【安価】京太郎「宇宙からの侵略者?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/02(金) 23:21:31.51 ID:CLft6B+40


※注意事項
1.恋愛要素はほぼありません。麻雀要素もほぼありません。小ネタのときだけ安価を募集するかもしれません。

2.京太郎含め、男がたくさん出てきます。

3.モブにオリキャラも多少出てくるかも。

4.数年以上温めて発酵してるssです。ここ数年に出てきた一部の設定との祖語は気にしない。細かいことは気にしない。

5.一部のキャラが辛い目に遭うかもしれませんが、私自身は嫌いなキャラはいませんので、寛大な心で御了承下さい。

6.更新頻度は知らない。

7.ss速報の規定は守りましょう。

8.作者は亦野さんを応援しています。

9.作者はフェイタライザーの復活を待望しています。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1517581291
2 :酉忘れてた ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/02(金) 23:23:55.61 ID:CLft6B+40
【二人、二つ、こころ】

『団体戦、決勝戦終了ぅぅぅぅぅ!!!!』


 一つしかない心臓が、煩く高鳴っている。今までに感じたことがないほどのそれを感じつつ、視線の先に集中していた。


『苛烈な大将戦を制したのは、―――』


 傍らにいる大事な友人たちや、尊敬できる先輩は一体となって感激している。

 皆が眺める先の幼馴染は、呆けたような顔をしていた。

 俺は、ボロボロと涙があふれ出していた。
3 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/02(金) 23:26:14.78 ID:CLft6B+40

 涙の由来はわからない。自分がサポートしてきた仲間たちの本願がかなったからか、自分の終ぞ見出せなかった全国という場を友人が制したからか。

 それもあるだろう。しかし、それだけでこの憑き物が落ちていくような爽やかさを説明することはできない。不思議とそう思う。

 ふと気が付くと、部長がこちらを見て優しそうに笑っていた。

 部長も同じように涙で顔を濡らしている。それを可笑しく思ったのかもしれない

 男の涙(?)を見られた。しかたなく部長に冗談の一つでも言ってやろうとしつつ、恥ずかしくて視線はスクリーンのほうを見た。向こうと目が合う。

 ちょうどその時に、それは起こった。
4 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/02(金) 23:28:57.00 ID:CLft6B+40


 まず、身を九の字に曲げ、左手で胸を抑えた。

 え。

 そして、それまでの笑い顔のまま、口が不細工に引き攣り、むせる。

 何だ、これは。

 視界が真っ白に、いや、眼球の血管の赤が明滅し、平衡感覚を失って膝をつく。

 耳鳴が、うるさい。

 思考が空回りして、ようやく、苦痛を感じて叫ぼうとする。叫べてるのかどうかもわからない。 

 状況を理解する前に、脳裏に発作という文字が浮かび、すぐに否定する。

 違う、これは。視界に何かが映る。岩が、自分へめがけて、ぶつかり。

 そこで気が付いた。これは棘だ。心臓に茨が、二つ目の心臓に。刺さった。溶けて。一つに―――

5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/02(金) 23:31:04.14 ID:kRUGfF+V0
てっきりイナズマイレブンとのクロスかと思った
6 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/02(金) 23:32:15.09 ID:CLft6B+40

「――っ、ちょっと!大丈夫?」

 様子がおかしい自分に、目の前にいた部長が心配そうな顔をしていた。

 その部長の大声に、歓喜していた部員たちも異常に気が付く。

 何とか返答をしようと、息を吸おうとして、吸った。

 そこでようやく、なんともなくなっていることに気が付いた。

「……いえ、すみません。喜びすぎてむせちゃいました」

 困惑しつつ返答をするが、出てきた言葉には違和感がない。自分も本当にそうだったように思える。

 とりあえず、喜びに水を差してしまったことを詫びつつ言うと、皆はちょっと笑うくらいで済ませてくれた。

「はしゃぎすぎだじぇ」

「ふふ、実際に打っていた私たちよりもだなんて、らしいといいますか」

「うるせぇ、来年こそは俺も打つんだ」

「100年……とは言わんが、まだまだそんな風に言える腕には程遠いじゃろうが」

「……」

7 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/02(金) 23:34:15.73 ID:CLft6B+40

 そのやり取りで、いつもの雰囲気に戻る。

 部長だけは何も言わず、まだ赤い目を少し探るように細めてこちらを見つめ、部屋の隅へと誘導された。



「むせただけ……のようには見えなかったのだけれど」

 自分もそう思う。夢のように少しずつ感覚は薄れていっているが、印象はしっかりと記憶に刻み込まれている。

 思い返すと、やはり冷や汗が出てくる。もう何ともない、ないのだが。

 それでも、自分に一体何があったのか、その得体の知れなさに少し気分が悪くなってきた。

「やっぱり、顔色悪いじゃない。目の前で見てたからわかるわよ。……疲れてるんでしょうし、少し休んでなさい」
8 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/02(金) 23:35:58.34 ID:CLft6B+40
「うーん、でも、咲が帰ってきますし」

「大丈夫よ、咲ならほら、まだボケっとしてるわ」


 見てみるとその通りだった。まだ大将戦が終わってからぼーっとしたまま微動だにしていない。ほかの大将が話しかけてるが、上の空で聞いている。

 なごんで少し気分も安らいだが、お言葉に甘えて外に空気を吸いに行くことにした。


「ついでに飲み物でも買ってきま」

「病人でしょう、余計なことはしなくていいの」


 病人……なのだろうか。優しい部長の言葉に感謝しつつも、その単語が心に残った。

9 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/02(金) 23:39:57.21 ID:CLft6B+40


 非常口から外へ出て、深呼吸する。気分はこれで完全に晴れたが、改めてあれは何だったのだろうと考える。

 胸が唐突に痛くなった、というのは紛れもなく発作の症状だ。

 しかし締め付けられるようなものでも、塞がったような感覚でもなく、あれは心臓を刺されたのと同じ感覚だった。

 変な病気じゃなかったらいいが、俺は病気になんてならないはずである。

 考えてもやはり答えは見つからない。そもそも病に詳しくないし、栓のない思考にしかならない。咲が我に返る前に戻ることにした。



 手ぶらで帰るのはどうにも忍びな……変な感じがするので、結局自販機の前まで来てしまった。ついでに自分も買いたかったといえば、部長も許してくれることだろう。

 咲にはお〜いお〇、染谷先輩にはデカビタ、優希にはタコス茶でいいとして、和は今日はどの豆の気分かな……部長は変なのが好きだし、この美容によさそうなミルケアというのでいいだろう。

10 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/02(金) 23:44:37.14 ID:CLft6B+40

「君、清澄の子だよね」


 唐突に話しかけられて、思わずぎょっとした。

 気が付くと真横に女性が立っていた

 そこに立っていたのは、背丈は自分の胸より下だが、なだらかで自然体な立ち様から年下とは思えない。
 よく似合っている白いドレスを着こなしているのだが、似合わない丸い眼鏡と髪を隠すミット帽が色々台無しにしている。
 首元には赤いリボンがついているのだが、思わず指摘したくなるくらいに曲がっている。その下の胸はとても上品だ。素晴らしい人なのかもしれない。

 下に降りて行ってた視線を顔に戻す。口は人のよさそうに笑っていたが、眼だけはまっすぐにこちらを見ていた。

 不審な目でぶしつけに観察してしまったと反省したが、彼女は慌てた様子もなく告げた。


「私は……麻雀ファンなんだ。今年の女子はすごい人ばかりだったけれど、特にこの大将戦はすごかったね。そして貴方たちの大将の子……」
「え、ええと」


 だらだらとまくしたてられるが、あんまり内容にまとまりがなく頭に入ってこない。



11 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/02(金) 23:53:33.82 ID:CLft6B+40

「……あ、ごめんなさい。いろいろ言っても怪しいだろうから、これを」

「はあ」


 名刺をもらう。そこから東京のチームのプロであることは分かったが、アルファベットで書いてある名前は読めなかった。

 なるほどプロか。ならこの奇怪な格好も変装ということだろう。一応は怪しいものじゃないとして警戒をいくらか解いてもいいとして、用件を尋ねる。


「プレゼントがしたいんだ」

「プレゼント?」


 優勝祝い、ということなのだろうか。しかし、表彰式前どころか終わったばかりだ。

 唐突に渡してくるプロなんているのだろうか。やはり怪しい。


「受け取ってくれると、うれしい」

「えーと……」
12 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/02(金) 23:58:05.29 ID:CLft6B+40


 返答に困っていると、箱を押し付けられてしまう。片手で抱えられる程度の大きさだったが、中身を感じさせないほど軽かった。

 揺らしてみると、ゴトっとそれなりの大きさのものが一つ動いた気がした。


「じゃあ、お願いします。貴方が先に開けても構いませんから」

「ええ……、えと、ありがとう、ございます?」


 はにかみながら彼女はペコっと頭を下げる。眼鏡と帽子が少しずれたが、慌てて抑えたられてしまった。その代わり揺れた。

 強引な人だ。怪しいのだが、受け取ってしまったのだから仕方がない。そう、免除してやるとかではなく仕方がないのだ。


13 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/03(土) 00:06:51.58 ID:5Quz2N5C0

 そのまま、彼女は踵を返した。思ったよりも健脚で離れていく彼女に、ふと思いついたことを呼びかけた。


「あの!和に、関係がある人ですか?」


 聞いた彼女は、少し体を震わせて足を止め振り向いた。すでに離れてしまっていたために彼女の顔は伺えなかったが、微かなささやきが聞こえた。


「En ga-- ti- de-」

「...og bekla---, Gra----rer me- gje-----else...」


 何と言ったのだろうか。外国語のようで聞き取れなかった。

 返答をしたような調子ではなかったが、悪いことを言ったような感じでもなかった。申し訳なさそうに祝福する、そんな感じの言葉が似合う気がした。



14 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/03(土) 00:12:47.53 ID:5Quz2N5C0

 彼女が立ち去るのを見届けてから、改めてプレゼントとやらに視線を下ろした。

 ひとまず飲み物を買い、エコバックに入れて歩き出す。

 どうしようか。怪しい人からもらったプレゼントだ。危険なもの、例えば拳銃や札束だったら困る。

 そんな大層なものを持ってくるとは思えないが。

 不安を断つためにも、開けるべきなのだろう。

 それでも躊躇っているのは、何やら誘導されている気がしているからだが……

15 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/03(土) 00:18:11.29 ID:5Quz2N5C0


 考え事をしながら歩いていたら、もう控室の前だった。

 中からはもう咲を祝う声が聞こえてくる。咲の返答は聞こえてこないが、きっと恥ずかしがっているのだろう。

 畜生、出遅れてしまったか。わざわざ飲み物なんて買いに出るんじゃなかったか。 

 だが、試合に出た5人だけにしてあげられたと思えば悪くはないかもしれない。要は考えようだ。

 咲にとっても喜びを最初に共有するのはともに歩んできた戦友がいい。


16 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/03(土) 00:35:01.16 ID:5Quz2N5C0



 廊下に座り込んで、ふぅーっと長い溜息をつく。

 この4か月、たったの4か月なのだと、改めてその長さに驚く。

 高校生になり、新たな道を知り、和たちと出会い、咲を勧誘して、麻雀を本格的に楽しめるようになった。

 見る見るうちに向上していく咲達を見て、かつての自分を想起した。

 始めたばかりの自分は到底追いつけなかったが、今思うと大会でさっさと負けたおかげで彼女たちのサポートに専念できたのだ。

 もちろん悔しい。その悔しさから、ひそかに友人と訓練をしたりして。

 それでも、今日の勝利を見れば、悔しさなんてどうでもいいものだった。

 ふと気が付く。あの涙の意味は、きっとそういうことだったのだろう。俺は最初から、咲や和、皆が勝つ姿を見たかったんだ。



17 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/03(土) 00:38:43.88 ID:5Quz2N5C0


 思えば麻雀をやり始めたのなんて大したことのない由縁だが、それが思わぬ大事なことにつながった。何たる奇縁だ。

 部屋の前で一分くらい経過した。もう入ってもいいころだろう。立ち上がろうとして、例のプレゼントを思い出す。

 あの謎のプロが持ってきたプレゼント。もらった名刺を取り出してみてみる。相変わらず名前は読めない。

 プレゼント、ねえ。自分宛なわけがないが、相手も開けてもいいといっていた。たまには、自分から奇縁を引き込もうとしてもいいだろう。

 麻雀から始まった、不思議な世界をつなぐ。

 そうして箱を開き、中を覗き込んで……


「え」


 入っていたのは、たった一つの。

 それを認識したとき、俺の意識は途切れた。




18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/03(土) 01:06:05.14 ID:PBLz5KSDO
女便器にするの飽きたら他作強姦か?
内輪で好き勝手やるのは百歩譲っても他所様にヘイト撒き散らしてんじゃねぇぞ
糞豚共
19 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/03(土) 02:02:59.93 ID:5Quz2N5C0

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???「……それで、大会はどうなったんだ、須賀?」


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ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
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【清澄高校出身 須賀京太郎】


須賀「そのまま、俺は無傷で血の気を失って倒れているところを直後に発見されました。以上があの大会決勝戦の日の出来事です」

須賀「次に目が覚めた時は翌日、すでに病院でおっさんたちに囲まれてしまっていました」

???「……はあ、もういい」


20 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/03(土) 02:05:45.25 ID:5Quz2N5C0


須賀「いや、本当の話なんですよ。俺があの大会の日で最初の被害者で、そのあとから大量の爆発音が聞こえ始めた」

須賀「らしいです、そうですよね?ハギヨシさん」


             ,..-/:.:.:::.:/.::::..:!:..:.:..:.:\
              //.::.:::/:/:::::::::::::::::::::..::..:.ヽ
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           〃/イ./::::|::i:/!::ハ::|::::::|:::!ハ::::|::::::::::|
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         | !ノi::::::i::!:|.ャ伝テ、:けメ、迂テァ∧|::::|
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           | !ハ!ハ丶    ′   /::::/レ' リ
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【執事出身 萩原】

萩原「ええ、まあその通りです」

須賀「……なんですか、その冷たい目は」

萩原「非常に要領を得ない説明でしたね」

???「ここまで来るのに40分経過したからな」


21 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/03(土) 02:07:52.52 ID:5Quz2N5C0

須賀「手厳しい……数江さんはどう思います?」

             /:/::::::::::::::: :::::::∧"""""""\::::ゝ         
              〈:||:|:::::: :  :::::/ ヽ::::::;::::::::::::|::::: |             
              :| ||::::::::::::::: ::|:::|   | :::::::::|:::|::::  )       
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                |;;::::::ヽ  j     |  |::/ |::丶                          
                          
【平滝高校出身 南浦数江】

数江「……そうですね、ええと」

萩原「答えないでいいと思いますよ、本当に」



須賀「まあ冗談は置いておいて、あの日大会で起きたことで俺が知っているのは以上です」

須賀「謎の女性がやってきて、俺が死にかけて、結果咲達は無事でした」

???「最初からそう言えばいいだろう」

須賀「すみません、口下手でして」



須賀「あの日起きたそれ以外、火災とか爆発音など、あとのことは萩原さんのほうが詳しく知っていますよ」

萩原「では、私が」

???「いや、今日はここまでだ。もう時間がない」

数江「? まだ夜までは時間はありますが」

???「そろそろ、局長が来るだろう」

22 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/03(土) 02:10:37.48 ID:5Quz2N5C0


   /::::::::::::::::::::::/       `´゙,
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   |:::::/ヘヽ:/ -、 -r-ミヽ 〈   !
   |::〈        " `゙´-  ´ノ-‐}
   |:::::、                以/
.  |:::::::;ト、      _,.     i |
.   |::::::ノ  i    /    、 .,ノ/
  |''"´  |,   f´ ー-、__   | /
  /     \, , , ,   ー-ニ\
'´〈_   |    \/ノノ/ /i i / \、
   \  |     \/,ノ///
    \|       /  ̄´

【シニアプロ出身 局長 南浦聡】

聡「皆、揃っているか?」

数江「……お爺様」

聡「ん、ずっと話してたのか? よろしい、親交を先に深めていてくれて何よりだ」

須賀「はい!」

萩原「……」


23 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/03(土) 02:17:50.40 ID:5Quz2N5C0

数江「……何の要件でしょうか」

???(……数江?)

聡「あー……なに、早速だが働いてもらおうというわけだ」

須賀「ええ……」

聡「ああ、初仕事だな、亦野隊」

       彡゙`゙゙゙゙゙`゙゙゙゙゙`゙゙""""ミ                           
       ミ`             ミ               
      ソ; ;:':;:;:':;:.:.:.:.:.:.:.:..'.;.;.;__ .;; ミ                   
      v: ;;            v ミ         
      |i:;:|             |冫|          
      i! ;| ー---.、   ,____ 、|i |                    
     /    Æエ‣⋯    ’ィt‣ェ  l|:      
     〈 「│ ´           l| )                  
      \       ,         /        「Да-с.」     
        i!     ヽ冫      i!               
    !-_.i!i!|i<    :∸∸∸;    /i-_-_                   
  -_-_-_i!i!i|ii!入        i!i! i!i!i-_-_-_                     
-__-_-_!i!i!i!i!i|   \___ /  i!i!i!!!-_-_-_-_                    
-_-_!-_!i!i-_!i!i!i!i!         i!i!i!i!i!iJ-_-__-_  
-_-_-!i!i!i!i!i!i!!i-_!!i!       !i!i!i!i!i!i!-_-_-_-_-_                   
-_-_-_!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i-_i!i!i!    !i!i!i!i!i!i!i!i-_-_-_-_-_                  
-_-_-_-_-_!i!i!i!i!i!i!i!i!i-_-_!i!i!i!i!i!i!-_!i!ii!i-_-_-_-_-_                   
 -_-_-_-_-_-_!i!i!i!i!i!i!i!i!-_-_i!i!i!-_i!i!i-_-_-_-_-_-_                   
【白糸台高校出身 亦野誠子】 


亦野「了解です」


24 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/03(土) 02:56:10.31 ID:5Quz2N5C0



亦野「エイリアンどもを、全員釣り上げてみせましょう」












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 --西暦20xx年、地球は未曾有の危機に襲われた


 前年の日本麻雀IH全国大会を襲った事件を機に、世界的な人気スポーツだった麻雀は影を落とした


 その後、続いて中国、フランス、アメリカ、ロシア、ドイツと各地の麻雀大会にて破壊活動が行われ、国際麻雀連盟は麻雀に対するテロの危険性を注意。


 事件の調査が各機関に依頼され、テロの首謀者は殺害された。事件から半年後のことである。再び麻雀業界に平和が訪れたと誰もが思っていた。願っていた。


 ――6月、長野に襲来した『宇宙人』を発端に、世界各地で奇病が発生


 後に大崩壊と呼ばれるこの事態を機に、少年少女の麻雀を楽しむ安寧は失われた


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25 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/03(土) 03:02:22.71 ID:5Quz2N5C0
ここまで
亦野さんと数江ちゃんのAAを京太郎君にプレゼントします
タイトルの安価というのは消し忘れです
次から本編
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/04(日) 22:21:42.92 ID:pO9iwn4W0
すでに超展開だけど期待
27 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/05(月) 00:21:53.32 ID:GH/834vV0
プロローグ 亦野編@ 【はじまり、はじまり -Давным-давно...-】



 ---新たな扉を開けるとき、私の心臓は強く鼓動を打ち、血液は静かに滾っていく。

 扉の向こう側は、未知が広がっている。

 新たな世界が広がるのを目にするのだ。

 希望、罪、幸福、懺悔、人生、そして運命に満ちた世界を。


 亦、私は扉を前にしている。


28 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/05(月) 00:25:39.94 ID:GH/834vV0
 入り口には、International Ecology and Spece Organization、その下に国際特殊生態研究所と日本語で書かれている。表向きは研究機関だ。
 
 大層な名前に反し、建物はそれほど大きくない。正面から見える範囲では、白い無機質に見える壁が3フロアの町役場程度である。

 腕時計に視線を落とす。まだ開くには早い。

 私は時が満ちるまで、木々の隙間から見える空を見上げて、この広い世界に感覚を延長していく。



 最初の扉は、涙と疲労した心をもって開かれた。
 私の人生はあの時を経て、ようやく動き出した。


 次の扉は、見知らぬ世界で凍えながら開けられた。
 凍えた精神はあの時から、少しずつ解されてきた。


 始めは、既に扉は開いていた。
 出会い、揶揄われ、交流し、鍛え、吐き、慰められ、打ち負かし、そして教えられた。
 遭うことは未知ばかり。赤子の時からやり直した。

 そして、扉の開け方を知った。
 恐怖し、打ちひしがれ、失い、震え、叫び、握りしめ、殺し、そして学ばされた。
 苦痛も罪もある。取り返せない過ちを学ばされた。

29 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/05(月) 00:28:42.06 ID:GH/834vV0
 そして、最後の扉は無力によって閉ざされた。
 だから、私はここにいる。


 学んだからだ。受け入れなければ進めないことを。
 学ばされたからだ。受け入れても学ばなければ意味がないことを。


 ……機は満ちた。私は目を開き、感覚を研ぎ澄ませる。
 中は変わらず気配は伺えない。
 未知の世界。
 そこに一歩近づき、その向こうへと手を伸ばす。

「Можно войти?」

30 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/05(月) 00:30:58.73 ID:GH/834vV0

─────────── … ……

_________

__ __

__



 ……インターホンを押してから、10秒の静寂が流れた。

 しっかり鼓動で数えてから、再び押す。不在を危惧する必要もなく、今度は即座に返答があった。

???『……名前と要件を』

亦野「亦野誠子、ББより派遣されてきました。よろしいでしょうか?」

???『解った、入れ。そのまま進んで突き当りの部屋だ』

亦野「了解」

 扉は目の前で、音もたてずにあっさりと自動で開いた。

31 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/05(月) 00:35:35.42 ID:GH/834vV0
 扉の向こうは、幅3mほどの無機質な廊下だった。ひとまず言われた通りの部屋に向かった。

 再度ノックし、返事を聞いて開ける。中は広い執務室だった。正面の安物そうな椅子に、初老の男が少し姿勢を崩して座っている。

 15x18mほどはあるだろう。入口から左には2mほど、右側には10m以上の間がある。建物の角に位置しているのはわかっていたが、ここまで広いのは想定外だった。

 しかし、その広大な部屋に部屋にあるのは、ただ入口から正面中央あたりにある執務机とその横にある小さなボックス、左手の壁に本棚、そして……、

亦野(長物か……?)

 執務机から出口方面へと床で2m程度、漆黒の棒が伸びている。よく目を凝らせば、長さの異なる同様の棒が異なる方向で、デスクの周りに散らばっている。

 そこまで確認したところで、後方でドアが自動で閉まる。さすが研究所、いい設備だ。

 改めて恐らく上司となる男と視線を合わせた。

???「ご足労だった。まァ楽に……椅子がないな。すまん、備品不足だ」

亦野「お気になさらず。苦ではありません」

???「そうだな、長く座っていると体が訛ってしまう。私も倣おう」

 男が立ち上がり、目線をそれに合わせて上げる。デスクの向こうでは判断できなかったが、即座に立ち上がった背丈は自分よりも一回り大きい。さらに、その姿勢は健常な若者に勝るほどに整っていて、緩やかに着ている法被がよく似合っている。

 立ち姿勢を見て確信する。明らかに武道を修めている者の風貌だ。この散らばっている長物は獲物なのだろう。

 一つ、彼の正体に思い当たるものがある。かつての姿とは老化からか幾分変わっているが、その眼には嘗てとそのままの面影が残っていた。


32 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/05(月) 00:42:59.49 ID:GH/834vV0
???「さて、早速手続きとしようか。なに、とはいっても左程時間をとらん。ただ、幾つか確認をするだけだ、大事なことはその資料に書いてある」

 資料を手渡され、数分の問答をこなした。

???「……覚えることはここまでだ。頭に叩き込んだか?」

 日本人らしからぬ深く響く声がようやく止まる。抑揚は控えめだが他人を聞き伏せるような力強い話し方に感心した。

 亦野は顎を軽く上げ、次いで腕を45度に曲げ、指先までしっかり伸ばした。

???「そこまで畏まりなさんな。ここは一応研究所だ。上下関係はなあなあで済ませられる……はずだ」

亦野「了解……それはありがたいです」

 日本の敬語にもマナーにも慣れていないので安心である。

???「さて、いきなりだが、お前は私の下で、チームを持ってもらう」

亦野「はい。……私が、いきなり役職ですか?」

 私のような17歳(実年齢)の小娘を、いきなり上につけるというのか。

???「お前のことは奴さんから聞いている。まァ、ここは新規部署だ。人員も極めて若い連中ばっかでな」

???「そもそも、私も去年から幹部会に組み込まれて、今この中部局長になってるわけだ」

亦野「はい」

 はいじゃないが。どうやら人材不足に泣きを見ているようだ。

33 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/05(月) 00:44:03.97 ID:GH/834vV0
???「ただし、お前の預かる子らは……少々特殊な奴らだ。手に余るようなら遠慮なく報告してくれ」

亦野「そこは任せてください。私は面倒見がいいほうと高校でも向こうでも言われていました」

???「だといいがなあ……」

 ようやく待っていた書類が受け渡された。受け取りながら軽く目を通す。……通し終わった。

亦野「……資料は以上ですか?」

 名前、年齢、出身。3枚の紙には一人ずつこの三つのみ記載され、顔写真すら空白のままだった。ここまで不備のある履歴書は初めてで、内心呆れる。

???「悪いが、ここはそういう方針だ、……と人事のアイツは言い訳していた」

亦野「いえ、了解です」

 そういう場所とは。

???「そういうこと。まあ、『アレ』からまだ一月程度しか経っていないのもあるだろうがな」

???「まったく、世知辛い世の中だ」

 そこまでで彼は止め、退室を促した。


34 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/05(月) 00:47:31.20 ID:GH/834vV0

 しかしまだ一つ聞いていなかったことがある。立ち去る前にそれを問いかける。

亦野「その前に、貴方の名前を伺っても?」

???「ああ、まだ伝えていなかったか。それはすまん」

 彼は細くも筋張った腕を差し出して名乗った。


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【IESO 中部支部局長 兼実働部長 南浦聡(69)】


聡「南浦聡だ。実働部長を務める。これからしばらくよろしく頼む」

亦野「こちらこそ」

 差し出された手を握ると、やはり老体とは思えない力で合わせられた。


35 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/05(月) 00:50:00.85 ID:GH/834vV0
 それから、私は指定された部屋に向かい、その間に再び渡された書類に目を通していた。

 ……やはり上司の部屋で目を通したことしか見つけられない。

 というのも、内容が空白だらけである。

 名前、年齢、出身。まさか炙って文字が出るような工作などしてない限りは当たり前だが。すぐに飽きて目を離した。

 ただ、幾つか考える余地はある。大したことではないが。

亦野(いや、大したことではある……のか?)

36 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/05(月) 00:54:05.11 ID:GH/834vV0

 一つ、彼らの出身地が共通していること。

 二つ、一人の姓が、上司のそれと一致していること。

 三つ、一人が苗字のみの記載であること。


 ……初見でこれだけしか思うことのない書類も珍しい。これなら判子押すだけの簡単な作業も困りようがない。

 おそらくは試されているのだろう。

 自分の若さからか、前の所属からか、それとも上司である聡か師匠の試練の一環か。
 
 なんにせよ、やることをやるだけ。

 南浦数絵、須賀京太郎、萩原なんちゃらの三名の部下。年齢は全員自分とほぼ変わらず、二人は淡と同じ……一つ下だ。

 南浦聡の言い方も、その出身地からも、一癖も二癖もあるということは容易に想像がつく。

 どんな奴らか楽しみである。

 さあ、亦、扉を開こう。


37 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/05(月) 01:03:28.57 ID:GH/834vV0
もうこんな時間やん。月曜日こわい
キリがいいので区切ります。少しずつ進ませる。亦野編は初日と少しだけだからあと少しだし…
このスレは上の4人がメインです。でも今回亦野さんとお祖父ちゃんしか出てない
38 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/06(火) 21:40:40.25 ID:lT0Gr0RD0


 指定されていたのはブリーフィングルームとして扱われる第二会議室。

 中は、申し分程度のテーブルに、薄型テレビが置いてある。部屋の奥には小型キッチンがあり、冷蔵庫、食器棚と本棚が廊下側に並んでいる。本棚に近づくと、そこには文庫本から料理本、政治書から漫画まで雑多に入っていた。

 リビングかここは。部屋を間違えたわけではない。騙されたのでない限りはここが会議室である。

 トラップでもしかけられているのか。あそこの鍋を開けたら蟲でも詰まっているのだろうか。火炎放射器でも持ってくるべきだろうか。

亦野「……隠れているのなら、出てこい。私はお前たちの上司だ」

 空しく響いた。

 ここ数時間で誰かが立ち入った形跡はない。

 時刻を確認する。扉の前にたどり着いたのは五分前で、現在は約束の4分前になっている。

 5分前行動はロシアでも、この国でも常識である。彼らはラテン式なのか、それとも長野の常識なのか。

39 : ◆n1WwUycRpWcy [saga]:2018/02/06(火) 21:43:54.96 ID:lT0Gr0RD0

 ショルダーバッグに入れていた本を片手に待つこと数分。どうしてやろうかを考えて飽きてきたところで、ようやく数人が部屋に近づくのを感じた。

 多少急いだ足音が大きくなり、二重扉の前で止まる。亦野は静かに内側の扉を閉めると、同時に向こうから一枚を抜けてくるのを感じた。

 一秒、二秒……呆れて、三秒目を待たずにこちらから扉を開ける。

 向こう側の三人は各々の反応を示した。

 金髪で長身の青年は(やってしまった)という顔をしてプルタブに伸ばしたままの手を止めた。

 執事服で身を包んだ長身の黒髪の男は手を胸に当てて丁寧に会釈し、長い黒髪を後ろで束ねた少女は「申し訳ございません」とすまなそうに言いつつ、90度に腰をきれいに折り曲げた。

 私は彼らに笑顔で応えた。

「Здравствуйте, товарищи! Тогда садитесь туда!」
※Google翻訳:こんにちは、同志! そこに座って!


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