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【鬼滅の刃】貴方の刃【あんこ】
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438 :
チュン
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/01/14(月) 19:43:07.61 ID:XAme2DdIo
>>436
そういえば。
太陽「あの、ひとつ伺いたいのですが」
側近「なんでしょう?」
(貴方は噂に聞いた、鬼斬りの剣士さまなのでしょう?)
あの時出会った剣士も、鬼殺隊には違いない。けれど今の今まで出会えていないあの人、一体何者なのだろうか?
側近「柱、ですね」
太陽「!」
すずめ「あ、青い目のひと?もしかして」
すずめ「【ギユウ】さん?」
太陽「ギユウ……」
側近「青い目、右と左で模様の違う着物、言葉数が少なく名も名乗らないとあれば、その方は【富岡 義勇】様、水柱でいらっしゃいます」
太陽「……」
水の澄んだような青の目。まるで水柱になることを宿命づけられたかのような色だったなと振り返る。
太陽「その人はどんな人で………」
すずめ「わかんなーい」
太陽「!?」
すずめ「分かんないの、あんま喋らないし」
側近「実は誰もあの方のことは良く知らないのです」
太陽「へ……?」
439 :
チュン
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/01/14(月) 19:56:01.13 ID:XAme2DdIo
すずめ「話しかけてもねー」
『俺から話すことはない』
『お前と俺では見える世界が異なる』
すずめ「とかなんとかで」
太陽「何者なんだろう、その人……」
疑問は膨らむ。
柱になってから会ったのか、それとも柱になる前だったのか。
いや、あんなに強かったのだ、きっと柱になった後だろう、きっと。
しかしなんだろう、鳥柱さまも側近さんも、だことなーく視線を外しているような……。
すずめ「ぎゆーさんはこわーい……」そーん
側近「あの方は何を考えているのか……」そーんっ
太陽(ああっ!ふたりともそーんっとしている!本当に知らないんだ、義勇さんのこと!)
分かっているのは、水の呼吸を使う【水柱】だと言うことと、途轍もなく口下手な人間だと言うことだ。
太陽、諦めてはだめよ、と脳裏に母の声が聞こえた気がした。
すずめ「……なんか……調子狂う……」
▼
壱:まだおもしろいもの見に行く?
弐:刀がみたいので外へ
参:その他
下弐
440 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/14(月) 21:23:24.25 ID:+Q7NVbBI0
弍
441 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/14(月) 23:04:57.76 ID:ZgaH9iYSO
>>437
そうなんですね。おめでとうございます。
(くもりなきまなこ)
安価なら上
442 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/01/21(月) 21:05:23.88 ID:LQtbzjTfo
月曜日なので一回だけ上げ!
443 :
◆z.6vDABEMI
[saga sage]:2019/01/21(月) 21:16:42.79 ID:LQtbzjTfo
>>441
>>440
調子の狂っている鳥柱さまをなんとかなだめて、
太陽「け、剣が見たいです!おれ、鳥柱さまの剣が!」
すずめ「!」ぱぱーっ
太陽「ひっしーの剣、見たいです!」
すずめ「僕も見せたい!」
太陽「行きましょう!」
すずめ「うんー!」
どたどたどた
側近「ああ、夕暮れまでにはお戻りください」
飯塚さんの言葉を背中に受けながら、おれ達は走り出した。
昨日よりもそこそこに鳥柱さまの動きについていけている気がする。おれも成長しているのかもしれない。
すずめ「えへへー!いっくぞー!」
と。
鳥柱さまが、少し走って(とは言え屋敷から充分に離れていたが)刀を抜いた。
大振りで、分厚い刀身が現れる。
すずめ「とりゃ!」
その刀身の中から───本当に中から飛び出すように───布のようなものが、扇の半分みたいに広がる。右の手には剣の右側に、左は左側に、だ。
布にしか見えないそれは、風をしっかりと受け止めて強くはためいていた。まさかと思うが。
すずめ「僕は飛ぶ!鳥に成る!」
太陽「!!」
一瞬の出来事。風がそよいだかと思ったらそれは鳥柱さまの呼吸だった。ええ、と驚くよりも早く、鳥柱さまは跳躍した。
高い。そして、どことなく飛んでいるようにも見える。あの布が、少しでも鳥柱さまを軽くしているのだろうか?
きっかり三秒ほど飛んだ鳥柱さまは、ゆっくりと着地した。
444 :
◆z.6vDABEMI
[saga sage]:2019/01/21(月) 21:25:47.67 ID:LQtbzjTfo
すずめ「どうだすげーだろ、これが僕の【鳥の呼吸】だ!」
太陽「なんだか分からないけどすごいと言うことだけは分かります!」
興奮していた。鳥柱さまの跳躍がまるで本当に飛んでいるように見えたのだ。刀身が羽のように見えたのだ。
ふふーん、と嬉しそうにする鳥柱さまにキャーキャー言っていると、不意に鳥柱さまは鋭い顔つきに変わった。
すずめ「ん」
太陽「さっきのをもう一度!……鳥柱さま?」
すずめ「いる」
太陽「え?」
すずめ「……どこだ」
おれが動くよりも早く、鳥柱さまが動く。両の剣先を地面に向け、ととんと短く叩いて。……敵の気配を感じ取っているのか?すごい、おれにはぜんぜん分からな───
すずめ「そこか」
太陽「ッ!?」
ひゅっんっ
太陽「うわわわわ……」とて
おれの背後に鬼が出たようだった。鳥柱さまの剣は何とかかわしたものの、転んでしまう。
そしてまさしく背後では、鬼が一匹斬り伏せられているのだった。
太陽「と、鳥柱さま!」
すずめ「うーん、いっぱいいるー!うーんうーん!」
太陽「え、いっぱい……?」
か、囲まれている……?
いつのまに……?
▼
壱:手分けして倒そう
弐:側近さんが心配だ
参:頭がいるはずだ
肆:そのた
下弐
445 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/22(火) 00:21:30.34 ID:Lxo5T8QSO
更新来てたか。腹が減るぜ!!
安価なら弐
446 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/22(火) 16:18:31.69 ID:vkggguYGO
弐だぜ!
447 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/01/28(月) 20:01:28.93 ID:Pi8YjbJPo
今日は鬼滅の日です。よろしくお願いします。
448 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/01/28(月) 20:10:26.36 ID:Pi8YjbJPo
>>446
太陽「側近さんは……大丈夫なんでしょうか」
家に残してきた飯塚さんが突然心配になった。
おれ達を鬼が囲んでいると言うことは、きっと屋敷の方にも鬼がでているだろう。
もしかしたら鬼の総出で鳥柱さまを倒す算段なのかもしれない。……鬼は群れないはずなのだが?
すずめ「……いこーか」
太陽「えっ?あ、はい!」
すずめ「その前に、鬼倒そっか!」
太陽「えっ?あ、ああ、はい……!」
刀を構えたのだが、
すずめ「僕は遊んでくから、君は先に帰って!」
と、鳥柱さまは鋭くそう言った。
太陽「な、なんで……」
やっぱり、おれじゃ足手まといなのか?
すずめ「……つよいの、いるから。君死ぬよ」
太陽「」ぞくっ
すずめ「だから、飯塚さんと一緒に、来て」
すずめ「僕、負けないから」
その目が、手が、震えるほどに強く感じた。
異論を挟ませないほどに強烈な視線。……おれが一瞬、なにを言うべきか考えていたその刹那、鳥柱さまは大柄な剣をひとふりする。
風が強く吹いて、自由が約束されたように思えた。
すずめ「今!早く!」
太陽「……ッ、はい!」
全集中、呼吸を最大に。視線は柱から帰りの道中の方へと反転、そしておれは足に力を込めて全速力で駆け抜ける。
なぜだろう、と言う言葉を反芻しながら。
……鬼は群れない。
その原則が、この間から次々と塗り替えられている。なぜだろうか?
街にいた鬼も徒党を組んでいたし。それに今回だってそうだ、鬼として強いとは言えない低級の鬼がわらわらと現れているようだったのだし。
449 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/01/28(月) 20:24:59.11 ID:Pi8YjbJPo
風とともに走っても、屋敷は少し離れていた。それでも何とかたどり着いた時には、棒きれで側近さんが戦っているところだった。
側近「こら、あっちいけ!ここは鳥柱様の屋敷だぞ!」
鬼ア「知るか!お前は食う価値もなさそうだな、死ね!」
鬼イ「剣士のなりそこないなのだろう、どうせ命を救われて、そして志したが才のなかった者なのだろう!」
側近「ッ」
鬼ウ「図星か?よし、死ね───」
ざしゃあああっ
勢いそのまま、殺さずに足を滑らせる。
鬼たち「「!?」」
ビュウウウウウウ
太陽(行ける、今のおれなら……完治しなくても、足手まといでも!)
太陽(人は救える、鬼は殺せる!行ける、行ける!だから!)
ずひゅっ
参ノ型
瓦解氷消
───がかいひょうしょう。氷が消えて溶けるように、物事が崩ればらばらになること。
───太陽の参ノ型は、対多数を想定した全体攻撃である
───細く軽い刃を、両の手で持ち替えながら柔らかさを生かし複数回切りつける
───力は乗らないので頸は斬れないが、複数体の鬼の体をバラバラにするくらいは訳のない技だ
しゃしゃしゃっ
鬼ウ「があああ!?」ぼたぼたっ
太陽「! 飯塚さん!」
側近「すみません!私は無事で……鳥柱様は!」
太陽「まだ奥の方にいます……ここはまず、鬼を払い、それから鳥柱さまと合流しましょう!」
側近「……はい!」
鬼イ「勝てるつもりか、人間が!」
▼
壱:一体一体頸を丁寧に斬る
弐:全員を足止めして即鳥柱の方へ
参:もう一度参ノ型→壱ノ型
肆:そのた
下弐
450 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/28(月) 21:34:44.61 ID:j9xPHiBp0
続行だ!参
451 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/29(火) 01:51:09.97 ID:uXk0QTSSO
はァ───ッ なるほどね!! 参を選びます!!
452 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/02/04(月) 23:15:11.46 ID:zWbZCIPBo
その小さな体で良く安価を取ったね!偉いよ!
453 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/02/04(月) 23:27:02.06 ID:zWbZCIPBo
>>451
びきびき、と。音を立てて体が復活しようとしているのが分かった。おれの意表を突きたいようだが、全員が全員早々簡単に復活するわけではなかった。
太陽「馬鹿め!人間を見くびるなよ!」
氷の呼吸 参ノ型
鬼ア「まずい、さっきの!させるか……」
瓦解氷消
太陽「ッ!」
ひゅしゅっ!!
おれはそんなに上背があるわけでもないし、そこまで強いわけでもない。だが、早さには自信がある。力が無くとも、早さでこいつらを細切れに出来る自信がある!
だから───参ノ型で全員をバラバラにするのもわけない。
鬼ア「う、がああっ!?」
太陽「遅いっ!」ひゅ
鬼ア「!」
氷の呼吸 壱ノ型
寒声一叫
惨 っ
鬼イ「な、ひとりやられた!?」
鬼ウ「あの軽い刃でなぜ頸が切れる!」
太陽「黙れ」
寒声一叫
鬼イ「ぎゃ……!!」ザンッ
鬼ウ「く、早……」
太陽「終わりだあああっ!」
ざんっ!!
鬼ウ「……!」
しゅうううう……
太陽「……よし!」
この程度の鬼なら、もう相手にもならないか。あっさりと三体処理して、おれは側近さんに向き直った。
側近「お強いのですね、貴方も」
太陽「そんなこと、ないです。おれは鬼に強い恨みこそあれど、けして強くはない。もっと、強くならないと」
側近「そうなのですか?」
太陽「おれは……父親が実は鬼だったのです」
側近「え」
太陽「ずっと家族には黙っていたようで、おれも知らなくて……ある時突然、母と妹を殺して逃げてしまったのです」
太陽「確かにある日を境に太陽の日を避けるようにはなりましたが、よもや鬼になったからとは思いませんでした」
側近「……それは、おかしい」
太陽「ん?何がおかしいので……」
側近「基本的に、鬼は『ある人物』の血からでしか生まれません」
太陽「あ、知っています。【鬼舞辻 無残】という人ですよね?」
側近「ご存じでしたか。鬼舞辻は、時折戯れに鬼を人に変えることがあります。しかしそういう時は、近くにいる家族が犠牲になるのが主です」
454 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/02/04(月) 23:32:59.18 ID:zWbZCIPBo
太陽「じゃあ、人間生活に、ましてや家族を持った状態を維持するような鬼は珍しい?」
側近「ですね。私も又聞きなので正確ではないと思いますが」
そんなものなのかと、思った。では、おれの父は誰で、あの父だった何かは誰だったのだろうか?
側近「可能性としては、ですが」
太陽「な、なんですか?」
側近「人間生活に溶け込もうとする鬼も確かにいくつかいるにはいるようです。ですが、」
いいにくそうに一瞬躊躇う側近さん。
太陽「なんですか!そこまで言われたら気になりますから言ってください!」
側近「……その可能性のひとつが、『鬼舞辻自身が世の追求から目をごまかすため』と言うのがありまして」
太陽「え……?」
可能性、とあくまでもそう前置きはあったが、それでもそれは考えてもいないことだった。
つまり、おれの父親だった人は……いつからか、恐らく日に当たらなくなった時からか……父ではなく鬼舞辻と入れ替わった……?
太陽「……?」
側近「ああ、すみません。こんなことをこんな時に……鳥柱様は無事だと思いますが、早く見に行きましょう」
側近「きっと奥の手は出さずに終わりますよ。相手にもよりますが」
太陽「……」
それならおれが今から鳥柱さまの後詰めにいく必要はあるのだろうか、とほんのわずかに感じてしまった。
だが、行かないで鳥柱さまが万一危機に陥っていたら、と考えるとそわそわしてしまう。
▼
壱:とりあえず落ち着いて鳥柱さまのところへ
弐:一旦息を整えよう
参:鳥柱を信じて待つ代わり話を続行
肆:そのた
下弐
455 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/04(月) 23:35:50.54 ID:cKW3wKGo0
壱
456 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/04(月) 23:58:55.79 ID:ggUOagQjO
壱
457 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/02/05(火) 00:34:01.11 ID:c1M5HOqpo
>>456
太陽「一旦落ち着いて、鳥柱さまのとこに行きましょう」
側近「そう、ですね」
ふたりで頷いて、鳥柱さまがいるであろう方向に走り出す。
全集中を意識しつつ、すぐにその姿を捉える、のだが。
太陽「あれ?」
持っている刀の形が違う。いや、アレは刀なのか?
大振りの剣は今や七枚ほどの薄い板のようになって、それらが持ち手でつなげられている。その端に、先にも見たような布が広がっている。
形はまるで扇のようだ。遠くから見れば、さながら鳥の羽根のようにも思えた。
変形する刀……まさか。
太陽「あれが、奥の手!」
側近「なぜ、鳥柱さま!?」
すずめ「……」
??「だってん。僕と君じゃ、相性悪いよん。だよねん。」
瞬間、縄のようなものが一斉に鳥柱さまに襲いかかる。しかし、さすがにそんな攻撃は喰らわないのか、鳥柱さまは跳躍して回避した。
すずめ「っ!」
扇状に形の変わった剣を振り抜く。いったいアレはどれだけの重量があるんだ?見れば鳥柱さまの両腕は、戦士か何かのように隆々と盛り上がっていた。
ぶぉん!と風を引き裂き、縄のようなものも同時に全て断ち切られる。
すずめ「うー……!!」
??「あはは。かわいい、かわいいよん。でも僕は他の鬼みたいな、馬鹿じゃないからん。」
太陽「どうかな、こうしてここに来る辺りは馬鹿と言えると思うけど!」
??「そうかなん。」
そいつは上半身裸の男だった。全身に縄のようなモノがぐるぐるに巻き付いている。先ほどから飛ばしているのは、この縄だろう。
浅黒い肌には傷一つ無く、何よりも若々しくハリがあるように見えたが、とても生者のものとは思えない。なにか、まがまがしい雰囲気がする。
ざりざりと無骨に切られた髪を豪快に(※今で言うオールバックのように)額が見えるようかきあげ、眉毛はきりりと太い。目には何か特別な模様が入っているみたいだった。
??「僕は縛也って言うよん。」
太陽「……鬼に名乗る名は、ない!」
▼
壱:鳥柱さまの援護を
弐:なぜ相性が悪いか確認だ
参:有無を言わさず壱ノ型や
肆:そのた
下弐
458 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/05(火) 10:02:38.36 ID:eNZ3+UhSO
何なんだ二日連続で更新して!! ヤッターッ
安価なら下
459 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/05(火) 12:36:24.32 ID:WTvhihk7O
弐
460 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/02/11(月) 20:27:00.13 ID:x3lTlF1eo
月曜日ダ!
461 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/02/11(月) 20:56:05.37 ID:x3lTlF1eo
>>459
数ヶ月で柱になれるほどの天才だ。それが、なぜあんな風貌の鬼に圧されている……?
状況を見極めるべく、刀を持ったまま少しだけ黙り込んだ。
縛也「つまんないのん……まあいいか、君は特に興味、ないよん!」
びょうっ、と風を切り裂くような音。
すさまじい勢いで、縄がこちらに飛んできていることが分かった。回避は、間に合……?
ザンッ
縛也「お」
すずめ「ガアアッ!」
まるで演舞のように、力任せに振り回される両の腕と扇。その速度が、縄と同じか、やや遅いくらいであることにたった今気付く。
つまり、本来速度があるはずの動きにキレがない。なぜか、とその原因はすぐに分かった。
足に縄がかかっていた。
太陽「!」
両足を制限するかのように縄は有象無象に地面に落ちている。おそらくは、鳥柱さまが切り倒したはずの縄が、足にからみついたのだろう。であれば。
太陽「アレを切れば……いや……」
むしろ、切れば切るほど増えるならまずい。
きっと鳥柱さまなら逆転の一手があるのだろうが、それを準備する時間すらないのだろう。
縛也「さて、とん」
すずめ「シィッ!」
鳥の呼吸 壱ノ型
───ヂヂヂヂヂッ!
太陽(鳥の、鳴き声?どうやってこんな音)
門前雀羅
すずめ「ッ、おおおっ!」
ぎゅばっ!
太陽(鋭い回転!?刃先が地面に当たって!)
ズババババッ
462 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/02/11(月) 20:59:34.14 ID:x3lTlF1eo
鳥柱さまが足に絡んだ縄を切ってこちらにきたのと、次の一撃がおれに飛びかかったのはほぼ同時だった。
太陽「!」
ぎいいいんっ
すずめ「じゃまっ!」
太陽「……!」
鳥柱さまの足下に再び縄が現れ、からみつく。速度重視の型に、こいつはかなりイヤな相手だ。
太陽「だけど、おれだって!」
鳥柱さまの足下にいる縄を素早く断ち切る!
すばばっ
すずめ「!」
太陽「っ……鳥柱さま!」
すずめ「うん!」
ヂヂヂヂヂッ!
縛也「させると、思うのん!?」
地面が盛り上がり、縄のようなものが現れ始める!
▼
壱:地面を一掃する!
弐:縛也に目潰し!
参:素早く距離を詰め攻撃
肆:囮となるべく縄の付近へ行く
伍:そのた
下弐
463 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/11(月) 22:54:59.58 ID:q25Wv2IL0
ksk
464 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/12(火) 00:08:53.03 ID:PeF/QwDSO
下弐まで加速してくれた
>>463
さんはもう安価の一部だから。
>>463
さんの想いは俺が安価に持っていくし。
安価は壱で。
465 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/02/18(月) 22:17:27.23 ID:s03Ipyedo
たぶん今日は1〜2レスだけになるかもごめんチュン
466 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/02/18(月) 23:27:11.50 ID:s03Ipyedo
>>464
太陽「ッ、鳥柱さま!」
すずめ「!」
地面に盛り上がっているのは、血鬼術で作られた縄!これはそのまま、野放しには出来ない!
太陽「おおっ!」
ビュオオオオ
氷の呼吸 参ノ型
瓦解氷消
ザザザザザッッ!
縛也「」!
太陽「今です!」
すずめ「……ああああっ!」
鋭い跳躍だった。鳥柱さまは、雲を突き抜けるかのごとく高く飛び上がる。
おれも、敵も、その姿に目を奪われるほどだ。
ヂヂヂヂヂヂ
太陽(またあの音!)
鳥の呼吸
玖ノ型
烏有
縛也「な……」
それは。
見たはずのおれでもよく分からない。
空中で一回転、と同時、落下と回転の力両方を乗せた双剣で、真下を押しつぶすような技だった。
……と言えば伝わるだろうか?
体のバネを最大限利用し、大きくのけぞってから出される打撃とも斬撃とも付かない攻撃。その暴力的な威力に、縛也と言う鬼はのけぞり、そして……
縛也「お、ごおお!?」
ごちゃっ。
467 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/02/18(月) 23:36:18.75 ID:s03Ipyedo
全身が砕けたような音がする。熟れて腐った果実をつぶしたような。
その悲惨な光景におれも、側近さんも声が出ないが、
すずめ「まだ!」
太陽「!」
すずめ「もらった!」
鳥の呼吸 弐ノ型
早贄
シュカッ
すずめ「……!」
太陽「鳥柱さま!」
最後の一手で首を切り落とす前に、鬼はその手から逃げ出した。
両肩を束縛するように縄が絡んでいる。行つ野間に……くそっ、今ので全身ぐちゃぐちゃだったはず!
縛也「十二鬼月最有力候補の僕が、ぼく、が、負けるわけ……」
縛也「ないんだアアアア!!」
太陽「!?」
すずめ「こいつ、遊べない……」
太陽「鳥柱さま、おれもやれます!」
すずめ「だめ。こいつ、腹立つからぼくがやる」
太陽「……え?」
血鬼術 【束縛の約束】
じゅああああっ
太陽「な、こいつ……今までの縄が、まるで……!」
人の手のように見える。
そしてそれぞれがうぞめいているではないか。
すずめ「さがっててってばぁ!」
▼
壱:素直に下がり見守る
弐:そうは行かない、先に突撃だ
参:危険な時には助太刀しよう
肆:側近さんが心配、逃げよう
伍:そのた
鳥の呼吸は拾まである
下弐
468 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/19(火) 01:33:30.30 ID:1jmz660SO
>>465
レスが短ければ薄っぺらだなんてそんなことはないです!!
安価なら伍、縛也以外の鬼がまだ残ってないか探す
469 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/19(火) 10:17:24.87 ID:GHWIIqsKO
上
470 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/02/25(月) 22:50:29.66 ID:+5XbSxCeo
気を抜くな レスが来るぞ
471 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/02/25(月) 23:01:25.80 ID:+5XbSxCeo
>>469
>>468
太陽(っ……今のおれじゃあ、これ以上突っ込むのは確かに足手まといになるだけ、なら)
太陽(他に鬼がいないかを見ておくべきだ……!)
鬼は狡猾だと聞いたことがある。つまり、おれ達を遠くから見ていて、そうして疲れ果てた鳥柱さまを狙うものがいてもおかしくないのだ。
集中しろ、ここにすべてがかかっている。あの鬼は鳥柱さまに任せろ、おれはおれがやるべきことをやるのだ。
目を皿のようにしてあちこち見回して、するときらっ、と何かが輝いた気がした。
太陽「! そこ!」
氷の呼吸 弐ノ型
細雪
ひゅぼっ
??「ぐげっ!」
ざく、と音がして、手応えあり。何かを貫いたようだ。そいつはゆらっと揺られたかと思えば、おれの前に姿を現した。ひどくいらついた表情で。
鬼「くそぅ……ッ、ガキが!何故俺を!」
太陽「光ったんだよ。おまえのいるところ」
鬼「なに?俺はそんなヘマをするわけ……」
太陽「うるさい、黙って死ね」
鬼「そうはいかねえなぁ!」
ぎろ、とこちらを睨む目に、何かが書いてある。模様、だろうか?それとも文字?しかし……ううむ、印が消されている。そのせいで何が書かれているかよく分からない。
鬼「俺はまだ終わってねぇ……それを今ここで証明する!」
太陽「なに……」
血鬼術
転身の舞
ひょうんっ
太陽「!?」
472 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/02/25(月) 23:08:14.91 ID:+5XbSxCeo
鬼がその場ではねた、と思った瞬間、眼前から消えた。何が起きた───脳内で整理するよりも早く、外側から刺激が入ってくる。
がきん、と音。続けて意識がそこに追いつき、おれは無意識で剣を握って相手の攻撃をいなしたのだなと分かった。
あれ?もしかしてこいつ……強い……?体を何とか反転して相手と対峙する。
改めて見たその目に、かろうじて陸の字が見えた。潰されている。
太陽「っ……おまえ……?」
もしかして、と言う言葉が脳内を駆け回り、背筋が凍り付きそうになった。いやな予感がする。もしかしてこいつは!
何かを言うよりも前に、そいつが再び血鬼術を発動する。ぴょんと飛び跳ねて、おれの背後に!
がきんっ!
太陽「く!?」
鬼「おお?よく受けるなぁ、これを!だが、『蝉次』さまの攻撃、いつまで受けられるかな?」
太陽「蝉次……それがおまえの名か?鬼としての?人としての?」
蝉次「つまらん質問だなァ、ぐげげっ!」
太陽「おまえの笑い方、気持ちが悪いぞ」
蝉次「……お前、殺されたいらしい」
▼
壱:ここは冷静に受け止めて弐ノ型で
弐:挑発して激昂させてから弐ノ型
参:まずは血鬼術の攻略法を考えなければ
肆:そのた
下弐
473 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 08:51:52.62 ID:OjuEbyg3o
ksk
474 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 12:22:56.80 ID:3fS6SbrgO
壱
475 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/04(月) 19:27:36.21 ID:rWolCtDWo
カァ!カァ!更新ダァ!
476 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/04(月) 19:34:30.68 ID:rWolCtDWo
>>474
蝉次「人は悲しいよなぁ?目がふたつしかねぇし、」
ひゅん
蝉次「一度目玉が潰れりゃあそれでシマイだ」
ひゅん
蝉次「お前だってそうだろ?強いと思ってるんだろうがなぁ」
ひゅんひゅんひゅん
蝉次「人が鬼に敵うと思うな!」
ひゅんひゅんひゅんひゅんひゅんひゅん
血鬼術 奥義
空蝉乱舞
ひゅんひゅんひゅんひゅん
蝉次「ははははは!もう俺の速度に付いて来れまい!」
ひゅんひゅんひゅんひゅん
蝉次「……そうだ、俺はまだ」
───俺はまだ終わっていない。
蝉次「俺は、俺はぁっ!」
ひゅんひゅんひゅんひゅん
蝉次「死ね、雑魚!俺の為にな!!」
迷いのある攻撃だった。
何か、途方もない思いが込められているような気さえした。辛いのだろうか、苦しいのだろうか。
いや、鬼だ。こいつは鬼なのだ。苦しんで当然だし、おれがそれを憐れむ必要などひとつもない。
が……哀れに思えるのは事実だった。鬼になったのに、人を越えたと言いながら苦しんでいる。なんて無様か、なんて悲しい有様だろうか?
鬼舞辻も、もしかしたら、こんなふうなのか?
ふと過るのはそんな言葉。
『人の生活の中に隠れ潜む鬼もいるらしい』
あの時、確か父は。
『そんなことをする鬼はごく少数』
自分よりも弱い者を叩いて壊して殺したのだ。
父さんは───
ビュゥゥゥゥゥ
蝉次「!?」
477 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/04(月) 19:43:27.59 ID:rWolCtDWo
乱舞の中から向けられた視線を、おれが捉えられないはずもない。迷いが腕に乗り、それは風を揺らした。
こいつは焦っている。迷っている。自分が格下だと思われることや、ここで自分が死ぬような定めであることにおののいている。
しかし、そんな攻撃でおれを倒せると思ったら、こいつが馬鹿だと意わざるを得ない。
真っ直ぐ伸びてきた腕を、刀で受け止める。
驚きにゆがむ鬼の顔、次いでおれが腕を払うように刀を振って、まだ中空に体を残している鬼めがけて技を振るう。
氷の呼吸 弐ノ型
細雪
ひゅぼっ
首を正確に狙って。大丈夫、苦しませない。苦しんで死んで欲しいのはおまえじゃないからだ。おれが求めるのはただ一つ。
鬼舞辻無残───おまえの死だからだ。
蝉次「ガ……」
太陽「シッ……!」
首が飛ぶ。胴体を失い、重力から解き放たれて空に向かって飛んでいく。血を噴射する有様はまさに芸術のそれだった。おれはあまり、芸術に詳しくないけれど。
このまま死ねッ、と口に出しながら、おれは、
太陽「このまま、死、ゴフッ……!?」
腹に浅くない傷を負ったことに気付いた。なるほど、死ならば諸共、おれも巻き込もうというわけか。
ああ、これはやばい。
遠くから側近さんの声が聞こえてくる。おれは……。
▼
コンマ負けしてたので相打ち
さらにコンマ判定
下壱 太陽君は無事かな判定
10以上で無事、50以上ならまだ戦える。80以上で実は軽傷。
下弐 風柱は無事かな判定
基本的には勝つが、5以下or44で重傷を負わされて引退沙汰。コンマが高ければ高いほど圧勝
478 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/04(月) 20:02:48.17 ID:TCme0+HIO
へい
479 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/04(月) 23:28:14.52 ID:+4mHeokSO
バッ ビュン ヒュッ ホワッ ザッ
480 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/11(月) 20:55:05.10 ID:xfnmf22io
>>478
太陽17 すごく……痛いです
>>479
鳥柱52 相性悪いというのはマジでしたね
太陽「が、は……」
肺の息を全て吐ききる。だめだ、吸わなければ、立たなければ、だけど。
ああ、ごめんよ父さん、母さん、おれはこんなにも脆くて、こんなにも弱い。救いたいものはいつだって近くにあるのに。
ザンッ!
すずめ「おーわり!」
縛也「ち……ぃっ」
向こうの方で、血だらけの鳥柱さまが頸をはねるのを見た。あいつと相性悪いというのも、嘘では───
どさっ
▼
判定続きでごめんチュン
太陽無事?判定の続き
現在は重傷なので
-15 剣士は諦めなさい
-30 再び数ヶ月の修行
-50 数週間寝込んだ
-80 呼吸の力で3日程で起きた
81- 実は軽傷だった
ぞろ目で何かが目覚める、44は問答無用で死亡
はい直下
481 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/11(月) 21:21:02.79 ID:r6qwET9zo
はい
482 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/11(月) 22:40:27.28 ID:JfUYTyNSO
惜しい!!
うわあああ惜しい!!
483 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/12(火) 04:48:26.76 ID:JrpTBFmko
やったね太陽!
>>481
コンマ79
◆
遠い意識の中で、何かを見た気がした。
悲しそうな女性。誰かの悲鳴、ぱきんと割れた箸、なんだか色々なものが崩れ落ちたようなものを。
手を伸ばしてもそれには届かなくて、そして悲しそうな顔の女性は、そのままふっと笑って消えたんだ。
母だ。
◆
太陽「───ッ、かあ、かあさんっ!!」
がばっ
馬酔木「忠告する、叫ぶな」
ぺちん
太陽「ぐべぇ」
布団に倒れ込み、そして改めて腹が痛くてさらにぐべぇとうめいた。一方、そんなおれを見ているのは……。
馬酔木「落胆する。またお前か」
太陽「あああああ馬酔木さんうういたちちち」
馬酔木「重ねて忠告する、もう喋るな」
太陽「ふぇ……」
馬酔木「説明する。お前の腹には穴が空いていた。しかし、驚愕した。明らかな重傷だが、回復が早い」
馬酔木「前回に比べれば、などという優しいレベルの話ではない。……なぜだ?」
太陽「はい?」
馬酔木「思考する、が……答えが見つからない。故、質問する」
馬酔木「お前、なにかしたか?」
太陽「え?い、いえ、鳥柱さまのところで【常中】をしていただけでして……」
そして鳥柱さまの場所にはほんの数日(三日)もいなかったはずでして……。
484 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/12(火) 04:57:07.24 ID:JrpTBFmko
馬酔木「……」
それを聞いて、馬酔木さんは黙って考え込んでいた。時折、胸元から手帳を取り出してはあれこれページをめくっている。
太陽「あの、馬酔木さ……」
馬酔木「月柱から鎹烏だ」
おれのことであれこれ悩んでる内に、師匠から手紙が来ていた。
曰く。
『もーっ!また無理したんでしょ?そういうことしちゃダメだってば。命は大切にしてね?ぼくの弟子なんでしょ?
あ、雀と遊んでくれてありがと。喜んでたよ、雀。きみ、こういう才能があるのかな?』
あとはひたすらなぜ怪我したのかとか、これからどうしたらいいのかとか、そんな内容だった。
太陽(しっ、師匠……すんません……)汗だく
馬酔木「解せない」
太陽「え?」
馬酔木「人間の回復力で、ここまで回復するのか?そんなもの、いよいよ柱を越えてくる」
馬酔木「何よりあの怪我はかなりの深手で……」
納得行かない馬酔木さんが、おれの腹に巻かれた包帯の下を覗き見て、やっぱり大けがだったらしく妙に納得していた。
いや大けがしてんのかよ、おれ。
どおりでさっきっから腹がずーっと痛いわけだ。
▼このあと?
壱:ゆっくりリハビリ(基礎能力上がる+一ヶ月経過 )
弐:急ぎ足リハビリ(一週間で復帰するが基礎能力は微妙)
参:院内の手伝い(一ヶ月経過変わらず、自由安価をとる)
肆:誰かに出会う(新規の出会い安価。経過時間はコンマ)
伍:そのた
下弐
485 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/12(火) 09:13:27.43 ID:dC/L71Uio
ksk
486 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/12(火) 10:54:18.27 ID:VtqmtB+DO
壱
487 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/18(月) 21:21:34.54 ID:r3lK/WtEo
>>486
身体機能の上昇も目指さなければならない。
しかしすぐに傷は塞がらない。
であれば、おれがやるべきことは必然ひとつに絞られる。
───回復訓練。
馬酔木「驚愕する。その怪我でまだ呼吸を使うか」
太陽「すううう……」
馬酔木「警告する。あまり使いすぎると、腹の怪我が再び悪化するぞ」
太陽「ううう”ッぅ”ぅ”ぅ”ぅ”」
馬酔木「言ったからな、私は言ったからな」
太陽「ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”」
でも聞いたんです!月柱さまから!呼吸には自然治癒を高める効果もあるんだって!
呼吸は、体中の血液を加速させるから、同時に痛いところとかも治りやすくなるんだって!
などと言いつつも最初の数日は腹の傷が裂けて、血が漏れ出して、馬酔木さんにめちゃくちゃ怒られるのを繰り返した。
当たり前だ。「腹に穴が開いていた」んだろう。とは言え医術を持った人達の手助けによってなんとか一命を取り留めた。
その一命を投げ出すつもりはないが、かといって何もしないわけにも行かなくて。
おれはとにかくまず今出来ることを始めた。それが呼吸の繰り返しだった。
常中はかなり安定してきた。寝ている時でも氷の呼吸を出来ていると思う。……鎹烏にお願いして見て貰ったが、烏はカァとしか言わなかった。
太陽「ふんっ、ふんっ」
傷から血が零れ出ないようになった頃には、すっかり身体機能も正常化していた。無理な運動は不可能だったが、それでも素振りくらいは可能だ。
昔は本を片手に素振りをひたすら繰り返したものだが、今になっても同じことを思い出す辺りおれは変わっていない。基本は大切だなと思える。
馬酔木「……」
488 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/18(月) 21:31:43.07 ID:r3lK/WtEo
太陽「もっと高い効果のある訓練がしたいです」
馬酔木「断る」
太陽「まだ何も言ってません!」
馬酔木「推察する。私に訓練の相手になって欲しいと、そう言うことだろう?」
太陽「いや、そうです、けど……」
馬酔木「断る。剣は握らんことにしている」
馬酔木さんはそれはそれは恐ろしい顔つきでそう言っておれを見てから、それきり黙ってしまった。
別に、剣を握らない訓練だってあるのに、と言い掛けたが、やはり睨まれたので仕方なく素振りする事にする。
……さらに数週間経つ頃には、今までの剣の振りも戻ってきた、むしろもっと早く剣を振れるような気がしてさえくる。
アカリ「すごいですよぉ、東雲さんっ」
太陽「そんなことあるのかなぁ」
アカリ「はいっ、アカリはそんなに早く剣を振れませんからぁ……」
太陽「何言ってるんだ!アカリは強いだろ!」
アカリ「ひううっ!?」
一月近く経った頃、アカリが近くを通ったらしく、たまたま顔を出した。
相変わらず泣きそうな顔をしている。
太陽「そう言えば、ほかのみんなは?」
アカリ「あ、御薬袋さんは、最近隊員さんの為の薬草取りにばかり走っているみたいですぅ」
太陽「そうなのか?」
アカリ「はい。薬草を鬼に取られないように……乙津さんもそれに混じっています」
太陽「新免さんは?」
アカリ「……」
太陽「アカリ!」
アカリ「……十二月鬼との戦闘で、一時は生死をさまよったそうです。あなたに伝えると、回復が遅れるからって……馬酔木さんも……」
太陽「───ッ!」
489 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/18(月) 21:40:10.31 ID:r3lK/WtEo
ずかずかずか
ばんっ
馬酔木「何だ、ここは私の部屋で」
太陽「なぜ教えてくれなかったんです、馬酔木さんっ!!!!」
馬酔木「……聞いたのか、血矢から新免の話を」
太陽「どうしてっ……」
馬酔木「弁明する。そうだな、理由は明白だ。お前が飛び出したら困る」
太陽「!」
馬酔木「断言する。今のままでは無惨どころか十二鬼月の最底辺にも勝てない」
太陽「ぐぬっ、ぐぬぬ……」
それを真正面から改めて言われると傷つく。なんで、なんでだよ!
だからって新免さんの危機を教えないの道理が違うだろう、と叫び出したいのを堪えて、馬酔木さんを見る。
妙に悲しそうな顔をして、馬酔木さんはこちらを見ていた。目が泣きそうに見える。
馬酔木「これ以上、無意味に傷つく隊員を、私は見たくないのだ、東雲」
太陽「……馬酔木、さん」
馬酔木「だからこそお前には、基礎能力を向上して欲しい。そのための鳥柱との交流でもあったのだろう」
太陽(人事!)
馬酔木「……東雲、本当に強くなる覚悟はあるか」
太陽「はい。鬼を殺し、殺し尽くし、人の平穏な世を望みます」
馬酔木「……そうか……」
▼
壱:血柱さまを紹介されるよ(いなかっぺ)
弐:人柱さまを紹介されるよ?(かわいい)
参:俺は嫌われてない
肆:ついに馬酔木さんが本気を出す
伍:そのた
下弐
490 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/19(火) 01:23:53.00 ID:ilb59MpSO
そう……参でございます。
491 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/19(火) 08:10:07.43 ID:eAiDBCyso
参:嫌われてるなんて事があるだろうか、いやない
492 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/25(月) 22:51:35.20 ID:vyW3O/0Zo
みんな好きすぎない……?
493 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/25(月) 22:58:29.92 ID:vyW3O/0Zo
>>491
馬酔木「お前に、うってつけの師がいる」
太陽「! 本当……ですか!?」
馬酔木「ただし、そいつはとてつもなく───」
その次の言葉を聞いて、おれは少しだけ拍子抜けて、ついでに体の力が抜けた。
馬酔木「無口だ」
◆
鎹烏に持たせて貰った地図を頼りに、おれは歩いていた。
そこには、【水柱】さまがいるのだと言う。噂の、口下手の。しかし、どれだけ口下手なのだろうか?
説明として『無口だ』と言われるだけあり、相当なものを想像しておれは歩いている。不安だ、不安で仕方がない。
本当に追い返されたらどうしよう。
さて、おれが向かっているのは小さい小屋だった。
なんでも、水柱さまは派手を好まず、誇示を好まず、慎ましく、しかし自らを鍛えながら、鬼を殺し回っているんだそうだ。
どれだけ強い人なんだろうか?鳥柱さま以上?それとも……?
がらっ、と音がする。間もなく目指す場所のはずだ。ふと顔を上げれば、そこにその人はいた。不思議そうな顔をしている、ようにも見えるが気のせいだろう。
まさかおれが本当にくると思っていなかったとか、そのようなことはないはずだ、恐らくたぶん。
水柱「……来たのか」
太陽(いや、もしかしたらこれあるな!?)
水柱「俺のところに来るとは、物好きだ。今すぐ医者にかかれ」
太陽「言い過ぎじゃあないですかね!?」
水柱「俺よりも強い奴はごろごろいる」
太陽(!)
水柱さまの手が震える。
震える?なんで?
494 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/25(月) 23:03:01.17 ID:vyW3O/0Zo
水柱「俺に何を期待してきた?」
太陽「えっと、それは……」
水柱「……」
水柱(お前は、強くなりたいのだろう)
水柱(もがいている、足掻いている)
水柱(水面に上がりたい幼子のようだ)
水柱(ほしいのだろう、一つの可能性が)
水柱(誰よりも鬼に執着し、鬼を殺すことを目標にしたお前だからこそ───)
太陽「おれは……おれの剣は濁っています」
水柱「……」
太陽「それを磨くのは、他の呼吸ではないか、と馬酔木さんが……その……」
水柱(分かるよ)
太陽「え?」
今、何か聞こえたような、気がする。
水柱「名前は、」
太陽「は、はい!」
水柱「東雲、」
太陽「!」
水柱「……東雲、太陽。だったな」
太陽「あ、あ……」
やっぱり、見間違いでも、勘違いでもなく、この人は。
水柱「いい名だ」
▼
壱:壱から稽古してください
弐:おれの氷の呼吸を見てください
参:基礎訓練を手伝ってください
肆:水柱さまは口下手なので突然実践に連れて行かれる。非情である
伍:そのた
下弐
495 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/26(火) 03:46:24.45 ID:hoUQT8vSO
伍:まずは友好を深めるためにご飯に誘う。
にしても、原作もこっちも嫌われてない柱さん回か。
原作の鬼滅の刃も面白いけど
>>1
さんの書く『貴方の刃』もたまらなく面白いよ 素晴らしいよ
496 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/26(火) 08:13:40.07 ID:PW6gj/4eo
肆:水柱さんたらせっかちさん
497 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/28(木) 23:48:10.99 ID:JNyqnV4Ho
>>495
からは泣きたくなるような優しい音がする
498 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/03/28(木) 23:55:00.56 ID:JNyqnV4Ho
>>496
水柱はせっかちなので週一更新とかも破る
そうだ、この人は間違いない。それに、鳥柱さまの屋敷でもそういう話をしたはずだ。
【富岡 義勇】。
歴代いつでも選ばれていたと言う【水柱】の中でも、特別な存在の柱。両側で柄の違う羽織を羽織った、とても端正な顔立ちの男だった。
太陽「えっと、あのお、水柱さま」
義勇「……」
太陽「水柱さま?」
義勇「付いてこい」
太陽「え?」
本当にこんなに口下手だとは思わなかったが。
義勇「お前に足りないものをとにかく得る」
太陽「それは分かりましたが、どこに向かうのですか」
義勇「兎に角走れば分かる」
太陽「そう、ですか!?」
そんなことを言って水柱さまは走り出したのだが、これがまぁ早い。全速力でも置いて行かれそうだった。体に息を、肺にもっと息を入れなければ!
すうはあ、何度も何度も繰り返し息を入れて、そのたび体中が破けそうな錯覚に陥るがなんとか地面を踏みしめる。
水柱さまはたまにこちらを振り返るだけで、特になにも言わない。むしろおれを試しているようなフリさえある。
太陽「ふぅ、はぁ、」
義勇「今のうちに、尋ねることがあれば聞こう」
太陽(今ぁ!?)
▼
壱:ほかの柱について
弐:水の呼吸について
参:目的地について
肆:そのた
なお、羽織に付いてはまだ答えてくれません。
下弐
499 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/29(金) 08:09:19.11 ID:+NvQQhafo
踏み台になろう
500 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/29(金) 19:38:35.97 ID:1t7/NHiSO
肆、水柱さま自身について。
こっちの水柱さまも口下手だなぁ。そんなんだからみんなに嫌われるんですよ。
>>497
ほわ ほわ
501 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/01(月) 20:46:03.03 ID:NS0/fSmXo
(はぁ……はぁ……落ち着け、呼吸をするんだ 鬼滅のアニメが始まるまでゆっくり)
502 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/01(月) 21:00:49.59 ID:NS0/fSmXo
>>500
俺は嫌われてない
太陽「み、水柱さまのことを!」
義勇「……」
太陽「少し教えてくださいませんか、水柱さまのことを!」
この人のことを何も知らない。まだおれは、この人について何もかも理解していない。だから言葉が足りない人だとか、そんな決め付けはよくないと思った。
義勇「俺の話か」
ざざざ、まるで木々をすり抜けたかのようななめらかな動き。咄嗟におれも同じ木をかわし、さらに走る。
この人はもしかして風の化身か何かなのではないか?と少し不安になるくらい早い。置いて行かれてしまいそうだ。
義勇「……」
太陽「はあ、はあ、水柱さま……?」
義勇「……近所の茶屋の菓子が好きだ」
太陽「はあ!!??」
そう言うことを聞きたいんじゃないんだけどなぁ、なんだろうなぁこのすれ違っている感じは!?
もぎもぎと両手を握りたい気持ちになるが、それを水柱さまが関知している様子はない。
先程までの疲れを忘れてしまいそうなほどの衝撃に殴られた。何というか、この人本当に言葉を選ぶのが……
太陽(絶望的に……下手だ……!)
☆
満月「ははは、義勇さんは本当に人嫌いだもんねぇ。まともに話してくれないし」からっ
人柱「仕事と好き嫌いは混同しない。だが任務抜きではつきあいにくい……」ぷん
血柱「へへー、いい人だよぉ?会う度会う度、おはぎ、くれるんだ」ぽへん
死柱「富岡?はっぱわがんね……ん”っ、何とも分からん男だ」きりりっ
☆
太陽(なんか月柱さまも「だいたいの柱が付き合いにくいと思っているらしい」とか言ってたな!?)
義勇「なんだ」
太陽「いやなんでも!」
503 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/01(月) 21:09:27.52 ID:NS0/fSmXo
水柱さまは真剣な顔で、少しだけ歩みを緩め、次第に遅くなって……最後には止まった。
つられておれもその場に止まり、水柱さまの表情を見つめて息をのむ。
義勇「そうか。初めての時は、好物でも言えと聞いたのだが」
太陽「どこから!?」
義勇「……」じっ
太陽「言葉に困っておれを見つめないでください!」
少しだけ困ったように眉を垂らした、ように見えた。いや、まさかこの美丈夫に限ってそんなことは、ない……よね?ちょっと不安になる。
義勇「何を話せばいいか、分からん」
太陽「いえ、その……水柱さまの普段の生活ですとか、どうして鬼殺隊に入ったのかですとか……」あたふたあたふた
義勇「生活か」
ふ、と一息吐いた青年は、やはりまじめな顔で言うのだった。
義勇「今日は体を水で清めて来た」
太陽「そう言うことじゃあないんですよねぇ……」
こんなこと言いたくないよおれだって。でも水柱さまが、あまりにも、あまりにも喋りにくすぎて!
不満そうな水柱さまの視線がおれに刺さる。
義勇(俺の何を知りたいと言うんだ?俺のことなど、教えたところで面白味一つもない)
義勇(それに、それは鬼殺隊に何の関係もない話だ。何よりこいつは初対面)
義勇(なぜこんなに強く出られているのか分からないが、とにかく何をすべきだろうか)
義勇(とりあえずこいつの戦いぶりを見るしかあるまい。幸い、いや幸いでもないが近くに鬼は大量に出現している)
義勇(新米隊員が来ると聞いて、他の隊が分断しては追いつめていたらしいが……東雲の力を見られる材料になるなら)
義勇「よかった……」
太陽「な、なにがですか……?」
▼
壱:ちょっと茶屋で休ませてください
弐:これからどこに行くのですか
参:もうちょっと話してください
肆:そのた
下弐
504 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/01(月) 22:31:20.34 ID:UqGaLNaSO
本編の義勇さん、外伝の義勇さん、そして貴方の刃の義勇さん。
義勇さんはどれも格好いい! アニメの義勇さんもきっと格好いいぞ!
安価なら下
>>502
あぁそれ…… すみません
嫌われている自覚がなかったんですね
余計なことを言ってしまって申し訳ないです
505 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/03(水) 00:04:19.90 ID:1dYm6IsAO
参
506 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/08(月) 23:45:24.41 ID:Yn45ca9do
今週の鬼滅の刃も面白かった
来週ももっと面白くなるぞ
507 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/09(火) 00:23:33.64 ID:PF8Qpcs3o
>>505
太陽「いや……あの、もうちょっと話してはくれませんか」
義勇「話す?」
太陽「水柱さまは、あまりお話になられない方と聞きました。ですから、もう少し話をしてほしいのです」
義勇「何を話すと言うんだ?」
太陽「えっと……」
義勇「これから行く場所の話か?」
義勇(だが、それを言ってしまっては無理矢理連れてきた意味がないだろう。なにせ、こいつのぶっつけ本番での能力をみたいと思っているのだから)
義勇(さてどうするべきか。こいつになにを語れと言うのだろう。俺が鬼殺隊に入ったいきさつでも話せと言うのか?まさか。馬鹿馬鹿しい)
太陽「あ、はい!これから何をしに行くのでしょう?」
義勇「今は話せない」
太陽「!?」
義勇「……」
相変わらず何を考えているのか分からない。いったいおれはどうしたら……?
太陽「でしたら、何でしたら話してくださるんですか?」
義勇「……俺は【水の呼吸】を使う【水柱】。お前は【水の呼吸】は知っているか?」
太陽「え?あ、はい、そう言えば以前に見たことがあります」
義勇「そうか」
ふ、と水柱さまは笑って、それからとつとつ話し始める。
義勇「水の呼吸には使い手が多い。故に、俺やそいつ以外のものを見ることもあるだろう。それぞれに個性が出ていて面白いところもあると思うので、よく見ておけ」
義勇「炎と水は、鬼殺隊の歴史でも常に柱に入っている。柱の候補も含め同じ呼吸を拾得した者も当然のようにいる。柱が消えても新しい柱を立てられるように……柱は鬼殺隊の要だからな」
義勇「文字通りの柱、と言うわけだ。優秀な育手、元柱で今は現役を退いたものの、呼吸を伝承できる者も多い……とは言え炎の方は事情が事情だ」
義勇「やつが死ぬようなことは万にひとつも無いと思うのだが、炎柱が落ちたともなれば鬼殺隊は大きく揺れるだろう。お前は、炎柱に会っていないだろうから分からんか」
太陽「……」
突然めちゃくちゃしゃべり出した……。
▼
壱:水の呼吸、教えてください
弐:俺の呼吸を見てください
参:炎柱?
肆:ほかの柱はどんな人ですか?
伍:そのた
下弐
508 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/09(火) 00:40:47.69 ID:yxMj0+4R0
(オタク特有の自分の好きなことだと饒舌になるアレだ)
肆
509 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/09(火) 03:02:13.49 ID:ixJj6zcSO
こんにちはー じゃあ選びますー
肆
510 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/14(日) 12:00:14.91 ID:tH72oYXhO
>>509
太陽「ほかの柱とは、どんな方なのですか」
義勇「気になるのか?」
太陽「はい、分かる範囲で教えてください」
そして水柱は話し始めた。曰く、現在の柱は八名。
太陽(この人、口が軽いのか重いのかどっちなんだ)
【月柱】満月 ももとせ。
おれの師匠だ。女性のような語り口調だが、男だ。……え?男なの?
義勇「知らなかったのか」
太陽「かわいらしい人だなぁとは思ってましたが!」
【水柱】富岡 義勇。
今、目の前にいるこの人だ。顔は美しいが、あまり口数は多くない。
義勇「……」
太陽「何か言ってくださいよう」
【炎柱】赤銅 まつり。
セキドウ マツリ。数少ない炎の呼吸の使い手だそうだ。事情が事情だけに、とはなんなんだろう?
義勇「……」
太陽「なんで黙るんですか!?」
【鳥柱】角田 雀。
癖の強いあの人だ。戦闘となれば別人のように振る舞うらしく、皆恐れている。
太陽「良い方でしたよ!」
義勇「そうか。俺はあまり好かれていないようでな……」
【剣柱】日比 龍士。
ヒビ タツシ……まだ会ったことはない。正々堂々を好む勇猛な男だとか。
太陽「どんな人なんだろう……」
【死柱】杉谷 愛呪。
スギヤ アンジュ。……なんか怖い感じしませんそれ!?よく寝ている女の子だって。しかし死柱……?
義勇「よく寝ている。俺と会った瞬間に寝る」
太陽「!?」
【血柱】加羽沢 夜霧。
カバサワ ヨギリ。妙な言葉遣いをするらしく、近寄りづらいと思われている。らしい。
義勇「俺からも近寄りがたい」
太陽「そうなんですか……」
【人柱】蓼丸 奇怪。
タデマル キカイ。女の人、らしい。常に堅苦しいしゃべり方をするんだとか。
太陽(! たでまる……馬酔木さんが言っていた人かな……?)
太陽(って言うか、自分のことは喋らないのに他人のことはすぐ喋るなこの人!?)
▼
壱:水の呼吸の話が聞きたいですよぉ
弐:柱って仲良いんですか?
参:馬酔木さんとはどのようなご関係で
肆:そのた
下弐
511 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/14(日) 15:15:06.40 ID:mUfCUOY00
壱
512 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/15(月) 12:00:10.72 ID:7lxP9OnmO
壱
513 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/15(月) 19:08:03.16 ID:l/XqRG/5o
月曜日なんだね
『分かるよ』
514 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/15(月) 19:21:53.03 ID:l/XqRG/5o
>>512
太陽「あの、【水の呼吸】の話が聞きたいんですけど……」
義勇「……」ぴくっ
おれの言葉に微妙に反応する水柱さま。ほんの刹那の間、恐ろしい表情をしておれを見た。
太陽「ひっ!?」
義勇「そうか、【水の呼吸】に興味を持ったのか」
太陽「水柱さま……?!」
それが笑顔だったと知るのはその後だ。
義勇「どこから話せば良い?」
太陽「え?」
義勇「【水の呼吸】の成り立ちか?それとも俺の師の話をするべきだろうか?あるいは呼吸の技ひとつひとつ解説した方が、お前は喜ぶだろうか」
太陽「えっと、その」
義勇「いいだろう、まずは水の呼吸とはなんたるかをお前に伝授することにしようと思う。まずこの呼吸はどのような状況下でも対応できるのが特徴だ」
太陽「水柱さ」
義勇「水は柔軟に、形を持たず、次から次へと流れ落ち変化する。技を連続して繋げることが出来るのもまた特徴のひとつだろうか」
太陽「………み」
義勇「行動が制限されても出せる型があるというのは、強みだ。それが水の呼吸であればこなすことが可能になる。お前も、俺の師に出会っていたのなら」
義勇「きっとあの人のように、立派な水の使い手になっているだろう。お前にはそれだけの熱意を見出した。でなければ、わざわざ俺にそのような質問をするはずがない」
太陽「……」
この人めちゃくちゃ喋るぞ!?なんで!?聞いていた話と違う!
本当に自分が好きなことは喋るんだなぁ!なんか分かりやすくてむしろ安心したよ!お師匠さま、おれは上手くやってけそうです!
衝撃を受けながら、ふと疑問がよぎり、そして思った。
……なんで、水柱さまは───
義勇「実践で見せるしかないな。行くぞ東雲、付いてこい」
太陽「へっ!?」
水柱さまは再び走り出す。
▼
壱:待ってください、水柱さまぁ〜!
弐:水柱さまに質問だ!(聞きたいことを書こう)
参:そのほか
下弐
515 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/15(月) 19:52:05.64 ID:3EH4AhhSO
当然、読者は作者の更新を尊重する!
安価は弐、自分が使う氷の呼吸について(水の呼吸と何か関係があるのかとか)
516 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/15(月) 20:44:50.91 ID:KXJ1lCS90
安価上
517 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/15(月) 21:12:16.30 ID:l/XqRG/5o
>>516
>>515
太陽「みっ、みず、水柱さま!」
慌てておれも走り出し、再び最高速での移動が行われることになる。
さて、おれは一つどうしても聞きたいことがあって、それで水柱さまをなんとか追いかけているのだ。
義勇「何だ」
太陽「おれの呼吸───【氷の呼吸】と【水の呼吸】についてです」
義勇「氷……」
太陽「おれは以前、本を読みあさり、ひたすら剣を振ってきました。そして、おれに合う呼吸を完成させたんです」
太陽「それが【氷の呼吸】……切られる相手が寒気を覚えるような鋭い切れ味の技なんですが」
義勇「……水は冷たくなればきっと凍る」
太陽「はい」
義勇「お前の読んだ書物が何かは分からんが、恐らく、水の呼吸の流れを汲んでいるはずだ」
義勇「だからと言って水を使いこなすことが出来るか、となると話は違うがな」
太陽「別のモノだから、ですか」
義勇「ああ」
前を向いたままで水柱さまは答える。
義勇「流れを元にしたとしても、まったく別物だろう。どこまでが同じかなど、それは分からない」
義勇「川もそうだ。たどりつけば本流はひとつ、しかしそれが下に行けば、どれが同じ川だったかなど分かるはずもない」
太陽「……」
義勇「細かいところは、お前の技を見て確かめることにするか。さて」
そうしてやっと立ち止まった。今度こそ、目的地だろう。しかし眼前には剣士が数名いる。いったいなぜ、と聞くよりまえに、それは言われた。
義勇「これから、村人三十三人殺しの【暴れ鬼】、並びに【十二鬼月】の討伐に向かう」
太陽「!?」
▼
壱:文句言わずに行ってくる
弐:ちょっと待って水柱さま
参:どんな鬼!?
肆:そのた
下弐
518 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/15(月) 21:23:54.26 ID:KXJ1lCS90
ksk いきなりだなあ、ハードルたけー
519 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/16(火) 00:50:34.69 ID:GPwcKPFSO
更新が早い!
安価は壱
520 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/22(月) 22:05:03.58 ID:YCE55JZYo
鬼ヲ始末シロ!カアア!
521 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/22(月) 22:10:56.00 ID:YCE55JZYo
>>519
太陽「うえええええ!?」
義勇「なんだ」
水柱さまの、揺るぎない表情に戸惑う。えっと、今なんて……おれの耳が間違っていなければ、三十三人も人を殺した鬼がいるだって?
しかも、それと別に【十二鬼月】まで?……心配しないとは言わない。新免さんですら、追い込まれてしまったのが十二鬼月だぞ、それをおれが……。
太陽「い、いえ、なんでもありません」
だけど、特に文句はない。きっとこの人はおれに何か期待してくれているのだろうと思った。
義勇(───)
義勇(お前には早い試練かもしれない。だが、ここで生き延びられなければ……)
太陽「でも、どうやって行くのですか?」
義勇「ほかの隊員がすでにこの地に鬼を追い込んでいる。そこに合流する」
太陽「……っ」
数名の隊員達は、水柱さまの到着に歓喜していた。それもそうだ、彼は柱なのだから。誰よりも強い存在がここにいることは、皆にとって励みになる。
隊員「暴れ鬼の方は我々でくい止めます!しかし、十二鬼月の方は……」
義勇「無理をするな、負傷者が出たら撤退しろ」
隊員「ですがそれでは!」
義勇「俺のことは気にするな」
隊員「……は、はい……」
太陽「水柱さま……」
義勇「行くぞ、来い」
太陽「っ、はい」
またしても森の中だ。ものすごく鬱蒼と茂っており、太陽光が直接届かない地である。だからこそ鬼達はこういうところにおびき寄せられるのだろうと分かった。
目指す前方にそれはいる。……いきなり、敵が強くなっている。おれは戦えるのか、勝てるのか?
522 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/22(月) 22:48:46.34 ID:YCE55JZYo
がさがさと足音を立てながら、それでも突然襲われなかったのは、十二鬼月と思わしき鬼が機会を窺っていたからだった。
そう、やつはこの場でもっとも強い人間を殺せば全員がひるみ、包囲が破れるとそう思っているようなのである。
そんなやつを殺すために現れたのが、水柱さまである義勇さまなのだが。
がさっ。
義勇「……見ろ」
まもなく鬼が潜んでいるであろう箇所というところで、水柱さまは茂みに隠れ潜むと、前方を指さした。
おれもそれを見る。目を凝らして、そいつが何者であるかを理解しようとした。
距離があり、上手く見えないのだが、両腕が鱗の固まりのようになって、毛羽立っていた。肩の辺りまで続いているように思える。
太陽「あれが……」
義勇「報告によればあれは【十二鬼月】のひとり、【下弦の伍】とのことだ」
太陽「強いのですか」
義勇「お前の同期とやらが苦戦したのが【下弦の陸】、あれのひとつ下と考えればいい」
じゃあなぜ陸からやらせてくれないんですか!と思わなくもないが、これもきっと水柱さまなりのかんがえがあるのだろう。
それにしてもあの姿。どう攻略すべきか悩むが……。
▼
壱:背後に回って奇襲
弐:ふたりで挟撃
参:自分が囮になります!
肆:そのほか
下弐
523 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/22(月) 22:53:21.79 ID:TumfYH6K0
壱
524 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/23(火) 04:08:11.18 ID:64jHvfPW0
弐
525 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/29(月) 20:34:34.76 ID:h4Lsm7x9o
今日って月曜日ですよ
526 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/29(月) 20:45:46.70 ID:h4Lsm7x9o
>>524
太陽(ここは挟撃が良いと思います)
さらに声を潜めておれは言う。まさか聞かれていることはないと思うが、この作戦、一発勝負だ。成功させなければ。
隣で水柱さまが納得したようにうなずいて、口元をわずかにゆがめた。
義勇(いいだろう。俺は向こうに回る。お前のやりたいようにやってみろ)
刹那、その姿は霞のごとく消えていた。早い、やっぱり本気を出したらこの速度なんだ。つまり、先程までのはぜんぜん……。
ちょっとだけ落ち込みそうになったが、それはそれ。おれは様子をうかがって、鬼を見る。気配を醸しだし過ぎればきっと見つかるだろう。だから、早期に決めてしまいたい。
───そう、風が吹いたら、おれも一緒に、鳥のように、氷のように!
ヒュオオオオオッ
下弦の伍「!?」
氷の呼吸 壱ノ型
寒声一叫
ヒュシュッ
太陽(ふたりがかりなら、おれが仕留める必要はない)
太陽(確実に鬼が殺せるなら、おれが手柄を奪う必要はない───ッ)
この鱗は、見たところ固いのだろう。推測を立て、その上で水柱さまの斬撃を防がれないように肩口、鱗のない部分を狙った。
がりっ
太陽(……!?)
狙ったんだ。
がりがりがりがりっ
いやな音がして、背筋が凍りそうだった。刀が鬼の体に傷一つ付けていないのを確認する。
太陽(な……肩に、さらに見えないほど細かい鱗が!?)
下弦の伍「馬鹿は良いよな、見える物を総て信じるから」
太陽(く、反撃を受ける!その前に回避を……)
下弦の伍「!」
527 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/29(月) 20:56:13.49 ID:h4Lsm7x9o
しかし追撃がおれを襲うことはなかった。反対側から押し寄せた水柱さまが、刀を振るったのだ。がちん、と固いもの同士がぶつかる音がする。
さすがにそこは柱、腕の鱗などはあまり問題にはならないようで、鬼の片腕はあっと言う間にその場に落ちた。
驚愕にゆがんだ表情を後目に、おれは体を捻って必死に距離を取る。情けないけれど、やはり真理は同じ事だ。鬼を殺せるならば、最後に鬼が死ぬならば、それでいい。
義勇「……大したことはないな」
下弦の伍「鬼だからと下に見ているな」
義勇「当然だ。鬼に配慮など必要ない」
下弦の伍「其れは其れで寂しい物が在る」
義勇「黙れ」
ひゅっ、と風の音がして、それから金属音が何度か響いた。
刀を抜いたのか?いや、バカな。おれには見えなかった。それだけの速度を出したって言うのか、水柱さまが!
ずるん、と腕を生やして、鬼は嗤う。
下弦の伍「成る程、速さは在るようだ。が、悲しいかな、此の鎧は砕けない」
義勇「……【凪】で斬れんとはな」
下弦の伍「私は他の鬼とは違う。変わらない事、傷付かない事に掛けては、上弦にも劣らないと自負して居る」
義勇「妙に芝居がかった口調だな」
会話の最中に再び距離が縮まるが、結果は同じだ。
太陽「くっ!おれも……」
下弦の伍「思い上がるな、小僧」
太陽「え……!?」
下弦の伍「此奴よりも弱いお前の剣が、私に通用すると思うのか?」
太陽「!!」
下弦の伍「態態(わざわざ)、目を離してやって居るのだ。今直ぐ此処を離れろ」
義勇「それは出来ん。東雲、お前がこいつを倒せ」
太陽「ええ!?」
下弦の伍「……倒す?此の小僧が、私を?」
▼
壱:素早く頸を狙え
弐:どこかに弱点があるはず
参:やーいお前の喋り方、変ーと挑発
肆:そのた
下弐
528 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/29(月) 21:11:41.28 ID:OJMoksoE0
参
529 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/29(月) 21:13:53.29 ID:1xIfK9ESO
俺が加速してひとっ飛びですよ 安価なんて
おまかせくださいな
踏んでたら弐
530 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/04/29(月) 22:22:38.96 ID:h4Lsm7x9o
>>529
太陽(そんなはずは、ない)
いや、誰だって弱点がないなんてはずがない。生物ならば必ず弱点がある。それは鬼だって変わらないはずだ。
あの腕の鱗は見せかけだった、と言う訳でもないんだろう。だが、全身の鱗よりも少し柔らかいのか?……このまま頸を狙ったとて斬れるはずもない。まずは弱点を……!
太陽(止まるな、滑るんだ、駆け抜けろ)
ヒュオオオオオッ
氷の呼吸 参ノ型
瓦解氷消
ひゅしょあぁぁぁっ
太陽(全身を斬りつける!柔らかいところがあればこれで───!?)
続けて聞こえてきたのが金属音ばかりだ。
がぎぎぎぎぎんっ!
手が痺れるかと思った。少し感覚が麻痺して、体の自由が奪われる。目の奥がちかちかする……!
太陽(……なんだ、こいつ!全身かったぁ!)
義勇「……!」
見たことのない技を、水柱さまが使ったのを見た───まるで舞のようにくるりと回って、剣を鬼に向ける。やはり金属のような音がしたがそこまで来て鬼が少し距離を取った。
下弦の伍「……貴様」
義勇「確かに硬い。だが、何度も叩けばいずれ斬れる」
下弦の伍「正確に、同一箇所を、連続攻撃?」
下弦の伍「其のような真似、人には出来まい」
義勇「出来ないはずがない」
義勇(人はそのために鍛錬する)
義勇(人は大切な者のために鍛錬する)
義勇(それでもまだ足りなくて、だから届くように祈っていて───)
義勇「俺が鬼に負ける道理が存在しない」
下弦の伍「……ほう」
義勇「変わらないことだけに集中したお前に、変わっていく人間のことは分からない」
再び斬撃を聞いた。同時に鬼の顔はさらに歪んでいる。
下弦の伍「知ったような口を、戯れ言をほざくな」
義勇「お前にとっての戯れ言は、俺達の真実なんだよ」
太陽「!」
義勇「東雲、やれるな」
太陽(ですから突然無茶なことを言わないでください、水柱さま!?うーんうーん)
太陽(同じ箇所を複数回、連続攻撃……??)
▼
壱:今の要領で、参ノ型を重ねる?
弐:火力が欲しい、弐ノ型を重ねる?
参:いや、いっそ新しい技を思いつけおれ!
肆:水柱さまと連携攻撃(予定)
伍:そのほか
下弐
531 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/29(月) 22:28:09.42 ID:OJMoksoE0
一発の斬撃で切れないなら一千発の斬撃を(ry
壱
532 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/30(火) 10:49:06.76 ID:657HTbS+O
壱
533 :
◆z.6vDABEMI
[saga sage]:2019/05/06(月) 23:40:58.86 ID:pG0BQuMyo
ごめんなさいです、今週はお休みです
534 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/05/13(月) 22:23:17.22 ID:cIXJHs3to
月曜日だ!やったー!
535 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/13(月) 22:26:39.09 ID:1XSsm4Ba0
やったー
536 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/05/13(月) 22:37:33.45 ID:cIXJHs3to
>>532
手数は参ノ型が一番多い!今のままじゃきっとこいつの硬い装甲は破れない!
だけど、そうだ、水柱さまはおれに賭けてくれた!掛けてくれた!
おれには出来る、絶対に出来る───そうだ、そのためにおれら!戦ってきたはずだ!
太陽「……はい!行けます!」
下弦の伍「まさか本気か?」
太陽「本気でなけりゃあ言葉にはしない!」
一歩、足を踏み出して。
二歩、その希望を叶えるために。
三歩、その希望に答えるために。
太陽「………おおっ!」
ヒュオオオ
氷の呼吸 参ノ型
下弦の伍「出来る筈が無い!」
血鬼術 金剛体
下弦の伍「此の躯は鋼の如く!貴様の刀で斬れるまい!」
太陽(斬る!!斬ってみせる!!)
正確に、間違いもなく、ひたすら、ひたすらにひたむきに。ただ一点、鬼を殺すために、鬼を切り刻むために、狂いなく。
同じ場所に重ねる。同じ斬撃を繰り返す。今までだって何度も練習してきた。練習はやがて本番で開花するものだ。
だからそう、今だって、何も変わらない。
───瓦解氷消・襲
がかいひょうしょう・かさね
537 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2019/05/13(月) 22:47:01.74 ID:cIXJHs3to
金属を擦り合わせたような音が何度も響きわたった。同時に、鬼の呻き声がする。さらに続けて、重いものが落ちる音。
太陽「……はっ……!?」
下弦の伍「ッ!? 何故、貴様……!」
やりきった。
と思った途端、全身が凍り付いたように動かなくなる。呼吸を深くしすぎたのか?ダメだ、体が動かない……!足に重い氷の塊でもくっついたみたいだ。
体を無理矢理ひねって振り返る。背後では驚いた鬼の両腕が斬られて落ち、その体にも確実に切り傷が付けられている。
これを?おれが……やった、できた?
充実感はあまりない。というよりも、現実味が余りにも無さすぎて呆然としてしまう。
義勇「まだ戦いは終わっていないぞ!」
太陽「!」はっ
義勇「しっかり息をしろ!お前は死にたいのか!」
義勇「まだ鬼は生きている!お前の殺したい鬼はまだ生きている!」
義勇「剣を握れ!お前が倒せ!」
義勇「お前はまだ何も成していない!」
太陽「っ、ぐうう……!」
息をして、息をして、息を……!
下弦の伍「舐めるなよ、小僧……ぁ?」
義勇「どうした?腕が生やせないのか?」
下弦の伍「ぐぅ、グォォォォ!」
息を!
太陽(っ、お、おおお!落ち着けおれ!肺に息を入れるんだ!体に血液を回せ!)
▼
壱 氷の呼吸を繰り返せ
弐 攻撃技以外を作っちゃいけないなんて作法はなかったはずだぜ
参 全身を稼働させろ
肆 水柱さま!力貸して!
伍 そのほか
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