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霊能少女「本当の戦いはこれからってやつかな」
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258 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/22(木) 01:39:00.99 ID:b7Qa7IKPo
男『』ユラッ
女「…!こ、こいつが…黒幕?」
霊能少女「…違う、もっとよく見て」
男『…』
爺『…』ユラッ
女「!?」ビクッ
女「えっ…ふ、二人っ!?ど、どういうことですか?これ!!」
259 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/22(木) 01:40:17.38 ID:b7Qa7IKPo
霊能少女「…二人だけじゃない。もっといる」
ゾロゾロゾロ……ゾロゾロゾロ……
女「う、うそ…十人近くいる……こ、これって本当に私の家の前…?」
霊能少女「そう、ほんの十分前のアナタの家の光景。こいつらは幽霊でも何でもない、実体が存在する人間」
『『『……!……!』』』ユラユラ
女「な、なにこれ…手招きしている。これってちょうど、影が現れた時間…」
女「あ、先生が出てきた…ん?この持っている箱って…」
霊能少女「呪いの爆弾。あいつらに呪詛返しする約束だったから」スッ
260 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/22(木) 01:41:48.96 ID:b7Qa7IKPo
女「うわっ!?そ、そんな気持ち悪いのここで出さないでくださいよ!!」
女「あ、あれ。でも呪詛返しって…返された人は死ぬんじゃ…」
霊能少女「あれだけの数なら、一人にかかる負担は少ない。だから死ぬことはない。多分ね」
ダッ
女「あっ!に、逃げた……ここで先生が家に入って……あの流れになったんですね」
女「ど、どういうことですか。私はてっきり…個人の仕業だと思っていました。あのお婆さんと同じように、でも、これは…」
女「どう見ても異常です。十人近い人が、私の家に集まって呪いをかけていたなんて……真犯人は、黒幕は…誰なんですか?」
261 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/22(木) 01:43:14.46 ID:b7Qa7IKPo
霊能少女「ざっくり言うと、この一連の事件を操っていたのはあの老婆ではなかった、ということ。さっき集まっていた奴等の一員だろうね」
霊能少女「本当の黒幕は……『カルト』だった」
女「カ、カルト…?」
262 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/22(木) 01:44:47.95 ID:b7Qa7IKPo
霊能少女「名前くらいは聞いたことがあるはず。邪悪な神を信仰してたり、社会に敵対するような行為をしている宗教団体ってやつ。ようは頭のイカれた危ないやつら」
霊能少女「…これ、あの老婆の家から見つけた紙切れ。そのカルトが老婆に宛てて書いた指令書のようなものだった」
霊能少女「呪いを行う手順と日程が事細かく、説明書付きで記載されている」
女「あのお婆さんが宗教にハマっていた、という話は聞きましたけど…その宗教団体が黒幕だった、ってことですか……まさか、そんな……」
霊能少女「まあこれで倒すべき敵がはっきりした。この地域周辺を調べたら、すぐそれらしき組織の名前が出てきた」
霊能少女「『天国の扉』こいつらをぶっ潰せば、それで全てが解決する」
女「天国の…扉?」
263 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/22(木) 01:45:46.96 ID:b7Qa7IKPo
今日はここまで
264 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/22(木) 01:49:07.41 ID:4PN/sstL0
乙、ようやく黒幕のなまえが出てきましたね
265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage ]:2018/03/22(木) 02:06:44.44 ID:O8GbvT6r0
霊能少女が今回初めて敗北しましたね、しかもその相手が幽霊でも怨霊でもない依頼者の女性だったとは
もしかして霊能少女の天敵てこの女性なのでは、餌付けもされてますし(笑) 乙
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/22(木) 08:43:05.60 ID:9nDj5j/R0
>>245
乙
267 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/22(木) 08:45:54.63 ID:9nDj5j/R0
ごめん変なところに安価つけちゃった
あと催促してる奴と変に偉そうなガイジは同一人物だと思うよ
構わないことだ
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/22(木) 12:32:38.77 ID:/Kc3RANYO
乙
269 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/23(金) 02:49:02.98 ID:9pIq5aoIo
▢▢▢▢ 十三日目 ▢▢▢▢
女「おはようございます……ごめんなさい、寝過ぎました」
霊能少女「…ん、大丈夫」カチャカチャ
女「あれ?何してるんですか?部屋いっぱいに変な道具広げてますけど」
霊能少女「仕事道具の手入れ、これを持ってくる為に家に帰っていた」
女「道具って…今まで使ってた水とか塩みたいなやつですか?」
霊能少女「あれは持ち運びが容易で、手軽に使えるもの。普通ならあれで十分だけど、今回のケースは別」
霊能少女「ワタシも…本気を出す。これが完全装備の道具。過去に使ったのは一回だけしかない。用意するのにも時間がかかるし、並みの『狂』相手でも、ここまでする必要はない程の業物だから」
270 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/23(金) 02:49:57.84 ID:9pIq5aoIo
女「…」ゴクリ
女(ほ、本気の道具って……一体、どれほどの……)
プルルルルルルル……プルルルルルルル……
女「あ、電話…」スタスタ
女「もしもし?はい、はい…えぇ、そうですけど」
女「えぇっ!?ほ。本当ですか!?」ビクッ
霊能少女「…」
女「わ、分かりました!す、すぐに行きます!」ガチャ
霊能少女「…何かあったの?」
271 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/23(金) 02:51:19.99 ID:9pIq5aoIo
女「そ、それが…!お母さんの容態が悪くなってみたいで…!意識がないそうなんです!」
女「だ、だから…!すぐ病院に来るようにって!!」
霊能少女(…そうか、本来のリミットは十日、もう今日で九日目…時間は残っていないということか)
霊能少女「…すぐに病院に行ってあげて」
女「はい!!!!」ダッ
バタン
霊能少女「…モタモタしている暇はないか。こちらから仕掛けるしかない」
霊能少女「向こうも…それを待っているはず。いいよ、全面戦争といこうか」ピッ
プルルルルルルル…プルルルルルルル…
ガチャ
霊能少女「…もしもし?そちら『天国の扉』?」
272 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/23(金) 02:52:34.17 ID:9pIq5aoIo
…………………………………………………
……………………………………
ガチャ
女「……ただいま、戻りました」
霊能少女「どうだった?母親の様子は」
女「…よくないそうです。昨日までは普通だったのに、急に意識を失って…昏睡状態に」
女「原因もまったく分からないみたいで……もしかしたら今夜が山かもしれないって……」ポロッ
女「ど、どうしたらっ、どうしたらいいんですか…先生…」ポロポロ
霊能少女「…ワタシがアナタの母親の命が残り十日だって言ったの、まだ覚えてる?」
霊能少女「今日が…その日からちょうど九日目。あの老婆が死んで、アナタの母の呪いは自然に取れたと思っていたけど…呪いをかけていたのはカルトの方だったみたい」
霊能少女「現代医学ではどうすることも出来ない。残りあと一日で…どうにかしないといけない」
273 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/23(金) 02:53:23.34 ID:9pIq5aoIo
女「そ、そんな…!あと一日だなんて…!」
霊能少女「…安心して。言ったはずナタたちは必ず守ると」
霊能少女「病院に行っている間に、そのカルトの連中と連絡が取れた。明日、奴等の施設に行くことになった」
霊能少女「そこで…全てを終わらせる。これならギリギリ間に合うはず」
女「えっ…ほ、本当ですか!?」
霊能少女「でも…奴等はひとつだけ、条件を出してきた」
霊能少女「…アナタが同行するなら、話をしていいと」
女「…!わ、私も一緒に…ですか?」
274 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/23(金) 02:54:43.96 ID:9pIq5aoIo
霊能少女「…正直、かなり危険だと思う。ワタシ一人だけなら、襲われても対処出来るけど、集団で来られたら他人を守る余裕はないかもしれない」
霊能少女「ワタシは行くべきではないと―――」
女「行きます。先生と一緒に」
霊能少女「……え?」
女「こんな目に遭わされて…お母さんのことを苦しめている連中が、自ら会いたいと言ってきているんです」
女「なら…一発、いえ二発ぶん殴ってやります。そうしないと…私の腹の虫が治まりませんから」
霊能少女「……」
霊能少女「分かった。その目を見たら、来るなとは言えない。明日、一緒に行こう」
女「はいっ!」
275 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/23(金) 02:56:01.72 ID:9pIq5aoIo
……………………………………………………………
……………………………………………
女「……」
女「…眠れない」スッ
女(う、うっ…せ、先生の前では大口を叩いて、威勢のいいことを言ってしまったけど…やっぱり不安だ。明日…カルトのところに行くなんて)
女(私を指名してきたってことは…何か意味があるはず。もしかして、今度こそ殺されるんじゃ……)
女「…水飲も」スッ
スタスタ
霊能少女「……」カチャカチャ
女「あれ?先生まだ起きているんですか?」
霊能少女「最終確認。それに、今日に奴等が攻めてこないとも限らないし」
霊能少女「アナタは十分に睡眠を取った方がいい。恐らく明日は…一番長い日になるだろうから」
276 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/23(金) 02:56:52.86 ID:9pIq5aoIo
女「……」
女「…先生、ちょっと話しませんか?」スッ
霊能少女「話?」
女「はい、先生にちょっと聞きたいことがありまして」
女「先生の…家族って今は何をしているんですか?」
霊能少女「…」
女「私のお母さんのことになると…何だか、先生がいつもより優しく見えるような気がして。何か思い出があるのかなって」
女「あっ…言いたくないなら大丈夫ですよ。すぐ部屋に戻りますから」
霊能少女「…両親は、もう既に亡くなっている。残っているのは妹が一人だけ」
277 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/23(金) 02:58:06.72 ID:9pIq5aoIo
女「……」
女「そう、だったんですか。ごめんなさい、無神経なこと聞いちゃって」
霊能少女「…いや、そこまで気にしていない。両親が亡くなったのは15年も前のこと、その頃のワタシはまだ幼かったから、親の記憶はひとつもない」
女「…やっぱり、先生と同じ仕事をしていたんですか?ご両親は…」
霊能少女「そう聞いている。夫婦二人揃ってやり手で結構有名だったらしい」
霊能少女「まあ…最後は仕事に失敗して死んだんだけど」
女「失敗って…殺されたってことですか?」
霊能少女「…恐らくそう。でも、誰に殺られたのかは分からない」
霊能少女「依頼された仕事は無事に成功したらしい。けど、そこに何らかの介入があった。そいつに…父と母は殺された」
霊能少女「仲間の人たちも、必死になって二人を殺したヤツを探したけど…結局は見つからなかったと聞いている」
278 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/23(金) 02:59:07.24 ID:9pIq5aoIo
女「…もしかして、先生がこの仕事を続けているのって、仇討ちのためだったりします?」
霊能少女「それは…どうだろう。正直、あまり親という存在を知らないから、直接の関係はないと思う」
霊能少女「ただ、受け継がれているのかもしれない。父や母の…想いが、私の中で。この仕事を続けて行けば、いつか会えるような気が……」
霊能少女「…いや、何でもない。忘れて」
女「い、妹さんの方はどうなんですか?もしかして、先生と同じ仕事をしてたり…」
霊能少女「…妹も広い意味で言えばワタシと同じ仕事をしている。ただ…それは海の向こうでだけど」
女「海の向こうって、海外に住んでいるんですか?」
霊能少女「そう、12の時に家を飛び出して、そのまま向こうで生活している」
279 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/23(金) 03:00:17.26 ID:9pIq5aoIo
女「どうして海外に?」
霊能少女「…多分、ワタシと比べられるのが嫌だったんだと思う。あまり仲は良くなかったし、嫌われていた」
霊能少女「電話をしても、数秒で切られるし、ワタシの顔も見たくないんだと思う」
女「…そんなことないと思いますよ。私は一人っ子で、姉妹という関係はあんまり分からないですけど」
女「私の家も…父親が小さい頃に病気で亡くなって、今いる家族は母親一人だけなんです。そりゃたまには喧嘩しますけど…血の繋がった家族というものは早々断ち切れないですよ」
女「妹さんも…思春期とかで接し方が分からないだけだと思います。心の中では先生と同じように、家族のことを心配していますよ」
霊能少女「……そう、なのかな」
霊能少女「……ありがと」
280 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/23(金) 03:02:06.51 ID:9pIq5aoIo
女「…やっぱり、話してよかったです」
女「正直に言うと、私…心のどこかで、まだ先生のことを恐れていたのかもしれません」
女「先生の…その力が。味方だけど怖かったんです」
霊能少女「……」
女「…でも、今は違います」
女「先生も言っていたじゃないですか。人間は理解出来ないものを恐れるって。ちょっとだけですけど…先生の心を理解出来た気がします。これでもう、心残りはありません」
女「…明日、決着をつけに行きましょう。先生」
霊能少女「……うん」
281 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/23(金) 03:02:49.48 ID:9pIq5aoIo
今日はここまで
あと二回の更新で終わると思います
282 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/23(金) 03:13:56.13 ID:3JEDWpyn0
あと2回なる程最終回もまじか何ですね、今日も楽しく読ませて貰いました
残り2回も楽しみに待っています
283 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/23(金) 03:23:55.53 ID:DPiod9J0O
乙
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/23(金) 08:34:40.26 ID:suV2nOwKo
乙
両親を殺したのはゾンビ男とヴァンパイア編で言ってた謎の存在なのかな
主にモンスター狩りしてるらしいから巻き添え喰らったとか
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/23(金) 16:30:05.41 ID:2tyuWKwB0
面白い、続き楽しみ
286 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/24(土) 00:21:26.73 ID:WRk4joTEo
すみませんちょっと長くなったので今日中に更新は無理そうです
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/24(土) 00:49:01.28 ID:qmHnHY/gO
気長に待ってるぞ
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/24(土) 00:56:17.01 ID:dU8dhC8i0
了解無理しないでね
289 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:22:11.53 ID:ELSLV8Bao
▢▢▢▢ 十四日目 ▢▢▢▢
ブゥゥン
霊能少女「ここで止めて」
女「…」
キキーッ
バタンッ
ブゥゥン
女「こんな山の中に…施設があるんですか?とてもじゃないですけど、信じられませんね」
霊能少女「教祖が山奥の廃校になった小学校を買い取って、そこを改築して暮らしているらしい」
霊能少女「タクシーで来られるのはここまで、ここから先は歩いて行こう」
女「え?でも道路は続いてますよ?」
霊能少女「…何が起こるか分からない。無関係の人を巻き込むわけにはいかないから」
女「…」ゴクリ
290 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:23:33.64 ID:ELSLV8Bao
スタスタ スタスタ
女「その…天国の扉って、どういう団体なんですか?何を信仰しているだとか」
霊能少女「ホームページがあったので、覗いてみたけど、あまり具体的なことは分からなかった。やれこの世界は腐敗しているだの、天国には救いがあるだの、眠たくなるようなことばかり書いてあった」
女「全く未知ってことですか…不気味ですね」
霊能少女「小学校では100人前後が一緒に集団生活をしているらしい。中には子供もいる」
霊能少女「…向こうに着いたら、警戒は怠らないで。周り全てが敵だと思っていい」
女「ひゃ、ひゃくにんって…そんなに規模が大きいんですか」
霊能少女「…ワタシも驚いた。今のご時世、新興宗教というものは所詮金稼ぎの道具にしているところが大半。いや、全てと言っていい」
霊能少女「だから、わざわざ学校を買い取って、直接一緒に暮らすなんて行動はあまりにも不自然。金を貢がせる為にしては面倒過ぎるやり方」
霊能少女「…それに、奴等は呪いという異形の力にも手を出している。金ではない何かの目的…いや信念があるんだと思う」
女「……」
女「い、一体…何をしようとしているんでしょうか」
霊能少女「…それを今から確かめに行く」
291 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:24:21.90 ID:ELSLV8Bao
…………………………………………………………………
…………………………………………………
スタスタ スタスタ
霊能少女「…見えてきた。あそこが…天国の扉」
女「うわぁ…本当に小学校に住んでいるんですね」
女(廃校になったにしては外装が結構整理されているように見える。改築したおかげなのかな)
女(学校の前には車やバイクがいくつも止まっている…信者の人たちの物なんだろうか)
女「…あれ?入口に誰か人がいますよ」
信者「…」ニコニコ
292 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:25:21.47 ID:ELSLV8Bao
信者「ようこそおいで下さいました。さぁ、司祭様がお待ちかねです。どうぞ、中に」
霊能少女「…」
女「…」
スタスタ スタスタ
信者「ここは穢れがない神聖な場所なのです。俗世間の空気は私達には毒なので、我が兄弟の司祭様が特別に用意してくれました」
霊能少女「…アナタは、その司祭様の娘なの?」
信者「いえ、血縁関係はありません。ですが、魂は繋がっています」
霊能少女「…」
女「…」
293 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:26:40.59 ID:ELSLV8Bao
女「…ん?」チラッ
子供『『『 』』』
女「あれって…」
信者「あぁ、あれは学びの時間です。ここには十数人の子供がいるので、その子たちの教育をしているんです」
信者「ちょうど、ここは小学校でしたので、教室はいっぱいありますしね」
女「…普通の学校には行っていないんですか?」
信者「えぇ、それがどうかしましたか?」
女「…いえ、何もありません」
294 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:27:38.22 ID:ELSLV8Bao
信者「ここが司祭様の部屋です。では、私はこれで」スタスタ
女「…先生、どう思いますか?」
霊能少女「…どうって、何が?」
女「だって…子供を学校にも行かせないで、こんなところに閉じ込めているんですよ?そんなこと許されて…」
霊能少女「確かに。傍から見たら異常な光景。でも、今はそれを気にしている時間はない」
霊能少女「…この部屋に、アナタたちを苦しめ、呪いで何人も殺した黒幕がいる。気を付けて、何をしてくるか分からないから」
女「…!わ、分かりました」
霊能少女「…開けるよ」スッ
ガチャ
295 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:28:26.53 ID:ELSLV8Bao
司祭「おぉ、ようこそ来てくださいました。さぁ、お座りください」
霊能少女(こいつが…)
女(すべての元凶…!)
296 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:29:37.84 ID:ELSLV8Bao
司祭「どうぞ、狭い部屋で申し訳ありませんね」
司祭「お茶はどうですか?この茶の葉は裏の農園で収穫したものなのですよ。きっと気に入るはずだ」スッ
霊能少女「…」
女「…」
司祭「ここでは出来るだけ全ての食事を自家栽培で作るようにしていてね、俗世間で売っているものと比べたら鮮度が違うのですよ」
司祭「農薬も、保存料などの添加物も入っていない。そのままの栄養を取ることが出来る。これ以上に幸福なことは中々ない」
司祭「そうだ、ランチも持ってこさせましょうか…」
霊能少女「いい加減にして、ワタシたちはそんなどうでもいいことを聞きに来たんじゃない」
霊能少女「さっさと本題に行こう。アナタはなぜここにいる彼女とその家族、そして…過去に何人も呪いで殺したの?」
女「…」
297 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:30:37.55 ID:ELSLV8Bao
司祭「…呪い、ですか。貴女達では儀式のことをそう言うのですね」
司祭「少し、不服です。聖なる儀式を、呪いなどという穢れた言葉で表現されるのは…」
霊能少女「…は?あれが呪いじゃないって言うの?」
祭司「えぇ、そうです。私達が行っていたのは使者を送らせる儀式。天の国への使者をね」
司祭「選ばれた者ではないと、天の国へ行くことは出来ないのです。だから、私が裁定して、使者を送りました。彼らは今頃、天国で祝福されているはずです」
司祭「…お嬢さん、貴女も…選ばれた人間なのですよ?もっと誇りなさい。とても名誉のあることなのですから」
女「…っ」
霊能少女「…そう、その天国やら、使者やらの意味は理解出来ないし、したくもない」
霊能少女「でも、アナタは確実に人を呪い殺していた。この道具を使ってね」スッ
298 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:31:29.15 ID:ELSLV8Bao
箱『』
女(呪いの…爆弾!)
司祭「おぉ、それはあの方に渡していた祭具ではないですか。わざわざ届けてくれたのですか?ありがとうございます」スッ
霊能少女「近寄らないで。それ以上こちらに来たら、呪詛返しをさせてもらう。されたくはないでしょ」
司祭「…フフッ、呪詛…ですか。面白いことを言う人だ」
司祭「ならば、どうぞ。やってみてください。我々が本当に呪いなどということをしていたなら、出来るはずだ」
霊能少女「…」
女「せ、先生…」
霊能少女「…死んでも、知らないから」スッ
ズズズズズッ
299 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:32:38.64 ID:ELSLV8Bao
女(は、箱の中から影が!これが…呪詛返し)
司祭「」ニコニコ
ズズズズズッ…
シュンッ
霊能少女「!?」
霊能少女(じゅ、呪詛が消えた…なぜ?一昨日はちゃんと機能していたのに)
司祭「だから言ったでしょう。それは呪いの道具ではない。神から与えられた力の一つなのです」
霊能少女(こいつ…何をした?)
霊能少女(…この呪詛には不可解なことが多すぎる。見たことがない種類だったし、どこか遠くから意思が感じられた。何か仕掛けが…)
300 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:33:58.36 ID:ELSLV8Bao
司祭「間違いは誰にでもあります。気にすることはない。大事なのは己を恥じ、反省することです」
女「あ、あの!」
司祭「おや、どうかしましたか?」
女「わ、私の…私の母に憑いている呪いを今すぐ解除してください…!そうしないと、母は今日中に命が…!」
司祭「…ですから、呪いではないと言っているでしょう。分からない人達だ」
司祭「貴女の母君は天の国へと渡る使者の一人に選ばれたのですよ?天国というのは我々家族以外では、辿り着けない場所なのです。先程言ったように、とても名誉なことだ」
司祭「人には遅かれ早かれ、誰にでも死が訪れる。大事なのはそれから先のことだ。楽園で永遠の時を過ごすか、無になるのか…今一度、よく考えてみてください」
女「ッ!」
女「そ、それでも…母は死なせませんっ!もし、解除してくれないなら…!」
司祭「どうするというのです?」
女「そ、それは……」
301 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:34:50.89 ID:ELSLV8Bao
司祭「…野蛮な人だ。結局は暴力に頼ろうとする。これだから俗世間は好かないのだ」
司祭「そこまで拒否するのなら、いいでしょう。分かりました」パンッ
司祭「はい、これで使者の資格は失いました。これで満足ですか?」
女「…え?」
霊能少女「…本当に、解除したの?」
司祭「はい、私は嘘はつきません。残念です…このようなことになるとは」
女(こ、こんな簡単に、あっけなく…お母さんが助かった?)
司祭「…おや、もう時間がないようだ」
司祭「すみませんが、我々はこれから成すべきことがあるので、もうあまり時間が残ってないのです。用はこれだけですか?」
302 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:35:59.18 ID:ELSLV8Bao
霊能少女「…いや、聞きたいことはまだある」
霊能少女「『神彁混』ってなに?アナタは…これを使って、何をしようとしている」
司祭「……」
司祭「…どこで、その言葉を?」
霊能少女「自殺したここの信者の老婆の家にあった像に名前が彫ってあった」
霊能少女「それに、四年前にアナタの犠牲になった人も、この言葉を残している。偶然とは言わせない」
司祭「……ふぅ」
司祭「恐らく、言葉で伝えても理解出来ないでしょう。神彁混様は…我々の神なのですから」
霊能少女「…神?」
303 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:37:06.45 ID:ELSLV8Bao
司祭「えぇ、そうです。扉の向こう側、天の国にいる兄弟」
司祭「我々は…扉を開けたいのです。天の国への扉を、だから旅路を続けている」
霊能少女「旅路…」
司祭「えぇ、過去に多くの家族が扉を開けようとしましたが…成功したのは最初だけだった」
司祭「ですが、今度こそ扉は開きます。鍵を使うことによって、我々は次のレベルに上がることが出来た」
司祭「今日、この日に…扉は開きます。貴女方を呼んだのは、その為。見届け人が必要なのです」
霊能少女「…ちょっと待って。さっきから何を言って」
304 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:37:37.06 ID:ELSLV8Bao
キーンコーンカーンコーン
305 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:38:31.37 ID:ELSLV8Bao
女「」ビクッ
女「チャ、チャイム…?」
司祭「……時間だ」フラッ
霊能少女「ちょっと待って、まだ話は途中…」
司祭「静かに」スッ
ピッ
司祭「…聞こえるか。我が家族達よ。時が来た。天の国へと渡る時が」
女(な、なに…あのマイクで放送しているの?)
霊能少女(…まさか)
306 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:39:31.50 ID:ELSLV8Bao
司祭「不安、恐怖、苦悩、様々な想いがあると思うが…我々は一つだ。何も恐れる必要はない。共に旅立とう」
司祭「今、この時…扉は開かれる。慈悲深き父や母の元に…約束の地へ」
女「せ、先生…これって…」
霊能少女「…...」
司祭「さぁ、子供達よ。一杯ずつ取って、飲み干しなさい。穢れは全て浄化される」
司祭「姉妹、兄弟達よ。私達の時代が来た。先人達の骸を道しるべに…行こう」
司祭「別れの言葉と共に、この祈りを捧げる。アーメン」カチッ
司祭「……」スッ
霊能少女「今の放送はなに?アナタ、本当に何を企んで……」
307 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:40:37.63 ID:ELSLV8Bao
司祭「…別れの時だ。貴女方はこれを見届けなければならない。その目と心に刻み付けるのだ」
司祭「これが…我々の旅路なのだから」カチャ
霊能少女「拳銃ッ!?」
女「!!!!」
バンッ!!!!!!
司祭「」バタッ
308 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:41:55.73 ID:ELSLV8Bao
女「あっ…あっ…そ、そんな…ま、また……」
霊能少女「自殺、した…あの老婆の時と同じ」
霊能少女「旅路……まさか、こいつ……さっきの放送で……信者達に」
女「せ、先生……」
霊能少女「…嫌な予感がする。これまでに起きたことがない…狂気の渦を感じる」
霊能少女「…ここを出よう。今すぐに」
女「わ、分かり…ました」
霊能少女「…」チラッ
紙『』
拳銃『』
霊能少女「…」スッ
司祭「」
バタンッ
309 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:43:01.63 ID:ELSLV8Bao
霊能少女「早く、走って。急いでここを出る」ダ
女「せ、先生っ!あの放送って…!ま、まさか」
霊能少女「考えている時間はない。教祖のあいつが自殺した今、もうここにいる理由はなくなった。早く出よう」
女「…は、はいっ」
ピタッ
霊能少女「……」
女「先生?どうしたんですか?」
霊能少女「…死んでいる」
女「えっ?」
信者「」
310 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:44:06.90 ID:ELSLV8Bao
女「ひっ……」
女「こ、この人って…!案内してくれた…!」
霊能少女「…どうやら、最悪の状況みたい。何が…起こっている」
タッタッタ!!!!タッタッタ!!!!
信者「」
信者「」
女(み、みんな死んでいる…出会う人みんな…)
女(この人たちって…このカルトの信者の人なんだよね。それがみんな、あの老婆や司祭と呼ばれていた人と同じように、自殺している)
女(ここは天国なんかじゃない…地獄だ)
311 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:45:18.20 ID:ELSLV8Bao
女「」ピタッ
霊能少女「どうしたの?」
女「せ、先生…あれって……」
子供『『『 』』』
霊能少女「……」
女「っ!!!!」ダッ
霊能少女「待って!」
312 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:45:44.95 ID:ELSLV8Bao
女「ねぇ、起きて。ここは危ないよ。一緒に逃げよう」
子供「」
女「ね、ねぇ!!」
霊能少女「…やめて、もう死んでいる」
女「う、ううっ…な、なんでこんな子供までっ…!」ポロポロ
子供「」
霊能少女(…このコップ。自ら毒を飲んだのか…)
霊能少女(っ…今は前に進まないと)
霊能少女「立って、早く行こう」
女「うぅっ……」ポロポロ
313 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:46:56.33 ID:ELSLV8Bao
タッタッタ!!!!タッタッタ!!!!
霊能少女「ここの階段を降りれば、昇降口に出るはず」
女「……」
霊能少女「…大丈夫?」
女「…いえ、相当参ってます」
霊能少女「…今は思考するのをやめた方がいい。何も考えないで」
女「…はい」
霊能少女「っ…!これは…」
信者「「「 」」」
女「こ、こんなに沢山の人が……そんな……」
霊能少女「…ダメだ。全員死んでいる」
女「こ、この教団にいた人は…みんな自殺したってことですか。こんなのって…ただの集団自殺じゃないですか」
霊能少女「……」
314 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:49:20.64 ID:ELSLV8Bao
ゾクッッッッッッッッッッッ!!!!!!!
霊能少女「っ!?」クルッ
女「…?先生?」
霊能少女「…先に逃げて。私は後から追いかける」ダッ
女「えっ!?せ、先生!?どこへ!?」
タッタッタ!!!!
霊能少女「…!」
霊能少女(…昇降口は一階。今、私が降りているのは…地下へ進む階段)
霊能少女(普通、小学校に地下なんてものはない。これは改装した際に作ったものと考えるのが道理。何の為に?)
霊能少女(…さっき、とてつもなく邪悪な気配を感じた。ワタシでも…鳥肌と冷や汗を感じるほど)
霊能少女(このワタシにあんな感覚を味合わせるなんて…何がある。この地下に)
315 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:50:12.81 ID:ELSLV8Bao
霊能少女「…この部屋からだ」
女「せ、先生っ!!待ってください!!」
霊能少女「…先に行ってと言ったはずだけど」
女「そ、そんなこと出来るわけないじゃないですか!!どうしたんですか、急に走って」
女「こ、ここって…地下ですよね?この部屋に何かあるんですか?」
霊能少女「…恐らく、この部屋に全ての真実がある」
女(し、真実?あれ、私…ここ、見覚えがあるような)
316 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:51:33.01 ID:ELSLV8Bao
ガチャ
モゾモゾ モゾモゾ
霊能少女「……」
女(な、なにこの部屋…酷い臭い。まるで、あのお婆さんの家のような)
女(そ、それに…中央の台座に何かいる。布をかけられていて、姿が見えないけど…モゾモゾ蠢いている)
霊能少女「……」スタスタ
霊能少女「…!」バサッ
妊婦「あっ…あっ…」モゾモゾ
女「!?」
霊能少女「…!!!!」チャキッ
317 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:52:46.70 ID:ELSLV8Bao
バンバンッ!!!!!!!バンバンッ!!!!!!!
妊婦「アガッ!?」ビクッ
女「!?」
女「せ、先生!?その拳銃って…!いや、それよりなんで撃ったんですか!!!!」
霊能少女「ハァッ…ハァッ…なに……これ……!!」
霊能少女「中に……何がいる?」
女「な、中…?」
妊婦「アグゥ!!!!アアッッッ!!!!た、助けてエエエエエエエエエ!!!!!!」
妊婦「う、動いてッ……出てくるゥ!!!!!」
318 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:54:09.29 ID:ELSLV8Bao
ボゴォ
女「!?」
女「お、お腹が膨らんでっ…!?」
霊能少女「……逃げるよ」ダッ
女「えっ!?先生!?」
霊能少女「早くッッ!!!!!もう出てくる!!!!!」
妊婦「ヒィッ…ア、アアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
ブチッ
女「!?」ビクッ
女(お、お腹の中から……手がっ!?)
霊能少女「何をボケっとしているの!!!死にたいの!?」ギュッ
女「あっ…」グイッ
319 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:54:35.54 ID:ELSLV8Bao
妊婦「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」
ブチブチッ…グチャ
『…………』
320 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:56:00.46 ID:ELSLV8Bao
ダダダダダダダダッ!!!!!
女「せ、先生!!!今のって何なんですか!?中から…何かが!!」
霊能少女「……分からない。あれは……生者でも、死者でもない。ワタシにも、何が起きたか分からない」
霊能少女「あんな感覚、初めてだった。人間としての防衛本能が、全開で警鐘を鳴らしていた。あれはヤバい、今まで出会った幽霊も怪物も、比べ物にならいないほど異質…」
女「そ、そんな……」
霊能少女「…着いた。ここを開ければ、外に…!」
ガチッ
霊能少女「!?か、鍵が…」
女「う、うそ……」
321 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:56:59.16 ID:ELSLV8Bao
ドンドンッ ドンドンッ
霊能少女「ダメだ。開かない」
女「べ、別の出口を……」
ドスッ…ドスッ…
女「」ビクッ
女「こ、この音って…地下から」
霊能少女「…どうやらワタシたちを追って来たみたい。他の出口を探している時間はない」
女「…っ!な、ならその拳銃で壊して!」
霊能少女「…時間がない。これを飲んで」ガサゴソ
女「え、な、なんですか?これ」
322 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:57:55.15 ID:ELSLV8Bao
霊能少女「ワタシは…道がないと飛ぶことが出来ない。だから、この距離でも失敗するかもしれないけど、背に腹は代えられない。早く」
女「な、何がなんだか分からないですけど……これで、いいんですか?」ゴクンッ
霊能少女「よし、ワタシの手を握って」
女「は、はい」ギュッ
霊能少女「…行くよ」
シュンッ
323 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 12:59:00.16 ID:ELSLV8Bao
女「!?」バタッ
女「えっ…い、今何が起きて……ここって外?」キョロキョロ
女「うぷっ!?おえええええええええええええ!!!!!!!」ゲロゲロ
霊能少女「…瞬間移動ってやつ。慣れてないと吐く」
霊能少女「急いで。この車を使って、ここから離れる」ブンッ
パリンッ
カチッ
女「く、車って…先生、免許持ってるんですか?」
霊能少女「運転の仕方なら知っている。キーは…あった。ここか」カチッ
324 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 13:00:14.17 ID:ELSLV8Bao
ブロロン……
霊能少女「よし動いた、乗って」
女「いや乗ってって…だから免許……」
霊能少女「…命と免許、どっちが大事?」
女「わ、分かりましたよ。乗ります」スッ
グシャアアアアン!!!!!!!!
女「!?」クルッ
女「あ、あの音って…鍵が閉まっていた昇降口の扉が壊された…?」
霊能少女「出すよ。シートベルト閉めて」
ブゥゥゥン!!!!!
「…………」
325 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 13:01:15.77 ID:ELSLV8Bao
霊能少女「…これで、ひとまずは安全」
女「せ、先生…何が起こったんですか?あそこで…」
女「教祖が自殺して、信者の人までみんな……」
女「あのお婆さんも、最後は自殺しましたし…何か、理由があるんですか?」
霊能少女「…恐らく、集団自殺と呪いでの殺人は、儀式の一つ」
霊能少女「あの…妊婦の腹から出てきた化け物を呼び出すためのね」
女「儀式に化け物って……」
霊能少女「…ワタシにも、全容が分からない。酷く混乱している」
霊能少女「ただひとつ、理解るのは…あの化け物が『神彁混』と呼ばれる存在だということ」
女「あ、あれが…神彁混?」
326 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 13:02:27.15 ID:ELSLV8Bao
ドンッ!!!!!!!!!!!!!!
女「!?」
霊能少女「!?」
女「せ、先生!今…く、車の上に何かが!!!!」
霊能少女「…追ってきやがった。掴まって、振り落とす」
キィィィィィィ!!!!!!
キィィィィィィ!!!!!
女「…!…!」ギュッ
霊能少女「チッ……離れない」
女「ど、どうするんですか!?」
霊能少女「…これを使って」ポイッ
拳銃『』
327 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 13:04:09.52 ID:ELSLV8Bao
女「こ、これって…あの教祖が持っていた拳銃じゃないですか!!!!撃てませんよ!」
霊能少女「…撃ち方は簡単。安全装置を外して、引き金を引けばいい」
霊能少女「ワタシは今、運転で手が離せない。お願い」
女「…っ」
女「あ、安全装置ってどこに―――」
グイッ……
霊能少女「!?ま、まずい!!!!あいつ、上から車体を引っ張って…!片方の車輪が浮いている!!!!」
女「えっ!?それって不味くないですか!?」
霊能少女「ぐっ…!ダメだ!!あいつの力の方が強いッ!バランスが崩れてっ…掴まって!!!!横転する!!!!!」
女「う、うわあああああああああああああ!!!!!!」ギュッ
328 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 13:04:44.78 ID:ELSLV8Bao
グシャアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!
329 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/26(月) 13:05:22.58 ID:ELSLV8Bao
今日はここまで
次で終わります
330 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/26(月) 13:17:58.54 ID:uHkAkUw50
今まで勇敢に戦ってきた霊能少女が逃げ出したくなる程の怪物とは恐ろしいですね、
今回も楽しく読ませて貰いました、最終回も楽しみに待っています
331 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/26(月) 14:18:30.75 ID:qmMJNQYUo
呪怨からサイレントヒルになったな
前のシリーズにも似たような教団あったが、こいつらのせいで世界滅んだのか?
332 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/26(月) 21:32:31.45 ID:uQpck9JQO
面白くなってきたな
乙
333 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 00:01:07.28 ID:l1XMJABj0
こういうキチガイ共が「満足な死に方」で勝ち逃げみたいに退場される展開は、舞台装置と分かっていてもムカムカするな
334 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 11:46:18.28 ID:NeYATrVbo
…………………………………………………………
…………………………………………
女「うっ…」クラツ
女「あ、あれ…私は、確か……」
霊能少女「……」シー
女(あっ…先生…)
霊能少女「……」ポチポチ
霊能少女「……」スッ
『怪我はない?』
女(そ、そうだ…あの神彁混が…車の上に乗ってきて、そして…)
女「……」ポチポチ
『はい、ないです』
霊能少女「……」ポチポチ
『気を付けて、まだ上にいる』
335 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 11:47:32.72 ID:NeYATrVbo
女「!?」ビクッ
女(う、うそ…まだいるの?だから声を出さずに…)
霊能少女「……」ポチポチ
『私が囮になって、アイツを引き付ける』
『アナタはその隙に逃げて』
女「…っ」
女(囮って…車を力ずくで倒すような化け物相手に無謀過ぎる…)
霊能少女「……」ポチポチ
『安心して、勝算はある』
『でも、もし私が一日を過ぎても帰らなかったら、この封筒を宛先の住所に送ってほしい』
霊能少女「……」スッ
336 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 11:48:34.21 ID:NeYATrVbo
女「……」
女(先生は…死を覚悟している。それほどの相手なんだ。あの神彁混という化け物は…)
女(それでも、先生は戦おうとしている。私を守る為に……先生は……)
女(…無力な私には、先生を止める権利もあの神彁混をどうにかする力もない。ただ…無事を祈ることしか出来ない)
女「……」ポチポチ
『分かりました。必ず、帰ってきてください』
霊能少女「…」コクッ
『ワタシが外に出て、あいつが車から離れる音がしたら、その正反対の方向に逃げて』
『道なりを行けば、道路に出ると思う』
『それと、そこに落ちている拳銃はアナタが持って行って。もしかしたら、信者の残党がいるかもしれないから武器はあった方がいい。安全装置は右上にある』
337 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 11:49:38.75 ID:NeYATrVbo
女(…右上、これかな?)
『じゃあ、行ってくる。町に出たら、急いで警察を呼んで。公衆電話を使って匿名で』
女「……」ポチポチ
『先生、御武運を祈っています』
霊能少女「……」コクッ
霊能少女「……ッッッ!!!!!!」ゴンッ
ダッ!!!!!
ドンッ
女(…!何かが飛び移る音がした。あれが…神彁混)
女(…先生、どうか―――生きて帰ってきてください)
338 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 11:51:02.53 ID:NeYATrVbo
ダダダダダダダダッ!!!!!
霊能少女「……ッ!!」ダダッ
霊能少女(よし、引き付けは成功。あとは走るだけ)
霊能少女(…不幸中の幸いだった。昨日、下見に来ておいて正解だった…この近くにはアレがある。アレなら…アイツをどうにか出来るかもしれない)チラッ
霊能少女(……あれが『神彁混』か)
神彁混「……......」バサッバサッ
霊能少女(身長は三メートル近くあるか、かなりでかい。尻尾を含めると四メートルはある。そして…あの翼、あれを使って追跡してきたのか)
霊能少女(闇より深い極黒の体色、羊の骸骨を彷彿とさせる頭部、そして、禍々しく、吐き気を催すほどのオーラ……)
霊能少女(あれのどこが神なんだ。どう見たって悪魔そのもの……あいつら、本当に何を呼び出しやがった)
339 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 11:52:18.73 ID:NeYATrVbo
霊能少女(この感覚、あいつは幽霊だとか、怪物だとかの類いではない。人外の魔物…ってところか。いや、魔物なんて生易しいモノならまだマシか)
霊能少女(ワタシなら、見ただけでその色から生きているか、死んでいるかを判別出来る。でも、あいつの色は…そのどちらでもない)
霊能少女(例えるなら、虚ろな色。こんなの初めて見た。生命のエネルギーを全く感じない。かと言って、死者特有の臭いがするわけでもない)
霊能少女(…恐らく、アイツを殺すことは出来ない。あれは災厄そのものと言っていい。個体ではなく事象に近い存在)
霊能少女(…なら、残る手はひとつ)
神彁混「…………」グンッ
霊能少女(ッ!来たか)サッ
340 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 11:53:27.02 ID:NeYATrVbo
ブゥゥン!!!!!!!!!
ザンッ!!!!!!!!
神彁混「…………」
霊能少女(…自分から降りて来てくれたか。そっちの方がやりやすいから助かった)
霊能少女(…例の地点まではあと数百メートルはある。そこまでは戦いながら、この化け物をやり過ごすしかない)
霊能少女(面白い。ワタシの力がどこまで通じるか…確かめさせてもらう)スッ
神彁混「…………」
341 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 11:55:38.39 ID:NeYATrVbo
……………………………………………………………………
…………………………………………………
ダダダダダダダダッ!!!!!
霊能少女「ハァッ……ハァッ……」ダダッ
神彁混「…………」
霊能少女(チッ…もう追ってきたか)
霊能少女(やっぱり、ワタシの道具だと殺せない。いや…正確に言うと、ダメージは与えられているけど…決定打にならない)
霊能少女(そこそこの効果はある。でも、すぐに動けるようになる。痛みは与えられるけど、ただそれだけ。致命傷にはならない)
霊能少女(戦って理解った。あの神彁混という化け物は…殺意の塊だ。ワタシたち人間が生から産まれ、生きるように…あいつは死の渦から産まれ、死を求めて彷徨う)
霊能少女(あんなやつを野放したら、何千、何万の命が犠牲になる。絶対にここで止めなくては……)
342 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 11:56:39.77 ID:NeYATrVbo
ブンッッッッ!!!!!!!!
霊能少女「!?」サッ
神彁混「…………」
霊能少女(くっ…!やはりこの身体能力は驚異的だ。的確に急所を狙ってくる)
霊能少女(あーもう…こういう飛んだり跳ねたりするのはワタシの専門外なのに、つくづく相性が悪い)
霊能少女(残りあと50メートルくらいか。そろそろ見えてくるはず。準備をしておかないと)
神彁混「…………」グッ
霊能少女(…っ!攻撃が来る。爆弾を使って時間稼ぎを…)ガサゴソ
霊能少女(―――っ!?しまった、もうストックが切れたのか。他の道具もほとんど来る途中で使い捨ててしまった。これは不味い)
霊能少女(…仕方ない。鎖を使うか)スッ
霊能少女「ッッッ!!!!!」ブンッ
343 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 11:58:02.25 ID:NeYATrVbo
ジャララララララ!!!!!!!
神彁混「…………」グッ
グルグルグルグルグルグル……
霊能少女(これでしばらくは動けないはず。あの鎖は過去に連続殺人鬼の怪物が絞殺に使用していた鎖。そいつの死後も、鎖は意識を持ち、目の前にある物体に所構わず纏わりつく)
霊能少女(ワタシたち人間に異形の力は使えない。でもそれを扱うことは出来るということ)
神彁混「…………」グイッ
ブチブチブチブチブチッ……
霊能少女「!?」
霊能少女(あ、あれを引き千切っているのか。なんてやつだ…)
霊能少女(でも、十数秒だけど時間は稼げた。これならっ…もうすぐっ…!)
344 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 11:58:43.12 ID:NeYATrVbo
井戸『』
霊能少女(あった…!あの井戸を使って神彁混を封印するッ!!)
345 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:00:48.81 ID:NeYATrVbo
霊能少女(殺すことは出来なくとも、封印するなら幽霊や怪物と変わらない。狭間で永久に隔離してやる)
霊能少女(下準備はしてある。万が一の為に…備えて正解だった)
霊能少女(あとは…あいつにマーキングを刻むだけ。そうすれば自動的に封印が始まる)
霊能少女(まあ…これが一番難しいんだけどね。あいつに接近しなくてはならない)
霊能少女(…やるか。これが最後の攻防だ)
ダッ!!!!!!!
神彁混「…………」
霊能少女(…目の前にすると、一層不気味だ。眼球がない、視覚がないのか?)
霊能少女(ワタシの位置をどうやって把握している。嗅覚か、聴覚か、それとも第六感に近い何か)
霊能少女(…瞳がない相手とやり合うのは初めてだな。眼を視れば…ある程度は相手の動きを予測出来るけど、それが通用しない。)
霊能少女(…やるしかない。もう逃げることは許されない)
346 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:02:21.33 ID:NeYATrVbo
ブンッ
霊能少女(…ッ!疾いな、まずは水で動きを止めるか)ブンッ
パシャッ
神彁混「…………」ビシャッ
神彁混「…………」ピクッ
霊能少女(来たっ…もらった!)ブンッ
ビュンッ
霊能少女「ガハッッ!?」ボゴォ
347 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:03:59.96 ID:NeYATrVbo
霊能少女(何が…起こった。い、息が……)
霊能少女(そうか…!尻尾で死角からの攻撃っ…まずい、まとも、に…食らっ―――)
神彁混「…………」ビュンッ
霊能少女(よ、避けられっ―――死)
バンッ!!!!!!!!
348 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:05:38.22 ID:NeYATrVbo
神彁混「…………」ドンッ
霊能少女「!?」クルッ
女「はぁっ…はぁっ…」
女「う、うわああああああああああ!!!!!!!」カチッ
バンバンッ!!!!!!!バンッ!!!!!
神彁混「…………」ドンドンッ
神彁混「…………」ユラッ
霊能少女(な、んで…逃げてって言った、のに……)
霊能少女(…バカ、でも……助かった)
霊能少女「ハァッ!!!!!」ブンッ
349 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:06:58.95 ID:NeYATrVbo
神彁混「…………」ギュウン
霊能少女(これで…終わりっ!!!!)バンッ
ギュウウウウウウウウウン‼‼‼‼‼
神彁混「…………」ガッ
神彁混「…………」バサッ
霊能少女「逃げようとしても無駄。呑まれろ…!」グッ
神彁混「…………」ググッ
神彁混「…………」グイッ
井戸『』
神彁混「…………」ヒュンッ
女「い、井戸の中に…吸い込まれた」
女「せ、先生!やったんですか!?」
350 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:08:23.59 ID:NeYATrVbo
霊能少女「閉めてっ!そこの井戸の前にある蓋を使って!!」
女「ふ、ふたっ!?」
女「あっ…こ、これか!」グイッ
バタンッ
霊能少女「……はぁ」フッ
霊能少女「終わった…あー疲れた」ゴロン
女「やりましたね!!先生!!」ダッ
霊能少女「……」
霊能少女「…なんで来たの。先に逃げてって指示したでしょ」
霊能少女「一歩間違えたら…アナタも一緒に死ぬところだった。賢い判断とは言えない」
351 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:10:07.20 ID:NeYATrVbo
女「えっ…うっ、そ、それは……」
女「……私、この二週間ずっと、逃げてばかりでした」
女「和尚さんや先生にずっと助けられてて、自分でも足手まといだと自覚してます」
霊能少女「…アナタは依頼者なんだから、守られて当然。むしろ前に出られるとこっちが困るんだけど」
女「そ、そう言われると返す言葉がないんですけど……」
女「…どこか、自分の中で、追われるのが嫌になっていたんだと思います。ずっと、ずっと、狙われて死にかけて、また狙われるのを繰り返すのが」
女「もし、ここで先生が死んでしまって、私だけが生き残る結果になってしまったら…耐えられる自信がありませんでした。これからの人生に、ずっとその十字架を背負っていきそうで」
女「私は特別な力もないし、臆病で何の役にも立ちませんけど…反抗することは出来ると、和尚さんたちに教えられました。結果がどうであろうとも、最後まで立ち向かったあの人たちはとても立派だと思います」
霊能少女「…」
女「分かっているんです。下手に手を出すより、何もしないことの方がいいって。でも…少しでも、私もそっち側に立ってみたかったんです。あの人たちの勇気を、私も受け継ごうと」
女「先生の力に…少しでもなりたいと思いました。そうしたら、自然と足が違う方向に…」
女「…ごめんなさい、危ない真似をして。和尚さんは先生に、私を託したのに…自分勝手なことをして」
352 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:11:02.01 ID:NeYATrVbo
霊能少女「…」
霊能少女「確かに、アナタは和尚の願いを無視して、行動した」
霊能少女「でも…あの人はそれを咎めることはしないだろうね。結果的に言えばワタシの命を救ったのは他でもないアナタだし」
霊能少女「…ありがとう。アナタの勇気を、ワタシは一生忘れない。敬意を表する」ペコリ
女「えっ…そ、そんな!やめてくださいよ!頭を上げてください!お礼を山ほど言いたいのはこっちなんですし!」
女「…本当に終わったんですよね。これで」
霊能少女「うん、間違いない。これで…全てが終わった」
霊能少女「…帰ろうか」
女「…はいっ!」
353 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:12:34.31 ID:NeYATrVbo
▢▢▢▢ 15日目 ▢▢▢▢
母「……」スゥ
霊能少女「…呪詛が完全に取れている。これでもう心配はいらない」
霊能少女「まだ二三日は体が回復するまで眠りが続くだろうけど、その後はいつもと同じ健康体に戻るはず」
女「ほ、本当ですか?よかった…」
女「昨日、あの教祖が死んだ時刻と同じくらいに…病院から連絡があったんです。母の意識が戻ったと…これで、もう呪いはなくなったんですね」
霊能少女「…そう、アナタたち家族は助かった」チラッ
『ここが天国の扉という宗教団体が集団自殺を遂げた現場です。この団体には総勢100人余りの信者が所属しており、現在その全ての身元の死亡が確認されています』
『これは、日本史上においても異例の事件であり、警察は捜査を―――』
354 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:14:16.78 ID:NeYATrVbo
女「…何かえらい事件になってますね。昨日からニュースがずっと取り上げてますし」
女「ネットも…すごい騒ぎになっていますよ。日本中があのカルトに注目しているなんて」
霊能少女「そりゃ、三桁近くの人間が一斉に死んだら…大騒動になるだろうね。隠しきれる規模じゃないし」
霊能少女「でも、一か月も経てば自然と落ち着いて来るよ。人間なんてそんなもの」
女「私たちだけなんですよね。あいつらが本当は何をしていたかも、神彁混の存在も…知っているのは私たちだけ」
女「…マスコミとかの取材が来ないですかね?一応、あの現場にいたんですし」
霊能少女「ワタシたちとあのカルトに接点はない。あの場にいたということを知っている人物は全員死んでしまった。よっぽどのことがない限りは来ないよ」
霊能少女「まあ一応、こっちもそういうのが来ないように手を回しておくから、安心していい」
355 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:14:58.86 ID:NeYATrVbo
女「安心していいって…何するつもりなんですか」
霊能少女「色々コネがあるってこと。さて…行くか」スッ
女「え?行くってどこに?」
霊能少女「もう一度、あそこに戻る」
女「えっ……」
356 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:16:10.44 ID:NeYATrVbo
……………………………………………………...
……………………………………………
女「だ、大丈夫ですか?先生…さっきすぐそこで警官が見張っていましたし、ここら一帯って立ち入り禁止なんじゃ」
霊能少女「そんなの知らない。もし見つかったらワタシが何とかする」
女「何とかするって…強引な」
女「…本当に、あの井戸に行くんですか?正直、行きたくないんですけど…」
女「私があの神彁混をまともに見たのは、銃を撃った一瞬だけですけど…全身から血が噴き出したみたいに、固まりました。家で見た影も怖かったですけど…アレに比べたら百倍マシです」
霊能少女「大丈夫、あの封印式は中から破ることは絶対に出来ない。神彁混が自力で出てくる可能性は万に一つもない」
霊能少女「…でも、外からなら蓋を開けるだけで簡単に出ることが出来てしまう。だから、それを防ぐ為に補強をしないといけない。二度とあいつがこの世界に出てこないように」
357 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:17:11.12 ID:NeYATrVbo
霊能少女「昨日は道具が足りなくて、そこら中に警察がウロウロしていたから無理だったけど、一晩経った今なら平気」
女「先生がそこまで言うならいいですけど…場所は覚えているんですか?」
霊能少女「ワタシは一度通った道は絶対に忘れない。もうじき見えてくる」
霊能少女「…あった。あそこに―――」
霊能少女「!?」ビクッ
女「どうしたんですか―――ッッ!?」
女「う、うそ…そんな……」ブルブル
358 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:17:43.84 ID:NeYATrVbo
井戸『』ボロボロ
女「い、井戸が壊されている……」
359 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:18:56.03 ID:NeYATrVbo
霊能少女「ッ!!」ダッ
女「あっ!先生!」
霊能少女(なんだ!?この惨状は…!まるでダンプカーでもぶつけたみたいに、井戸が破壊されている)
霊能少女(…ダメだ。もう中には誰もいない……逃がしてしまった。ワタシの失態だ)
霊能少女(…でも誰が逃がした?あのカルトに所属している奴等は全員死んだはず。他にも残党がいたのか?でもどうやって…...)
女「せ、先生……これって……」
霊能少女「…………どうやら」
360 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:19:42.21 ID:NeYATrVbo
霊能少女「本当の戦いはこれからってやつかな」
おわり
361 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:20:33.21 ID:NeYATrVbo
……………………………………………………………
………………………………………………
362 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:21:42.88 ID:NeYATrVbo
▢▢▢▢ 16日目 ▢▢▢▢
女「あっ、もうすぐ新幹線が来るみたいですね」
霊能少女「うん、もうお別れ」
女「もう少しゆっくりしていったらどうですか?先生もかなり体力を消耗しましたし、もう一週間は家で休んでも…」
霊能少女「…ごめん、それは出来ない」
霊能少女「神彁混が世に放たれてしまった今、急いでそのことを知らせないといけない。対策も練らないといけないし、ゆっくり休んでいる暇はない」
女「…そう、ですよね。ごめんなさい」
女「あの、先生。今回は本当にお世話になりました。私、先生にこの二週間ちょっとで何回助けられたか…先生は命の恩人です」
女「あれ?前にもこんなこと言ったような…」
363 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:22:52.46 ID:NeYATrVbo
霊能少女「…私も礼を言わせてもらう。アナタがいなければ、あの神彁混に殺されていたかもしれない。アナタの勇気が、私を救ってくれた」
霊能少女「ワタシには力がある。でもアナタは力を持たずにあの化け物に立ち向かった。どれほどの恐怖や葛藤があったのかはワタシには想像がつかない。アナタのことは…一生忘れない」
霊能少女「ありがとう。アナタに出会えて本当に良かった」
女「…!そ、そんな真顔で恥ずかしいこと言わないでくださいよ。こっちが恥ずかしいです」
女「あ、これ……先生にいつか渡そうと思っていたんですけど、機会がなくて。はい、どうぞ」スッ
霊能少女「…?なにこれ」
女「今回のお礼というか…依頼料みたいなものです。さすがに何も渡さないのは私の気が晴れないので、黙ってもらってください」
霊能少女「…ちょっと手貸して」
女「え?手って…はい、これでいいですか?」
364 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:23:40.89 ID:NeYATrVbo
グイッ
女「うわっ!?」ギュッ
霊能少女「…お礼はこの握手でいい。ワタシは…人を守る為にこの仕事をしている。アナタのこの温もりこそが、何よりの褒美」
霊能少女「それに、既に私には和尚から指名料としてお金が振り込まれている。もうこれ以上は必要ない。そのお金で、母親と温泉旅行にでも行ってほしい」
女「…!わ、分かりました!来週さっそくいってきます!」
霊能少女「それでいい。楽しんでね」フッ
ピーッ
霊能少女「…ん、もう時間か。じゃあこれで本当にお別れ」
365 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:24:47.88 ID:NeYATrVbo
女「…あの!先生!最後にお願いしてもいいですか」
霊能少女「お願い?」
女「私が言うのもなんですけど…あんまり無茶はしないでください。先生にこんなことを言っても効かないって分かっています。でも…自分の身は大事にしてください」
女「もし先生が死んだら私、すごく…ものすごく悲しいですから」
霊能少女「……」
霊能少女「…ごめん、それだけは守れない」
霊能少女「ワタシは…戦わなければいけない。今までも、これからも、それが私の役目だと思っているから」
霊能少女「その過程で命を落とすことになったとしても、何の後悔もない」
女「…っ。そ、そうですよね。ごめんなさい」
366 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:26:53.64 ID:NeYATrVbo
女「じゃ、じゃあ…!たまに、たまにでいいですから、連絡してもいいですか?」
女「無事を確認したいっていうか、友達になりたいっていうか…あーっ!ご、ごめんなさい。何言ってるんだろ自分、忘れてください!」
霊能少女「…どうだろ。ワタシは忙しいから、あまり返事が出来ない」
霊能少女「それに……そういうことをするのに慣れていないというか、やり方が分からない」
霊能少女「……でも」
霊能少女「たまに…本当にたまにでいいなら……構わない」
女「!」
女「分かりました!また落ち着いたらメール送りますね!」
367 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:28:19.00 ID:NeYATrVbo
プルルルルルルル…
霊能少女「…じゃあこれで、さようなら」
女「はい!先生もお元気で!」
女「あっ…そうだ。妹さんとも仲良くやってくださいね!」
霊能少女「……善処する」
プーーーー
バタンッ
ブオオオオオオオオオオ
女「…!」フリフリ
女「…行っちゃった。これで本当に…お別れか」
女「…ありがとうございました。先生」
368 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:29:47.88 ID:NeYATrVbo
女(こうして、私が体験した恐怖の二週間は終わりを告げた)
女(でも、まだ全てが終わったわけではない。先生はこれからも…戦い続けるんだろう。その身を犠牲にしたとしても)
女(―――先生の顔を直接見たのは、この日が最後だった)
369 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:30:54.77 ID:NeYATrVbo
…………………………………………………………
………………………………………
霊能少女「牛鍋弁当と、そぼろ弁当ひとつ。あ、あとお茶も」
霊能少女「…さて」モグモグ
霊能少女(…この紙、あの自殺した教祖の部屋で見つけた物。拳銃と一緒に落ちていたから、その時は何となく、ついでに回収しておいたけど)ペラッ
霊能少女(…正解だった。これは......とても重要な鍵になる)
370 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:35:35.56 ID:NeYATrVbo
■■■■■■■■■■■■■■■■■■
1978 ○ קין
1987 ×
1993 ×
1994 ×
1997 ×
2000 ×
To the next level.
■■■■■■■■■■■■■■■■■■
371 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:37:24.74 ID:NeYATrVbo
霊能少女「……」
霊能少女(これは恐らく、奴等の計画の一部。もっとも、最後の文…『次のレベルへ』と書かれていることから、最新のものではないと思われるけど)
霊能少女(気になるのは…この数字と○×)
霊能少女(数字の方はこの並びだと西暦か…?この年に何かあったという意味か)
霊能少女(…上にある文字のような記号も分からない。後で調べてみるか)
霊能少女(とにかく、これを手に入れられたのは大きな収穫だ。『天国の扉』…奴等の計画がこれで終わりだとは思えない)
霊能少女(あの教祖は…この世界に扉を開けると言っていた。ワタシの勘だと、扉というものが開いたのは一瞬でしかない。その一瞬に…『神彁混』は出てきた)
霊能少女(…いや、元々あの『神彁混』しか呼び出す予定はなかったのか?地下に閉じ込められていたあの妊婦…あの人は助けを求めていた、教団の関係者ではない可能性が高い)
372 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:38:51.58 ID:NeYATrVbo
霊能少女(『神彁混』を呼び出す方法は…まず妊婦を用意して、その周辺で多くの死を起こす。そして、その妊婦の腹が扉となり、『神彁混』が出てくる…)
霊能少女(…つまり、死を産み堕とすことによって、扉は開かれる…?)
霊能少女(さしずめ、『堕死者』と言ったところか。あー…頭が痛くなる)
霊能少女(…もし、次にあの『神彁混』と対峙する時が来たら…今度は簡単にはいかないな。ワタシと殺り合ったのは、まだ扉から出てきてすぐの状態。言うなれば、この世界に馴染んでいない状態であの強さだった)
霊能少女(誰か…協力者がいる。ワタシと同等の力を、いやそれ以上の力を持っている者ではないと、仕留められない)
霊能少女「…ちょっと相談してみようかな。デッキに行こう」スッ
373 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:39:36.68 ID:NeYATrVbo
プルルルルルルル…
ピッ
霊能少女「あ、もしもし…ワタシだけど」
プツッ
ツーツーツー
霊能少女「……」
霊能少女「…やっぱり切られた。当分は仲良くなんて無理か」
プルルルルルルル…
霊能少女「ん、誰だ」ピッ
霊能少女「…もしもし?」
374 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:40:45.51 ID:NeYATrVbo
霊能少女「あーうん、今朝メールで送った通り、無事に依頼は終わった。今は帰りの新幹線に乗っている」
霊能少女「…え?追加の依頼?ちょっと待って、そんなことをしている時間はない。急いで知らせたいことが……」
霊能少女「…廃病院に住み着く霊?だから待ってって言っているでしょ。そもそも、もう道具を使い果たしてもほとんど残ってない。ボトルが数本と塩くらい」
霊能少女「ただの幽霊だから大丈夫だって……はぁ、分かった。で、場所は―――」
おわり…?
375 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:41:50.47 ID:NeYATrVbo
ってことで終わりです
実はこれ一年半くらい前に書いた
幼女幽霊「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!」DQN幽霊「!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466012540/
の前日譚みたいな内容になってます。本当はもっと早く投下する予定だったんですけど…いつの間にかこんなに伸びてました
吸血娘「死なないハゲってさ、不老不死ってより不毛不死だよね」屍男「…」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1507896137/
ついでに関連作としてこんなのもあります。これで人間幽霊怪物3つの視点で一つの物語になると思います
多分この三作を読んでもらえたら、散らばってるある程度の内容は把握してもらえると思うんですが…予定だと全体でまだ半分以上あるので、かなり長くなると思います
しかもこの春からかなり書きづらくなる環境になるので、続きが出来るまでだいぶ時間がかかるかもしれません…
次は幼女幽霊の方を書こうと思っているので気長に待ってくれると嬉しいです
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 12:46:24.58 ID:dlb0nB+L0
完結おめでとうございます、続編を書く予定だったらまた見に来ますね
今ままでお疲れ様でした
377 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 12:54:00.50 ID:NeYATrVbo
ごめんなさい最後に自分の専ブラだと
>>370
のところがバグっているので分かりにくいことになっているかもしれないです
https://i.imgur.com/DotvkKw.jpg
画像だとこんな感じになってます
特に深い意味はないです
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 13:01:29.66 ID:/fo8R6I60
乙
ゾクゾクした
379 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/03/29(木) 13:09:24.40 ID:NeYATrVbo
あ、ごめんなさいこれで本当の本当に最後なんですけどこのSSには元ネタになってる二つの映画があります
序盤から中盤は『カルト』終盤は『VHS ネクストレベル』の『Safe Haven』という作品からかなり影響受けてます
多分知っている人から見たら思った以上にまんまだと思います
とても面白い映画だと思うのでもし良かったら見てください
380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 13:39:38.67 ID:Ajfm76kDO
乙
面白かった
381 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 13:43:51.04 ID:waLv/id2O
少女幽霊の子分元気にしてるんかなw
呪い系のssはキムさんも好きだなぁ
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage ]:2018/03/29(木) 13:57:48.83 ID:7lsCnehJ0
幼女幽霊の方も読みました、霊能少女病院で幼女幽霊と戦った時は本調子では無かったですね
それどころか体力も消耗してろくな道具もない状態で戦っていたとは驚きです
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 15:03:59.52 ID:5+4Y8CkPO
乙
幼女も面白かったしこれも良かった
吸血娘はこれから読んでくる
384 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 16:38:55.47 ID:MxifRZEiO
>>381
マサさんじゃない?
祟られ屋ならね
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