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【鬼滅の刃】貴方の刃【あんこ】
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475 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/04(月) 19:27:36.21 ID:rWolCtDWo
カァ!カァ!更新ダァ!
476 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/04(月) 19:34:30.68 ID:rWolCtDWo
>>474
蝉次「人は悲しいよなぁ?目がふたつしかねぇし、」
ひゅん
蝉次「一度目玉が潰れりゃあそれでシマイだ」
ひゅん
蝉次「お前だってそうだろ?強いと思ってるんだろうがなぁ」
ひゅんひゅんひゅん
蝉次「人が鬼に敵うと思うな!」
ひゅんひゅんひゅんひゅんひゅんひゅん
血鬼術 奥義
空蝉乱舞
ひゅんひゅんひゅんひゅん
蝉次「ははははは!もう俺の速度に付いて来れまい!」
ひゅんひゅんひゅんひゅん
蝉次「……そうだ、俺はまだ」
───俺はまだ終わっていない。
蝉次「俺は、俺はぁっ!」
ひゅんひゅんひゅんひゅん
蝉次「死ね、雑魚!俺の為にな!!」
迷いのある攻撃だった。
何か、途方もない思いが込められているような気さえした。辛いのだろうか、苦しいのだろうか。
いや、鬼だ。こいつは鬼なのだ。苦しんで当然だし、おれがそれを憐れむ必要などひとつもない。
が……哀れに思えるのは事実だった。鬼になったのに、人を越えたと言いながら苦しんでいる。なんて無様か、なんて悲しい有様だろうか?
鬼舞辻も、もしかしたら、こんなふうなのか?
ふと過るのはそんな言葉。
『人の生活の中に隠れ潜む鬼もいるらしい』
あの時、確か父は。
『そんなことをする鬼はごく少数』
自分よりも弱い者を叩いて壊して殺したのだ。
父さんは───
ビュゥゥゥゥゥ
蝉次「!?」
477 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/04(月) 19:43:27.59 ID:rWolCtDWo
乱舞の中から向けられた視線を、おれが捉えられないはずもない。迷いが腕に乗り、それは風を揺らした。
こいつは焦っている。迷っている。自分が格下だと思われることや、ここで自分が死ぬような定めであることにおののいている。
しかし、そんな攻撃でおれを倒せると思ったら、こいつが馬鹿だと意わざるを得ない。
真っ直ぐ伸びてきた腕を、刀で受け止める。
驚きにゆがむ鬼の顔、次いでおれが腕を払うように刀を振って、まだ中空に体を残している鬼めがけて技を振るう。
氷の呼吸 弐ノ型
細雪
ひゅぼっ
首を正確に狙って。大丈夫、苦しませない。苦しんで死んで欲しいのはおまえじゃないからだ。おれが求めるのはただ一つ。
鬼舞辻無残───おまえの死だからだ。
蝉次「ガ……」
太陽「シッ……!」
首が飛ぶ。胴体を失い、重力から解き放たれて空に向かって飛んでいく。血を噴射する有様はまさに芸術のそれだった。おれはあまり、芸術に詳しくないけれど。
このまま死ねッ、と口に出しながら、おれは、
太陽「このまま、死、ゴフッ……!?」
腹に浅くない傷を負ったことに気付いた。なるほど、死ならば諸共、おれも巻き込もうというわけか。
ああ、これはやばい。
遠くから側近さんの声が聞こえてくる。おれは……。
▼
コンマ負けしてたので相打ち
さらにコンマ判定
下壱 太陽君は無事かな判定
10以上で無事、50以上ならまだ戦える。80以上で実は軽傷。
下弐 風柱は無事かな判定
基本的には勝つが、5以下or44で重傷を負わされて引退沙汰。コンマが高ければ高いほど圧勝
478 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/04(月) 20:02:48.17 ID:TCme0+HIO
へい
479 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/04(月) 23:28:14.52 ID:+4mHeokSO
バッ ビュン ヒュッ ホワッ ザッ
480 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/11(月) 20:55:05.10 ID:xfnmf22io
>>478
太陽17 すごく……痛いです
>>479
鳥柱52 相性悪いというのはマジでしたね
太陽「が、は……」
肺の息を全て吐ききる。だめだ、吸わなければ、立たなければ、だけど。
ああ、ごめんよ父さん、母さん、おれはこんなにも脆くて、こんなにも弱い。救いたいものはいつだって近くにあるのに。
ザンッ!
すずめ「おーわり!」
縛也「ち……ぃっ」
向こうの方で、血だらけの鳥柱さまが頸をはねるのを見た。あいつと相性悪いというのも、嘘では───
どさっ
▼
判定続きでごめんチュン
太陽無事?判定の続き
現在は重傷なので
-15 剣士は諦めなさい
-30 再び数ヶ月の修行
-50 数週間寝込んだ
-80 呼吸の力で3日程で起きた
81- 実は軽傷だった
ぞろ目で何かが目覚める、44は問答無用で死亡
はい直下
481 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/11(月) 21:21:02.79 ID:r6qwET9zo
はい
482 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/11(月) 22:40:27.28 ID:JfUYTyNSO
惜しい!!
うわあああ惜しい!!
483 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/12(火) 04:48:26.76 ID:JrpTBFmko
やったね太陽!
>>481
コンマ79
◆
遠い意識の中で、何かを見た気がした。
悲しそうな女性。誰かの悲鳴、ぱきんと割れた箸、なんだか色々なものが崩れ落ちたようなものを。
手を伸ばしてもそれには届かなくて、そして悲しそうな顔の女性は、そのままふっと笑って消えたんだ。
母だ。
◆
太陽「───ッ、かあ、かあさんっ!!」
がばっ
馬酔木「忠告する、叫ぶな」
ぺちん
太陽「ぐべぇ」
布団に倒れ込み、そして改めて腹が痛くてさらにぐべぇとうめいた。一方、そんなおれを見ているのは……。
馬酔木「落胆する。またお前か」
太陽「あああああ馬酔木さんうういたちちち」
馬酔木「重ねて忠告する、もう喋るな」
太陽「ふぇ……」
馬酔木「説明する。お前の腹には穴が空いていた。しかし、驚愕した。明らかな重傷だが、回復が早い」
馬酔木「前回に比べれば、などという優しいレベルの話ではない。……なぜだ?」
太陽「はい?」
馬酔木「思考する、が……答えが見つからない。故、質問する」
馬酔木「お前、なにかしたか?」
太陽「え?い、いえ、鳥柱さまのところで【常中】をしていただけでして……」
そして鳥柱さまの場所にはほんの数日(三日)もいなかったはずでして……。
484 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/12(火) 04:57:07.24 ID:JrpTBFmko
馬酔木「……」
それを聞いて、馬酔木さんは黙って考え込んでいた。時折、胸元から手帳を取り出してはあれこれページをめくっている。
太陽「あの、馬酔木さ……」
馬酔木「月柱から鎹烏だ」
おれのことであれこれ悩んでる内に、師匠から手紙が来ていた。
曰く。
『もーっ!また無理したんでしょ?そういうことしちゃダメだってば。命は大切にしてね?ぼくの弟子なんでしょ?
あ、雀と遊んでくれてありがと。喜んでたよ、雀。きみ、こういう才能があるのかな?』
あとはひたすらなぜ怪我したのかとか、これからどうしたらいいのかとか、そんな内容だった。
太陽(しっ、師匠……すんません……)汗だく
馬酔木「解せない」
太陽「え?」
馬酔木「人間の回復力で、ここまで回復するのか?そんなもの、いよいよ柱を越えてくる」
馬酔木「何よりあの怪我はかなりの深手で……」
納得行かない馬酔木さんが、おれの腹に巻かれた包帯の下を覗き見て、やっぱり大けがだったらしく妙に納得していた。
いや大けがしてんのかよ、おれ。
どおりでさっきっから腹がずーっと痛いわけだ。
▼このあと?
壱:ゆっくりリハビリ(基礎能力上がる+一ヶ月経過 )
弐:急ぎ足リハビリ(一週間で復帰するが基礎能力は微妙)
参:院内の手伝い(一ヶ月経過変わらず、自由安価をとる)
肆:誰かに出会う(新規の出会い安価。経過時間はコンマ)
伍:そのた
下弐
485 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/12(火) 09:13:27.43 ID:dC/L71Uio
ksk
486 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/12(火) 10:54:18.27 ID:VtqmtB+DO
壱
487 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/18(月) 21:21:34.54 ID:r3lK/WtEo
>>486
身体機能の上昇も目指さなければならない。
しかしすぐに傷は塞がらない。
であれば、おれがやるべきことは必然ひとつに絞られる。
───回復訓練。
馬酔木「驚愕する。その怪我でまだ呼吸を使うか」
太陽「すううう……」
馬酔木「警告する。あまり使いすぎると、腹の怪我が再び悪化するぞ」
太陽「ううう”ッぅ”ぅ”ぅ”ぅ”」
馬酔木「言ったからな、私は言ったからな」
太陽「ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”」
でも聞いたんです!月柱さまから!呼吸には自然治癒を高める効果もあるんだって!
呼吸は、体中の血液を加速させるから、同時に痛いところとかも治りやすくなるんだって!
などと言いつつも最初の数日は腹の傷が裂けて、血が漏れ出して、馬酔木さんにめちゃくちゃ怒られるのを繰り返した。
当たり前だ。「腹に穴が開いていた」んだろう。とは言え医術を持った人達の手助けによってなんとか一命を取り留めた。
その一命を投げ出すつもりはないが、かといって何もしないわけにも行かなくて。
おれはとにかくまず今出来ることを始めた。それが呼吸の繰り返しだった。
常中はかなり安定してきた。寝ている時でも氷の呼吸を出来ていると思う。……鎹烏にお願いして見て貰ったが、烏はカァとしか言わなかった。
太陽「ふんっ、ふんっ」
傷から血が零れ出ないようになった頃には、すっかり身体機能も正常化していた。無理な運動は不可能だったが、それでも素振りくらいは可能だ。
昔は本を片手に素振りをひたすら繰り返したものだが、今になっても同じことを思い出す辺りおれは変わっていない。基本は大切だなと思える。
馬酔木「……」
488 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/18(月) 21:31:43.07 ID:r3lK/WtEo
太陽「もっと高い効果のある訓練がしたいです」
馬酔木「断る」
太陽「まだ何も言ってません!」
馬酔木「推察する。私に訓練の相手になって欲しいと、そう言うことだろう?」
太陽「いや、そうです、けど……」
馬酔木「断る。剣は握らんことにしている」
馬酔木さんはそれはそれは恐ろしい顔つきでそう言っておれを見てから、それきり黙ってしまった。
別に、剣を握らない訓練だってあるのに、と言い掛けたが、やはり睨まれたので仕方なく素振りする事にする。
……さらに数週間経つ頃には、今までの剣の振りも戻ってきた、むしろもっと早く剣を振れるような気がしてさえくる。
アカリ「すごいですよぉ、東雲さんっ」
太陽「そんなことあるのかなぁ」
アカリ「はいっ、アカリはそんなに早く剣を振れませんからぁ……」
太陽「何言ってるんだ!アカリは強いだろ!」
アカリ「ひううっ!?」
一月近く経った頃、アカリが近くを通ったらしく、たまたま顔を出した。
相変わらず泣きそうな顔をしている。
太陽「そう言えば、ほかのみんなは?」
アカリ「あ、御薬袋さんは、最近隊員さんの為の薬草取りにばかり走っているみたいですぅ」
太陽「そうなのか?」
アカリ「はい。薬草を鬼に取られないように……乙津さんもそれに混じっています」
太陽「新免さんは?」
アカリ「……」
太陽「アカリ!」
アカリ「……十二月鬼との戦闘で、一時は生死をさまよったそうです。あなたに伝えると、回復が遅れるからって……馬酔木さんも……」
太陽「───ッ!」
489 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/18(月) 21:40:10.31 ID:r3lK/WtEo
ずかずかずか
ばんっ
馬酔木「何だ、ここは私の部屋で」
太陽「なぜ教えてくれなかったんです、馬酔木さんっ!!!!」
馬酔木「……聞いたのか、血矢から新免の話を」
太陽「どうしてっ……」
馬酔木「弁明する。そうだな、理由は明白だ。お前が飛び出したら困る」
太陽「!」
馬酔木「断言する。今のままでは無惨どころか十二鬼月の最底辺にも勝てない」
太陽「ぐぬっ、ぐぬぬ……」
それを真正面から改めて言われると傷つく。なんで、なんでだよ!
だからって新免さんの危機を教えないの道理が違うだろう、と叫び出したいのを堪えて、馬酔木さんを見る。
妙に悲しそうな顔をして、馬酔木さんはこちらを見ていた。目が泣きそうに見える。
馬酔木「これ以上、無意味に傷つく隊員を、私は見たくないのだ、東雲」
太陽「……馬酔木、さん」
馬酔木「だからこそお前には、基礎能力を向上して欲しい。そのための鳥柱との交流でもあったのだろう」
太陽(人事!)
馬酔木「……東雲、本当に強くなる覚悟はあるか」
太陽「はい。鬼を殺し、殺し尽くし、人の平穏な世を望みます」
馬酔木「……そうか……」
▼
壱:血柱さまを紹介されるよ(いなかっぺ)
弐:人柱さまを紹介されるよ?(かわいい)
参:俺は嫌われてない
肆:ついに馬酔木さんが本気を出す
伍:そのた
下弐
490 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/19(火) 01:23:53.00 ID:ilb59MpSO
そう……参でございます。
491 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/19(火) 08:10:07.43 ID:eAiDBCyso
参:嫌われてるなんて事があるだろうか、いやない
492 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/25(月) 22:51:35.20 ID:vyW3O/0Zo
みんな好きすぎない……?
493 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/25(月) 22:58:29.92 ID:vyW3O/0Zo
>>491
馬酔木「お前に、うってつけの師がいる」
太陽「! 本当……ですか!?」
馬酔木「ただし、そいつはとてつもなく───」
その次の言葉を聞いて、おれは少しだけ拍子抜けて、ついでに体の力が抜けた。
馬酔木「無口だ」
◆
鎹烏に持たせて貰った地図を頼りに、おれは歩いていた。
そこには、【水柱】さまがいるのだと言う。噂の、口下手の。しかし、どれだけ口下手なのだろうか?
説明として『無口だ』と言われるだけあり、相当なものを想像しておれは歩いている。不安だ、不安で仕方がない。
本当に追い返されたらどうしよう。
さて、おれが向かっているのは小さい小屋だった。
なんでも、水柱さまは派手を好まず、誇示を好まず、慎ましく、しかし自らを鍛えながら、鬼を殺し回っているんだそうだ。
どれだけ強い人なんだろうか?鳥柱さま以上?それとも……?
がらっ、と音がする。間もなく目指す場所のはずだ。ふと顔を上げれば、そこにその人はいた。不思議そうな顔をしている、ようにも見えるが気のせいだろう。
まさかおれが本当にくると思っていなかったとか、そのようなことはないはずだ、恐らくたぶん。
水柱「……来たのか」
太陽(いや、もしかしたらこれあるな!?)
水柱「俺のところに来るとは、物好きだ。今すぐ医者にかかれ」
太陽「言い過ぎじゃあないですかね!?」
水柱「俺よりも強い奴はごろごろいる」
太陽(!)
水柱さまの手が震える。
震える?なんで?
494 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/25(月) 23:03:01.17 ID:vyW3O/0Zo
水柱「俺に何を期待してきた?」
太陽「えっと、それは……」
水柱「……」
水柱(お前は、強くなりたいのだろう)
水柱(もがいている、足掻いている)
水柱(水面に上がりたい幼子のようだ)
水柱(ほしいのだろう、一つの可能性が)
水柱(誰よりも鬼に執着し、鬼を殺すことを目標にしたお前だからこそ───)
太陽「おれは……おれの剣は濁っています」
水柱「……」
太陽「それを磨くのは、他の呼吸ではないか、と馬酔木さんが……その……」
水柱(分かるよ)
太陽「え?」
今、何か聞こえたような、気がする。
水柱「名前は、」
太陽「は、はい!」
水柱「東雲、」
太陽「!」
水柱「……東雲、太陽。だったな」
太陽「あ、あ……」
やっぱり、見間違いでも、勘違いでもなく、この人は。
水柱「いい名だ」
▼
壱:壱から稽古してください
弐:おれの氷の呼吸を見てください
参:基礎訓練を手伝ってください
肆:水柱さまは口下手なので突然実践に連れて行かれる。非情である
伍:そのた
下弐
495 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/26(火) 03:46:24.45 ID:hoUQT8vSO
伍:まずは友好を深めるためにご飯に誘う。
にしても、原作もこっちも嫌われてない柱さん回か。
原作の鬼滅の刃も面白いけど
>>1
さんの書く『貴方の刃』もたまらなく面白いよ 素晴らしいよ
496 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/26(火) 08:13:40.07 ID:PW6gj/4eo
肆:水柱さんたらせっかちさん
497 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/28(木) 23:48:10.99 ID:JNyqnV4Ho
>>495
からは泣きたくなるような優しい音がする
498 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/28(木) 23:55:00.56 ID:JNyqnV4Ho
>>496
水柱はせっかちなので週一更新とかも破る
そうだ、この人は間違いない。それに、鳥柱さまの屋敷でもそういう話をしたはずだ。
【富岡 義勇】。
歴代いつでも選ばれていたと言う【水柱】の中でも、特別な存在の柱。両側で柄の違う羽織を羽織った、とても端正な顔立ちの男だった。
太陽「えっと、あのお、水柱さま」
義勇「……」
太陽「水柱さま?」
義勇「付いてこい」
太陽「え?」
本当にこんなに口下手だとは思わなかったが。
義勇「お前に足りないものをとにかく得る」
太陽「それは分かりましたが、どこに向かうのですか」
義勇「兎に角走れば分かる」
太陽「そう、ですか!?」
そんなことを言って水柱さまは走り出したのだが、これがまぁ早い。全速力でも置いて行かれそうだった。体に息を、肺にもっと息を入れなければ!
すうはあ、何度も何度も繰り返し息を入れて、そのたび体中が破けそうな錯覚に陥るがなんとか地面を踏みしめる。
水柱さまはたまにこちらを振り返るだけで、特になにも言わない。むしろおれを試しているようなフリさえある。
太陽「ふぅ、はぁ、」
義勇「今のうちに、尋ねることがあれば聞こう」
太陽(今ぁ!?)
▼
壱:ほかの柱について
弐:水の呼吸について
参:目的地について
肆:そのた
なお、羽織に付いてはまだ答えてくれません。
下弐
499 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/29(金) 08:09:19.11 ID:+NvQQhafo
踏み台になろう
500 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/29(金) 19:38:35.97 ID:1t7/NHiSO
肆、水柱さま自身について。
こっちの水柱さまも口下手だなぁ。そんなんだからみんなに嫌われるんですよ。
>>497
ほわ ほわ
501 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/01(月) 20:46:03.03 ID:NS0/fSmXo
(はぁ……はぁ……落ち着け、呼吸をするんだ 鬼滅のアニメが始まるまでゆっくり)
502 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/01(月) 21:00:49.59 ID:NS0/fSmXo
>>500
俺は嫌われてない
太陽「み、水柱さまのことを!」
義勇「……」
太陽「少し教えてくださいませんか、水柱さまのことを!」
この人のことを何も知らない。まだおれは、この人について何もかも理解していない。だから言葉が足りない人だとか、そんな決め付けはよくないと思った。
義勇「俺の話か」
ざざざ、まるで木々をすり抜けたかのようななめらかな動き。咄嗟におれも同じ木をかわし、さらに走る。
この人はもしかして風の化身か何かなのではないか?と少し不安になるくらい早い。置いて行かれてしまいそうだ。
義勇「……」
太陽「はあ、はあ、水柱さま……?」
義勇「……近所の茶屋の菓子が好きだ」
太陽「はあ!!??」
そう言うことを聞きたいんじゃないんだけどなぁ、なんだろうなぁこのすれ違っている感じは!?
もぎもぎと両手を握りたい気持ちになるが、それを水柱さまが関知している様子はない。
先程までの疲れを忘れてしまいそうなほどの衝撃に殴られた。何というか、この人本当に言葉を選ぶのが……
太陽(絶望的に……下手だ……!)
☆
満月「ははは、義勇さんは本当に人嫌いだもんねぇ。まともに話してくれないし」からっ
人柱「仕事と好き嫌いは混同しない。だが任務抜きではつきあいにくい……」ぷん
血柱「へへー、いい人だよぉ?会う度会う度、おはぎ、くれるんだ」ぽへん
死柱「富岡?はっぱわがんね……ん”っ、何とも分からん男だ」きりりっ
☆
太陽(なんか月柱さまも「だいたいの柱が付き合いにくいと思っているらしい」とか言ってたな!?)
義勇「なんだ」
太陽「いやなんでも!」
503 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/01(月) 21:09:27.52 ID:NS0/fSmXo
水柱さまは真剣な顔で、少しだけ歩みを緩め、次第に遅くなって……最後には止まった。
つられておれもその場に止まり、水柱さまの表情を見つめて息をのむ。
義勇「そうか。初めての時は、好物でも言えと聞いたのだが」
太陽「どこから!?」
義勇「……」じっ
太陽「言葉に困っておれを見つめないでください!」
少しだけ困ったように眉を垂らした、ように見えた。いや、まさかこの美丈夫に限ってそんなことは、ない……よね?ちょっと不安になる。
義勇「何を話せばいいか、分からん」
太陽「いえ、その……水柱さまの普段の生活ですとか、どうして鬼殺隊に入ったのかですとか……」あたふたあたふた
義勇「生活か」
ふ、と一息吐いた青年は、やはりまじめな顔で言うのだった。
義勇「今日は体を水で清めて来た」
太陽「そう言うことじゃあないんですよねぇ……」
こんなこと言いたくないよおれだって。でも水柱さまが、あまりにも、あまりにも喋りにくすぎて!
不満そうな水柱さまの視線がおれに刺さる。
義勇(俺の何を知りたいと言うんだ?俺のことなど、教えたところで面白味一つもない)
義勇(それに、それは鬼殺隊に何の関係もない話だ。何よりこいつは初対面)
義勇(なぜこんなに強く出られているのか分からないが、とにかく何をすべきだろうか)
義勇(とりあえずこいつの戦いぶりを見るしかあるまい。幸い、いや幸いでもないが近くに鬼は大量に出現している)
義勇(新米隊員が来ると聞いて、他の隊が分断しては追いつめていたらしいが……東雲の力を見られる材料になるなら)
義勇「よかった……」
太陽「な、なにがですか……?」
▼
壱:ちょっと茶屋で休ませてください
弐:これからどこに行くのですか
参:もうちょっと話してください
肆:そのた
下弐
504 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/01(月) 22:31:20.34 ID:UqGaLNaSO
本編の義勇さん、外伝の義勇さん、そして貴方の刃の義勇さん。
義勇さんはどれも格好いい! アニメの義勇さんもきっと格好いいぞ!
安価なら下
>>502
あぁそれ…… すみません
嫌われている自覚がなかったんですね
余計なことを言ってしまって申し訳ないです
505 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/03(水) 00:04:19.90 ID:1dYm6IsAO
参
506 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/08(月) 23:45:24.41 ID:Yn45ca9do
今週の鬼滅の刃も面白かった
来週ももっと面白くなるぞ
507 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/09(火) 00:23:33.64 ID:PF8Qpcs3o
>>505
太陽「いや……あの、もうちょっと話してはくれませんか」
義勇「話す?」
太陽「水柱さまは、あまりお話になられない方と聞きました。ですから、もう少し話をしてほしいのです」
義勇「何を話すと言うんだ?」
太陽「えっと……」
義勇「これから行く場所の話か?」
義勇(だが、それを言ってしまっては無理矢理連れてきた意味がないだろう。なにせ、こいつのぶっつけ本番での能力をみたいと思っているのだから)
義勇(さてどうするべきか。こいつになにを語れと言うのだろう。俺が鬼殺隊に入ったいきさつでも話せと言うのか?まさか。馬鹿馬鹿しい)
太陽「あ、はい!これから何をしに行くのでしょう?」
義勇「今は話せない」
太陽「!?」
義勇「……」
相変わらず何を考えているのか分からない。いったいおれはどうしたら……?
太陽「でしたら、何でしたら話してくださるんですか?」
義勇「……俺は【水の呼吸】を使う【水柱】。お前は【水の呼吸】は知っているか?」
太陽「え?あ、はい、そう言えば以前に見たことがあります」
義勇「そうか」
ふ、と水柱さまは笑って、それからとつとつ話し始める。
義勇「水の呼吸には使い手が多い。故に、俺やそいつ以外のものを見ることもあるだろう。それぞれに個性が出ていて面白いところもあると思うので、よく見ておけ」
義勇「炎と水は、鬼殺隊の歴史でも常に柱に入っている。柱の候補も含め同じ呼吸を拾得した者も当然のようにいる。柱が消えても新しい柱を立てられるように……柱は鬼殺隊の要だからな」
義勇「文字通りの柱、と言うわけだ。優秀な育手、元柱で今は現役を退いたものの、呼吸を伝承できる者も多い……とは言え炎の方は事情が事情だ」
義勇「やつが死ぬようなことは万にひとつも無いと思うのだが、炎柱が落ちたともなれば鬼殺隊は大きく揺れるだろう。お前は、炎柱に会っていないだろうから分からんか」
太陽「……」
突然めちゃくちゃしゃべり出した……。
▼
壱:水の呼吸、教えてください
弐:俺の呼吸を見てください
参:炎柱?
肆:ほかの柱はどんな人ですか?
伍:そのた
下弐
508 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/09(火) 00:40:47.69 ID:yxMj0+4R0
(オタク特有の自分の好きなことだと饒舌になるアレだ)
肆
509 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/09(火) 03:02:13.49 ID:ixJj6zcSO
こんにちはー じゃあ選びますー
肆
510 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/14(日) 12:00:14.91 ID:tH72oYXhO
>>509
太陽「ほかの柱とは、どんな方なのですか」
義勇「気になるのか?」
太陽「はい、分かる範囲で教えてください」
そして水柱は話し始めた。曰く、現在の柱は八名。
太陽(この人、口が軽いのか重いのかどっちなんだ)
【月柱】満月 ももとせ。
おれの師匠だ。女性のような語り口調だが、男だ。……え?男なの?
義勇「知らなかったのか」
太陽「かわいらしい人だなぁとは思ってましたが!」
【水柱】富岡 義勇。
今、目の前にいるこの人だ。顔は美しいが、あまり口数は多くない。
義勇「……」
太陽「何か言ってくださいよう」
【炎柱】赤銅 まつり。
セキドウ マツリ。数少ない炎の呼吸の使い手だそうだ。事情が事情だけに、とはなんなんだろう?
義勇「……」
太陽「なんで黙るんですか!?」
【鳥柱】角田 雀。
癖の強いあの人だ。戦闘となれば別人のように振る舞うらしく、皆恐れている。
太陽「良い方でしたよ!」
義勇「そうか。俺はあまり好かれていないようでな……」
【剣柱】日比 龍士。
ヒビ タツシ……まだ会ったことはない。正々堂々を好む勇猛な男だとか。
太陽「どんな人なんだろう……」
【死柱】杉谷 愛呪。
スギヤ アンジュ。……なんか怖い感じしませんそれ!?よく寝ている女の子だって。しかし死柱……?
義勇「よく寝ている。俺と会った瞬間に寝る」
太陽「!?」
【血柱】加羽沢 夜霧。
カバサワ ヨギリ。妙な言葉遣いをするらしく、近寄りづらいと思われている。らしい。
義勇「俺からも近寄りがたい」
太陽「そうなんですか……」
【人柱】蓼丸 奇怪。
タデマル キカイ。女の人、らしい。常に堅苦しいしゃべり方をするんだとか。
太陽(! たでまる……馬酔木さんが言っていた人かな……?)
太陽(って言うか、自分のことは喋らないのに他人のことはすぐ喋るなこの人!?)
▼
壱:水の呼吸の話が聞きたいですよぉ
弐:柱って仲良いんですか?
参:馬酔木さんとはどのようなご関係で
肆:そのた
下弐
511 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/14(日) 15:15:06.40 ID:mUfCUOY00
壱
512 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/15(月) 12:00:10.72 ID:7lxP9OnmO
壱
513 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/15(月) 19:08:03.16 ID:l/XqRG/5o
月曜日なんだね
『分かるよ』
514 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/15(月) 19:21:53.03 ID:l/XqRG/5o
>>512
太陽「あの、【水の呼吸】の話が聞きたいんですけど……」
義勇「……」ぴくっ
おれの言葉に微妙に反応する水柱さま。ほんの刹那の間、恐ろしい表情をしておれを見た。
太陽「ひっ!?」
義勇「そうか、【水の呼吸】に興味を持ったのか」
太陽「水柱さま……?!」
それが笑顔だったと知るのはその後だ。
義勇「どこから話せば良い?」
太陽「え?」
義勇「【水の呼吸】の成り立ちか?それとも俺の師の話をするべきだろうか?あるいは呼吸の技ひとつひとつ解説した方が、お前は喜ぶだろうか」
太陽「えっと、その」
義勇「いいだろう、まずは水の呼吸とはなんたるかをお前に伝授することにしようと思う。まずこの呼吸はどのような状況下でも対応できるのが特徴だ」
太陽「水柱さ」
義勇「水は柔軟に、形を持たず、次から次へと流れ落ち変化する。技を連続して繋げることが出来るのもまた特徴のひとつだろうか」
太陽「………み」
義勇「行動が制限されても出せる型があるというのは、強みだ。それが水の呼吸であればこなすことが可能になる。お前も、俺の師に出会っていたのなら」
義勇「きっとあの人のように、立派な水の使い手になっているだろう。お前にはそれだけの熱意を見出した。でなければ、わざわざ俺にそのような質問をするはずがない」
太陽「……」
この人めちゃくちゃ喋るぞ!?なんで!?聞いていた話と違う!
本当に自分が好きなことは喋るんだなぁ!なんか分かりやすくてむしろ安心したよ!お師匠さま、おれは上手くやってけそうです!
衝撃を受けながら、ふと疑問がよぎり、そして思った。
……なんで、水柱さまは───
義勇「実践で見せるしかないな。行くぞ東雲、付いてこい」
太陽「へっ!?」
水柱さまは再び走り出す。
▼
壱:待ってください、水柱さまぁ〜!
弐:水柱さまに質問だ!(聞きたいことを書こう)
参:そのほか
下弐
515 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/15(月) 19:52:05.64 ID:3EH4AhhSO
当然、読者は作者の更新を尊重する!
安価は弐、自分が使う氷の呼吸について(水の呼吸と何か関係があるのかとか)
516 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/15(月) 20:44:50.91 ID:KXJ1lCS90
安価上
517 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/15(月) 21:12:16.30 ID:l/XqRG/5o
>>516
>>515
太陽「みっ、みず、水柱さま!」
慌てておれも走り出し、再び最高速での移動が行われることになる。
さて、おれは一つどうしても聞きたいことがあって、それで水柱さまをなんとか追いかけているのだ。
義勇「何だ」
太陽「おれの呼吸───【氷の呼吸】と【水の呼吸】についてです」
義勇「氷……」
太陽「おれは以前、本を読みあさり、ひたすら剣を振ってきました。そして、おれに合う呼吸を完成させたんです」
太陽「それが【氷の呼吸】……切られる相手が寒気を覚えるような鋭い切れ味の技なんですが」
義勇「……水は冷たくなればきっと凍る」
太陽「はい」
義勇「お前の読んだ書物が何かは分からんが、恐らく、水の呼吸の流れを汲んでいるはずだ」
義勇「だからと言って水を使いこなすことが出来るか、となると話は違うがな」
太陽「別のモノだから、ですか」
義勇「ああ」
前を向いたままで水柱さまは答える。
義勇「流れを元にしたとしても、まったく別物だろう。どこまでが同じかなど、それは分からない」
義勇「川もそうだ。たどりつけば本流はひとつ、しかしそれが下に行けば、どれが同じ川だったかなど分かるはずもない」
太陽「……」
義勇「細かいところは、お前の技を見て確かめることにするか。さて」
そうしてやっと立ち止まった。今度こそ、目的地だろう。しかし眼前には剣士が数名いる。いったいなぜ、と聞くよりまえに、それは言われた。
義勇「これから、村人三十三人殺しの【暴れ鬼】、並びに【十二鬼月】の討伐に向かう」
太陽「!?」
▼
壱:文句言わずに行ってくる
弐:ちょっと待って水柱さま
参:どんな鬼!?
肆:そのた
下弐
518 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/15(月) 21:23:54.26 ID:KXJ1lCS90
ksk いきなりだなあ、ハードルたけー
519 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/16(火) 00:50:34.69 ID:GPwcKPFSO
更新が早い!
安価は壱
520 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/22(月) 22:05:03.58 ID:YCE55JZYo
鬼ヲ始末シロ!カアア!
521 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/22(月) 22:10:56.00 ID:YCE55JZYo
>>519
太陽「うえええええ!?」
義勇「なんだ」
水柱さまの、揺るぎない表情に戸惑う。えっと、今なんて……おれの耳が間違っていなければ、三十三人も人を殺した鬼がいるだって?
しかも、それと別に【十二鬼月】まで?……心配しないとは言わない。新免さんですら、追い込まれてしまったのが十二鬼月だぞ、それをおれが……。
太陽「い、いえ、なんでもありません」
だけど、特に文句はない。きっとこの人はおれに何か期待してくれているのだろうと思った。
義勇(───)
義勇(お前には早い試練かもしれない。だが、ここで生き延びられなければ……)
太陽「でも、どうやって行くのですか?」
義勇「ほかの隊員がすでにこの地に鬼を追い込んでいる。そこに合流する」
太陽「……っ」
数名の隊員達は、水柱さまの到着に歓喜していた。それもそうだ、彼は柱なのだから。誰よりも強い存在がここにいることは、皆にとって励みになる。
隊員「暴れ鬼の方は我々でくい止めます!しかし、十二鬼月の方は……」
義勇「無理をするな、負傷者が出たら撤退しろ」
隊員「ですがそれでは!」
義勇「俺のことは気にするな」
隊員「……は、はい……」
太陽「水柱さま……」
義勇「行くぞ、来い」
太陽「っ、はい」
またしても森の中だ。ものすごく鬱蒼と茂っており、太陽光が直接届かない地である。だからこそ鬼達はこういうところにおびき寄せられるのだろうと分かった。
目指す前方にそれはいる。……いきなり、敵が強くなっている。おれは戦えるのか、勝てるのか?
522 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/22(月) 22:48:46.34 ID:YCE55JZYo
がさがさと足音を立てながら、それでも突然襲われなかったのは、十二鬼月と思わしき鬼が機会を窺っていたからだった。
そう、やつはこの場でもっとも強い人間を殺せば全員がひるみ、包囲が破れるとそう思っているようなのである。
そんなやつを殺すために現れたのが、水柱さまである義勇さまなのだが。
がさっ。
義勇「……見ろ」
まもなく鬼が潜んでいるであろう箇所というところで、水柱さまは茂みに隠れ潜むと、前方を指さした。
おれもそれを見る。目を凝らして、そいつが何者であるかを理解しようとした。
距離があり、上手く見えないのだが、両腕が鱗の固まりのようになって、毛羽立っていた。肩の辺りまで続いているように思える。
太陽「あれが……」
義勇「報告によればあれは【十二鬼月】のひとり、【下弦の伍】とのことだ」
太陽「強いのですか」
義勇「お前の同期とやらが苦戦したのが【下弦の陸】、あれのひとつ下と考えればいい」
じゃあなぜ陸からやらせてくれないんですか!と思わなくもないが、これもきっと水柱さまなりのかんがえがあるのだろう。
それにしてもあの姿。どう攻略すべきか悩むが……。
▼
壱:背後に回って奇襲
弐:ふたりで挟撃
参:自分が囮になります!
肆:そのほか
下弐
523 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/22(月) 22:53:21.79 ID:TumfYH6K0
壱
524 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/23(火) 04:08:11.18 ID:64jHvfPW0
弐
525 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/29(月) 20:34:34.76 ID:h4Lsm7x9o
今日って月曜日ですよ
526 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/29(月) 20:45:46.70 ID:h4Lsm7x9o
>>524
太陽(ここは挟撃が良いと思います)
さらに声を潜めておれは言う。まさか聞かれていることはないと思うが、この作戦、一発勝負だ。成功させなければ。
隣で水柱さまが納得したようにうなずいて、口元をわずかにゆがめた。
義勇(いいだろう。俺は向こうに回る。お前のやりたいようにやってみろ)
刹那、その姿は霞のごとく消えていた。早い、やっぱり本気を出したらこの速度なんだ。つまり、先程までのはぜんぜん……。
ちょっとだけ落ち込みそうになったが、それはそれ。おれは様子をうかがって、鬼を見る。気配を醸しだし過ぎればきっと見つかるだろう。だから、早期に決めてしまいたい。
───そう、風が吹いたら、おれも一緒に、鳥のように、氷のように!
ヒュオオオオオッ
下弦の伍「!?」
氷の呼吸 壱ノ型
寒声一叫
ヒュシュッ
太陽(ふたりがかりなら、おれが仕留める必要はない)
太陽(確実に鬼が殺せるなら、おれが手柄を奪う必要はない───ッ)
この鱗は、見たところ固いのだろう。推測を立て、その上で水柱さまの斬撃を防がれないように肩口、鱗のない部分を狙った。
がりっ
太陽(……!?)
狙ったんだ。
がりがりがりがりっ
いやな音がして、背筋が凍りそうだった。刀が鬼の体に傷一つ付けていないのを確認する。
太陽(な……肩に、さらに見えないほど細かい鱗が!?)
下弦の伍「馬鹿は良いよな、見える物を総て信じるから」
太陽(く、反撃を受ける!その前に回避を……)
下弦の伍「!」
527 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/29(月) 20:56:13.49 ID:h4Lsm7x9o
しかし追撃がおれを襲うことはなかった。反対側から押し寄せた水柱さまが、刀を振るったのだ。がちん、と固いもの同士がぶつかる音がする。
さすがにそこは柱、腕の鱗などはあまり問題にはならないようで、鬼の片腕はあっと言う間にその場に落ちた。
驚愕にゆがんだ表情を後目に、おれは体を捻って必死に距離を取る。情けないけれど、やはり真理は同じ事だ。鬼を殺せるならば、最後に鬼が死ぬならば、それでいい。
義勇「……大したことはないな」
下弦の伍「鬼だからと下に見ているな」
義勇「当然だ。鬼に配慮など必要ない」
下弦の伍「其れは其れで寂しい物が在る」
義勇「黙れ」
ひゅっ、と風の音がして、それから金属音が何度か響いた。
刀を抜いたのか?いや、バカな。おれには見えなかった。それだけの速度を出したって言うのか、水柱さまが!
ずるん、と腕を生やして、鬼は嗤う。
下弦の伍「成る程、速さは在るようだ。が、悲しいかな、此の鎧は砕けない」
義勇「……【凪】で斬れんとはな」
下弦の伍「私は他の鬼とは違う。変わらない事、傷付かない事に掛けては、上弦にも劣らないと自負して居る」
義勇「妙に芝居がかった口調だな」
会話の最中に再び距離が縮まるが、結果は同じだ。
太陽「くっ!おれも……」
下弦の伍「思い上がるな、小僧」
太陽「え……!?」
下弦の伍「此奴よりも弱いお前の剣が、私に通用すると思うのか?」
太陽「!!」
下弦の伍「態態(わざわざ)、目を離してやって居るのだ。今直ぐ此処を離れろ」
義勇「それは出来ん。東雲、お前がこいつを倒せ」
太陽「ええ!?」
下弦の伍「……倒す?此の小僧が、私を?」
▼
壱:素早く頸を狙え
弐:どこかに弱点があるはず
参:やーいお前の喋り方、変ーと挑発
肆:そのた
下弐
528 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/29(月) 21:11:41.28 ID:OJMoksoE0
参
529 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/29(月) 21:13:53.29 ID:1xIfK9ESO
俺が加速してひとっ飛びですよ 安価なんて
おまかせくださいな
踏んでたら弐
530 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/29(月) 22:22:38.96 ID:h4Lsm7x9o
>>529
太陽(そんなはずは、ない)
いや、誰だって弱点がないなんてはずがない。生物ならば必ず弱点がある。それは鬼だって変わらないはずだ。
あの腕の鱗は見せかけだった、と言う訳でもないんだろう。だが、全身の鱗よりも少し柔らかいのか?……このまま頸を狙ったとて斬れるはずもない。まずは弱点を……!
太陽(止まるな、滑るんだ、駆け抜けろ)
ヒュオオオオオッ
氷の呼吸 参ノ型
瓦解氷消
ひゅしょあぁぁぁっ
太陽(全身を斬りつける!柔らかいところがあればこれで───!?)
続けて聞こえてきたのが金属音ばかりだ。
がぎぎぎぎぎんっ!
手が痺れるかと思った。少し感覚が麻痺して、体の自由が奪われる。目の奥がちかちかする……!
太陽(……なんだ、こいつ!全身かったぁ!)
義勇「……!」
見たことのない技を、水柱さまが使ったのを見た───まるで舞のようにくるりと回って、剣を鬼に向ける。やはり金属のような音がしたがそこまで来て鬼が少し距離を取った。
下弦の伍「……貴様」
義勇「確かに硬い。だが、何度も叩けばいずれ斬れる」
下弦の伍「正確に、同一箇所を、連続攻撃?」
下弦の伍「其のような真似、人には出来まい」
義勇「出来ないはずがない」
義勇(人はそのために鍛錬する)
義勇(人は大切な者のために鍛錬する)
義勇(それでもまだ足りなくて、だから届くように祈っていて───)
義勇「俺が鬼に負ける道理が存在しない」
下弦の伍「……ほう」
義勇「変わらないことだけに集中したお前に、変わっていく人間のことは分からない」
再び斬撃を聞いた。同時に鬼の顔はさらに歪んでいる。
下弦の伍「知ったような口を、戯れ言をほざくな」
義勇「お前にとっての戯れ言は、俺達の真実なんだよ」
太陽「!」
義勇「東雲、やれるな」
太陽(ですから突然無茶なことを言わないでください、水柱さま!?うーんうーん)
太陽(同じ箇所を複数回、連続攻撃……??)
▼
壱:今の要領で、参ノ型を重ねる?
弐:火力が欲しい、弐ノ型を重ねる?
参:いや、いっそ新しい技を思いつけおれ!
肆:水柱さまと連携攻撃(予定)
伍:そのほか
下弐
531 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/29(月) 22:28:09.42 ID:OJMoksoE0
一発の斬撃で切れないなら一千発の斬撃を(ry
壱
532 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/30(火) 10:49:06.76 ID:657HTbS+O
壱
533 :
◆z.6vDABEMI
[saga sage]:2019/05/06(月) 23:40:58.86 ID:pG0BQuMyo
ごめんなさいです、今週はお休みです
534 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/05/13(月) 22:23:17.22 ID:cIXJHs3to
月曜日だ!やったー!
535 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/13(月) 22:26:39.09 ID:1XSsm4Ba0
やったー
536 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/05/13(月) 22:37:33.45 ID:cIXJHs3to
>>532
手数は参ノ型が一番多い!今のままじゃきっとこいつの硬い装甲は破れない!
だけど、そうだ、水柱さまはおれに賭けてくれた!掛けてくれた!
おれには出来る、絶対に出来る───そうだ、そのためにおれら!戦ってきたはずだ!
太陽「……はい!行けます!」
下弦の伍「まさか本気か?」
太陽「本気でなけりゃあ言葉にはしない!」
一歩、足を踏み出して。
二歩、その希望を叶えるために。
三歩、その希望に答えるために。
太陽「………おおっ!」
ヒュオオオ
氷の呼吸 参ノ型
下弦の伍「出来る筈が無い!」
血鬼術 金剛体
下弦の伍「此の躯は鋼の如く!貴様の刀で斬れるまい!」
太陽(斬る!!斬ってみせる!!)
正確に、間違いもなく、ひたすら、ひたすらにひたむきに。ただ一点、鬼を殺すために、鬼を切り刻むために、狂いなく。
同じ場所に重ねる。同じ斬撃を繰り返す。今までだって何度も練習してきた。練習はやがて本番で開花するものだ。
だからそう、今だって、何も変わらない。
───瓦解氷消・襲
がかいひょうしょう・かさね
537 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/05/13(月) 22:47:01.74 ID:cIXJHs3to
金属を擦り合わせたような音が何度も響きわたった。同時に、鬼の呻き声がする。さらに続けて、重いものが落ちる音。
太陽「……はっ……!?」
下弦の伍「ッ!? 何故、貴様……!」
やりきった。
と思った途端、全身が凍り付いたように動かなくなる。呼吸を深くしすぎたのか?ダメだ、体が動かない……!足に重い氷の塊でもくっついたみたいだ。
体を無理矢理ひねって振り返る。背後では驚いた鬼の両腕が斬られて落ち、その体にも確実に切り傷が付けられている。
これを?おれが……やった、できた?
充実感はあまりない。というよりも、現実味が余りにも無さすぎて呆然としてしまう。
義勇「まだ戦いは終わっていないぞ!」
太陽「!」はっ
義勇「しっかり息をしろ!お前は死にたいのか!」
義勇「まだ鬼は生きている!お前の殺したい鬼はまだ生きている!」
義勇「剣を握れ!お前が倒せ!」
義勇「お前はまだ何も成していない!」
太陽「っ、ぐうう……!」
息をして、息をして、息を……!
下弦の伍「舐めるなよ、小僧……ぁ?」
義勇「どうした?腕が生やせないのか?」
下弦の伍「ぐぅ、グォォォォ!」
息を!
太陽(っ、お、おおお!落ち着けおれ!肺に息を入れるんだ!体に血液を回せ!)
▼
壱 氷の呼吸を繰り返せ
弐 攻撃技以外を作っちゃいけないなんて作法はなかったはずだぜ
参 全身を稼働させろ
肆 水柱さま!力貸して!
伍 そのほか
下弐
538 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/13(月) 22:50:39.93 ID:1XSsm4Ba0
参
539 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/13(月) 22:57:02.28 ID:1mUUSt1SO
参
540 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/05/13(月) 23:10:30.91 ID:cIXJHs3to
>>539
脈動しろ!体を稼働させろ!おれがあいつを殺すために───いけるか?いや、行くんだ!
太陽「う、おおおお!」
がくがくと震える足をしゃんとして、なんとか立ち上がる。この戦いに幕を下ろすのはおれだ、そう水柱さまが思ってくれた。
期待に応えたい。水柱さまのことを信じたい。水柱さまを信じるおれを信じたい!
なんとか、さっきのをもう一回!
下弦の伍「腕が!何故生えぬ!」
太陽「おれの呼吸か……」
立ち上がれ。
立ち上がれ!
おれならやれる!おれなら倒せる!
下弦の伍「! 未だ動けるのか!」
太陽「おれの剣は、冷たく凍えるんだ」
下弦の伍「ぐうう!だが!未だ私の躯は金剛の如く!」
太陽「切り口が凍ったみたいにつるんとしてるだろ」
下弦の伍「私を斬る等と二度もさせん!」
太陽「それがおれが死ぬ気で完成させた、おれの、おれだけの、」
太陽「おれの剣だよ」
ヒュオオオオオオッ
下弦の伍「!」
薄く、軽い刃が、風の中を滑る。
もう見えている。こいつの体は、おれと同じくらいにボロボロなんだろう。
よし、死ね。
───瓦解氷消・襲
541 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/05/13(月) 23:20:12.59 ID:cIXJHs3to
下弦の伍「か……ッ!」
全身のほとんどに傷を付け、バラバラになったと言ってもよかった。しかし、肝心の頸が斬れなかった。斬り斬れなかった。
それだけが無念だ。
残りの力をありったけ使ってしまい、一時的な呼吸困難に陥った。全身がこわばり、氷に閉じこめられたかと錯覚するほど寒気がする。
ちゃんと着地をとれずに、どさっと倒れる。体を投げ出し、草木に四肢を委ねている状態だ。
目の奥にちりちりと光が見えた。あれは一等星なのか、それともおれの命の光なのか、何にしてもこれが見えるのはまずそうだ。
太陽「……ぁ……、か……は……」
義勇(この状態は恐らく続いて四十秒と言うところか)
義勇(だが、それは余りに長すぎる。体勢を整えるのに、四十秒は実践では使えない)
義勇(まあ一般隊士と考えれば上出来なのかもしれないな。俺が高い期待を抱いてどうするんだ)
義勇(その期待でまた人が死ぬ。そんな馬鹿なことを繰り返さないために、俺は……)
一方で、切り刻まれた鬼の方も虫の息だった。全身は再生があまりに遅く、未だ地面を這いずっていたらしい。
水柱さまはそれを一瞥し、情けと言わんばかりに一振りで頚を斬った。
そいつはあっさりと、そう、実にあっさりと……死んだ。何も説明をされるわけでもなく。
義勇(よくやった、とはまだ言わないぞ、東雲)
義勇(お前にはまだ序の口なのだから)
太陽「は……はぁーっ、はぁーっ……」
義勇(……徐々に正常な呼吸が戻りつつあるな。意外に頑丈で何よりだ)
▼
壱 これより暴れ鬼討伐を行う!
弐 水柱さまが暴れ鬼殺して休憩
参 太陽、夢を見る
肆 そのころの月柱さまは
伍 そのほか
下弐
542 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/13(月) 23:24:09.26 ID:1XSsm4Ba0
壱
543 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/13(月) 23:25:25.22 ID:KwsmNMKl0
参
544 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/14(火) 00:00:22.06 ID:VjZwnOCSO
水柱さまと協力して壱
545 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/05/20(月) 14:26:31.67 ID:GatyuWMBo
>>543
夢を、見た。
朧気な夢だった。
きれいな、きれいな赤い花を、母さんに渡した。それを見て、母さんはふっと笑うんだ。
遠くの方に妹もいて、母さんも笑っていて、
突然目の前が赤くなる。
「母さん」
呼ぶ声は届かない。
「 」
呼んだはずの妹がいない。
「……なに……なんなんだよ……」
遠くに見えるのは父さんだ。
えがおを浮かべた父さんが、母さんの胸のあいだを、うでで貫いていて、ちが、血が流レ、母さんは
(忘れるな)
(怒りを忘れるな)
(鬼を殺せ)
(許すな、鬼を許すな)
(お前はお前のなすべきことをなせ)
太陽「───母さん」
横たわっていた。
全身がびっしょりと汗に濡れていることが分かる。疲れているように見えるけれど、妙に体が軽くてその場から起きあがる。
あれ、おれはさっきまで……そうだ、鬼!振り返ると、水柱さまが凛とした表情で立っていた。
義勇「起きたか」
太陽「あ……すみません、おれ……」
義勇「目が覚めたなら良い。鬼は俺が斬った」
太陽「……すみませ」
義勇「謝るな。お前はなすべきことをなせ」
太陽「!」
▼
壱 「それより、暴れ鬼は……」
弐 「おれの妹の話なんですが」
参 「水柱さまはなぜ強いんですか?」
肆 そのた
下弐
546 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/20(月) 14:52:39.68 ID:MgpZxU4n0
2
547 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/20(月) 18:26:24.05 ID:zivCFl2SO
参
548 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/05/20(月) 19:20:21.74 ID:GatyuWMBo
>>547
太陽「あの!初歩的なことを聞いてもよい、でしょうがぼぼぼぼ」げほぉ
全然体力が戻ってないじゃないか!少し力んだだけで溺れそうになったので、まずは呼吸を取り戻すことを注意しながら問いを投げる。
義勇「なんだ」
太陽「水柱さまは、どうしてそんなに強いのですか?」
義勇「───」
ぴくり、と。
水柱さまの、ほとんど動かなかった表情が変わる。悲しみと言うよりも、複雑な何かを抱いて。
義勇「俺が強いはずはない」
太陽「」!?
義勇「俺は守るべきものを守れなかった。隊士としては既にそこで失格だ」
義勇「だからこそ、だからこそ、もう二度と失わぬように全力をかけているだけ……強いわけではない」
太陽「そんなこと、ないです」
義勇「……?」
太陽「その思いは、強いのではないでしょうか」
義勇「何をえらそうなことを」
太陽「お、おれはまじめに思ったことを言っているだけで……げほっ」
義勇「……」
ぽん、と頭を撫でられた。意外すぎる行動に、思わず言葉を失い、目を見開いて水柱さまを見上げる。その表情はやっぱり水のようにりりしく冷たいままだ。
義勇「よくやった。無理をさせてすまない」
太陽「!!」
義勇「鴉を飛ばした、隠が来るだろう。そいつ等に運んでもらい、医療屋敷まで戻れ」
太陽「え、だけど、えっと」
義勇「俺は逃げない。鬼は逃げる。だから蹴りは付ける」
▼
壱 いや、あの、おれも連れて行って……
弐 大人しく戻るか
参 そこに太陽の仲間が現れる!
(海怜、アカリ、イツミ、選抜の時のハゲのどれか)
肆 そのた
下弐
549 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/20(月) 19:29:07.58 ID:MgpZxU4n0
3
550 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/20(月) 19:59:55.36 ID:1onVccI90
参
551 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/05/27(月) 19:36:05.04 ID:H1GcEcO8o
へい 今から更新させていただきやす、親分
552 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/05/27(月) 20:05:54.55 ID:H1GcEcO8o
>>550
ずしゃああっ!
??「無事!?」
????「あまり無理をしないで欲しいのですが」
太陽「!」
そこには───
海怜「君は本当に……いや、今はそれどころじゃないか」
イツミ「……」
海怜だ!いつの間にか逞しくなっているなあ、体がむきむきじゃあないか!
……そして、隣にいるのは御薬袋 イツミ……薬学の知識があるんだったっけ……?
イツミ「……貴方は馬鹿なのですか」
太陽「!?」
イツミ「その体は無理をしています。速やかに後方に引くべき」
イツミ「後は我々に任せるのです」
太陽「だけど……」
海怜「そう言うことだよ。僕達も、そう捨てたものじゃないと思うけど?」
太陽「……」
義勇(東雲にこれ以上無理をさせれば大怪我しかねない)
義勇(そうなれば、再起不能になってしまうこともありうる……こいつらが来てくれて助かった)
海怜「まあ、そう言って諦める君でもないだろう」
海怜「水柱様、乙津が引きます。東雲 太陽をどうか連れて行っていただけませんか」
太陽「ちょ、海怜、何言って……!」
イツミ「本当に。馬鹿なのですか」
553 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/05/27(月) 20:13:11.03 ID:H1GcEcO8o
太陽「……いや……!」
行きたい。それは本心だ。おれの心は常に、鬼を殺すことだけを考えている。だが、確かに指摘の通り体が動かない。
息をするので今はいっぱいいっぱいだ。だと言うのに、海怜はおれの心を優先させてくれようとした。もちろん、無理を言っているのは分かっているだろう。
イツミがこれだから男は、とでも言わんばかりの顔でおれ達を見比べている。
太陽「……おれは……」
義勇「賛成できないな」
当然、待ったがかかる。まあ、当たり前だろう。この人は、きっとおれが死なないように考えてくれている。
厳しい瞳が海怜を貫いたが、海怜自身は全くダメージがなさそうだ。なんだ?この自信は。
海怜「いえ、実際俺が行くよりも、太陽が行く方がいいと思いますよ」
海怜「せめて、戦闘に出さずともその戦いを見せたい。……必ず俺が守りますだなんて言えたらいいんですけどね」
義勇「そこまでして、どうしてこいつを戦闘に連れ出す?」
海怜「彼には経験がまだ足りていない」
太陽「……!」
海怜「実践でしか積めない経験もあるでしょう。当然、死ぬ可能性もあるので俺の言っていることは無茶でしかないんですが」
海怜「……さて……太陽、お前はどうしたい?」
イツミ「乙津 海怜。そこまでにして。」
海怜「……」
イツミ「貴方には命を守ると言う言葉が分からないのですか」
イツミ「鬼殺隊は殺し合い舞台ではない」
▼
壱:行くよ。おれは行く
弐:だめだよ海怜、気持ちは分かるけど
参:せめて戦闘が終わるまではここにいます
肆:そのた
下弐
554 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/27(月) 20:51:09.66 ID:QE/0ezzSO
どぉりゃアアアア!!!
天空より加速しに出でし読者のお通りじゃあアアア!!
安価なら壱
555 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/28(火) 15:10:03.65 ID:p09gTmIf0
4
では離れた少しでも安全なとこから戦いを見せてもらう
さすがに近くで見るのは犬死だ
556 :
◆z.6vDABEMI
[saga sage]:2019/06/03(月) 23:20:48.38 ID:9DRFVaA0O
申し訳ない!明日には必ず!
557 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/03(月) 23:30:48.42 ID:OK/fLhpp0
致し方なし
558 :
◆z.6vDABEMI
[saga sage]:2019/06/04(火) 19:31:45.13 ID:5sOQNMTvo
それでは貴方の物語を進めましょう
559 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/06/04(火) 19:39:04.72 ID:5sOQNMTvo
>>555
太陽「気持ちは……うれしい、おれも鬼は絶対に滅したい」
海怜「それなら」
太陽「だけど、このまま行っても確かに俺は荷物になるだろう。さすがに近くに寄れば犬死にだ」
太陽「だから……離れた場所から、安全なところであるときちんと確認して、そこから皆を見守りたい、です」
義勇「……乙津、責任は取れるんだな?」
海怜「何かあったのなら、俺の腹なり首なりなんとでも」
太陽「……、……!」
どうして。どうして海怜は、そこまで俺に。
まっすぐな瞳に、とうとう水柱さまは言葉を無くし、しばらく悩んでからこくりとうなずいた。
義勇「いいだろう。東雲、その辺りで眺めていればいい」
義勇「お前が俺を見たところで、得るものなどないと思うがな」
太陽「……っ」
水柱さまは。……義勇さまは。
どうしてそんな寂しそうな顔をして、自分を蔑むのだろう。
瞳の奥はいやに暗くて、夜明け前の一番暗い空のような色をしていた。吸い込まれてしまいそうで、落ちていきそうで怖かった。
イツミ「言葉で説得しても無駄ですか」
はぁ、とため息を付いたイツミは、
イツミ「仕方がないです。貴方には知性を期待したのですが」
となぜか馬鹿にされた。
義勇「行くぞ、他の隊員がもう保たない」
560 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/06/04(火) 19:52:07.94 ID:5sOQNMTvo
全速力よりも少し遅い速度で、おれは隊員の列についていく。実際、走るのでやっとで、これで戦えばすぐさま骨は全て砕けるだろうと思えた。
これより向かうは、もう一方、すなわち暴れ鬼の退治だ。
隊員達が押さえ込むと言ったが、水柱さまは何かいやな胸騒ぎがしたようで、やはりそちらを見に行くと頑固に言い続ける。
その脇を固めるべく、付近にいた剣士が召集され、それがイツミと海怜だった。
………と言うことのようだ。
直後、何かが弾け飛んできて、おれ達のすぐそばに落ちた。
太陽「あ……ッ!」
確か、暴れ鬼を押さえ込むと言っていた、隊員……のはずだ。顔がぼこぼこになり、一瞥しただけで同一人物かどうか分からない程になっている。
戦えないことで、突然全身に恐怖がよみがえった。力のない赤子のような声を上げ、おれは震えてしまう。けれど、
義勇「暴れ鬼!お前の暴虐もこれまでだ!」
海怜「!」
イツミ「散開します」
水柱さまが吼えて鬼の注意を引き、ふたりは左右に散っていく。おれとの距離はかなり離れているところで戦闘が開始したようで、鬼はおれのことを知覚すらしていない。
暴れ鬼はまるで相撲取りみたいな大柄の姿で、両腕は皮膚が消え失せたのか、筋骨を剥き出しにしている。なんだ、あれは。
暴れ鬼「失セロ、弱者にハ、興味ナい」
義勇「少なくとも俺はお前には負けん」
暴れ鬼「……!」
▼
義勇達の判定
↓3までのコンマで判定
目標120以上
561 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/04(火) 20:54:53.58 ID:CiB0lebd0
ちょい
562 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/04(火) 21:36:01.28 ID:e/gzGONw0
ぬ
563 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/04(火) 21:43:03.79 ID:e/gzGONw0
今一度
ダメなら安価下
564 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/04(火) 22:13:53.13 ID:uNdcvSDLO
一応
565 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/06/10(月) 21:40:03.52 ID:hDLUsMoyo
暴れ鬼「ォォォォォ!」
太陽(素早い!?)
相撲取りもそうだけど、あの巨体でよくもあんなにすごい早さで動けるものだなと驚く。そしてその通り、暴れ鬼も素早くその場から動いた。
が。
フォォオォ
海怜「……っ!」
パァァァァァァァァァァ
イツミ「……」
暴れ鬼「!」
義勇「前しか見えないのは鬼の悪癖か?直せ。直せるなら鬼にはならんだろうが」
がががががががっ!!
示し合わせた剣戟が降り注ぐ。暴れ鬼もこれにはたじたじらしい、呻きながら数歩下がった。
義勇「ほう、下がるのか」
暴れ鬼「うぐ……!」
義勇「弱い人間には興味がないんじゃなかったのか」
暴れ鬼「貴様ァ!舐めるナよ!!」
義勇「そうだ、それでいい」
そして───
まるで、息をするように極めて静かな姿勢で、それは放たれた。
義勇(水の呼吸 拾壱ノ型)
【凪】
暴れ鬼「……は?」
566 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/06/10(月) 21:47:24.25 ID:hDLUsMoyo
無拍子。
息をするかのように自然で、歩くのと同じくらい普通で、何もおかしい動きなど無かった。
それが、どうして。
暴れ鬼「あ、がぁぁっ!?」ぼろぼろぼろ
義勇「……」
海怜「す、すごい……」
太陽(見えなかった)
鬼が細切れになっている。いったい、あの瞬間に何度切りつければああなる?
ほろほろと崩れていくその姿を見てもなお、水柱さまは顔色を崩さない。むしろまだ警戒しているようにすら見える。
なぜ?
暴れ鬼「ぁ、あああァァあ!!」
びゅんっ!
イツミ「! 貴様」
太陽(苦し紛れにイツミに特攻を!)
義勇(だろうと思ったよ。お前は)
太陽(!?)
斬
暴れ鬼「……」さらさらさら……
イツミ「! ………………」へたん
義勇「無事か」
イツミ「あ。は……はい」
義勇「あいつは最後に、お前を道連れにしようとしていた」
義勇「女だからだ。弱いからでも、油断していたからでもない。お前が女だから」
義勇「現実はこうも不愉快で、何とも訳の分からない道理が成り立っている。だが、お前なら打開できるだろう、御薬袋」
イツミ「……はい」
太陽(すごい、そんなことまで分かるのか)
義勇「……これで、終わったな」
義勇「お前達は勝手に戻るといい。別な柱に泣きついてもいいと思うが」
義勇「……」
太陽(睨まれている)
▼
壱:大人しく治療に……
弐:お師匠さまのとこに……
参:別な柱紹介してください
肆:そのた
下弐
567 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/10(月) 21:49:19.12 ID:qLP64K2Z0
弐
568 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/10(月) 21:49:57.54 ID:8o+AerfJ0
2
569 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/06/10(月) 22:46:47.68 ID:hDLUsMoyo
>>568
ひいひい言っているおれは、しかし隠によって別なところに連れて行かれるのであった。
ちなみに、水柱さまは
義勇「……俺は他の柱とは違う」
そう言い残したんだとか。
満月「だからってぼくの機嫌が治るわけないんだよー」ぶにー
太陽「そうなんですけれど、師匠……」
満月「無理しちゃダメだよって言ったのに、無理するのが悪いんじゃない!」
と言うわけで、ここは月柱、満月ももとせ……お師匠さまのお家である。
太陽「うう、すみません……」
満月「だけど、下弦の鬼を倒したって?えらいえらい」なでなで
太陽「……あ、ありがとうございます」
ええい、この人は男だぞ。どんなに愛らしい容姿をしていても、男だし、柱だし、お師匠さまだぞ。鬼の前では強いんだぞ。
だっていうのに、頭を撫でられるとどうも調子が出ない。力が抜けて、フニャフニャになってしまう。
満月「うん、とりあえずそこは良しとしましょう」
満月「それで、全集中・常中も出来るようになったし、きみも強くなったってわけか!」
満月「えらいぞー、えらいえらい!」なでなで
太陽「うひひ……」
満月「だけど」
太陽「」びくっ
満月「ぼくの言葉を無視したのはだめー!ちゃんとけがが治るまでは、ぼくから稽古は付けないからね!」
満月「……あ、そうそう。一緒に来てた、乙津くんだっけ?」
太陽「あ、はい、海怜がなにか……」
満月「しばらく彼と稽古するね♡」
太陽「」ぴしっ
お、お師匠さまを取られる。やばい、まずい、どうにかしなければ。
▼
壱:もう治りましたぁぁぁ!(やせ我慢)
弐:焦らず治るまで我慢だ
参:治るまでに何か出来ることをやろう
肆:そのた
下弐
570 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/10(月) 22:49:43.88 ID:qLP64K2Z0
3
571 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/10(月) 22:55:55.74 ID:8o+AerfJ0
3
572 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/06/17(月) 20:21:54.88 ID:ctgzyMJjo
今週の鬼滅も面白かった
来週の鬼滅はもっと面白くなるだろう
573 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/17(月) 20:30:50.03 ID:VGYSkmY60
正直言って最高だな、鬼滅の刃。今の作品で一番好き
574 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/06/17(月) 20:30:55.53 ID:ctgzyMJjo
>>571
四の五の言ってる場合じゃない。治るまでに何か出来ることを探すんだ。ぼーっとして、過ごしているようでは強くなれないぞ、おれ!
なんせ新免さんはケガしてるのに腕立て伏せしてたらしいし、海怜だって素振りしてたし?
……自分の無理を、おれはまだ理解していないんじゃないか?
満月「まずは歩行から見直したらいいんじゃないの?」
晩になって、ぷんすか顔のままだったがお師匠さまはそう言った。なんでも、この月屋敷の周囲は非常に広く、姿勢を正したまま歩くと疲れるらしい。
具体的にどのくらい広いかは分からなかった。
分からなかったが広いことは分かった。
満月「すずめ君ちの倍はあると思うよ」
太陽「エェーッ」ぎょえええん
そうなったのなら、まあ、そうだよな。歩かせられるハメになる。海怜はついてこないで!と念押しして、夜の中を歩くことにした。
まずは基礎体力向上だ、夜は短し歩けよ剣士。
満月「おはよう、太陽くん?」
太陽「おざまーす……」ぼろぼろり
……即落ちだった。
なにが、って。おれの体が治ってないのがひとつ、本当に周回が長かったのがひとつ、ついでに道がでこぼこだったりしたのがひとつ、道ですら無い場所があったのがひとつ。
数えるといやになるくらいの障害と関門があり、それぞれがおれをいやに歓迎してくれたのだった。あはは、はは、は……。
ばたん。
満月「限界、知れそう?」
太陽「もう、ちょっと……で……」
満月「……そ。でもあれだよ?ちゃんとケガ治してね?そっちが先だからね?」
太陽「は、はい……」
昼間は体の痛みに唸りまくっていた。部屋で寝転がっていると、ふと誰かの気配がする。
ちょこん
少女「……」
太陽「……?」
はて。誰だろう。
そう思った次の瞬間には、おれは寝落ちしていたのだった。
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