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【安価】京太郎「200馬力のMR-S」【咲‐saki‐】

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226 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/19(月) 21:31:42.72 ID:3Mff5A/o0
【数時間前】

久「今日は遅いし部活終了、鍵は私が閉めておくわ」

まこ「おつかれさん」

一年生「お疲れ様です」

京太郎「じゃあ、咲、帰ろうか」

和「ちょっと待って下さい」

京太郎「ん? どうしたんだ和」

和「須賀くんに負けっぱなしは嫌なのでわたしのホームコースで一戦お願いできますか」

和「宮永さんは優希に送るよう頼んであるので」

優希「いやー部費のガソリン代を一ヶ月丸々くれるって言われたら送るしかないじぇ」

京太郎「和って案外負けず嫌いなんだな」

和「親しい人からはよく言われます」

京太郎「咲、すまないが優希に送ってもらってくれ」

咲「……うん、わかった」

優希「大丈夫、わたしは京太郎みたいに送り狼にならないじぇ!」

京太郎「は、よく言うぜ」
227 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/19(月) 21:32:43.88 ID:3Mff5A/o0
京太郎「で、和のホームコースってどこなんだ?」

和「☓☓峠です」

京太郎「ああ、あそこか。免許取ってから色々な峠回ったから三回くらい行ってるわ」

和「ならヒルクライムでいいですか?」

京太郎「おいおい、俺の連勝記録を露骨にストップさせようとするなよ」

和「わたしが本来走らないダウンヒルで勝負したんですから、次は須賀くんの番ですよ」

京太郎「うーん、じゃあ、100歩譲って上りと下り両方で勝負なら考えるぜ」

和「嫌です(満面の笑み)」

京太郎「うん、露骨だわぁ、露骨に勝ちたい顔してるわぁ」

和「わがままは女の子の特権ですから」

京太郎「わかったよ、ヒルクライム一本勝負受けて立ちますぜ」
228 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/19(月) 21:33:25.79 ID:3Mff5A/o0
京太郎(なんというか、和は正統派のドライバーだからなぁ)

京太郎(サーキット歴も長いみたいだし、峠もインターミドルヒルクライム部門覇者なんだから当然上手い)

京太郎(俺も下りならどこの峠でも勝てる自信はあるが、上りだとパワー差が出るよな)

京太郎(唯一の光は☓☓峠が上りも下りも直線が少ないテクニカルコースだってこと)

京太郎(だが、高回転域から溢れ出てくるVTECがあるから高回転域を維持することに長けた和はやりづらい)

京太郎(パワー差は禁断の一速を解禁してどうにか)

京太郎(勝つには……MR-Sのツッコミと立ち上がりの速さで押さえ込む、それしか無いわな)
229 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/19(月) 21:34:03.69 ID:3Mff5A/o0
【☓☓峠】

和「ここから頂上の展望台までの勝負です」

京太郎「OK、MR-Sの方が遅いから先行よろしく」

和「いいんですか? 置いていきますよ」

京太郎「俺のMR-Sは200馬力だぞ、軽さで食らいついていくぜ」

和「頂上で泣いても知りませんよ」

京太郎「生憎、峠の勝負で泣いたことねぇんだ」

和「……まあ、いいです。じゃあ、わたしが先行します。あの杉のところから全力疾走してください」

京太郎「了解」
230 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/19(月) 21:34:42.62 ID:3Mff5A/o0
京太郎(100馬力の差、遅い軽自動車二台分だ)

京太郎(そこを腕と技術でどうにかするのが走り屋なんだろうが……)

京太郎(スタート地点は地味に長いストレートだったりする)

和(スタート地点はストレート、馬力が低い格下の車を相手にして大人気ないですが)

和(須賀京太郎という走り屋を知っているわたしは油断しません!)

京太郎(だが、このストレートを抜けた先はキツイ右、その先は少しの直線を挟んで緩い左)

和「やはり、ツッコミと立ち上がりで負けますか……」

和(中学の頃にMR-Sと何度か当たりましたが、突き詰めたドライバーが居なかったので特別速いとは思いませんでした)

和(でも、今は違います)

和(一級の戦闘力を持った良いマシーンです……トヨタですけど……)
231 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/19(月) 21:35:15.37 ID:3Mff5A/o0
京太郎(気持ちいいくらい軽やかなフットワーク)

京太郎(走り慣れてるだけあってどこで踏み込んで、どこでハーフでアタックするかを見極めてる)

京太郎(タイヤの温め方もタイヤの冷まし方も知り尽くしてるってわけか)

京太郎(それにS2000は車重も軽くて美味しいタイヤの熱も維持しやすい)

京太郎「……だが、俺だってタイヤマネジメントは得意な方だ」

和(ゾッとします。これがダウンヒルならスタート地点で優雅に缶コーヒーを飲まれてたでしょう)

和(ですが、今日はヒルクライム……インターミドル覇者の誇りがあります……)

京太郎(次はこの峠にしては長いストレート……相手はVTECの恩恵を維持したまま突き抜けて行くだろう)

京太郎(やっぱりVTECはすげーや、ターボなんていらないって言えるのもわかるぜ)
232 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/19(月) 21:35:43.01 ID:3Mff5A/o0
和(ストレート! 差をつける!!)

京太郎(チッ! レットゾーンギリギリまで回してるのに直線で一気に離される……)

和(そして、このストレートを抜けた先は緩い二連!)

和(限界ギリギリの速度で侵入し、最短のラインを描きながら駆け抜けます!)

京太郎(走り慣れてるだけあるな!)

京太郎(やっぱり上りだと加速が鈍い。軽量でミドルパワーの車に仕上げてるのに登りだとパワーが違う……)

和(そして、ここを抜けた先にこの峠で一番の難所、キツイ傾斜のヘアピンカーブ)

和(そこの傾斜を利用し、滑らせながら適正速度に合わせて抜けた先のショートストレートでトップスピードへ)

京太郎(差を開かないので精一杯だ……コーナーで差を縮めようとしてもパワー差で縮められない……)
233 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/19(月) 21:36:08.67 ID:3Mff5A/o0
和「バックミラーから消えないのは須賀くんの凄いところです」

和「この峠では格上の車だって、この場所でライトの光すら見えなくなるのに」

和(パワーが無いからって手加減はしませんよ!)

京太郎「……なんか、楽しくなってきた」

京太郎「速い車の後ろを走るのは楽しくて仕方がない……」

京太郎「……親父直伝の限界走行やりますか!」

和「!? ……差が縮まりはじめた!」
234 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/19(月) 21:36:44.04 ID:3Mff5A/o0
京太郎(……親父が言ってた。不利な場面で必要なのはトップスピードと回転数を維持しながら侵入できる)

京太郎「ラインの判断」

京太郎(速い運転は……ブレーキを踏まない、ハンドルを切らない、タイヤを適正な温度にする)

京太郎(MR-Sはその三つ全部がやりにくい車だ。それは速くなるためにチューンされたから)

京太郎(だけど、癖を捻じ伏せて、その三つを可能にしたら?)

京太郎「100馬力の差は一歩二歩の差に変わる……」

和「緩いコーナーではグリップ走行に切り替えた!?」

京太郎(ドリフトは高回転域の美味しい部分を残しながら走る技術)

京太郎(グリップ走行は回転数を犠牲に一番早いラインを走る技術)

京太郎(並の人間じゃあ、ドリフトとグリップを切り替えるなんて出来ない)

京太郎「でも、親父はそれを平然とこなした」

京太郎「息子の俺に出来ないわけ無いだろ!!」
235 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/19(月) 21:37:16.42 ID:3Mff5A/o0
和(ヒルクライムで最も大切なのはトップスピードを維持しつつコーナーに立ち向かう判断力……)

和(もし、その判断力にミスが無ければドライバーの腕と少しの車の差しかなくなる……)

和「……いいでしょう、今から貴方のMR-Sはわたしが大嫌いなGTRです!!」

和「GTRにこの峠を荒させません!!」

京太郎「和……俺はおまえに負けず嫌いだって言ったよな。前言撤回するよ」

京太郎「――俺も負けず嫌いだわ!」
236 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/19(月) 21:37:50.05 ID:3Mff5A/o0
走り屋A「ダウンヒルの練習しねぇと」

走り屋B「ドリフトって難しいよなぁ」

走り屋A「カウンターのやり方が難しいんだよなぁ……」

走り屋B「ドリキンみたいなドリフトしてみてーよな」

走り屋A「ドリドリだったらこの先のヘアピンを全力で滑らせ……」

京太郎&和「邪魔だ(です)!!」

走り屋A&B「うわぁ!?」

走り屋B「あの二台、車間十センチも空いてなかったぞ……」

走り屋A「ああ……それに登りのヘアピンで信じられない速度のドリフト……」
237 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/19(月) 21:38:46.76 ID:3Mff5A/o0

和「GTRなんかに!!」

京太郎「親父以外に負けられないんだ!!」

安価↓ 集計(23:00まで)

1:和勝利

2:京太郎勝利

3:引き分け
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/19(月) 22:59:53.62 ID:7NDdZ48uo
239 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/19(月) 23:04:40.99 ID:3Mff5A/o0
京太郎「このコーナーが最後だ!」

京太郎「うっ!?」

和「後輪タイヤが滑りましたか……わたしの勝ちです……!」

京太郎「……速いな、やっぱり」

240 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/19(月) 23:07:07.39 ID:3Mff5A/o0
【☓☓峠・展望台】

京太郎「負けたよ、俺のタイヤマネジメントが劣ってた」

和「スポーツタイヤを履いてたら、負けてたかもしれません」

京太郎「ミドルパワーの車がハイパワーの車に勝てるわけないだろ」

和「負け惜しみは格好悪いですよ」

京太郎「うるせぇ……」
241 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/19(月) 23:08:36.92 ID:3Mff5A/o0
和「……でも、須賀くんの走り、少し懐かしく思えました」

京太郎「懐かしい?」

和「ええ、まだ長野に引っ越していない頃の友達の走りによく似てました」

京太郎「……そうか
242 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/19(月) 23:11:41.19 ID:3Mff5A/o0
今日はここまで、明日の出没で【原村和・奈良での日々】を書きます。

用語の質問、車の解説、キャラクターの車のネタバレあれば出没の際に書かせてもらいます。

荒らし行為は麻雀(天鳳個室)で解決するのであしからず。
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/19(月) 23:38:52.29 ID:Gasz6bKlo
乙ー
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 00:33:36.51 ID:pmawbEgA0
乙です
いやぁ…早くも阿知賀こどもレーシングクラブ(仮)と阿知賀のレジェンドこと赤土晴絵が登場しますか
中一玄ちゃーのドラ爆的激走に小六のどっちさんのSOAは炸裂するのか!?
非常に楽しみです!

あ…そう言えば玄ちゃーと憧ちゃーと穏乃ちゃー以外のこどもレーシングクラブ(仮)のメンバーもやっぱり実車の運転して居るんでしょうか?
流石にクラブ在籍時小学校低学年だった面々に実車の運転はさせられませんか
と言う事は当時の年少組の面々は全員シミュレーター限定でしょうかね?
245 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:15:03.33 ID:mqDTdfw20
再開

妙にキング・クリムゾンしてる部分あるけど、阿知賀編書く気になった時に使える部分を切ってるだけだら。
246 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:16:08.05 ID:mqDTdfw20
再開

和「それは普通の出会いでした」

和「心優しい二人がわたしの友達になってくれたんです」

京太郎「そうか……」

和「二人も車の運転が得意で……ライバルのような存在でした……」

和「他の子達からは六年生トリプルエースって呼ばれてたんですよ」

京太郎「なんかすげーな」

和「ダウンヒルのCR-X」

和「ヒルクライムのZ31」

和「ジムカーナのS2000」

和「あの辺りでは名のしれた小学生ドライバーだったんです」

京太郎「……俺より速いか?」

和「わかりません、色々な理由で離れ離れになりましたから」
247 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:17:31.48 ID:mqDTdfw20
和「……でも、わたしが穏乃のZ31を壊してしまったんです」

京太郎「……何があったんだ?」

和「周りはわたしのせいではないと言いましたが、全部わたしのせいなんです」

和「わたしがターボを嫌う理由。そのすべてがあの場所での日々にあります」

和「別に遅い速いでターボを嫌ってる訳じゃないんですよ」

和「わたしがターボを嫌う理由――それは……」
248 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:18:23.46 ID:mqDTdfw20
【原村和・奈良での日々】

穏乃「おっ……うひひっ……」

穏乃「とうっ!」

穏乃「憧!」

憧「バス着た?」

穏乃「あと三分!」

憧「あ、しず」

穏乃「あ!」

穏乃「おーい、転校せー」

憧「今日もフリフリだねぇー東京でそれ流行ってるの?」

和「いい加減に転校生やフリフリって言うのやめてください」

穏乃「じゃあ、なんて呼べば?」

和「和、原村和です」

穏乃「じゃあ、友達になろうよ! 和!!」
249 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:18:59.87 ID:mqDTdfw20
【少女全力疾走中】

和「うひゃっ!?」

穏乃「派手に転んだねぇ」

憧「これが都会のもやしっ子ってやつなのねぇ」

和「はぁはぁ……もやしっ子って言わないでください……」

穏乃「和って得意なこと無いの? 勉強以外で」

和「いきなり勉強全否定ですか……強いて言うなら……車の運転です……」

憧&穏乃「車の運転!?」
250 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:19:34.04 ID:mqDTdfw20
【放課後】

和「ここは……高校? 阿知賀……こんなところに女子校が……」

憧「こんなところって馬鹿にしたなー!?」

穏乃「こう見えて中高一貫のお嬢様高なんだー」

和「!? スキール音……」

憧&穏乃「ちょっ!? 和!」

和「はっ!?」
251 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:20:23.45 ID:mqDTdfw20
和「駐車場でジムカーナ……アスファルトの状態は悪いのに、あそこまで滑らせるなんて……」

穏乃「自動車部の練習って言いたいんだけど……もう無いんだよね、自動車部」

憧「やっほー」

小さい子達「あ゙ご゙ぢ゙ゃ゙ん゙だ゙ア゙ア゙ァ゙゙ァ゙ア゙〜〜〜〜〜」

憧「うわっ!?」

晴絵「もう少し大きくなったらハンドル握らせてあげるからね」

女の子「うん!」

穏乃「センセー!!」

晴絵「お、しずぅ、ご無沙汰じゃないかー」

穏乃「へへっ、最近はお父さんがZ使ってて」

晴絵「まあ、そうだよね。あ、その子は?」

穏乃「有望な新人!」

晴絵「ほうほう、これは将来有望すぎるなぁ」

和「ちょっ!? どこ見てるんですか!」
252 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:20:59.21 ID:mqDTdfw20
晴絵「ははっ、私は赤土晴絵、大学生。ここで車が好きな子達にドリフトとか教えてるの。君は」

和「わ、わたしは原村和、小学六年生。S2000に乗ってます」

晴絵(最近、峠が閉鎖される時に馬鹿みたいに綺麗な運転をするS2000が現れるって……)

晴絵「その身長なら運転できるよね、乗ってみようか」

和「あのロードスターにですか?」

晴絵「このNBは運転しにくいよー、怖くなったらサイド引いてスピンさせていいから」

和「わ、わかりました!」

和(地味にマツダ車ははじめてです)
253 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:21:32.64 ID:mqDTdfw20
晴絵(うわ、スタートからアクセルベタ踏み、でも最初のポールを曲がりきれるかなぁ)

和(この速度! 回転数はここまで維持!!)

晴絵(っ!? ……S2000に乗ってるってのは本当みたいね)

晴絵(この歳で高回転域を維持しながら走るテクニック、でも、高回転からの伸びに少し違和感があるみたいね)

晴絵(でも、もう理解したみたいね、VTECが無いから限界ギリギリの美味しい部分を維持しなくていい)

晴絵(だから、次のポールでピークパワーの部分で曲げてくる!)

和(この回転数です!)

晴絵(これは胸以上に腕で将来が楽しみだわ)
254 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:22:39.74 ID:mqDTdfw20
穏乃「なんかムズムズしてきたー!! お父さん休憩してないかな!?」

憧「わたしもお姉ちゃんに電話する!!」

穏乃「お父さん! Z持ってきて!! 超特急で!?」

憧「もしもしお姉ちゃん! CR-X持ってきて!! 速い子が来たの!?」

穏乃「え、玄さんのお父さんにも連絡入れる? じゃあ玄さんも呼んでおくね!!」

穏乃&憧「わくわく」
255 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:23:37.92 ID:mqDTdfw20
和「ふぅー……マツダの車ははじめて乗りましたが、良い車ですね」

晴絵「ショートホイールベースからくるオーバーステアを初乗りでねじ伏せるなんてすごいわ」

和「わたしのS2000も似た部分がありますので、乗りやすかったです」

穏乃パパ「持ってきたぞ、しず」

穏乃「お父さんありがとー!!」

望「速い子が現れたって聞いたから飛んできたけど、どの子?」

憧「お姉ちゃんスピード違反したでしょ? でもありがと!」

玄「あれ、お父さんだ、まだ呼んでないのに」

玄パパ「暇だったからな」
256 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:24:06.38 ID:mqDTdfw20
CR-X「ゴゴゴゴッ!!」

Z31「ドドドドッ!!」

GTO「ババババッ!!」

ロードスター「ギギギギッ!!」

晴絵「わ、阿知賀四天車が全台集合……」
257 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:24:53.72 ID:mqDTdfw20
玄「あ、新しい人ですね! よろし……これはこれは……」

和「ど、どこ見てるんですか!?」

晴絵「セクハラしないの」

穏乃&憧(自分を棚に上げた……)

穏乃パパ「どうも松実さん、今日も綺麗に仕上げてますね」

玄パパ「洗車しただけですよ、高鴨さんも旧車をよくここまで維持出来ますね」

望「で、新しい子は速いの?」

晴絵「将来化けるよ、これは期待の新人を通り越して期待の鬼才ね」
258 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:25:36.42 ID:mqDTdfw20
憧「玄、和を隣に乗せて走ってみてよ」

玄「え、いいんですか?」

穏乃「和、玄さんの運転は凄まじいから身構えた方がいいよ」

和「そんなに凄いんですか?」

憧「乗ってからのお楽しみ」

玄「お父さん、運転するね」

玄パパ「ああ、全力で走りなさい」

玄「おまかせあれ!」
259 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:26:09.78 ID:mqDTdfw20
玄「自己紹介が遅くなりました、阿知賀こどもレーシングクラブの松実玄です」シートベルトカチッ

和「穏乃と憧の同級生の原村和です」シートベルトカチッ

玄「一応、このクラブで一番の年長なので全力で走らせてもらいます」

玄「舌を噛まないように気をつけてください!」

和「へ? わっ!?」
260 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:26:58.78 ID:mqDTdfw20
晴絵「玄の運転は神がかってるわよね、どうやったらジムカーナでワンハンドステア出来るのかしら」

玄パパ「私の真似をしてたんでしょうけど、もう現役の頃の腕を超えられてますね」

穏乃パパ「いやいや、現役の頃の松実さんの方がキレたカミソリでしたよ」

玄パパ「でも、あと二年もしたら確実に超えられますよ」

穏乃パパ「私も抜かれそうで怖いですよ」
261 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:27:33.87 ID:mqDTdfw20
和「オーバースピードです!!」

玄(おお……すごく揺れてます……ナイスおもち)

和(え? サイド……!?)

玄(もっと揺れてください!)

和「きゃぁあああああ!!??」
262 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:28:47.04 ID:mqDTdfw20
晴絵「FFベース4WDのGTOはグリップ走行で走るのが一般的なんだけど……」

晴絵「Fドリをベースに構築したGTOだけが出来るアグレッシブなドリフト」

晴絵「それをワンハンドステアで制御するあの子も化物ね」

穏乃パパ「あのドリフト、まだまだ切れ味が足りませんな」

玄パパ「いつもより抜いて走ってますね……隣の子を心配してるのか、それとも……」

玄(揺れてる揺れてる! たゆんたゆんです!!)

和(なんなんですか!? こんな限界を通り越したオカルト走行ありえません! SOA!!)
263 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:29:23.76 ID:mqDTdfw20
和「ぜぇぜぇ……SOA……」

玄「ふぅ(達成感)」

穏乃「やっぱり玄さんは凄いなぁ」

憧「はじめて乗せてもらった時は泣いたっけ」
264 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:30:07.24 ID:mqDTdfw20
【現在】

京太郎「なんというか、奈良県ってヤバイ奴らの巣窟なんだな」

和「レベルは長野と変わりませんよ、でも、際立って凄い人が居るのは確かです」

京太郎「そんなもんか」

和「それ以来、色々なことをしました、サーキットに行ったり、峠に行ったり、普通のドライブをしたり」

和「充実していました」
265 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:30:53.83 ID:mqDTdfw20
【過去】

和「そう言えば、なんで赤土さんはプロの世界に行かないんでしょうか」

和「あれだけ振り回せるならプロの世界でも十分活躍できるかと」

穏乃「そうか、和は転校生だから阿知賀のレジェンド4を知らないんだ」

和「レジェンド?」

穏乃「この奈良県で一番走りのレベルが高い高校、晩成高校」

穏乃「この学校は出来てからずっと県大会を勝ち抜いて、上位入賞も珍しくないのさ」

穏乃「でも、今から六年前。その晩成高校を団体戦で倒したのが阿知賀のレジェンド4」

穏乃「ダウンヒル、ヒルクライム、ジムカーナ、レースで県大会全勝優勝」

穏乃「その時、赤土さんはジムカーナで出場して、大会レコードを叩き出したんだ」

憧「わたしのお姉ちゃんもダウンヒルで出場したんだよ」
266 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:31:27.89 ID:mqDTdfw20
穏乃「全国大会も準決勝まで行ったんだけど……」

穏乃「今、色々な国内レースを荒らしてる小鍛治プロに負けちゃったんだよね」

穏乃「それに、その時小鍛治プロが乗ってたのはド・ノーマルのカローラ」

和「え、ただのカローラだったんですか?」

憧「MTだってとこ以外は本当にただのカローラ」

憧「それで全国大会レコード、今でも破られない記録を作り出したんだから」

和「……その走りは動画で見たことあります。でも、純正だとは」
267 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:32:40.42 ID:mqDTdfw20
穏乃「それがショックでリベンジに向けて色々な場所で練習したんだけど」

穏乃「先生が二年生の時、県大会でオーバーレブさせちゃったんだ」

和「あの赤土さんがですか?」

穏乃「それがショックでレースの世界から離れてたみたいなんだけど」

憧「わたしのお姉ちゃんが黙って車体だけ残してたロードスターにエンジンを積み直して」

憧「無理矢理勝負させたんだ。もちろんジムカーナで。そしたらお姉ちゃんが三秒以上差を開いて圧勝」

憧「それで火が付いたのか、また走り出したんだけど、自分はプロの世界には出られる器じゃないってことで」

憧「今は地元の子供達にテクニックを教えてる」
268 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:33:28.12 ID:mqDTdfw20
和「でも、峠にもよく行ってるみたいですし、プロからの誘いが来るのでは」

和「プロの世界に行ったら……このクラブは……」

穏乃「そんなの嫌だよ!」

和「……そうですね、プロから誘いがくることは稀ですし」

憧「……そうだといいね」
269 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:33:55.78 ID:mqDTdfw20
【数日後】

穏乃「中学は阿知賀かなぁ、家から近いし」

和「制服も可愛いですからね」

憧「……わたしは阿太峯中学かな」

穏乃「そっか、あそこは自動車部あるし、奈良で一二を争う強豪だから」

憧「制服は微妙だけど、二人も阿太峯中学に来ない? 一年目は活躍出来ないかもしれないけど!」

穏乃「……それもいいけど、遠いからお父さんが車持ってくるの大変だし」

憧「……そっか」
270 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:35:38.35 ID:mqDTdfw20
【駐車場】

トシ「奈良県の峠にとてつもない速さのロードスターがいるって聞いたけど、貴方だったんだねぇ」

晴絵「……プロの誘いは」

トシ「いいのよ、でも、うちは戦力不足が目立ってるの」

トシ「……奥さんが逃げて、子育てをしなくてはならなくなった須賀文太郎が抜けて7年」

トシ「最初は文太郎が育てた子達が頑張ってくれたんだけど」

トシ「あの馬鹿がいないと回らないってのが本当にわかったよ」

晴絵「須賀文太郎が所属していた実業団!?」

トシ「まあ、知ってるよね……小鍛治健夜が一度も前を走れなかった男」

トシ「ダウンヒル、ヒルクライム、ジムカーナ、レース、ラリーそのすべてで敗北を味わうことの無かった男」

トシ「生きる伝説。でも、貴方ならジムカーナで文太郎の後釜になれる」

晴絵「……文太郎さんに会わせてくれますか、それが出来れば、私は!」

文太郎「ったく、シングルファザーのむさい親父を遠い奈良県まで呼びつけて何のつもりだクソババア」

京太郎「奈良なのに鹿いないな」

晴絵「――!?」

トシ「このバカに会いたいって言うと思って、連れてきたよ」

晴絵「無敗の文太郎と無敗のMR2……」
271 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:36:19.20 ID:mqDTdfw20
文太郎「ったく、俺は復帰しねぇぞ。京太郎が仕事はじめるまでは父親やるって決めたんだからな」

トシ「ラストランの時に耳が腐る程聞いたよ……」

晴絵「あ、ああ……握手してください!」

文太郎「好みの女の子がいるって言ってたが、俺は同世代の女が好きなんだよ」握手しー

トシ「アンタが抜けたからうちの実業団はボロボロなんじゃないか、後釜のスカウトくらい手伝いな」

文太郎「へいへい」

晴絵「あ、あの! 私のロードスターに乗ってもらえませんか!?」

文太郎「あのNBにか、いいぜ、助手席に乗りな、舌噛まないように口は開くなよ」
272 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:37:12.32 ID:mqDTdfw20
晴絵(凄い……こんなに流しっぱなしで駆け抜ける人、初めて見た……)

文太郎「良いセッティングだ。初心者が気持ちよく滑らせられるセッティング」

文太郎「乗りにくいだろ」

晴絵「――!?」

文太郎「一級のドライバーってのは、自分の癖を車にカバーさせるんだ」

文太郎「だが、こいつは万人向けのチューン、ババアが誘う人間がこんなセッティングで走るわけがない」

文太郎「なに自分の腕にリミッターかけてんだよ
273 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:37:43.55 ID:mqDTdfw20
晴絵「……どういうセッティングだったらあの人に勝てますか?」

文太郎「小鍛治健夜と対等に勝負したいなら、人間らしさと殺意を両立させることが重要だ」

晴絵「っ!?」

文太郎「レースであいつの顔を見ると無性に腹が立つんだ」

文太郎「だから、尻を突っついてクラッシュさせるつもりで対戦してた」

文太郎「あんな化物みたいなやつ、再起不能にするってつもりで戦わんとだめだ」

文太郎「化物を倒すのは人間だ。人間の人間らしさだ」

文太郎「そこに殺意のスパイスを少々」

晴絵「それで倒せますか?」

文太郎「絶対とは言わないが、少なからず五分の勝負になるぞ」

文太郎「あとは腕のいいチューナーを探せ」
274 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:38:32.70 ID:mqDTdfw20
和「……なんででしょうか、わたしは赤土さんがプロになることを応援出来ませんでした」

和「……まだ、教えてもらいたいことがあったのに」

和「……みんな、泣いてましたね」

和「……同好会でも、個人戦には出られる」

和「憧と戦いたくありません。わたしは、ジムカーナに出ます」
275 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:39:24.36 ID:mqDTdfw20
【中学一年生・春】

和「ここの制服は本当に可愛いです」

穏乃「やっぱり和が着ると絵になるなぁ」

和「ふふっ、ありがとうございます」

穏乃「で、やっぱり同窓会作るんでしょ? わたしも入るから!」

和「ええ、大会の舞台で赤土さんに成長を見せるつもりです」

穏乃「憧にはわるいけど、一足早く大会に出させてもらおうかなぁ」

和「ふふっ、そうですね」
276 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:40:12.02 ID:mqDTdfw20
【中学一年生・夏】

和「穏乃! 大丈夫ですか!!」

穏乃「……わたしのZが」

穏乃「……Zが」

穏乃「……Z」
277 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:40:51.91 ID:mqDTdfw20
【現在】

和「長く乗ってましたから、全開走行の時にターボが」

和「……NAだったら、穏乃は駆け抜けられたでしょう」

和「……車ってものは家族なんです。長い時間を一緒にするとても優しい家族」

和「……ターボはそんな家族の寿命を短くする」

和「……だから、わたしはターボが嫌いです」

京太郎「……それからどうなったんだ?」

和「穏乃はZを廃車しました。穏乃もわたしも……引き取られていくZを見て泣きました……」

和「わたしが……わたしが悪いんです……」
278 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:41:23.58 ID:mqDTdfw20
京太郎「……車が家族か、そうだな、家族だ」

京太郎「体が汚れていたら洗ってやる」

京太郎「体調が悪いなら病院につれていく」

京太郎「走りにくいなら教えてやる」

京太郎「友達で、何よりも大切な家族だ……」

和「……穏乃はもう二度とレースの世界に現れないでしょう」

和「だから、わたしがレースの世界で走れない人達の分まで走るんです」
279 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:42:39.98 ID:mqDTdfw20
京太郎「……和、おまえはすげーや、俺が思ってるよりずっと高い場所にいる」

京太郎「……何もかも負けたよ」

京太郎「インターミドル覇者、胸張って友達の分まで駆け抜けろ」

京太郎「俺は、応援する」
280 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:43:32.58 ID:mqDTdfw20
和「夜景が綺麗ですね……」

京太郎「そうだな……」

和「須賀くんが入部して、色々と回りはじめた気がします」

京太郎「そうなのか?」

和「今更ですけど、須賀くんのヒルクライム、穏乃に似てました」

和「そして、負けても清々しい顔してるところも」

京太郎「……大会が終わったら、奈良に行かないか? ちょっと会ってみたい」

和「いいですよ、でも、奈良の峠もヒルクライムです」

京太郎「へいへい……」
281 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:44:13.20 ID:mqDTdfw20
少し休憩入れて、安価します。
282 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:50:03.37 ID:mqDTdfw20
てか、殆ど和がヒロインみたいになってる。

でも、恋愛要素は気が乗ったらですから、期待しないで。
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 17:56:50.68 ID:pmawbEgA0
いやぁ…まさかの展開ですね
って言うかすこやんの愛車がドノーマルのカローラって
ま…AE86ならまだ可愛げが有ると思うんですが
もしかしてすこやんのカローラはAE85ですか?
284 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 17:57:09.02 ID:mqDTdfw20

             ___
          ,. : ':´: : :.:.: : : : `:ヽ___
      ,.-、r/: : : ; : ; :.:.:,:.:.:.;.: ヽ: :`〈:::::::i
       |:::::/: :/:/:/:.:/i i: :!:i: ハ:、:.:゙、:..、゙、:::{
      }:: i :.:i:.:i.:i| :.:|:.!:|:.:|:.|_!_゙、、:.:i|:.:|.:.!:::|、
       ,!::| || || ;!-‐!ハ:!: :!ハ-!`|iヽ!|:.:i:.|‐'ヾゝ
    ∠/:i.:|:|.!:.|リ!_」_!、_ヽ、!ゝィ=‐、リ!:ノノ!_,、_〉
     ーァ|、!、!、! /!、::::i`   ト;:: ! 〉i;イノ: :|      「いいですよ、でも、奈良の峠もヒルクライムです」
       |:.`ヽ!゙、ヽゞ-'  ,    ̄  |ノi: : :|
        |: :.:.|:|ゝ、 ''''''  __ ''"" /:| !: : :!
      i: : :/ リ/i \_  ´ー ′ /|:.:|:|.: : :|
  r-、  //: /:.ハ!__!__/ノi ー--‐' |_ |:./: : : :.!
   ヽヽ.//: /:./ァ' ̄/:::r'      |;:\/: : : i|:|
    .,)┴'ヽ/:./':.:.::/:::::::ト、   __/:::::::|.: : : :||:|
   ;' 、ヽノ|./:.:.:/:::::::::::ト--へ/::::::::::| : : : :||:ト、
   |ヽJ┘ノ/:.:.:/\:::::::::|   /::::::::::::|...: : : ||:| |
285 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 18:00:01.05 ID:mqDTdfw20
すこやんのカローラは……

七代目(1991〜2002)まで製造された5速MTカローラです。

今はもっと良い車に乗ってる設定ですが、すこやんがなぜ全国大会に出場したかはそのうち安価で
286 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 18:11:46.80 ID:mqDTdfw20
トシ「……奥さんが逃げて、子育てをしなくてはならなくなった須賀文太郎が抜けて7年」

ここの部分、すこやんと世代が合わなくなるから数年に脳内変換オナシャス。
287 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 18:17:28.89 ID:mqDTdfw20
安価↓ 1

1:一年生でお昼ごはん

2:麻雀卓発見

3:どうあがいてもロッカー
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 18:20:06.87 ID:Hn9zmCU1O
3
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 18:20:09.36 ID:PagRTq2r0
1
290 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 18:22:49.36 ID:mqDTdfw20
京太郎(なぜ、日本が戦争に負けたかご存知だろうか)

京太郎(それはジョン・K・ロッカーが提唱したロッカー論を勉強すればわかる)

京太郎(当時、日本はロッカーというものを使わず、棚や箪笥を使うという文化を持っていた)

京太郎(だが、ジョン・K・ロッカーが発売したロッカー論によってロッカーは飛躍的に活躍することになる)
291 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 18:26:59.01 ID:mqDTdfw20
京太郎(ロッカーは非常に優れた快適性と隠蔽率を誇り、戦闘の際、敵から身を隠す手段として用いられることも多かった)

京太郎(ロッカーはロッカーの戦闘の際での優位性を確信し、どこにでもあるような普通のロッカーを一個、小隊規模の舞台に導入すること勧めた)

京太郎(ロッカーのお陰で戦争で死亡する兵士の数は激減し、ロッカーのロッカー論は飛ぶように売れた)

京太郎(だが、ロッカー論を真っ向から否定するダンボール論がジョン・ドゥ、デイヴィッド・ドゥ親子によって提唱されたのだ)
292 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 18:32:26.24 ID:mqDTdfw20
京太郎(父であるジョンは旧ソ連に師匠を倒しに出かけた際、ダンボールというものを発見し、敵兵を欺いたとダンボール論に書いている)

京太郎(ジョンのダンボール論は単独での戦闘を命じられている兵士達にカルト的なまでの信仰を集め、当時、ロッカー論とダンボール論は真っ二つに割れた)

京太郎(米陸軍はロッカー論を取り入れ、一個小隊にロッカーを配備することを決め)

京太郎(米海軍はダンボール論を取り入れ、海兵一人一人にダンボールを配備した)
293 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 18:37:31.31 ID:mqDTdfw20
京太郎(当時、日本はロッカーを製造する鉄、ダンボールを製造する技術が不足しており)

京太郎(最初の攻勢が嘘のようにロッカーとダンボールによって崩れ去った)

京太郎(そして、終戦の後、日本を占領した米軍はJeepに乗りながらチョコレートの入ったロッカーを子供達に)

京太郎(だが、ロッカーは暴力団の資金源となり……)
294 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 18:40:00.70 ID:mqDTdfw20
安価↓ 1

1:一年生とお昼ごはん

2:麻雀卓発見

3:どうあがいてもロッカー02
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 18:49:45.55 ID:PagRTq2r0
3
296 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 18:53:11.83 ID:mqDTdfw20
京太郎(なぜ、日本の暴力団がここまで力をつけたのか、それはやはりロッカーの密売によってだ)

京太郎(当時、ロッカーは大量の鉄を用いて作られるものや、はたまた純金で出来た超高級ロッカーも存在した)

京太郎(暴力団はロッカーの需要を察知し、チョコレートが抜き取られたロッカーを組員達が回収し、闇市で販売したのである)

京太郎(当時の著書、「戦後の暴力団は」には、ロッカーがどれだけ高く売れるかという説明だけで20ページを割いている)
297 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 18:58:51.51 ID:mqDTdfw20
京太郎(日本最大の暴力団、山之組はロッカーを最も密売した暴力団として名高い)

京太郎(山之組に年賀状を出すとロッカーが送られてくることでも有名だ。それくらい山之組はロッカー売買に精通している)

京太郎(そして、山之組が送ってくるロッカーはヤマースチール製の国産ロッカーだけなのだ)

京太郎(ヤマースチール製の国産ロッカーは山田ダンボールと同じく自衛隊に装備として支給されている)

京太郎(そして、ヤマ―スチールと山田ダンボールは姉妹会社なのだ)
298 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 19:04:07.69 ID:mqDTdfw20
京太郎(これは俺の推測なのだが、日本をロッカー、ダンボール大国にしたのは指定暴力団山之組なのではないか)

京太郎(今でこそ戦術ロッカー、ダンボールを数多く輸出する国となった日本だが、やはり、そこでも山之組が関係しているのではないかと俺は考える)

京太郎(そうとしか考えられない抗争も数多く発生しているのだ)

京太郎(今から六十年前に誕生した龍々ロッカーとロンロンダンボールという会社をご存知だろうか?)
299 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 19:08:50.89 ID:mqDTdfw20
京太郎(この2つの会社は福岡県北九州市に本社を置く比較的新しいロッカー、ダンボールメーカーなのだが)

京太郎(この会社2つとも、同日ほぼ同時に山之組直系の暴力団によって襲撃されたのだ)

京太郎(そして、その山之組直系を鎮圧したのが警察ではなく、北九州市に本部を置く天竜会という指定暴力団だった)

京太郎(この2つの暴力団の抗争は十年間続けられ……)
300 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 19:10:24.59 ID:mqDTdfw20
安価↓ 1

【どうあがいてもロッカーは爆笑しながら書いてる】

1:一年生とお昼ごはん

2:麻雀卓発見

3:どうあがいてもロッカー03
301 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 19:20:24.23 ID:mqDTdfw20
お風呂入ってきます。

それまでに安価をお願いします。

安価↓ 1

【連投OK】

1:一年生とお昼ごはん

2:麻雀卓発見

3:どうあがいてもロッカー03
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 19:28:03.66 ID:Hn9zmCU1O
3
303 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 19:47:11.52 ID:mqDTdfw20
【部室】

京太郎「部室きたねーし、掃除するかなぁ」

京太郎「箒と塵取り発見、お掃除お掃除」ガタン

京太郎「ロッカーの上から何か……」

エロ本「かもーん」

京太郎「おお、エロ本か」ペラペラ

久「あれ、須賀くん何読んでるの?」グラビアかなー

京太郎「いや、掃除してたらエロ本発見して」ペラペラ

久「年頃の男の子が無表情でエロ本読むってどうよ……」うふーんあはーん(ちょっと赤面)
304 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 19:51:39.96 ID:mqDTdfw20
【ロッカー内】

京太郎(ロッカーとダンボールを巡る抗争は激化を辿り、武力だけではなく、商品のバリエーションの勝負も繰り広げられた)

京太郎(バブル期、龍々ロッカーは純金製のロッカーを)

京太郎(その対抗馬にヤマースチールはプラチナ製ロッカーを)

京太郎(山田ダンボールはダイヤモンドを散りばめたダンボールを)

京太郎(ロンロンダンボールは対抗馬に金の延べ棒を埋め込んだダンボールを)
305 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 19:58:27.23 ID:mqDTdfw20
京太郎(だが、武力抗争は一つの暴力団によって断ち切られる)

京太郎(広島県尾道に存在する暴力団、仁政会が2つの暴力団の仲介役として入り、武力による抗争は今日まで起こったことはない)

京太郎(だが、2つのロッカーメーカー、2つのダンボールメーカーは今なお工夫を凝らしたロッカー、ダンボールを製造している)

京太郎(最近のはやりロッカーはヤマ―スチールと山田ダンボールがコラボレーションしたロッカーダンボールだろう)

京太郎(金具以外全部ダンボール、壊れた場合はガムテープで補強しろと言わんばかりに付属されてるガムテープ)

京太郎(親父に頼んだが、ダンボールロッカーを買ってもらうことは叶わなかった……)
306 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 19:59:35.60 ID:mqDTdfw20
安価↓ 1

【連投OK】

1:一年生とお昼ごはん

2:麻雀卓発見

3:どうあがいてもロッカー(久)
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 20:00:35.91 ID:MJq6kFRB0
308 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 20:04:51.29 ID:mqDTdfw20
【部室】

京太郎(……123m345p66678s東西 ツモ西)

京太郎(……69s西待ち聴牌)

京太郎(……ドラも何もない平凡な手だが、待ちがそこそこ多い)

京太郎「リーチ」ジャランッ
309 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 20:08:03.36 ID:mqDTdfw20
咲「……」打4s(ドラ)

優希「……」打赤5s

和「……」打赤5m

京太郎「君達さぁ、本当に麻雀やったことあるの?」

京太郎「特に言い出しっぺの優希、おまえ超強いとか言ってたよな?」

優希「……」そっぽ向き
310 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 20:11:31.33 ID:mqDTdfw20
京太郎「まあ、さあ、高校生が麻雀打てるわけ無いよな、うん、分かってる」

京太郎「でもさあ、なんで三人ともあんなに自信マンマンだったの?」

咲『麻雀ならやったことあるよ! (平行線の世界の自分が)』

優希『わたしの闘牌に酔いしれるがいいじぇ! (平行線の世界の自分の)』

和『麻雀ですか? ルールは知ってますよ!(強がり)』
311 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 20:15:24.45 ID:mqDTdfw20
和(宮永さん……リーチってなんですか?)

咲(なんか赤い点の棒投げたから、拾ってくれって言ってるんじゃ?)

優希(この棒少ないし貰おう)

京太郎「ちょっと待て優希、なんで点棒奪い取ろうとしてるの? チョンボだよ」

京太郎「麻雀打てないなら打てないって言ってくれよ、俺だけ打てて不公平に感じてきたわ!」
312 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 20:17:46.32 ID:mqDTdfw20
和(あ、リーチって棒をお小遣いみたいにくれる行為じゃないんですね)

咲(わたしもはじめて知ったよ)

優希(チョンボってなんだ?)

京太郎(もうやだ、この子達……)
313 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 20:19:00.53 ID:mqDTdfw20
安価↓ 1

【連投OK】

1:一年生とお昼ごはん

2:麻雀卓発見 (久&まこ参戦)

3:どうあがいてもロッカー(久)
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 20:19:25.93 ID:ilrefmHQ0
1
315 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 20:23:46.44 ID:mqDTdfw20
【駐車場】

咲「あ、原村さんおはよう」

和「どうも、宮永さん」

京太郎「…………」

咲「S3000洗車したの?」

和「S2000です」

京太郎「…………」

咲「なんか、最近はターボの調子が良いって言ってたね」

和「VTECです」

京太郎(なに、この妙なギスギス?)
316 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 20:26:33.71 ID:mqDTdfw20
京太郎「お前達さぁ、仲悪の?」

和「いえ、全然」

咲「わたし、マツダの車以外は全然しらないから」

京太郎「……ちょっと親睦を深める為にお昼ごはん一緒に食おうか」

和&咲「へ?」
317 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 20:34:32.64 ID:mqDTdfw20
【木陰】

京太郎「しりとり」

優希「リス」

京太郎「スイフト」(スズキ)

優希「トール」(ダイハツ)

京太郎「ランドクルーザー」(トヨタ)

優希「ざはさにしていいか?」

京太郎「いいぜ」

優希「サニー」日産

京太郎「……参った」
318 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 20:38:03.26 ID:mqDTdfw20
京太郎「ニからはじまる車って無いよな」

優希「そういう時はニスモ仕様なんちゃらって言えばいいじぇ」

京太郎「なるほど、おまえ頭いいな」

優希「えっへん!」

京太郎「それにしても、咲と和こねぇな」
319 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 20:42:56.46 ID:mqDTdfw20
優希「じゃあ、シリトリの次はおままごこでもするか?」

京太郎「いいな、でも、泥団子は勘弁だぞ」

優希「じゃあ、中の人スイッチ入れるじぇ」

京太郎「じゃあ、俺も」
320 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 20:46:21.64 ID:mqDTdfw20
優希「あなた、今日は遅いお帰りね」

京太郎「上司にハシゴさせられただけさ……」

優希「知ってるのよ、あの女に会いに行ってることくらい……」

京太郎「アレは大学時代の友達だ。女ってだけで嫉妬するな。それに今日は本当に飲まされただけだ」

優希「わたしだって! ……貴方を愛してるから、嘘を見抜けるのよ」

京太郎「俺だっておまえを愛してる! それに、おまえのお腹には、赤ちゃんがいることだって……」
321 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 20:49:25.41 ID:mqDTdfw20
優希「なんで知ってるのよ……」

京太郎「わかるさ、男ってのは女が思ってる以上に気を配る」

優希「なら! なんであの時浮気したの!!」

優希「わたしは……尽くしてるのに……」

京太郎「あの女が無理矢理睡眠薬を飲ませて……俺を、汚しただけだ」

京太郎「本当に悪かったと思ってる……だが、薬を盛られるなんて誰も思わないだろ……」
322 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 20:51:23.20 ID:mqDTdfw20
優希「何も言わないで! 貴方に謝られると……心が痛いの……」

京太郎「俺だって……おまえにそんな顔されたら……されたら……」

咲&和(なんか、すごいことなってる)

京太郎「あ、二人が来たか」

優希「中の人スイッチ入れるとお腹が空くじぇ」
323 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 20:57:06.87 ID:mqDTdfw20
京太郎「今日の弁当は中華にしましたー」

須賀家お弁当「中華だぜ!」

和「凄いですね、わたしは幕の内をイメージして作りました」

原村家お弁当「幕の内っぽいだろ」

咲「わたしは普通のお弁当だよ」

宮永家お弁当「幼馴染が作る弁当って感じさ」

優希「……タコス」

学食のタコス「アミーゴ」
324 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 21:04:25.04 ID:mqDTdfw20
京太郎「女子力低いなぁ」

優希「うるさいじぇ! わたしだって作れば凄いんだからな!!」

京太郎「みえねぇー」

和「いただきます」

京太郎「ちょいまち、なに一人モクモク食おうとしてるの? こういう時はおかず交換ですよ」

和「え?」

京太郎「和、咲とおかず交換しなさい」

咲「え?」

京太郎「俺は思う、おまえ達二人は妙にギクシャクしてる」

京太郎「確かに、咲が近寄りがたい雰囲気出してるのもわかる。部室でも本読んでるし」

京太郎「だが、こういう日くらい何かアクション示そうぜ」

和&咲「は、はい……」

優希「まあ、わたしとダーリンはかけがえのない関係なんだけど」

京太郎「へいへい」
325 :コテハン ◆/Pbzx9FKd2 [saga]:2018/02/20(火) 21:07:55.09 ID:mqDTdfw20
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