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千歌「決めた…!私、この転校を機にヤンキー辞めて、真面目に生きる!!」
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488 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:11:45.20 ID:KH0vmilW0
穂乃果「……」ツカツカ…
ことり(…約束……守れそうにない……)
はさみ スッ…
ことり(やっぱり、私じゃ説得なんてできなかった……でも……)
ことり「…っ!!」バッ!
ことり(穂乃果ちゃん一人止める事なら……!)
グサッ!!
ことり「〜っっ!?」
ことり「ぐっ…あああああああああっっ…!!!」
穂乃果「…!?」クルッ!!
ことりの足 ダラダラダラ…
穂乃果「こ…ことりちゃん…!?ち…血が…!!」
489 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:12:28.63 ID:KH0vmilW0
ことり「あぐっ…あっ…あああっっ…!!うあああああっっ…!!!」ドサッ…!!
穂乃果「…!?」
穂乃果「ことりちゃん…!!」ダッ!!!
ことり「うぐっ…あ…あぁ……」
穂乃果「な…なんで…!!ことりちゃん…!!ことりちゃん…!!!」
ことり「はぐっ…あ…はぁ……はぁ…」
穂乃果「ち…血の量がすごい……止血しなきゃ……ほ…保健室に……!!」
ことり「はっ…はっ…はぁ…はぁ…」
穂乃果「ごめん…ことりちゃん…ちょっと、動かすよ…!!」
穂乃果「よっと…!」グイッ…!
ことり「うぐっ…!」フワリッ…
穂乃果「…!」
穂乃果「…っ」
穂乃果「ごめん…ごめん……ことりちゃん……ごめん……」
ことり「はぁ…はぁ……」
490 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:13:12.63 ID:KH0vmilW0
穂乃果「…!」
穂乃果の服 ジワァ…
穂乃果(血が私の服まで……出血量が多すぎる……)
穂乃果「急がないと…!!」ダッ…!!
ことり「はぁ…はぁ……」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
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491 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:13:49.12 ID:KH0vmilW0
水見色高校 校門−
キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…
花陽「それじゃあ、くれぐれも喧嘩しないようにしてくださいよ…!ことり先輩のためにも!」
千歌「分かってるって!それに、今日は焔ヶ丘と会わないように、別の道で行くし」
曜「いつもの道だと、焔ヶ丘の通学路と重なるからね」
花陽「そうなんですか…?でも、それなら安心ですね!会わないのが一番ですから!」
梨子「会ったら喧嘩しそうだしね」
千歌「し…しないよ!!」
492 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:16:06.07 ID:KH0vmilW0
曜「そういえば、今日、凛ちゃんは?昼休みの時はいたけど…」
花陽「凛ちゃんは、宿題忘れて、職員室に呼び出されてます……」
千歌「ほんと!?あははっ!凛ちゃん、バカだね〜!」
梨子「人の事、言えないでしょ?千歌ちゃん、このままいったら、留年よ」
千歌「えぇ!?」
493 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:19:24.28 ID:KH0vmilW0
凛「おーい!みんなー!!」タッタッタッ!
花陽「あ、凛ちゃん!」
凛「ごめん、かよちん、遅くなったにゃ……」
凛「なんか、宿題の話だったのに、聞く態度が悪いとか別の事も言ってきて……」
梨子「凛ちゃんが悪いじゃないの……」
凛「凛は普通に立ってただけだにゃ!」
曜「どんな風に立ってたの?」
千歌「あ…あの……梨子ちゃん、留年って……」
凛「普通に、こうにゃ!」バーン!
梨子「え?千歌ちゃん、何か言った?」
曜「態度、わるっ!!」
花陽「凛ちゃん、そんなに顎あげて聞いてちゃダメだよ…?」
千歌「いや、私が留年するとか、なんとか…」
凛「えっ!?千歌先輩、留年するの!?」
梨子「このままだとね、先生が話してたわ」
凛「ほんとかにゃ!?じゃあ、もう千歌先輩じゃなくて、千歌ちゃんだね!」
千歌「…!?」
494 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:20:35.19 ID:KH0vmilW0
千歌「ま…まだ決まったわけじゃないよ!!これから、頑張るんだよ!!」
梨子「頑張るの?」
千歌「うっ……」
千歌「が…頑張る…よ……うん…」
梨子(頑張らなそうね……)
曜「じゃあ、今日は早く帰って勉強会でもしますか!」
千歌「えぇ…!?」
梨子「そうね、じゃあ行きましょう」
千歌「そ…そんなぁ……今日は、見たいテレビが…」
梨子「それじゃあ、凛ちゃん、花陽ちゃん、また明日ね」
花陽「はい…!失礼します…!」
495 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:23:51.32 ID:KH0vmilW0
凛「あれ?今日、千歌先輩達、いつもと方向が違うような……」
花陽「あ、焔ヶ丘に会わないように、道変えたんだって」
凛「ふーん、面倒くさい人達だにゃ」トコトコ
花陽「あはは、まぁ、でも、会うと何が起きるか分からないからね…不良同士だと……」トコトコ
凛「たしかに……特に曜先輩は怪しいにゃ、喧嘩を楽しんでるような所あるし……」トコトコ
花陽「曜先輩は格闘技やってるからね〜、闘うの好きなんだよ、きっと」トコトコ
凛「戦闘狂だにゃ……」トコトコ
花陽「凛ちゃん、それひどい」アハハ…
??「なにやら楽しそうですね…私も混ぜてもらえますか?」ザッ…
凛「え…?」クルッ…
凛「…!!?」
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496 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:26:09.42 ID:KH0vmilW0
水見色二年生サイド−
梨子「はい、じゃあ、次の問題」トコトコ
千歌「……」ゴクリッ…
梨子「享保の改革を行った江戸幕府八代将軍は?」トコトコ
千歌「と…徳川………」トコトコ
曜「頑張って!千歌ちゃん!」トコトコ
千歌「い…家…
梨子「はい、はずれ」トコトコ
千歌「えぇ…!?まだ全部言ってないじゃん!」トコトコ
梨子「正解は徳川吉宗。全員「家」がつくと思ったら大間違いよ」トコトコ
千歌「なっ…」
曜「ドンマイ!千歌ちゃん!次、頑張ろ!」トコトコ
497 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:26:35.73 ID:KH0vmilW0
千歌「うぬぬ…でも、梨子ちゃんの出す問題、難しすぎて……」トコトコ
梨子「いや、簡単よ……これくらい、中学生でも分かるわ」トコトコ
千歌「私が中学の時は分かんなかったよ!」トコトコ
梨子「一般的な中学生なら分かるの!はい、ほら、次の問題いくわよ」トコトコ
千歌「う〜…もう、やめたい……」トコトコ
498 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:27:21.81 ID:KH0vmilW0
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スマホ ピコンッ…ピコンッ…ピコンッ…
花丸「こっちに歩いてきてるずらね」
善子「くっくっくっ……愚かね…地獄に近づいているとも知らずに……」
花丸「そろそろ、そこの角から出てくるずら」
善子「そうね……じゃあ、行きますか」
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499 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:27:51.43 ID:KH0vmilW0
千歌「ペ…ペリー!」
梨子「違うわ……千歌ちゃん、外国人は全員ペリーじゃないわよ…?」
千歌「わ…分かってるよ!!でも、ペリーしか知らないから、ペリーに賭けるしかないんだよ!」
曜「千歌ちゃん、外国人の問題、全部ペリーって答えてるもんね…」
500 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:28:17.38 ID:KH0vmilW0
善子「くっくっく……」
千歌「え…?なに……?笑い声…?」
善子「外国人をペリーしか知らないとは……愚かな下界の者よ……」ザッ…
千歌、曜「あっ…!!」
花丸「善子ちゃんに言われたくないけどね」ザッ…
千歌、曜「あーーーっ!!!」
梨子「え…?なに…?知り合い…?」
千歌「違うよ!!昨日会った焔ヶ丘の奴らだよ!!」
梨子「えぇ…!?焔ヶ丘!?」
501 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:29:41.37 ID:KH0vmilW0
曜「そうだよ!!はやく逃げなきゃ!!」
花丸「なっ…また逃げようと……」
善子「今度、そうはいかないわよ!!」ゴソゴソ…
千歌「梨子ちゃん!走るよ!!」
梨子「え…えぇ…!!頑張るわ!!」
善子「くらえっ!!堕天奥義!!堕天龍鳳凰縛ーーっっ!!!」バッ!!!
網 ブワッ…!!
千歌「え…」
曜「あ…網…!?」
梨子「…!?」
千歌「危なっ!」ヒョイッ!
曜「よっと!」ヒョイッ!
梨子「きゃあああっ!!」ガバッ!!
曜「梨子ちゃん!!」
千歌「あぁ…!梨子ちゃん、鈍臭いから!」
502 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:31:03.26 ID:KH0vmilW0
梨子「ちょ…なにこれ…!!助けて!!」ジタバタ!
善子「くっ…一人しか捕らえられなかったか……」
善子「まあ、いいわ……後は、これで…」スッ…
梨子「え!?なに…!?手錠!?」
善子「その通り!!それも、警察から頂いた本物の手錠よ!!」ガチャン!!!
梨子「ああっーー!!」
善子「片方は、この金網につけて……」ガチャン!
梨子「ああっーー!!!」
千歌「あ…」
曜「や…やば……」
503 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:31:35.03 ID:KH0vmilW0
梨子「なんで早く助けてくれなかったのよ!!」
千歌「いや…なんか行ったら私も絡まりそうで……」
梨子「なによ!それ!!じゃあ、これ、どうするのよ!!」
曜「か…鍵を貰えれば……」
善子「バカなの?渡すわけないでしょ?」
曜「あはは…ですよね……」
花丸「これで、まる達と闘うしかなくなったずらね……まあ、仲間を置いて逃げるって手もあるけど……」
善子「その場合は、お仲間さんが、どうなるか……分かってるわよね…?」
梨子「ひっ…」ゾッ…
千歌「くっ…」
504 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:32:27.93 ID:KH0vmilW0
曜「ち…千歌ちゃん……これは…」
千歌「…! ダ…ダメだよ…!!ことりちゃんと約束したんだから…!!」
曜「でも…このままじゃ、梨子ちゃんが…」
梨子「私の事はいいから!二人とも、逃げて!!」
千歌「梨子ちゃん……」
曜「………」
善子「そんなに逃げたいの?随分と、まあ腰抜けなのね……くくっ……」
曜「…!」ムカッ…
曜「あいつ…また……千歌ちゃんを……」
善子「あら…?なに、その目は……腰抜けって言われてキレた……?くっくっ…あなたは、まだ見込みあるようね……そこのオレンジ頭に比べて……くっくっくっ……」
曜「…!」プツンッ…
千歌「…オ…オレンジ頭って……」
曜「………」
曜「千歌ちゃん……」
曜「先行ってていいよ……」
千歌「え……よ…曜ちゃん…!?」
505 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:32:59.94 ID:KH0vmilW0
曜「梨子ちゃんは、私がなんとかするから……」
千歌「い…いや…!それなら、私も残って…」
曜「二対二じゃ、喧嘩になっちゃう」
千歌「え…」
曜「二対一なら……正当防衛だよね…?」
千歌「い…いや……それは……」
梨子「ちょ…曜ちゃん!?喧嘩しようとしてない!?」
曜「喧嘩じゃないって…二対一だから正当防衛だよ…正当防衛……」
梨子「いや、喧嘩よ!?やっちゃダメよ!曜ちゃん!!」
曜「行って、千歌ちゃん……千歌ちゃんが捕まるのはマズイ……」
千歌「う…うん……!」
梨子「ちょ…千歌ちゃん!!」
506 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:33:36.62 ID:KH0vmilW0
千歌「それじゃあ、梨子ちゃんは任せたよ!!曜ちゃん!!」ダッ!!
曜「任せて……ふふふ……」
梨子「あっ…!ちょ…ま…待って!!千歌ちゃん!!明らかにダメでしょ!!曜ちゃん、喧嘩する気満々よ!!」
千歌「だとしても、もう止められないから!!後は、よろしくね!梨子ちゃん!!」タッタッタッ!
梨子「え…ちょ……」
曜「さぁー…て…」コキッ…
花丸「善子ちゃん!オレンジの方が逃げちゃうずらよ!」
善子「分かってるわよ!!私が行くわ!!」ダッ!!
曜「…」サッ…
花丸「…!」
善子「え…
曜「はっ…!!」ズンッッッ!!!
善子「…!?」
507 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/07(水) 18:34:18.78 ID:KH0vmilW0
善子「あ…あが……」フラッ…
花丸(今の動き……)
花丸「空手……ずらか……?」
曜「ご名答……まあ、普通の空手とはちょっと違うけどね…?」
善子「〜〜っっ!!」
善子(ちょ…な…なにこのパンチ……重……鉄球でもお腹に叩きつけられたみたいに……)
梨子「はぁ……もう……」
曜「空手の拳は痛いでしょ?ボクシングなんかとは違って、素手でやる格闘技だからね……拳の硬さが違うんだよ」
善子「…っ」
花丸「善子ちゃん……これは、ちょっと本気でやらないとマズイ相手っぽいずら……」
善子「わ…分かってるわよ……」
善子、花丸「……」ゴゴゴゴゴ…
曜「来なよ…」クイクイ…
梨子(ダ…ダメだ……この人……)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
508 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/07(水) 20:54:45.03 ID:cqVOAhpmo
もうだめ猫の人
509 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/08(木) 03:11:01.35 ID:PScHcx06o
ヤバい面白い
510 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/08(木) 03:22:26.83 ID:se1mpo8qo
本気ってなんだろう?アホとか言われてたし
511 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:28:40.85 ID:8rfPf4vL0
凛、花陽サイド−
海未「………」ゴゴゴゴゴゴゴ…
花陽「う…海未先輩……」
凛「なんで、こんな所に……」
海未「あなたを倒すためですよ、凛。絢瀬絵里のいない今、水見色で一番怖いのはあなたですからね」
凛「…!」
花陽「り…凛ちゃん……」
512 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:29:12.67 ID:8rfPf4vL0
凛「分かってるにゃ……でも、海未先輩から逃げられるかどうか……」
海未「逃げる……?アキバの暴れ猫と呼ばれたあなたが…?」
凛「…っ、そうにゃ…!ことり先輩と約束したんだにゃ…!!」
海未「ことり……?」
海未「………」
凛「な…なんにゃ…!その顔は…!!」
花陽「凛ちゃん…!早く逃げないと…!」
513 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:31:45.33 ID:8rfPf4vL0
海未「………」
凛「…っ!」
凛「な…なんで暴走族なんかにいいようにされてるにゃ…!!ことり先輩は一人で闘ってたにゃ!!可哀想だにゃ!!なんで、支えてあげないんだにゃ!!」
海未「………」
花陽「凛ちゃん……」
凛「ことり先輩、辛そうだったにゃ……昔みたいに戻りたいって言ってたにゃ……なのに…なんで……」
海未「………」
花陽「………」
海未「…言いたい事はそれだけですか……?」
凛「…!!」
海未「では…行きますよ…」スッ…
凛「………!」
花陽「海未先輩……」
花陽(ダメだ……考える事を放棄してる……)
514 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:33:02.34 ID:8rfPf4vL0
凛「…かよちん……」
花陽「え…?なに…?凛ちゃん……」
凛「やっぱり、凛……約束守れないにゃ……」
花陽「…!」
凛「凛は、このバカを一発殴ってやらないと、ことり先輩に申し訳ないにゃ…!!」
花陽「凛ちゃん……」
花陽「うん…!分かった…!!凛ちゃんがそうしたいと思ったなら、それが一番だよ…!!ことり先輩には、後で一緒に謝ろう…!」
凛「ありがとう…かよちん……やっぱり、かよちんは最高の親友だにゃ……」
515 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:34:03.09 ID:8rfPf4vL0
海未「話は済みましたか……?」ゴゴゴゴゴゴ…
凛「……」ゴクリッ…
凛「別に待ってくれなんて言ってないにゃ…」
海未「そうですか……では…」ザッ…
凛「…!」
凛(来る…!) ビクッ…!
海未「…」サッ…
凛(なっ…速…
ドンッ!!!
凛「あぐぁっ…!」グラッ…
凛(掌底……!)
花陽「凛ちゃん…!!」
516 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:34:47.49 ID:8rfPf4vL0
海未「………」スッ…
凛「くっ…」フラッ…
海未「……私が怖いですか…?凛…」
凛「…!」
凛「そ…そんな事…!」
海未「分かりますよ……あなたに喧嘩を教えてあげたのは私ですものね……」
凛「…っ」
海未「さっきから、ずっと震えてますよ…?降参した方が良いのではないですか…?」
凛「…!」
凛の足 ガクガクガク…
花陽「凛ちゃん……」
517 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:35:47.43 ID:8rfPf4vL0
凛「くっ…」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
中学−
凛「にゃ…!」バタッ!
海未「足への警戒が足りていませんよ?凛」
凛「うぬぬ……もう一回だにゃー!!」ガバッ!
海未「よっ…」トスッ…!
凛「にゃにゃっ!?」
海未「隙ありです…!」ドンッ!!
凛「にゃふっ…!」
海未「ふふっ…まだまだですね…凛、そんなんじゃ、いつまで経っても穂乃果には勝てませんよ?」
凛「ぬ〜……勝てるようになるまでやるにゃーっ!!!」ガバッ!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
凛「……っ」
518 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:36:25.24 ID:8rfPf4vL0
海未「どうしました…?来ないなら、こっちから行きますよ…?」
凛「…!」
凛(ダ…ダメにゃ……勝てる気が…
花陽「凛ちゃん…!!」
凛「…!」
凛「かよちん…?」
花陽「思い出して…!!屋上で、曜先輩と千歌先輩に教わった事…!!!」
凛「…!!」
海未「曜…千歌……?」
凛「そうだ……そうだったにゃ……」
海未「例の浦の星の転校生ですか……関わりがあったとは……ますます見過ごすわけにはいかなくなりましたね……」
凛「思い出したにゃ……」
凛の足 スッ…
海未「…!?」
海未(震えが……止まった……?)
519 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:37:20.77 ID:8rfPf4vL0
凛(怯える事なんてなかったにゃ……)
凛(凛には、海未先輩よりずっとずっと強い先輩がついててくれてたにゃ……)
凛(大丈夫……凛は勝てる……勝てる…!)
凛(曜先輩から教わったフラッシュと蹴り……) スッ…
凛(千歌先輩から教わった一撃必殺のカウンター……) ググッ…
凛(この二つがあれば……凛は海未先輩にだって負けない…!!!)
海未「…!?」
海未(構えが変わった……?)
海未(………)
凛「ここからが本番だにゃ…!!覚悟するにゃ!!凛が千歌先輩達と過ごした全てを、今ここで、海未先輩にぶつけるにゃ…!!!」
520 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:38:03.21 ID:8rfPf4vL0
海未「………」
海未「どうやら、中学の時の私は一つ教え忘れたようですね……」
凛「………」
海未「師を超える弟子など存在しないと…」スッ…
花陽「……っっ!!」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
521 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:38:57.81 ID:8rfPf4vL0
焔ヶ丘高校 保健室−
ことり「はぁ…はぁ…はぁ…」
穂乃果「うぅ……ことりちゃん……」
体温計 ピピピピピピピ…
穂乃果「あっ…鳴った…!」
ことり「はぁ…はぁ…はぁ……」
穂乃果「…!」
穂乃果「は…8度もある……」
穂乃果「ど…どうしよう……やっぱり病院に…」
ことり「…」ガシッ!
穂乃果「…!」
ことり「……」フルフル…
穂乃果「ことりちゃん……でも…」
ことり「はぁ…はぁ…ダメ……ダメなの……ここに居て……」
穂乃果「ことりちゃん……」
522 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:41:26.77 ID:8rfPf4vL0
ことり「はぁ…はぁ……はぁ………」
穂乃果「どうして……どうして、そこまで……」
ことり「はぁ…はぁ……ほ…穂乃果ちゃんが…」
穂乃果「……」
ことり「穂乃果ちゃんが……辛そうだったから……」
穂乃果「……っ」
穂乃果「そんなの……そんな事で……」
ことり「こ…ことりにとっては……一番大事な事だから……」
穂乃果「…!」
523 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:43:00.17 ID:8rfPf4vL0
ことり「うぐっ…!」ズキッ…!
穂乃果「ことりちゃん…!!」
ことり「はぐぅっ……くぅっ…」
穂乃果「ことりちゃん……」
穂乃果「うぅ……」
穂乃果「や…やっぱり病院行かないとダメだよ…!!」スクッ!
ことり「穂乃果ちゃ…」
穂乃果「もう何言っても聞かないから…!!私も、ことりちゃんが一番大事だよ…!!ことりちゃんが辛いのに、黙ってられないよ…!!」
524 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:43:50.41 ID:8rfPf4vL0
ことり「で…でも……」
穂乃果「ダメダメ…!!もう聞かないから…!!行くよ…!!」ガバッ!
ことり「いっ…」ズキッ…!
穂乃果「ごめん…痛むよね……でも、病院までだから…!」
ことり「はぁ…はぁ……」
穂乃果「行くよ、ことりちゃん!」スッ
ことり「ほ…穂乃果ちゃ……」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
525 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:44:33.62 ID:8rfPf4vL0
秋葉原 街中−
ザワザワ…ガヤガヤ…
千歌「あ…あれ…?」クルッ…!
千歌「えっと……」クルッ…!
ザワザワ…ガヤガヤ…
千歌「………」
千歌(ど…どうしよう………完全に迷った……)
千歌(もう……いつもと違う道とか行くから……)
千歌(どこだ、ここ……全然分かんないよ……)
千歌(あっ…!そうだ……人に聞けば……)
通行人「……」スタスタスタ…
千歌「あ…あの〜……」
通行人「……」スタスタスタ…
千歌「なっ…」
千歌(む…無視…!?)
千歌(ここにきて、都会の冷たさが……)
526 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:46:04.76 ID:8rfPf4vL0
千歌(あっ…!スマホ…!)
千歌(そうだ……そうだ……スマホがあったっけ…!いやぁ〜……便利になったなぁ〜…) ゴソゴソ…
千歌(ん…?) ゴソゴソ…
千歌(んん…!?) ゴソゴソ!!
千歌(嘘………)
千歌(スマホ、学校に忘れた……)
千歌(そんなぁーーーーっっ!!!)
千歌(どうすればいいのさ…!!これ!!もー!!曜ちゃん、梨子ちゃん、助けてー!!!)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
527 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:47:12.90 ID:8rfPf4vL0
曜、梨子サイド−
梨子「ふんっ……おりゃっ…!」ガシャンッ!ガシャンッ!
梨子「もー……全然取れそうにない……」
梨子(取れれば、喧嘩も終わるのに……)
善子「行くわよ!ずら丸!」
花丸「分かってるずら!善子ちゃん!」
曜「………」ゴゴゴゴゴ…
梨子「うぅ……」
528 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:48:05.77 ID:8rfPf4vL0
曜(二対一……)
曜(囲まれたらマズイ……深追いはできないか…)
曜(攻撃に来た所を狙うしかないね……)
善子「行くわよ〜」ゴソゴソ…
曜(ん…?何か来る…!)
善子「堕天奥義!!堕天龍幻惑無双!!!」バッ!!
曜(なんだ…!?)
煙玉 ボンッ…!!!
曜「えっ…!?な…なに…!?煙…!?」
曜「けほっ…な…なんなの……」
レーザー光線 ピーーー…
曜「…!?」ピーーー…
善子「いた…!!ずら丸!あそこよ!!」
花丸「分かったずらああああっっっ!!!」ダッ!!
煙 ブワッ!!!
曜「…!!?」
花丸「ずらあっ!!」ドンッッッ!!!!
曜「ぶっ…!?」メキメキィッ…
曜(た…体当たりって……)
529 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:48:36.57 ID:8rfPf4vL0
花丸「ずらぁっ!!!」ドガッッッ!!
曜「あがっ…!」
梨子「ちょ…曜ちゃん…!?大丈夫なの…!?何が起こってるの…!?」
善子「くっくっくっ……狂乱の宴よ……」
梨子「え…?きょ…狂乱…?宴……?」
梨子(ダ…ダメだ……この善子って子、何言ってるのか全然分からない……)
曜「くっ…!」ザザッ…!
梨子「あっ!曜ちゃん…!!」
善子「あら…、今ので倒れないなんて……なかなかタフなようね…」
花丸「仕留め損ねたずら……」スッ…
曜「〜っ!」
曜(いったぁ〜……骨いったかな…これ……)
530 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:49:02.50 ID:8rfPf4vL0
曜(それにしても、煙玉にレーザーまで使って……なんなの、この喧嘩……)
曜(凛ちゃんが二度とやりたくないって言ってたのも納得だよ……全く……)
善子「くっくっくっ……次は立っていられるかしらね……」ゴソゴソ…
曜「あっ…!」
曜(やばい…!また、なんか変な事される…!!)
曜(止めなきゃ…!!) ダッ!!
善子「む…!」
531 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:51:35.10 ID:8rfPf4vL0
曜「はぁっ…!」ブンッ!!
善子「危なっ!」スカッ!!
曜「…!?」
曜(避けられた…!?)
善子「…」タッタッタッ…!
曜(うっ…もう、あんな遠くに……)
花丸「ずらぁっ!!」ブンッ!!
曜「…!」ガキィンッ!!
曜「〜っ!!」
曜(ガ…ガードしたのに……)
曜(この子…スピードは無いけど、パワーが段違いだ……)
善子「さー!休ませないわよー!!」ゴソゴソ…
曜(そんで、奥の子は反射神経はあるけど、おそらく腕力は無い……)
曜(互いに弱点を補い合ってるってわけか……厄介な二人組だな……)
532 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:52:16.68 ID:8rfPf4vL0
善子「くらいなさいっ…!!堕天奥義!!」
曜「…!!」
曜(マズイ…!それをやられると…!!)
善子「堕天龍日輪閃光!!!」ポイッ!
曜(なに…!?)
善子「ずら丸!」ギュッ…!
花丸「分かってるずら!」ギュッ…!
閃光弾 カッ…
梨子「え…?」
閃光弾 ピカァァァァッッッ!!!!
梨子「きゃ…!?なに…!?」
曜「眩しっ…!?」
533 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:52:58.19 ID:8rfPf4vL0
善子「よしっ!」スゥッ…
花丸「閃光弾炸裂ずら!!」スゥッ…
曜(うぐっ…目が……)
善子「今よ!ずら丸!!」
花丸「ずらぁっ!!」ダッ!!
曜「くっ…」
花丸「ボディーがガラ空きずら!!」
ドスッッッ!!!
曜「ぐぁっ…!?」メキッ…
曜「〜〜っ!!」
534 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:54:13.27 ID:8rfPf4vL0
梨子「え…!?ど…どうしたの!?曜ちゃん!?見えないんだけど…!!」
曜「うっ…うぁ……」
曜(くっ……)
曜(や…やばい……結構いいの貰っちゃった……)
善子「さぁ……トドメよ……地に伏しなさい……蛮族よ……」ゴソゴソ…
梨子「…!!」
梨子「そんな…!曜ちゃん……!!」
曜「っ……」
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535 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:55:42.10 ID:8rfPf4vL0
凛、花陽サイド−
海未「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
凛「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
花陽「り…凛ちゃん……」
海未「……」ズリッ…
凛「…!」
凛(…距離を縮めてきてる……)
536 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:56:11.49 ID:8rfPf4vL0
凛「………」
海未「………」
凛(海未先輩の家の武術は打撃技中心の独自流派……)
凛(凛との戦いは必然、近距離でのインファイトになる……)
凛(そんな中で…まして、武術の達人の海未先輩からカウンターを取れるほど、凛は強くない……)
海未「……」ズリッ…
凛(だとすれば、海未先輩を倒す可能性のある打撃は……)
海未「すぅ……」
花陽(う…海未先輩が、攻撃に入る……!)
凛(フラッシュで隙を作ってからの蹴り……!これしかないにゃ……!!)
537 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:58:12.44 ID:8rfPf4vL0
海未「はっ…!!」ダッ!!!
凛「…!!」
凛(来た…!!!)
海未「……」ザッ!
凛(右を振りかぶった…!!ガード…!!!) サッ…!
海未「……」キッ…!
ガツンッッッ!!!!
凛「あぐっ…!?」フラッ…
凛(左…!?マズイ……右は誘いだった……!)
538 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:59:04.36 ID:8rfPf4vL0
凛(迂闊だった……!相手は海未先輩…!考えを改めろ…!!)
凛(体勢を立て直せ…!!!)
海未「……」シュッ…!!
パンッ!!パンッ!!!
凛「ぶっ…!あっ…!!」
花陽(左右のワンツー…!!速い…!!見えなかった…!!)
凛(た…体勢を……)
海未「……」キュッ…!!
凛「…!!」
海未「はあぁっっ!!」
ドッッッッッ!!!!
凛「ぶはっ…!!」フワリッ…
539 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 21:59:51.28 ID:8rfPf4vL0
凛「ぐっ…あがっ……!」ズザァァァッッ!!!
凛「うぐ……ぐぅ…」
花陽「凛ちゃん…!!」
海未「………」
凛「げほっ…!がはっ…!!」
花陽「凛ちゃん……」
花陽(ワンツーで距離をとってからの腹部への前蹴り……海未先輩…本気で凛ちゃんを潰す気だ………)
540 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:01:58.18 ID:8rfPf4vL0
凛「はぁ…はぁ……」
海未「……」
海未「…そんなものですか……あなたの全ては……」
凛「…!」
凛「くっ…!」キッ…!
海未「睨んだところで何も変わりませんよ、分かりますか?凛……世の中には、思いがどんなに強くても、どうにもならない事があるのですよ」
凛「っ…」
凛「そ…それは……A-RISEの事を言ってるのかにゃ……?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
海未「…!?」
海未「…ことり…ですか……全く……他には漏らすなと言ったのに……」
凛「質問に答えるにゃ……それは…!A-RISEの事を言ってるのかにゃ…!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
海未「………」
海未「そうですが………どうかしましたか…?」
凛「…!!」
花陽「凛ちゃん……」
541 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:03:08.82 ID:8rfPf4vL0
凛「あぁ…そうかにゃ……よく分かったにゃ……やっぱり、海未先輩は凛がぶっ飛ばさないと気が済まないにゃ………」
海未「………」
凛「何が、どうにもならない…だ……!そんな事あるか……!ことり先輩は…!ことり先輩は、諦めてなかったにゃ…!!!」
海未「………」
凛「……」スクッ…
凛「さっきは、ちょっと油断してたにゃ……こっからが本番……覚悟するにゃ…!!!」ザッ…!!
花陽「凛ちゃん…!!」
海未「…何度やっても…結果は同じです……あなたが私に勝つ事は絶対にありません……!!」ザッ…!!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
542 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:04:19.78 ID:8rfPf4vL0
西木野総合病院 出口−
穂乃果「ありがとうございました!」
看護師「お大事に〜」
ことり「はい…!ありがとうございます…!」
自動ドア ウィーン…
ことり「よっと……」ツカッ…
穂乃果「大丈夫?ことりちゃん……松葉杖歩きにくくない…?」トコトコ
ことり「ううん…!思ったより歩きやすいよ!早くは歩けないけど……」ツカツカ
穂乃果「そっか……足は…?痛くない……?」トコトコ
ことり「あはは…それは、まだちょっと痛いかな……でも、さっきよりは全然平気!」ツカツカ
穂乃果「そっか……」トコトコ…
543 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:06:16.12 ID:8rfPf4vL0
ことり「………」ツカツカ…
ことり(………) ツカツカ
ことり(結局、焔ヶ丘を出る事になっちゃったけど、この時間なら、もう水見色のみんなは家に帰ってるはず……) ツカツカ
穂乃果「………」トコトコ…
ことり(でも、根本的解決にはなってない……私が……私が、穂乃果ちゃんを説得しないと……) ツカツカ
穂乃果「………」トコトコ…
ことり「あ…あのさ…
穂乃果「ことりちゃん……」トコトコ…
ことり「え…」ツカツカ…
穂乃果「ごめんね……私のせいで、こんな事になっちゃって……本当に…ごめん……」トコトコ…
ことり「穂乃果ちゃん……」ツカツカ…
544 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:09:37.43 ID:8rfPf4vL0
穂乃果「っ……」トコトコ…
ことり「ほ…穂乃果ちゃん…!じゃあ…!」ツカツカ…
穂乃果「ごめん……」トコトコ…
ことり「…!」ツカツカ…
穂乃果「ごめん……無理なんだ………もう、どうしようもないんだ……」トコトコ…
ことり「…!そ…そんなの、やってみなくちゃ分からないよ…!!」ツカツカ…
穂乃果「…分かるよ……相手が悪すぎる……歯向かっちゃダメなんだよ………」トコトコ…
ことり「で…でも…!」ツカツカ…
穂乃果「もう…私だけの問題じゃない……私の我儘で動いていい問題じゃない……」トコトコ…
ことり「穂乃果ちゃん……」ツカツカ…
545 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:12:09.72 ID:8rfPf4vL0
穂乃果「………」トコトコ…
穂乃果「…私ね……昔は、頑張ればできない事なんて無いんだって思ってた……」トコトコ…
ことり「……」ツカツカ…
穂乃果「だから、私は無我夢中に頑張ったし、実際できた……できなかった事もあったけど、それは頑張りが足りなかったからだと思った……」トコトコ…
ことり「……」ツカツカ…
穂乃果「…でも、違った……世の中には、絶対にどうにもならない事があった……」トコトコ…
ことり「……」ツカツカ…
穂乃果「私なんかじゃ、何をどう頑張ったって変えられない……そういう絶対のモノ……」トコトコ…
ことり「穂乃果ちゃん……」ツカツカ…
穂乃果「だから諦めるしかない……でも、これは悪い事じゃないの……仕方ないから……それを変えようとするのは無謀だし、もっと悪い方向に行くかもしれない……」トコトコ…
ことり「……」ツカツカ…
546 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:21:06.80 ID:8rfPf4vL0
穂乃果「ごめんね……こんなの私らしくないよね……私も大人になったのかも……」トコトコ…
ことり「…!」ツカツカ…
穂乃果「昔みたいに戻れるって言ったけど、やっぱり無理かもしれないや……私、もう知っちゃったから……嫌な事も含めていろいろ……」トコトコ…
ことり「そ…そんな……」ツカツカ…
ことり「戻れる…!戻れるよ…!!いや、戻ろうよ…!!できるよ……絶対できるって……!穂乃果ちゃんが、私に教えてくれたんじゃん…!!だから、私は……」ウルウル…
穂乃果「………」トコトコ…
穂乃果「ごめん……ごめんね……ことりちゃん……」トコトコ…
ことり「うぅ……謝らないでよ……また、昔みたいに笑ってよ……」ポロポロ…
穂乃果「……ごめん…」トコトコ…
ことり「うぅ…ぅ……」ポロポロ…
547 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:21:57.60 ID:8rfPf4vL0
穂乃果「………」トコトコ…
千歌「えっと…たしかこっちの方に……」タッタッ…
穂乃果「…!!?」ピタッ…!
ことり「…!!?」
ことり「ち…千歌ちゃん……!!?」
千歌「え…?」クルッ…
千歌「…!!??」
千歌「ええええええええええええっっっ!!??こ…ことりちゃんと穂乃果ちゃん…!!??」
548 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:23:03.34 ID:8rfPf4vL0
穂乃果「千歌…ちゃん……」
穂乃果「………」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
一年前 都内某所−
ツバサ「東京都…千代田区…外神田○丁目……○-○○……」
穂乃果「…!?」
ツバサ「それと……東京都…千代田区…外神田○丁目……○○-○……」
穂乃果「そ…それって……」
ツバサ「そう……」ピラッ…
ことりと海未の家の写真 ドンッ!!
穂乃果「…!!」
549 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:23:48.21 ID:8rfPf4vL0
ツバサ「無論、これだけじゃなく、あなたの友達の住所は全て把握してあるわ…中学時代のものも含めてね…?」
穂乃果「…!!!」
ツバサ「約束を守れなかったら………」
ツバサ「分かるわね……?」
穂乃果「………っ」
穂乃果「は…はい……」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
穂乃果「高海…千歌……」メラァッ…
千歌「え…ちょ……ほ…穂乃果ちゃん…?」
550 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:24:25.47 ID:8rfPf4vL0
ことり「…!」
ことり「千歌ちゃん、逃げて…!!!」
千歌「え…?」
穂乃果の鞄 ドサッ…
穂乃果「……」ダッ…!!!
千歌「え…!えぇ…!?」
千歌「ほ…穂乃果ちゃん…!!おおおお落ち着いて…!!話し合えば…」
穂乃果「……」ザッ…!
千歌「いっ…!」
穂乃果「……」ブンッ!!!
千歌「あぶっ…!?」スカッ…!!
穂乃果「……」ギュルンッ…!
千歌「え…?」
穂乃果「あぁっ!!!」ブゥンッッ!!!
千歌「…!?」
千歌「っ…!」カスッ…!
千歌(う…後ろ回し蹴りって……!喧嘩で使う人、曜ちゃん以外に初めて見た…!!)
千歌(格闘技経験者…!?)
551 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:26:14.57 ID:8rfPf4vL0
穂乃果「……」ダッ…!!!
千歌「うっ…」
千歌(ま…まだ来る…!!)
ことり「千歌ちゃん…!!」
千歌「う…うん…!!これは逃げた方が良さそうだ…!!」ダッ…!!!
穂乃果「くっ……待てっ…!!」タッタッタッ!!!
千歌「いや、待つのは穂乃果ちゃんの方だよ…!!一旦、話し合おうって…!!!」タッタッタッ!!!
ことり「逃げて…!!遠くまで…!!!絶対、闘っちゃダメだから…!!!」
千歌「わ…分かってるよ…!!!」タッタッタッ!!!
穂乃果「……」タッタッタッ!!!
552 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:27:02.96 ID:8rfPf4vL0
ことり「………」
ことり「穂乃果ちゃん……」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
穂乃果「昔みたいに戻れるって言ったけど、やっぱり無理かもしれないや……私、もう知っちゃったから……嫌な事も含めていろいろ……」トコトコ…
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ことり「………」ウルウル…
ことり「…っ」
ことり「ダメだ……今は感傷的になってる場合じゃない……穂乃果ちゃんを止めなきゃ……」
ことり「できる……やれる……そう穂乃果ちゃんに教えて貰ったから……」
穂乃果の鞄 ズズズ…
ことり(穂乃果ちゃんの鞄……ここに置いてくわけにもいかないよね……)
553 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/08(木) 22:28:11.64 ID:8rfPf4vL0
ことり「よっと……」グイッ…
ことり「ん…?重い……」
ことり「何が…」
拳銃 ポロッ…
ことり「…!!??」
拳銃 ガンッ…ゴロゴロ……
ことり「こ…これって………」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
554 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:37:33.95 ID:5YIaQvJu0
凛、花陽サイド−
花陽「………」ゴクリッ…
海未「……」ズリッ…
凛「…!」
凛(来る……行かなきゃ…!)
凛(後手に回れば、凛に勝ち目は無い…!)
凛(先手を取って、速さで圧倒する…!!)
555 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:38:13.34 ID:5YIaQvJu0
海未「……」ズ…
凛(今にゃ…!!)
凛「にゃあああっ!!!」ダッ!!!
海未「……」ユラリ…
凛「…!」
凛(隙あり…!!チャンス…!!!)
海未「……」
凛(ここだぁっっ!!!) ゴォッッ!!!
ガンッッッ!!!!
花陽「あっ…!」
凛「…がはっ……!」フワリッ…
海未「………」
凛(い…今……何が……)
花陽「カ…カウンター……!!」
556 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:38:50.69 ID:5YIaQvJu0
海未「若いですね……私が、そう簡単に隙を見せるとでも…?」
凛「…!」
凛(そ…そうだった……) クラッ…
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
千歌「例えばだけど、不用意に前に出たり、わざとガードに隙を作って狙わせたり……相手の次の攻撃を誘導するの!」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
凛(なにも……)
凛(なにも身につけてなんかいなかった……)
凛(ダメだ……もう…頭が…回らない……)
凛(ごめん……ごめん…千歌先輩…曜先輩……) フラフラ…
花陽「り…凛ちゃん…!!!」
557 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:39:38.10 ID:5YIaQvJu0
海未「眠りなさい……」
凛(凛の……) フラッ…
海未「……」
花陽「そんなっ…!」ウルッ…
凛「……」フラァ…
凛(凛の……負…
??「おっと…」ポスッ…
海未「…!!?」
花陽「あ…あぁ……!」
凛「うっ…な…なんにゃ……?」
??「星空…凛さんだったかしら…?ありがとうね、それと、遅くなってごめんなさい…病院抜け出すのは大変で……」
凛「え…?」
海未「っ……」
海未「あ…あなたは……!!」
絵里「さぁーて……ウチの可愛い後輩を傷つけた罪は重いわよ……?園田さん……」
海未「絢瀬…絵里……!!!」
花陽「え…絵里先輩っっ…!!!」ウルッ…!
558 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:40:59.92 ID:5YIaQvJu0
凛「絵里…先輩………」
絵里「喋らなくていいわ…ゆっくり休みなさい……後は、私がやるから……」
凛「…!!」
凛「絵里先輩……」ウルッ…
凛「凛……凛…ダメだったにゃ……凛…なにもできなかったにゃ……うぅ……」ポロポロ…
絵里「泣かないのよ…可愛い顔が台無しだわ」ニコッ
絵里「小泉さん…」
花陽「は…はいっ…!!」
絵里「星空さんをお願いできるかしら……あなたといる方が、星空さんも休まるだろうから」
花陽「…!!」
花陽「はいっ…!!」
花陽「り…凛ちゃん…!!」ダッ!
凛「うぅ……かよちん……」ポロポロ…
花陽「凛ちゃん…!かっこよかったよ…!!勝てはしなかったけど、恥じる事なんてないよ…!!凛ちゃんは、最高にかっこよかったよ…!!!」
凛「かよちん……」
凛「うぅ……ありがとう……ありがとう…かよちん……やっぱり、かよちんは最高の親友だにゃ……」
559 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:42:04.89 ID:5YIaQvJu0
海未「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
絵里「さて……私の仕事はこっちね……」
海未「………」
海未「…あなたの退院は、たしか明日だったはずです……何故、ここに……」
絵里「ふふっ…知らせてくれたのよ……私の学校の生徒が……」
海未「くっ…余計な事を……」
絵里「水見色の愛すべき生徒が血を流してる……そしたら私が出ないわけには、いかないでしょ?水見色は私の学校なんだから…」
海未「ずいぶんと母校に思い入れがあるようですね……絢瀬絵里……」
絵里「…さっきからフルネームで呼ぶの辞めて貰えないかしら……一応、年上よ…?」
海未「敵に敬語を使う人間はいません……」
絵里「使ってるじゃない……」
海未「っ…ず…ずいぶん余裕ですね……勝てると思ってるのですか…?私に……」
絵里「勝てるわね」
海未「…舐められたものですね……」
560 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:42:50.24 ID:5YIaQvJu0
絵里「私が強すぎるからね、あなたが弱いわけじゃないわよ?」
海未「戯言を……」ズリッ…
凛「…!」
凛(あ…あれは…!!)
凛「絵里先輩!気をつけて!!来ます!!」
絵里「教えてくれてありがとう、星空さん。おかげでカウンターが狙えそうだわ」ニッ
凛「え…!?」
海未「…!!」
海未「敵に次の攻撃を教えるとは……愚かな行動を取りましたね…絢瀬絵里…!」ズリッ…
絵里「あなたじゃ、分かってても防げないからね」
海未「っ…!」
絵里「試してみなさいよ」クイクイ…
海未「なっ…」
絵里「ふふっ…」
海未「怒りましたよ……」ゴゴゴゴゴゴ…
花陽(な…なんで、あんなに相手を挑発するようなマネを……)
561 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:43:31.20 ID:5YIaQvJu0
海未「望み通り、試してあげますよ…!!」ダッ!!
絵里「……」
海未「……」ザッ…!!
凛「…!!」
絵里「……!」キッ…!
海未「はあぁっ…!!」ゴオッッ!!!
スカッ!!
海未「…!!?」
絵里「若いわね……」
海未「はっ…!」
ドカッッッ!!!!
海未「ぐあっ……!」
花陽「き…決まった…!カウンター…!!」
562 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:44:23.84 ID:5YIaQvJu0
海未「くっ……」
花陽「す…すごい……なんて見切りの能力……」
凛「いや…違うにゃ……」
花陽「え…?」
凛「今の海未先輩の攻撃……いつもの海未先輩より、少し大振りで隙があったにゃ……」
花陽「そ…そうなの…!?」
凛「うん……それで、それをさせたのが……」
花陽「あっ…!」
花陽「あ…あの挑発……」
凛「うん……あそこから絵里先輩の攻撃は始まっていたんだにゃ……」
563 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:45:55.78 ID:5YIaQvJu0
絵里「ふふふっ……あなた、格闘技は相当やるみたいだけど、路上はやらないタイプでしょ」
海未「…!」
海未「な…何故それを……」
絵里「そういう所よ、今のがハッタリだったら、相手に喧嘩経験が無い事をバラす事になるわよ?」
海未「…!!」
絵里「路上での喧嘩はね、格闘技とは違うの……単純な暴力の勝負だと思ったら大間違いよ」
海未「くっ……」
花陽「す…すごい……絵里先輩…海未先輩を圧倒してる……」
564 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:48:02.65 ID:5YIaQvJu0
海未「……」タラリッ…
絵里「どうしたの……?来ないなら、こっちから行くわよ?」
海未「っ……」
海未(くっ…まさかアキバ四天王の一人、絢瀬絵里が出てくるとは……迂闊でした……そうと分かっていれば……)
海未(そうと分かっていれば……っ)
ヤンキー「へっへっ…水見色の奴ら、ビビって逃げて行きやがったぜ!」ザッザッ…
ヤンキー「お前が、木刀なんか持ってるからだよ!どっから持ってきたんだよ!」ザッザッ…
海未「…!?」クルッ…!
海未「あっ…!」
565 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:48:39.11 ID:5YIaQvJu0
ヤンキー「あー?剣道部の部室から借りてきたんだよ、いいだろ?」
絵里「……」
絵里(あれは……焔ヶ丘の……)
花陽「う…嘘……敵が……」
凛「ま…まずいにゃ……」
海未「あなた達…!!」
ヤンキー「え…?」
ヤンキー「あっ…!う…海未さん…!!」
ヤンキー「お…お疲れ様です…!!!」バッ!
絵里「くっ……面倒な事になりそうね……」
566 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:50:00.63 ID:5YIaQvJu0
海未「………」
ヤンキー「あっ…!あれ…!?海未さんが闘ってるのって……」
ヤンキー「あ…絢瀬絵里…!?」
ヤンキー「四天王の一人じゃないですか!!加勢しますよ!!」
花陽「…!!」
凛「くっ…こ…こうなったら、凛も……」
花陽「凛ちゃん…!それは……!」
凛「でも…!このままじゃ、絵里先輩が危ないにゃ…!!凛が行かないと……」
海未「…いえ……加勢は必要ありません……」
凛「え…」
絵里「……?」ピクッ…
ヤンキー「え…!?な…なんでですか…!?相手は四天王ですよ!!流石の海未先輩でも……」
海未「大丈夫です……ただし、その木刀……貸していただいてもよろしいでしょうか…?」
ヤンキー「え…?ぼ…木刀を……?」
凛「あっ…!!」
絵里(木刀……)
凛「そ…そうだったにゃ……」
花陽「え…?ど…どうしたの…?凛ちゃん……」
567 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:52:23.76 ID:5YIaQvJu0
凛「う…海未先輩は……」
ヤンキー「ど…どうぞ……」スッ…
海未「………」
海未「…赤樫ですが……良いですね……」ブンッ…ブンッ…
ヤンキー「あ…あかがし……?」
海未「木刀の種類ですよ、まあ、この赤樫は本赤樫では無いようですが……」
ヤンキー「…??」
絵里(今の素振り……そして、木刀への知識……)
絵里(この子……まさか……)
凛「う…海未先輩は……」
花陽「う…海未先輩は……?」ゴクリッ…
凛「け…剣道の…有段者なんだにゃ……!!」
花陽「えぇ…!!?」
568 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:53:00.17 ID:5YIaQvJu0
絵里「くっ……」
絵里(やっぱり……)
海未「さ、あなた達はもう行きなさい……ここは私、一人で十分です」
ヤンキー「…!は…はいっ…!!失礼します…!!」ダッ!!
海未「ふぅ……さて……」
海未「……」ピタッ……
花陽「…!」
花陽(き…綺麗……構えただけなのに……)
絵里「っ……」
海未「行きますよ……?」
凛「や…やばいにゃ……」
絵里「………」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
569 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:53:50.48 ID:5YIaQvJu0
曜、梨子サイド−
善子「行くわよ…!!」
花丸「ずら!!」
曜「くっ…」
梨子「曜ちゃん…!!逃げて…!!」
善子「堕天究極奥義!!」
曜(来る…!!)
善子「堕天龍堕天DATTEN!!!」バッ!!
袖口 キラッ…
曜「ん…?」
善子「発射…!!」
袖口 ブシャッ!!!
曜「…!!」
曜「むがっ…!?」バシャッッ!!
梨子(曜ちゃんの顔に謎の液体が…!?)
570 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:54:26.82 ID:5YIaQvJu0
曜「………っ!!」
曜「かっ…」
梨子「え…?」
善子「ふっ…」ニヤリッ…
曜「かっ…辛ああああああああああいっっ!!!辛い!!辛い!!辛い!!辛いいいいっっ!!!」
曜「み…水…!!水!!!り…梨子ちゃ……水を……あっ…あああっ…!!」
梨子「え…!?ええ…!?そ…そんな事言われたって、私、動けないわよ…!?」
善子「今よ!ずら丸!!今度こそ、楽にしてやりなさい!!」
花丸「言われなくても行くずら!!」ダッ!!
曜「ぐ…ぐぅ……痛い……顔全部痛い……梨子ちゃ……助けて……」
梨子「そ…そんな事言ってる場合じゃ無いわよ!!攻撃が来てるわ!!避けて!曜ちゃん!!」
花丸「逃がさないずらああ!!!」ダッダッ!!
曜「む…むぐぅ……梨子ちゃんが全然、心配してくれない……本当に痛いのにぃ……」
571 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:56:30.93 ID:5YIaQvJu0
善子「な…なんで当たるのよ!!まさか、もう眼が見えるように!?」
曜「見えないよ!!痛すぎて開けられるわけないじゃん!!」
花丸「じゃ…じゃあ、なんで……」
曜「あんな大声出して、突っ込んできたら、見えなくても位置ぐらい分かるよ!!」
花丸「はっ…!」
善子「そ…そんな……」
梨子「そ…そう言われればそうね……」
花丸「まさか、そこを突かれるなんて……」
善子「なかなかのキレ者のようね……」
曜「いや、普通に分かるよ!!バカなの!?」
梨子「曜ちゃん……顔が痛すぎるのか何だか知らないけど、口が悪くなってるわよ……」
572 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:57:31.82 ID:5YIaQvJu0
善子「バ…バカ……?今、私達の事をバカだと言ったわね……」ゴゴゴゴゴゴゴ…
花丸「許さないずら……もう、大声出して突っ込むのは辞めるずら……」ゴゴゴゴゴゴゴ…
曜「ぬぐぅ……まだ痛い……なんなのこれ……」
梨子「曜ちゃん、気をつけて!!相手二人とも、怒ってるわよ!!」
曜「私も怒ってるよ…!!」
曜「ぜぇ〜ったい許さない!!眼なんか見えなくても、関係ない!!全力でぶっ飛ばす!!!」ザンッ!!
善子「くっくっくっ……眼が見えないのに、どうやって攻撃を当てるつもり…?行きなさい、ずら丸…今度は静かにね……」
花丸「…分かったずら……」コソッ…
梨子「曜ちゃん!来てるわよ!!」
曜「分かってる…!!」
573 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:58:08.71 ID:5YIaQvJu0
曜「ふぅっーー……」
曜「………」
花丸「………」ソロォ〜……
曜「………」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
曜、幼少期−
空手道場−
師匠「違うぞ…曜よ……見るのではない……感じるのじゃ……」
曜「……?」
曜「全然意味が分かんないであります!!ししょー!」
574 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:58:36.50 ID:5YIaQvJu0
師匠「視覚だけに頼っていては、ダメじゃという事じゃ……聴覚、嗅覚、触覚……全ての感覚を用いれば、見えぬ物などないのじゃ……」
曜「………」
曜「わ…分かったであります!!ししょー!」
曜(………)
曜(ぜ…全然意味分かんない……)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
曜(…今なら、ちょっとだけ言ってる事分かるよ……師匠……)
575 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 20:59:17.23 ID:5YIaQvJu0
曜(………)
曜(心を落ち着かせて……)
曜(全神経を鋭く集中させる……)
風 サァー……
鳥 チュンチュン…
手錠 カチャ…
花丸 ゴクリッ…
曜(……いた……左側……まだ遠い……)
花丸 スッ…
曜(少しずつ近づいてる……おそらく一歩で詰めれる距離に来て、右ストレートを狙ってる……)
576 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 21:02:02.11 ID:5YIaQvJu0
花丸 スッ…
梨子「よ…曜ちゃん……」
梨子(な…何なの……この言い知れぬ雰囲気は……)
善子「……」
汗 タラリッ…
善子「くっ……」
善子(眼が見えないっていうのに、何故ここまでの迫力を……)
花丸「……」スッ…
曜「………」
花丸(行ける……この距離なら一歩で……)
曜「………」
花丸(でも……)
曜「………」ゴゴゴゴゴゴゴ…
花丸(な…なんなんずら……この予感は……)
花丸(近づいちゃダメだって言うこの予感は……!)
577 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 21:02:47.55 ID:5YIaQvJu0
曜「………」
花丸「ぐっ…」タジッ…
曜「…!」
曜(今の気配……引いた…!?チャンス…!!)
曜「…」ギュルンッ…!
花丸「…!」
曜「ハアァッ…!!」ブンッ!!
バシィィンッッ!!!
花丸「いっ……!?」
花丸「ぐ…ぐあああっっ…!!」
善子「ず…ずら丸…!!」
578 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 21:03:29.00 ID:5YIaQvJu0
花丸「う…ぐ……くぅ……」
花丸(ロ…ローキック……足の感覚が……)
曜「見つけたよ……ずら丸ちゃん……」
花丸「…!」
曜「正確な位置は分からなかったからね……ローで足、止めさせて貰ったよ…動けないでしょ…?」
花丸「っぐ……」
善子「ずら丸…!!何やってるのよ!!早く逃げなさい…!!」
花丸「わ…分かってるずら……!!」
花丸(分かってる…分かってるけど……!)
花丸(足が、まだシビれてるずら…!今は立ってるのがやっとで……)
579 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 21:04:08.24 ID:5YIaQvJu0
曜「位置さえ分かれば、後はこっちのもの……」
曜「行くよ……」スッ…
花丸「っ…!」
花丸(どうせ、動けないなら……)
花丸(こっちから攻撃に出てやるずら……!!)バッ!!
梨子「…!曜ちゃん、危ない…!!」
曜「……」
スカッ…!
花丸「…!?」
花丸(な…なんで……見えてないのに……)
580 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 21:04:44.10 ID:5YIaQvJu0
曜「……」バッ…!
善子「…!ずら丸!前!!」
花丸「え…
ガンッッッ!!!
花丸「…!!」グラッ…
花丸(こ…こめかみに……見えてないのに……)
曜「……」ザッ…!
ズンッッッ!!!
花丸「〜〜っ!!」
花丸(み…みぞおち……!?)
曜「はっ…!!」
ガツンッッッ!!!!
花丸「ぶはっ…!?」
梨子「…!?」
善子「あ…顎を……蹴り上げた……」
581 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 21:07:04.17 ID:5YIaQvJu0
花丸「うぅ……」フラッ…
花丸「……」ドサッ…!!!
曜「セイッ!!!」
スカッ!!!
曜「あ…あれ…!?」
花丸「う…うぅ………」ゴロンッ…
善子「ずら丸…!!」ダッ…!!
曜「え…?」
善子「ずら丸…!!ちょっと!!しっかりしなさい…!!ずら丸…!!ずら丸!!!」ユサユサ…!!
花丸「う…う〜ん……」ユサユサ…!!
曜「あ…あぁ……倒れたのか……」
梨子「…!?」
梨子「よ…曜ちゃん、まだ目開けられてなかったの…!?」
582 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 21:07:40.44 ID:5YIaQvJu0
曜「え…?う…うん……顔すごい痛いし……」
梨子「う…嘘……じゃあ、さっきの攻撃は……」
曜「あー…あれは……何というか…その…なんとなく気配でローキック打ったら、当たって……それで…位置が分かってからは、まあ練習通りに……」
善子「…!」
善子「な…なによ!それ!!意味分からないわよ!!そんな理由で、ずら丸がやられたって言うの!?本当は眼開いてたんでしょ!!」
曜「いやいや…違うって、実際、熟練の人なら気配を読むような人もいるし…その後は、私が何千何万と繰り返してきた動きだもん……眼が見えなくても、関係ないよ」
善子「…!!」
善子「な…何千何万……」
善子(今まで、空手やってた不良なんて沢山いた……でも、たいてい喧嘩目的だし、不良だから長続きしなかったような奴ばっかりで、大して強くも無かった……)
善子(だけど、この人は違う……本物だ……本物の空手家だ……)
583 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 21:08:22.61 ID:5YIaQvJu0
曜「………」ス…スゥ……
曜「いたっ…!」ギュッ…!!
曜「う…うぅ……やっぱりダメだ……痛すぎて開けられない……」
善子「……」
曜(まだ、後一人倒さないといけないっていうのに……!!)
善子「………」ゴソゴソ…
曜「…!」
曜(バックを探る音…!何か来る…!!) ザッ…!
584 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 21:08:53.31 ID:5YIaQvJu0
善子「………」ゴソゴソ…
善子「……」
善子「……」バッ…!
曜「…!」
梨子「…!?」
バシャッッ…!
曜「わ…ぶっ…!?」
梨子「え…!?な…なに…!?」
善子「水よ……顔洗いなさい」
曜「え…!?あ…あぁ……本当だ……」
梨子「水…!?なんで!?どういう事!?」
善子「私達の負けって事よ……鍵も置いておくわ……」ポイッ…
鍵 カランッカラン…
梨子「あ…!」
585 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 21:09:35.13 ID:5YIaQvJu0
曜「………」ゴシゴシ…
善子「ほら、行くわよ…ずら丸……」グイッ…
曜「………」スゥ……
梨子「あ…!曜ちゃん!!目、開けられたのね!!」
曜「………」
善子「………」
梨子「え…」
曜「………」
善子「ふっ……なに?その顔は……勝って嬉しくないの…?」
曜「………」
586 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 21:11:26.85 ID:5YIaQvJu0
善子「こんな形だから不満…?言っとくけど、もう無理よ、私達は二人で一人……片方がやられたんなら、それで終わりよ……それに……」
善子「あなたみたいな本物に出会えた……私も不良だからね…ただ純粋に、あなたのその強さを尊敬しちゃったの……その時点で、もう私の負けだわ……」
曜「………」
梨子「………」
梨子(こ…この子……バカな子だと思ってたけど……意外なところあるのね……)
善子「それじゃあ、私はずら丸を病院に連れてくわね……会えて良かったわよ、渡辺曜……」クルッ…
曜「……」
曜「……」ガシッ…
善子「え…?」クルッ…
曜「なにいい感じに帰ろうとしてんの?私は、あんたにムカついてんだけど…?」ニコニコ
善子「へ…?」
梨子「え…」
587 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/09(金) 21:12:05.48 ID:5YIaQvJu0
曜「千歌ちゃんに何度もナメた口聞いた罪…償って貰わないとね…?」ニコッ!
善子「う…嘘……」
梨子「いや…千歌ちゃんって……」
曜「せー…のっ…!」
善子「い…いやいやいやいや…!!ちょっと待って!?え!?ええ!?今、いい感じに帰れる流れじゃなかっ…
曜「ごちゃごちゃうるさいよ」ニコッ!
善子「え…
ゴンッッッ!!!
梨子「あぁ……もう……」
善子「あ…あひゅー……」バタンッ…!
花丸「うっ……」バタンッ…!
曜「はー!スッキリした…!!大満足!!」ニッコリ!
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