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少年「俺のクラスは亜人だらけ」
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237 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
:2018/12/14(金) 16:11:12.08 ID:y8iP/2u10
蜘蛛の人から生徒会について簡単に説明される。説明によると生徒会メンバーは
会長である悪魔のべリア・ゴエディア。
副会長である天使のセラフ・ロートシルト。
会計である謎種族のセルリア
書記である蜘蛛の亜人のヤツカ
監査である鯱の亜人のオルキヌス・オルカ
広報である鳳凰のクレル・アークフォード
らしい。
そして俺は雑用などを担う一番下の庶務になるらしい。役職が貰えるとは思ってなかったし役職を貰っても上手くこなせそうにない。おかげで少し助かった。
そして俺が思っていた生徒会と違い学園内で生徒の悩みや問題を解決したり、組織と組織の間で折衝をしたりするのが目的らしい。要するに学園内での権限を保有したなんでも屋みたいなものだとヤツカさんは言っていた。ただ我が強いメンバーのため問題を大きくしたり騒動を起こしたりするのが玉に瑕と苦笑いもしていた。
どうやらこの人は変人ぞろいの生徒会で唯一の常識人らしい。普段からの苦労が目じりに見て取れる。
俺が大変そうですねと同情交じりに言うと、ヤツカさんはもう慣れたよと自虐気味に笑っていた。いずれ俺もこうなるのだろうか。そう思うと背筋がぞっとしなかった。
とりあえずはこの人について行けば大変なことにはならなそうだが
クレル「はいはい! お姉さんが新人くんの教育係に立候補したいです!」
とクレルさんが発言したことによって誰が専属で就くかの話し合いが勃発。1時間経っても2時間経っても終わらない会話し合いで結局は俺自身がだれに付いて行きたいかを決めることになった。セルリアさんだけは面倒くさそうに見ていた(それに俺もついて行こうとは思わない)からセルリアさん以外にすべきだが。
10分ほど悩んで俺はやっと教えてもらいたい人を選んだ。
少年「
>>240
」
238 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
:2018/12/14(金) 16:11:40.88 ID:y8iP/2u10
今日はここまで
239 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/12/14(金) 16:17:54.69 ID:jvyFk7LeO
クレル
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/12/14(金) 16:18:55.59 ID:xI9pwVExO
それは押すなよ押すなよということかな
セルリア
241 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/12/14(金) 16:19:41.46 ID:bL2Rip660
ヤツカ
242 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/12/14(金) 16:30:36.72 ID:qIcROwGfO
乙
243 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/12/14(金) 20:40:32.87 ID:bp3QIc+o0
乙
244 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
:2019/01/16(水) 11:55:16.74 ID:jf1djAXB0
口をついてでた言葉。それは俺自身も指名された本人も予想外のものだった。
選ぶべきではないと思ったし、本人も選ばれるはずはないと思っていたはずだ。
選ぶ理由も選ばれる理由も存在しない。なのに係わってしまった。
自分が選ばれなかったことを嘆くもの。
まさかの選択を囃し立てるもの。
眼をぱちくりと瞬かせるもの。
それらに囲まれ俺ら当の本人は思考停止状態で見つめあっていた。
なぜか真っ暗闇のローブの中には黄色の光体が二つ。瞬きするように点いたり消えたりするから多分彼女の目なのだろう。おかげで感情を察することが難しい。
少年「あー、えっと、よろしくお願いします。セルリアさん」
覆水盆に返らず。出てしまった言葉が口の中へ戻る事はない。時間が巻き戻るなんてそれこそ無理だ。たぶん否定や誤魔化しをすればいいのだろうけど、そのタイミングもすでに逃した。それに一応先輩だ。拒絶することは難しい。だからこう言って彼女に向かって手を差し出すしかなかった。
セルリア「アー、ウー、よろしく頼むヨー」
彼女が俺の手を握る。その手は予想以上に熱く、ずっと握っていれば火傷しそうなほどだった。
この距離でもローブの中を見ることはできない。ただ光体が困ったように揺れていた。
245 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
:2019/01/16(水) 16:38:49.50 ID:jf1djAXB0
生徒会の仕事。それは主に生徒からの依頼の解決と風紀委員会を除く委員会の統括。これだけ大きな学園内の、それがたとえ生徒のみを対象とするものであってもたった数人で楽々終わらせられる仕事ではない。あくび交じりに仕事をしているセルリアさんだったが、その手は忙しなく書類に数字を書き込んでいた。よく見ると各部活が提出してきた予算の計算をしているらしいが二桁三桁の話ではない。いくら四則演算程度だとしてもこうも即座に答えを出せはしない。少なくとも俺では無理だ。
やることがなくセルリアさんの仕事ぶりを見続けるだけ。関心はするものの見ていて時間があっという間に過ぎるようなものではない。俺にできる仕事はないだろうかとあたりを見回すも
セルリア「できる仕事はないヨ」
と釘を刺される。
クレル「まぁまぁ、新人くんにはお茶を入れてもらッティ、いーかな?」
お茶くみ。それが俺にできることであるのならやぶさかではない。部屋に備え付けられている給湯室へ行き急須と茶葉を見つける。
魔石のコンロなんてあるんだな。さすが生徒会だ。と変なところに関心する。
鍋に水を入れコンロにのせる。このまま待っていればすぐに熱が伝わりお湯になることだろう。
給湯室からみんなの様子を伺うと忙しそうに働いている。今だけ見れば真面目集団だな。
お湯が沸いた。お茶を入れ、少し蒸らす。俺にはよくわからないがこれが大事なのだとユキムラが言っていた。
人数分のお茶を入れ持っていく。
あのクレルさんですら忙しなく書類を作っているのだから、この集団はレベルが高いな………と思っていたのだが。
少年「なにやってるんです?」
クレル「あは、バレてしまいましたか。お絵描きをしていました」
見てみると猫だかなんだかよくわからない絵がこっちを見ていた。
男「えーっと………これも仕事なのですか?」
クレル「いやー、暇だから遊んでただけ。だって私暇だもん。今忙しいのはセルリアちゃんとヤツカ君くらいじゃないかな」
ヤツカ「暇だったら手伝って頂いても構わないんですよ?」
クレル「嫌だよっ。えーっとだからおねーさんが教育係に立候補したんだけど、どうやらおねーさんは君のタイプの女性ではなかったみたいだねっ、およよぉ」
吐き出される言葉の無意味や無意味。真正面から相手をしていては時間の無駄になると即座に判断する。
男「えーっと、じゃあ今皆さんはなにやってるんですか?」
べリア「悪だくみ」
セラフ「処刑の方法を考えてますわ」
オルカ「瞑想をしていた」
ろくなもんじゃない。
246 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/02/07(木) 23:41:16.90 ID:4Y27IgauO
乙ー
247 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/09(土) 12:39:50.39 ID:i8HXGIAS0
ただ時間だけが過ぎていく。
仕事らしい仕事がない。ただ思い思いに暇をつぶすだけ。
これが学内屈指の極悪団体なんだからいろいろやっているのかとおもったけれどそうではないらしい。
いや、ベリアに限っては害悪なのか。
セルリア「はー、やっと終わったヨー」
セルリアさんがペンを放り投げて立ち上がる。見ると左にできていた書類の山が右に移っていた。
ヤツカ「でしたら僕の分も手伝ってくれて構わないんですよ」
セルリア「けっ、だヨー」
セルリアさんはぴょんとその場で軽くジャンプをするととてとてと部屋から出ていってしまった。
男「あっ、えっと俺はどうすれば」
ヤツカ「そうですね。今日はもう仕事はありませんし帰っても―――」
ベリア「よーし今日は帰っていいってさ」
クレル「やったー!」
ヤツカ「貴方がたは駄目です」
べりクレ「えー」
男「いえ、俺も時間はありますから」
ヤツカ「そうですか。だったら―――」
ガチャ
扉が開く音がした。
振り向くとそこには
「ここが生徒会と聞いたNOですが」
菱型のキューブがそこに浮いていた。
248 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/09(土) 12:53:38.91 ID:i8HXGIAS0
【幕間】
ノヘジ「ハイパーエロティシズム革命」
少年「は?」
脈絡もなくノヘジがまた変なことを言い始めた。
ノヘジ「今頭の中に浮かんだのだがなんだか惹かれないか」
ノヘジは眼鏡をキラリと光らせ俺たちにそう語りかけた。
男「そもそもどういう意味なんだよ」
バジロウ「ノヘジが言うことに意味なんてないだろ」
ノヘジ「たぶん、誰かに何かを付け加えてその人の持つエロティシズムを引き出すことだろう」
バジロウ「シチュエーション萌えとかいう奴か」
バジロウが頷いているが俺にはよくわからなかった。
男「まず例をあげてくれよ」
ノヘジ「例か。ならばケンタウロスのイルミ嬢に………ギャグボール」
少年「風紀委員に通報だ」
バジロウ「よしきた」
流石にそれは危なすぎる。種族差別ととられても仕方ないことだ。
ノヘジ「ま、まってくれ! これは分かりやすい例えすぎただろう」
バジロウ「イルミならガーターベルトだろ。普通に考えたら」
え?
バジロウもそっち側なのか?
いまだ気軽にそういう話ができない俺だからそういう話題は少し困る。
別にそういうことに興味がないわけじゃないんだが
ノヘジ「リンネの巫女服に切れ目を入れてちらりとのぞく生足に紋様を入れたいだろう」
バジロウ「あー。紋様はエロいな。あと学長と地下牢とかな。なぁ、少年ならどうする?」
少年「はっ!? え、えっと」
>>249
に
>>250
249 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/09(土) 12:55:12.35 ID:eQ/QBNKwo
ヒョウカ
250 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/09(土) 13:15:12.76 ID:/LOM9KtDO
褐色に日焼けさせたい
251 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/09(土) 14:15:31.57 ID:i8HXGIAS0
少年「ヒョウカさんが日焼けして褐色肌になったら、いいなぁって思う」
ノヘジ「ほう!」
ご存じのとおりヒョウカさんは真っ白だ。
だから高潔で近寄りがたく思える。
だから日焼けして健康的なイメージが付けばいいなぁと。
バジロウ「褐色萌えか」ウンウン
ノヘジ「褐色は遊んでいるイメージがあるだろう。つまり少年は遊んでる系が好きなのだな」ウンウン
男「え、ちがっ」
バジロウ「そういえば先輩にそういうタイプがいたな。金髪で褐色の」
ノヘジ「そういう女性に筆おろしされたいだろう」
なんかどんどん俺の性癖がゆがめられていっているんだが。
ただ俺はヒョウカさんのことを思って―――
ヒョウカ「風紀的によろしくないお話しをしていますね」
ノヘジ「ひっ!」
少年「ひょ、ヒョウカさん」
背筋が凍るような。というか実際に俺の後ろに立っているヒョウカさんから冷気が漏れ出している。
ヒョウカ「なにやら私に遊んでいるような女になってほしいという欲が聞こえましたが」
少年「違うんですよ!? それはこいつらが言いだしたことで!」
バジロウ「あっ、ひでぇ! 友人を売るなよな!」
売るもなにも誤解だからなぁ!
ヒョウカ「貴方には申し訳ありませんけれど、私は日焼けをする前に溶けてしまいますので」
雪女だしな。しかもこれから暑くなるからヒョウカさんはどんどん縮んでいくのだろう。
ヒョウカ「私も女性ですので異性から純粋に意識されることは好ましく思いますが、不純な欲望をぶつけられることは好ましいとは思いません」
少年「そ、その通りですよね。はい」
ヒョウカ「では貴方が私の事を正しく意識できるように、矯正を始めましょうか」
少年「はイ?」
ヒョウカさんの手が俺の首にかかる。少し冷たさを感じたときには俺の意識はかくりと落ちていた。
ヒョウカ「カルラ。風紀委員室に運んでください」
カルラ「はっ」シュタッ
バジロウ「………元気でな。少年」
ノヘジ「矯正されて嬌声をあげるような少年にはなってほしくないだろう」
バジロウ「俺、お前が一番矯正されるべき奴だと思うわ」
ヒョウカの好感度【5】
252 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/09(土) 14:26:03.81 ID:Z+GpRHHi0
褐色ロリはいいゾ〜
253 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/09(土) 14:29:00.99 ID:eQ/QBNKwo
異論無し!
254 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/02/09(土) 22:45:40.09 ID:Xi8LSpobo
乙ー
255 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/09(土) 23:29:31.74 ID:q3WqAywIO
乙
256 :
人外好き
◆HQmKQahCZs
:2019/02/16(土) 14:21:03.61 ID:GsJxlFlZ0
第3話【Iあるいは愛絡繰ること】
まがいものでも本物と同じであれば本物である。
まがいものでも本物を超えれば本物になることができる。
そんな言葉をよく見つけることができます。
だったらIのもっているこの気持ちはいったいどうなNOでしょうか。
この感情によく似たものを感情と呼んでもいいNOでしょうか。
そんな悩み、もしくはエラー的思考がIの回路をぐるぐるとめぐり負荷をかけていくNOです。
偶発的に獲得した他の個体とは違う思考回路。
愛だとか哀だとかその類の話を普通読むこと、ましては興味を持つことなどないのが機械。
なのにIは自ら浸るようにして恋愛小説の甘々的世界、もしくは大人びたビターな恋愛を頭の中で転がすようにして楽しむ。
機械的存在の中で起こる事はありえない突然変異的な存在がI。
他からは人の真似をする機械とも呼ばれたりして傷つくような、どこか体の中心がギスギスと音を立てるような感覚に戸惑ったりもするNOですが。
自分に自信をもって前向きに生きようと思うNOです。
257 :
人外好き
◆HQmKQahCZs
:2019/02/16(土) 14:21:51.28 ID:GsJxlFlZ0
そんなIは機械天使の中でも優等生。もしくは劣等生。
高性能かつ流麗なフォルムを有していながらも規格外れの不良品扱い。だけど誰よりも頑張る気持ちに溢れてる頑張り屋さん。
だけどIの種族の崇高たる基本的原理行動とも言える、他者への奉仕の精神を満たさせてくれる人は見つかりません。
いろんな人に仕えても、なにかどこか違うって気持ちがあって長続きしないNOです。だから掟破りの離職宣言を繰り返してきました。
そうして流れ流れてこの学園へ。
これだけの人がいるのだからIを満たしてくれる人がいるはず!
そう胸に期待を抱いてやってきたNoですが………
いない!
見つからない!!
思ったよりも人と人とのコミュニケーションは難しく。というのもどうやらIは人で言うところの天然キャラというのに属するらしく、話がかみ合わないことも多々。
結論雑用を投げるにはちょうどいいというのがクラスメイトからの評価で。
別にいじめられてもないですし、悲しくもない。というNOは嘘になりますけど。
若干停滞してきた向上心をどうしようかと悩み悩んだ末、Iは冷静沈着才気煥発なクールな思考をもって奉仕部が一番であると分析したのですが
これまた外れ!
機械のように感情がない人と
なんか変で不器用な人しかいない。
258 :
人外好き
◆HQmKQahCZs
:2019/02/16(土) 14:24:05.11 ID:GsJxlFlZ0
結局日頃風紀委員や生活指導会から投げられる雑務をこなす日々。
あれぇ、なんでこの学園に入ったんだっけと初心を忘れてしまいそうなとき、ふとこんな話を聞いたNOです。
生徒会は願いをかなえてくれる。
優秀なAIはそれを胡散臭いと弾きだしましたけれど一度興味を持ってしまえば止まらないのが乙女心。
思春期のうっぷんは弾けるようにしてこの体を動かし、ついには生徒会室の前まで連れてきてしまったNOです。
ドキドキ。ショートしそうな思考を抑えながらアームを伸ばしてドアノブに手をかけます。
昔の偉い人は運命は扉を開けて訪れると言いました。だったらIからその扉を開けに行ってやります。
ガチャリッ
この音すら今のIには祝福するファンファーレのごとく聞こえます。
いざっ
「ここが生徒会と聞いたNOですが」
扉を開けると中には
人間
悪魔
天使(ちょっと親近感)
ごつい人
鳥っぽい人
蜘蛛っぽい人(餌なNOでしょうか)
なんか変な人がいました。
これだけ個性的であれば大当たりか大外れかのどちらです。根拠はないですけど。
259 :
人外好き
◆HQmKQahCZs
:2019/02/16(土) 14:39:08.10 ID:GsJxlFlZ0
ヤツカ「こんにちは。どうかされましたか?」
蜘蛛の人からそう尋ねられます。どうかされましたか。
そうです。どうにかなりそうなNOです。
人で言うところの心臓バクバク状態です。スペックと心の強さは別ものです。
R「Iの、悩みを解決してくれると、聞いたNOですが」
蜘蛛の人がなるほどと相槌を打ってくれた瞬間でした
べリア「なるほど! 我等に助力を仰ぎにきたか一般生徒Aよ!!」
クルクルクル シュタッ
そんな擬音がぴったり合うような動きで悪魔の人が跳ねました。いきなりIの前に立たれると少し怖いです。もう少しで悲鳴が
R「」ビーッ
悲鳴は漏れませんでしたが、エラー音は漏れました。たぶんセーフです。
R「えぇ、はい。このIの悩みを解決することは可能なNOでしょうか」
べリア「可能だともちょっと発音がおかしい一般生徒Aよ!」
言わないでください。気にしているNOですから。
ヤツカ「一般生徒だなんて呼ばないでください。えぇっとこの人は生徒会長のべリア。僕はヤツカと申します」
R「IはR−10と呼ばれています」
ヤツカ「R−10さんですね。少し手続きと、お話を聞きたいのでそちらのソファーへおかけになってください。
R「わかりました」
ソファーに座ること。それはこの美しい八面体ボディーではかないません。浮くことは楽なNOですけど座るとなったら一苦労。
ボディーを変形させて人型にならないといけないNOです。
ウィーン ガシャンガシャンッ
スチームを上げて体の機構を変形させます。魔導科学の粋であるこのミラクルボディーが変形すると
べリア「! ほう…」
機械天使。その名前の由来となった天使のごときボディーが現れるNOです。
Iは正八面体ボディーのほうが美しいと思っているNOですが。
セラフ「あらあら、まぁまぁ。なんて美しい姿でしょうか」
べリア「遠まわしにじがじさ――んん゛ッ!?」
え?
天使の人が悪魔の人に向かってどこからか取り出した包丁を投げつけました。
目の前で巻き起こる惨劇。もしかして悪魔の人が天使で天使の人が悪魔だったのでしょうか。
なんて具合に思考回路はぐるぐるぐる。理解できないとフリーズして硬直をしている間に
ヤツカ「あーあ。さっき掃除したんですよ?」
セラフ「でもゴミが沸いてましたわ」
まるでなんでもないことのように悪魔の人はどこかへ持っていかれました。
別の意味でドキドキが止まりません。
間違ってしまったのじゃなかという不安が警告音を立てて
R「」ビービービー
失礼。警告音がでてしまいました。
260 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/16(土) 15:35:25.69 ID:4O6h3qDEO
奉仕部やめたのか…
261 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/16(土) 18:59:37.05 ID:ofdH4xCmo
乙乙
正八面体って美しいよね
262 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/16(土) 20:47:45.67 ID:c+HjV5rX0
乙
263 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/02/17(日) 00:14:39.29 ID:X0c40NosO
乙ー
264 :
人外好き
◆HQmKQahCZs
[sage]:2019/03/29(金) 09:37:07.54 ID:SICZYxYk0
ヤツカ「気にしないでください。いつものことですし1時間もしたら戻ってきますから」
それはいったいどういうことなのでしょうか。Iたちのような機械仕掛けならともかく、生物的種族はそう簡単に回復することがないというのがIの中の知識で、人生経験から推測できる一般的な常識のはずでした。えぇ。
ですがどうやらそれは常識じゃないみたいなNOです。この眼鏡の人が嘘をついていなければ。まぁ、嘘をつく必要もわかりませんし、周りの人の反応がそれが事実であるということを如実に物語っていますけど。でも人を刺しておいていつものことってそれってやっぱり危ないんじゃないNOでしょうか。
思考を巡らせ結論付け、ようやく警告音が鳴りやみました。こういうところがIが嘘をつけないところの原因ですね。落ち着け、落ち着くんですR−10。COOLになるのです。なんて
そうですタイガーホールにINしなければプリティータイガーをGetはCan Notという格言があります。リスクを負って初めて開ける道もあるのです。だからIはこの危険性にかけてやるのです。
ヤツカ「あの………?」
R「Bya!」
考え込んでいたIを眼鏡の人が覗き込んでいました。処理中に話しかけられるのは苦手です。思わずびっくりしてしまいます。
ヤツカ「驚かせてしまってすいません。ご依頼のお話と、あとこちらに学生証の番号とお名前を直筆で、それと注意事項に目を通して同意のサインもお願いします」
眼鏡の人が差し出してきた紙には学生証の番号と名前を書く欄があって、その下には注意事項などの項目が設けられてます。いわゆる誓約書というものでした。
注意事項に目を通すと生徒会は学生のために動くけど、もし生徒会の要請があった時は可能な限り協力するようにとのことでした。
人のために動くことをモットーとしているIにはあまりデメリットのない契約のように思えます。相互扶助的活動はIが望んでいることの一つなのですから。
アームからペンを出しさらさらと達筆に誓約書に書き込みます。
ヤツカさんに誓約書を渡すとヤツカさんはにっこりとほほ笑んで
ヤツカ「それでは相互扶助を始めましょう」
と宣言しました。
265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/29(金) 13:13:35.91 ID:cAv84eltO
乙
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/29(金) 20:18:58.41 ID:TdcwYLYUo
乙乙
267 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/23(木) 21:25:20.48 ID:ZTmS1IHaO
こっちの方も気長に待ってるよ
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/23(木) 21:50:28.12 ID:ehpMJ2ZFo
同じく
269 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/05/23(木) 23:57:40.33 ID:3i4Alez3o
乙ー
270 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/07(金) 12:56:24.04 ID:IO22fech0
ヤツカ「それではR−10さんの願いを叶えるにあたってこちらで協力できることは、なにかお考えでしょうか」
R「E− Noですね。Iの願いは未だ不確かというかモヤモヤ的なものがありまして」
願いと呼んでいいのかわからない感情。おそらくこれは欲望と呼んだ方がいいNOでしょう。
人の役に立ちたい。そんなロボットの本能よりも優先すべきこの感情。
自分が自分であることの確立。この処理媒体を焼き切ってしまいそうなこの衝動が
本当に感情であるのか。
そんな不安が回路をぐるぐるとまわり負荷をかけて、
Iがエラーのごとく吐き出した答えは
R「恋がしたい」
でした。
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/07(金) 13:02:10.29 ID:IO22fech0
生物を生物足らしめる欲求、衝動。
先人が生物と無機物の境界線として定めた行動。
それは恋であり愛である。とIは認識しています。
だからこそもしIが誰かを愛することができるのであれば
きっとIは自分と言うモノを手にいれることができるのでしょう。
そう理由づけをして理論武装をして、帰ってくる答えがどうであろうと受け止めようと思っているNoですが実は先ほどからドキドキが止まりません。
私が常識不足なのを考慮してもこれはあまりにも常識外れなお願い。
今すぐ帰れと言われてもしょうがないようなお願いなNOですが。
ヤツカ「恋がしたい。それは恋人が欲しい、ということですか」
案の定ヤツカさんは困ったような表情を浮かべ眼鏡を押えました。
ヤツカ「そう、ですか。それなら」
ドキドキ
ドキドキ
R−10の人生史上回路に負担がかかる展開の連続。人生はジェットコースターとはこの時に使えばいいのでしょうか。
ヤツカさんは後ろを振り返り、生徒会のメンバーを眺めると、一人の人間をじっと見つめました。
ヤツカ「少年君。初仕事ですよ」
少年「え!? 俺!?」
272 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/07(金) 13:19:38.51 ID:IO22fech0
いきなり呼ばれて困ったらしい少年君とやらは背中を押されて前に出てきました。
R「あ、あNO」
ヤツカ「彼ではどうでしょうか。少年君と言いまして真面目で良い子ですよ」
少年「えっと、まさか」
ヤツカ「彼を恋人にしてみては」
まさかそうくるとは。
確かに恋がしたいと言いました。そのための協力をしてくれると思いきや。
まさか恋人をよこしてくるとは。
たしかに少年君とやら。人間の中でも整った顔立ちの方です。ちょっと人相が悪い気もしますがそこはまぁ及第点でしょう。
ってなんでIは前向きに検討してるNOでしょうか。そんな人権を無視したようなことって
ヤツカ「もちろん擬似的なものではありますが、恋がしてみたいということであればこちらはこの提案でどうかなと考えております」
ヤツカ「R−10さんの恋人探しに力を貸すこともやぶさかではないのですが、そちらの方は労力も、トラブルが起きたときも対処が難しく」
少年「ちょっと待ってくださいよ。僕がR−10さんの一時的な恋人になれってことですよね? それって」
ヤツカ「生徒会活動ですので」
少年「うぐぅ」
そう拒絶的な反応を示されるとこちらとしても心苦しいものがあるNOですが………
そうしょぼんとしているとIの顔色(変わりませんけどね)を読み取ったらしい少年君が。
少年「あ、僕はいいんですよ本当に。ただR−10さんがどうなのかなと」
優しいのですね。いきなり恋人になれと命令されて気を使える人は珍しいと思います。
Iの中では少年君の好感度はUPしてるのですが、それでも少年君の思いやりを考えると。
R「I。Iは………」
R「嘘でもいいNOです。貴方はIに恋をさせてもらえますか………?」
その優しさに甘えてみることにしました。
273 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/07(金) 13:23:21.77 ID:IO22fech0
Iの悪女のような無茶な答えに少年君はじっと私を見つめて
少年「約束は、できません」
と、言って、やっぱり誠実な―――
少年「だけど、R−10さんが望むこと、すべてこたえられるような男にはなりたいです」
少年「だから、R−10さん。僕と付き合ってもらえませんか?」
―――とても誠実な人でした。
Iは雷に打たれたように回路がギギギと音を立てるのを認識しました。
人型ボディが上手く動かない不具合、視界がゆがむ不具合。
これは一体なんの………
少年君の差し出された手を握り返さないと。返答をしないといけないというのに言うことを聞きません。
あぁ、たぶんこれIは
本当にドキドキしてるんですね。
274 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/07(金) 13:28:36.25 ID:IO22fech0
やっとこさ少年君の手を握り返します。
少年「R−10さん」
R「少年さん。こんな無機物のIで、不良品のIでいいNOですか?」
少年「はい。それと無機物とか不良品とかよくわかりませんけど少なくとも」
少年「貴方の事をもっと知って、不良品ではないと否定だけはさしてもらいますよ」
ドカーン
その言葉はIがとっても待っていた言葉。
Iを真正面から肯定してくれる言葉。ずっとそれを待っていました。
その言葉を言ってくれたのが嬉しくて、嬉しくて。
大丈夫この感情は本物だと歓喜に満ちた感情回路が唸りをあげて
ファンファーレが響き、花びらが舞い―――
少年「誰です!? ファンファーレ鳴らしたり花びら撒いてるのは!」
オルカ「ファンファーレは俺で」
クレル「花びらは私です」
あっ。幻覚じゃなかったNOですか。恋愛小説には恋をしたらそういう風になるとあったNOで勘違いをしてしまいました。
でも、もしかするとIはすでに
恋、しちゃったのかも?
275 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/07(金) 13:38:37.07 ID:IO22fech0
そう認識するとなんだかうまく少年君の顔を見ることができません。
そんな現象すら嬉しくて。
そういえば恋人になったらどうすればいいんでしょうか。
契約書に記入する?
なんてことはないと思いますけど。
Iが今まで呼んできた恋愛小説ではキスしたり………せ、せいこう
R「Byaaaa///」
少年「えっ、ど、どうしました!?」
セラフ「あらあらまぁまぁ。初々しいですわねぇ」
セラフ「それではセルリアさん。少年さんのサポートをお願いしますわね」
セルリア「それ判断ミスだYO」
再起動完了。
というかIはそういうことできませんけどね。改造すれば可能、ですけど。
でもそれが恋かというとそうではないでしょうし
でも興味はあります。
ふんす。
おっと、IのCOOLなキャラクターが崩れてしましましたか。
落ち着くのです。落ち着くのですR−10
少年「あのR−10さん」ジッ
Byaaaaaa///
276 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/07(金) 13:39:03.08 ID:IO22fech0
今日はここまで
277 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/07(金) 13:44:43.40 ID:JY1mUu4to
乙乙10さんチョロい
278 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/07(金) 13:45:45.51 ID:eZr8IYAYO
R-10めっちゃかわぃい!
279 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/07(金) 13:57:18.44 ID:xRWbfi1YO
乙きゃわわ
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/07(金) 14:18:22.48 ID:yqtFx+5Yo
少年君イケメン
281 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/06/07(金) 17:56:42.76 ID:219zwQM5o
乙ー
282 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/07(金) 18:07:51.08 ID:GyBRnD3uo
お姉さんはどう思うかな少年君よお?(ニヤニヤ
おつ
283 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/03(火) 18:07:20.60 ID:sVOD+29oO
こっちも待ってるぞよ
284 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[sage]:2020/01/30(木) 15:17:28.07 ID:NWoGZrx70
なぜかIはいてもたってもいられなくなってその場から逃げ去りました。
回路の熱暴走を確認。
思考のエラーを確認。
動作機構においても一部エラーを確認。
探索回路を走らせると体中がバグだらけでした。
きっと、恋とはエラーの一種なのでしょう。
それもとびっきり強力な。
………明日からどうしましょう。
そうだ、恋人といえば
285 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[sage]:2020/01/30(木) 15:38:28.04 ID:NWoGZrx70
機械天使は創造的ゴーレムの一種なので食事を必要としません。
でも、Iは高性能なNOで食事を楽しむことMOできます。
もったいないので、あまりしませんが。
ですが今日は珍しく厨房に立っているNOでした。
文献によると、恋人同士が初めにやることは手作りお弁当を食べさせることとあります。
だから私は早朝から、か、彼氏へ向けた愛情たっぷりのお弁当を仕込んでいるNOです。
甘い卵焼きとから揚げは必須。彩り良く野菜も入れて、健康も味も両立させます。
こんなこともあろうかと料理のデータをインストールしておいて助かりました。
こういうところは機械天使の長所ですね。インストールするだけで、技能を身に着けることができる。
「良い匂いがします」
R「あなたのものではありません。Z−27」
人間を基本としたさまざまなパーツがくっ付けられた、まるで幼児の芸術的作品的造形をしたのがひょっこり顔を出しました。
彼女はZ−27。私と同じ機械天使ですが、いろいろと向こうのほうが高性能。バスト以外は負けています。
といっても私には『本物』の感情というものがありますが。
………本当に本物なのでしょうか。
Z「ピピッ 焦げかけてるよ」
Zが頬につけられた27の刻印を橙色に光らせながら注意をします。嗅覚回路にはヘテロサイクリックアミンの臭いを検知。
R「おっとあぶない」
慌てて卵を丸めます。最上とまではいきませんが十分な出来のはず。
Z「味見したい」
R「これは少年さんの、と言いたいですがちょっとだけ上げまSYO」
Z「わぁい」
切り分けて二切ほどZ−27に上げました。Z−27はすぐにもぐもぐと食べ終えます。
R「どうでしょうか」
Z「普通」
おかしいですね。インストールしたデータが悪かったのでしょうか。味付けも間違ってないと思うNOですが」
Z「足りないものが一つある」
R「足りないものとは?」
Z「愛情」
話を聞いたRがバカでした。料理に愛情という成分はありません。その理論でいけば料理人はお客を愛していなければいけません。
Z−27のたわごとは聞き流し、弁当箱へ盛り付けていきます。少年さんはどのくらい食べるのでしょうか。
Z「料理は愛情なのに」
………だったらIは少年さんを愛していないということでしょうか。
……わかりません。Iはなんだか無性に胸がもやもやして八つ当たりがてら、余った卵焼きをZ−27に向かって放り投げました。
Z「ぱくり」
お口でナイスキャッチ。
まぁ、どうでMOいいです。少年さんはどんな反応をしてくれるNOでしょうか。
なんだか、お昼が待ち遠しい気分になりました。
286 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[sage]:2020/01/30(木) 16:16:47.11 ID:NWoGZrx70
Iは生徒なので授業を受けます。ですが、知識はすべてインストールで覚えれるNOですから別に………
それより、授業じゃ知りえないことをもっと知りたいとおもう向上心あふれるI。
八角形フォルムをゆらゆらと揺らしながら視界機能を窓の外に向ける。
乱雑に今も増設され続けている校舎はまるで魔宮。この校舎についてもIの興味の対象だったりします。
ここは感情で溢れています。そこでいろいろ吸収していけばきっと
「R−10さん。こちらに来てこの問題を解いてください」
眼鏡の特徴のない講師に言われ前に出ます。思考を中断されたことは少々腹立たしいですが、非があるのはIのほう。
おとなしく目の前の数式を処理しました。数学、それこそIの得意分野。
頭の中の回路を弾き、答えを導きだす。0と1を張り巡らせて4桁、小数点以下3桁の答えを板書する。
とても簡単なこと。なのに講師は私を誉めます。
こんなこと当然とばかりにIは自分の席に戻りました。
実にCOOLです。
再び外の風景に思いを巡らせ―――
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/30(木) 16:52:10.80 ID:dFcw6q7Lo
来たか!
288 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[sage]:2020/01/30(木) 17:23:38.54 ID:NWoGZrx70
気が付けば昼休みになっていました。
Iはお弁当箱を持ち………
どこに行けばいいのでしょうか。
一緒に食べる約束をしていなかったのは盲点でした。
あぁ、愛しのあの方はいずこに………
と思っていると渡り廊下を歩いている少年さんの姿。
今から追っていても間に合わないでしょう。
なので
R「飛びますか」
機械天使の名前の由来となった羽を広げ、私は人型へと変形します。
そして窓を開け放ち、彼の元へとフライアウェー。
「うおっ、なんだっ!?」
急な登場に慌てる有象無象を後目に私は少年さんに微笑みかけました。
R「お昼ご飯、ご一緒しませんか?」
少年「お、おぉ」
289 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[sage]:2020/01/30(木) 17:40:17.59 ID:NWoGZrx70
少年さんの腕をとって人気のない屋上へと向かいます。
「う、裏切り者ー」
「くっ、もう彼女を作るとは裏切りに違いないだろう」
お連れの二人が何か言っていましたが、きっと関係ないことでしょう。
少年「あ、R−10さん。これはいったい」
R「恋人同士がすることを今からします」
そういうと少年さんは顔を真っ赤にしました。一体どうしたのでSYOか。
少年「ってちょっと待ってください。いきなりそんなこと」
R「Iは恋人になったらまずこれをすると聞きました」
少年「その知識は間違って」
なんだかよくわかりませんが昼休憩は長くありません。最大限楽しむために私は歩く速度をあげました。
そういえば自然に手をつないでいます。
ちょっと照れますね///
290 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[sage]:2020/01/30(木) 17:47:13.43 ID:NWoGZrx70
12階ほど登ると屋上があります。頂上からの光景は絶景でした。
でも鳥がいますね。弁当を取られないように注意しまSYO。
人がいませんね。じゃあ扉にカギをかけてしまいましょう。
少年「な、なぜ鍵を閉めるのですか」
R「みられると恥ずかしいですから」
カップルに慣れてないので、そういうところを知り合いに囃し立てられたらRはオーバーヒートしてしまいます。
この前みたいにエラーに負けたりはしません。
R「では、いざ」
少年「ままま、R−10さん、まっ」
バサッ
用意しておいた柔らかいシートを広げます。Iは平気ですが、少年さんの柔肌になにかあるといけません。
R「お昼ご飯にしましょう」
少年「へ?」
なぜか口を開けて呆ける少年さん。
………呆けてても素敵ですね。ポッ
291 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[sage]:2020/01/30(木) 18:06:23.74 ID:NWoGZrx70
R「あーん」
少年「おいしいです」
R「よかったです」
なんと充実したひと時。
Iは入学以来初めて充実している気がします。
やっぱりIを満たすものは少年さんだったNOですね。この巡り合いをきっと運命と呼ぶのでしょう。
ほら、鳥たちも私たちを祝福して―――
クレル「ほほーう」バッサバッサ
セラフ「あらあらまぁまぁ」
生徒会の人が飛んでました。
少年「なにやってるんだ先輩たち!!」
うかつでした。まさか上から侵入してくる人がいるとは。
セラフ「なにかあったらサポートをと思いまして」
クレル「少年君はキッスは好きっす?」
少年「クレル先輩うるせぇ!」
ききき、キス。ダメですバグが増えていきます。
回路が暴走して体に熱が
Byaaaaaa///
R「き、キスして、くれるんですか?」
少年「R−10さんもなにを!?」
セラフ「天使の祝福あれ」
クレル「こりゃめでたいですねー」
視界をシャットして顔を少年さんに向けます。ドキドキが止まりません。
少年「みられてる中でできるわけないでしょ!?」
クレル「セラフさん。どうやら私たちはお邪魔虫だそうですよ」
セラフ「うふふ。少年君は恋長けき人なのですね。でしたらわたくしたちのサポートは不必要なようで」
二人が消えていく感じがします。正真正銘屋上に二人きり。
R「少年、さん」
少年「あ、Rさん。………駄目ですよ」
拒まれました。
拒絶されてしまいました。
Iは駄目だったのでしょうか。
視界を開けるとそこには真面目な顔をした少年さんの姿。
少年「あくまで以来で恋人をしているんですから。そういうことは駄目だと思います」
そう、そうですか。
あくまで少年さんは。
ビキリ
まるでメイン回路が砕け散ったかのような痛み。
そしてエラー、エラー、エラー
エラーの濁流。
それはIの体を端から蹂躙していき。
Iは意識を失いました。
292 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[sage]:2020/01/30(木) 18:18:42.02 ID:NWoGZrx70
R「A、Aaaaaaaaaaaaa、Eaaaaaaaaaaaaa!!」
気が付けば私は水の中にいました。
呼吸も必要ないIにとって最適の逃げ場。
そう、Iは逃げ出したNOです。
少年さんは、決して私が好きではないということ。
所詮依頼をしたから恋人ごっこをしているというだけの関係。
だけどそれを突き付けられたということはどんなウィルスよりも効果がありました。
口を開けても気泡もでない。なぜならIは正確には生命活動を有してないから。
天使の形でしかない。模造品。そんなのが恋をすることが神様の怒りに触れたNOでしょうか。
だったらこのまま朽ちてしまいたい
こんな“人外”には相応しい最後―――
こんな時、人はどういうのだったか。
あァ
R「ワタシ、シンデモイイワ」
ジャボンッ!!
293 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[sage]:2020/01/30(木) 18:26:32.84 ID:NWoGZrx70
―――気泡?
それも大量の
一体なにが
少年「っ!ががぼぼぼっ!!!」
少年さんが手を伸ばしていました。
でも彼の体は浮翌力で浮こうとする。
生身の肉体だから当然。
だけど必死にもがいて、Iのところまで来ようとする。
なぜ。
一体なぜ。
あなたは私のことを、好きじゃないのではなかったのですか?
飛び方を忘れた鳥のようにもがく彼の元へ飛ぶ。水底を蹴って翼を広げて飛ぶ。
Iも藻掻かなければ沈んでいく。二人を引き離す何かに抗い藻掻く。
なんであなたは藻掻くのですか」?
もし、あなたも私Iと同じ気持ちを持っているというのであれば
R「ワタシ、シンデモイイワ」
294 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/30(木) 19:24:09.90 ID:PCPg5XBAo
更新乙
295 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[sage]:2020/01/30(木) 20:28:54.85 ID:NWoGZrx70
グイッ
Iの手が引っ張られる。
だけどIは重すぎてこのままだと一緒に沈んでしまう。
だから私は羽ばたいた。
少年くんを掴んで、水面に向かって。
R「………羽が、軋む」
頼みの翼はどうやら折れてしまっているようです。
きっと関節部に水が入ったNOでしょう。うまく羽ばたけない。
でも、どうか、彼だけは、彼だけは助ける。
Iにここまで突き合わすのは悪いですYO。
推進力は0に近づいていく。だから私は少年さんを思いっきり―――
ギュっ
R「!?!?!?」
少年さんが思いっきり私を抱きしめた。
いろいろ当たってお得お得、じゃないです。一体なんで。
こんなことするとあなたは死んでしまうのに―――
私は、どうなってもいい。
あなただけは
「んなろどっこいしょぉっ!!」
296 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[sage]:2020/01/30(木) 20:46:18.25 ID:NWoGZrx70
急速に体がひっぱりあげられました。
少年「ががぼぼぼぼ」
少年さんが何を言ったのかはわかりませんが
どうやら私は助かったようです。
ドバッシャンッ
気が付くと空中。しかも天地が逆に。
「うおんっ」
ベクトルが横に。
ぎゅおんと高速で横に引っ張られたIたちは白いスーツの人の胸の中へすとーんと飛び込んできました。
オルカ「青春が過ぎるんじゃないか?」
Eeeeeeeeeeeeeeeeっと
なんでこの人はIを抱えてなんともないNOでしょうか。というかさっきのはこの人がやったNOでしょうか。
なんて馬鹿力。いやはやこの世の中は可能性に満ちている。ではなく
R「あ、ありがとうございます」
セラフ「今回は少年さんのミスですから」
少年さんのミス?
少年「げほっ、ごほっ、その、うげっぷ」
オルカ「フハハハ。我は水の中でもぴんぴんしてるぞ!」
セラフ「落ち着きなさいな」サスサス
少年「げほっ。その、あの、違うんです」
違う。違うとは何が。
少年「俺がR−10さんをダメって言ったんじゃないんです」
少年「本当の恋人でもないのに、俺なんかがR−10さんにそういうことするのがダメって思ったんです」
…ということはR−10の勘違い? Iは拒絶されたのではなかったのですか。
それを聞いたらなんだかどっと力が抜けて、それと同時に安心感が。
R「じゃあしてください」
安心感がその言葉を後押ししました。
少年「えぇっ!?」
オルカ「俺は目をつぶっているぞ!」
セラフ「わたくしもつぶります」
R「さぁ、カモン」
少年「え、えぇっと」
チュッ
感触がしたのは唇ではなく、頬。
それでもそこを中心に幸せの波が
Byaaaa///
297 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[sage]:2020/01/30(木) 20:52:51.11 ID:NWoGZrx70
体がうまく動かないIは担がれて生徒会室にいました。
午後の授業はサボる形になります。初めてのサボりです。
そして少年さんも一緒に。
少年「へくしゅんっ」
R「すみません。Iのせいで」
少年「いいえ。俺の言葉が悪かったからですし」
R「その、Iを助けに来た姿、とってもかっこよかったですYO」
少年「そんな、俺はなにもしてないですし」
R「そんなことないです。本当に、素敵で」
オルカ「引き上げたのは俺なんだが」
セラフ「はいはい。向こうに行きますよ」ズルズル
R「………あの、少年さん」
少年「は、はい」
R「今度、デートに連れて行ってくれませんか。恋人らしいこと、したいんです」
少年「俺でいいんですか?」
R「少年さんがいいんです」
少年「その、なんて言っていいかわからないですけど、今までこういう経験なかったんでうまくできるかわかんないですけど」
少年「俺でよかったら、デートしてください」
R「はい。喜んで」
298 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[sage]:2020/01/30(木) 20:53:18.55 ID:NWoGZrx70
今日はここまで
こっちの進行ができず申し訳ないです
299 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/30(木) 21:08:12.92 ID:PBi8fRUbO
少年くんジゴロ道の始まりよな
300 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/30(木) 21:22:01.58 ID:PCPg5XBAo
乙乙
301 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/30(木) 22:09:16.93 ID:B09x1lEX0
乙
302 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/30(木) 22:37:57.42 ID:VhbDDUWZO
乙
303 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[sage]:2020/01/31(金) 18:42:25.18 ID:BsYvCTOE0
デートの日は来週の日曜日。
決行までカレンダーにバツをつけて残りの日々を数える。
それまでは普通に恋人ごっこをします。
昼休みに待ち合わせをして、一緒にご飯を食べる。
そのたびに少年さんのお友達が恨めしそうな目でこっちを見てきます。
一体どうしたNOでしょうか。
IのCOOL八角形ボディーがうらやましいNOでしょうか。
Beeeeeeeeeee?
よくわかりません。感情がまだ成長してないからでしょうか。
でも日々自分の中に目覚めていく感情を自覚しています。
それと同時に戸惑いも。
少年さんのやさしさをもらいながら育っていくIの感情。
でもその感情に名前を付けれないでいるI。
ドキドキしたり、わくわくしたりするのはきっと恋なのだと、思います。
恋がしたいと願った今、もう目的は達成されています。
でもそれを告げると、少年さんとはお別れ。
あくまでこれは恋人“ごっこ”
本当にIのことを好きなわけではない。
そう思うと恋という感情はとたんに棘を立ててIの心に傷をつけていくNOです。
304 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[sage]:2020/01/31(金) 19:09:36.42 ID:BsYvCTOE0
少年「R-10さんどうしたの?」
R「どうした、とは」
いつも通り昼食を共にしている(といってもIは魔翌力液飲んでるだけですが)と少年さんがこちらを見て訊ねてきます。
しかし主語がないのでなにがどうしたのかはわかりません。
聞き返すと少年さんは、いや、あのとかなにか言いよどみながら
少年「なんか最近元気がないなって」
そうでしょうか。体に異常はありません。
ベストコンディションです。何も問題ないはず。
再度検査回路を走らせてみますが、すべて正常。
だからきっと少年さんの気のせいでしょう。
R「私は普段通りですよ」
少年「気のせいか。だったらいいんだけど」
R「それよりも次はクリームコロッケを食べてください」
少年「自分で食べれるから」
あーんは拒否されます。誰もいないから別にいいと思うのですが。
R「食後の膝枕はいかがですか。クッションもありますからフカフカですよ」
少年「いや、それは」
R「お願いします。恋人らしいことをしたいNOです」
少年「うっ、わかりました」
少年さんはどうやら押しに弱い模様。Iが依頼主という強みを利用しているからですが
きれいに食べ終わった弁当箱を片付けるとIは太もも部分にクッションを載せて少年さんを迎えました。
少年「うーん、やっぱりこういうことは慣れない」
R「Iも慣れませんよ。だから慣れたいんです」
少年「そうですか…」
少年さんを観察しようとするとお互い目があいます。少年さんはあおむけだから当然ですね。
R「少年さん、やせすぎではありませんか。健康を害しますよ」
少年「これでも最近は食べる量増やしてるんだけどな」
R「昔はこれより食べなかったんですか?」
少年「うっ」
少年さんがなぜかバツが悪そうに顔をそらします。
一体、なぜでしょうか。
305 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[sage]:2020/01/31(金) 19:45:26.01 ID:BsYvCTOE0
少年さんは本当に細い。
お弁当を食べてくれるし、食べることが嫌いというわけでもないと思うNOですが。
下手したらそこらへんの女子と同じくらいの体形。種族によっては負けていそうでもあります。
一瞬、少年さんは実は女性という考えが頭をよぎります。
ムンズ
少年「ひやぁああっ!?」
R「ありますね」
少年「ななな、なにが!?」
ありました。
少年さん少女説は否定されました。やはり百聞は一見に如かずですね。
R「いえ、ちょっと虫が」
少年「自分でとりますよ」
R「あの、危ない虫だったNOです。素手で触ったらいけないやつです」
もちろん嘘。
ちなみに少年さんの股間は柔らかかったです。少しくらい硬くしてくれてもいいと思うのですが。
なんて、少年さんが若干おびえているのでこういう考えはやめましょう。
少年さんに嫌われたくないですからね。
少年「あー、えっとありがとうございます」
こちらこそありがとうございます。
R「あともう少しですね」
少年「あぁ、デートですか。遊園地に行くんですよね」
R「ほかの機械に目移りしないでくださいね」
少年「女性ならともかく機械に目移りはしませんよ」
茶化しつつその日を待ち遠しにします。
待ち遠しいのに、来てほしくないような。
不思議な感覚に戸惑いながら
私は今日も終わってしまった一日にバツをつけるのです。
306 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/01/31(金) 20:24:09.89 ID:BsYvCTOE0
とうとう来てしまいました。
カレンダーにバツとマルが隣り合わせ。
つまりデート当日。
来てしまいました。今日はなんとなく服を着ています。
デートだから気分転換にです。
実は昨日どんな服がいいか、2時間ほど探し回ったのは秘密です。
結局選んだのは本の中で出てきた花柄のワンピース。白銀の私の体には似合ってる?と思います。
それに合わせて買ったリボンをまいた麦藁帽。
本当に本の中の主人公をまねただけのオリジナリティのなさ。
そんな自分が嫌になります。
R「さてと、行きますか」
Z「どこに?」
R「秘密です」
Z「教えてよー」
R「………」
無言でバスケットからコロッケを出し、Z-27に投げつけておきます。
これでしばらくは黙っているでしょう。
その隙に寮を出ます。
307 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/01/31(金) 20:51:16.42 ID:BsYvCTOE0
待ち合わせは町の中心にある駅。
早めについて待っている可憐な少女を演じていると目の前に長い長い車が止まりました。
ガチャリ
そこから出てきたのは
「ふぅん。あんたが少年の」
金髪で小さな女の子が日傘をさしつつ出てきました。その人は私をじろじろと見て
「あいつも生意気ね。この私を足にするなんて」
R「あのぉ、もしかして少年さんの」
「姉よ」
姉? ………てっきり妹かと。
というか少年さんのお姉様ということはお母様かお父様は人間みたいですね。
少年「別に義姉様は来てくださらなくても」
「ふん。あんたの恋人をしてくれるもの好きの顔を見たかっただけよ。邪魔、どきなさい」
少年「ふげぇっ」
車から出てこようとした少年さんが投げ飛ばされます。小さくても吸血鬼は吸血鬼。とても力が強い模様。
R「少年さん。大丈夫ですか」
少年「いてて、大丈夫ですよ。慣れっこなんで」
明らかに頭から落ちたのに、少年さんは頭をさするだけですぐに起き上がりました。
慣れてるんですか。それってもしかしなくてもDVにあっているのでは。
R「大丈夫なんですか?」
少年「大丈夫ですって」
「帰ってきたら連絡入れなさい。気が向いたら迎えに行ってやるわ」
少年「ありがとうございます義姉様」
「ふんっ」
少年さんのお姉様は車に乗り込むとぎろりとこちらをにらんでから扉を閉めました。
お、お姉様になにかしてしまったのでしょうか。
308 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/01/31(金) 21:48:56.49 ID:BsYvCTOE0
ぞんざいな扱いをされているにもかかわらず気にした様子がない少年さん。
駅員から切符を二枚買っています。
一体どういう家庭環境を送ってきたのでしょうか。
家族がいないIにはわかりません。
少年「それじゃあ、行きましょうか。R-10さん」
R「はい」
差し出された手を握れるI。
なんだか今日の少年さんは女性の扱いに慣れている、ような。
309 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/01/31(金) 22:02:55.82 ID:BsYvCTOE0
ガタンゴトンと電車に揺られるIと少年さん。
少年さんは電車の中でも会話をリードしてくれます。
ときおり何かしら見てる………?
その視線の先を追うと
シュッ
………何もありません。
Iの気のせいでしょうか。
少年「どど、どうかされました?」
R「いえ、少年さんにはIをもっと見ていてほしいなって思っただけです」
少年「っ そんな、いいんですか。その、見ちゃって」
R「はい。あなたのために着飾ったのですから」
少年「!」
真っ赤になる少年さん。
少年さんをからかうのは楽しいです。
でも………
Iもちょっとうかれてしまいます。お互い様ですね。
少年「アダダダダダ」
R「!?」
いきなり少年さんがもだえ苦しみ始めました。頭を押さえています。もしかしてさっき打った時に。
R「大丈夫ですか少年さん。無理そうだったら今日は中止でも構いませんよ」
少年「大丈夫です。気のせいでした」
なにが気のせいなのかわかりませんがこめかみを押さえていた手をのける少年さん。
本当に大丈夫なのでしょうか。
「駄目ですよバレちゃいます」
「でもなんかムカつくヨー」
「あんまりバレるようなことはやめてください。あくまで僕たちはサポートなんですから」
「フハハハ、陰ながら助けるぞ少年っ!」
「声が大きいですわ。小さくしなさいな」
「………」ピクッ ピクッ
310 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/01/31(金) 22:08:46.07 ID:BsYvCTOE0
今日はここまで
おやすみなさい。
311 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/31(金) 22:15:07.21 ID:MfqX4Dtdo
連日更新乙
312 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/31(金) 22:25:19.23 ID:oGdPpTIK0
乙
313 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/02/27(木) 16:54:24.56 ID:lDAoMiaC0
遊園地までは汽車で揺られて1時間ほど。
ゼンマイ仕掛けの遊び場。カップルたちの定番のデートスポットです。
観覧車のてっぺんで告白をしたカップルは幸せになれると本には書いてありました。
少年さんは道中退屈させないためにかいろいろな話をしてくれます。
でも申し訳ないNOですがIの気分は上の空。
会話を楽しむ余裕なんてIにはないNOでした。
デートなんて初体験。そもそも対人関係に乏しいIは精一杯。
回路が熱暴走しないように冷却に努めるだけで精いっぱいなのです。
COOLなIだって乙女です。
か弱い、乙女なのです。
314 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/02/27(木) 17:04:23.20 ID:lDAoMiaC0
汽笛と蒸気を挙げながら電車が止まります。揺れる車内でふらついた私を少年さんが支えてくれます。
見た目よりも力持ちみたいです。
このまま少年さんの胸の中に甘えていたいNOですが、今日の目的は遊園地でデート。
Iはバケットを握り直し足早に汽車からでるNOでした。
駅へ降り立つと周りも同じようなカップル、もしくは家族連れ。
今までのIでは到底関係がないであろう光景。
でも、lolololo、Iはカップルですから
少年「はぐれたらいけませんから手を繋ぎましょうか」
R「はいっ」
315 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/02/27(木) 17:19:03.46 ID:lDAoMiaC0
手を繋いだまま遊園地への道を歩きます。
「うぅ、少年君ったら立派になってお姉さん嬉しいわ」
「エスコートは男の力量が試されるからな」
? Iの手を握る手に力が籠められます。
クスッ、少年さんも緊張してるんですね。
Iだけかと思っていましたが、同じ気持ちを抱えているみたいでうれしくなります。
Iのために一杯考えてくれてるのでしょう。その姿がいとおしくて
好き、という気持ちがIの中に積もっていきます。
これは“感情”です。
その事実だけは、もう譲れないです。
316 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/02/27(木) 17:25:10.47 ID:lDAoMiaC0
少年「さて、どれから楽しみましょうか。好きな乗り物はありますか?」
R「こういうところに来るのは初めてで、わからないのです。エスコートしていただけますか?」
少年「えっ、あっ」
「お化け屋敷。カップルの定番よねぇ」コソコソ
「コーヒーカップが“カップ”ルにはいいと思います」コソコソ
「ジェットコースターだろう。迫力がある」コソコソ
「鏡の迷宮がいいと思うヨー」
少年「それじゃあ」
少年「
>>317
に行きましょうか」
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/27(木) 17:49:18.43 ID:9Hzodxb70
コーヒーカップ
318 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/02/27(木) 20:51:37.03 ID:lDAoMiaC0
R「これがコーヒーカップですか」
私は名前そのままの機械を撫でました。噂は聞いたことありますが最初に思い付いた人は一体どういう感性をしていたのでしょうか。
少年「乗りましょうか」
R「これを回せばいいんですね」
カップの真ん中にあるハンドル。これを回せばカップも回るそうです。
一体どういう仕組みで………ほうほう、なるほどなるほど。
少年「回さないんですか?」
R「仕組みをスキャンしてました」
少年「さすが機械天使ですね。そんなこともできるんだ」
R「Iがそういう風に作られているだけです。それじゃあ回します」
ぐるんぐるん
向かい合って見つめあうIと少年さん。目まぐるしく回る景色はまるで私たちを包み込むようで。
「これ押せばいいんだね? 押っ忍」ポチ
ん?
少年「へ?」
なにかおかしいです。もう一度カップにスキャンを走らせると、駆動がハンドルから分離してます。
つまりこのハンドルはなにも意味なkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkk
グルグルグルグル
加速。加速。
生じる遠心力。
放り出されそうなほどのパワー。しがみつくIたち
暴れ牛のような軌道を描くコーヒーカップに振り回されいつの間にかIたちは互いに抱き合っていました。
R「少年さnnnn、だいJブですかААААА」
少年「Rさんもぉぉぉぉ。大丈夫ですかぁぁぁあぁあ」
なんというハプニング。というか明らかに人為的な事件。
でもこうやって少年さんと抱き合えてるのだから、いいのかもしれません。
319 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/02/27(木) 21:14:05.56 ID:lDAoMiaC0
少年「うぅ、うぇぇぇ」
よくありませんでした。
人間である少年さんの三半規管は振り回されてボロボロになったようです。
真っ青な顔でへたり込んでいます。
………自然に私の太ももを貸していますが硬くないでしょうか
少年「すいません。格好悪いところさらしてしまって」
R「幸せですよ?」
少年「………俺も、幸せです。本当に」
沈黙が空間を満たします。
恥ずかしくて、照れくさくて。
耐えきれなくなってIはバスケットを開けました。
R「その、お昼ご飯作ったNOですがお昼にしませんか?」
少年「そうですね。時間もお昼ですし」
近くにあった原っぱにシートを引いて二人座ります。
周りも同じようなカップルだらけですがどのカップルもIたちなど眼中にない模様。
レベルの高いカップルは自分だけの空間を作り出すNOですね。
320 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/02/27(木) 21:26:41.11 ID:lDAoMiaC0
お弁当箱の中身はコロッケやから揚げなど男の人が好きそうなものだらけ。
健康を考えるとあまりよくないのでしょうけれど今日は特別な日。
R「あーん」
少年「あ、あーん」
少年さんの食べたいものを聞いて口に運びます。
楽しい。
彼女ムーブを見せびらかすの楽しいです。
R「気分は落ち着きましたか?」
少年「R-10さんの料理がおいしくてすっかり落ち着きました」
R「手間をかけた甲斐がありました」
少年「本当においしいです」
料理はデータと科学ですから。機械天使にはお手の物です。
少年「その、俺もR-10さんに、食べさせてあげたいなって思うんですけど」
R「! ぜひっ、ぜひぜひっ」
風邪をひいてるわけではないですよ。食い気味に是非といってるだけです。機械天使風邪ひかない。
少年「それじゃあ、あーん」
R「あーん」
魔力がこもった樹液が結晶化した琥珀晶を一口にしたものを口に運んでもらいます。
一人で食べるのとは全然味が違う。機械天使なんで味とか気にしないですけど気分的に最高級のものを食べてるかのよう。
幸せです。
321 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/02/27(木) 21:27:17.72 ID:lDAoMiaC0
今日はここまで
おやすみなさい
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/27(木) 21:32:38.71 ID:+yi87Fe4o
乙乙これはもうR-10エンド
323 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/27(木) 21:36:21.10 ID:hw72V+Kn0
乙
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/27(木) 21:41:39.13 ID:HzP3j0k9O
乙
325 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/28(金) 00:41:11.50 ID:IB9M/RcJo
おちゅ
326 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/03/02(月) 20:16:27.67 ID:Vr5GI9Ka0
そんな幸せは有限。私が最後の琥珀を口にで転がしているときのことでした。
少年「! すいません。ちょっと……トイレに行ってきます」
R「わかりました。ではここでお待ちしておりますNE」
離れ離れになるのはちょっとだけ寂しい、ですが生理現象は仕方がありません。
R「………」
Iはなにも考えず、ただ空を見上げてたそがれていました。
すると
「よお姉ちゃん、綺麗な羽してんじゃねぇか」
「うん。肌の材質もつやつやして美しいな」
二人の男性がIに声をかけてきました。
R「Iになにか御用でしょうか」
「暇してるなら俺らと一緒に回らねぇかぁ?」
「楽しいことうけあいだぞ。ふははっ」
これがぞくにいうナンパというものでしょうか。
目の前にいる二人(サングラスをした白色の羽とサングラスをした黒スーツ)はどうやらIと一緒に観覧したいようです。
昔のIなら頼まれればついて行ったことでしょう。しかし今のIは明確に少年さんと一緒にデートをするという意思があるのです。
R「+チーチェ お断りします」
「そんな連れないこと言わずにさぁ。ほら」
「俺たちと遊ぶほうが楽しいはずだ」
楽しいはずだ?
No あり得ません。この方たちがどんなに優れたパフォーマーであっても断言できます。
「警告します。その手をお放しください」
「いいからいいから」
好きな人と一緒にいることがこの世で最も楽しいことだと
「警告無視を確認。では」
だからIはこの人たちと過ごす時間などありません。一刻も早く
というか別の男性と一緒にいるところを少年さんに見られたくないから
R「戦闘モード発動。使用許可レベル2申請………認証。無限絡繰機構起動。火器インストール」
「………ん?」
「これは………」
R「VWスカート展開。変形。出力を非殺傷レベルまで増加。準備完了」
さっさと片付けてしまいましょう。
R「オールレディ・レディ・オールレディ」
R「さようなら」
「ちょっとま―――」
「………ふむ」
少年「な、なにやってるんだ!!」
「! ナンダコノヤロウヤロウッテノカウワァヤラレタ」バタン
「ウワナンテツヨインダヤラレテシマッタ」バタン
R「………」キュィィィィン
二人は少年さんに殴りかかったかと思うとばたんと倒れました。
少年「えーとその、大丈夫? R−10さん」
………守ってくれたなんて、素敵。
327 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/03/02(月) 20:24:40.40 ID:Vr5GI9Ka0
R「守ってくれたのですね。少年さん」
少年「う、うん。R-10さん、困ってるみたいだったから」
二人の悪漢に対し、一人なのに倒すなんてすごい男らしいです。
見た目によらず、強いのですね。
少年「それじゃあ、行きましょうか」
R「はい」
「俺ら必要だったか?」
「いや無駄だったと思うヨー」
328 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/03/02(月) 21:08:16.33 ID:Vr5GI9Ka0
それから少年さんと何種類もアトラクションを体験しました。
お化け屋敷やスイングマシン。ジェットコースターなど。
楽しい時間はやはり有限で、太陽はどんどんと沈んでいきます。
学生には夜まで遊ぶ余裕なんてありません。
少年さんにはお家がありますし、私も寮の門限があります。
だから最後に観覧車に乗って終わりにしようとしていたときでした。
「ねぇ、君。お姉さんと一緒に遊んで“プレイ”?」
「こんな小娘より私たちと遊んだほうがいいんじゃないかしら?」
「………だヨー」
またもや乱入者が現れました。妙齢の女性達です。
黒い羽根、黒い羽根、黒いフード。危なそうな人たちですが、出るとこは出てますし引っ込むとこは引っ込んでます(一名スタイル不明ですが)
やっぱりこういう女性のほうが男性は好きなのでしょうか。Iは柔らかくないですし。
所詮機械仕掛けの体。生身の少年さんとは何もかもが違う。
「ねぇ、ほら、行きましょうよ」
だから
「観覧車の中でどんなことしますか? キャーッ」
Iは
「………ヨー」
欠陥品
少年「お断りします」
R「………少年さん?」
少年「俺は恋人とデート中です。ほかの人と遊ぶつもりはありません」
「そんな子より私たちのほうが」
少年「R-10さんは素敵な女性です。俺に」
少年「こんな俺にやさしくしてくれる。素敵な女性です。たとえ種族が違ったとしても」
少年「俺はこの人を愛してます」
329 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/03/02(月) 21:16:19.07 ID:Vr5GI9Ka0
そういって少年さんはIを抱き寄せました。
その光景を見るとつまらなそうな顔をして去っていく三人。
それを見送った後、Iは恥ずかしくて顔から蒸気を吹き出しました。
少年「わっ。大丈夫ですか?」
R「こんな公衆の面前でIの告白なんて」
R「恥ずかしすぎます」
少年「ごめんなさい。つい」
R「でもそれ以上にうれしかったです」
R「………順番が来ましたよ。乗りましょうか」
少年「はい。一緒に」
330 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/03/02(月) 21:38:52.07 ID:Vr5GI9Ka0
二人だけの空間がどんどんと空へ上がっていきます。
R「少年さん。今日はとても楽しかったです」
ゆっくりとゆっくりと。
少年「いえ、僕もとても楽しかったです」
Iは思い出を振り返りながら少年さんに向き合いました。
少年「こんな風に遊ぶことなくて」
R「Iも初めてです」
初めて会った日、Iを不良品じゃないと言ってくれたこと。
少年「また、一緒に遊びに行きたいです」
作ったお弁当をおいしそうに食べてくれたこと。
少年「R-10さんがよければですけど」
湖の底からIを救い上げてくれたこと。
R「………遠くまで見えますね。Iたちの街は見えるでしょうか」
コーヒーカップで抱き着いてしまったこと。
少年「えっ、そうですね。多分ここからじゃ見えないかと」
ナンパから助けてくれたこと
R「ここは学園から遠いのですね」
ナンパを断ったこと
少年「まぁ、列車で来るぐらいには遠いですから、もうすぐ頂上ですよ」
そしてIを愛してくれると言ってくれたこと。
少年「知ってますか? この観覧車の頂上で―――」
だからこそ、Iは、Iが思うままにこの言葉を少年さんに言わなければいけません。
感情的に。
きっとこれはIからくる、愛から来る、I絡繰ること。
少年「告白したカップルは「少年さん」はい?」
もうすぐ頂上。
ゆっくりと
ゆっくりと
やはり楽しい時間は有限であり、
R「契約、終了です。ありがとうございました」
その責任は果たさなければならないということ。
331 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/03/02(月) 21:46:31.42 ID:Vr5GI9Ka0
少年「え、あっ」
この感情を汚したくないという乙女心。
でも負った責任は痛い。とても痛い。
エラーが起きそうです。
今にも自身を終了させたくなります。
でも本当に、本当に少年さんを愛してしまったから、Iは頑張らなければいけません
R「今まで、本当に」
言いたくない。
言いたくない。
でも言わなければいけない。
R「アりがとう、ごザいました」
言えた。感情のエラーを潜り抜けて本当の想いを。
頭を下げます。
もし涙腺が私にあったら今とても無様なことになっていたことでしょう。
でもIにはないから、笑えます。
R「とテモ、たノシカッタでス」
Iは笑えます。
332 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/03/02(月) 21:59:44.36 ID:Vr5GI9Ka0
べリア「………初めての依頼、お疲れ様だったな」
少年「…俺………依頼だったけど」
べリア「わかる。わかるけど。でもな、結局お前と彼女は依頼なんだよ」
べリア「依頼の関係だったんだよ」
少年「そうですよね。結局依頼でしかないん、ですよね。R-10さんに感情を自覚させるためだけの」
オルカ「少年。今は青春だ。わからないことばっかりだ。だけど青春の先輩としていえることがある」
オルカ「今回の経験は何も無駄にはならなかったぞ。少年にも、彼女にも」
少年「まだ経験不足でわからないことばっかだ。先輩たちならわかるのか? なにが正しいのか」
ヤツカ「わかりませんよ。君よりもせいぜい数歳年上程度ですから。こなした依頼の数は多いかもしれませんが、毎回完全な正解を選べているとは到底いえません」
ヤツカ「ですけど、君は立派に生徒会の一員として依頼を完了させました。それだけは確かですよ」
べリア「あぁ、合格だ。大合格だよ、少年」
少年「………俺ってバカだ。先輩にここまで言われておきながら、慰めの言葉なんて欲しくないなんて思ってる」
少年「本当に、ごめんなさい」
オルカ「青春だな、少年」
少年「…はい」
オルカ「本当に青春だ」
333 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/03/02(月) 22:00:51.07 ID:Vr5GI9Ka0
第3話【Iあるいは愛絡繰ること】
おわり
334 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/03/02(月) 22:08:17.29 ID:Vr5GI9Ka0
【幕間】
バジロウ「で、俺が夜道を急いで帰っていたんだ」
ノヘジ「それは怖い話か? 怖い話なのだろう?」
少年「なんだ、怖い話苦手なのか?」
バジロウ「向こうから水の入った赤い洗面器を乗せた男が歩いてきたんだ」
少年「へぇ、それで?」
バジロウ「急いでいた俺もさすがに不思議に思って、なぜ洗面器を頭に乗せているのかと聞いたんだ」
バジロウ「すると」
少年「あれ。下駄箱に手紙が入ってる」
バジロウ「なんだ。ラブレターか?」
ノヘジ「すると、するとなんなのだ? 続きは?」
少年「ラブレターじゃないと思うけど」
バジロウ「でも案外少年モテるからなぁ」
少年「そんなことないって、あ、
>>336
からだ」
ノヘジ「赤い洗面器の男は? 男は何を言っていたのだ!?」
335 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2020/03/02(月) 22:08:43.42 ID:Vr5GI9Ka0
今日はここまで
おやすみなさい
336 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/03/02(月) 22:10:50.73 ID:uI1DjuaNO
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