【ダンガンロンパV3】王馬「ロボット差別王にオレはなる!!V3 」

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289 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/10(土) 22:22:35.78 ID:gKPHsaEnO
春川「…うん、そうだね。外でもいろいろあったしさ…」

アンジー「アンジーはさっきから何がなんだか訳がわからないよー。だから説明がほしいなー誰か説明してくれないかなー」ブンブン

王馬(…これまでに起こったことを簡単に説明した)

百田「キーボが…!?くそ…」

王馬「…とにかくさー今は戻らない?」

春川「うん、そうだね。あいつらも待ってるし…」

最原「あ…ちょっといいかな?」

茶柱「…もしかして、先程の件のことですか?」

夢野「んあ?なんの話じゃ?」

百田「モノクマがどっから湧いてるかっつー話だ」

春川「…どこかに製造する機械でもあるの?」

最原「おそらくね…」

白銀「なるほど!永遠に湧かれても困るし大本を断つんだね!」

天海「……あれ?そういえば、さっきからあんまり襲ってこないっすね。もしかして、モノクマは何体いるか決まってるんじゃないんすか?」

星「確かにさっき見たときも、数が減っていたような…」

アンジー「主は言いました…今すぐ調べるべきでげす、と」

夢野「そうじゃな…今は春川や星もいるしおそらく平気じゃろ。護衛魔法はウチに任せるがよい」フンス

茶柱「転子もいますよ!」グイグイ

夢野「んあーグイグイ来るでない…」

白銀「ちょっと不安だけど…行くしかないよね…」

王馬「そうと決まれば早速レッツゴー!だね」


290 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/10(土) 22:23:44.89 ID:gKPHsaEnO
―女子トイレ前―

天海「ドアが開いてるっすね」

最原「……」観察

最原「…!やっぱりモノクマはこの中からやって来たんだ!」タタタ

真宮寺「証拠でもあったのかい?」

最原「これを見て」ピシッ

王馬「扉の内側にモノクマの爪痕か…これでもかってくらいハッキリと痕がついてるね」

最原「扉の外側に同じような痕はないね…やっぱり中から…。あのさ、茶柱さん…中に入っても…って、え!?」

茶柱「がるるる…仕方が…!ありま…!せんね…ッ!!」ジリジリ

最原「さっきは納得してくれたのに、なんでそんなに威嚇してるのさ!?」

茶柱「頭では分かっているのですが、転子は自分の体が押さえられません!」ムググ

最原「なんとかして!」

茶柱「難しいです…最原さん、今すぐ性転換できませんか!?」

最原「無理に決まってるだろ!」

茶柱「……ふーっ、ふーっ…ならば、転子が頑張って体を押さえてますので、どうぞご自由に調べてください」ニコ

最原「なんか怖いな……えっとお邪魔します」スタスタ

百田「……終一、後は任せたぜ」グッ

最原(…なんだか複雑な気分だ)

アンジー「にゃははー!転子の覇気はすごいねー!」

王馬「最原ちゃん、残念だったね。調べ終わったあと、理不尽に投げ飛ばされる光景が目に浮かぶよ」

星「おい…いつモノクマが襲ってくるかわからねー。調べるなら早い方がいいぞ」

白銀「確かに、ここまで静かだと地味に気味が悪いよね…」

夢野「これではおちおちトイレにも行けんのぅ」
291 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/10(土) 22:25:22.12 ID:gKPHsaEnO
百田「だったらオレも特攻するか!その方があんぜ――グフッ」ドスッ

春川「どさくさに紛れて入ろうとしないで」

百田「いてーよ……」

王馬「たはー!百田ちゃんまでもが変態だったとはねー!これにはオレもビックリだよ!」

夢野(よく言うわい…)

百田「うるせー!調査が目的だ!やましい気持ちなんて一切ねーよ!」

最原「…」スタスタ

最原「……ん、用具入れが開いてる…?」

最原「……え?なにこれ」

白銀「珍百景!?」

茶柱「どうかしましたか!?…はえっ!?なんですかこれは!?」

アンジー「なになにー?見えないよー」ピョン

王馬「見ーせーてー!」ピョン

白銀「王馬君、地味に入っちゃってるし!」

王馬「いいから、いいから!」ピョンピョン

最原「……」フム

王馬「あ、見えた!へー隠し通路なんてあったんだー!」

春川「隠し通路…?」

真宮寺「へェ…それは驚きだネ」

天海「………!まさか…」ボソ

白銀「……」
292 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/10(土) 22:28:52.29 ID:gKPHsaEnO
夢野「して、その先は何があるんじゃ?」

最原「…地下へと続く通路が見えるよ。モノクマの姿は…今は見えないね」

春川「ふーん…じゃああいつらに数に限りがあるってのは間違ってないのかもしれないね」

春川「こんな場所を私達が見つけたって知ったら、あいつら黙ってなさそうだし」

夢野「も、もしやその先は出口に繋がっておるのではないか!?」

アンジー「ってことはーモノクマは外からやって来たの?」

春川「…行けば分かる。なんなら今行く?」

真宮寺「そうだネ…だけどまずはこの情報や今までの情報を全員で共有した方がいいんじゃないかな?」

白銀「でもその間に閉ざされちゃったりしたら…」

天海「………………」

春川「…やっぱ行くだけ行ってみようよ」

百田「ああ、目の前にあるチャンスをみすみす逃すわけにはいかねーぜ」

百田「行かないで後悔するより行って後悔する方がましだ」

星「だがこの人数でゾロゾロ行くのは危険じゃねーか?」

最原「…そうだね、11人もいるとかえって危険かもしれない…」

王馬「んじゃ、さっさと行きたいチームと帰りたいチーム決めようよ。あ、オレは行くよ。だってつまらなくなさそうだしねー!」

春川「私は当然行くよ」

百田「助手が行くのにリーダーが行かねーわけには行かねーぜ!」

最原「僕も行くよ。きちんと自分の目で見届けたいからね」

アンジー「アンジーは戻るねー。小吉達が行けば問題ないって神さまも言ってるしねー」

白銀「わたしは怖いから寄宿舎に戻ってるよ…それに地味に役に立たないだろうしね」

真宮寺「…僕も観察させてもらいところだけど…今は状況を把握したいし戻ろうかな」
293 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/10(土) 22:31:08.83 ID:gKPHsaEnO
夢野「ウチも戻るとするかのぅ…これ以上人数が増えても困るじゃろ?」

王馬「まぁ半々くらいがちょうどいいだろうね」

夢野「じゃあ戻る。…王馬、気を付けるんじゃぞ」

王馬「分かってるって!オレは100万回殺しても死なない男だよ?」

茶柱「では、転子も夢野さん達にお供します。女子のみなさんは安心してください!」

天海「……」

最原「…天海くんはどうするの?さっきから何か考えているようだけど」

天海「……俺も行くっす。確めたいことがあるんで」

星「俺はどうするかな…そっちの戦力は大丈夫か?」

春川「…今のとこモノクマの気配は感じないし、こっちは大丈夫。ナイフあるしね」スッ

王馬「オレもエレクトハンマーがまだギリ使えそうだから大丈夫かなー」スッ

星「そうか。最原と百田と天海は?」

最原「砲丸」スッ

白銀「……」

百田「食堂の椅子」グッ 

茶柱「……」

天海「えーっと……頭脳?」

星「…………」

アンジー「モノクマ相手に頭脳戦するのかー?」

真宮寺「なんか段々頼りなくなって……いや、なんでもないヨ」

白銀「ほぼ言っちゃってるよね…」
294 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/10(土) 22:33:36.97 ID:gKPHsaEnO
王馬「まぁこっちは大丈夫だって。戦力だってこんだけ話しているのにあいつらぜーんぜん来ないでしょ?安全、安全!」

星「…じゃあ、俺も寄宿舎に戻るか。無理すんなよ?」グッ 

王馬「任せといて」グッ

アンジー「じゃあアンジー達はもどろー!」タッタッタ

百田「あいつは全く自分のペースを崩さねーな…」

真宮寺「…ひとりで行くと危ないヨ」スタスタ

茶柱「くれぐれも女子トイレ内を物色しないように!夢野さん、行きましょう」スタスタ

夢野「んあ…じゃあまた後でのぅ」スタスタ

王馬(こうして夢野ちゃん達は寄宿舎に戻っていった)

春川「…行くよ」

王馬(顔を見合わせて静かにうなずき、春川ちゃんを先頭に通路へ足を踏み入れた)

春川「…」コツ…

王馬(何が起こるか分からない通路を進んでいく…)コツ…

百田「…」ゴクリ

王馬(もしかしたらモノクマやエグイサルより、もっとヤバイやつがいるかもしれない…)コツ…

最原「…」コツ…

王馬(もしかしたら首謀者が向こう側から突然やって来てオレ達を皆殺しにするかもしれない)コツ…

天海「…………」コツ…

王馬(地下へと進んでいるからか、少しひんやりした空気。一歩進むごとに増す緊張感)コツ…

王馬(そんな中オレは)

王馬「…………にしし」

王馬(こんな状況がつまらなくないと、心の底から感じていた)

295 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/10(土) 22:34:48.24 ID:gKPHsaEnO
今日はここまでにします、くますみー
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 11:45:14.83 ID:ETcz5yrF0
いよいよだな…
297 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:49:51.66 ID:1hCPiQWWO
>>296
いよいよ…ですが、その前に星視点です

では更新再開です
298 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:50:39.49 ID:1hCPiQWWO
――王馬達が隠し通路を進んでいる間、星達は寄宿舎で待つ東条達の元へ向かっていた。


星「東条、ゴン太!」タッタッタ

東条「…星君、それにみんな!」

ゴン太「みんな無事だったんだね!よかったぁ…」タッタッタ

茶柱「あ…白銀さんが怪我を負っているんです!手当てはしてもらったのですが…一応見てもらえますか?」

東条「大変だわ、さぁ寄宿舎に入って。急いで傷の具合をみましょう」

白銀「ありがとう…」

ガチャ

東条「赤松さん、入間さん。負傷者もいるけれど、みんな無事だったわ」

赤松「本当!?あぁ、よかった…!」

入間「ケケッ、悪運だけはいいんだな!」

赤松「なんだかんだ寂しかったくせに。さっきまでだって部屋にこもって作業してたのに結局部屋の外で作業してたじゃん」

入間「んなことねーよ!キーボやら鉄屑やら増えすぎて場所がなくなっただけだっつーの!」

夢野「んあ?なぜキーボがそのような姿になっておるんじゃ?」

赤松「話せば長くなるよ…」

東条「傷の手当てをしながら説明するわ」

白銀「地味に器用だね…って東条さんだから当然か。朝飯前だよね」


299 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:51:05.99 ID:1hCPiQWWO


星(とりあえず全員でおおまかに情報を共有した)

星(詳しいこと、気になることはこれから話し合う。まずはキーボについてだ)

星(突然キーボが俺達を襲うようになったことについて簡単に説明した)

アンジー「はえーまさか、キーボがメッカメカになってたなんてねー」

真宮寺「改造…ねェ。どうりで最近、あまり姿を見かけなかったわけだヨ」

茶柱「ですが、なぜ突然襲ってくるようになったのでしょう?」

入間「ハッキング、かもしれねーな」

ゴン太「はっきんぐ?」

入間「あいつの体を隅々まで調べてみたらよ。今はぶっ壊されちまってたが、キーボのアンテナがなにかを受信した形跡が残ってたんだ」

赤松「そんなことまで分かるの?こ
こ、研究教室でもないのに」

入間「オレ様の部屋にいろいろ常備してっからな!あんなものやこんなものまで…」エヘヘ

夢野「一体何を…いや、聞かぬ方がよいな」

ゴン太「ええと、その…はっきんぐでキーボ君が悪いものを受信したってこと?そのせいでゴン太達を襲っちゃったの?」

入間「ん〜…まぁ、そういうことだな。頭の悪いデカチンも少しは理解できるようになったみたいだな!」

ゴン太「ありがとう!」

白銀「お礼を言うところじゃないからね…!」

東条「…だけどどこからハッキングされたの?」
300 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:51:39.54 ID:1hCPiQWWO
白銀「…ここにそんなことができる人はいるとは思えないし…あ、入間さんなら可能なのかな?」

入間「はぁぁ!?なんでオレ様がキーボをハッキングして、キーボに襲われなきゃいけねーんだ!意味わかんねーのはテメーの眼鏡だけにしとけ!この眼鏡ブス!」

白銀「眼鏡ブスはさすがにひどいよ…眼鏡とったら、わたし化けるんだからね?」

星「…まぁ、普通はそんな自殺行為はしねーな」

赤松「入間さん、ある意味普通じゃないけどね……」

白銀「…そうだよね。ごめん、入間さん。となると、一帯どこからハッキングされたんだろう…」

入間「くわしいことは研究教室で調べてみねーとわかんねーよ。現時点ではな」

真宮寺「…そのキーボ君のことだけど。モノクマが急に王馬君の元を訪れたり、エグイサルが王馬君を襲ったりモノクマが大量に現れて僕たちを襲ってきたりしたことと関係があるのかな?」

アンジー「襲われてばっかだねー。でもその答えはもう神さまが出してるよ?」

白銀「え、神さまが?なんて言ってるの?」

アンジー「盛り上げたかったんだろうって言ってるぞー!」

白銀「………………」

茶柱「へ?盛り上げる…?誰がですか?」

アンジー「アンジー達をここに閉じ込めてる人だよ」

アンジー「だってモノクマは言ってたよね?これは恋愛バラエティだって。視聴率とりたいとかそんなこと。だから盛り上げるためにこんなことしたんだよ」

真宮寺「フム…確かに有り得そうではあるネ。ここ最近、運動会以外は目立ってイベントとかもなかったしサ」

赤松「…視聴率をとりたいから、盛り上げるために襲ったの!?イベントとして!?」

赤松「私達は見世物じゃないんだよ!?…最低だよ!」

白銀「で、でもこれを見ている人にとっては見世物…なのかな…許せないけどさ…」

赤松「そんなことって…!」
301 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:53:01.63 ID:1hCPiQWWO
星「赤松、落ち着け。まだそう決まったわけじゃねーだろ。気持ちは分かるが冷静にならねーと見えなくなるものだってあるんだぜ」

赤松「………」

赤松「…そうだね。ごめん」

東条「…なぜ一連の事件が起きたのかは分からないわ。手がかりが少ない以上ここで議論しても仕方のないことよ」

ゴン太「そうだよね…ここまでいろんなことが起こっている以上偶然ではないんだろうけど…」

赤松「…………」

夢野「そういえば、先程スイッチがどうとか言っておったがあれはどうなったんじゃ?」

入間「ああ、あれか…あれはまだ解析途中だ」

東条「けれどさっきから、ずっと解析を行っていたわよね?」

入間「あのなぁ、こちとらキーボやら鉄屑の修理で忙しいんだよ!」

東条「…そうね、ごめんなさい。だったら、そろそろ休憩を取った方がいいんじゃないかしら?」

入間「あ?今何時だ?」

星「…朝の6時だ」

入間「いつの間にそんな時間になってたんだよ!」ガーン

茶柱「転子はまだ動けますよ!」フンス

入間「あのなぁ…こっちはテメーみてーな脳まで筋肉じゃねーんだぞ…」ヤレヤレ

入間「しかも、一睡もしてねーんだよ!おまけに2徹だ、2徹!ふざけんな!」

ゴン太「お、落ち着いて入間さん!肌が荒れちゃうよ!」

白銀「問題はそこじゃないと思うけど…」
302 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:54:18.09 ID:1hCPiQWWO
真宮寺「通りでいつもより暴言が多いと思ったヨ」

赤松「いつも通りじゃない?」

真宮寺「…………」

真宮寺「あァ、それもそうだネ」

入間「どいつもこいつもーッ!!」ムッキー!!

東条「入間さん」ガシッ

入間「…ふぇ?」

東条「寝ましょう。私が子守唄を歌ってあげるから」ヨッコイショ

入間「あ、あぁん!無理矢理(部屋に)入れちゃうの…!?」ズルズル

ガチャ パタン…

赤松「東条さんに連れてかれちゃった…」

白銀「わたしも地味に眠くなってきちゃった…」フワァ

東条「だったら一旦休息を取ることをオススメするわ」ガチャ

茶柱「寝かしつけるの早いですね!?」

東条「隠し通路を調べているという王馬君達には悪いけれど…今はモノクマ達もやって来なくなったし、取れるときに休息を取っておくべきだと思うわ」

東条「そうね…10時頃になったらまた集まりましょう。寝る人は遠慮なく寝て頂戴。時間になったら私が起こしにいくから」

赤松「本格的にお母さんみたいになってきたよ…!」

白銀「だったらお言葉に甘えて…おやすみなさ〜い…」スタスタ
303 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:54:48.93 ID:1hCPiQWWO
夢野「ではウチも寝るとするかのぅ…」フワァ

茶柱「で、でしたら転子も共に…!」ハァハァ

夢野「お主さっきまだ動けると言っておったではないか」スタスタ ガチャバタン

茶柱「ぬがあああ!数分前の転子!恨みますよぉ…!!」

赤松「どっちみちダメだったんじゃないかな…」

真宮寺「じゃあ僕も少し休憩してこようかな…」

星(残ったのは東条、赤松、夜長、茶柱、ゴン太か)

星「あんたは眠くないのか?」

アンジー「ん?アンジーは避難してるときにぐっすり寝たから平気なのだー!」

茶柱「よく眠れましたね…モノクマが襲ってくるかもしれないというのに」

東条「赤松さんは大丈夫なの?」

赤松「…うん。大丈夫だよ!寝ることも忘れてピアノ弾いてたこともあるくらいだし!」

東条「そう…時間はわりとあるのだからいつでも休んでね」

ゴン太「そういう東条さんは大丈夫なの?」

東条「ええ。ちょっと外を見てくるわ、じっとしていると落ち着かないし」

ゴン太「あ、だったらゴン太がやるよ!ゴン太は紳士なんだよ?東条さんは女性なんだから休憩して!」タッタッタ

東条「ちょっと待っ……行ってしまったわ」

星「ゴン太らしいじゃねーか。あいつの言葉に甘えて今は休憩をしたらどうだ?」
304 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:55:36.68 ID:1hCPiQWWO
東条「休憩…?そんな言葉は私の辞書にないわ」コンワク

星「じゃあ追加しろ」

東条「…………」

アンジー「……」グー

アンジー「アンジー、お腹空いてきたかもー…」グゥ

茶柱「モノクマとの戦闘でけっこう体力使いましたしね…」グー

東条「…軽食を作りに行きましょうか?モノクマもいないようだし…」

茶柱「ですが、もしものことがあったら…」

東条「私なら平気よ。それに少し働きたい気分なの」

茶柱「ですが…!」

赤松「あ…ちょっと待って!私にいい考えがあるんだ!」

東条「いい考え?」

赤松「うん。えっと、茶柱さんちょっと手伝ってくれない?私の部屋に来てほしいんだ」タッタッタ

茶柱「もちろんです!」タッタッタ

東条「…私が手伝いたかったわ…」ウズウズ

星(うずうずしてるな…)



赤松「ん…しょ…っと!」ドサッ

赤松「はい、まずは飲み物だよ!飲みたい人は遠慮なく飲んで」

星(赤松が重そうに段ボールを抱えてきた)

星「飲み物?」ノゾキコミ

星(…と覗きこんでみると)

星「大量のウーロン茶だと…?それに他の飲み物もたくさん…なんでこんなもんが部屋に?」
305 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:57:20.72 ID:1hCPiQWWO
赤松「ガチャだよ」

星「…は?」

赤松「ガチャ」キリッ

星「…そ、そうか…」

星(ガチャやりすぎだろ)

アンジー「じゃあアンジーは不死の酒フリーにしよーっと!」プシュ
茶柱「え?それってお酒では…」

アンジー「んぐ、んぐ…ぷはぁ!」

茶柱「なんのためらいもなく飲んじゃいましたね!?」

赤松「ノンアルコールだから平気だよ」

アンジー「…にゃはは〜れんこも飲もうよ〜?」フラフラ

茶柱「思いっきり酔っぱらってますが!?」

赤松「え!?」

東条「…おかしいわね」

赤松「うーん…場酔いってやつかな?飲ませるんじゃなかった…」

アンジー「にゃはは〜転子ぉ〜」ギュウ

茶柱「はう!?て、転子には夢野さんが…!」ギュウギュウ

赤松「えーっと、食べ物の方も見てほしいんだけど…」

東条「どれど…!?」ギュ

アンジー「斬美〜」ギュウ

東条「夜長さん…離れてくれないかしら……」

アンジー「んぅ〜?聞こえないなぁ〜にゃはは〜」フラー
306 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:59:43.91 ID:1hCPiQWWO
赤松「アンジーさんが男性だったらセクハラで訴えられてるよ!?」

茶柱「そういう問題じゃないと思いますが…」

星「…ゴン太にも何か渡してくる」ゴソゴソ タタタ ガチャ

茶柱「あっ、星さん、絡まれる前に逃げましたね!?」

ゴン太「あれ、星君。どうしたの?」

星「赤松が飲み物やらなんやら大量に持ってたんだ。どれかいるか?」

ゴン太「わぁ、ありがとう!ええっと…」

ゴン太「あ、ごめん!ゴン太、ここにある飲み物全部苦手なんだ…」ショボン

ゴン太「ごめんね…喉が乾いたらあそこの水道で水を飲むよ」

星「…そうか。まぁだれにだって好き嫌いはあるさ。食べ物はどうだ?」

ゴン太「…あ!うさぎりんごだ!」

星「好きなのか?」

ゴン太「うん!虫さんがね!」

星「…あんたの食いたいもんはねーのか?」

ゴン太「え?ゴン太の……うーん…なんだか変わったものばかりだね…」

星「…確かにそうだな」

ゴン太「じゃあ…この水切りヨーグルトもらおうかな…あと、うさぎりんごもたくさんもらうね」

ゴン太「りんご美味しいなぁ」ムッシャムッシャ

星「…よかったな」

星(…虫さんが好きなんじゃなかったんのかよ、という突っ込みは野暮か?)
307 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 22:04:03.13 ID:1hCPiQWWO
ゴン太「後で赤松さんにお礼を言わないと…星君もありがとうね」ムシャァ

星「ああ、外の見張り頼んだぞ」

ゴン太「うん!」

星(…と中に戻ると)

アンジー「にゃはは〜おーい転子ぉ!もういっぱぁ〜い」ニヘラ

茶柱「もうこれ以上は駄目ですってば!っていうかこれ、ほんとにノンアルですよね!?」

アンジー「いいからぁ〜」ギュウ

茶柱「はうあ!?」

赤松「茶柱さ〜ん、私にもついでぇ〜」ムギュ

茶柱「あうぅ……んっ!?なんで赤松さんまで酔ってるんですか!?」ゴーン

東条「……………星君。これ、本当にノンアルコールなのかしら…」ゴクゴク

星「そう書いてあるが…ってあんたも飲んでるのか。平気なのか?」

東条「ええ。……平気よ。それより掃除しないと…」シャカシャカ

星(そう言いながら東条は歯磨きを始めた)

星(なぜ歯磨き?どこからそのセットは取り出した?掃除……確かに歯の掃除はしているな、うん)グルグル

星(…じゃねーよ!……あんたも酔ってるだろ。これってノンアルじゃなかったのか?もしくはあんたら、疲れてるのか?)グルグル

アンジー「転子〜…いい胸してるなー!」モミ

茶柱「きゃう!?あああ、アンジーさんセクハラです!!」カァァ

赤松「ぐへへ〜お嬢ちゃん、スカートめくっちゃうぞ〜」ペラ

茶柱「はぅあ!?赤松さん、セクハラ親父ですか!?」ガーン

東条「掃除、掃除…」シャカシャカ

星「……」

星(ここが地獄か)ズーン

308 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 22:05:00.72 ID:1hCPiQWWO
今日はここまでにします、くますみー
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 12:09:10.65 ID:267XQAOv0
地獄というより天国じゃね?と思ったけどそういえば星さんにエロ本見せた時も渋い顔されたな…
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 19:08:44.89 ID:6JhgiN2ho
ノンアルコールって言っても実際は0.5%くらい入ってたりするし
疲れてると酔いやすくなる。だからおかしくないな
311 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:46:47.05 ID:BXuZnDamO
>>306 訂正
星(…虫さんが好きなんじゃなかったんのかよ、という突っ込みは野暮か?)

星(…虫さんが好きなんじゃなかったのかよ、という突っ込みは野暮か?)


>>309
軽い気持ちでえっちな本を読もうかを選択して後悔した思い出…

>>310
そうです!だからおかしくないです!!(ごり押し)

では更新再開です
312 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:47:13.97 ID:BXuZnDamO


王馬「…………にしし」

百田「…なに笑ってんだよ、テメーはよ」

王馬「え?ワクワクするなぁって」

百田「ワクワクだと…?」

王馬「先に何があるか分からない。何が出るか分からない。ね、ワクワクするでしょ?」

王馬「それにほら…ここ、幽霊とか出そうじゃん…?」

最原「そうかなぁ…どっかっていうとゾンビ…あ」

百田「ゆゆ、幽霊だとぉ!?ゾンビだとぉ!?」バッ

春川「なっ…!?」ギュウ

百田「こ、こんなところにいるわけねーだろ!!」

春川「………ッ!」プルプル

最原「ちょっと、百田くん!何度過ちを繰り返すの!?」

王馬(何回も春川ちゃんに抱きついてるのか…)

天海「…転んだりしたら危ないっすよ?」

春川「ふざっ、けないで!」ドゴォッ

百田「ごふっ…!」

春川「はーっ、はーっ…!」カァァ

王馬「ねぇ早く行こうよ」

天海「王馬君のせいっすよね?」

王馬「え、なんのこと?」

最原「ホントやめてよ…」
313 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:47:48.84 ID:BXuZnDamO
王馬「オレは空気を和ませようとしただけだよ?むしろ褒め称えてよね!」

春川「…」バシッ

王馬「なんで叩くのさ!」ヒリヒリ

春川「叩いてって言ったからだけど…」

王馬「称えてって言ったんだけど!ひどい聞き間違いだよ!」

天海「こらこら兄弟喧嘩は止めるっす」

春川「は?誰がこんなやつと兄弟だって?殺されたいの?」ギロ

最原「火に油を注いでどうするんだよ…」

春川「…早く行こうよ」スタスタ

百田「おいひとりで行くな、ハルマキ!」

コツコツ…

王馬(長い通路の先…そこは)

王馬「扉?」

百田「出口か!?」

天海「……………」

最原「開きそう?」

春川「うん、多分ね。よっ…っと」

ゴゴゴゴゴ

王馬(扉の先に足を踏み入れる。そこは…)
314 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:48:15.69 ID:BXuZnDamO
最原「…なんだ、この悪趣味な部屋は…」ボソ

王馬(悪趣味。その言葉が確かにピッタリくるかもしれない)

王馬(派手な壁、飾り、ソファ。全然オレの趣味じゃないよ。まぁオレの趣味なんて関係ないだろうけど)

春川「…こんな部屋があったなんてね」

百田「出口じゃねーみてーだな」ガッカリ

王馬「あーあ、ガッカリだよね…」

百田「…そうだな。だが、調べてみればきっと何か手がかりを見つけることができるはずだ!」

王馬「時々、百田ちゃんのその呑気さが羨ましくなるよ」

百田「誰が呑気だって!?」

王馬(怒鳴ってくる百田ちゃんを無視してその辺を物色しようと思ったが)

春川「……」ジー

王馬「やっぱそれ気になるよねー」

王馬(赤い布が被せられた”それ”はこの部屋において異常なほどの存在感を放っていた)

王馬「モノクマ製造機ってどこにあるのかなー?怪しいところにありそうだよねー?」

百田「もしかしてこれがそうなのか…?」

最原「いかにも…って感じだね」

春川「布、取るよ?」バサッ

王馬「もう取ってんじゃん…って」

マザーモノクマ「きゃーー!!春川さんのエッチー!!」
315 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:49:31.07 ID:BXuZnDamO
百田「モノクマだと!?いや…頭だけ…なのか?」

春川「……」スゥ

最原「待って!まだ壊さないで!」アセアセ

春川「分かってる。こいつを脅すだけ」

マザーモノクマ「怖いよー」ウエーン

王馬「…で、お前はなんなの?」

マザーモノクマ「なんなの?今、なんなのとおっしゃいましたね!?」

マザーモノクマ「よくぞ聞いてくれました!ボクはすべてのモノクマの祖となる存在なのです!そしてマザーモノクマという特別な名前が与えられているのだー!」

百田「…ってことはやっぱり、テメーがスペアを作ってたんだな!?」

マザーモノクマ「うん、そうだよ!ほら、背後に素晴らしい機械が見えるでしょ?」

マザーモノクマ「これでモノクマの型を作って、ボクの思考をコピーするんだよ」

天海「…なんでそんなにあっさり情報を教えるんすか?」

マザーモノクマ「んー?あえて言うなら…盛り上げるため、かな

春川「…私達をここに連れてきた目的は?」

マザーモノクマ「最初に言ったでしょ?恋愛バラエティうんぬんだよ」

春川「それは変わらない…か。じゃあ誰が連れてきたわけ?」

マザーモノクマ「さぁねー!そもそもそんな人いるのかな〜?」

春川「…ちっ」
316 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:50:05.77 ID:BXuZnDamO
王馬「その辺のことは意地でも教えないつもりみたいだね。じゃあ代わりに今夜起こったことについて聞かせてもらおうか」

王馬「じゃないと問答無用でぶっ壊すよ。…春川ちゃんが!」

春川「は?あんたの言うことなんて聞くわけないじゃん」

王馬「え!?そんな!前世で交わしたかもしれない血の契り的ななにかを忘れたっていうの!?」

百田「テメーも覚えてねーじゃねーか…っていうか、嘘だろーが」

王馬「嘘じゃないって!」

百田「いや嘘だろ!」

王馬「ホントだって!」

春川「そんなことしてる場合じゃないでしょ…」

マザーモノクマ「こらこら喧嘩しない、しない!」

マザーモノクマ「分かったよ、答えてあげる!」

最原「…ずいぶんあっさり答えるんだな?」

マザーモノクマ「まぁそれくらいなら別に問題ないしね!ノープロブレムなのだー!」

最原「…じゃあまず僕から聞こうか。大量のモノクマを製造して外に出るよう命令を下したのはお前か?」

マザーモノクマ「イエス!」

春川「じゃあそいつらを私達を襲わせたのもあんた?」

マザーモノクマ「Yes!」
317 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:50:43.62 ID:BXuZnDamO
百田「ちっ…!とんでもねーことしやがる…怪我人だって出たんだぞ!?」

百田「なんでこんなことしやがった!?」

マザーモノクマ「うぷぷ…盛り上げるために決まってんじゃーん!」

天海「……一体誰が盛り上げようとしてるんすか?俺としてはそこが一番気になるんすけどね」

マザーモノクマ「あのさぁ、ゆとり世代じゃないんだから自分で考えようよ」ヤレヤレ

王馬「分かった!じゃあ考えてみるね!うーん、誰だろうな〜」

王馬「…あ、関係ないけどオレの部屋に来てぶっ壊されたことも覚えてんの?」

マザーモノクマ「あぁ、あれね。もちろん覚えているよ。うぷぷ、あのときは痛かったんだよ?」

マザーモノクマ「まぁ、大量に出産したときの痛みに比べれば、かわいいもんだったけどね!」

春川「大量に出産?…やっぱりモノクマの数は限られてたんだね」

マザーモノクマ「うん、まぁね。とりあえず20体くらいで産むのやめたんだ」

マザーモノクマ「子育ての費用もバカにならないし、大学までちゃんと行かせてあげたいからね」

春川「バカらしい…全部ぶっ壊したっていうのにさ」

王馬「……でもさ、いつものモノクマと今回の大量のモノクマってなんか、普段のモノクマと違う感じしたんだよね」

天海「違う…?」

王馬「なんていうか……そう、知能がない感じ?だって、がおーとかそんなことしか言ってなかったでしょ?」

最原「…確かにそうだね。攻撃に特化しただけのロボットって感じだった」

百田「オレらを見ただけで襲ってきやがったもんな…」

マザーモノクマ「うぷぷ…実は…」

マザーモノクマ「………」
318 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:53:35.19 ID:BXuZnDamO
春川「言いたいことあるならさっさと言いなよ」

マザーモノクマ「…うっうっ…実は…我が子にもっと強くなってほしかったんだ…!」

天海「強く…っすか?」

マザーモノクマ「…だって長男は王馬クンにあっさり壊されちゃったでしょ?」

マザーモノクマ「だからボクは…次に産まれてくる子達はもっと元気に育ってほしいと願ったんだよ」

春川「そんな前置きいらないよ、壊されたいの?」

マザーモノクマ「せっかちだなぁ……ボクはね、愛を込めたんだ、とびっきりの愛をね」

春川「……はぁ?」

百田「愛だと?わけわかんねーこと言ってんじゃねーよ」

王馬「っていうか、ロボに愛なんてあるわけないじゃん」

マザーモノクマ「むかー!あるに決まってるでしょ!ボクは愛を込めたの!」

最原「ロボットであるモノクマに愛なんてないだろうし…隠語?」

王馬「じゃあ適当に言っていこう!えーと、水!」

マザーモノクマ「ぶっぶー!」

天海「電気っすかね?」

マザーモノクマ「ぶっぶー!!」

王馬「ヒントちょーだい!」

最原「なんでクイズみたいになってるんだよ…」
319 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:55:50.05 ID:BXuZnDamO
マザーモノクマ「えーヒントー?いいよ!」

百田「あっさりヒント出すのかよ」

マザーモノクマ「キミ達、スマホ持ってる?…ほら、なんとかバスターとか入れてない?」

百田「…おい、まさかよ。コンピュータウイルス…なんてこたぁねーよな?」

マザーモノクマ「うぷぷ、正解!ピンポンピンポーン!」

王馬(ウイルス…?なんか聞き覚えがあるような…どこで聞いたんだっけ)

王馬(………!)

王馬(そうだ。入間ちゃんがキーボのことを話しているときに、言っていたんだ…!)


キーボ『なにかの…ウイ…ルスが…ボクの中に……』ガガガッ


王馬(もしかして…キーボも?)

春川「コンピュータウイルス、か…」

百田「…オレも感染したことあるぜ。オレんときはパソコンの画面がおかしくなっちまったんだよな」シミジミ

王馬「へー、なんで感染したの?」

百田「…あ?そ、そりゃまぁ……」

百田「…」

王馬「んーどうしたの?言えないの?」

百田「べ、別になんだっていいだろーが!オメーには関係ねーよ」

王馬「にしし!オレには分かるよー。エッチなサイト見たんでしょー!」
320 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:57:48.38 ID:BXuZnDamO
百田「!?」

春川「ッ!?」

最原「…………」

天海「……」

王馬「あらら図星だった?百田ちゃんってば見た目通りムッツリだなぁ」

百田「みみみっ、見てねーよ!オレがそんなの見るわけねーだろーが!」

春川「………………」ジロ

百田「ハルマキもそんな目で見んじゃねーよ!オレのこと疑ってんのか!?」

春川「………別に、あんただって男だもんね」プイッ

百田「思いっきり疑ってるじゃねーか………まぁいい。…よくねーけどな」

百田「で…マザーモノクマは今回大量に作ったモノクマ共にウイルスを感染させた…ってことでいいんだよな?」

春川「でも、そんなウイルスなんて本当にあるわけ?」

春川「そいつが嘘ついてる可能性だってあるよね?」

天海「その可能性はあるっすけど…エグイサルとかモノクマがいるくらいっすからそんなウイルスが作られてもおかしくないかもしれないっすよ?」

春川「まぁ……そうか。ここでは今までの常識が通用しない時もあるもんね」

王馬「ホント参っちゃうよね、ウイルスなんてさぁ」

王馬「オレ達は人間だったからいいけど…人間じゃなかったらどうなってたか分かったもんじゃないよ」

王馬「…ねーモノクマー?」

マザーモノクマ「……んー?どういうことかな?」
321 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 22:00:57.71 ID:BXuZnDamO
王馬「あはは、やだなー。しらばっくれないでよ、ロボットの癖に」

春川「あんた、さっきから何が言いたいの?」

王馬「あぁ、オレ思ったんだよねー。モノクマにウイルスが効くなら他にも効きそうなやつがいるんじゃないかってさ」

王馬「キーボとか……さ」

マザーモノクマ「……」

春川「もしかして…キーボがおかしくなったのは、こいつが原因なわけ?」

百田「おい、どうなんだモノクマ!」

王馬「沈黙は肯定とみなすよー?」

マザーモノクマ「……」

百田「…入間が調べたら、原因だって分かるかもしれないし、ここで黙ってても仕方ないと思うぞ?」

王馬「あはは、そうだね!入間ちゃんってほんっと便利だねー!」

最原「そういう言い方はどうかと思うけど……その通りだよ」

百田「…さっさと吐いちまった方が楽になるぜ?」

王馬「ロボットだから楽とか感じないだろうけどねー」

百田「だーっ!いちいちうっせーな、テメーはよ!」

春川「…壊されたくなかったら、答えなよ」スッ

マザーモノクマ「あーはいはい分かったよ。入間さんが調べるまでもないよ。だって同じウイルスが検出されるだろうしね」
322 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 22:03:25.40 ID:BXuZnDamO
天海「それはキミがキーボ君にウイルスを送り込んだ…ってことでいいんすね?」

マザーモノクマ「愛だって!…まぁキーボクンはボクの子供でもなんでもない赤の他ロボなんだけど、愛は平等だから…ね?」

天海「…」

百田「くそっ、ムカつくヤローだぜ…!」

天海「…………だけど、どうしてこんなに情報を…」ブツブツ

天海「…なんかきな臭いっすね」ブツブツ

王馬「……」

王馬(……他に聞き出す情報を…あ)

王馬(…そうだ。ちょっとモノクマのスペアでも作らせてみようかな、ホントかどうか分かんないし)

王馬「ねぇねぇ、モノクマ!試しにスペア1個作ってみてよ」

百田「なんで作らんすんだよ?また襲いかかってきたらどーすんだ?」

王馬「オレとしては、いろいろ確認したいんだよね。製造できるのかとかウイルスのこととかさ」

最原「そうだね…嘘を言ってる可能性もあるし一応、確認はしておきたいな」

マザーモノクマ「…」

最原「…作らないのか?」

マザーモノクマ「愛もないのに産めるわけないじゃない!」

王馬「は?ロボに愛とかあると思ってんの?いいから産めよ」

マザーモノクマ「…」
323 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 22:04:58.27 ID:BXuZnDamO
春川「さっさと産んでみなよ。すぐにぶっ壊すけどね」

マザーモノクマ「…」

天海「……産んでください」

マザーモノクマ「…」

最原「どうしたんだ?産めって言ってるんだ、聞こえないのか?」

マザーモノクマ「あぁんもう、しつこいなぁ!産んだ後の事とか考えてるの!?無責任に産めだなんて言わないでよっ!」

百田「いいから産めっつってんだろーが!」

マザーモノクマ「嫌でーす!」

春川「ちっ…」

最原「…………」フム

王馬(結局その後も何回も産むように言ったけど、マザーモノクマはモノクマを産まなかった…)



マザーモノクマ「そんなに産ませたいの……?でも、あなたたちには屈しないわ!」ゼーゼー

王馬「はぁ、ダメみたいだね。諦めようか」

最原「…えっと他に聞くことはあるかな?」

春川「…あるけど、どうせこいつが答えないことだろうから私はもういいよ」ハァ

天海「俺としても聞きたいことはあるっすけど…才能のこととか。ま、どうせ答えないでしょうね」

百田「おいオメーら――−」

王馬「みんなそんなに簡単に諦めたらダメだよ!」

百田「!?」

王馬「せっかくここまで来たんだからもう少し頑張ろうよ!」
324 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 22:07:11.66 ID:BXuZnDamO
春川「…悪いけどあんたに励ましの言葉を言われても、嘘臭くにしか感じないよ」

王馬「あはは、ひどいなー。オレだって傷付くときくらいあるんだからね?」

春川「……」

百田「…だが、そいつの言う通りだ。せっかくこいつを追い詰めたんだから聞けることは徹底的に聞かねーとな」

最原「…そうだね。僕達にできることをやろう」

春川「……ん」コクン

王馬「あーあ、みんな百田ちゃんの言うことには聞くんだね。全く、オレも嫌われたもんだよ」

天海「なんだかんだ、そんなことはないと思うっすよ」

王馬「うーん…天海ちゃんに言われてもなんか嬉しくないなぁ…」

天海「なんで……」ガーン

王馬「いやなんかもう、いろいろと?…いや、そんなことより」

王馬「モノクマ!他の質問にも答えてくれない?」

マザーモノクマ「…えー?」

王馬「…オレらのおかげで今日すっごい盛り上がったでしょ?ちょっとはサービスしてくれてもいいんじゃないのー?」

百田「このままじゃフェアじゃねーだろ。勝手に襲ってきたりしてよ」

マザーモノクマ「んー……」

最原「王馬くんがモノクマを壊してエグイサルが襲いかかってきことをぬきにしても、大量のモノクマを僕達に襲わせたことは納得がいかないぞ」

マザーモノクマ「うーーーーーん……」
325 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 22:09:26.66 ID:BXuZnDamO
天海「そんなことした理由が”盛り上げたいから”って主張したいなら、俺達は別にそれでもいいんすよ?」

春川「だけどそれに釣り合うくらいの情報はくれたっていいんじゃない?確かにあんたの製造の仕方とかは分かったけどさ…これだけじゃ、まだ足りないよ」

王馬「こっちは怪我人出てるし、キーボだって直るか分かんないくらいの被害は出てるんだよ?」

マザーモノクマ「…ん”ん”〜〜」

王馬「それにさ…情報を提供して、またオレ達が動く方が喜ぶんじゃないの?…視聴者とやらはさ」

マザーモノクマ「……」

マザーモノクマ「はぁ、なんでこんなときだけ息がぴったりなんだか……ま、いっか」

マザーモノクマ「はいはい分かったよ。教えられることは教えてあげる」

王馬「わーいありがと!」

マザーモノクマ「これで盛り上がるっていうならね。それに生徒の情熱に答えてあげるのが先生の役割だしさ」

天海「……ホントっすかね?」ボソ

マザーモノクマ「ん?天海クン、なんか言った?」

天海「や、別に何も言ってねーっすよ」

王馬「じゃあ早速聞くけど、ここって出口どこにあるの?ああ、この部屋からじゃなくてこの学園からってことね」

マザーモノクマ「ざーんねん!そんなの教えられるわけないじゃん!」

春川「さすがに答えないか…」

マザーモノクマ「答えは与えないよ。でもヒントはもう与えてあるでしょ?」

王馬「ヒント…もしかして、あのスイッチのこと?」
326 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 22:11:57.72 ID:BXuZnDamO
マザーモノクマ「そうそう、それ。オマエラああいうの好きでしょ?先生に質問するだけじゃなくて自分でも考えてみなよ」

王馬「うん分かったよ!」

王馬(まぁスイッチの解析は全部入間ちゃんにやらせてるけどね!)

最原「…僕もお前に聞きたいことがある。お前が答えるかどうかは分からないけどな…」

マザーモノクマ「うんうん。何かな?とりあえずレッツ質問!カモン!」

最原「………」

最原「首謀者は…いるのか?」

マザーモノクマ「首謀…者?うーん、コロシアイでもないのにそんなの探して意味があるの?」

天海「意味ならあるっすよ。だってそいつがキミを介してモノクマで俺達を襲わせた可能性が高いんすから」

天海「今までの質問だって全部キミがやったって言ってたっすけど、キミだってロボットなんすから、その裏にはキミに指示を与えた必ず首謀者がいるはずっす」

天海「まさか全部自分で考えて行動…なんて言わないっすよね」

王馬「そいつがキーボみたいに高性能なロボットならその可能性もあるかもしれないけど……ま、首謀者はいるだろうね」

マザーモノクマ「…………」

マザーモノクマ「…ま、いっか。最後だし?こっちもこき使われてちょっとイライラしてたし?ヒントくらいならあげるよ」

百田「また盛り上げるため…ってやつか?はん、皮肉なもんだな。オレらがやることなすこと全部テメーにとっちゃあ好都合ってわけだ」

マザーモノクマ「うぷぷ…まぁいいじゃん、いいじゃん。ウィンウィンな関係ってやつだよ、よく聞くでしょ?」

百田「ちっ…どこがだよ」

マザーモノクマ「うぷぷ…!オマエラが探している人物はー…」

最原「…」ゴクリ

マザーモノクマ「頻繁にこの部屋を訪れているよ!」
327 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 22:21:05.58 ID:BXuZnDamO
今日はここまでにします

この辺のくだりでは、マザーモノクマとか隠し部屋等、細かいところを作者が完全に把握しきれていない場合があります……すいません
なるべくそうならないように、チェックしたいと思います。くますみー
328 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 22:59:45.61 ID:O7sAYSqqO
最原「!」

春川「頻繁に…?ってことはやっぱり首謀者はいるんだ。それが聞けただけで十分だよ」

春川「そいつをどうにかすればこんなふざけたところでの生活も終わるんでしょ?」ギロ

マザーモノクマ「やーん!そんなに睨まないでよー」

最原「………」

最原「頻繁に…ってことはずっとここにいるわけじゃないんだな?」

マザーモノクマ「うぷぷ……まぁ言葉通りに受け取ってよ」

王馬(頻繁…)

王馬「……。…ねぇ、先生!もう1個質問するよ」

王馬「…さっきの話をちょいと蒸し返すようになって悪いんだけど、出口の場所は教えなくていいから、出口がひとつかどうかだけ教えてくれない?」

マザーモノクマ「えーそれはちょっとなぁ…」

王馬「残念だなぁ。二度と産めない体になっちゃうね…」スッ

マザーモノクマ「止めて!お腹の子には手を出さないで!」

王馬「じゃあ答えてくれるんだね?」

マザーモノクマ「…………」

最原(モノクマがロボットだから大丈夫だけど言葉だけ聞くと完全にアウトだな…)

マザーモノクマ「あぁんもう…特別だよ?」

マザーモノクマ「出口はひとつ…だよ」

王馬「…にしし、ありがと」
329 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:00:14.98 ID:O7sAYSqqO
百田「つーことは…出口はあるってことだな!」

百田「もうこいつが、オレらの卒業を許すのを待たなくていいってことだなっ!!」

百田「…ぜってー見つけてやる!んで、こんなところからはおさらばだ!」

春川「…………………」

春川「うん…そうだね」

王馬「ま、オレが聞いたのはそれを確かめるだけじゃないけどね」

春川「…どういうこと?」

天海「……」

最原「入間さんが今、スイッチの解析中なんだよね?出口の場所とその出現方法によっては首謀者の手がかりになるかもしれないんだ」

百田「それがどうしたんだ?」

最原「…ごめん、今はまだ推測だから話せない。…僕の予想が当たらないことを願っているけど」

王馬「…ま、覚悟はしといた方がいいかもねー」

百田「…?」

百田「ま、とりあえず聞ける情報は聞けたな」

春川「逆にペラペラ話しすぎて気味が悪いくらいだよ」

天海「…そうっすね。そこんとこもちょっと気になるっすけど…どうせ盛り上げるの一点張りでしょうね」

王馬「……」
330 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:01:29.56 ID:O7sAYSqqO
王馬「あ、モノクマさぁ」

マザーモノクマ「なに?」

王馬「オレが首謀者なのになんでモノクマ産んでくれなかったの?」

春川「え?」

百田「…はっ!?」

マザーモノクマ「…は?なに言ってるの?」

王馬「だーかーらー!首謀者はオレなのに!どうしてモノクマを1体も産んでくれないのさ!」プンスコ

百田「ちょ、ちょっと待て!テメーが首謀者ってどういうことだ!?」

王馬「どうしたもこうしたもないよ。オレが大量のモノクマをけしかけてキミらを襲わせたってことだよ」

百田「なにバカなこと言ってんだ!こんなときまで嘘つくんじゃねーよ!」

王馬「オレが嘘つくわけないでしょ!キミはオレの何を見てたっていうの!?」

春川「あんたが嘘つきってところなら散々見てきたけど?」ギロ

マザーモノクマ「第一、キミにモノクマを産めるわけないじゃない!」

マザーモノクマ「だってボクには声紋認証が組み込まれていて、本人の声でしか産めないんだから!」

王馬「へーそうなんだ!それは知らなかったなー」キラキラ

マザーモノクマ「え?…はっ、言ってしまった!!」

百田「…はぁっ!?」
331 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:02:22.84 ID:O7sAYSqqO
最原「キミが首謀者っていうのはやっぱり嘘なんだね」
王馬「うん、そうだよ!モノクマがオレの部屋に来たときに…」

モノクマ《うぷぷ…ボクはあいつさえいれば、あいつが言えば、何度でも復活できるんだよー!』ミシ…

王馬「って言ってたからちょっと嘘ついてみたんだ!そしたらまんまと喋ってくれたね!」

王馬「…ま、わざと話に乗って、うっかり喋ったのかもしれないけどさー。ねーモノクマー?」

天海「…そうかもしれませんね」

マザーモノクマ「うぷぷ…いやぁ参った参った…」

マザーモノクマ「まぁ聞いてくれたら答えたんだけどね?」

王馬「えーじゃあ余計な芝居しちゃったなー」

王馬「ま、いいや!というわけで、百田ちゃん、見事騙されてくれてありがとう!」ニコニコ

百田「ふざけんな!テメー、ついていい嘘と悪い嘘があるぞ!」

王馬「ごめんって!」

春川「……」ベシッ

王馬「…〜っ!!痛いよ、春川ちゃん…」

春川「…ふん」

王馬「……でもこれで確実な証拠を掴むことができるようになったね!」

王馬「こいつは首謀者の声じゃないとモノクマを産めない。ってことは、首謀者を特定する材料になるわけだ」
332 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:04:02.36 ID:O7sAYSqqO
春川「…そういえば、さっき私達全員こいつに産めって言ったよね?」

最原「ってことは、この5人の中に首謀者はいないんだね」ホッ

百田「ん?なんでオレらの中に首謀者がいるって考えてんだ?首謀者はどっかに隠れている第三者だろ?」

王馬「全くおめでたい頭だねー。まぁ別にいいけどさ」

百田「何が言いてーんだよ…」

天海「俺達の中に…16人の中に、首謀者がいるかもしれないってことっすよ」

百田「…は?」

春川「私達の中に…?なんでそうなるわけ?」

王馬「さっきマザーモノクマが言ってたでしょ。首謀者は”頻繁に”この部屋を訪れているって」

最原「つまり…ずっとこの部屋にいるってわけじゃないんだ。だったらなぜ首謀者はずっとこの部屋にいないんだろう」

百田「それは…定期的に出口を通して外に出ているからじゃねーか?」

最原「それだと僕たちに見つかってしまう可能性もあるよね。この部屋にいる方がずっと安全だよ」

春川「人目につきにくい夜に活動している可能性は?」

王馬「わりと夜ふらふら動いてるやつもいるし、そもそも隠し部屋の外に出ること自体がリスクの高いことだよね?」

百田「出口がここにあるかもしれねーじゃねーか」

天海「確かにそうっすね。入間さんがスイッチの解析を終わらせたらハッキリするっす」

百田「だったらオレ達の中に首謀者なんて……!」

天海「でも、もっとハッキリさせる方法があるっす」

百田「…?なんだよ、その方法って」
333 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:06:00.83 ID:O7sAYSqqO
天海「みんなに、マザーモノクマに産めって言ってもらうんすよ」

百田「…首謀者だったら、モノクマを産むってか?」

百田「……仲間を疑えって言うのかよ…!オレは、オレ達の中に首謀者がいるなんて信じねーぞ!」

最原「………」

王馬「でもさー首謀者がオレ達の中にいたまま外に出るのは危険でしょ?だったらハッキリさせた方がみんなのためだよ」

百田「だがっ…!!」

王馬「ところでさー、百田ちゃんは首謀者のことをどう思う?」

百田「どうって…そりゃムカついてるぜ。閉じ込めやがったりモノクマでオレらを殺そうとしやがったりしたしな」

王馬「やっぱり百田ちゃんもオレと同じ気持ちなんだね!嬉しいな〜実は、オレもこんなことした首謀者がムカつくんだよねー!」

百田「だからどうしたってんだよ…」

王馬「にししし………」

春川「…なんで笑ってるわけ?」

王馬「いや、なんとなく?なんかオレがすっかり悪者みたいな感じになってきたからおかしくってさ。ホントに悪いのは首謀者なのにね?」

最原「……」

王馬「……キーボのことは話したよね?」

百田「ウイルスに感染してテメーらを襲ったんだろ?」

王馬「あとは?」

百田「あとは…データを消されちまったって…言ってたな」

王馬「キーボがそんな風になったのは首謀者のせいだとしたら?ウイルスに感染するのはロボットだから仕方ないとしてデータまで消す必要なんてないよね?」

王馬「それなのにキーボのデータは消された。これって殺されたようなもんだよね」

王馬「キーボ自体は直っても、オレ達との記録はもう戻らないかもしれないんだからさー」

百田「…ッ」
334 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:07:27.55 ID:O7sAYSqqO
王馬「それにモノクマのことだってそうだよ。たまたま無事だっただけでもしかしたら誰か殺されていた可能性だってある」

王馬「ねぇ……百田ちゃん。それでもキミは首謀者を許せるの?もし首謀者が見つかったらどうするの?」

百田「……」

百田「…………」

王馬「答えてよ、百田ちゃん。オレはキミの答えが聞いてみたいなー」

春川「答える必要なんてない」

王馬「あ、部外者は黙っててくれる?今オレはキミとじゃなくて百田ちゃんと話してるんだ。それに首謀者の処遇を決めるのも大事でしょ?」

春川「……ッ!」ブチッ

天海「春川さん、落ち着くっす…」

王馬「百田ちゃん、返答はまだー?」

百田「…」

王馬「あらら、まだ考え中みたいだね。じゃあ他の人に聞いとこうかな、はい最原ちゃん!」

最原「僕…?僕は……第三者だったら許せない…けど」

最原「僕達16人の中にいるとしたら………まだちょっと分からないよ…」

最原(僕は本当に…真実を暴いていいんだろうか……そのせいで、また誰かが…)

最原「………」

王馬「自分で首謀者の話題をモノクマに振っておきながらそんな答え?ま、いっか次、春川ちゃん!」

春川「答える義理なんてない」

王馬「ひどいな〜首謀者を半殺しにする、くらい言ってくれると思ったのに。んじゃ次天海ちゃん」

天海「首謀者が見つかったらどうするか…っすか。俺だけじゃ決められねーっすね。みんなで意見を出し合って決めるっす」

王馬「へー思ったより平和主義なんだね、天海ちゃんは!」

天海「思ったよりは余計っす」
335 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:09:21.28 ID:O7sAYSqqO
王馬「……で、百田ちゃんは答え出た?」

百田「ああ。待たせてわりーな」

王馬「にしし、じゃ聞かせてもらおうか」

百田「オレ達の…16人の中に、首謀者なんているわけねー」

王馬「え?まだ言うんだー。まぁその可能性だって一応あるんだけどさー?」

百田「オメーがどう言おうと、オレはそう信じてる。…オメーらも、外にいるあいつらも信じてるぜ」

最原「百田くん……」

王馬「ふーん。でもさ、そうやって信じてて裏切られたらどうすんの?」

百田「そんときは……信じたオレが悪かったと思えばいい」

王馬「んでんで?そのあとどうすんの?泣き寝入りでもすんの?」

百田「……」

春川「あんたいい加減に…!」バッ

百田「大丈夫だ、ハルマキ」

春川「……!」

百田「オレが泣き寝入りなんてするわけねーだろ?」

百田「…もし、もしもだ。オレ達の中に首謀者がいたとしたら…」

百田「…オレが、オレがそいつを一発殴って目ぇ覚まさせてやる!」

王馬「……………」

王馬「……は?」
336 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:11:34.14 ID:O7sAYSqqO
百田「目ぇ覚まさせて!反省させてやるッ!!」

王馬「……」

王馬「…………」

百田「なんか言ったらどうだ」

王馬「なんか」

百田「そういう意味じゃねーよ!」

王馬「にしし!嘘だって!たうんうん!やっぱキミはつまらなくないよ!」

百田「はっ、テメーに褒められても嬉しくもなんともねーな」

王馬「あはは、ひどいなー」

最原「…話は終わったかな?」

王馬「ん?ま、一応ね」

最原「だったらそろそろ部屋の中を調べない?」

王馬「………」

百田「そういやそーだな…マザーモノクマの話を聞いただけで終わりじゃなかったな」

天海「…春川さんなんてもうその辺あさり始めたっすよ」

王馬「え?」

春川「…」ゴソゴソ

王馬「あらら…じゃあオレも負けないように調べないとねー!よーし負けないぞー!!」フンス

百田「オレも調べるか…っと王馬。テメーよー…」

王馬「…なに?」

百田「オメーって…ホントピュアなやつだな!もうちっと素直になったらどうだ?…なんてな!」スタスタ

王馬「は?オレがピュア?何言って……」

王馬「…言いたいことだけ言ってさっさと行っちゃったよ。オレがピュアなんてありえないよねー最原ちゃん?」ハァ
337 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:13:17.55 ID:O7sAYSqqO
最原「さぁ…案外当たっているかもしれないよ?」スタスタ

王馬「最原ちゃんならまともなこと言ってくれるかと思ったのに、何言ってるわけー?」ヤレヤレ

天海「はは…じゃあそろそろ真面目に調べましょうか」

王馬「はぁ…そーだね」

王馬(こうしてオレ達は隠し部屋の中を調べ始めた)

天海「俺は通路の方を確認してくるっす。位置とか確認したいんで」スタスタ

百田「あ、おい!…ったく一人で行きやがって」

最原「まぁ一本道だし大丈夫だと思うよ」

王馬(天海ちゃんは通路を調べに行ったみたいだ…とりあえず先に調べ始めていた春川ちゃんに話を聞いてみるか)スタスタ

春川「ん?…王馬か。やっと話終わったんだね」

春川「……」ジッ

王馬「やだな、いくらオレの顔がかわいいからってそんなに見つめられると照れるよ」

春川「やっぱあんたってクソヤローだね」

王馬「クソヤローって…ひどくない?」

春川「だってそうでしょ」

王馬(クソヤローとかピュアとか…なんか散々だな、オレの評価。ま、しかたないか)

王馬「…それより何か見つけた?」

春川「ゴミ箱調べようと思ってさ、なんか入ってるかもしれないし」ゴソゴソ

春川「よし、ゴミ袋取り出せた。…けっこう重いな」
338 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:17:06.46 ID:O7sAYSqqO
王馬「うわ、すっげー溜まってるじゃん…」

最原「どうしたの?…ゴミ袋?」

春川「ああ、最原か。あんたゴミ漁るの得意でしょ、手伝ってよ」

最原「な、なんで得意ってことになってるんだよ……いくら探偵だからってそんなことは」

王馬「生ゴミを漁ろうか」

最原「…!!」ギクゥッ

王馬「一緒に調べよっか?」ニコニコ

最原「…うん」

春川「とりあえずどっかにゴミ出そうか」

王馬「…そうだね。あ、じゃあそこの机に出そうよ」

春川「うん」

春川(春川ちゃん、最原ちゃんと一緒に机の上にゴミを出した」

最原「…なんだこれ?」

春川「…意味分かんない」ハァ

王馬(机の上に出されたゴミは…)

王馬(ほぼ全てが、白い紙をグシャグシャと丸めたもので…野球ボールを一回り大きくしたくらいの大きさだね。2、30個くらいはあるな)

王馬(そして他のゴミはというと…)

最原「ロボビタンC?」

王馬(有名な栄養ドリンクの空ビンが20本だった)

王馬(…ゴミはそれだけだった)
339 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:19:44.40 ID:O7sAYSqqO
最原「……」ガサガサ

王馬(突然最原ちゃんはグシャグシャ丸められた白い紙のゴミを手に取ると、それを開き始めた)

春川「…なにしてるの?」

最原「いや、もしかしたらこの紙に何か書かれていないかな…って」ガシャガシャ

王馬「なるほど。木の葉を隠すなら森の中ってことだね!」

最原「それはなんか違うと思う……なんにも書いてないな」ガシャ…

春川「ふーん…じゃあ地道にやっていくか」

王馬「面白そうだからオレも手伝うよ」

王馬(数はそれほど多くないから数分でその作業は終わった)

春川「…で、成果なしと」

最原「あはは…ごめんね。どうやら予想は外れちゃったみたいだ」

王馬「………」

王馬(ホントに何もないのかな?)

王馬(そう思ってゴミ箱をよく観察してみた)

王馬(ゴミ箱はゴミを入れる部分と…さっき春川ちゃんがゴミ袋を取り出すために外した、上の蓋の部分とに分けられている)

王馬(蓋か…)

王馬(何気なく蓋をもちあげて裏の部分を見てみると)ヒョイ

王馬「…!」
340 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:23:53.82 ID:O7sAYSqqO
王馬「最原ちゃん、春川ちゃんこれ見て!」

最原「え?……裏にビニール袋が貼り付けられてる…?」

春川「…これが本当に隠したかった物なの?」

王馬「さぁ…フェイクのフェイクかもね」ベリベリ

王馬「えーっと中身はーっと……あらら」ゴソゴソ

春川「…またグシャグシャになった紙じゃん。今度はさっきより少ないけど」

王馬「…はー残念!全部開いてもなんにもなし、と!」ポイー

最原「…僕たちをおちょくってるのか…?」

王馬「本当に隠したい物はどこか別の場所にあるのかもねー」

最原「そもそも隠したい物なんてあるのかとすら思ってきたよ……」

春川「そうだね…」

王馬(その後もゴミ箱をくわしく調べたり、紙に何か書かれたりなんだりしてないか調べたが成果は得られなかった)

王馬(いつまでもゴミ箱を調べているわけにもいかないな……)

最原「そろそろ他のところも調べようか?」

春川「…そうだね。いつまでもゴミ箱なんか調べてるわけにはいかないし」

百田「よぉ、そっちは随分熱心に調べてたみたいだが、なんか見つかったか?」スタスタ

王馬「残念だけど、文字通りゴミしか見つからなかったよ」ヤレヤレ

最原「ごめんね…」

百田「気にすんなって!そんなこともあるだろ」
341 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:29:28.31 ID:O7sAYSqqO
王馬(他のところをもう一度調べるのも面倒だし百田ちゃんに話を聞くか)

王馬「百田ちゃんは何か見つけたの?」

百田「見つけたっちゃ見つけたが…これなんだけどよ」

春川「これって粘着テープクリーナー?」

王馬「コロコロだね」

春川「…どっちもいいじゃん」

百田「ああ…だが残りがほとんどねーんだよな。こんなんじゃ掃除してもすぐなくなっちまうぜ」

王馬「へー。じゃあもう捨てちゃおうよ」

百田「いや、まだ使えるだろ」

最原「………」

最原「…」バッ

春川「最原…あんたいきなりどうしたの?」

王馬(突然最原ちゃんが床を調べ始めた……)

王馬「なに?埃でも探してるの?最原ちゃんの大好物だもんね、埃」

最原「そんなわけないだろ………うーん、ないな」

王馬「埃が?今度、東条ちゃんに頼んで集めてもらっとくよ」

最原「余計なことしなくていいよ…じゃなくて、埃もだけど……髪の毛がないんだよ」

春川「髪の毛?」

百田「この粘着テープクリーナーで髪の毛やゴミを取ったかもしれねーてことか?」

最原「掃除機を使った可能性もあるけど…なんか引っ掛かってさ。一応調べようと思って」ゴソゴソ

春川「…私も手伝うよ」ゴソゴソ
342 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:30:23.59 ID:O7sAYSqqO
最原「ありがとう、春川さん」

王馬「んじゃ、オレは他んとこ――」ガシッ

百田「オメーも手伝え」ニカッ

王馬「………えー」

王馬(オレも手伝うことになった…全く……服が汚れたじゃんか…嘘だけど)

最原「うーん…僕達の靴に付いていたと考えられる砂粒しか見つからないな…」

王馬「っていうかそもそも首謀者が目出し帽を被ってたり、ハゲだったりロボットだったりしたら髪の毛落ちないかもよ?」

最原「そうだね…うーん、粘着テープが見つかれば確実なんだけどな…」

王馬「そう簡単にはいかないよねー、あー疲れちゃった。ちょっと休憩ー」ボフッ

春川「……百田は私達がゴミ箱を調べている間に隅々まで探したんでしょ?粘着テープのゴミはなかったんだよね?」

百田「ああ、だが見つけられたのは粘着テープクリーナーだけだ」

春川「だったら首謀者が私達の行けないところに捨てたのかもね…」

最原「まだ探していないところか……ん?」キョロキョロ

王馬「はー、ねっむ……今何時なんだろ…」ゴロゴロ

最原「…ソファ」ボソ

王馬「…ん?」

春川「え?」
343 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:33:35.65 ID:O7sAYSqqO
最原「ソファの中に、ないかな」

百田「おいおいさすがにそれは…」

最原「…昔、推理小説で読んだんだ」

最原「詳細は省くけど、探偵も女の子が座っていた椅子の中に犯人が潜んでいた…って。粘着テープは人間の体よりも何倍も小さい。隠すのは簡単なはず…だよ」

百田「…マジか。まぁ調べないよりは調べた方がいいか…」

王馬「そーだね。じゃあ早速破こうか、春川ちゃんよろしく〜」グッ

春川「あんたに指図されるとムカつくけど……分かったよ」ビリ

王馬「ちょ、オレまだ座ってるんですけど!」ピョン

春川「…スポンジ、すごく出てくるんだけど」モフモフ

百田「ここまでくりゃ、あとは掻き出すだけだ!」ザクサク

王馬「スポンジまみれじゃん!」

最原「あ…空洞がある!…何かあるな」

王馬「……袋だ。中身は…」ガサゴソ

王馬「…?……破片?」

最原「破片?…粘着テープじゃないのか…」ガッカリ

王馬「あ、これよく見たらPSVitaの破片だ!間違いないよ!オレは筋金入りのゲーマーだからね、嘘だけど!」

百田「はぁ?嘘くせーな…」

王馬「あ、PSVitaの破片ってのはホントだよ。一応使ったことあるし」

百田「そうかよ。だが、なんでまたPSVitaなんかの破片がこんなかに……この小さい破片はなんだ?チップみてーだが」ゴソゴソ
344 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:35:48.63 ID:O7sAYSqqO
王馬「あー…何かのゲームソフトだね。これも粉砕されて何のソフトかは分かんないけどさ」

王馬「…あーあ、遊べると思ったのになー。ガッカリだよ」

春川「遊んでる場合じゃないでしょ」ゴソゴソ

春川「…あ、こっちにもまだ袋あるじゃん。もっと探しなよ、そんなゲームなんか見てる暇あったらさ」ゴソゴソ

天海「おーい、そっちはどうっすか?」タッタッタ

最原「あっ天海くん!実はかくかくしかじかなんだよ」

王馬「かくかくしかじかって便利だな〜」

天海「そうなんすか…すみませんがこっちは成果なしっす…」

春川「まぁこっちもこれしか成果ないし……っていうかこれも成果と言えるかどうか分かんないよ。ゲームの破片だけだしさ」

春川「それにこっちは…ほら見てみなよ。もう一個の袋の中にあったもの……意味不明なんだけど」

王馬「なになに?」

天海「また粉々になった何かっすね…」

春川「これは無事だけどね」スッ

百田「これは…ポータブルブルーレイDVDプレーヤー…か?」

春川「これで再生して、見てたってとこかな。肝心の中身は分かんないけどね」

天海「じゃあ、粉々になっていたのはDVDかもしれないっすね」

最原「だけど、これ以上は何も見つけられそうにないな…スポンジ全部出したけど何もないし」

王馬「はーあ、こっちのソファは、はずれだね」

天海「もうひとつのソファも調べるっすかね…」

ビリッ!ビリブチッ!!

王馬「あ、奥にまたビニール袋があるよ。うーん届かないな…」グググ…
345 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:38:30.13 ID:O7sAYSqqO
百田「ったく、どこから入れてんだか…」

最原「背もたれと座る部分の境目の隙間からじゃないかな…あの隙間けっこう手とか入るし」

王馬「オレもそう思うなー…あとちょっと…」グググ…

春川「ふーん…ソファってどういう構造してるわけ?」

王馬「構造は知らないけど…オレ、小さい頃によくソファの隙間から色ペンとかを入れてたんだよね〜」グググ

百田「テメーはなにしてんだよ…」

天海「無邪気っすね〜」ニコニコ

最原「え…そう?普通に迷惑じゃない?」

春川「だからなに?小さい頃からクソヤローだったってだけの話じゃん」

王馬「……。んで、そのソファを動かしたら、なんか中からガラガラ聞こえた時があったから…」グググ

王馬「このビニール袋をこの中に入れた奴も、同じようにしたんじゃないのって話をしたかっただけだよ!それだけ!」グググ

春川「へぇそう。それよりビニール袋はまだとれないの?」

王馬「いくらなんでも冷たすぎでしょ…ま、キミにどう思われようがどうでもいいけどさ……っと、やっと取れたよ」

王馬「んーと、中身は……」

王馬「…おーっと、粘着テープだよ!」

百田「粘着テープクリーナーのか!?」

王馬「うん、さすがに嘘つかないよ。あ、くっついてるんだけどめんどくさいから百田ちゃん剥がしてね。オレはビニール袋取るのに疲れたからさ」ヒョイ

百田「なんでオレなんだよ!…くそ、引っ付いて剥がしにくいな…」グイグイ
346 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:42:18.23 ID:O7sAYSqqO
王馬「力仕事は脳筋の百田ちゃんか春川ちゃんがピッタリでしょ?」

春川「………」

王馬「あはは、睨まないでよー。忘れかけてたけど、オレも一応怪我人だからね。あー痛いなー」

春川「…」イラァ

天海「殺意が隠しきれてないっすよ」ドウドウ

百田「くそっ、あとちょ…っと!」ベリィッ!

百田「うっしゃ剥がれた!……」

百田「…………ッ!?」

王馬「見せて見せてー……へぇ、これは……」

王馬(みんなの視線が百田ちゃんの手の中にある粘着テープに集まった)

春川「………え?これ…って」

王馬(そして時が止まった……ような気がする)

最原「…そんな………」

王馬(みんな瞬時にこの粘着テープにくっついている、”あるもの”が持つ意味の重大さに気付いたのだろう)

天海「……………」

王馬(それについて指摘するのが躊躇われたのか知らないけど、みんな黙っていた。真実を知るのが怖かったのかな?)

マザーモノクマ「うぷぷぷぷ…」

王馬(オレが話を切り出してもよかったんだけど、なんとなくオレが非難の的になりそうだったので黙っていた)
347 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:43:31.51 ID:O7sAYSqqO
王馬(…そしてそんな感じで、しばらくたった頃。ようやく……)

百田「………髪の毛…だ、髪の毛が……くっついてる」ポツリ

王馬(百田ちゃんが呆然と呟いた)

最原「……」

王馬(そう、この粘着テープには髪の毛が数本付着していた。長さはうねったり、曲がったりしてるから分かりづらいけど、かなり長いだろう……そして、色もハッキリ分かる)

春川「……」

王馬(該当する人物は一人だけ)

王馬(ま、何はともあれ百田ちゃんがボソッと呟いてくれたので、オレもそれに乗っかることにしよう)

王馬(いつまでも、このまま現実から目をそらしても仕方ないもんね!)

王馬「うん……かなり長いねー、しかも髪の毛の色までハッキリ分かるよ。えーとこの長さで、この色は……」

王馬「うーん…誰だったっけな〜?なーんか見覚えあるな〜?」

最原「……ッ」

王馬「えーと、首謀者はオレ達16人の中にいる可能性が高いんだよね。んでこんな髪の毛をしてるのは〜…」

王馬「あー!思い出した!…一致するのはひとりだけだね。そして、オレ達の知っている人物だ」

百田「……嘘、だろ…?」

王馬「みんなもホントは気付いてるんでしょ?黙ってるだけでしょ?それとも心に嘘ついてるのかな?」

春川「……」

王馬「ねぇ…嘘は嫌いなんでしょ。だったらさ…さっさとこの現実を受け入れようよ」

天海「………首謀者は…」

天海「首謀者は……白銀さん……?」
348 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:45:03.16 ID:O7sAYSqqO
春川「待って」

王馬「ん?」

春川「…嘘の、可能性はないの?」

王馬(静まり返った隠し部屋で春川ちゃんが不意に呟いた)

春川「誰かが……白銀の髪の毛を採取してここに隠したって可能性だってあるよね?」

王馬「へー珍しいね、あの春川ちゃんが擁護するなんて。情でも沸いちゃった?」

春川「あんたは黙ってて…!」

百田「そ、そうだ!白銀が首謀者なわけねーだろ!な、終一!?」

最原「白銀さんは女子だ。女子トイレからここに訪れるのは難しいことじゃないよ」

百田「だからって、まだ白銀が首謀者って決まったわけじゃねーだろ!?」

百田「ハルマキも言っただろ!これが嘘の証拠かもしれねーって!」

最原「……そ、それは…」

最原「……」
349 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:48:12.80 ID:O7sAYSqqO
王馬「あのさー!」

百田「…なんだよっ!?」

王馬「議論はあとでしようよ?」

百田「……はぁっ!?」

天海「…………そう、っすね」

天海「さっきも同じようなことを言ったと思うっすけど、ここで議論しても答えは出ないと思うっす」

百田「……くそ」

天海「…それより確実な証拠を取ればいい。それだけの話ですよね?」

最原「…マザーモノクマの、声紋認証システムだね…」

王馬「白銀ちゃんが首謀者なのか」

王馬「それとも他の誰かが首謀者なのか」

王馬「はたまた第三者が首謀者なのか……が分かるんだね!」

王馬「そしてそれは確実な証拠となって首謀者を追い詰めることになるんだよ…」ニヤ

王馬「ま、今んとこ一番怪しいのは白銀ちゃんだけどねー」

百田「くそッ…!」

百田「……だが。オレは……オレは信じるぞ、最後までな…」

王馬(………)
350 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:49:32.02 ID:O7sAYSqqO


百田『オメーがどう言おうと、オレはそう信じてる。…オメーらも、あいつらも信じてるぜ』

最原『百田くん……』

王馬『ふーん。でもさ、そうやって信じてて裏切られたらどうすんの?』

百田『そんときは……信じたオレが悪かったと思えばいい』



百田『…もし、もしもだ。オレ達の中に首謀者がいたとしたら…』

百田『…オレが、オレがそいつを一発殴って目ぇ覚まさせてやる!』



王馬(なんて言ってたけど、キミはその場面に直面したらどうするんだろうね?)

王馬(キミがどんな風に行動するのか楽しみにしてるよ、百田ちゃん)

王馬「にしし…」

百田「なに笑ってんだよ」

王馬「にしし…いや、別に?うん、好きにすればいいよ!」

百田「…ああ。好きにするぜ」

天海「じゃあ…一旦この話は置いておきましょう」

王馬(その言葉にみんなが頷いた)
351 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:50:52.96 ID:O7sAYSqqO
今日はここまでにします。くますみー
352 : ◆OGojCRdZkUAa [saga]:2018/03/16(金) 21:19:19.01 ID:vRzpyLX/O


星(ノンアルコールであるはずの不死の酒フリーで酔った赤松、東条、
夜長)

星(俺と茶柱はなんとかそいつらを鎮めていようとしていた…)

星(ちなみに途中でゴン太が騒動を聞き付けて寄宿舎の中に戻ってきたが…)

ゴン太「な、なんだか騒がしいけど大丈夫…?」ガチャ

星「ゴ、ゴン太…」

東条「……」ズーン

ゴン太「東条さん大丈夫!?お腹痛いの!?」

東条「メイドの身なのに酔ってしまうなんて………私はメイド失格ね」ズーン

ゴン太「そんなことないよ!東条さんは立派なメイドさんだよ!」アタフタ

東条「これ…ノンアルコールなのに…?」ズーン

ゴン太「え、えっと…」

星「…そっとしておいてやろう」ポン

ゴン太「う、うん…」

赤松「茶柱さん、スカートめくらせて?」キリッ

ゴン太「!?」

茶柱「真顔で言っても駄目です」

アンジー「転子〜……アンジーとドロドロに溶けちゃおう?」サワサワ

ゴン太「!?!?」目隠し
353 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/16(金) 21:20:18.20 ID:vRzpyLX/O
星「ゴン太…わりぃが外出といてくれないか?」

ゴン太「う、うん…」タッタッター

星(…ゴン太の目には毒かもしれないので外に避難させた)

茶柱「嫌ですよ!というかなんで急に転子にアプローチするようになったんですか!!」

アンジー「ん〜…目が合ったから?」

茶柱「そんな理由ですか!?」ゴーン

茶柱「と、とにかく!赤松さんもアンジーさんも寝てください!」グイグイ

赤松「分かったよ〜…今度スカートめくらせてね?」スタスタ

茶柱「嫌です」

アンジー「んぅ〜…」スタスタ

茶柱「…あの、ふたりともスタスタ歩いてますけど本当に酔ってるんですよね…?」ジトー

赤松「…」ガチャ

アンジー「…」スタスタ スゥー…

茶柱「いやいやいやいや」ガシッ

赤松「…ん?なに?」

茶柱「なに?じゃありませんよ!アンジーさんが赤松さんの部屋に、思いっきり入ろうとしてますけど!?気づいていますか!?」

アンジー「気のせいだって神さまが言ってるよー?」

赤松「……らしいよ?」ポケー

茶柱「あ、眠たくて気付いてないんですね。とりあえず、赤松さんは寝ましょうね、はい、おやすみなさーい…」グイグイ

赤松「ん、おやすみ〜…」ガチャバタン

バターンッ!! ウッ…

茶柱「……………」
354 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/16(金) 21:21:09.98 ID:vRzpyLX/O
星(赤松のやつ…部屋に入って即、ぶっ倒れたのか…?鼻とか大丈夫か?)

アンジー「じゃあアンジーは楓とドロドロに…」スタス…

茶柱「え、もう心変わりしちゃったんですか……?」

アンジー「あれ、転子。やっぱりアンジーが良かったのー?」ニヤー

茶柱「そ、そういうわけではありませんが…」アタフタ

アンジー「神さまの前で嘘ついちゃダメだよ〜素直になろーよ……ね?」スリスリナデナデ

茶柱「きゃうわ!?」ゾワワー

星「…」

星(……俺はどうすればいいんだ)

茶柱「え、え、…うぅ〜……」

東条「……………」ズーン

アンジー「アンジーと一緒に…神っちゃ………」コックリコックリ

アンジー「お…う……くー…くー…」コテン

茶柱「あぅあ………う?」

星「…寝たようだな」

茶柱「み、みたいですね…。ふぅ、危なかったです……」

星(……なにがだ?)

茶柱「このままアンジーさんも寝かせてきます、えっと東条さんは…」アンジーダッコ

アンジー「んぅ…」クークー

東条「………」ズーン
355 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/16(金) 21:21:36.44 ID:vRzpyLX/O
茶柱「…星さんなら信用できますし、東条さんのことお願いしますね」スタスタ

星「ああ」

星(しかしあの茶柱が許可を出すとはな……明日はっていうか今日は大嵐か…?)

東条「…………」ウトウト

星「おい、東条…」

東条「…なにかしら」ウトウト

星「あんたちょっと疲れてんだろ。少しは休め。休まねーとできることもできなくなっちまうぞ?」

東条「…ふふ」

星「…?」

東条「…星君も王気遣ってくれるのね。…王馬君みたいに」

星「…王馬が、か?」ピクッ

東条「ええ。以前、メイドとして働いてばかりの私を気遣ってか、私を映画に誘ってくれたの」ウトウト

東条「…彼の気持ちが本当かどうかは分からなかったけれど…嬉しかったわ」ウトウト

星「……」

東条「王馬君…大丈夫かしら。他のみんなだって。やらなければならないことだってたくさんあるし…私はこんなところで休んでいる場合じゃないわ…」

東条「それなのに、ノンアルコールのお酒で酔って、しかも迷惑をかけてしまうなんて…メイド失格ね」

星「…」
356 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/16(金) 21:22:02.10 ID:vRzpyLX/O
星「…こんなとき、俺は王馬や赤松や百田じゃねーから…あんたを励ます言葉は言えねー」

東条「……」

星「…だが、俺にも言えることくらいはある……」

東条「………?」ウトウト

星「…誰だって間違えたり失敗することくらいある。俺だってそうだ、間違って後悔して…このザマだ」

星「俺はもう間違いだらけで戻れねーところまで来ちまった。…そんな俺にしてみれば、あんたの失敗はまだ可愛いもんだぜ」

星「失敗してもあんたはまだ前に進めるんだ。あんたには未来がある」

東条「……」

星「だから…そう簡単にメイド失格だなんて言うな。あんたは立派なメイドだ」

東条「………」

東条「……ありがとう。弱音を吐いてごめんなさいね」

星「たまには弱音くらい吐け。それに…俺はあんたが弱音を吐くことのできる人間でありたい」

星「運動会のときも言ったろ…あんたは俺の”大切な人”だって」

東条「…!」

星「あんたには別の”大切な人”がいるかもしれねーがよ…」

星「…弱音くらい、いつでも吐いていいんだぞ」

東条「…星君。あなたも、みんなも私にとっては大切な人よ。…だけど」コックリ…コックリ…

東条「ありがとうね………」ニコ

東条「……」スースー

星「…寝たか」

星「やれやれ、俺としたことがつい喋りすぎちまったな…俺も酔っちまってたのかもな」

東条「……」スースー

星「さて、どうしたもんかね」
357 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/16(金) 21:22:50.40 ID:vRzpyLX/O
茶柱「転子がお連れしますよ」スタスタ

星「…!あんたいつから…」

茶柱「あなたが東条さんに休めと言った辺りからです」

星「…ほぼ全部じゃねーか。あんた、戻ってくるの早いな」

茶柱「星さんのことを信用していますが、一応です。男死はどんなきっかけで狼に化けるか分かりませんからね」

星「……」

茶柱「…東条さんもあなたも、もう少し素直になればいいのに」

星「ふっ、酒が入れば少しは素直になるかもな」

茶柱「未成年のうちは飲酒禁止です」

星「分かってるさ」

茶柱「…あなたも少し疲れているんじゃありませんか?」

星「…そう、見えるか?」

茶柱「えぇ」

星「参ったな…テニスをしなくなってから、思ったよりも体力が落ちているみたいだ」

茶柱「でしたらあなたも休憩をするべきでしょう」

茶柱「転子が外を見張っていますから、あなたとゴン太さんは休んでいてください」

星「だが…」

茶柱「勘違いしないでください!転子だってずっと見張っているつもりはありませんよ!交代交代に決まっています!」

星「…わりぃな」
358 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/16(金) 21:23:36.44 ID:vRzpyLX/O
茶柱「女子を守るためです!決して男死と和解したわけではないので、そこのところはよくわきまえてください」

星「…ああ」

茶柱「はっ!うっかりしてました!東条さんをお部屋までお連れしなければ!」

茶柱「女子をこんな固い床の上で寝かせるわけにはいきませんからね!」

星「あぁ、ゆっくり寝かせてやってくれ」

茶柱「もちろんです」ヨッコラセ スタスタ

星「俺はっと…」スタスタ ガチャ

ゴン太「あ、星君どうしたの?」

星「交代交代で見張るってことになってな。あんたは休んでろ」

ゴン太「ゴン太は平気だよ!」フンス

茶柱「心は平気でも身体は疲れているものです!」ババッ

星(来るの早いな…)

茶柱「さぁふたりと早く休んでください!さぁさぁ!」

星「…だとよ」

ゴン太「分かったよ…茶柱さん、何かあったらすぐにゴン太を呼んでね?」

茶柱「そんなことはないと思いますが……分かりました」

星「…頼んだぞ」

ゴン太「じゃあゴン太はちょっと寝るね…」スースー

星(もう寝てるぜ…しかも床で)

星「…」

星(俺も少し仮眠をとるか)

星(そうして壁に寄りかかり、ゆっくり瞼を閉じた…)
359 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/16(金) 21:24:25.28 ID:vRzpyLX/O
今日はここまでにします、くますみー
360 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/17(土) 22:56:36.24 ID:7Kma0/8cO


天海「この部屋で調べないといけないところが、あともう一ヶ所あるはずっすよね?」

王馬(首謀者の話は一旦置いておくことにしたあと、天海ちゃんがそう切り出した)

天海「少なくとも俺はまだ調べてないところがあるっす」

王馬「どこどこー?」

天海「あれっす」ビシッ!

最原「…ドアだね」

春川「百田、あんた調べてないの?」

百田「あ?オレはだな、粘着テープクリーナーの他になにか物はないかと探してて…」

百田「……」

王馬「つまり調べてないんだね」

百田「…すまん」

春川「いいよ、一緒に調べよう」

王馬「でも調べた瞬間ボンッ!とかならない?…てわけで最原ちゃん、よろしく」

最原「え?僕?…なんでいっつも僕なんだ…」スタスタ

天海「と言いながらやってくれるのが最原君のいいところっすよ。俺も行くから安心してください」

最原「…そう言われるとますます不安なんだけど…本当に爆発とかしないよな?」観察…

王馬「まぁ大丈夫じゃない?ほらオレがベタベタ触ってもなんともないしさー」ベタベタ

最原「そうだね…っておい!」
361 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/17(土) 22:59:28.91 ID:7Kma0/8cO
王馬「ん?」

最原「キミも調べてるじゃないか!」

春川「最原、そんなやつの言うこと気にしてたらあんたの胃がもたないよ」

最原「…それもそうだね」

百田「…これ、どこに繋がってるんだろうな?やっぱ外か?」

王馬「そうだといいねー」ベタベタ

天海「……」

天海「開けてみればハッキリするっすよ。だってこれ鍵とかなんにもついてないっすから」

春川「ほんとだ…じゃあ私達にも開けられるってことだよね?」

天海「はい。…じゃあ俺が開けるっすよ、いいっすね?」

王馬「どうぞどうぞどうぞ!」

最原「……」

天海「……」ガララ

王馬「あれ?ただの壁?」

百田「なんだよ…」ガッカリ

天海「いえ、きっとフェイクっす。本当はこの奥の壁が…」

王馬(そう呟くと天海ちゃんは、壁に体重をかけた)

天海「よ……っと」グググ

ゴゴゴゴ…

王馬(するとゆっくりと壁は動き始め……)

百田「…動いた!?」
362 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/17(土) 23:00:54.53 ID:7Kma0/8cO
天海「………」グググ

王馬(天海ちゃんがさらに体重をかけると、その壁は扉のように奥へ開いていった)

ゴゴゴゴゴ…

春川「…え?ここって…」

天海「…………やっぱり、そうだったんすか」

最原「図書室…」

王馬「へーまさか図書室と繋がっていたなんてねー」スタスタ

王馬(早速、扉の向こうへと足を踏み入れた。といっても、ただの見慣れた図書室だけど)

最原「…この本棚は隠し扉になっていたんだね…天海くんが最初に開いた扉を隠すための」スタスタ

王馬「だからこの本棚の周辺だけ本が全然積まれてなかったんだねー」

ゴゴゴゴゴ…

王馬「ん?」

最原「あっ、本棚が閉まっていってる!」

王馬「へー勝手に閉まるんだ」

天海「おっと…俺が押さえておくっすよ」

百田「わりぃな」

春川「…隠し部屋の方から図書室に出るには、鍵は必要ないみたいだけど」

春川「図書室から隠し部屋に入るためには鍵…ここはカードが必要なんだね」

王馬(扉の横にあるカードリーダーに目を向けながら春川ちゃんが呟いた)
363 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/17(土) 23:02:11.44 ID:7Kma0/8cO
天海「今は開いてるっすけど…本棚が閉まったらそこの扉も閉まっちゃうかもしれませんね」

王馬「…で、そのカードを持ってるのは首謀者ってわけだね。首謀者以外に考えられないだろうし」

最原「…でもなんで図書室なんかと繋がっているんだろう」

王馬「それは考えても仕方ないよ。どーせ意味わかんない理由でしょ」

最原「…そうなのかな」

王馬「それよりー、オレが気になるのは…天海ちゃんだよ」

天海「……」

百田「は?なんでだよ」

春川「…それは、私もちょっと気になってた。あんたの様子、さっきからなんか変だよ」

王馬「特に女子トイレで隠し通路を見つけたあたりからねー」

最原「…もしかして、僕と百田くんが図書室でキミを見つけたのも、関係ある?」

王馬「少なくとも、天海ちゃんは隠し扉のことを知っていた。そうでしょ?さっき扉が開いたときやっぱりって言ってたし」

天海「…………俺は」

百田「天海」

百田「さっきも、オメーをここで見つけたときも言ったがよ」

百田「オレはオメーを信じてる。オメーが何を言っても信じるぜ」

天海「…百田君」

百田「だから、怖がるな。恐れるな。なんでも言ってみろ!オレがどーんと受け止めてやるからよ!」

春川「…百田はしつこいよ。ここで言っといた方が身のためだと思うけど?」

天海「春川さん…」
364 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/17(土) 23:12:07.02 ID:7Kma0/8cO
最原「…それに、保険をかけるわけじゃないけど…僕達は首謀者じゃないことは確かだ」

最原「僕も百田くんと同じだしね。…僕はキミを信じてるからさ、キミも僕達を…自分自身を信じてほしい」

天海「最原君…」

王馬「にしし!天海ちゃん!」

王馬「そろそろ、自分と他人との壁、取っ払ってもいいんじゃない?」

王馬「オレは別にいいけどさ、百田ちゃんが自爆してでもその壁ぶっ壊そうとしてるし、自分で壊した方が早いんじゃないかなー?」

天海「王馬君…」

百田「自爆なんでするわけねーだろ!するならダイナマイトだ!」

王馬「いや。それも意味不明なんだけど」

春川「そもそも壁なんて目に見えないんだけど…こいつが勝手に作ってるだけじゃん」

最原「それは春川さんもだったけどね」

春川「……」プイ

天海「…みんな…ありがとうございます」

天海「俺…みんなのことも自分のことも信じて、ちゃんと言うっす」

天海「俺の知ってる真実を……!」

百田「おうっ!」
365 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/17(土) 23:12:39.61 ID:7Kma0/8cO
今日はここまでにします。くますみー
366 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/22(木) 21:06:28.23 ID:Y+1xjtaZO
王馬「………」

王馬「で、どこで話そっか?天海ちゃんが本棚を押さえたまま?面白い絵面だからオレはそれで構わないけど」

天海「さすがにこのままはちょっと…だけど手を離したら隠し扉閉まっちゃうっすよね」

春川「…隠し部屋の中でいいんじゃない?見張ったままの方がいいだろうし…」

春川「…それにほら、もしかしたら首謀者がやって来るかもしれないしさ」

最原「だったらそっちで話そうか」

天海「そうっすね」

王馬「あーあ、ソファがあったらゆっくり座れたんだけどなー。全く誰がビリビリに破ったんだか」スタスタ

百田「オレらだろーが…」

ゴゴゴゴゴ…

ガチャン!

王馬(本棚はゆっくりしまっていき、その後手前の扉も閉まった)

天海「じゃあまず…どっから話しましょうか」

王馬「天海ちゃんの才能とか?」

天海「それは本当に思い出せないんすよ」

天海「俺の家族のこととか、どんな思い出があるとかそういうことは思い出せるんすけど…」

最原「それは僕も少し聞いたことがあるね」

春川「じゃあ、自分の才能のことだけピンポイントで思い出せないってこと?」
367 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/22(木) 21:07:46.81 ID:Y+1xjtaZO
天海「はい。…そのことと関係あるのが…これかもしれません」スッ

王馬(そう言うと、天海ちゃんはどこからか何かを取りだし、机の上に置いた)

王馬「モノパッド?」

百田「これがどうしたんだ?オレらのと一緒だろ?」

天海「いえ…これはモノパッドじゃないんすよ」ススッ

王馬(天海ちゃんが、真っ黒な画面のパッドをタッチすると、パッドが起動し画面に文字が浮かび上がった)


■■■特典


最原「…特典?しかもこの黒塗りっぽくなってるのはなんだろう」

天海「分かんないっす…最初から黒塗りみたくなってたんすよ」

王馬「文字化けって感じでもなさそうだね。まるで誰かが意図的にこの部分を読めなくしたって感じだよ」

春川「…あんたはこれをいつから持っていたの?」

天海「最初から…俺がこの学園で目覚めたときからっす。みんなはモノパッドだけ持っていたんでしょうけど、俺はモノパッドと、なんとか特典…と書かれたふたつのパッドを持っていたんすよ」

天海「当然、みんなもふたつ持ってるのかと思ってたら、モノパッドしか持っていないみたいだし…」

天海「俺はほら、自分の才能も思い出せないからもう…いろいろと混乱しちゃったんすよ」

天海「打ち明ければよかったんすけど、最初の頃は、みんなも自分すらも信用できなくて…結局ここまでずるずる引きずってしまったんす…」

天海「本当に…すいません」ペコリ

百田「天海、よく話してくれたな!だが、もう安心しろ。オレ達がついてるぞ!」ガシッ

百田「オメーはもう一人で悩まなくていいんだ!」グッ

最原「キミの才能だっていつか思い出せるよ。…僕も手伝う、やくそくするよ」

天海「…ッ。ありがとう…ございます」
368 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/22(木) 21:08:30.63 ID:Y+1xjtaZO
王馬「で、肝心の中身はー?まさか、なんたら特典って表示されるだけじゃないよね?」

天海「もちろんっす。…えっとまずこれを見てください」ススッ

天海(と、天海ちゃんが再びタッチすると)

春川「これって…学園の地図?」

天海「はい。みんなと同じものっす」

百田「だが特にオレ達のと違いは……。………!?これは…」ススッ

最原「隠し部屋が地図に載ってる…。そうか、それで天海くんは隠し扉の存在も知ってたんだね」

天海「そういうことっす」

王馬「でもさーなんで何回も図書室なんかに行ってたの?多分…だけど、何回も図書室に行ってたよね?」

王馬「たまたまかもだけど、前にオレが図書室に行ったとき、天海ちゃんいたし」

天海「…はい、何回も行ってました。なんとか、扉を開けられないか、悩みに悩んでたんす」

天海「…意味、なかったすけどね。だって、カードがないと入れないし、そんなカードは当然だけどどこにも見当たらないし…」

最原「…」ススッ

春川「どうしたの?」

最原「天海くん、このモノパッドには女子トイレに繋がっている隠し通路は載っていないんだね」ジッ…

天海「…そうっす。だからあの隠し通路を発見したとき驚いたと同時にこう思ったんす。…もしかして、ここに繋がっているんじゃないかって」

天海「通路は地下へと向かっていたし、図書室も地下だったから…。…まぁ出口であってほしかったすけどね」

王馬「天海ちゃんの特典にも載ってない…まさに正真正銘の隠し通路だったってわけね」

春川「それで…地図以外にはなにか載ってないわけ?」

天海「まだあるっす。これが一番、謎なんすけど…」ススッ

王馬(そう言って天海ちゃんがパッドにタッチすると…文章が浮かび上がった)

王馬(文章…といってもそれはほぼ読めないくらい、さっきのなんとか特典と同じように黒塗りされていたんだけどね)

百田「これもか…」

王馬(その文章とは…)
369 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/22(木) 21:11:40.96 ID:Y+1xjtaZO



■■■■■を終わらせるヒント

この学園の中に、■■■■■を■■だ■■■が■■■■■。

■■■■■チャンスは、■■■■■■■■■■■となるタイミングだ。

その時、■■■■■■■■■■■にある■■■■へと■■■。

このヒントが真実である■■■■■■■■■■■■■。

キミが■■■■■■■■■■”■■■■■■”についてだ。

この情報は信じられる人間とだけ共有しろ。

その■■■■キミの■■■■■■。

天海蘭太郎より


370 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/22(木) 21:12:34.13 ID:Y+1xjtaZO
春川「…全然読めないね」

最原「最初からこうだったの?」

天海「…」コクン

王馬「なーんか雑な隠し方な気がするけど…ま、このくらいの方が逆に天海ちゃんの不安を煽ってよかったのかもしれないね」

王馬「中途半端に文章が残ってるところとかあるしさ」

天海「…この情報は信じられる人間とだけ共有しろ、か。文章の黒塗りがないなら未だしも、こんな状態で信じられるわけないっすよ」

王馬「っていうか、一番気になるところって天海蘭太郎よりってところだよね」

最原「キミが書いた記憶は当然ないんだよね?」

天海「はい。ほんとに俺が書いたすら怪しいっすけどね」

春川「もし本当だとしたら、過去からのメッセージってことになるけど…」

百田「どうして過去の天海がこんなことしたのか謎だし、パッドを用意したのはモノクマっぽいからさらに謎だな…」

天海「…だから俺は俺が信用できなかった。もしかしたら、俺は記憶を失っているだけでここにみんなを誘拐した張本人なのかもしれない」

天海「とんでもない大悪党なのかもしれない…毎日そう思ってました」

王馬「ま、とりあえず天海ちゃんは首謀者じゃないんだからちょっとは肩の力抜きなよ!」

天海「…」

天海「そうっすね」

春川「…結局、このパッドに載っていることはこれだけなの?」

天海「はい。…なんかあんまり役に立つようなことは載ってなかったんすけど、これだけっす……」

天海「だけど、みんなに伝えることで少し心が軽くなった…本当にありがとうございます」ペコリ

百田「気にすんなって!」
371 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/22(木) 21:13:59.16 ID:Y+1xjtaZO
王馬「そう言えば、天海ちゃんはこのことを他のみんなにも言うの?」

天海「伝えるっす。首謀者がいるかしれないけど…信じるって決めたんで」

王馬「ふーん…なんかさ、みんなよく出会って1か月ちょいの他人を信じられるよね」

王馬「誰かが首謀者だったりなんだりするかもしれないのにさ…オレにはそれこそ信じられないよ」

天海「…だけど、俺は今度こそみんなを信じようって決めました」

天海「信じて裏切られる可能性だってあるけど…誰も信じないよりはずっとましっす」

王馬「ふーん。成長したもんだね、天海ちゃんも」

百田「王馬、オメーはそうだろうな……まぁオメーの言うことも分からなくはねー」

百田「…だがな、信じねーとできねーことだってあるんだよ」

百田「オメーだって夢野を信じたから夢野と恋人になったんだろ?…だったら、そんなこと言うんじゃねーよ」

王馬「…………」

王馬「そうだね。確かに、ここでみんなと過ごすうちに、段々と信じていたかもしれない。みんなのことを」

王馬「…首謀者がいるかもしれないって思い始めるまでは、ね」

最原「…」

王馬「それからはオレはずっと、みんなを疑い続けてきたよ」

王馬「中には疑うのがほーんのちょびっと嫌な人もいたけどさ、そんなことで妥協するオレじゃないんだよねー」

王馬「でもさー…それは探偵の最原ちゃんも一緒なんじゃないの?」

王馬「今だってそうだ。ずっとそのことについて考えているんじゃないの?」

王馬「誰かが……あの人が、オレ達を裏切り続けていたんじゃないか…って、疑っているんじゃないの?」

最原「それは−−」
372 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/22(木) 21:17:50.88 ID:Y+1xjtaZO
春川「ちょっと」

王馬「ん?なに?」

春川「また余計なことペラペラ言って私達を惑わせるつもり?」

王馬「えー別にいいじゃん!ただ気になったから聞いてみただけだよ?惑わせるつもりなんてないよー?」

王馬「ほら、意見交換も大事でしょ?キミ達が信じあってるなら恐れず自分の意見も言わないとね!」

春川「…」

春川「もうあんたはどうせ変わんないだろうから、とやかくは言わないけどさ」

春川「……私達の団結を壊すのだけは…それだけは止めて」

王馬「にしし…団結、ねぇ」

春川「…なに、私がそういうこと言ったら変?そんなの分かってるよ」プイ

王馬「そんなことないよ?春川ちゃんも成長したなぁ〜って思っただけ」

百田「当たり前だ。オレの助手で成長しねーやつなんているわけねーよ!ハルマキはもっと自信を持てよ、な?」

春川「うん」

王馬「まぁ安心してよ!みんなの団結を壊す気はないからさ!」ニコニコ

春川「……最原。ごめん、遮って。もう黙ってるから」

最原「…え、あぁ…うん」

王馬「で、なんの話していたっけ?オレって忘れっぽいんだよねー」

最原「僕が誰かを疑っているって話だよ」

王馬「ああそう、それそれ。で、どうなの?」

最原「…………」

最原「そうだね、疑っているよ」

百田「終一……!」

王馬「やっぱりね」
373 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/22(木) 21:23:22.95 ID:Y+1xjtaZO
最原「…でもね」

王馬「ん?」

最原「でも信じる」

王馬「それって矛盾してない?」

最原「そうかもしれないね……でも、完全に矛盾しているわけじゃないって僕は思うんだ」

最原「きっと僕は、信じたいから疑うんだ」

天海「…信じたいから…疑う」

最原「うまく言えないんだけど…その人を信じたい気持ちがないと、疑ってもこんなに悲しい気持ちにならないと思う」

最原「だから僕は…疑うけど、信じる。疑っているけどそれ以上に信じたい気持ちが強いから」

最原「疑うだけじゃ…真実は見えないから」

王馬「……」

王馬「そっか」

王馬「それが最原ちゃんの意見、か。中々つまらなくなかったよ、うん」

最原「なんで上から目線なんだよ……」

最原「…でもさ、本当はみんなを信じたいのは、キミも一緒なんじゃないの?」

王馬「…は?」

最原「みんなを信じているからこそ、こうして一々つっかかって場を乱してくるんじゃないの?みんなの気持ちを確かめたくてさ」

春川「それ…意味分かんないんだけど。こいつがやってること普通に迷惑だし」

王馬「そうだよ、オレってすっげー迷惑じゃん!」

百田「自分で言うかよ…」

最原「でも王馬くんが煽ると大体みんな感情的になって、反論するでしょ?感情的ってことは本当の気持ちに近い…すなわち嘘じゃないってこと」

王馬「……なにそれ」
374 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/22(木) 21:27:31.42 ID:Y+1xjtaZO
最原「…かなーと思ったんだけど」

天海「確かにそうかもしれませんね。…ここまでくるとただの手のかかる弟みたいですし」

百田「言われてるぞ、王馬」

王馬「……はは」

王馬「あははは!それはないよ!最原ちゃんも思ったより大したことないねー!」

王馬「ホントさ…オレが本当はいいやつ〜みたいに捉えようとしているなら止めた方がいいよ」

王馬「本当のオレなんか他人に分かるわけないよ。自分だってどれが本当の自分なのか分からないんだからさ」

王馬「こうであってほしいっていう勝手な妄想を、押し付けるのは止めてよねー」

最原「…そうだね。まぁこれは僕の推測でどう思おうと勝手だし、好きにするよ」

王馬「はいはいどーぞー」ヤレヤレ

春川「…私は最原がなんと言おうとあんたがクソヤローって認識は覆らないから」

王馬「はいはい」

天海「じゃあ俺は弟として…」

王馬「はいはいって言うと思った?気持ち悪いからそれは止めてねー」

百田「だったら、オレがオメーの兄貴になろうか?天海」

天海「うーん。それも悪くない……?」

王馬「えぇ……なんでもありなわけ?」

天海「いやいや、あくまで妹か弟かなんで!すいません!」ブルブル

春川「………」

百田「そ、そうか…」
375 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/22(木) 21:28:48.19 ID:Y+1xjtaZO
ここまでにします、くますみー
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/24(土) 17:37:00.63 ID:eclrrekk0
信じる事と疑う事は結構重要なテーマだったもんね…
377 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/29(木) 22:45:19.56 ID:RcPqEKT5O
>>376
そうですね。でもどちらか一方を捨てたら真実が見えないこともあるんですよね、難しいテーマっす…

では更新再開です
378 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/29(木) 22:46:03.22 ID:RcPqEKT5O
王馬「………そういえばさ、急に話は変わるんだけど」

百田「どうした」

王馬「いや、今まで特に気にしてなかったんだけど…首謀者がオレ達のこと監視してる可能性ってあるよね…」

春川「…今さらって感じもするけど」

最原「強烈な出来事が多すぎて失念していた…」

天海「監視してるかどうかは分かりませんが、バラエティ…とか言っていたはずだからどこかにカメラがあるはずっすよね」

王馬「そんな隠しカメラ、見つけたことある人いる?いないよねー!」

王馬「だってそんなの見つけたら、絶対報告するもんね!」

百田「そうだな…確かに見たことねーな」

春川「バラエティ…とか言うわりに、カメラマンとかもいないしね」

最原「バラエティであることが本当だとしたら、放送していないわけはないよね」

王馬「そうだね。だって、誰にも見られていないバラエティなんて、ロケットパンチを打てないロボットと同じくらい意味ないしねー」

春川「どこかにカメラがあることは間違いない。でも誰も見つけたことはない……か」

天海「じゃあ、見えないくらい小さいカメラがあちこちあるのかもしれませんね」

王馬「なるほど、確かにあり得そうだね。ねーその辺どーなのさ?モノクマー」

マザーモノクマ「これは企業秘密なんだよね。残念!」

最原「…散々情報を流していたのにだんまりか?」

マザーモノクマ「だってオマエラ目に見えるものしか信じないでしょ?」

春川「それって…天海の言う通り、目に見えないくらい小さいカメラがあるってこと?」

マザーモノクマ「さぁどうでしょう?」

王馬「どちらにせよ、見つけられない時点でどうしようもないよねー」

春川「目に見えないくらい小さいなら見つけようがないしね…壊しようもないよ」

百田「どっかにカメラがあると思うと気味が悪ぃが…しかたねーか」

最原「……」
379 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/29(木) 22:50:13.70 ID:RcPqEKT5O
最原「…これからどうする?もう少し話し合ってみる?」

天海「…俺は話し合いたいっす。いろんな意見が聞けると思うんで」

百田「だったら、外にいるやつらとも話し合った方がいいんじゃねーか?」

王馬「ダメだよ、百田ちゃん。話し合いにならないやつだっているでしょ?一々突っかかってきたりするやつとかさ」

春川「あんたもたいして変わんないけどね」

王馬「こんな風にさ!」

春川「…………………」

最原「そんな人いな…………いるか」

王馬「入間ちゃんとかねー!…それにあんまり人が多いと収集つかなくなりそうだし」

百田「あんま納得できねーが…まぁいいか」

王馬「んで、結局天海ちゃんに関しては謎だらけだよねー」

王馬「なんで才能を思い出せないのか謎。天海ちゃんだけに与えられたパッドもなんか中途半端で謎」

王馬「いやー参った、参った!こりゃどうしたもんかねー」

天海「…」

最原「心配しないで、天海くん。どんな才能だろうとキミはキミ、でしょ?」

天海「…そうっすね」

百田「なーんかヒントがあればなー…天海、もうちっとこれいじってもいいか?」

天海「どうぞ好きにしてください」

百田「おう。…秘密のパスワードとか入れたりしたらなんか起こんねーかな…」ポチポチ

春川「それだったらパスワード入れる場所もあるんじゃないの?」
380 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/29(木) 22:51:36.33 ID:RcPqEKT5O
百田「それも隠してるとかどうだ?」ポチポチ

春川「…そうだとしたら面倒だね」

王馬(春川ちゃんと百田ちゃんは天海ちゃんのパッドを調べ始めた)

最原「じゃあ僕たちは…少し話し合いをしてみようか。話してみたら何か分かるかもしれないし」

天海「そうっすね、王馬君もいるし斬新な発想が出てくるかもしれないっす」

王馬「えーオレも話さなきゃいけないの?うーん…じゃあ天海ちゃんの才能は”超高校級のシスコン”でいいよ。もしくは”変態”」

天海「……………」

最原「やっぱり僕らだけで話そう」

王馬「えー仲間外れはひどいよー!」プンプン

王馬(その後話し合ったけど、どれもこれも可能性ばかりで、あまりいい結果は得られなかった)

王馬(それもそうだよね。この学園にはあまりにも手がかりが少なすぎるし)

王馬(でも何か少しでもヒントがあれば……)

王馬「…んー………。あ!研究教室はどうなの?天海ちゃん」

王馬「オレ、興味ないから行ったことないんだけど、どんな感じ?大体、その才能の特徴を表しているよね」

天海「それが…実は……」

王馬「え、なに?なんかヤバイもんでもあるの?妹の写真が壁一面に貼られているとか」

天海「違うっすよ。…いまだに改装中の札があって……入れないんす」ズーン

王馬「改装…って。そんなのありなわけ!?」

最原「…何かを隠しているようにしか思えないよね。天海くんの記憶、パッド、研究教室といいさ」
381 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/29(木) 22:57:29.63 ID:RcPqEKT5O
天海「…俺の存在はイレギュラーなんすかね。本当は、俺はここにいたらいけないんじゃ…」

王馬「イレギュラー……か」

王馬(もしかしたらイレギュラーなのは天海ちゃんじゃなくて………このバラエティの企画自体……だったりしてね)

最原「それはないんじゃないかな。だって僕たちは男女8人ずつで16人……………いや、違う」ハッ

王馬「そうだよ。男7人、女8人、ロボ1体なんだよ!」ビシッ

天海「………」

最原「そうなると本当のイレギュラーは……キーボくん!?」ヒラメイタァ!

最原「…なわけないか。いや、イレギュラーには違いないんだけど…ロボットだし」

天海「フォローになってないっすよ…!…やっぱ、俺はイレギュラーなんじゃ…」

百田「なーに言ってんだ、天海……いや、蘭太郎!」ガシッ

天海「…へ?」

百田「蘭太郎。今日からオメーはオレの助手だ!」

天海「………」

天海「ええっ!?」

王馬(あ、これめんどくさいやつだ。絶対めんどくさいやつ始まった)

百田「オメーは、少しずつ治っていってるみたいだが才能の記憶がないせいで、あんまり自分に自信がねーみてーだな」

天海「自信と言われると微妙っすけど……まぁ、信じたい気持ちが強いっすけど、それ以上に不安な気持ちが多いから当たらずとも遠からずって感じっすね」

百田「だったらオレの助手になるといい!ほら、見ろ。終一とハルマキを」

百田「オレの助手はいろいろなメソッドに基づいたあれやこれなトレーニングで、体力的にも精神的にもこんなに立派な助手になったぞ!」エッヘン

王馬「なんの宣伝?胡散臭いにも程があるよ」ハァ

天海「……」ジー

最原「え、えっと…」

春川「なにじろじろ見てるの…」

天海「確かに…悪くない…」ボソ

王馬「え、何が?」
382 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/29(木) 23:02:30.91 ID:RcPqEKT5O
百田「そうだ!オメーは自信がねーんだったら、自信がつきすぎて有り余るくらいの自信を身につければいい!オレ達と一緒にな!」

王馬(ごり押しかよ)

天海「百田君…いや、リーダー!」キラキラ

王馬「えぇ…?」

春川「…私達のトレーニングは厳しいよ?」

王馬「春川ちゃん…?」

天海「平気っす!体力には自信あるんで!」

最原「これからよろしく」ガシッ

王馬(この助手達、なんで急にノリノリになってんの…?)

天海「よろしくお願いします!最原君と春川さんの方が先輩だから…先輩って呼んだ方がいいっすかね?」

百田「お、いいかもな!」

王馬「急展開過ぎてついていけませーん!あとオレ、ツッコミ担当じゃないんだけどー!」

最原「それは…なんか恥ずかしいからいいよ」

天海「先輩も悪くないっすよ?ね、最原先輩、ハルマキ先輩」

春川「……ハルマキって言うな」ムスー

最原「やっぱ止めて…」

百田「悪くねーと思うがな!」

王馬「うわー…疎外感半端なーい…で?いつまで続くの、この茶番は」

天海「茶番じゃないっす。俺はリーダーのおかげで、自分に足りないものが分かったんす」

天海「それは……兄貴っす!」

王馬「……オレ、もう帰っていいかな」

春川「…奇遇だね。私もそう思ってた」

王馬(さっきまでノリノリだったくせに何言ってるの…)
383 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/29(木) 23:04:47.74 ID:RcPqEKT5O
ここまでにします
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/31(土) 20:41:46.10 ID:PWaPO63Q0
数ヶ月後そこには才囚学園のメンバー全員を助手にした百田の姿がっ!ww
385 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/04/07(土) 21:49:21.13 ID:teDvhe6LO
>>384
やり遂げちまえば可能に変わりそうですね!

更新再開です
386 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/04/07(土) 21:50:44.40 ID:teDvhe6LO
王馬「変なのー。春川ちゃんはあっち側だと思ってたんだけど、違ったんだね」

春川「さすがにああいうのは疲れる」ハァ

春川「あんたさ、どうせ自分もお兄ちゃんがほしいとかそういうのでしょ」

天海「ハルマキ先輩…それは違うっすよ!!」ビシィ!

春川「ちょっと…先輩もハルマキも止めてよ…」ジロ

天海「俺は”兄”を極めたいんす!」ギュ…!!

王馬「…………」

春川「…」

最原「???」

百田「…そうか…」ウンウン

天海「それに、さっきのリーダーの言葉に救われたんです…」

王馬(それだけ言っておけば、まだましだったのにね)

百田「そうかそうか!」ニッコニッコ

王馬(そのまま百田ちゃんと天海ちゃんは肩を組んだ…)

春川「………」ジー

王馬(春川ちゃん羨ましそうだな…あ、そうだ)

王馬「ねーねー百田ちゃん!なんで最原ちゃんと天海ちゃんは下の名前で呼ぶのに春川ちゃんはあだ名なの?」

百田「あ?」

春川「…!?」
387 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/04/07(土) 21:54:52.48 ID:teDvhe6LO
最原「一応女性だからじゃないの?」

春川「一応ってなに…?」グググ

最原「あたたたた!?ごめ、ごめん!耳引っ張らないで…!」

百田「んーなんでだろうな……そうだな、気付いたらこうなってた!」アハハ

春川「…………」

百田「でもまぁ…統一した方がいいかもな、平等に」

春川「えっ」

王馬「…」ニヤニヤ

最原(大丈夫かな…いろんな意味で)

王馬「…じゃあさーちょっと助手点呼してみてよ!」ニヤァ

百田「おう!じゃあ…助手1号、終一!」

最原「あ…はい!」

王馬(1号…?)

百田「次。助手2号…」

春川「……」ドキドキ

王馬(絶対普通にハルマキって言っちゃうパターンだ!絶対そうだ!!)フンス

百田「魔姫!」

春川「……ハ、ハイ」カァァ

王馬(普通に呼んじゃったー…つまんねー)

百田「助手3号、蘭太郎!」

天海「はい!」ピシッ

百田「よし、点呼終了だ!」

王馬(すっげー普通に終わっちゃったよ)
388 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/04/07(土) 22:02:04.13 ID:teDvhe6LO
王馬(しばらくそんな茶番が続いた…)



最原「…ふわ」アクビ

王馬「眠くなってきちゃったねー、今何時?」

百田「…ちょっと待てよ……」スッ

百田「うおっ…もう8時だぜ」

春川「…え、もうそんな時間?」

天海「結局、一睡もしてないっすね」

王馬「オレもだよ!全くどっかのロボットのせいでさ!」ジロー

マザーモノクマ「んー?」

最原「……なんかそう思ったら、急に、眠く…」フラー

春川「しっかりしなって。探偵なんだからさ」

百田「そうだぞ。あんパンと牛乳持って張り込んだりするんだろ?」

最原「探偵にどんなイメージ持ってるの…?」

天海「じゃあそろそろ戻りましょうかね?…話し合いも終わったことですし」

王馬(終盤は意味のない茶番だったけどね!)

王馬「でも誰かここ見張ってないとねー、少なくともふたりくらい」

春川「じゃあ私が残る。…慣れてるから平気」

百田「魔姫が残るっつーならオレも残るぜ」

王馬(あ、そのままなんだ)チラ

春川「………」カァ

王馬「春川ちゃんはオレのファインプレーに感謝してほしいよね!」ウィンク

春川「………意味分かんない」

百田「何の話だ?あいつ魔姫になんかしたのか?」

春川「な、なんでもない」

王馬(急に名前よく呼ぶようになったな…)

王馬(それにしても…男女がふたりで見張りか…)

王馬「男と女、密室。何も起きないはずがなく…」

百田「あ?」
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