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ドラえもん「ダンガンロンパ?」

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244 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/02/21(水) 23:04:21.84 ID:sIY+moil0

のび太「いいじゃない! それより、とおりぬけフープだしてよ!」

ドラえもん「はいはい。とおりぬけフープ〜」パパラパッパパー

のび太「みなさーん、助けにきましたよー!」

大神父「……何者だ御主ら?」

門下生「と、突然現れたぞ?!」

門下生「罠ではないか?」

ドラえもん「のび太くん! このマスク取らなきゃダメだよ」

のび太「あ、そうだった」


二人はマスクを外す。


大神父「御主達……さくらと共に希望ヶ峰にいるはずでは……?」


部屋の中央にはテレビが置いてあった。絶望させるためだろう。


のび太「くわしい話はあとでします!」

ドラえもん「今はとにかく脱出しないと。どこでもドア!」

門下生「こ、これは面妖な?!」

門下生「こんな不可思議なことがあっていいのか……師範、どうします?」

大神父「……どうせここにいても死を待つのみ。彼等を信じてみよう」

245 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/02/21(水) 23:15:18.30 ID:sIY+moil0

             ・

             ・

             ・


ドラえもん「ここまで来れば一安心かな」

のび太「さっきの人はしばらくトイレからでられないだろうしね」

大神父「して、事情を聞きたい、御主等は何者だ?」

ドラえもん「えーっと、どこまで話せばいいのやら」

のび太「かくかく」

ドラえもん「しかじか」

大神父「……そうか。わざわざさくら達を助けるために遠くから。有り難いことだ」

門下生「欲を言うなら、ケンイチロウ殿も助けて欲しいんだがのう……」

大神父「これ、余計なことを言うでない。危険だ」

のび太「ケンイチロウ?」

ドラえもん「その人がどうかされたんですか?」

大神父「聞かれた以上は話すが……ケンイチロウはな、世界最強の男だった」

のび太「あれ? 世界最強って大神さんのことじゃないの?」

ドラえもん「それに『だった』って……」

大神父「ケンイチロウはさくらのライバルであり良き友人であった。……もしかしたら
     それ以上の想いもあったかもしれん。だが、病に冒されてしまったのだ」

のび太「病気になっちゃったの?」

246 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/02/21(水) 23:34:03.41 ID:sIY+moil0

ドラえもん「それで、そのケンイチロウさんは今どこに?」

大神父「……少しでもさくらの側にいることを望み、希望ヶ峰病院に入院してたはず。
     今はどうしているかわからぬ。もしかしたら、もう既に死んでいる可能性もある」

大神父「希望ヶ峰学園周辺は絶望共の巣窟だ。行かなくても良い。危険過ぎる」

ドラえもん「……ちなみにその話を大神さんは?」

大神父「知らぬはずだ。既に希望ヶ峰はシェルター化していたし、なにより
     今のさくらは記憶がない。知っている訳がないだろう。もう終わった話だ」

ドラえもん「そうだったんですか……」

のび太「そんな……」

大神「気に病むことはない。我等を助けに来てくれただけで十分だ。感謝している。
    それより、何か力になれることはないだろうか? 礼がしたい」

のび太「そうだ! ドラえもん、大神さんをどうやってとめるか聞かないと」

ドラえもん「ああ、うん。実はですね……」


二人は事情を話す。


大神父「……成程な。まず御主等に聞きたいが、我等を救った後どうやって
     さくらに我等の無事を知らせるつもりだった?」

のび太「え、ふつうに口で……」

ドラえもん「ああ、そうか。大神さんは慎重な人だから、証拠を見せないと
       信じてなんかくれないか。むしろぼくたちが疑われちゃうかもしれない」

のび太「ぜんぶホントのことを言っちゃう?」

247 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/02/21(水) 23:47:39.61 ID:sIY+moil0

ドラえもん「それが一番なんだけど、大神さんはいつも朝日奈さんと一緒だからなぁ。
       今回動機が発表されて朝日奈さんも不安がってるから話すチャンスがない」

のび太「もしかして、どうぐが言ってたひとじちを助けるだけじゃダメって
     これのことかな? せっかく助けてもつたえなきゃイミないもんね」

ドラえもん「これはうっかりしてたなぁ……」

大神父「我としては……」

ドラえもん・のび太「……ん?」

大神父「同胞のために我が身を犠牲にするという考えは素晴らしい。だが、他人を
     傷付けてまで生きたいなどと我は思わぬ。それも相手が元の学友では、な」

大神父「さくらに伝えてくれ。地上最強は我が一族の悲願。そのためならば元より
     我等は死など恐れぬと。仲間と共に試練を乗り越えてこそ最強だと伝えて欲しい」

大神「たとえ我の言葉だとわからなくとも、この言葉を聞いて何も思わぬさくらではないだろう」

ドラえもん「……わかりました」

大神父「後のことは我に任せよ。黒幕に悟られぬうちに戻るが良い」


タイムホールの中にて。


ドラえもん「さて、気付かれないうちに帰ろう」

のび太「まって。せっかくだし、ケンイチロウさんて人も探して助けない?」

ドラえもん「え? でも、その人は今回の事件とは無関係だよ?」

のび太「そうだけど、大神さんがかわいそうだよ。どうせぼくたち大和田さんの
     お兄さんも助けてるんだし、もう一人くらいいいじゃない」

ドラえもん「それもそうか。じゃあ、過去へ行こう!」

248 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/02/21(水) 23:58:31.80 ID:sIY+moil0

ここまで。

今回はゲスト多めの回でした。

249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 00:25:14.14 ID:clFHj38Po
おつおつ
ついでで助けられるケンイチロウwwwwwwww
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 18:04:10.83 ID:Ozqt708fO
乙です
2キャラ出てきて嬉しかった
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 22:25:24.32 ID:z+5xbFueO
弍大は希望更生プログラムより先に内科行きだなww
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/26(月) 01:23:32.49 ID:LLyeqrHg0
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 19:13:25.91 ID:ZJl5LMQv0
まだかよー
254 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/03(土) 20:25:02.00 ID:Ol4mcOtQ0

お ま た せ

実はこのSSは絶対絶望少女が出る前に書いたので、元々の話だと
ケンイチロウは死んでいてドラ達が助けに行く話になっていたのだけど
修正してたので遅くなりました。


再開
255 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/03(土) 20:27:07.88 ID:Ol4mcOtQ0


  第十一話 大神さんとおとめごころ


  ― 一ヶ月前 希望ヶ峰病院 ―


ケンイチロウ「ゴホッゴホッ!」

ケンイチロウ(……俺もあまり長くはない。少なくともさくらが外に出るまでは保たないだろう。
     最期にさくらと一戦交えたかったが、約束を違えることになってしまったな……)

ケンイチロウ(お互い不本意な結果で終わってしまったが、これも天命か。致し方あるまい。
     せめて顔くらい見たかったが、こんな世の中ではな……)


コンコン、ガチャッ。


のび太「こんにちは」

ケンイチロウ「……何者だ?」

ケンイチロウ(この病院にはもうごく僅かな関係者以外誰もいないはずだが……
     そもそも、こんな治安の悪い場所に何故子供が?)

ドラえもん「ケンイチロウさんですよね? ぼくたちはあなたを助けに来ました」

ケンイチロウ「何だと?」

のび太「ぼくたち大神さんのおともだちなんです!」

ケンイチロウ「さくらの……だが、どうやって……俺の体は既に……」

ドラえもん「まあまあ、だまって見てて下さい! お医者さんカバン〜」


ドラえもんはお医者さんカバンでケンイチロウの体を治療する。

256 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/03(土) 20:47:23.97 ID:Ol4mcOtQ0

ケンイチロウ「体が、動く……馬鹿な! 本当に治ったというのか?! お前達は一体……」

のび太「ケンイチロウさんにはぜんぶ話しちゃってもいいよね?」

ドラえもん「そうだね。実は……」


二人は自分達が未来からやってきたこと、コロシアイ学園生活について等を話した。


ケンイチロウ「そんなことが……」

のび太「じゃあぼくたちもとの時間にかえります。大神さんを説得しないと」

ケンイチロウ「待て」

ドラえもん「どうかしましたか?」

ケンイチロウ「お前達の持つ道具の中に、相手の夢の中に行けるものはないか?」

ドラえもん「ありますけど……」

ケンイチロウ「それを貸してくれないか? 俺が直接さくらを説得すれば、あいつを止めることが
     出来ると思う。いや、絶対に止めてみせる。さくらを人殺しになどさせたくない」

のび太「ケンイチロウさん……」

ケンイチロウ「一ヶ月後の未来から来たと言ったな。夜、俺はこの病院の屋上で待っている。
     お前達はそのタイムマシンとやらで先回りしていてくれ」

ドラえもん「わかりました! あなたを信じます」

ケンイチロウ「未来で会おう!」

257 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/03(土) 21:09:05.55 ID:Ol4mcOtQ0

ドラえもん「さて、この二人はまだ倒れてるね」

のび太「夜までまだ時間あるし、のんびりしていようよ」

ドラえもん「とりあえずこの二人を起こさないと。もしもーし! 起きてー!」

大和田「あー……」

石丸「うむぅ……」

のび太「起きてったら!」

ドラえもん「起きないなぁ……しょうがない。僕が部屋まで運んでおくよ」

のび太「……がんばって」

ドラえもん「うんせ、うんせ」

のび太「ドラえもんが力持ちでよかった」


  ― 同時刻 病院前 ―


モノクママスク6「坊ちゃんと左右田をやったのは貴様か?」

モノクママスク7「孤高の魔拳士よ。我が結界の中に一人でやって来たのは褒めてやる。
         だがこの俺様が魔力を解放した以上、貴様の命運はここまでだ」

モノクママスク6「我々は仲間を倒され気が立っている。貴様もつくづくついてないな」

モノクママスク8「オメエ弐大のオッサンと同じくらい強そうだな! オレが倒してやる!」

ケンイチロウ「……無駄な争いは好まんが、俺の邪魔をするなら容赦はしない」


ドガガガガガガガッ!

258 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/03(土) 21:21:34.45 ID:Ol4mcOtQ0

モノクママスク8「な、なんだコイツ?! つええなんてレベルじゃ……」

モノクママスク7「ぐふっ! 馬鹿な?! 我が地獄の炎が効かないだと?!」

モノクママスク6「ほ、本部に応援を要請する……撤退だ!」


ダダダダダ……


ケンイチロウ「口ほどにもない」

ケンイチロウ(だが奴等は所詮絶望軍団の一部……これから大勢仲間が来るだろう)

ケンイチロウ「それでも俺は進まねばならん。全ては約束のために!」


  ― 希望ヶ峰病院屋上 ―


夜、そこには大量のモノクマに囲まれたケンイチロウがいた。


ケンイチロウ「自ら袋小路に飛び込んだようなもの……こうなることはわかっていた」


カッと目を見開く。


ケンイチロウ「だが、俺は約束を果たさねばならんのだ! 彼らが来るまで一歩も退かん!」


激闘が始まった。

ケンイチロウの正拳突きがモノクマを貫く。破壊されたモノクマを素早く持ち上げ
迫ってきていた別のモノクマにたたき付ける。背後からの攻撃は気配で察し、ケンイチロウは
振り向かずに跳躍して空振りをした敵の後頭部に踵を叩き込む。

259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 21:25:09.63 ID:ZJl5LMQv0
モノクマは強いのか弱いのかわかんないな
260 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/03(土) 21:35:53.88 ID:Ol4mcOtQ0

ケンイチロウ(一体一体はさほど強くないが、機械だから硬いし重い。
     長期戦になれば壊れるのは俺の体だろう)


だが、退く訳にはいかない。友の、いや愛する人の正念場なのだ!


ケンイチロウ「うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」


             ・

             ・

             ・


ケンイチロウ「フゥ……フゥ……」

ケンイチロウ(彼らは、まだか……!)


世界最強の男たるケンイチロウだが、無限に湧き出る疲れを知らない人形相手に限界が来ていた。


ケンイチロウ(俺は……ここまでなのか……)

ケンイチロウ(……さくら)

「空気砲!」


ドカーン!


ケンイチロウ「来たか!」

のび太「おくれてごめんなさい!」

ドラえもん「さ、ケンイチロウさん。とりあえずぼく達に掴まって!」

261 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/03(土) 21:45:47.95 ID:Ol4mcOtQ0


ヒュルルルル……


ドラえもん「ここならもう大丈夫かな?」

ケンイチロウ「待ちわびたぞ」

のび太「じゃあ、ドラえもんはやく!」

ドラえもん「うん。夢はしご〜」パパラパッパパー

ドラえもん「この道具は、人の夢に直接はしごをかけて中へ入ることが出来るんだ!」

ケンイチロウ「理論は全くわからんが、要はそれを渡っていけばいいのだな?」

ドラえもん「はい。じゃあ大神さんの夢に繋げるので、ケンイチロウさんお願いします」

ケンイチロウ「よし。行くぞ」

ドラえもん「僕達はユメテレビで見てますね」


               ◇     ◇     ◇


夢の中。白いもやの中を大神は歩いている。どこか懐かしい場所へ出た。


大神「……ここは、どこだ?」

ケンイチロウ「俺とお前が初めて手合わせした場所を忘れたか」


振り向くとそこには懐かしい顔がいて、もやもすっかり晴れていた。


大神「お、お主は……」

ケンイチロウ「久しぶりだな、さくら」

262 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/03(土) 22:02:07.17 ID:Ol4mcOtQ0

大神はすっかり元気になったケンイチロウの姿を見て目を開く。


大神「まさか……いや、そうか。これは夢なのだな。そうでなければ……」

ケンイチロウ「確かにこれは夢だ。だが、夢であって夢ではない」

大神「? どういう意味だ?」

ケンイチロウ「俺は現実でも病を治し、今は外の世界で元気に暮らしている。
     それも、お前のよく知る者達の手によってな」

大神「……そうか。それは何よりだ」

大神(夢は自身の潜在的欲求が出やすいと言うが、誠だったな。……だが夢でもいい。
    元気になったそなたと相見えることが出来たのなら、我はもう思い残すことはない)

ケンイチロウ「馬鹿なことを考えるなよ」

大神「……我を止めにきたのか?」

ケンイチロウ「そうだ。道場の人間達は無事だ。俺を救ってくれた彼らの手によって
     救出された。だからもうお前が手を汚す必要はない」

大神「ありがとう。たとえ夢でも、そう言ってもらえれば我は救われる」

ケンイチロウ「信じていないようだな。……当然か。ならば拳で語るのみよ」


構えるケンイチロウ。


ケンイチロウ「構えろ、さくら。俺がお前の目を覚まさせてやる」

大神(最期にケンイチロウに会えた上、手合わせもするか。我が考えていることといえ、
    都合の良すぎる夢だな。……だが、今は夢でもいい。醒めてくれるな)

大神「受けて立つ」

263 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/03(土) 22:15:31.43 ID:Ol4mcOtQ0


             ・

             ・

             ・


大神「ぐっ! ハアハア……」

ケンイチロウ「お前の力はそんなものか!」

大神(なんという拳のキレ……最後に会った時と同じ。いやそれ以上だ)

大神「我も少しは強くなったつもりだったが……いや、見苦しい言い訳だな。完敗だ。お主の勝ちよ」

ケンイチロウ「弱いな」

大神「……そうか」

ケンイチロウ「お前の力はそんなものではないはずだ。いや、最後に会った時より
     確実に強くなっている。なのに何故こんなにも早く勝負がついたかわかるか?」

大神「お主が強くなったのだろう」

ケンイチロウ「違う。確かに俺も強くなったが、俺達が強くなる速さなどそう大して変わらん」

大神「…………」

ケンイチロウ「お前の目が濁ってしまったからだ。そんな目をしていては、俺の拳は見切れまい」

大神「……頼む、ケンイチロウよ。これ以上我を惑わせないでくれ」

ケンイチロウ「俺はお前の父上からも伝言を言付かっている。武人の誇りを忘れるなと」

大神「……!」

ケンイチロウ「さくら。モノクマとやらが、約束を守るという保障はどこにある。
     俺達の力は仲間を、それも非力な者を襲うためのものか?」

大神「我は……」

264 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/03(土) 22:31:23.41 ID:Ol4mcOtQ0

ケンイチロウ「……そろそろ時間だな。俺はもう戻らなくてはならない」

大神「待ってくれ、ケンイチロウ!」

ケンイチロウ「仲間を……特にドラえもんとのび太の言うことを信じろ。彼等が何とかしてくれる」

大神「……何故お主がその二人のことを……?! それに信じろとは一体……」

ケンイチロウ「俺もお前を信じているぞ……」

大神「ケンイチロウ! 待って、待ってくれ! 我は、そなたとまだ……!」

大神「ケンイチロウ!」


バッ!


大神「ここは……」

大神(……そうか。やはり夢だったか。リアルな夢であった)

大神(誠であればどんなに良かったか……)ギュッ


               ◇     ◇     ◇


のび太「おかえりなさい」

ドラえもん「大神さん、思い止まってくれるかな?」

ケンイチロウ「言いたいことは全て伝えた。あとはあやつ次第よ。……だが俺はさくらを信じている」

のび太「ケンイチロウさん……」

ケンイチロウ「二人共、世話になったな。何と礼を言ったものか」

265 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/03(土) 22:44:15.65 ID:Ol4mcOtQ0

ドラえもん「お礼なんていいです。喜んでさえもらえれば」

ケンイチロウ「絶望が蔓延る世の中になったが、主らはその中に降り立った一筋の希望かもしれないな」


しみじみとケンイチロウは呟く。


ケンイチロウ「子供にあまり夜更かしをさせる訳にもいかん。もう戻らねばならんだろう」

のび太「そうだね。そろそろかえらないと」

ドラえもん「じゃあケンイチロウさん、さようなら」

ケンイチロウ「次に会う時は脱出後だな。友よ、その時また会おう!」

のび太「さよーならー!」


ケンイチロウが去った後。


ドラえもん「さて、ぼく達も早く戻らないと江ノ島盾子に怪しまれる」

のび太「それにしてもさ、ドラえもん」

ドラえもん「なんだい?」

のび太「もしかして……大神さんてケンイチロウさんのことが好きなんじゃないかな?」

ドラえもん「え?! どうして?」

266 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/03(土) 22:59:51.51 ID:Ol4mcOtQ0

のび太「だって、今まであんなカオ見たことなかったし。なんかちょっと赤かったし」

ドラえもん「言われてみれば……そうだよね。大神さんだって、年頃の女の子だもんね」

のび太「好きな人にとめられたんだもん。きっとやめてくれるよ!」

ドラえもん「そうだね。信じよう!」


                  ╂


大神「…………」


朝、珍しく早起きしたのび太とドラえもんが大神の元へ走り寄る。


のび太「おはよう、大神お姉さん!」

ドラえもん「おはようございます!」

大神「ウム、おはよう」

大神(二度目の動機でも結局事件は起こらなかった。恐らく、今日あたり
    いよいよ我に人を殺す命が下るだろう。こやつらと挨拶するのもこれが最後か……)

のび太「……ねえ、いいユメ見れた?」

大神「! 何のことだ?」

のび太「なんだか、うれしそうなかおしてると思って」

大神「嬉しそう……?」

267 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/03(土) 23:20:50.42 ID:Ol4mcOtQ0

ドラえもん「夢に懐かしい人が出てきてたりして〜?」ウフフ

大神「!!」

大神(まさか……知っている? 馬鹿な、そんなことがあるはずが……)


脳裏にケンイチロウの言葉がリフレインする。

『ドラえもんとのび太の言うことを信じろ』


大神(……まさか)

大神「知っているというのか……?」

のび太「なにが?」

ドラえもん「ぼく達はなーんにも知らないよ! 夢の中で起こったことなんてねー!」

のび太「ねえねえ、大神さんて好きな人とかいる?」

大神「想い人か……いるぞ」

のび太「大神お姉さんの好きな人ならきっとすごく大きくてつよい人だね!」ニヤニヤ

ドラえもん「ケンイチロウさんとお幸せに。……彼の言ったことを信じてあげて」ボソッ

大神「!! お主ら、やはり……!」

大神(方法はわからぬ。だが、あの夢はきっと正夢で人質は解放されたのだ!
    そしてそれはこの二人のおかげだとケンイチロウは伝えたかったのだろう)

大神(我の勝手な思い込みかもしれぬ。だが今はその“希望”を信じていたい……)

大神「ドラえもん、それにのび太よ……ありがとう」

のび太「ぼくたちなーんにも知らなーい」

大神「何となく、礼を言いたくなっただけなのだ」

ドラえもん「おかしな大神さん」フフッ

大神「そうだな……フッ」

268 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/03(土) 23:34:07.05 ID:Ol4mcOtQ0

ここまで。

269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 23:45:10.51 ID:CY/OzV9T0
乙です
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/05(月) 12:48:14.58 ID:uZvsAmANo
にやにやする
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/05(月) 18:41:55.07 ID:XBXoZtlQ0
まだか
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:54:31.79 ID:SZ3Bq26x0
十神はスネ夫ポジかな
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 12:53:01.88 ID:267XQAOv0
泣ける…
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/14(水) 19:02:44.34 ID:0wZxLxqq0
ねぇまだー
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 20:54:56.88 ID:zVCb7xxE0
まあ焦らず待とうや
276 : ◆takaJZRsBc [sage]:2018/03/14(水) 23:42:59.65 ID:nKpKXCJZ0

お待たせしてすみません…ちょっと時間がなくて、更新は金曜日になりそうです。

もし良かったら拙作ですが、こちらの作品など読んで待って頂けたら幸いです。
上は気楽に読める中編ギャグ、下はギャグありシリアスあり裁判ありの長編です。


はっぱ隊「ヤッタ! コロシアイ学園生活に巻き込まれたぞ!」【ダンガンロンパ】
http://ssmatomesokuho.com/thread/read?id=277695

苗木「…え? この人が校医?!」霧切「ドクターKよ」
http://ssmatomesokuho.com/thread/read?id=100418
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/17(土) 18:32:34.66 ID:snlUcoKO0
期待
278 : ◆takaJZRsBc [sage]:2018/03/17(土) 22:16:57.38 ID:cQpvcNA00


  第十ニ話 腐川さんをすくえ!(前編)


のび太「そんなことよりはやく食堂に行こうよー! ぼくおなかすいちゃった」

大神「フフ、今日我はとても寝覚めが良い。お主らの好きな物を何でも作ってやろう」

[たぬき]「え、本当?! じゃあぼくドラ焼き!」

のび太「ぼくもー!」


パタパタパタ……


朝日奈「あ、こんなところにいた!」

のび太「お姉さん、おはよう」

[たぬき]「朝日奈さん、おはようございます」

朝日奈「二人ともおはよう! ……って、今はそれどころじゃないんだった。
     早く食堂に来て! すごく変なことになってるよ!」

のび太「へんなこと?」

[たぬき]「あー、もしかして……」


  ― 食堂 ―


『ウワーッハッハッハッハー!』


大和田「最高だぜ、兄弟!」

石丸「全くだ、兄弟!」

不二咲「いい感じだよ、二人とも!」

『ワッハッハッハッハッハッ!』


[たぬき]「やっぱりね……」

279 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/17(土) 22:29:14.43 ID:cQpvcNA00

あ、いかん。sageのままだった……

上げ直す
280 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/17(土) 22:29:52.94 ID:cQpvcNA00


  第十ニ話 腐川さんをすくえ!(前編)


のび太「そんなことよりはやく食堂に行こうよー! ぼくおなかすいちゃった」

大神「フフ、今日我はとても寝覚めが良い。お主らの好きな物を何でも作ってやろう」

ドラえもん「え、本当?! じゃあぼくドラ焼き!」

のび太「ぼくもー!」


パタパタパタ……


朝日奈「あ、こんなところにいた!」

のび太「お姉さん、おはよう」

ドラえもん「朝日奈さん、おはようございます」

朝日奈「二人ともおはよう! ……って、今はそれどころじゃないんだった。
     早く食堂に来て! すごく変なことになってるよ!」

のび太「へんなこと?」

ドラえもん「あー、もしかして……」


  ― 食堂 ―


『ウワーッハッハッハッハー!』


大和田「最高だぜ、兄弟!」

石丸「全くだ、兄弟!」

不二咲「いい感じだよ、二人とも!」

『ワッハッハッハッハッハッ!』

ドラえもん「やっぱりね……」

281 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/17(土) 22:31:26.54 ID:cQpvcNA00

朝日奈「さっきからずっとこんな感じなの! ドラえもんとのび太は
     あの二人と相部屋でしょ? なにか知らない??」

のび太「思いあたることがありすぎてこまる」

石丸「おお! そこにいるのは心の友ドラえもん君ではないか!」

大和田「ほら! お前もこっち来いよ!」

ドラえもん「もう、人気者は仕方ないなぁ」

のび太「え?! ちょっと、ドラえもん?!」

不二咲「僕もいれてもらったんだよ! だからこれからよろしくね、ドラえもん!」

ドラえもん「はいはい、よろしく」

苗木「うわ! な、なに? なんで仲良く四人で肩組んでるの?!」

大神「……我にもわからぬ。食堂に来たら既にこうだったのだ」

舞園「何かのイベントでしょうか?」

葉隠「いや、俺が思うに儀式じゃねえかな?」

のび太「えーとですね、これにはいろいろふかいワケが……」

桑田「目ェ合わせるんじゃねえ! きっとなんか変な病気なんだ」

セレス「うつさないでもらいたいですわね」

石丸「失敬な! 僕達はただ血よりも濃い熱い男同士の友情に目覚めただけだ!」

大和田「サウナで熱く語り合ってな」

山田「男だらけで長時間サウナにこもり……アッー!」

腐川「不潔だわ……何やってるのよあんた達……」

苗木(お風呂に入ってない腐川さんがフケツって言っていいのかな……)

282 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/17(土) 22:42:10.33 ID:cQpvcNA00

朝日奈「男同士って言っても不二咲ちゃんいるじゃん」

不二咲「あ、実は僕女装してただけで本当は男の子なんだぁー! 今まで騙しててごめんねぇ」


『?!』


「ファッ?!」

「えええええええええ?!」

「ヌフォッ?!」

山田「リアル男の娘ですとぉぉぉっ?!」

桑田「う、うそだろ……うそって言ってくれ……」

朝日奈「じょ、冗談だよね、不二咲ちゃん……?」

葉隠「そんな……不二咲っちにブロマイドを取らせてもらってファンに売る俺の計画が……!」

不二咲「ご、ごめん。本当なんだ。やっぱり気持ち悪いよね……」うるうる

腐川「気持ち悪いというかなんというか色々予想外すぎて反応に困るわよ!」

石丸「君達! 不二咲君が決死の告白をしたというのにその反応は何だ!! 女装を
    していたというのがそんなに悪いのか! ならばそんな記憶僕が忘れさせてくれよう!」


バッ!


石丸「忘れろ忘れろ忘れろビーム!!」

「ブフッ?!!」

苗木「え、な、何?! 石丸君?!」

朝日奈「いったいなにが起こったの……?!」

葉隠「う、宇宙人の仕業だべ! 全員仲良くキャトられたんだべ!」

283 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/17(土) 23:00:11.45 ID:cQpvcNA00

大和田「ちげーよ、バカ!」


真面目な石丸の唐突なギャグは生徒達には少々インパクトが強すぎたようだ。


ドラえもん「ああっ! ぼく忘れろビームを見損ねちゃった! 密かに楽しみにしてたのに。
       もう一回ぼくに向かってビーム打ってよ、石丸くん!」

石丸「ム、親友のドラえもん君の頼みとあらば応えない訳にはいかないな!
    よし、では不二咲君も一緒にやろう!」

不二咲「えっ?! ぼ、ぼくも? ……えーと、こうかな?」

石丸「違う違う! 最初はこうだ! よし、それでは、せーの!」

石丸・不二咲「忘れろ忘れろ忘れろビーム!」

不二咲「過去のぼくのことなんて忘れろビーム! ビーム!!」

一同(かわいい……)

石丸「ハッハッハッ! 不二咲君は筋がいいな!」

桑田「ふ、不二咲ちゃんがそこまで言うならなぁ……」

山田「わ、忘れました! 僕は全部忘れましたぞ!」

大和田「さ、さすがだぜ不二咲!」

セレス「……もう呆れて口が塞がりませんわ。豚、紅茶のお代わり」

山田「ハイヨロコンデー!」


ハハハハハハ…

ピンポンパンポーン


モノクマ『オマエラ今すぐ体育館に来い!』

のび太「あ、よびだしだ」

284 : ◆takaJZRsBc [sage]:2018/03/17(土) 23:11:18.75 ID:cQpvcNA00


  ― 体育館 ―


モノクマ「オマエラなに自分で秘密バラしてんだよ! さっさとコロシアイしろよ!」

苗木「誰がコロシアイなんてするもんか!」

「そーだそーだ!」

モノクマ「ムカーッ! いいよいいよ、じゃあお望み通り暴露してやろうじゃない」


そして暴露タイムが始まる。大半は大したことのない秘密だが、


モノクマ「はい。大トリは腐川さんだよ」

腐川「や、やめてやめてやめて! お願いよ!」

モノクマ「嫌でーす! 腐川さんの秘密。それはなんと……腐川さんの正体がジェノサイダー翔なことです!」

「は?」

「え?」

腐川「いやあああああああ!」

苗木「え、う、嘘でしょ?」

朝日奈「嘘だよ! だって腐川ちゃんは血液恐怖症じゃん! 人殺しなんて出来ないよ!」

十神「モノクマの言葉は本当だ。腐川は多重人格者なんだよ」

石丸「多重人格だと?!」

腐川「ああ、もう、終わり……終わりよ……」バタン!

桑田「おい! しっかりし……」


シュバッ!


ジェノ「呼ばれて飛び出てジェノサイダー! どーも、ジェノサイダー翔でーす!」

285 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/17(土) 23:13:13.80 ID:cQpvcNA00

大神「な、なんだ?! 急に人が変わったようになったぞ!」

葉隠「ど、どうしたんだべ腐川っち? 舌がいつもより長いべ……」

ジェノ「アタシをあの根暗と一緒にすんじゃねえよ! アタシにはジェノサイダー翔っていう
     超イカした名前があるんだから!」

山田「ひ、ひぃぃぃ! 本物のジェノサイダー翔?!」

大和田「ガキ共は下がれ!」

ジェノ「……で、今どんな感じ? なにやってんの?」

のび太「ぼくたちね、あそこにいるモノクマっていうわるいやつにとじこめられて
     コロシアイをしろって言われてるんだ。もちろん、やらないけどね」

ジェノ「フーン、そうなんだ。で、坊やと……なんだその青いの? ダルマ?」

ドラえもん「猫型ロボット! えー改めまして、こんにちは。ぼくドラえもんです!」

のび太「ぼくは野比のび太!」

ジェノ「クールでナイスな殺人鬼翔ちゃんでーす! よろぴこ♪」

桑田「お、お前らなにフツーに話してんだよ! 相手は殺人鬼だぞ!」

石丸「子供の適応力というのは本当に目を見張るものがあるな……」

山田「もはやそういう次元を超えているような……」

ドラえもん「ねえ、翔さん」

ジェノ「はいはーい。なんすか? 質問?」

ドラえもん「ところで翔さんはここで誰かを殺す気はある?」

ジェノ「どーだろー? アタシは別にむやみやたらと襲ってる訳じゃなくてこだわりがあるからね」

のび太「なんだっけ? えーっと、たしか男の人しかコロさない?」

ドラえもん「のび太くん!」

十神「! 貴様どこでそれを……」

286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/17(土) 23:13:39.75 ID:CAIg3o3q0
人格変わっただけで何で舌が伸びるんだろうな
287 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/17(土) 23:22:51.38 ID:cQpvcNA00

ジェノ「ピンポンピンポーン! 大正解! よく調べてんじゃん。でもそれだけじゃ
     全然ダメよん。アタシは男は男でも萌える男しか殺さない殺人鬼だから」

不二咲「燃える男?」

大和田「炎みたいに熱苦しい男ってことか? じゃあ兄弟ヤベーじゃねえか!」

石丸「なんと?! 僕か?!」

ジェノ「ちげーよ!! 汗くさサウナ兄弟は黙ってろ!」

苗木「そう言われても、普通は燃えるって言われたら熱いって意味じゃないの?」

ジェノ「あー、まこちんは割りと萌えるかも」

苗木「えっ?! どういうこと?!」

舞園「ダメです! 苗木君は殺させません!」

山田「あのー、ジェノサイダー翔殿。つかぬ事をお伺いしますが、萌えるとはあの萌えるですかな?」

ジェノ「イエース! ひふみんもよーくおわかりのあの萌えでーす! なにせアタシってば
     貴腐人コースまっしぐらな重度の腐女子ですからー! ゲラゲラゲラ!」

山田「な、なんと……文学少女の裏には真逆な性格の腐女子が潜んでいたとは、エロゲみたいな展開ですな」

葉隠「そこはまあ、ゲームみたいなくらいにしとこうや……」

セレス「意味はわからないですが、ろくでもないということはわかりましたわね」

石丸「ええい! つまりどういうことなのだ! 説明したまえ!!」


山田による萌えの講義。


江ノ島「えーっと、よくわかんないんだけど……」

舞園「私は同業者にオタク系アイドルがいるのでわかりました。萌え萌えキュンてことですよね!」

山田「アイドルによる萌えキュンとかご褒美キタコレ!」

大和田「わからねぇ……」

288 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/17(土) 23:32:42.83 ID:cQpvcNA00

桑田「女の子ならわかるけど、男に萌えるって感覚はちょっとわかんねぇよなぁ」

ジェノ「わかんないならわかんないで結構。どーせあんたらむさいヤツらは対象外だからさ」

のび太「でも、写真にうつってた人たちそんなにかっこよくなかったような……」

ドラえもん「のび太くん、シッ!」

霧切「…………」

セレス「わたくしは彼女の気持ちがよくわかりますわ。イケメンをはべらせたいのは女性の夢ですからね」

朝日奈「私はそういうのはちょっと……好きな人と二人っきりの方が……」ゴニョゴニョ…

大神「朝日奈。我もわかるぞ、その気持ち……」フッ

モノクマ「え、なにこの空気」

モノクマ「みんな! ジェノサイダー翔は殺人鬼なんだよ? 確かにそこのむさいヤツらは
      対象外かもしれないけどさ、十神君や苗木君は殺されちゃうかもしれないんだよ?」

石丸「そ、そうだ! ジェノサイダーを放置しておく訳にはいかない! このままでは風紀が乱れてしまう」

葉隠「そうだべ! なんとかしねーと!」

葉隠(あーでも、苗木っちはどうせ内臓もらう予定だったしなぁ。殺された方が
    好都合かいな? でも流石に殺人はちょっとマズイような気もするし、ウーム)

ジェノ「あらん? アタシに攻撃しようってならこっちだって容赦しないわよ!」


ハサミジャキーン!


霧切「みんな、下がって! 大神さん、大和田君、お願い!」

大神「皆を傷つける気なら我も容赦はせぬ!」

大和田「女に暴力は振るわねえ主義だが、相手が殺る気ならこっちもこたえるぜ!」

桑田「女の子ならわかるけど、男に萌えるって感覚はちょっとわかんねぇよなぁ」

ジェノ「わかんないならわかんないで結構。どーせあんたらむさいヤツらは対象外だからさ」

のび太「でも、写真にうつってた人たちそんなにかっこよくなかったような……」

ドラえもん「のび太くん、シッ!」

霧切「…………」

セレス「わたくしは彼女の気持ちがよくわかりますわ。イケメンをはべらせたいのは女性の夢ですからね」

朝日奈「私はそういうのはちょっと……好きな人と二人っきりの方が……」ゴニョゴニョ…

大神「朝日奈。我もわかるぞ、その気持ち……」フッ

モノクマ「え、なにこの空気」

モノクマ「みんな! ジェノサイダー翔は殺人鬼なんだよ? 確かにそこのむさいヤツらは
      対象外かもしれないけどさ、十神君や苗木君は殺されちゃうかもしれないんだよ?」

石丸「そ、そうだ! ジェノサイダーを放置しておく訳にはいかない! このままでは風紀が乱れてしまう」

葉隠「そうだべ! なんとかしねーと!」

葉隠(あーでも、苗木っちはどうせ内臓もらう予定だったしなぁ。殺された方が
    好都合かいな? でも流石に殺人はちょっとマズイような気もするし、ウーム)

ジェノ「あらん? アタシに攻撃しようってならこっちだって容赦しないわよ!」


ハサミジャキーン!


霧切「みんな、下がって! 大神さん、大和田君、お願い!」

大神「皆を傷つける気なら我も容赦はせぬ!」

大和田「女に暴力は振るわねえ主義だが、相手が殺る気ならこっちもこたえるぜ!」

のび太「わあ! タイヘンなことになっちゃった。ドラえもーん!」

289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/17(土) 23:34:33.66 ID:CAIg3o3q0
あれ?会話がループしてる?
290 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/17(土) 23:42:21.74 ID:cQpvcNA00

ドラえもん「えっと、みなさん! 話し合いで解決しましょう!」

十神「話し合い? 殺人鬼とか? 馬鹿らしい」

ドラえもん「まあまあそう言わずに」

のび太「舞園さんの時みたいにみはりをつけたら?」

大神「名案ではあるが、こやつなかなか腕が立ちそうだ。暴れられれば厄介だぞ」

ジェノ「アタシだって監視されたり閉じ込められるのイヤだし」


ザワザワ……


ドラえもん(どうしよう……大神さんのことでいっぱいでジェノサイダーの対策を考えていなかった)

のび太(どうすればいいんだろう……)

ジェノ「閉じ込められちまったら白夜様の観察も出来なくなっちまうしなー」

苗木「あれ? ジェノサイダーは十神君が好きなの?」

ドラえもん「(! これだ!)そういえば十神くんはジェノサイダーさんの正体を知ってたよね?」

十神「それがなんだと言うんだ?」

ドラえもん「じゃあ、十神くんがジェノサイダーを見張ればいいんじゃないかな?」

十神「な?! 何だと、青狸! ふざけたことを言うな!」

ドラえもん「ぼくは狸じゃない! 猫型ロボット!」

不二咲「でも、もし十神君が殺されちゃったら……」

のび太「コロそうと思ってたらとっくの昔にできてたよね。でもいままで誰もコロしてないなら
     いまのところ、翔さんはだれかをコロす気はないってことなんじゃない?」

ジェノ「まあそうねん。まだ殺意が沸くほど萌えてないしアタシは基本的に面白いことが好きだからサ」

291 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/17(土) 23:45:29.36 ID:cQpvcNA00
>>289
コピペミスしてますね……やっぱり調子が悪いのかな


読みづらいので、もう一度貼り直します。
>>288>>290はなしで。
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/17(土) 23:46:32.69 ID:CAIg3o3q0
とりあえず凶器は没収しておいたほうが良いよな
293 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/17(土) 23:47:50.08 ID:cQpvcNA00

桑田「女の子ならわかるけど、男に萌えるって感覚はちょっとわかんねぇよなぁ」

ジェノ「わかんないならわかんないで結構。どーせあんたらむさいヤツらは対象外だからさ」

のび太「でも、写真にうつってた人たちそんなにかっこよくなかったような……」

ドラえもん「のび太くん、シッ!」

霧切「…………」

セレス「わたくしは彼女の気持ちがよくわかりますわ。イケメンをはべらせたいのは女性の夢ですからね」

朝日奈「私はそういうのはちょっと……好きな人と二人っきりの方が……」ゴニョゴニョ…

大神「朝日奈。我もわかるぞ、その気持ち……」フッ

モノクマ「え、なにこの空気」

モノクマ「みんな! ジェノサイダー翔は殺人鬼なんだよ? 確かにそこのむさいヤツらは
      対象外かもしれないけどさ、十神君や苗木君は殺されちゃうかもしれないんだよ?」

石丸「そ、そうだ! ジェノサイダーを放置しておく訳にはいかない! このままでは風紀が乱れてしまう」

葉隠「そうだべ! なんとかしねーと!」

葉隠(あーでも、苗木っちはどうせ内臓もらう予定だったしなぁ。殺された方が
    好都合かいな? でも流石に殺人はちょっとマズイような気もするし、ウーム)

ジェノ「あらん? アタシに攻撃しようってならこっちだって容赦しないわよ!」


ハサミジャキーン!


霧切「みんな、下がって! 大神さん、大和田君、お願い!」

大神「皆を傷つける気なら我も容赦はせぬ!」

大和田「女に暴力は振るわねえ主義だが、相手が殺る気ならこっちもこたえるぜ!」

のび太「わあ! タイヘンなことになっちゃった。ドラえもーん!」

294 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/17(土) 23:49:01.78 ID:cQpvcNA00

ドラえもん「えっと、みなさん! 話し合いで解決しましょう!」

十神「話し合い? 殺人鬼とか? 馬鹿らしい」

ドラえもん「まあまあそう言わずに」

のび太「舞園さんの時みたいにみはりをつけたら?」

大神「名案ではあるが、こやつなかなか腕が立ちそうだ。暴れられれば厄介だぞ」

ジェノ「アタシだって監視されたり閉じ込められるのイヤだし」


ザワザワ……


ドラえもん(どうしよう……大神さんのことでいっぱいでジェノサイダーの対策を考えていなかった)

のび太(どうすればいいんだろう……)

ジェノ「閉じ込められちまったら白夜様の観察も出来なくなっちまうしなー」

苗木「あれ? ジェノサイダーは十神君が好きなの?」

ドラえもん「(! これだ!)そういえば十神くんはジェノサイダーさんの正体を知ってたよね?」

十神「それがなんだと言うんだ?」

ドラえもん「じゃあ、十神くんがジェノサイダーを見張ればいいんじゃないかな?」

十神「な?! 何だと、青狸! ふざけたことを言うな!」

ドラえもん「ぼくは狸じゃない! 猫型ロボット!」

不二咲「でも、もし十神君が殺されちゃったら……」

のび太「コロそうと思ってたらとっくの昔にできてたよね。でもいままで誰もコロしてないなら
     いまのところ、翔さんはだれかをコロす気はないってことなんじゃない?」

ジェノ「まあそうねん。まだ殺意が沸くほど萌えてないしアタシは基本的に面白いことが好きだからサ」

295 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/18(日) 00:00:29.81 ID:Pe+kUqiB0

苗木「それに、十神君は腐川さんがジェノサイダー翔だって知ってたし、
    その殺す対象が萌える男だって知っていて側に置いていたんだよね?」

セレス「十神君はジェノサイダーのことをちっとも怖れていないようですが」

山田「僕達一般人は怖くて仕方がないので、ここは勇敢な十神白夜殿が是非!」

十神「な……ふ、ふざけるな?! 冗談ではない! 何故この俺が……!」

大和田「なんだ。いつも偉そうなこと言っといてやっぱりビビってんのかよ」

桑田「やーい、ビビり御曹司ー!」

朝日奈「怖がりー! 態度だけ大きい噛ませ―!」

ドラえもん・のび太「やーいやーい! かませメガネー!」

十神「(ブチッ)フン! いいだろう。貴様ら愚民が出来ないことをやってやるのも
    支配者の務めだ。十神の名にかけて、俺がこいつを監視してやる!」

(あ、チョロ)(こいつマジでチョロいな)(テラチョロすwww)


こうして、ドラえもん達の機転によってジェノサイダー監禁はなんとか免れた。
ついでに、出来るだけ大人数で固まっている方がいいとして舞園の監禁も解かれた。


十神「一つ言っておいてやる。不気味なことに、腐川は気絶以外にクシャミで人格が代わる」

山田「なかなか際どい設定ですな……」

十神「とにかく、殺されたくないなら胡椒を肌身離さず持ち歩くことだな。フン」


スタスタスタ。


ジェノ「なんだかんだツンデレな白夜様サイコー! アハハハハ!」


ダダダダダ!

296 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/18(日) 00:07:41.05 ID:Pe+kUqiB0


「…………」


桑田「なんだったんだよ、まったく……」

大神「よくわからない人物であったな」

江ノ島「あんま関わりたくないね」

霧切「ただ、そこまで警戒することはないと思うわ。この閉鎖空間で人が死ねば、
    真っ先に殺人鬼である自分が疑われることくらいはわかるでしょうし」

石丸「とりあえず、十神君の情報は非常に有用だったな。みんな、胡椒を持つぞ!
    特に苗木君と不二咲君は何があっても絶対手放してはいけない!」

不二咲「う、うん」

苗木「わかった」


  ― 三日後 ―


ドラえもん(で、月日が経つのは早いものであれから三日が過ぎたんだけどね……)

ドラえもん(どうなったかと言うと、まあ腐川さんは仲間はずれになっちゃったんだ。
       そりゃあそうなるよね。だって裏の人格は猟奇殺人犯なんだもん)

ドラえもん(事件が起こらないのはいいけど、今の空気が続くとみんなまいっちゃうよ……
       そもそもこれが原因で事件が起こるかもしれないし)

腐川「…………」

「…………」ヒソヒソ

「…………」ヒソヒソ

のび太「ドラえもん、ちょっと……」

ドラえもん「うん」

297 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/18(日) 00:14:04.64 ID:Pe+kUqiB0


  ― 男子トイレ ― 


のび太「なんとかしよう!」

ドラえもん「そうだね。今のままじゃ腐川さんが可哀相だ。前は食堂とか人の多い所には
       そんなに顔を出さなかったのに最近やけにやって来るのはきっと寂しいんだと思う」

のび太「かわいそう……でもどうすればいいかな? 二重人格をなおす道具ってある?」

ドラえもん「そんな都合のいい道具はないよ……それにジェノサイダーを消したって
       ジェノサイダーが過去にやったことは消えないんだから結局変わらない」

のび太「うーん、むずかしいなぁ。今までは事件をふせぐことが目的だったけど、今回はちがうし」

ドラえもん「みんなと仲良くなるような出来事があればいいんだけど……」

のび太「だれとでも仲がいいといえば、苗木お兄さんにそうだんしてみようか」

ドラえもん「そうだね。きっと同じこと考えてるんじゃないかな」


             ・

             ・

             ・


苗木「良かった。ちょうど僕も同じことを考えてたんだ」

のび太「やったね。じゃあ三人でなんとかしようよ!」

ドラえもん「三人寄れば文殊の知恵って言うし、何か方法があるはずだ」

苗木「それで、僕思ったんだけどさ……」

ドラえもん「お、さっそくなにか考えが」

298 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/18(日) 00:19:42.79 ID:Pe+kUqiB0

苗木「うん。腐川さんのことが気になってるのって僕達だけなのかなって」

ドラえもん「そうか! いきなり全員はムリでも何人か交流を持てばそれがキッカケになるってことだね」

のび太「お兄さんあたまいい!」

苗木「ハハ、そんなたいしたものじゃないよ。それじゃあ、手分けして聞き込みしてみる?」

ドラえもん「じゃあ早速……」

のび太「相部屋の二人にききにいってみよう」


  ― 石丸の部屋 ―


のび太「というわけなんだけど……」

石丸「またそんなことを……君達は本当に感心な子供達だな! 日本の未来は安泰だ!」ブワッ!

のび太「いやそこまでじゃないけど……」

ドラえもん「石丸くん、落ち着いて」

石丸「それで、腐川君のことなのだが……僕も正直今のままでは良くないとは思っている」

のび太「じゃあ……」

石丸「しかし……駄目なのだ。腐川君がジェノサイダーという人格とは別人だというのは
    頭ではわかっているのだが、どうしても折り合いがつかないというか……正直怖い」

石丸「ジェノサイダーの存在もやったことも主義思想もけしからんことばかりで
    風紀委員として放置する訳にはいかんと考えてはいるのだが、僕の力では……」

のび太「そっかぁ」

石丸「……君達は勇敢だ。殺人鬼相手に平然と話をすることが出来るのだから。
    時に人はそれを無知や蛮勇と罵るかもしれないが、僕は心から敬意を払う」

ドラえもん・のび太「…………」

299 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/18(日) 00:30:23.21 ID:Pe+kUqiB0


  ― 大和田の部屋 ―


大和田「ああん? 腐川についてどう思うかって?」

のび太「うん。どう思う?」

大和田「別に。なんとも」

ドラえもん「最近一人で過ごすことが多くて可哀相じゃない?」

大和田「あいつは元から単独行動が多かったろ。それになにより、あいつは殺人鬼なんだぜ?
     ゾクの俺ですらさすがに殺しはやらなかったっていうのによ……」

のび太「でも、腐川さんとはちがう人格なんだよ?」

大和田「俺にはその人格が違うってえのがよくわからねえんだ。結局は同じ人間だろうが」

ドラえもん「うーん、そういわれると厳しいなぁ。ぼく達も専門的な知識がある訳じゃないし」

大和田「……ただな」

のび太「なに?」

大和田「心の友であるお前らが、真剣になんとかしたいっていうなら俺は黙って協力するぜ」

ドラえもん「大和田くん……」

大和田「男としちゃ女が暗え顔してんのにほっとくワケにもいかねーしよ」ポリポリ

ドラえもん(ぼく達が特訓したり、大亜さんに叱られたのがちゃんと成果に出てるんだなぁ)ジーン


少し照れながら頭をかく大和田を見てドラえもんは密かに感動していた。


  ― 舞園の部屋 ―


舞園「腐川さんですか。……実は私も心配になってたんです」

苗木「本当?!」

300 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/18(日) 00:38:34.92 ID:Pe+kUqiB0

舞園「はい。私が白い目で見られるのは自業自得なので仕方がありませんが、腐川さんは
    自分の知らない間に起こったことで責められるんですよね? きっと辛いと思います」

苗木「うん。……良かった。これでとりあえず四人味方が出来たよ」

舞園「四人? もしかして、あとの二人はドラえもんさんとのび太くんですか?」

苗木「そうだよ。元々二人から相談されたのがキッカケなんだ」

舞園「そうですか。……あの子達って、なんだか不思議な二人ですね」

苗木「ハハッ、本当にね」

舞園「私に何が出来るかわかりませんが、もし何かあったら気軽に声をかけてください」

苗木「ありがとう!」


  ― 体育館 ―


桑田「あー? 腐川? ないな」

のび太「お兄さん、そこをなんとか……」

桑田「いや、ムリっしょムリムリ……だって殺人鬼だぜ? 突然豹変して襲われるかもしんねーし」

ドラえもん「でもほら、ジェノサイダーになってもコショウがあれば……」

桑田「……そういう問題じゃねーだろ。過去に何人も殺してんだぞ?」

ドラえもん・のび太「……うーん」

不二咲「ぼ、僕は腐川さんとも仲良くしたいなぁ……」

のび太「お姉……いや、お兄さん、やさしいなぁ」

桑田「マジかよ! お前一番危ないって言われてんのに!」

301 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/18(日) 00:44:59.46 ID:Pe+kUqiB0

不二咲「わかってるんだけどさ、やっぱり可哀相……折角お友達になったんだから仲良くしたいよ」

不二咲「みんなが仲良しなら、きっと楽しいと思うんだ!」ニコッ

ドラえもん(天使……)ジーン

のび太(天使だなぁ……)ジーン

桑田(ヤベー、男に萌えるって気持ちがちょっとわかったかも。つーか、マジこいつ殺される……)

のび太「ところで、なんでいっしょにいるの?」

不二咲「僕ねぇ、野球ってやったことがなかったから桑田君に頼んで教えてもらってたんだぁ」

桑田「おう。のび太に比べりゃ不二咲の方が全然筋がいいぜ」

ドラえもん「そりゃあのび太くんより下手な人なんて存在しないよ」

のび太「そんな、ヒドイ!」


アハハハハハ!


  ― 朝日奈の部屋 ―


朝日奈「腐川ちゃんかぁ……気になってはいるんだけどね……」

大神「難しい所だな。腐川本人に罪はないが、ジェノサイダーのやったことはけして
    許されることではない。そしてジェノサイダーは腐川でもある」

苗木「そうだよね……」

朝日奈「仲良くしたいんだけど、どうしても怖くて……」

大神「出来る限り力にはなるつもりだが、どこまで期待に添えるかはわからぬ」

苗木「あ、いいんだ。その気持ちが大事だから。ありがとう」

302 : ◆takaJZRsBc [sage saga]:2018/03/18(日) 00:49:45.70 ID:Pe+kUqiB0


  ― 食堂 ―


 ・テーブル1


葉隠「ムリだべ」

のび太「えーっと」

葉隠「ありえないべ」

ドラえもん「もうちょっとこう、やる気をですね」

葉隠「あ、俺ちょっと用事思い出したんでわりいなー」スタコラ

「…………」

のび太「……お姉さんは?」

江ノ島「ギクッ。アタシ? いや、マジムリだから」

ドラえもん(いや、あなたに関してはわかってたけどね)

江ノ島「そう言う訳なんで、じゃあバイキュー!」

のび太(古いよ、それ)


 ・テーブル2


山田「な、苗木誠殿、正気ですか?! 相手は殺人鬼……それも連続猟奇殺人犯ですぞ?!」

苗木「でもほら、それは別人格の時の話だしさ! 普段はまあ……」

山田「普段もそれはそれで問題ありですが」

303 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/18(日) 00:55:56.56 ID:Pe+kUqiB0

苗木「……ま、まあそうだけど」

セレス「お人よしの苗木君には申し訳ありませんがあの方と仲良く、というのは不可能ですわ」

苗木「不可能とまで言わなくても……」

セレス「元より地味で暗い方でしたが、人格が変わったら変わったでお下品になりまして……
     正直、視界に入るのも不快です。わたくしとは住む世界が違うのですよ」

苗木(うーん、これは厳しいなぁ……)


               ◇     ◇     ◇


のび太「あ、お兄さーん!」

ドラえもん「どうだった?」

苗木「僕は朝日奈さん、大神さん、舞園さん、山田君、セレスさんに聞いてみたよ」

のび太「ぼくたちは同じ部屋のお兄さんたち二人と、あとは……」

ドラえもん「あとは桑田くん、不二咲くん、葉隠くん、江ノ島さんに聞いてみたよ」

苗木「残ってるのは十神君と霧切さんか。十神君なら多分自室かな」

のび太「え、きかなくていいよ。時間のムダだし」

ドラえもん「なんて言うかわかりきってるからね」

のび太「あの人セイカクわるいもん。大人げないし。だいたいお金もちだかなんだか
     知らないけど、高校生にもなって支配者とか帝王とかふつう言わないよね」

ドラえもん「の、のび太くん! ……まあ、ぼくもちょっとないなーとは思うけど言い過ぎだって」

苗木(と、十神君……! 子供達にここまで言われてるよ?! いいの?!)汗


ドラえもんものび太も十神に厳しい。

304 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/18(日) 01:05:24.90 ID:Pe+kUqiB0

苗木「……じゃ、じゃあ霧切さんを探そうか」

ドラえもん「霧切さんなら事情を言えば手伝ってくれると思うよ」

のび太「うん、ぼくもそう思う」

苗木(なにこの信頼の差)


  ― 苗木の部屋 ―


のび太「で、どうすればいいの?」

ドラえもん「まずは反応の差をまとめてみようか」


・好意的
舞園、不二咲

・協力はしてくれそう
石丸、大和田、霧切

・微妙(だけどノリはいいので持って行き方次第)
朝日奈、大神

・無理
その他


苗木「うーん、まあ協力してくれる人をいれれば半分いるだけいいと思おうかな。
    とりあえず霧切さんには僕が事情を説明するから、後で集まって話し合いしよう」

ドラえもん「じゃあ他のみんなに声をかけておくね」


こうして苗木の部屋に半数近くの人間が集まり対策会議を開くことになった。

305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/18(日) 01:13:34.01 ID:LsSYgtUXO
あらかじめ日記は使えないのかな
306 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/18(日) 01:14:49.62 ID:Pe+kUqiB0

ここまで。何度かお目汚しをしてしまい失礼しました。
もう五年くらいSS書いてるんだけど、今日は特別調子悪かったみたいです。

あと、前は自動でsaga入ってたのに今はなんでsageになってるんだろう
前から思ってるけどほんとフィルター邪魔ですよね。困る…
307 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/18(日) 01:18:17.85 ID:Pe+kUqiB0
>>305
確か危険なので燃やしたはず
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/18(日) 01:25:43.09 ID:T4I3gfNg0
未来の道具なのに融通きかないのはあり得ないだろ、キャンセル機能ぐらい付けろよとは思う、バイバインとか、あらかじめ日記とか
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/18(日) 10:38:26.72 ID:L5hno159O
乙乙
この十神の信頼の無さと来たら……豚神は逆に好かれそうだけどな
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/18(日) 13:18:17.60 ID:+JNJHE8MO
>>303のび太「高校生にもなって支配者とか帝王とかふつう言わないよね」

田中「」グサッ
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/18(日) 15:40:34.88 ID:i2KJyjXvo
何気ないのび太の一言が田中の心を傷付けた
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/18(日) 23:05:41.05 ID:T4I3gfNg0
未来の道具って危険なの多いよな、どこでもドアだって深海や宇宙と繋げると危険だし
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/20(火) 20:37:16.11 ID:Vty+KNmK0
時間を巻き戻す逆時計ってあったよね?
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/22(木) 17:51:25.63 ID:jV4sQy+V0
女神の泉に落としてきれいな十神にしようぜ
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/23(金) 04:59:20.82 ID:nBHzA3IO0
つまり豚神だな
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/23(金) 18:03:51.92 ID:cvvhPxcs0
詐欺師だと判明してるのに入学できるのはおかしい
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/25(日) 11:03:18.60 ID:odD1RSyxO
早く供給がほしい
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 13:58:36.49 ID:Oy+hIwOm0
苗木の家族も助けてやれよドラえもん
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/27(火) 18:16:53.50 ID:u/2MQ5L70
苗木の家族は生きてたっけ?
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/27(火) 18:25:50.40 ID:Wcm6RkxFo
この時点ではまだ全員生きてるはず
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/29(木) 08:29:46.90 ID:2gn2OQzb0
まだかな
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/29(木) 21:48:53.90 ID:wNignFJ70
ドクターKの方のSSカルテ7まで読んだんだが(とても面白かった)
どうやったら続きが読めるんだ?
78期生達の行く末が気になるよ…
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/31(土) 08:22:43.85 ID:/k+rRVDL0
324 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/31(土) 22:41:55.05 ID:uwbNG8xM0


  第十三話 腐川さんをすくえ!(後編)


石丸「それではこれより、第一回腐川君を救おう会の開始をここに宣言する!」


ワーパチパチパチ!

呼ばれた側なのにいつの間にか議長となっている石丸の音頭によって話し合いは始まったのだった。


石丸「とは言ったものの、正直僕も腐川君のことはまだ怖いしさっぱり名案がわかない。
    なので、まずはこの会の主催者である苗木君に意見を求めるぞ!」

苗木「えっ、僕?! えっと……僕もみんなの案が聞きたくて呼んだから、特に意見は……」

大和田「おいおい、しっかりしろよ主催者」

不二咲「でも、こういうのはデリケートな問題だからちょっと難しいかも……」

のび太「霧切お姉さんはなにかいいかんがえない?」

霧切「……悪いけど、コミュニケーションに関しては私よりみんなの方が得意だと思うわ」

石丸「何ということだ。これだけの人数が集まって一つも案が出ないとは……」

大和田「あー、どうすんだよ」

舞園「あの……」

苗木「舞園さん? 何か思いついたの?」

舞園「案という程でもないんですが……この場に腐川さんを呼んだらどうでしょう?」

石丸「そんな! 腐川君を救うための会なのに君は本人自らに案を出させると言うのかね?!」

舞園「いえ、そうではなくて……自分に味方がいる、一人じゃないってわかるだけで、
    人は安心出来るものだと思うんです。……私がそうでしたから」

ドラえもん「ああ、なるほど……」

325 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/31(土) 22:50:25.83 ID:uwbNG8xM0

苗木「そっか。僕達がいくらこうして頭を悩ませていても、本人に伝わらなきゃ意味がないもんね」

不二咲「まずはみんなに理解してもらうことより、僕達が味方だよって腐川さんに伝えるんだね!」

大和田「なかなかいい案じゃねえか? 最悪他のヤツらと和解できなくてもなんとかなるだろ」

のび太「じゃあ、ぼくがさっそく呼んでくる!」

ドラえもん「行ってきます!」


               ◇     ◇     ◇



腐川「なななな、なんなのよ一体?! アタシをどこに連れて行こうっての?!」

のび太「そんなこと言わないで!」

ドラえもん「きっといいことがあるから」

腐川「ウソ、ウソよ! どうせアタシを騙すための罠だわ。アタシにその手は聞かないわよ……!」

のび太(うたぐりぶかいなぁ……)

ドラえもん(なんというか、腐川さんの性格はアニメ以上だよね……)

腐川「こ、ここ苗木の部屋じゃない……?! こんな所に連れ込んで何を……?!」


ガチャリ。


「いらっしゃーい!」

腐川「……は?」

326 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/31(土) 23:00:14.25 ID:uwbNG8xM0

苗木「いらっしゃい、腐川さん。飲み物はみんなと一緒のお茶でいい?」

腐川「は?」

舞園「そんな所に立ってないで、こっちに来て座ってください」

腐川「はあ?」

不二咲「みんなでお菓子を食べながらおしゃべりしてたんだぁ。腐川さんも一緒に話そうよぉ」

腐川「……え?」

のび太「どうしたの、お姉さん?」

ドラえもん「なんか固まっちゃってるけど」

腐川「…………」

大和田「おい、なにぼーっとしてんだよ。大丈夫か?」

腐川「……わよ」

霧切「腐川さん? どうかしたのかしら?」

腐川「許さないわよ!」

「えぇっ?!」

腐川「あ、あああ、あんた達……あ、アタシにこんな優しくして、許さないから!」


ガチャッ、ダダダダダ!


のび太「ど、どうしたんだろう? よろこぶと思ったのに!」

石丸「まさか怒らせてしまったのか?!」

327 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/31(土) 23:10:12.58 ID:uwbNG8xM0

大和田「ハア? 優しくされて怒るとか頭おかしいんじゃねえかアイツ?」

苗木「いや、怒ってるというかあれは……」

舞園「照れてるんですね」

ドラえもん「つまり、急に優しくされて恥ずかしかったってこと?」

のび太「へんなの。イミがわからないよ」

舞園「そういう人もいるんですよ。そして、ここで引いては行けません! 全力で押すべきです!」

のび太「じゃあ、もう一度呼びに行こうか?」

霧切「今行ってもきっと開けてくれないわよ。少し時間を開けて冷静になってから
    連れて来た方がいいわ。そうね、夕食の後部屋に戻る前に確保が妥当かしら」

石丸「よし、腐川君捕獲作戦だな!」

苗木「動物じゃないんだから……」

舞園「今度こそ逃がさないでバッチリ料理しちゃいますよ!」

苗木「舞園さんまで……どうしたの、急に張り切って?」

舞園「だってかわいいじゃないですか。照れて逃げちゃうなんて。私、腐川さんのこと誤解してました」

不二咲「うん。もっと、キツイ人なのかと思ってたけど、素直になれないだけなんだねぇ」

大和田「あぁ〜、そういう言い方をされると俺もちっと来るかもなぁ。俺もあんまり素直じゃねえし」

ドラえもん「根は良い子なんだよ」

ドラえもん(――みんなね)

のび太「よーし、じゃあまたばんごはんのあとにあつまろう!」エイエイオー!

328 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/31(土) 23:28:35.23 ID:uwbNG8xM0


そして夕食後。


腐川「な、な、なんなのよあんた達?! さっきといい今といい、アタシの執筆の邪魔をしたいの?!」

のび太「ジャマだなんて、そんな」

ドラえもん「ぼく達はただ腐川さんと仲良くしたいだけだよ」

腐川「そ、そんな訳ないわ。あんた達みんなでアタシをハメるつもりなんでしょ!」

舞園「そんなことないですよ」

腐川「ウソ! ウソよ……だって……」


ここで腐川はとんでもない話をし始める。それは彼女自身の辛い経験だった。


腐川の悲しい過去@


腐川「か、過去にもあったわこんなこと……小学生の時、浮いてるアタシと一人だけ仲良く
    話してくれる男の子がいて、アタシは勇気を振り絞ってラブレターを書いたのよ」

石丸「小学生にしてラブレターなど不純d 舞園「少し黙っていてください」

腐川「でも次の日、そのラブレターは学校の掲示板に張り出されて晒し者にされたわ」

一同「…………うわぁ」


思わず変な声が出る。


石丸「なんと酷い輩だ! 僕がその場にいたら成敗してやったものを!」

苗木「さっきラブレターは不純とか言ってなかった?」

329 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/31(土) 23:39:19.55 ID:uwbNG8xM0

石丸「それとこれとは別問題だ! 人が真心込めて書いた手紙を衆目に晒すなど論外だろう!」

大和田「まったくだぜ! そんな野郎はぶん殴るべきだ!」

腐川「……ア、アタシが悪いのよ……向こうが嫌がってたのに気付かなかったから……」

舞園「そんなことありませんよ……」

不二咲「そうだよ……酷い」ウルウル


  腐川の悲しい過去A


腐川「これだけじゃないわよ……アタシ、中学の時生まれて初めてデートに誘われたの」

石丸「デートだと?! 不純異性交遊は禁止… 舞園「石丸君は黙っていてください」

腐川「一緒に映画を見ていたんだけど、気が付いたらいなくなっていて……
    後から知ったけど、アタシを誘ったのは仲間内での罰ゲームだったの」

「あぁ……」


また変な声が出る。


のび太「ひ、ひどい……」

ドラえもん「なんて人達だ!」

石丸「あああ、許せん! 何故その場に僕はいなかった! そんな輩まとめて取り締まってやったものを!」

苗木「さっき不純異性交遊は禁止とか言ってなかった?」

石丸「それとこれとは別問題だ! 人の心を弄ぶなど言語道断! 更正するまで説教してやりたい!!」

大和田「まったくだぜ! ぶっ飛ばしてやる!」

330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/31(土) 23:41:17.58 ID:/k+rRVDL0
見た目は悪くないけど風呂入らないから不潔なんだもんそりゃ嫌われるよ
331 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/03/31(土) 23:57:54.82 ID:uwbNG8xM0

腐川「ま、まだまだあるわよ」

のび太「えぇ〜?!」

苗木「まだあるの……?」

霧切「腐川さん、なかなかハードな経験をしているのね……」

ドラえもん(これは予想外だ……もしかしてアニメでは語られていなかっただけで、
       ゲームでは語られてるのかな? ゲームの知識もないと不味いかもしれないな)


その後も腐川の不幸話は延々と続いた。


             ・

             ・

             ・


腐川「と、とにかくあんた達があたしに優しくするなんて罠なのよ! わかったでしょ?!」

のび太「ぜんぜんわかんない!」

腐川「ハァ?!」

霧切「腐川さんが今まで酷い人間関係に悩まされていたのはよくわかったわ」

腐川「だったら、あたしのことはもうほっとい……」

霧切「でも見てちょうだい。苗木君、石丸君、大和田君、のび太君。この人達に嘘がつけるかしら」

舞園「そうですよ。正直四人組って言ってもいいくらいすぐ顔に出ますよ!」

苗木「なにその変なユニット名みたいなまとめ方」

332 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/01(日) 00:15:34.96 ID:DWzWVao10

不二咲「今までは酷い人達ばかりだったかもしれないけど、ここのみんなは大丈夫だよ。だって、
     考えてみて。僕みたいな女装したなよなよした男子も受け入れてくれたんだよ?」

腐川「う、それは……」

ドラえもん「腐川さんは人と関わるのに臆病になってしまってるだけだ。
       もう一度、信じてみてよ。ぼく達は裏切ったりしないよ!」

腐川「…………」

苗木「ね、腐川さん?」

腐川「…………」

のび太「信じてよ!」ジッ

腐川(…………)

腐川「……わかったわよ」


子供の純真で真っ直ぐな眼差しに、とうとう腐川も根負けした。


苗木「やった!」

石丸「おお、腐川君! 君を信じていたぞ」

腐川「べ、別にあたしはあんた達を信じた訳じゃないわよ! た、ただあんまり
    しつこいからちょっと付き合うくらいならしてあげるって言ってんの!」

一同(素直じゃないなぁ……)

石丸「よし! では腐川君を迎え、改めて会を始めようではないか」

腐川「……そもそもこれなんの会なのよ」

舞園「腐川さんを救う会です!」

腐川「ハ?」

333 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/01(日) 00:27:19.66 ID:DWzWVao10

苗木「あ、ええとね……」カクカクシカジカ

腐川「全員と仲良くなんてなれる訳ないでしょ。あたしはただでさえ嫌われ者なんだから……」

石丸「そんなことはない! 僕だって今まで友達はいなかったがここに来て親友が出来たぞ!」

不二咲「ぼ、僕も女装する前は男のくせになよなよしてっていじめられてたよ!」

大和田「俺はつええからイジメられたりとかはなかったけどよ、学校で浮くのなんざしょっちゅうだぜ?」

霧切「私もあまりみんなと仲良くしていなかったけど、この会に呼んでもらえたわ」

腐川「な、なによこの流れ……カミングアウト大会? あたしは傷の舐め合いなんてしないわよ!」

ドラえもん「まあまあ」

のび太(ほんとめんどくさいな、この人……)

苗木「舐め合いとかじゃなくて、みんな腐川さんに元気になってもらいたいんだよ」

腐川「なによ……あんた達、あたしが怖くないの? あたしは人殺しなのよ?」

不二咲「正直に言うと怖いよ。腐川さんには悪いけど、僕いつも胡椒を持ち歩いてるんだ」

腐川「は? ……じゃ、じゃあ、なんで?」

石丸「元々、今回の事を言い出したのはのび太君達なのだ。子供が頑張っているのに、
    高校生の僕が怖いからと見て見ぬ振りをする訳にはいかないだろう!」

石丸「そもそも、悩んでいるクラスメイトがいたら助けるのが風紀委員の務めだ!
    もし君のことを見捨てたら、僕はもう超高校級の風紀委員を名乗れなくなる」

大和田「俺も似たようなもんだ。正直、お前の中のアイツを許したワケじゃねえ。
     でも、俺はこいつらのダチだ。だからダチのやることには黙って協力する」

舞園「私ものび太君とドラえもんさんに助けてもらいました。だから今度は私が助けたいんです!」

334 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/01(日) 00:50:29.54 ID:DWzWVao10

苗木「ほら! みんな腐川さんのこと心配してるんだよ。もうちょっと素直になったらどうかな?」

腐川「眩しい……」

ドラえもん「ん?」

腐川「眩し過ぎるわよ、あんた達! あ、あたしみたいな日陰者には、
    あんた達は眩し過ぎる。もう、見てられない!」


ガシッ!


舞園「逃がしませんよ、腐川さん」ニッコリ♪

霧切「私もどちらかと言えばあなた寄りだし眩しいという意見には同感だけど、
    ずっと見ていれば目も慣れるんじゃないかしら?」

舞園「今日は夜まで語り合いましょう!」

腐川(振りきってもしつこくしつこく食い下がってくる……
    もう、なんなのよなんなのよなんなのよ〜?!)

腐川「わ、わかった。わかったわよ! この変な会に付き合えばいいんでしょ! ……ハァ」

苗木「でもどうしようか。元はと言えば人が集まれば何か名案が出るかもって言って集まったんだよね」

腐川「……やっぱり無理よ。あたしみたいな根暗と仲良くしたがる変わり者なんてあんた達くらいよ」

腐川「正直、あんた達だけでもあたしは十分……」


そう言って腐川は俯く。


舞園「実は、私に案があるんです!」

のび太「えっ、なになに??」

335 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/01(日) 01:00:15.38 ID:DWzWVao10

舞園「なんだか、あの秘密暴露のせいですっかり私達の空気が悪くなってしまったじゃないですか。
    まずはその空気を何とかしないと腐川さんを受け入れる余裕も生まれないと思うんです」

ドラえもん「なるほど。それは確かにね」

舞園「そこで、まずは親睦会を開いて皆さんがリラックスしたあたりに、
    腐川さんの良い面を全面的にアピールしていくというのはどうでしょうか?」

のび太「いいね! 楽しそう!」

不二咲「パーティーだねぇ!」

霧切「それならみんなも協力するでしょうし、いい案じゃないかしら?」

腐川「で、でもあたしにはアピールする良い面なんてないわよ!」

ドラえもん「そんなことないよ! どんな人にだって必ずいいところはあるんだから」

腐川「じゃあ具体的に言ってみなさいよ……!」

ドラえもん「えーと、急に言われても……」

のび太「う〜んう〜ん……」

腐川「出ないんじゃない!」

苗木「ま、待って待って! 今考えるから……」

霧切「腐川さんは超高校級の文学少女。作家としての感性、執筆能力は誰にも負けないはず」

大和田「勉強はできるんじゃねえか? とりあえず国語は得意だろ?」

不二咲「色んな小説の知識を持ってそうだよね」

石丸「それは素晴らしい長所ではないか! 勉強が得意なのは良いことだぞ」

舞園「そうです。腐川さんと言えばやはり小説――」


舞園「だからみんなで劇をしましょう!」

336 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/01(日) 01:12:35.08 ID:DWzWVao10

『劇?』


舞園「はい! 親睦会の出し物として劇を行うんです」

霧切「成程ね。その脚本を腐川さんに書いてもらうということかしら?」

舞園「そうです。超高校級の文学少女である腐川さんが書いた脚本なら
    必ずや皆さんの心を動かすはずです!」

ドラえもん「うん。いいんじゃないかな?」

のび太「おもしろそう! さすが舞園お姉さん!」

舞園「頑張って考えました!」フンスー!

大和田「劇かぁ。やったことねえなあ」

苗木「劇なら、朝日奈さんや大神さんも協力してくれるんじゃないかな?」

不二咲「いいねえ。恥ずかしいけど、みんなでやるなら僕もやってみたいな」

石丸「それはとても良い案だと僕も思う。……だが、まだ足りないな!」

ドラえもん「足りない?」

のび太「え? なにが?」

石丸「腐川君が素晴らしい脚本を書いたとしよう。それでみんなが感動している中、
    平然と水を差しそうな人間がここにはいるだろう!」

セレス『まあ、腐川さんは作家でプロなのですからこのくらいは書けて当然ですわね』

十神『酷い大根演技だったな。話が全く頭に入ってこなかった。
    これなら葉隠のくだらんオカルト談義を聞かされる方がまだマシだな』

ドラえもん・のび太「あぁー……」


容易に想像が付きすぎて思わずため息が出る。

337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/01(日) 01:28:26.74 ID:KVB9HeysO
腐川なら十神の酷評を寧ろ喜びそうだなw
338 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/01(日) 01:29:29.86 ID:DWzWVao10

腐川「そ、そもそもあたしまだやるなんて言って……」

舞園「書いてくれますよね?」キラキラ

腐川「う……(断れる雰囲気じゃない……)」

苗木「でも、足りないってじゃあどうすればいいの?」

霧切「石丸君には何か考えがあるのかしら?」

石丸「ウム! 当然だとも!」

大和田「さすが兄弟だぜ! で、なにすんだ?」

石丸「一発芸だ!!」

腐川「は……?!」

石丸「普段の君が根暗で取っ付きづらいというなら、普段と違う面を見せてみんなに
    見直してもらえばいいのだ。忘れろビームでも撃って君の過去を忘れさせればいい!」

腐川「何言い出すの、こいつ……?!」


その時ドラえもんは気付いた。


ドラえもん(あー……もしかしてそのつもりであの時はふざけてたのかな?)

ドラえもん(確かに日頃から考えてないといきなりあんな動き出来ないよね。忘れろビームは、
       周りと仲良くするために石丸くんが前から考えてたギャグだったんだ)

339 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/01(日) 01:37:43.13 ID:DWzWVao10

石丸「という訳で一緒に練習しようではないか! さあ、さあ、さあ!!!」

苗木「え、いやいや、いくらなんでもそれは……」

大和田「おお、名案だな! よし、腐川やってやれ!」

不二咲「僕も一緒にやるよぉ!」

腐川「え? えっ?! はいぃ?!」

のび太「うん。たしかに腐川さんがそんなことしたらぼくもビックリしちゃうな」

舞園「……アリかもしれないですね」

ドラえもん「ぼくも腐川さんの忘れろビーム見てみたい!」

苗木(え、なにこの異様なビーム推し)

霧切(ご愁傷様ね……)

腐川「や、やらない! 絶対やらないわよあたし!!」

石丸「忘れろ忘れろ忘れろビーム!」

腐川「だから無理だってぇーっ!!!」


一発芸をするかどうかはともかくとして、親睦会を開く方向に決まりその日の会は終了したのだった。

340 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/01(日) 01:44:14.06 ID:DWzWVao10

ここまで!更新遅れてゴメン

投下予告はツイッターでしているので、良かったらどうぞ
http://twitter.com/doctor_ronpa_K

ドクターKの方も執筆中。皆様の感想や合いの手のお陰で
モチベアップに繋がります。いつもありがとうございます!
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/01(日) 07:01:29.61 ID:FWKnRXMTO
投稿乙
毎度楽しみにしてるで
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/01(日) 12:41:56.62 ID:/9tPGIBhO
乙乙
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/02(月) 18:55:43.06 ID:lyzn5UEp0
このSSとか道具の使い方が上手かったな
http://syosetu.org/novel/84767/
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