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勇者「ニートになりたい」
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290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/19(金) 22:23:10.14 ID:1aVovlAg0
乙
レスバトルで笑わせんでいいからSSで頼む
せっかく面白いの書いてるんだからもったいないよ
291 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/19(金) 22:46:16.36 ID:sHt9D2M60
>>285
←ほんとこれ
こういう
>>1
のSSは大概キチ○イを刺激して荒らされて終わる
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 00:41:04.93 ID:BG+MdVIA0
乙
実のない批判は右から左に流すぐらいでよか
293 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/20(土) 05:48:31.24 ID:SlWGw2FX0
この作者のレベルに満たない嫉妬の相手なんざしなくてえーさね
低レベルの相手をしても経験値はしょっぱい
294 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 06:42:11.64 ID:q70nxd5BO
これだけ
>>1
がクサくても信者が守ってくれるなんて平和なスレだなぁ
都合の悪い意見は読んでないか嫉妬扱いとか、SSも痛ければ作者も読者も痛いんだな
295 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 07:17:27.44 ID:vwfkHJ8G0
>>294
どう見ても嫉妬なんだよなぁ
他人のSSスレ卑下してないでお前が面白いと思われるもん書いてこい
どうせ奇をてらって逆に安易にグロとかに走るゴミSS作者なんだろ
王道系はひねくれた作者が面白くないと書きたがらないからそれだけで需要あるってなぜわからんのよ
最近の勇者SSは地の文とか変に凝ったもんが主流になってるからあっさり読めるっていうのも拍車をかけてるんだろ
296 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 07:42:00.27 ID:J+VnI0y/O
自分の意見が認められなければ作者はおろか読者まで攻撃するという荒らしのテンプレ乙
297 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 08:05:54.25 ID:RXY8gYNsO
>>295
このSSのどこが王道なわけ?
自分の好きなSSが認められなければ他作者はおろか読者にまで噛み付くという荒らしのテンプレ乙
298 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 08:09:51.92 ID:vwfkHJ8G0
>>297
面白くないと思ってるお前はなんのためにこのスレいるんだよw
荒らしはお前だろw
更新きたのかと思うからアホくさい煽りはもうやめてくれ
299 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 08:24:29.43 ID:J+VnI0y/O
・ハーレム?
・勇者TUEEE
・微勘違い
・ギャグ(メタネタ)
・ツンデレ、世話焼き、トロい、ヤンキー
中身どの角度から見てもテンプレすぎるほどの超王道一直線やんけ
だから作者もそこは踏まえて読んでねと
>>153
で言ってるんじゃねの
批判的意見にしても読んでないと思われるのはそこだろと
300 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 08:48:39.29 ID:TzH5r5ZTO
一々反応するなよバカ共
更新きたのかと思うからアホくさい煽りに構うのはやめてくれ
301 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 09:05:29.76 ID:AIitjHRDO
>>295
正直、何でもかんでも嫉妬で片付けるのはどうかと思うわ
作者が臭いのは事実だし、何で必死になって擁護してるのか分からん
荒らしに構ってる時点でお前も荒らしと同レベルの立派なゴミ読者だよ
302 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 09:14:36.31 ID:vwfkHJ8G0
嫉妬な理由は充分書いてるわ
というかお前同一人物だろ
コロコロID変えてまで荒らすなよ
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 09:16:59.84 ID:7TRuGib4O
構うなよ……
304 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 09:30:47.74 ID:awvROrJVO
叩かれるほど酷いもの書いてるなら作者クサイとかにも加勢するがそうじゃないやん
構成とかちゃんと練ってるのわかるしこのSSの書き方はうまい部類だろ
なんでもかんでも信者で片付けるのはよくないと思うわ
305 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 09:49:05.71 ID:awvROrJVO
王道要素を
>>299
とかで列挙しても信者ガーいってるから嫉妬とか言われる
嫉妬と言われて反発してるやつの感想も中身もほんと薄っぺらい
306 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 10:48:15.92 ID:q70nxd5BO
この薄ら寒い俺TUEEEEハーレムが王道SSって評されるがそもそも腹立たしいレベルなんだが
嫌なら読むなってなら分かるけど、ペラペラテンプレをつまらんって指摘して嫉妬乙って頭おめでたすぎるでしょ
むしろ必死に擁護してるやつは
>>1
の自演なのかとすら思うわ
307 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 10:54:35.49 ID:WVwCXAoA0
結論:
>>1
はレス返し止めよう
308 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 11:38:15.61 ID:vwfkHJ8G0
王道とは
https://dic.pixiv.net/a/王道
http://dic.nicovideo.jp/t/a/
王道
「楽なやり方」という意味より転じて、「多くの者が選びそうなやり方」「ありがち」となった
テンプレ盛りだくさんのありがち展開なんだから王道だろ
自分が書いてる矛盾点を棚にあげて自演疑うとかキチガイかよ
309 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 11:41:02.69 ID:/CUsXBBs0
ここまで議論が白熱するSSそうないだろ
人気だからこそ、注目されているからこそだと思うわ
>>1
はレスなど気にせず自分を信じて頑張ってほしい
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 11:46:30.03 ID:lVxB/B2TO
久しく忘れていたが昔は信者アンチに分かれて賑わっていたなぁ(遠い目)
アンチがついてから一人前とはよく言われたもんだ
311 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 11:59:58.89 ID:lVxB/B2TO
>>306
が支離滅裂すぎんよ
情緒不安定か?ペラペラテンプレのことだぞ王道は
312 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 12:45:11.31 ID:S1AMsUPTO
更新来たと思ったのに
313 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 17:46:13.78 ID:Tl3ZyAejO
>>306
ようやく言われてる自分のおかしさを理解していなくなったか
ただのバカだったんだな
314 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 18:26:47.27 ID:WSIQJxrPO
>>1
更新待ってるよ!
315 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 01:36:58.18 ID:VinFDaA60
続ききてなかったのか
待ってる
316 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 02:19:52.10 ID:R9WK4agqO
何故ここまで荒れて病的とも言える信者が湧いたのか理解に苦しんでたが
>>311
>>313
自演に反応してる松尾〇…ぁ(察し
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 02:52:54.51 ID:c1sSRHPdO
>>316
まだいたのかよ粘着クソ野郎
お前も末尾同じじゃねーかカス
318 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 06:28:30.12 ID:3bscdxcAO
末尾なんて二種類しかないんだし
流石に末尾だけで判断するのは無理がある
その論法だと1/2はもれなく同一人物ってことになるじゃねーかwwwwww
まあ自演の可能性は否定しねえけど
この板も末尾を細分化してくれたらいいんだけどな
319 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 07:46:32.11 ID:VinFDaA60
荒らしの方が自演までして荒らしてる現実
なぜにそこまで必死になって貶してるのかが理解できない
つまらないといいつつレスつく度に覗きに来てるかと思うと陰湿さにゾッとする
320 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 07:59:01.81 ID:IEmY5NOYO
>>318
理論ならアンチ側も一人とは限らないってことなんだけど信者くんには理解できないらしい
なんでそこまで必死に反論するのかな、つまんないって言う人もいるけど僕は好きです!でいいじゃん
そんな信者がつくほどのSSにも思えないが
321 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 08:07:48.88 ID:oxkpUtxmO
アンチの言ってるのがズレてたり破綻してるからツッコミもらいやすんいだよ
どうしても自演にしたいんだろうけど荒らしも自演できるのは同条件なのはその通りだろ
アンチはなぜか作者の自演と擁護してるんだとこだわってるけど
そんなのツッコんでくださいって言ってるようなもんじゃね
かまってほしくてやってるんなら素直に書きゃいいじゃん
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 10:22:35.22 ID:EqOv8bsy0
>>271
が沸くまで平和スレだったのにいきなりアンチがどっとわくのが不自然すぎるだろW
作風変えたわけでもあるまいW
323 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 13:05:37.62 ID:3bscdxcAO
よし、おれは自演説を支持するぜ
実はID変えまくってる二人の壮絶なレスバトルなんだろ?wwwwwwww
まあSSは面白いから作者さんには気にせず頑張ってほしいわ
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 18:09:20.08 ID:flBnTyAKO
褒めるも自由、貶すも自由、規制なんて出来ないんだから無視しろよ
作者が臭いってあるけど、今のところクソ読者とクソ荒らしの方が臭いわ
325 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 19:06:12.96 ID:VinFDaA60
投下こないからまとめサイトにあがってる分を読み返してみたけどやっぱ凄く面白い
ありがちな展開はたしかにそうだけど何度も読める
326 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/22(月) 00:31:16.79 ID:fZXUDyqx0
更新来ないねぇ…
>>1
がアンチに反応してそれに信者が便乗して荒れるいつものやつ。書くか書かないかだけはっきりしてほしいな
327 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/22(月) 00:43:06.67 ID:IIa1IZ1l0
今日も更新なしっぽいか、期待して待ってる。
328 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/22(月) 08:02:22.70 ID:qfqhMQIrO
投下こないからまとめサイトにあがってる分を読み返してみたけどやっぱ凄く面白い
ペラペラテンプレな王道でありがちな展開はだけど何度も読める
329 :
◆7Ub330dMyM
[sage]:2018/01/22(月) 13:31:16.44 ID:azsEVe4VO
しゃしゃりでると火に油を注ぎそうだったんで静観してました。続き更新してもよかったんですがそういう雰囲気でもないかなと。
反省点を踏まえ今後は良い悪いにかかわらず一区切りつくまで、これを最後に個人レス(報告含む)はひかえます。
明日にチラ裏(ただのメモアプリ)に書いてるのを更新しようと思います。そんなに量はありませんので投稿し終えたらリアルタイム更新になります。
330 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/22(月) 18:26:23.41 ID:7bKL85fy0
>>329
乙!
楽しみに待ってるから
よろしくね!
331 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/22(月) 18:42:14.98 ID:8XC/lP5z0
ドンマイ
首長くして楽しみに待っとる
332 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/22(月) 21:33:23.11 ID:318ZbTYNO
期待
333 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/23(火) 10:52:41.38 ID:icbp46Pf0
これだけ騒ぎになった時点でSS的には大成功の部類
334 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/23(火) 13:42:50.44 ID:1oCodxxaO
【数分後】
荒くれ者「」
戦士「大丈夫だったか? 爺さん」
老人「あ、ああ。それにしても強いんだねぇ、お嬢ちゃんたちゃ」
僧侶「危ないところでしたぁ」
老人「……あっちの若者はいいのかね」チラ
勇者「」
魔法使い「あぁ、いいのいいの。いつものことだから」
老人「ふ、ふむ」
戦士「どーなってるんだい? 井戸に水がはいってないなんて」
老人「旅人か。この地方は雨が降る割合が極端に低いのは知っとるかい?」
武闘家「見ればわかる」
老人「であるからして、こうして地下の源泉を掘り当てた湧き水を使っとるんじゃが……」
僧侶「聞いたことがありますねぇ。いずれ乾いてしまう場合があるとか」
老人「大抵の場合は風で運ばれてきた土が原因じゃ。ここが枯れた理由はさっぱりわからん」
戦士「水がわかなくなったってのはたしかだ。生活できないだろ?」
老人「水を宅配してもらっとるんじゃ。その金がまたバカにならんくての」
魔法使い「水のデリバリー?」
勇者「ほーん」ムク
僧侶「今回は復活まで時間がかかりましたねぇ〜」
勇者「なぁなぁ、じいちゃん。井戸の水て突然枯れるもんなの? 原理としては」
老人「む? ワシもくわしいことはわからん。だが、現実として枯れてしまった。はっきりしてるのはそこじゃ」
勇者「原因を探ろうとしないのか? 例えば、もっと深く掘ってみたとか」
老人「そりゃするさ。なにせ水は生活に欠かせないものじゃからな。クイーンズベル王国の調査団が水脈を調べておる」
勇者「ほむ」
魔法使い「近いうちに究明されるんじゃない? 学者達もいるだろうし」
老人「左様、ワシらよりもうんと賢いお方が調べておるんじゃ。いっときの辛抱じゃよ」
勇者「……そうは言うけど、干上がってどれくらいになんの?」
老人「かれこれ、二週間になるか」
勇者「その間、生活水を実費で購入してるわけだろ? 国から補助が出るわけもなく?」
老人「そういう段階ではなかろうて。ワシらはお国を信じて待っとりゃいいんじゃ。ぜぇ〜んぶ、国王さまが良くしてくれる」テクテク
勇者「……」
武闘家「爺さんは行ってしまったぞ。考えこんでいるようだが」
魔法使い「どうせ晩ご飯なににしようとか悩んでるんでしょ」
戦士「なにっ⁉︎ メシっ⁉︎ 一緒に考えよう! あたしはケバブがいいぞ!」
勇者「行きつく先々で。なんでめんどくせぇんだよ。俺はコナンくんじゃねーぞ」ブツブツ
335 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/23(火) 13:44:48.37 ID:1oCodxxaO
【クィーズベル城 南西方向 廃墟 】
お頭「おい、割符はちゃんと配ったか」
手下「へへ。これを忘れちゃ報酬が受け取れませんもんね」スッ
お頭「もうすぐ緋の月だ。それまで水を干上がらせておく……」
手下「風の噂によると姫に縁談の話があるとか。北のハーケマルから第一皇子がわざわざ出向いてまで」
お頭「そうなりゃ国を挙げての催事になる。水はもちろん使う。なにせここは暑いからな」
手下「さすがお頭(かしら)。国王を相手にぶんどろうなんてちんけな小物にゃ考えつきませんぜ」
お頭「まだ計画は道半ばだ。明日の朝日一番で城にいく準備をしておけ」
手下「へい」
お頭「いいか、あくまでもお前らは兵の配置を調べるための偵察にいくだけだ。あまり深入りすんじゃねぇぞ」
手下「わかってますって。おい新入り! 馬の餌やりおわったんならボサッとしてんじゃないぞ!」
ガンダタ「……悪い」ムクッ
手下「けっ。山賊だかなんだか知らねーがいい歳こいたおっさんが。こうなっちゃおしまいっすね」
お頭「ガンダタよ。オレも驚いたぜ。この業界でちったぁ名の知れたお前さんが……まさか給料の未払いで手下どもに逃げられちまうとはよ。今はどんな気分なんだい? 聞かせてくれよ」
ガンダタ「……」
お頭「なんだァ? 喋る気もねぇってのか? え? 下働きさんよ」
ガンダタ「暇してんのか? お頭」
お頭「あ?」
ガンダタ「下働きにかまってるんだ。見たまんまの感想だろ」
お頭「からかってるんだよ。それすらもわからねぇのか」
ガンダタ「俺は暇じゃねぇんだ。馬の洗体が残ってるんでね」
お頭「おい……。ガンダタさんよ」
ガンダタ「……」
お頭「郷に入っては郷に従えってしらねぇんだな。言葉遣いにゃ気をつけろよォ?」
ガンダタ「……へい。お頭」
お頭「ふん……おい、野郎ども! 明日は骨董屋に戦利品を売りさばきにいく! うんとふっかけてやれ!」
手下達「へいっ!」
お頭「いいか! 先の大仕事が終われば、お宝が俺たちを待っているッ! なんでも好きなことができるぞ! 報酬は弾む! だから気合いを入れろ!」
手下達「おおおぉぉぉっ!!」
336 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/23(火) 14:22:07.21 ID:1oCodxxaO
【クィーズベル城 玉座】
学者「こ、国王さまぁ〜〜っ! 国王さまぁ〜っ!」バタバタ
大臣「騒々しいぞ。国王様ならあちらに。御前である」
学者「はひっ! ひっ、ひっ、ふぅっ……ふぅ……なにしろ、取り急ぎお伝えしたいことが」ドゲザ
国王「よいよい。申して見よ」
学者「水が枯れた原因がわかりませんっ!!」クワッ
国王「……」ズルッ
学者「どうしたらよいのでしょうか⁉︎ 国王さま!」
国王「おまっ、そこは普通わかりました! じゃろう」
学者「そ、それが……水は止まっていないはずなのですぅぅ」
国王「なに……? どういうことじゃ?」
学者「一週間前に派遣団を結成いたしておりまして、地奥深くに流れる水脈を調査開始致しました」
国王「知っておる。余が承認したからの」
学者「そ、その結果、水が、逃げていることが判明致したのです」
国王「逃げとるじゃと? 枯れたではなく?」
学者「そ、そうなのでございます。棒を突っ込むと先端は濡れておりまして。ならばと思いそれを目印に掘り進めど水は一向に出てこず」
国王「……んぅ〜?」
学者「本来ならばそこに在るはずの水源がないのでございます!! 我ら学者一同頭を抱えておりまして」ペラ ペラ ペラ
大臣「なにを広げておるのだ、勝手に」
学者「こ、これは調査記録でございます。井戸というのはですね、地層水と呼ばれるもので――」
国王「能書きは良い。水は、民この国にかかせない資源じゃ」
学者「は、はいィッ!」ビシィ
国王「“逃げている”、か。にわかには信じられん話じゃが、それで間違いないのか?」
学者「わ、我々も何度も何度も手作業で掘り当て……岩盤層が出てくると爆薬を使い、そしてさらに掘り進みましたが」
国王「……ラチがあきそうにないのぅ」
学者「も、もうしわけまりませんんんんっ!!」ドゲザ
国王「大臣よ。水売りにきている者たちはどうじゃ? 暴利をふっかけてきておらなんだか?」
大臣「今のところは。しかし、最近は、なにやらどうも出し渋りはじめてきたようで」
国王「もう二週間にもなる。長期的になると薄々感づいてきておるのかもしれんな。商人の嗅覚は侮れないものよ……」
大臣「足元を見られるわけにもいくますまい」
国王「同時に、国王が圧力をかけるなどあってはならぬことよ。いくら困っているとはいえ、商人には商人の道理があり、権利がある」
大臣「国の一大事に発展するとならば話は別っ! 水! 水なのですぞ! ない生活など不可能です!」
国王「なにか妙案はないものかのぅ」
337 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/23(火) 14:43:42.95 ID:1oCodxxaO
【クィーズベル城 姫の個室】
メイド「姫様。もっとお腹にお力を。息をめいっぱい吸いこんでくださいまし」ギュ ギュ
姫「……はぁ」
メイド「吐いてはコルセットが……縁談の件で心を悩ませておいでなのですか?」
姫「そうですの。ねぇ、貴女は恋をしたことはある?」
メイド「いえ。私は王宮に、そして姫様に仕える身として従事させていただければ本望でございます」
姫「楽しいんですの? そんな人生が」
メイド「私にとっては全てでございます。……お悩みは、同じ女としてお察しします」
姫「お父様もお母様もひどいんですの。まるで、私に心を殺して生きる人形になれとおっしゃっているかのよう」
メイド「国王両陛下もお苦しいのだと思われます。一人娘です。決してそのような――」
姫「そんなの! 私は望んでいないんですのっ!!」
メイド「ひ、姫様……?」
姫「わたくしは恋をしたい! もっと一人でいたい! 結婚して妻になれば民は安心する⁉︎ 私はどうなるんですの⁉︎ 幸せは⁉︎」
メイド「……」
姫「いやです。会ったこともない人の妻になるなんて……うっ」ポロ ポロ
メイド「泣くのはおやめください。ハンカチです」スッ
姫「うっ」
メイド「覚えていらっしゃいますか。姫様は昔、泣き虫でした。そのたびに私がこうしてハンカチを差し出してましたね」
姫「忘れたんですの、そんな昔の話」グスッ
メイド「ふふ。私は全て覚えております。……姫様、強くおなりください」
姫「……」
メイド「この国は王子が生まれませんでした。子を授かる、それ自体は誰しも責められぬこと。一部の者は妃様の陰口を叩いておりますが、王様の人望が黙らせております」
姫「ええ、知っています」
メイド「この国の未来は、貴女様にかかっているのでございます。民たちの笑顔をさせることも、がっかりさせることも」
姫「……貴女まで、そんなこと……」
メイド「姫様だからこそです。お立場と向き合うというのならば、私はこれからも、いいえ、死ぬまで片時もお側から離れません。おこがましい申し出ですが、辛さを分け合えたらとさえ思っています」
姫「……」
メイド「男など、手のひらで転がしてやればよいのです。お妃様のように、王様に惚れさせて」
姫「惚れ、させる……」
メイド「必ずや、姫様にはその器量があると信じております」
姫「うぅ〜ん」
メイド「まずは、会うだけ会ってみましょう。それから判断しても遅くはございませんよ。……ね?」
338 :
◆7Ub330dMyM
[sage]:2018/01/23(火) 15:02:47.50 ID:1oCodxxaO
【クィーズベル城 姫の部屋前】
メイド「……ふぅ」ギィー パタン
衛兵「お疲れ様です」
メイド「これはこれは、衛兵殿。そちらこそ。では、私はこれで」スッ
衛兵「お待ちください」
メイド「……なにか御用でしょうか? 忙しいのですが」
衛兵「――……お頭からの指示がある。城の見取り図を手に入れてほしいそうだ」
メイド「……! 城内では接触しないでとあれほど……!」
衛兵「決行がそろそろ近くなりそうだ。ハーケマルの王子がくれば兵は各地の警備に分散され、人の出入りで慌ただしくなる」
メイド「……」
衛兵「なぜ返事をしない? お前の弟が人質なのを忘れるなよ。ここにきて裏切ったらどうなるか」
メイド「……っ、わ、わかっていますっ! 弟は、勘弁してやってください」
衛兵「お前次第だ。心配すんな、全部終われば無事に帰ってくるさ。この国はやばいことになるだろうがな」
メイド「せ、せめて、無事だと思える確証を」
衛兵「なら見取り図を手に入れろ。俺たちにはどうしても必要なんだ。王に水の交渉を持ちかけている間に、宝物庫に忍びこみごっそりといただくためには」
メイド「ほ、本当にそうすれば……弟に、合わせていただけるんですね……?」
衛兵「何度も言ってるだろうが。めんどくせえ女だな」
メイド「……」ギュゥ
衛兵「いつまでに手に入れられる?」
メイド「3日、時間をくださいまし。城の見取り図は重要な情報。必要な時だけ取り出せるよう厳重に保管してあります」
衛兵「いいだろう。さっさといけ。誰かに見られたら厄介だ」
メイド「……」スッ スタスタ
衛兵「(何度見てもいい女だぜ。個人的に楽しむってのもありかもしれねぇな)」
339 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/23(火) 15:23:17.17 ID:1oCodxxaO
【クイーンズベル 宿屋 食堂】
勇者「なんで鍋なんよ?」
魔法使い「……」タラ〜
勇者「なんでっ! 外気温が39度もあるのにっ! 地獄鍋なんよっ!」バンバン
戦士「はふはふ、うまいっ、暑いっ、あつうまっ」モグモグ
勇者「お前もうなんかペット化してきてんな!」
僧侶「しょうがありませんよぉ〜。これしかないっておっしゃるんですからぁ」
勇者「我慢大会やってるんじゃないんだぞ!」
魔法使い「暑くなるんだから、騒がないでよ。バカ勇者」ダラダラ
勇者「滝の汗になってるけど、平気?」
武闘家「……アタイ、やっぱり店員に」
戦士「待て」ガシッ
武闘家「はぁ……なんだよ」
戦士「出されたものをすべて平らげてからだ。それこそが道理」
勇者「お前ルール押し付けてんじゃねぇ! 俺はもう我慢ならん! 店員さぁーん! ちょっとカマン!!」パチン
魔法使い「指鳴らすとかやめてくれない?」
店員「チッス。追加の鍋ご注文ッスか?」
勇者「いらねーよ! どうなってんのよ!鍋って!」
店員「暑い中食う鍋が今年のトレンドなんスよ」
勇者「いや、ほら。ほかにもあるだろ? 本当は」
店員「あるにはあるすけど。激辛ラーメンとか」
勇者「な、なんでそんなもんばっかり」プルプル
店員「サーセン。お客さん、旅人っスよね? この地方ってみんなこうなんすよ。どこいってもこうすっよ」
勇者「そんなの絶対おかしいよ!!」バンッ
店員「たくさん汗かいてたくさん水のむっス。身体にもいいんスよ。長生きの秘訣っス」
勇者「す、住めない。ここには絶対に……!」
魔法使い「はふぅ」コテ
勇者「お、おいっ! 魔法使い! しっかりしろ!」
魔法使い「ゆ、勇者……水……」
勇者「ほら! 飲め!」スッ
魔法使い「んくっ、んくっ」ゴクゴク
勇者「き、きさまああぁぁっ! よくも魔法使いを!」
店員「なに三文芝居やってんスか。注文ないなら失礼シャース」テクテク
勇者「うっ、うっ」ポロポロ
僧侶「勇者さまぁ、泣かれておられるのですか?」
勇者「これだから、これだからこの地方は嫌いなんだ……! なにもかも……」ポロポロ
武闘家「はぁ……」ガックシ
戦士「うまっ、はふっ、はふっ。店員さーん! ラーメン追加ぁー!」モグモグ
340 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/23(火) 19:07:08.61 ID:576+Hgr7O
乙
341 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/25(木) 14:45:24.55 ID:PJlRf//QO
【翌日 朝 宿屋】
魔法使い「――はぁ?? ここにしばらく滞在するぅ?」
勇者「そうだ」
戦士「てっきり、あたしは通過地点程度にしか思ってなかったが」
武闘家「アタイだってそうさ」
僧侶「ダーマに急がなくてよろしいのですかぁ?」
勇者「(ど、どうする……。まさか、私用で……それも勇者にまつわる話だと正直に言うとこいつらのことだ。騒ぎそうだし、めんどくせぇ……)」
戦士&武闘家&僧侶&魔法使い「……?」
勇者「(よし、また適当なウソつくか)……ミンゴナージュからここまでは少し疲れたからな。休息も必要だ」
戦士「疲れてもないが?」
勇者「お前らは揺られてただけだろうが!」バンッ
魔法使い「あんただって手綱握ってた……馬にってこと?」
勇者「そ、その通り!(ということにしておこう)」
僧侶「それにしてはぁ、まるでご自分が疲れたかのようなぁ」
勇者「言い方間違えただけ! 細かいことはいいの!」
武闘家「馬車を失うのは痛いもんね」
勇者「そうだ! 人手で運ぶには限界がある! 魔法使い!」
魔法使い「……なによ?」
勇者「お前、何十キロも重りつけて歩けるか?」
魔法使い「無理だけど」
勇者「だろう⁉︎ 人は便利さを知る前と後ででは感覚が違う! 物資も買った!」バンッ
戦士「む、たしかに。買いこんだな。勇者が最初は北にいくなんていうから余計な荷物まで」
勇者「こ、細かいことは忘れよ⁉︎ ……ごほんっ、それでだな。馬もいたわってあげなきゃいけない。僧侶!」
僧侶「はい〜」
勇者「俺が言ってることになにかおかしい点はあるか?」
僧侶「いえ〜。暑いですからねぇ〜」
勇者「そうだろう、そうだろう! なにもおかしくはない!」
武闘家「……何日ぐらい予定を伸ばすのさ?」
勇者「へ?」
戦士「いや、もちろんすぐにとはいかないが、異常があるわけじゃないんだ。武闘家が言うようにあまり伸ばしても」
勇者「(し、しまった。見切り発車でそこまでは考えてなかった)……三日ぐらいかな?」
魔法使い「ふぅ〜ん、まぁいいけど。それならマッスルタウンで羽伸ばしたかったなぁ。ここ住みにくいし」
勇者「……」ホッ
戦士「馬舎に預けてあるから簡単な世話はしてれるよな。あたしらはその間、フリーでいいのかい?」
勇者「そうだな。一緒に行動する理由もない。思い思いに休息してくれ」
僧侶「かしこまりましたぁ」
342 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/25(木) 14:57:10.51 ID:PJlRf//QO
【宿屋 部屋】
勇者「よし、うまくいったぞ。えぇーと……どこにしまったんだっけ」ゴソゴソ
従業員「掃除しても大丈夫です?」ガチャ
勇者「あー、どーぞどーぞ。お疲れ様です」
従業員「すみません、他の部屋もまわらなくちゃいけないもので。失礼します」バタン
勇者「おっ、あったあった。マク・ドナルドの時の覆面。これを探してたんだよなー。でも、このままだと武闘家は知ってるから〜……従業員さん」
従業員「はい?」
勇者「ここらへんって服の仕立て屋ありませんかね?」
従業員「ありますよ。宿をでてしばらく歩くと十字路の大通りにでますから、そこを右に曲がった角です」
勇者「裁縫もやってくれたりします?」
従業員「えぇ、まぁ頼めばやってくれないことはないと思いますが。なにか破れたんですか?」
勇者「いえ、そういうわけじゃないんですけどね、これに手を加えてほしいなーなんて」
従業員「マスクですか? 仮装用の?」
勇者「そんなもんです」
従業員「けっこう痛んでますね。新しいもの買ったらどうです?」
勇者「へ? 売ってるんですか?」
従業員「ええ。変わった店ならいくらか」
勇者「おお! どこに行けば⁉︎」
従業員「それなら、大通りの十字路をそのまま――」
343 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/25(木) 15:12:16.31 ID:PJlRf//QO
【仮面屋】
店主「いらっしゃい」ニタァ
勇者「魔物め!」スラッ
店主「……なぁ〜に言っとるんだい」
勇者「つ、つい。店内薄暗いのにロウソクで下から照らしちゃってるから」
店主「余計なお世話だよ。ひやかしなら帰っとくれ」
勇者「いやいや! 買う! 買いに来た!」
店主「ふん……お探しはなんだい? 仮装用かい?」
勇者「見た目はなんでも。希望は顔の全面が隠せるもので、なるべく通気性の良いものがいいな」
店主「布地がいいかね。麻か、もっと薄くなると透けちまうから……」ゴソゴソ
勇者「けっこう色々あるんだなぁ」キョロキョロ
店主「なんだい? こういう店に慣れてないのかい?」
勇者「ていうか、あんまり見かけない」
店主「そりゃそうかもしれないねぇ。クィーンズベルでもこの1店舗だけさ……これなんかどうだい? 体もセットという代わり品だ」スッ
勇者「おもっくそスパイダー○ンやんけ!!」
店主「す、すばだー?」
勇者「……知らないならいいんだ。でも、ちょっと派手かな? この世界観にそぐわないっていうか。もっとファンタジー色の強いものがいいと思う」
店主「さっきからなに言っとるんだい」
勇者「うんとね、なんかこう、仮面です! って仮面?」
店主「……やっぱり、ひやかしかい」ジトォー
勇者「いやいや違うよ!」
店主「あんたの要望にはそれしかないよ」
勇者「え、えぇ……これ?」チラ
店主「買わないんだったら帰っとくれ」
344 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/25(木) 15:23:13.53 ID:PJlRf//QO
【数十分後 城門前】
兵士「なんだ貴様は」
スパイダー○ン「ハーイ! ボクの名前はスパイディーさ!」
兵士「不審者か」
スパイダー○ン「違うよ! 正義の味方で悪者をやっつけるんた!」
兵士「……それで、なんの用だ」
スパイダー○ン「城に入れないか――」
兵士「だめだ。帰れ」チャキ
スパイダー○ン「い、いきなり槍の剣先向けないでよ!ボクがなにをしたっていうのさ⁉︎」
兵士「なにかしそうだ」
スパイダー○ン「冤罪だ! 人を見た目で判断しないで!」
兵士「なら、脱げよ」
スパイダー○ン「だ、だめだよ。そんなことしたら、ボクが一般人のピーター・○ーカーだって」
兵士「……」スゥ
スパイダー○ン「笛ふこうとしないで⁉︎ 仲間呼ぶつもりでしょ⁉︎」
兵士「帰れと言ってるだろうが。捕まえるぞ」
スパイダー○ン「い、いや、だからボクは犯罪者じゃなく悪者をやっつけるヒーローで」
兵士「すぅー……」ピィィィィ
スパイダー○ン「戦術的撤退ッ!!」ダダダッ
345 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 16:17:13.70 ID:joevVxvVO
世界観壊れててギアナ高地生えますよ
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 16:27:54.14 ID:rf+PgS3dO
これが勇者魔王の王道なんだよ
347 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 16:35:17.07 ID:joevVxvVO
まとめられた際に、王道の是非議論でコメ欄が80くらいまで荒れそうな予感
348 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/25(木) 18:51:17.81 ID:9oz6ej7sO
王道っぽい展開+100点
異世界転生っぽい勇者-10000点
クソSSなんだよなぁ
349 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 19:46:45.35 ID:FNyLS5Vu0
まだアンチ湧いてたのかw
残念ながらまとめサイトの感想欄ではみんな面白い面白いて読んでるよ
面白くないんなら散った散った
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 20:13:48.34 ID:BJEo/A8QO
周りが勝手に言うならともかく
>>1
が王道勇者SSとか言っちゃうからな
エレ速あたりがまとめたらコメ欄えらい荒れそう
351 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 20:19:11.92 ID:qQBUgtkA0
「まとめがー」
「まとめではー」
「コメ欄がー」
冬休みか?
352 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 20:19:43.36 ID:FNyLS5Vu0
バカバカしすぎるw
エレ速のコメ欄とか有名SSでさえ「なろう産みたい」にピンポイントで反応して叩く吹き溜まりの集まりじゃねーかw
しかも世界観壊れてるとか衣装って設定でギャグSSにありがちなメタ発言でwww
353 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 20:55:18.60 ID:7YD3kyBA0
乙レス1つからの炎上信者大量発生とかもうね…
いろいろ察してしまいますよ
354 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 20:56:19.80 ID:FNyLS5Vu0
>勇者「……知らないならいいんだ。でも、ちょっと派手かな? この世界観にそぐわないっていうか。もっとファンタジー色の強いものがいいと思う」
この一文があっての世界観壊れてるツッコミとかそっちのが草生えるわw
355 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 20:58:17.90 ID:ERwfwOrFO
それだけ注目されてるんやで
まとめでコメ欄が荒れるのも同じや
356 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 21:16:01.40 ID:FNyLS5Vu0
俺は有名SSの「仲間TUEEE」SSのコメ欄が今のこことまったく同じような「なろうみたい」「作者の自演で察する」になったときにあのサイトは変なの住み着いたなと逆に察したなw
このSSに粘着してるのも同じやつだったりしてw
357 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 22:44:20.01 ID:RpLbcTqLO
乙
358 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 23:14:57.86 ID:1VAm1C8A0
それだけ連投してれば、ねえ
遠慮なしに連投できるのって、作者か荒らしぐらいしかいないから
359 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/26(金) 00:03:44.16 ID:3ZqTLTN60
まーた信者が騒いでるのか…頼むから静かにしててくれ
360 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/26(金) 00:37:54.72 ID:KgC32AaKO
iD:FNyLS5Vu0
まとめサイトの感想欄で皆に面白いと言われてる
エレ速のコメ欄なんて「なろう産みたい」にピンポイントで反応して叩く吹き溜まり
感想欄とコメ欄って使い分けてるけど何で?
コメント欄であることに変わりはないよね?
サイトは違えどコメント欄ということに変わりはないよね?
コメ欄に面白いと書いてあるから面白いんだと言うような主張かと思えば、コメ欄なんて叩きの吹き溜まりと言う
言ってることぐちゃぐちゃですよ
361 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/26(金) 00:45:34.28 ID:GLsWpgl80
森きのこでは絶賛されてるぞ
ただ、エレ速は閲覧者の母体数が比較にならないからね
星を5つつける奴もいれば、1つしかつけない奴もいる
どんな作品にも否定的な人間は一定数いるわけだから、顔真っ赤にして喧嘩しちゃいかん
362 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/26(金) 05:30:21.45 ID:fGNDHHkao
久々の長編名作だと期待
楽しみにしてるよ
363 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/26(金) 05:54:05.78 ID:c7j70UuA0
乙がないからとか言ってる方も頭おかしい
黙って見守ることができんならどっちも出て行け
364 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/26(金) 06:05:27.12 ID:+iJNe8k9O
過敏に反応してるアンチがエレ速住民だってのはよくわかった
エレ速まとめ禁止だと書いた方がいいレベル
じゃないとまとめられたら待ってましたと言わんばかりにクソSSの連呼を自演されてるのが想像に難しくない
365 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/26(金) 07:25:20.49 ID:dpr/yItPO
その決め付けは何なの? 根拠は?
アンチは嫉妬してる作者なんでしょ、何でエレ速住民になったわけ?
366 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/26(金) 08:11:51.93 ID:c7j70UuA0
ここがエレ速のコメ欄そのまんまになってきてる
本当に
>>270
あたりまで平和なスレだったから誰が荒らしてるかなんて一目瞭然なんだがな
レスバトルの内容もゴミだ
367 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/26(金) 08:19:59.66 ID:fGBU3bs4O
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十ヽ -|-、レ |
d⌒) /| ノ ノ
368 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/26(金) 08:55:14.74 ID:s+qaajMpO
過剰に反応する読者もどうかと思うよ
煽られても無視すればそのうち消えるのに、むきになって反論するとか悪手でしかない
SSの内容がどうであれ荒らす奴は荒らすんだから何を言っても無駄だよ
369 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/26(金) 19:52:46.78 ID:3eBD+g4Co
楽しみ
370 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/26(金) 21:49:57.16 ID:h30HTTEeO
追い付いた
371 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/26(金) 23:02:18.24 ID:KTeJh+RhO
人が少なくなってもつまらないSSはちゃんと叩かれるんだな
安心した
372 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/27(土) 08:10:01.36 ID:S4Lz+F1z0
実際問題叩いてるやつが自演しまくってるように見える
373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/27(土) 09:30:59.06 ID:TAs0Dis1O
叩きは全て自演です
擁護は決して自演などではありません
374 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/27(土) 10:30:08.64 ID:S4Lz+F1z0
俺もそうだけどまとめで元スレ貼られてるから続き読みたくてそっから飛んできたやつもいるんじゃねの?
擁護や信者が沸くのに自演がいないとは言わんが叩きがどっとわいてるのはどう見たっておかしい
375 :
◆y7//w4A.QY
[saga]:2018/01/27(土) 11:54:52.45 ID:sYFh7cGeO
【仮面屋】
スパイ○ーマン「ぜぇっ、ぜぇ、はぁっ……ふぅ〜」バタン スポッ
店主「おや、あんたついさっきの」
兵士「チッ、見失ったか。おーい! 向こうを探せーっ!」ザッザッザッ
勇者「うっ、やばっ」ササッ
店主「表が騒がしいねぇ。捕り物でもやっとるのか」
勇者「行ったか……こうなると思ってた! 思ってたよ!!」ビターン
店主「なんだいきなり。物を粗末に扱うんではないよ。ましてやうちの元商品を。買った店で床にたたきつけるなんぞ……」
勇者「ば、ばあちゃん! 俺も漫画は好きでよく読んでたけどさぁ……! 」
店主「そりゃ子供達がよく読んでる本の代物だったのかい。だったら買手がつきそうなもんだがねぇ、なんで売れ残ってたんやら」
勇者「コアな方だからな! アデルでも数冊しか見かけないぐらいの!」
店主「詳細はどうでもいいよ。あたしゃあんたの希望に沿う品をご提示しただけだから」
勇者「もっと他になんかない? ファンタジーでなくてもいいからもっと普通の……そう、舞台や劇であるような! これならばあちゃんもわかるだろ?」
店主「劇……そうか。それなら最初から言ってくれればいいのに」
勇者「あくまで俺が悪いみたいな言い方やめていただけるかな⁉︎」
店主「……そうさね、演劇で使うとなりゃ……」ゴソゴソ
勇者「つ、使うわけじゃないけど」
店主「ん〜と……これならどうだい?」ポイッ
勇者「おっと……⁉︎」ズシッ
店主「そりゃちょっと曰くつきなんだけどね。なんでも役者が着けてる時に死んだっていう」
勇者「縁起わりーな! ……甲冑の鉄仮面か。これなら。たしかに、さっきより」
店主「違和感とかさっきからお前はなにを言っとるんだい?」
勇者「あぁ、いや、城に行くのにさ」
店主「お城に? そんなもん着けて城にいくのかい?」ジトォー
勇者「あんたんとこの商品だからな!」
店主「客の個人事情なんか知ったもんか。あたしが知りたいのは用途だよ。城に行くならはやく言えってんだ」ゴソゴソ
勇者「……これ、着けたら呪われたりしないだろうな……」ジー
店主「それはその場に置いておきな」ポイッ
勇者「んっ? ……っと」ポト
店主「城に行くならそれなりの格好でなきゃ行けないだろ。それ着けてきな」
勇者「これは……? 仮面か?」
店主「貴族が愛用してるマスカレードマスク(舞踏会で用いられる仮面に装飾が施された物のこと)さ。……あんたの格好じゃチグハグだね」
勇者「だって、体もスパイダー……いつもの服でもダメだな」
店主「亡くなったじいさんがかっこよさコンテストで着ていた服がたしかこっちのタンスに――……」
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/27(土) 11:56:31.41 ID:lt/OPqe90
擁護も叩きも自演だらけでもはや魔境やな
前はもっとマシだった気がするんだが
377 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/27(土) 11:58:50.96 ID:sYFh7cGeO
【竜王城 司書室】
シンリュウ「ふむふむ」ペラ
ベビードラゴン「んしょ、よいしょ、紅茶と人肉クッキーを運んできましたよぉ」
シンリュウ「そごにおいででぐれ」ペラ
ベビードラゴン「精がでるっすねぇ〜」コト
シンリュウ「……」ペラ
ベビードラゴン「勇者をお調べになってるだっしょ? 正直、たかが人間をなにを恐れるてのやら」
シンリュウ「わだすもそう思う。だけんど、伝承によっちゃ、歴代魔王様の天敵扱いになってっぺな」パタン
ベビードラゴン「勇者ってそもそもなんす? 記録が残ってるんすか?」
シンリュウ「時代によっで解釈が変わる。勇あるもの、女神に愛されしもの、世界に平和と均衡を繋ぐもの……呼び名は様々だぁ」カチャ
ベビードラゴン「ふぅ〜ん。あっ、一枚もらうっす」ポリッ
シンリュウ「“勇者”とはあくまで符号にしかすぎないのか? たまたまそうなった者が勇者と呼ばれる」
ベビードラゴン「血統は関係ないんすか? んぐっ、あむっ」モグモグ
シンリュウ「そんれがなぁ〜、それもたまたまかもしれないし、そうじゃないのかもしんね」
ベビードラゴン「よくわかんねっす」ゴクン
シンリュウ「生まれ持った“ギフト(女神からの贈り物)”なのか……そうだとしたら……勇者とは“運び手”じゃないんかなぁ……」
ベビードラゴン「運び手わっしょい、運び手わっしょい!」パタパタ
シンリュウ「この部屋にある壁画。世界樹を前に、我が祖先と勇者が共に戦う姿……」
ベビードラゴン「ほんとなんすかね? 祖先様は人肉を食べるのをやめたって話」
シンリュウ「……」カチャ ズズ
ベビードラゴン「こんなにおいしいのに」ポリッ
シンリュウ「……っ⁉︎ あっつぅいっ! ベビー! ちょっとあんだ!」ブボッ
ベビードラゴン「あっ、紅茶、暑すぎたっすか? 猫舌ですもんね」
シンリュウ「冷ましてから持ってぎでっていづも言っでるだに!」
ベビードラゴン「んだども、猫舌の竜王なんて聞いだごども。火炎の息はくのに」
シンリュウ「覚えてけろっ! 何度言わせんの!」プルプル
ベビードラゴン「す、すいません!」
シンリュウ「……祖先様は、勇者のどこに惹かれたんだっぺな……」ボー
378 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/27(土) 12:17:58.27 ID:sYFh7cGeO
【クイーンズベル城 城門前】
勇者?「はっはっはっ、いやぁ、今日も暑い中ご苦労だねぇ!」
兵士「ん……?」
勇者?「失礼。私は名家出身である、ジャンポワール・ルネッサンスというものだが」
兵士「は、はぁ」
ジャン「気軽にジャンと呼んでくれたまえ」
兵士「……」ジー
ジャン「(バレませんようにバレませんようにバレませんようにバレませんように……!)」
兵士「……本日はどのようなご用件で?」
ジャン「(キターーー! ばあちゃん感謝!!)……この城の中に知り合いがいてね」
兵士「はぁ、お知り合いですか。それならば名簿を」
ジャン「いい、いい。私は貴族でありながら庶民の苦労を汲みたい」
兵士「……?」
ジャン「いや、だからだね、手を煩わせるのも悪いだろう?」
兵士「あ、あぁ。いえ、これも務めですので、お名前を教えていただければ――」
ジャン「申すな申すなぁ。せっかくこちらが気を使っているというのに」
兵士「……」
ジャン「……」ゴクリ
兵士「――……あ、ありがとうございます。実はちょうどそろそろ交代の時間で」
ジャン「そ、そうだろう⁉︎ そうだろう! 気にしなくていいんだぞ⁉︎」
兵士「お優しい貴族様で。あの、それでなんですが城内に入るということで?」
ジャン「無論だ。じゃないと自分では探せないからな」
兵士「無許可で通すのはちょっと。そうだ、本日は身分証をお持ちでいらっしゃいますか?」
ジャン「み、身分証?」
兵士「はい。貴族様であれば、身分を証明するものをお持ちですよね?」
ジャン「も、もちろんである!」ゴソゴソ
兵士「……」ジー
ジャン「あ、あれぇ〜? どこやったっけなぁ……わ、忘れちゃったかなぁ?」
兵士「……忘れた?」
ジャン「い、いやぁ〜ついうっかり。忘れるなんて慌てん坊さん! てへっ!」
兵士「貴様……」チャキ
ジャン「な、なんでせう?」
兵士「貴族が身分証を忘れただぁ?」
379 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/27(土) 12:49:21.67 ID:sYFh7cGeO
ジャン「た、たたたんま! 本当に! ウソじゃないて!」
兵士「身分証を持ち歩かない貴族など聞いたこともない!」
ジャン「今回がはじめてのケース! やったね! きみの童貞は捨てられたよ!」アタフタ
兵士「ますます怪しいわ! 貴族がそんなにふざけた言葉遣いをするものかっ!!」
ジャン「言っただろ⁉︎ うちの家系そうなの! こういう教育方針なの!」
兵士「……では、どこの出身だ」スッ
ジャン「ん?」
兵士「出身地と名家であるという証拠を別の形で示せ」
ジャン「ん??」
兵士「できないのか……?」
ジャン「で、できるよ! もちろん! 我が家系は先祖代々アデル王と関係を持っていて」
兵士「ほう」
ジャン「そ、それから、えっと、アデル王と親交が深くて」
兵士「ふむ」
ジャン「……アデル王と仲がすっごくいいんだ!!」
兵士「で?」
ジャン「ん??」
兵士「だからなんだ?」
ジャン「いや、だからさ、そんな凄い貴族ってことで、ここはひとつ」
兵士「なにひとつ証明になっていないのだが?」チャキ
ジャン「矛先って人に向けたら危ないと思うんだ」
メイド「――……これ。なにをしているのです、城門前で」テクテク
ジャン「(ん? あいつは……)」
兵士「こ、これはこれは。姫様専属の……職務に励んでいたのであります!」ビシッ
メイド「貴方は品格を落とすのが務めですか」
兵士「いえっ! 不審者を取り締まり! 王と場内の安全を確保するのが務めであります!」ビシッ
メイド「こちらが、不審者……」ジー
ジャン「(ま、間違いない! あの凶悪姫と小さい頃から一緒にいた……! 俺がいじめられてたのをほくそ笑んでいたメイド……!)」
メイド「城の者が失礼致しました。貴族様と見受けられますが、本日はどのような」
兵士「メイド様! 騙されてはなりません! そいつは怪しいです!」
メイド「黙りなさい。この方がつけているマスクは由緒正しきマスカレードマスクではありませんか。贋作でもない、真贋です。なにを疑っているのです」
兵士「えっ? そ、そうでありますか⁉︎」
ジャン「(な、なんとぉっ⁉︎)」
メイド「……大変失礼致しました。兵にあまり学はないもので」ペコ
ジャン「……いやっはっはっ! いい、いい! 私も身分証をついうっかり忘れていてね!」
メイド「まぁ……それは」
ジャン「だからそこの兵士くんが疑うのも当然よ。責めないでやってくれ」
兵士「……っ! し、失礼いたしましたぁっ!!」ペコペコ
380 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/27(土) 13:10:07.39 ID:sYFh7cGeO
メイド「重ね重ね、こちらの非礼をお詫び致します」ペコ
ジャン「(けっ、なぁ〜にがお詫びいたしますだ! 俺はあの時助けてくれずニコニコしてたお前を忘れちゃいねーぞ!!)……知り合いが城内にいてね。会いにきたのだが」
メイド「お名前がわかればすぐにお調べいたしますが」
兵士「そ、それがっ、貴族様は、ご自分で探していただけると」
メイド「……? なぜ?」
兵士「私を労っていただいて。それなのに、疑ってしまい、本当に申し訳ないことを……」シュン
ジャン「(ちったー反省しろこのタコ!!)……いいんだ。間違いなど誰にでもある。キミはキミの職務を全うしようとていた。責任感に感服する思いだよ」キラン
兵士「お、おおおぉぉぉっ」
ジャン「これからも励み、そして必ずやこの国の、ひいては民の安全を守ってほしい。キミにしかできないのだから」ニコ
兵士「くっ、我が人生、このようなお言葉をかけていただいのは初めてのこと! 私は自分が恥ずかしい!」ガクッ
ジャン「――失敗を糧にしろ」
兵士「糧に……?」
ジャン「学べばよいこと。そうすればキミという価値もさらに高みに近づける」
兵士「そ、そうか……俺は、たるんでいたのか」ギリッ
ジャン「キミは私ができないことをしている。尊敬するよ」ポンッ
兵士「うぅっ、うっ、ありがとうございます、ありがとうございます」
ジャン「(なーっはっはっはっ!! きんもちええwwww)」
メイド「本当に、素晴らしいお考えですね」
ジャン「フッ、よしてくれ。私は父と母の教えに従っているだけで」
メイド「かしこまりました。では、私が城内をご案内させていただきます」
兵士「いえ! それならば俺が! 交代の時間ですし!」
ジャン「(ん……?)」
メイド「あなたよりも私が詳しい。空き時間があるなば……」
兵士「ハッ! そ、そうだ! 高めねば! 自分を!」
ジャン「いや、ほら、メイドさんも忙しいんじゃ?」
メイド「お客様をご案内するのも務めなのでございます。失礼のないように」
ジャン「(どうしてこうなった)」
メイド「自己紹介が遅れて申し訳ございません。私は、クィーズベル王の一人娘にして第一王女。……その専属メイドを務めさせていただいております」フワッ
381 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/27(土) 13:35:55.30 ID:sYFh7cGeO
【クイーンズベル城 城内】
メイド「あの、なぜ先ほどから目につく鏡ばかりを熱心に」
ジャン「えっ⁉︎ ご、ごほんっ、身だしなみは大切だからね!」
メイド「左様でございましたか。法務室はこの先の右手になります」
ジャン「(くっそー、この城って鏡こんなにあんのかよ! ナルシストかっつーの!)……あぁ、案内ありがとう。礼を尽くしてくれて感謝する」ペコ
メイド「……」キョトン
ジャン「では、私はこれで」
メイド「お、お待ちをっ!」
ジャン「……? なんだい?」
メイド「下々に頭に下げるなんて聞いたことが。あの、どちらの家柄はどちらの」
ジャン「フッ、名乗る時には相応しい場がある。今はその時ではない」
メイド「それは、なぜでございましょう」
ジャン「貴族とはなにか。そう下々に尋ねると権力と富の象徴だと答えるだろう。そこに差はないのだよ」
メイド「……?」
ジャン「つ、つまりだね、私はひけらかしたくないのだ。自分の家柄を」
メイド「……またもや、ご無礼を。私もまだまだ見識が足らぬようです」
ジャン「良いんだ。こういう貴族もいるとこれかは知っていてくれれば」
メイド「感服の極みでございます」ペコ
ジャン「うむうむ、ではこれで」
衛兵「……」スタスタ
メイド「……っ!?」ビクッ
ジャン「(……ん?)」
衛兵「……」スタスタ
メイド「……ふぅー」ホッ
ジャン「(なんだ? 今の表情は? 怯えていたような)」
メイド「退城の際はお声かけくださいまし。私は最初に通りましたホールでお待ち致しておりますので」
ジャン「あ、あぁ。わかった。そうするよ」
382 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/27(土) 14:05:17.91 ID:sYFh7cGeO
【クィーズベル城 法務室前】
ジャン「……よし、邪魔者はいなくなったな……」ササッ
学者「ど、どどどいてくださいっ!」アタフタ
ジャン「へっ?」クルッ
学者「わひゃあっ」ドーンッ パラパラ
ジャン「お、おお、自分でぶつかって自分でこけた」
学者「ひ、ひいぃいいっ!! せっかく順序よく並べた資料がぁっ!」カサカサ
ジャン「す、すまん。拾えばいいのか?」スッ
学者「触らないでくださいっ!! どこになにがあるのかごちゃごちゃになるでしょう!!」クワッ
ジャン「あ、はい」
学者「あーっ、もう、急いでるのに。なんで角に突っ立てたんですかっ!!」
ジャン「す、すみません」ペコ
学者「うぅ〜。間に合わないのにぃ、時間押してるのに〜……はやく水質調査団と合流しないと」カサカサ
ジャン「水質? それって井戸のこと?」
学者「そうですよ! この国に住んでるなら知ってるで……あなた、誰?」
ジャン「いや、私は貴族のジャンというもので」
学者「お客様でしたか。城に入れるのならさぞかし誉れ高い名家なのでしょうね」トントン
ジャン「それでさ、水質どうなってんの?」
学者「どうもこうもありませんよ。民には伏せてますが、原因がわからないのです」
ジャン「へぇ、伏せてんの? それってまずくない?」
学者「ならば公表しろと? 無用な混乱を招くだけです。水はたださえ欠かせないもの。この国の気候ならば尚更です。大恐慌が起きますよ」
ジャン「……」
学者「国王様も長期化の憂いは充分理解しておいでです。法務担当の者達が法王庁との協議にはいっています」パンパン
ジャン「(法王庁。たしかアデル王のとこに遊びいった時にきいたことあんな。名前だけだけど)」
学者「水売りに来ている商人があるので、すぐに困窮するともないですし、外部の貴族様が知らなくてもよいですよ」
ジャン「あ、そう」
学者「どいてもらっていいですか? 急いでるので」
ジャン「キミ、貴族に対してフランクだね」
学者「もう一度言います、急いでるので。……罰なら後で受けます」
ジャン「いや、そういう意味ではないけど」
学者「失礼っ、っと、わたたっ」ヨテヨテ
ジャン「前見えてないじゃん。よこせよ、半分」
学者「は、はい?」
ジャン「持ってやるから。整理し終えたんたなら触っても問題なかろうて」
学者「ば、バカじゃないですか⁉︎ ……ハッ! もしや、貴族様に荷物持ちをさせてる現場を見させてさらに重い罰を……」
ジャン「ばっかじゃねーの? そのかわり、ちょい話を聞かせてくれや」
学者「話……?」
ジャン「そうそう。歩きながらでかまわんから」スッ
383 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/27(土) 14:46:55.06 ID:sYFh7cGeO
【クイーンズベル城 大広間】
メイド「(会いたい。……一目だけでも無事かどうか確認したい。私のたったひとりの弟)」ボー
姫「こんなところでなにしてるんですの?」ヒョイ
メイド「……姫さま。午前の教養の部は?」
姫「退屈だから抜け出してきちゃった」
メイド「はぁ……」ガックシ
姫「貴女こそなぜここに? 暇してるわけじゃないでしょ?」
メイド「私は、お客様のお帰りをお待ちなのです」
姫「お客様? なぜ、貴女がそんなことをするの? わたくしの専属なのに」
メイド「姫様のお付きであると同時に、国にも従事しているのです。丁重におもてなしするのは当然のこと」
姫「いいえ! わかってないのは貴女の方なんですの。私が右といったら右。左といったら左を向くのが貴女の務め」
メイド「ひ、姫様。そのようなことをいつまでもおっしゃるから、国王様は私に」
姫「うるさいんですの! お父様の名前を今持ち出さないで! 縁談の話を思い出したくないのですからっ! べーっ!」
メイド「……はい」
姫「それで? そのお客様というのはどちらですの?」
メイド「……はい?」
姫「わたくしの付き人をこき使った罰を与えてやらなくちゃいけませんの」
メイド「ひ、姫さまっ!! 国賓なのですよ! 自覚をお待ちくださいませ! 第一皇女がそのようなマネを!!」クワッ
姫「うるっさいんですの。どうせどこかの貴族だったのよね? アイツらすぐに舐めたマネしやがるから。セクハラされたんですの?」
メイド「い、いえっ! そ、そのような!」ブンブンッ
姫「口止めされたんですのね。全く許されないんですの!」コツコツ
メイド「ひ、姫さまっ! お待ちを! お待ちくださいっ! そちらでなく法務室にっ⁉︎」バッ
姫「そうなんですのぉ……」ニヤァ
メイド「ち、違います! だめです! なりません! 貴族相手とはいえ姫さまが直々に! 大事になりますよ! 家柄を潰す気ですか⁉︎」アタフタ
姫「大げさなんですの。ちょっとこらしめてやるだけなのに」コツコツ
メイド「待って! お待ちくださいまし! 後生ですから!」タタタッ
384 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/27(土) 15:30:49.44 ID:sYFh7cGeO
【クイーンズベル城 通路】
ジャン「――ふぅん、水脈が逃げてるねぇ」テクテク
学者「信じられないでしょうが、事実なのです」テクテク
ジャン「岩盤に使う火薬が足りないんとかじゃなく?」
学者「硬い地層については爆薬で突破し、さらに掘りすめたのですからそういう話ではないしょう」
ジャン「いっそ、別の場所を掘ってみるとか」
学者「どこでも掘ればいいという条件ではないのですよ。水脈が流れているか、もしくは地中に溜まった水蒸気が溜まっていないと。生活水として使うまでには濾過も必要ですから」
ジャン「なら、今ある井戸の再利用できないかと模索してるわけ?」
学者「可能ならばそれが一番いいのです。ですが、厳しい……はぁ」ガックシ
ジャン「そりゃ困ったな。できることと言えば掘るしかないしな」
学者「せめて、なぜ水が逃げているのか……その原因さえ突き止められれば」
メイド「ひ、姫さまぁっ!!」タタタッ
姫「……」ズンズン ズンズン
ジャン「……あ、あれは……こっちにまっすぐ向かってくるのは……ま、ままままま、まさかっ!」
学者「あ、姫様だ」ペコ
姫「……見つけたぁ……」ニヤァ
ジャン「ひ、ひぃっ! 10年ぶりかぐらいになるが忘れもせんぞ! そのおもちゃを見つけたような笑み!」ガクガク
学者「頭さげなきゃ。貴族といえども、怒られますよ」コツン
ジャン「(た、たたたのむっ! はやく通り過ぎて! と、トラウマが! やめて! そこはネギを刺す穴じゃ!)」ペコ
姫「……」ズンズン ピタッ
メイド「ひ、姫さま。立ち止まらずにそのまま歩きましょう! ねっ! そうしましょう!」
姫「――……これ。そこのお前」ビシッ
学者「わっ、姫さまから声かけられてるよ」
ジャン「(か、勘弁してくれぇぇぇっ)」ガタガタ
姫「聞こえんのか? マスカレードマスクなどつけておる小癪なお前のことよ」
ジャン「はっ、はいぃっ!」ビシッ
385 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/27(土) 15:33:59.82 ID:sYFh7cGeO
姫「なんだそのナリは? 舞踏会にでもきたつもりかえ? 着飾って……なんとまぁ、無様な男よ」
メイド「姫さまっ!!」クワッ
姫「オーホッホッホッ! 見てみるんですの。震えておる! くふふっ」ニマァ
ジャン「(に、逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ、逃げちゃ、だめだ! トラウマなんか平気だい!)」
メイド「気は晴れましたでしょう? ささ、私たちは――」
ジャン「……失礼。あまりにも麗しいお姿なので、身体に電流が走っておりました」
姫「おべっかを使う作戦に切り替えたんですの? なんでも、このわたくしの付き人をこき使ったようですね」
メイド「来る途中に何度も……! それが私の務めであり、なにより、私から!!」
ジャン「よいのです。たしかに自己紹介をされた際に専属だと。辞退すべきだったのです」
姫「ほう?」
メイド「も、申し訳ございませんっ!」ペコペコ
姫「お前が頭を下げるではないわ。私までさげたことと同義になるであろうが」
メイド「ひ、姫さまぁ」
姫「マスクをとって顔を見せよ」
ジャン「……はい?」
姫「なにかえ? とれぬと申すか?」
ジャン「あー、んー」
姫「私の頼みを聞けぬのか?」
ジャン「(だ、だだだだ大ピンチッ!! ど、どないしよ! こいつ俺の顔覚えてたらえらい目にあうど!!)」
姫「どうした?」
ジャン「(で、ででもっ、10年前の話だし、顔なんか忘れちゃうし? ちっくしょおおおっ! これじゃ変装した意味が! なんとか誤魔化さなければ!)」
学者「……なにやってるんですか。とったほうがいいですよ。無礼です」コソ
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/27(土) 17:19:41.61 ID:hukL3QGnO
乙
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/27(土) 17:29:55.54 ID:S4Lz+F1z0
今日の分終わり?
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/27(土) 19:07:53.31 ID:YrLRbhlvo
乙
389 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/27(土) 19:23:41.99 ID:YWyAV8D2O
姫「はやくとらぬか。お父様に言いつけるぞ」
ジャン「(ええい、ままよっ!!)……メラミ」ボソ
姫&メイド&学者「え、ええっ⁉︎」ギョッ
ジャン「〜〜〜っ! ぐはっ、ぐあぁ」ゴロゴロ
姫「こ、こいつ、自分の顔に向けて火炎魔法を撃ちおった……気でも狂ってるんですの?」
メイド「だ、大丈夫ですか⁉︎ すぐに神官職のものを」
ジャン「(俺の魔法ってこんないてーの⁉︎ 自分に撃ったことないからわからんかった。で、でも! 困惑させることには成功したぞ!)……これでいいのです」ボォッ
学者「いい、って燃えてますよ。服」
ジャン「え? あ、やばっやばっ! あちゃ! あちゃちゃ!」バタバタ
姫「……」ポカーン
ジャン「ふぅ……私の無礼には今、私自らが罰を与えたのです」
姫「罰? あなたが?」
ジャン「姫。聞いてもらえますでしょうか」
姫「なんですの?」
ジャン「(見よ! 俺の演技力を!)……実は、この仮面の下はひどいヤケドの跡がございます」
姫「……」ピク
ジャン「あれは幼き日のことでございました。実家にある納屋で可愛がっていた馬とお昼寝をしていると……放火魔が」
学者「ま、まさか。それで火をつけられて、逃げ遅れて」
ジャン「警備の者が火事に気がついて救出された際、私は一命をとりとめましたっ!! 顔にひどいヤケドをおって……」
メイド「な、なんということを……」
ジャン「でも! でもっ!! それより悲しかったのは……!! なにかおわかりですかっ⁉︎ 姫っ!!」クワッ
姫「な、なんですの……?」タジ
ジャン「私の仲良かった馬が……っ! 仲の良い馬が巻き込まれてしまったこと……」ポロ
メイド「……涙が」
ジャン「守りたかった!! 守れなかった!! もう帰ってこない! あぁ、ロビー! ……うっうっ……」ポロポロ
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