【ミリマス】白石紬「名探偵ナンナン……?」

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1 : ◆kqf8uA4c/7tH [saga]:2018/01/19(金) 20:12:25.51 ID:UEoqUTXm0
自宅

P「今日は久々の休みだ。紬もオフだけど、あいつ休みってどうしてるんだろ? 甘味処めぐりでもしてるのかな」

携帯<ルーリーイローキンギョガミアゲールノハ♪

P「ん? 噂をすれば紬からだ。どうしたんだろ……もしもし」

紬『お休み中失礼します。白石紬です』

P「おう、どうした? 今日はオフのはずだったろ?」

紬『そうですが用事があったので電話致しました。……もしやあなたは私となるべく話をしたくないのですか?』

P「そんなこと一言も言ってないだろ。で、用事って?」

紬『以前、メールでお伝えした件についてです。手伝って欲しいことがあると』

P「メール……?」

紬『……もしや、とは思いますがプロデューサー、忘れてしまったのですか?』

P「…………」

紬『…………』

P「……てへぺろ(・ω<)」

紬『金沢に帰らせていただきます』

P「あーっ! あーっ! 覚えてる覚えてる! 冗談だって! 今すぐ行くからシアターで待ってろ!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1516360345
2 : ◆kqf8uA4c/7tH [saga]:2018/01/19(金) 20:14:23.41 ID:UEoqUTXm0
メールの内容
From:白石紬
唐突ですが、
駅前にある和菓子屋さんをご存じですか?

あのお店の和菓子は、どれも芸術的です。
季節ごとの練切なども大変美しく、見事です。

これまで、何度かお土産にしようと
買っていったのですが……
奇妙なことに、劇場の冷蔵庫に入れておくと、
消えてしまうのです。

先日は物陰から見張っていたところ、
双海さんに話しかけられ、
その一瞬の隙になくなっていました。
何者の仕業でしょうか……。

プロデューサー、
この問題の解決に力を貸してください。
上手くいったら、お菓子をひとつ差し上げます。

それでは、失礼します。

白石紬
3 : ◆kqf8uA4c/7tH [saga]:2018/01/19(金) 20:15:39.59 ID:UEoqUTXm0
P(こ、これか……やっと思い出した……)

P(こんなの絶対亜美と真美の仕業じゃねぇかって思って放置してたんだった)

P(亜美か真美のどちらかが声をかけてもう片方がその隙にお菓子を奪った……双子のやりそうなことだ)

P(紬は本当にこんなことにも気づいてないのか……?)

P(……いや、さすがに気づいてるよな。俺をからかってるだけだ)

P(というか紬居るよな? 帰ってないよな? そっちのほうが心配だ……)
4 : ◆kqf8uA4c/7tH [saga]:2018/01/19(金) 20:16:59.88 ID:UEoqUTXm0
765プロライブシアター エントランス

ガチャ

紬「おはようございます。プロデューサー」

P「おお紬。よかった、居てくれたか。ほっとしたよ」

紬「金輪際あのような冗談はやめてください。次は本当に帰ってしまいますよ」

P「わ、わかった。肝に銘じておくよ。で、その荷物は?」

紬「これはメールにも書いた和菓子屋さんの和菓子です。もう一度張り込み捜査をと思い買って来ました」

P「へぇ。これが紬が絶賛してたやつなのか……って、張り込み捜査? 一度やったんじゃなかった?」

紬「はい。前回は失敗しましたが双海亜美さんから――」

亜美『こういうのは根気っしょ! 何回もやって犯人がボロを出すまでチャンスを待つんだよ! だからまたお菓子持ってきて♪』

紬「――というアドバイスを頂きました。なので諦めずもう一度やってみようかと」

P「うん、マジで気づいてないとは俺も思ってなかった。Pチャンびっくり」

5 : ◆kqf8uA4c/7tH [saga]:2018/01/19(金) 20:19:29.45 ID:UEoqUTXm0
紬「私は素人です。張り込みのやり方など知っているわけがないでしょう。それを責めるなんて……失礼な人ですね」

P「いや、うん。びっくりしたのはそこじゃなくてね?」

紬「別にいいです。承知の上ですから。というわけで、プロデューサーには私の張り込みを手伝っていただこうかと」

P「まあ待て、紬。ひとまず俺の話を聞け」

紬「? なんでしょうか?」

P「この事件の犯人について俺は心当たりがある」

紬「なんっ、本当ですか!? いったいそれは誰なのです!」

P「紬に張り込みのアドバイスをしてくれたまさにその人だ」

紬「…………」

P「えっ、なにその目。可哀想なものを見る目するのやめてくれない? 泣きたくなる」

紬「心配してアドバイスまでしてくださった方を疑ってしまうようになってしまったあなたの哀れな人生を憂いているだけです」

P「うわ思ったよりキツイやつがきた」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 20:21:03.07 ID:727Dn1VpO
唐突ですがが唐翌揚ですがに見えて勝手に笑ってた
7 : ◆kqf8uA4c/7tH [saga]:2018/01/19(金) 20:21:37.90 ID:UEoqUTXm0
紬「だいたい、双海さんにどうやって冷蔵庫の中のものを取れたと言うんですか。私が目を逸らしていた時、双海さんは私と話をしていたのですよ? その間、双海さんが冷蔵庫に手を伸ばす隙は一切ありませんでした」

P「いやだからそれがあいつらの手なんだって」

紬「あいつら? 複数形なのはなぜですか?」

P「ほんとにわかってないの? からかってるわけじゃないよね?」

紬「仰る意味がよく……」

P「だから、紬に話しかけた亜美は陽動なのさ。紬が視線を逸らしている隙にもう一人が冷蔵庫からお菓子を取り出すって寸法だ」

紬「……なるほど。確かに理にかなった作戦ですね」

P「だろ?」

紬「して、もう一人の犯人は? もう目星がついているのですか?」

P「そりゃお前、亜美の相棒と言ったら一人しかいないだろ。いつも一緒にイタズラやってる双子の真美さ」

紬「……もしかして、あなたは……バカなのですか?」

P「おっと予想外のところで来たね決め台詞」

紬「勝手に決め台詞にしないでください」
8 : ◆kqf8uA4c/7tH [saga]:2018/01/19(金) 20:23:01.43 ID:UEoqUTXm0
紬「まったく。ちゃんとした推理かと思えばただの妄想とは。そんなものに騙されるほど私は抜けていません。そこまで見くびられていたなんて……」

P「いやいやいや、ちょっと待って。俺の話のどこにそうなる要素があった? 完璧な推理だろ」

紬「完璧な推理などと、なんておこがましい。あなたのそれは私をからかうための作り話でしょう」

P「違うって! お前はまだ事務所に来て日が浅いから知らないかもしれないけど、亜美と真美は765プロ随一のイタズラコンビなんだ。だからこれは間違いないって!」

紬「まだそんなことを……何度言っても私は騙されません。だいたい、双海さんが双子だなんて誰が信じると言うのですか」

P「は? お前、今、なんて言った?」

紬「ですから、そんな戯言には私は騙されませんから」

P「いや違う。その後」

紬「え? 双海さんが双子だなんて誰が信じるか、です」

P「ウッソだろお前」
9 : ◆kqf8uA4c/7tH [saga]:2018/01/19(金) 20:25:04.88 ID:UEoqUTXm0
P「待って待って待って、さすがに頭の整理が追いつかない」

紬「さっきから何を言っているのですかあなたは」

P「紬は真美のことを知らないのか?」

紬「双海亜美さんの双子という方のことですね? そんな私をからかうためにあなたがでっち上げた人物のことなど知りません。妄想は脳内にとどめておいてください」

P(あ、これ本気で知らないやつだ)

P(なんでそんなことになったんだ? そりゃうちのアイドルは52人で数は多いけど真美だけ認識すらしていないって、ありえるのか? 亜美には会ってるのに……)

P(……もしかして、これも亜美と真美の遊びなのか? 紬の前には亜美一人だけしか現れないルールの遊び……たまに亜美と真美が入れ替わったりして反応を楽しむとか……)

P(……ありうる。というかもう絶対それだろ。入れ替わりなんて昔よくやってたことだし)

P(それよりも、だ。これどうやって誤解を解けばいいんだ。俺がなにいっても紬は絶対受け入れてくれないぞ……)

P(あいつら……まったく、こんなめんどくさいことをよくも……)

紬「何をさっきから考え込んでいるのですか? 早く行きますよ」

P「ああ、わかったわかった! 今行くから!」
10 : ◆kqf8uA4c/7tH [saga]:2018/01/19(金) 20:27:11.17 ID:UEoqUTXm0
給湯室

バタン

紬「これでよし、です」

P「なぁ、ほんとにやるのか?」

紬「もちろんです。そのために買ってきたんですから。再び失敗しても良いようにいくつも買ってきました」

P「え、いくつもって、和菓子ってそんなに安くないだろ。いくらしたんだ? 俺が出すよ」

紬「……あなたはそうやっていつも人の懐事情を探っているのですか? 失礼ですからやめたほうがいいですよ」

P「なんでそうなるんだ……えーと、ここは俺の職場だ。職場で起こってる不可解な出来事を突き止めるのも俺の役目だ。そのために必要な費用を所属アイドルに出させるわけにはいかない。これでどうだ?」

紬「そういうことですか。それならそうと早く言ってください。どうぞ、これがレシートです」

P「はいはい、次からはそうするよ。おっ、やっぱり結構するなぁ」

紬「あのお店の品物は全てレベルが高いものばかりですから、それくらいは当然です。さぁ、こちらの物陰に隠れてくださいプロデューサー。張り込み開始です」
11 : ◆kqf8uA4c/7tH [saga]:2018/01/19(金) 20:29:27.91 ID:UEoqUTXm0
P「よっと、紬、これでいいか?」

紬「はい。大丈夫だと思います」

P(これで亜美と真美を出し抜けるとはひとっつも思わないけどな。張り込みを続けることを提案したのは亜美なんだし)

P(待てよ、今あいつらは紬を手のひらの上で転がしていると思ってるわけだよな。実際そうだけど)

P(ということは今回も同じ手で紬を欺こうとするはず……そこを俺が捕まえれば一件落着なんじゃないか? 実際に二人を目の前に出せば紬の誤解も解けるだろうし……)

P(今日は確か二人とも律子と仕事があって事務所じゃなくてこっちに来てるはずだ。それまでまだ時間はあるから仕掛けてくるかも……)

P(……よし、いっちょ賭けてみるか)
12 : ◆kqf8uA4c/7tH [saga]:2018/01/19(金) 20:31:26.20 ID:UEoqUTXm0
紬「そういえば、あなたは今日は休みだというのにスーツなのですね。いつもそうなのですか?」

P「ん? ああ、家とか休みで出かけるときは俺も普通に私服だよ。今日は仕事はしないけど職場には出ることになったってことで、やっぱスーツかなぁと」

紬「私服、とはやはり洋服ですか?」

P「うん。紬はやっぱり洋服より和服の方が好みか?」

紬「好みを聞かれれば、はい、と言いますが、普段着は利便性等を考えて洋服です」

P「そうだよなぁ。俺も和服に憧れはあるけど今の社会を生きる上でって考えると普段着は洋服になるよな」

紬「和服に憧れがあるのですか?」

P「そりゃああるさ。ピシッと決めるとかっこいいし、日本人であることを誇りに思いたいしな」

紬「そ、そうですか」

P「どうした?」

紬「いえ……“日本人であることを誇りに思いたい”と仰ったことに驚きました。いつもは恐ろしく無神経で不躾なように思えて仕方がなかったあなたがそんな考えを持っていたとは。少し、見直しました」

P「それ褒めてんだよな?」
13 : ◆kqf8uA4c/7tH [saga]:2018/01/19(金) 20:33:43.20 ID:UEoqUTXm0
紬「……あ、あの、プロデューサー///」

P「ん?」

紬「もし、よろしかったら、今度休みが重なったときに、私が和服を見立てて――」

亜美「やっほーつむつむ! なにしてんの?」

紬「ひゃんっ!? ふ、双海さん!? いつも背後から突然現れるのはやめてください!///」

亜美「んっふっふ〜。つむつむはいつも狙ったとおりに驚いてくれて亜美料理に尽きますなぁ〜」

P「それを言うなら亜美冥利だろ。つかなんだ亜美冥利って」

亜美「ゲゲッ! 兄ちゃん!? なんでここにいんの!? 休みじゃなかったっけ!?」

紬「この間双海さんにもお話した張り込みをアドバイスどおり再び行っているのです。プロデューサーはその助っ人です」

亜美「あ、あぁそんなこともあったね……す、助っ人……って兄ちゃん亜美のこと何ジロジロ見てんの? もしかしてやっと亜美の色気に気がついてクラッときた? うっふ〜ん」

紬「……プロデューサー、さすがにそれは私も受け入れ難い問題です。双海さんはまだ中学生ですよ? 何を考えているのですか?」

P「俺は将来紬が悪い人に騙されないか気が気じゃないよ」
14 : ◆kqf8uA4c/7tH [saga]:2018/01/19(金) 20:35:37.24 ID:UEoqUTXm0
P「いやあ、亜美の髪がいつもより長い気がしてなぁ」

亜美「」ギクッ

紬「ああ、そのことですか。私も以前疑問に思っていたことですが、なんでも髪のセットの関係でそう見えてしまうだけで日によって変わるそうですよ」

亜美「そ、そうなんだよ兄ちゃん! もう、毎朝毎朝大変で参っちゃうYO!」

P「ふーん」ジロジロ

亜美「う……ち、近いよ兄ちゃん……」アセアセ

P「……真美だな?」ボソッ

亜美?「」ギクギクッ

P(ということは今頃亜美が……)

パタン

P(! 微かにした何かが閉まる音!)

サッ

P(一瞬見えた……テーブルの下に潜り込む黒い影が!)
15 : ◆kqf8uA4c/7tH [saga]:2018/01/19(金) 20:37:34.67 ID:UEoqUTXm0
P「紬、亜美と手を繋いでおいてくれないか?」

紬「はい? 急にどうしたというのですか?」

P「いいから早く」

紬「もう、なんなん……? 双海さん、申し訳ございませんが手を繋がせていただけますか?」

亜美?「あ、あははー! 亜美、ちょっと用事を思いだし――」

ガッ

P「繋いでおいてくれるよな、亜美?」

亜美?「あ、あいあいさー……」

紬「プロデューサー、いったいなんだというのですか?」

P「今、俺たち冷蔵庫から目を離してたよな? 中身を確認する」

紬「は、はい」
16 : ◆kqf8uA4c/7tH [saga]:2018/01/19(金) 20:39:30.04 ID:UEoqUTXm0
ガチャ

P「……ほらな、紬が入れたお菓子、なくなってるぞ」

紬「そんな! またですか!? なんなん!?」

P「まて紬、隣にいるやつを逃がすなよ。それと、さっきエントランスで俺が披露した推理を思い出してみてくれ」

紬「え? は、はい。確かに状況は似ていますが、まさかそんなことは、いくらなんでも……」

P「待ってろ。今俺がその証拠を捕まえてやる。テーブルの下に逃げ込んだ犯人を!」

ガッ

P「おら! 捕まえたぞ亜美!」

??「うあうあうあー! 真美逃げてー!」

P「紬! 逃がすな!」

紬「な、なんなん!? なんなん!?」

亜美?「離してよつむつむー!」

紬「それは、だちゃかん!」

P「とっくにネタは割れてんだよ! いい加減に観念しろ! 亜美! 真美!」
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