憩「私が三箇牧の部長に!?」 恭子「私が姫松の監督に!?」 和「私が虎姫に!?」

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102 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/04/07(土) 22:08:36.98 ID:7fa7as4DO
部員A「中立派の連中も倒せばええやろ」

憩「そう簡単にはいかへんわ、先の戦いで私達と平和派の争いを余所に中立派は全く人材を失っとらん」

憩「それどころか平和派の分裂で逆に人員を増やすという始末や、それに…」

部員B「それに?」

憩「私自身が反荒川派の人達を追い出すことに価値を見いだせんのや」
103 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/04/07(土) 22:11:17.40 ID:7fa7as4DO
憩「平和派の、特に3年生の先輩達は志は低かったかもしれんが」

憩「かつての麻雀部を守ろうとする信念があった」

憩「ところがあの反荒川派の人達からはそれすら感じられん」

憩「何も無い人達に私達が負けるわけがあらへん」

憩「そんな人達を追い出すのに私達が労力を割く必要はあらへん」
104 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/04/16(月) 20:24:11.42 ID:q92gMDBDO
………現在………


部員A「負ける気がせんのやったら保険なんかいらんやろ」

部員B「せやから憩に相応しくない後ろ向きで弱気な策や言うとるやろ!」

部員A「私に言われても困るわ!憩に直接言えや!」

部員B「…まあ…憩にも何か考えがあるんやろ」

部員A「相変わらずお前の中で憩は絶対やな…」

部員B「とにかく私としては憩の足を引っ張るヤツらは全員いなくなってくれれば何でもええ!!」

部員Q「あんたも残念だったな」

部員C「何が?」

部員Q「新1年生が入る前に分かりやすい手柄を立てられなくて」

部員C「別に…(いくら手柄を立てた所で、憩に私をこの2人と同列に扱う気なんか無いやろ)」
105 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/04/16(月) 20:30:28.79 ID:q92gMDBDO
部員P「先輩達、どうかしたんですか?」

ゾロゾロ

部員C「あんたらがやかましくするから1年生達が集まって来たわ」

部員B「なんや!私達のせいなんか!」

部員A「そもそもお前が中立派の連中が練習に来んくなったんは私達の態度のせいとか言い出すからやろ!」

部員Q「いや…元々はあんたが今日は10人しか来てないとか言い出したからだろう」
106 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/04/16(月) 20:37:05.29 ID:q92gMDBDO
部員B「別に大した事や無い!練習に戻ってええで!」

部員D「あっ…はい…」

部員E「そう…ですね…」

部員F「分かり…ました…」

部員P「「憩の足を引っ張るヤツらは全員いなくなってくれれば何でもええ!!」と聞こえましたが?」

部員B「あぁん?」

部員O「ちょ!?…ピーちゃん!?」

部員A「流石に1年の中でもレギュラーに最も近いと言われる森永やな」

部員C「上級生相手でも物怖じせん、ええ根性しとるわ、あんたの妹なだけのことはある」

部員Q「ふふっ…私と違ってミドルの実績もあるしな」
107 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/04/16(月) 21:05:35.04 ID:q92gMDBDO
部員B「ふん!アンタがミドルで活躍出来るっちゅーことは、憩や小走や辻垣内が暴れまわった頃よりミドルのレベルも落ちたもんやな!」

部員P「いいえ、私のミドルの実績なんて個人戦でベスト16にも入れない程微々たるものです」

部員A「謙虚さも持っとるようやな」

部員B「まあ…そんな事はどうでもええわ!」

「憩の足を引っ張るヤツらは全員いなくなってくれれば何でもええ!!」

部員B「これに対して何か文句あんのか!!」

部員P「文句というわけでは無いですけど…」

部員B「けど?」

部員P「荒川部長の足を引っ張った人がいなくなるのなら、部員は誰もいなくなるんじゃないですか?」
108 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/05/05(土) 23:48:39.69 ID:luPNND2DO
部員B「誰もいなくなるとはどういう意味や!」

部員P「言った通りの意味です、先の団体戦の地区予選決勝を思い出してみて下さい」

部員B「団体戦の地区予選決勝やと!?」

部員P「荒川部長が先峰戦をトップで終えて…その後どうなりましたか?」

部員B「くっ…私が次峰戦から千里山の追い上げを許して…」 ギリッ

部員C「中堅戦終了時には前部長がほぼ並ばれ、副将戦で前副部長がまくられて…」

部員A「私が大将戦でリードを広げられたんやったな…」

部員Q「まあ…千里山の見事な逆転勝利だな…」
109 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/06/04(月) 18:23:06.87 ID:dsPlTHJDO
部員P「千里山に逆転勝利を許したのもそうですが、もっと重要なことがあります」

部員A「なんやそれは?」

部員P「荒川部長以外の4人がマイナス収支だったことです」

部員B「…何が言いたいんや?」

部員P「つまり先輩達は荒川部長の足を引っ張ったということです」

部員C「(はっきり言い過ぎやろ…)」
110 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/06/04(月) 18:28:25.94 ID:dsPlTHJDO
部員A「私達が試合で憩の足を引っ張ったのは認めるわ…でもお前らレギュラー外だったメンバーにも責任あるやろ!」

部員B「私達がレギュラーになったのはアンタらが私達より弱いからやろ!」

部員P「その通りです」

部員O「えっ!?」

部員P「私達は全員荒川部長の足を引っ張ったんです」

部員C「なるほどなぁ〜」

部員Q「それで「誰もいなくなる」か…」
111 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/07/06(金) 19:44:23.17 ID:oW6Q7cKDO
部員B「私が言うとったのは試合以外で足を引っ張るヤツらっちゅー意味や!」

部員P「それなら試合で足を引っ張るのは構わないと?」

部員B「そうは言うとらんやろ!!」

部員E「でも足を引っ張ったと言っても前部長と永輪殿は仕方ないのでは?」

部員A「仕方ないとはどういう意味や!」

部員D「相手が「大阪四天王」と「五大三年大将」でしたし…」
112 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/07/06(金) 19:53:58.40 ID:oW6Q7cKDO
部員O「「大阪四天王」はまあ分かるんやけど…「五大三年大将」って何やったっけ?」

部員P「「五大三年大将」とはインターハイの団体戦で特に評価の高かった5人の3年生の大将のことで、そこに名を連ねるメンバーは…」

部員C「永水の「石戸」、宮守の「姉帯」、有珠山の「獅子原」…」

部員B「「五大三年大将筆頭」姫松の「末原」!」

部員A「「五大三年大将最強」千里山の「清水谷」!」

部員Q「この大阪の2人は5人の中でもさらに別格と言われている」
113 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/10/15(月) 23:00:13.73 ID:4IVTjjpDO
部員O「「大阪四天王」と「五大三年大将」ってどっちが凄いんや?」

部員P「うーん…四天王末席の江口さんと三年大将最強の清水谷さんが同じぐらいの評価だから「大阪四天王」の方が格上かな?」

部員C「それにしても団体戦と個人戦、両方で決勝進出した末原を差し置いて、清水谷が三年大将最強なんやな」

部員A「フン!末原が決勝行けたんはまぐれやろ!!運が良かったからや!!」

部員B「(末原に恨みを持っとるコイツが言うと何かアレやな…)」

部員Q「と言うと?」

部員A「まず団体戦は準決勝の中堅戦で愛宕洋が有珠山をトバしたからや!」
114 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/11/05(月) 22:31:41.31 ID:PxSXfOqDO
部員A「そして個人戦は準決勝でその愛宕洋も宮永照も憩も辻垣内もおらん方の組に入ったからや!」

部員B「小走、原村、宮永咲も全然楽な相手とちゃうやろ…」

部員C「相手のレベル考えたら準決勝より一回戦はもっとキツいな」

部員F「末原さんの決勝トーナメント一回戦の相手って確か…」

部員D「「予選の六強」のうち3人やな」
115 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/11/19(月) 18:55:35.25 ID:JnwtCNlDO
部員O「「予選の六強」?、何やそれは?」

部員P「「予選の六強」とは個人戦の予選で飛び抜けて好成績を残した6人の選手で…」

予選1位 宮永 照
予選2位 荒川 憩
予選3位 辻垣内 智葉

部員C「ここまでは全試合トップやな」

予選4位 小走 やえ
予選5位 福路 美穂子
予選6位 神代 小蒔

部員Q「そしてこの3人は上位3人と同卓した場合以外は予選を全試合トップで終えている」
116 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/11/26(月) 12:04:47.31 ID:/So+Iy6DO
部員P「「予選の六強」は個人戦の決勝進出も有力と言われていたけど…」

部員O「6人の内2人しか行けてへんのやな」

部員C「福路と神代は1回戦で小走と末原に敗れ…小走は準決勝で原村と末原に敗れ…」

部員B「辻垣内は準決勝でチャンピオン宮永照と我らが荒川憩に負けたんや!」

部員F「原村さんと末原さんの予選の順位は確か…」

部員Q「原村が1年生最高順位の13位、末原が予選突破ラインの下から2番目の15位だな」
117 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/12/14(金) 19:01:18.69 ID:eTPcCYdDO
部員A「私に言わせたら末原の予選15位ですら出来過ぎや!」

部員B「(コイツ…まだ言うか…)」

部員Q「さっきも似たようなこと言ってたが、あんた個人戦の決勝見なかったのか?」

部員A「見たわ!それがどうかしたんか?」

部員Q「私の目から見て、決勝の末原に勝てそうな日本の高校生は2人しか思いつかないが」

部員C「チャンピオンと憩やな」

部員P「今の末原さんは日本の高校生で3番目に強いと?」

部員Q「いや…さすがにそこまでは言わないけど…」
118 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/12/26(水) 17:34:28.67 ID:SvxtJdZDO
部員A「それが出来過ぎやと言うんや!」

部員A「もし個人戦決勝のアレが実力と言うんなら、楽に団体戦優勝出来たはずや!」

部員B「団体戦終わった後に覚醒したんやないか?」

部員C「いや、団体戦決勝の末原も十分凄かったやろ」

部員P「大将戦を4位でバトンを受け取ったわけですが…」

部員Q「3位だった阿知賀をかわし、トップの白糸台、2位の臨海にあと一歩まで迫ったな」
119 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2019/01/27(日) 12:07:14.56 ID:v9fzDmZDO
部員A「それに…末原も自分より清水谷の方が上だと認めとる」

部員A「個人戦の前に自身が「五大三年大将筆頭」と呼ばれとることについて聞かれた時こう言っとった」

「他の4人と並ぶだけでも恐れ多いのに、それ以上なんてとんでもないことです」

「3年生の大将の頂点として相応しいのは私の理想で憧れの打ち手でもある清水谷竜華さんです」

「3年生の大将として彼女より上の称号は要りません」

部員B「末原は自分より清水谷を3年大将のトップに推したんやが…」

部員P「結局この2人は他の3人とは別格というイメージが出来てしまいましたね…」

部員C「もし、それが狙いやったとしたら?」

部員Q「最初からそれが狙いだとしたら「末原恭子」は「荒川憩」クラスの怪物だな」
120 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2019/02/16(土) 14:45:57.00 ID:GgpjqHeDO
部員B「たぶんそれが正解やろ、前に憩が末原のことを」

「あれは「愚直さとしたたかさを兼ね備えた怪物」やな」

部員B「と言うとった」

部員Q「ほほう」

部員A「ずる賢いだけや」

部員O「どういうことでっか?末原が言っとったことは嘘なんか?」

部員Q「いや…恐らく末原が3年生の大将の頂点に相応しいのは清水谷だと言ったのも」

部員Q「清水谷を理想で憧れの打ち手だと言ったのも本心から出た言葉だろう」

部員C「本心やからこそ人を動かすに足る」

部員Q「でも自身がそのことを言うことでの周りの反応など、後の影響をちゃんと計算に入れている」
121 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2019/03/03(日) 16:54:00.01 ID:TSplrQJDO
部員A「それが末原の限界や!あいつは知略に関しては憩と互角に戦えるかも知れんが…」

部員A「肝心の麻雀の実力と人の上に立つ器が憩に比べると圧倒的に足らんわ!」

部員C「知略が互角なだけでも十分凄いやろ…」

部員Q「末原さんの計算とは?」

部員P「今回のように個人戦でも決勝進出した場合世間の評価が…」

「団体戦と個人戦両方で決勝進出した末原と」

「その末原に自分より上だと言わせた清水谷」

「やっぱりこの2人は「五大三年大将」の中では別格だな」

部員Q「となることは頭の中にはあっただろう」

部員D「結局末原さんの謙虚さと実力面での評価が上がりましたね…」
122 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2019/03/03(日) 17:05:44.42 ID:TSplrQJDO
>>121はミスです

部員A「それが末原の限界や!あいつは知略に関しては憩と互角に戦えるかも知れんが…」

部員A「肝心の麻雀の実力と人の上に立つ器が憩に比べると圧倒的に足らんわ!」

部員C「知略が互角なだけでも十分凄いやろ…」

部員P「末原さんの計算とは?」

部員Q「今回のように個人戦でも決勝進出した場合世間の評価が…」

「団体戦と個人戦両方で決勝進出した末原と」

「その末原に自分より上だと言わせた清水谷」

「やっぱりこの2人は「五大三年大将」の中では別格だな」

部員Q「となることは頭の中にはあっただろう」

部員D「結局末原さんの謙虚さと実力面での評価が上がりましたね…
123 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2019/03/03(日) 17:14:08.40 ID:TSplrQJDO
部員E「個人戦で決勝に行く自信があったのですか?」

部員F「というより末原さんより清水谷さんの方が個人戦で大活躍する可能性があったのでは?」

部員Q「その場合は…」

「清水谷が3年生の大将の中で最強だったな」

「末原の言ってた通り3年大将の頂点に相応しいのは清水谷だな」

部員Q「となっていただろう」

部員C「むしろこっちが本命の可能性もあるな」

部員Q「あるいは、やはり…」

「末原はこのことを早くから見抜いて自分より上だと言ったんだな」

「やっぱりこの2人は「五大三年大将」の中では別格だな」

部員Q「となる可能性もあるが」

部員P「末原さんの狙いは「五大三年大将」の序列を、清水谷さんの下に自分を含めた4人にすること…」

部員P「もしくは清水谷さんと自分の下に他の3人にすること…だったと?」
124 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2019/03/22(金) 19:38:30.68 ID:sFw7XXyDO
部員O「そんなら姉帯や石戸や獅子原が段違いの成績を残した場合どないするつもりやったんや?」

部員Q「(石戸は個人戦出てないがな…)」

部員P「それは…」

部員A「それでも勝算はあったと思うわ!」

部員A「あいつは弱虫やからな!」

部員A「自分1人が3年大将の頂点に立っとる状態さえ避けられれば何でもええ!」

部員A「そう思っとったはずや」
125 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2019/04/01(月) 21:24:29.79 ID:GD+q5MjDO
部員P「先程から末原さんについてよく知っているような口ぶりですね」

部員A「そりゃまあ…施設と中学が一緒やったし…」

部員O「施設ってもしかして…「荒川院」でっか?」

部員A「「荒川院」やと!?、誰があんな所!!」

部員B「フン!あんな所で悪かったな!」

部員A「なんで私が「荒川院」出身やと思った?」

部員O「それは…」

部員Q「お前が高校に入学する前から荒川憩の仲間だったからだろう」

部員C「(確かに荒川派の半数以上は「荒川院」出身やが…)」
126 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2019/04/08(月) 17:42:51.11 ID:ogElwKvDO
部員A「というかお前の口から「荒川院」という言葉が出てきたことに驚きや!」

部員D「「荒川院」のこと知っとったんやな」

部員O「そらもう常識やろ?金持ちがええコトしとるとこや!」

部員C「大きくは間違っとらんけど大雑把な言い方やな…」

部員P「「荒川院」とは古くから大阪の政財界や麻雀界に一定の影響力を持っている「荒川家」」

部員P「その「荒川家」が出資している、親のいない子供や事情があって親と一緒に暮らせない子供を預かって、生活の面倒を見ている施設ですよね…」

部員O「そうそれや!ウチが言いたかったんはそういうことや!」
127 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2019/04/15(月) 19:06:20.43 ID:7EnbCQ5DO
部員Q「あとそこで飛び抜けて優秀と認められた子供は」

部員Q「「荒川家」の一員として迎えられ、荒川の名を名乗ることが許されるんだったよな」

部員C「それが「荒川家」が「荒川院」を作った目的やろ」

部員O「どういうことでっか?」

部員P「つまり「荒川家」がたくさんお金を出してまで「荒川院」を作った理由は」

部員P「表向きは身寄りのない子供達や事情があって親と一緒に暮らせない子供達を助けるためだけど…」

部員P「本当は集めた子供達の中から優秀な子供がいた場合養子にするためだったってこと…」

部員B「まあそんな人材はめったにおらんのやけどな」

部員Q「(そして「荒川院」にはさらに黒い噂がある…)」

部員Q「(集められた子供達に「荒川家」に対する忠誠心を植え付ける洗脳教育…)」

部員Q「(さらには違法な人体実験をしているというものだ…)」
128 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2019/05/01(水) 22:08:26.56 ID:9Lf84ZgDO
部員Q「(だがこれはあくまでも噂だ…それに「荒川院」出身者が大勢居そうなこの場で言うべきことでは無いな…)」

部員Q「(もし噂が本当だった場合「荒川家」の手の者が私を口封じに消しにくるかもしれない…)」

部員B「どうかしたんか?難しい顔をして?」

部員Q「いや…何でこいつが「荒川院」の出身でもないのに高校に入る前から荒川憩の仲間だったのかなぁ…と思って」

部員A「気になるか?」
部員Q「それはまあ…」

部員A「ふっ…それを説明するには少しばかり昔話をしないといかんな…」
129 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2019/05/13(月) 21:27:26.65 ID:dZrP3yqDO
………3年前・大阪の某中学校………


立「いよいよ私達の世代が中心になる時が来た!」

立「「荒川憩」にぶっ壊された先輩達の仇は私達が取る!」

みなも「…そうだね」

立「心配するな、私がエースで部長になろうとも、お前と私の関係が変わることは無い!」

みなも「えっ!?」
130 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2019/06/10(月) 23:41:31.92 ID:EHgG3JxDO
立「「えっ!?」ってなんだよ?」

みなも「いや…エースは由華ちゃん、部長は須摩子ちゃんになるんじゃないかと思って…」

立「じゃあなにか!?私がその2人より下だとでも言いたいのか!?」

みなも「そうは言ってないけど…」

立「ふん!だったら変なこと言うなよ」

みなも「………」
131 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2019/09/09(月) 23:18:52.03 ID:70zxHkvDO
………………

ガラガラ

恭子「4人とも揃っとるか?」

由華「はい」

みなも「あっ…末原先輩…体はもう大丈夫なんですか?」

恭子「何がや?」

みなも「いや…個人戦で会場行く途中で雷に打たれて…救急車で病院に運ばれて…」

須摩子「私たち「七つの真実」は地震、雷、火事、大山風で死ぬことはあらへん」

みなも「でもダメージは受けるんでしょ?」

恭子「そんなもん個人戦で荒川に痛め付けられたことに比べたら大したことあらへんわ!」

須摩子「あの後病院から脱走して個人戦に出たんやったな」

立「ナナミやモーリンもムチャクチャなヤツだったけど、コイツも相当だな」
132 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2019/10/28(月) 20:01:50.71 ID:EAdK4xFDO
恭子「まったく…あの2人余計なことしてくれたわ」

由華「あの2人とは藤白先輩と高橋先輩ですか?」

須摩子「やっぱあん時の雷は偶然やなかったか…」

みなも「確かに七実お姉ちゃんの能力なら雷を落とすぐらい可能だけど…なんで…」

須摩子「そりゃあ「荒川憩」と恭子を戦わせないためやろ」

立「なるほど、でもナナミらしくない策だな」

恭子「せやからあの2人言ってるんやろ!」
133 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2019/11/25(月) 13:31:17.39 ID:hHXKOFWDO
………さらに1週間前・とある大阪のビルの屋上………

明日香「久しぶり七実、元気そうだな」

七実「こんなとこに呼び出して一体何の用や?」

明日香「実はお前に頼みたいことがあってな」

七実「まさか「恭子がこのままだと「荒川憩」に壊されそうだから個人戦に出られないようにしてくれ!」」

七実「とか下らんこと抜かしたりせんやろうな!?」 ギロッ
134 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2019/12/09(月) 12:19:53.00 ID:WZYgmB1DO
明日香「何か間違ってるか?今の恭子が荒川と戦えば…」

七実「間違いなくやられるやろうな」

明日香「じゃあ何で…」

七実「アンタは昔から恭子に甘いわ!」

七実「それぐらいで壊れるんやったら、それまでのヤツやったってことや!」

明日香「お前は相変わらずだな…」

七実「それに俺はその程度で壊れるようなハンパな鍛え方はしとらん」

明日香「確かに…何度か死にかけてたな」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/13(金) 09:36:27.64 ID:UkstH1db0
136 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2020/01/06(月) 19:43:43.61 ID:nMKdvbPDO
明日香「だが相手はあの「荒川院の魔術師」だぞ」

明日香「現に恭子の世代は恭子以外みんなあいつに壊された」

七実「所詮ソイツらは俺のシゴキから逃げ出したヤツらや!ハナから全く期待しとらん!」

明日香「いや…普通身の危険を感じて逃げ出すだろう」

七実「せやけど代わりに下の世代が経験を積むことが出来たやん」

明日香「「阿倍野の四大天」か…あの子達はあの子達で凶兆が出てるな…」

明日香「まあそこは恭子に任せるとしよう」

七実「アンタが2コ下の世代の須摩子らの世代のことを1コ下の世代の恭子に丸投げすんなら」

七実「俺も恭子のことはアンタに丸投げするわ」

明日香「そう言うと思った…」

七実「それが託すってもんやろ」
137 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2020/01/20(月) 20:09:02.67 ID:i3/3ECdDO
明日香「ここで恭子を壊されたら託すも何もないだろう」

七実「せやから壊れんゆーとるやろ!」

明日香「どうあっても協力してくれるつもりないんだな…それならこっちも考えがある」

七実「ほほう…どんな考えや?」

明日香「あんまり言いたくないが、お前私に借りがあったよな?」

七実「借り?従が主に尽くすのは当然やろ」
138 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2020/02/03(月) 18:01:32.83 ID:6u9lixBDO
明日香「あれは2年前のことだった…」

七実「2年前?…団体戦でアンタ以外が足を引っ張って負けたことか?」

明日香「それは別にいいんだけどね…問題はその後よ」

明日香「泣いて許しを請うあの子達を半殺しにしただろう」

七実「この俺が特別に目を掛けてやったっちゅーのに、大事なとこで足を引っ張るからいけないんや!」

七実「殺されんかっただけマシやと思え!」

明日香「いや、私が止めなかったらあのまま殺しそうな勢いだっただろう」
139 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2020/02/17(月) 12:03:34.51 ID:OqP9VhhDO
明日香「とにかく私が止めなかったらお前は殺人者になってた」

明日香「そうなると表麻雀界(競技麻雀の世界)で生きて行くのは困難というもの」

七実「そんなら裏麻雀界(賭け麻雀の世界)で生きてけばええやろ」

明日香「あの後警察に連れて行かれたお前が、早く解放されるようにお前の実家に頭を下げたのも私だ」

七実「家出中の「藤白家」が身元引き受け先とはおかしいと思っとったんやが…あんたの仕業やったんか」

明日香「さすがは「大阪六大雀家」、効果は絶大だったな」

七実「こういう権力に訴えるやり方は好かんな!アンタが何もせんでも、その気になればいつでも脱走出来たわ!」

明日香「でもおかげで家族と仲直り出来ただろう」
140 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2020/02/24(月) 17:53:30.64 ID:QXu/woTDO
明日香「まだあるぞ、お前がいなくなった後、お前が練習相手に連れて来た元他校のエース達が反乱を起こして…」

七実「ああもう!わかった!わかったわ!」

明日香「何がわかったんだ?」

七実「アンタの言うとおりにする」

明日香「ふふっ…」

七実「何がおかしい!?」

明日香「お前は私のことを恭子に甘いと言ったが…お前は私に甘いな」

七実「そりゃあアンタだけは最後まで俺を裏切らんかったからな!」

明日香「あの子達がいつ裏切った?」

七実「俺の期待を裏切ったやろ!」
141 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2020/03/09(月) 17:43:48.06 ID:d2tLZIoDO
七実「それに…」

明日香「それに?」

七実「アンタには主従を超えた友情を感じとる」

明日香「それは友としては大変ありがたいことだが…参謀や謀略家としては私は失格だな」

七実「どういうことや?」

明日香「参謀は時には嫌われる覚悟で主君を諫めることも必要だったろう」

明日香「そして謀略家なんて人に嫌われてナンボな仕事よ…」

七実「アンタたまによく分からんコト言うよな」

明日香「分からないなら分からないでいい、だが今回はその友情に縋らせてもらう」
142 : ◆UXJYkG5RFI [saga sage]:2021/11/09(火) 19:06:21.99 ID:4Ww106N90
>>1ですが
ガラケーからスマホに乗り換えました
これからはスマホでのんびり更新します
143 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2021/11/09(火) 19:38:26.19 ID:4Ww106N90
>>1ですが
久しぶりなのでトリップ間違えました
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