【リトバス】恭介「文芸部……?」【DDLC】

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 10:52:08.48 ID:ohqGC+rH0
このスレはリトルバスターズ!とDoki Doki Literature Club!のクロスオーバーものを投下します
独自の解釈や絞殺要素が含まれるので、ご注意ください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1518918728
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 10:53:35.15 ID:ohqGC+rH0
寮の前


恭介「おーい、理樹」

理樹「あっ、恭介! 就活から帰ってきてたんだ」

理樹「ってなにその荷物」

恭介「実はな、就活で行った先で、いい加減PCも使ったらどうだ? と偶然知り合ったジャンクショップの店長に言われてな」

理樹「それで、買ってきたの?」

恭介「いや、なにやら曰く付きみたいでな、タダで貰えた」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 10:54:37.03 ID:ohqGC+rH0
理樹「曰く付きって……大丈夫なの?」

恭介「理樹、そんな霊的なものがパソコンに憑くと思うか?」

理樹「それは……思わないけど」

恭介「だろ? それより運ぶの手伝ってくれ、重くてかなわん」

理樹「それはいいけど、部屋まで持っていけばいいの?」

恭介「ああ、理樹はコードとスピーカーを頼む」

理樹「任せといて!」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 10:55:45.52 ID:ohqGC+rH0
恭介の部屋

恭介「ふー、案外重かったな」

理樹「ノートパソコンって言っても、そこそこ大きいもんね」

恭介「さて、あとはセッティングだが」

理樹「恭介、そういうのに詳しいの?」

恭介「一応一通りは教えてもらったからな」

恭介「まずはここをこうして……よし、これで電源がつくはずだ」

理樹「早いね」

恭介「まあな……っと、きたきた」

恭介「ええっと、ん? 初期設定がもうされてるのか。店長からそういうことは聞いてなかったが」

理樹「フォルダが一つだけあるね」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 10:57:15.43 ID:ohqGC+rH0
恭介「これが曰くの原因か? 見てみようぜ」

理樹「ええっ! そんな事して大丈夫なの!?」

恭介「なんだ理樹、怖いのか?」

理樹「そういう訳じゃないけど……」

恭介「安心しろって、仮に何かあってもコンセントを抜けば済む話だ」

理樹「そうなの?」

恭介「ああ、そういうもんだ」

恭介「だから安心して……っと、中身はゲームか」

理樹「ゲーム?」

恭介「ああ、タイトルは『Doki Doki Literature Club!』か、聞いた事無いな」

理樹「正体不明のゲームって、やっぱり危ないんじゃないの?」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 10:59:01.88 ID:ohqGC+rH0
恭介「いや、そうでもなさそうだ、イラストは所謂萌え系、それにタイトルは和訳するとドキドキ文芸部」

恭介「十中八九恋愛ゲーム……所謂ギャルゲーだ」

理樹「恋愛ゲーム……」

恭介「この前みたくRPGみたいな世界よりは何かあっても安全そうだろ?」

理樹「それは……そうかもしれないけど」

恭介「それに見てみろよ、ヒロインの女の子だって可愛いぜ、サヨリ、ユリ、ナツキ、モニカの四人か」

理樹「可愛いって……でも、ゲームのキャラクターでしょ?」

恭介「おいおい理樹、わかってねえな」

恭介「こういうのは、萌えるもんなんだよ」

理樹「そ、そういうものなんだ……」

恭介「まあ理樹には鈴が居るからな、興味が無いのも仕方ないか」

理樹「ちょっと! なんでそこで鈴が出てくるのさ!」

恭介「さあな」

理樹「んもう……」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:00:23.07 ID:ohqGC+rH0
恭介「さて、それじゃあ説明書も確認したし、起動してみるか!」

理樹「う、うん」

恭介「面白かったら健吾と真人にもやらせるか」

恭介「それじゃ、exeファイルをクリックし…….何っ!?」

理樹「うわっ……えっ、恭介!? 恭介!?」

理樹(パソコンでゲームのアイコンをクリックした瞬間、画面から眩い光が出てきて、気づいたら恭介は消えていた)

理樹(もしかしてこのパソコン、本当に曰く付きだったんじゃ……)

理樹「ってそんな事考えてる場合じゃないよ! 早く、早く誰か呼ばなきゃ!」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:02:12.27 ID:ohqGC+rH0
通学路


恭介(なんだここは……見た事ない街並みだが、まさか、ゲームの中か!?)

サヨリ「おーい!」

恭介(女の子が手を振りながらこちらへ走ってくる、あれは……)

サヨリ「はぁ……は…….また寝坊しちゃった」

サヨリ「でも今度は追いついたんだから!」

恭介(この子は確かサヨリだったか、始める前にゲームのフォルダを覗いておいてよかったぜ)

恭介「おはよう、サヨリ」

サヨリ「おはよ〜」

恭介「寝坊か?」

サヨリ「うん〜、最近朝起きるのが辛くて」

恭介「まっ、遅刻しないなら大丈夫か」

サヨリ「あっ、そうそう、恭介」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:03:43.97 ID:ohqGC+rH0
サヨリ「そろそろどの部活に入るか決めた?」

恭介「部活?」

サヨリ「うん、部活」

恭介「部活か……どこかに入るつもりはないし、探してもいないが」

サヨリ「そんなはずないよ、今年は部活に入るって言ったてじゃん!」

恭介「言ったか……?」

サヨリ「言ったもん!」

恭介(リトルバスターズがあるし、漫画を読む時間は削られたくないから部活には入ってなかったが)

恭介(そうか、ゲームの中にはリトルバスターズは無いからか)

サヨリ「私は恭介が大学に行く前に社会性もスキルも身につかないんじゃないかって心配なの!」

サヨリ「恭介の幸せは私にとっても大事なんだから!」

サヨリ「今は楽しくやってるみたいだけど、数年後世間に馴染めずニートになってる姿を想像するだけで私は死んじゃいそう!」

サヨリ「ちゃんと言うこと聞いてくれる?」

恭介(ニートか、確かに就活は上手くいってないしこの前なんて斎藤のマスクで面接して追い出されたが、そんなに気にすることか?)
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:04:47.20 ID:ohqGC+rH0
サヨリ「私を心配させないでよ……」

恭介(しかし、そんな目で見られるとな……)

恭介「わかった、そんなに言うなら、いくつか部活を見てみよう」

サヨリ「約束、してくれる?」

恭介「ああ、約束だ」

サヨリ「やった〜!」

恭介「よし、そうと決まれば遅刻しないよう学校に急ぐぞ、競争だ!」

サヨリ「あっ、待ってよ〜!」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:05:57.72 ID:ohqGC+rH0
恭介「授業は気がつけば終わっていた」

恭介「この世界で俺は二年のようだが、まあ実際は三年だからな、簡単な授業だった」

恭介「さて、それで部活だが、とりあえず漫研か野球部にでも」

サヨリ「やっほー」

恭介「サヨリ……?」

サヨリ「教室から出るところで声をかけようと思ってたけど、座ってぼーっとしてたから入って来ちゃった」

サヨリ「正直たまに私よりだらけてるよね」

恭介「そんなにぼーっとしてたか?いや、周りに他の生徒が居ないって事はそうなんだろうな」

恭介「部活に遅れるようなら、待たなくてもよかったんだぞ?」

サヨリ「ちょっとした励ましが必要かなと思って、それに……」

恭介「それに?」

サヨリ「私の部に来てもいいんだよ!」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:07:33.13 ID:ohqGC+rH0
恭介「お前なあ」

サヨリ「うん?」

恭介「俺が文芸部って感じに見えるか?」

サヨリ「えええ!?ケチ!」

恭介(サヨリは文芸部の副部長をやっているらしい)

恭介(恐らく部設立の手伝いをするのが楽しそうという理由で入部したんだろう)

恭介(それに関してはめちゃくちゃ共感できる)

恭介「俺は野球部でも見てくる」

サヨリ「お願いだから来てくれない?」

恭介「何故そこまで必死なんだ?」

サヨリ「ええと……」

サヨリ「だって昨日みんなに新入部員連れてくるって言っちゃったし……」

サヨリ「それにナツキちゃんがカップケーキとか作って来てるし……」

サヨリ「えへへ……」

恭介「守れない約束なんてするなよ!」

恭介(いや、もしかしたら計算づくか? だとしたら相当な策士だ)

恭介「わかった、カップケーキに免じて寄るとしよう」

サヨリ「やった! よし行こう〜!」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:11:44.67 ID:ohqGC+rH0
部室

恭介(というわけでサヨリの後をついて来たが、どうやら部室は三年の校舎のようだ)

サヨリ「みんな! 新入部員を連れてきたよ〜!」ガラッ

恭介「まだ新入部員って決まった訳じゃー」

ユリ「ようこそ文芸部へ、お会いできて嬉しいです」

ユリ「サヨリちゃんからあなたのことはよく聞いています」

ナツキ「正気? 男子連れて来たわけ?」

ナツキ「雰囲気ぶち壊しじゃない」

モニカ「あ、恭介くん! よく来てくれたわね!」

モニカ「ようこそ! 文芸部へ!」

恭介「……」

恭介(この文芸部、女子だらけじゃないか)
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:13:08.23 ID:ohqGC+rH0
ナツキ「あんた何見てんのよ?」

ナツキ「言いたいことがあるならいいなさいよ」

恭介「す、すまん」

ユリ「ナツキちゃん…….」

ナツキ「ふんっ」

恭介(この子は辺りが強いな、身長からして一年生か)

恭介(いや、しかし神北や西園の事もある、見た目で判断はいけないな)

サヨリ「不機嫌な時は放っておいていいよ〜」

サヨリ「とにかくこの子がナツキちゃん、いつも元気いっぱいだよ!」

サヨリ「それでこっちがユリちゃん、この部で一番の秀才なの!」

ユリ「そ、そんな風に言わないでください……」

恭介(ユリはどうやら内向的なようで、サヨリやナツキのようなタイプと一緒にやっていくのは、少し苦労していそうだ)

恭介「よろしくな、ユリ、ナツキ」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:15:06.65 ID:ohqGC+rH0
サヨリ「それで、聞いた感じだと二人は知り合いなの?」

モニカ「ええ」

モニカ「また会えて……嬉しいわ、恭介くん」

恭介(モニカは微笑む、去年はクラスメイトだった、という設定のようだ)

恭介(容姿端麗、文武両道でクラスの人気者だったらしい、向こうでの俺のように)

恭介「こっちこそ」

サヨリ「こっちに座って、恭介! スペース作ったからわたしかモニカちゃんの隣が空いてるよ」

サヨリ「カップケーキ持ってくるね〜」

ナツキ「ちょっと!わたしが作ったんだから、わたしが持ってくるわよ」

サヨリ「ごめんごめん、ちょっと楽しみすぎて〜」

ユリ「それでは、私はお茶を淹れますね」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:17:31.47 ID:ohqGC+rH0
恭介(とりあえずサヨリの隣に座ると、ナツキがトレイを持って誇らしげにテーブルへやって来た)

ナツキ「準備はいいかしら?」

ナツキ「じゃじゃーん!」

サヨリ「うっわああぁぁ〜〜っ!!」

恭介「これは……猫か」

サヨリ「すっごくかわいいぃ〜!」

モニカ「ナツキがお菓子作りが得意だったなんてね」

ナツキ「えへへ。 まあ、ね」

ナツキ「早く食べてよね!」

サヨリ「美味しい!」

恭介「これは美味いな! いくらでも食えそうだ」

恭介「ありがとう、ナツキ」

ナツキ「な、何言ってるの? 別に……!」

ナツキ「……別に、あんたのために作ったわけじゃないし」

恭介「そうじゃないのか? サヨリは俺のためにと言っていたが」

ナツキ「まあ、そうね!」

ナツキ「で、でも、あくまで新入部員のためで、あんた個人のためじゃないんだからね! バカ……」

恭介「分かった、分かったって」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:19:38.93 ID:ohqGC+rH0
ユリ「……」カチャ カチャ

恭介(ユリが慎重に、みんなの前にティーカップを置いている)

恭介「教室にティーセットを置いてるのか」

ユリ「大丈夫です、ちゃんと先生の許可はいただいてますから」

ユリ「それに温かいお茶があると読書も捗るでしょう?」

恭介「ああ、そうだな」

恭介(そういえば西園も水筒を持参して読書してたな)

モニカ「そんなに怯えなくてもいいわ。ユリはただあなたの関心を引こうとしてるだけよ」

ユリ「え、そ、そんなこと……」

ユリ「私はただ、その……」

恭介「分かってる」

恭介「何か飲みながらの読書は馴染みのない習慣だが、お茶は普通に好きだからな」

ユリ「良かった……」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:20:59.67 ID:ohqGC+rH0
モニカ「そういえば、あなたはどうして文芸部に入ろうと思ったの?」

恭介「ああ、それはな」

恭介(サヨリに引きずられて来た、とは言うべきじゃないな)

恭介「まだ部活には入っていないし、サヨリが部活で楽しそうだったからな」

モニカ「それでいいのよ恥ずかしがらないで!」

モニカ「あなたが居心地がいいって感じられるようにしてみせるから」

モニカ「文芸部の部長として、部室を楽しくてワクワクするような場所にするのは私の義務だからね!」

恭介「そういえば、モニカはどうして自分の部を立ち上げようと思ったんだ?」

恭介「お前ならどんなメジャーな部でも、幹部間違いなしだろうに」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:21:53.70 ID:ohqGC+rH0
モニカ「正直言うとね、大きな部の部内政治にもううんざりだったの」

モニカ「予算か宣伝かイベントの事しか話してない気がしてね」

モニカ「そんなことをしてるより、自分が好きなものを通して特別な何かを作りたかったの」

モニカ「それで誰かを文学の道に引き込めたなら、本望よ」

サヨリ「モニカちゃんは最高のリーダーだよ!」

ユリ「……」ウンウン

恭介「……すげぇ感動した」

恭介「是非俺も、文芸部に入らせてくれ!」

モニカ「もう、最初からそういう話だったでしょ?」

恭介「それはそうだが、今のを聞いて余計に入りたくなった、それに」

モニカ「それに?」

恭介「その調子だと、まだまだ文芸部を増やすつもりなんだろう? なら手伝える人材は多い方がいい」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:24:37.47 ID:ohqGC+rH0
モニカ「そうね、確かにこのメンバーで、私は卒業するまでには部をもっと大きくできる自信があるわ」

モニカ「でしょ、みんな」

サヨリ「うんっ!」

ユリ「最善を尽くします」

ナツキ「当たり前でしょ」

恭介「全員やる気は十分、これは予想以上にいい部活みたいだな」

ユリ「あっ、そういえばその」

恭介「ん? どうした?」

ユリ「入部するのでしたら聞いておきたくて、恭介さんは普段どんな本を読まれるんですか」

恭介「あー……漫画」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:26:04.09 ID:ohqGC+rH0
ナツキ「」ピクッ

ユリ「あ、あまり、読書家ではないのですね」

恭介「漫画だって立派な読書さ」

ナツキ「」ウンウン

ユリ「そ、それはそうかもしれませんが……」

恭介「それより、ユリはどんな本を読むんだ?」

ユリ「ええとですね……」

ユリ「私は重厚で複雑な世界観を持ったファンタジーが好きなんです」

ユリ「その世界観を支える創造性や職人芸の凄さといったら、眼を見張るものがあるんですよ」

ユリ「そのような異世界で語られる素敵なストーリーもまた、とても感動的なんです」

ユリ「でもね、他にも様々なものが好きですよ」

ユリ「奥深い心理的要素を含む物語には思わず夢中になってしまいます」

ユリ「作者が読者の想像力不足を逆手に取って驚かせにくるなんて凄いですよね?」

恭介「そんなものもあるのか、そりゃ凄いな」

ユリ「でも最近よく読んでるのはホラーなんです……」

恭介「ホラーか、怪談話なら少しだけしらべたことはあるが……」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:27:26.09 ID:ohqGC+rH0
モニカ「本当に? ユリがホラー好きだなんて意外だわ」

モニカ「こんな穏やかな人がホラーを読むとはねえ……」

ユリ「そうかもしれませんね」

ユリ「でも作品に考えさせられたり、異世界に連れて行かれたりすると、本当に止まらなくなってしまいます」

ユリ「シュールレアリスムホラーなんて、少しの間だけかもしれませんが、世界の見え方が変わってしまうことだってありますからね」

ナツキ「うう…….私はホラーは苦手……」

ユリ「あら、どうしてですか?」

ナツキ「だって、わたし……」チラッ

ナツキ「なんでもない」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:28:27.28 ID:ohqGC+rH0
モニカ「確かに、ナツキはかわいいことを書くのが好きだものね。そうでしょ?」

ナツキ「は、はあ? どうしてそう思うのよ!?」

モニカ「前の部活の時、ナツキが下書きの紙を置き忘れてて」

モニカ「どうやら詩を書いてたみたいね。タイトルはー」

ナツキ「読むなー!! それとその紙返して!」

モニカ「はいはい〜」

サヨリ「えへへ、ナツキちゃんのカップケーキにナツキちゃんの詩……」

サヨリ「ナツキちゃんはやることまでぜんぶかわいいなあ〜」

ナツキ「かわいくない!!」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:29:43.97 ID:ohqGC+rH0
恭介「ナツキは詩を書くのか?」

ナツキ「え? まあ、たまにね」

ナツキ「なんか問題ある?」

恭介「いや、凄いな」

恭介「誰かに見せたりしないのか?」

ナツキ「い、嫌よ!」

ナツキ「そんな、気に入られるようなものでもないし……」

恭介「なるほど、まだ自信はない感じか」

ユリ「ナツキちゃんの感じてること、分かります」

ユリ「その手の文章を見せるのって、自信以上のものが必要なんですよ」

ユリ「自分に向けられた書きものこそが、真の書ものだから」

ユリ「そういったものを見せる時は、読者に対して心を開いて、自分の弱さを晒し、自分の心の最も深いところすら見せるつもりでいなければいけないのですよ」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:31:16.22 ID:ohqGC+rH0
モニカ「ユリも執筆の経験があるの?」

モニカ「きっとユリが自分の作品を見せれば、いい見本になって、ナツキが自分のを見せる時に気が楽になるんじゃないかしら」

ユリ「……」

恭介「どうやら、ユリもナツキと同じみたいだな」

サヨリ「あうー.……みんなの詩、読みたかったなぁ」

全員「......」

恭介 モニカ「みんな、一つ考えがある(わ)」

モニカ「えっ……」

恭介「どうやら、考える事は同じらしいな」

恭介「じゃあ、せーので言おうぜ」

モニカ「わ、わかったわ」

ユリ ナツキ「……?」

恭介「せーのっ!」

恭介 モニカ「家に帰って、自分の詩を書きましょう」

恭介 モニカ「そして、次会う時に、みんなお互いに見せ合いっこしましょう」

恭介「そうすれば、みんな平等だ」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:32:21.10 ID:ohqGC+rH0
ナツキ「う、うーん……」

ユリ「……」

サヨリ「いえーい! やってみようよ!」

モニカ「それに、新入部員も入ったことだし、お互いをもっとよく知ったり、絆を深めたりするいい機会になると思うわ」

モニカ「そうでしょ?」

恭介「ああ、その通りだ」

モニカ「ふふっ、そうよね」

モニカ「よし、みんな! これにて今日の部活は終了ね、お疲れ様」

モニカ「みんな今日の宿題を忘れないでね」

モニカ「次回の部活で披露できるように、詩を書いて持ってくること!」

モニカ「恭介くんが自分をどう表現するのか、楽しみにしてるわ」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:33:15.69 ID:ohqGC+rH0
恭介「楽しみにしててくれ、アッと驚かせてやるぜ」

モニカ「えへへ〜」

サヨリ「ねえ、恭介、どうせ今一緒なんだし、一緒に帰らない?」

恭介「ん、そうだな、そうするか」

サヨリ「やった〜」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:34:21.13 ID:ohqGC+rH0
恭介宅

恭介(結局、ゲームの中に入っちまった原因も出る方法もわからないまま)

恭介(前回の事も考えるとゲームクリアが条件なんだろうが、それも憶測だ)

恭介(この世界の中で今の所ちゃんとした意思を感じられるのはあのメンバーだけだったから文芸部に入ったが)

恭介(ゲームマスターを見つけるか、クリアするかで早く脱出しなければいけないな)

恭介「その為には、まずは詩を書かなきゃな」

恭介「詩…….確か西園の時に書いたっけか」

恭介「確かあの時は……そうだ、ロケットを……」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:37:27.51 ID:ohqGC+rH0
部室


モニカ「恭介君、今日も来てくれたのね!」

モニカ「すっぽかされなくてよかったわ、あははっ!」

恭介「心配ご無用! というより、昨日あんな提案をしておいて来ないってのも酷い話だからな」

ユリ「約束を守っていただいてありがとうございます、恭介さん」

ユリ「あなたに気苦労を負わせてないと良いのですが」

ユリ「馴染みがない文学の世界に突然飛び込ませているようなものなので……」

ナツキ「もう、なによ! 甘やかす必要なんてないでしょ」

ナツキ「サヨリから聞いたけどあんた、今年はどこの部活にも入るつもりなかったみたいじゃない」

ナツキ「それに去年だって!」

ナツキ「真面目にやらないなら、ここで過ごす時間もそう長くないと思いなさい」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 11:39:17.24 ID:ohqGC+rH0
モニカ「ナツキ、部室に漫画コレクションを揃えてる割には大口叩くのね」

ナツキ「モ……マ……ム……!!」

ナツキ「マンガは文学なのっ!!」

サヨリ「心配無用だよ、みんな〜」

サヨリ「恭介は、楽しいことは全力でやるもんね」

恭介「ああ! 楽しいことなら大歓迎だ」

ユリ「サヨリちゃんたち、本当に仲がいいんですね」

ユリ「少し羨ましいです」

サヨリ「そうかな? ユリちゃんと恭介だってきっとステキな友達になれるよ!」

ユリ「う、えっと……」

恭介「なんだ、俺はもう友達のつもりだったんだが」

ユリ「えっ、そ、その、ありがとう……ございます……」

サヨリ「そうだ! ユリちゃん、恭介のために今日何か持って来てくれたんだよね」

ユリ「ま、待って! サヨリちゃ……」

恭介「俺にか?」
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