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バットマン「グランド……オーダー?」 マシュ「その2です」
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273 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 01:54:38.16 ID:UH/q//8r0
キラークロック「バカな、確かに……」
ヘラクレス「■■■■■■■!!!」シュバ、ドゴォ‼
メアリー「がっ!?」ゴキャリ
キラークロック「クソがア!!」ブンッ
ヘラクレス「……!!」ガシ、ズバァッ
キラークロック「っがぁぁ……!?」ヨロッ
バットマン「何……!」
マシュ「キラークロックさん!!」ダダッ
バットマン「待てマシュ!」ガシッ
274 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 01:55:06.41 ID:UH/q//8r0
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ブォンッ
キラークロック「うぐっ……!」ドサッ
イアソン「馬鹿が! ヘラクレスは十二の命を持っているんだぞ、一度死んだくらいでどうにかなるものか!!」
バットマン「十二の命……!?」
バットマン(聞いた事はある。ライオン、暴れ牛、人食い馬、ケルベロス……神から与えられた試練をこなした英雄、ヘラクレス。どれも過酷で、並の者なら死ぬような試練ばかりだったと……)
バットマン(つまり、このヘラクレスは……あと十一回殺さねば、死なないのか?)
バットマン「……無理だ。我々の船へ戻れ、撤退するぞ!」
ドレイク「アタシもそう思ってたよ! 撤退開始!」
ダビデ「大賛成!」
ボンベ「あいあいさー!!」
275 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 01:55:42.21 ID:UH/q//8r0
ヘラクレス「!!」ババッ
バットマン「……!」ピタッ
ドレイク「そこを退きな!」パァンパァン‼
ヘラクレス「……」ギャギャギャンッ
ドレイク「チィーッ、ただじゃ帰らせてくれないってか!」
ヘラクレス「……ッッ!!」ダダッ
エウリュアレ「え? きゃっ……!」
276 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 01:56:09.33 ID:UH/q//8r0
アステリオス「えうりゅあれっ!!」ガガァン‼
エウリュアレ「アス、テリオス……」
ヘラクレス「■■■■■■■ーー!!」ゴォッ
アステリオス「ここは、通さない……!」ギャリギャリギャリギャリ
277 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 01:56:40.58 ID:UH/q//8r0
イアソン「さて、ヘクトール。使えんお前に仕事の時間だ。ドゥリンダナで黒髭を殺せ。そうすれば、クィーンアンズリベンジ号も消え、余計なモノは海の藻屑と化す」
ヘクトール「へいへい……」ガシャリ
ヘクトール「……」スッ
ヘクトール(黒髭サンよ、アンタに恨みはねえ。むしろここまで全く裏切る隙すら見当たらなかった、最高のリーダーとすら言えるが……ったく、こればっかりは立場を呪うぜ)
ヘクトール「『標的確認、方位角固定……』」
黒髭「……っ」ピリピリッ
黒髭(あ、これやべえ)
ヘクトール「『不毀の槍』(ドゥリンダナ)!!」ブォンッ
278 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 01:57:10.13 ID:UH/q//8r0
黒髭「……チッ」
黒髭(ただで死ぬかよ、クソッタレが)
黒髭「どうせ躱せねえなら……ここで一発、狙い撃ちだァ!」カチャリ
槍「」ヒュォォォォォオォォォォォォ‼
黒髭「……!!」カチッ、パァン‼
槍「」ドシュッ‼
黒髭「っぐ……」
ヘクトール「……っ」ドシュゥ
ヘクトール(へ……最後の弾丸を避けるのは、野暮ってモンだよなぁ……)フラ……
279 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 01:57:38.75 ID:UH/q//8r0
イアソン「何をしているんだ、本当にお前は使えん奴だな! あの程度の弾丸すら躱せんのか!!」
ヘクトール「……大技の後ってのは硬直するもんですぜ、イアソン様よ」
イアソン「口ごたえするな! ……まだ消えんのか、あの忌々しい船は!」
ヘクトール「だから、宝具の魔力は本人が死んだ後もちょっと残留するから……」
イアソン「ええい、うるさい! お前は次の宝具を放つ準備をしろ!」
ヘクトール「……ダメージも負ったんで、ちょい時間掛かりますよっと」
イアソン「使えん……使えん、使えん使えん使えん!! どいつもこいつも! ヘラクレスは何をもたもたしている!!」
280 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 01:58:11.42 ID:UH/q//8r0
キラークロック「……」グ、プルプル……
キラークロック(血が足りねえ。起き上がれねえ。クソ、前にもこんな事があった気がする……)
キラークロック(黒髭の野郎は何をして……ああ、やられちまったのか。……チクショウ)
キラークロック(天罰にしちゃあ、タイミングが悪すぎる……せめて……)
キラークロック(せめて、あの小娘を……逃がしてから……)プルプル
キラークロック「ッグゥ……」ドサッ
281 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 01:58:42.62 ID:UH/q//8r0
ヘラクレス「■■■■■■■……」ギャリィン‼
アステリオス「うあ……」ドサッ
エウリュアレ「そこ!」シュパパッ
ヘラクレス「■■■■■■■!!」グンッ、ドゴォ‼
エウリュアレ「きゃっ……!?」ヒュォッ
マシュ「っあぶない!」ガシッ、ゴロゴロッ
バットマン「フッ!」シュパパパッ
バットラング「「「」」」ヒュォッ
ヘラクレス「……」ギャリリリィ‼
アステリオス「よく、も、えうりゅあれを!!」ガバッ、ブォンッ
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ガギィ‼
282 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 01:59:11.92 ID:UH/q//8r0
イアソン「……あの牛の角が生えたバケモノ。さっきから目ざわりだな……ヘクトール! 宝具で殺せ!」
ヘクトール「……へいへい。でもこっから撃つとヘラクレスに当たるかもしれねえけど」
イアソン「構わん! 一度や二度くらいでは奴は死なん!」
ヘクトール「……りょーかい。『標的確認、方位角固定……』」ズォォォォ
ヘクトール(クソ、やっぱ黒髭の弾丸が痛むねえ。だから狙いが甘くなるのも仕方ねえな、うん)
ヘクトール「『不毀の槍』(ドゥリンダナ)!!」ブォンッ‼
283 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 01:59:38.54 ID:UH/q//8r0
ヒュォォォォォオォォォォォォッ
アステリオス「っ」ガバッ
ヘラクレス「!?」
ドシュッ‼
アステリオス「……あぐ……」ジリッ
ヘラクレス「■■……」ヨロッ
エウリュアレ「あっ、アステリオス……!」
バットマン(アステリオスと、ヘラクレスの胴体を……槍が貫通して……)
アステリオス「にげ、て」
284 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:00:06.03 ID:UH/q//8r0
バットマン「……!」
アステリオス「にげ、て。こいつは、くいとめるから」
エウリュアレ「なにを……何を、馬鹿な事を言ってるの! 逃げる訳がないでしょう! 一緒に……」
アステリオス「ます、たあ。おねがい。にげて」
バットマン「……!!」
アステリオス「ぼくは、だいじょうぶ。かいぶつじゃなくなって、しねるから」
キラークロック(……かい、ぶつ……)
バットマン「……すまない、アステリオス」
エウリュアレ「はあ!?」
285 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:00:34.28 ID:UH/q//8r0
バットマン「撤退しろ! ドレイク、船を移るぞ!」
ドレイク「っ、おうよ! 野郎ども、さっさと船を移りな!!」
ボンベ「で、でも姐御ォ! 牛の坊主が……」
ドレイク「さっさとするんだよ! 坊主が稼いだ時間を無駄にするんじゃない!」
エウリュアレ「嫌よ! アステリオス! このまま逃げるわけには……」
バットマン「マシュ、エウリュアレを」
マシュ「っ……はい、失礼します」ガバッ
エウリュアレ「やめて! 離しなさい! アステリオス!」
アステリオス「……」ニコリ
286 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:01:00.75 ID:UH/q//8r0
アステリオス(えうりゅあれ、なかないで。ぼくは、だいじょうぶ)
アステリオス(むかしは、みんなに、かいぶつってよばれてたけど。えうりゅあれに、あすてりおすって、よんでもらえて、うれしかった)
アステリオス(だから……だから、もう、だいじょうぶ。ぼくはもう、しねるよ)
マシュ「……っ」チラッ
キラークロック「……」フッ
キラークロック(行け、小娘。生き延びろ)
マシュ「……」
ゴゴゴゴゴゴ……ズズズズズズズズ……
287 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:01:27.24 ID:UH/q//8r0
イアソン「……フン、ようやく沈み始めたか」
ヘクトール「一応進言しときますと、あのレベルの大船が沈む時は海に大渦潮ができますから離れた方がいいかと……」
イアソン「言われなくても分かっている。おい、方向転換してこの海域を離れるぞ」
ヘクトール「ヘラクレスは?」
イアソン「奴なら後から泳いで追いつく」
288 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:01:54.78 ID:UH/q//8r0
ドレイク「出発ーーーーー!!!! 全速で渦から離れろーー!!」
帆「」バサァッ‼
バットマン「……」
黒髭の船「」ズズズズズズズズ……ズズズズズズズズ……
バットマン「……」
バットマン(あまりにも、失ったものが多い……)
エウリュアレ「アステリオス……」
289 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:02:23.90 ID:UH/q//8r0
バットマン(……だが、得たものもある)
バットマン「……」ツカツカ
ダビデ「へ? え?」
バットマン「……」ガシッ
ダビデ「うっぷ!?」
マシュ「ま、マスター!?」
バットマン「息子の事を洗いざらい吐け。ダビデ王の息子、ソロモン王の事を」グイッ
ダビデ「そ、ソロモン!? なんで今!?」
バットマン「とぼけるつもりか!?」グインッ、ドッ‼
ダビデ「ぐあ……!?」
ドレイク「おいおい! なんだ、やっと面倒が終わったと思ったらもめごとかい!?」
290 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:03:04.44 ID:UH/q//8r0
バットマン「お前の息子が、この事態を……全て引き起こしているんだ。良いか、三つ数えてやる。それまでに吐かなければ、お前もあの海の大渦の中に叩き込んでやる」
渦「」ズォォォォォォォォォオ……
ドクター『ブルースくん!? どういう事だ、なんでそんな……』
ダビデ「は、吐けって言われてもだな……なんだ、身長体重収入とかかい?」
バットマン「……1……」グイッ
ダビデ「うわっ!? 待て待て、本当に何の話か分からないんだ! 僕は息子の事にはあまり関わって来なかったし、これからもあんまり関わりたくないと思ってる! 多分ろくでなしだし!」プラァン……
バットマン「2……」グググググ……
マシュ「待って下さいマスター! 彼は無関係です!」
バットマン「……」チラッ
マシュ「……」
ダビデ「マジだよ、僕は何も知らない……落としたって何の得にもならないぞ」バタバタ
バットマン「……」ジッ……
291 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:03:44.19 ID:UH/q//8r0
バットマン「……悪かった」スッ
ダビデ「ごほっ、ごほ……ああ、全く! いきなり怒気全開で胸倉をつかんで来るんだ、死ぬかと思ったぞ!」
バットマン「少し焦っていた……」
バットマン(……自分で思った以上に、焦燥が……)
(((犠牲の上に立つのだって辛いものだよ)))
バットマン(……)
バットマン「……とにかく、すまない。平気か」
ダビデ「サーヴァントじゃなかったらとっくに心臓がとまってるよ! あーあー、今日は久々に生娘抱き枕が無いと眠れなさそうだ!」
バットマン「それは許さない」ピッピッ
292 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:04:11.75 ID:UH/q//8r0
バットマン(……ヘラクレス目掛けて投擲したバットラングに小型の接着盗聴器を混ぜた。アルゴナウタイの事情も少しは盗み聞きできるはずだ)ピッピッ、チュウィィィィィィィィィ……
ドクター『ブルースくん、さっきの……ソロモンがなんとかっていうのは』
バットマン「……何でもない。気の迷いだ」
ドクター『そうかい? それにしては随分はっきり……』
バットマン「少し疲れていた。……一度に色々な事が起こり過ぎたんだ」
ドクター『……そうか』
バットマン「そうだ。すまないドクター、盗聴器を起動させ、録音を開始してくれ」
ドクター『オッケー、了解した』
293 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:04:40.80 ID:UH/q//8r0
バットマン「……マシュ達は休んでいろ。疲れただろう」
マシュ「は、はい……あの、マスターは?」
ドレイク「おいおい、キリキリ働いてもらわないと困るよ!」
バットマン「私が後で三倍働こう。それより、今はやるべき事がある」
ドレイク「……冗談のつもりだったんだがねえ。このまま続けて何かするつもりかい?」
バットマン「この程度は疲労の内には入らない。それよりも、敵の狙いを探るのが先だ」
チュウィィィィィィィィィ……ザザッ……
バットマン(……よし、電波をとらえたぞ……!)
294 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:05:26.00 ID:UH/q//8r0
『ザザッ……ようやく帰って来たか、ヘラクレス!』
バットマン(早い……もう復活して船へ戻ったのか。これは確か、イアソンの声……)
イアソン『遅すぎるぞ! それで、あの小娘女神はどうした? 箱は?』
ヘクトール『……アイツらは逃げおおせましたよ。沈む寸前に船を移って』
イアソン『なんだと……!? ヘラクレス! 貴様、何も持たずにおめおめと帰って来たのか!』
ヘラクレス『■■……』
???『ふふ……大丈夫です。つまりこれは、「箱」と「女神」があちらの船に一緒に居るという事……襲って略奪すれば、何もかもうまくいきます』
バットマン(……誰だ、この声は……女の声?)
295 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:05:54.02 ID:UH/q//8r0
イアソン『メディア……そもそもだ。そもそも、「箱」に「女神」を触れさせれば無敵になれるというのは、本当なんだろうな?』
メディア『ああ、愛しいイアソン様……私が貴方様に嘘を吐くハズがありません。どうか信じて下さい。箱と女神が接触すれば、貴方様は真に無敵の存在になれるのです』
イアソン『……フン、そうだったな。神の操り人形になったお前が、嘘なぞ吐くはずもない。分かり切っていた事か。
おい、進路を変えろ。あの女神共を追うぞ』
ヘクトール『はあ〜あ……ザザッ……ザザザザザザザザ……』
チュウィィィィィィィィィ……ブツッ
バットマン「……」
バットマン(盗聴器の電力が尽きた。が、有益な情報も手に入った)
296 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:06:29.94 ID:UH/q//8r0
バットマン(奴等の狙いは箱、そしてエウリュアレ。……『箱』とは何だ……?)
ドクター『ブルースくん、こちらでも音声を聴いてみた。恐らく、箱に関してはマシュとダビデがよく知っているはずだ』
バットマン「……本当か」
マシュ「は、はい。というか、キラークロックさん達に捕まる直前、ダビデさんから少し聞いただけですが……」
バットマン「……」
ダビデ「……櫃の事か。アレは、だな……なんというか、僕とセットで召喚されて、力を殆ど持って行かれた恐ろしいシロモノなんだが」
297 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:06:57.68 ID:UH/q//8r0
ダビデ「古代イスラエルには言い伝えがあった。アカシヤの木でできた櫃、『アーク』には決して触れてはならないと」
ダビデ「中身も伝承で伝わっているだけだ。マナを納めた壺、アロンの杖、十戒の石板。……なにしろ櫃を開けた者が居ないから、それすら本当かどうかは分からない」
ダビデ「だが、ひとつだけ、その櫃に関する真実がある。それは、触れたら死ぬという事だ。誰が触ろうと、どんな理由があろうと、どんな道具を使おうと死ぬ。災いで守られた櫃だ」
ダビデ「……だから、僕は櫃を守っていた。間違っても誰か触らないように、と」
バットマン「……」
298 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:07:23.88 ID:UH/q//8r0
バットマン「……奴らの狙いは、エウリュアレ。お前を櫃に触れさせる事らしい」
エウリュアレ「私を……? 何故?」
バットマン「そうすれば、奴らの首領……イアソンに、無敵の力が付与されると」
ダビデ「まさか。馬鹿な、そんな事はあり得ない。たとえ女神が触れようと、死んで終わりさ。魔力を全部吸い取られて昇天しちゃうよ」
バットマン「……櫃に、そのような力は無いと?」
ダビデ「無いね。召喚されたのは外面の櫃、災いの部分だけだ」
バットマン「……」
エウリュアレ「……あちらの勢力の誰かが、嘘を吐いているとか?」
バットマン「……だとすれば、何のために……」
299 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:08:37.95 ID:UH/q//8r0
バットマン「……それに、問題はそれだけではない」
マシュ「はい。ヘラクレス……ですよね」
バットマン「……十二回、殺さなければならない。キラークロックが一度、そしてアステリオスが一度。計二回削ったが……単純に計算しても、あと十の命が残っている」
エウリュアレ「……」シュン
バットマン「……」チラ
バットマン(……)フム
バットマン「……この話はまた今度にしよう。とにかく、今日はよくやってくれた……各自ゆっくり休んでくれ。ドレイク、この後少し話し合うぞ」
ドレイク「マジで? アンタ、ホントにどういうスタミナしてんだい……」
300 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:09:15.55 ID:UH/q//8r0
………………
ザザァン……ザザァン……
バットマン「……」
ドレイク「……あの時の航行速度から見て、アルゴナウタイの船がこっちに追いつくのは時間の問題だよ。どうする?」
バットマン「……」
ドレイク「……おーい、アンタ。聴いてるかい?」
バットマン「……ああ、聞いている。打開策は……考え得る限り、25通りある」
ドレイク「へえ、そんなに?」
301 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:09:47.69 ID:UH/q//8r0
バットマン「そこからギャンブルの要素を取り除いた場合、策は5つに減る」
ドレイク「ふむ……?」
バットマン「……そして、より確実な手段を取るなら、策はひとつ。つまり……全戦力で、一気にヘラクレスを潰す」
ドレイク「……まあ、確かにね。でもそれが可能かい?」
バットマン「正直に言うが、他に思いついたのはあまりに非現実的すぎる……これが一番マシだ」
ドレイク「ふぅむ……」
302 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:10:32.41 ID:UH/q//8r0
ダビデ「ヘラクレスを『櫃』に誘導して触れさせるっていうのはどうかな?」
バットマン「駄目だ。間違って我々が触れないとも限らない。それに、敵に櫃のありかを教えるような真似は絶対に出来ない」
ダビデ「まあそうですよね!」
バットマン「…………私も一瞬は考えたが。やはり、リスクが高すぎる。すまない」
ダビデ「うん……いや、そこまで傷付いてないからそんなにフォローしなくて良いよ」
バットマン「そうか」
ダビデ「うん」
303 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:10:59.54 ID:UH/q//8r0
バットマン「……恐らく、あちらの『十二回蘇る』という能力は、聖杯があるからこそ保証されている」
ドレイク「そうなのかい?」
バットマン「十中八九はそうだ。……ならば、こちらも聖杯の力を使うまで」
ドレイク「聖杯……っつうと、アタシの?」
バットマン「……ああ、その通りだ。もしもし、レオナルド」ピッピッ
レオナルド『はいはーい、レオナルド・ダ・ヴィンチちゃんですよー?』
バットマン「頼みがある」
304 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:11:33.15 ID:UH/q//8r0
………………
ザザァン……ザザァン……
エウリュアレ「……」ボー
バットマン「……ここに居たのか。明日の作戦を……」
エウリュアレ「……」
バットマン「……すまない。邪魔をした」
エウリュアレ「良いのよ。……ちょっと、そこに立ってて。聴かなくて良いけど、聞いて」
バットマン「……」
305 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:12:14.65 ID:UH/q//8r0
エウリュアレ「……前、私(ステンノ)が見た世界の中に……月に愛されて、狂った男が居たわよね」
バットマン「……」
エウリュアレ「神はそういう存在なの。誰かを愛したら、その者の人生を狂わせてしまう。だから、私、諦めて……ずっと、目を閉ざして生きてきた」
バットマン「……」
エウリュアレ「でも……でもね。今回、ようやく、見つけられたの。馬鹿で、とろくて、でも純粋で、とても……とても、優しい子を」プル……
(((えう、りゅあれ)))
(((ぼくは、えうりゅあれを、まもりたかった、だけ)))
エウリュアレ「……私、分かってたつもりだったのよ。愛したら、狂わせる。破滅させてしまうって」
バットマン「……」
306 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:12:42.19 ID:UH/q//8r0
エウリュアレ「……本当に、馬鹿よね」
バットマン「……」
バットマン「……理性と、エゴだ」
エウリュアレ「……え?」
307 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:13:10.75 ID:UH/q//8r0
バットマン「理性とエゴだ。お前は理性で愛さず、エゴで愛した。アステリオスも同じだ」
エウリュアレ「……」
バットマン「……恐らくそれは、とても大切な事なのだと思う。誰かを愛する時、人は正常では居られない。愛された者も、恐らくは……変わってしまう。そこに、人間や神といった違いはない」
エウリュアレ「……」
バットマン「……だから、……だから、お前は間違っていない。だから、アステリオスは、最期まで笑っていたのだろう」
エウリュアレ「……っ……」
308 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:13:53.66 ID:UH/q//8r0
エウリュアレ「わたし……私、あの子を、愛しく思ってよかったのかしら」
バットマン「きっと、良いハズだ。権利で生きる者は居ない」
エウリュアレ「……私、間違っていなかったのかしら」
バットマン「少なくとも、私から見れば……」
エウリュアレ「……」
309 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:14:20.66 ID:UH/q//8r0
エウリュアレ「ふ、ふふふ。貴方、変わったわね」
バットマン「……」
エウリュアレ「あはははは……そうよ、そうね。少なくとも、ああ、世界は主観的でしかないのだから……」
ツー……
エウリュアレ「……ああ、だから、アステリオス。さよなら」ポロ……
310 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:15:03.85 ID:UH/q//8r0
バットマン「……エウリュアレ」
エウリュアレ「……ええ、何かしら」クルッ
バットマン「明日、作戦を実行する」
エウリュアレ「ええ。良いわ、奴らを叩きのめしてやりましょう」
バットマン「……頼りにしている」
311 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:15:33.63 ID:UH/q//8r0
………………
ヘクトール「前方に船舶を確認! ありゃあ……あー、ゴールデンハインド号だ」
イアソン「フン、ようやく追いついたか。……ん? アレは……停泊しているのか?」
ヘラクレス「■■……」
ヘクトール「そうですねえ、島に停まってます。……待った。島の沿岸にエウリュアレを確認」
エウリュアレ「……視認されたわよ」
バットマン『了解。そのままそこで待機してくれ』
エウリュアレ「はいはい」
マシュ『今更ですけど、これ本当に上手く行きますか……?』
バットマン『……信じろ。コイツの実績は相当なものだ、改造も済んでいる』
312 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:16:02.49 ID:UH/q//8r0
イアソン「……罠か」
ヘクトール「う〜ん……あんまり近寄らん方が良いだろうなあ……」ポリポリ
イアソン「フン、ならばこのヘラクレスで蹴散らすのみだ。どんな罠だろうと、吹き飛ばしてやれ!」
ヘラクレス「■■■■■■■■■■!!」ダンッ
エウリュアレ「ヘラクレスが跳び上がったわ。此方へ来る」
バットマン『了解。始動させる……マシュ、しっかり座れ』
マシュ『は、はい』
313 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:16:31.65 ID:UH/q//8r0
ドッサァァァァァァァン……
ヘラクレス「■■■■■■■……」ムクリ
エウリュアレ「こんにちは、その節は世話になったわね」
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ドスドス
エウリュアレ「ふふっ、良いわよ、もっとこちらへ来なさい……そして……」
……ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……
ヘラクレス「……?」ピタッ
314 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:17:04.32 ID:UH/q//8r0
……ゥゥゥゥゥゥウウウウウ……
ヘクトール「……? なんだこの音は……獣の雄たけびか何かか?」
イアソン「なんだというのだ、ヘラクレス! 止まらず、エウリュアレを……!」
ヘクトール「ちょい待ってくださいな、嫌な予感がビンビン……」
……ゥゥゥゥゥゥゥウウウウウオオオオオオオオオオオ……‼‼‼
ヘラクレス「……?」ジリッ
エウリュアレ「あら、貴方にも聞こえたかしら? そうね、アレは……とてつもなく悪趣味だけど、面白い形をしているわよ?」
ヘラクレス「……」
315 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:17:30.88 ID:UH/q//8r0
イアソン「ヘラクレスッ!! さっさとエウリュアレを連れてこい!!」
ヘラクレス「■■■■■■■■■!!」ドスドス
エウリュアレ「あらあら、クスクス。焦っては駄目。だって……」
グゥウウウウウウウウウウウウウオオオオオオオオオオオオオオオオ‼‼‼‼
ドシュッ、ギギギギギギギギギギギギギィィィィィィィィ‼‼
ヘラクレス「!!」バッ
バットマン(遅い……!!)グイッ
ドガガガガガッ‼‼
316 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/02/27(火) 02:17:59.09 ID:UH/q//8r0
ヘラクレス「……」ドシャッ、ドササササァァァ……
バットマン「……よし、これであと9度の命だ」
マシュ「こ、これ、こんなに、揺れるんですか」
バットマン「シートベルトを締めろ。これからもっと揺れるぞ」
ヘラクレス「……■■■■■■■■■!!」ムクリ
イアソン「なんだ、あの、鉄の塊は……」
ヘクトール「ううおぉ……また、なんつー戦車を……」
バットモービル「」ドドッ、ドドッ、ドドドドドドドドド……
バットマン『……覚悟しろ』
317 :
◆GmHi5G5d.E
[saga sage]:2018/02/27(火) 02:18:25.87 ID:UH/q//8r0
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました
318 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/27(火) 03:23:44.68 ID:FqpmeM1Uo
乙
319 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/02/27(火) 11:26:22.12 ID:qunN5p+h0
バッドモービルって持ち運びできるようなものでしたっけ…?
320 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/27(火) 12:19:26.26 ID:mPUIhA7EO
モービルどっから来たんだよwwwww
流石聖杯様か
しかし悲しい別れが多いね、どっからか何も失わずにクリアできるところがあるといいな
321 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/27(火) 12:42:47.12 ID:nDEaosLHO
てか、このバッドモービルはもしかしなくても四脚戦車になるアレじゃ無いか……
アレなら後、9回殺せるかもわからんね
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/27(火) 13:56:39.00 ID:MqEID52Co
乙
モービルならダークナイトリターンズ版が好きだな
323 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/27(火) 14:05:15.94 ID:zmGhccbvo
今回みたいなバットマンが素直になる系の話としてレゴバットマンは最高の映画だった
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/27(火) 22:14:39.26 ID:Md5iFGT6o
モービルが悪趣味…?
この女神とは分かり合えない
325 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/28(水) 00:38:08.34 ID:7T04VAoOo
ブーディカカッコいいけど、ちょっと寂しい感じ…
死んで教えたり助けたりは無しって言ってたじゃないですか姉さん
326 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:30:33.74 ID:pRO31/Br0
………………
ザザァン……ザザァン……
(化け物め! 殺せ!)
『なん、で。ぼく、なにも、してない』
(あの子が殺されたのも、あの化け物のせいよ!)
『ただ、触れようと、しただけ、なのに。かんたんに、くずれてしまう』
(生贄を捧げます。どうか鎮まり給え)
『ぼくは、いらない。いけにえなんて、いらない』
(やだ! やだあああああ!! 来るな、化け物おおおおおお!!!)
『やめて、いたい、いたい。ころさないで。ぼくは、なにも、しない』
(怪物)
『ちがうよ、ぼくは』
(お前は怪物だ)
『ぼくは、ただ』
(怪物め、死んでしまえ)
『みんなみたいに、みんなとおなじになりたくて』
(あの迷宮には近寄るな。怪物が棲んでいる)
『ただ、かいぶつを、やめたかっただけなのに』
327 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:31:10.61 ID:pRO31/Br0
ザザァン……ザザァン……
(……お前なら治療できるだろうが)
(いやぁ、でも正直拙者のこまやかな愛の対象外って言うか〜)
(つべこべ抜かすんじゃねえ。オレがお前を助けたんだぞ)
(ちぇっ、強引でござるなぁ……)
アステリオス「……?」
328 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:31:44.04 ID:pRO31/Br0
アステリオス「う、うぅ」ムクリ
黒髭「あっちょっと! まだ動いたら駄目でござる!」
アステリオス「ここ、は」キョロキョロ
キラークロック「……フン、しぶとい野郎だ。生き返りやがった」
アステリオス「ここ、は……おまえ、たちは!」ザザッ‼
329 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:32:12.14 ID:pRO31/Br0
アステリオス「ここ、は、どこだ! なんで……うっ」ズキッ
キラークロック「……静かにしてろ。面倒な奴め」
黒髭「ったく、なんでキラークロック殿はイチイチこういうのを助けたがるんだか……」
キラークロック「……黙ってろ」
アステリオス「えう、りゅあれは……えうりゅあれは、どこ……」
キラークロック「無事だ。逃げおおせた。……あの偏屈コウモリ野郎のところなら、まだ安全だ」
330 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:33:00.14 ID:pRO31/Br0
アステリオス「……なんで」
キラークロック「ああ?」
アステリオス「なんで、たすけたの。ぼくは、てきだよ?」
キラークロック「……」
黒髭「そーそー! 助ける必要性皆無だったのに、なんで拙者と牛小僧をおぶって泳いできたんでござるか!」
キラークロック「……ムカついたからだ」
331 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:33:45.03 ID:pRO31/Br0
黒髭「え?」
キラークロック「ムカついたからだ。お前が」
アステリオス「……え?」
キラークロック「それだけだ」
アステリオス「……」
黒髭「……え、拙者は? 拙者はなんで?」
キラークロック「お前はついでだ」
黒髭「酷くないですかな!!??」
332 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:34:18.28 ID:pRO31/Br0
キラークロック「理由なんざ、後で考えてやる。お前はとっとと傷を治せ」
アステリオス「なおして、どうする、の」
キラークロック「悔しくないのか。あの連中はお前を見下してたぞ。取るに足らない化け物が数匹片付けられたと喜んでいたぞ」
黒髭「……」
キラークロック「……復讐だ。滅茶苦茶にしやがって。奴らはいつもそうだ……自分達と違うから、見下しやがって……目に物を見せてやる」
アステリオス「……」
キラークロック「……自分と違うモノに何が出来るのか、見せつけてやる」
333 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:34:56.34 ID:pRO31/Br0
………………
黒髭「……」ヌリヌリ
アステリオス「いたっ……」ビク
黒髭「あーあー動くんじゃねえよ、動かねえだけでだいぶマシになんだから」
キラークロック「……」
黒髭「……」チラ
キラークロック「……」
黒髭「……はぁ」
334 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:35:25.06 ID:pRO31/Br0
黒髭「んで、どうして助けたか、そろそろ教えていただけます?」
キラークロック「……何がだ」
黒髭「俺らをだよ。もう何のかかわりもねえだろ、ほっときゃ良かった。テメェだけ生き残っちまえばよかっただろ」
キラークロック「……」
黒髭「俺は船と一緒に沈んだ方が良かったぜ。船長として、船と共に最期を迎えられねえのは恥だ」
キラークロック「……下らねえプライドで死ぬのか。じゃあ今からでも遅くない、そこに海がある。溺死すりゃあいい」
黒髭「……」
キラークロック「……」
アステリオス「……」
335 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:36:03.73 ID:pRO31/Br0
キラークロック「……チャンスだ」
黒髭「ああ?」
キラークロック「チャンスだ。オレは証明がしたかった。全員に、やり直すチャンスがある事を」
アステリオス「……?」
キラークロック「……ムカついたんだよ。どいつもこいつも、満足そうな顔で、自分を誤魔化して死にやがって……」
(((だから、いつか貴方が、皆にとってのかいぶつじゃなくなった時に)))
キラークロック「……」ジャラ……
黒髭「……」
キラークロック「……オレは、まだ、怪物だ」
黒髭「……はあ? はあああ〜〜〜〜〜???」
336 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:36:42.53 ID:pRO31/Br0
黒髭「何を言うかと思えば……くっだらねえ、見た目の割りに繊細なヤロウだな」
キラークロック「……何だと」
黒髭「取り繕おうとすんじゃねえっつってんだよ! 過去は変えられねえ、俺達はワルだ! この牛の小僧だって、どんだけ取り繕おうが所詮人殺しの怪物だ!」
アステリオス「……」
黒髭「……けど、それがどうしたんだ? ああ? 神サマとかいう大層立派な阿呆から見れば、俺達は皆一緒らしい。なら、あとは俺達のエゴ次第だろうが!」
キラークロック「……」
黒髭「その顔をやめろっつってんだ、ワニ男! 怪物上等、悪党上等! 俺達はどう足掻いてもワルだ、なら……だからこそ、それなりに通す筋ってモンがあるだろうが!」
337 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:37:13.86 ID:pRO31/Br0
キラークロック「……なりたくてなったんじゃねえ」
黒髭「どうせ世界は過程より結果だ、バカヤロー」
キラークロック「クソが……クソが、お前はいつか食い千切ってやる」
黒髭「ああ、俺もお前は嫌いだよ」
キラークロック「フン……」
……ォォォォォォォォオオオオオオン……
キラークロック「今の、聞こえたか」
黒髭「おう、聞こえたぜ」
キラークロック「行くぞ」
黒髭「よっしゃあ!」
338 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:37:42.39 ID:pRO31/Br0
黒髭「何を言うかと思えば……くっだらねえ、見た目の割りに繊細なヤロウだな」
キラークロック「……何だと」
黒髭「取り繕おうとすんじゃねえっつってんだよ! 過去は変えられねえ、俺達はワルだ! この牛の小僧だって、どんだけ取り繕おうが所詮人殺しの怪物だ!」
アステリオス「……」
黒髭「……けど、それがどうしたんだ? ああ? 神サマとかいう大層立派な阿呆から見れば、俺達は皆一緒らしい。なら、あとは俺達のエゴ次第だろうが!」
キラークロック「……」
黒髭「その顔をやめろっつってんだ、ワニ男! 怪物上等、悪党上等! 俺達はどう足掻いてもワルだ、なら……だからこそ、それなりに通す筋ってモンがあるだろうが!」
339 :
◆GmHi5G5d.E
[saga sage]:2018/03/01(木) 02:39:00.63 ID:pRO31/Br0
338は無視して下さい。
340 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:39:37.72 ID:pRO31/Br0
アステリオス「……」
キラークロック「……お前はどうする」
アステリオス「……ぼく」
キラークロック「……」
アステリオス「ぼく、も、いきたい」
キラークロック「……なら、来い。連れて行ってやる」
アステリオス「うん」
341 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:40:11.36 ID:pRO31/Br0
………………
ドドドッ、ドドドッ、ドドドドドドドドド……
コンピューター『ボディ損傷率、10%』
バットマン「マシュ、集中しろ。このモービルの頑丈さはお前にかかっている」
マシュ「は、はいっ! く……」ガシャリ
レオナルド『エンジンの調子はどうだい?』
バットマン「悪くないが、音から察するに前部エンジンが少し損傷している。修理は可能か」
レオナルド『無理だね、使い捨てと割り切ってくれたまえ。一秒の稼働でも甚大な負荷がかかっている、何もしなくても走っているだけで壊れるさ』
バットマン「了解した。早期決着を試みる」カチャカチャ、カチャカチャ……グイッ
バットモービル「」ギュォン、ギュオン……グォォォォォオオオオオオオオッ‼
342 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:40:45.93 ID:pRO31/Br0
ヘラクレス「……■■■■■■■■■!!」ムクリ
バットマン(推察するに、奴が一度死んでから生き返るまでのタイムラグは10秒ほど。できれば反撃する暇もなく潰すのが一番だが、そう上手くもいくまい)
バットマン「……無駄な接触は避ける。ガトリング砲展開」
コンピューター『ガトリング砲、展開します』
砲台「」カパッ、ウィィィィィィ……
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ドスドス
マシュ「きっ、来てますよ!! 敵!!」
バットマン「見えている。ガトリング砲発射開始」ポチッ
コンピューター『ファイア』
ガトリング砲「」ババババババババババババババババババ……‼
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ギャリリリリリリリリリリィ‼
マシュ「ぜ、全部見切って弾いてますよ!?」
バットマン「狙い通りだ」グイッ
バットモービル「」グォォォォォオオオオオオオオッ‼
343 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:41:14.27 ID:pRO31/Br0
マシュ「あああっ、当たります! 轢いちゃいます!」
バットマン「このままだ。コンピューター、轢殺の成功率は」
コンピューター『敵、こちらを目視。体格、技術レベルから計算中……轢殺成功率、55%』
バットマン「轢いた後も射撃を続行するぞ」
バットモービル「」ギュオオオオオオオオオオッ、ガガガッ‼
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ドドッ、ゴロゴロ……
ガトリング砲「」ババババババババババババババババババ……
ヘラクレス「……」チュゥン、ドドッ、グチャチャチャチャ……
バットマン「……」
バットマン(……7、6、5……)
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ガバッ
バットマン(残り8つ)
344 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:41:42.63 ID:pRO31/Br0
イアソン「な、な、な……なんだアレは!」
ヘクトール「いや、俺に訊かれても……分かんねえとしか言えねえっつうか……」
イアソン「なんでもいい、さっさと何とかしろ! 使えん奴だな!」
ヘクトール「あいよ……」カチャリ
ヘクトール(正直、アレを吹き飛ばせる気がしねえんだけど……)
ヘクトール「『標的確認、方位角固定……』」
バットモービル「」ギュオオオオオオオオオオッ‼
ヘクトール(ち、よく動きやがる……)
ヘクトール「『不毀の槍』(ドゥリンダナ)!!」ブォンッ‼
345 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:42:09.04 ID:pRO31/Br0
ガッシャァァァァァァァ‼
バットマン「……! ヘクトールの槍か」
マシュ「きゃっ!? す、すみませんマスター、貫通されました!」
バットマン「問題無い。コンピューター、損傷率を」
コンピューター『損傷率37%。ガトリング砲破損。走行に問題はありません』
バットマン「……ドレイク、エウリュアレ。プランBを開始するぞ」ピッピッ
ドレイク『オッケー、プランBだね。野郎ども、イカリをあげろ、帆を張りな! 大砲の準備だ!』
エウリュアレ『……入るわよ、開けなさい』
346 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:42:38.97 ID:pRO31/Br0
バットマン「第二砲門、開け。ヘラクレスをその場に縫い付けろ」
ガトリング砲「」カパッ、ウィーン……ババババババババババババババババババ‼
ヘラクレス「■■……!!」ギャリギャリギャリギャリィン‼
装甲ハッチ「」プシュー……
エウリュアレ「邪魔するわよ!」ガタッ
マシュ「うわわっ、せまいですね……」ガタガタッ
バットマン「エウリュアレ、何処かへ掴まれ。飛ばすぞ」ガチャ、ガチャリ。ポチッ……グイィィィッ
347 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:43:24.65 ID:pRO31/Br0
エンジン「」ドドォッ、ドドドドドドドドォッ‼
バットモービル「」ギュオオオオオオオオオオッ‼
イアソン「なんだ、奴らめ……逃げる気か! 逃がすな、ヘラクレス! 潰せ!」
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ダッダッダッダッ
バットマン(……瞬間ブーストでも問題なく追尾してくる脚力。つくづくサーヴァントはムチャクチャだ)カチャカチャ、ポチッ
コンピューター『レーダーに飛行体を感知』
バットマン「……」グインッ
槍「」ドサァッ‼
バットマン(……加えて、ヘクトールの槍攻撃の支援は続いている。やはり、これではガトリング砲の照準もブレる……)
バットマン「……ドレイク、準備は良いか」
ドレイク『はいよ、いつでも!』
バットマン「砲撃を開始しろ」
ドレイク『野郎ども! 地獄を見せてやりな!!』
ボンベ『あいあいさー!!』
348 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:44:00.73 ID:pRO31/Br0
ドドォン……ドッサァァァァァァァン‼ ドッサァァァァァァァン‼
イアソン「!? なんだ、奴らは何をやっている!?」
ヘクトール「ありゃあ、船が戦車と並走しながら大砲を撃ってるねえ……やっこさん方、どうあってもここでヘラクレスを潰すつもりらしい」
イアソン「ぐ、ぐぬぬ……どんなに足掻こうと、所詮は猿の浅知恵だ! ヘラクレス! 戦車を潰せ!」
バットマン(……やはり、あのイアソンは自ら戦場に出る、またはヘクトールを此処に参加させて一人になる根性がない。このまま並走し続け、ヘラクレスを潰す)ポチポチッ
コンピューター『アラート。アラート。多数の飛行体を感知』
マシュ「マスター、砲弾が!」
バットマン「……ッ!」グインッ
砲弾「「「」」」ドッサァァァァァァァン‼
エウリュアレ「荒っぽい運転ね!」
バットマン「コンピューター、ヘラクレスは何処だ」
コンピューター『頭上です』
バットマン「……!!」
349 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:44:49.73 ID:pRO31/Br0
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ヒュオオォォォォッ
バットマン「くっ!!」グイインッ
バットモービル「」ギュリリリリリリリリィィィィ‼
ヘラクレス「っ!」ドッサァァァァァァァン‼
バットマン「ガトリング砲撃て!」
コンピューター『第二砲門、射撃再開』
ガトリング砲「」ババババババババババババババババババ‼
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ギャリギャリギャリギャリィン‼
砲弾「」ヒュォォォォォンッ
ヘラクレス「!?」ドグシャァッ‼
バットマン「……」
バットマン(残り、7つ……!)
350 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:45:20.97 ID:pRO31/Br0
槍「」ヒュオオォォォォッガガッ‼
バットマン「なっ……」
コンピューター『ガトリング砲、第二砲門破損。予備武装展開』
エウリュアレ「昨日準備をしたにしては、すごく武装が整ってるのね?」
バットマン「……すまない。予備武装は……」
装甲ハッチ「」プシュー……
エウリュアレ「……なんで出入口が開いたの? なんで私の椅子がせり上がっているの?」
バットマン「予備武装はお前だ。そこから弓を射るんだ」
エウリュアレ「……アナタ、後で覚えておきなさいよね」
バットマン「ムチウチに注意してくれ」ガチャ
351 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:46:04.69 ID:pRO31/Br0
ヘラクレス「……■■■■■■■!!」ガバッ
エウリュアレ「く……!」シュパパパパパ……
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ガキィィィィン‼
エウリュアレ「ナマイキ……!」
バットモービル「」グォォォォォオオオオオオオオッ‼
エウリュアレ「あうっ!?」ガゥンッ
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ドスドスドスドス‼
砲弾「」ヒュォォォォォンッ
ドッサァァァァァァァン!
エウリュアレ「全く……! 騒がしい戦場ね!」ムクッ
エウリュアレ(狙って……! 狙って、撃つ……)カチャ……
352 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:46:34.02 ID:pRO31/Br0
槍「」ドッサァァァァァァァン!
コンピューター『アラート。アラート。飛行体感知。飛行体感知』
バットマン「くっ……」グインッ、グインッ
マシュ「わ、わわわ、わわわわわ……!」ガックンガックン
エウリュアレ「ちょっと! 狙い撃ちさせる気はあるの!?」
バットマン「お前の腕による!」グインッ
エウリュアレ「……言ってくれるわね!」
バットマン「……マシュ!」
マシュ「はい!」
バットマン「エウリュアレをシールドで守れ! モービルへの加護は今は一旦良い!」
マシュ「了解しました!」
353 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:47:03.85 ID:pRO31/Br0
マシュ「失礼します!」ガバッ
エウリュアレ「……良いわよ、そのまま……」
エウリュアレ(盾のおかげで風圧も無い。砲弾も、槍も降って来ない。あるのはただ、目の前の敵と私)
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ダッダッダッダッ
エウリュアレ(……よくもやってくれたわね、アステリオスを。お返しをたっぷりあげるわ……)ググググググッ
エウリュアレ「シッ!」ヒュパゥンッ
矢「」ギュォォォォォッ、ドシュッ‼
ヘラクレス「……■、■……!?」ドサッ
エウリュアレ「……ごめんなさい、心臓を奪っちゃったかしら」フッ
マシュ「お、おおお……カッコいい……」
354 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:47:37.05 ID:pRO31/Br0
バットマン(あと6回……!)
バットマン「ドレイク、あと6回だ。攻撃の手を緩めるな」
ドレイク『あいよ! 野郎ども、気張りな! ここが正念場だ!』
ボンベ『ウッス! 牛小僧の仇、取ってやろうじゃねえか!!』
海賊達『『『オオオオオオーーーー!!!』』』
イアソン「……こ、この……! カス共が、クズ共が、ゴミ共が……!!」ワナワナ
ヘクトール「……」アチャー
イアソン「ヘラクレスッ!! 手を抜くんじゃないッ!!」
ヘラクレス「……」ピクリ
バットマン「……マシュ、エウリュアレ、戻れ……嫌な予感がする……」カチャ、カチャリ
マシュ「……」ゴクッ
エウリュアレ「……」スチャッ
装甲ハッチ「」プシュー……ガコン
ヘラクレス「……」ムクリ
355 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:48:08.85 ID:pRO31/Br0
ヘラクレス「……」ジリ
ドクター『……ブルースくん、ヤバいぞ。ヘラクレスの魔力が、膨れ上がって来ている……』
バットマン「……」
ドクター『仮説として、考えられるのは……十二の試練も終盤になり、何か……リミッターのようなものが、解放されて……』
バギャンッ‼
ヘラクレス「■■■■■■■■■!!」ガンッ、ガンッ、ガンッ‼
バットマン「何……!?」
バットマン(一瞬で、モービルに取りついて……)
エウリュアレ「何をしてるのっ、さっさと走らせなさい!」
バットマン「ッ!!」グインッ
バットモービル「」ギュオオオオオオオオオオッ‼
356 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:48:48.52 ID:pRO31/Br0
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ガン‼ バキ‼ バキャリ‼
バットマン「ク……振り払うために蛇行するぞ、掴まれ!」カチャッ、ポチポチポチッ、グイッ
エウリュアレ「何処に!?」
マシュ「ハッチが壊されます、壊されます!!」
バットマン「マシュ、盾に意識を集中させろ! モービルの強度を限界まで上げるんだ!」グイグイグイッ‼
マシュ「っはい!」ガシャリ
バットモービル「」ギュオオオオオオオオオオッ、グインッ、グイングイングインッ
バットマン「……!!」グイイイイイイイン……‼
マシュ「あわわわわわ……」ガックンガックン
エウリュアレ「この、ヘタクソ、二度とこんなのに乗らないわよ!」ガクガクガクガク
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ガギン‼ ガギリ‼ ドゴォッ‼
バットマン(振り払えない……!)
357 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:49:25.78 ID:pRO31/Br0
バットマン「マシュ! エウリュアレ!」
マシュ「行けます!」
エウリュアレ「ええ!」
バットマン「頼んだぞ!」
マシュ「はいッ!」
装甲ハッチ「」ゴゴン、プシュー……
マシュ「ハアッ!」ババッ
ヘラクレス「!!」バッ
エウリュアレ「そこッ!」シュパッ
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ガギィン‼
358 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:50:02.41 ID:pRO31/Br0
マシュ「たあっ!」ヒュンッ
ヘラクレス「■■■■■■■!!」バッ、ブウン
マシュ「っく……!」ガギィ‼
バットマン「……もう少し、もう少しだ……!」
ドレイク『マシュと女神サマが上に乗ってるけど、砲撃は!?』
バットマン「継続しろ! 二人共、砲弾に注意しろ! コンピューター!」
コンピューター『聴いています』
バットマン「ロケットブースターの使用可能回数は!?」
コンピューター『計算中……あと4回です』
バットマン「……燃料はできる限り温存する……!」
359 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:50:50.74 ID:pRO31/Br0
マシュ「やあっ!」ガガッ
ヘラクレス「■■……!」ガギン‼
砲弾「」ヒュオオォォォォッ
ヘラクレス「!! ■■■■■■■!!」ガッギャァァァン‼
マシュ「そこっ!」シュドッ‼
ヘラクレス「■■!?」ヨロッ
エウリュアレ「降りなさい」シュパッ
ヘラクレス「……!!」ドシュゥッ、ドッサァァァ‼
バットモービル「」グインッ、ギュゥゥゥゥン……
バットマン「よし……」
コンピューター『ボディの損傷率をチェック中……損傷率76%。次にまた大きな衝撃が加われば、走行に問題が出る可能性大』
バットマン「二人とも降りろ。次がモービルの最後の一撃だ」
360 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:51:23.29 ID:pRO31/Br0
ヘラクレス「……」
バットモービル「」ドドッ、ドドッ、ドドドドドドドドド……
バットマン(ヘラクレスの命はあと5つ……)カチャ、カチャリ。ポチッ
コンピューター『緊急脱出装置、準備中』
バットマン「ありがとう」
コンピューター『短いお付き合いでした』
バットマン「……悪くない働きだった」
コンピューター『それはどうも』
ヘラクレス「……■■■■■■■■■!!」ムクリ
バットマン「行くぞ、ロケットブースターを作動させろ!」グイン
コンピューター『了解。ロケットブースター作動』
バットモービル「」グォォォォォォオ……ゴォォォォォォォオオオオオオオオオオッ‼
ヘラクレス「■■■■■■■■■!!」バッ
バットマン「……!!」ポチッ
コンピューター『グッバイ』
バシュゥッ
361 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:51:54.17 ID:pRO31/Br0
バットモービル「」ゴッシャァァァァァァァァァ……ゴアンッ、ゴアン……
バットマン「……」バッ、バサササササササ……スタッ
マシュ「無事ですか、マスター!」
エウリュアレ「ふん、しぶといのね」
バットマン「まだ終わっていない。ヘラクレスの命はあと4つだ」
ゴアン、ゴアン……ガシャリ、ドス、ドス
ヘラクレス「……■■……!!」ドス、ドス
バットマン「……」
エウリュアレ「……」
マシュ「……」
362 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:52:23.19 ID:pRO31/Br0
イアソン「は、はは、ははは……!! カス共が、いくら無い知恵を絞ったところで……ヘラクレスには勝てんッ!! 見ろ!」
イアソン「あの妙な戦車も破壊されたッ!! ヘラクレスの命はあと4つも残っている! あーはははははは!! 楽しませてもらったぞ、ゴミ共!!」
ヘクトール「……一応、俺も加勢に行った方が良いんじゃ……」ポリポリ
イアソン「馬鹿め、お前が居なくては誰がこの俺を守る? メディアのような貧弱な女では無理だ」
メディア「……」ニコニコ
ヘクトール「……」ポリポリ
バットマン(……さて、どう動くか……)
マシュ「マスター、下がってください……危険です」ジリッ
エウリュアレ「……」ググッ
ヘラクレス「……」
363 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:52:56.07 ID:pRO31/Br0
ヘラクレス「■■■■」スッ
エウリュアレ「……?」ジリッ
バットマン(なんだ……? 今まで、片手で構えていた大剣を……両手で、構えた……?)
ヘラクレス「■、■、■」ジッ
マシュ「……!!」
マシュ(本能が警鐘を鳴らす。アレは何度も、自分が体験してきた感覚……それまで力押しだった構えに、明らかな違いが生まれている……!)
マシュ(アレは、技術の、芽吹き……!)ゾワッ
ヘラクレス「……」ダンッ
マシュ「ッエウリュアレさん下がって!!」ババッ‼
ガッギャァァァァァァァァァ‼
364 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:53:37.74 ID:pRO31/Br0
ドクター『ブルース! 危険だ! ヘラクレスの魔力がなおも増大して……』
バットマン「マシュ!」
マシュ「あああああああ!!」ガギィン、ギャリィ、ガガッ‼
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ブン、ブォンッ、ダッ
マシュ「くっ、マスター! エウリュアレさん! 支援をお願いします!」ジリッ、ダダッ
バットマン「シッ!」シュパッ
エウリュアレ「そこ……!」ヒュパパパパパッ‼
矢「「「」」」ギュゥゥゥゥンッ
バットラング「」シュンッ
ヘラクレス「■■■■■■■!!」グルッ、ギリリリリリリィン‼
バットマン(……! たった一閃で弾いた!?)
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ダンッ
バットマン「!!」
マシュ「行かせないッ!!」ガギィ‼
365 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:54:04.99 ID:pRO31/Br0
ヘラクレス「……!!」ググググググッ
マシュ「……!!」ギリギリギリギリ……!
マシュ(猛獣を相手にするのとはわけが違う。これは、命を懸けた戦士のやりとり……!)グググググ……
ヘラクレス「……!」グオッ
マシュ「なっ……」ヨロッ
マシュ(しまった、引き込まれ……!)
ヘラクレス「……」ブンッ
バットマン「させるか……!」シュパッ
ヘラクレス「■■ッ!」ギャリィンッ
エウリュアレ「かかったッ!」シュパパッ
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ドシュシュゥ、ドサッ
366 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:54:37.76 ID:pRO31/Br0
バットマン(ヘラクレスの命、あと三つ……!)
ヘラクレス「……■■■■■■■■■!!」ムクリ
バットマン「蘇生までの時間も短くなっている……! マシュ、まだいけるか!」
マシュ「はい!」
エウリュアレ「ふぅっ、働かせてくれるわね!」
ヘラクレス「……」グム、グムグムグム
バットマン(……?)
367 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:55:04.91 ID:pRO31/Br0
イアソン「ハーハハハハハ! 馬鹿共め! とうとうヘラクレスを本気にさせたな!」
ヘクトール「こりゃ、やべえな。船をちょっとでも島から離した方がいいんじゃないですかい?」
イアソン「必要ないッ! 虫けら共が潰れる様を見ていてやろう!」
バットマン「不味い、何か来るぞ……!」
ドクター『魔力反応、急激に増大! ヘラクレスの宝具が来るぞ!』
バットマン「……!! マシュ、『令呪を以て命ずる』!! 宝具を解放しろ! エウリュアレ、下がれ!」
エウリュアレ「ええ!」
マシュ「っはい!」
マシュ(ブーディカさんは居ない、私の盾を支えてくれる人は誰一人いない……! それでも、やらなきゃ!)
368 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:55:40.17 ID:pRO31/Br0
マシュ「真名、偽装登録……!」
マシュ(私が、私がやらなきゃ……!)
パシ
マシュ「……?」
バットマン「一緒に支えるぞ、離すな……!」
マシュ「……! はい!」ガシャリ
マシュ(……そうだ、一人じゃない……! 信じて、戦うんだ!)
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ググググッ、ダンッ‼
マシュ「『ロード・カルデアス』!!」ギュオオオオオオオオオオオ‼
369 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:56:10.78 ID:pRO31/Br0
ヘラクレス「■■!」ギャリィ‼
マシュ「っ……」ギギッ
ヘラクレス「■■■■!!」ギャリィ、ガァン‼
マシュ「く……!」ジリジリ
ヘラクレス「■■■■■■■■■■■■■■!!」ギャリィ‼ギュリィ‼ギィン‼ギャガァン‼バギィ‼ドゴォッ‼
マシュ「おも、い……!」グググググ
バットマン「……諦めるな……いつか終わる……!」グググググ……!
ヘラクレス「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!」ギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャ……
バットマン「う……うぐ……」ヨロ
マシュ「……あああああああ!!」ググググググググ‼
370 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:56:48.78 ID:pRO31/Br0
ゴォォォォォォォ……
マシュ「……っはあ、はあ……!」シュゥゥゥゥゥウウウウ……
バットマン「……っぐ……」ドサッ
ヘラクレス「……」ドシ
エウリュアレ「良い余興だったわよ、勇者(ヘラクレス)。そしてよくぞここまでの力に至ったものです」
ヘラクレス「……」
エウリュアレ「ええ、私も閉ざした目を開く時が来た……!」
マシュ「……えうりゅあれ、さん……?」
エウリュアレ「離れていなさい。放つわ……『女神の視線』(アイ・オブ・ザ・エウリュアレ)!!」ギュドォッ
ヘラクレス「ッ」ギュガガガッ、ドッサァァァァァァ……
371 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:57:19.57 ID:pRO31/Br0
マシュ「や……やった、やりました!」
エウリュアレ「ふっ、こんなものよ」
マシュ「やった……って、そうだマスター! マスター、ご無事ですか!」ガバッ、ユサユサ
バットマン「う……あ、ああ、無事だ、少し気を失っていただけだ……」
マシュ「やりました、私達、ヘラクレスを……!」
バットマン「……っ、マシュ! 伏せろ!」
マシュ「え?」
ドゴォッ‼
372 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/01(木) 02:57:49.49 ID:pRO31/Br0
マシュ「あぐっ……」ドササササァァァ
エウリュアレ「なっ……」
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ドッゴォ‼
エウリュアレ「うっ!?」ドシャアッ、ゴロゴロ……
バットマン「マシュ! エウリュアレ!」
ヘラクレス「■■■■■■■!!」ゴォッ
バットマン(しまった、宝具を防いで油断したか……! 奴にはまだ、二つの命が残っている!)
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