憩「私が三箇牧の部長に!?」 恭子「私が姫松の監督に!?」 和「私が虎姫に!?」

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1 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/05(金) 15:34:03.49 ID:J/0zVDoDO
速報での初SSです
アニメの全国版が放送されてた頃に大まかな話の流れを考えたので
個人戦やコクマのルールなど色々とおかしい所があると思いますが
このSSだけの勝手な設定だと思って下さい
そしてオリキャラ風なキャラが何人か出ます
このSSの作者は麻雀素人です
それでは投下します

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1515134043
2 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/05(金) 15:37:53.16 ID:J/0zVDoDO
………インターハイ最終日………


長きに渡る戦いが終わり今日女子高生最強雀士が決まる
残り試合もついに2試合となった
個人戦の5位決定戦と
その後から行われる個人戦決勝である
3 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/05(金) 15:41:47.87 ID:J/0zVDoDO
………インターハイ個人戦5位決定戦終了後………


智葉「結局去年より2つも順位を下げてしまったな」

やえ「私よりも上の順位なのに随分な態度だ、まあ今回は負けたけど私に足りない物が分かったし次は」

智葉「さて残すは決勝のみだな」

やえ「おい!!聞いてんのか!!」

智葉「ふっ…悪かったな、長くなりそうなものでな」

やえ「まったく…お前とはミドルで優勝を争った仲だが、親しき仲にも礼儀ありだぞ」
4 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/05(金) 15:46:02.72 ID:J/0zVDoDO
やえ「さて改めて…決勝が楽しみだな」 キリッ

智葉「宮永照の圧勝…良くて荒川憩との一騎打ちだろう」

やえ「ふふっ!」

智葉「何か可笑しいこと言ったか?」

やえ「私を準決勝で破った2人を忘れてもらっては困る!お前らもそう思うだろ!!」

洋榎「…せやな…決勝では恭子を応援せなアカンな…」

咲「…そう…ですね…私も和ちゃんを応援しないと…」

智葉「何だかこの2人元気無いな…(宮永咲はともかくいつもは騒がしい愛宕洋榎まで…)」

やえ「どうせ一緒に決勝に進んで戦おうと約束したのに、自分だけ準決勝で負けたからとか大した理由じゃないだろう」

智葉「十分過ぎる理由だと思うが」

やえ「駄目だな!王者は孤高でなくてはならない!!」
5 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/05(金) 15:51:19.48 ID:J/0zVDoDO
………インターハイ個人戦決勝終了後………


照「(なんとか個人戦も優勝出来た…けど…)」 チラッ

憩「もっと…もっと力が欲しい…」 ゴゴゴゴ

和「ううっ…咲さん…みんな…」 ポロポロ

恭子「私はもうこれ以上…麻雀は打てん…」 カタカタ

照「(まあ…時間が経てば落ち着くでしょ…)」
6 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/05(金) 15:58:40.94 ID:J/0zVDoDO
−−−インターハイ会場PV前−−−


宮 永 照 44000
荒 川 憩 43600
原 村 和 *6800
末原 恭子 *5600


智葉「ほら、私の言った通りじゃないか」

やえ「ふん!、コイツらもお前もコクマでまとめて追い抜いてやるわ!!」

智葉「ところで何でこんな所に居るんだ?」

やえ「部員達の温かい慰めが逆に辛くて抜け出して来た」

智葉「まあ…私も似たようなものだ…」
7 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/05(金) 16:06:33.48 ID:J/0zVDoDO
叶わぬ約束…届かぬ願い…
色々な思いを残しながらインターハイは幕を閉じた…
しかし雀士達の戦いに終わりは無い

これは、運命を乗り越えてもなお
勝利者になることが出来なかった者達の物語である
8 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/05(金) 16:14:33.36 ID:J/0zVDoDO
………インターハイ終了から3日後………


憩「私が三箇牧の部長に!?」
9 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/05(金) 16:19:45.15 ID:J/0zVDoDO
一旦終わりです
続きは来週投下します
来週からは第1の主人公荒川憩編です
これからは週一回投下を目標に頑張ります
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/05(金) 23:49:32.70 ID:M9f4TazeO
オリキャラなんざ他所でやれやれ
11 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/12(金) 15:33:39.65 ID:8YvRRmXDO
激戦区北大阪で地区大会団体戦2位の三箇牧高校
そんな三箇牧高校麻雀部に新たな部長が誕生しようとしていた
インターハイ2年連続個人戦2位の荒川憩である

しかし三箇牧高校麻雀部は2つの不安要素を抱えていた
1つは戦力面である
部員数は引退する3年生を除いてもまだ26人と少なくないものの
全国クラスの相手とまともに戦える人材は少ない
そしてもう1つは
三箇牧高校麻雀部で1年前に起こったある出来事に端を発した
部内での派閥争いである
12 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/12(金) 15:38:40.36 ID:8YvRRmXDO
………インターハイ終了後から3日後・三箇牧麻雀部部室………


憩「私が三箇牧の部長に!?」

部長「何か問題でもあるんか?」

憩「今三箇牧麻雀部には大きく分けて3つの派閥が存在するのはご存知ですよね?」

部長「やるからには勝ちにこだわりたい「荒川派」、趣味と遊びの範囲で楽しくやりたい「反荒川派」、そしてどちらにもつかない「中立派」やな」

憩「私が部長になると部の方針が勝利至上主義に傾いて、反荒川派の人達が退部してしまうとは考えなかったんですか?」

部長「そこらへんはあんたの裁量に任せる、それに…」

憩「それに?」

部長「せっかく世代最強雀士がおるんやから頂点目指すのも悪くないやろ」
13 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/12(金) 15:43:53.57 ID:8YvRRmXDO
部長「それとも誰か他に適任がおるんか?」

憩「…「小林」、「五十嵐」、「木吉」辺りはどうでしょうか?」

部長「全員あんたの派閥の人間やないか…」

憩「そうですね」

部長「まああんたとしては信頼出来るのに、部長を任して個人戦に集中したいゆうのも分からんでも無いが…」

憩「他に挙げるなら「高橋」はどうでしょうか」

部長「中立派の2年生のトップのアイツか…それも考えた、けど…」

憩「けど?…」

部長「アイツにはトップを支える方が性に合ってると思うんや」
14 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/12(金) 15:47:13.03 ID:8YvRRmXDO
部長「とにかくうちはあんたに部長をやって欲しいんや、アンタなら間違いなく強いチームを作ってくれるやろ」

憩「強いチーム…分かりました、謹んでお受け致します」

部長「おおっ!…やってくれるか!!」

憩「来年には千里山を倒して全国に行けるチームを作ります」

部長「大きく出たな、勝算はどれぐらいや?」

憩「今のままだと3…イエ2ほどかと…」

部長「2割か…」

憩「いいえ2%です」
15 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/12(金) 15:50:33.21 ID:8YvRRmXDO
部長「千里山とはそこまで差があるんか…」

憩「千里山は既に1年生と2年生だけでも全国クラスの打ち手が5人以上揃っています」

部長「うちは引退する3年生を入れても4人もおらんな…」

憩「まともにやったら余程の事が無い限り勝てません」

部長「じゃあどうするんや?」
16 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/12(金) 15:54:22.62 ID:8YvRRmXDO
憩「そこで私が部長になれば3つの改革を行います」

部長「3つの改革?」

憩「1つ目は3軍制の導入です」

部長「千里山がやっているやつやな」

憩「3軍は基礎練習、2軍は長所を伸ばしたり短所の克服、1軍は実戦の中で勝てる麻雀の会得が主です」
17 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/12(金) 15:58:56.83 ID:8YvRRmXDO
憩「2つ目は全体的な練習量の増加です」

部長「1年前でも崩せなかったそこに手を付けるか…」

憩「今のままでは千里山を倒して全国を目指すチームとしては少な過ぎます」
18 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/12(金) 16:04:35.56 ID:8YvRRmXDO
憩「そして3つ目、個人的にはこれが一番の改革だと思います」

部長「それは何や?」

憩「団体戦のオーダーの組み方の見直しです」

部長「それはあんたを先峰から移動させるっちゅうことか?」

憩「はい、後ろから順番に強い選手を並べます」
19 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/12(金) 16:08:50.88 ID:8YvRRmXDO
部長「なあ荒川…最後の一つのことについてやけど…」

憩「何ですか?」

部長「あんたが大将に回りたい理由は、何度もうちらがあんたの作ったリードを守れずひっくり返されて、それがイヤになったからなんか?」

憩「…いいえ、あくまで戦略上の理由です」

部長「そうか…」
20 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/12(金) 16:16:40.19 ID:8YvRRmXDO
部長「最後に1つだけええか?」

憩「何ですか?」

部長「強いチームを作ろうとするあまり大切なコトを忘れんでくれや」

憩「…分かりました…絶対日本一のチームを作ります!」

部長「…本当に分かっとんのか…」


………………
21 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/19(金) 15:31:50.53 ID:Io3iX1xDO
………次の日・三箇牧麻雀部部室………


部員A「いよいよ憩が部長か…」

部員B「就任挨拶で何を言うか楽しみだな」

部員C「つかみは大事やぞ」

??「アンタらが浮かれていられるのも今のうちだけや!!」
22 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/19(金) 15:36:48.28 ID:Io3iX1xDO
部員X「我ら「反荒川派三人衆」が存在する限り!」

部員Y「たとえ荒川が部長になろうとも!」

部員Z「貴様ら荒川派の好きには絶対させへん!」

部員A「うるさいヤツらが来たで」

部員B「憩の部長就任を阻止出来んかったくせしてな」

部員C「(憩は部長になったらコイツらの扱いどーすんのやろな)」
23 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/19(金) 15:40:36.17 ID:Io3iX1xDO
………………


憩「この度○○前部長の推挙により三箇牧高校麻雀部の新部長に就任することになりました荒川憩です」

憩「これまでは自分自身の修練に勤しんでいれば良かったのですが」

憩「これからは部の舵取りという大任を任され誠に身が引き締まる思いです」

憩「不慣れな部分も多々あり何かと至らぬ点もあると思いますが、誠心誠意麻雀部に尽くしていきたいと思います」

部員A「(まずは手堅い挨拶から入ったな…)」

部員B「(手堅いっつうか堅いやろ…)」

部員C「(最初に前部長に推された点を強調したのは、前部長がトップだった中立派を取り込む狙いやな…)」
24 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/19(金) 15:46:02.67 ID:Io3iX1xDO
憩「私は運にも恵まれ、インターハイで2年連続で個人戦準優勝という栄誉を得ました」

憩「チャンピオンが卒業するからと言って当然油断せず、来年度こそは優勝するつもりです」

憩「しかし先日私は部長就任を打診され、新たな目標が増えることになりました」

憩「それは三箇牧高校麻雀部を来年度インターハイで優勝出来るぐらい強いチームにして、団体戦も優勝することです」

憩「日本一のチームを作るのが前部長との約束であり、団体戦と個人戦の両方優勝の二冠を達成することが私自身の新たな夢です」

憩「しかし、これは私1人の力ではどうやっても不可能な話なのです!」

憩「みなさんこれからどうか私に力を貸して下さい!!よろしくお願いします!!」 ペッコリン
25 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/19(金) 15:51:32.64 ID:Io3iX1xDO
パチパチパチパチ

部員A「私の力で良ければいくらでも貸したるわ!!」

部員B「うおおおぉ!三箇牧ばんざーい!!荒川憩ばんざーい!!」

部員C「(荒川派は当然としても中立派の反応も悪くない…)」
26 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/19(金) 15:57:18.29 ID:Io3iX1xDO
荒川憩の部長就任挨拶はいい雰囲気のまま終わった…
かに思われた…が…


憩「あっ!?…すいません、緊張してて1つ言い忘れてました」

部員A「百戦錬磨のお前でも緊張することがあるんか?」

部員B「何か堅かったもんな」

部員C「(緊張して堅かったというのも、言い忘れたというのも多分ワザとやろな…)」

憩「私は三箇牧麻雀部が日本一になるために、今すぐ2つの改革を行いたいと思います」
27 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/26(金) 15:34:55.12 ID:FXnmlVDDO
………………

部員X「みんな騙されたらアカン!前部長が荒川を部長に推したホンマの理由を考えてみい!!」

部員A「なんやホンマの理由って?」

部員Y「荒川派以外の人間が部長になった場合、そいつが荒川の意にそぐわない場合攻撃される恐れがあるからやろ!!」

部員B「憩はそんなことせんやろ」

部員Z「せんと言い切れるんか?荒川が1年前3年の先輩達に何をしたか忘れたんか!!」
28 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/26(金) 15:39:49.53 ID:FXnmlVDDO
憩「待って下さい!」

部員X「なんや?なんか言い訳でもあるんか?」

憩「せっかくですから1年前三箇牧麻雀部で何が起こったかを、この場にいる全員に知ってもらってはどうですか?」

部員Y「なんやと!?」

部員A「まあ…噂程度でしか知らん1年もおるやろうしな…」

部員B「そんなの誰が説明するんや?やっぱ言い出しっぺの憩か?」

部員Z「貴様ら荒川派の人間はダメや!自分達に都合の言いように話すに決まっとるわ!!」

部員C「それはアンタらが説明しても同じことやろ」
29 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/26(金) 15:43:11.68 ID:FXnmlVDDO
憩「ここは高橋さんにお願いしようと思います」

部員Q「私か…まあそんな気がしてたけど…」

部員X「中立派の2年のトップの高橋なら文句ないわ」

部員A「まあコイツなら変なことは言わんやろ」

部員Y「ちゅうか本来なら荒川なんかよりもコイツが部長になるべきやと思うわ」

部員B「なんやと!!コラ!!」
30 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/26(金) 15:47:06.71 ID:FXnmlVDDO
部員Q「ええと…何から話せばいいのかな…」

部員Q「そうだな…まずは私達が入った頃の三箇牧麻雀部がどんな状態だったかから」

部員Q「私達が入部した頃三箇牧麻雀部は、好きな時に集まって、好きなように打って、好きな時に帰るというものだった」

部員X「それこそが本来三箇牧麻雀部のあるべき姿やろ!」

部員A「そんなのは麻雀部とは呼べん!」
31 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/26(金) 15:50:16.45 ID:FXnmlVDDO
部員Q「その頃三箇牧麻雀部は5つのグループがあったけど」

部員Q「それぞれが対立することなくそれなりに仲良くやっていた」

部員Q「その象徴の1つが団体戦のメンバーの選出方法」

部員Q「5つのグループから1人ずつ選ばれるという形で均衡を保っていた」
32 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/26(金) 15:55:39.71 ID:FXnmlVDDO
部員Q「ところがそんな三箇牧麻雀部のあり方に異を唱える新入生が現れた」

部員Q「後にこの世代の3強のうちの1人に数えられる「荒川憩」である」

部員Q「荒川は同調する他の新入生達をまとめ上げ1年生だけのグループを作ってしまった」

部員Q「そしてこのグループは後に「荒川派」と呼ばれることになる」

部員Q「彼女たちの考えはこうである」

「もっとちゃんと練習した方がいいですよ」

「団体戦も上手い人部内上位5人を出した方がいいですよ」
33 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/26(金) 15:59:50.38 ID:FXnmlVDDO
部員Q「意外にもこの考えは元々あった5つのグループのうち2つのグループにはある程度賛同を得られた」

部員Q「元々似たような考えを少しは持っていたが」

部員Q「部の平穏を乱してはいけないと、なかなか言い出せなかったらしい」

部員Q「しかしながら当然他のグループには…」

「つい最近入って来たばかりの1年のくせに生意気や!!」

部員Q「全く受け入れられなかった」
34 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/26(金) 16:05:37.96 ID:FXnmlVDDO
部員Q「荒川派の改革を求める姿勢に反対した3つのグループは」

「私達は今までの平和な麻雀部を守るんや!」

部員Q「と称して「平和派」と名乗る連合を組んで荒川派に対抗をしだした」

部員Q「荒川派と平和派は議論を尽くしたが、どちらも主張を譲らず」

部員Q「どちらの主張にも一定の理解を示す「中立派」を交えても結論は出なかった」
35 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/01/26(金) 16:13:54.77 ID:FXnmlVDDO
部員Q「荒川派と平和派の対立は日に日に深まっていき」

部員Q「そんなある日決定的な事件が起きてしまう」

部員Q「荒川派の1年生の1人が何者かから、物を隠されるなど嫌がらせを受けてショックで退部してしまったのだ」

部員Q「犯人はすぐに見つかったものの、なんとそれは平和派の3年生だった」
36 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/02/02(金) 20:00:50.87 ID:WnSFoZpDO
部員Q「犯人とされる3年生は退部させられたが、事態はこれで終わらなかった」

部員Q「荒川派のメンバーが「荒川」、「小林」、「木吉」、「五十嵐」の4人を残して全員退部してしまうのである」

部員Q「退部した理由は「勉学に励みたい」、「麻雀より面白いことを見つけた」、「部内の派閥同士の争いが嫌になった」など理由は様々だったが」

部員Q「この頃から部内では不穏な噂が流れ始める、その噂とは…」

「実は退部した荒川派のメンバーは平和派のメンバーに苛められて辞めたのではないか…」

部員Q「というものである」
37 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/02/02(金) 20:06:51.76 ID:WnSFoZpDO
部員X「これに関しては荒川派の策略だと思うわ!」

部員A「ほう…どんな策略や?」

部員Y「この先気が弱くて戦力にならなそうなメンバーを切って、平和派を攻撃する材料にする策略や!」

部員B「それはどう考えても下策やろ」

部員Z「でも、噂を流したんは貴様ら荒川派なんやろ!」

部員C「(確かに噂を流したのは私達やったけど…)」

憩「(ふふっ!…どうせ辞めんなら最後くらい私の役に立ってもらわんとなぁ!)」
38 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/02/02(金) 20:11:27.39 ID:WnSFoZpDO
部員Q「先の事件のこともあって噂の効果は絶大だった…そして平和派の中にも」

「もしかしたら私達の中に苛めを行っている人間が居るのではないか…」

部員Q「と疑心暗鬼になってしまう者も出始めた」

部員Q「事態を重く見た当時の顧問や部長など部の上層部は、少々強引な手段で解決しようとする」

「お前らも雀士のはしくれなら麻雀で決着を付けろや!」

部長Q「それは荒川派と平和派で麻雀で勝負をして負けた方は勝った方に従うというものであった」
39 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/02/02(金) 20:15:27.68 ID:WnSFoZpDO
部員Q「その勝負の内容とは「荒川派4人」対「平和派の3年生30人」による勝ち抜き戦である」

部員Q「荒川派1人と平和派の3年生3人で半荘1回を打ち、トップ以外は交代し、新たな交代要員を出せなくなった方が負けというルール」

部員Q「部内では当時の荒川はインターミドルの実績はあるものの、部内の練習を見る限りそれ程怪物だとは思われてなかった」

部員Q「そのため勝負自体は荒川派に不利だと思われていたが…」
40 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/02/02(金) 20:20:25.32 ID:WnSFoZpDO
………1年前………


部員A「こっちの一番手は憩でええんか?万が一憩が負けた時点でこっちの負けやろ」

部員C「いや…むこうがトップ取っても2人交代することを計算に入れんなら、例え憩が負けたとしても25人以上削ってくれていればその時点で私達の勝ち確や」

部員B「そんな計算は無意味や!」

部員C「なんで無意味なんや?」

部員B「憩が負けるわけ無いからや!そうやろ!」

憩「ふふっ!まあうちに任しといてや!、それに…」

部員A「それに?」

憩「今日は久しぶりにあんまり手加減せんで打つつもりや」 ポキポキ
41 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/02/02(金) 20:24:33.00 ID:WnSFoZpDO
………………


当時の3年生T「くっ…まさか1人対3人の状態で10連続サンコロやなんて…」

当時の3年生U「普段は手ぇ抜いて打ってたんか…」

当時の3年生V「こんなバケモンやと分かっとったら麻雀で勝負なんかせんかったのに…」

憩「納得いかないなら2周目に入ってもいいんですよ?」

当時の3年生T「何やと?」

憩「ただし、その場合はこちらも少しだけ本気を出させてもらいます」 ゴゴゴゴゴ
42 : ◆vFDbVfLays5L [saga sage]:2018/02/09(金) 21:43:20.89 ID:6OG+KHLDO
………現在………


部員Q「結果は荒川派の圧勝…いや、荒川の圧勝だった」

部員Q「その荒川のあまりの強さに相手方の平和派はもちろん、立会人を務めた中立派の面々まで震え上がった…」

部員Q「しかし同時に別の大きな印象を部全体に与えることになった、それは…」

荒川は口先だけのヤツじゃない
荒川がいれば三箇牧麻雀部は全国に行けるんじゃないか

部員Q「というものである」
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