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安価でニート脱却
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37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/20(火) 10:02:05.52 ID:7A2qUm8P0
千子「え、おか…」
母だった。勧誘よりも何よりも、意表を突いた来客に唖然とした。
母「千子…。夏の間だけでも帰ってきなさい」
何を言っているのだろう。そこに私の居場所などない。
だが、そんなこと言える訳もなかった。
千子「そんな…突然言われても」
母「お父さんだって心配してるのよ? それに…」
私には兄がいる。今年から大学に進学し、都会に行った。
おそらくだが、両親は兄がいない寂しさを紛らわすために、私というスケープゴートを用意しにきたのだ。
千子「少し時間をちょうだい…。準備とかもあるし」
母「そう…。お母さんね、今日は近くのホテルに泊まるから。また明日、迎えに来るわ」
千子「うん…」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/20(火) 10:13:08.76 ID:7A2qUm8P0
どうしたものか。
千子「帰りたくねええええええぇぇぇぇぇ!!!!」
叫んだ。もちろん母の姿が見えなくなってからだ。
我に返って気がつく。他の住人に聞かれるのではないかと。
……呼び鈴が鳴った。予感は的中したようだ。
千子「…はーい」
再び玄関に向かう。謝らなければ。
ドアの先にいたのは…
>>39
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/20(火) 10:40:08.52 ID:nBJ3f8xDO
巽
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/20(火) 11:20:33.37 ID:7A2qUm8P0
ドアノブが熱かった、気がした…。
巽「やあ、蟻原さん。おはよう!」
そこには朝から笑顔な管理人がいた。
千子「た、巽さん…。おはようございます」
巽「さっきの人、君のお母さんだよね? 部屋の番号聞かれてさ…」
千子「ええ、はい」
母に部屋を聞かれたことはないし、教えていなかった。
お互いに会う気はなかったのだ。
巽「綺麗になった庭でラジオ体操するつもりだったんだけど、ちょっと心配になってね。そしたら案の定、叫び声も聞こえてきたし」
やはり聞かれてた。外にいた巽さんが聞いたなら他の部屋の住人にも…。
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/21(水) 23:25:23.94 ID:BVQEZ+Iq0
とりあえず、巽さんに事情を話す。
年頃の娘の部屋に入るのも…という気づかいか、ただ単に気まぐれか喫茶店に誘われた。
巽「そうだ蟻原さん。この辺に朝早くからやってる喫茶店があるんだけど、朝食も兼ねてどうかな?」
千子「あ、はい。ぜひ…。あ、でも私お金あんまり…」
巽「何行ってんの! もちろん私のおごりさ。私から誘ったのだからね!」
とのこと。まさにお天道様を拝む気持ちだ。
申し訳なかったが、巽さんには外で待ってもらい着替えた。
苦肉の策として昨日の芝刈り時とは違う、ギリギリ着て外に出ても大丈夫そうなシャツを選んだ。
…いつか服を買いに行かなくては。
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/21(水) 23:30:31.24 ID:BVQEZ+Iq0
千子「お待たせしました」
巽「いいんだよ、さあ行こうか」
巽さんは自前のラジオを日陰に置いていった。多分誰も盗らないだろうけど、少し心配だった。
なんでだろう。
喫茶店に向かい始めた私たちの元に人影が近づく。
巽「おや……」
その人影は荘の住人の
>>43
だった。
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/21(水) 23:36:09.56 ID:BX2kb5NX0
ミシェル
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/21(水) 23:57:30.01 ID:BVQEZ+Iq0
ミシェル「蟻原さんの声、私の部屋まで聞こえてましたー」
恐れていたことが早速現実に……
千子「あの、すみません」
ミシェル「それはいいよ! それより、蟻原さん何かあったのですかー?」
優しい。この美少女め……!
巽「蟻原さん、よかったら彼女もご一緒するかい? ほら、君たち同い年だしさ」
千子「はい。ミシェルさん、いいですか?」
そうだった。私とあの赤眼金髪美少女は同い年なのだった。
ミシェル「私でよければお供しまーす!」
巽「というか今から行く喫茶店ってのは、ミシェルさんもよく知ってるところなんだよね」
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