小日向美穂「大人メイク」

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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:10:30.02 ID:4GqatoYg0
雪菜「ほら、一緒に温泉に入った時にもっとメイクしたいって言ってたでしょ〜?」

美穂「そ、そんなこともありましたね……?」

彩華「結構前から準備してたのよぉ? でもぉ、なかなかスケジュール合わなくて困ってたのぉ!」

雪菜「今日も美穂ちゃんが上がってすぐに私たちが事務所を出る予定だったんだけどぉ……美穂ちゃんのお仕事がとっても早く終わってよかった〜! これはもう奇跡って感じぃ〜♪」

彩華「もう腕が疼いてしょうがないわぁ! さあ美穂ちゃん、レッツメイクアップよぉ!」

美穂「あっ、その! まだ心の準備が……」

雪菜「大丈夫大丈夫〜! お肌に無理はさせないから〜☆」

彩華「彩華も雪菜ちゃんもそのあたりすっごい気を使ってるからぁ♪」

美穂「いや、そういう意味じゃなくて……!」

雪菜「とりあえず今のメイク落としちゃおっか!」

彩華「はぁ〜いクレンジング入りまぁす♪」

美穂「ま、待ってぇええええええぇぇぇ……」ズルズル
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:11:09.49 ID:4GqatoYg0
雪菜「目はどうする〜?」

彩華「大胆にやっちゃうのはどぉ?」

雪菜「やっちゃうやっちゃう〜♪」

彩華「リップはどうするぅ〜?」

雪菜「ぷるっぷるにキメちゃうのはどぉ?」

彩華「キメちゃうキメちゃう〜♪」

キャッキャッ

美穂(こ、このままじゃ良いように遊ばれちゃう……!)

美穂「あっ、あの!」

彩華「あ! 動いちゃダメよぉ! 今からアイライン引くんだからぁ」

美穂「……はい……」

美穂(うう……されるがままだよぉ……)
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:12:24.71 ID:4GqatoYg0
……一時間後……


雪菜「ふぅ〜……やりきった〜……」ツヤツヤ

彩華「メイクがこんなに楽しいって思ったのはいつ以来かしらぁ……」ツヤツヤ

雪菜「全力で楽しんだ上に改心の出来! 素材が極上だったからメイクのノリもバッチリ♪」

彩華「さぁ美穂ちゃん! 変身した自分とのご対面よぉ! はいこれ手鏡!」

美穂「……それじゃあ、失礼して……」

美穂「…………」ジーッ

美穂「これタブレットですか?」

彩華「他人のムービー流してるわけじゃないわよぉ」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:13:07.27 ID:4GqatoYg0
美穂「だって髪も長くなってますよ!?」

雪菜「ウィッグもつけちゃった☆」

美穂「目も大きくなってませんか!?」

彩華「アイメイクの力よぉ〜」

美穂「せ、整形したような、してないような……それくらい変わってるんですけど!?」

雪菜「動揺してるわねぇ……」

彩華「やりすぎちゃったかしらぁ?」

雪菜「でも〜、私たちが普段やってる範囲のメイクだよね〜?」

彩華「そうそう、それをフル活用しただけでぇ」

雪菜「120%の力を出しちゃったというか〜」

彩華「思わぬ相乗効果が生まれたというかぁ」

美穂「それ普段のメイクって言えますか?」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:14:18.31 ID:4GqatoYg0
雪菜「それにしても〜、こんなに完璧なメイクができると服も変えたくならない?」

彩華「わかるぅ〜♪」

美穂「えっ、今から着替えるんですか!? メイクしてウィッグもつけたのに!?」

雪菜「ウィッグは後で何とかできるから大丈夫♪」

彩華「うーん、ここにあるあやか達の衣装じゃちょっと大きいわねぇ……」

雪菜「じゃあ衣装室行ってお着換えタイムね〜☆」ガシッ

彩華「賛成ぇ〜♪」ガシッ

美穂「ま、またですかああああああぁぁぁぁぁ……」ズルズル
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:14:46.11 ID:4GqatoYg0
……三十分後……


彩華「ねぇ、あやか達って天才?」

雪菜「私も今そう思ったとこなの〜!」

彩華「美穂ちゃんのナチュラル・ボーン・キュートさは残しつつ、さらにビューティーさを取り入れたメイクアップ……そしてそれを完璧に仕上げるカジュアルコーデ!」

雪菜「美穂ちゃんが数年後に代官山でお茶してる姿って言っても不思議じゃないよね〜♪」

彩華「どう美穂ちゃん! 姿見に映る自分の姿!」

美穂「こんな縦長な液晶画面があるんですね」

彩華「美穂ちゃん戻ってきてぇ」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:15:37.07 ID:4GqatoYg0
美穂「もうこれ別人ですよ!」

彩華「そんなことないわよぉ? 面影だってしっかり残ってるしぃ」

雪菜「美穂ちゃんのお姉さんって言えば通っちゃうんじゃないかな〜?」

美穂「本当かなぁ……?」

彩華「それじゃあこれから事務所に来る人にドッキリしかけてみない?」

美穂「……ドッキリ?」

彩華「今の美穂ちゃんを美穂ちゃんのお姉さんって紹介するのよぉ!」

雪菜「あっ、それ楽しそう〜!」

美穂(ちょっと楽しそうって思っちゃった)
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:16:19.54 ID:4GqatoYg0
美穂「あ、でも私ひとりっ子で……」

彩華「じゃあ親戚の、そうねぇ……父方の従姉妹で小日向真穂ちゃん、二十五歳のOLってことでどうかしらぁ! ちょうど出張でこっちに来ることになって、ついでに美穂ちゃんの顔を見てくるようにお父さんに頼まれたって設定なのぉ!」

雪菜「即席なのに練りこまれたような設定が出てくる彩華ちゃんすご〜い!」

彩華「でしょでしょ〜?」

美穂「本当にそれでいけますか……?」

雪菜「別に撮影で使われるドッキリじゃないんだし気楽にいけばいいわよ〜♪」

彩華「でもぉ、やるからには本気でいきましょ〜! ドリーム・ステアウェイ主演女優なんだからこれくらいはこなしてもらわないとねぇ?」

美穂「ううっ、それを言われると……」

雪菜「じゃあ準備開始ね!」

彩華「お〜!」

美穂「お、おー……」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:16:45.12 ID:4GqatoYg0
……十分後……


ガチャッ

卯月「お疲れ様です!」

卯月「……あれ、誰もいないんでしょうか」キョロキョロ

卯月「プロデューサーさーん、ちひろさー……」

美穂?「あら?」

卯月「えっ」ビクッ

美穂?「あなた、島村卯月ちゃん?」

卯月「は、はいっ!」

卯月(だ、誰でしょうこの綺麗な人……美穂ちゃん? いや、美穂ちゃんに似ていますけど、こんなに髪の毛長くないですし……メイクも……)
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:17:46.86 ID:4GqatoYg0
真穂「初めまして。小日向美穂の従姉の小日向真穂です。いつも美穂ちゃんがお世話になってます」

卯月「……ああ! 美穂ちゃんの親戚の方だったんですか! 美穂ちゃんとそっくりでビックリしちゃいました!」

真穂「ええ、よく言われるの。あの子、最近バラエティにもよく出るでしょう? 放送される度にからかわれちゃうわ」フフッ

卯月「本当によく似ていますよ! 声もそっくりですから!」

真穂「そ、そうかしら?」ゲフンゲフン



彩華「……ノリノリねぇ……」コソコソ

雪菜「女優魂に火をつけちゃったかしら……」コソコソ

彩華「録画はでどぉ?」

雪菜「隠しカメラ仕掛けてあるからバッチリ♪」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:18:17.54 ID:4GqatoYg0
卯月「今日はどうされたんですか? 美穂ちゃんならまだお仕事だと思いますけど……」

真穂「ええ、出張がてら美穂ちゃんに会いに来たのはいいのだけど、ちょっと早く来すぎちゃったみたい。でも色んな人に挨拶できるから結果オーライね」

卯月「なるほど……」

美穂(い、一番最初に卯月ちゃんが来るなんて予想外だよぉ!!)アワアワ

美穂(卯月ちゃんなら信じ込んでくれるかもしれないけど……ボロを出したら、終わり!!)

真穂「卯月ちゃんはこの後予定はないの?」

卯月「いえ、このあと別の収録があるので……」

真穂「あら……それは残念。お話したいこともあったのだけど」

美穂(よかったぁ……)

卯月「でも! あと三十分くらいはお話できますよ!」

真穂「三十分!?」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:19:04.61 ID:4GqatoYg0
卯月「どうかしましたか?」

真穂「い、いえ……三十分したら一人になっちゃうかと思うとちょっと寂しくなっちゃって」

美穂(はわわわわわっ、三十分騙し続けるのは演技的にも罪悪感的にも無理じゃないかな!?)

卯月「じゃあ寂しくならないように三十分いっぱいお話しちゃいますね!」エヘヘ

真穂「あ、ありがとう卯月ちゃん。じゃあ何から話そうかしら……」

美穂(うう……笑顔が眩しくて痛い……)



彩華「面白くなってきたわよぉ」

雪菜「面白くなってきたねぇ」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:19:38.13 ID:4GqatoYg0
卯月「真穂さんはおいくつなんですか?」

真穂「今年で二十五歳よ。美穂ちゃんとは八つ違うわね」

卯月「わぁ、お姉さんですね! ファッションもメイクも大人で憧れます!」

真穂「私も滅多にこんなメイクしないんだけどね。今日は事務所のアイドルたちに負けないようにって気合入れてきちゃった。普段はこんなに綺麗にしてないのよ?」

卯月「いいえ! きっと普段のメイクでもお綺麗ですよ! きっとここのアイドルって言われてもおかしくないくらい!」

美穂(普段通りのメイクならここのアイドルなんだよ……)

卯月「それにしても本当によく似ていますね……響子ちゃんの意見も聞いてみたいなぁ」

美穂(えっ)
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:20:14.67 ID:4GqatoYg0
真穂「響子ちゃんというと……五十嵐響子ちゃん?」

卯月「はい! 私と響子ちゃんと美穂ちゃんの三人でユニットを組んでいて……って、真穂さんなら知っていますよね」

真穂「え、ええ……」

卯月「私と美穂ちゃんより二つ年下なんですけど、とってもしっかりした娘なんです。きっと驚くだろうなぁ……」

真穂「ふふっ、今日は会えそうにないかしら?」

卯月「いえ、そろそろ来るんじゃないでしょうか」

真穂「えっ」

美穂(えっ)

ガチャッ

響子「お疲れ様です」

美穂(来ちゃったぁああああああああああああああああ!?)
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:21:03.88 ID:4GqatoYg0
卯月「響子ちゃんおはようございます!」

響子「おはようございます卯月ちゃん! ……あれ? そちらの方は……?」

美穂(ぎくぅ!)

卯月「ふっふっふ……誰だと思いますか?」

響子「……美穂ちゃん?」

美穂(ば、バレた!?)

卯月「の、従姉さんです! 小日向真穂さん!」

響子「美穂ちゃんの? とてもそっくりですね……あ、初めまして! 五十嵐響子と言います!」

美穂(耐えたぁ!!)
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:22:16.40 ID:4GqatoYg0
美穂(でもこの状況……耐えてるというか、耐えさせてもらっているというか……二人がもう少し疑いやすかったらアウトだったよね……十分以上持ってるのが奇跡だよ……)

響子「真穂さんは今何のお仕事をされてるんですか?」

真穂「し、仕事? えーと……こ、公務員よ。ざっくり言えば」

響子「公務員さんですか? ちょっと意外……てっきりアパレル関係の方かと……」

卯月「あ、私もなんとなくそう思いました! 私服がとっても決まってるから……」

響子「そうですよね? というか、このコーデどこかで見たことあるような……」

美穂(た、大変! 最近誰かが使ったばかりの衣装だったのかも……!)

真穂「じ、実はこれ、マネキン買いなの! きっとどこかのセレクトショップで見かけたんじゃないかしら?」

響子「そうなんですか? うーん、昨日渋谷でお買い物していたから、その時に見かけたのかも」

卯月「マネキンのコーデって参考になりますからね。それを覚えちゃってたのかもしれません」



彩華「かわすわねぇ」

雪菜「崖っぷちに強い子なのかも〜」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:23:07.19 ID:4GqatoYg0
真穂「そ、そうだ! 二人とも時間は大丈夫? そろそろ三十分じゃないかしら?」

卯月「あれっ、もうそんな時間ですか?」

響子「まだ十分くらい余裕はありますけど……」

真穂「私との会話が理由で送れちゃうのも悪いからね! 余裕を持って行きましょ!」

卯月「でも、真穂さん一人になっちゃいます……」

美穂(いい子っ!!)

真穂「さっきは寂しくなるなんて意地悪言っちゃったけど、これでも大人よ? ちょっとくらい一人でも全然平気なんだから」

響子「あ、じゃあ出る前に紅茶淹れさせてください! 何も出せないまま撮影に行くのは申し訳ないので!」ダッ!!

美穂(いい子っ!!)

卯月「美穂ちゃん、早く帰ってくるといいですね!」ニッコリ

真穂「そ、そうね!」



彩華「ちょっと罪悪感で顔を歪ませてるわぁ」

雪菜「美穂ちゃんもいい子だからね〜」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:23:36.04 ID:4GqatoYg0
……卯月、響子退出後……


美穂「罪悪感で押しつぶされそうですよぉ!!」

雪菜「まぁまぁ、いい感じに綱渡りできてたよぉ〜」

彩華「でも確かに長続きはしないかもねぇ。子供たちならあっさり信じてくれるだろうけどぉ……」

美穂「大人の皆さんを騙せる気はしません」キッパリ

雪菜「言いきっちゃったぁ」

彩華「じゃあ次で最後にしましょうかぁ。バレてもバレなくてもおしまい!」

美穂「……そうですね。たったの二回ですけど、これで終わりにしましょう。胃が持つか分からないので……」

雪菜「それじゃあスタンバイ、行ってみよぉ♪」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:24:06.98 ID:4GqatoYg0
美穂「はぁ……」

美穂(卯月ちゃんと響子ちゃんにはあとで謝っておかないとなぁ……許してくれるとは思うけど……緊張しちゃうよ)

美穂「……誰が来るかな」

美穂(小さい子たちなら何とか信じてくれるだろうけど、信じてもらっただけ辛くなるし……やっぱり同世代のアイドルがいいなぁ)

美穂→真穂「よしっ、気合入れようっ!」

ガチャッ

P「お疲れ様です」

真穂「」

美穂()
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:25:37.44 ID:4GqatoYg0
美穂(ぷっ、ぷぷぷぷぷぷプロデューサーさん!?)

美穂(これで最後って決めてそこにプロデューサーさん!? というか二組目でプロデューサーさんはドッキリとしてだめじゃないかな!?)

P「おや?」

美穂(き、きたっ!)

真穂「あら?」

P「……?」

真穂「あなた、ここのプロデューサーさんかしら? 私、小日向美穂の親戚で小日向真穂と」

P「美穂さんどうしたんですか? そんなカツラまでつけて……ちょっとずれてますし」

真穂→美穂「えっ、うそっ」ガバッ

彩華「あ」

雪菜「あ」

美穂「あ」

P「ん?」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:26:04.66 ID:4GqatoYg0
P「なるほど。メイクが予想以上にいい仕上がりだったからドッキリを」

美穂「ご、ごめんなさい!」

P「怒ってませんから大丈夫ですよ。どちらかというと、これがちゃんと合意の下で行われたかどうかが気になってまして」ジーッ

彩華「そこは大丈夫よぉ! 前もって言質はとってあるからぁ!」

P「本当でしょうね……」

雪菜「ちょっとぉ! 自分の担当アイドルを信じてくれないの〜?」

P「雪菜さんはともかく、彩華さんには前科がありますからね。凛さんと卯月さんを山のような頭にして……」

彩華「あれはもう時効だもぉん」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:26:54.54 ID:4GqatoYg0
P「まあ合意なら特に何も言いませんが……」

美穂「はい。私がお願いしたことですから……不用意に……」

雪菜「でも楽しかったでしょ〜?」

美穂「それは…………はい。いい経験になったと思います」

彩華「また変身したくなったら言ってねぇ。あやかたちはいつでも美穂ちゃんを歓迎するから♪」

P「さて、お二人はそろそろお仕事の時間ですね。送っていきましょう」

彩華雪菜「「はーい♪」」

P「……ところで、美穂さんは何故こんな早い時間に事務所へ?」

美穂「収録が三時間くらい早く終わっちゃって……」

P「……適当なディレクターですねぇ……時間はあまり無駄にしたくないんですけど」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:27:40.71 ID:4GqatoYg0
P「それでは鍵をどうぞ。先に車に乗っていてください。私は少し荷物整理してから向かいます」チャリ

彩華「はぁい。じゃあお先にぃ」

雪菜「美穂ちゃん、さっきのクレンジング自分でできる? できなかったら私が後でやってあげるけどぉ……」

美穂「クレンジングなら私一人でもなんとか」

雪菜「そぉ? でも無理はしちゃだめだよぉ?」

美穂「はい!」

彩華「それじゃあ行ってくるわねぇ♪」

ガチャッ、バタン

P「……さて」

美穂「?」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:28:06.92 ID:4GqatoYg0
P「美穂さん、ちょっとくるって回ってみてください」

美穂「こうですか?」クルッ

P「なるほどなるほど……じゃあ次はキリッとした表情をしてください」

美穂「き、キリッと……えいっ」キリッ

P「いいですね。それでは力を抜いて」

美穂「ふぅ」

P「はいニッコリ」

美穂「えへっ♪」ニッコリ

パシャッ、パシャパシャッ

美穂「……えへ?」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:28:34.01 ID:4GqatoYg0
P「うーん、いい笑顔ですね」

美穂「はわぁっ!? ち、ちょっとプロデューサーさん! 何してるんですか!?」

P「写真撮影ですが?」

美穂「さも当然のように言わないでください!!」

P「いやぁ、こんなに気合の入ったメイクをしている美穂さんは貴重ですからね。一枚失礼させてもらいました」

美穂「け、消してくださいー!」ポカポカ

P「はははははは。残念ながら、これは私をドッキリにはめようとしたバツとして永久保存させてもらいます」

美穂「えええええっ!?」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:30:10.78 ID:4GqatoYg0
P「いやー、それにしても……」ジーッ

美穂「な、なんですか……?」

P「楽しみになりましたね、美穂さんの将来が」

美穂「え?」

P「聞くところによると、今美穂さんがしているのは大人に見えるメイクというものでしょう? つまり、未来の美穂さんはきっとこういう成長をするんだ……とふんわり見えてくるんです。それに……美穂さんのことです。きっと頑張りすぎて、メイクよりも綺麗になってしまう」

美穂「そ、そんなこと、わかりませんよ?」

P「いえいえ。十年後……いや、ひょっとするともっと早いかもしれませんが……美穂さんが今よりもっと素敵になるのは間違いありませんよ。私が保証します。もちろん、今でも十分可愛いですけどね」

美穂「かっ、かわっ!?」

P「その頃、美穂さんがアイドルを続けているか、女優やタレントに転向しているか、今では思いもしない人生を歩んでいるかは定かではありませんが……できることなら、美穂さんの成長を間近で見られたらいいな、と改めて思いました」

美穂「あ、う、うう……!」プシュー…

P「……美穂さん?」

28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:30:51.06 ID:4GqatoYg0
美穂「…………ぷっ」

P「ぷ?」

美穂「プロデューサーさんのすけこましぃいいいいいいいいいいい!!」ダッ!!

P「すけこまし!? ちょっと待ってください美穂さん!! そんなことを叫ばれたまま外に出られては困ります!!」

美穂「追ってこないでくださいー!!」

P「ま、待って美穂さん!!」ダッ!!

ガチャッ、バタン


ジー…
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:31:19.89 ID:4GqatoYg0
……数日後……


美穂「あのー……」

彩華「あら美穂ちゃん、どうしたのぉ?」

雪菜「またメイクしたくなったぁ?」

美穂「……ちょっとだけ」

彩華雪菜「「ホントぉ!?」」ガタッ!

美穂「す、座ってください! 前回みたいなのとは違う話ですから!」

彩華雪菜「「なんだぁ……」」ストン
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:31:55.50 ID:4GqatoYg0
彩華「そういえば、あの後どうだったのぉ?」

美穂「あの後?」

雪菜「ほらぁ、卯月ちゃんと響子ちゃん。怒ってなかったぁ?」

美穂「怒ってはいませんでしたけど、すごいビックリされました……」

雪菜「二人ともすごい信じ切ってたもんねぇ」

美穂「その場で言ってほしかったと残念そうな顔をされましたけど、行き当たりばったりなドッキリでしたし仕方ないですよね」

彩華「もう一回真穂さん呼び出すのもありよぉ?」ジャキッ

美穂「ものものしい音で化粧品出すのやめてください! 今日はそういうのじゃないんですって!」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:33:27.31 ID:4GqatoYg0
雪菜「それでぇ、どういうメイクがしたいの〜?」

美穂「その……今よりちょっと、ほんのちょっとだけ大人になれるメイクがいいです。唇とか、頬とか、部分的にでいいんです」

彩華「顔全部じゃなくていいのぉ?」

美穂「えっと、一気に変わりたいわけじゃなくて……少しずつ大人になっていけたらなって……」モジモジ

雪菜「……!」ティン

雪菜「うんうん。ゆっくり成長して大人になっていきたいよねぇ」

美穂「? そうですね」

彩華「…………ああ! そういうことねぇ!」

美穂「え? え?」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:34:04.64 ID:4GqatoYg0
雪菜「大丈夫よぉ、私たちも全力でサポートするからぁ♪」

彩華「スピードはゆっくりとやるから安心してぇ♪」

美穂「はい、ありがとうございます。……あの、なんでそんなにニヤニヤしてるんですか?」

雪菜「ん〜? それは秘密かなぁ?」

彩華「そうねぇ、これは私たち二人の秘密なのぉ♪」

美穂「は、はぁ……」

雪菜「まぁまぁ、大船乗ったつもりで任せなさぁい☆」

彩華「コスメはこっちで準備しておくからぁ♪」

美穂「それは嬉しいんですけど……いいんですか?」

彩華雪菜「「もちろんよぉ!」」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:34:31.57 ID:4GqatoYg0
P「おーい美穂さーん。そろそろいきますよぉ」

美穂「あ、はい! 今行きます! すいません、それじゃあお願いします」ペコッ

雪菜「行ってらっしゃ〜い。こっちは任せてねぇ」

ガチャッ、バタン

雪菜「……行った?」

彩華「行った行った」

雪菜「…………」

彩華「…………」



彩華雪菜「「キャ〜! 甘酸っぱぁい!」」キャッキャッ!
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:35:01.58 ID:4GqatoYg0
雪菜「これってもう、プロデューサーが原因よねぇ!」

彩華「もう間違いないわぁ! だって、ゆっくり大人になりたいんですって言ったのよぉ!」

雪菜「あ〜もぉ! 美穂ちゃんったら本当に可愛いんだからぁ♪」

彩華「静かなようで大胆なアプローチよねぇ♪」

雪菜「隠しカメラ回しっぱなしにしちゃった時はしまったと思ったけどぉ、とんだ怪我の功名だったぁ〜☆」

彩華「プロデューサーのすけこましっぷりもしっかり撮れちゃってて面白かったわぁ!」

雪菜「やぁ〜ん! なんて青春なんだろぉ♪」

彩華「少女漫画読んでる気分になっちゃったぁ♪」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:35:37.97 ID:4GqatoYg0
雪菜「これからはめいっぱい応援しないとねぇ」

彩華「引き受けちゃった以上、全力でサポートするわよぉ」

雪菜「美穂ちゃんの焦りを抑えつつ、ゆっくりと♪」

彩華「プロデューサーを骨抜きにしちゃいましょ〜♪」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/08(木) 22:36:45.45 ID:4GqatoYg0
以上です。
美穂ちゃんの10年後が見てみたいだけの人生でした。
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