千歌「決めた…!私、この転校を機にヤンキー辞めて、真面目に生きる!!」

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587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:12:05.48 ID:5YIaQvJu0
曜「千歌ちゃんに何度もナメた口聞いた罪…償って貰わないとね…?」ニコッ!

善子「う…嘘……」

梨子「いや…千歌ちゃんって……」

曜「せー…のっ…!」

善子「い…いやいやいやいや…!!ちょっと待って!?え!?ええ!?今、いい感じに帰れる流れじゃなかっ…

曜「ごちゃごちゃうるさいよ」ニコッ!

善子「え…


ゴンッッッ!!!


梨子「あぁ……もう……」

善子「あ…あひゅー……」バタンッ…!

花丸「うっ……」バタンッ…!

曜「はー!スッキリした…!!大満足!!」ニッコリ!
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:12:41.99 ID:5YIaQvJu0
曜「これで、千歌ちゃんの威厳は守ったぞー!!私、最強ー!!!」

梨子「あ…あぁ……」

梨子(や…やっぱりダメだ……この人……千歌ちゃん以上にバカかも……)

曜「さーて…!じゃあ、囚われの梨子ちゃんを解放してあげようかな!」タッタッ…!

梨子「はぁ……私の手錠解いたら、そこの二人連れて病院行くのよ…?」

曜「えぇ…!?なんで私が……」

梨子「やったの曜ちゃんでしょ……責任持ちなさい」

曜「えー……面倒くさい……」

梨子「ダメよ、行くの…!ことりちゃんとの約束破ったんだから、これぐらい我慢しなさい…!」

曜「ぶー……分かったよー……」スッ…

梨子「当たり前よ……」
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:13:45.14 ID:5YIaQvJu0
曜「もー…梨子ちゃん、真面目すぎ……」カチャカチャ…

手錠 カチャッ…!

曜「お…開いた……」

梨子「ん…んん〜…!!」ノビィー……

梨子「やっと、解放された…!!もう、手が痛いわ……」

曜「あはは……結構長い間、手錠されてたもんね……」

梨子「そうね……曜ちゃんが、喧嘩しだすから」

曜「え…!?いやいやいや、私が喧嘩しなきゃ、ずっと手錠されてたよ!梨子ちゃん!!」

梨子「話し合えば、すぐ渡してくれたかもしれないわ」

曜「い…いや……だから、不良に話し合いとか通じないって……」

梨子「不良である前に人間よ…?言葉が通じるなら、やりようがあるはずだわ、すぐに暴力に訴えるのは良くないわよ」

曜「う…うーむ……」

曜「そ…それは……そうかもしれないけど……」
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:14:32.74 ID:5YIaQvJu0
善子「う…うーん……」ゴロンッ…

曜「あれ…?起きた…?」

善子「ん…」パチッ…

善子「あ……あれ…?空……?」

曜「おーい」ヌッ…

善子「…!?」

善子「ぎゃ…ぎゃあああっ!!あ…悪魔!!や…やめて!!来ないで!!!」ズザザザザッッ!!

曜「あはは…もう、何もしないって……」

善子「え……ほ…本当に……?」

曜「ほんと、ほんと、後ろから私より怖い人に睨まれてるから」

梨子「………」ジィーーー…

善子「え…」

善子(嘘…!あの人、そんなに強かったの!?)
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:16:38.19 ID:5YIaQvJu0
花丸「う…うぅ……」

曜「あ、ずら丸ちゃんも起きた?」

花丸「う…こ…ここは……」ムクリッ

善子「なに寝ぼけてんのよ……やられたのよ、私達二人とも……この渡辺曜に……」

花丸「あっ……」

花丸「そっか……」ゴロンッ…

花丸「まる達、負けたずらか……」

善子「そうね……完敗だったわ……」

曜「いやいや、結構苦戦したよ?私だって、ずら丸ちゃんのタックルで相当ダメージあるし……」

善子「………」

花丸「…花丸ずら……」

曜「え…?」
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:17:30.66 ID:5YIaQvJu0
花丸「花丸ずら…!!ずら丸は、善子ちゃんが勝手に呼んでるだけずら!!本名じゃないずら!!!」

善子「あはは…ずら丸、ごめん……」

花丸「…!!」

花丸「ずら丸って呼ぶなずら!!」ポカッ…

善子「いてっ…!」

花丸「まるには、花丸っていう、ちゃんとした名前があるずら…!善子ちゃんにも、そう呼んで欲しいずら……!」

善子「え〜……でも、今更だし……それに、あんただって、私の事ヨハネって呼んでくれないわけだし……」

花丸「ヨハネは本名じゃないずら…!」

善子「…!?」

善子「ほ…本名よ…!!」
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:18:03.27 ID:5YIaQvJu0
花丸「なに言ってるずら…!!じゃあ、なんでクラスの名簿に津島善子って書いてあるずら!?津島ヨハネだって、先生に言いに行けばいいずら!」

善子「うぐっ……そ…それは……その…善子は仮の名前で……その…ヨハネは……知られてはいけない名前というか……下界では善子として活動しているというか……」

梨子「はいはい……何言ってんのか分かんないけど、くだらない事で言い争っちゃダメよ…?二人とも……」

善子「…!」

花丸「なっ…!く…くだらない事じゃな…もがっ…!?」

善子「ず…ずら丸…!!」グググッ…

花丸(よ…善子ちゃん…!?く…苦しいずら…!!)

善子「ダメよ……逆らっちゃ……さっき知ったけど、この人は、渡辺曜より強いのよ…!!逆らったら、なにされるか……」コソコソ…

花丸「…!?」

花丸「こ…この人が……?」

梨子「…?」

花丸(ぜ…全然強そうに見えないのに……)

花丸(まさに、能ある鷹は爪を隠すずらね……)

花丸「…敵わないずら……」ガックシ…

梨子「え…?」
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:18:33.44 ID:5YIaQvJu0
善子「今はまだね……」スクッ…

花丸「そうずらね……」スクッ…

曜「あ…あれ……?二人とも、もう行くの?」

善子「いつまでも、敵と仲良く話してるのも、おかしいでしょ?私達は帰るわ」クルッ…

花丸「次会った時は覚えとくずらよ!!絶対、二人ともやっつけてやるずら!!」ザッ…

梨子「え…!?わ…私も…!?」

曜「あはは…なんでだろ……ドンマイ、梨子ちゃん」

梨子「ド…ドンマイじゃないわよ……私なにもしてないのに……」
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:19:15.00 ID:5YIaQvJu0
曜「あはは…あ、いてて…」ズキッ…

梨子「…!」

梨子「曜ちゃん!大丈夫!?」

曜「う…うーん……ちょっとマズイかも……梨子ちゃん、助けて…」

梨子「えぇ…!?マズイの!?じゃ…じゃあ、病院…!病院行かないと…!!」

曜「運んで〜」

梨子「は…運ぶの…!?できるかしら……」

曜「できる、できる、人間一人くらい訳ないって」

梨子「そ…そう…?じゃあ……」

梨子「ふぬぬ……」グググッ…

曜「………」

梨子「ぬぬ〜……っ!」グググッ…!

曜「………」

梨子「っはぁ……!む…無理……曜ちゃん、重すぎ……」ハァ…ハァ…

曜「いや、梨子ちゃんが力無いんだよ……私、別に太ってないし……」
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:21:16.29 ID:5YIaQvJu0
曜「はぁ……仕方ない…歩くか……」スクッ…

梨子「ごめんなさい……力無くて……」

車 ブーン…

曜「あ、すごい車だ…!乗せてもらおうかな?」

梨子「はぁ…?な…なに言って……」

曜「すいませーん!病院までー!!」ブンッ!ブンッ!

梨子「ちょ…」


車 ブオオオオンッッッ!!!


曜「…!?」
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:21:42.62 ID:5YIaQvJu0
梨子「あぁ……通り過ぎちゃった……」

曜「………」

梨子「…内浦じゃどうだったか知らないけど、東京じゃ、知らない人を車に乗せてくれる人なんていないわよ…?」

曜「い…今の……」

梨子「…?」

梨子「曜ちゃん……?」

曜「……綺羅…ツバサ………」

梨子「え…?」

曜「綺羅ツバサだった……今、車に乗ってたの……」

梨子「えぇ…!?き…綺羅ツバサ…!?」

梨子「それって、たしか…A-RISEの……」

曜「う…うん……」
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:22:14.14 ID:5YIaQvJu0
曜「………っ」

曜「あいつ……本当にいたんだ……ここに……っ」

梨子「よ…曜ちゃ……」

曜「ぐっ……」

拳 グググッ…

梨子「…!」

梨子「…………」

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曜「でも、私の口からは言えないよ、千歌ちゃんの問題だから…」

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梨子「っ……」

梨子「よ…曜ちゃん…!!」
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:23:02.89 ID:5YIaQvJu0
梨子「そ…その……!やっぱり、教えてもらえないかしら…!千歌ちゃんと曜ちゃんが昔、何があったのか…!!」

曜「………」

梨子「もう前とは違って、私は二人が不良だって事知ってるし……それに、なにより…私だけ、仲間外れは嫌よ…!!」

梨子「二人が何か悩んでるなら、助けになりたい……!何もできないかもしれないけど……それでも、何もしないでいるなんて、できない…!!」

曜「……梨子ちゃん………」

梨子「友達だから……大切な……」

曜「………」

梨子「………」ジッ…

曜「…はぁ……」

梨子「曜ちゃん……」

曜「後で、千歌ちゃんに怒られても知らないからね……?」

梨子「…!」

梨子「う…うん…!」
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:24:33.38 ID:5YIaQvJu0
曜「………」

曜「先に言っとくけど、聞いてて気持ちがいい話じゃないからね……私も、できれば思い出したくないし……」

梨子「わ…分かったわ……ごめんなさいね……」

曜「いいよ……思い出したくないけど、私も梨子ちゃんには知ってて貰いたい……」

梨子「…曜ちゃん……」

曜「……あれは…」

曜「…私達が、ここに転校して来る前の八月…夏休み……」

梨子「………」ゴクリッ…










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601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:26:59.10 ID:5YIaQvJu0

千歌、穂乃果サイド−


千歌「ひっ…ひぃっ……」タッタッタッ…!

穂乃果「………」タッタッタッ…!

千歌「ちょ……ほ…穂乃果ちゃ…ストップ……!一旦止まって…!!」タッタッタッ…!

穂乃果「………」タッタッタッ…!

千歌「うぐ……」タッタッタッ…!

千歌(ぜ…全然聞いてくれない……) タッタッタッ…!

穂乃果「………」タッタッタッ…!

千歌(道分かんないから、どこ走ってんのか全然分かんないし……穂乃果ちゃん、止まってくれそうにないし……) タッタッタッ…!

千歌「こ…これ…どうすれば………」タッタッタッ…!
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:27:42.65 ID:5YIaQvJu0
千歌「…!」

千歌(ま…前……階段……) タッタッタッ…!

穂乃果「………」タッタッタッ…!

千歌(この距離なら……) タッタッタッ…!

千歌 ダッ!!

千歌(階段上がった所で、振り切れる…!!) タッタッタッ…!

穂乃果「…!」

穂乃果(あの階段……) タッタッタッ…!

穂乃果「………」タッタッタッ…!

穂乃果 ダッ!!
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:28:53.11 ID:5YIaQvJu0
千歌「はぁっ…はぁっ……」タッタッタッ…!

千歌(か…階段キツ……結構長いし……) タッタッタッ…!

千歌(あと…少し……!) タッタッタッ…!

千歌「っはぁ……」タンッ!!

千歌「え……」

千歌(こ…ここって……)

千歌「…じ…神社……?」
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:31:28.15 ID:5YIaQvJu0
穂乃果「………」タッタッタッ…!

千歌「…!」

千歌(き…来てる…!!)

千歌(とりあえず右に…!!) ダッ!!

千歌「…!!」

千歌「い…行き止まり…!?」

千歌(ど…どっかに他の入り口……!) クルッ…!

穂乃果「……」ザッ…!

千歌「あっ…!!」

穂乃果「はぁ……はぁ……」

穂乃果「やっと……止まったね……高海千歌……」ハァ…ハァ…

千歌「うぐっ……」

千歌「穂乃果ちゃん……」


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605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:32:13.11 ID:5YIaQvJu0
ことり「はぁ…はぁ……」ツカツカ…!

ことり(たしか……二人とも、こっちに……) ツカツカ…!

ことり「…!」

ことり(わ…分かれ道……)

ことり「はぁ…はぁ……」クルッ…クルッ…

ことり(左右の道には、いない……)

ことり「じゃ…じゃあ……」

ことり「………」

ことり(こ…この階段………)
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/09(金) 21:33:05.36 ID:5YIaQvJu0
ことり(ここは……)

ことり「………」

ことり(穂乃果ちゃん……)

ことり「………」

ことり ダッ…!











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607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/09(金) 23:16:06.80 ID:DJs+yUrUo
>>543-546
トコトコツカツカトコトコツカツカトコトコツカツカトコトコツカツカトコトコツカツカ
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/10(土) 09:29:07.11 ID:NAsXLmVvO
絵里先輩かっこよすぎてこの後が心配だけど……頑張れ!
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/10(土) 20:29:34.92 ID:hwG2NJq20

凛、花陽、絵里サイド−


海未「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

絵里「……っ」


花陽「…剣道経験者で、それも有段者が、木刀を使うなんて……ずるいよ……そんなの勝ち目が……」

凛「いや……ずるいなんて事は無いにゃ……」

花陽「えっ…!?で…でも……」

凛「そもそも、これは喧嘩にゃ……ルールなんてどこにも無いにゃ……」

花陽「そ…そんな……じゃあ、絵里先輩は……」

凛「………」

凛「…残念だけど、普通に考えて、今の海未先輩に勝つのは不可能だにゃ……」

花陽「…!!」

凛「多分、絵里先輩も分かってる……なんとか隙を作って、逃げる事を考えてると思うにゃ……」

花陽「に…逃げる……」

凛「うん……だから、かよちん……凛達も逃げる準備を……」

花陽「…!う…うん……!」

凛「………」

凛「絵里先輩……」
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:30:01.39 ID:hwG2NJq20
海未「………」

海未「……」ヒュンッ…

絵里「…!」ピクッ…

海未「………」

絵里「くっ……」

絵里(切っ先を細かく動かしてフェイントをかけてる……)

絵里(私が、突っ込むのを待ってるんだわ……)

海未「………」ヒュンッ…

絵里「…!」ピクッ…

絵里(……落ち着くのよ……私……絶対に釣られてはダメ……)

絵里(この距離をキープ……この距離なら、避けられる……)
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:30:37.69 ID:hwG2NJq20
海未「………」ズリッ…

凛「…!」

凛「絵里先輩…!!逃げて…!!!」

絵里「…!?」

海未 ダッ!!!!

絵里「なっ…!?」

絵里(きょ…距離が一気に……)

海未 ザッ!

絵里「…!」

絵里(小手狙い…!?)

海未 ブンッッッ!!!

絵里(手を引け…!!!) バッッ!!


スカッ!!!


絵里「…!!」

絵里(ま…間に合った……)
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:31:35.18 ID:hwG2NJq20
海未「……」ザッ!!

絵里「あっ…!」

絵里(ま…まずい……!!頭が……!!)

絵里(がら空…


ガンッッッ!!!!


絵里「〜っっ…!!?」

凛「…!!」

凛「こ…小手…!!」
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:32:40.09 ID:hwG2NJq20
海未「………」

絵里「ぐっ……ああっ……くっ…」ドサッ…

海未「……折れましたね……手首……」

絵里「っ……!」

花陽「そ…そんな……手首が……」

海未「それでは、もう勝負にならないでしょう……私の勝ち……いや、焔ヶ丘の勝利という事で、よろしいですか……?」

絵里「くっ………」

海未「………」

凛「え…絵里先輩……」

海未「反論しないと言う事は、了承したと受け取ってよろしいですね…?」

凛「っ…!!」

凛「ま…まだにゃ…!!!」スクッ…!!

花陽「凛ちゃん…!?」
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:33:22.50 ID:hwG2NJq20
海未「…凛……」

凛「り…凛が相手にゃ…!!!こ…このまま焔ヶ丘の好きになんかさせないにゃ…!!!」

海未「………」

海未「足……震えていますよ……?」

凛「…!!」

足 ガクガクガク…

海未「怖いのでしょう……?素手ですら勝てなかったあなたが、木刀を持った私に勝てるわけがありませんものね……」

凛「っ……!!」

凛「そ…そんなの……!!」

絵里「星空さん…!!!」

凛「…!」

凛「え…絵里先輩……?」

絵里「ありがとね……私の事…心配してくれたんでしょ……?」

凛「……」

絵里「でも、大丈夫よ……私に任せて……?勝てるから……」

凛「…!?」

凛「か…勝てる……!?」
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:33:55.85 ID:hwG2NJq20
海未「………」

海未「見苦しいですね……絢瀬絵里……嘘までついて、後輩に良い所を見せたいのですか…?」

絵里「嘘じゃないわよ……本当に勝てるの……見つけたのよ……あなたの弱点………」

海未「…?」ピクッ…

凛「じゃ…弱点……?海未先輩に……?」

海未「戯言を……」

絵里「ふふっ……戯言か、どうかはやってみれば分かるわ……」

海未「っ…」

海未「…大人しく降参していれば良かったものを……」

海未「骨折どころでは済まなくなりますよ……?」ゴゴゴゴゴゴゴ…

絵里「ふふっ……どうかしらね……」
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:34:47.38 ID:hwG2NJq20
海未「………」ゴゴゴゴゴゴゴ…

絵里「………」

海未「………」ズリッ…

絵里(来る…!!)

海未 ダッ!!!!

絵里「…!!」

絵里(やっぱり速い…!!これが剣道の踏み込み…!!)

絵里(でも……)

海未 ガバッッ!!!

絵里(これならどう…!?) バッッ!!

海未「…!?」

凛「え…!?」

凛(手…手を後ろに……!?)

海未「っ……」ピタッ…

凛「う…海未先輩の動きが……!!」

絵里(今…!!)キッ…!

絵里 ザッッ!!!

海未「…!」


ドカッッッ!!!!


海未「〜っ!?!?」

凛(当たった……!!)
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:36:34.69 ID:hwG2NJq20
海未「ぐっ……あぁ……っ」

海未(な…なんて重い蹴り……) ガクッ…

絵里 ザッ…

海未「え…


ガツンッッッ!!!!


海未「ぶっ…!?」

凛「…!?」

花陽「ひ…ひどい……顔を……」

絵里 ザッ…

海未「ぐ……あぐ……ぐ…」ポタポタ…

凛「…!!」

凛「え…絵里先輩…!!」ダッ!!

絵里「………」バッ…!

海未「ぐっ……」ポタポタ…

海未(血…血が……)

凛「ス…ストップッッ……!!」ガバッッ!!!

絵里「わっ…と……」

花陽「凛ちゃん…!!」
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:37:07.07 ID:hwG2NJq20
絵里「………星空さん……」

海未(り…凛……) ポタポタ…

凛「もう終わりにゃ…!!もう勝負ついたにゃ……!!!これ以上やったら、海未先輩が死んじゃうにゃ……!!!」

絵里「………」

海未「………」ポタポタ…

絵里「…星空さん……これは、勝負じゃないのよ……?喧嘩……分かる…?」

凛「…!!」

海未(け…喧嘩……)

絵里「園田さんもよ…?あなた……小手以外打つ気無かったでしょう……?」

海未「…!!!」

海未「そ…そんな事は…!!」

絵里「あるわよね…?最初の攻撃の時、がら空きだった面じゃなく、わざわざ後ろに引いてあった手を狙った……」

海未「…!」
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:37:48.13 ID:hwG2NJq20
絵里「怖かったんでしょう……?面を打つのは……」

海未「っ……!」

海未「だ…だから……!そんな事は……

絵里「骨折どころでは済まなくなる……」

海未「…!」

絵里「あなた、そう言ったわよね…?分かってるんでしょう……?頭や胴や突きを打つのは、命を奪ってしまうかもしれないって」

海未「…!!!」

凛「海未先輩……」

絵里「星空さん……離して貰っていいかしら……?もう、殴らないから」

凛「え……」

絵里「いい…?」

凛「…!」ゾッ…!

凛「は…はい……」スッ……

絵里「ありがとう……」

花陽(凛ちゃん……)
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:38:26.26 ID:hwG2NJq20
絵里「さて……園田さん……」ザッ…

海未「…!」

絵里「一つ聞いていい……?あなた……なぜ喧嘩なんかしてるの……?」

海未「…!?」

海未「そ…それは……」

絵里「おかしいわよね……あなたは、こっち側の人間じゃないわ……人を傷つけるなんて、本当は出来ないはずよ……?」

海未「っ……」

絵里「………」

凛「海未先輩……」

海未「わ…私は……」

海未「………」

花陽「ほ…穂乃果先輩のためですか……?」

海未「…!?」
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:39:22.50 ID:hwG2NJq20
絵里「高坂さんの……?」

海未「っ……」

凛「だ…だとしたら、それは間違ってるにゃ…!!こんな事しても、穂乃果先輩のためになんか、ならないにゃ…!!!」

海未「………」

海未「…また、それですか……凛………」

海未「じゃあ、なんですか……?ことりのやっている事が正しい事だとでも言うのですか……?」

絵里「…?」

絵里(なんの話……?)

凛「そ…そうにゃ……!!穂乃果先輩が暴走族に苦しめられてるなら、支えるんじゃなくて、そこから、助けてあげないとダメなんだにゃ…!!!」

絵里(暴走族……?)

海未「だから、それは無理だと……

スマホ ピロリンッ♪

花陽「あっ…」

絵里「ちょ……花陽さん……こんな時に……」

花陽「す…すみません……誰かからLINEが…」

花陽「あっ…!」

凛「…?」

花陽「こ…ことり先輩からです……」

海未「…!?」

海未「こ…ことりから……!?」
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:41:13.48 ID:hwG2NJq20
花陽「はい……今すぐ、神田明神に来てくれって……」

凛「神田明神……?なんで……」

花陽「分かんない……でも、急いでるみたいだし、たぶん……穂乃果先輩の事だと……」

海未「…!!」

海未 スクッ…

凛「え…?う…海未先輩……?」

海未「私も神田明神に向かいます……」

絵里「は…?」

絵里「ちょっと……まだ話は…

海未 ダッ!!!

絵里「あっ…!!」

凛「い…行っちゃったにゃ……」
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:41:52.59 ID:hwG2NJq20
絵里「はぁ……全く……」

凛「お…追わないんですか……?」

絵里「………」

絵里「…やめとくわ……そろそろ看護師さん達が、血相変えて私の事探してる頃だろうしね……私は病院に戻るわ」

凛「そう…ですか……」

絵里「あなた達は、どうするの……?行くの…?神田明神……何か私の知らない事情があるようだけど……」

花陽「……い…行きます……!」

花陽「だよね…凛ちゃん…!」

凛「う…うん……!全部、終わったら、絵里先輩にも説明するにゃ…焔ヶ丘の変の真相について……」

絵里「…焔ヶ丘の変……真相……?」

絵里「………」

凛「そうにゃ……今は説明してる時間は無いけど、焔ヶ丘と水見色は争っちゃダメなんだにゃ……悪いのは全部A-RISEなんだにゃ……!!」

絵里「A-RISE…?」

絵里「なんで、A-RISEが……」
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:42:25.82 ID:hwG2NJq20
花陽「すみません…!後で、全部説明します…!!とりあえず、今は急がないとなので……」

絵里「………」

絵里「…そう……分かったわ……それじゃあ、二人とも気をつけてね」

凛「はい…!ありがとうございました…!!絵里先輩…!!!」

凛「行こう!かよちん!!」

花陽「うん…!」

凛、花陽 ダッ!!!


625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:43:14.24 ID:hwG2NJq20
絵里「………」

絵里(…焔ヶ丘の変……A-RISE……)

絵里(………)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

一年前−

??「大丈夫!ウチに任せて!エリチは無理する事ないから!!」

絵里「で…でも……松浦さんと小原さんは……」

??「大丈夫やって!心配性やな〜、エリチは!」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

絵里(………)

絵里「希………」













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626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:44:39.61 ID:hwG2NJq20

曜、梨子サイド−


曜「…私達が、ここに転校して来る前の八月…夏休み……」

梨子「……」

梨子「夏休み……」

曜「うん。内浦も一応、観光地だからさ、毎年、この時期には観光客も来て結構賑わうんだよ」

梨子「そ…そうなの…?」

曜「伊豆も近いしね、水族館とかあるから」

梨子「そうなんだ……」

スマホ ピロリンッ♪

梨子「あっ…」

曜「ちょ……梨子ちゃん……」
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:45:47.96 ID:hwG2NJq20
梨子「あはは…ごめんごめん……なんかLINE来たみたい……えっと……」

梨子「え…!?」

曜「…?」

曜「どうかしたの…?梨子ちゃん」

梨子「こ…ことりちゃんから……」

曜「ことりちゃんから…?」

梨子「これ……」スッ…

曜「え…?なに……?」

曜「…!?」

曜「こ…これって……」
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:46:27.93 ID:hwG2NJq20
梨子「うん……この急ぎ様……穂乃果ちゃんに何かあったのかも……」

曜「…!」

曜「じゃ…じゃあ…!早く神田明神って所に行かないと…!!」

梨子「えぇ…!話は走りながらお願いできる…?」

曜「うん…!とりあえず、急ごう!!」ダッ!!

梨子「えぇ…!」ダッ!

梨子「…って、えぇ…!?」タッタッタッ…

曜 ピューンッ!!

梨子「足速っ…!!?」タッタッタッ…

曜「え…?」クルッ…

曜「えぇ…!?梨子ちゃん、遅っ…!?」

梨子「い…いや……曜ちゃんが速いのよ……もうちょっと遅く走っ…」カツッ…!

梨子「え…」グラッ…

足首 グキィッ…!

梨子「…っ!!?」

曜「え…」
629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:47:02.30 ID:hwG2NJq20
梨子「いたああああああっっ!!!??」

曜「ちょ…梨子ちゃん……」

梨子「いったぁ……痛い……痛すぎる……うぐぅ……」

曜「………」

梨子「あ…歩けない……助けて、曜ちゃん……」

曜「嘘でしょ……」













−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:49:03.55 ID:hwG2NJq20

神田明神−


スマホ スッ…スッ…

ことり(よし……)

ことり(これで、梨子ちゃん達が来てくれる……)

ことり(後は……)

穂乃果「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

千歌「うぐ……」

ことり(私が、なんとか時間を稼がないと……!)
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:50:51.60 ID:hwG2NJq20
ことり「ほ…穂乃果ちゃん…!!」

穂乃果「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

千歌「ことりちゃん……」

ことり「一旦落ち着こう…!?千歌ちゃんとは、友達なんでしょう…?一緒に曲も作るんじゃなかったの…!?」

穂乃果「………」

千歌「そ…そうだよ…!!穂乃果ちゃん…!!あの日、一緒に遊んだ仲じゃん…!!私、穂乃果ちゃんと闘いたくないよ…!!」

穂乃果「………」

千歌「大丈夫だよ…!A-RISEなんて、怖くないよ!!私達も協力するし…!!」

穂乃果「…!?」

穂乃果「あ…A-RISE……?なんで、千歌ちゃんが、それを………」

千歌「え…」
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:51:35.08 ID:hwG2NJq20
ことり「………」

穂乃果「…!」

穂乃果「…ことり……ちゃん……まさか……」

ことり「………」

ことり「う…うん……」コクリッ…

穂乃果「…!!!」

ことり「で…でもね…!!これは、穂乃果ちゃ…

穂乃果「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!!!!」

ことり「…っ」

千歌「…!?」
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:52:04.84 ID:hwG2NJq20
穂乃果「なんで……どうして………言っちゃダメなのに……そう言われてたのに……」

穂乃果「どうしよう……みんなが……みんなが…!私の大切な物が全部………」ブルブルブルブル…

千歌「…!」

千歌(ふ…震えてる……)

千歌(こんなに怯えるなんて……)

千歌「くっ……」ギリィッ…

千歌(綺羅ツバサ………一体何を……)
634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:52:54.34 ID:hwG2NJq20
ことり「穂乃果ちゃん…!」ダッ!!

穂乃果「う…うぅ……どうすれば……どうすれば……」

ことり「大丈夫だよ…!穂乃果ちゃん…!!みんなで、なんとかしよう…!?きっと、なんとかなるよ…!!私達だけじゃない…!梨子ちゃんや、千歌ちゃん達もいるから…!!!みんなで頑張ろう…?」

穂乃果「うぅ……無理だよ……何も変えられないよ……無理なんだよ……」

千歌「穂乃果ちゃん……」

千歌「………」

穂乃果「どうすれば……どうすれば……」

千歌「ほ…穂乃果ちゃん…!」

穂乃果「…!」

穂乃果「千歌……ちゃん……」

千歌「だ…大丈夫だよ!!私も含め水見色のみんなにも協力するから!みんなで頑張れば、きっと、できないことなんて、なんにも無いよ…!!」

穂乃果「高海……千歌……」ザワッ…

千歌「え…」

穂乃果「……」スクッ…

ことり「ほ…穂乃果ちゃん……?」

千歌(様子が……)
635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:54:18.04 ID:hwG2NJq20
穂乃果「…そうだ………悪い事したら、良い事して打ち消しちゃえばいいんだ……」フラリ…

千歌「…!?」

千歌(近づいてくる…)

穂乃果「そうすれば、大丈夫……ふふふっ……良かった……私は、また守れたんだ……」ピタッ…

千歌「…!」

ことり「え…?」

ことり(ち…千歌ちゃんの前で……)

穂乃果「ありがとう…高海千歌……」ニコリ…

千歌「…!!」


ガツンッッッ!!!!


千歌「あぐぁっ…!!」フラッ…

ことり「…!!?」
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:55:41.14 ID:hwG2NJq20
ことり「ほ…穂乃果ちゃん…!?」

穂乃果「倒れろっ!!!」ギュルンッッ!!

千歌「…!!」


メキィッ!!!!


千歌「…!!?」グラッ…

千歌「いっ…」ドサッッ…!!

千歌(う…後ろ回し蹴り……頭を……)
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:56:09.79 ID:hwG2NJq20
ことり「…!!」

ことり「千歌ちゃん!逃げて…!!」

穂乃果 ドサッッ!!

千歌「うぐっ…!?」

千歌(や…やば……上に乗られ…


ゴンッッッ!!!


千歌「ぶはっ…!?」

ことり「…!」


ガンッッッ!!!


千歌「あぐ…」

ことり「…!!」


ドカッッッ!!!


千歌「あ…」

穂乃果「………」スッ…

ことり「や……」

千歌「うぐぅ……」

千歌(い…意識が……)

ことり「やめてえええええええええええええっっっ!!!」


バキィッッッ!!!


千歌「あぅ……」ゴロンッ…

穂乃果「………」

ことり「…!!」

ことり「そ…そんな……千歌ちゃん……」
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:58:28.60 ID:hwG2NJq20
千歌「………」

穂乃果「………」

穂乃果「……」スッ…

穂乃果「………」

穂乃果「……」クルッ…

ことり「…!!」

ことり「穂乃果ちゃん…!!」

穂乃果「………」スタスタスタ…

ことり「うぅっ……!」

ことり「ち…千歌ちゃん…!!」ダッ!!

千歌「………」

ことり「千歌ちゃん…!!千歌ちゃん、しっかり…!!!目開けて…!!千歌ちゃん…!!」ユサユサ…!

千歌「………」ユサユサ…!

穂乃果「………」スタスタスタ…

ことり「あぁ……そんな……そんな……」

ことり「なんで……なんで、こんな事に……」ポロポロ…
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 20:59:08.59 ID:hwG2NJq20
穂乃果「………」スタスタスタ…

ことり「ほ…穂乃果ちゃん…!!」

穂乃果「………」スタスタスタ…

ことり「うぅ…穂乃果ちゃん……」

千歌「………」

ことり(ダメだ……こんな状態の千歌ちゃんを放って、穂乃果ちゃんを追うなんて、できない……)

ことり(どうすれば……)

穂乃果「………」スタスタスタ…

ことり(誰か……誰か、穂乃果ちゃんを……)


海未「…!」ザッ…!!

ことり「…!!?」

穂乃果「……!」

ことり「う…海未ちゃん…!!?」
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 21:01:03.71 ID:hwG2NJq20
海未「穂乃果…!!ことり…!!」

穂乃果「…海未ちゃん……」

海未「穂乃果………こ…これは……」

穂乃果「………」

穂乃果「見た通りだよ…私がやったの……言ったでしょ?高海千歌は、私がやるって」

海未「…!」

穂乃果「海未ちゃんは?凛ちゃん、倒したんだよね?」

海未「…!そ…それは……」

凛「えっ…!?」ザッ…!!

穂乃果「…!?」

海未「り…凛…!!」クルッ…!

凛「こ…これは……」
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 21:01:33.41 ID:hwG2NJq20
ことり「凛ちゃん……!千歌ちゃんが…!千歌ちゃんが……!!」ポロポロ…

千歌「………」

凛「…!!?」

凛「ち…千歌先輩…!?」ダッ…!!

穂乃果「………」

海未「………」

穂乃果「海未ちゃん……なんで、凛ちゃんが、ここにいるの……?」

海未「…!!」

海未「ち…違うんです…!!あれは、絢瀬絵里が…

穂乃果「言い訳は聞きたくないよ……」

海未「っ…」
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 21:02:05.80 ID:hwG2NJq20
花陽「はぁ…はぁ……凛ちゃん速いよ……」タッ…

穂乃果「…!!」

穂乃果「花陽ちゃんまで……」

花陽「え…?こ…これ……何が……」

凛「かよちん…!!」

花陽「え…?」

千歌「………」

花陽「…!!?」

花陽「千歌先輩…!?」

花陽「だ…大丈夫ですか…!!?」ダッ…!!

穂乃果「………」

海未「……っ」

穂乃果「…どうする?海未ちゃん…あっちは手負いの凛ちゃん一人……私達は二人……やるなら今だよね……?」

海未「…!」

海未「ほ…穂乃果…!あなた…!!」
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 21:02:44.59 ID:hwG2NJq20
穂乃果「しょうがないじゃん…海未ちゃんが、しくじるから、いけないんだよ…?やんなきゃダメなんだよ……そう言われたんだから」

海未「…!」

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凛「何が、どうにもならない…だ……!そんな事あるか……!ことり先輩は…!ことり先輩は、諦めてなかったにゃ…!!!」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

海未「……っ」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

凛「そ…そうにゃ……!!穂乃果先輩が暴走族に苦しめられてるなら、支えるんじゃなくて、そこから、助けてあげないとダメなんだにゃ…!!!」

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海未「………」

穂乃果「海未ちゃん……?」

海未「くっ…」

海未(私は……)

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絵里「一つ聞いていい……?あなた……なぜ喧嘩なんかしてるの……?」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

海未(私は…穂乃果のために……)

穂乃果「……?」

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凛「だ…だとしたら、それは間違ってるにゃ…!!こんな事しても、穂乃果先輩のためになんか、ならないにゃ…!!!」

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海未「……っ」
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 21:03:21.58 ID:hwG2NJq20
穂乃果「どうしたの……?早くしないと、逃げられちゃうよ…?」

海未「…ほ……穂乃果………」

穂乃果「…?なに…?海未ちゃん」

海未「私は……」

穂乃果「…?」

海未「私は……間違っていたんじゃないでしょうか……」

穂乃果「え…?」

凛「海未…先輩……?」

ことり「………」

穂乃果「間違いって、どういう事?何が?どうしたの?海未ちゃん」

海未「た…闘いましょう……!!穂乃果…!!」

穂乃果「え…?あぁ……うん…そうだね…早く…

海未「違います…!!A-RISEとです…!!取り戻すんです…!!私達で…!!」

穂乃果「………」

凛「…!!」

ことり「海未ちゃん……」
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 21:03:55.50 ID:hwG2NJq20
海未「もう少しで、松浦果南と小原鞠莉が出所してくるのは分かってます……でも、私は、それで終わる気がしないんです……A-RISEは、そういう人達じゃないですか…!だから、断ち切らないといけないんです…!私達自身の力で……」

穂乃果「………」

海未「すみません……急にこんな事言い出して……今まで言ってきた事と全然違いますよね……混乱させてしまっているのは分かります……でも…」

海未「でも、気づいたんです……!今まで考えようともしなかった事…!そうさせた自分の弱さ…!!だから、考えました……それで、思ったんです……このままじゃいけないって……」

ことり「…!!」

ことり「そ…そうだよ…!!穂乃果ちゃん…!!このままでいいはず無いよ…!!動かなきゃ…!!じゃなきゃ、何も変えられないよ…!!!」

穂乃果「………」

凛「ことり先輩……」
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 21:04:23.16 ID:hwG2NJq20
千歌「………」

花陽「…!」

花陽「ち…千歌先輩……」

花陽「意識が……」

千歌「………」

海未「ことり……」

ことり「海未ちゃん…ありがとう…!一緒に頑張ろう…!!」

海未「…!」

海未「そんな……悪いのは私なのに……ことり…あなたという人は……」

ことり「ううん…海未ちゃんも穂乃果ちゃんも悪くないよ……?ただ、ちょっと道に迷っちゃってただけ……そうでしょ…?だから、大丈夫…!少しの勇気があれば、いつだって、道は変えられるよ…!!」

海未「ことり……」

海未「うぅ…ありがとうございます……あなたには感謝してもしきれませんね……」ウルッ…
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 21:05:31.88 ID:hwG2NJq20
穂乃果「………」

海未「穂乃果……やり直しましょう…きっと大丈夫です…私達には心強い仲間が居てくれるんですから…」

穂乃果「………」

凛「穂乃果先輩…」

穂乃果「………」

ことり「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「………」

花陽「穂乃果先輩…」

穂乃果「………」

海未「穂乃果…」

穂乃果「……」

穂乃果「……っさい……」

海未「え……」

穂乃果「…うるさい……」

海未「…!?」

ことり「ほ…穂乃果ちゃん……?」
648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 21:06:06.22 ID:hwG2NJq20
穂乃果「うるさいよ……何も知らないくせに……綺麗事ばっかり並べて……」

海未「…!!」

ことり「穂乃果ちゃん……」

千歌「………」

穂乃果「………」

ことり「た…たしかに……綺麗事かもしれない……でも…!私は、それでいいと思う…!やってみてダメでも、また頑張れば、きっと、いつかなんとかなるよ…!!」

花陽「ことり先輩……」

穂乃果「………」

穂乃果「はぁ……じゃあ、言うけどさ……」

ことり「え…?」

穂乃果「A-RISEにね、脅されてるの……もし、約束を破ったら、私達の知り合い全員ただじゃ済まないって……」

ことり、海未「…!!?」
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 21:06:36.91 ID:hwG2NJq20
花陽「そ…そんな……」

凛「なんにゃ……それ……」

千歌「………」

穂乃果「もちろん、凛ちゃん達も入ってるよ…?住所だけじゃなく、写真も見せられた……分かる…?もう私一人の問題じゃないの……」

ことり「……!」

穂乃果「どう……?これでも、歯向かおうと思う…?私達の知り合い全員を犠牲にする事になるとしても……」

海未「穂乃果……あなた……」

ことり「穂乃果ちゃん……」

穂乃果「……?」

海未「なんで早く言ってくれないんですか……」

穂乃果「…!?」
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 21:07:02.11 ID:hwG2NJq20
ことり「それで、ずっと一人で苦しんでたなんて……ごめん…穂乃果ちゃん……何もしてあげられなくて……」

穂乃果「…!!?」

穂乃果「ちょ…な…何言ってるのさ…!!ふたりとも……!!そんなの、言った所で、何も変わらないじゃん!!二人に心配かけてまで、言う事じゃないよ…!!」

海未「変わるじゃないですか……あなたの心が……」

穂乃果「…!!?」

海未「辛いなら話してください……苦しいなら叫んでください……私達にも背負わせてください…一人で背負わないで…」

ことり「そうだよ…!心配なんか、いくらでもかけてよ…!穂乃果ちゃんが辛いなら、私も辛いよ…!」

穂乃果「ことりちゃん……海未ちゃん……」
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 21:07:34.74 ID:hwG2NJq20
穂乃果「………」

凛「穂乃果先輩……」

花陽「………」

千歌「………」

穂乃果「くっ……」

穂乃果「で…でも……!!私が多少、楽になった所で、この状況は何も変えられないじゃん…!!!今ので分かったでしょ!?無理なんだよ!!A-RISEに立ち向かうなんて…!!」

ことり「……そ…それは……」

海未「……っ」

穂乃果「二人の気持ちは嬉しいよ…?でも、私が動けば、すぐに周りに被害が出る…!!それに、例え、犠牲覚悟で動いたとしても、上手くいくわけない…!!A-RISEを倒すなんて、絶対できない…!!」

凛「………」

花陽「…穂乃果先輩……」
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 21:08:42.67 ID:hwG2NJq20
穂乃果「………」

穂乃果「…無理なんだよ……もう……」

穂乃果「諦めるしかないんだよ……」

ことり「………」

海未「………」

凛「………」

花陽「………」

千歌「………」

穂乃果「………」

千歌「…はぁ……」

ことり「…!?」

ことり「ち…千歌ちゃん…!?意識戻ったの…!?」
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 21:09:11.02 ID:hwG2NJq20
千歌「さっきね…」スクッ…

花陽「…!!」

花陽「た…立って大丈夫なんですか…!?ダ…ダメージは……」

千歌「治った……やらされてるパンチなんて効かないからね」コキッ…コキッ…

穂乃果「…!」

穂乃果「っ……」

千歌「何…?何か言いたい事でもあるの…?操り人形のくせに、意思はあるの……?」

穂乃果「…!!」

穂乃果「だ…だから、言ってるじゃん!!しょうがないんだよ…!!好きで、操られてるわけじゃない…!!」

千歌「しょうがない……?」
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 21:09:41.65 ID:hwG2NJq20
千歌「なんで?」

穂乃果「だ…だから…!!立ち向かった所で、無理なんだって…!!!」

千歌「無理……?」

千歌「なんで、そんな事分かるの…?」

穂乃果「…!?」

千歌「そんなの、やってみなきゃ分かんないじゃん…」スッ…

凛「…千歌先輩……」

千歌「それを、やっても無いのに、無理だの、できないだの、わめいて……」スタスタ…

穂乃果「…っ」

ことり(千歌ちゃん、穂乃果ちゃんの方に……)

千歌「できるとかできないは、後から分かる話じゃん……」スタスタ…

千歌「いつだって、あるのは、やるかやらないかだけなんだよ……」スタスタ…

千歌「……」ピタッ…

穂乃果「…!」

海未(ほ…穂乃果の前で止まった……)
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 21:10:13.11 ID:hwG2NJq20
千歌「そんな事も分からない腐った脳みそは、私が叩き直してやんよ」

花陽「…!!」

凛「千歌先輩……」

ことり「千歌ちゃん……」

千歌「……」コキッ…

千歌「第二ラウンドだ…」

海未「…!!」

穂乃果「くっ……」

千歌「来なよ……お人形さん?」クイクイッ…

穂乃果「高海千歌……!」











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656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/10(土) 22:16:24.82 ID:XdrNmN0FO
物語特有の丈夫さ
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:20:21.13 ID:Sw6bgkz60

曜、梨子サイド−


曜「はぁ…はぁ……」ズン…ズン…

梨子「だ…大丈夫……?曜ちゃん……」

曜「…え…!?…な……なにが……?」ズン…ズン…

梨子「いや…だって……いくら、曜ちゃんが力持ちって言っても、私を背負って神田明神まで行くなんて……」

曜「しょ…しょうがないじゃん…!梨子ちゃんが、転ぶから…!!」ズン…ズン…

梨子「うっ……そ…それはそうだけど……」

曜「いーよ…!別に……修行だと思って、頑張る…!」ズン…ズン…
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:20:49.04 ID:Sw6bgkz60
曜「それに、梨子ちゃん軽いしね…!」ズン…ズン…

梨子「え…///」

梨子「そ…そう……?」

曜「うん…!ダイエットとかしてるの…?」ズン…ズン…

梨子「い…いやいや…!ダイエットなんかしてないわよ…?なにかしらね……才能…?私、太らない体質なのかしらね……ふふ…」

曜「………」ズン…ズン…

曜(なんか調子乗ってるな……) ズン…ズン…
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:22:09.29 ID:Sw6bgkz60
梨子「曜ちゃん…」

曜「ん…?なに……?」ズン…ズン…

梨子「そ…その、千歌ちゃんとA-RISEの過去って言うのは……」

曜「あー…話すって約束だったね……えっと…」ズン…ズン…

曜「夏休みで内浦にも観光客が来るって事までは、言ったよね…?」ズン…ズン…

梨子「えぇ…そこまでは聞いたわ」

曜「うん…それでね……その観光客の中にA-RISEがいたの」ズン…ズン…

梨子「あ…A-RISEが…!?」

曜「そうそう……まあ、観光客の中に悪い人が混ざってるのは、別に良くある事だし、どうって事ないんだけど……」ズン…ズン…

曜「A-RISEは、私達の通ってた浦の星の生徒に対して、暴力を振るったの……」ズン…ズン…

梨子「…!」

梨子「そ…そんな……なんで……」
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:22:59.60 ID:Sw6bgkz60
曜「道を歩いてたら、邪魔だったからとかで……」ズン…ズン…

梨子「…!?」

梨子「理不尽過ぎるわ……理解できない……」

曜「暴走族だからね……自分中心に世界が回ってると思ってるんでしょ……?」ズン…ズン…

梨子「子供みたいね……救いようがないわ…」

曜「そういう人達だから……」ズン…ズン…

梨子「じゃあ、それで千歌ちゃんがA-RISEに復讐を…?」

曜「正解……傷つけられたのが千歌ちゃんの友達だったのも、あって、千歌ちゃん、めちゃくちゃ怒っててね……」ズン…ズン…

曜「すぐにA-RISEの所に行った……」ズン…ズン…
661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:23:28.90 ID:Sw6bgkz60
梨子「そ…それで、千歌ちゃんが負けちゃったとか……?」

曜「勝ったよ…」

梨子「…!?」

梨子「ぼ…暴走族相手に…!?」

曜「んー…ていうか綺羅ツバサ相手に……一人でいた所を、千歌ちゃんが見つけたみたいだから……」

曜「その時、綺羅ツバサは武器も持ってなかったし、味方も近くにいなくて、完全なステゴロ勝負……」

梨子「す…すてごろ……?」

曜「素手での喧嘩の事だよ……まあ、ステゴロなら、千歌ちゃんに勝てる人はいないね……」ズン…ズン…

梨子「そ…そう……そんなに強いのね……」
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:24:10.74 ID:Sw6bgkz60
曜「まあね…でも、綺羅ツバサも強かったっぽいよ……いつもは無傷で帰ってくる千歌ちゃんが、ボロボロになってたし……」

梨子「で……でも、勝ったのよね…?じゃあ、なんで千歌ちゃんと曜ちゃんは、そんなにA-RISEを意識してるの……?」

曜「………」ズン…ズン…

曜「燃やされたの……」ズン…ズン…

梨子「え…?」

曜「最初に暴力にあった千歌ちゃんの友達の家が……」ズン…ズン…

梨子「え…!?」

梨子「そ…それって……放火……」

曜「うん……幸い、中に人はいなかったから、誰も死なずに済んだんだけど……家を含め中にあった物は全部燃えちゃったの……」ズン…ズン…
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:24:55.75 ID:Sw6bgkz60
梨子「ひどい……その子は、何も悪くないのに……」

曜「そう……でも、だからこそ、千歌ちゃんには、それが効いた……自分の軽はずみな正義感で、振るった暴力が、罪の無い他人を巻き込んだ……」ズン…ズン…

梨子「………」

曜「いつも、話し合いで解決しようって言う梨子ちゃんなら、分かるでしょ……?暴力に暴力で対抗すれば、時には更に悪い事が起きる……」ズン…ズン…

梨子「…そうね……たしかに、そうだわ……」

梨子「…でも……私は千歌ちゃんが悪いとは言い切れない……方法は間違ってるけど、動機は正しいわ……友達を傷つけられて黙ってる方がおかしい……」

曜「だよね……だから、千歌ちゃんも、そう思った……そして、いつかA-RISEに報復するつもりでいた……でも…」ズン…ズン…

梨子「でも……?」

曜「言われちゃったの……家を燃やされた友達に……」ズン…ズン…

梨子「…?」

曜「「お前のせいだ」って……」ズン…ズン…

梨子「…!!」
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:26:40.67 ID:Sw6bgkz60
梨子「そんな……そんなのって……」

曜「どうなんだろうね……その通りなのかもしれないし……間違ってるかもしれない……でも、千歌ちゃんに、その言葉は刺さっただろね……」ズン…ズン…

梨子「そ…そうね……そんな事言われたら……」

曜「でもね…A-RISEはこれで終わらなかった……今度は、いろんな所に手を回して、火事を千歌ちゃん一人のせいにした……」ズン…ズン…

梨子「…!?」

梨子「そ…そんな事って……」

曜「できるね……A-RISEなら……」ズン…ズン…

梨子「なんなの……それ……」

曜「千歌ちゃんは、不良で有名だったから、世間も簡単に信じた……それで、内浦の人中から非難されて、もちろん学校も退学……だから、お母さんを頼って秋葉原に来たの……」ズン…ズン…

梨子「そんな事が……」
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:27:13.86 ID:Sw6bgkz60
曜「うん……だから、千歌ちゃんは不良を辞める決意をした……もう誰も傷つけないために……」ズン…ズン…

梨子「………」

曜「ま、結局、喧嘩してるけどね…?」ズン…ズン…

梨子「そ…そうね……」

曜「………」ズン…ズン…

梨子「………」

曜「…大丈夫…?梨子ちゃん……急にこんな話しちゃったけど……」ズン…ズン…

梨子「あっ…いや……大丈夫よ……少し驚いただけ……」

梨子「そうね……驚いたわ……何も知らないで、千歌ちゃんと接してた自分が恥ずかしい……」

曜「あはは…いいんだよ、別に……普通に接してあげれれば……」ズン…ズン…

曜「千歌ちゃんは、普通でいたいんだから……」ズン…ズン…
666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:27:55.24 ID:Sw6bgkz60
梨子「………」

梨子「でも……もう普通じゃいられないわね……」

曜「………」ズン…ズン…

曜「…そう…だね……A-RISEのせいで、また自分の大切な友達が壊されようとしてる……」ズン…ズン…

梨子「………」

曜「千歌ちゃんも、一度は屈した……対抗するのは諦めた……」ズン…ズン…

曜「それでも……いや、だからこそ……同じ境遇にいる穂乃果ちゃんを助けずにはいられないだろうね……」ズン…ズン…

梨子「そうね……」
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:28:33.43 ID:Sw6bgkz60
曜「うん……でも、それは、ことりちゃんに任せてる……昔なら、自分の暴力で解決しようとしてたからね……」ズン…ズン…

梨子「成長したのね……千歌ちゃん……」

曜「うん…今は、もう家に着いてる頃だろうしね…」ズン…ズン…

梨子「ことりちゃんからのLINEは、千歌ちゃんにもいったのかしら……?」

曜「どうだろ…?ことりちゃんのLINE持ってないんじゃない…?私も持ってないし……」ズン…ズン…

梨子「そう……じゃあ、神田明神にも来てないわよね……」

曜「だね……」ズン…ズン…

梨子「………」

曜「………」ズン…ズン…

梨子「ほ…本当に家にいるわよね……?」

曜「う…うん……私も不安になってきた……」ズン…ズン…
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:29:04.24 ID:Sw6bgkz60
梨子「道に迷って、穂乃果ちゃんとバッタリ会うとか、してないわよ…??」

曜「わ…分かんない……でも、千歌ちゃんがアキバの道知らないのはたしかだし……」ズン…ズン…

梨子「………」

曜「………」ズン…ズン…

曜「い…急ごう……!」ダッ…!











−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:32:01.27 ID:Sw6bgkz60

神田明神−


穂乃果「……っ」

千歌「………」

ことり「千歌ちゃん……」

凛「………」


穂乃果「………」

千歌「どうしたの…?来ないなら、こっちから行くよ…?」

穂乃果「くっ……」


ことり「………っ」

ことり「ち…千歌ちゃん…!!喧嘩は…

凛「ことり先輩…」スッ…

ことり「り…凛ちゃん……?」
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:32:27.74 ID:Sw6bgkz60
凛「ここは……」

凛「ここは、千歌先輩に任せるにゃ……」

ことり「え……」

凛「………」

海未「………」

海未(凛……)
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:33:08.32 ID:Sw6bgkz60
千歌「………」

穂乃果「………っ」

穂乃果(あれだけ殴ったのに……まだ立ってくるなんて……)

千歌「………」

穂乃果(私とした事が見誤った……次は、確実に息の根を止める……)

穂乃果「……」ザッ…

千歌「ん…?やる気になった……?」

穂乃果「…行くよ……」

千歌「……」ニッ…
672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:34:10.36 ID:Sw6bgkz60
海未(穂乃果が戦闘態勢に入った……)

海未「っ……」

海未(凛……あなたは任せると言いましたが、危険であれば、私は止めに入りますよ……)

海未(穂乃果の喧嘩は、危なすぎます……放っておけば、殺してしまう可能性だってある……それも、相手が一度やられてダメージのある高海千歌では……)


千歌「………」フラッ…

海未「…!!」

海未(バランスを崩した……!やはりダメージが!?)

穂乃果(チャンス……!) バッ…!!

花陽「ち…千歌先輩…!!」

穂乃果(終わりだ……!!!) グオォォッッ!!!

千歌「……」


スカッ……


穂乃果「……え…

千歌「……」ザッ…


メキィッッ!!!


穂乃果「ぶっ…!!?」

千歌「……」ニィッ…

海未「…!!?」
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:34:49.35 ID:Sw6bgkz60
穂乃果「ぶはっ…!?あ…あぁ……」フラッ…!

穂乃果「あぐ……くっ…」ポタポタ…

穂乃果(な…殴られた…!?私が攻撃してたはずなのに……!!)

穂乃果(な…なにが……)

千歌「………」


凛「い…今のは……」

海未「ク…クロスカウンター……」ゴクリッ…

花陽「ク…クロスカウンター…!?」
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:35:15.64 ID:Sw6bgkz60
海未「…相手のパンチを顔スレスレで避けて、腕が交差するように、拳を繰り出すカウンターの事です……」

花陽「か…顔スレスレで…!?」

凛「そうにゃ……だから、相手のパンチに向かっていく分、失敗した時のリスクが高くなる……」

海未「…その代わり、成功すれば、相手が向かってくる所にパンチを当てられます……ハイリスクハイリターンの高等技術ですよ……これは……」

ことり「千歌ちゃん……」

海未「まさか、路上の喧嘩で観れるなんて……」
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:37:10.73 ID:Sw6bgkz60
千歌「………」

穂乃果「……っ」

穂乃果(そっか……カウンター喰らったのか……気づけなかった……)

千歌「………」

千歌「…なに……?その顔……まさか一発で、ビビっちゃった……?」

穂乃果「…!!」

穂乃果「ま…まさか…!!この程度…東京には、いくらでも居るよ…!!!」

千歌「そう…?じゃあ……」スッ…

穂乃果「…!」

穂乃果(来る…!)

千歌「遠慮なく……」ギュルンッ!

穂乃果「…!?」

千歌「全力で行くよ…!!!」


ガッッッ!!!!


穂乃果「っ……!!」

穂乃果(う…後ろ回り蹴り……!!)

千歌「あれ…?ガードされたか……」


海未「また高等技術……」

海未「高海千歌……一体何者……」

凛「つ…強い……これが……」

花陽「…喧嘩の……カリスマ………」
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:37:55.63 ID:Sw6bgkz60
千歌「ちぇ…さっきの、お返ししようと思ったのに……」

穂乃果「…!!」

穂乃果「くっ…調子に……」

穂乃果「乗るなあああああああっっっっ!!!!」ザッ!!!

海未「穂乃果…!下手に手を出しては…!!」

千歌「……」ニッ…


ガツンッッッ!!!


穂乃果「あがっ…」

凛「ア…アッパー…!!!」

海未「っ……」

海未(速い……穂乃果の拳が届く前に……)

穂乃果「くっ……」
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:39:32.94 ID:Sw6bgkz60
千歌「……」ザッ…!

海未「穂乃果…!危ない…!!」

穂乃果(やば…逃げ…

千歌「遅いよ」


ズドンッッッ!!!!


穂乃果「〜っっ!!?」

凛「ボ…ボディーを……」

ことり「穂乃果ちゃん……」

穂乃果「ぐっ……くぅ……」
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:41:26.90 ID:Sw6bgkz60
千歌「……」ザッ…

穂乃果「…!!」

海未「ほ…穂乃果の前に……」

穂乃果「くっ……!」

穂乃果(ダ…ダメだ……逃げなきゃマズいのに、さっきのボディー攻撃が効いて、足が……)

穂乃果の足 ガクガク…

ことり「千歌ちゃん……」

ことり(一体何を……)

千歌「………」

穂乃果(な…なに……?攻撃してこない……なんで……)

千歌「………」

凛「………」

凛(千歌先輩……)
679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:42:00.37 ID:Sw6bgkz60
穂乃果「なっ……なんなの…!?なんで攻撃しないの…!?言っとくけど、私は、まだ…

千歌「…私の拳は効くでしょ」

穂乃果「え……」

千歌「どっかの操り人形の拳とは違って」

穂乃果「…!?」

穂乃果「な…何を言って……」

千歌「弱いんだよ……穂乃果ちゃんは」

穂乃果「なっ…!!」

穂乃果「そ…そんな事ない…!!」

千歌「……」

穂乃果「私は強い…!!誰にも負けない…!!現に、焔ヶ丘のみんなは、私についてきてくれる…!!アキバの救世主って呼んでくれる…!!ツバサさんも認めてくれてる…!!だから、私は強いんだ…!!弱くないんかない…!!!」

千歌「………」

ことり「穂乃果ちゃん……」

海未「穂乃果……」
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:42:48.83 ID:Sw6bgkz60
穂乃果「っ……」

千歌「違うんだよ……穂乃果ちゃん……」

穂乃果「…!?」

千歌「そんなの強さじゃないんだよ」

穂乃果「…!!?」

穂乃果「じゃ…じゃあ…!!何なの…!!こんなに沢山の人に、強いって言われてる私が、強くないんだとしたら、何が強いの…!!?教えてよ…!!」

千歌「………」

千歌「…それは私にも分からない……」

穂乃果「は…はぁ…!?」

千歌「何だろうね…強さって……私も、ずっとそれを探してる気がする……」

穂乃果「な…なにそれ……」

穂乃果「じゃあ、偉そうに言っといて、結局、なにも分かんないんじゃん……」
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:43:42.47 ID:Sw6bgkz60
千歌「そうだね…でも、これだけは分かる…」

穂乃果「…?」

千歌「強い人は、変われる人なんだと思う……それは、すごい勇気がいる事だから……」

穂乃果「…!」

千歌「自分の弱さに正面から向き合って、このままじゃいけない…変わろうって思える人……」

穂乃果「……」

千歌「もうダメだ…逃げ出したいって時に、諦めないで、一歩踏み出せる人……」

穂乃果「……」

千歌「…たぶん……強い人って、そういう人なんだと思う……」

ことり「………」

海未「………」

凛「………」

花陽「………」
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:44:40.82 ID:Sw6bgkz60
穂乃果「……っ」

穂乃果「な…なにそれ……」

穂乃果「…じゃあ、なに…?今、私がA-RISEに立ち向かう事が強さなの…?だとしたら、それは勇気じゃなくて、蛮勇だよ…!!さっきから、言ってるじゃん…!私達が、いくら束になろうと、A-RISEの前じゃ、ちっぽけな存在でしかないんだって…!!」

ことり「穂乃果ちゃん……」

海未「………」

千歌「………」

千歌「…たしかに、私達の力は微力かもしれない……でも、無力じゃない……」

穂乃果「…!」

凛「………」

千歌「少しずつでもいい……抗い続ければ、何か変わるかもしれない……」

穂乃果「………」

千歌「それを、最初から無理だって言って、やらないで、屈服するしかないの……?」

穂乃果「………」

千歌「違うじゃん……!無理じゃないよ…!1%でも、0.1%でも可能性があるなら挑もうよ…!!」

穂乃果「………」

千歌「それを諦めちゃったら、私達は、何の為に生きてんのか分かんないじゃん…!!」

穂乃果「………!」

凛「千歌先輩……」

ことり「千歌ちゃん……」

花陽「千歌先輩……」

海未「高海…千歌……」

穂乃果「千歌…ちゃん………」

千歌「………」
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:45:49.03 ID:Sw6bgkz60
梨子「千歌ちゃんの言う通りね……」

千歌「…!?」クルッ…!

凛「え…!?」

海未「………!」

花陽「り…梨子先輩…!!」

曜「あはは…やっぱり、千歌ちゃんが絡んでたか……」ハァ…ハァ…

花陽「それに、曜先輩も…!!」

ことり「二人とも来てくれたんだ…!」

梨子「えぇ…いろいろあって、少し遅くなったけどね……」

曜(梨子ちゃんのせいでね……)
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:47:38.20 ID:Sw6bgkz60
穂乃果「………梨子ちゃん…」

梨子「………」

曜「………」

曜(みんな、ひどい怪我してる……ことりちゃんまで……)

曜(一体なにが……)

梨子「…何があったのかは聞かないわ……」

曜「え…」

梨子「今の会話で、だいたい分かったから…」スッ…

花陽(…千歌先輩達の方に……)
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:48:10.52 ID:Sw6bgkz60
梨子「………」

穂乃果「………」

千歌「梨子ちゃん……」

梨子「………」

梨子「また、喧嘩したのね…」

千歌「うぐっ…」

梨子「いいわ…分かってる……拳で語るって言うの?そういうのが、あるんでしょう?」

千歌「……!」

穂乃果「………」

梨子「それで、どうだった?千歌ちゃんの言葉は伝わった…?」

穂乃果「…!」
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 19:48:53.33 ID:Sw6bgkz60
穂乃果「………」

千歌「穂乃果ちゃん……」

穂乃果「……」

ことり「……」

海未「……」

凛「……」

花陽「……」

梨子「………」

穂乃果「………」

穂乃果「か…」

穂乃果「…変わりたい……」

ことり「…!!」
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