【安価】クリエンテスとパトローヌス

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345 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/24(木) 16:33:10.50 ID:OE4MqNM/0
>>343-344

領地に残る人間を増やす=欠員が出れば直ぐに穴を埋められる、攻め込む方が辛くなる
攻め込む人間を増やす=突破が容易になる、領地を守るのが辛くなる

どちらかの人数が少なくなっても良いならばどうぞ
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/24(木) 16:38:41.79 ID:tOK3eFR8O
>>345
サンクス。となると後1枠か。どっちかを増やすかなのかな。
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/24(木) 18:28:32.44 ID:jIVT+vQKO
シャドやライトみたいな戦力がいれば良かったけど、攻める戦力足りなさそう。
348 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/24(木) 18:32:43.38 ID:OE4MqNM/0

出:ティオニクス、ドミニク、モルドー、【ミリス】、ウルリッヒ

残:【ルチア】、エルキナ、ゴラン、ディアナ、アルベルト



出:ティオニクス、【ルチア】、ドミニク、モルドー、ウルリッヒ

残:エルキナ、【ミリス】、ディアナ、ゴラン、アルベルト


更新前に再度確認
1900までに案が無ければこれで決定して進めます
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/24(木) 18:43:50.88 ID:jIVT+vQKO
領地防衛は遠距離に統率に護衛でミリスと完璧にみえる。攻めが弱そうだけど撤退も出来るならコレでも悪くはなさそう…?
350 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/24(木) 19:01:35.36 ID:OE4MqNM/0

前回までのあらすじ


暗躍する権力者。

恨みを持つ人間が集結する。


流れる血を嫌悪しつつも彼は動く。

使命を全うする為に彼女は動く。

領地を守る人間を決めよう。

 
351 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/24(木) 19:04:55.86 ID:OE4MqNM/0


君は彼女達が見せた反応をふと思い出す。

ここで終わっても良いのだろうか。


「申し訳ありません。訂正させて下さい」

「何がです」

「領地へ残す人選に間違いがありました」

「……では誰が何処に?」

「ミリスを領地に残し、ルチアを共に連れて行きます」

「どういった考えで?」

「ルチアはどんな状況でも自分を守ってくれると信じて」

「ミリスに関しては負傷が癒えきってない事を思い出しまして」

「………そうですか。そういう事なら解りました」

「助かります」

「私には聞かないんですね。領主様」

「ディアナは否定するのか?」

「そういう訳では無いんですけれど……」


かなり間を置いたが、エルキナは君の意見に賛同した。

恐らく悪い印象では無い筈だ。……と思う。

 
352 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/24(木) 19:14:36.89 ID:OE4MqNM/0


「これだけ決めておけば不足事態にも対処できますね!」

「それは違いますわ。ディアナ」

「?」

「【合言葉】がまだですからそれも決めておかないと」

「エルキナ様……わざわざそんな事決めなくても……」

「知らない相手が紛れ込んでいたらどうするんですの?」

「軍に居た頃でも全く無かったのに……」

「不満?」

「いえ、あの……」

「どんな合言葉にするんです?」

「【軍神マルスは我らの】」

「えっ」

「どう返すか【期待してますわよ】」

「………」


エルキナは貴族だ。

これはこちらの教養を試しているのかもしれない。

彼女が気に入る答えがあるのかはさておき、どう返したものか……。


↓1〜2 問いかけにどう返すか
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/24(木) 19:45:32.60 ID:tOK3eFR8O
合い言葉にするんだよな?んで、向こうに推測できそうもないものにしないといけない。これは分かりにくいな。

とりあえず我らの『アレス』で。ギリシャ神話では同じ神のため。
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/24(木) 20:27:54.83 ID:iqwyDj2K0
女神アテナが倒す

優秀な女性陣が居るこちらをアテナに、強い剣闘士を従えた敵をマルスに見立ててみる。
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/24(木) 20:36:24.08 ID:tOK3eFR8O
>>354
あー、上手いね。教養の話かはともかく、なかなかいいんじゃなかろうか。
356 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/24(木) 21:22:37.34 ID:OE4MqNM/0


「……【女神アテナが倒す】」

「へぇ、なかなか面白い返しですのね。理由を聞いてもよろしくて?」

「優秀な女性陣が居るこちらをアテナに、屈強な相手方をマルスに見立てました」

「『ミネルヴァ』では無く『アテナ』とした理由は?」

「語感の良さを重視しました」

「確かにミネルヴァでは【音被り】をして美しくありませんわね。でもそれだけかしら?」

「一応他に理由があるにはありますが……」

「言って下さいまし」

「その姿はとても美しかったと伝承では残っているので――」

「知恵を使って勝利に導く姿をエルキナに重ねて見ようとしたんです」

「ほうほう……はいっ!?」


こちらを凄まじい速度で見返してきた。

彼女は動揺している様にも見える。

 
357 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/24(木) 21:41:50.96 ID:OE4MqNM/0


「な、ななな……」

「どうしました?」

「そんなの理由になってませんわ!」バーン

「だから言いたくなかったんです……」


エルキナは顔を赤くしながら机を叩き、声を張り上げた。


「……合言葉は【軍神マルスは我らの女神アテナが倒す】でよろしいでしょうか?」

「ま、まあ別に……構いません」カァッ

「では問われる側の対応は【女神アテナが倒す】と返す事にしましょう」

「解りました!」

「それでは解散にします。後は各々で準備を整えるように」

「私を……美し……うふふふ」ブツブツ


色々あったが大まかな流れを決める事が出来た。

もし不安な点があれば適時相談すれば良いだろう。

 
358 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/24(木) 22:00:13.91 ID:OE4MqNM/0

―――――
―――


戦の日が近づく毎に緊張が高まる。

あともう少しで始まると思うと、なかなか眠れない。


(抜けがあったじゃ済まされない。誰しも命が懸かってるから)

(どうすれば穏便に事を運べるかを考えないと――)

(………zzzZ……zzzZ)



―【判定表】――――――――――――――――――――

  02   ― 闘力-「2点」、特徴「目の違和感」
03〜10 ― TP+「1点」
11〜12 ― 変動なし
13〜19 ― TP+「1点」
  20   ― 闘力-「2点」、特徴「呼吸が浅い」

―――――――――――――――――――――――――
↓1 成長判定
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/24(木) 22:00:52.98 ID:B+3S48uIO
a
360 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/24(木) 22:33:58.29 ID:OE4MqNM/0

――
――――――――――
―――――――――――――――――――――



周囲はとても暗い。

灰がかった雲から雨が絶え間なく降り注いでいる。

君は自分と横の誰かが地面に倒れ伏している事に気が付く。


「これで終わりだな」

「ぁ……あ?」

「その傷ではもう碌に喋る事も出来ないだろう」

「貴方に恨みは無い。……がこれも仕事だ」

「逆らう事の出来ない私をどうか許してくれ」

「――ッ!」


剣が肉に食い込む感触。

僕の意識はそこでぷつりと途切れた。

 
361 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/24(木) 22:38:56.22 ID:OE4MqNM/0

―【現在値】――――――――――――――

【地方領主 ティオニクス】 男

―37/41 闘力  〔29→37〕
―05/10 GP
―25/30 TP↑ 〔29→30〕
―50/100 ?↑ 〔40→50〕

【自然回復】 (闘力、TP20%回復)
――――――――――――――――――――

【ティオニクスの従者 ルチア】 女

―45/45 闘力  〔36→45〕
―04/10 GP
―40/41 TP   〔40→41〕

――――――――――――――――――――

【影薄き従者 ドミニク】 男

―46/46 闘力
―04/10 GP
―38/38 TP
――――――――――――――――――――

【銀嶺の従者 ディアナ】 女

―41/41 闘力
―04/10 GP↑  〔05→04〕
―34/34 TP
――――――――――――――――――――



「ああっ! 大丈夫ですか?」

「ディアナ……」

「ずっと魘されてて私どうしたらいいのか解らなくて……」

「ありがとう。問題ないよ」


ディアナは水に濡らした布巾を絞り、僕の額に浮かぶ汗を拭ってくれた。

どうやら今日も長く眠っていたようだ。


……あの夢は何だったのか。

 
362 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/24(木) 23:00:02.07 ID:OE4MqNM/0


【竈神ウェスタの月 1週】 (21/28)


「おはようございます。ティオニクス様」

「ああおはよう。エルキナ」

「今日は私が報告致します」

「えっ」

「なんですその反応は」

「いえ、その……」

「異論が無いようなので始めさせて頂きますわ」

「……最初に【北東の村】での情報共有。報告が終れば【直ぐ向かいます】」

「次に【陣地構築】の進捗状況ですが【来週には完成する】でしょう」

「あと……女性物の服が屋敷の外に」

「む?」

「体液か何かで汚れていたので焼却処分しておきました」

「妙な輩が居るかもしれませんから、ティオニクス様も気を付けて下さいまし」

「……解った」

 
363 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/24(木) 23:07:54.70 ID:OE4MqNM/0

―【現在の状況まとめ】――――――――――――――――――――――――――

・竈神ウェスタの月 1週 (21/28)


・領地の中心に「目安箱」を設置 (週初めと中間報告で妙なイベントが入ります)

・ウルリッヒは臨時収入を得て馬を失った (週初めと自由行動で選べる)

・ディアナに頼むと「奉仕」してもらえる (自由行動で選べるイベント)

・女性物の服が外で見つかった

・ルチアと結ばれた (定期的に?が回復します)


・来週まで(22ターン)に戦の準備を整える

・東と南で陣地構築中

・銀貨8枚をアエミリウスに支払う (陣地構築が済んでから入るイベント)


・領地東で黒い液体(石油)を貯留中 (石油を何かしらに使えます)

・東の櫓は南よりも景色が綺麗なので気分転換になる (やる気が回復します)


・南方にメッサーラ家の領地がある (訪問出来ます)

・↑のおおよそ反対側にアエミリウス家の領地がある (訪問出来ます)

・君が休んでいる時は皆も領地の何処かで過ごしている


――――――――――――――――――――――――――――――――――――
/領地特徴/

北―森の一帯
西―大きな川+
東―豊かな農地++ 【?】
南―荒地++++ 【?】
南東―農地


/建造物等/

北―巣穴
西―堤防
東―柵(木)、油田、景色が良い櫓
南―柵(木)、旗(太陽)、屋敷寄りに櫓、水路

北東―牧歌的な村
南東―灰を被った地面


・水源が豊富
・領民は読み書きが出来る教養を持つ
・東南からは攻め易い
・村(北東)の住人と協力関係


【?】 陣地構築中 〔22ターンに完成〕
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
364 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/24(木) 23:16:30.11 ID:OE4MqNM/0


苦しいと言えば苦しくなる。

人間は単純な部分があるのかもしれない。

思い込みでこうも変わるのだから。


……第21ターンの行動を聞こう。君は何をする?

―【選択肢】―――――――――――――――――――

@―領地の開墾、改善
×―人材発掘
B―自己学習
C―誰かに相談する※
D―近隣の領主、村長に助けを求める※
E―自由記述
F―人材派遣

※―今まで出て来た人物の名前を併記する事
――――――――――――――――――――――――
下1〜2 選択肢 〔北東に向かうのはこれと別枠〕
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/24(木) 23:52:48.14 ID:tOK3eFR8O
とりあえず夢はバシクスか。登場したらやられる、ってことは彼を止める何かが必要ということか。

安価はまだ考えさせて。難しいなこれ。
366 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/25(金) 09:28:32.65 ID:J2RiVZ460
再度あげ 1800に更新予定
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/25(金) 16:01:48.87 ID:+b6LmV80O
出来ればヒントが欲しい

安価下
368 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/25(金) 18:46:05.70 ID:J2RiVZ460

ヒント

何かやらなければならない訳では無いので難しく考えない方が良い

物語のヒントをここで求めたいならCで枠を使う方がこちらとしては楽


↓1〜2 >>364
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/25(金) 19:08:52.06 ID:dKvPRCPz0
4 エルキナ
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/25(金) 19:56:21.36 ID:+RQzffPvO
3
371 :寝落ちするまで更新  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/28(月) 19:45:22.78 ID:mDPCrUAY0

前回までのあらすじ


夢で見た屈強な身体を持つ男。

あの男と闘ってはいけないと直感する。

予定通り北東の村へ行こう。

 
372 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/28(月) 19:46:24.43 ID:mDPCrUAY0


北東の村への訪問


「ティオニクス様。用意は済みましたか?」

「ええ」

「同行者は私と――」チラッ

「私ですが何か」

「文面で表すと判りにくいですわね……」

「?」

「こちらの話ですから気にしないで下さいまし」

「そうですか」


北東の村への同行者は――

ルチア、エルキナ、ドミニクの3名だ。

ドミニクは待機させている馬を優しく撫ぜている。

 
373 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/28(月) 20:05:29.74 ID:mDPCrUAY0


村への道も半分過ぎた頃、ドミニクが休憩を提案してきた。

恐らく女性が多いので気を遣っているのだろう。


「その方はどういった人物で?」

「良くも悪くも……癖のある方ですね」

「癖?」

「はい」

「気になりますわね……」


そこまで言って彼女は立ち上がる。

村長も待っている事だろうし一気に進もう。




――――
―――――――――――
374 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/28(月) 20:06:32.57 ID:mDPCrUAY0


〜牧歌的な村〜


君達は北東の村を訪れた。

入口から奥にかけて大きな轍が出来ている。

木々の隙間から見えるアレは何だろう。


「誰も居ませんの?」

「まぁこういう村ですから」

「どういう村ですの……」

「そうですね。そういう村ですから」

「えぇ……」


エルキナは肩をガクッと落とした。

どうやら君とルチアの答えに不満があるらしい。

 
375 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/28(月) 20:14:19.57 ID:mDPCrUAY0


「……異様ですね」

「私以外に違和感を覚える人が居て安心しましたわ……」

「領主様。村長はあの家で待っていると思います」

「大きい家だな?」

「はい」

「よし、行こう」


君は従者に挟まれるようにして進む。

ここまで身を守ってくれる状況もそうそう無いだろう。

 
376 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/28(月) 20:25:34.03 ID:mDPCrUAY0


〜村で一番大きな家〜


「……鉄の臭い?」

「急な来訪で申し訳ありません! 何方かいらっしゃいませんかー!」

「相変わらず暗いな」

「勝手に入るのが普通になってます」

「だってあっちが来ないし……」

「村長の前で言うのは止めて下さいね。失礼なので」

「ははは、だいじょぶだいじょぶ――」


「………何が大丈夫なんだ?」


「いっ!?」

「「!」」

「………」


突然の出来事に心臓が飛び跳ねる。

覆面を被った男が暗闇からぬぅっと現れたからだ。

 
377 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/28(月) 20:47:29.11 ID:mDPCrUAY0


「い、居たんですね……」

「ああ。今さっき来た所だ」

「失礼ですが、貴方はどちら様で?」

「驚かせてすまなかった。俺はこの村の長だ」

「貴方が村長?」

「村長と言うより不審者ですわ」

「ちょっ」

「……お前からは嫌なにおいを感じる」

「私から? ご冗談を。いつも身綺麗にしています!」

「そういう意味ではない」

「容量を得ませんわね……」

「貴族だろう」

「ええそうです。そうでした」

「俺は貴族が大嫌いだ」

「何ですって!?」

「どうどう」

「ルチアは黙っててお願い!」


村長の言葉にエルキナは激昂した。

彼女から彼への第一印象は最悪に違いない。

 
378 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/28(月) 21:03:53.36 ID:mDPCrUAY0


「貴族は狡く賢しい者が多い。お前はそうじゃないのか?」

「違います! 同じにしないで頂戴!」

「神に誓うか」

「先祖伝来の守護神に誓いましょう!」

「あの、そろそろ……」ダラダラ

「……要らぬ事をしゃべり過ぎたな」

「案内しよう。ついて来い」

「ほっ」

「その前に私が案内して差し上げましょうか?」

「あぁ、もう……」

「止めておけ。お前では俺に勝てん」

「〜〜ッ!」ギリィ


こんな所で彼の悪い所が遺憾無く発揮されてしまうとは。

今でも冷や汗が止まらないが、後でどうなる事やら。

 
379 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/28(月) 21:24:44.57 ID:mDPCrUAY0


「入れ」

「ふんっ!」

「喉が渇いているなら机の水を飲んでも構わん」

「ご厚意感謝致します」


エルキナの態度とは対照的に、ドミニクは丁寧に返答した。

案内された部屋は簡素な物しか置かれていない。


「……では早速だが情報共有といこう。俺の方からは――」

「まず、あの男が起居する屋敷と行動範囲を」

「それが何の役に立ちますの?」

「聞いてから言って貰おうか」

「………」プイッ

「屋敷の構造は地下を含む。お前の領地にある屋敷以上の広さだ」

「経済力からしてそこは当然と言えますね……」

「ああ。それで行動範囲だが――」

「余程の事が無い限り屋敷から離れない事が解った」

「出不精なんですね」

「有能な人間に任せられるだけの力があるんでしょう」

「なるほど」

「お前達からは何かあるか」

「少し待って頂けますか」

「手短にしてくれ」



……君は何をこの場に提供する?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「夢の続きなんですが……」 ラ「まだ見ているのか?」

A―「疲れが取れなくて」 ラ「それを俺に言う必要性があるのか?」

B―「領地に不穏な輩が潜んでいる気がします」 ラ「そうだな」

C―「そちらの人数は如何ほどでしょうか」 ラ「攻め入るのは俺を含めて6人だ」

D―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1〜2 選択肢 (2D10で低い方採用。同値なら先に書いた方を)
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 21:36:06.77 ID:DhTW/OZlo
4
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 21:45:32.84 ID:t8u3zJD7O
1で。バシクスの存在は匂わせておきたい。正面から対抗できるのはシャドとライトだけだし。
382 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/28(月) 22:08:33.95 ID:mDPCrUAY0

8+4=12 @


「夢の続きなんですが……」

「まだ見ているのか?」

「はい。それで夢が薄気味悪い内容だったんです」

「首でも貫かれたか」

「それに近しい物ではありました」

「………」

「あの」

「【お前は遠くない内に死ぬ】だろうな」

「えっ?」

「勘違いするな。回避しなければの話だ」

「【対策】のしようが無さそうなんですけれど……」

「【夢で見た奴と闘わなければいい】だけだろう」

「ああ、そういう事ですか」


村長はあっけからんと言い放った。

命が懸かっていてもこの人ならどうにか出来そうな雰囲気がある。

 
383 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/28(月) 22:16:28.60 ID:mDPCrUAY0


「でも、詳しく喋っても無いのにどうして解ったんです?」

「解り易い方だろう」

「そうでしょうか」

「ああ」

「領主様はすぐ表情に出ますから」

「えぇ!? いや、そんな事は無い……筈」

「嘘ですわ」

「絶対嘘ですね」

「ルチア……もしかして前からそうだったのか?」

「はい」

「指摘してくれたら良かったのに」

「見てる分には面白かったので、つい」

「つい、じゃない!」

「……続けても良いか?」

「あっはい」


……君は何をこの場に提供する?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「お身体はどうですか。その……目とか」 ラ「………」

A―「疲れが取れなくて」 ラ「それを俺に言う必要性があるのか?」

B―「領地に不穏な輩が潜んでいる気がします」 ラ「そうだな」

C―「そちらの人数は如何ほどでしょうか」 ラ「攻め入るのは俺を含めて6人だ」

D―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1〜2 選択肢 (2D10で低い方採用。同値なら先に書いた方を)
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 23:26:18.64 ID:t8u3zJD7O
3。4も重要だけど、先にこちら。
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 23:57:12.05 ID:4wMfw7cj0
3
386 :更新  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/29(火) 21:46:30.54 ID:Z/9a2XrE0


「領地に不穏な輩が潜んでいる気がします」

「そうだな」

「何かご存知で?」

「此方を探りに来た奴が居た。もう処分したが」

「……処分」

「直接手を下してはいないから安心しろ」

「そういう問題では無いでしょう……」

「よく解らんな」


エルキナは訝し気なh表情を浮かべている。

村長の言う『処分』とはどのような方法で行われたのだろう。

 
387 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/29(火) 22:03:19.97 ID:Z/9a2XrE0


「実害が出る前に潰すのが一番だぞ」

「生憎ですが我々の領地は広く、どこを探せば良いのやら……」

「【餌】を吊り下げればいい」

「餌?」

「そうだ。【相手の欲しがる物を盗り易い場所に置いておく】」

「――そうすれば簡単に姿を見せる。物盗りは皆単純だ」

「なるほど。その手がありましたか」

「何を考えてるんだ? ルチア」

「いえ、何も」

「危ない事は止めてくれよ」

「危ない事はしない。解りました」

「どうして同じ言葉を言うんだ?」

「さあ?」

「……そちらで処分した方々は複数名でしょうか?」

「ああ」

「特徴や人相を教えて頂きたいのですが……構いませんか?」

「構わん」


ドミニクは詳細を聞き出そうとしている。

話の途中に出てくる単語に気を遣うべきかもしれない。

 
388 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/29(火) 22:27:05.39 ID:Z/9a2XrE0


「相手は2人組。片方が背の低い男で、もう片方が背の高い男だ」

「装備は短剣が2本ずつと刃渡りの長い直剣。柄に鼠の文様が彫り込まれていた」

「鼠とは悪趣味ですわね」

「お前が想像しているのは溝にでも居そうな奴なのだろうな」

「馬鹿にしていますの?」

「気に障ったのなら謝ろう」

「結構です!」

「そうか」

「2人の男は間際に何か言ってましたか?」

「『俺達に構ってないで早くした方が良いんじゃないのか?』」

「『ま、こうして俺達をやってもまだ代わりが居る。これで終わりと思うなよ』」

「『呪ってやる! お前達が死ぬまでずっと、ずっと!』」

「……なるほど。潔い方も居たようで」

「不思議なくらいにな」

「ただの賊ではありませんね……」

「あちらの差し金でしょう。そうに決まっています!」

「今回の相手とは何ら関係ない者が混じっていたらどうする」

「面倒極まりない。そんなの私は勘弁願いたいです」

「お前はそんな事を言える立場なのか?」

「ぐ、ぬぬ……」


エルキナは呻いている。

自分の立場が強くない事を突かれて、苛立っている様にも見えた。

 
389 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/29(火) 22:34:23.02 ID:Z/9a2XrE0


「どうだ。俺の話で何か気になる事はあったか?」

「……何も」

「私奴からは特にございません」

「左に同じく」

「………」

「お前はあるのか?」

「すみません。待って頂けますか」

「またか。手短にしてくれ」


……何か聞く?それとも何も聞かないでおく?


↓1〜2 自由記述

(2D10で低い方採用。 何も無ければ『無し』と書いて良い)
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/29(火) 22:37:29.08 ID:jCtHFhy2O
鼠の模様に見覚えは?気になる点はあったか?

シャド君たちがやった野盗の残党なら見覚えがあってもいいはず。
個人的には合法ロリビッチについても伝えたいが。
391 :更新  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/30(水) 19:57:09.98 ID:NpexFLYa0


「鼠の文様に見覚えはありますか?」

「……………」

文様について言及する。

彼の沈黙は長く、どう答えるか悩んでいる様だ。


「あると言えばある」

「それはどこで?」

「昔の事だ。街道で襲ってきた野盗の集団が似たような物を持っていた」

「――そいつらが持っていた物は鼠ではなく獅子の文様だったがな」

「つまり、同じ集団に属しているとは限らないと?」

「そういう事だ」


相手の正体がハッキリしない事にもどかしさを覚える。

どうして面倒な物事は幾つも問題が重なるのか。

君は誰に言う訳でも無くそう思った。

 
392 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/30(水) 20:07:33.11 ID:NpexFLYa0


「こちらからも幾つか聞かせて貰おう」

「どうぞどうぞ」

「控えなさいルチア。貴女が言うべき台詞ではありません」

「失礼しました」

「別に俺は気にしない。好きにしろ」

「ほら」

「調子に乗らない」

「………」

「彼等は放っておいて大丈夫ですから。どうぞ話して下さい」

「……ああ。そうさせてもらう」


布に隠れて見えないが、微妙な顔をしている気がした。

思ったよりも感情が豊かなのかもしれない。

 
393 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/30(水) 20:23:34.80 ID:NpexFLYa0


「俺が聞きたい事は4つある」

「戦力、動機、意志、これからの予定」

「多いですね」

「それは今まで先送りにしてきた分もある」

「……戦力とは?」

「俺が今から言う人数を【どれだけ相手出来るか】を聞く」

「【出来ない場合】は?」

「【共に戦うと言うのを即刻撤回しろ】」

「厳しい話ですね……」

「対応出来なければこちらが困る」


命が懸かっているならば当然。

綺麗事を並べようと、足手纏いは要らないという訳だ。

決まっている部分をどう答えるか考えるべきだろう。

 
394 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/30(水) 20:57:26.26 ID:NpexFLYa0


「正面から重装兵4名、側面から騎兵2名の突撃」

「断続的にでは無く一極集中で攻め入られるのを想定してくれ」

「より具体的に表すなら――」


――――――――――――――――――――――――

【重装歩兵×4】

―40/40 闘力 〔それぞれ4名分〕
―05/10 GP
―12/12 TP


【特徴】

硬い強い遅い
視野が狭い


【特殊技能】

「鉄の意志」、「鋼の意志」、「逃走」
――――――――――――――――――――――――

【軽装騎兵×2】

―32/32 闘力 〔それぞれ2名分〕
―04/10 GP
―28/28 TP


【特徴】

身軽
機敏だが脆い


【特殊技能】

「追撃」、「統率」、「逃走」
――――――――――――――――――――――――
395 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/30(水) 21:08:19.36 ID:NpexFLYa0


「――こんな相手だ。前提として相手は領地の東と南から襲ってくるだろう」

「馬鹿正直に?」

「相手側は敵対する者を殲滅すれば良いからな」

「死人に口なしですか……」

「そういう事だ」

「………」

「どれだけ時間を稼げる?」

「止められないなら、お前は領地を落とされるだけで終りだが」



……君はどう返答する?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「この程度なら我々でも余裕です」

A―「正規軍を相手とか絶対勝てません」

B―「正面から相手するのは厳しいですが、防衛に努めればどうにか……」

C―「1…いや2ターンぐらい?」 ラ「お前は何を言っているんだ」

D―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2 選択肢
396 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/30(水) 21:10:18.95 ID:NpexFLYa0
>>394のステータスは”1名毎”に同じステータスがあると追記修正

安価範囲なら下
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/30(水) 21:15:02.04 ID:3h9bWM+ZO
5

片方については、軽装歩兵を瞬時に殲滅できれば、撃退は十分可能です。動きの鈍い重装歩兵には、矢の的になってもらうとしましょう。よしんば生き残っても、その頃には数的に優位のはずです。
もう片方は守備に専念してもらいます。少し耐えて本隊と合流……ではダメでしょうか。

ミリスが速攻で落とせば、ディアナが遠距離からやってくれるはず、という考え。甘いかな。
398 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/30(水) 21:48:03.55 ID:NpexFLYa0

D―自由記述


君は頭に浮かんだ答えでは無く、口を開いて出て来た言葉を選んだ。

それは意外な程にすらすらと出てくる。


「一方については、軽装騎兵を瞬時に殲滅できれば撃退は十分可能です」

「ほう」

「殲滅後は動きの鈍い重装歩兵を矢の的に。よしんば生き残っても優位の筈」

「相手は万全な装備だと解った上での返答か?」


「……もう一方は守備に専念させ、どうにか耐えて本隊と合流……ではダメでしょうか」


「俺が聞いたのは机上の空論では無く”やれるかどうか”の客観的事実だ」

「でしたら【一方は耐える以上の成果を望めます】」

「――が、【両方向から攻められた場合はかなり厳しい】かと」

「要するに『厳しいけどやれます!』って事ですね」

「茶々を入れない」

「反省してます」

「……という訳です」

「そうか。もし出来ないと言うなら口封じをさせて貰う所だったぞ」


物騒な事を言っている。

この覆面男の事だ、本当にやりかねない。

 
399 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/30(水) 21:57:13.81 ID:NpexFLYa0


「次は”動機”だ」

「動悸?」

「息切れではありませんから黙っていなさい」

「はーい」

「………」

「ど、どうぞ続けて下さい」


押し黙られると怖い。

君は覆面男に続きを促した。


「どうしてお前達は俺達に手を貸す?」

「……どうして?」

「何ら利点が無いだろう。なのに何故首を突っ込む?」

「えっ」



……君はどう返答する?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「近所で放火があっても見知らぬ顔を出来ますか?」

A―「気分が悪いので、気分が良くなる方へと動いているだけです」

B―「理由なんて特にありません」

C―「だって末代まで噂とかされたら嫌ですし……」

D―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2 選択肢
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/30(水) 22:02:25.58 ID:mcC05CnOO
1
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/31(木) 00:29:51.86 ID:nZgGoxdO0
1
402 :再開  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/31(木) 20:29:13.66 ID:RY6k5d180


君は少し考えてから答えた。


「近所で放火があっても見知らぬ顔を出来ますか?」

「少なくとも俺は出来る」

「……私はそれが出来ないんです。自分に飛び火するとしても」

「甘いですよね」

「お人好しだな」

「よく言われます」

「貶すつもりは無いが、上に立つ人間の器とは言い難い」

「………」ジーッ


エルキナが無言でこちらを見ている。

村長の言葉に反応した様に見えたが……。

 
403 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/31(木) 20:47:04.97 ID:RY6k5d180


「――が、お前に何ら悪意は無いというのが感じられた」

「!」

「故に動悸も良しとしよう」

「ありがとうございます」

「………」ジーッ


エルキナはまだこちらを見ている。

何か言いたげな顔だった。



「次は”意志”だ」

「【誰かが死んだとして、お前達は俺達に力を貸してくれるのか?】」

「…………」

「これ以上戦えないからと言って、逃げ出されるのは迷惑だ」

「こちらは要らぬ心配事を増やしたくは無い。それが解るか?」

「少しだけ考えさせてください」

「5分やる。納得できる答えを出して見せろ」


……君はどう返答する?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「例え領主である私が死すとも、必ず貴方達を支援すると約束します」

A―「勿論です」

B―「今更答えなければならない事ですか?」

C―「いいえ。領地をこの村と心中させる気はありません」

D―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1 選択肢 (投下より5分で判定。レスが無ければ自動で@を選択)
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/31(木) 21:03:20.61 ID:vpru5xyfO
これは普通は1だよなあ。
405 :>>403 故に動悸も→動機  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/31(木) 21:09:09.77 ID:RY6k5d180


「例え領主である私が死すとも、必ず貴方達を支援すると約束します」

「それが答えか」

「……はい」

「お前達はそれで良いのか?」

「大体同じです」

「それが領主さまの意志であるならば」

「処世術を抜きにしても、私だって助けられる者は助けます」

「………」

「どうでしょうか?」

「【信用する】としよう」


ここまで来て信用しませんと言われたらどうなるのか。

もしそんな言葉が返って来る選択肢があるなら、選んでみたいものだ。

 
406 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/31(木) 21:22:07.95 ID:RY6k5d180


「最後に”これからの予定”を聞く」

「いついつ何をやる予定の事ですか?」

「そうだ。【重要な事を掻い摘んで言え】」

「全て?」

「【可能な限り】」

「これは難しいですわね」ボソッ

「そうでしょうか」

「ええ。だってティオニクス様は【週初めしか】聞いておりませんもの」ボソボソ

「細かい報告はしておりますが?」

「少し経てば忘れてますよ」

「なんという無能領主」

「いっくし!」

「仕方ありません。あちらの都合という物でしょう」

「……?」ズズ


後ろで何やらヒソヒソ話が聞こえる。

貶されているような、そうでないような……とても不思議な感覚だ。


↓1〜2 自由記述 (今後の予定を出来るだけ簡潔に)
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/11(月) 19:18:22.56 ID:CSlTDf+Po
ヒントが欲しいところだが…安価下
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 00:32:21.09 ID:vbRGsVfp0
防衛の話はしたから、攻める人の作戦の方かね? 攻める作戦は攻めてみないと分からないけど、何か言うことあったっけ?
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/14(木) 08:38:24.69 ID:h6uqZyVwO
ユリウスの月に攻め入って、それまでのあと2週の予定ですかね?
410 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/17(日) 21:30:05.64 ID:q0RiFA890

生存報告ついでに ヒント

今スレ
>>277 >>362

4スレ
>>48 >>213

3スレ
>>571


一部関係の無いものも含む
村長は真面目な話以外も反応します

再開は6/18 19:00 以降を予定
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/19(火) 00:33:20.59 ID:X6qfpQWu0
取り敢えず来週に自領内の陣地作成が完了。
西の大きな川がメッサーラ公の領地と繋がっている?
そして、メッサーラ公に軍備を整えていることがバレているかもしれないとかでいいんだろか? 他にも何かあればお願いします
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/19(火) 23:17:25.44 ID:EEWnJp41O
西の川がメッサーラ公の領土と繋がっている?(流れ着いてきたりなど)。そして、軍備について知られているかもしれない。
陣地作成が完了すればこちらとしての準備は整う(そちらは軍備としてはどのくらいを相手できるのか?)
すまんけど、悪い感じに傾いたらすまん
413 :再開  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/27(水) 20:18:39.47 ID:f5qSAkBX0


「……様、領主様」

「!」

「村長がお待ちしております。ご決断を」

「あ、ああ」


ドミニクは君に返事を促している。

思ったより長い時間を思考に費やしていたようだ。


「取り敢えず、来週には領内で進めていた陣地構築が完了します」

「そうか」

「あとこれは非常に申し上げにくい事なのですが……」

「メッサーラ候に【軍備を整えているのがバレている】かもしれません」

「いつ知った」

「先週です。領地に届いた書状で招待してくれと」

「……それらしい口実にかこつけて【何か仕掛けてくる】だろうな」

「やはりそう思いますか」

「ああ。【俺ならそうする】」


村長は多分に含みを持たせて言い放った。

何かとは何だろうか。

414 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/27(水) 20:19:35.49 ID:f5qSAkBX0


「ところで――」

「なんだ?」

「そちらの【軍備】は幾ら有って、【どれだけの規模】を相手できるのでしょうか」

「………」

「?」


村長は質問に答えようとしない。

不審に思った君はある言葉を彼に投げかけた。

415 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/27(水) 20:25:52.41 ID:f5qSAkBX0


「まさか、【軍備が無い】とは言いませんよね」

「フッ」

「……冗談ですよね?」


鼻で笑われた。

これは一体どういう意味を指しているのか。


「疑うなと貴様に言っても無理だろうな」

「そもそも手の内全然晒しませんし」

「貴女は黙っていなさい」

「チッ……すみませんでしたー」

「」
416 :>>415はミス  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/27(水) 20:31:27.36 ID:f5qSAkBX0


「まさか、【軍備が無い】とは言いませんよね」

「フッ」

「……冗談ですよね?」


鼻で笑われた。

これは一体どういう意味を指しているのか。


「疑うなと貴様に言っても無理だろうな」

「そもそも手の内全然晒しませんし」

「貴女は黙っていなさい」

「チッ……すみませんでしたー」

「ティオニクス様。この従者どうにかなりませんの?」ボソボソ

「どうにか出来たら苦労してないと思います」

「それもそうでしたわね……」


ルチアは一々茶々を入れないと死んでしまう病気なのか。

君は溜息を小さく吐いて、村長の次の言葉を待つ。

417 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/27(水) 21:01:53.64 ID:f5qSAkBX0


「村の【入口に轍】があっただろう」

「確かに不自然な大きさが森に向かって……」

「あれは【カタパルトとバリスタ】の物だ」

「攻城兵器ですの!?」

「ああ」

「という事は……運用できるだけの人員が居る訳ですね?」

「いや、人が居ないから【一度撃った後は捨て置く】つもりだ」

「はい?」

「【俺達は8人】で、その内1人は戦える状態では無い」

「………」

「どう考えても無謀ですね」ボソッ

「貴女と意見が合うのは不本意ですが……無謀ですわ」ボソッ

「聞こえているぞ」

「……」ダラダラ


どうしてこう、うちの女性陣はこうも遠慮が無いのか。

君の胃は締め上げられるようにキリキリと痛んだ。

418 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/27(水) 21:21:10.77 ID:f5qSAkBX0


「並の闘士が相手なら負ける要素は無い」

「そりゃ貴方はそうでしょうけど……」

「俺”も”だ」

「えっ」

「俺達は皆【そういった訓練】を受けて来た」

「あの」

「なんだ?」

「……もし【熊を相手する】なら何人掛かりですか?」

「対象【1に対して3】で十分だ」

「うわぁ……」


君は記憶の隅にある熊との交戦を思い出していた。

あの時は確か【6人】だったような……。

419 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/27(水) 21:44:11.32 ID:f5qSAkBX0


「お前達が戦えるのは解った」

「ありがとうございます」

「今から作戦の日時と詳細を話したい――」

「やっとですか」

「…が、その前に情報の整理も兼ねて再度聞こう。お前達から何か聞きたい事は無いか?」

「何かあります?」

「あるかもしれませんし、ないかもしれません」

「どちらにせよ聞ける事は今のうちに、ですわね」

「……」 (やけに説明口調だな……)



……君は何か質問をする?

しないならDを選んで【質問をしない】とすれば良い。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「これって何の為にやる……」 ラ「お前は今まで何を聞いていたんだ」

A―「争いが終ったらある人に伝えたい事が……」 ラ「死にたくないなら止せ」

B―「なぜ重装兵と騎兵って解ったんですか?」 ラ「敵を知るのは戦いの初歩だ」

C―「闇市で取り扱う商品は?」 ラ「人身」 ティ「えっ」 ラ「冗談だ」

D―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2 選択肢
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/27(水) 21:44:36.71 ID:vOQOtf9Yo
3
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/27(水) 21:50:02.55 ID:ZNc6KDFuO
5
あなた方がただ者ではないのはよく分かりました。……何者なんです?
それに、どこでそんな訓練を?まだ、戦える人がいるのですよね。……あの女性も、多分。

ここまで自由記述。

そろそろ素性を明かしてもらいましょうか。あとシャド君にも出てもらおう。
422 :再開  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/28(木) 20:15:49.87 ID:iHI708fG0



「……あなた方は何者ですか?」

「今更な質問だな」

「あの女性も戦えるんですよね? ただの村人ではないでしょうし」

「どこでそんな訓練を――」

「先の言葉通りだ」

「?」

「領主様。村長は先程【闘士】と口にしておりました」

「それがどうした」

「恐らくどこかの【剣闘士養成所】に身を置いていたのかと」

「………」

「概ねそこの従者が言う通りだ」


彼はドミニクの発言に肯定した。

剣闘士という身分は、ちょっとやそっとで解放されるものではない。

こうして解放されるまでに数多くの困難があったのだろうと君は推察する。

423 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/28(木) 20:20:28.35 ID:iHI708fG0


「何か言いたそうだな」

「……いえ」

「そうか。質問が無いのならば本題に入ろう」

「お願いします」


君の沈黙は他人から見ても長い。

まるで流れている時間が違うかのようだ。

424 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/28(木) 20:50:20.72 ID:iHI708fG0


「来週【(中間報告後)】奴の領地に侵攻する」

「【待機人員以外は北の森へ】と集合させろ」

「メッサーラ候の領地は南方ですが……?」

「俺に考えがある」

「考え?」

「ああ。西に流れる【大河を船で一気に南下】する」

「あの……【落ちたら】」

「【命の保証は無い】な」

「船の【耐久力】はありますの?」

「【岩に正面から1度接触しても】支障は出ない」

「なら安心ですわね」

「………」 (凄く嫌な予感がする。まるでぶつかる前提みたいな……)

「【積載量】はどれくらいでしょうか」

「【人数分】の物資を纏めて運搬できるが、あまり【重い物は載せない方が良い】」

「攻城兵器は……」

「森に隠してあるのは防衛用だ。あれとは別に用意してある」

「そうですか。ありがとうございます」

425 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/28(木) 21:41:34.64 ID:iHI708fG0


「船で領地に入ったその後は――」

「屋敷へと直行する?」

「いや、付近にある地下道を通って行く」

「そんな道が存在するんですか?」

「ああ。あちこちに張り巡らされているようだ」

「………」 (用意周到だな……)

「流れは【船→地下道→屋敷】だ」

「【待機しているこちら】の方針は?」

「事が済むまで【ひたすら防御】に徹してもらう」

「ひたすら……」

「奴が早く根を上げれば、それだけ皆が危険に晒されなくて済む」

「つまり我々は迅速な対応が求められる」

「そういう訳だ」


426 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/28(木) 21:45:18.53 ID:iHI708fG0


「ここまでで何か聞きたい事はあるか?」

「私は特に」

「こちらも」

「ティオニクス様はどうでしょうか」


……質問をする?

君に疑問が無いなら話は先に進むだろう。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「ありません」

A―「あります」 (自由記述)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2 選択肢
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/01(日) 18:36:08.83 ID:VlPWEeSRO
ksk
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 13:16:56.69 ID:XW9Gp+gIO
1
429 :再開  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/06(金) 22:52:06.93 ID:2CjZdOqu0


「そうか。……では最後にもう一つだけ」

「なんです?」

「絶対に【死なないで】くれ」

「………」

「意外と言うのは失礼かしら?」

「別に。知っている者がこれ以上死んでほしくないという俺の我が儘だ」


村長の言葉を深く胸に刻み、君達は北東の村を離れる。

去る間際、黒髪の男性らしき人物が森の隙間から見えた気がした。

430 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/06(金) 23:07:38.55 ID:2CjZdOqu0

―エルキナに相談


君はエルキナを探している。

これからの事を相談する為に彼女を選んだ訳だ。

屋敷の中にある一室に足を運ぶと、彼女はそこに居た。


「あら。ティオニクス様、どうかなさいましたか?」

「………」

「どんなに賢き者であろうと、意志を見せなければただの木偶」

「黙っていては解りませんわよ」

「……私の相談相手になってくれますか?」

「喜んで」


彼女はにこやかな表情で頷いた。

431 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/06(金) 23:31:26.40 ID:2CjZdOqu0


「何から話せば良いのやら……」

「自身が困っている事や、したい事を口にすれば良いのです」

「うーむ」

「でしたらこちらが問いかけるとしましょうか」

「お願いします」


ティオニクス様は何かにお悩みの様子。

ここはそれらしい話題を振るのが無難でしょう。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「今宵は満月だとか。私と一緒に月でも見ませんこと?」

A―「領主としての立場を忘れられるなら、一体どうすればよろしいのでしょうね?」

B―「平和とは一過性のものである。先人の言葉をどう思われますか?」

C―「いつか壊れるなら、いっそ動かない選択肢を選ぶのはどうでしょう?」×

D―「価値なんてありはしないというのに、何故人は人を売るのでしょうか?」

×選んだ時点で終了
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1 選択肢 (合計1〜2つの質問で終了)
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/06(金) 23:34:13.74 ID:YlebYdATO
2
433 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/06(金) 23:45:39.16 ID:2CjZdOqu0

A―「領主としての立場を忘れられるなら、一体どうすればよろしいのでしょうね?」


「それは、その立場を忘れたい……という事でしょうか?」

「さぁ?」

「………」ポカーン

「忘れたい程嫌いなのかもしれませんし、ただ疲れているだけなのかもしれません」

「嫌っている……疲れている……?」

「前者であれば、世捨て人にでもなれば良いのです」

「後者であれば、原因を直接取り除けば良いのです」

「少々極端過ぎませんか。特に前者が」

「あら、そうでもありませんわよ?」


彼女は君の問いかけに、時に屁理屈じみた内容で反論してみせた。

持って生まれた口の上手さは流石と言うべきか。

こうして見ていると、残念な部分があるとは微塵も感じさせない。

434 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/06(金) 23:53:45.36 ID:2CjZdOqu0


「つまりその質問は、私がそれで悩んでいると思ったからしたと」

「その通りですわ」

「うーむ」

「別に悩んでいない事だったかしら?」

「すみません」


ティオニクス様は他の何かにお悩みの様子。

それらしい話題を振れたら私の株が上がるに違いありませんわ。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「今宵は満月だとか。私と一緒に月でも見ませんこと?」

A―「身分違いの恋に悲劇は付き物ですの。ティオニクス様はご存知で?」

B―「平和とは一過性のものである。先人の言葉をどう思われますか?」

C―「いつか壊れるなら、いっそ動かない選択肢を選ぶのはどうでしょう?」×

D―「価値なんてありはしないというのに、何故人は人を売るのでしょうか?」

×選んだ時点で終了
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1 選択肢 (合計1〜2つの質問で終了)
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/06(金) 23:55:36.94 ID:FTRtwnNeO
3かねえ。
436 :次投げたら終り  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/07(土) 00:12:31.16 ID:B22PSVKZ0

B―「平和とは一過性のものである。先人の言葉をどう思われますか?」


「闘争を望む人間が常に存在する事を示唆しているのではないかと」

「概ねその通り」

「何か引っかかる物言いですね」

「誰であろうと他を害する時があります。それはなるべくしてそうなっただけ」

「争いを起こす人間に罪は無いと?」

「飛躍しすぎです」

「ではどういう意味ですか」

「認識の不一致」

「……不一致?」

「ええ。同じ歴史を取り扱っても、学者によっては真逆の主張にもなる」

「時が流れるにつれ、解釈の仕方に差が生まれるからこそ発生する問題です」

「………」


つまりどういう意味だろう。

僕は深く考える前に思考を停止してしまった。
437 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/07(土) 00:20:19.38 ID:B22PSVKZ0

〜自己学習〜


「エルキナもやはり貴族の生まれだった」

「1人で考え込んでた時間が長い僕とは大違いだ」

「……たぶん場慣れしてるからだろうか。喋る時の振る舞いが違う」

「どうしてあれで売られる側になったのか」

「僕は不思議で堪らない」


君は書斎で一頻り呟いてから外へ向かった。

出会った相手は――


―【選択肢】―――――――――――――――――――

@―ルチア
A―ミリス
B―凄腕の剣闘士×
C―ウルリッヒ
D―ドミニク
E―アエミリウス公

×夢の続きをここで再現するとしよう。いざ尋常に……
――――――――――――――――――――――――
↓1 人物選択
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/07(土) 00:27:07.09 ID:aZ9DYNfSO
こえーな。1が無難っぽいが……敢えて4にしてみよう。開戦前だし。
439 :再開  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/07(土) 20:20:05.19 ID:B22PSVKZ0


――ウルリッヒだった。

彼は川に向かってぼんやりと釣り糸を垂らしている。


「………」

「成果はどうですか」

「ん」スッ

「どれどれ……おっ」


水を満たした容器を覗き込むと、大量の魚が窮屈そうに泳いでいた。

彼はいつから釣りをやっていたのだろうか。

440 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/07(土) 20:27:16.72 ID:B22PSVKZ0


「自分で食べるんですか?」

「せやなー燻製にしてもええし、売っぱらうのもアリやな」

「良ければ買い取りますが」

「ハハッ。面白い冗談や」

「本当ですよ?」

「タダで寄越せとは言わんのやな」

「そこまで酷い真似は出来ません」

「おぉー優しいこって」

「………」


彼は自分の立場が危うくなれば、何時でも鞍替えすると言っていた。

腹の内では何を考えているのだろう。

あまり良い事では無いと思うが、君は詮索する事にした。

441 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/07(土) 20:44:43.84 ID:B22PSVKZ0


「領地での生活は楽しいですか?」

「そう……やな。楽しくないと言えば嘘になるか」

「それは何故?」

「平和」

「?」

「ここは争いがあまりにも無さ過ぎるってこった」

「なるほど」

「危機感の無さそうな奴ばかりとも言えるが……」

「皆相応に持ち合わせている筈です」

「ハッ。どうだか」

「否定的ですね」

「自分が死ぬ間際になって、漸く必死になる奴はごまんといる」

「そうなってからじゃ遅いですよね」

「他人事みたいに言う立場や無いやろ」

「そうでした」

「今更とぼけたフリかいな」


彼の人生は喧騒に包まれていたのだろう。

領地に来てからずっと、居心地の悪さを感じていたのかもしれない。
442 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/07(土) 20:58:11.22 ID:B22PSVKZ0


「暇そうにしてるかと思ったら、次見た時は忙しそうに動き回る」

「俺から見ればアンタもそう見えるで」

「それはたぶん、準備が足りていないからでしょうね……」

「物の準備やなくて、心構えみたいなモンが足りてないんと違う?」

「そうでしょうか」

「教育もままならん内に家を継ぐってのは、まさにそうやと思うけど」

「………」

「ま、ええわ。旦那も釣りするか?」

「……そうさせてもらいます」


一拍置いての返答は了承。

君は彼の隣で竿を水面に投げ入れた。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「水質によっちゃ生きられへん魚もおる。俺等も似た部分があるわな」

A―「余計なお世話かもしれんけど、夜は静かに寝た方がええと思うで」

B―「どれかが半壊するまでやな。旦那の方に付くのは」

C―「都合良く助けてもらえる立場ってのは、どんなモンなんやろうな」

D―「どうして弱者が苦汁を舐めさせられるのか。旦那は解るか?」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1 選択肢 (能力上昇量は問いかけによって変化する)
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/07(土) 21:03:46.82 ID:3EzHbwYMO
ここは渋く5。
444 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/07(土) 21:54:33.66 ID:B22PSVKZ0

D―「どうして弱者が苦汁を舐めさせられるのか。旦那は解るか?」


「【弱者を食い物にする人間】が居るからでは」

「それもそうやろうな」

「違うんですか?」

「俺は単純に【力が無いから】やと思うとる」

「えっ」

「無法者が蔓延るのも、一部の権力者が甘い汁を啜るのも――」

「偏に力を持たないから」

「……力」

「【女子供を見れば】そんなの一目瞭然やろ」


彼は何かを思い浮かべる様に目を細めてからそう言った。

世界は弱き者に対して残酷な程に容赦がない。

路上を何気なく通れば、追剥に遭遇して命や純潔まで奪われる。

そういった負の連鎖が起きるのも、彼が言う【力が無いから】に他ならない。

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