【かぐや様は告らせたい】かぐや「遊園地ラブラブデート大作戦!!!?」早坂「はい」

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2 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/17(土) 23:55:00.77 ID:iY6Gh4SY0
白銀「っ」

かぐや(ん? 会長が一瞬視線をそらして……ハッ! まさか!)

藤原「?」

かぐや(藤原さん……見損ないました)

かぐや(この制服のちょっとした隙間から谷間アピールしてくるとは……明日あなたの家がどうなっているか? 楽しみね……)

白銀(四宮がジッと睨んできたから、思わず目をそらしてしまった。俺は何もしていないはずなんだが……)ドキドキ


藤原「ありがとうございます! 助かりました」

白銀「あ、ああ、また何かあったら聞いてくれ」
3 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/17(土) 23:56:48.25 ID:iY6Gh4SY0
伊井野「会長、ここなんですが……」

白銀「どうかしたのか?」

かぐや「……」

かぐや(正面から話せばいいのに、わざわざ隣に行って話すとか……)

かぐや(そんなに会長とくっつきたいんですね。残念です。あなたはいい子だと思っていたのに)

伊井野「……あっ、すみません……」

白銀「ん? どうかしたのか?」

伊井野「あっ、いえ、なんでも」


かぐや「…………」ゴゴゴゴゴ

石上(き、今日の四宮先輩、いつも以上に怖い)ガタガタ

かぐや(へ、へぇ……。伊井野さんの指が会長の指に当たりましたね……いいえ、わざと当てたのね……)

かぐや(なるほど伊井野さんはそういう姑息な手を使うんですね。いいでしょういいでしょういいでしょう)

かぐや(あなたがそういう手を使うなら、私も色んな手を使ってあげましょう)
4 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/17(土) 23:59:24.53 ID:iY6Gh4SY0
  *  *  *



かぐや「−−−−という事があったんです」

早坂「はぁ……」

かぐや「会長が男性として魅力的なのはわかります」

かぐや「だからと言って、真面目に生徒会活動をしている時に会長の気を引こうとか、頭がおかしいとしか言いようがないわ」

早坂「確かに頭がおかしいかもしれませんね」ジー

かぐや「あっ……でも……ま、まさか……」ワナワナ

早坂「?」

かぐや「ま、まさか早坂も会長の事が好きなんじゃ」

早坂「今の流れでどうしてそうなるんです!?」
5 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/18(日) 00:00:29.72 ID:0eBdNwWf0
かぐや「だって、早坂機嫌悪そうだし」

早坂「えー。機嫌悪くはないですよ。面倒だなーとは思ってましたけど」

かぐや「それに会長は控えめに言っても日本で一番の可能性がありますし。その……早坂が好きになっても……」

早坂「すみません。私の好みのタイプじゃないので」

かぐや「あ、あなた、会長がタイプじゃないって、どうかしてると思うわよ」

早坂「うわぁーい。そろそろ怒ってもいいですか?」
6 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/18(日) 00:00:56.00 ID:0eBdNwWf0
かぐや「コホン。で、何か方法はないかしら?」

早坂「え? どういうことです?」

かぐや「だから、藤原さんと伊井野さんを会長から引き離す方法です」

早坂「はぁ……」

かぐや「そうだわ。ついでに石上くんの対応も考え直しましょう」

かぐや「可愛い後輩だと思っていたのだけれど、彼は最近会長に距離が近すぎます」

かぐや「おかげでここ二日ほど、私は会長とあいさつ以外会話した覚えがありません」

早坂「いや、それはかぐや様から声をかければ」

かぐや「はぁ……。早坂よく考えてみなさい」

早坂「」イラッ
7 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/18(日) 00:01:39.01 ID:0eBdNwWf0
かぐや「もし、私から話かけでもしたら……」


会長『ん? 最近、会話がないからって、自分から話題を振ってきたのか? そうかそうか寂しかったんだな』

かぐや『いや、それはその……』

会長『お可愛い奴め』

かぐや「って、なるに決まってます!」

早坂「寂しいのは事実だから、別にいいのでは?」

かぐや「別に寂しくなんかないわよ!!」


かぐや「そもそも会長は誰にでも優しすぎます! だから言い寄る女が増えて……」

かぐや「……増えて……」

かぐや「……」

早坂「かぐや様?」
8 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/18(日) 00:02:21.65 ID:0eBdNwWf0
かぐや「会長は本当に誰にでも優しく……。私って本当に会長から好かれてるのかしら……。実はただの副会長なだけで……」

かぐや「会長にとって私って別に特別でも何でもないんじゃ……」

早坂「大丈夫ですよ。かぐや様は特別です。ただきっと会長さんも気恥ずかしいだけだと思います」

かぐや「でも、でも、でも。もう二日も会長とあいさつ以外の会話をしていないの……」

早坂「私が見る限り会長さんは初恋なんでしょうね。だからどうしていいかわかってないんですよ」

かぐや「へっ// 初恋!?」


早坂「よかったですね。会長さんの初めては全部かぐや様の物ですよ」

かぐや「も、もうっ。からかわないで! べ、別に嬉しくなんかないわ」

早坂「はいはい。あっ、そういえば、例の物が用意できましたよ」

かぐや「ああ、今週末期限の遊園地のチケットね。ありがとう。これを使って会長と二人で……って、あれ? 5枚あるわよ?」

早坂「いつも2枚だと失敗しているようなので、5枚用意しました」

早坂「みんなで行こうと誘ったらどうです? 遊園地です。二人っきりになるチャンスも多いと思いますよ」

かぐや「……そうね。考えてみます」
9 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/18(日) 00:03:22.94 ID:0eBdNwWf0
  *  *  *



かぐや「というわけで、どうでしょう? 期限が今週末なのですが」

白銀「ちょうどスケジュールは空いている。遊園地なんて小学生以来だから楽しみだ」

かぐや「ふふっ。それはよかったです」


藤原「あっ……その……」

かぐや「どうかしましたか?」

藤原「ごめんなさい。どうしても行けないんです。週末は家族でお父様の所に行く約束があって」

かぐや「え?」

伊井野「その私もすみません。その日は近所のボランティア活動でして、小さい頃からずっと参加しているので……」

かぐや「え?」

石上「僕も大切な用事が……(ゲームの発売日)」

かぐや「え?」
10 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/18(日) 00:05:01.18 ID:0eBdNwWf0
白銀「仕方ない。日付をずらす事にするか?」

かぐや「いえ、このチケットは期限が週末までで」

藤原「そうですよ。せっかくだから二人で行ってきてください!」

白銀「しかし、それはだな……」

藤原「小学生以来なんですよね! この機会を逃すとずっと行けませんよ!」

白銀「まぁ……確かに……」


藤原「ほら、じゃあ行ってきてくださいよ!」

白銀「うーん、そうだな……」

伊井野「そうです。私達の事は気にしないでください」

石上「あっ、僕、お土産はクッキー系がいいです」

伊井野「石上。黙れ」

石上「……」

藤原「ほらほら、そんな事言わずにミコちゃんはどんなお土産がいい? 私はお土産はケーキ系がいいなー」

伊井野「えーと、じゃあ、私はその……藤原先輩と同じでケーキ系で……」

藤原「会長覚えましたか? では、楽しみにしてますから♪」

白銀「あ、ああ……」
11 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/18(日) 00:05:34.53 ID:0eBdNwWf0
白銀「……」

かぐや「……」

白銀「……」

かぐや「……」

白銀「……」

かぐや「……」


白銀(って、四宮と二人っきりで遊園地だとーーーー!!!?)

白銀(ヤバい! ヤバい! ヤバい! ヤバい!!)

白銀(すっごく嬉しいんだがーーーーーーっ!!!)
12 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/18(日) 00:06:04.98 ID:0eBdNwWf0
白銀「……」チラッ
かぐや「……」チラッ


白銀(四宮と目があった!)

白銀(やっばい! やっばい! やっばい! やっばい!!)

白銀(四宮も絶対に意識しているぅーーーー!!)


白銀「……」

かぐや「……」


かぐや(あーーーーーーーーっ//)

かぐや(え? なに? なにが起きたの?)

かぐや(え? なんで? なんで? 会長と二人っきりで遊園地?)

かぐや(べ、別に嬉しくなんかないけど、嬉しすぎて倒れそう!)
13 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/18(日) 00:07:13.96 ID:0eBdNwWf0
  *  *  *



早坂「よかったですね」

かぐや「藤原さんと伊井野さんと石上くんには困ったものです。せっかく誘ってあげたのに」

かぐや「ああ、本当に困った子達」

早坂(昨日はその3人を殺してやると言わんばかりの剣幕だったのに……)

かぐや「それにしても、週末……ふふふっ♪」

早坂「会長とデート楽しみですね」

かぐや「そうね。ふふふふっ♪」

早坂(いつものかぐや様なら否定するのに……)

かぐや「〜♪」

早坂(顔、ゆるみきってますよ。かぐや様)




早坂(どうか、かぐや様にとって良き日でありますように−−−−)
14 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/18(日) 00:07:58.72 ID:0eBdNwWf0
今回はここまでになります。
また近いうちに続きを投下します。
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 00:24:20.59 ID:MZmmGLGA0
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 01:08:54.03 ID:tTkJQxzvo
Hato
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 09:10:57.12 ID:JPsPy38zo
お可愛いこと
お可愛いやつめ

これすき
18 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 22:57:30.00 ID:kpNc3frg0
  *  *  *


■当日

かぐや「車はここまででいいわ。あとは会長を待つから」

早坂「では、お気をつけて」

かぐや「ええ」




かぐや「……」

かぐや(き、きましたーーーーー)

かぐや(ついにこの日が!)


かぐや(うぅ……)

かぐや(き、緊張してきて吐きそう……)
19 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 22:59:48.39 ID:kpNc3frg0
かぐや(ところで、早坂のおススメのコーデ。何もおかしくないわよね……)

かぐや(か、会長は気に入ってくれるかしら?)

かぐや(……)

■妄想中------

かぐや「会長、この服どうでしょう? 可愛いですか?」

白銀「なんだ、俺と遊びに行くだけなのにそんな気合いが入った格好をして。もしかして俺と二人っきりがそんなに嬉しかったのか?」

白銀「お可愛い奴め」

かぐや「っ〜〜〜〜〜〜//」


■妄想終了----


かぐや(あーーーーーーっ!! 私なんてことを!)

かぐや(スカートも短いし、まるで会長を誘っているメスみたいじゃない!!)

かぐや(こうなったら早坂を呼んで。もっとこう普通の服に!!)

白銀「待たせたか?」

かぐや「か、会長」

白銀「あーその……その服、かわい……に、似合ってるな」

かぐや「ふぇっ……あ、ありがとうございます//」シュー
20 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:00:33.49 ID:kpNc3frg0
白銀(よし! 言った! 言ってやったぞ!!!)

白銀(最近の四宮は石上と仲が良い……)

白銀(だから、どうにかして男子力をあげてやろうと、つい焦ってすぐに服装の話をしてしまったが−−)

かぐや「//」

白銀(ふふふふふふ。四宮は嬉しそうにしている!)

白銀(成功だ! これはポイント高いな!)
21 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:02:07.56 ID:kpNc3frg0
白銀「よし、じゃあ行くか」

かぐや「は、はい」

かぐや(会長が似合ってるって……)


かぐや「//」プシュー


かぐや(よかった。本当によかった。早坂ありがとう)

かぐや「……」

かぐや(でも、会長……)



かぐや(遊園地に制服は正直ないんじゃないかな……と)
22 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:02:53.80 ID:kpNc3frg0
  *  *  *


ガタンゴトンガタンゴトン


かぐや「よ、ようやく着きましたね……」

白銀「だ、大丈夫だったか?」

かぐや「……はい。その……まぁ……」

白銀(まさか電車が初めてだったとは……)

白銀(満員電車とは言わないが、人が多い電車はお嬢様にはきつかっただろう)

白銀(ぐっ……。お金を出してでもタクシーにするべきだったか)

 備考:白銀はドケチ
23 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:04:32.33 ID:kpNc3frg0
かぐや(た、倒れるかと思いました……)ドキドキ

かぐや(ま、まさか会長とあんなに密着して座ることになるなんて//)ドキドキ

かぐや(会長の顔があんなに近くに……)

かぐや(って、そうじゃない!)

かぐや(これじゃまるで私が会長の事、意識しまくっているみたいじゃない!)

かぐや(確かに一度キスしようとしたせいで、意識……恐怖……いえ、認めましょう。会長を意識している所はあります)


かぐや(ですが、四宮家の家訓の一つ「人を愛すな」を忘れてはダメ!)

かぐや(そう。私は四宮家の娘、四宮かぐや!)

かぐや(私に恋焦がれる男がいたとしても、私が恋焦がれる事なんてあってはいけない!)
24 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:05:47.57 ID:kpNc3frg0
かぐや(私はあくまでもほんの少し、ほんの一ミリ、会長を意識しているだけ!)

かぐや(というわけで会長! 帰りの電車では覚悟してください!)

かぐや(私の魅力でメロメロにして差し上げますしょう!)



かぐや「その……帰りもあの電車に乗る事になるのでしょうか?」

白銀「いや、帰りはタクシーを使おう」

かぐや(ええーーーーーーっ!!!)

かぐや(そ、そんな……。もうちょっと会長と一緒に……メロメロ……あぁ……)
25 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:06:38.73 ID:kpNc3frg0
白銀(ど、どういう事だ?)

白銀(タクシーと言った後、四宮がガッカリした顔をしているぞ)

白銀(はっ! ま、まさか−−−−)

白銀(俺と一緒にタクシーに乗るのは嫌だと言っているのか?)


白銀(た、確かに最近四宮には話しかけても避けられている節があったし……)

白銀(石上とは仲良さそうだし)

白銀(……)

白銀(仕方がない。帰りは四宮を車の後部座席に。俺は前の助手席に座ることにしよう)

白銀(それが一番の策だ……)


白銀・かぐや「はぁ……」
26 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:08:37.49 ID:kpNc3frg0
  *  *  *


キャーキャーガヤガヤ


かぐや「人多いですね」

白銀「ニュースで見たんだが、まだ開店したばかりで人気らしい」

かぐや「なるほど」

かぐや(早坂にもっと人が少ない遊園地を選んで貰うべきでしたね)

白銀「しかし、入場口だけでもこれほど並ぶとは、中はどれだけ人が多いんだ?」

かぐや「会長。あっちの入場口は人が少ないですよ」

白銀「ん?」


スタッフ@「カップルの方はこちらに並んでくださーい」

スタッフA「オープン記念につき、カップルの方は入場料が無料になりまーす」


白銀「そういえばニュースでやっていたな。カップルは入場料が無料らしい」

白銀「だが遊具……ジェットコースターなどのフリーパスは別料金らしいな」

かぐや「なるほど」
27 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:09:52.51 ID:kpNc3frg0
白銀「ところでチケットを貰ってもいいか? チケットを入場口で提出する必要があるからな」

かぐや「わかりました。ちょっと待ってくださいね」

ガサゴソ

かぐや「……」

白銀「ん? どうかしたのか?」

かぐや「……その……チケットを忘れてしまったみたいで……」

白銀(なん……だと!?)


かぐや「ど、どうしましょう。会長のチケットも私が持っていたというのに……」

かぐや「本当にすみません」ペコッ

白銀「気にするな。人間忘れる事くらいある」




白銀(なんてな。またこんなあからさまな仕掛けをしやがって、俺とカップル入場したいんだろ? お可愛いやつめ……)
28 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:10:47.58 ID:kpNc3frg0
白銀「……」

白銀(ふむ……。だが、俺はどうするべきだ?)

白銀(四宮は俺とカップル入場を狙っているからと言って、俺から『カップルのふりをするか?』とは言えない)

白銀(もし、そんなことを言ってしまえば)

かぐや『くすっ』

かぐや『お可愛いこと……』

白銀(って、なるに決まっている)


白銀(それとも普通にチケットを買うか?)

白銀(いやそれはNG。NGだ! 今日のデートの為に予算は多めで考えているが、このお金は出来るだけ四宮の為に使いたい!)


白銀(くっ。ここは四宮の出方を見てから考えても遅くはないだろう)

白銀(四宮は−−−−)チラッ
29 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:12:09.77 ID:kpNc3frg0
かぐや「……」


かぐや「………………」


かぐや「………………………………」




かぐや(どうしようーーーーーー!!!)

かぐや(早坂のばか! ばか! ばかーーーーーっ!)


 そう……かぐやは本当にチケットを持っていなかったのだった。
 本来チケットが入っているはずの封筒の中には。

早坂『カップル入場だと無料です。お得でよかったですね。ちなみにフリーパス無料券を2枚入れておきます』

 というメモとフリーパスのチケットのみ。


かぐや(会長とカップル入場なんて……できるわけないじゃない!)

かぐや(もし、私がそんな事を言ったら)

白銀『もしかして、俺とカップル入場したいからチケットを忘れたのか?』

白銀『お可愛いやつめ』

かぐや(ってなるに決まってるでしょうが!)
30 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:13:15.53 ID:kpNc3frg0
かぐや(そうだ! 私が新しいチケットを買ってくれば!)

かぐや(そうです。そもそも忘れた私が悪いから、頑固な会長だってチケットを受け取ってくれるはず)


かぐや「会長。あの−−−−」

ギュッ

かぐや(え? え? なんで? 会長が私の手首を握って?)

白銀「あっちがカップル入場口だな。あっちに行くぞ」

かぐや「え?」






白銀(俺はバカだ。四宮は真っ青だった。本当にチケット忘れていたのだろう)

白銀(だというのに、俺は『四宮がわざと忘れた』とか考えて……)

白銀(俺は四宮の事を何でもわかっているつもりになっていた)




白銀(−−−−俺は大バカ者だ!!!)
31 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:15:16.77 ID:kpNc3frg0
 


スタスタ


かぐや(会長……もしかして、私に気を使ってくれて……)

かぐや(でも、会長。いいんですか? こっちから入場したら……私達……その……)

かぐや(恋仲の関係と思われちゃうんです……)



かぐや(会長は本当にそれでいいのですか?)





かぐや「か、会長。大丈夫です。私がお金を払うからチケットを買いましょう。これは忘れた私の責任です」

白銀「今日は−−−−今日だけは俺とお前はカップルだ。それなら問題ないだろ!」

かぐや「なっ//」カァー

白銀「ほら、こっちに行くぞ」

かぐや「は、はぃ//」
32 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:17:08.72 ID:kpNc3frg0
スタッフB「カップルの方は手を繋いでくださーい」

スタッフC「入場の際に写真撮影もできますので、お気軽にお声掛けくださーい」



かぐや「あっ、手……」

白銀「ああ、すまん。手首を掴んでて痛かっただろう」

かぐや「え? べ、べつに」

パッ

かぐや(あっ……会長が手を離しちゃった……。別にそのままでもよかったのに……)

ギュウウ

かぐや「っ//」

かぐや(は、はれぇーーーーーー? 恋人繋ぎ!!!?!?)

白銀「よし、これで何も問題ないな」

かぐや(問題ありまくりですよーーーーーー!!!!)
33 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:18:38.58 ID:kpNc3frg0
白銀(少し並んでいるな。まぁ、あとは入場するだけだ)


白銀「……」


白銀「…………」


白銀「……………………」



白銀(うあああああああああああああああああ)

白銀(俺は何をやっているんだあああああああ)

白銀(しまった。自分自身への怒りで、完全に我を失っていた)

白銀「……」


白銀『今日は今日だけは俺とお前はカップルだ。それなら問題ないだろ!』


白銀(問題ありまくりだああああ! 誰か俺を殺してくれえええええ!!!)
34 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:20:00.34 ID:kpNc3frg0
白銀(と、とりあえず、置いておこう。ま、まずは今の状況だ)


白銀「……」チラッ

かぐや「……//」

白銀(うっ。可愛い)

白銀(じゃなくてだ! どうする! このままカップル入場口で並んだままでいいのか?)

白銀(手が柔らかい。気持ちいい)

白銀(じゃなくて!!)

白銀(四宮の手、すべすべしている。赤くなっている四宮可愛い)

白銀(うおおおお!!! 考えがまとまらんんんんんん!!!)


白銀「……」チラッ

かぐや「……//」

白銀(ヤバい! 四宮を見ると、顔がニヤけそうでヤバい!!!)
35 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:21:15.58 ID:kpNc3frg0
かぐや(か、会長。顔が真っ赤ですよ)

かぐや(うぅ……。そんなに意識されると私も……)

かぐや「……//」カァー

かぐや(あぅぅ//)



かぐや「あっ」

白銀「ど、どうかしたのか?」

かぐや「い、いえ、何でもありません」

白銀「そ、そうか。なんでもないならいいんだ」
36 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:22:17.33 ID:kpNc3frg0
かぐや(うぅ……手の消毒を忘れてました)

かぐや(私の手汚れたりしてないわよね? 大丈夫よね? こんな事で会長に嫌われたり……)

かぐや「……」チラッ

白銀「……」

かぐや(かっこいい……って、なにこれ!! もうドキドキしないで! 会長に聞こえちゃうから!! お願いだから聞こえないで!)

かぐや(というか、会長の手がいけないの! なんでこう男らしい手なのよ!!!)

かぐや(あーーーっ! もうーーーっ! これもあれも全部早坂のせいなんだから! 早坂のばかーーーっ!!!)
37 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/21(水) 23:23:31.49 ID:kpNc3frg0
今回はここまでになります。
また近いうちに続き書いていきます。
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/21(水) 23:40:55.24 ID:xXVVcNBOo
実にいい 続けて
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 08:13:29.36 ID:gDmh1whpo
ほう ほうほう
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 11:32:38.51 ID:Y/9iey2Do
ニヤニヤが止まらん
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 17:55:40.39 ID:uHqMh9nJO
クオリティ高いお前のせいで他の書き手がかぐや様SSを書かないじゃないか責任取って毎週のように量産しろ乙
42 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:20:28.23 ID:ck9+9Tp40
  *  *  *


藤原「もしもし、あっ、ミコちゃん? 今、電話大丈夫?」

藤原「暇になっちゃいまして……」

藤原「だから、ミコちゃんが時間できたらかぐやさんがいる遊園地に……」


藤原「石上くんも誘って−−−−」



藤原「え? 邪魔? 私達は仲間だから、仲間と一緒の方がかぐやさんも喜んでくれます!」

藤原「だから、遊びに行きましょう!」
43 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:22:36.76 ID:ck9+9Tp40
  *  *  *



白銀(無事入場できたな……)

かぐや(も、もうだめ……)

白銀(て、手を離すタイミングがわからん……)

かぐや(緊張して死にそう)

白銀(だが、できれば……このまま握っていたい)

かぐや(こんな事なら、自然な手の離し方を柏木さんに聞いておくんでした)



スタッフ「お写真1枚1,000円になりますが、どうですかー?」



かぐや「写真……」

白銀「そういえば、入場前にスタッフの人が写真撮影できますとか言っていたな」

スタッフ「あっ、そこのカップルさん、記念にどうですか?」

白銀「え、えーと……その……」

白銀(すごく欲しい! すごく欲しいが、どうする? せっかくこういう所に来たんだ。今なら自然に−−−−)


かぐや「じゃあ、お願いします」

白銀(なんだとーーーー!!!?)

かぐや(これでお金を払う時に手を離せます)
44 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:24:54.43 ID:ck9+9Tp40
スタッフ「じゃあ、撮りますねー。はいチーズ」

パシャッ




スタッフ「はい。こちらが引換券です。現像しておきますので、お帰りの際にお声掛けください」

かぐや「わかりました」




白銀(あの四宮が積極的に!? これも遊園地のテンションってやつか?)ドキドキ

かぐや(はぁ……。危なかった……。ドキドキで死んじゃうかと思いました)


白銀「し、写真楽しみだな」

かぐや「そうですね」
45 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:25:37.62 ID:ck9+9Tp40
かぐや「……」


かぐや「…………」


かぐや「……………………」



かぐや(みゃーーーーーーーーーーーー!!)

かぐや(わ、私何をやったの!!?)

かぐや(写真は家宝にしますけど! じゃなくて! 早坂にバカにされないように隠さなきゃ)

かぐや(あっ、でも生徒手帳に挟んでいつでも見れるように……)

かぐや『これでいつでも会長と一緒にいれる』

かぐや(とかいいじゃないですか!!)



かぐや(って、そうじゃなくて!!)


かぐや(これって絶対に会長から勘違いされたやつでしょう!)

かぐや(もおおおおお!! 私何をやっているのよーーーー!!!)
46 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:26:42.78 ID:ck9+9Tp40
白銀「四宮?」

かぐや「え?」

白銀「大丈夫か? 顔真っ赤だが熱でもあるんじゃないか?」

かぐや「い、いえ、大丈夫です。ちょっと厚着しすぎたせいみたいで」

白銀「そういわれると2月のわりに今日は暑いよな。俺も暑くて敵わん」

かぐや「ですね。ここまで暑いと困ってしまいます」


露店スタッフ「マフラーや手袋いりませんかー? 今日は特に寒いので、よかったらどうぞー」




白銀「……」

かぐや「……」

白銀「そうだ。フリーパスを買いに行くか」

かぐや「あっ、私、フリーパスのチケットあります」

白銀「そうか。では、フリーパスに交換しに行こう」
47 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:27:25.22 ID:ck9+9Tp40
  *  *  *



かぐや「へぇー。フリーパスって手首につけるんですね」

白銀「フリーパスの形態も様々だ。このようにバーコードが印刷された時計のようなものを手首につけて、遊具で遊ぶときにスタッフに見せるタイプもある」


白銀「有名なものでは、入場チケットに金額が含まれているものだな。それなら、遊具でいちいちお金を払う必要がない」

白銀「ほかにチャージタイプのカードのような物もある」

かぐや「なるほど、色々あるんですね」

白銀「ああ、機会があったら違う遊園地にも連れて行ってやるさ」

かぐや「え? あっ、はぁ。そうですね」

白銀(あ……あれ!? 普通な反応!?)

白銀(自然な感じで遊びに行く約束ができたと思っていたんだが!?)

 などと考えている白銀。

白銀(もしかして四宮とデートだからと舞い上がっていたのは俺だけだったのか!?)
48 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:28:11.67 ID:ck9+9Tp40
かぐや(会長がフリーパス着けてくれた。私の手首にフリーパスを巻いてくれた)

かぐや(きっと結婚指輪を想像しながら、私の手首につけてくれたんでしょう)

かぐや(もうっ、会長ったら仕方の無いひと)

かぐや(ふふっ♪)

 かぐやは白銀以上に舞い上がっていた。


かぐや(そうね。結婚式ではこの遊園地で初めて恋人繋ぎをしたエピソードも入れ込んで貰いましょう)

かぐや(チケットを忘れた私を助けてくれたのは会長! その会長の男らしさを皆に伝えてさし上げましょう)

 天才少女かぐやの最高の頭脳の中では、すでに結婚式までのプロットが出来上がりつつあった。
 人それを妄想と言う。

かぐや(あっ、でも、このエピソードは私と会長との秘密にした方が……)

かぐや(……二人だけの秘密。二人だけの共有……)

かぐや(ふふふっ)
49 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:29:17.96 ID:ck9+9Tp40
白銀「さて、まずはジェットコースターに行くか? 定番だしな」

かぐや「え?」

白銀「もしかして、ジェットコースターは苦手か?」

かぐや「いえ、お恥ずかしい話、私あまり経験がないもので……」

白銀「実を言うと俺もだ。バイトで働いた事はあるんだが、実際に遊んだのは小学生以来だしな」

かぐや「そういえば、前にも言われてましたね」

白銀「ああ。では、ジェットコースターに乗ってみるか?」

かぐや「ええ、お願いします」


かぐや(改めて見てみると、遊園地ってすごいのね)

かぐや(すごく大きいお城。色んな遊具。中に入れる大きなぬいぐるみ。巨大迷路。ヒーローショーまであるわね)

かぐや(バスも走っているわ)

かぐや(きっと藤原さんなら−−−−)

かぐや「……」

かぐや(今度は生徒会のみんなや、早坂と来るのもいいですね)

かぐや(もちろん、初めて行く所は会長と二人っきりがいいですが)
50 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:30:13.09 ID:ck9+9Tp40
  *  *  *



かぐや「こ、これに乗……乗るんですか?」

白銀「……大丈夫。大丈夫だ。こういう物は確実な安全チェックがされているから、大丈夫だ」

かぐや「そ、そうですよね」

白銀「もしかして四宮は怖いのか? だったら他のに行ってもいいんだぞ?」

かぐや「またまたご冗談を。怖がっているのは会長ではありませんこと? お顔が真っ青ですわよ?」

白銀「くくっ。生徒会で色んな怖い相手と戦ってきた俺が怖いわけないだろう。四宮こそ口調が変だぞ。引き返すなら今のうちだぞ」

かぐや「ふふふふ。四宮家長女たる私がこんな遊びに怖がるなんてそんなそんな」

白銀「いやいや、俺も怖くないからな」

かぐや「ふふふ」

白銀「くくくく」


白銀(いやいやいやいや、立ちながら乗るジェットコースターとか怖いに決まってるだろ!!!!)


白銀(誰だよ! こんな危険なジェットコースター考えたやつ!)

白銀(そもそも四宮も四宮だ! 怖いなら怖いってちゃんと言えよ!!!)
51 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:30:47.76 ID:ck9+9Tp40
白銀「……」

白銀(だからと言って、俺が怖いって言えば)

かぐや『お可愛いこと……』

白銀(無理無理無理無理!! 遊園地で逃げるとか男として絶対にNGだ!)


白銀「よし! 乗るぞ!」

かぐや「は、はい」



ガタンゴトン



白銀(無理無理無理無理!! 高い高い高い高い!!!)

白銀(しかも、この先に1回転とかあるんだが!!)

白銀「……」

白銀(だ、ダメだ! 気絶するな俺!)

白銀(四宮と遊園地に来れたのに気絶するとかダメすぎる!)

白銀(頑張れ俺! ここは男の見せ所だぞ!)

白銀(そうだ、四宮はどうなんだ? 四宮だって怖いはずだ!)

かぐや「」ニヤニヤ

白銀(笑ってるだとーーーーー!!!?)
52 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:31:32.02 ID:ck9+9Tp40
かぐや「……」チラッ

白銀「……!!」ヒィィィ

かぐや(ふふっ。会長の顔が可笑しくて、それがまた可愛くて……。一体何に怯えているのかしら?)

 かぐやは白銀しか見えていなかった。
 というか、怖すぎて現実を直視できなくなっていた!


かぐや(あっ、あっちの方で蝶々が飛んでいるわね♪)



ガタン…ゴトン



白銀「ちょ、頂上に来た! お、落ちる! 落ちるぞ!!!」

かぐや「え? 落ちる? どういう事ですか……って、やあああああああああ!!!」

かぐや(無理無理無理無理無理ぃぃぃぃぃぃ!!!)

ギュッ

かぐや「え?」

白銀「おおおおおおおおおおおおおお!」

かぐや(か、会長が手を握ってきた!?)

かぐや「きゃああああああ//」
53 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:32:11.59 ID:ck9+9Tp40
  *  *  *




白銀「……」

かぐや「……」

白銀「……」

かぐや「……」

白銀「なんだこれ!」

かぐや「……」

白銀「すっごい楽しいな!」

かぐや「そうですね」

白銀「おお! 四宮も面白かったのか!?」

かぐや「ええ、すっごく」

かぐや(お可愛いこと。私が手を握っていたら、安心してジェットコースターに乗れただけだというのに)



白銀「よし! ジェットコースター全制覇するぞ!」

かぐや「はい!」

かぐや(ふふっ、本当に困った人。仕方ありませんからまた手を握ってあげますよ)
54 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:32:45.68 ID:ck9+9Tp40
かぐや(って、全然握ってくれないんですが!!!)

白銀「今のジェットコースターも面白かったな!」

かぐや(くっ。一番最初に一番怖いのに乗ったせいで、他のが怖くないのか全然手を握ってくれない!)

白銀「さて次は〜♪」

かぐや(もっと怖いものはないのかしら? それさえあれば、会長はもっと私を求めて……)



かぐや(怖いもの……そういえば、あれがあるじゃないですか! 怖いものの定番と言えばあれが!)


白銀「むっ。なんだかんだジェットコースターは全部制覇したみたいだな。どうする? 一度休憩でも……」

かぐや「あの建物はなんでしょう? 少し興味があるのですが……」

白銀「あ、あれは……」


 お化け屋敷。
 遊園地と言えばジェットコースターと観覧車に次ぐ、ド定番のアトラクション。
 さらにカップルと言えばお化け屋敷は外せない存在だ。


かぐや(ふふふふ。覚悟してください会長!)

かぐや(積極的にくっついてメロメロにして差し上げましょう!!)
55 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:33:17.37 ID:ck9+9Tp40
白銀(お、お化け屋敷だと!?)




 お化け怖い!!





 勉学に関しては非常に秀でた白銀であるが、こと非科学的な事(幽霊)に関しては苦手!
 お風呂で目を閉じ髪を洗う時、背後に幽霊がいそうでドキドキするくらいなのである。


白銀(くそっ! 想像はしていた。遊園地と言えばお化け屋敷!)

白銀(だ、だが、今の俺は昔の俺じゃない!)


 そう! 白銀はすでにグロ耐性を持っていた!
 過去に魚を捌きたい白銀は藤原との特訓のさい、スプラッタ映画を見まくる!
 これにより幽霊耐性も克服しているだろうと、いや、していて欲しいと白銀は願っていた!
56 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:34:03.28 ID:ck9+9Tp40
白銀(大丈夫だ。俺はやれるやれる男だ……)

白銀「……」

白銀(も、もし、気絶でもしてみろ。その時は……)




☆妄想中〜〜〜〜〜〜〜〜〜

お化け「わーおばけだぞー」

白銀「南無阿弥陀仏。南無妙法蓮華経。南無釈迦牟尼仏」ブツブツ

かぐや「……」


白銀「ハッ! べ、別に怖くなんかないからな!」

かぐや「……お可愛いこ……いえ、ドン引きです」


☆妄想終了〜〜〜〜〜〜〜〜




白銀(うわあああああああああああああああああああああ)

白銀(ダメだ! これは絶対にない! さすがに嫌われる!)
57 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:34:31.57 ID:ck9+9Tp40
白銀(気合いだ! 気合い! 俺ならやれる!)

かぐや(ふふふふふ。お化け屋敷を出た時は会長が私にメロメロになってるでしょう。会長、お覚悟を!)


白銀「行くぞ! 四宮!」

かぐや「はい!」





スタッフ「お二人どうぞー」

白銀「く、暗いな」

かぐや「そうですね」


かぐや(まずはそっと手を握りましょう)
58 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:34:58.93 ID:ck9+9Tp40
かぐや「……」


かぐや「…………」


かぐや「……………………」


かぐや(え? 手? わ、私から握るの……?)


 体育倉庫イベントがあって以来、かぐやは自分が思っている以上に白銀の事を意識していた。


かぐや(えっ……あっ……だ、だめ……)

かぐや(ドキドキして……)

かぐや(だ、だめ! 会長に聞こえるからドキドキしないで!)



かぐや(って、そうじゃない! なんで私ドキドキしているのよーーー!!!)
59 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:35:35.87 ID:ck9+9Tp40
かぐや(そもそもおかしいわ。昔、ゴキブリが出た時は抱きついたりしていたでしょう!!!)

かぐや(なんで、今になって手を握る事すらできなく……)

かぐや(手……)

かぐや(そういえば入場口で手を握って貰えた時は嬉しかった……)

かぐや(もう一回恋人繋ぎが出来れば−−−−)

かぐや(……)


かぐや(ふふっ♪)


かぐや(って、そうじゃない!!!)



かぐや(何を考えているの私!)

かぐや(過去より今! 今を行動しない者には未来なんてないわ!)

かぐや(そう! 今頑張るのよ! 四宮かぐや!)
60 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:36:13.98 ID:ck9+9Tp40
  *  *  *



■外


白銀「……」

かぐや「……」

白銀(よし! 怖くなかった!)

かぐや(抱きつけなかったーーー!!)


白銀(というか、このお化け屋敷大丈夫か? 怖い要素なんて一つもなかったぞ)

かぐや(うぅ……。まさか手も握れないなんて……)


かぐや「はぁ……」

白銀(むっ。四宮がため息を。そうか、お化け屋敷がつまらなさすぎてため息が出たのか)

白銀(くくくく、仕方あるまい。ここは一つ)
61 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:36:59.16 ID:ck9+9Tp40
白銀「そろそろお昼の時間だな」

かぐや「そうですね。レストランも多いですようです。ガイドマップによると……」

かぐや「『本場アメリカン』『マグロナルド』『鎌月うどんさん』『ハンバーグびより』『ひまさく喫茶』『和食制作部(仮)』『俺のメガネとラーメンが修羅場すぎる』『竹取喫茶』」


かぐや「などがあるようですね」

かぐや(もちろん全部下調べ済みです)

かぐや(なかでも『本場アメリカン』という場所では数名のカップルが誕生したようですね)

かぐや(そもそも店長の蛇文字という人が恋愛脳らしいですし)

かぐや(きっとそのような店長ならば、カップル用の飲み物など、会長が赤面するような食事が提供される事でしょう)


かぐや(お優しい会長の事ですから、食べたい場所は私に決めさせてくれるはず!)

かぐや(さあ、聞いてください! 『どこで食べたい?』と!)




白銀「ふむ。ではここに行くとしよう。ガイドマップで言うと……F−4あたりに」

かぐや「え?」」

かぐや(あ、あれ? え? か、勝手に決めるんですか!? というか、F−4の近くにあるのって『マグロナルド』?)
62 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:37:39.27 ID:ck9+9Tp40
かぐや「……」

かぐや(あー、そうですよね。そこって安いですもんねー。もちろん知ってますよー)

かぐや(ドケチだとは思ってましたが、そーですか! そーですか! デートでもケチるんですね!)

かぐや(会長のやり方というのがよくわかりました)

かぐや(ええ、よくわかりましたとも)


白銀「実を言うと、お弁当を作ってきた。四宮が良いというならご馳走したいんだが」

かぐや「食べます♪」ニパー

かぐや(あーもう会長ったらさすがね! デートで彼氏の手作りお弁当とかポイント高いですよ♪)

かぐや(って、誰が彼女なのよ!! もう!! えへへ)
63 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:38:40.55 ID:ck9+9Tp40
  *  *  *



かぐや「ご馳走様でした」

白銀「気に入って貰えたようで何よりだ」

かぐや「ふふっ、本当に美味しかったですよ。そうです。今度は私が作ってきますね」

白銀「ふむ、それは楽しみだ」

かぐや「ええ、楽しみにしていてくださいね。こう見えても料理には自信があるので」



白銀(ふむ、ふむふむ)

白銀(……)


白銀(よっしゃあああああああああああああああああ!)

白銀(次作ってくるだと!? これはまた二人で遊びに行こうって事でいいんだよな?)

白銀(くくくく、四宮め。ここぞとばかりに誘ってきやがって……)

かぐや「〜♪」


白銀「……」

白銀(四宮。美味しそうに食べてくれたな)

白銀(朝早起きして、作ってよかった。本当に……)
64 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:39:14.42 ID:ck9+9Tp40
かぐや(ようやく私の手作りを会長に食べさせる事ができますね)

かぐや(会長に食べさせたら『すごく上手い! 四宮はいいお嫁さんになるな! ぜひ俺と結婚してくれ!』という事でしょう)

かぐや(まったく会長ったら求婚する前に、付き合ったり段階があるというのに……)

かぐや(……)

かぐや(本当に仕方の無いひと)クスクス


白銀「さて、じゃあ次に行くか」

かぐや「はい」
65 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:39:41.61 ID:ck9+9Tp40
  *  *  *


■スワンボート

かぐや「さっきまで騒がしかった遊園地が嘘みたいに静かですね」

白銀「湖の真ん中だしな」



白銀「勉強もバイトも忘れて、たまにはこういうゆったりした時間もいいな」

かぐや「ふふっ。そうですね。普段の会長は忙しすぎますから」
66 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:40:26.30 ID:ck9+9Tp40
  *  *  *


■パットゴルフ

白銀「く、くそぅ」

かぐや「ふふっ」

白銀「下手だからって笑う事ないだろ……」


かぐや「い、いえ。基本何でもできる会長が……お可愛い所もあるんですね」クスッ

白銀「次行くぞ! 次!」

かぐや(あらあら。まあまあ。赤くなってお可愛いこと)
67 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:41:09.00 ID:ck9+9Tp40
  *  *  *



かぐや(ああ−−−−楽しい)

かぐや(こういうのを幸せって言うんでしょうか?)

かぐや(そうですよね。これが幸せじゃないなら、何が幸せなんでしょう)




かぐや(会長。私、すっごく幸せですよ−−−−−−)
68 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:42:45.63 ID:ck9+9Tp40
  *  *  *



■射的

白銀「どうだ!」

かぐや「っ!」

白銀「さっきは負けたが、今回は俺の勝ちのようだな」

かぐや「会長が上手すぎなんですよ」

白銀「そうか」

かぐや「ええ」

白銀(ふぅ……練習しておいてよかった)

 前回の夏休みにかぐやと行きたいデートプランを鬼のように考えていた白銀。
 もちろん、夏祭りにありそうな射的や金魚すくいはなどは練習済み!
 用意周到。それが白銀という男だ。
69 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:43:18.85 ID:ck9+9Tp40
白銀「ふむ」

かぐや「?」

白銀「射的で取ったストラップ。二つセットになっているようだな。二つあってもいらないな」

かぐや「え? そ、そうですね」

白銀「ほれ、四宮に一つやろう。どうせ二つはいらないしな」

かぐや「え?」

白銀「そ、その……受け取ってくれるか?」

かぐや「……」


白銀「あっ、その……だな」


かぐや「ありがとうございます。大切にしますね」

白銀「あ、ああ。そうしてくれると助かる」


白銀(今、四宮の目に涙が……いや、気のせいか?)

かぐや(会長とお揃いのストラップなんて。私、こんなに幸せでいいのかな……)

かぐや(こんな日がずっと続けばいいのに)
70 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:43:53.40 ID:ck9+9Tp40
  *  *  *


かぐや(告白)

かぐや(もし、会長が告白してくれたら、こんな日がずっと続くんでしょうか?)

かぐや(……)


かぐや(そうだ! 告白と言ったら!)


白銀「もう夕方か。早いな」

かぐや「会長。最後にあれに乗りたいです」

白銀「ん? 観覧車か」

かぐや「ええ、乗ったことなくて、せっかくなので是非乗ってみたいです」

白銀「よし……行くか」

かぐや(ふふふ、夕焼けに観覧車と言ったら、絶好の告白スポットですよ!)

かぐや(さあ、いつでも告白してください!)
71 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:44:37.45 ID:ck9+9Tp40
  *  *  *



かぐや(って、何事もなく終わったあああああ!!?)

かぐや(え? なんで!? 今日いい雰囲気だったのに! なんで何も起こらなかったの!?)


白銀(や、やばかった……)

 そうお気づきの読者も多い事であろうが。

白銀(ふぅ、観覧車とか超やばかったな。ジェットコースターで多少耐性がついていてよかった)

 白銀は高い所がとても苦手である。


白銀(四宮が何か考えことをしていて、俯いていてくれたおかげで助かった)

白銀(もし、四宮が声かけてきたら、声が震えていたかもしれんしな)



白銀(……)



白銀(ま、まさか! 四宮も怖かったのか!? そういえばずっと俯いてたし)

白銀(しまった! ちゃんと気にかけてやるべきだった)
72 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:45:05.83 ID:ck9+9Tp40
白銀「……四宮」

かぐや「はい?」

白銀「時間、まだ大丈夫か?」

かぐや「え?」

白銀「実を言うと、この遊園地。もう少しするとパレードと花火があるんだ。よかったら一緒に見ないか?」

かぐや「そうだったんですね。時間なら大丈夫です」

白銀「そうか。よかった」


白銀(遊園地最後の思い出が、怖かった観覧車とか最悪だしな)

かぐや(なるほど、花火を見ながら告白ですか……なるほどなるほど)ニヤニヤ



白銀「さて、時間つぶしに藤原達へのお土産でも買うとするか」

かぐや「そうですね。買った荷物はコインロッカーに預ける事もできますし」
73 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:45:47.33 ID:ck9+9Tp40
  *  *  *


■お土産買い物中

かぐや(しかし、花火の時に告白とか、会長も中々気がきいた事をしてきますね)

かぐや(ふふふふふっ)

かぐや(会長が今晩から彼氏……恋人関係に……)

かぐや(えへへへ//)



☆かぐや脳内裁判〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

かぐや(氷)「あなた何を考えているの? あの白銀御行が告白するなんてする訳ないじゃない。夢を見たらダメよ」キリッ

かぐや「え?た、確かに……。そう言われると、今までも何度も……」

かぐや(アホ)「えーでも、花火を見ながら告白とかロマンチックだと思うんだけどなー」ボケー

かぐや「た、確かに。すっごくいいと思う」


かぐや(氷)「ハァ……。議題を忘れないで、あの白銀御行という男がそう簡単に告白するわけないでしょ?」

かぐや(氷)「今回もそう思わせておいて、何もないパターンよ。あの男に踊らされてはダメ。踊らせてあげなきゃ」

かぐや「その通りだわ! 会長が私に告白するよう仕向けないと!」

かぐや(アホ)「じゃあ、私から告白しちゃおうよ」

かぐや「なんでそうなるのよーーーー!!!」
74 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:46:34.58 ID:ck9+9Tp40
かぐや(アホ)「だから、告白させるのが無理だったから半年以上すぎたんでしょう?」

かぐや「そ、それは会長が奥手だから」

かぐや(アホ)「だから、私が告白するの!」

かぐや(氷)「ハァ……。それではまるで私達が屈服したみたいじゃない」


かぐや(アホ)「別にいいじゃない」

かぐや「そ、それは……」

かぐや(アホ)「だって、今日楽しかったんだもん! すっごくすっごく楽しかったんだもん!」

かぐや(氷)「ぐっ……」

かぐや(アホ)「告白して付き合っちゃえば、来週の週末だってすっごく楽しくなるんだよ。幸せになるんだよ。何がいけないの?」

かぐや「確かに……。でも、だから、会長が告白すれば全て丸く収まって」

かぐや(氷)「その通りよ。すべては白銀御行から」


かぐや(アホ)「怖いんでしょう?」

かぐや「え?」

かぐや(氷)「っ!」
75 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:47:42.52 ID:ck9+9Tp40
かぐや(アホ)「私はあなただからわかる。告白して−−−−もし振られたら……って思うと怖いんでしょう?」

かぐや(氷)「……その通りです。告白されるのが大前提ではありますが」

かぐや(氷)「それを置いておいたとしても、自分から告白はリスクが大きすぎます。もし、失敗したら四宮かぐやという人間は崩壊する」


かぐや「……そうね。会長が私を好きって確定したわけじゃないものね……」

かぐや(アホ)「でも大丈夫。きっと会長なら……あの人なら好きって言ってくれるよ」

かぐや「……会長……」


カンカン


かぐや(幼)「みんな静粛に」

かぐや(氷)「裁判長!」

かぐや「裁判長、私、どうすれば……」
76 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:48:11.43 ID:ck9+9Tp40
かぐや(幼)「会長が私を好きなんて、実際にわからないんだから」

かぐや「わからないなら?」

かぐや(幼)「押し倒して、既成事実を作っちゃえばいいんじゃないかな?」

かぐや「へっ!?」

かぐや(幼)「あの会長なら責任とってくれそうだし。この辺ホテル多いし、リサーチ済みだし」

かぐや(氷)「なっ!」

かぐや(アホ)「そ、それはまだ早いんじゃ//」

かぐや(幼)「ついでに子供作っちゃえばトントン拍子に。そうだ。どうせ9人作るんだから早めに」

かぐや(アホ)「た、確かにそうだけど//」

かぐや(氷)「裁判長っ! 9人という数字は現実味がないわ!」

かぐや「えっ! つっこむ所そこなの!?」


ギャーギャーワーワー


かぐや「もうっーーーーー! 私、どうすればいいのーーーっ!」


☆かぐや脳内裁判終了〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
77 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:48:42.90 ID:ck9+9Tp40
かぐや(そっか。そうですね)

かぐや(私、怖いんです。もし振られたらどうなるか……考えるのが……怖いんです)

かぐや(だから、会長に告白をさせようと……)

かぐや(……)
78 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:49:14.53 ID:ck9+9Tp40
  *  *  *


■パレード

白銀「すごいな。テレビでは見た事があったが、実物は全然違うな! おっ、ぬいぐるみが手を振っているぞ」

かぐや「ふふっ。会長ったら子供みたいに、はしゃいで」

白銀「し、仕方あるまい。この雰囲気で、はしゃがない人間などいないだろう」

かぐや「そうですね。私も楽しいです」

白銀「だろうだろう」


かぐや(違います)

かぐや(もしこれが『会長と見た』のではなく、『他の人と見た』パレードだったら、これほど楽しかったでしょうか?)

かぐや(会長……。私、会長と一緒だから楽しいんですよ?)


かぐや(……)


かぐや(会長。私、決めました。私−−−−)
79 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:49:53.68 ID:ck9+9Tp40
  *  *  *


■花火


\ドーンドーン/


かぐや「花火……綺麗……」

白銀「ああ、綺麗だ」

かぐや(うぅ……。ドキドキしてきた……)

かぐや(え? 告白ってこんなに勇気がいるものなの?)

かぐや(今日一番……いいえ、人生において一番ドキドキしているかも……)

かぐや(や、やっぱり告白なんてやめた方が−−−−)






かぐや(逃げたらダメ!!)



かぐや(そうよ! 私は四宮かぐや! 国の盟主とも謳われた四宮家長女なのよ!)

かぐや(逃げたらダメ!!!)
80 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:50:23.19 ID:ck9+9Tp40
かぐや「会長……。その大切なお話があります」

白銀「ん?」

かぐや(早坂。力を貸して!!)


白銀「そうか。実を言うと、俺も四宮に大切な話があるんだ−−−−」

かぐや(え?)

白銀「ちょうど同時に大切な話とはな」

かぐや(会長。すっごく優しい顔をしている……。も、もしかして、会長も?)
81 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:50:55.48 ID:ck9+9Tp40
かぐや「……ふふっ。私達、似た者同士なのかもしれませんね」

白銀「まったく困ったことにな」

かぐや「では、会長からどうぞ」

白銀「いや、四宮からいいぞ」


\ドーンドーン/



かぐや「では、同時に言うのはどうでしょう?」

白銀「そうだな」

かぐや(会長も同じ結論に? ……根拠はないけど、たぶんきっとそうなんだと思う……)




かぐや(同じ事を感じて、同じ考えでいてくれて、同じ結論になってくれて……)

かぐや(もしこの想像が本当なんだとしたら−−−−。すごく嬉しいです。嬉しいですよ。会長)
82 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:51:30.14 ID:ck9+9Tp40
 

\ドーンドーン/



白銀「俺、白銀御行は」
かぐや「私、四宮かぐやは」

かぐや(花火が鳴っているのに……相手の声以外……何も聞こえない)



白銀「四宮かぐやの事が!」
かぐや「白銀御行さんの事が!」

かぐや(あっ、ダメ。頭が真っ白になっていく−−−−)







かぐや・白銀「好−−−−  藤原「かぐやさーん。会長ーーー」」


白銀「へ?」
かぐや「え?」

かぐや(えええええええええええ!!!)


藤原「まったく、ようやく見つけましたよ」

かぐや(……絶許)
83 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:53:04.82 ID:ck9+9Tp40
藤原「パレードに合わせて入場したのですが、全然みつからなくて! もうどこにいたんですか!」

白銀「いや……そんな事を言われてもな……。ん? あっちにいるのは石上達か?」

藤原「ええ、みんなで来ました。さあ、花火を楽しみましょう!」

かぐや(この女……。もしかして、会長が取られると思ったから邪魔してきたんじゃ)

かぐや(そうです! そうに決まっている! そうじゃないとタイミングが良すぎます!)


藤原「えへへ。かぐやさんと一緒に遊園地。私の夢が叶いました」

かぐや「あなた……、夢は私を笑わせる事じゃなかったの?」

藤原「ダメですよ。常に向上心をもたないと。夢はどんどん増えていくものですよ」

かぐや「……そう」

藤原「なので今度の夢は、かぐやさんと一日中遊園地で遊ぶことです♪」

かぐや「まったく……強欲なのね。あなたは」

藤原「えへへ〜」


かぐや(……)

かぐや(正直許したくありませんが、まぁ、許してあげましょう。なぜなら今の私は機嫌がいいんです)

かぐや(……)

かぐや(それに最後は聞こえませんでしたが、会長の気持ちがわかりましたし)

かぐや(ふふっ♪)
84 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:54:20.82 ID:ck9+9Tp40
白銀「はぁ……。まったく……」

かぐや「会長」

白銀「ん?」

かぐや「また遊びに来ましょうね」

白銀「え?あ、ああ」

かぐや「その時に−−−−先程の続きよろしくお願いしますね」ボソッ

白銀「あっ、あ、ああ」

かぐや(会長、今度は邪魔が入らない所での告白楽しみに待ってますね)


かぐや「では、藤原さん行きましょう」

藤原「はい。実を言うと、とても良い花火スポットをさっき見つけて」

かぐや「いいですね。さっそくそこに行きましょう」
85 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:55:39.89 ID:ck9+9Tp40
白銀(……)


白銀(…………)


白銀(……………………)


白銀(うわああああああああああああああああああああああああああ!)



白銀(やった!やった! 最後は聞こえなかったが、四宮は『好き』って言ってくれたはず!)

白銀(いや、まぁ、俺に惚れるのは仕方がないが……)

白銀(そうかそうか)

白銀(やはり俺の方針は何も間違っていなかった!)

白銀(雰囲気さえ作れば四宮から告白してくれる!)


 恋人たちの間にも明確な力関係が存在する事を、かぐやと白銀は知っていた!
 そう!恋愛は戦!


白銀(くくく。四宮からの告白楽しみだ)

かぐや(ふふっ。会長からの告白楽しみですね)


 好きになった方……先に告白した方が負けなのである!
86 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:56:36.93 ID:ck9+9Tp40
■その日の夜


早坂「……え?」

かぐや「というわけなの。ふふふふふ。これで会長が告白してくるのも時間の問題ですね」

早坂「いえ、かぐや様から告白すれば……」

かぐや「何を言っているの。会長に私の気持ちは伝わったのよ」

かぐや「成功するとわかれば告白するに決まってます」

かぐや「さあ、会長! いつでも告白してください!」


早坂「はぁ……」

かぐや「どうかしたの? ため息なんて……」


早坂「いや、バカだなーと思いまして」

かぐや「え!? バカ!? どういう事!?」


早坂「いえ、まぁ、会長さんの事を好きって認めただけ、成長したのかもですね」

かぐや「え!?」

早坂「え? 好きなんでしょ? 会長さんに言ったんですよね?」

かぐや「す、す、す」

早坂「?」


かぐや「好きなんかじゃないからーーーー!!!!」




 本日の勝敗
 両者敗北
 敗因・まるで成長しなかった





       終わり
87 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:57:19.69 ID:ck9+9Tp40
■おまけ@

スタッフ「こちら入場時に撮影した記念写真になります。はい、二人分ですね」

かぐや「え? あっ、はい」

白銀「そういえば撮ったんだったな」

スタッフ「はい。確かにお渡しましたので」

かぐや「……」

白銀「……」

かぐや(ふふっ。写真の会長ったらこんなに赤くなっていたんですね。お可愛いですよ)クスッ

かぐや(ずっと大切に保管しておきましょう。いえ、家宝ですね。何と言っても会長と念願のツーショットなんですから……)





白銀(夢にまで見た。四宮と二人っきりの写真)

白銀(やばい。やばい! ニヤニヤしそうでヤバい!)

白銀(ここでニヤニヤしたら四宮に誤解される! いや、誤解されるも何も、もう告白まがいな事までしたんだが)

白銀(いや、ダメだ! ここで弱い所は見せられん!)

白銀(うおおおおお! 頑張れ俺! ニヤニヤするな!!)
88 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:58:30.56 ID:ck9+9Tp40
かぐや「写真大切にしますね」

白銀「ああ、俺もだ」

藤原「どんな写真撮ったんですか? 私にも、私にも見せてください!」


クシャッ

白銀・かぐや「」

藤原「ど、どうしたんですか? 二人とも写真が入った封筒をクシャクシャにして……」

かぐや「え? あ、あの……その……」

白銀「ぴ、ピンボケだ。ちょっとひどくピンボケしてたから、捨てようと思ってな」

藤原「そうなんですか。残念です」


白銀(うっせええええええ! 残念なのはこっちの方だあああああ!!!)

かぐや(うううううううううううううう! せっかくの家宝なのにいいいい!!!)
89 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:59:19.53 ID:ck9+9Tp40
■おまけA


かぐや「ふふっ……ふふふっ」ニヤニヤ

早坂(あーあ、また会長さんとお揃いのストラップを嬉しそうに眺めて……)

早坂(……)

早坂(よかったですね。かぐや様にとって良き日であって)



かぐや「〜♪」




       本当の本当に終わり
90 : ◆xW69XHZIXl2A [saga]:2018/02/24(土) 21:59:59.88 ID:ck9+9Tp40
これにて終わりになります。
読んでくれてありがとうございました!
また機会があればよろしくお願いします!
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 18:00:38.35 ID:9hiZpNLJ0
乙!良かった!
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 21:30:26.49 ID:iQC3IdAbo
ほんと好き もっと増えろ
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/26(月) 00:30:55.76 ID:hzqssom/0
乙面白かったまた書いてほしい

やっぱり藤原は究極のフラグクラッシャー
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