【ミリマス】ミリP「TSVの抱き枕事情」

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2 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 22:49:01.81 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

P 「ただいま、お布団君!」シュタッ

P 「はぁ……仮眠室っていいなぁ……」フカフカ

P 「社長には、感謝してもしきれな……」

P 「…………」スー

ガチャリ

?? 「…………!」ティン

ガサゴソ
3 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 22:50:25.87 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

P 「むにゃ……あれ、今時間どのくらいだ?」チラ

P 「よし……まだ寝れるな……」ゴロリ

P 「んん……」ゴロ

?? 「ひゃん……♪」ピクリ

P 「なんだ、これ温かくて柔らかいな……」ダキッ

?? 「ン……」
4 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 22:51:17.17 ID:eKLDbfgQ0

P 「あれ?ちょっと待て、これなんだ?」バサッ

島原エレナ(以下、エレナ) 「エヘ、ぷろでゅーさー……」ギュゥウ

P 「…………っ!?」ポカーン

P 「ちょ、ちょっと待て!エレナ、エレナ!?」

エレナ 「もう、なぁに……?」ボンヤリ

P 「いや、なんで此処に居るんだよ!?」

エレナ 「?ワタシが潜り込んだからだヨ?」キョトン

P 「…………」
5 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 22:52:01.44 ID:eKLDbfgQ0

エレナ 「だってプロデューサー……色んな子とハグ、してるんデショ?」

P 「……もしかして、音無さんから聞いたのか?」

エレナ 「違うヨ?コトハから聞いたノ!」

P 「そういえばバレてたんだったな……」ガックリ

エレナ 「ネー、ワタシにもハグしてヨー!」

P 「そうは言うけどな……」

エレナ 「ハグなんて、パパンもママンも恥ずかしがらないヨ?」

P 「それは家族だからだろ?一緒に暮らしてきた大切な人たちじゃないか」

エレナ 「でも、ワタシプロデューサーの事スキだよ?」

P 「……そ、それはそれとしてだな」カァアア
6 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 22:52:31.27 ID:eKLDbfgQ0

エレナ 「アレ、顔赤いヨ、プロデューサー?」ピトッ

P 「え、エレナやめよう……シャレにならないから、な?」

エレナ 「ムー……ミライ達にはやったのにズルイ……」プクー

エレナ 「こうなったら、リオから聞いたとおりに……」ギュゥウウ

P 「!?」

エレナ 「男の人って、こうやってくっつかれたら喜ぶんだよネ!」ニコ

P (しゃ、洒落にならない!ボリュームが!)ドキドキ
7 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 22:53:17.82 ID:eKLDbfgQ0

エレナ 「プロデューサー、ドキドキしてないノ……?」スリスリ

P 「ぐぅ……っ!」ダキッ

エレナ 「プロデューサー!」パァアア

P 「……琴葉達には内緒だぞ」

エレナ 「エッヘヘ……分かってるヨー♪」ニコニコ

P (……本当に分かってるよな?)
8 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 22:53:54.37 ID:eKLDbfgQ0

エレナ 「ねぇ、プロデューサー?」スリスリ

P 「ん、どうかしたのか?」

エレナ 「こうしてると……なんだか、コイビトみたいだネ?」ニコニコ

P 「そうかな……?」

エレナ 「そうだヨ!」ギュゥ

P 「ハハ……俺には勿体ないな」
9 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 22:54:30.58 ID:eKLDbfgQ0

エレナ 「そんな事ないのに……そうだ!」ティン

P 「?」

エレナ 「エヘヘ……ダーリン♪」

P 「!?」ギョッ

エレナ 「ミキだってハニーって呼んでるんデショ?」ニコニコ

P 「そ、それはそうだが」アセアセ

エレナ 「…………」ジーッ

P 「……は、ハニー?」

エレナ 「!」パァアア
10 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 22:55:28.73 ID:eKLDbfgQ0

P 「……これ、予想以上に恥ずかしいな」カァアア

エレナ 「エヘ、嬉しいナー……」ダキッ

P 「…………」ナデナデ

エレナ 「…………」スリスリ

エレナ 「……ンー?」ンー

P 「!?そ、それはダメだって!」

エレナ 「エー……ダーリンのケチィ」

P 「エレナ、入り込みすぎだって!?」
11 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 22:55:54.60 ID:eKLDbfgQ0

エレナ 「モー、照れなくても良いのに」プクー

エレナ 「それじゃ、ワタシからしちゃうもんネー……」

P 「…………!」ドキドキ

エレナ 「ンー……」
12 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 22:56:33.22 ID:eKLDbfgQ0

バタン

田中琴葉(以下、琴葉) 「ふぅ……今日もちょっと疲れちゃった」

琴葉 「……?」チラッ

≪今にもキスしそうな二人≫

琴葉 「……えっ?」パチクリ

P 「……あっ」サーッ

エレナ 「モー、なんで目を逸らしちゃうノー!?」プクー

P 「え、エレナ……それどころじゃ」

琴葉 「えっ?……えっ?」

エレナ 「……?」チラッ

エレナ 「あっ、コトハ!」
13 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 22:57:40.99 ID:eKLDbfgQ0

琴葉 「……どういう事?」フッ

P (琴葉の目からハイライトが消えた……っ!)

エレナ 「エヘヘ……今日のプロデューサーはネー?」

琴葉 「プロデューサーは?」

エレナ 「ワタシの……ダーリン、なんだヨー♪」ダキッ

P 「ハハハ」カチコチ

琴葉 「…………」

P 「……琴葉?」

琴葉 「…………」パタリ

P 「琴葉ぁっ!?」
14 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 22:58:52.28 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

琴葉 「小鳥さん、お願いがあります」

小鳥 「琴葉ちゃんからお願いなんて……何かしら?」

琴葉 「……どうすれば、プロデューサーの布団に潜りこめますか」

小鳥 「あらぁ……?」

琴葉 「あれから、警戒が強くなっちゃって……」

小鳥 「?あれからって?」

琴葉 「……この前、エレナと一緒に寝てたんです」

小鳥 「詳しく聞かせてちょうだい」ズイッ
15 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 22:59:37.74 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

小鳥 「またなのね……またなのね」

琴葉 「だから……私も、頑張ろうと思って」

小鳥 「……ふふっ、分かったわ」

琴葉 「小鳥さん……!」パァアア

小鳥 「女の子の恋心だもの……邪魔なんてできないわよ」

小鳥 「さて、それで方法の方だけど……」

琴葉 「…………」ゴクリ
16 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:00:23.19 ID:eKLDbfgQ0

小鳥 「……ここまで来たら、もう家に乗り込むしかないわ」

琴葉 「!?そ、それは……」

小鳥 「まさか、プロデューサーさんも家の前まで来たアイドルを追い返しはしないはず」

琴葉 「で、でも……迷惑になるんじゃ」

小鳥 「それは……否定しきれないわね」

琴葉 「うぅ……迷惑をかけるのは、ちょっと」シュン

小鳥 「琴葉ちゃんは優しいわね……」
17 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:00:53.63 ID:eKLDbfgQ0

小鳥 「でもね、それじゃ多分布団に潜りこむのは難しいと思うわ」

琴葉 「う……それは、そうですけど」

小鳥 「他の子に盗られちゃうかもしれないわよ?」

小鳥 (私がこんな助言してる場合なのかって話だけど)

小鳥 「琴葉ちゃんはどうしたい?」

琴葉 「……私、プロデューサーを盗られるのはイヤです」

琴葉 「ワガママ、なのかな……」シュン

小鳥 「女の子なんてそんなものよ?」フフッ

小鳥 「それじゃ、まずは変装して――」
18 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:01:20.81 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

P 「ふぅ……今日もお疲れ様でしたー」

小鳥 「お疲れ様でした!」

P 「ふぅ……企画書もまとまったし、これで明日からバリバリ動けますね」

小鳥 「今日は随分と熱心にやってましたね?」

P 「企画の内容、忘れたくなくて……」

小鳥 「ふふっ、楽しみにしてますね!」
19 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:02:25.87 ID:eKLDbfgQ0

小鳥 「今日はそのまま帰るんですか?」

P 「ええ、まぁ……?」

P 「今日は飲みに誘わないんですね?」

小鳥 「えっ?い、いやその……今日は、帰ってやりたい事があるので!」アワアワ

P 「?まぁ、それならそれで良いですけど……」

P 「それじゃ、お先に失礼しますね」トコトコ
20 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:02:54.40 ID:eKLDbfgQ0

小鳥 「……ひょっとして、今日は飲みに誘ったら来てくれたのかしら」トゥルルルル

琴葉 『はい、田中です』

小鳥 「琴葉ちゃん、今プロデューサーさんが事務所から出たわ」

琴葉 『!』

小鳥 「……頑張ってね!」

琴葉 『……はい!』
21 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:03:22.89 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

P 「…………」トコトコ

琴葉 「…………」トコトコ

P (さっきから……誰かにつけられてる気がするな)

P 「ミラーで確認してみるか……」チラッ

琴葉 「…………」ピタッ

P (動きを合わせてきてる……素人か?)
22 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:03:49.99 ID:eKLDbfgQ0

P (帽子で顔が分からない……誰か分からないな)

P 「……そういう事なら、こっちにも考えがある」タッタッタ

琴葉 「!」タッタッタ

P (次の角で曲がって……)

琴葉 「ダメ……見失っちゃう!」タッタ

琴葉 「何処に……ってきゃあ!」グイッ
23 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:04:40.77 ID:eKLDbfgQ0

P 「捕まえたぞ、さっきからなんで尾行し、て……」ポカン

琴葉 「あ、あぅ……」

P 「……こ、琴葉?」

琴葉 (ご、強引に壁に押し付けられて……)

琴葉 「きゅぅ」パタリ

P 「琴葉!?しっかり!」
24 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:06:19.30 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

琴葉 「ん……」

P 「琴葉、目は覚めたか?」

琴葉 「部屋の中……ここは?」

P 「ん?俺んち」

琴葉 「……へっ!?」ビクッ

琴葉 (ぷ、プロデューサーの家……)キョロキョロ

P 「あのまま道端に置いていくわけにもいかなかったからな……」

琴葉 「ご、ごめんなさい……」
25 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:06:48.53 ID:eKLDbfgQ0

P 「いや、それ自体は構わないんだけどさ」

P 「……どうして、俺の事つけてきたんだ?」

琴葉 「そ、それは……その」

琴葉 「……う、羨ましかったんです」

P 「だからって限度があるだろう……」

琴葉 「だって、未来ちゃんや志保ちゃんだって一緒に寝てもらったのに……」

P 「……言い方をもうちょっと考えてだな」
26 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:07:39.98 ID:eKLDbfgQ0

琴葉 「……ともかく、ズルいじゃないですか」ムー

P 「ズルいって……だからって、家にまで来ることなかったんじゃないか?」

琴葉 「でも、そうでもしないとやってくれないですよね?」

P 「まぁ、それはそうだが……」

P 「……もしかして、今日は泊まる気なのか?」

琴葉 「……や、やっぱりダメですか?」

P 「もうここまで来たら仕方ないけどさ……」
27 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:08:22.24 ID:eKLDbfgQ0

P 「ちなみに、断ったらどうするつもりだった?」

琴葉 「考えてたのだと……みんなにバラす、とか」

P 「断らなくて正解だったな……」

琴葉 「ごめんなさい……やっぱり、迷惑ですよね」

P 「……まったく、ここまで来て迷惑って心配するあたり琴葉らしいな」ナデナデ

琴葉 「うぅ……ご、ごめんなさい」

P 「もうこんな無茶はやめてくれよ?」

P 「悪徳さんに見つかったらシャレにならないからな」

琴葉 「はい!」
28 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:08:53.02 ID:eKLDbfgQ0

P 「分かってくれればいいよ……」グゥ

P 「……っと、腹が減ったな」

P 「さて、何か食べるものを……」

琴葉 「あっ、私何か作りますよ!」

琴葉 (ここで少しでもアピールを……)

P 「琴葉の料理が食べたいのは山々だけど……でも、冷蔵庫何にもないぞ?」

琴葉 「えっ?それじゃ、今から何食べる予定だったんですか?」

P 「昨日買ってきたカップ麺」

琴葉 「…………」
29 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:09:29.20 ID:eKLDbfgQ0

P 「あぁ、でもカップ焼きそばも捨てがたいな……」ニコニコ

琴葉 「プロデューサー」

P 「ん?」

琴葉 「今日は私が作りますから、食材買いに行きましょう」

P 「え?でも……」

琴葉 「いつもそんなんじゃ、身体壊しちゃうかもしれないじゃないですか!」
30 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:10:06.44 ID:eKLDbfgQ0

琴葉 「ただでさえお仕事が大変なのに……」シュン

P 「わ、悪かった……」

琴葉 「分かれば良いんです」フンス

P 「それじゃ、近くのスーパー行くか……」

琴葉 「はい!」ニコニコ

P (琴葉はなんでこんな嬉しそうなんだ……?)
31 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:11:09.45 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

P 「というわけで、買い物に来たわけだが」

琴葉 「さ、行きましょうプロデューサー!」

P 「琴葉、変装してるとはいえ声はもう少し小さくだな……」

琴葉 「え?でも、この格好ならバレませんよね?」

P 「それはそうかもしれないが……プロデューサーって呼んでたら、誰かが勘づくかもしれないだろ?」

琴葉 「そうですか?それなら……」
32 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:13:11.77 ID:eKLDbfgQ0

琴葉 (そういえば、エレナはダーリンって呼んでたよね……)ボンヤリ

P 「琴葉?」

琴葉 「そ、それじゃ……アナタ、とか」カァ

P 「!?」ドキッ

琴葉 「きょ、今日の晩御飯は何にしましょうか……あ、アナタ」

P 「そ、その呼び方はやめないか?」

琴葉 「だ、ダメでしょうか……」カァア

P 「流石に恥ずかしいからさ……」

琴葉 「そうですか……」シュン

P (な、何故か罪悪感が……)
33 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:14:06.60 ID:eKLDbfgQ0
―――――
 
所恵美(以下、恵美) 「ふぅ……これで、今日の晩御飯もバッチシ!」

恵美 「早く帰らないとなー……?」チラッ

P テクテク

恵美 「ん?アレってもしかしてプロデューサーかな?」

恵美 「まさかプロデューサーと会えるなんて……アタシ、今日はツイてるかも!」

恵美 「おーい、プロ……」


琴葉 「プロデューサー!お願いがあるんですけど……」タッタッ

P 「うん?どうかしたのか」
34 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:14:35.87 ID:eKLDbfgQ0

琴葉 「その……あ、アイス買っても良いですか?」

P 「構わないよ……折角だし、俺も買おうかな」

琴葉 「プロデューサーはどのアイスが好きですか?」

P 「俺か?そうだなぁ……普段食べるのはモナカとかだけど」

琴葉 「それなら、分け合いっこしませんか?」

琴葉 「カップアイスなので、分けやすいかなって……」モジモジ

P 「カップアイス美味しそうじゃないか、そうするか」

琴葉 「はい!」


恵美 「……え?」ポカーン
35 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:15:37.44 ID:eKLDbfgQ0

恵美 「琴葉とプロデューサー……だよね?」

恵美 「二人で……なに、してるの?」


P 「――――」

琴葉 「――――」ニコニコ


恵美 「……そ、そっか……そう、なんだ」

恵美 「……い、いやー!アタシってば鈍感だなぁ!アハハ!」

恵美 「…………」

恵美 「し、幸せそうな二人を邪魔するわけにはいかないもんね……」ウルウル

恵美 「……さよなら」ポロッ
36 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:16:09.32 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

P 「ただいまー」

琴葉 「た、ただいま……」フルフル

P (なんでそこまで緊張してるんだ?)

P 「琴葉、食材は足りそうか?」

琴葉 「はい……これだけ買えば大丈夫そうです」

P 「それなら良かった……今日は何を作るんだ?」

琴葉 「はい……今日は、肉じゃがにしてみようかなと思うんですけど」
37 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:16:40.73 ID:eKLDbfgQ0

P 「肉じゃがか……」

琴葉 「も、もしかして苦手でしたか?」シュン

P 「いや、大好物!」

琴葉 「そ、そうですか!良かった……」

琴葉 「それじゃ、プロデューサーはリビングで寛いでてください!」

P 「え?そういう訳にもいかないだろ」

琴葉 「……え?」
38 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:17:11.46 ID:eKLDbfgQ0

P 「家主とはいえ、流石に何もしないで待ってるってのはな……」

P 「野菜切るくらいならできるからさ、手伝うよ」

琴葉 「い、良いんですか?」

P 「勿論……あ、難しいのはできないから勘弁してくれよ?」

琴葉 「そ、それじゃ……お願いしますね」
39 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:17:39.59 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

P 「琴葉―、ジャガイモどのくらいの大きさで切ればいい?」

琴葉 「えっと……一口サイズくらいで切ってもらっても良いですか?」

P 「おう……このくらいか?」

琴葉 「はい、バッチリです!」

P 「よっし……」トントン

琴葉 (なんか……本当に、新婚さんみたい)

琴葉 「ふふっ……」ニコニコ
40 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:18:58.54 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

琴葉 「はい、どうぞ!召し上がれ!」バッ

P 「うおっ……これは、また豪勢な」

P 「それじゃ、頂きます!」パクッ

琴葉 「ど、どうでしょうか?」

P 「……うぅ」ウル
41 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:20:12.97 ID:eKLDbfgQ0

琴葉 「ぷ、プロデューサー!?」

P 「美味い……家に帰ってきて、こんな美味いもん食えるなんて」

P 「涙出てきた……温かいご飯って、こんなに美味いんだな」ツー

琴葉 「ああっ!はい、ハンカチどうぞ!」

P 「す、すまん……涙もろくなったかなぁ」ゴシゴシ

琴葉 (練習してた甲斐があったわ……よし)グッ
42 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:21:04.35 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

P 「ふぅ……ご馳走様でした」パチン

琴葉 「お粗末様でした……」

琴葉 「プロデューサー、次はどうしますか?」

P 「ああ……そうだな、風呂でも入るか」

琴葉 「お、おおおお風呂ですか!?」

P 「?琴葉、風呂好きだろ?」

琴葉 「そ、それはそうですけど……」
43 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:22:12.45 ID:eKLDbfgQ0

P 「野菜切り終わった後にお湯張っておいたからさ、良い具合だと思うよ」

琴葉 「あ、ありがとうございます……」

P 「それじゃ、先に行っておいで」

琴葉 「えっ?」キョトン

P 「?どうかしたか?」

琴葉 「え、えっと……その」モジモジ

琴葉 「……一緒に入らないのかな、って」カァアア

P 「!?」

琴葉 「や、やっぱりダメですよね!お風呂頂いてきます!」

P 「…………」ポカーン

P (琴葉……俺の家に来て、異様に積極的になってないか?)

P 「と、とりあえず着替えを用意しておくか……」
44 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:23:11.82 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

琴葉 「わ、私何を言って……!」カァアア

琴葉 「もう、私が私じゃないみたい……」

琴葉 「……そういえば、ここ。いつもプロデューサーが浸かってるんだよね」

琴葉 「…………っ」プクプク

琴葉 (は、恥ずかしくなってきちゃった……)カァアア
45 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:24:00.01 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

琴葉 「お先に頂きました……」ホクホク

P 「おっ、ちゃんと温まれたか?」

P (引き戸越しにだけど、上機嫌そうな声が聞こえるな)

琴葉 「はい、良いお湯でした!」

P 「それなら良かった……」

P 「……それじゃ、湯冷めしないうちに着替えてくれるか?」
46 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:24:25.35 ID:eKLDbfgQ0

琴葉 「……これ、ちょっと大きいかもしれないです」

P 「新しいのを出してきたんだが……やっぱりサイズが合わないか」

P 「うーん、他に着れるのなんて……」

琴葉 (こ、ここでグイグイいくべきなのかな……)

琴葉 「……そうだ、アレを着ても良いですか?」スッ

琴葉 「アレなら、少し丈も長いし……着れると思うんですけど」

P 「アレ?まぁ着れるなら、それで良いけど」

琴葉 「はい、それじゃぁ……」スルリ
47 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:25:09.50 ID:eKLDbfgQ0

ガラガラ

琴葉 「お、お待たせしました」スッ

P 「あ……ぁ?」アゼン

琴葉 (Yシャツ一枚)

琴葉 「に、似合いませんか……?」

P 「…………」ポカーン

P (は、ハンガーにかかってたYシャツか……!)
48 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:25:44.80 ID:eKLDbfgQ0

琴葉 「な、何とか言ってください……」モジモジ

P 「あ、ああ……とっても、似合ってると思うが」

琴葉 「そ、そうですか!」パァア

P (……な、なんか犯罪チックな感じが)ドギマギ

琴葉 「……そ、そんなにジっと見られると照れちゃいます」テレ

P 「わ、悪い!つい……」

P 「お、俺も風呂入ってくる!」ダッ

琴葉 「い、行ってらっしゃい……」フリフリ

琴葉 (プロデューサー……可愛いって思ってくれたのかな?)

琴葉 (もし、そうなら……嬉しいな)ニコニコ
49 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:26:57.64 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

琴葉 「プロデューサー!このカップアイス、とっても美味しいです!」

琴葉 「柔らかすぎないのにとろける感じがして……」

P 「そこまでか……それは美味しそうだな」

琴葉 「はい、プロデューサーもどうぞ!」スッ

P 「良いのか?」

琴葉 「勿論です!はい、どうぞ」スッ

P 「それじゃ……んむ」パクリ
50 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:28:18.28 ID:eKLDbfgQ0

P 「本当だ、凄く美味しいな」

琴葉 「選んで正解でした……」ホクホク

P 「そら、こっちもお裾分け」スッ

琴葉 「モナカ……さっき、オーブン入れてましたよね?」

P 「ああ、程よく焼くと美味しくなるんだ」

琴葉 「そうなんですか……初めて知りました」

P 「まぁ、物は試しだな。さ、どうぞ」
51 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:28:59.90 ID:eKLDbfgQ0

琴葉 「いただきます……」パリッ

琴葉 「!美味しい……!」パァアア

P 「そうだろ?このちょっとした工夫で美味しくなるのが最近マイブームでさ……」

琴葉 「あ、あの!もう一つ頂いても良いですか!?」キラキラ

P 「いいよ……はい」スッ

琴葉 「あむ……おいひぃでふ」ニコニコ

P (それから、食べ終わるまでずっと食べさせ合いっこしてた)

P (琴葉は本当にアイスが好きなんだな……)
52 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:29:30.28 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

P 「さて、そろそろ寝ようと思う訳だが……」

琴葉 「…………」

P 「……あっさりと潜り込んだな」

琴葉 「そ、それはその……この為に来ましたから」

P 「それもそうだった……」

琴葉 「ふ、不束者ですがよろしくお願いします」ペコリ

P (……何故か、別の意味に聞こえる)
53 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:30:21.04 ID:eKLDbfgQ0

琴葉 「……う、うぅ」フルフル

P (家まで来た割には、やけに距離を取られてるんだが)

P 「あ、あの琴葉?無理はしなくて良いからな?」

琴葉 「……いえ、平気です」

P 「そ、そうは言ってもだな」

琴葉 「大丈夫、大丈夫……」スーハー

琴葉 「……えいっ」ズイッ

P (い、一気に距離を詰めてきたな)
54 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:31:05.71 ID:eKLDbfgQ0

琴葉 「そ、それじゃあ……お願いします」フルフル

P 「じゃ、じゃあ……優しくするから」

琴葉 「い、いえ……力強く、やってもらっても良いですか?」

P 「?でも、苦しいかもしれないし……」

琴葉 「…………」ジッ

P 「……分かった」ギュゥウウ

琴葉 「……ぁっ」ビク

P 「やっぱり強すぎたか?」

琴葉 「良いです……このままで」
55 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:31:34.09 ID:eKLDbfgQ0

琴葉 「プロデューサーに必要にされてる様な……そんな感じがして」

P 「そ、そうか……?」

琴葉 「はい……いつも、こういう事してくれないから……」

琴葉 「クセになっちゃいそうです……♪」ウットリ

P 「そ、そうか……」

P (ダメだ、可愛い……)ギュウウ

琴葉 「ぷろでゅーさぁ……」トロン

P 「そ、そう見上げられると……その」

P (目が潤んで……なんというか、色っぽいんだが)
56 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:32:17.41 ID:eKLDbfgQ0

琴葉 「……あの、良いですか?」

P 「?何の話だ?」キョトン

琴葉 「そ、それは……その」

琴葉 「……き、キスとか」カァアア

P 「!?ま、待て落ち着こう、な?」

琴葉 「だ、だって……エレナとも、キス、したんですよね?」ズイッ

P 「してない!してないから!」

琴葉 「ほ、本当……ですか?」
57 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:33:18.39 ID:eKLDbfgQ0

琴葉 「あ……でも、それなら」

P 「?」

琴葉 「……これが、アイドルとするファーストキスって事ですよね」

P 「!?」

琴葉 「……そ、それじゃあ」トロン

P 「こ、琴葉!とりあえず今日は寝よう、な!?」

琴葉 「で、でも……」

P 「ほら……そういうのはまた今度って事で」ワタワタ

琴葉 「むぅ……分かりました」
58 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:33:45.07 ID:eKLDbfgQ0

P 「話が早くて良かった……それじゃ、寝るか」

琴葉 「はい……」シュン

琴葉 「それじゃ……また今度、楽しみにしてますね?」

琴葉 「……忘れてちゃイヤですよ?」

P 「はは……分かったよ」ナデナデ

P 「それじゃ、そろそろお休み」

琴葉 「はい……」ウトウト

琴葉 「……きです、プロデューサー」ギュッ
59 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:34:14.92 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

琴葉 「ん……」モゾ

琴葉 「あれ……早めに起きちゃったかな」パチクリ

琴葉 「プロデューサーは……」チラッ

P スヤスヤ

琴葉 「ふふっ……こうしてみると、まるで子供みたい」

琴葉 「…………」ジーッ

P ムニャムニャ

琴葉 「……はっ!?わ、私ったら……」テレ
60 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:34:44.21 ID:eKLDbfgQ0

琴葉 「でも、このままじゃ勿体ないような……そうだ」ティン

琴葉 「えっと、フラッシュの設定を切って……っと」

パシャリ

琴葉 「……よし、撮れた」

琴葉 「壁紙にしちゃおっと……」

P スー

琴葉 「……それじゃ、もう少しだけ寝ちゃおうかな」

琴葉 「今日くらい……ちょっと悪い子になっても良いですよね?」ダキッ

P 「……ん」

琴葉 「…………♪」
61 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:35:27.77 ID:eKLDbfgQ0
―――――

P 「おはようございまーす」

小鳥 「ゆうべは おたのしみでしたね !」テーレッテッテッテテテー

P 「な、何を知っているというのか……!」ブルブル

小鳥 「ん?なんでそんなに不安そうな表情を……」

小鳥 「ま、まさか……そんなに、人には言えない事してたんですかっ!?」

P 「そ、そんな訳ないでしょう」アセアセ

小鳥 「そういえば……まさか、琴葉ちゃんと何かあったんじゃ」
62 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:36:01.80 ID:eKLDbfgQ0

P 「アレ、音無さんの差し金だったんですか!?勘弁してくださいよ!」

小鳥 「アレ、とは?」

P 「え?琴葉に手料理振舞ってもらったりとか……」

小鳥 「私、そこまで羨ましい事アドバイスしてません……!」

P 「えっ」

小鳥 「ずるいずるい!私も二人きりでお泊まりしたいですよぉ!」ワーン

P 「いや、音無さんなら普通に帰れるでしょ……タクシー呼んでくださいよ」

小鳥 「家まで辿り着けさえすればこっちのもんですよ……ふふ」ニヤリ

P 「尾行を撒く為の技術を磨かないといけないな……」
63 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:36:59.66 ID:eKLDbfgQ0

ガチャリ

琴葉 「おはようございます」

P 「ああ、おはよう琴葉」

琴葉 「プロデューサー、おはようございます!」ニコ

小鳥 「おはよう琴葉ちゃん……早速なんだけど、聞いても良い?」

琴葉 「はい?」

小鳥 「昨日、プロデューサーさんと何があったの?」

琴葉 「えっ!?な、何って……その」チラ

P 「…………」ポリポリ

琴葉 「……な、何もないですよ♪」カァアア

小鳥 「羨ましいわ……」
64 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:37:29.29 ID:eKLDbfgQ0

P 「琴葉、今日は三人でのダンスレッスンだよな?」

琴葉 「はい!恵美やエレナと一緒に!」

P 「やっぱり嬉しいか?」

琴葉 「勿論です!その後、お出かけできないのは残念ですけど……」

P 「悪いな、雑誌のインタビューをどうしても、って頼まれちゃってさ」

琴葉 「そ、そんなプロデューサーが謝る事なんて……」

P 「また今度時間は合わせるよ」

琴葉 「……はい!」
65 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:38:29.34 ID:eKLDbfgQ0

小鳥 「それじゃ、そろそろ出た方が良いんじゃないですか?」

琴葉 「そうですね……それじゃ、行ってきます」

P 「ああ、力入れすぎて怪我しないようにな」

琴葉 「どうでしょうか……エレナ、とってもダンスが上手だから」フフ

P 「……ホントに、頼むぞ?レッスン終わったら連絡してくれ」

琴葉 「任せて下さい!」グッ
66 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:39:03.76 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

エレナ 「コトハ、遅いねぇ……」

恵美 「プロデューサーと話してるんじゃない?」

エレナ 「ナルホド!コトハ、プロデューサーと仲良しだもんネー♪」

恵美 「……そ、だね。仲良しだもんね」

エレナ 「?どうかしたノ恵美?」キョトン

恵美 「えっ?んにゃ、なんでもないって!」ニャハハ
67 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:39:31.54 ID:eKLDbfgQ0

エレナ 「……具合悪いなら、休んでもいいんだヨ?」ジーッ

恵美 「心配しなくても大丈夫だって!」

エレナ 「ホント?」

恵美 「ほ、ホントだって!」

エレナ 「ムゥ……それじゃ、信じるヨ?」
68 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:40:04.44 ID:eKLDbfgQ0

ガチャリ 

琴葉 「ゴメン、遅れちゃった!」

恵美 「あっ、琴葉!おはよ!」

エレナ 「モー、遅いヨ、コトハ!」

琴葉 「ゴメンってばー」アハハ

トレーナー 「それじゃ、田中さんも揃ったので……」

琴葉 「はい、よろしくお願いします!」
69 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:40:32.79 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

トレーナー 「じゃ、ここで十分休憩!」

恵美 「いやー!エレナのダンスは相変わらず凄いねー!」

エレナ 「エヘ、まだまだこれからだヨー?」

琴葉 「はぁ……私も、もう少し運動した方が良いのかな」シュン

エレナ 「あっ、それじゃ一緒にサンバとかしちゃう?」

琴葉 「そ、それはちょっと……」

エレナ 「エー、楽しいのにー」ブー
70 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:41:24.49 ID:eKLDbfgQ0

琴葉 「サンバはちょっと……」ピロン

琴葉 「あっ、ゴメン……プロデューサーから、連絡がきたみたい」

エレナ 「プロデューサー、なんて言ってたノ?」

琴葉 「そ、そんなに大切な連絡じゃないから……」カァ

恵美 「えー?良いじゃん、アタシにも見せてよ!」チラッ

恵美 「――えっ?」ポカン

琴葉 「も、もう恵美!見ないでってば!」

恵美 「ご、ゴメン……」
71 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:41:53.35 ID:eKLDbfgQ0

エレナ 「ネー、プロデューサーなんて?」

琴葉 「えっと――」

恵美 「…………」

恵美 (今の、プロデューサーの寝顔だった……)

恵美 (もしかして……昨日の?)

恵美 「…………っ」ズキン

トレーナー 「はい、そろそろ再開するわよー」

琴葉 「はい、今行きます!」

エレナ 「さ、後半戦も張り切っていっちゃうヨー!」グッ

恵美 「…………」
72 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:42:23.49 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

小鳥 「教えてくださいよ、ケチー!」ブー

P 「まったく……なにがそんなに気になるんですか」ハァ

小鳥 「だって、あんな甘々オーラ出されてたんですよ!?」

小鳥 「これは何かあったと思うのが普通じゃないんですか!」

P 「甘々って……大したことはしてないですよ」

小鳥 「うぅ、信用できない……」
73 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:43:23.85 ID:eKLDbfgQ0

P 「なんで今日はそんなにしつこく絡んでくるんですか……」トゥルル

P 「……ん、電話か」

小鳥 「誰からですか?」

P 「えっと……琴葉から、ですね」

小鳥 「琴葉ちゃん?何かあったんでしょうか」

P 「なんでしょう……とりあえず、聞いてみない事には」ピッ

P 「もしもし、琴葉?レッスン中じゃないのか?」

琴葉 『そ、それが……早めに切り上げたんです』

P 「切り上げた?」

琴葉 『はい……実は』
74 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:44:40.44 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

トレーナー 「所さん、集中して!」

恵美 「――っ!」タンタン

トレーナー 「――はい、ストップ!」

トレーナー 「所さん、どうかしたの?」

エレナ 「メグミ、やっぱり具合悪いノ?」

恵美 「へ、平気だってば!ごめんなさい!」

トレーナー 「そ、それなら良いけど……」
75 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:45:20.76 ID:eKLDbfgQ0

琴葉 「…………」

恵美 「ほ、ホラ!まだ最後の振付やってないでしょ?」

エレナ 「それは……そうだケド」

トレーナー 「……それじゃあ」

琴葉 「恵美」

恵美 「こ、琴葉?」

琴葉 「……今日はやめておこう?また、今度頑張れば良いでしょ?」
76 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:46:29.29 ID:eKLDbfgQ0

恵美 「で、でも……」

琴葉 「プロデューサーなら、きっとそう言うと思うから」

エレナ 「コトハ……」

恵美 「……そう言われたら、断り切れないじゃん」

恵美 「ゴメンね……」シュン
77 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:46:58.26 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

P 「なるほど、そんな事が」

琴葉 『……すみません、私の独断で』

P 「気にするな、むしろよくやってくれたよ」

P 「怪我でもしたら、その方が問題だからな」

琴葉 『は、はい……ありがとう、ございます』

P 「それで?恵美はどうした?」

琴葉 『楽屋の掃除をしにいくって言ってましたけど……』

P 「分かった、ありがとう」
78 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:47:27.35 ID:eKLDbfgQ0

P 「とりあえず、琴葉は取材の場所に向かってくれ」

琴葉 『……分かりました』ピッ

P 「……さて」

小鳥 「どちらに?」

P 「ちょっと、楽屋の方まで」

小鳥 「ふふっ……行ってらっしゃい」フリフリ

P 「……はい、行ってきます」ダッ

小鳥 「…………」フリフリ

小鳥 「あーあ、私の事も迎えに来てくれないかなー」
79 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:49:12.12 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

P 「さて、楽屋の方に……」

エレナ 「アレ、プロデューサー?」

P 「エレナ?レッスン早めに終わったんだろ?」

エレナ 「まだまだ踊り足りなくて……外で一踊りしてきたノ!」

P 「はは、元気いっぱいだな」

エレナ 「ウン!まだまだ、踊れるヨー?」

P 「それは頼もしいな……空いてるレッスンルーム、使って良いからな」

エレナ 「ホント!?ヤッター!」
80 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:49:40.01 ID:eKLDbfgQ0

P 「……ところでエレナ、今日恵美が調子悪かった理由分かるか?」

エレナ 「ンー……」

P 「どんな事でも良い、ひょっとしたら大事な事かもしれないからさ」

エレナ 「ホントにどんな事でも良いノ?」

P 「ああ」コクリ

エレナ 「エーット……確か、今日は朝から変な感じだったと思うヨ?」

P 「朝から?」
81 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:50:40.88 ID:eKLDbfgQ0

エレナ 「ウン!でも、休憩までは普通にできてたし……」

P 「休憩……か。それはいつくらい?」

エレナ 「一時間くらい後だったと思うケド……」

P 「一時間か……俺が琴葉に連絡したあたりか?」

エレナ 「プロデューサーがコトハに連絡したから、羨ましくなっちゃったんじゃナイ?」ニコニコ

P 「ま、まさか……ははは」

P 「でも、ありがとな。教えてくれて」
82 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:51:48.44 ID:eKLDbfgQ0
エレナ 「……ねぇ、プロデューサー」

P 「どうした?」

エレナ 「メグミ、またキット一人で悩んじゃってると思うケド……」

エレナ 「メグミの話、聞いてあげてネ?」

エレナ 「ワタシ達には話してくれないと思うから……」

P 「……エレナ達に話してくれないのに、俺に話してくれると思えないんだが」

エレナ 「話してくれると思うヨ?」キョトン

P 「…………?」

エレナ 「だって、メグミはプロデューサーの事ダイスキだからネ!」
83 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:52:21.44 ID:eKLDbfgQ0

P 「流石に、それは考え過ぎだと思うぞ?」

エレナ 「ホントなのにナ……」

P 「まぁ、お世辞でもそう言って貰えて少し元気が出たよ」ナデナデ

エレナ 「ムゥ……オセジじゃないのにー」ムスッ

P 「ゴメンって」ナデナデ

エレナ 「……エヘヘ♪」

エレナ 「……今度、また一緒にベッドで寝てくれる?」

P 「……考えとくよ」
84 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:53:15.31 ID:eKLDbfgQ0
―――――
 
恵美 「ふぅ……」スタスタ

恵美 「楽屋の掃除しても、あんまり紛れなかった……」

恵美 (琴葉と、プロデューサーが……)

恵美 「……アタシ、ホント何やってんだろ」

恵美 「昨日、見た時に割り切ったはずなのに……」トボトボ

P 「恵美!」

恵美 「……へっ?プロデューサー?」キョトン

P 「探したぞ……楽屋探してもいないから、もう帰っちゃったのかと」ハァハァ

恵美 「…………」
85 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:53:47.72 ID:eKLDbfgQ0

P 「今日、レッスンの調子悪かったんだって?」

恵美 「ご、ゴメン……どうしても、上手くいかなくて」

P 「ケガしなかったんだから、それだけで十分だよ」

P 「……なぁ、なにか理由があるのか?」

恵美 「た、大した理由じゃないって!もー、大げさだなー」ニャハハ

恵美 「そんな事より、ほら!琴葉の方ついて行ってあげてよ!」

恵美 「琴葉、きっと喜ぶからさ!ね?」ニコッ
86 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:54:21.88 ID:eKLDbfgQ0

P (……俺になら話してくれるかもしれない、か)

P 「大した理由じゃなくても良い、話してくれないか?」

恵美 「で、でも……」

P 「どうしても話したくないって事なら、話さなくても良いけどさ……」

P 「俺で力になれるかもしれないなら、話してみてくれないか?」

恵美 「……迷惑、でしょ?」

P 「迷惑なんて、恵美がそんな事考えなくても良いんだよ」
87 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:54:47.95 ID:eKLDbfgQ0

P 「悩みがあるなら、一緒に考えればいいだけだしな!」

恵美 「一緒に……か」

P 「そういうのがその……プロデューサーとアイドルの二人三脚というか」ゴニョゴニョ

恵美 「……ぷ、アッハハ!」

P 「い、今良い事言ったのに……」シュン

恵美 「ゴメンゴメン!ちょっとおかしくなっちゃって」

恵美 「そっか……そうだよね」

P 「……まぁ、分かってくれたなら良かった」

恵美 「それじゃ……一つだけお願い、してもいい?」

P 「ああ、どんとこい!」
88 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:55:14.59 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

P 「なんで?」

恵美 「や、やっぱりダメだった!?」

P 「い、いや……もっとなんか、深刻なお願いかと思ったからさ」

P 「まさか、いきなりベッドに一緒に潜る事になるとは思わないだろ……」

P 「これが恵美の言ってたお願いなのか?」

恵美 「……うん」コクリ

P 「……これくらいなら、普通にお願いされたらするぞ?」

P 「多少のリスクはあるけど……それでも、アイドルの調子には代えられないからな」
89 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:55:42.73 ID:eKLDbfgQ0

恵美 「そ、そんなのダメだって!」

P 「?」キョトン

恵美 「だって……琴葉に、悪いからさ」

P 「?なんで、そこで琴葉の名前が出てくるんだ?」キョトン

恵美 「隠さなくても良いよ、アタシ知ってるから」

恵美 「琴葉と……付き合ってる、んだよね?」

P 「……えっ?」
90 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:56:09.16 ID:eKLDbfgQ0

恵美 「昨日、スーパーで一緒に買い物してるの見たんだ」

P 「昨日の……見てたのか、恵美」

恵美 「そ……今日も、寝顔壁紙にしてるの見ちゃったしさ」

P (……まさか、とんでもない勘違いの連鎖をしているのでは?)

P 「恵美、あのな……」

恵美 「分かってるよ、こんな風にされたら……迷惑、だもんね」
91 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:57:04.23 ID:eKLDbfgQ0

恵美 「でもさ、もうこういう風に甘えられないかもしれないから……」

恵美 「最後だけ……一緒に寝てみたかったの」

P 「…………」

恵美 「えへへ……なんか、アタシらしくないよね」

P 「……恵美、一つ良いか?」

恵美 「?」キョトン

P 「大変、言いづらい事なんだが――」
92 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:58:10.42 ID:eKLDbfgQ0
――――― 

恵美 「――って、事は」ポカーン

P 「ああ、勘違いだな」

恵美 「…………っ!!」カァアアア

恵美 (う、嘘っ!?)

P 「琴葉は俺の家に押し掛けてきただけだし、俺と付き合ってるわけでもないよ」

P 「……後で、寝顔の件は問い詰めるけど」
93 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:58:38.59 ID:eKLDbfgQ0

恵美 「…………」スッ

P 「待て、なんで遠ざかる。傷つくぞ」

恵美 「い、いや……その、さ」

恵美 「結局勘違いだったんだし……お願い、聞いてもらえないよねって」

P 「…………」

恵美 「ご、ゴメン……それじゃ」
94 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:59:08.71 ID:eKLDbfgQ0

P ダキッ

恵美 「ぷ、プロデューサー……?」

P 「言ったろ、このくらいのお願いなら聞いてやるって」ギュゥ

恵美 「……もう、優しすぎるって」

恵美 「そんなんじゃ、いつか誰かから刺されちゃうかもよ?」ニヤッ

P 「ぐ……否定はしないけどさ」

恵美 「にゃはは、ジョーダンだって!」アハハ

P 「冗談に聞こえない……」
95 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/10(土) 23:59:40.07 ID:eKLDbfgQ0

恵美 「……あったかいね、プロデューサー」

P 「そ、そうか?」

恵美 「うん……なんか、安心するっていうか」

P 「それは、良かったな」

P (俺は、ドキドキしっぱなしなんだけどな……)

恵美 「ズルいなぁ……琴葉や、志保達はこういうの体験してたんだ」

P 「そんなにズルい事でもないと思うが……」

恵美 「ズルいよ、こうやってしてるだけで……」

恵美 「アタシ、なんでも出来ちゃいそうな気がするからさ」ニコ
96 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/11(日) 00:00:18.62 ID:cER5gIez0

恵美 「にゃはは、皆にちょっと悪いかも」

P 「悪いって、何がだ?」

恵美 「だって、アタシだけが今はこんな風に甘えられてる訳でしょ?」

恵美 「……他にも、いっぱい甘えたい子はいると思うんだ」

P 「……恵美、一つ良いか?」

恵美 「?」

P 「そういうのを考えられる恵美は優しい、けどな……」

P  「恵美だって俺のアイドルだ、俺に甘えたって何の問題もないだろ?」

恵美 「……もう、すぐそういう事ばっかり」クスッ

恵美 「そんなんじゃ、もっと縋りたくなっちゃうじゃん……」

P 「おう、もっと頼れ!」ハハハ
97 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/11(日) 00:00:45.60 ID:cER5gIez0

恵美 「……もー、後悔しないでよ?」ズイッ

P 「っと……?」ダキッ

恵美 「えへへ……♪」テレテレ

P 「急に積極的になったな?」

恵美 「プロデューサーが良いって言ったんじゃん♪」ニコニコ

P 「……喜んでもらえて何より」

恵美 「……プロデューサーは、嬉しくないの?」

P 「ぐっ……その言い方は卑怯だぞ」
98 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/11(日) 00:01:34.27 ID:cER5gIez0

恵美 「…………」ジッ

P 「……まぁ、嬉しいけどさ」ボソッ

恵美 「そ、そっか!」カァア

P 「……自分で言ったのに恥ずかしがるなよ」

恵美 「ほ、ホントに言ってくれるとは思わなかったから……」

恵美 (も、もうちょっとだけ甘えても良いかな?)

恵美 「あ、あのさ!寝る前に……もう一つだけ、してもらってもいい?」

P 「俺にできる事なら良――」
99 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/11(日) 00:02:33.56 ID:cER5gIez0

P (待て、昨日を思い出せ……!)

P 「――キスとか以外なら良いぞ」

恵美 「ふぇっ!?き、キス!?」カァアア

P 「違ったならそれで良かった……」

P (何度もやられたら、流石に理性がもたないからな……)

恵美 「……もしかして、琴葉にはしたの?」

P 「してないから!」

恵美 「むぅ……怪しいなぁ」ムスッ
100 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/11(日) 00:03:14.73 ID:cER5gIez0

P 「そ、そんな事よりして欲しい事ってなんだ?」

恵美 「……その、さ」

恵美 「ギュっとしてしてもらいながら撫でてもらいたいんだけど……ダメ、かな?」

P 「そのくらいなら、いくらでもするけど……?」

恵美 「えへへ……やった♪」

P 「…………」ナデナデ

恵美 「これからも、沢山甘えさせてよね……」ウトウト

P 「……勿論」

恵美 「…………♪」スヤスヤ

101 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/11(日) 00:03:50.94 ID:cER5gIez0
――――― 

琴葉 「今度は、しっかりやらなくちゃ……」

最上静香(以下、静香) 「あの、琴葉さん?さっきから何をブツブツ言ってるんですか?」

琴葉 「静香ちゃん……いや、大した事じゃないんだけど」

静香 「そうなんですか?それにしては、妙に気合が入ってたような……」

琴葉 「そ、それはその……」

静香 「?」

琴葉 「……さ、作戦を立ててただけだから気にしないで」
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