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【艦これ】ex.彼女
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36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/13(火) 22:41:55.91 ID:SMfQZD8Io
翔鶴さんみたいな美人振るとかどう考えてもホモだろこの憲兵
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/14(水) 00:01:15.13 ID:UvUXuaiGO
その理屈ならヤンデレから逃げた奴はみんなホモになってしまう
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/14(水) 00:15:24.36 ID:+fWPp1MzO
翔鶴といえば前立腺開発だからなあ……
もう開発されてたりして。
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/15(木) 10:31:48.97 ID:I/uapy+A0
まずは妖精さんを餌付けして仲間確保しなきゃな
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/15(木) 15:27:00.01 ID:Ngx5fdJh0
つ異動願い
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/15(木) 23:05:45.15 ID:2BEMW7W20
きらーんする妖精さん
可愛いだろうなぁ
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/18(日) 22:04:47.93 ID:cfTTCqbJO
乙
翔鶴じゃない、娼鶴だコレ
43 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/27(火) 02:12:14.13 ID:nEuouCZeO
第3話・珍しい兵隊さん、略して…
44 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/27(火) 02:13:33.50 ID:nEuouCZeO
「はぁ〜……」
勤務2日目、現在時刻は午後3時。
あの後結局二度寝も出来ず、死にそうな顔で仕事をこなしていた。
今は午後休憩に入ったが、寝不足だと逆につらい。
ちょっと気を緩めれば、途端に瞼が落ちそうだ。
「くくく、あの後は熱い夜でも過ごしたのか?随分憔悴しているじゃないか。」
「熱いどころか凍て付く夜でしたよ、主に肝がね。」
分かってて言ってんだろ、割るぞ。
いや、でも今は怒る気力も湧かねえ…とにかく眠い。
今日は夜警は無し、出動でも無い限りは帰って寝れる。あと3時間堪えれば勝ち。
あー、布団が恋しいぜ……。
45 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/27(火) 02:14:58.30 ID:nEuouCZeO
「三千世界の鴉を殺し、鶴と朝寝がしてみたい、と言った顔だな。」
「鴉が鳴いたらさっさと布団と朝寝するのが人でしょう、何で鶴限定なんすか。
大体その鶴のせいで寝不足なんですよ……ふぁ…。」
「…致したのか?」
「んな能動的なマネするわけ無いでしょう。起きたらベッドの端が生暖かく、ダメ押しの白い髪一本です。
一体どう忍び込みやがったのか…。」
「ああ、そう言えばこの前鍵束を落としてしまってな。
その時鍵が一つ見つかっていなかったんだが、翔鶴君が届けてくれたな。」
「……何日後ですか?」
「3日後だな。」
「部屋は?」
「203号室だ。」
「次の夜警の時、背後に気を付けてくださいね。」
犯人はてめえか。その間に鍵屋行ってたってオチだろ。
どうなってんだここの警備は…ああ、こいつの気分次第か。
幸いここの寮は雨戸が付いてた、閉めりゃ昨日みたいな事態はまだ避けられる。
ドアは突っ張り棒かますとして…問題はやっぱ、ここにあいつがいる事そのものだな。あとこの眼鏡。
異動願いは半年経たないと申請不可、かと言って憲兵辞める気はさらさらねえ。
お上からの辞令なんて、当面来ない神の声…となると、諦めさせるしか道は無し。
……って何冷静に考えてんだ俺!さっきからキレる場面だろうが!?
はぁ〜……ダメだ、イラつく元気もねえんだな今は…。
もういいや、今日は帰ったら寝よ…。
46 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/27(火) 02:16:25.74 ID:nEuouCZeO
「ふむ…昨日前任地からの報告書を読み返したのだが、なかなかやるじゃないか。2回犯罪者の逮捕に協力したとあるが。」
「ああ、そんな事もありましたね…。」
「夏と冬、休日にそれぞれひったくりと誘拐の現場に遭遇。持ち前の身体能力を活かし、犯人を確保。
……そんな正義感の持ち主が、どうして上司にはこんなに冷たいのか…。」
「そのレンズにベッタベタに指当ててよーく考えてください。
そんなに良いものじゃないですよ、実際は俺が逮捕寸前でしたから。」
「ほう、どうしてまた?」
「あー…とっさに繰り出した技が上段回し蹴りと踵落としで、どっちも気絶して。
まあ、事情を知らない警官からしたら、俺が暴漢ですよね…。」
前の上官に、やり過ぎだ馬鹿者!ってめちゃくちゃ怒られたな。
犯人が訴えてたら、過剰防衛でとっ捕まってる所だった…。
俺も分かっちゃいるんだが、ああいう場面に遭遇すると体が先に動いちまう。ダメなんだよな、人のピンチを見ちまうと加減が…。
そんな性分だから、こういう仕事を選んだフシもあるけど。
ああ、そもそもあいつとの馴れ初めも…やべ、頭痛がしてきた。
47 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/27(火) 02:17:59.98 ID:nEuouCZeO
「なるほどな、それで翔鶴君の心を正拳突きしたわけか。」
「ぶっほっ!?」
「中高と空手部が無かった貴様は、放課後になればすぐ道場に通う日々。学校では目立たない方だった…。
一方弓道部の翔鶴君は、日暮れまで学校で練習に励む毎日。一見すれば接点の薄い二人…。
しかぁし!そんなある日、通り魔が翔鶴君を狙う!
襲い来る刃!恐怖に震える瞳!
…だが次の瞬間、通り魔は華麗なる回し蹴りにより吹っ飛ばされた!
よーく覚えているだろう…そう!そこに現れたヒーローこそ貴様だったのだ!」
「き、聞いてたんすか…。」
「そうとも…毎晩毎晩保護の度にここで体をくねらせ耳にタコが出来るまで語ってくれたぞ?
大丈夫か?と手を差し伸べてくれた時の輝く笑顔は忘れられないとも…。」
あいつ誇張してやがる…実際は苦笑いだよ。
通り魔の歯が2〜3本転がったのを見て、あいつを連れて速攻逃げたんだ…やべえ、やりすぎたって。
人間って、青ざめると笑っちゃうよね。
そこから色々あって付き合うに至ったんだが、何年前の話だよ…。うーん、いよいよ頭が痛え。
48 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/27(火) 02:20:24.85 ID:nEuouCZeO
その後終業時刻になり、俺は速攻で自室へと戻った。
寝巻きに着替え、シャワー室でひとっ風呂浴び、やっとの思いでひと眠り。
まだ夕暮れではあるが、今夜はしこたま眠れそうだ。対策もしたし、昨日みたいなホラーも無いだろ。
あー、瞼が重てえ…。
うーん。
すう…。
「キャアアアアッ!?」
何事だ!?
悲鳴は…廊下じゃねえ、外か!
躊躇してる場合じゃねえ!裸足のまま外へ出ると、事は中庭で起こっていた。
……っ!?侵入者か!!
寝起きの目はまだ霞んじゃいたが、ナイフを持ってるのはすぐわかった。
「ひっ…助けて…。」
別の人影…やべえ!艦娘が襲われてる!
後になるとつくづく悪癖だと思うんだが…そこからの行動は早かった。
細かい事を考えるより先に、もう犯人は目の前。
何度も練習でやった動きを繰り出した時、俺の脚には重い感触が走っていた。
「へぶぅ!?」
あ、結構派手に吹っ飛んだな…。
いつもそうだ、犯人の悲鳴が耳に入ってようやく我に帰る。
やっちまったなぁ…まぁ、今回は事が事だ、お咎めなしだろう。
そうだ!まずは被害者の無事を確認しないと。
「大丈夫か!?」
「ええ…また私を助けてくれたのね!」
…また?
49 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/27(火) 02:23:02.79 ID:nEuouCZeO
折しも、ちょうど目の霞みが抜けてきた頃。
冷静になった俺は、そこでようやく襲われていたのが誰かを理解した。
外灯の照明に照らされ、さらさらと輝く白い髪…何よりものすっっげー覚えのあるじっとりとした視線。
にも関わらず、しいたけかってぐらいキラキラもしてる矛盾した瞳。
さながら闇夜に降り立つ白い鶴…なわきゃ無く、俺には闇夜に浮かぶメドゥーサにしか見えなかった。
しかも…
翔鶴
E.大弓
E.装甲甲板
E.バルジ多数
E.艤装の核部分(艦娘の身体強化機能有り)
お前今ワンパンで反撃出来る仕様じゃねえか!?
50 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/27(火) 02:24:07.80 ID:nEuouCZeO
「く……くくく……良い蹴りではないか…。」
あれ?どっかで聞いた声だなー。
後ろを向くと、口の辺りから血を垂らしながら立ち上がる目出し帽。
ん、んー…あのマスク越しでも分かる鋭い目つき、それにあの声…さっきまで話してた奴によーく似てるなぁ。
「ふふふ、私とした事が“うっかりさん”だ…今日は“時刻のみ抜き打ちの防犯訓練がある”と貴様に伝え忘れていたよ…。
やはり眼鏡が無いと何も見えんな…貴様ごときの蹴りもかわせんとは。」
「け、憲兵長…。」
「これは私のミスだ、本当は貴様の関節を5〜6個外してやりたい所だが、甘んじて受け入れよう。
しかし…“そちら”の方は、早くどうにかしないとしょっぴかねばならんぞ?」
「へ?
〜〜〜〜っっっ!!!!???」
皆、寝る時の格好はどうしてる?
パジャマを着るのか、それともラフな部屋着で行くのか。それぞれ嗜好があるだろう。
俺はまず、秋冬はジャージにパーカー。
それ以外は…
ボ、ボクサーパンツ、一丁だ…。
51 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/27(火) 02:26:04.61 ID:nEuouCZeO
「ふふふ…相変わらず素敵な体…。」
さわさわとした感触がした頃には、もう遅かった。
メドゥーサの蛇は俺に纏わりつき、あの目を見た瞬間俺は硬直。
めっちゃ上気した顔の女がそこにいましたよ、と。
「ふう…貴様を捕まえる必要もなさそうだな。」
「ま、待て!」
「…おや、今の騒ぎで艦娘が集まって来たか。
では、怪我の手当てがあるので失礼する。事情説明は任せたぞ。」
「てめえハメやがったな!!」
「では明日なー。今夜はお楽しみでなー。」
「ふふふ、今日はお仕事は終わりでしょう?続きは私の部屋で…ね?
ほら、梯子使えば私の部屋に忍び込めるし。」
「てめえやっぱり作ってやがったのか!ま、待て!そんなとこに手ェ掛けたら…パンツが…!」
「「「翔鶴さん!!」」」
「皆来てるよ!あ……今ビリって……あ…あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"っっっっ!!!!???」
その後しばらく、俺が裏ではチン兵さんと皆に呼ばれてたのは言うまでも無い。
忘れらんねえなぁ…駆逐の子達が、頬を赤らめ指越しにガン見してきた瞬間。あれ、目から汗が出てくるや…。
52 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/27(火) 02:27:31.50 ID:nEuouCZeO
ストーカー気味の元カノとの再会、頭のイカレた上司と、異動早々無茶苦茶な展開だらけのこの鎮守府での憲兵生活。
だが無茶苦茶はまだまだ続くと、お仕事の方でも俺は思い知る事になるのである。
次の異動を勝ち取るのが先か、俺が胃潰瘍で集中治療室に移動するのが先か。
それは神のみぞ知るのであった。
神のみぞ知る…神の味噌汁とかふざけて言う奴いたよな。
飲んだ後の味噌汁は効く。だから『あいつ』にしこたま浴びせてえ。
そう思う事件が、後々待ってたんだよ…はは…。
53 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/27(火) 02:29:50.48 ID:nEuouCZeO
今回はこれにて終了。これから他の艦娘も絡めて行く予定です。
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/27(火) 03:44:58.48 ID:DEw0w68Wo
おつー
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/27(火) 12:47:09.14 ID:+nZdPrpC0
乙!
ここはやはり駆逐艦などの幼い系の子たちの面倒を見て翔鶴が関わる隙間を減らすしかない……流石に自重する、よな?
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/27(火) 13:46:05.80 ID:Ni673BkA0
おつん
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/27(火) 14:57:33.35 ID:mRmKHuSKO
期待
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/27(火) 23:05:34.51 ID:urRnnqxl0
乙
期待
59 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/29(木) 21:24:43.45 ID:tsUKKMS1O
※今回は色々と汚いのでご注意願います。
60 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/29(木) 21:25:35.91 ID:tsUKKMS1O
第4話・バッカス様
61 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/29(木) 21:26:39.14 ID:tsUKKMS1O
あれから数日。
ここの勝手にも慣れ始めたが、取り立てて何かが起こる事も無い日々だった。
それで日も落ちて、詰所で書類の整理と勤しんでいた時の事。
「……そう言えば、中庭にまだ落ちてたぞ。」
「何がですか?」
「貴様の破片がだ。」
「ふふ…まだ、あったんすねぇ……。」
うん。思い出すと涙が出ちゃう。
あの時ケツ押さえてたのがまずかった…結局隠すのが間に合わず、一瞬とは言え急所を公衆の面前に晒す羽目になったからな…。
まだ桜が残る今…しかし先に散り行くものは、俺のパンツとプライドか。ああ、つらい。
そんな風に涙を堪えていた矢先、詰所に着信音が鳴り響いた。
62 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/29(木) 21:27:46.81 ID:tsUKKMS1O
「はい…ええ、“P”ですか。かしこまりました、すぐ向かいます。」
「どうしました?」
「……出動だ。」
「……!!事件ですか!?」
「事件と言えば事件だが…そうだな、常連さんって奴だ。」
「常連?」
現場は寮の4階。
最初は部屋かと思ったが、4階の艦娘達が3階まで避難していた。
ただ事じゃねえ…一体何が?
「憲兵長!」
「なぁに、私が来たからにはもう大丈夫だ。」
「はい……どうか妹を!」
妹?
その子をよく見ると、どうやら外国人のようだ。
確か海外から交換派遣で来てる子達もいるって聞いたな。
「さて、行くぞ。念の為にこれを飲んでおけ。」
「何すかこれ…。」
手渡されたものは、小さな金の缶…ってウコンじゃねえかこれ。
いよいよ何が起きているのか分からない。
促されるままぐいっとウコンを飲み、俺達は4階への階段を駆け上がった。
そして、俺達が目にしたものは。
63 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/29(木) 21:28:57.16 ID:tsUKKMS1O
まず、泡吹いて倒れてる人影が目についた。
それぞれ青い制服、水着、赤い袴とスカート…全部で4人。
それらの死屍累々の先に、ゆらりと動く人影が……
銀髪とケツを揺らしつつ、男前に立っていた。
……えー、そりゃ俺だって男ですよ。
何かこう、Xでビデオなサイト見ちゃったりとか、スケベ拗らせる場面だってある。
だからこそだ…敢えて言わせてくれ。
こんなに反応出来ねえ全裸の女、初めて見たよ!
64 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/29(木) 21:30:17.38 ID:tsUKKMS1O
「すぅ……。
……ポオオオオオウウゥゥゥルルルルゥァアアアアアアアアッ!!!!
むああああとぅあ貴様かあああああっっっっ!!!!!!」
「うおっ!?」
何!?こいつこんな大声出せんのかよ!?
眼鏡は大声の後、ガツガツと靴を鳴らして奴へと近づいて行く。
うわ、顔がすげえキレてる…あの子死んだな…。
「あれ〜憲兵長じゃないですか〜。一緒に飲みましょうよ〜。
あ、あなたは新しい憲兵さんですね〜。お近付きの印に一杯どうですか〜?」
「誰が飲むかぁ!!今日と言う今日こそは許さんぞ!!
女の子がぁ!裸でぇ!出歩いちゃ!ダメでしょうがああああああ!!!」
「いやキレるとこそっち!?」
眼鏡は上着を脱ぎ、手慣れた動作でポーラの肩に掛けた。
あ、ちゃんとボタンも掛けてあげるのね…って何か暴れてんぞ!?
「や〜だ〜。あついです〜。」
「暑いじゃない!一体何度目だと思ってるんだ!
こら!暴れるな!神妙に服を着ろ!!」
「や〜で〜す〜。離してくださ〜い。」
「誰が離すかぁ!ええい大人しくしろ!!」
「や〜め〜て〜ゆらさないで〜……
…………うぷ。」
………うぷ?
65 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/29(木) 21:31:37.70 ID:tsUKKMS1O
直後、この空間だけがマレー半島南端の世界的金融センター都市…の、某公園になった。
しゃがんでボタンを掛ける眼鏡の頭へと、金色の雨が降り注ぐ。
それはスローモーションで優雅な曲線を描き、まず帽子へと押し寄せた。
帽子の崖を乗り越え、その波はレンズと肉眼の隙間へとこぼれ落ちて行く。
その者カーキの衣(眼鏡の)を纏い、金色の野を生み出すべし。
失われし理性との絆を破棄し、人々を不浄の地へと導かん。
きっと奴の視界は今、さぞかし黄金郷と化したことだろう。
うわぁ…やっぱり法被の似合う芸人みたいにキラキラしてないね。何て言うか、てりてりしてる。
俺、『ぎょぼ』って擬音で吐く人初めて見たよ…。
66 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/29(木) 21:32:51.66 ID:tsUKKMS1O
「ギャァアアアアッッ!!?目が!目があああああ!!!」
「憲兵長!!傷は深いです!!そのまま死ね!!」
「却下だ!超生きる!!」
「はー…生き返りました〜…吐いちゃいましたね〜…。
と言うことは〜…みんなで飲み直すしかないで〜〜す!!」
「げぇっ!?」
酒瓶片手にポーラが俺に突っ込んで来る。
一瞬たじろぐが、ふと冷静になれば、相手は艤装の無い艦娘。
つまり今のこいつは普通の女の子、俺の身体能力なら取り押さえられるはずだ。
そうだ!このまま腕を押さえれば……!
え…消えた……?
「こっちですよ〜。さあ一杯行きましょう〜。」
次の瞬間、俺の口内はブドウの酸味に犯されていた。
ラッパ状態で瓶を突っ込まれ、どばどばと胃まで押し寄せて来るのは赤ワイン。因みに俺、赤ワインは大の苦手。
そんなもんをぶち込まれた日にゃ、結果は決まりきっていた。
67 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/29(木) 21:33:58.48 ID:tsUKKMS1O
「おおおおおおおお!!!」
叫び声だと思ったか?吐瀉音だよ。
飲ませると言う事に関しては、こいつに艤装なんて関係無かった。
ナチュラル酔拳の使い手、それがポーラだったのだ。
「げほっ、ごほっ……。」
「ごちそうさまが〜聞こえな〜い。ほら飲んで飲んで〜。」
鼻が痛えんだよ。逆流してんじゃねえか…。
まじいな、早速回ってきやがった…上手く組手の体勢が取れねえ…。
ああ、こんな所で俺たちは負けてしまうのか…この後待っているのは酒浸り地獄。
ポーラが二度目の攻撃体勢に入り、ついぞ死を覚悟した。
68 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/29(木) 21:34:45.87 ID:tsUKKMS1O
「行くわよ!全機、突撃!」
その声が聞こえた瞬間、背後から一斉に艦載機達が飛び出してきた。
艦載機に括り付けられたのは満タンのバケツ、それが爆撃代わりにスコールのようにポーラへと降り注ぐ。
「冷たいです〜…あ、お酒が…むにゃ…」
全ての水を浴びた後、酔いが落ち着いたポーラはその場へと倒れ伏す。
朦朧とする視界の中…こちらへ伸びる腕は、優しく俺を抱きしめていた。
「__……。」
「ふふ、久々にその名前を呼んでくれたのね。
今はゆっくり眠りなさい。」
吐き気のつらさに取り憑かれ、俺はされるがまま。
その苦痛と、抱かれた腕の心地よさに目を閉じた時。
「ふふふ、これで部屋まで…。」
「誰が行くかバカ!」
やっぱり相変わらずでした、このお方。
69 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/29(木) 21:36:19.03 ID:tsUKKMS1O
「……ふう、今ので洗い流されたか。」
「憲兵長…。」
「さて、私はこの子を部屋へ連れて行くとしよう。
翔鶴君、今回は本当に助かった。ありがとう。」
嵐が去った…はぁ、終わったかな。
その場にへたり込んだ俺は、そこでようやく一息をつくことが出来た。
そうだな、まずは…。
「ありがとな、助かったよ。」
「大した事じゃないわ。
……てばかりにも行かないし。」
「何か言ったか?」
「いえ、何も言ってないわ。
さて、と……じゃあ着替えましょう?もちろん私の部屋で!!」
「却下だっての。」
今はもう、怒鳴る気も起きねえや。
ぺし、と軽いチョップをかますと、何でかこいつはくすくすと笑っていた。
……ん?そう言えば眼鏡の奴、ポーラを常連さんとか言ってたな。
「…なあ、もしかしてあの子っていつもああ?」
「あそこまでは珍しいわ。
でも、しょっちゅう脱いで憲兵長のお世話になってるわね。」
ははは…て事は、これからいつもって事か…。
ま、ひとまず今は、事件が片付いた事に安堵するとしよう。
さーて、帰ろ…
『かつん!』
ん?あ、酒瓶踏んだなぁ…
あれー?宙に浮いてるぞー?
体が回転して…待って、それでそっちコケたら…あ…ああああああああっ!?
『ふに……。』
俺がすっこけた先には、もちろんあいつです。
受け身を取ろうと伸ばした手は、何て言うかこう、身に覚えのある柔らかいものに。
ダイビングパイタッチ、成立…相手は奴。
つ ま り 。
「……ふふ、ふふふ……やっとその気になってくれたのね!!」
「待て!事故だ!」
「事故も運命よ!全航空隊、発艦始め!」
結局一晩しこたま鬼ごっこをする羽目になり、逃げ切った時には俺はミイラのようでしたとさ。
70 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/29(木) 21:37:11.79 ID:tsUKKMS1O
もう当分、ワインはいらねえ…。
あー、何か折れそうだ…馴染みとしょうもねえ話がしてえ。
そう考えた俺はスマホを取り出し、ある人物へとコンタクトを取った。
そっちの艦娘には仲良くしてくれてた奴らもいて、その中でも特に悪友って呼べる奴だ。
『久々だね、元気?』
『何とかな。早速積もる話だらけだよ。××日時間ある?飲みてえんだ。』
『あー、参ってるねぇ。
その日は空いてるよ、久々に大将のお店行こうよ。』
『お、いいね。じゃあまた連絡するよ。』
前いた鎮守府は、実は言うほどここから離れちゃいない。
車飛ばせば1時間半、電車使っても2時間あるか無いか。
早めに飲んで帰れば、全然日帰りも可能な場所だ。
さすがにあいつも、そんなとこまでストーキングはしねえだろ…。
…とか思ってたのが、間違いでした。
そう、別にあいつがストーキングする必要は無いんだよ。
ついでに言うと、文明の恐ろしさも俺は味わう事になるのである。
嗚呼、俺のプライベートはいずこ…。
71 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/03/29(木) 21:39:05.85 ID:tsUKKMS1O
今回はこれにて終了。
お食事並びに飲酒中の方がいらっしゃいましたら、誠に申し訳ございませんでした。
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 23:20:16.44 ID:CHlXJLSA0
目の前で他の子誉めたら行方不明になんのかね?
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 12:43:59.00 ID:R51aWtb40
盛 り 上 が っ て 参 り ま し た !
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/03(火) 01:42:52.16 ID:itt/GOm4O
乙
この翔鶴さんアグレッシブ過ぎる
75 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/05(木) 13:08:29.87 ID:YAIwfqJuO
あの後「久々だし本気で飲むよ!」と言われ、予定が変わった。
当初俺が提案した日の前日という事になった訳だ。
こっちの仕事も夜警は無し、夕方にはすんなり終わった。
朝までコースか。外泊許可も取ったし、電車で寝過ごさなけりゃ朝帰りでも大した問題はない。
出撃明けにタフだなとも思うんだが、アレで意外と酒好きな奴だ。
もののついでに土産もリュックに詰めて、少しばかりの旅としけ込もう。
はぁ…何だか久々に一息つける気がするぜ。元気してっかなぁ、あいつ。
76 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/05(木) 13:09:06.33 ID:YAIwfqJuO
第5話・LAN、卵、乱-その1-
77 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/05(木) 13:09:50.22 ID:YAIwfqJuO
さて、懐かしの駅…って程でもねえけど、ちょっと久々の街に着きましたよと。
現在時刻は20時20分。電車の中で軽く寝たし、飲むには持ってこい。
えーと…あそこの券売の前って言ってたな。
で、待ち合わせ時刻になった訳だが。来ねえなぁ。
イヤホンから流れる音楽も、今日何度目になるのやら。
「…ねぇ。」
まあ、この時間にあそこから来るならちょっと掛かんだろ。
あいつならある意味目立つし…
「ねえってば!!」
「いってえ!?」
イヤホンを乱暴に引っこ抜かれたかと思えば、間近にいたよ。
ああ、ちっこいもんなこいつ…見えてなかったわ。
「むー、今なんか失礼な事考えてたでしょ?」
「い、いやー、別にー。久々だな、元気してたか?」
こいつは瑞鳳。
俺が前いた所の艦娘で、当時からの悪友でもある。
……因みに、こんなんでも俺と同い年。
78 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/05(木) 13:11:51.20 ID:YAIwfqJuO
「「かんぱーい」」
馴染みの店に入って、早々に乾杯だ。
あそこにいた時は、週に一度は来てたっけなぁ。
ああ、ビールがうめえ…そんで大将の卵焼き…心に沁みるぜえ…。
「生き返るなぁ…。」
「実感こもってるわね…あっちはそんなに大変なの?」
「まぁ、色々とな…もうちょい飲んだら話すわ。そっちはどうよ?」
「相変わらずよ。君が異動して皆寂しがってるよー?
あ、写真撮らせてよ。LINEで回すから。」
「はーい。」
勝手知ったる奴と、気兼ね無く酒を飲む。
こんな些細な瞬間でさえ、今は何と有り難え事か…。
「大将ー、生二つ追加でー。」
「あいよ!あ、づほちゃんはコーラかな?」
「ひどーい、分かってる癖に〜。」
「あっはっは、最初来た時はびっくりしたもんだよ。
久々だ、ゆっくりしてきな!」
「くくく…。」
「むー、何ニヤニヤしてるのよ?」
「いや、知り合った時を思い出してよ。」
「ああ、あの時?君も私の事子供扱いしてたもんね。」
79 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/05(木) 13:13:17.36 ID:YAIwfqJuO
こいつと仲良くなったきっかけは、そもそもは俺の勘違いだった。
まだ新人の時か…初めて一人夜警をしてたら、中庭で泣いてるづほを見つけたんだ。
その時はもう深夜、何事かと思って声掛けてな。
「どうしたんだ?こんな時間に。」
「…何でもないですよ。」
困ったもんだなんて思って、話を聞こうと横に座った。
で、その後俺が発した言葉が……いや、でもありゃしょうがねえよ。
「提督にでも怒られたのか?でも“駆逐艦”がこんな夜中に出歩いちゃいけねえな。
詰所に行こうぜ、話ぐらいならいくらでも聞くよ。」
「………“駆逐艦”?」
「そうそう、こっちも憲兵さんだからな。
“子供の深夜徘徊”は、これ以上はお説教しなきゃいけなくなっちまう。」
「……あなた、この前入った新人さんよね?軍学校出たての。」
「そうだけど?これでも君よりお兄さんだ。」
「〜〜〜〜っ!!!」
免許付きのビンタ、なかなか強烈だったな。
顔に張り付いた免許見て、え?え?え?ってなリアクションになったのはよく覚えてる。
結局泣いてた理由も、その頃付き合ってた奴に振られたからって話でな。
その後ヤケ酒と愚痴に延々付き合わされて、そこから始まった腐れ縁だ。
買い置きだから!ってしこたま発泡酒持ってきた時は、思わず二度見したもんさ。
……振られた理由は、俺の言葉にキレた理由に近かったらしいが。相当気が立ってたらしい。
「ちぇーだ。相変わらずちんちくりんですよー。」
「まぁあの件は制服のせいもあったし。
私服ん時はちゃんとちっこいだけの女に見えてる、安心しとけよ。」
「……そう?」
「そうそう、さっきは気付かなかったもんよ。」
「えへへ…。」
…待ち合わせの時、完全に身長で探してたのは黙っておこう。
「…でもさ、少し痩せたんじゃない?本当に大丈夫なの?」
「あー…実はな…。」
80 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/05(木) 13:15:36.19 ID:YAIwfqJuO
「へ?向こうに元カノがいたって、あの元カノ?」
「あの元カノだ。妹とセットで翔鶴型やってんよ…。」
「あ、あー……それは…。」
察してくれる友は貴重だ…。
づほも大まかな過去は知ってるから、容易に俺がやつれた理由は想像出来たのだろう。
「キツいわね……。」
「早速色々と事件がな…。」
「……ねえ、“その翔鶴”ってどんな見た目の子?
あそこなら演習で何度か当たってるから、知ってるかも。」
ひとえに同型艦と言っても、適合者は世に複数いたりする。
人が違う訳だから、勿論容姿も皆違うんだけどな。
俺の知ってる『翔鶴』は、あいつな訳なんだけども…。
「白髪のロングだな。身長はそこそこある。」
「…………へぇ、あの人かぁ。」
「知ってんのか?」
「挨拶と演習しかした事ないけどね。
憲兵だとその辺見ないだろうけど、結構よそにも顔見知りぐらいは増えるものよ?
あの人同い年なんだ…そうは見えなかったけど。」
「言ってやるなよ…昔から結構気にしてんだから。」
「む。だめだよー?そうやって何だかんだ人の肩持つから付け込まれちゃうんだって。」
「そんなもんか?」
「そんなものよ。君は良くも悪くも人に甘いとこあるから、もうちょっとドライになろうよ。」
「お、何の話だ?とうとう二人も付き合いだしたかー。」
「あははは!ないない!大将ー、こいつとはそんなんじゃないわよー。」
「ははは、言うなー。」
大将はたまにこんな茶々を入れては来るが、実際異性としての意識はお互い無い。
だからこんな気兼ねない関係でいられてるし、何でも話せる間柄な訳だ。
酔えばお互い下ネタもぶちかますし、潰れたづほを何度も介抱したなぁ…。
憲兵って環境でそんな友達が出来たのは、つくづく恵まれたもんだと思う。
81 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/05(木) 13:16:49.50 ID:YAIwfqJuO
「元カノの件もだし、上司もなかなかクレイジーな奴でさ。
何かもう疲れちまってなぁ…ありがとな、時間作ってくれて。これだけでも気楽になれるよ。」
「……帰ってきなよ。」
「へ?」
「半年やれば異動願い出せるでしょ?そしたら帰ってきなって。」
「ま、考え中だよ…異動が決まったとして、そっちにまた着任出来るとは限らねえしな。」
「そっかぁ…でもまた遊びおいでよ。今度はみんなで飲も。」
「そうだな…あ、お土産あるんだよ。」
そんでリュックを開けたんだ。
中には饅頭の箱が入って…
\やぁ/
いや、何も見てない。
何か饅頭頬張ってる小さいのがいた気がするけど、多分疲れてんだろ…。
「どうしたの?」
「あ、ああ、ちょっと電車で揉まれちまってな…今出…。」
\こんばんわー/
……………。
出てきちゃったよ、この子…。
82 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/05(木) 13:17:59.07 ID:YAIwfqJuO
「あれ?この子艦載機妖精じゃない?かわいー。
誰かのが付いてきちゃっ………!?
ねえ、“艦載機の子”って事は…。」
「………ははは。」
妖精をつまみ上げると、何かを背負ってるし、抱えてもいた…あれー?どっかで見覚えがあんな、この背中の四角いの…。
確か前携帯変えた時、スマホ屋の一角に…。
妖精
E.小型ネットワークカメラ
E.ポケットwi-fi
ははは、遠方のペットの監視もばっちりってかこの野郎!
よーし!今ならわおーんとかにゃーんとか鳴いちゃうぞ!恐怖で!
83 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/05(木) 13:18:56.18 ID:YAIwfqJuO
「うわぁ……ここまでやる?」
「これから話そうと思ってたんだが…やりかねんなぁ、あいつは…。
俺さえ絡まなけりゃ温厚なんだけど…。」
「ねえねえ妖精さん、ちょっとそのカメラこっち向けてくれる?
向けてくれたらいいものあげるよー。この美味しい卵焼き、食べりゅ?」
\たべりゅー/
へ?そんな餌付けして何やる気?
づほはカメラを自分の方に向けさせると、何やらにこっとレンズに向かって微笑んだ。
次の瞬間。
『お見せできない指の立て方をしております』
……お前自分が何やったかわかっとんのかー!?
84 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/05(木) 13:19:58.04 ID:YAIwfqJuO
「な、な、なぁっ!?」
「……っく…あのねぇ、私こう言う陰湿な真似する女…。
大っ嫌いらんらよねーー!!」
あ、一番ダメなパターン来た。
何度かぶち当たった事のある、通称怪獣モードってやつ。
誰が呼んだか、仲間内で『ヅホラ出現』で通ってるそれ。
ん?SMS?誰だこの番号………
『面白いわね、その子。』
今の携帯番号は、あっちじゃ眼鏡ぐらいにしか教えてない。
流石のあいつも無駄なトラブルは嫌なのか、教えないとも約束してくれた。
そんな時、続け様にLINEが入る。今度は眼鏡だ。
それを開くと……
『すまない、あの翔鶴君は流石に止められなかった。』
あの眼鏡がガチ謝罪とな…あいつマジで何した?
85 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/05(木) 13:21:53.96 ID:YAIwfqJuO
「ふふふ、美味しい?」
\おいちー!/
本日の戦犯様は、何事も無かったかのように妖精を可愛がっております。
ああ、鬼電とか無いのが余計怖い…酒の汗より脂汗、体温と心拍数に歯止めなし。
目下未来は暗黒の暗黒、そんな現実の末に…
「よっしゃあ!今夜は飲むぞ!」
「おー!行け行けー!」
俺はとうとう、考えるのをやめた…。
86 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/05(木) 13:23:21.63 ID:YAIwfqJuO
今回はこれにて終了。
他の艦娘が巻き起こす珍事件も絡めつつ、進めて行けたらなと思います。
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/05(木) 14:15:19.01 ID:I45nETuq0
(別にこれ艦これじゃなくてもよくね?)
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/05(木) 14:51:24.29 ID:q1M/nKOmO
乙
瑞鳳ェ…大惨事鎮守府大戦が始まりそう
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/05(木) 14:54:23.99 ID:5s3jKZtDO
面白いわ
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/05(木) 18:00:01.99 ID:2Und2ktR0
いっそ瑞鳳と付き合っちゃいなYO
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/05(木) 19:49:21.61 ID:TGhy/bnN0
翔鶴vs.瑞鳳 見たい
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/04/07(土) 01:41:14.42 ID:H4lS7O4m0
づほと妖精さん可愛いなぁ……
しかしこれで艦娘が本気になったら憲兵なぞなんの役にも立たんという事がはっきり分かってしまったな……
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/08(日) 09:13:02.97 ID:fKjRUiogO
別スレのが重い展開だけにこれは吹くw
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/10(火) 15:40:47.55 ID:122c3Se4O
なんかこの憲兵、DV受けてるのにでもでもだってでなかなか逃げない妻タイプな気がする
何が言いたいかというと、ずほ、ファイト!
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/11(水) 03:57:35.53 ID:5smrC9zC0
乙。
やっべ、初見だが今追っかけてるなかで一番楽しみなの出来たわw
96 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/21(土) 01:42:49.48 ID:VF317A2nO
第6話・LAN、卵、乱-その2-
97 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/21(土) 01:44:00.05 ID:VF317A2nO
「あはははは!!それでね!それでね!」
現在時刻、深夜24時。づほはとっても元気です。
…指の事とか、多分忘れてる。
2軒目は個室居酒屋で大正解だ、こいつはこうなるといよいよ止まらない。
さっきから会話の端々に要ピー音な単語が並びまくっているが、こりゃ朝は送りかな。慣れたもんではあるけども。
妖精からストーキング道具も取り上げ、今は俺のリュックですうすう眠ってる。
対応は済んだ…目下の問題は、やはりさっきのあの件。
こちとら元カレだ、性質ぐらいは人より知ってる。
妹は短気な方だが…あいつ自身は、キレると笑うタイプの女。
……オーケイ俺、大丈夫だ。
づほは酒が抜ければちゃんと反省できる子だ、この際泥は俺が被りゃいい。
あいつだって艦娘だ、あんまり無茶するなら俺もお仕事しなけりゃならない。
いや、待て。お仕事と言えば、目下の問題は…。
98 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/21(土) 01:45:23.94 ID:VF317A2nO
「ごめん、ちょっとトイレ行く。」
「いってらっしゃーい。」
そう言えばあいつ、眼鏡相手に何やらかした?
連絡が来たって事は、傷害沙汰にはなっちゃいねえらしいが…電話してみよう。
「もしもし、お疲れ様です。生きてます?」
『ああ、さっきはすまなかったな…怪我は一切していない、大丈夫だ。』
「何されました?」
『ふふ…少し弱みをな。』
「……脅迫ですか?」
『ふっ…私を誰だと思っている?
ただ、私も女の涙には勝てなかったと言う事さ…。』
「分かりました。“嘘泣き”とか“目薬”って単語、100万回グーグル先生に聞いてください。
お疲れでしょうからゆっくり休んで下さいね、永遠に。」
…………あははぁ…そういやこういう奴だったよ…。
もはやここまで来ると、段々覚悟が決まってきた。
今は飲もう、全ては帰り道で考えよう。
そんな風に思いつつ個室に戻ると、づほがいない。
トイレかな?とか思ってると、肩にずしりと重さが来た。
99 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/21(土) 01:46:56.95 ID:VF317A2nO
「ふふふ…君の格納庫は相変わらずかな?」
「ったく、やめろっての。」
「よいではないか、よいではないか〜…うん、この格闘技ならではの締まった胸筋…相変わらず揉みがいがあるわね。」
出たよおっぱいソムリエ。
づほは酔っ払うと男女関係無く揉む。ていうかまさぐる。
大体ターゲットは俺か、もしくは艦娘なら『あの人』か。
「無いからこそ愛でたいのよ!」とか、ちょっと悲しくなる事を言ってたな…。
「久々なんだよー、揉ませてよー。」
「普段何人も揉んでるだろ….。」
「女の子ばっかりじゃ飽きるのよ。たまには男の子も揉みたい…揉みしだきたい…。」
「お前が女で良かったよ。艦娘ならぬ艦息子だったらしょっぴいてたわ。」
じゃれてくるづほをあしらいつつ、そう言えば他の連中どうしてるかなーなんて考えてた。
いつもづほがこうなると、大体寮に着いたら『あの人』にお願いしてたっけ。
『久しぶりね、そちらはどうかしら?』
お、噂をすれば何とやら。
そう言えば皆にLINE回すって言ってたもんな。
100 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/21(土) 01:48:45.24 ID:VF317A2nO
『ヅホラが出ました。』
『大変そうね。今夜は朝までかしら?』
『この調子だとそうですね、まあ元々誘ったのは俺なんで。朝そっちに送ります。』
『お願いね。私もそこで一度起きるわ。』
『すいません、ご迷惑をお掛けします。』
久々にあそこに行くなぁ…とは言え、他の皆は寝てるだろうけど。
今度は皆で飲もう、うん。
「ちぇー、少しは反応してよー。つまんないの。」
「お兄さんの気持ちになる。」
「ん?何か言った…?」
「いででで!つねるなっての!」
「へーんだ、どうせあの人相手だったら変な声出したりしてたクセにー。」
「ぶっ!?お前なぁ……。」
「図星かな?図星なのかな?ここがええのんか?んー?」
酒臭えが、それ以上にオーラにおっさん臭を感じる。
普段は女の子らしいんだけどなぁ…それが一緒に飲んでて面白くもあるんだけど。
「ふっふっふ…今度演習でかち合ったら両手で行ってやるわ…。」
「マジでやめろ。」
今度こそ胃が轟沈するわ。
はーあ……でも少しは気楽になれたな、見知った顔のお陰かね。感謝しねえとだ。
それでグダグダと飲み続けて、もう明け方。
店を出る頃には、すっかりグデングデンになったづほが完成していた。
途中までタクシー使うかとも思ったが、中でやらかされても困る。
そんな訳で少し遠いが、づほをおぶって鎮守府まで向かう事にしたんだ。
101 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/21(土) 01:49:51.95 ID:VF317A2nO
リュックを前に掛けて、背中にはづほ。
海岸線を歩きつつ、朝まで飲んだ時はよくこんな風に連れて帰ってたなぁ、と思い出していた。
明け方の風は、良い感じに酒を抜いてくれる。うーん、良い朝だ。変わんねえなぁ。
その頃と違うのは、俺のリュックにあいつの妖精がいる事ぐらい。
正門が見えてきたな、着いたら連絡しないと…。
\おはよー/
お、這い出して来たぞ。
ははは、登ってくるなよくすぐってえ。こらこら、そんな耳んとこ来たら落ち…
「ねぇ…テレパシーって、知ってる?」
oh…何でそこだけそんなセクスィーボォオイス……。
102 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/21(土) 01:50:38.33 ID:VF317A2nO
「ふふふ…楽しかったかしら?」
103 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/21(土) 01:52:31.80 ID:VF317A2nO
頭ん中に亀裂、走る。
まず国道の方に振り返る。
そこには一台の車、ナンバーには思いっきり現職場の土地名。
視線を移動、運転席。おっと隈の深え緑のツインテールだ。顔が死んでる。
さあさあ心拍数は一気に上昇、いやしかし振り向くな俺。俺の真後ろ、歩道の方は見ちゃあいけねえ。
背中にはづほ、顔はカメラでバッチリ公開済み。
幾らづほが煽ったとは言え元は俺の問題、巻き込み事故だけは避けねばならない。
ゴールだ、ゴールを目指すんだ。正門に着けば『あの人』を頼れる、最悪俺が連れ帰られるだけで済む…!
「………ん…あれ?あなた…。」
おっと瑞鳳選手の覚醒だ。
あ、やめて、振り向かないで、肩から手ぇ離さないで。
あ、あ、腕の動きに釣られて俺の視線もおおおおおお!!!!
「帰りなさいよ、ばーか。」
さざめく潮騒…そのリズムに合わせ揺れる白い髪…
朝日に照らされる笑顔には……
「ふふ……本当に面白いわね、あなた。」
目元に暗黒が立ち込めておりました。
ゴール、決まったね……平和の。
104 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/21(土) 01:53:27.18 ID:VF317A2nO
「……ちょっと降ろしてもらっていい?」
づほは固まる俺から勝手に降りると、つかつかとあいつへと近付いて行く。
何やる気だ…開幕クロスカウンターとかやめてくれ…。
「ふーん……ほうほう…。」
手が伸びる。え?何?襟掴む気か?
まずいまずい!止めねえと!
「づほ!待て!」
「……………えい。」
『もにゅん。』
「ふーん…85のEってとこかぁ……ふむ、この弾力と張り…恐らくは…。
___あなた、将来垂れるわね♪」
カウンターじゃねー!?おっぱいストレーーートゥ!!!
105 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/21(土) 01:54:56.17 ID:VF317A2nO
「ふふ…そう、気を付けるわ。ちなみに歳はおいくつ?」
「あなたと同い年よ。聞くまでもっと上だと思ってたけどね。」
「ふぅん…あなた、ヒヨコに似てるわね。よく言われないかしら?
私“鶏は胸派”なのだけど…ああ、“その歳までヒヨコ”なら、もう“胸肉は育たない”のかしら?ふふふ。」
翔鶴選手、捻りの効いたリバーブロウです。
づほを見ると……表情が、無い。サンマみてえな目になってやがる…!
106 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/21(土) 01:56:38.65 ID:VF317A2nO
「……ふふ、言うじゃない。
でも心は顔にも出るものよ?随分大人びて見えるけど、内心不安だからストーキングするのよね?
しかもとっくに切れてる男相手に…そう言うのを情緒不安定って言うのよ。だから嫌われる以上に怖がられちゃう。
あ、そっかー。メンタルが更年期だから、そんな大人びて見えるんだね!おばさん♪」
その瞬間、確かに重力が増した。
だ、大地を揺るがすアルカイックスマイル…!
付き合ってた時すら感じた事ねえプレッシャーが空間を支配しやがった。
「そう…見た目相応に幼いあなたが言うなら間違いないわね。
あなた、男性とお付き合いした事はある?」
「……あ、あるわよ、勿論…。」
「くす…二人で飲みに行くぐらいだから、今は違うと言うことでいいかしら?
そうね、その人は容姿で人を差別しないからいいでしょうけれど、お付き合いした方は大変だったでしょう?
例えば…お相手がロリコンさんと間違えられて、警察のお世話になっちゃったりとか。
それで段々肩身が狭くなったお相手の気持ちも冷めて……みたいな。
やっぱりお子様に恋は難しいかしら?ふふふ。」
もう、モノローグも出てこねぇ…なんだこの地雷原で相撲取るみてえな地獄絵図は…。
しかもよ…今のは……!
107 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/21(土) 01:59:29.90 ID:VF317A2nO
「ふふ……ふふふ……。
…その通りよちっくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「づほ!やめろっての!!」
「離して!!こいつの脳みそかち割りゅうううううう!!」
その時のづほ、マジでこんなん→(´??Д??`)だったな…あいつ、づほのトラウマピンポイントで突きやがった…。
ああもう、どっちが悪いとか言ってる場合じゃねえ!妹も何やってんだよ、姉貴止めろよ!!
「騒がしいわね。」
そんな騒ぎの中、正門脇の通用口が開いた。
そこにいたのは、まさにづほの世話を頼もうとしてた『あの人』。
「…加賀さん!」
正規空母・加賀。
この鎮守府の艦娘の長にして、真の元締めと言われる人。
108 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/21(土) 02:01:26.34 ID:VF317A2nO
【訂正】顔文字が反映されないの忘れてました。血の涙の顔文字と思っていただければ。
109 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/21(土) 02:02:51.70 ID:VF317A2nO
「馴染みの声がすると思ったら、昔見た顔もいるわね。
……わざわざ隣から御足労ね、どう言う事かしら?五航戦。」
「………あ、あ、その…。」
あいつがたじろぐ…だと?
え、加賀さんって向こうと付き合い無いと思ってたけど、知り合いなのか?
「酔った子もいるようだし、場所を変えましょう………ふん!」
「……!?」
うお…ラリアット一発でのしちまった…。
「この子程度、鎧袖一触よ。
もう一羽いるようね、今度はうるさい方の鶴。」
姉を引きずりつつ、加賀さんはつかつかと車の方へ。
後部座席にあいつを突っ込んで…え、運転席開けた?何だ、すげえ揺れて……止まった。
すると間もなく、ゆっくりと俺たちの前へと車が近付いてくる。
ガーッと窓が開くと……
助手席で泡吹いてる妹がいました。
110 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/21(土) 02:04:44.50 ID:VF317A2nO
「駐車場に停めてくるから、瑞鳳を中までお願い。立ち入り許可は出しておくわ。」
「は、はい…。」
行っちまった、なぁ…いけね、づほを離さないとだ。
「おーい、づほー?」
「ムス-」
「こらこら、いつまでもブーたれてもしょうがねえだろ?中入ろうぜ。」
「……おんぶ。」
「へ?」
「怒り疲れたからおんぶしてって言ってるの!そしたら入る!」
「まーだ酔ってんのか…しゃあねえ、乗りな。」
まぁこいつ軽いからいいけどよ…。
おぶってやると少しは機嫌が直ったのか、づほは終始ニコニコと笑っていた。
うちは姉貴一人だけど、妹とかいたらこんな感じ……
「……何か失礼な事考えた?」
「滅相もございません!」
……いや、今その事考えるのはやめよう。死ぬ気がする。
でも加賀さん、あいつらまで中に入れてどうすんだ?
ん?加賀さんからだ。
『中に入れたかしら?弓道場まで来てちょうだい。』
弓道場……とりあえず行くか。
………行かなきゃ良かったと、数分後の俺は心底思うんだけどな。
前夜の酒は序の口。
波乱の休日は、まだまだ続くと思い知る事になるのである。
ああ…夕方まで、タイムスリップしてえ…。
111 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/21(土) 02:07:20.78 ID:VF317A2nO
今回はこれにて終了。次回はいずれ。
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/21(土) 02:29:09.59 ID:rIKFPUdmO
乙
次の更新を楽しみにしてる
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/21(土) 03:26:59.52 ID:k/fa+gZYo
乙
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/21(土) 04:23:17.17 ID:65eg+GmO0
これはまごう事なき一航戦ですわ
頼りになるぅ!
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/21(土) 09:19:38.22 ID:nn+x3jYA0
キャー加賀さんステキー
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/21(土) 20:46:49.21 ID:CsOzKkM60
レディ・カガ・・・
げに素晴らしき、一航戦のHOKORIよ
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/22(日) 01:39:05.77 ID:4uCL5eJs0
加賀さん、一生ついていきますっ!
翔鶴が妖怪じみてたから、普通の姿を見れて少しほっとした
118 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:35:09.57 ID:fgkf4R9fO
第7話・LAN、卵、乱-その3-
119 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:36:14.32 ID:fgkf4R9fO
「さて…。」
かつての職場なんて言っても、ほんの一月前までいた所。
迷わず弓道場に着いたんだが……。
「すぅ……すぅ……。」
づほ、遂に力尽きる。
どうしたもんか…いや、あいつらも気絶してるしな。とりあえず寝かせとく感じだろ。
そう思いつつ扉を開けると、目をぐるぐるさせたままの姉妹が寝かされてた。
加賀さんはと言うと……へ?道着?
さっきはジャージにクロックスとかだったのに、何やる気だ?
「来たわね。早速で悪いのだけれど、10分席を外してくれる?」
「はい、いいですけど…。」
で、10分経過。
いいわよと声が掛かり、扉を開けてみると…。
「………道着?」
「ええ、全員着替えさせたわ。」
「こいつらまだ落ちてますけど、何するんですか?」
「………こうするのよ。」
120 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:37:16.69 ID:fgkf4R9fO
ばっしゃーーん、と、直後に水しぶきが3人を襲った。
加賀さんは躊躇いもなく、30リットルはありそうなバケツの水を奴らにぶちまけたんだ。顔面から。
「ぶーーっ!?」
「ふえっ!?へっ!?」
「え?何!?」
三者三様のリアクションで目を覚ますと、ようやく状況を理解したらしい。
なんかメイクとか色々大惨事になってるけど、もうそんな事気にする余地も無さげだ。
皆、ある一点を見て固まったからな。
「………あなた達。」
ゴゴゴって擬音が目視できそうな威圧感だった。
加賀さん……め、めちゃくちゃ怒ってる…!
121 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:38:25.17 ID:fgkf4R9fO
「まず翔鶴。朝から人の鎮守府の前で騒ぐとはいい度胸ね。しかもうちの子と喧嘩という形で。」
「え…えーと、そのー…。」
「今日は休日よ。確かにあなた達がどこへ行こうが勝手。
……人に迷惑を掛けないのならば。」
「はい…!」
「瑞鶴。あなたの運転のようだけど、どうして車を降りて喧嘩を止めなかったのかしら?」
「…………からよ。」
「何かしら?よく聞こえないのだけど?」
「……こ、怖かったのよ!免許取りたてで初めて高速乗ったから!
それで着いたらもう、糸切れちゃって…。」
「そう。因みにどちらから言い出したの?」
「わ、私からよ……翔鶴姉の様子見て、つい運転するって言っちゃって…。」
「つまり自滅という事ね。次、瑞鳳。」
「は、はい!」
「たまに羽目を外すのは良いけれど、揉め事は感心しないわね。
どうしてそうなったのかしら?」
「え、ええ、それは……最初翔鶴さんの妖精さんが…。」
づほはそれをきっかけに、事の全てを加賀さんに話した。
話終えるまで、加賀さんは黙ってそれを聞いていたんだが……話が進むにつれ、3人ともどんどん顔色が青くなって行った。
それとは別に、加賀さんにも青いものが。
顔はいつものポーカーフェイスなんだが…組んでる腕にな、徐々に青い方の血管が浮いてきてた。
「…………そう、大体事情は分かったわ。」
すくっと立ち上がると、加賀さんは正座する3人の前に立ちはだかり…。
ごん!ごん!ごん!と三発、こっちの頭も痛くなりそうな音がこだました。
122 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:40:00.12 ID:fgkf4R9fO
「「「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」」」
「あなた達全員が悪いわね。
まず瑞鳳。
頭に来るのは分かるけれど、積極的に喧嘩を売ったのはいただけないわ。ストーキング道具の電源を落とすだけで充分よ。
ただでさえ__に面倒を見てもらっていたのだから、余計な迷惑を掛けてはダメ。
次に瑞鶴。
不慣れな時期の無理な運転は、事故の元よ。
それにストーキングの時点で止めなかったのかしら?
盗撮を知らなくとも、どう言う経緯で翔鶴が動いたのかは理解出来ると思うのだけれど。
止めようとしなかったのならば、いよいよ正真正銘の七面鳥よ。
次……翔鶴。
妖精の私的利用、ストーキング、おまけに揉める可能性を理解しつつこちらまで来た事……更に__への日頃の行い。五航戦の名にさえ恥じるわね。
あなたのような大人しい子が、__相手には豹変…人とは分からないものだわ。
__の立場も理解してあげるべきね。
憲兵とは言え今日は休暇、ましてや私達艦娘も、艤装なしではただの人。せいぜい少し腕っ節の強い女でしかない。
__のような武術に長けた男性が安易に止めようとしたら、あなた達に怪我をさせる可能性が高い…あまり強硬手段には出られないわ。
……それとも昔付き合っていたのなら、そんな性質を分かっていてやったのかしら?
それ如何によっては、更にあなたの罪は重くなるけれど。
また“餌やり”をさせられたいのかしら?
最後、__。
手は出せなくとも、口ぐらいはもう少し上手く出しなさい。
あなたは少し人が良すぎるきらいがある、それは時には人の為にならないわ。
こちらの安全と取り締まりを預けるのが憲兵、仕事以外でももう少し厳しくいなさい。」
「は、はい…!」
「翔鶴と瑞鳳、まずは各々に謝りなさい。それで手打ちにする事。いい?」
123 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:40:44.65 ID:fgkf4R9fO
……か、神様がいた。
すげえ人だと思ってたけど、こいつらをこうもまとめ上げられるなんて…。
「加賀さん、あの二人と知り合いなんですか?」
「そうよ。以前、空母合同合宿の教官を務めた時に。
特に五航戦の二人には、“魚に餌をたくさんあげてもらった”もの。」
魚の餌?
その時ふと、軍学校時代の訓練合宿を思い出した。
“コラァそこ!照準がヨレてんだよ!またタンポポさんに栄養あげるまで走らせんぞオウ!!”
あ…魚の餌ってそういう……。
なるほど、あいつらのビビリようも分かる。
「翔鶴さん、ごめんなさい。」
「いえ、私こそ。」
良かった…これで何とか解決…。
「ふふ…瑞鳳さん、プール帰りの子供みたいで可愛らしいわ。」
「あなたも濡れた道着がセクシーね。熟女みたい。」
「ふぅん?」
「何?」
し て ま せ ん で し た ! !
124 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:42:50.45 ID:fgkf4R9fO
俺たちの戦いはこれからだ!じゃねえんだよ…1R目は手打ちにして2R目で仕切り直しってかコラ。
おい、これ加賀さん本当にキレんぞ…ん?
…何で笑ってんのあんた。
「ふう…ああは言ったけれど、艦娘たるもの血気盛んでなくては務まらないのも事実かしら。
しかし醜悪な戦いはそこまでよ。私達は空母にして弓使い、ならば潔く弓で決着を付けなさい。
そこまで争うならば…“あの方法”を取るわ。」
…………で、何でこうなったんでしょうか。
母さん。俺は今、的の前にいます。
……頭にリンゴを載せて。
「空母式ウィリアム・テル。艦娘発足初期、喧嘩になった弓使いの空母2名が編み出した決闘法。
どうしても気に食わないのなら、こちらで決着をつけてもらうわ。
ルールは簡単。先に吸盤式の矢でリンゴを3回落とした者の勝ち、負けた方は大人しく引き下がる事。
尚、今回は“落とし方そのものは問わない”とする。」
「………加賀さん、ちなみにその空母って…。」
「激しい戦いだったわ。プリンの怨みとは山よりも高く、海よりも深いもの。
いえ、むしろ宇宙の彼方よりも。」
「あんたかい!!」
ん?殺気…?
射場の方を見ると、明らかにそっちだけ空気が張り詰めている。
こ、これが臨戦態勢の艦娘の気迫…!どっちからだ?
125 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:44:41.75 ID:fgkf4R9fO
「私が先行よ。」
吸盤式の矢…笑顔で構えるあいつ……嗚呼、蘇る青春時代。何度眼前で壁に吸い付くそいつを見ただろうか…。
はははやべえよ……む、武者震いがして来やがった……って思っとかねえと持ちゃしねえ…!
「__五航戦・翔鶴。参ります。」
来る!
………遅い…?
それこそ昔ソフトボールの授業で受けた球よりゆるく、矢はゆっくりとこちらへと飛んで来る。
でも軌道は揺れず、ただまっすぐに……え?急に落ち…
『ぽすん』
「……へ?」
俺の左胸に優しく触れたかと思うと、矢はポロリと足元へ。
拍子抜けして力が抜けた途端、今度は別の物が転がり落ちた。
そうか、頭の力も緩んだから、リンゴが…。
「ふふ…今度は逃がさないわ。私の狙いはあなたの心。
これでまず私が1点ね、瑞鳳ちゃん?」
昔から上手かったけど、これには俺もぽかんとした。
すげえ…矢をスローかつソフトに当てに行くなんて、なかなか出来る芸当じゃねえぞ。
126 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:45:28.31 ID:fgkf4R9fO
「翔鶴、腕を上げたわね。」
「いえ、それ程でも。まだまだ加賀さん達には及びません。」
「次、瑞鳳。」
づほが射場に立てば、今度はさっきと別の張り詰めた空気が場を支配する。
どう来る気だ……まだ酒残ってなきゃいいが…。
「翔鶴さん、あなたらしい捻りの効いた弓ね…正規空母の余裕ってやつ?
なら私は軽空母らしく、少数精鋭の精神で行かせてもらうわ。
___航空母艦・瑞鳳、推して参ります。」
……あいつが柔軟なら、づほは鋭角!構えまでに無駄がねえ…来る!
このスピード感、覚えがあるぞ?
そうだ…試合で相手の技が来る、何度も見たあの感覚…!
「……うおっ!?」
丁度顔に来た矢を、俺は咄嗟に避けた。
当然避けた弾みでリンゴは頭から落ち、足元にコロコロと転がっていた。
づほの奴、まさか…!
「ふふ、君なら避けるって思ってたよ。人の蹴りや拳のスピードを意識したもん。
翔鶴さん…これが互いの恥すら知る飲み仲間の信頼関係ってやつよ?」
やってくれんなぁ、あいつ…。
127 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:46:50.53 ID:fgkf4R9fO
「あなたもなかなかやるわね。
瑞鳳ちゃん、せっかくだからもう一つ賭けない?勝った方が……」
「ちょっと待ったぁ!!」
「?」
でかい声がしたかと思えば、どうやら声の主は妹の瑞鶴。
何だ物言いか?いや、あいつも弓持ってるな…いつの間に。
「加賀さん、私も混ぜてもらっていい?
こんな面白そうなの見てたら、燃えて来ちゃう。」
「いいわ、久々にあなたの弓も見たいし。」
おいおい、お前が混ざってもケリ着かねえだろ…ん?何か空気が…。
その時ふと、頭の中で眼鏡の言葉が蘇った。
“中には翔鶴君のその様に魘される艦娘もいてな…まあ、瑞鶴と言うんだが。”
明らかにさっきとベクトルの違う殺気を感じる。
何だろ、なんて言うんだろ。うん、狙うゆえの殺気じゃなく、文字通り殺す気な方。
射場の妹と目が合うと、妹はにっこりと笑った。
読唇術は座学でちょっとかじった事がある…だから何となく、何言ってるかも分かる…。
128 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:47:57.10 ID:fgkf4R9fO
“う・ら・み・は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か・?”
129 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:49:45.04 ID:fgkf4R9fO
待て待て待て!!あいつ俺の頭リンゴみてえにパーンする気だ!
多分避けれねえ全速力で来る、逃げた所で出口は射場…となると、外させるしかねえ。
どうする?
そうだ、あいつは何となく『あの有名人』とキャラ被る……となれば!
「おい!妹!」
「…何よ。」
「……左で引けや。」
頼むぜ、乗ってくれ…!そして盛大に外せ!俺の命の為に!
130 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:51:09.08 ID:fgkf4R9fO
「はっ……乗らないわよそんな挑発!
こっちはあの番組やって以来、散っ々色んな人から似てるっていじられてるの!耐性なんかとっくに出来てるわよ!
遠慮なく、利き手で行かせてもらうわ…!」
「いいっ!?」
皆考える事は同じかよ!!
どうする!?逃げた所で狙って来るぞ!
「瑞鶴。」
「…何よ加賀さん。いい所なんだから邪魔しないで。」
「左で引きなさい。」
「……………。
……やってやろうじゃないのよこの野郎おおおおおおおお!!!!」
加賀さんあんた女神だ!
利き手じゃなけりゃ力は弱い!当たらねえ可能性はグッと上がる!
「……!?
__!!だめ!!」
ん?あいつなに叫んで…
「妹の弓は両利きよ!!避けて!!」
………はぁ!?
131 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:52:15.57 ID:fgkf4R9fO
「ふふふ……戦場に於いては、利き手に怪我をする可能性だってある…。
だから私は、日頃弓だけはどっちでも引けるように鍛えてんのよ!!
でも、“少しコントロールが甘くなるかも”ね…空母らしくアウトレンジで行かせてもらうわ!!」
上に射った!?どこだ…?
そうして上を見ると、予想外の刺客が俺を襲った。
太陽…しまった!逆光で何も見えねえ!!
どこから来る…避けるポイントを予測されてるか、それともストレートに来るか。
目を懲らせ……見えた!!この軌道ならこうするしかねえ!!
後ろに下がった俺の眼前を、スレスレのところで矢が落下していく。
視界を通り抜け、後は地面へ…そう安堵したその時だ。
鋭い痛みが、俺を通り抜けて行った。
132 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:53:16.42 ID:fgkf4R9fO
男には、防ぎようのない弱点がある。
数多のスポーツでも、防具を付ける場所。
所謂、漢のシンボルという奴だ。
袋の方にばかり気を取られがちだが、もう一つパーツがあるだろう?象の鼻的比喩をされるアレ。
アレもダメージを喰らえば、充分に痛い。
確かに矢は避けた…だが、ギリギリだった。
絶妙な角度で向かって来た矢は、象の鼻のみを引っ掻くように掠めたのだ。
よくあの痛みは地鳴りに例えられるが、そちらのみへの衝撃は……まるで雷に打たれたかのようだった。
長ったらしく回顧しちゃみてるが、実際のところは。
「 」
声にならない叫びすら、もはや上がらなかったよね。
そのまま倒れた記憶も無く、俺は意識を手放したのだった…。
133 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:55:00.05 ID:fgkf4R9fO
「うーん…。」
うう…なんか色々痛え…。
床が固えな…ここは…弓道場か。一体どんぐらい寝てた?
最初に目に入ったのは青空だったが、手を握られている感覚が。
ふと横を見ると…そこにはすうすうと眠る、あいつの姿があった。
「あなたが一番ね。皆疲れて眠ってしまっていたわ。」
「加賀さん…。」
起きて握られていた手を離すと、一瞬あいつは顔をしかめた。
変わんねえなあと、何となくあいつの手の感触にそんな事を思っていた。
周りを見渡すと、気持ち良さそうに寝てるづほに、何だか青い顔して寝てる妹……って、こいつまた気絶してねえか?
134 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:55:44.43 ID:fgkf4R9fO
「ふふ、瑞鳳も余程嬉しかったのでしょう。あの子があれだけはしゃいでる所は、久々に見たわ。
色々言ったけれど、あの子と遊んでくれてありがとう。」
「そんなんでしたか?変わんねえなぁって思ってましたけど。」
「表向きはね。でもあなたが異動して一番寂しがっていたのはあの子よ。」
「…確かに、しょっちゅうつるんでましたからね。」
「そうね。それにしても意外だったわ、まさかあなたの元相手が翔鶴だったなんて。
大人しい子だとばかり思っていたから、さっき目の当たりにするまでイメージが無かったもの。」
「……本当は普段通り大人しい、ちょっと気弱な奴なんですよ。
故に俺が絡むと、過激な行動に出ちまう。」
「そう…嫌いになったから振った、という訳では無さそうね。」
「…………。
……そうですね、心が折れたって言うのが、当時の正直な所だったのかもしれません。
今となっては、ビビったり苦手意識ばかりではありますけど。」
「異性としての意識は無いと?」
「ですね。戻る気も無いです。」
「…海とは非日常、陸とは日常。それを忘るべからず。
いつも下の子達に教えてる事よ。
帰る場所や守るものがあってこそ、私達は戦える。」
「…………そっちを守るのが、俺達の仕事って奴ですよ。
今の上司はクソ野郎ではありますけど、そこの所は同じですかね。」
「…相変わらず苦労しそうね、あなたは。」
「はは…よく言われます。
久々にお話できて、嬉しかったです。ご迷惑をおかけしました。」
「疲れたでしょう?更衣室にシャワー室もあるから、よかったら浴びて行きなさい。」
「ありがとうございます。少しお借りしますね。」
そうしてシャワー浴びてる間に、皆起きたみたいだ。
入れ違いに皆がシャワー浴びてる間、俺は射場に横になって、ぼーっと空を見上げていた。
色々あるけど、頑張らねえとな。
135 :
◆FlW2v5zETA
[saga]:2018/04/30(月) 21:56:45.81 ID:fgkf4R9fO
「お邪魔しました。づほ、またな。」
「うん!今度は皆で飲み行こ!」
挨拶してあそこを後にすると、近くに一台の車が停まっていた。
あれは…ああ、あいつらもさっき出てったばっかか。
「__、乗って行かない?」
「大丈夫。ちょっと散歩して帰りてえんだ。」
「そう?電車だと結構あるけど…。」
「ちゃんと帰るよ。悪いけど、先に行っててくれ。」
「………分かったわ。気を付けてね。」
あいつもそれ以上は食い下がる事なく、車は遠く離れて行った。
妖精も返したし、今は正真正銘一人きり。
駅までの少し遠い道のりの中を、潮風を浴びつつ歩く。
夕暮れか。まだ時間あるな…。
そう思うと柵に腕を乗せて、ぼんやりと海を見ていた。
自分でも何でそうしたのかは、いまいち分からなかったけどな。
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