【艦これ】 続 外地鎮守府管理番号88

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 23:24:27.51 ID:zL81RoFL0
萌え、ではなく、燃え、なSSを目指したい
更新頻度はゆっくり目になりますごめんなさい

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1520346267
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 23:25:02.37 ID:zL81RoFL0

第一話 海賊と賞金首 前篇
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 23:26:29.20 ID:zL81RoFL0


ゴウゥンゴウゥン


「コースこのまま!」


視界を共有する大艇の妖精からの情報を処理し指示を飛ばす。


「爆撃コースに乗ったかも!」


コースに乗ればやり直しは出来ない。


「RAISE!」


二式大艇の翼のエンジンの間に吊るされた800kg爆弾が切り離される。

ザバン ザバッ ザバン!

水切りの要領で反跳爆撃。

ズン!


「目標に命中確認!」

「やったかも!」


これは明石達が88鎮守府に加入する前の話である。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 23:27:44.47 ID:zL81RoFL0

提督「お疲れぇい。敵潜水艦拠点に配達は終わったか?」

秋津洲「うん!終わったよ!」

提督「二式大艇で敵拠点をぶっ潰すのはどうだ?」

秋津洲「最高かも!」

秋津洲「もうすぐしたら大艇ちゃんも帰ってくるかも!!」

提督「適材適所って言葉はな、人の能力、特性を正しく判断して

   ふさわしい地位、仕事に就ける事ってよく言うが……。」

提督「見極める側の目が曇っていちゃぁどうしようもねぇんだ。」

提督「お前さんを無能とか言って厄介払いした前の鎮守府はとんだ節穴揃いだな。」

秋津洲「でも、秋津洲は戦闘はあんまり得意じゃないかも……。」

提督「どんなに艦載機が強くてもそれに指示を出す艦娘が優れてないと意味が無えんだ。」

提督「優秀なネームドであってもその召還には使用者への負担がでかい。」

提督「この辺りは巫女的な扱いで英霊を降ろす代償なんだろうな。」

秋津洲「だから江草隊とか友永隊は改二レベルの二航戦さん達でないと無理なんだね!」

提督「そうだ。扱える艦載機の多さは本人の精神力の大きさとも言える。」

提督「積み替えて使っても他の奴らが使うとキレが鈍いんだよなぁ。」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 23:28:48.37 ID:zL81RoFL0

秋津洲「秋津洲は合計3機かも……。」

提督「考え方の問題だよ。いいか?3機しか使わなくていいんだ。」

提督「多くの艦載機を扱うのに神経すり減らさず3機に全振り出来るんだ。」

提督「考える事が少なくていいってのは

   一度に処理しないといけない事が多い戦場では有利だぞ?」

秋津洲「提督さんは秋津洲の事をきちんと評価してくれるから大好きかも!」

提督「お前さんみたいな若くて可愛い嬢ちゃんに好かれるとは嬉しいねぇ。

   どうだ、今夜ベッドの中で愛を語らねぇか?」

明石「なに妻の前でどうどうと浮気宣言してるんですか。」

秋津洲「あっ!明石さん!改造して貰った大艇ちゃん最高かも!」

提督「あぁ、鬼嫁かあちゃんが来た……。」


明石は88鎮守府に来る前、一人の提督と結婚していた。

それは艦娘としてではなく一人の女性として。
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 23:31:19.09 ID:zL81RoFL0

明石「はい。預かっていた日本刀の手入れ終わりましたよ。」

提督「おっ。ありがとう。」

明石「にしても長船なんて初めて拝みましたよ。」

提督「幼馴染で旧家の親友がな、俺をここに送り出すのにくれたんだよ。」

提督「俺をここに送らざるを得ない、すまないって言葉と共にな……。」

明石「人材不足も極まりですね。」

提督「当たり前だ。教壇に立つ教育者を戦場に送り出すなんざしてたら国が育たねぇ。」

提督「と、まぁ。それはさて置くとして、拠点を移動しますかね。」

明石「準備は終わってます。」

提督「移動を終えたらこないだの不審船から奪った金塊でいつも通り資材の手配を頼む。」

明石「でもいいんですかね?」

提督「いいんだよ。戦域設定してある海域を改造した高速艇でうろついている時点で怪しいってのに。」

提督「国際救難信号と同じ周波数帯で誰何して返事無し、同じ改造船が2隻とくりゃ。」

秋津洲「そういうお取引の船かも!」

提督「阿賀野に臨検させりゃ案の定だ。」

提督「スィートでハッピーな粉末に大量のドル札、さらに金塊だ。」

提督「ありがたく貰ったところで罰はあたるめぇ。」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 23:32:47.13 ID:zL81RoFL0

明石「抗議とか来ないですかね?」

提督「………、非合法組織が強盗にあったからって警察に駆け込むか?」

提督「何の悪い冗談だよ。」

明石「それもそうですね。」

阿賀野「提督さん!後は提督さん達だけだよ!」

提督「おぅ。了解した!今日は第三拠点で過ごすぞ!」


この提督の鎮守府運営はかなり特殊だった。

というのも鎮守府という形での施設を建てず、

防衛を受け持つ海域内の複数の島に修理用の簡易入渠ドックのみを持つというやり方だった。

つまりは移動式司令部という形で敵に拠点を把握させないという神出鬼没の通商破壊を行っていた。

通商破壊に限定した作戦展開を行っているのは司令部の移動を簡単にする為、

軽巡、駆逐、軽空母という即応機動性重視の中、小型艦の所属に限定していた為である。

8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 23:34:20.55 ID:zL81RoFL0

提督「後は修理時間が短くて済むって所だな。」

提督「ところで阿賀野、お前、飯ちゃんと食ってるか?」

阿賀野「うん!食べてるよ!」メソラシ


ムニムニ


提督「摘めない…。お前な、嘘はいかんぞ。」

提督「うちの取得はとにかく食料は豊富な事なんだから。」

阿賀野「でも他の鎮守府の娘達はあんまり食料事情が良くないみたいだけど…。」

提督「気にすんな。他所は他所。うちはうちだ。」

提督「軍令の連中がまともに物資を送ってくれないなら

   いかに現地調達するかは管理職の腕次第だろが。」

阿賀野「じゃぁ、今日の夕飯いっぱい食べてきます!」

提督「おう。腹いっぱい食ってこい。」

明石「実際うちは食料が豊富ですよね。」

提督「地域住民の皆様と仲良くしているお陰だな。」

提督「海にいる怪しい奴らをぶっ潰して、潰した相手から金品を頂く。」

秋津洲「やってること海賊行為かも!」

提督「悪い奴らから奪って何が悪い。

   俺達正義が有効活用してやるってんだ。涙流して喜べって話だろ。」

9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 23:35:32.25 ID:zL81RoFL0

明石達の提督は豪放磊落を絵に描いたような人物だった。

受け持ちの戦域内は多島海海域でそれなりの大きさの島には住民も居る。

そういった住民の航海の安全を保障する代わりに食料を分けてもらったり、

民間船舶の警護を上に無断で受け持つ事で艦隊司令部に報告しない報酬を受けていたりした。

そうやって得たお金は全て艦隊の維持費へと当てられていた。

そして、上からの苦情等は鼻をかんで捨てていた。



提督「つっても紙が固いと鼻が切れるからよく揉まないとまずいな。」

明石「なに独り言を言ってるんですか。」

提督「あぁ、まぁ、いいだろ。

   それより敵の潰した補給艦から物資って拾えないものなのかねぇ。」

明石「あれを解体しますか……。」

提督「いまいち生態が分からんのよな。未だに謎が多い。」

明石「技研の方でも色々やってはいるんですけどね……。」

提督「あぁ、そういえば主席研究員だったよな。」

明石「えぇ……。」

提督「あぁ、すまん。お前さんの過去を聞くつもりじゃなかったんだ。」

提督「聞いた俺が悪かった。」



明石が艦娘として自分の所に着任したときに見た経歴に関する書類の内容を思い出す。

その経歴はあまりにも立派過ぎたため何かあったんだなと提督をして察する程の物だった。

有体にいえば『 過去の経歴を洗い流す目的 』という奴である。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 23:36:43.93 ID:zL81RoFL0

明石「提督は過去をあまり気にしないんですね。」

提督「女は秘密が多いほど魅力が上がるっていったのは誰だったか忘れたが…、

   夫婦であっても旦那にゃ内緒の秘密があったっておかしくねぇ。」

提督「大事なのは相手が話してくれるその時まで気づいていても目をつぶっておくことだ。」

秋津洲「大人かも!」

明石「それじゃぁ、私は行きますね!」

提督「あぁ、俺は秋津洲とゆっくりいくよ。」

明石「浮気は駄目ですからね?」

提督「分かってる。」



去り行く明石にひらひらと手を振る提督。



秋津洲「良かったの?」

提督「なぁ秋津洲、夫婦ってのはな長い付き合いになるとお互いに嫌な所も目に付くようになる。」

提督「そんな時はな片方の目を瞑るんだ。そしたら見えにくくなるだろ?」

秋津洲「かも。」

提督「そんでな。お互いに見えないのをカバーしてやれば、まぁるく納まるのさ……。」

提督「見なくていい汚ねぇもんは自分からゴミ箱に手を突っ込んで見るもんじゃねぇって事さ。」

秋津洲「分かったような分からないような?」

提督「その内お前さんにいい相手が出来れば分かるさ。」

提督「さっ、移動するぞ。」

提督(もっとも俺がその秘密の重さに耐え切れるかどうかの自信がないんだがな…。)

提督(生物工学、それも遺伝子工学の専門家ばっかり集めていた研究チームとくりゃなぁ。)

提督(何をしていたか大方の予想はつくが……。)

提督(やばいの一言で片付けられるようなもんじゃ無えだろうな。)

11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 23:39:30.18 ID:zL81RoFL0

深海棲艦 南方棲姫拠点泊地(深海棲艦 補給物資後方集積所)


南方棲戦姫「忌々しい海賊共め!」

空母棲姫「どうしたの?そんなに声を荒げて?」

南方「あぁ、空母か。どうした?」

空母「どうしたって御挨拶ねぇ。」

空母「規定の物資の補給が遅れているからわざわざ出向いて取りに来てあげたって言うのに。」

南方「あぁ、ごめんなさい。少しイラついていたわ。許してちょうだい。」

空母「いいわ。私と貴方の仲じゃない。」

空母「それより貴方をそこまで怒らせている原因を知りたいわ?」

南方「敵にハラスメントをよく理解している糞野郎が指揮官についたみたい。」

南方「今までの鎮守府建屋を設置して拠点を構えるやり方ではなく

   ゲリラ的に出現してはこっちの補給艦部隊を潰していく。」

南方「その所為で拠点の把握がしにくい上に茂みの中に入渠用施設とかも巧妙に隠してるみたいでね。

   どこに潜んでいるのかさっぱりなの。」

南方「腹立つ事に補給艦を潰すことを最優先目標にして

   高速艦で構成されてるから戦艦なんかでは逃げる敵に追いかけることが容易じゃない。」

南方「何より敵の魚雷は射程が長い。それを良く理解して嫌がらせしてきやがる。」

南方「こっちからしてみれば戦艦、空母を混ぜて補給艦1、2隻の部隊を守るには効率が悪い。」

空母「確かに数隻の補給部隊構成だと歩が悪そうね。」

空母「では、大艦隊で補給艦を移動させてみたらどうなのかしら?」

南方「やってみたわよ……。目標が大きすぎて連中とは別の艦隊を呼び寄せる羽目になったわ。」

南方「大艦隊になればそれだけ目的とする敵以外の艦隊の目につきやすくなるの。」

南方「更に腹が立つのはこの海賊どもは足の長い水上艇で偵察をこなし、

   こっちのデポ、こちらの通商破壊作戦に従事する潜水艦の泊地を効果的に狙ってる所よ。」
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