにはもう何が起こってるのか、その時点で既に思考停止気味だ
68 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 01:53:52.51 ID:JHjscdeQ0
それから三匹のゴブリンは、こっちを振り向くこともなく、魔物避けがされているはずの[通路区]を進んでいったんだ
追いかけるだけの気力はなかった。というか、戦闘が終わり次第倒れちまって、5分ほど気を失ってたみたいだからな
これが、事の一部始終だ
69 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 01:58:51.34 ID:JHjscdeQ0
言い忘れていたが、その時あった2匹のゴブリンは、魔物図鑑にも乗っていないし話にも聞いたことが無かった
多分新種のゴブリンなんだろうと思っている
ただ魔剣持ちのゴブリンなんて、正直初めて聞くけどな

>>43
材料も無いし、技術もあるとは言えないな
こういう時盗賊が居ない辛さが身に染みるぜ

>>45
ありがとう。今は迷宮区の暗闇に潜んで眠ってる
打撲や切り傷はアホみたいにあるんだが、致命的な欠損が無かったのは幸運としか言えないな
とりあえず僧侶に傷の手当はしてもらった

>>46
きさまゆうしゃか
70 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 02:02:21.27 ID:JHjscdeQ0
>>47
結論だけ話せば、奇襲は50%くらいは成功したんじゃないだろうか
正直事態が二転三転としすぎて、俺にもどうなっているのかわからんね
ただ[1F-始まりの迷宮]の[通路区]に居たゴブリンはいつの間にか居なくなってた

物資としては俺の[鋼のつるぎ]が真っ二つに折れてしまった程度だな
今はゴブリンから剥ぎ取った石斧でなんとか自衛してる
それから僧侶の薬草を2つ消耗した
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 02:46:36.66 ID:SSqZt4At0
いやー無事で良かった 悪運強いねキミ

ところで帰れそう? 無理せずしっかり休んで行くんだぞ
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 05:38:59.61 ID:VuhTWg2LO
無事で良かったな
新種のゴブリンはキングとクイーンというところか

それと、入り口まで後どれくらいなんだ?
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 07:52:11.38 ID:6NL8ND8UO
>>72
クイーンというかプリンセスじゃね?
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 10:41:12.29 ID:lrRtjf1Q0
いずれにしても目の前の餌を無視するような理由があった…
そういえばスキル生えた?食いしばりや狂戦士のスキルが生えそうだけど
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 12:06:49.78 ID:RU4ZBRMuO
何とか危機は脱したみたいで安心したわ、周囲にいたゴブリン達も居なくなったみたいだし
ちなみにクリスタルは本当に割れちゃったんだよな?実は紛失したのを勇者が誤魔化したとかじゃなく
もし無くしただけなら何処かで回収できる可能性が……ゴブリンに拾われてたりしなければだけど
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 12:27:39.66 ID:gbwn5EAJ0
鋼の剣ってどのへんから折れた?少し残ってれば石斧で削ってナイフとして使えないか?
ナイフの使用も練習しとけば後々盗賊にCC(クラスチェンジ)出来るんじゃね?

とりあえず帰ったらその新種の情報を図鑑制作者に売ろうぜ。
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 12:38:08.92 ID:6NL8ND8UO
ナイフとかいうチンピラしか使わないクソ雑魚武器とかどうでもいいよ、石斧の方がはるかにマシ
盗賊や暗殺者がナイフを使う理由って「小さくて懐に隠しやすいからしょうがなく使ってる」だぞ
軍人がナイフを持つ理由もサバイバル時のマルチツールとしての側面しかないし、ナイフ格闘術なんて軍の慣例でやってるような所しかない
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 12:44:54.65 ID:VuhTWg2LO
>>76
見つからないように潜んでいるのに石斧で削るとか無茶言うな
まあ、真っ二つというくらいだから半分くらいは残ってるんだろう
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 13:20:01.06 ID:1uzf/0/To
もっと早い段階なら2人を犯して殺せば童貞卒業の上にレベルアップで生存率上がるとアドバイスしたものを
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 13:36:04.95 ID:VuhTWg2LO
犯すってw
そんな動きしようものなら速攻で見つかって皆殺しだろ
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 14:06:39.70 ID:RU4ZBRMuO
>>79
発想が怖すぎワロエナイ
混沌・悪の方?
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 14:44:19.24 ID:gbwn5EAJ0
>>77
剣と魔法の世界でのナイフ系職の利点は知ってるか?
機敏に動けるから回避高い。大抵補助魔法くらいは使える。
弱〜中級の回復覚える事もある。刃に薬塗れば状態異常狙える。
クリティカル率高い。遠投攻撃可能。そして…

    即死技がある。
83 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 16:22:10.76 ID:JHjscdeQ0
勇者が逃亡して2日目
魔法使いはまだ起きない
84 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 16:25:34.94 ID:JHjscdeQ0
とりあえず報告すべきこととして、まだダンジョンは抜け出せてない
ただ迷宮は異様なほど静かで、低レベルの昆虫型モンスター以外は全く遭遇しない
普段であればこの1F南東側は、エンカウント(モンスターと遭遇する事を冒険者はこう呼ぶ)の半数以上がゴブリン系統のモンスターであるにもかかわらずだ
85 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 16:40:49.77 ID:JHjscdeQ0
今朝起きると、全身に溢れかえりそうなほどの力が漲っているのを感じた
この感覚は覚えがある
そう思って僧侶の所に行くと、俺が言葉を発するより先に彼女が俺に魔法をかけてきた
Lv2光魔法[明ける知識]。対象物の情報を表示する、冒険者にとってこの上なく重要なスキルだ
彼女の3節に至る詠唱が終わると、中空に光の文字が浮かび上がっていく

年齢:21
性別:男
適性:戦士
練度:LV5
技能:[剣技Lv3][かばうLv1][+]/+[剣技Lv4][かばうLv2][感知Lv1][自然治癒Lv1]
装備:[鋼のつるぎ(壊)-1][鉄の鎧]

間違いない、これは俺のステータスだ
見れば基礎レベルがひとつ上がっている
この溢れかえっている力の源は、想像通り限界をひとつ超えたが故のものだったようだ
86 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 16:49:42.08 ID:JHjscdeQ0
レベルが上がったことによって、技能に選択用の項目が増えている
[剣技Lv4]と[かばうLv2]は、既に俺が取っている技能を伸ばすためのものだ
[感知Lv1]は前回のレベルアップでも姿を表していた。確か、近くにモンスターが居る事を察知できる技能だったか
[自然治癒Lv1]は今回のレベルアップで初めて姿を表した技能だ
いずれか一つを選んでこの[明ける知識]の発動中に特殊な文言を言う事で、選択した技能を得る事ができる

一先ずどれにするかは置いておいて、俺は僧侶に自分たちはどうなのかと訪ねてみた
僧侶はその言葉を聞いて、今度は[明ける知識]を自分たちに詠唱する
すぐに現れたのは、こんなステータスだ

年齢:17
性別:女
適性:魔法使い
練度:LV4
技能:[炎魔法Lv3][詠唱Lv1]
装備:[樫の杖][魔女のマント][とんがり帽子]

年齢:14
性別:女
適性:僧侶
練度:LV4
技能:[光魔法Lv3][薬師Lv1]
装備:[鋼の槌][修道服+1]
87 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 16:54:06.01 ID:JHjscdeQ0
僧侶もやはりレベルが上がっていたらしい
さっき俺の様子を見た時に察していたみたいだから、やっぱりとは思ったんだよな

とりあえずステータスの確認をさておいて、今度は魔法使いの様子を見た
しかし相変わらずこいつは綺麗だ。ダンジョンで風呂も入っていない筈なのに、仄かに柑橘類みたいな良い香りがする
正直童貞には心臓に悪い
魔法使いはまるで眠ってるみたいに気を失ってる。普通なら魔力切れでもそろそろ起きている筈なんだが、僧侶いわくまるで起きる気配がないらしい
ただ呼吸は安定してるし、見てる感じ調子が悪そうにも見えない
88 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 16:57:14.51 ID:JHjscdeQ0
ただ起きない以上、抱えて戻るしかないよな
そんな訳で今は魔法使いを抱えて、ダンジョンの道を戻ってる
ありがたいことに今は全然モンスターもいなくて、それどころかメイン通路には冒険者のひとりすら見当たらない
通路区の奥にいると思ったゴブリンも、いつの間にか居なくなってるしな
89 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 16:58:48.29 ID:JHjscdeQ0
まあこの調子ならおそらく、今晩には街まで戻れるだろう
食料も資材も数が少なくなっていたし、何より俺の武装がまずい
ここでモンスターに遭遇するのは、正直ありがたい限りだぜ

ああ、あと技能はどれを習得しようかな……
どれがいいとかあったら意見をくれ
90 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 17:06:24.71 ID:JHjscdeQ0
>>55
今居るここはダンジョンの末端だからな……
あとすまないが、俺は盾を持ってないんだ
高いんだよなあれ……

>>56
まあみんなお荷物というけど、俺はなんだかんだ戦闘面ではこいつらを信頼してるんだ
今は眠ってるが魔法使いの魔法の勘は目を見張る者があるし、俺が傷ついた時僧侶の存在は絶対に必要だからな
どれだけひどい扱いをされても、こいつらに助けられてるのは事実なんだよ

それに、ふたりとも美人で可愛いしな

>>57-58
ダンジョンの形状についてはさっき挙げた通りだ
加えて言うなら、ここでゴブリンの群れに囲まれちまったら、それこそ生き残る手段はないからな
慎重すぎるくらい慎重になった方が良いと思ってる。特にこういう場面では
91 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 17:17:49.16 ID:JHjscdeQ0
>>59
今日の朝は携行食のソイバーと、グラスワーム(Lv2)を煮込んで保存塩で軽く味付けしたものだな
正直美味いものじゃないが、そう贅沢も言ってられん
因みに食感は西の方の特産モンスターであるプローン(Lv2)によく似てるぜ。味は比べるべくもないが

俺はゲテモンでも気にせず食えるが、僧侶は食べるのをかなり嫌がってたな
5分くらい食べるか迷ってたみたいだけど、いつの間にか食べ終えてた

>>62
階層と場所によるかな
俺が今居る[1F-始まりの洞窟]は、[迷宮区]は硬い土で覆われてて、[通路区]は石煉瓦で舗装されてる
水は湧き出てないが、[3F-セイレーンの入江]なんかは水浸しで船無しじゃ進めないと聞く

あと、迷宮区なら古代の魔法道具が落ちてる事はあるな
俺たちはアーティファクトって呼んでる
使えるものも使えないものも様々だ。良いものは換金すれば一生遊んで暮らせたりするぞ
こういうのが目的で冒険者になる奴も居る
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 17:18:36.16 ID:NO8MSTFE0
技能の追加は、前衛職である以上、自然治癒は役にたつと思う。
ただ、一撃必殺を喰らって死ぬような場面では役に立たないから、
逆に一撃必殺できるように、剣技のLv上げたほうが個人的には好み。
93 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 17:30:10.39 ID:JHjscdeQ0
>>63
[中心区]が迷宮の入り口になってるな。地上に小さな穴がいくつも空いてて、それら全てから登り降りできる
この穴には番号があって、番号ごとに特定の派閥が所有権を有してるんだな
例えば47番エントランスは、魔術師ギルドの所有物とか
24番エントランスは、有名貴族の個人敷地だとかな
意地の悪い団体は特定の[通路区]を封鎖して、その周辺のエントランスを独り占めして迷宮を独占してたりする
例えば[1F-ジャイアントワームの大穴]は、魔術師ギルドが周辺の[通路区]やエントランスを封鎖して中のアーティファクトを独占してるとかな
まあ、厄介な政治の話なんだろ。俺はその辺詳しくねえ

>>71
心配してくれてありがとう
しっかり休んで、今は体を動かす分には全然支障なしだ
ただ剣が壊れちまったのは参ったぜ
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 17:31:06.67 ID:OOiOfJhTO
まあ男なら剣で女を守ってなんぼやろ。剣を磨くがよろし。
95 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 17:31:27.82 ID:JHjscdeQ0
さて、そろそろ僧侶の息も戻ってきたし、進行を再開する
また何かあったら書き込むぜ
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 17:31:31.55 ID:ixcBiBO1O
魔法に装備と認めてもらえない石斧くんカワイソス
ポート云々から帰るまで他のパーティとすれ違うことは無いだろうけど
帰った後強いゴブリンとその上の立場のゴブリンがいるって情報はどこに報告するのかな
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 18:25:02.72 ID:GcfOEYrDO
魔法使いの錯乱の理由は何なのかね
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 18:55:21.07 ID:lrRtjf1Q0
>>97
おそらくは勇者に関する事か、町に関する事でのバットイベントだと思う

技能は前衛なんで自然治癒か、物理攻撃を完全に回避するための影化、遠距離の敵を攻撃するための斬撃…
まあ、斬撃に関しては剣技を極めたら放てるようになると思うから好きなの追加したらいいんじゃない?
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 20:08:41.02 ID:HvvYs/sp0
ちょいと気が早い気がするが町にもどったらどうするか考えておいたほうがいいと思ふ
勇者はゴブリンにビビったことは言えないだろうからたぶん3人死亡ということにしてそ
クイーンとキングの存在明かすと逆に勇者に有利なるから明かさずにパーティに戻させて勇者特権だけ利用しよ
今のうちに僧侶手懐けて勇者用の脅しにしておくとよろし
まぁ後は酒場にでもいって盗賊GET&ダンジョン入り口で7lvまでレベ上げぐらいが妥当かな
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 20:34:55.62 ID:6NL8ND8UO
>>82
んなもん1つもねーわ、なろう小説みたいなご都合主義の塊なのか割とリアル路線なのか理解しろ



ステ伸ばすなら現状だと感知一択なんだけど、この先の展開によるわなぁ
今後も後衛2人を守り続けるならかばうや自然治癒も候補に入るんだけど
自然治癒が肉体疲労じゃなくて状態異常回復速度上昇とかの可能性があるから選び辛いな
101 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 21:10:15.87 ID:JHjscdeQ0
[中央区]の手前までたどり着いた
どうにも様子がおかしい
102 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 21:14:53.28 ID:JHjscdeQ0
まず、人がいない
[中央区]付近の[通路区]にもなれば周辺は冒険者と彼らを相手に商売する露店、そしてそれらを取り締まるギルドで一杯になる筈だ
しかし現実として、今この通路はえらく閑散としてる
代わりに周辺に片付けられないまま放置された露店と、壊された商品や食事が散らばってる
なんだこれは
103 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 21:16:53.12 ID:JHjscdeQ0
どう考えても尋常じゃない
鼻を利かせてみれば、[中央区]の付近から焦げたような臭いが漂ってくる
それと同時に、どこか鉄臭くもある気がする

そこはかとなく嫌な予感がする
僧侶を見れば、彼女も顔を曇らせている
俺たちは、ひとつの最悪の可能性を考えてる
104 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/14(水) 21:18:36.74 ID:JHjscdeQ0
とりあえず魔法使いを側に寝かせて、僧侶もそこで待機させる
僧侶は俺に色々と言ってきたけど、魔法使いを置いていくわけにいかないだろって一蹴してきた
もし俺の考えてることが真実なら、それを彼女には見せたくないし、危険だって伴うからな

俺の想像が、ただの杞憂で終わることを願ってる
それじゃ、ちょっと行ってくる
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 21:23:41.09 ID:0CbBcJCG0
あ、死体があるならネクロマンサーの技能を持つといい(にっこり)
大丈夫、魔王退治ならきっとゾンビ共も報われるさ
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 22:51:50.16 ID:VTRClol1o
今更なんだが魔王退治のためにダンジョン潜ってんだよな?
十数年たっても1Fが踏破できてないんだったら魔王倒せるのは何年後になるんだ
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/15(木) 00:28:37.67 ID:nGGjNrT50
>>106

もしかつて深いとこまで踏破できてたとしても、それら階層を敵が沸かないように制圧し続けられるとは限らないのでは?

魔王が本気出してダンジョン内を一掃したから人間側が恐怖し、勇者を急遽用意したんだと思うな。実際のとこは戦士に任せる
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/15(木) 00:43:37.47 ID:t3f0gQU3o
ゴブリン風情にやられるようじゃ魔王とか十年はムリじゃね?
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/15(木) 00:56:54.35 ID:jL9BJgJcO
アニメ版ドルアーガの塔みたいな設定なんだろ
魔王退治を謳ってても実際はダンジョンを踏破する事で得られる資材や宝による文明の発達や一攫千金狙いの方が重要っていう
110 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/15(木) 05:59:16.30 ID:xRqysqAt0
どうしよう、みんな、助けてくれ
111 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/15(木) 06:00:14.44 ID:xRqysqAt0
どこから説明したら良いのかわからない
ただ、とりあえず見たままのことを伝える
112 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/15(木) 06:49:58.89 ID:xRqysqAt0
俺は物陰に隠れながら、[中央区]に足を踏み入れた
そこはひどい有様だった。ありとあらゆる道具は破壊され、床や壁は所々剥がれ、何より点々と死体が転がっている
生きているものはもうそこには存在していなかった

半ば確信じみた恐怖に駆られながら、俺は13番エントランスの階段を登った
階段を進めば進むほど、饐えた臭いは強くなっていく
その向こうからは騒がしく何が聞こえてくる。港町の雑多な喧騒じゃない、絶叫と咽び泣く女の声
何かが割れる音、落ちる音、壊れる音
全部が日常じゃなかった

階段を抜けると、一面の赤が視界に広がった
一瞬夕焼けかと勘違いするような空の色。港町の澄んだ星空を、燃え上がる炎が夕焼けみたいに照らしていた
燃えていたのだ、街が
俺がいつも寝泊まりしてる、格安の宿屋があった。そこの女将はお節介な人間で、いつも金のない俺に宿代をツケてくれていた。出世払いで返してくれれば良いと、いつも女将は笑っていた
その宿屋が燃えていた。崩れていく屋根を見て、宿を取り囲むゴブリン達が耳障りな笑い声をあげていた。
冒険者達に人気の食堂があった。ダンジョンを抜けた泥臭い男の群れで、そこはいつも暑っ苦しい臭いと笑いに満ちていた。ウェイトレスの娘は可愛くて、俺は彼女が病気のお袋の為に必死で働いてるのを知っていた
その食堂が燃えていた。オークが息を荒げながら、あのウェイトレスに覆いかぶさっていた。俺を癒やしてくれたあの声が、オークの下で泣き声をあげていた
ボロっちい鍛冶屋があった。店主の親父は無口な頑固者で、いつも俺と喧嘩ばかりしていた。けど武器を作ることには本当に真面目な人で、俺は腰に差したこの剣を鍛え上げるのに彼がどれだけ気を遣ってくれたかを知っている
その武器屋が燃えていた。コボルドが店から武器を盗み出して、丹精籠もって作られたそれらをおもちゃみたいに振り回していた

俺の足元に何かが転がってくる
それは首だった。俺はその顔をよく知ってる
俺は彼をよく知っている。若い頃は冒険者だったが、片腕を喪ってからは冒険者ギルドで働いていた
何事にも厳格で、他人にも厳しく自分にも厳しい人だった。そのくせ、自分の娘にはとことん甘い人だった
小さな時分から、彼女と一緒に遊んでいた異性の俺には特に厳しかった。子供の頃、俺は彼は苦手だった
けれども冒険者になりたいと決意した時、俺に剣の道を教え、導いてくれたのも彼だった
度に出るその日、娘を護ってやってくれと約束した

その顔は、魔法使いによく似ていた
113 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/15(木) 06:50:46.86 ID:xRqysqAt0
俺たちの街は
モンスターに襲われていた
114 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/15(木) 08:14:55.23 ID:xRqysqAt0
正直ありえないと思った
地下にモンスターが住まう巨大な迷宮を抱えるこの街は、全体を大規模な守護魔法や魔物避けの魔法で護られてる
魔法陣は魔術師協会が定期的に点検を行っているし、実際これまで一度たりともそれが破られたことはなかった

しかし現実として、俺の目の前に広がっているその光景を作り出しているのは、普段迷宮に住まう多種多様のモンスターだった
普段俺たちが目にするゴブリンだけじゃない
[2F-豚の山岳]に住まうオーク種や[3F-セイレーンの入江]を主な生息地とするサハギン
空から獲物を襲っているハーピーは、[5F-ハーピーの狩場]に生息する極めて高レベルのモンスターだ
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/15(木) 08:18:44.89 ID:D1ilnnYtO
まぁだろうな
もう迷宮の外に逃げるしかないわ
その街が襲われてる内はモンスターもあまり居ないだろうし逃げるなら早い方がいい

出来れば他の冒険者パーティと合流したいけど、どの道街に帰ってくるパーティなんか傷ついてるか手持ちの物資が乏しくなってるかだろうし1Fで苦戦するお荷物にしかならない奴なんかかばう余裕もないだろ
116 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/15(木) 08:19:11.08 ID:xRqysqAt0
あまりの光景に呆然と立ち竦んでいると、一匹のゴブリンが俺を見つけて舌なめずりをしていた
振りかぶられた石斧に、ほぼ反射神経のみでカウンターを食らわす
避けて無防備な右肩を切り落とすと、ゴブリンが甲高い悲鳴を上げた

周囲のモンスターの目が集まったことで、ようやく俺の意識も現実に追いついた
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/15(木) 08:24:23.39 ID:ZdnX0aQqO
魔法使いはまだ寝たまま?親父さんの死は伝えない方がよかろうな。精神崩壊する。
まず安全なところに逃げて加勢を頼まないと。
118 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/15(木) 08:31:17.97 ID:xRqysqAt0
それからはもう全速力で逃げた
臆病者だとは自分でも思うんだが、あの街の現状をどうにかするには俺は余りにも無力だった
それに正直恐怖を感じたんだ。俺を睨んだ無数のモンスターの瞳にあったのは、戦士が敵に向ける闘志じゃなくて、無力な小動物をどうなぶり殺すかっていう愉悦だった

急いで引き返して、エントランスの階段を降りる
深いことを考える余裕は無かった。兎に角、あいつらから逃げないといけないと思った
一斉に襲いかかってきた周囲のモンスター達は、幸いにも狭いエントランスの入り口で混雑していた
何より恐ろしかったのは、奴らはただ自分がより楽しみたいって娯楽感覚で俺を追いかけてきてる事だった
エントランスに群がる奴らは、まるで新しい玩具を我先にと競い合う子供みたいだったよ
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