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【モバマスSS】市原仁奈物語
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 11:50:02.97 ID:9AQizXoa0
※注意事項です
P視点の地の文多いです
Pとアイドル以外のキャラが出てきます。
主役は仁奈ちゃん
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1517712602
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 11:51:46.13 ID:9AQizXoa0
♯1 出会い
【114514プロダクション 第2資料室】
P「・・・暇だなあ」
114514プロダクションという会社の一室でひとりごちた。
半年程前のことだ。自分の担当しているアイドルがスキャンダルを起こした。熱愛報道である。まあ珍しくもない。
しかし、お忍びデート中に交通事故、しかも両名死亡というのは話が重すぎた。
事故を起こしたのが、そこそこ人気のアイドルと大手会社の売り出し中の若手俳優
ある意味ドラマチックといえばいいのか。この事故は一時期紙面を賑わせた。
本当にただの交通事故だったのだが、やれ無理心中の失敗だの、麻薬疑惑だの色々書かれていたものだ。
当然、会社は自分に説明を求め、会議という名の吊し上げが行われた。
残念なことに、自分がその関係を黙認していたことがまずかった。「バレないように」といい含めていただけだった。
【アイドル】はイメージ商売だ。当然原則として恋愛は禁止である。しかし、人の気持ちなんて抑えられるわけがない。自分はそう思っていた。
だから彼女の思いを知ったとき、止めることをしなかった。・・・まさかこんなことになるとは思わないじゃないか。
会社の諸々の調査・男性側の会社との相談が終わってからの会社から自分への通達は
【第2資料室にて資料整理を期限無しで行う】という業務命令だった。資料なんかないのだが。ビジネス机一つと空の本棚があるだけだ。
まあ要するに、自主退社するように追い出し部屋に追いやられている状態である。そんなわけで一人には広いこの部屋で、暇を持て余しているのだ。
まあ、自主退社は面倒だし、次の職も今のところ探す気はない。面倒だし
もし仮に会社から解雇を通達されてしまっても、その方が都合がいい。むしろそれを望んでいるまである。失業保険やらの手続きが楽だし。
そんなわけでここ最近は、この部屋でのんびりと過ごしている。
P「そろそろ昼にするかなー。寒くなってきたし、うどんでも食いに行くか」
戸締まりは・・・いいか。どうせ誰も来ないし
〜1時間後〜
P「ただいまーっと」
さて午後は何をしようか。持ってきた携帯ゲームでもやろうかな。久しぶりに封印ハードでも・・・
P「・・・・ん?」
部屋の真ん中になんかある。
???「・・・」
P「なんだこれ?でっかいぬいぐるみ?」
うさぎのぬいぐるみかな?なんでこんなところに昼前にはなかったはずだ。
物置に置けない衣装をとりあえずここにおいたのだろうか?邪魔なので隅にでもおいておこう。
???「・・・う・・・ん」
・・・ちょっと待ておい。今 声を出さなかったか。
???「・・・」
気のせいかはわからない。とりあえず触ってみることにする。
P「いいさわり心地だなあおい」
なんていうかモッフモフである。
???「うーん・・・・・・・・ふわぁ」
やっぱり動いてるじゃないかこれ。距離取ったほうがいいかな?
???「あれ・・・?仁奈、寝てやがりましたか・・・?」
・・・子供だ。
???「おはようごぜーます。どちら様でやがりますか?」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 11:54:09.81 ID:9AQizXoa0
【114514プロダクション〜第2芸能課オフィス】
第2芸能課はアイドル部門担当であり、自分の元職場?というか元いた部屋である
ちなみに第一はモデルだ。アイドル引退した人でこっちに行く人もいたりする
来たのはいいけど正直すっげえ気まずいなあこれ。退職の挨拶だと思われそうだ。
・・・とりあえず自分の元上司に声をかけてぶん投げよう。そうしよう。
仁奈「・・・どうかしたですか?」
入りづらそうにしているのがバレたのか僕の服の裾を握ったまま仁奈さんが心配そうに聞いてきた
P「・・・いや、なんでもないよ。行こう。」
P「失礼します。課長はいらっしゃいますか?」
・・・・・・・・・・・・・
課長「よう。どうかしたか。ついに転職先決めてきたのか?」
よかった。いた。最後が気にかかるが聞こえなかったフリだ。後はなんとかしてもらおう。
P「いえ、オーディションを受ける子が迷子になっていたようでして、とりあえずここに連れてきました。」
課長「あーそうか。この子か?」
P「市原仁奈さんというらしいです。」
仁奈「・・・」
握っている手に力が入ったような気がした。
課長「・・・・・うーん。しかし困ったな。うちにジュニアアイドルの担当ができるようなやついないんだよなあ。」
P「・・・」
課長「あ、いいこと考えた。お前暇だろ?」
・・・嫌な予感しかしない
P「いえ、資料整理がありますので。」
課長「嘘つけ。あそこに資料なんかないだろ。転職の宛もないんだろ?」
・・・反論できない。
課長「お前あの部屋でこの子のプロデュースしろ。俺からの業務命令だ。いいな?」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 11:56:17.98 ID:9AQizXoa0
【114514プロダクション〜第2資料室】
P「まずは親御さんに連絡して手続きしないとね」
仁奈「・・・」
さて、アイドルを充てがわれたわけだけども。どうしようかな。
仁奈さんは椅子の上で所在なさげに座っている。外の自販機で買ってきたジュースにも手を付けない。
しかしどこから手を付けていいものか。業務に必要だろうと。自分が前使っていたサブノートPCを渡されるし。
仁奈「・・・あの」
P「ん?どうかしたかな?なんでも聞いてね」
出来る限り優しい口調で話しかけるように努める。
仁奈「アイドルって何をするんでごぜーますか?」
P「・・・簡単に説明するからジュースでも飲みながら聞いてよ。」
・・・・説明中・・・・・
仁奈「歌ったり踊ったりするお仕事でごぜーますか!楽しそうです!」
P「うん。まあそんな感じ。他にも色々あるけど仁奈ちゃんならそういう方向になると思うよ」
仁奈「キグルミは着れますか!?仁奈キグルミのお仕事がしてーです!」
・・・いま着てるのも動物の毛皮っぽいパーカーだもんなあ。モフモフがすきなのかな?
P「キグルミ好きなんだね」
仁奈「はい!キグルミをきてるとみんな笑顔になるです!」
P「じゃあそっち方向でも仕事できるよう進めていこうか。」
色物感すっごいけど面白そうだし、仮に失敗してもいいだろう。そのときは素直に退職しよう。そうしよう。
・・・そうして僕と市原仁奈というアイドルの生活がスタートしていくのであった。
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 11:57:13.42 ID:9AQizXoa0
♯2 初レッスンの日
市原仁奈がこの会社に採用されて2日たった。仁奈ちゃんの家はプロダクションから歩いて20分くらいだった。
ちょうど家と会社の間にある小学校に通っているらしい。正直近いのは助かる。送迎が楽ってのはいいことだ。
親御さんには挨拶をと思ったが本当に忙しいらしく、電話連絡だけになった。
正直思ったより丁寧な方だった。初日の感じから見てわりとヤバイ人だというのを覚悟していたんだが。
ついでに事情をそれとなく聞いてみたが、父親は海外で働いており母親も本当に忙しいらしくあまり構えないらしい。
そういうことらしいので、必要書類を仁奈ちゃんに持たせて、親御さんに記入してもらい、仁奈ちゃんが出勤時にもってきてもらう
というかたちを取らせていただいた。まるで連絡帳だ。
・・・最低条件はクリアしたのでこれから仁奈ちゃんと仕事をしていくことになった
アイドルとして基本的な仕事はロケとライブである。そんでそれをサポートするべきプロデューサーの仕事は営業にて仕事を取ってくること。
レッスンの手配、会場の準備、ロケやらの営業などである。
会場はまあいい、今までやってきたこととそうかわらない。レッスンはトレーナーさんに任せるとしてだ。
P「問題は営業だよなあ・・・」
前の主だった取引先は件のアイドルの一件を当然知っているわけで。
ウチみたいな一介の中小企業。事件の当事者?な自分である。イメージが果てしなく悪くなってたらどうしよう。仕事取れるのかな。
・・・まあ、デビュー前に考えても仕方ないか。
仁奈「元気ねーですね?どうかしたですか?」
P「うん。大丈夫だからレッスン行こうか」
仁奈「了解です!行くですよー!」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 12:00:29.17 ID:9AQizXoa0
【114514プロダクション〜トレーナールーム】
トレーナー「その子が新しいアイドル候補ですか?」
総合トレーナーさんはダンス・ボイス・ビジュアルを担当しておりダンスはモデルさん体型維持のためやっている事が多い
P「はい。市原仁奈といいます。よろしくお願いします。」
仁奈「よろしくおねげーします!」
トレーナー「とりあえず歌唱力レッスンから始めましょうか」
仁奈「キグルミはどこにありやがりますか!?」
トレーナー「えっ・・・?」
・・・もう一度説明をしなきゃいけないことになった。
〜5分後〜
仁奈「キグルミ着るまでには中々大変でごぜーますね!がんばるでごぜーます!」
多少のトラブルはあったけど、とりあえずレッスンは始められそうだ。
嬉しい誤算だったのが仁奈ちゃんはリズム感がよく、歌も下手ではないということ。
独特な口調に関してはむしろ個性だと思うので、この方向を伸ばして行きたいと思う。
〜2時間後〜
トレーナー「はい!今日はここまで。お疲れ様でした!」
P「ありがとうございました。またよろしくお願いします」
仁奈「ありがとうごぜーました!!!」
元気よくお礼を言う仁奈ちゃんを見てるとなんかこう癒やされるなあ。
トレーナー「いやー仁奈ちゃんは筋がいいですね。これだったらデビューもすぐですよ」
P「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
【第2資料室】
仁奈「・・・うー・・・疲れたでごぜーます・・・」
P「お疲れ様。頑張ったね。」
仁奈ちゃんは椅子でへばっていた。まあ初日だしなあ。
仁奈「キグルミマスターへの道は険しいでごぜーます・・・」
・・・キグルミマスターとはなんだろう。
仁奈「これから何をすればいいでごぜーますか?」
P「今日はもう何もないから帰っても大丈夫かな?送っていこうか。」
プロダクションと家が近いというのはいいことだ。
仁奈「・・・・まだ家に帰りたくねーです」
P「どうして?」
仁奈「ママがまだ帰ってこねーでごぜーますから。・・・一人は寂しいでごぜーます。」
・・・親御さんに連絡して送ってあげれば大丈夫か
P「・・・えっと、ここにいる?暇つぶしの道具とかなんもないけど」
携帯ゲームはあるけどソフトが仁奈ちゃんには向いてなさすぎる。マリオとか持ってきたほうがいいのかな?持ってないけど
仁奈「いいんでごぜーますか!?」グー
・・・仁奈ちゃんのおなかの虫の音がした。
仁奈「・・・お腹すいたです」
P「・・・とりあえずご飯食べに行こうか」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 12:01:29.45 ID:9AQizXoa0
【ファミリーレストラン〜緑のオスカー】
仁奈ちゃんのお母さんに今日はこっちで食べさせると連絡をいれて、
会社から一番近いファミレスに来てみた。こういうとこ来るの久しぶりだなあ。
仁奈「どれにしようかな〜」
P「なんでも頼んでいいから。決まったら教えてね」
目を輝かせてメニューとにらめっこしている仁奈ちゃんを見ると癒やされる
仁奈「このハンバーグプレートににするでごぜーますよ」
P「デザートは大丈夫?」
仁奈「・・・いちごパフェがいーです!」
P「了解。じゃあ注文するね。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
仁奈「おいしかったです!」
P「そらよかった。」
仁奈ちゃんの家までの帰り道、仁奈ちゃんはとてもうれしそうである。
仁奈「・・・誰かとご飯食べたの久しぶりでやがりました!楽しかったでごぜーます」
P「・・・僕で良ければこれからも付き合うよ。」
仁奈「ほんとでごぜーますか!」
P「まあ、忙しくなければ」
仁奈「じゃあいつでも大丈夫でごぜーますね!」
・・・子供は正直だなあ
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 12:03:02.63 ID:9AQizXoa0
♯3 まずは環境づくりから
レッスンをにいく仁奈ちゃんを見送る。
仁奈「いってくるでごぜーます!」
P「いってらっしゃーい。さて・・・と」
仕事を始めるにあたっての環境を整えていきたいので、この資料室を模様替えすることにした
P「とりあえず掃除だな。後は小学生がいてもおかしくない部屋にするか」
2時間じゃ無理なのでちょこちょこやっていこう。課長に許可もとってくるか。
【114514プロダクション〜第2芸能課オフィス】
課長「別にいいぞ。どうせ使ってない部屋だし好きにしろ。」
案外すぐに許可が降りた。
P「ありがとうございます」
課長「子供がいるからな、ある程度ちゃんとした部屋にしてやれよ。」
P「わかってます」
よし、じゃあこんなとこにいてもしょうがない。早速始めなければ。
課長「一応言っとくけど羽目をはずしすぎるなよー」
〜〜〜2時間後〜〜〜
仁奈「戻ってきましたでごぜーます!」
レッスンが終わって仁奈ちゃんが戻ってきた
P「おかえり」
仁奈「・・・部屋がなんかきれーになってやがるです?」
P「とりあえず今日は掃除だけね。模様替えの許可は取ったから。仁奈ちゃんも私物おいていいよ。」
仁奈「キグルミもいいでごぜーますか!?」
P「もちろん。いっぱい持ってくるんだったら連絡してね。車出すから」
仁奈「わーい!」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 12:04:48.90 ID:9AQizXoa0
〜〜3週間後〜〜
【114514プロダクション〜第2資料室】
課長「・・・俺さ。やりすぎるなって言ったよな?」
P「そうでしたっけ?」
覚えてるけどすっとぼける
課長「なんで本棚の中にぬいぐるみが詰まってんの?」
P「あれはぬいぐるみじゃなくてキグルミですよ。仁奈の私物です。」
課長「あそこの小上がりとこたつは何?」
P「仁奈スペースです」
課長「仁奈スペース・・・?」
P「高床式ユニット畳とコタツがメインです。掘りごたつにもできるやつですね。もっと寒くなってきたらこたつにします」
P「あとは小型冷蔵庫とみかんですね。いやー水道があってよかったですわ。あ、使ってない給湯室にも調理器具揃えたんで自炊もできますよ」
課長「・・・ユニット畳なんてあるのか。いくらくらいするんだ?」
P「通販だと4畳半で5万くらいですかね?今回は友人に頼んだんで2万5千くらいですね」
持つべきものは木工所生まれの友人である。事情を聞いて畳が届いたら3日でやってくれた
課長「・・・オフィスなんだからもうちょっと自重しろよ」
P「あそこでこたつで宿題している仁奈の前で同じこといってきてください。僕はできません。」
正直悪ノリしすぎたとは思っている。反省はしていない。
仁奈「浪人生の気持ちになるですよ〜♪」
鼻歌を歌いながらご機嫌で宿題をしているけど浪人生の気持ちってなんだろうか。どこで覚えたそんな言葉
課長「・・・許可」
P「ありがとうございます」
・・・子供を泣かせる趣味は課長にはないらしい
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 12:05:42.68 ID:9AQizXoa0
♯4 あいどるでびゅーを目指して
仁奈がここに来て部屋を改造し、2ヶ月ほどたったころだった。トレーナーさんから一回見に来てほしいと連絡があった。
ちょこちょこ顔を出していたが、改まって言われたのは初めてである
・・・・・・・・・・・・
【114514プロダクション〜トレーナールーム】
トレーナー「まずはボーカルレッスンから」
仁奈「あ〜〜〜〜〜♪」
トレーナー「次はダンス」
仁奈「〜〜〜〜〜〜〜」
トレーナー「はい!OK!ちょっと休憩!」
仁奈「ありがとうごぜーました!」
トレーナー「どうでしたか?Pさん」
P「ええ。すごいと思います。」
仁奈「仁奈すげーですか!Pもうれしーですか!?」
P「うん。よくがんばったね。」
・・・頭を撫でる
仁奈「えへへー///」
仁奈「・・・・」
P「ん?どうしたの?」
仁奈「Pが笑ってるのはじめてみたでごぜーます!」
・・・いつもニコニコしてたつもりなんだけどなあ
仁奈「やっとPを笑顔にできたでごぜーます!」
・・・デビューライブの手配をしよう。すぐしよう。
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 12:07:53.08 ID:9AQizXoa0
♯5 あいどるでびゅー!
【ファミレス〜緑のオスカー】
P「今日はお疲れ様。よくがんばったね」
仁奈「一人で写真に撮られるのはさびしーでごぜーますよ・・・」
宣材写真を撮りに行った帰り道、お仕事のご褒美という名目でのいつものファミレスである。
仁奈が一人で写真を撮るのを嫌がった。ここまで一人が駄目だとは、むしろ自分は一人のほうがいいんだけどなあ。
とりあえずカメラマンの後ろええ僕がスタジオにあった猫耳をかぶり、
あとで食事に連れて行くこと、ファミレスまで肩車で運ぶことを約束し事なきを得た。
宣材写真を撮ったということはアイドルとして動ける、ここで発表することにした
仁奈「仁奈のデビューライブでごぜーますか?」
P「うん。小さい会場だけどね。3週間後の日曜にやろう。」
実は宣伝ももう打ってある。会社最寄りのモール屋上スペースで、このプロダクションのデビューでは割りとおなじみの場所である。
P「ここからアイドルとしての市原仁奈が始まるよ。レッスン増えるけど頑張ってね。」
仁奈「がんばるですよー!で、どのキグルミにすればいいですか!?」
・・・・衣装さんと相談しよう
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 12:09:07.22 ID:9AQizXoa0
〜〜三週間後〜〜
【モール松坂〜控室】
仁奈「どらごんだー!」
衣装を見てはしゃいでいる仁奈をみて癒される
P「気に入ってくれて良かった」
仁奈「ドラゴンの気持ちになるでごぜーますよ!がおー!」
緊張もないみたいだし大丈夫かな。初舞台だけど成功してほしいなあ。
〜〜ライブ前〜〜〜
\ワイワイガヤガヤ/
・・・思ったより人が入っているなあ。緊張しないといいんだけど。
仁奈「・・・・・・P」
P「どうかしたかい?」
仁奈「・・・始まるまで手を繋いでほしーでごぜーます。」
P「もちろん。」
やっぱ緊張するよね。初舞台だし。
仁奈「・・・ドラゴンの気持ちになるまでお願いするです」
P「いくらでも付き合うさ。頑張ってきたんだからきっと平気だよ」
スタッフ「すいませーん。そろそろ時間でーす」
仁奈「スゥーハァー」
大きく深呼吸
仁奈「いってくるでごぜーます!」
〜〜〜ライブ中〜〜〜
MC「今日のアイドルは〜市原仁奈ちゃんです!」
仁奈「よろしくおねげーします!ドラゴンアイドル市原仁奈です!」
MC「元気いいねー!じゃとりあえず歌ってもらおう!曲は「お願い!シンデレラ!」
仁奈「おーねがい♪シーンデレラ〜♪」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 12:12:24.78 ID:9AQizXoa0
【舞台袖】
P「うん。問題なさそうだ。・・・ん?」
課長「よう。精が出るな。」
P「課長、来てくれたんですか?」
課長「そりゃうちのアイドルのデビューだからな」
P「すごいですよ仁奈、初めてでこれだけできるなんて」
これなら他の仕事もガンガン入れていける。
課長「・・・やっと前の感じに戻ったな」
P「はい?」
課長「事件以来ヤケになってたろ?後追いするんじゃないかとみんなに思われてたんだぞ?お前」
P「・・・えっと」
初耳である
課長「事件に関してはしょうがなかった。熱愛報道と交通事故なんて一社員がどうこうできる問題でもない」
課長「社長もそのへんはわかってる。でもお前はかなり気にしてたろ。担当だし当たり前だな。だから他の所属アイドルの担当に回せなかった。」
P「そうですね。多分他のアイドルの担当になっても、まともに仕事はできなかったと思います。」
課長「でもまあ処分は下さないといけない。だから使ってない部屋に配属ってことにしてもらった」
課長「自主退社するならそれもよし、治ったらもとに戻ってやってもらえばいいってな。」
P「気を使っていただいてありがとうございます。仁奈のことは?」
課長「あれは偶然に決まってんだろ。そもそもうちに15才以下のアイドルなんていねえし募集もしてないんだよ。」
・・・そういえばそうだった。そもそもうちにジュニアアイドルなんていなかった。最年少の及川さんでさえ16歳だ
課長「お前ホントに顔と頭やばかったんだぞ。自分ではわかんなかったか?」
P「・・・」
そんな基本的なことさえ見えなくなっていたんだなあ。
課長「なんで来たのかは最初わからなかったけど来ちまったもんはしょうがない。お前への暇つぶしも兼ねたつもりだったんだぞ?」
P「えぇ・・・」
適当すぎないかおい。
課長「一番近いプロダクションに来ただけってのはちょっとどうかと思ったけどな?」
課長「嬉しい誤算だったのがあの子が思った以上にアイドル向きなこと、お前が子煩悩だったことだな」
・・・子煩悩なのか僕は、そんな年じゃないのに
課長「俺も娘がいるからな。気持ちはわかる。」
P「初耳です」
課長「言ってないからな。お、もう終わるぞ」
MC「市原仁奈ちゃんでしたー!ありがとうございましたー!」
仁奈「みんなーありがとうごぜーましたー!」
\ワアアアアアアアアアアアアアアア/
・・・歓声が聞こえる。仁奈はうまくやってくれたみたいだ
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 12:13:12.35 ID:9AQizXoa0
【モール松坂〜控室】
仁奈「どーでしたかP!がんばったでごぜーますよ!」
P「うん。よくがんばったね。本当にいいライブだったよ」
仁奈「Pもうれしーですか!?」
P「ああ、本当に嬉しいよ。お疲れ様。仁奈」
仁奈「やったー!」
ドラゴンのキグルミで飛び跳ねている かわいい
P「じゃあ着替えて帰ろうか。」
仁奈「はーい!あ、おんぶ!おんぶ!」
P「あー・・・車まででいい?後着替えてからね」
課長「(大丈夫かこいつ?ロリコンになってないか?」
途中から声に出てんぞそこのおっさん
〜〜おんぶで移動中〜〜
【駐車場】
P「ほら、車についたよ。降りて」
仁奈「・・・・・Zzzzz」
あちゃ 寝てしまってるわ。
P「そら疲れるわなあ」
起こさないように後部座席に寝かせて、と
仁奈「うー・・・zz」
P「今日は頑張ったな。お疲れ様。仁奈」
P「それと・・・どうもありがとう。これからもよろしくお願いします」
仁奈「zzzzzzz」ニヘー
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 12:14:30.99 ID:9AQizXoa0
♯8 エピローグ
結論から言うとライブは成功だった。うちのプロダクション初のジュニアアイドルとしてアイドルファンが結構注目していたらしい
独特な口調のキグルミアイドル。市原仁奈は結構インパクトを与えたようだ。
そのせいか営業をしなくても、いろんなイベントやらなんやらの問い合わせがわりと来るようになった。
P「お電話ありがとうございます。114514プロダクションのPと申します。・・・イベントロケに市原を使いたいということでよろしいでしょうか?」
P「ありがとうございます。 スケジュールは問題ありませんのでよろしくお願いします。・・・キグルミの種類はどうなさいますか?」
P「クマで、承知いたしました。こちらに在庫がございますので写真をお送りいたします。では、失礼いいたします」
P「この日はイベントっと・・・」カキカキ
新しく増やしたホワイトボードに仁奈のスケジュールを埋めていく。順調に仕事が増えていると思う。
まあ肝心の仁奈といえば今は
仁奈「カメの気持ちになるですよーzzzz」
亀のキグルミ着てこたつむりになってねているわけだが。
P「仁奈ー次のお仕事決まったぞー」
仁奈「・・・zzzzz」
P「仁奈おきて。次はクマだよ〜」
仁奈「・・・はっ、おはようごぜーます!クマですね!ちょっとまってくだせー」
キグルミを着替えだす仁奈を見守率つこっちも準備する
仁奈「できやがりました!クマの気持ちになるですよ!」
・・・・まあ色々あったけどやっと自分として動き出せたようなきがする。仁奈のおかげだ。一人だと絶対燻ったままだった。
P「・・・絶対トップアイドルにしてやるからな。一緒に頑張っていこう」
仁奈「もちろんでごぜーます!これからもよろしくですよ!」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 12:15:20.90 ID:9AQizXoa0
次回予告
他の所属アイドルと絡みも増えてきた仁奈。順調に仕事をしていたP。
そんな折に課長に呼び出される。現状最年少が16歳、10代が2人だけという状況の危うさをとかれた。
つまり仁奈と仕事に行ったついでにスカウトしたりオーディションに参加するだけでいいそうだ。簡単な話だった
まあ早い話が年の若いアイドルを増やせとのこと。ロリコンに向いているそうだ、失礼な。
とりあえず仕事しながらついででいいや。・・・なんて思っていた時一人の子共に出会う
次回 「市原仁奈物語〜第2話〜元気印の女の子」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 12:15:46.82 ID:9AQizXoa0
次回に続きます
このスレこのまま使います よろしくお願いします。ありがとうございました
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/04(日) 12:41:33.83 ID:L588NsYLo
乙
綺麗な話にくっそ汚いプロ名をなぜ合わせたのか
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/04(日) 16:21:28.90 ID:C+fPCO0Fo
ハートフルなストーリーでほっこりした
なもんでプロ名が謎すぎる
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 21:53:37.84 ID:9AQizXoa0
22時半くらいから第2話の投下をさせていただきます
プロダクション名は一応考えてこれにしました。けしてわるふざけじゃないよ?ほんとだよ?
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 22:24:56.75 ID:9AQizXoa0
そろそろ投下を始めさせていただきます
よろしくお願いします
第2話
「元気印の女の子」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 22:25:33.59 ID:9AQizXoa0
♯1 うちの事務所のアイドル達
【事務所〜第2資料室】
P「・・・・」
仁奈のデビューライブから、少したってコタツの中で仕事をしていたところだった。
P「・・・そろそろ仁奈がレッスンから帰ってくるかな・・・ん?」
・・・走ってくる足音が聞こえてくる 帰ってきたかな?
???「失礼しまーす!!Pさんいるー!?」
違う。仁奈はこんなに大きくはない。
P「・・・姫川さんじゃないですか。お疲れ様です。」
うちの所属アイドルである姫川友紀さん。野球好きのアイドルで、割りと売れている。
友紀「いやーひさしぶりだね!」
P「半年ぶりくらいですかね」
友紀「もうキャンプインだよー!今年のキャッツはやってくれるよ!」
P「いえ、今年はコモドドラゴンズが優勝ですから。」
友紀「・・・・正直厳しいと思うよ?あたしがいうのもなんだけどさ」
P「マツザカが10勝10本打ちますから余裕です」
友紀「ゲレーロいないのに?」
P「・・・まあ正直厳しいとは思います。で、何のようですかね?」
・・・厳しいのはわかってるけど応援するよ。ファンだからね。・・・2回位先発してほしいなあ
友紀「やっと課長から許しが出たからね!」
・・・・なんの?
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 22:27:58.11 ID:9AQizXoa0
〜〜〜説明中〜〜〜
・・・要するに、だ
P「課長から下手に刺激すんなってお達しがアイドルの皆さんにあったと。」
友紀「そーそー!だからみんな会いにもこなかったでしょ?」
相手にされてないわけじゃなかったのか 気ぃ使われてんなあ僕
友紀「で、この前の仁奈ちゃんのライブで課長からお許しが出たんだー」
P「なるほど、で。御用というのは」
友紀「そーれーはー・・・おこたにはいりにきました!」
突然足を入れてきた。ちょっと緊張する
P「・・・お帰りはあちらになっております」
友紀「残念ながらそれは却下!いやーおこたがあるんだって聞いてさー入りたかったんだよねー。あ、ビールある?」
ねえよそんなもん。間違っても持ってくるなよここに
P「みかんと冷蔵庫にジュースとお茶しかないですよ・・・ん?」
さっきより控えめな足音だ。今度こそ仁奈だろう
仁奈「ただいまでごぜーます!」
P「おかえり。お疲れ様。仁奈」
友紀「やっほー仁奈ちゃん!遊びに来たよー!」
仁奈「あ!友紀おねーさん!」
P「知ってたんですか?」
友紀「レッスン場で何回かねー全員じゃなくても当然会えば話くらいするよー」
P「それはそうなんですけども、そんなんきいてないんですが。」
仁奈「友紀おねーさんは教育に悪いからPさんに内緒にしてって言われてました!」
P「誰に?」
仁奈「早苗おねーさんです!」
友紀「ひどっ!」
・・・・片桐さんも人のこといえないんだよなあ。
P「ちなみに仁奈。他に誰と会ったりした?」
仁奈「えーっとですね・・・もう言っていいんでごぜーますか?」
P「え、何?秘密なの?」
仁奈「早苗おねーさんが女の子同士の秘密だから男のPさんには内緒にって・・・」
あー・・・そうやって黙らせてたのか。片桐さんすごいなー。油ものきついだろうからさっぱりしたなにかを奢ろうか。それかポン酒
友紀「もういいんじゃない?あたし来ちゃったし」
仁奈「そーですね・・・えっと・・・早苗おねーさんと、楓おねーさん・・・芽衣子おねーさんに・・・夕美おねーさん」
指を折りながら仁奈が確認している。・・・多いなー
友紀「他にも〜若葉ちゃんと雫ちゃんに亜里沙さん!」
・・・アイドル全員じゃないか。
友紀「あとー鈴帆ちゃんと笑美ちゃんも会いたいって言ってた!」
・・・よその事務所まで来てるのか すごいなー仁奈
仁奈「今日は友紀さんあそんでくれるでごぜーますか!?」
友紀「どんとこいだよ仁奈ちゃん!あ、忘れてた。Pさん」
P「どうかしましたか?」
友紀「課長が呼んでるって伝えに来たんだった」
・・・・早く言ってください
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 22:29:18.58 ID:9AQizXoa0
【事務所〜第2芸能課】
P「失礼します」
課長「よう」
課長はなんかだらだらしていた。
課長「友紀に呼びに行かせたんだけど遅かったな?」
P「聞いたのがさっきだったもので」
課長「ま。友紀だしそうなるな」
P「・・・で、何のようですかね?」
課長「・・・ちょっと場所変えるぞ」
〜〜移動中〜〜
【ファミレス〜緑のオスカー】
課長「ほら。好きなものたのめ。よく来るんだろ?」
P「仁奈がいますからね。ドリンクバーだけでいいですわ」
課長「そうか?遠慮しなくていいんだぞ」
連れてこられたのは仁奈とたまに来るファミレスだった。おっさんと二人でファミレスとかちょっとつらい
課長「・・・・で、用件なんだがな」
P「はい」
課長「お前今のウチの状態把握してるか?」
P「・・・」
うちのアイドルは基本的にアイドルとしては年齢が高い人が多い。元々役者中心の芸能事務所だったこともあり、アイドルとして入る人は少ない
年季を踏んだアイドルにはモデル部署への移動という転向のしやすさもあってアイドル部門にはあまり人材がいないのだ。
なのでオーディションも少なく、サポートできる人員も少ない。モデル部門からアイドルに逆に移った高垣さんという方もいるがあれは例外だ。
課長「ウチは現在アイドルは10人もいない状態だ。十代は2人だけ。20代が中心になっている、みんな優秀ではある。」
課長「今すぐどうこうってわけじゃない。だが数年後どうなるかわからない。まあ、何が言いたいかっっていうとな。」
P「なんとなくわかりました。アイドルのオーディションやるんですね?」
課長「おう、事件のほとぼりも冷めてきたし、市原仁奈という存在のおかげで、社長もも若いアイドルを入れることに前向きな姿勢を見せてくれた」
課長「そこでお前ジュニアアイドル部門のプロデューサーとして、スカウトとオーディションに参加してほしい。」
P「・・・仁奈だけで手一杯なんですけど」
課長「そういうな。だから第2資料室は今日からジュニアアイドルルームになるから、頼んだぞ」
P「・・・わかりました。一応頑張ってみます。」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 22:31:04.50 ID:9AQizXoa0
【事務所〜第2資料室改めジュニアアイドルルーム、略してJルーム】
スカウトとオーディションかあ、まあやるだけやってみよう。
P「ただいまー」
仁奈「おかえりでごぜーます!」
「おかえりー」「おかえりー」「おかえりなさいです〜」
・・・増えてる
P「何やってんですか。及川さん、片桐さん」
早苗「いやーコタツっていいわよねー」
雫「すいませ〜ん。お邪魔してますね〜」
片桐早苗さんと及川雫さん。所属アイドルの二人である
P「まあいいんですけど。お茶しかありませんよ?」
早苗「大丈夫!もうこれでやってるから!」
・・・・一升瓶だった。教育に悪いからやめてほしいなあ。よくみたら姫川さんも缶ビール持ってやがる。どっからもってきた。
雫「私もこれがありますので〜」
牛乳を持っている。あ、仁奈が及川さんの膝の上でくぴくぴのんでいる。ああかわいい
P「あ、牛乳ありがとうございます。及川さんはいていいので」
友紀「ちょっとー!私と早苗さんはー?」
P「子供の前で真っ昼間から酒飲んでる大人たちは教育に悪いのでね」
友紀「真面目だねー!」
早苗「ほんとにね〜」
早苗「とりあえずコタツ入れば?課長なんだって?」
P「あー実はですね・・・」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 22:32:00.00 ID:9AQizXoa0
〜〜説明中〜〜
早苗「へーオーディション再開するんだ」
P「そうみたいです。暇な時に僕にも参加してほしいとのことでした」
仁奈「おーでぃしょん?」
友紀「新しいアイドルが増えるんだよー」
仁奈「ほんとでごぜーますか!」
早苗「スカウトもするの?」
P「まあ平行していけとのことです。とりあえず、仁奈のイベントのついでって感じですかね。」
早苗「しっかしオーディションかあ。ここオーディションとかやるのね」
雫「私はオーディションでしたよ〜楽しくお仕事してます〜」
P「ま。急ぎってほどでもないしいいでしょ」
・・・時計を見る。そろそろでかけなければ
P「仁奈。そろそろ行くよ。今日は羊ね」
仁奈「準備万端でごぜーますよ!」
すでに仁奈が羊に着替えていた、さすがだな仁奈
友紀「・・・すっごい早着替えだね?」
P「キグルミマスター目指してますから」
・・・未だによくわかってないけど
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 22:33:12.49 ID:9AQizXoa0
♯2 公園での出会い〜決して事案ではない
〜〜イベント後〜〜
仁奈「ありがとーごぜーましたです!」
P「よし。帰ろうか、なんかしたいことある?」
関係者各位に挨拶を終えて、帰り支度を始める。最近は身バレが困るので仕事帰りはキグルミ禁止令を出している
仁奈「ちょっと動きたりねーです・・・」
P「じっとしてたもんね今日は」
睡眠グッズのCMのため羊のキグルミだった。つまり全く動かない。と言うか寝たふりだったのだ
仁奈「ダンスでもしたほうがいいですかね?」
P「うーん、流石にトレーナーさん無しでやるのはよくないかな。あ、そうだ」
仁奈「?」
P「そこにアスレチック公園あったからさ。夕方まで遊んでいこうか」
仁奈「・・・わーい!」
仕事は後でやればいい。仁奈が帰ったあとでも全然出来るだろう。そんなこんなで移動しよう
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 22:33:44.22 ID:9AQizXoa0
【アスレチック公園〜グローメル公園】
仁奈「わーい!わーい!」
龍に乗って妙な斧持ったオジサンの肖像がシンボルのこの公園で遊ぶ仁奈に付き合っていた。
しかし子供の体力は底なしだった。僕はすぐバテてしまった
仁奈「P・・・かっこわりーです」
P「ごめん。ホント体力なくて・・・」
・・・激しい運動なんて久しくしてないからなあ、元々運動苦手だし
仁奈「しょうがねーですねー!じゃあ仁奈をみててくだせー」
P「・・・ふぅ」
ベンチに座って風を浴びる。汗かいちゃったなあ。
???「ねーねーダイジョーブ?」
P「・・・ん?」
???「だいじょうぶー?げんきー?かおるがおおうえんしてあげようか?」
P「あ、ああ。大丈夫だよありがとう」
薫「よかったー!かおるもね!すごいげんきだよー!」
P「そうなんだ。それはよかったね」
薫「ねーねー、スーツのお兄さん!あの子と遊んできていい?」
P「・・・仁奈のこと?いいと思うよ」
薫「ほんと!じゃあいってきまー!にーなちゃん!あーそーぼー!」
・・・かおるって言う名前の女の子が仁奈へ向かって駆け抜けていった。すごいなーげんきだなー子供達
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 22:35:18.46 ID:9AQizXoa0
仁奈「たのしかったですよー!」
薫「たのしかったー!」
夕方になって二人が僕のところに戻ってきた。
仁奈「薫ちゃん!また遊ぶですよ!」
薫「うん!ママまだかなー」
どうやら薫ちゃんのママはちょっと用事が入っていてここで遊んでてとのことだったらしい。
ちょっと不用心かな?とも思うが、目の前の建物からちょこちょこ覗いていた女性が多分そうなのだろう
薫「仁奈ちゃんのパパも楽しかった!?」
P「うん。楽しかったよ。僕はパパじゃないけどね」
仁奈「Pは仁奈のプロデューサーでごぜーます!」
薫「・・・じゃあげーのーじむしょのひとなんだ!すごいね!」
P「芸能事務所わかるの?」
薫「かおるねー!まえげーのじむしょにいたんだー!こっちにきてからやめちゃったけど!」
・・・ほう。あ、いいこと考えた、
仁奈「P、どうしたでごぜーます?なんか悪い顔ですよ?」
P「薫ちゃん。仁奈とこれからも遊んでくれる」
薫「いーよ!」
P「実はね。仁奈はアイドルをやってるんだ。今日もお仕事帰りでね」
薫「そうなんだ!すごいね!」
P「・・・薫ちゃんもアイドルやってみない?いいんだったらママさんに僕の方から話に行くけど」
薫「・・・んー、でもかおるアイドルとかよくわかんないよ?」
P「大丈夫!僕もよくわかってないよ。とりあえず遊んでればオッケーだから」
仁奈「キグルミ着るお仕事ですよ!」
P「それは仁奈だけだからね?」
薫「・・・かおる、みんな元気にできる?」
P「うん。絶対」
薫「うん!わかった!かおるアイドルになるー!」
・・・っしゃ!いいね。車で送迎したとはいえそこまで遠くないこのスタジオ。
おそらく学校もそう遠くない。つまり来やすい。送迎も楽だろう。ここは重要だからね
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 22:37:10.04 ID:9AQizXoa0
♯3 新しい仲間
【事務所〜Jルーム】
P「というわけで今日からうちに来ることになりました。龍崎薫ちゃんです。はい!拍手!」
薫「よろしくおねがいしまー!」
パチパチパチパチと拍手の音が聞こえる
早苗「よろしくね薫ちゃん!」
楓「よろしくね薫ちゃん、薫ちゃんのにおいが香る・・・いまいち」
友紀「よろしくね!薫ちゃん」
とりあえず三人だけだけどまあレッスンしてたらみんなにあうだろうさ
P「・・・一応言っときますが、薫ちゃんも入ったのでここでの飲み会はやめてくださいね?」
仁奈を送って事務所に帰ってきたらこの三人が酒盛りをしていた。まったくもってダメ大人の集いだった。しかも僕の分がなかった。
友紀「あははーついね?こたつあったしさーおつまみも冷蔵庫にあったし?」
早苗「そうよそうよ。お新香とかきんぴらあるのが行けないのよ」
・・・それは僕の常備菜だ。タッパーに入れて食事にプラスして栄養バランスのためたべている、帰ってきたらほとんど全滅していた。悲しい
楓「・・・さけはさけられねーです。美味しかったです。ありがとうございました、また作ってきてくださいね?」
・・・なんか悲しくなってきた。大人立入禁止にしてやろうか、でも仁奈が悲しむだろうしなあ
仁奈「わーいわーい!仲間がふえたでごぜーます!」
・・・そんなこんなで薫ちゃんが加わりました。課長の目が何かを訴えていた気がしたけどきのせいだようん
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 22:39:10.00 ID:9AQizXoa0
♯4 薫ちゃんのはじめてのおしごと
【4日後〜フォトスタジオ〜俺の風】
あい「今日はよろしく頼むよ」
薫「よろしくおねがいしまー!」
薫ちゃんの初仕事はうちにいるモデルの東郷あいさんのベールガールだ。東郷あいさんのドレスをもつ係である
ウェディングドレスの撮影なので、子供をつかうということでぶっこんだ。うちの事務所ジュニアモデルがいないので特に障害もなく話がまとまった
仁奈の方は今日一緒に行くアイドルの日下部若葉さんに面倒を頼んだ・・・果てしなく不安だけど
あい「・・・どうかな?」
P「・・・綺麗です。あの、とっても」
あい「ふふ。ありがとう。お世辞として受け取っておこう」
・・・本心だ。かっこいいなあこの人。いやなんていうか失礼かもだけど。僕より身長高いし・・・1cmくらい
薫「あいお姉ちゃんきれーだよー?」
あい「ありがとう。さて。仕事して来ようか。よろしく頼むよ?」
P「はい」
薫「かおるはー!」
P「かわいいかわいい」
薫「わーい!」
あい「さて、そろそろ仕事だ。準備しようか」
・・・・・・・・・・・・・・
撮影が始まった・・・薫ちゃんちょっと表情硬いか?大丈夫だろうか?カメラマンさんも多分気づいている
メインが東郷さんだから大丈夫か?でも薫ちゃんの初仕事なのに、ちょっと急すぎたかも
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カメラマン「お疲れ様でした!いや〜東郷さんよかったですよ!薫ちゃんもお疲れ様!」
薫「・・・」
P「・・・すいません。今日はありがとうございました。薫ちゃん。ちょっといいかな?」
薫「・・・うん」
あい「・・・」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 22:41:42.32 ID:9AQizXoa0
【フォトスタジオ〜俺の風〜控室】
薫「あの、ごめんなさい・・・」
P「・・・謝るようなことは一個もしてないよ。緊張している様子がリアルな結婚式みたいってカメラマンさんも言ってたから結果オーライ」
・・・これは本当だ。だから再撮影はなしだ。メインじゃないしね。しゃがんで薫ちゃんと目線を合わせる
薫「・・・かおるね。笑顔になろうと思ったのに、さつえいが始まったらよくわかんなくなっちゃった・・・」
P「・・・そっか」
薫「ニコニコしようとしたのに、・・・ねえプロデューサーさん。かおるどんなかおしてた?」
P「頑張ってた。それは僕が保証する。薫ちゃん・・・薫は一番可愛かったよ」
薫「・・・ほんと?」
P「もちろん。だってカワイイと思ってなかったらアイドルやろう?なんて言わないでしょ?」
薫「うん」
P「薫はとってもかわいいんだ。・・・今日はちょっと失敗しちゃったって自分で思うならね」
薫「うん」
P「次につなげればいいんだよ。その経験を無駄にしないようにね。・・・ちょっとむずかしいかな?」
薫「・・・わかった!薫次はもっとがんばりまー!」
P「よし、じゃあちゃっちゃと挨拶してご飯でも食べに行こうか。仁奈と日下部さんも一緒にね」
薫「はーい!」
あい「・・・私もご一緒していいかな?」
着替え終わった東郷さんが来た
P「東郷さん。ええ、もちろん。あ、おしゃれな店とかじゃないんですけどいいですか?」
ぶっちゃけいつもファミレスである
あい「・・・ああ。もちろんだ。ふっ」
P「?」
薫「・・・せんせぇ!かおる着替えてきまー!」
P「・・・ん?せんせい?なんで?」
あい「君がまるで先生のようだったからじゃないか?・・・頼りない印象を持っていたんだがどうやら見込み違いだったようだ。すまないね」
P「いえ、事実ですから。」
あい「子供の目線にたって、きちんと理解させられる人間が無能なわけがないだろう?」
私はお役御免だったね・・・か。なるほど、東郷さんは薫ちゃんのフォローをしに来たのか。優しい人だ
薫「せんせぇ!お着替えしてきたよ!」
P「薫ちゃん、そのせんせぇって?」
薫「かおるってよんで!せんせぇはせんせぇだよ!」
P「そっか。わかった行こうか。薫」
薫「うん!」
P「東郷さんもよろしいですか?」
あい「ああ、それと敬語は要らないよ。あいと呼んでくれたまえ。君のほうが年上だろう?」
P「わかりました。とうご・・・あいさん」
あい「・・・固いね。まあいいよとりあえずは」
・・・本当にいいんだろうか
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 22:44:07.53 ID:9AQizXoa0
♯5 エピローグ
【翌日〜Jルーム】
P「・・・何か申し開きはありますか?」
早苗「・・・雫ちゃんがね?実家から牛肉が来たって行ってね?それでしぐれ煮にして持ってきてくれたのよ」
友紀「ねーねーPさん。やっぱここテレビ置こうよ〜Jスポいれよ〜よ〜」
楓「ぎゅうっとつまったしぐれ煮が美味しかったです・・・いまいち」
仁奈「ダメ大人の気持ちになるですよ〜!」
・・・ならないで。お願いだから
P「とにかく、このままだとコタツ撤去の流れを作りますよ?小上がりも片付けます」
仁奈「・・・だめなんでごぜーますか」
薫「薫もコタツはいりたい!」
P「・・・大人立ち入り禁止にかえましょうか」
亜里沙「まあまあおさえておさえて」
P「持田さんまで・・・だめでしょう。仮にもうたのおねえさんが事務所で朝まで酒盛りって・・・」
持田亜里沙さん。国営放送でうたのおねえさんをやっていらっしゃる方だ。こんなん知られたらイメージダウンにも程がある
ウサコ「亜里沙は悪くないウサ〜。様子見に来たらもう始まってたウサ〜」
友紀「異議あり!亜里沙さんもノリノリだったと思いまーす!」
P「異議は却下します。一番反省していない姫川さんは今後4年ドラフト会議のくじが外れる呪いがかかります」
友紀「やめて!?キヨミヤ失敗したばっかりなんだよ!ここ最近ドラフトあんまりよくないんだよ!?」
裕子「今サイキックの話しましたか!?」
・・・なんか知らない子がにゅっと出てきた。
P「つーか自重してください。これだと拡張もできやしない、・・・君はどちらさま?」
裕子「昨日オーディションで受かりました堀裕子です!よろしくお願いします!」
P「ああ、うん。よろしくお願いします?堀さん」
裕子「ユッコでいいですよ!貴方がPさんですね!サイキック仲間とは光栄です!」
・・・電波かな?課長こういう子好きそうだもんなあ。・・・あれ?他にも誰か来る
あい「・・・失礼する」
P「あ、あいさん。どうしたんです?」
楓「あ、あいちゃん。どうしたんですか?」
あい「楓さん、お久しぶりです」
あ、この二人知り合いなのか。そらそうか。元々同じ第一の人だもんな
あい「今日から第2へ異動しました。東郷あいです。皆さんよろしくお願いします」
・・・え?まじで?
あい「君のサポートをしつつ、自分の活動もしていくことになった。なに、心配はいらない。よろしく頼むよ?」
P「え、ああ。よろしくお願いします」
あい「敬語はやめてほしいといったんだがね・・・まあいいか」
楓「・・・あらあら」
・・・何か含みをもたれているような?
P「よし。そろそろお仕事行くぞ二人共。片桐さん。今日はよろしくお願いします」
早苗「よっしゃ気合い入れていくわよ!」
仁奈・薫「はーい!」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 22:45:36.48 ID:9AQizXoa0
次回予告
課長からアイドルのスカウトを命令されたP
ロリコンセンサーに頼るわという発言に不満をもちつつも、出かけることにした
街中をブラブラしていると道に迷った一人の少女が目に留まる。声をかけたら通報されかけた
市原仁奈物語 第3話 クッキングアイドル〜橘ありす
次回もよろしくお願いします
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 22:46:52.03 ID:9AQizXoa0
〜おまけ・課長のオーディション風景・堀裕子編〜
〜回想〜
課長「・・・では、我が114514プロに来た動機を教えて下さい」
裕子「はい!予知夢でここが出てきたので!目的はサイキックをひろめに来ました!」
裕子「特技はスプーン曲げです。むむむ〜」
裕子「・・・はぁ、はぁ、今日は調子が悪いみたいです」
課長「・・・すごい情熱を感じるな。よし!採用だ!」
【事務所〜Jルーム】
裕子「大体こんな感じでした!」
P「うちは基本どんなアイドルでも受け入れちゃうからね。社長の方針だけど、だから名前もいいよこいよなんだって」
だから仁奈が置いて行かれてもしれっと採用してしまうのだ。すごいよねうち。いつかふざけてるとかいわれないだろうか
裕子「ふざけているわけじゃなかったんですね!」
P「ふざけていると思っているのに、入社するって君凄いねえ」
裕子「ありがとうございます!」
・・・いや。ほめてないけど
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 22:48:20.51 ID:9AQizXoa0
〜おまけその2・若葉さんと仁奈〜
【動物園〜ガリア・キルヴァス】
若葉「今日はこちらの動物園に仁奈ちゃんとお邪魔していま〜す」
仁奈「今日はトラさんでごぜーます!がおー」
若葉「元気ですね〜じゃあ一緒に行きましょうか〜」
仁奈「はいでごぜーますよ!」
若葉「見てください仁奈ちゃん。ぞうさんですよ〜」
仁奈「わーい!ぞうさんだー!」
若葉「ふふっ仁奈ちゃん。おててつないでいきましょうね?」
仁奈「はーい!」
こんな感じでずーっと続いたらしい
・・・子供二人の微笑ましさと全力でお姉さんぶる若葉さんが可愛かったので結構評判だったらしい
それを言った日下部さんは喜んでいた。間違っても子供二人とは言わなかったけれど。
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/04(日) 22:49:25.83 ID:9AQizXoa0
今日の投下おわりです ありがとうございました
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