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先輩「飲みに行くぞー!」後輩「はいはい……」
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17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/28(水) 01:16:48.44 ID:v7GHT77yo
飲んだくれの後輩と手繋ぐと心読める先輩の人かな
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/28(水) 12:22:46.19 ID:xLCK7g7Oo
乙
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:01:22.41 ID:YpMIaMks0
・
・
・
〜土曜日〜
後輩「……」
後輩「……」
後輩「…………」チラッ
後輩(9時、20分……)
後輩「……」
後輩「……」
・
・
・
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:02:03.02 ID:YpMIaMks0
・
・
・
後輩「……」
後輩「……」
後輩「…………」チラッ
後輩(9時、45分……)
後輩「……」
後輩「…………うぅ」
後輩(既読スルー……)
後輩(先輩……)
後輩(バックレやがった、あの人)
後輩「……うぅぅ」
後輩「……」
後輩「……」
後輩「……行くか」
後輩「…………」トボトボ
・
・
・
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:02:48.89 ID:YpMIaMks0
・
・
・
〜金髪さんのアパート〜
ピンポーン
後輩「……」
後輩「……」
ガチャ
金髪「はいはい〜、……あっ」
後輩「……ど、どうも」ペコリ
金髪「あぁ〜。おはよう、後輩ちゃん。いらっしゃい〜」
後輩「遅くなってすみませんでした……」
金髪「いいのいいの。ひとり?」
後輩「はい、先輩が――……ええと、ちょっと、来れなくなりまして」
金髪「バックレた?」
後輩「バックレました……」
金髪「うふ、うっふふ」
後輩「すみません、どうも……」
金髪「まあまあ、あがってあがって、どうぞどうぞ〜」グイ
後輩「お邪魔、します……」
・
・
・
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:03:31.86 ID:YpMIaMks0
・
・
・
チーン
後輩「……ナムナム」
後輩「……」
金髪「位牌も何もなくてごめんねぇ、せっかく手、合わせてもらってるのに」
後輩「あ、いえ……」
金髪「銀髪の体とか遺品とかは、全部あの子の、田舎の実家に持っていかれちゃって」
後輩「そうなんですか」
金髪「本家だったらしいのよね〜」
後輩「へぇ……」
金髪「仕方ないから、せめて写真だけ飾って」
後輩「……」
金髪「あと銀髪が隠してた暗黒ポエムノートも飾って」
後輩「鬼ですか」
金髪「読む?」
後輩「え、遠慮しときます……」
金髪「うふふ……。今、お茶いれるわね」
後輩「お、おかまいなく……」
・
・
・
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:04:04.66 ID:YpMIaMks0
・
・
・
金髪「……」トポトポ
後輩「……」
金髪「ごめんなさいねぇ、お茶請け、これしかなくて」
後輩「はぁ……。なんです、これ?」
金髪「カロリーメイト」
後輩「……」
金髪「ポテト味」
後輩「……」
金髪「うっふふ、あの子の好物でね〜……。ポテト味ばっかり、いっぱいあるのよね、ウチ」
後輩「……」
後輩(……これは)
後輩(何か、試されているのか? 私は……)
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:04:41.42 ID:YpMIaMks0
後輩「……」
金髪「……」
後輩「……い、いただきます」
金髪「どうぞ〜」
後輩「……」ムグムグ
金髪「……」
後輩「……」ムグ
金髪「……」
後輩「……あの」
金髪「なぁに?」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:05:37.49 ID:YpMIaMks0
後輩「ご、ごめんなさい」
金髪「どうして?」
後輩「私と銀髪さん……、その……、何ていうか……」
金髪「あぁ、うっふっふ」
後輩「知ってましたよね?」
金髪「もちろん〜。でも、ふふ、いいの。いいのいいの」
後輩「……」
金髪「銀髪と私は、パートナーだったけど、お互いのことには口出ししない、って決めてたから」
後輩「……」
金髪「特に『自由恋愛』に関してはね」
後輩「……」
金髪「変わってる、って思われるかもしれないけど。でも、いい関係だったのよ、私とあの子」
後輩「ええ、はい……」
金髪「本当に……、本当に、いいパートナーだったの……」
後輩「……」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:06:25.87 ID:YpMIaMks0
金髪「……ねぇ」
後輩「は、はい」
金髪「あの日……、銀髪が自殺した日……」
後輩「……」
金髪「……あなたのところにいたんでしょ? あの子」
後輩「……」
金髪「……」
後輩「……ええ」
金髪「……そう」
後輩「……すみません」
金髪「謝らなくていいったら〜。……――それで、その時なんだけど」
後輩「……」
金髪「何か、あった?」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:07:35.17 ID:YpMIaMks0
後輩「何か?」
金髪「何でもいいの。普段と違ったり、気になるようなこと」
後輩「それは――……」
金髪「……」
後輩「……うーん」
金髪「……」
後輩「……何も」
金髪「……」
後輩「特に何も」
金髪「……そっかぁ」
後輩「……」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:08:48.54 ID:YpMIaMks0
金髪「……銀髪は」
後輩「……」
金髪「あなたの家を出てからね」
後輩「……」
金髪「ちょっと離れたビルまで行って、屋上まで登って」
後輩「……」
金髪「……そこから……」
後輩「……」
金髪「ねぇ、後輩さん」
後輩「……はい」
金髪「私ね……、全然思い当たらないの。あの子が死ななきゃいけない理由。本当に、全然」
後輩「……」
金髪「どうしてなのかしらねぇ……」
後輩「……金髪さん」
金髪「……それにね」
後輩「……」
金髪「あの子、高いところ苦手なのよねぇ」
後輩「…………」
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:09:41.42 ID:YpMIaMks0
金髪「……ねぇ」
後輩「……」
金髪「……本当に、何もなかった?」
後輩「……それは……」
金髪「……」
後輩「……あ、あはは。いやですよ、金髪さん」
金髪「……」
後輩「それだと、私がなにか、関わってるみたいじゃないですか。銀髪さんの自殺に」
金髪「そうなの?」
後輩「……」
金髪「……」
後輩「……」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:10:15.03 ID:YpMIaMks0
・
・
・
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:10:53.27 ID:YpMIaMks0
・
・
・
〜ゲームセンター〜
カコン
パコン
カコン
先輩「えっ、マジで『ナイトフード』やめちゃうの!?」
後輩「ええ。金髪さん、言ってましたよ」カコン
先輩「うわ〜、マジかぁ〜……」パコン
後輩「料理、全部銀髪さんがやってましたし……、仕方ないと思いますよ」カコン
先輩「あそこのぬか漬け最高だったのになぁ〜」パコン
後輩「あれも、銀髪さんが漬けてたらしいですし」パコ
先輩「行きつけだったのにな……っと!」スコンッ
後輩「うわっ……!」スカッ
先輩「うぇっへっへ、5−1な」
後輩「むぅ……」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:11:31.38 ID:YpMIaMks0
先輩「他には?」パコ
後輩「ん〜……」カコン
先輩「……」パコン
後輩「……あっ、先輩に会ったら、伝えてほしいって」パコン
先輩「おう」パコン
後輩「『今年もラウパ行こうね(はぁと』って……」カコ
先輩「ラインで言えやーっ!」スパーン!
後輩「あいたっ!」ベチン
先輩「よしっ、10−1」
後輩「何勝手に点入れてるんですか!」
先輩「ヘッドショットボーナス」
後輩「ピンポンにそんなルールねえですから」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:12:15.45 ID:YpMIaMks0
先輩「んー……そんで」
後輩「はい」
先輩「他には?」
後輩「……」
先輩「……」パコン
後輩「……えっと、いや……、その……、特には」カコン
先輩「あ、そ」パコン
後輩「……」カコン
先輩「……」パコ
後輩「な、何でですか?」カコン
先輩「聞いてほしそうにしてたから」パコン
後輩「そんな、別に私は……」カコ
先輩「せいやっ」スコン!
後輩「ふわっ!?」スカッ
先輩「うぇっへっへ」
後輩「むぅ……」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 23:13:18.88 ID:YpMIaMks0
今日はここまでです
>>17
そうです
お読みいただいて、ありがとうございます
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/01(木) 12:01:56.94 ID:M66eS9ayO
なんか良い雰囲気
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:23:19.14 ID:J7/UUKls0
先輩「っていうか」
後輩「はい」
先輩「飽きた」
後輩「あんたが卓球やりたいって言い出したんでしょうが……」
先輩「だぁーって、弱すぎるんだもーん、後輩ちゃーん」
後輩「うっさいです」
先輩「こっちの方、右の方。全然狙ってこないんだもんなぁ? どうちてかなぁ?」
後輩「……」
先輩「ンクク、優ちいんでしゅね、後輩ちゃんはぁぁ〜?」
後輩「…………ふっ」
先輩「……お?」
後輩「ふふ……、ふっふっふ……」
先輩「後輩?」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:24:16.04 ID:J7/UUKls0
後輩「そこまで煽られたら仕方ないです……」ユラリ
先輩「お」
後輩「見せてあげますよ……、私の秘奥義、大仏サーブをね!」キッ
先輩「お、おぉ、後輩がやる気になった!」
後輩「サービスください」
先輩「あーげる」
後輩「どーうも」
先輩「……」
後輩「……」ググ
先輩「……」
後輩「……っ」グググッ
先輩「……」
後輩「そいやっ!」カコン
先輩「……」パコンッ
後輩「あう……っ」スカッ
先輩「何なんだお前は……」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:25:18.50 ID:J7/UUKls0
後輩「あれぇ……、おっかしいなぁ……」ブツブツ
先輩「もういいからさぁ。そろそろ飲み行こうぜー」
後輩「さすがにまだ、早すぎるんじゃないですかね? どこも開いてなくないです?」
先輩「『亜理愛』行こうぜ。たしか、月末は5時からやってる」
後輩「えぇ……、マジですか」
先輩「いいだろ。あそこボトル入れてるし」
後輩「私のなんですけど、あれ。……むむ」ググッ
先輩「固いこと言うなってぇ」
後輩「……むむむ」グググッ
先輩「…………」
後輩「……そいやっ」カコン
先輩「えっ、……うぉ!?」スカッ!
後輩「めっちゃ曲がった!」
先輩「めっちゃ曲がった!」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:25:45.82 ID:J7/UUKls0
・
・
・
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:26:41.06 ID:J7/UUKls0
・
・
・
〜スナック〜
バイト「……お代わりいりますぅ?」
後輩「あー……、うん」
バイト「はぁい♪」カラン カラ
後輩「……」
バイト「……〜♪」
先輩「サーングラスぅー! はーずしたらぁー! 吹き出しちゃうほどォー!」
ママ「ハイハイハイ♪」
後輩「……」
先輩「あーどけないーっ 目をしてるぅーっ!」
ママ「フッフー♪」
後輩「……」
後輩(アホだ……)
後輩(アホの人だ……)
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:27:42.76 ID:J7/UUKls0
バイト「はい、どうぞぉ♪」
後輩「ありがと……」
バイト「アホみたいに上手ですねぇ、先輩さん」
後輩「アホだからね」
先輩「おーっ、後輩ぃー! デュエットー! お前安室ちゃんなー!」
後輩「……」
バイト「呼んでますよぉ?」
後輩「……いいのいいの」
バイト「いいんですか」
後輩「付き合ってたら、アホがうつるから」
バイト「うふふ、怒られますよぉ?」
後輩「いいんだって。事実なんだから」グビグビ
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:28:26.95 ID:J7/UUKls0
バイト「ふふふ、そうやって、あんまり冷たくしてるとぉ♪」
後輩「……」グビ
バイト「いつかその内、フラれちゃいますよぉ?」
後輩「えっ……?」
バイト「え?」
後輩「あっ、いやあの……、私、付き合ってるわけじゃないからね、あの人と」
バイト「えっ! そうなんですかぁ!?」
後輩「えぇ……」
バイト「えぇ〜……、でもでも、いっつも一緒じゃないですか、おふたりってぇ」
後輩「それは……、まぁ、なんだろ? 習慣で……」
バイト「カップルなんだと思ってたぁ」
後輩「うん、違う」
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:29:37.40 ID:J7/UUKls0
バイト「え……じゃあ、後輩さんが女の人好きっていうのも……」
後輩「あ、それは本当」
バイト「あぁ、へぇ……」
後輩「……」グビグビ
バイト「そうなんだぁ」
後輩「……」グビ
バイト「じゃあ、じゃあじゃあ、私とかでも、結構そういう目で、見ちゃうんですかぁ?」
後輩「そういう目って」
バイト「グッときたりとかぁ」
後輩「いや、まぁ……、可愛いは、可愛いし……」
バイト「ああぁ〜……♪」
後輩「あっ、やっ、さすがにね! そういう趣味ない子に、手は出さないからね! ケダモノじゃないのよ、私これでも!」グビグビ
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:31:26.43 ID:J7/UUKls0
バイト「えぇ〜……でもぉ」
後輩「……」グビ
バイト「後輩さんだったら、私ぃ」
後輩「……」
バイト「ちょっと興味あるかも? なんてぇ……?」
後輩「……」
バイト「なんて、んふふ♪」
後輩「……、……そんなこと言ってると」
バイト「はい?」
後輩「……連絡先、聞いちゃうよ?」
バイト「えぇ〜? じゃあこれラインで……」
後輩「ラインは営業用のやつでしょ? 他にやってない? プライベートでもいいんだけど。ハングアウトやってる? 分かんない? ケータイAndroid? iphone? 分かんない? うんじゃあちょっとケータイ貸して――……
先輩「口説くな」ゴスッ
後輩「ぎゃふんっ」
先輩「ったく……」
ママ「バイトちゃ〜ん、こっちお願〜い♪」
バイト「はぁ〜い♪」
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:32:08.45 ID:J7/UUKls0
後輩「いたい……」サスサス
先輩「本当、まったく、お前さぁ……」
後輩「なんですか」
先輩「見境なしか」
後輩「あ、あれは……、違うんですよ。なんか、こう、雰囲気? 流れ? みたいなので……」
先輩「ばーか」
後輩「むぅ……」グビ
先輩「はぁ」グビグビ
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:32:59.43 ID:J7/UUKls0
先輩「マジで、後輩」
後輩「はい?」
先輩「銀髪さん、あんなことになったのに、それですーぐ次の子って……、良くないと思うわけよ、先輩として」
後輩「いや……」
先輩「道ナラヌ仲とはいえ、恋人だったわけじゃん。それを――……」
後輩「あ、いえ、あの」
先輩「あ?」
後輩「銀髪さんとは、別にその、恋人というわけではなくて……」
先輩「え」
後輩「……」
先輩「え? そうなん?」
後輩「はい」
先輩「……」
後輩「……なんか、すみません……」
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:33:28.20 ID:J7/UUKls0
先輩「でも銀髪さん、しょっちゅうお前の家、いってたじゃん」
後輩「ええ」
先輩「じゃあアレなに? どういう関係よソレ?」
後輩「肉体関係」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……あ、いや、でもほら、向こうはパートナーいるし、遊びだったかもしれないけど」
後輩「はい」
先輩「お前の方はさぁ、ちょっとは、恋愛感情とかあったわけじゃん? いいなぁ、みたいな? そういうのがさぁ」
後輩「……そ、そういうの、全然で……」
先輩「……」
後輩「本当に、お互い後腐れない、付き合いで……」
先輩「…………」
後輩「…………スミマセン」
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:35:47.41 ID:J7/UUKls0
先輩「で、でもさぁでもさぁ、出会った時とかはさ、それなりに、トキメキ? インスピレーション? みたいなものが――……」
後輩「さっきみたいな流れでした」
先輩「……」
後輩「……ちょうどあんな感じ」
先輩「はぁ……」
後輩「溜息やめてくださいよぅ」
先輩「それじゃあお前、誰もかれも、ああやって引っ掛けてるわけだな」
後輩「人聞き悪いこと言わないでください」
先輩「はぁ……」
後輩「やっ、ほんっと、違……っ! たまたま! タイミングで……っ!」
先輩「タイミングねぇ」
後輩「そ、そ、そう、タイミング、タイミングが良くてそうなっただけで」
先輩「ふぅん」
後輩「……」
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:38:05.59 ID:J7/UUKls0
後輩「……」
先輩「でもさぁ」
後輩「はい?」
先輩「後輩、私には、言わないよな。そういうこと」
後輩「……え」
先輩「全然」
後輩「あ、え、いや……いやぁ……」
先輩「……」
後輩「ほら……その、ち、違うじゃないですか。なんていうか、せ、せ、先輩は、あの……」
先輩「……」
後輩「そ、そ、そういうのじゃないっていうか、あっ、いやっ! じゃなくて……! その、あ、あの……」
先輩「……」
後輩「別に先輩のことっ、きらいじゃな――……ああいや、だからって――……、そうじゃなくて、つまり……」
先輩「……」
後輩「あ……す、ストレートじゃないですか、先輩はっ」
先輩「うん」
後輩「……っ!」
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:39:45.92 ID:J7/UUKls0
先輩「だから?」
後輩「だっ、だ、だからですって。私、そんな、ほら、先輩のことなんて――……」
先輩「そっか」
後輩「あっ――……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……」グビ
先輩「……そっかぁ」
後輩「……」
先輩「…………ボトル入れる?」
後輩「……」
先輩「すんませーん!」
後輩「……」
・
・
・
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/01(木) 23:40:39.11 ID:J7/UUKls0
今日はここまでです
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/02(金) 08:37:43.76 ID:HGnPgCN6o
乙
ええな
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:43:38.78 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
スパン!!
パン!!
後輩『はぁ……、はぁ……っ』
先輩『そうそう、そんな感じ』
後輩『……はい』
先輩『あとは手首をもっと柔らかく。……こんな風に』ブンッ
後輩『はい……!』ハァハァ
先輩『……ま、今日はここまでだな』
後輩『いえ、もう一本、見ててください!』
先輩『……校門閉まる時間だから』
後輩『ぅ……』
先輩『それにアンタも。……そろそろ限界だろ』
後輩『いえっ、私はまだ……!』
先輩『駄目、今日はおしまいだ』
後輩『むぅ……』
先輩『……』
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:44:12.71 ID:ScAqVVeT0
先輩『そんな頑張ったって、今度の大会、出れるわけじゃないぞ』
後輩『……』
先輩『ウチのテニス部、年功序列だから』
後輩『……』
先輩『一年生のうちは、出番ねーよ』
後輩『大会なんて……』
先輩『ん』
後輩『私はただ、上手くなりたいだけです。先輩みたいに……!』
先輩『……』
後輩『いえ、先輩よりもっ!』
先輩『……ふ』
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:44:59.70 ID:ScAqVVeT0
後輩『……』
先輩『アンタ程度に、負けることなんてねーよ』
後輩『……』
先輩『……今はな』
後輩『……っ、やっぱり、もう一本――……』
先輩『駄目。ほら、片付けて帰るぞ』
後輩『むぅ……』
先輩『……』
後輩『……』シュン
先輩『……、帰りにたこ焼き屋、寄ってくか?』
後輩『……』
先輩『半分こしようぜ』
後輩『……、……』グゥゥ
先輩『どうする?』
後輩『……行き、ます……』
先輩『あっはは、よしよし』
後輩『……笑わないでくださいよぅ』
先輩『はいはい』ケラケラ
・
・
・
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:45:45.21 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
先輩「……――なんて」
後輩「……」
先輩「昔は素直で可愛かったのになぁ、後輩も」
後輩「うっさいです」
先輩「今じゃ、こんなやさぐれちゃってなぁ」
後輩「……先輩に、言われたくありません……」
先輩「うぇへへ、まぁな」カラン
後輩「……」
先輩「なんかさぁ」
後輩「……」
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:46:27.06 ID:ScAqVVeT0
先輩「変わっちゃったよなー、お互い」
後輩「……」
先輩「歳取ったなぁ、私も、お前もさぁ」
後輩「……、私は……」
先輩「ん?」
後輩「……」
先輩「何だよ」
後輩「別に……」
ママ「なに生意気言ってんのよぉ♪ 私から見たら二人とも、子供世代より下なのよぉ♪」
後輩「……ママ、水割りおかわり」
ママ「はいはい♪」カラン カラン
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:47:04.77 ID:ScAqVVeT0
先輩「そうそう、聞いてよママ。高校の頃のコイツさぁ――……」
後輩「うっさいです。ホントうっさい」
ママ「あらあら♪」
先輩「うぇへへ、不機嫌だねぇ、後輩ちゃんよう」
後輩「……」
先輩「何だよー、ナンパ邪魔されたからって、拗ねてんのかぁ?」
後輩「……そんなんじゃないです」グビグビ
先輩「ペース早くない?」
後輩「別にっ!」グビ
先輩「潰れんなよ?」
後輩「……」グビグビ
・
・
・
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:48:02.54 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
ママ「へぇ〜……、じゃあ金髪さんのところ」
先輩「うん。銀髪さんの親が来て――……」
後輩「……」フラ
先輩「お」
後輩「……」クテン
先輩「ありゃ」
後輩「……ぅー」
先輩「言わんこっちゃない」
後輩「……」
ママ「あららぁ♪ ……大丈夫?」
先輩「うぅん……。後輩、おい、後輩?」ユサ
後輩「……先輩」
先輩「……おう」
後輩「私ぃ……」
先輩「何だよ」
後輩「……」
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:48:46.48 ID:ScAqVVeT0
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……起きてる?」
後輩「……」コクン
先輩「立てるか?」
後輩「……」コクン
先輩「よしよし……」ナデナデ
後輩「もっと撫でて……」
先輩「ばーか」ナデナデ
後輩「……」
先輩「ママ、ごめんね。お会計」
ママ「今度来た時でいいわよぉ♪」
先輩「いや、いいって。ツケなんて――……」
ママ「はいこれ、領収証」
先輩「あ。……お゛っ、げ……」
ママ「ひとりで払う?」
先輩「あ゛ー……、あの、すみませんね、本当に……」
ママ「ふふ♪ いいわよぉ♪」
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:49:28.62 ID:ScAqVVeT0
後輩「……」
先輩「ほら、帰るぞ」グイッ
後輩「いま、なんじぃ……」フラフラ
先輩「まだ九時」
後輩「……『はせ川』行く……」
先輩「無理だろばか。救急車乗ってオムツ履きてーか?」
後輩「……むぅ」
ママ「タクシー呼ぶ?」
先輩「や、大丈夫。……歩けるか、後輩」
後輩「あゆけなすよお」
先輩「何言ってっか分かんねーから。肩、はい。掴まれ。ちゃんと」
後輩「……」コクン
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:50:08.83 ID:ScAqVVeT0
先輩「そーそー、いい子いい子」
後輩「……」
先輩「じゃ、ママ。ここでいいから。また来るね」
ママ「気を付けてねぇ」
先輩「お邪魔しましたー」
後輩「はひゅぁい」ヨタヨタ
先輩「はい、あんよがじょーず、あんよがじょーず」
後輩「……」フラフラ
ママ「ばいばーい♪」
バイト「……」
ママ「……」
バイト「……、……本当に付き合ってないんですかぁ? あのふたり……」
ママ「さぁ♪」
・
・
・
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:50:35.30 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
先輩「……」ヨロヨロ
後輩「……」フラフラ
先輩「……」ヨロヨロ
後輩「……」フラフラ
先輩「……はぁ」
後輩「……」
先輩「あの頃は……、かぁ……」
後輩「……」
先輩「どうして……」
後輩「……」
先輩「こんな風になっちゃったんだろうなぁ、お前……」
後輩「……」
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:51:02.80 ID:ScAqVVeT0
先輩「って、私もか」
後輩「……」
先輩「はは……」
後輩「……」
先輩「……ま」
後輩「……」
先輩「私のせいか」
後輩「……」
先輩「……そうだよな」
後輩「……」
先輩「……心配すんな」
後輩「……」
先輩「大丈夫――……、どんな風になっても」
後輩「……」
先輩「一緒にいてやるからさ」
後輩「……」
先輩「うぇへへ……」ヨロヨロ
後輩「……」フラフラ
・
・
・
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:51:29.03 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:51:55.36 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
――アンタのせいだ!
後輩『……っ!』
――アンタのせいで先輩ちゃんはっ!
後輩『ち、違います……、私は……』
後輩『私は……、知らなかったんです……っ』
後輩『先輩が――』
――知らなかったわけないじゃん!
後輩『違う……、ほ、本当に……、本当に……、私は……』
――知らなかったとしても……
――気付かなかったわけ、ないじゃん……
後輩『それは――……』
――気付いてたんでしょ?
後輩『……』
――アンタが
――アンタが先輩ちゃんを……
後輩『私は……』
後輩『私は…………っ!』
・
・
・
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:52:46.22 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
〜翌朝〜
〜後輩宅〜
後輩「……わた、ひ……はぁ……?」パチリ
後輩「……?」
後輩「……」ムクリ
後輩「……」
後輩「ぉ゛……!?」ガンガン
後輩「ぉ゛ぉ゛ぉ゛……」ガンガンガン
後輩(気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い……)
後輩(死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ……)
後輩「ぅぅぅぅ……」
後輩(たすけて……)
後輩(助けて神様ぁ……)
後輩(二度と深酒はしませんからぁぁぁぁ)
後輩「……ぅ゛ぐぅぅぅ」ドサッ
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:53:13.88 ID:ScAqVVeT0
後輩「……」
後輩(……っていうか)
後輩(どうやって帰ってきたんだっけ……)
後輩(……覚えてないや)
後輩「……ぅ」ムクリ
後輩「……」ヨタヨタ
後輩(時計――)
後輩「……」
後輩「……」
後輩「……会社……」
後輩「……会社に行かねば……」ヨタヨタ
・
・
・
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:54:01.12 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
〜オフィス〜
プルルル
ワイワイ
ガヤガヤ
後輩「……」カタ
後輩「……」カタカタ
後輩さーん、営業からデータの依頼がー
後輩「そこ置いといてくださーい」カタカタ
後輩さーん、この間の案件のー
後輩「そこ置いといてくださーい」カタカタ
後輩さーん、課長が依頼した資料まだかってー
後輩「そこ置いといてくださーい」カタカタ
・
・
・
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:54:49.03 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
新人「後輩さーん!」
後輩「そこ置いといてくださーい」カタカタ
新人「じゃなくて! 後輩さん! 後輩さんってば!」
後輩「……うん?」
新人「もう終業時間ですよ!」
後輩「あっ、ほんと……?」
新人「ええ」
後輩「あぁ……。ウゥー……ン」ノビー
新人「……」ニコニコ
後輩「……っはぁ」
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:55:51.11 ID:ScAqVVeT0
後輩(……終業時間になると)
後輩(体力回復してるのって)
後輩(なんなんだろうなぁ……)
後輩「……」
後輩(飲み行こうかな……)
後輩(先輩……暇かなぁ)
後輩(後でラインしてみよう……)
後輩「……」
新人「後輩さん、後輩さん!」
後輩「え? あぁ……、ごめん、何?」
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:56:40.76 ID:ScAqVVeT0
新人「今日、私たち新入社員で、集まるんですよ。これから」ニコニコ
後輩「……月曜日に?」
新人「食事メインですよ。お酒も、ちょっとは飲みますけど」
後輩「ふぅん……」
新人「それで」
後輩「うん」
新人「後輩さんも来ませんか?」ニコニコ
後輩「えぇ……」
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:57:25.86 ID:ScAqVVeT0
新人「いいじゃないですかぁ、後輩さん、会社の飲み会とか全然顔出さないし」
後輩「苦手なの」
新人「若いのばっかりですから、ヘンに気を遣わなくても大丈夫ですし」ニコニコ
後輩「いや、他の子が気を遣うでしょ。年上行ったら」
新人「後輩さんと飲みたい、っていう新入社員も、ちょいちょいいるんですよ?」
後輩「えぇぇ……」
新人「ねっ! どうですかっ!?」
後輩「うぅん……」
新人「私も、後輩さんと一度、ちゃんと飲んでみたかったですし!」ニコニコ
後輩「……」
新人「いいですよねっ!」
後輩「うーん、パス」
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:58:02.82 ID:ScAqVVeT0
新人「えぇぇ〜……」ガックリ
後輩「今日、飲みに行くから」
新人「月曜日に?」
後輩「月曜日に」
新人「彼女ですかっ!?」
後輩「え、違うけど……」
新人「本当ですかぁ……? 怪しい……」
後輩「本当だって」
新人「そうですかっ」ニコッ
後輩(笑顔がまぶしいなぁ……)
後輩(っていうか、『彼女ですか』、って……)
新人「残念ですけど、また今度ですね」
後輩「あぁ、うん……。そうね……」
新人「あ、今週末って空いてますか!?」ニコォー
後輩「グイグイ来るねあなた」
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:58:41.00 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
後輩「……」
後輩「……」
後輩(……既読つかないな)
後輩「……」
後輩「……」プルルル
後輩「……」プルルルル
後輩「……」
後輩(出ない……)
後輩「……」
後輩(忙しいのかな……)
後輩「……ふぅ」
後輩(ま、いいか)
後輩(家で飲もう)
後輩(ひとり寂しく)
後輩「……」
後輩「繁桝開けよう、繁桝」ウキウキ
・
・
・
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 22:00:53.70 ID:ScAqVVeT0
今日はここまでです
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/04(日) 23:29:32.74 ID:yB/UkHano
乙
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:02:39.14 ID:H3uZVijb0
・
・
・
ほうれん草のおひたし……適量
ツナ……適量
海苔……適量
めんつゆ……適量
・
・
・
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:03:10.82 ID:H3uZVijb0
・
・
・
後輩「……」ムフー
後輩「……」
後輩「さて……」
後輩「……」キュポ
後輩「……」トプトプ
後輩「……」
後輩「……」チビッ
後輩(おいしい……!)
後輩「……」グビ
後輩「……」
後輩「……」グビグビ
・
・
・
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:03:41.97 ID:H3uZVijb0
・
・
・
後輩「……」フラフラ
後輩「……」
後輩「……」グビ
後輩「……っふ」グビーッ
後輩「プハ……」
後輩「……」フラフラ
後輩(……そういえば)
後輩(煙草のにおい、もうしなくなったな、この部屋)
後輩「……」
後輩(……銀髪さん)
後輩「……」グビグビ
後輩「ぅ……」フラフラ
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:04:11.55 ID:H3uZVijb0
後輩(……お酒は美味しいけど)
後輩(ひとりで飲んでると)
後輩「……ぅぅ」
後輩(気が滅入ることばっかり)
後輩(思い出すなぁ……)
後輩「……」グビ
後輩「……」
後輩「……」
後輩「……ぅ」ウト
後輩「……ぅー」ウトウト
・
・
・
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:04:43.03 ID:H3uZVijb0
・
・
・
――それで、君は
――どう思っているの、先輩ちゃんのことは?
・
・
・
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:05:12.25 ID:H3uZVijb0
後輩「……っ!?」ハッ
後輩「銀髪さ――……」
後輩「……!?」
後輩「……」キョロキョロ
後輩「……」
後輩(今、確かに……)
後輩(声が……)
後輩「……」
後輩「…………」
後輩(1.若干寝てた。浅い眠りで、変な夢を見た)
後輩(2.幻聴。ついに酒で脳がやられた)
後輩(3.死んだ者の浮かばれない魂が……、部屋に漂い、生者に語り掛けた……)
後輩「とでも…………」
後輩「言うのだろうか…………」
後輩「……」
後輩「……2と3はやだな……」ヨロヨロ
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:05:49.77 ID:H3uZVijb0
後輩「自殺……」
後輩「飛び降りかぁ……」
後輩「……」
カチャ
カラカラカラ
後輩「……」
後輩(結構涼しい……)
後輩「……ふぅ」
後輩「暗いな……」
・
・
・
――私ね……、全然思い当たらないの――
――あの子が死ななきゃいけない理由――
――本当に、全然――
・
・
・
後輩「……」
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:06:17.64 ID:H3uZVijb0
後輩「……」
後輩「……本当に」
後輩「何ででしょうねぇ」
後輩「……」
後輩(……辛かったんですか)
後輩(……楽になったんですか)
後輩(ビルから、地面に……)
後輩(真っ暗なアスファルトに――……)
後輩「……」
後輩「……ふぅ」
後輩「ま、ここ二階だしなぁ」フッ
後輩「……ここからじゃ、せいぜい怪我――
ピンポーン
後輩「っ」ビクッ
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:06:48.82 ID:H3uZVijb0
後輩「……」
シーン…
後輩「……」
後輩「……」
ピンポーン
後輩「っ!」ビクゥ
後輩「……」
後輩「……」ドキドキ
後輩(……死んだ者の)
後輩(……浮かばれない魂が――)
後輩「……」ブルッ
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:07:19.12 ID:H3uZVijb0
・
・
・
後輩「……」オソルオソル
後輩「……ど」
ピンポーン
後輩「どっ、どちらさまで……!?」
ギィ
後輩「っっ!?」
先輩「……お、開いてた」
後輩「せんぱ……」
先輩「うぇっへへ、よう」
後輩「先輩……」
先輩「お邪魔ー――……どうしたん?」
後輩「え……?」
先輩「幽霊でも見たみてーな顔して」
後輩「……いえ」
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:07:48.91 ID:H3uZVijb0
先輩「つーか、鍵かけなさいって」
後輩「すみません……」
先輩「ん」
後輩「何ですか?」
先輩「窓」
後輩「あ……」
先輩「開いてるけど」
後輩「これは……、その……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「暑かった、から……」
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:08:15.96 ID:H3uZVijb0
先輩「ふーん」
後輩「……」
先輩「虫はいるぞ」
後輩「……そうですね」カラカラ パタン
先輩「閉めるんだ」
後輩「涼しくなったから……」
先輩「そう」
後輩「……」
先輩「お、何飲んでんの?」
後輩「繁桝の……」
先輩「ちょっとちょーうだい」トプトプ
後輩「……」
先輩「んーっ! おいしい!」グビッ
後輩「……はぁ」
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:08:41.17 ID:H3uZVijb0
後輩「……」
後輩(なんか……、具合悪くなってきた……)
後輩「……」
先輩「疲れた顔してんねぇ」
後輩「まぁ、ちょっと……。飲み疲れで」
先輩「そりゃね。昨夜もあれだけ飲めばね」
後輩「覚えてないからセーフです」
先輩「クズじゃん」
後輩「あはは……」
先輩「ちょっと、横になりなさいよ」
後輩「はぁ……、すみません……」ヘタリ
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:09:15.96 ID:H3uZVijb0
先輩「大丈夫かよ」
後輩「まぁ……、ちょっと休めば」
先輩「じゃなくて」
後輩「え……?」
先輩「顔色、悪いぞ。最近ずっと」
後輩「……」
先輩「酒の量、増えただろ。ガッと」
後輩「……別に」
先輩「嘘つけ」
後輩「……」
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:09:41.86 ID:H3uZVijb0
先輩「あの人のことだろ。銀髪さんの」
後輩「違いますよ……」
先輩「嘘が下手だな、後輩ちゃんよう」
後輩「……」
先輩「なぁ」
後輩「……」
先輩「何かあったんだろ、ホントは」
後輩「……本当に」
先輩「……」
後輩「本当に、何もないです……」
先輩「あ、そ」
後輩「……銀髪さんとは」
先輩「……」
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:10:12.32 ID:H3uZVijb0
先輩「……」
後輩「……恋人だったわけじゃないですし」
先輩「……」
後輩「恋愛とか、好きとか、そういう感情もなかったですし」
先輩「……」
後輩「優しいし、年上だけど、大事な友人って感じでしたし……」
先輩「うん」
後輩「でも……」
先輩「……」
後輩「気付かなかったんですよねぇ、私……」
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:10:46.04 ID:H3uZVijb0
先輩「……」
後輩「あの人、死にたいくらい……」
先輩「……」
後輩「本当に死んじゃうくらいの、何かを抱えてたのに……」
先輩「ああ」
後輩「……何も、特に何も」
先輩「……」
後輩「本当に、特に何も、気付いてあげられなかったんです……」
先輩「うん」
後輩「そう思うと、何か」
先輩「……」
後輩「何か――……、何だかなぁ、って」
先輩「何だかって?」
後輩「私って、何なんだろうなぁ、って……」
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:11:15.02 ID:H3uZVijb0
先輩「誰だって、そんなもんだろ」
後輩「分かってます。分かってるけど、でも……」
先輩「……」
後輩「あの日、あの晩だって……。いつも通りダラダラして、普通にお話しして……」
先輩「……」
後輩「……なのに」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「銀髪さん、死んだ日さぁ」
後輩「え?」
先輩「お前、何話したの? あの人と」
後輩「え、それは……」
先輩「それが、あの人の最後の言葉だったりするわけじゃん? どんなこと言い遺したのかなって、銀髪さんが」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……後輩?」
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:11:54.37 ID:H3uZVijb0
後輩「……言えない、です」
先輩「ん?」
後輩「それは……、話せません……」
先輩「うぇっへっへ、そんなこと言わずにさぁ」
後輩「すみません」
先輩「んふ、冗談だよ。謝るなよ」
後輩「……」
先輩「眠い?」
後輩「眠くないです……」
先輩「口閉じたら、眠くなるよ」
後輩「うん……、はい……」
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:12:29.84 ID:H3uZVijb0
先輩「……ちょっと、休め、後輩」
後輩「うん……」
先輩「ベッドのとこ行けよ」
後輩「……先輩」
先輩「おう」
後輩「一緒に寝よう?」
先輩「いいけど」
後輩「……」
先輩「また、布団借りるぜー」
後輩「……どうぞ」
先輩「勝手に敷くぞー」
後輩「……」ウツラウツラ
・
・
・
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:12:55.96 ID:H3uZVijb0
今日はここまでです
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/05(月) 23:46:08.85 ID:WLRwNs57o
おつ
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/06(火) 04:28:53.81 ID:xikM6dUdo
乙
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:07:55.38 ID:10OKULB60
・
・
・
後輩『……いよいよ、ですね』
先輩『……そうだな』
後輩『先輩の、現役最後の試合……』
先輩『……』
後輩『先輩の、最後の試合の相手に、私がなれるなんて』
先輩『……』
後輩『……』
先輩『……』
後輩『いい試合にしましょう!』
先輩『……』
後輩『先輩……?』
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:08:28.42 ID:10OKULB60
先輩『……うん?』
後輩『聞いてます?』
先輩『……ん、あぁ……、うん』
後輩『……どうか、したんですか?』
先輩『なんでもねー』
後輩『……?』
先輩『……』
後輩『……せんぱ』
先輩『試合が始まれば』
後輩『……』
先輩『敵同士だし……』
後輩『……』
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:08:57.19 ID:10OKULB60
先輩『今からベタベタするもんじゃねーだろ』
後輩『……あ、そ、そっか……。そう、ですよね……』
先輩『分かったら、ほら、向こう行ってろ』
後輩『は、はい』
先輩『……』
後輩『……あの』
先輩『何でもねーったら』
後輩『……』
先輩『……手、抜くなよ』
後輩『……っ!』
先輩『本気でやるから、私』
後輩『……も、もちろんですっ!』
・
・
・
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:09:25.29 ID:10OKULB60
・
・
・
〜寝室〜
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……後輩ー」
後輩「……」スゥスゥ
先輩「……寝た?」
後輩「……」スゥ
先輩「はぁ……」
後輩「……」
先輩(大切なことって言うのは)
先輩(大切にしすぎて……)
先輩(伝えられないものなんだよなぁ……)
先輩「……なんてな」
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:09:54.27 ID:10OKULB60
先輩(大切だから、伝えなきゃいけないことなのに……)
先輩(……気が付いたら、タイミングを失っていて……)
先輩(きっと……、みんなそうで)
先輩(誰だってそうで……)
先輩「……」ムク
後輩「……」スゥスゥ
先輩「……後輩」
後輩「……」
先輩「……」ナデ
後輩「……ん、んぅ」モゾモゾ
先輩「……髪伸びたな、お前な」
先輩(だとしたら……)
先輩(反対に)
先輩(伝えられないことっていうのは、それだけ、大切なことだったりするんだろうか……)
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:10:25.23 ID:10OKULB60
――言えない、です――
――それは……、話せません――
先輩「……」
先輩「……言わなくていいんだけどさ」
後輩「ムニャ……」ゴロン
先輩「……寝相わりー」
後輩「……」スヤ
先輩「風邪ひくぞ」ファサ
後輩「……」
先輩「……おやすみ」
・
・
・
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:10:57.13 ID:10OKULB60
・
・
・
銀髪『それで、君は』
後輩『え?』
銀髪『どう思ってるの、先輩ちゃんのことは?』
後輩『え、うぇ、えぇぇ!?』
銀髪『ふふ……』
後輩『ど、どういう、意味ですか……』
銀髪『そのままの意味さ』
後輩『……』
銀髪『君が、先輩ちゃんに”してしまったこと”は分かった』
後輩『……』
銀髪『けれど、そのことと今の君がどう思っているかは、別の話だろ?』
後輩『それは……』
銀髪『何のつもりもなく、いつも二人きりで四六時中、一緒にいるわけじゃないだろう』
後輩『……』
銀髪『特に君みたいな、不器用な子はさ』
後輩『私は……』
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:11:28.00 ID:10OKULB60
銀髪『……』
後輩『私は、先輩のことを……』
銀髪『……』
後輩『どう思ってるかなんて、言える立場じゃ、ないですから』
銀髪『……』
後輩『こんな、私が』
銀髪『……なるほどね』
後輩『……』
銀髪『そういう風に、先輩ちゃんを未来永劫、束縛し続けるわけか』
後輩『束縛って……』
銀髪『だって、そうだろう? どう思ってるかも、はっきりさせない。どうするつもりもない』
後輩『……』
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:12:21.18 ID:10OKULB60
銀髪『ただひたすらに、隣に置いておくだけ』
後輩『……』
銀髪『宙ぶらりんなまま、引き寄せもせず、突き放しもせずにね』
後輩『あなたに……』
銀髪『……』
後輩『何が分かるって言うんですか』
銀髪『……』
後輩『私と先輩の』
銀髪『ふふ。さぁ……ね?』
後輩『……』
銀髪『ただ、君もそろそろ、先輩離れしてみた方が良いんじゃないか? って、思っただけさ』
後輩『何ですか、それ』
銀髪『たとえば……、そう……私とかと』
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:12:55.48 ID:10OKULB60
後輩『何言ってるんですか』
銀髪『本気さ。君が望むのなら、君のものになってもいい』チュ
後輩『気障女』
銀髪『うっふふ……』
後輩『金髪さん、怒りますよ?』
銀髪『もし君が、その気なら――……』
後輩『……』
銀髪『彼女と別れたってかまわない』
後輩『……ふふ』
銀髪『何だい?』
後輩『誰にでも言ってるんですよね、それ』フフフ
銀髪『そ、そんなことないさ』
後輩『すぐ目が泳ぐ……』
銀髪『……』
後輩『呆れた人ですねぇ』
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:17:34.21 ID:10OKULB60
銀髪『ただね、今の君と先輩ちゃんとの関係は……』
後輩『……』
銀髪『良くないのは確かさ。お互いにとってね。彼女も君のことを――……』
後輩『……』ムクリ モゾ
銀髪『……』
後輩『……』モゾモゾ パサッ
銀髪『お、おいおい。もう服着ちゃうのかい』
後輩『今日はもうしません』
銀髪『……今日は、ね』
後輩『……』ジトッ
銀髪『怒った顔も可愛いよ』
後輩『馬鹿じゃないですか……』プイッ
銀髪『あらら』
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:18:30.79 ID:10OKULB60
後輩『銀髪さん……』
銀髪『うん?』
後輩『もし仮に――……仮に、私が先輩のこと、大好きで』
銀髪『……』
後輩『あ、あい、愛してる、としても……』
銀髪『……』
後輩『……私に、それを言う資格なんて、ないんですよ』
銀髪『そうかい? そういう自分に、酔っているだけじゃなくて?』
後輩『銀髪さん嫌い!』
銀髪『うふふ、傷つく』
後輩『帰りたくなったら、勝手に帰ってください。私ソファで寝てますから』
銀髪『うぅん……、本気で機嫌を損ねてしまったみたいだな』
後輩『……』
銀髪『やれやれ――……』
・
・
・
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:18:59.11 ID:10OKULB60
・
・
・
〜オフィス〜
後輩「……」ボケー
後輩(『言い遺したこと』――……)
後輩(銀髪さんの、最後の言葉――……)
後輩「……」
後輩(『やれやれ』でよかったんですか、銀髪さん……)
後輩(ハルキか)
後輩「……」ボー
新人「後輩さんっ!」
後輩「あっ、はい! そこ置いといてください!」
新人「じゃなくて!」
後輩「え……」
新人「終業時間ですよ、もう」
後輩「あ……」
新人「……」ニコニコ
後輩「あぁ」
新人「ふふっ」ニコニコ
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:19:37.26 ID:10OKULB60
後輩「もうこんな時間か……」
新人「ね、後輩さん」
後輩「うん?」
新人「今日、金曜日ですよ」
後輩「あぁ……、うん。そうだね……」
新人「……」ニコニコ
後輩「……それで?」
新人「飲み行きましょう!」
後輩「あー…………パス」
新人「えぇぇぇ〜〜……」
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:20:06.30 ID:10OKULB60
新人「金曜に飲み行くって、約束したじゃないですかぁ〜……」
後輩「したっけ?」
新人「しましたぁ!」
後輩「……ごめん、覚えてない」
新人「ひどい!」
後輩「ごめんね。私今日、残業」
新人「Do残業デーですか」
後輩「Do残業デーって何だ……」
新人「残業終わってからでも……」
後輩「また今度ね」
新人「はぁ〜……、残念……」
後輩「ごめんて」
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:20:35.42 ID:10OKULB60
新人「っていうか、後輩さん」
後輩「はい?」
新人「大丈夫ですか?」
後輩「え……」
新人「何かここのところ、心ここにあらずっていうか」
後輩「……」
新人「タスク抱えすぎてません?」
後輩「……適度にサボってるよ」
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:21:06.89 ID:10OKULB60
新人「さっきも」
後輩「……」
新人「ずっと、ボーっとしてましたし……」
後輩「……」
新人「何か、悩みごとですか?」
後輩「…………」
新人「後輩さん?」
後輩「別に、何でもないよ」
新人「……そうですか」
後輩「また今度、飲み行こう」
新人「楽しみにしてますからねっ、センパイ!」ニコニコ
後輩「あ、ごめんその呼び方やめてマジで。本気で。リアルで。ガチで」
・
・
・
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:21:43.37 ID:10OKULB60
今日はここまでです
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/06(火) 23:35:45.65 ID:sEJlu0dMo
乙
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/07(水) 04:27:59.56 ID:G+ziA+3To
乙
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:59:59.36 ID:fC3Bx6ne0
・
・
・
〜ビールバー〜
先輩「……」
後輩「……ぅ」
先輩「……はぁ」
後輩「……ぅぅぅ」
先輩「……こうはーい」
後輩「話しかけないでください」
先輩「……」
後輩「今真剣に悩んでるところなんですから……!」
先輩「あー、そう……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……ぅぅ」
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:00:41.14 ID:fC3Bx6ne0
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……早くしろよ!」
後輩「……ちょっ、ちょっと! ちょっと待ってくださいって!」
先輩「そんな悩むほどのことでもねぇだろ」
後輩「悩みます! 今月で一番悩んでますから!」
先輩「……」
後輩「こっちの、箕面のスタウトか……」
先輩「……」
後輩「それともこっちの志賀高原か……っ」
先輩「……」
後輩「……ぅぅぅぅっ!」
先輩「おーい」
マスター「ゆ、ゆっくり選んで、いいからね、ねっ?」
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:01:09.83 ID:fC3Bx6ne0
先輩「両方頼めよ」
後輩「……値段的に、ちょっと……」
マスター「ご、ごめんね……、お手頃価格で出せなくてごめんね……」
後輩「……ハーフグラスとか」
マスター「ごめんね……、ら、来週から始める予定なの、ごめん……」
先輩「……お前、マスターいじめんなよ」
後輩「やっ、ちが……っ、すみません……っ」
マスター「だ、大丈夫だから、ごめんね、気にしないでね……」
先輩「……」
後輩「……えぇ〜、うぅ〜ん……」
先輩「……半分こする?」
後輩「え……」
先輩「私、こっち頼むから。お前こっちにしろよ」
後輩「……い、いいんですか?」
先輩「私もこれ、飲んでみたい」
後輩「先輩……、スキ……」キュン
先輩「やっすい女だな、お前……」
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:01:38.59 ID:fC3Bx6ne0
マスター「イギリスから――……」
先輩「……」
後輩「……」
マスター「遠路はるばるアフリカ大陸」
先輩「……」
後輩「……」
マスター「そこから遥かなインド洋、大海原を越えてインドに至るわけです」
先輩「……はぁ」
後輩「……」
マスター「ですから」
先輩「……」
後輩「……」
マスター「インドまで行くと、インディア・ペール・エール」
先輩「……」
後輩「……」
マスター「インドまではいかない、その途中くらい、っていう意味で、アフリカ・ペール・エール」
先輩「へぇ〜」
後輩「へぇ〜」
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:02:19.88 ID:fC3Bx6ne0
マスター「し、洒落がきいてますよね……ふふ、ふふふ……」
先輩「あっ、おいしい……」グビグビ
後輩「本当だ……。IPAより飲みやすくて――」
先輩「次こーっち」
後輩「どーうぞ」
先輩「……」グビ
後輩「……」グビグビ
先輩「……ぷはぁ」
後輩「……ぷはぁ」
先輩「あ〜……」
後輩「一軒目で、出来上がっちゃいそうですね」
マスター「こ、このあとも……、またどこか行くの……?」
先輩「うん、まぁ。金曜だし」
後輩「飲めるだけ飲みましょう」グビグビ
先輩「おい、自分ばっか飲むなよ!」
後輩「……あぁ〜、もう一杯頼んじゃおっかなぁ……」
マスター「ふ、ふふ……、ご、ごゆっくり……」
・
・
・
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:02:48.88 ID:fC3Bx6ne0
・
・
・
〜二軒目〜
先輩「あっはっは! あーっははははっ!」バンバン
後輩「あはははっ、最高、さいこ……あっははは!」
先輩「うっはは、ほーんと馬鹿! あははは! はっはっは!」グビグビ
後輩「あははははh……げほっ、ごほっ!」グビグビグビ
・
・
・
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:03:22.74 ID:fC3Bx6ne0
・
・
・
〜三軒目〜
後輩「……うぅっ」グスグス
先輩「うんうん……、分かる分かる。お前は頑張ってるよ」
後輩「……だげどぉ、わらひたちのころはぁ、もっとアレだったじゃないですがぁ……。年上への接し方っでぇ……」グスグス
先輩「そうだな、そうだな」
後輩「……年下が怖い……」
先輩「うんうん」
後輩「正確には自分より有能な年下が怖い……」エグエグ
先輩「分かるよ」グビグビ
後輩「……」グビグビ
・
・
・
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:03:53.68 ID:fC3Bx6ne0
・
・
・
〜四軒目〜
先輩「……」
後輩「……」
金髪「いらっしゃ〜い♪」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「な、開いてたろ」
後輩「……えぇ」
・
・
・
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:04:27.33 ID:fC3Bx6ne0
・
・
・
金髪「はいっ、キンミヤハイボール二つ」
先輩「どうもー」
後輩「どうも……」
金髪「ごめんなさいねぇ、つまめるもの、チーズくらいしか残ってなくて……」
先輩「いいよ全然。な?」
後輩「え、えぇ……」
金髪「もう、冷蔵庫の中も空っぽ。うふふ……」
先輩「そっかぁ」
後輩「……」
金髪「お酒は、余ってるんだけどね〜」
先輩「じゃあ私らで片付けていくか」グビ
後輩「……」
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:05:22.74 ID:fC3Bx6ne0
先輩「今日で最後かぁ、『ナイトフード』も」
金髪「そうなの〜。それで、貴方たちが多分、最後のお客さん」
先輩「寂しくなるねぇ」
後輩「……」
金髪「って言っても、引っ越すわけでもないし。この辺り、よく飲みに来るから、すぐ会えるわ〜」
先輩「へぇ、どの辺で飲むの?」
金髪「『信楽』とか『そば好』とか……」
先輩「『そば好』、昼だけじゃなかったっけ? また夜もやるようになったの?」
金髪「去年の冬くらいからかしらねぇ」
後輩「……」
先輩「知らんかったなぁー」グビグビ
後輩「……」グビグビ
金髪「……後輩ちゃん」
後輩「ふぇ!? えっ、はい!?」
金髪「この間は、ごめんね」
後輩「い、いえ……。そんな……」
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:06:36.60 ID:fC3Bx6ne0
先輩「えー、なになに? この間って何?」
金髪「うっふふ、内緒〜」
先輩「えぇ〜……、おい、後輩〜」
後輩「……何でもありません」グビ
先輩「何だよぉ、隠すなよう」ワシャワシャ
後輩「……か、髪触らないでください。鬱陶しい……」ベシッ
先輩「……なーに大人しくなっちゃってんだよ。借りてきた猫かよ」
後輩「猫じゃありません……」
金髪「後輩にゃん♪」
後輩「猫違います!」
金髪「あら? あらあら、猫じゃないの? 意外……」
後輩「あ、え、いや、猫は猫ですけど……」
金髪「ふぅん、猫なんだぁ〜」
後輩「……」グビグビグビグビ
先輩「えぇ、何それ。禅問答?」
・
・
・
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:07:21.84 ID:fC3Bx6ne0
・
・
・
先輩「結構飲んだなー」
後輩「……」ベロンベロン
先輩「な、後輩ー」
後輩「……」
先輩「……後輩」
後輩「……」クテン
先輩「あ……」
後輩「……スゥスゥ」パタン
先輩「あーあー」
後輩「……ムニャ」
先輩「駄目ねぇ後輩ちゃん、最近さぁ」
後輩「……」スヤ
金髪「あら、寝ちゃった?」
先輩「うん、まぁ」
金髪「大丈夫かしら……」
先輩「寝てるうちは、たぶん大丈夫」
後輩「……」スヤスヤ
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:08:00.38 ID:fC3Bx6ne0
金髪「先輩ちゃんも、おかわりはよしておく……?」
先輩「んー……、いや、もう一杯だけ」
金髪「はいは〜い」
先輩「金髪さん」
金髪「うん?」
先輩「大丈夫?」
金髪「……」
先輩「あんなことあった、ばっかりだしさ」
金髪「えぇ……」
先輩「辛かったら、あんまり無理しないで――……」
金髪「うふふふ……、優しいのね、先輩ちゃん」
先輩「いや、そんな、別に大層なアレじゃなくて」
金髪「ううん、ありがとう。……先輩ちゃんはとっても優しい子」
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:08:48.84 ID:fC3Bx6ne0
先輩「子って柄じゃなぁ……」
金髪「だけど、後輩ちゃんには、もっと、ずっと、優しいんでしょ?」
先輩「え……、何で後輩?」
金髪「いつも一緒にいてあげて、隣で飲んであげて……」
先輩「……」
金髪「眠っている間も、見守ってあげて……」
先輩「いやぁ、それはただ、こいつが馬鹿だから」
金髪「うっふふ、いいえ。それも先輩ちゃんの優しさよ」
先輩「うぅん……」
金髪「でも……」
先輩「?」
金髪「本当に、優しさだけ?」
先輩「え?」
金髪「優しいから、優しくしてる……。それだけなのかなぁ、って」
先輩「……」
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:09:29.98 ID:fC3Bx6ne0
金髪「優しい先輩が、手のかかる後輩を気に掛ける……、それだけなのかしら」
先輩「言ってること、よく分かんねーですよ」
金髪「ふふ……」
先輩「私は……、別に、何も考えてないし…………」
金髪「後輩ちゃんは」
先輩「……」
金髪「そう思ってるわよぉ?」
先輩「……」
金髪「先輩ちゃんが一緒にいてくれるのは、先輩ちゃんが優しい人だからだ、って」
先輩「……」
金髪「後輩ちゃんが”負い目”を感じないように、気を遣っていてくれてるんだ、って」
先輩「いや、マジで……、何聞いたんですか、こいつから」
金髪「内緒〜」
先輩「口軽ぃんだよ、お前っ」ベシッ
後輩「フギャ…………ゥーン」ムニャムニャ
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:10:02.32 ID:fC3Bx6ne0
金髪「うふふ、今のは全部、私の想像」
先輩「え、後輩叩かれ損」
金髪「叩いたのは先輩ちゃんだもん〜」
先輩「えぇ〜……」
金髪「……でも、そんなに外れてないと、思うわぁ」
先輩「……」
金髪「うすうす、そんな気はしてるでしょ、先輩ちゃんも〜?」
先輩「それは……」
金髪「先輩が、相手をしてくれるのは、優しいから……”それだけ”」
先輩「……」
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:10:55.17 ID:fC3Bx6ne0
金髪「だから」
先輩「……」
金髪「そう思っているから、後輩ちゃんは先輩ちゃんに、優しさ以上を求めようとはしない」
先輩「……」
金髪「だから、今のままを望んで。……けど」
先輩「……」
金髪「それでいいのかしらね〜」
先輩「……」
金髪「先輩ちゃんも、後輩ちゃんも……」
先輩「……あの」
金髪「ん?」
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:11:57.66 ID:fC3Bx6ne0
先輩「何の話?」
金髪「んっふっふ……、さぁ?」
先輩「……」
金髪「ただ、そういえば、そんな話したなぁ、って」
先輩「え」
金髪「銀髪と」
先輩「……」
金髪「あの子……、貴方たちのこと、大好きだったから」
先輩「貴方”たち”……」
金髪「本当よ?」
先輩「……」
金髪「……」
先輩「そっかぁ……」
金髪「私はそうでもないけど」
先輩「……」
金髪「冗談よ?」
先輩「う、うっす……」
金髪「うふふ、うっふっふ……」
先輩「……」
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:12:24.97 ID:fC3Bx6ne0
金髪「それで……」
先輩「……」
金髪「どうするの?」
先輩「どうって……」
金髪「……」
先輩「……どうしよっかなぁ」
金髪「困った子ねぇ」
先輩「あ゛〜……」
金髪「……」
後輩「ンヘヘェ……」スヤァ
先輩「幸せそうに寝てんじゃねーよ、馬鹿!」ベシッ
後輩「フギュ」
金髪「あらあら」
・
・
・
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:13:08.92 ID:fC3Bx6ne0
・
・
・
〜翌日〜
〜後輩宅〜
後輩「……うーん」
後輩「胃が痙攣しているぞ」ヨロヨロ
ピンポーン
後輩「……」
ピンポーン
後輩(先輩め……)
後輩(昨日の今日で、飲みに行くつもりですか……)
ピンポーン
後輩「……今日は帰らせよう」スタスタ
後輩「血が丸ごと酒になってるんだ、こっちは」スタスタ
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:14:07.47 ID:fC3Bx6ne0
ピンポーン
後輩「しつこい……」ハァ
後輩「鍵かけて追い払ってやる……」
後輩「……」スタスタ
ガチャ
後輩「チェンジ!」
「は?」
後輩「え?」
「……」
後輩「えっ、あっ、いや……! しし失礼、しましたぁ!」
「……いえ」
後輩「あの、ええと……」
女刑事「……警察のものです」
後輩「は」
女刑事「銀髪さんのことで、少し」
後輩「…………」
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/08(木) 22:14:35.05 ID:fC3Bx6ne0
今日はここまでです
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/08(木) 22:29:59.14 ID:BIHRdiKJo
チェンジワロタ
乙
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/09(金) 04:58:08.68 ID:9C2BPO4ro
乙
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:30:09.57 ID:5qE2k+020
・
・
・
後輩「今、お茶いれますんで……」トタタ
女刑事「お構いなく」
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:31:03.24 ID:5qE2k+020
・
・
・
ガチョ
後輩「……」
後輩「………………」
後輩(1.発泡酒)
後輩(2.日本酒)
後輩(3.スポドリ)
後輩「……」
後輩(……思ったより、終わってるなぁ)
後輩「……」
後輩(1くらいだったら、ジョークで済ませてもらえるかも……)
後輩「……」
後輩「……」
・
・
・
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:31:47.28 ID:5qE2k+020
・
・
・
後輩「すみません、お茶、切らしちゃってて……。今買ってきますんで――……」
女刑事「……本当に、結構ですから。どうぞお構いなく」
後輩「は、はぁ……。でしたら……」
女刑事「……」
後輩「ええと……、銀髪さんの件、でしたっけ……?」
女刑事「ええ」
後輩「ど、どういったお話で?」
女刑事「二、三、お尋ねしたい点がありまして」
後輩「……その、じ……自殺、だったんですよね」
女刑事「あ、ご心配なさらず」
後輩「……」
女刑事「これは捜査というわけではありませんから」
後輩「はぁ……」
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:32:45.19 ID:5qE2k+020
女刑事「報告書の作成に必要な点を、確認させていただきたいだけです。いわゆる、事後処理のようなものでして」
後輩「そうなんですか……」
後輩(なるほど……)
後輩(それで、刑事さんひとりだけなのか)
後輩(聞き込みだと、二人組でやってるもんなぁ)
後輩(ドラマで見ただけだけど……)
女刑事「ご協力、いただけますか」
後輩「え、えぇ、まぁ……」
後輩(しかし、まぁ……)
後輩(なんか、圧を感じる人だ)
後輩(怖ぇ……)
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:33:18.69 ID:5qE2k+020
女刑事「……――それで、当日のことなのですが」
後輩「はい……」
女刑事「少し、お聞かせ願えますか」
後輩「少し……」
女刑事「銀髪さんが、何時にこちらに来て、何時に帰った、とか」
後輩「……ええと」
女刑事「……」
後輩「来たのは、確か5時――いや、4時でした。それで4時……あ、朝の4時に帰って」
女刑事「その後、連絡は?」
後輩「取っていません……」
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:34:05.54 ID:5qE2k+020
女刑事「何故、明け方のそんな時間に帰られたんですか。電車もまだ、動いていないでしょう」
後輩「ギリギリ、歩いて帰れる距離でしたし。朝は色々、立て込んでるらしくて……、いつもそのくらいの時間でした」
女刑事「……こちらには、良く来られていたんですか」
後輩「えぇ、まぁ……」
女刑事「そうですか……」
後輩「……」
女刑事「……」
後輩(間が怖ぇ……)
後輩(『私何も知りません』って言いてぇ……)
女刑事「それで、彼女はどういった用事で、こちらに?」
後輩「え」
女刑事「……夕方にやってきて、明け方に帰っていく必要がある用件というと、今一つ思い当たりませんが」
後輩「そ、それは……」
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:34:42.59 ID:5qE2k+020
女刑事「少し不自然――……、失礼、言い方が悪いですね」
後輩「……」
女刑事「違和感があります」
後輩「……」
女刑事「銀髪さんは、貴方の家まで、何をしに来られていたのですか?」
後輩「そ、それは……」
女刑事「当日、銀髪さんは何の用事で?」
後輩「あ、ぇ、いや、えと――……」
女刑事「……」
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:35:23.69 ID:5qE2k+020
女刑事「何か、言えない事情があるんですか?」
後輩「そそそういうわけではなくぅ……」
女刑事「でしたら」
後輩「…………した……」ボソボソ
女刑事「はい?」
後輩「……ッ――……て、……た……」ボソボソ
女刑事「何とおっしゃったんですか?」イラ
後輩「……」
女刑事「あのですねぇ……、ちゃんと聞かせてもらわないと……」イライラ
後輩「せ……セックスしてましたぁぁぁっ!!」
女刑事「せ――……はっ、へぁ!? へぇぇぇっ!?」
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:36:17.19 ID:5qE2k+020
後輩「うっ、うぅぅぅ……っ」カァァ
女刑事「なっ、……女どっ――……、あっ、あぁ。って、えっ? えぇ……?」ワタワタ
後輩「……」カァァ
女刑事「えっ、あ……、んっ、コホンっ」
後輩「……」
女刑事「ま、まぁ、そ、そういうのは、お、お話しされなくて、だ、大丈夫、ですから」
後輩「……」
女刑事「コホ……、お聞きしたいのはセ――……それ以外で……」
後輩「ずっとセックスしてましたぁ……」
女刑事「ずずずずずっと!?」
後輩「うぅぅぅっ」カァァァッ
女刑事「4時から4時まで!?」
後輩「あ……いえ、途中で寝たので……」
女刑事「そ、そっか……。そりゃまぁ……」
後輩「1時くらいまででした」
女刑事「4時から1時!?!?」ワタワタ
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:36:53.58 ID:5qE2k+020
女刑事「4時から……」
後輩「う、うぅぅ……」カァァ
女刑事「……9時間?」マジマジ
後輩(めっちゃ見られてる……)
後輩「……」
女刑事「はぁぁ……」マジマジ
後輩「……あ、あのぉ」
女刑事「……!」ハッ
後輩「……」
女刑事「……コホッ、コホン!」
後輩「……」
女刑事「失礼、取り乱しました」
後輩「……いえ」
女刑事「それで……」
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:37:35.01 ID:5qE2k+020
後輩「……」
女刑事「1時には、眠られたんですね」
後輩「え、えぇ。大体それくらい……」
女刑事「それで、4時に起きて、銀髪さんを見送られたんですか?」
後輩「いえ……、まだ私、ソファにいて……。起きる前に、銀髪さん出て行って」
女刑事「……何故ですか?」
後輩「え?」
女刑事「何故、銀髪さんが帰った時刻が、4時だと断言できたのですか? 寝ていたのに」
後輩「あ……、そういえば」
女刑事「……」
後輩「確かに……」
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:38:03.18 ID:5qE2k+020
後輩(……何でだっけ?)
後輩(ええと……)
後輩「……、……あぁ」
後輩(そうだ)
後輩(あの時……確か、銀髪さんが帰ろうとしていて――……)
後輩(それで、行く前に私の所に……)
・
・
・
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:38:32.82 ID:5qE2k+020
・
・
・
後輩『……んぅ』ウトウト
トタ トタ
トタ
後輩(……銀髪さんの、足音……)
後輩(……帰るのかな……?)
後輩(時計――……)
後輩『……』チラ
後輩(まだ4時じゃん……)
後輩『……ん、ん』ウトウト
後輩『……』スヤ
ト トッ トッ
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:39:15.37 ID:5qE2k+020
後輩(近づいてきてる……)
後輩(でも夢かも……)
銀髪『……後輩ちゃん』
後輩『……』
後輩(……銀髪さん?)
銀髪『――、――――』
後輩『……』
後輩(銀髪さん……)
後輩(何か言い……ました……か――……?)
後輩(銀髪、さ……)
後輩『……ムニャ』スヤスヤ
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:40:06.05 ID:5qE2k+020
後輩「……一瞬、起きて……」
女刑事「……」
後輩「時計を見て……」
女刑事「なるほど」
後輩(あの時……)
後輩(あの時、銀髪さんは何を……)
後輩「……」
女刑事「……」
後輩「……」
女刑事「……?」
後輩「……」
女刑事「どうかされましt――……?」
ガチャガチャ!!
バターン!!
先輩「おぉぉーーっす!!」
後輩「!?」ビクーッ
女刑事「!?」ビクーッ
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:40:47.66 ID:5qE2k+020
先輩「おぉーい後輩ー! いるかーっ! すげぇぞ、下の駐車場!」
後輩「せ……」
先輩「すっげぇヤクザ停めしてるレガシーいた! 超バカみてーなの! 見てみれ!」
後輩「せんぱ……」
先輩「写真撮ったからインスタで晒そ――……、あ……」
後輩「……」
女刑事「……」
先輩「あ、お取込み中?」
女刑事「……、……私の車ですね」
先輩「う、うぇ?」
女刑事「失礼、停め直してきます」
後輩「……先輩、この人、警察の方で……」
先輩「うぇぇぇぇぇ!?」
・
・
・
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:41:21.35 ID:5qE2k+020
・
・
・
先輩「だーかーらー! ねぇって言ってんじゃん!」
女刑事「身分証明できるものですよ? 本当に何も?」
先輩「あぁん? 何度も言わなきゃ分かりませんかねぇ〜!?」
女刑事「……では、ご職業は?」
先輩「自営」
女刑事「具体的に」
先輩「詩人」
女刑事「…………はぁ」
先輩「あぁぁ!? 何だその『はぁ』は!? 職業差別か公務員がこの野郎ォ〜〜〜ッ!?」
後輩「先輩、ほんと……本当、やめましょうって、ねっ」
女刑事「……」
後輩「すみません……、この人こんなですけど、嘘はついてないんで……」
女刑事「そう……」
先輩「……」ガルル
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:42:04.02 ID:5qE2k+020
・
・
・
先輩「発泡酒もらうぞ〜」ガタガタガチャ
後輩「どうも、すみませんでした……」
女刑事「いえ、お気になさらず」
後輩「……」
女刑事「……では、私はこれで。ご協力、感謝します」
後輩「……あ、あの」
女刑事「はい?」
後輩「実はその……、銀髪さんが、ええと……亡くなったビルの場所、教えてほしいんですけど」
女刑事「……」
後輩「あ、これ聞いたら駄目なやつでしたか? シュヒ義務? 的な……」
女刑事「いえ、構いませんが」
後輩「ありがとうございます……」
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:42:36.17 ID:5qE2k+020
女刑事「口頭でいいですか?」
後輩「えーと……、できたらメモを」
女刑事「お待ちを」ゴソ
後輩「すみません……」
女刑事「……」カキカキ
後輩「……」
女刑事「……変わったご友人を、お持ちですね」
後輩「いえ……。お恥ずかしい限りです……」
女刑事「貴方自身も」
後輩「へ?」
女刑事「少し、変わっていますしね」フフッ
後輩「あ……」
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 22:43:06.44 ID:5qE2k+020
女刑事「失礼。……どうぞ」スッ
後輩「あ、ど、どうも」
女刑事「それでは」
ガチャ キィ
バタン
後輩「……」
後輩(笑うと……)
後輩(雰囲気変わるなぁ……)
先輩「後輩ー、『獺祭』見つけたんだけど開けていいー? 後輩ちゃーん?」
・
・
・
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/03/09(金) 22:45:55.91 ID:5qE2k+020
今日はここまでです
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/10(土) 06:12:26.84 ID:G74LAk4Xo
乙
先輩の後輩宅にいつも飲みにこれる職業って
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:04:44.61 ID:FfyBE4yg0
・
・
・
〜夕方〜
〜郊外・ビル街〜
後輩「んーと……」キョロキョロ
先輩「……」
後輩「おっかしいな……」キョロキョロ
先輩「なー」
後輩「何ですー? ……あ、こっちか」
先輩「もういいじゃんー。飲みに行こうぜー」
後輩「先輩についてきて、なんて言ってないじゃないですか」
先輩「冷てぇの」プシュッ
後輩「うーん、間違いなくこの辺りのはずなんだけど……」
先輩「……」ゴクゴク
後輩「うぅん……、刑事さん、この住所あってるんですか……」
先輩「……ぷはぁ」
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:05:27.66 ID:FfyBE4yg0
後輩「……美味しそうなの、飲んでますね」
先輩「美味いよ」グビリ
後輩「はぁ……」
先輩「こうはーい」
後輩「何ですか……」
先輩「そっちじゃない」
後輩「え?」
先輩「こっち」スタスタ
後輩「え……ちょ、先輩……?」
先輩「〜〜♪」スタスタ
後輩「ちょっと……、せんぱ……っ、先輩!」
・
・
・
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:06:26.21 ID:FfyBE4yg0
・
・
・
後輩「……」
先輩「ここだろ?」
後輩「……xxxxビル……、合ってる……」
先輩「……」カシュッ
後輩「先輩……、この場所、知ってたんですか……」
先輩「プハ……、人から聞いてな。あの界隈の連中なら、みんな知ってる」
後輩「……」
先輩「お前以外はなー」ケラケラ
後輩「……」ガチャ
先輩「鍵かかってる?」
後輩「えぇ……まぁ、当たり前ですけど」
先輩「ふぅん……」スタスタ
後輩「あ……っ、また……」
先輩「おっ」
後輩「何です?」
先輩「うぇっへっへ、非常階段〜」
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:06:56.30 ID:FfyBE4yg0
後輩「……キケン、立ち入り禁止、って」
先輩「大丈夫だろ」ヒョイ
後輩「ちょっと、先輩」
先輩「行かねぇの?」
後輩「……」
先輩「行くんだろ?」
後輩「……」ヒョイ
先輩「んふ、いけないんだー……」
後輩「もう……、アホ言ってないで」
先輩「はいはい」
・
・
・
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:07:37.06 ID:FfyBE4yg0
・
・
・
後輩「……」カンカンカン
先輩「……」ゼェゼェ
後輩「……先輩」
先輩「……お゛ぅ」ゼェゼェ
後輩「大丈夫?」
先輩「おう……」
後輩「……」
先輩「やっぱ休憩……」ゼヒー
後輩「はい」
先輩「……うぁぁ」
後輩「……」
先輩「日頃の不摂生がなぁ」
172 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:08:10.69 ID:FfyBE4yg0
後輩「先輩」
先輩「おう」
後輩「……脚、痛むの?」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「ちょっと」
後輩「……」
先輩「気圧が低いと、たまにな。今日とか」
後輩「……先輩」
先輩「謝んなよ」
後輩「……はい」
先輩「……よし、行くか」
後輩「はい……」
先輩「今何階?」
後輩「6階、多分」
先輩「うげぇ……」
・
・
・
173 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:08:40.73 ID:FfyBE4yg0
・
・
・
後輩『……』
先輩『おーっす、後輩ー、いるかぁー』
後輩『せんぱ……っ?』
先輩『なんだ、起きてるんじゃねぇか』
後輩『どうして……』
先輩『お見舞い。ほれ、おみやげ』
後輩『……』
先輩『元気そうじゃん』
後輩『……』
先輩『いい加減、学校来いよなー。ずっと休んでるんだって?』
後輩『……』
先輩『アホだなー』
後輩『ほっといてください……』
先輩『うっへへ、強がっちゃってぇ』
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:09:21.05 ID:FfyBE4yg0
後輩『先輩……』
先輩『うん?』
後輩『どうして、そんな……、平気そうなんですか……』
先輩『どうしてって?』
後輩『最後のあの試合……、私のせいで……』
先輩『……』
後輩『私のせいで、脚……駄目になったのに』
先輩『……』
後輩『私のせいで、もうテニス出来なくなっちゃったのにっ!』
先輩『お前のせいじゃねぇよ』
後輩『……だけどっ!』
先輩『本当は、ずっと良くなかったんだ』
後輩『……』
先輩『最後くらい、耐えられると思ってた』
後輩『……』
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:11:24.84 ID:FfyBE4yg0
先輩『平気だと思ってた私が、馬鹿だったんだよ』
後輩『そんな……』
先輩『それに、お前は知らなかったんだ』
後輩『……』
先輩『何も言わなかったもんなぁ、私さぁ』
後輩『……』
先輩『ごめんなぁ……』
後輩『違う……』
先輩『……』
後輩『私は……私はぁ……』グスッ
先輩『……』
後輩『気付いてたんだっ! 試合中……っ! 先輩がぁ……!』
先輩『……』
後輩『動きがっ、いつもと……っ、右のショートクロス、対応できないって……っ!』
先輩『……』
後輩『おかしいなってっ、ゥグ……ッ、分かってて……グスッ』ポロポロ
先輩『後輩……』
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:12:16.87 ID:FfyBE4yg0
後輩『なのにぃ……ヒッグ、うぅ、勝ちたくて! 先輩に勝ちたくてぇ……、わたし……わたしぃ……っ!』ポロポロ
先輩『泣くなよ、なぁ……』
後輩『……ヒック、みんなの……、みんなの言う通りなんですぅ……っ』
先輩『……みんな』
後輩『私がっ! 私が先輩を……っ!』グスグス
先輩『落ち着け、な?』
後輩『ヒック……ふ、ぐ、ぅぅぅ……ごめんなざい゛ぃ゛……』
先輩『お前は、本当に……』ナデナデ
後輩『う゛ぅ゛……』
先輩『気にしすぎなんだよ。死ぬわけじゃないし、歩けなくなるわけでも、ないんだから……』
後輩『だって……、先輩、もうテニス……』
先輩『だからさ、死にゃしないんだって。テニスなんて、できなくたって』
後輩『……』
先輩『本気だぞ』
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:12:46.66 ID:FfyBE4yg0
後輩『……だけど』
先輩『……』
後輩『先輩は……あんなに、がんばって……。あんなに練習して……』
先輩『……』
後輩『あんなにテニスが大好きで、あんなに……うぅぅっ』グスッ
先輩『また泣く』
後輩『……うっ、うぅ……』
先輩『はぁ……、しょうがないヤツだなー』
後輩『……』
先輩『心配すんなって』
後輩『……グス』
先輩『きっといつか、笑って話せるようになるさ』
178 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:13:22.96 ID:FfyBE4yg0
後輩『……』
先輩『逆に、あの時テニス、見切りつけられてラッキーだったなぁ、みたいにさぁ』
後輩『……』
先輩『酒なんか、飲みながら』
後輩『……』
先輩『お前と私でさ』
後輩『……酒飲みは』
先輩『……うん?』
後輩『嫌いです。臭いから……』
先輩『あっはっは、そっかそっか』
後輩『……』
先輩『……ま、何でもいいよ』
179 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:14:13.87 ID:FfyBE4yg0
後輩『……』
先輩『私は大丈夫だから』
後輩『……』
先輩『お前も大丈夫になれ』
後輩『……でも』
先輩『もし辛いんだったら』
後輩『……』
先輩『私が、いてやるから』
後輩『先輩……』
先輩『お前が大丈夫になるまで、お前の隣に』
後輩『……本当に?』
先輩『おう』
後輩『……大学行っても?』
先輩『もちろん』
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:15:02.16 ID:FfyBE4yg0
後輩『お、大人になっても? 先輩が――……』
先輩『だから、言ってんだろー』
後輩『……』
先輩『いつか一緒に、酒でも飲んで、笑うんだって』
後輩『……先輩』
先輩『な』
後輩『……酔っぱらい、嫌いです』
先輩『あっはは、そういうなって』
後輩『はぁ……。先輩って人は……、本当に……』
先輩『いいだろ! 大人になったら一緒に――……』
後輩『一緒に?』
先輩『飲みに行くぞー!』
後輩『はいはい……』
・
・
・
181 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:15:44.88 ID:FfyBE4yg0
・
・
・
〜屋上〜
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……落ち着きましたか、先輩?」
先輩「……」
後輩「先輩?」
先輩「……ん? ……あぁ。……もう大丈夫」
後輩「どうかしました?」
先輩「……んー、ちょっと。考え事」
後輩「……はぁ」
先輩「昔のこととか」
後輩「……」
先輩「……飲むか?」
後輩「ください」
先輩「ほら」
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:16:19.86 ID:FfyBE4yg0
後輩「……」カシュッ
先輩「10階って、結構高いな」
後輩「ですね……」ゴク
先輩「普通にフェンスあるんだけどなー……」
後輩「あ、ここ……」
先輩「ん」
ギシギシ
キィ
後輩「壊れてる」
先輩「銀髪さんが壊したんかな?」
後輩「どうですかね……」
先輩「……ふーん」キィ
後輩「飲みます?」
先輩「ちょうだい」
後輩「どうぞ」
先輩「……」グビ
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:17:00.95 ID:FfyBE4yg0
後輩「……高」
先輩「……」
後輩「うわぁ……」
先輩「……」グビ
後輩「真っ暗だぁ……」
先輩「後輩ちゃんさー」
後輩「はい?」
先輩「どうしたん? 急に」
後輩「……」
先輩「銀髪さんがトんだ場所が見たい、なんて」
後輩「いえ、別に……」
先輩「……」
後輩「特に意味は、ないんですけど」
先輩「ふぅん」
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:17:45.50 ID:FfyBE4yg0
後輩「ただ……、なんて言うか……」
先輩「……」
後輩「思い出したんですよ」
先輩「何を?」
後輩「……銀髪さんに、最後に……、私の家、出ていくときに、何か、言われて」
先輩「何言われたん」
後輩「や、何か言われたんですけど……」
先輩「うん」
後輩「何言われたか、思い出せなせないんですよね」
先輩「何だそりゃ」
185 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:18:34.15 ID:FfyBE4yg0
後輩「ちょっと、気になっちゃって」
先輩「……」
後輩「何て言ったんだろうなぁ、って……」
先輩「それで? ここに来れば、思い出すかも、って?」
後輩「いえ、ただ……」
先輩「……」
後輩「銀髪さんが、何考えてたのか。ちょっとは、分かるかと思って……」
先輩「……分かった?」
後輩「いえ、全然」
先輩「だろうな」
186 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:19:02.65 ID:FfyBE4yg0
後輩「先輩は」
先輩「……ん?」
後輩「分かりますか? 銀髪さんが――……」
先輩「知らん」
後輩「……そっか」
先輩「……」
後輩「暗……」
先輩「……」
後輩「おっかないなぁ……」
先輩「……」グビ
後輩「……」
先輩「……お前さ」
後輩「はい?」
先輩「……。……、……やっぱ何でもない」
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:19:31.47 ID:FfyBE4yg0
後輩「言ってよ」
先輩「ん〜……」
後輩「……」
先輩「……何か」
後輩「……」
先輩「引きずられてるねぇ、後輩ちゃんよう」
後輩「何に」
先輩「過去に」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……引きずってる、でしょう?」
先輩「引きずってるヤツっていうのは、それでも進んでるヤツだよ」
後輩「……」
先輩「……背負いこんで、ヨチヨチしか歩けなくてもな」
後輩「……クサい台詞」
先輩「そう?」
188 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:20:14.14 ID:FfyBE4yg0
後輩「……」
先輩「もっと、気楽に生きろよ」
後輩「……それは」
先輩「……」
後輩「……だけど、どうしたらいいか」
先輩「……」
後輩「色んなこと、忘れようとしても」
先輩「……」
後輩「……忘れられなくて……」
先輩「……」
後輩「酔っ払っても……、フラフラになるまで飲んでも、私は……」
先輩「……」
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:22:33.20 ID:FfyBE4yg0
後輩「ねぇ、先輩……」
先輩「おう……」
後輩「私のせいだって、考えてしまうのって……、おかしいでしょうか?」
先輩「……」
後輩「もし、あの人の最後の言葉を……、私が聞いてあげられていたなら、って……」
先輩「……」
後輩「私のせいで……、銀髪さんも……」
先輩「後輩」
後輩「分かってるんです……、それもきっと、思い過ごしで」
先輩「……」
後輩「私なんかが……、あの人の何かを左右できるって、思うこと自体が傲慢で……」
先輩「後輩ちゃん」
後輩「はい……?」
先輩「……こっち来て」
後輩「……? あの……」
先輩「……」ガシ
190 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:24:10.14 ID:FfyBE4yg0
後輩「あっ……」
先輩「……」ギュウ
後輩「先輩……」
先輩「言ったろ」
後輩「……」
先輩「私が、お前の隣にいてやるって」ギュッ
後輩「……」
先輩「……後輩」ナデナデ
後輩「……」
先輩「……あのさ」
後輩「……」
先輩「私は……」
後輩「……」スッ…
先輩「……あ」
191 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:24:55.47 ID:FfyBE4yg0
後輩「……」
先輩「……こうは――……」
後輩「私は……」
先輩「……」
後輩「……十分、ですから……」
先輩「……」
後輩「今のまま……、先輩が……、一緒にいて」
先輩「……」
後輩「……一緒にいてくれて、遊んでくれて……、それだけで……十分……」
先輩「……」
後輩「だから……」
192 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:25:49.37 ID:FfyBE4yg0
先輩「だったら」
後輩「……」
先輩「だったらさぁ……」
後輩「……」
先輩「そんな顔、すんなよ……」
後輩「……」
先輩「そんなさぁ……」
後輩「……ごめんなさい」
先輩「また謝る」
後輩「……」
先輩「フゥ……」
後輩「……」
先輩「行くか、そろそろ」
後輩「はい……」
193 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:27:32.58 ID:FfyBE4yg0
先輩「死人の臭いで辛気臭くなっちゃったじゃん」
後輩「クソ失礼ですね」
先輩「さっさと酔っ払って、スカッとしようぜー」
後輩「はいはい……」
先輩「『はせ川』行くかー」
後輩「転ばないでくださいよ。脚、ガックガクじゃないですか」
先輩「おーんぶ」
後輩「やーです」
先輩「……あの、肩くらい貸してね? 先輩、マジで転び死にしちゃう……」
後輩「はぁ……」ガッシリ
先輩「うぇっへっへ、ありがとー……」
後輩「気を付けてくださいね」
先輩「おう。……あ、そうだ」
後輩「……はい」
194 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:28:12.30 ID:FfyBE4yg0
先輩「お前さ、土日どっか、暇作れない?」
後輩「え?」
先輩「旅行、しようぜ」
後輩「旅行……」
先輩「いいだろ? 一泊くらいしてさ。女二人ぶらり温泉旅」
後輩「温泉……」ゴクリ
先輩「なっ?」
後輩「……べ、別に……、いいですけど」
先輩「よし、決まり決まり!」
後輩「……でも旅行って、どこ行くつもりなんです?」
先輩「新潟」
・
・
・
195 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:28:58.30 ID:FfyBE4yg0
・
・
・
〜駅〜
先輩「……」
先輩「……ん〜」ボケー
先輩(早く着きすぎたなぁ)
先輩「……」
先輩「……フワァ」
後輩「せんぱ〜〜〜い!」
先輩「……お、こうh」
196 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:29:37.62 ID:FfyBE4yg0
後輩「おっまたっせしましたぁ〜♪」キラキラ
先輩「……」
後輩「わっ、すごぉ〜い! 先輩がちゃんと時間通りに来てるっ!」
先輩「……」
後輩「うふふっ、これは雨が降っちゃうかもしれませんねぇ〜?」
先輩「……」
後輩「なぁんてっ! 向こうもバッチリ晴れみたいですよっ!」キラキラ
先輩「……」
後輩「楽しみですねぇ〜! さっ! 行きましょ! 早く早くぅ!」キラッ
先輩「だ……」
後輩「だ?」
先輩「誰だお前!?」
後輩「あははっ、先輩ってばヒドぉい」キラキラ
197 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:30:31.26 ID:FfyBE4yg0
先輩「ど、どど、どうしたの、後輩ちゃん……」
後輩「うふ。新潟と言えば」
先輩「新潟と言えば?」
後輩「美味しい魚と」
先輩「うん」
後輩「美味しい日本酒!」
先輩「……」
後輩「うふふ……、だからね、先輩」
先輩「……は、はい」
198 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/11(日) 21:31:20.60 ID:FfyBE4yg0
後輩「私……、今日、この旅行のために……」
先輩「……」
後輩「……最高の状態で、お酒を飲むために……」
先輩「……」
後輩「ふふ……二週間ほど、禁酒をしまして……」
先輩「……」
後輩「……うふふ、ピークなんですよぉ、今まさにぃ……、ふふ……」
先輩「……」
後輩「……ふ、うふ……うふふ……」
先輩「……」
先輩(こんなにアホだったかなぁ、この子)
後輩「さっ! 行きましょう、先輩っ!」キラキラッ
先輩「……う、うん、そうね」
後輩「あ〜っ、楽しみだなぁ〜!」
199 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/11(日) 21:36:01.05 ID:FfyBE4yg0
今日はここまでです
立ち入り禁止の建物に入るのはやめましょう
200 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/12(月) 00:45:45.20 ID:y42qhCMZo
乙
後輩ちゃんが読めんな
201 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/12(月) 06:33:13.61 ID:JE405DMno
乙
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/12(月) 07:16:26.90 ID:/k/CGl9xo
これがキラ付けってやつか…
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 22:51:41.43 ID:YjXNxsDe0
・
・
・
〜新幹線〜
先輩「……スカー」
後輩「……」スヤスヤ
先輩「……スピー」
後輩「……」ムニャムニャ
・
・
・
204 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 22:52:16.16 ID:YjXNxsDe0
・
・
・
〜新潟駅〜
先輩「着いたぁーっ!」
後輩「よく寝た……」
先輩「ガッツリ寝てたな、お前」
後輩「先輩こそ」
先輩「さぁて……」キョロキョロ
後輩「それで、どこ行くんですか?」
先輩「ん、それはな……。えーっと……」キョロキョロ
後輩「?」
先輩「あ、あれだ」
後輩「えぇ?」
先輩「おぉ〜い! こっちこっち〜!」
「あっ、どうも……!」
後輩「なっ……!?」ギクッ
205 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 22:52:57.41 ID:YjXNxsDe0
先輩「うぇっへっへ、どうもね」
後輩「ぎ……っ」
「遠いところから、わざわざ」
後輩「銀髪……さん……?」
「えっ?」
先輩「後輩、こちら銀髪妹さん」
後輩「……」
銀髪妹「えっと……、はじめまして、後輩さん」
後輩「……」
銀髪妹「先輩さんも……、はじめまして」
先輩「ありがとね、急に連絡したのに」
銀髪妹「いえ……、よくいらっしゃって……」
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 22:53:33.06 ID:YjXNxsDe0
後輩「い、妹、さん……?」
銀髪妹「はい」
先輩「話は聞いてたけど、マジでそっくりだね」
後輩「いや、似すぎでしょ……」
銀髪妹「あはっ……、よく言われます……」
後輩「……」
後輩(銀髪さん……、妹いたんだ……)
後輩「……」ジー
銀髪妹「……?」ニコッ
後輩(銀髪さん、清楚Ver……)
銀髪妹「立ち話も何ですから……。車、用意してますので……」
先輩「悪いね」
後輩「ど、どうも……」
207 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 22:54:22.72 ID:YjXNxsDe0
先輩「びっくりした?」
後輩「はぁ……、心臓止まるかと思いました……」
銀髪妹「どうぞ」
先輩「うぉっ」
後輩「……アウディですよ、先輩さん」ヒソヒソ
先輩「A4ですよ、後輩さん」ヒソヒソ
銀髪妹「ち、中古車ですから……」
先輩「お嬢様だ、お嬢様」ヒソヒソ
後輩「とんだイイトコのお嬢様ですよ……」ヒソヒソ
銀髪妹「あ、あははは……」
208 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 22:55:02.22 ID:YjXNxsDe0
〜車内〜
先輩「へぇ……、二卵性なんだ」
後輩「こんなに似るもんです? 二卵性って」
銀髪妹「ふふ、小さいころは、もっとそっくりで……」
後輩「はぁ〜……」
銀髪妹「みんなから、よく言われました。見た目だけは瓜二つだって」
後輩「……ほんと、瓜二つ」
先輩「見た目”だけは”、ねぇ……」
銀髪妹「そうなんですよ……、中身は昔から、正反対で」
先輩「ふぅん……」
銀髪妹「姉は昔から……、自由で気ままな人でしたし……」
後輩「昔から、ですか」
銀髪妹「えぇ……、一時は、結構荒れたこともあって……」
先輩「何か、想像つく」
後輩「先輩、ちょっと……」
銀髪「あはは、多分想像通りだと思います……」
209 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 22:55:53.21 ID:YjXNxsDe0
銀髪妹「両親との折り合いも悪くて……」
後輩「……」
銀髪妹「しょっちゅう喧嘩ばっかり」
先輩「……」
銀髪妹「それでとうとう、勘当されて……、勘当ですよ? 今時……。父が、本気で勘当しちゃって」
先輩「あはは、本気の勘当かぁ」
銀髪妹「私は、そんな姉とは正反対で……」
後輩「……」
銀髪妹「親の言うこと、何でも素直に聞いてる『良い子ちゃん』……」
先輩「それ、銀髪さんが言ったの?」
銀髪妹「えぇ」
後輩「……」
210 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 22:56:51.46 ID:YjXNxsDe0
先輩「仲、悪かったんだ」
後輩「先輩……」
銀髪妹「いえ……、その通りですから……」
後輩「……」
銀髪妹「あの人は、気に入らなかったと思います……、はいはい、って言ってるだけの私が、私ばっかり、親に構われて」
後輩「……」
銀髪妹「あの人は、やることなすこと、何でも否定されて……」
後輩「……」
銀髪妹「比べられて、冷たくされて」
後輩「じゃあ、喧嘩とか、したんですか……?」
銀髪妹「喧嘩……、いえ……」
後輩「……」
銀髪妹「話せばギスギスするの分かってたから、だからお互い、近寄らないようにしてて……」
後輩「……」
銀髪妹「結局、最後まで……、そのままでした……」
後輩「……」
銀髪妹「最後の、最後まで」
211 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 22:58:01.94 ID:YjXNxsDe0
先輩「……まぁ」
銀髪妹「……」
先輩「そういうもんだよ。喧嘩のひとつもしてやろうって、思っても」
後輩「……」
先輩「思ったときには、相手はいない、とかさ……」
後輩「……」
先輩「なんだかなぁ、って感じだけど。そんなもん。……世の中さ、そんなもんだよ」
後輩「……」
銀髪妹「……かも、知れませんね」
先輩「……」
銀髪妹「……着きました、ここです」
後輩「着いた、って……?」
・
・
・
212 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 22:58:41.01 ID:YjXNxsDe0
・
・
・
ガチャ
バタン
先輩「ん〜〜っ!」ノビー
後輩「……」
先輩「……っはぁ。……静かだねぇ」
後輩「……ここは?」
銀髪妹「姉の、お墓です」
後輩「……」
銀髪妹「……まぁ、正確には、我が家の一家の墓、ですけど」
後輩「……」
先輩「どの辺?」
銀髪妹「ご案内します……」
・
・
・
213 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 22:59:08.39 ID:YjXNxsDe0
・
・
・
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……ナムナム」
後輩「……ナムナム」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「お花でも、買ってくればよかったのに」
先輩「そういやそうだな」
銀髪妹「いえ……、こうやって、手を合わせていただけただけで」
先輩「……」
銀髪妹「……姉も、喜んでいると思います」
先輩「……本当に?」
銀髪妹「あ、あはは……、本当はモノかお金の方が、喜びそうですけど……」
先輩「分かる」
後輩(分かってしまう……)
214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 23:00:03.44 ID:YjXNxsDe0
後輩「……ナムナム」
後輩「……」
後輩(……静か、だなぁ)
後輩(銀髪さん……)
後輩(本当に、死んじゃったんだなぁ……)
後輩「……」
先輩「……」
銀髪妹「……」
後輩(銀髪さん……)
後輩(貴方は……)
後輩(最期に、私に……、なんて言ったんでしょうか……?)
後輩(大事な……、ことだったんでしょうか……?)
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……」
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 23:00:38.99 ID:YjXNxsDe0
先輩「後輩」
後輩「……えぇ、もう……、終わりにしますから」
先輩「……」
後輩「……ふぅ」
銀髪妹「……」
後輩「……お待たせしました」
銀髪妹「いえ……、ありがとうございます……」
先輩「悪いね。結構、無理言っちゃったでしょ」
銀髪妹「いえいえ、まぁ……父にさえ見つからなければ」
後輩「……あ、そんな感じなんですね」
銀髪妹「すみません……、父は、なんて言うか……、姉の交友関係を、その……、快く思っていなくて」
後輩「あぁ」
先輩「ロクデナシばっかだもんなぁ、あの人の周り」
後輩「先輩もでしょ」
先輩「お前もだろ」
銀髪妹「すすすすみません! すみません!」
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 23:01:20.81 ID:YjXNxsDe0
銀髪妹「そもそも、自分で勘当したのに……」
後輩「……」
銀髪妹「亡くなってから、無理矢理みたいに引き取って、こうして家の墓にいれるなんて」
後輩「……」
銀髪妹「勝手な話ですよね……。姉も、口がきけたらきっと、文句言ってたと思いませんか?」
先輩「それだけ銀髪さんのこと、思ってたってことなんじゃない? 本当は」
銀髪妹「……」
先輩「言えなかっただけで。手遅れになるまで」
後輩「……」
銀髪妹「えぇ……、そう……ですね。きっとそう……」
後輩「……」
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 23:01:51.20 ID:YjXNxsDe0
銀髪妹「両親は、きっと……姉のことは、大切にしていて……」
後輩「……」
銀髪妹「私より……、……っ」ハッ
先輩「……」
後輩「……」
銀髪妹「す、すみません。勝手に色々と。い……行きましょうか」
先輩「うん。……後輩」
後輩「はい……」
・
・
・
218 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 23:02:19.80 ID:YjXNxsDe0
・
・
・
219 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 23:02:54.41 ID:YjXNxsDe0
・
・
・
銀髪妹「ホテル、すみません……私の名前で取らせてもらったので……」
先輩「悪ぃね」
後輩「あ、ありがとうございます」
銀髪妹「30分くらいで着きますので」
先輩「妹さんさ、一杯くらいご馳走させてよ。色々お世話になっちゃったし」
銀髪妹「い、いえ……そんな……、悪いですよ」
先輩「気にしなくていいってぇ。帰り、代行使ってさぁ。車代くらい、こっちで持つし」
銀髪妹「いえいえ……、本当に……。子供も待ってることですし……」
後輩「あ……、お子さん、いらっしゃるんですね」
銀髪妹「えぇ」
先輩「へぇ〜……、いくつくらい?」
銀髪妹「上の子が、今年10歳で」
先輩「10歳!?」
後輩「10歳!?」
220 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 23:04:08.57 ID:YjXNxsDe0
銀髪妹「あはは……」
後輩「いや、ちょ、銀髪さんと同い年だからぁ……」
先輩「どうしよ後輩ちゃん、わたしさんすうできない」
後輩「わたしもひきざん、ちょっとできない、これ、ちょっと……」
銀髪妹「……えっと、それで真ん中の子が――……」
先輩「真ん中!」
後輩「真ん中の子!」
先輩「上中下!!!」
後輩「上下でもなくて!!!」
銀髪妹「あ、いえ、その」
先輩「やることやってんじゃねーかこの野郎ー」
後輩「なーにが『良い子ちゃん』ですかこの野郎ー」
先輩「やっぱり妹だわあの人の」
後輩「血ですね、抗えない血。おっかねぇ」
銀髪妹「あ、あは、あははは…………」
・
・
・
221 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 23:04:58.93 ID:YjXNxsDe0
・
・
・
銀髪妹「着きましたよ」
先輩「おー、これかぁ」
後輩「うわ、普通にいいとこだ……」
銀髪妹「明日、チェックアウトの時間になったら、迎えに来ますので」
後輩「そこまでしてもらわなくても……」
銀髪妹「いえ、お気になさらず……。私がしたくて、そうさせてもらってるんです……」
後輩「え……」
銀髪妹「……今日は、お二人にお会いできて、本当に良かった」
先輩「……」
後輩「……」
銀髪妹「姉は……」
後輩「……」
222 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 23:05:41.11 ID:YjXNxsDe0
銀髪妹「あの通りの性格で……、周りからは、いつも浮いていましたし……」
後輩「……」
銀髪妹「誰からも理解されなくて……、私だってそうで……。いつも、ひとりぼっちで……」
後輩「……」
銀髪妹「だから、自分で命を絶ったって、聞かされて……」
後輩「……」
銀髪妹「……思ったんです。あの人は……、最期まで、たったひとりきりだったんだ、って……」
後輩「妹さん……」
223 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 23:06:47.49 ID:YjXNxsDe0
銀髪妹「でも、お二人に会えて」
後輩「……」
銀髪妹「そうじゃなかったんだって、分かりました」
後輩「……」
銀髪妹「知らない人ばかりの、知らない土地に行ってしまったけど」
後輩「……」
銀髪妹「こうして、姉のことを……、いなくなってしまった後でも、考えてくれている人がいたんだって、知れて……」
後輩「……」
銀髪妹「私……、嬉しかったです……」
先輩「そんな、大層なもんじゃないけどね」
後輩「えぇ……」
銀髪妹「それでも……。それでもです……。ありがとうございました」
後輩「い、いえっ、こ……こちらこそ! 銀髪さんには優しくしていただいて……っ」
先輩「優しく、ねぇ」
後輩「ちょっと、黙って」
先輩「うぇっへっへ」
224 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 23:07:41.18 ID:YjXNxsDe0
銀髪妹「何もない場所ですけど……、ぜひ、くつろいでいってください……」ニッコリ
後輩「ど、どうも……」
先輩「それじゃ、また」
銀髪妹「えぇ」
後輩「またです」
先輩「じゃ後輩、行くか」
後輩「はい」
銀髪妹「あの……、先輩さん……」
先輩「うん?」
銀髪妹「……」
先輩「どうかした?」
225 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 23:08:13.36 ID:YjXNxsDe0
銀髪妹「先輩さんは、さっき……『そんなもんだ』って、言いましたよね」
先輩「んん?」
銀髪妹「喧嘩したいときには……、……言いたいときには、相手はいない。世の中そんなもんだ、って」
先輩「あぁ」
銀髪妹「……だけど……、きっと、そうじゃないんですよ……」
先輩「……」
銀髪妹「言えたんです、きっと……。私は、あの人に……」
先輩「……」
銀髪妹「貴方なんて嫌いだ、って」
先輩「……」
銀髪妹「だけど……、だけど本当に、辛かったら、帰ってきてほしい、って……」
先輩「……」
226 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 23:09:08.47 ID:YjXNxsDe0
銀髪妹「父だって、本当は……、言えたはずなんです。……すまなかったと」
先輩「……」
銀髪妹「言えたのに、言わなかった」
先輩「……」
銀髪妹「本当は……、私は……」
先輩「……」
銀髪妹「私だって……、辛かったんだぞ、って……」
先輩「……」
銀髪妹「『良い子ちゃん』は『良い子ちゃん』なりに……、苦労があるんだぞって……」
先輩「……」
銀髪妹「言えたんです。言えた。言えたのに。言えたことを――……、言えば、言っていれば……」
先輩「……」
銀髪妹「……、だから、先輩さん……」
先輩「……」
227 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/12(月) 23:09:55.75 ID:YjXNxsDe0
銀髪妹「『そんなもん』なんかじゃない……、ただ私が、言わなかっただけ。伝えなかっただけ――……」
先輩「……」
銀髪妹「すべきことを、しなかっただけ」
先輩「……」
銀髪妹「それだけなんです……」
先輩「……そっか」
銀髪妹「……」
先輩「ごめんね」
銀髪妹「いいえ……、こちらこそ……」
先輩「……そっかぁ」
後輩「先輩ー? せんぱーい! チェックインしちゃいましょうよー」
先輩「おー、今行くー!」
銀髪妹「それでは、また」ニッコリ
先輩「うん。ありがとね」
・
・
・
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/03/12(月) 23:11:43.89 ID:YjXNxsDe0
今日はここまでです
もう少しで終われると思います、終わりたい、終われたらいいなぁ(願望)
お読みくださっている方、ありがとうございます
よろしければ今しばらく、お付き合いのほどを
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/13(火) 04:55:16.11 ID:jLThi2wao
乙
着地点がきになる
230 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/13(火) 08:38:22.70 ID:dnCT65W1O
先輩が八神コウで再生される
乙
231 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:14:04.32 ID:HZjvN4010
・
・
・
〜ホテル客室〜
先輩「はあっ!?」
後輩「ふわ……っ!?」
先輩「……」
後輩「ひ、ひろ……」
先輩「……」
後輩「これ……、部屋取り間違えたんじゃないですか、妹さん……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……よし」
後輩「……はい」
先輩「考えないことにしよう」
後輩「はい」
先輩「オーシャンビュー!」
後輩「オーシャンビュー!」
・
・
・
232 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:14:34.36 ID:HZjvN4010
・
・
・
〜卓球施設〜
後輩「大仏サーブ!」カコンッ
先輩「見ぃ切ったぁぁ!」スカッ
・
・
・
233 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:15:05.64 ID:HZjvN4010
・
・
・
〜露天風呂〜
後輩「貸し切りだぁ……」
先輩「最高だな」
後輩「わぁぁ……」
先輩「はぁぁ……」
後輩「きれいな夕焼け――……」
先輩「西日がきついな」
後輩「……」
先輩「……何だよ」
後輩「それでも詩人ですか……」
先輩「ほっとけ」
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:15:49.24 ID:HZjvN4010
先輩「うぁー……」ザプン
後輩「うぁー……」ザブン
先輩「先に出た方がコーヒー牛乳オゴリな」
後輩「中学生ですか」
先輩「……はぁ〜、あったまる〜」
後輩「……先輩」
先輩「ん?」
後輩「今日は……ありがとうございます、誘ってくれて」
先輩「あはは、何だよもう」
後輩「……私が、銀髪さんのこと、ずっと気にしたから」
先輩「……」
後輩「それで、連れてきてくれたんですよね? ここまで」
先輩「別に、それだけじゃねーって」
後輩「そうです?」
先輩「銀髪さんのお墓参りしたかったしな、私も」
後輩「……」
先輩「あと、温泉入りたかったのもマジだし」
後輩「あはは、なるほど」
235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:16:27.74 ID:HZjvN4010
先輩「面白い人にも会えたしな」
後輩「似すぎですよね、妹さん……」
先輩「……本人だったりして」
後輩「え」
先輩「自殺の真相は、実は偽装工作だった! 本人は髪を黒に戻し、妹の名を借りて新潟へ――……」
後輩「あ、あはは、いやまさか……」
先輩「我々はハメられていたのだよ、ワトソン君……」
後輩「い、いや、いやいや! でもほら、お墓もちゃんとあったし、警察の人とかも――……」
先輩「冗談だっての」
後輩「……」
先輩「分かれよ」
後輩「わ、分かってましたよう……」ブクブク
236 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:17:33.69 ID:HZjvN4010
後輩「でも、なんか……」
先輩「ん?」
後輩「銀髪さんにも、人並みの過去があったんですね……」
先輩「当たり前だろ」
後輩「まぁ、当たり前ですけど」
先輩「……」
後輩「……当たり前、ですけど。親と仲悪かったり、こんなとこ出てってやるー、って思ったり……」
先輩「……」
後輩「あの人にも、そういう、当たり前の昔があったんだって……」
先輩「……」
後輩「私、全然知らなくて……」
先輩「私だって、知らなかったよ」
後輩「知らなくても、知らないままで……、一緒にいたんですよねぇ」
先輩「……みんな、誰だってそうだろ」
237 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:18:15.08 ID:HZjvN4010
後輩「誰だって……」
先輩「そりゃそうだろ。私だって、昔は色々あったし」
後輩「……先輩も?」
先輩「おう。……お前だってさ」
後輩「そりゃまぁ……」
先輩「……過去なんて」
後輩「……」
先輩「何があっても、何があったか、知らなくても。知ってたって」
後輩「……」
先輩「それで、一緒にいたって、いいだろ? 別に」
後輩「……そう、かもしれませんね」
238 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:18:44.65 ID:HZjvN4010
先輩「それで」
後輩「……はい?」
先輩「思い出せそう?」
後輩「え?」
先輩「銀髪さん、最期に言ったこと」
後輩「ふふ……、それが、さっぱり」
先輩「……そっか」
後輩「……でも、それでいいのかもしれませんね」
先輩「ん?」
後輩「……引きずってる、いえ……引きずられているより」
先輩「……」
後輩「『そんなもん』って割り切っちゃえば」
先輩「『そんなもん』……か」
239 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:19:30.64 ID:HZjvN4010
・
・
・
――ただ私が、言わなかっただけ。伝えなかっただけ――
――すべきことを、しなかっただけ――
・
・
・
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:20:05.27 ID:HZjvN4010
・
・
・
先輩「……」
後輩「そう思いません?」
先輩「……どうだろうな」
後輩「えぇー、何ですか、それ」
先輩「分かんね……」
後輩「……むぅ」
先輩「後輩ちゃん」
後輩「何です?」
先輩「背中流してあげよっか」
後輩「えっ!? い、いや、いいですよ、そんなのっ! 何でですか!」
先輩「うぇっへっへ……」
・
・
・
241 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:20:33.34 ID:HZjvN4010
・
・
・
〜お部屋〜
後輩「はい……どうぞ」トプトプ
先輩「おっとっと」
後輩「んふふ」
先輩「ほい、そっちも」トプトプ
後輩「おっとっと」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「じゃ」
後輩「はい」
先輩「かんぱーい」
後輩「かんぱーい」
242 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:21:03.68 ID:HZjvN4010
先輩「……」グビグビ
後輩「……」グビグビ
先輩「……」
後輩「……」
先輩「うまぁぁい!」
後輩「……」
先輩「なんだこりゃ! すごい! うまい! すごい!」ゴクゴク
後輩「……」
先輩「はぁー……、これはいい酒だぁ――……、後輩ちゃん?」
後輩「オイシイ……オイシイ……」ポロポロ
先輩「泣くなよ……」
243 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:21:30.50 ID:HZjvN4010
先輩「カニうまっ!」
後輩「カキうまっ!」
先輩「刺身うまっ!」
後輩「お米うまっ!」
先輩「……」ゴクゴク
後輩「……」ゴクゴク
先輩「酒うまっ!!」
後輩「酒うまっ!!」
先輩「うぇっへっへへへ、うぁー、最高だぁー……」グビグビ
後輩「あー、やばいよぅ、駄目になるぅ、アホになるぅ……」グビリ
先輩「なれなれ」
後輩「なりまーす。なりましたー」
・
・
・
244 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:21:56.49 ID:HZjvN4010
・
・
・
245 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:22:25.89 ID:HZjvN4010
・
・
・
先輩「はぁ〜……」
後輩「……」
先輩「美味しかったねー」
後輩「ですね」
先輩「……」
後輩「……ふぅ」
先輩「どうする? 後でもう一回、温泉いく?」
後輩「あー……、何時まででしたっけ?」
先輩「あ、分かんねえや」
後輩「後で見てきます」
先輩「おう」
後輩「……」
先輩「……」
246 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:22:57.83 ID:HZjvN4010
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……あの」
先輩「ん?」
後輩「……ちょっと、散歩してきます」
先輩「どこ行くん?」
後輩「……海、近いから」
先輩「見えねーだろ、真っ暗だし」
後輩「まぁ……。でも、せっかくなんで」
先輩「ふーん」
後輩「……」
先輩「気をつけてな」
後輩「えぇ」
・
・
・
247 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:23:31.44 ID:HZjvN4010
・
・
・
〜海岸〜
ザザァ
ザァ
後輩「……」
後輩「……」
後輩(本当に真っ暗だ……)
後輩(波の音はするけど……)
後輩(何も見えなくて……)
後輩「……」
後輩「……」
後輩(……ちょっと)
後輩(怖いな……)
ザザァ
ザザーン
後輩「……」
後輩「……」
248 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:24:11.01 ID:HZjvN4010
後輩「……」
後輩「……風強い」
ザザァ
先輩「後輩ー」
後輩「うわっ」ビクッ
先輩「何ビビッてんだよ」
後輩「せ、先輩……。どうしたんですか……」
先輩「へっへ、私も散歩」
後輩「そうですか……」
ザァ
ザザン
先輩「……」
後輩「……」
先輩「ん〜〜っ……」ノビー
後輩「……」
先輩「……っはぁ」
後輩「……」
先輩「真っ暗だなぁ」
後輩「……ですね」
249 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:24:44.26 ID:HZjvN4010
先輩「お前、あんま飲まなかったな」
後輩「えぇ……、何か今日は、酔いつぶれちゃうの、勿体ない気がして」
先輩「はは、分かる」
後輩「ね」
先輩「……」
後輩「……」
ザザーン
ザザァ
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……先輩」
先輩「……んー?」
後輩「私ね……」
250 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:25:21.21 ID:HZjvN4010
先輩「うん」
後輩「……銀髪さんと、最後に会った日」
先輩「……」
後輩「……あの日、話したのって……」
先輩「……」
後輩「先輩のことで……」
先輩「……」
後輩「銀髪さんに、言われたんです」
先輩「……」
後輩「私は、先輩のこと……、どう思ってるのか、って」
先輩「……うん」
後輩「それで……」
・
・
・
251 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:25:53.95 ID:HZjvN4010
・
・
・
銀髪『そういう風に、先輩ちゃんを未来永劫、束縛し続けるわけか』
銀髪『だって、そうだろう? どう思ってるかも、はっきりさせない。どうするつもりもない』
銀髪『ただひたすらに、隣に置いておくだけ』
銀髪『宙ぶらりんなまま、引き寄せもせず、突き放しもせずにね』
・
・
・
252 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:26:35.63 ID:HZjvN4010
・
・
・
後輩「私は……、私って……」
先輩「……」
後輩「先輩のこと、束縛しちゃってるのかなぁ……」
先輩「……」
後輩「そうなのかもなぁ……」
先輩「……」
後輩「そうだとしたら、ねぇ、先輩……」
先輩「……」
後輩「先輩、私って……」
先輩「……」
後輩「本当に、嫌なヤツですね」
先輩「……」
後輩「ほんとに……、自分でも嫌になるくらい……」
253 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:27:05.32 ID:HZjvN4010
先輩「……お前」
後輩「はい……?」
先輩「言いたくないって言ってたじゃん」
後輩「……そうなんですけど」
先輩「……」
後輩「でも、何か……」
先輩「……」
後輩「今日、ここに来たら。なんでしょう……、言わなきゃいけない、気がして……」
先輩「……」
後輩「銀髪さんに会ったからかなぁ……、墓前ですけど……」
先輩「……」
254 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:27:41.71 ID:HZjvN4010
後輩「言い残した、伝え忘れたことがあるって」
先輩「……」
後輩「……何か、もしかしたら……」
先輩「……」
後輩「すごく、悲しいのかなぁ、って」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
ザザァ
ザァ
後輩「……」
先輩「……」
255 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:28:19.26 ID:HZjvN4010
後輩「先輩……」
先輩「……私は」
後輩「……」
先輩「思ったことねーよ、束縛されてるなんて」
後輩「……ですか」
先輩「もし、さ……、たとえ本当に、そうだとしても……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「そうだとして、も……?」
先輩「……」
後輩「先輩……?」
256 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:29:01.29 ID:HZjvN4010
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
先輩「『そんなもん』なんかじゃない、かぁ……」
後輩「なんです?」
先輩「なぁ、後輩」
後輩「はい?」
先輩「……多分さ」
257 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:29:37.56 ID:HZjvN4010
後輩「……」
先輩「私、違ったんだよ」
後輩「え?」
先輩「一緒にいてやるって、……私がお前の、隣にいてやるって……」
後輩「え、あの……」
先輩「言ったよな」
後輩「……」
・
・
・
先輩『もし辛いんだったら』
先輩『私が、いてやるから』
先輩『お前が大丈夫になるまで、お前の隣に』
・
・
・
258 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:30:13.05 ID:HZjvN4010
後輩「はい……」
先輩「でもさ」
後輩「……」
先輩「違ったんだよ」
後輩「……え」
先輩「間違いなんだ」
後輩「な、何ですか……、それ……」
先輩「……」
後輩「私は、先輩と――……!」
259 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:31:18.52 ID:HZjvN4010
先輩「一緒にいて”やる”だなんてさ」
後輩「……っ」
先輩「そうじゃなかったんだ」
――言えた。言えたのに。言えたことを――……、言えば、言っていれば……――
後輩「せんぱ……っ」
先輩「私が、お前といたかったんだよ」
後輩「……」
先輩「一緒に」
後輩「私と……」
先輩「後輩と、一緒にいたくて、一緒にいてほしくて……」
後輩「……」
260 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:31:48.88 ID:HZjvN4010
後輩「……」
先輩「多分、最初からそうだったんだ」
後輩「……」
先輩「やっと分かったよ」
後輩「……」
先輩「やっと認められた」
後輩「……」
先輩「後輩」
後輩「……」
先輩「好きだよ」
後輩「……」
・
・
・
261 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:32:14.58 ID:HZjvN4010
・
・
・
262 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:32:40.19 ID:HZjvN4010
・
・
・
〜お布団〜
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……手」
後輩「……」
先輩「繋いだまま寝るん?」
後輩「はい」
先輩「そっか」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……」
263 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:33:18.09 ID:HZjvN4010
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……先輩」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……先輩」
先輩「……」
後輩「私も、好きです……」
先輩「……」
後輩「多分、初めて会った時から、ずっと……」
先輩「……」
264 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:33:45.20 ID:HZjvN4010
後輩「……ねぇ、先輩」
先輩「……」
後輩「……寝ちゃった?」
先輩「……起きてるよ」
後輩「わっ……」
先輩「……うぇっへっへっへぇ」
後輩「もう……」
265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:34:26.83 ID:HZjvN4010
先輩「後輩ちゃーん」
後輩「はいはい……」
先輩「も一回、言って」
後輩「えぇ〜……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……先輩」
先輩「……」
後輩「……す、好きっ」
先輩「……っはは」
後輩「ふふ……っ」
・
・
・
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:34:59.01 ID:HZjvN4010
・
・
・
先輩「……あのさ」
後輩「はい……?」
先輩「する?」
後輩「え」
先輩「……しないの?」
後輩「あの……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……」
267 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:35:50.10 ID:HZjvN4010
先輩「ねぇ」
後輩「……あ、あなた、ストレートだって……」
先輩「過去に囚われてちゃ」
後輩「……」
先輩「駄目なんだぜ、後輩ちゃん」
後輩「……何言ってんですか、もう……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……先輩」
先輩「……うん」
後輩「そっち、行っていい?」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「うん」
後輩「……」モゾモゾ
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:38:04.99 ID:HZjvN4010
後輩「あの……」モゾ
先輩「ん?」
後輩「お恥ずかしいのですが……」
先輩「何だよ」
後輩「……ぶっちゃけ私、相当ご無沙汰ですからね?」
先輩「あっはは、生々しいなぁ」
後輩「ケダモノですからね?」
先輩「やだぁ、後輩ちゃん怖ぁい」
後輩「……覚悟しといてくださいよ」
先輩「うん」
後輩「……」
先輩「いいよ」
後輩「……」
先輩「来て」
後輩「……」
269 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:38:31.55 ID:HZjvN4010
後輩「……先輩」
先輩「大好きだよ、後輩」
後輩「……私も」
先輩「……」
後輩「……大好きです、先輩」
270 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:38:58.17 ID:HZjvN4010
・
・
・
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/13(火) 22:39:31.73 ID:HZjvN4010
〜おわり〜
272 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/03/13(火) 22:40:38.19 ID:HZjvN4010
これで、このお話はおしまいです
最後までお読みいただき、ありがとうございました
ばいばい
273 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/14(水) 01:55:02.26 ID:VQSh2Vwlo
よかった
274 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/14(水) 04:06:07.39 ID:AGlnXrzd0
最高だった…
275 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/14(水) 06:02:11.37 ID:Z6elkKqBo
乙
エピローグはよ
276 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/14(水) 18:10:22.77 ID:CMiXd2SUo
乙
277 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/15(木) 23:27:11.50 ID:S4+m0qxK0
過去作です
〇百合〇
後輩「先輩より胸が大きくなってしまいました……」
先輩「本を読む後輩と」 後輩「かもめの先輩」
先輩「明日戦争がはじまる」
魔女「お眠りなさい、安らかに――」 女騎士「くっ、やめろ……!」
先輩「手を繋げば分かるだろ」後輩「ダメです」
〇男女〇
先輩「…生で」
先輩「一緒に子供育てようぜー」
男「魔女?」魔女「おう」
〇??〇
友「男、またおっきくなったね…」
主人「キミ、以前は男だったって本当?」 メイド「はぁ、まぁ」
〇二次創作〇
モバP「柑奈のカバンから謎の白い粉が出てきた」
モバP「夏樹とのセッションが決まったぞ!」 李衣菜「む、ムリ……」
棟方愛海「愛と!」 南条光「正義の!」
真澄「柚子……柚子……」クチュクチュ
ブーディカ「はい、あ〜ん」 マシュ「あぁ^〜」
278 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/15(木) 23:32:32.61 ID:S4+m0qxK0
他にもVipで書いたやつとかもあるんですけどね
覚えてないです
思えば2011年から今まで、時折こうしてSSを書いてたわけです
ここの皆さんには、とてもお世話になりました
279 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/15(木) 23:39:15.41 ID:S4+m0qxK0
頭の中だけで、妄想を何度も反芻していました
それをSSにすると、吐いた後みたいに、すごくスッキリしました
このSSなんかも、話の筋はゴチャゴチャで、物語としてはまとまってないですが、
今、頭の中にあった、楽しいフレーズとか、掛け合い、シチュエーションを、全部書き切れたので
これはこれで、とても愛おしい
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/15(木) 23:44:34.00 ID:S4+m0qxK0
終わったスレでグチグチ書くのは趣味ではないのですが…
ごめんね……
ただ、私はこんなのを書いてたよ、と誰かに知ってほしかっただけです
お読みいただき、ありがとうございました
281 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/15(木) 23:48:20.85 ID:/UU453fYo
宣伝乙
いくつか読んでないのあったし読んでみる
282 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/15(木) 23:54:46.28 ID:S4+m0qxK0
>>281
ありがとうございます。ウレシイ……ウレシイ……
283 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/16(金) 21:15:03.00 ID:AApz3xOh0
とてもすきです
先後輩以外にも同輩や幼馴染百合とかも是非
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/16(金) 22:50:03.49 ID:pB2GKxR1o
乙
あー、メイドのやつすごく好きだったわ
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[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
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荒巻@中の人 ★
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