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機動戦士ガンダム――ν World――【安価スレ】
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226 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/08(月) 21:50:47.78 ID:YFjmUP+b0
「チッ。当たり前だろうが増援か。数は?」
MSを潜伏させていたなら、近くに本隊がいるはずだ。
即座に提示された広域レーダーには、赤い点が4つ記されている。
「メイガス一機とガサラン三機…。まさか正規軍…?」
それはない、と頭では否定する。
目的地の情勢からして、そこに戦力を割くことはあり得ないからだ。
――何にしても、まずは敵をどうにかしないとな。
「ディア。舌を噛みたくなかったら喋らないようにな」
口を押さえ、ディアはコクコク、と頷く。
「さて…ガンダムの力、見せてやるよ!」
『時雨』を敵機の方向に乱射しながら、『トラップ・シューター』を三発放つ。
それは、山岳地帯の通路目掛けて飛んで行った。
227 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/08(月) 21:51:31.34 ID:YFjmUP+b0
『隊長!ビーム兵器による弾幕です!』
装備しているシールドを構え、ガサランは岩陰から様子を窺う。
『問題ない。この程度なら、狙撃する余裕がある』
隊長から見て、右方向へと移動する戦車型MS。
『誰かは知らんが、部下の命を奪った報い、受けてもらうぞ』
冷静に着弾時間を予測して、射撃。
『…終わりだ。帰投する』
ロングビームライフルを背部に装着、背を向ける。
ユーラシア大陸最強の、必中アウトレンジ攻撃は、確実に砲塔を吹き飛ばした――。
228 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/08(月) 21:52:46.15 ID:YFjmUP+b0
――かのように見えた。
「当たるかよ!」
直撃の一秒前、アルは『ニュートン』を一瞬だけ最大稼働、機体を浮かせた。
当然、テールに当たるはずだったビームは地面に直撃する。
レーダーに反応が残っていることに気付いた四機は、慌てたように走って来る。
――残念、そこはもう使えないぜ。
先陣を切ったメイガスが、トラップ弾に触れる。
瞬間、メイガスの上半身が消し飛んだ。
『隊長ォ!』
『何をされた!?アイツは弾を撃ってなかったはず…』
『反重力システムを作動させろ!囲んで墜とす!』
『了か…』
『…はぁ!?』
我先に、と反重力システムを作動させた前衛の二機は、通路上部を飛び出たところで爆発した。
一機は胴体部分、もう一機は右上半身が爆発し、ガサランのパイロットは当然絶命。
姿なき凶弾に斃れた二人を見て、目を見開くパイロット。
『何だよアイツ…。データベース照合…。アン…ノウン…!?』
パイロットの顔が恐怖で染まる。
モニターに映されている戦車型MSは、データベースに存在しない機体だった。
――どこの新型だよ、クソッタレ。
ガサランは反重力システムを作動し、後退する。
しかし、それをアルが許す筈もなかった。
「チェックメイト」
アルは『トラップ・シューター』の発射速度を最大に上げ、精密狙撃を行った。
気付いた頃にはもう遅く、パイロットは死を目前にしていた。
そして、怒りを込めた言葉を放つ。
「許さねえ。隊長も仲間も殺したお前は、絶対に許さねえ」
「俺が死のうと、家族がお前を恨むからな。一生…!」
針のような隙間を縫うその狙撃は、コックピットを抉り、墜とした。
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/08(月) 21:53:30.61 ID:YFjmUP+b0
「…もういいぞ。ディア」
「…ぷはー!死ぬかと思いましたわ…」
胸を押さえて、息を整えるディアをよそに、アルは思索に耽っていた。
――どうして、こんな僻地に正規軍が配属されているのか。
ニードレットは文字通り、国から見捨てられた土地だ。
障碍者ばかりが集められ、大した統治も行われていない。
ほんの僅かな、労働が出来る障碍者によって、何とか生き永らえているほどだ。
「まあ、見てみたら分かるか」
「何がです?」
「内緒」
「むぅ〜…。秘密ばかりでずるいです…」
愚痴るディアを横目で見ながら、アルは速度を上げた。
230 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/08(月) 21:54:39.52 ID:YFjmUP+b0
様々な障碍者の隔離施設『ニードレット』。
その付近にテールを停め、迷彩用のシートを被せて、二人は降り立った。
街道らしき場所には、無数の人々が横たわり、呻いている。
「うぐ…。キッツい臭いだな」
「臭いですわ…。ただただ臭いだけですわ…」
普通の悪臭に混じって、腐乱臭を感じる。
死体の処理すらままならないのだろう。
障碍者といっても、色々な種類がある。
先天的な場合や、後天的な場合。
肉体的な場合や、精神的な場合。
事故などによって起きている場合や、薬品や酒などで起きている場合。
数え上げたらキリがない。
ともかく、ここにいる人が殆ど障碍者ならば。
まともに街が機能しているわけがない。
「うぅ…。どうして、こんな場所に来たんですの…?」
「言っただろ?俺は自由に旅をする。どこに行こうと、俺の勝手さ」
「むぅ〜…」
鼻を押さえながら、アルは周囲を一瞥する。
ところどころに、白い防護服に身を包んだ人がいる。
そして、数人の障碍者を運んで行くのだ。
――ここで何かしている、のか?軍が主導して。
そう考えれば、先ほどMSが配備されていたのも納得出来る。
外部から人が来るのを拒むためだったのだろう。
何をしているのかは予想出来ないが、どうせろくでもないことだ、とアルは判断する。
――こんなところに長居したら駄目だな。戻ろう。
そして、ディアを抱えてテールを目指し、走った。
231 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/08(月) 21:55:52.23 ID:YFjmUP+b0
「…鼻、付いてますわよね?」
「ああ。バッチリと」
「摘まないでくださいませぇ…」
グニグニと鼻を左右に揺らし、アルは満足して手を離す。
――さて…。ここにいるのがマズいなら、どこに行くかな。
アルの思考を読み取ったように、提示された世界地図。
そこには、推奨されている都市が記載されていた。
世界に点在する都市の数は僅か15個。
災害によって陸地が消えた今現在、これ以上増えることは無いとまで言われている。
今回推奨されている都市はたった一つ。
テールの好意に、アルは甘えることにした。
232 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/08(月) 21:58:13.41 ID:YFjmUP+b0
あれー…?一つだけage進行になってるなぁ。…まあいっか。都市の設定に入ります。直下に、目指す都市の位置する大陸をお願いします。
233 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/08(月) 21:58:36.27 ID:DgutGnjG0
南北アメリカ
234 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/08(月) 22:01:39.32 ID:YFjmUP+b0
アメリーカですね。分かりました。次に都市の特徴を↓3まで、名前を↓4で募集します。
235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/08(月) 22:03:00.29 ID:x+5NBEuRO
点在する都市の中でも五本指に入る程には栄えている
236 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/08(月) 22:04:30.26 ID:QDTdCT4Z0
とりあえずデカくて力が正義。カジノもあるよ
237 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/01/08(月) 22:09:44.90 ID:7KqoxSaV0
性犯罪者とかも多いから、よそ者は特に隙を見せないように注意な
名前だったら、遙かな過去の偉大な大統領にあやかって「J」の一文字
238 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/08(月) 22:13:34.62 ID:czE2/ZHf0
ニュージュエラー
239 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/08(月) 22:21:04.34 ID:6rXUrTp/0
>>237
”とか”に要注意ですね、分かります
240 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/08(月) 22:33:04.62 ID:YFjmUP+b0
今回、テールが推奨した都市は『ニュージュエラー』。
意訳すると『新たな富豪の集う街』とでもなるのだろうか。
『ニュージュエラー』は、世界でトップクラスに栄えている巨大な街だ。
しかし、栄えている反面闇も大きく、『力こそ正義』という考え方が蔓延している。
その弊害か、性犯罪者等が非常に多い――。
――特に、ならず者やそれを統括するギャングが。
でかでかと建てられたカジノが特徴的だが、治安は当然悪い。
「次に向かう都市では、俺から離れるなよ。レイプされても責任は取れん」
「は、はい」
アルはディアへと忠告するが、当の本人は理解出来ていないような顔をしている。
――まったく、これだから箱入り娘は困る。
心の中で愚痴を零しながら、アルは記憶を辿る。
――地図の通りなら、『ニュージュエラー』は故郷の近くだな。もう更地になってるが。
既にこの世にいない両親のことを思い出し、アルは感傷に浸っていた。
241 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/08(月) 22:34:12.55 ID:YFjmUP+b0
『ニュージュエラー』に向けて機体を動かしている中で、アルはラジオを起動させる。
『どうもー!皆元気にしてるかい?こんな世の中でこそ、ハッピ』
『君たちの愛したガルマは死んだ!何故』
『大佐!邪魔です!』
『俺が、俺たちがガンダムだ!』
『この瞬間を待っていたんだ!』
『続いてのニュースです。昨夜未明、ユーラシア大陸に存在するエニシ家の屋敷が、突如謎のMSに襲撃されました。犠牲者は最低でも20名。ディア嬢以外のエニシ家血縁者は全員、死亡したとの報告です』
「…何だ今のニュース」
おそるおそる後ろを覗いてみると、呆然としているディアが見えた。
「嘘…嘘よ…。たしかにクズだったけど、殺されることなんてなかったはずよ…!」
クズな時点で死ぬには充分なのではないか、と言おうとするアルだが、自重した。
『MSの詳細は不明ですが、『ガンダムタイプ』であったことは間違いないそうです。どう思いますか、トユミ・キミノ先生』
『『Life or Death』に参加する機体だと思いますよ僕は。浴びたいんでしょうね。注目を』
『Life or Death』。
アルは風のうわさで聞いただけだが、都市を代表する『ガンダム』同士の殺し合いで、何をしても許される、ルール無用なのがルールのイカれた大会である。
優勝都市には、全世界の生産食料の7割が譲渡される、まさに都市の存亡を懸けた大会なのだ。
ラジオを切り、嗚咽するディアを優しく抱きしめる。
「今は泣けるだけ泣け。整理する前に一度、吐き出した方がいいぞ」
「っはいっ…。ひうぅ…。あぁぁん…」
泣き疲れて眠りに付くまで、アルは背中をなで続けた。
242 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/08(月) 22:35:04.62 ID:YFjmUP+b0
「すぅ…すぅ…」
静かになったコックピットに、ディアの寝息が響き渡る。
黙々と、目的地目指して操縦桿を操作するアルに、操縦桿の主は問い掛ける。
【質問。アルはどうするつもりなのですか?】
今では聞き慣れた合成音声。
女性的だが、機械らしさが混じっているそれは、頭によく残る。
「『Life or Death』のことか?テールがガンダムである以上、俺たちも参加しないといけないんだろうな」
数秒の間をおいて、音声が響く。
【同意。都市と契約していないとはいえ、ガンダムならば参加する義務が生じるのでしょう】
「ガンダムを辞めることは出来ないのかな?」
アルの問いに、今度は即座に反応してきた。
【否定。ガンダムには皆、人格が搭載されています。ガンダムを辞めるということは即ち、私が死ぬのと同義です】
「…なら嫌だね。寂しいのはごめんだ」
テールとの付き合いは長い。
いつも支えてくれる友と、アルは離れたくないのだ。
それを伝えたかっただけで、他意は無い。
【――――】
突然、コックピット内にノイズが響く。
「ど、どうした!?壊れたのか!?」
【――大丈夫です。各部動作、異常無し。修理の必要性もありません】
「そ、そうか…。ならいいんだけど…」
テールの中枢部は、僅かに温度が上昇していた。
そしてそれは、ほんの僅かな機体性能の上昇へと繋がった。
初めて起きた人格の異常。
それは、ただの異常なのだろうか。
それとも、一つの変革の序章なのだろうか。
『ガンダム』に意思がある理由は、そこに隠れているのかもしれない。
243 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/08(月) 22:36:00.52 ID:YFjmUP+b0
昨日未明 某都市外
「ファントム。システム起動」
【…承知いたしました。どうか、無理をなさらぬよう】
「問題ない」
キュインッ、と特徴的な起動音が鳴り、メインカメラに赤い光が灯る。
ファントムはバーニアを吹かし、ドーム状の防壁に突撃する。
両腕をクロスさせ、防壁を突破。
そして、バーニアを最大稼働。
街の中心に居座る、ワイルドハント目掛けて飛翔した。
「滅べ」
こちらに向けてガトリングを構えるより速く、レイベルは『ペネトレイター』を展開、メインカメラとコックピットを、容赦なく蜂の巣にする。
だらり、と垂れ下がった腕を斬り落とし、ミサイルポッドとガトリング砲を引き剥がす。
それを、一切の躊躇なしに屋敷に向けて発射した。
244 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/08(月) 22:36:55.27 ID:YFjmUP+b0
ミサイルポッドで半壊した屋敷を、ガトリング砲で追撃する。
普通の機体であれば、反動で腕が損傷するが、ガンダムタイプには関係ない。
特に、近接戦を中心としたファントムは、フレームの耐久性が異次元のレベルにある。
屋敷が倒壊してもなお、銃弾が尽きるまで撃ち続ける。
まるで、憎悪が消えはしないことを表しているように。
カキッカキッ、と弾切れを示す音が聞こえる。
ようやく、レイベルはトリガーを引くことを止め、空になったガトリング砲を乱暴に、屋敷跡へと投げ捨てる。
「ファントム。脱出経路は?」
【既に分析済みです。どうぞ】
「了解。離脱する」
モニターに映される指示に従い、機体を操縦する。
――これだけじゃ足りない。全員をこの手で抹殺する。
自分を地獄に追いやった家族が憎い。
関係ない人でも、自分に同じ血が流れていると思うと苛立ちが止まらない。
――僕の終焉は、エニシ家を根絶やした後に。
245 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/08(月) 22:38:18.33 ID:YFjmUP+b0
ズキン、と頭部に痛みが生じ、蹲る。
『クロノス・オルタナティブ・システム(COS)』。
クロノスは、様々なものを司る神だ。
農耕や大地の神。
そして、時の神。
このシステム名を訳すとしたら、『時の代わりとなるシステム』だろうか。
意味合いとしては、『時間を掛けて到達すべき場所に、無理矢理到達するシステム』となる。
このシステムが、到達するのに費やすべき時を肩代わりするため、搭乗者を強制的に、人類の限界へと引き上げることが出来るのだ。
その代償は、自らの命。
命を供物とし、仮初の力を授かる悪魔のシステム。
それが、クロノス・オルタナティブ・システムである。
呼吸を荒らげながらも冷静に、異常なまでに冷静に、レイベルは言葉を漏らす。
――肉体さえ無ければ、この痛みにも、無駄な疲労にも縛られることはないのかな。
モニターへと向けられたその目は、哀しいほどに冷たく、透き通っていた。
246 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/08(月) 22:45:12.92 ID:YFjmUP+b0
以上で第二話終了です。もっと量を増やしていきたいけど上手くいかぬ…。脚本家の凄さがよく分かる。
第三話ですが、ガンダムとの戦闘になる可能性があります。なので、ガンダムとパイロットの安価を取るかもしれないです。
次回予告とかを投下したい感があるのですが、そこまで思いつかない貧弱な脳。ギレン兄貴の頭脳は欲しい。よこせ(脅迫)。
次は来週とかになるかもしれません。では諸君、サラダバー!
247 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/08(月) 22:47:48.76 ID:czE2/ZHf0
乙おつ
向かう先にレイベルくんがいるなら、貞操が心配になるな…
248 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/08(月) 23:09:35.28 ID:IwdbdUY30
お疲れ様ぁ
249 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/08(月) 23:19:22.26 ID:QDTdCT4Z0
乙!
境遇は虚しく、話は重く。そんなレイベル氏の印象
しかし、そうであろうと、次回も楽しみにさせてもらいます!
250 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/08(月) 23:27:43.78 ID:lAK9/eND0
アルさんとテールの戦闘、実にクールで手慣れてる感じが格好良かったです……!!
251 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 04:18:11.29 ID:IOvpopdn0
しかし、テールがここを勧めたのはどういう意図からなのかねぇ?
他の所がここより酷いから?それともお嬢さんの社会勉強?
いや、単に近かったからって可能性もあるか?
252 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 10:22:19.54 ID:jOavXYHC0
>>251
他の都市はここよりもっとひどいって可能性も…
253 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/13(土) 15:54:28.86 ID:AavjQyEI0
>>247
、レイベルくんはまだユーラシア大陸にいるので、掘られることも掘ることもありませんよ。…ないよね?(心配)
>>249
、レイベルはまだ、刹那とかよりもライトな環境で生きてます。刹那が飛びぬけてハードモード過ぎるだけとも言えますが。
>>251
、意図はまだ言えないですが、エニシ家の位置がキーポイントと言っておきます。他の都市は…たぶん世紀末(適当)。
皆さんのコメント、物語を考える上で参考やネタになったり、モチベになったりしてます。ありがとうございます!
今日中に第三話は完成しそうなので、投下は明日になると思います。あと、皆さんに報告することとお手伝いをしていただきたく…。
『ニュージュエラー』に到着した後、行動安価を取ります。幾つか候補は用意してますが、自由安価ですのでその時はお好きなようにどうぞ。
それとガンダム戦ですが、確定であります。なので、早いうちに安価を取っておこうと思います。
ガンダムの設計コンセプトを↓3までで募集します。コンマ最高値のレスを採用です。
254 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 16:05:47.90 ID:VVs0lxfG0
サムス(メトロイド)
255 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 16:09:05.17 ID:rghBd1qq0
ジョイメカキャラ風
256 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 16:09:24.21 ID:Wn/kAj+60
地上走破用の大型機
257 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/13(土) 16:13:40.10 ID:AavjQyEI0
サムス…。片腕を武器にしているって認識でいいのかなぁ。
腕のメインウェポンを↓3までで募集です。サムスのキャノン砲を使いたい人は性質をお願いします。最低値採用です。
258 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 16:15:58.85 ID:qDxjiy9rO
レールガン
259 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 16:17:24.34 ID:xxZ+63ka0
ウェイブビーム
260 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 16:20:38.83 ID:QvbYIzzu0
これは正直アリか分からないけど 「ハイパービーム」
モーフボムとかその辺は無いのかね?
261 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/13(土) 16:24:37.59 ID:WNbf6Wh4O
>>260
、出来る限り、原作とかの効果は再現しますが、無理な場合はグレードダウンさせます。
次にサブウェポンです。↓5まで募集で、コンマの高い順に3つ採用します。
262 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/01/13(土) 16:25:29.27 ID:TpwldS3V0
ウェイブwww
物質透過とか大概チートだよなwww
263 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 16:28:45.91 ID:5eFx5wXK0
目からビーム
264 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 16:28:54.86 ID:qDxjiy9rO
クラスター爆弾
265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 16:31:06.88 ID:46Y/NayFo
フラッシュバン
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 16:32:38.23 ID:TpwldS3V0
おっと失礼。スーパーミサイルで
267 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 16:33:45.45 ID:VVs0lxfG0
グラップリングビーム
268 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/13(土) 16:58:21.24 ID:WNbf6Wh4O
嫌がらせ特化な機体感。次に名前ですね。↓3まで募集で、最高値を採用します。
269 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 17:01:56.18 ID:2NFo39er0
バウィアンタ
270 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 17:04:55.37 ID:qDxjiy9rO
キュクロープス
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 17:08:39.95 ID:tQTYgava0
サムサラン
272 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 18:15:13.87 ID:jOavXYHC0
実際にサムスっぽいガンダムがいたら結構かっこよさそうだよな
273 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/13(土) 18:32:41.60 ID:WNbf6Wh4O
>>272
、スマートな見た目だし、腕からビームとか撃つのは映えますからねぇ。
更新遅れて申し訳ない…。次はシステム判定です。直下コンマが5以上で搭載されてます。
274 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 18:33:28.61 ID:46Y/NayFo
な
275 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/13(土) 18:35:55.11 ID:WNbf6Wh4O
残念ながら未搭載のようですね…。次は搭載人格です。↓3まで募集で、最低値を採用します。パイロットの設定はしばらく後に行います。
276 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 18:40:55.61 ID:5eFx5wXK0
陽気な兄ちゃん
277 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 18:47:05.17 ID:4aaWNcSEO
怖いもの知らずな子供
278 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 18:47:22.86 ID:DW8gGDOl0
冷静な成人女性
279 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/13(土) 21:12:37.31 ID:WNbf6Wh4O
ようやく落ち着いたので、設定に入ります。
先ほど設定したガンダムのパイロットの特徴を↓3まで募集、その中でコンマが最高値のレスを採用します。
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 21:25:31.94 ID:jOavXYHC0
年齢サバ読みの妖艶な女性
281 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 21:31:29.91 ID:UBmcnLrsO
任侠味溢れる日本人
282 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 21:32:57.17 ID:46Y/NayFo
メカクレしょうしょ
283 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/13(土) 21:36:51.00 ID:WNbf6Wh4O
女性パイロットですか。嫌がらせしてくるとかご褒美では?(年齢から目を逸らしながら)
次は名前です。これも↓3まで募集、最低値を採用です。
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 21:41:06.59 ID:T04Jy3Ap0
アルテマイラ
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 21:50:56.93 ID:ZW+R0KIpO
ハンティス・ナイティ
286 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 21:51:12.58 ID:zo6uJdd8O
ハリティ・ラントス
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 21:51:31.29 ID:UBmcnLrsO
エリッサ・バヨミー
288 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/13(土) 21:56:59.95 ID:WNbf6Wh4O
名前的に、アラブ方面からの移民なんでしょうか。最後に戦闘力です。直下コンマで決定します。
289 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 21:59:51.11 ID:jOavXYHC0
ほい
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 22:00:26.96 ID:jOavXYHC0
しまった弱い
291 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/13(土) 22:01:30.92 ID:WNbf6Wh4O
ゾロ目で首の皮一枚繋がりましたね…。再度直下コンマ判定です。半分の値(小数点以下切り上げ)を加算します。
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 22:02:25.93 ID:T04Jy3Ap0
は
293 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/13(土) 22:05:38.45 ID:WNbf6Wh4O
弱い…。目安としては、最初期のイオク様くらいです。一般兵が5となっております。勝ったな(確信)。
明日に開始出来たらします。お疲れ様でした。
294 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 22:08:38.58 ID:jOavXYHC0
乙
楽しみにしてるよ
295 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 22:09:12.35 ID:CD3KOAel0
乗り遅れたぜ!このビッグウェーブ(安価)に!
お疲れ様。楽しみにしてますわね。
296 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/14(日) 10:37:49.43 ID:FR9fX9q70
乙!
まーここはガンダム世界だからな。他の版権の作品を活躍させようとしても、難しいところはあるんだろうな
297 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/14(日) 12:51:02.09 ID:+BnbfYjK0
年増に厚化粧(機体)ってか ※実際スゴイシツレイな発言
298 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 00:18:32.53 ID:a4drbmTh0
すみません…。ちょっと今日投下は無理です…。機体とパイロットまとめを書いておきます…。すまぬぅ…。
パイロット
【名前】ハリティ・ラントス
【性別】女
【年齢】ハリティさんじゅうななさい(28)
【外見】アラブ系の妖艶な女性。お好きなイメージでどうぞ。
【戦闘力】弱い。どうしてパイロットになったの?
【来歴】
大富豪の親父によって、強制的にパイロットにさせられた不遇な人。この世界の親はだいたいクズ。悲しいね。
本人は乗り気ではないし腕も良くないので当然、パイロットであることに不満マックス状態。サムサランちゃんが唯一の癒し。
他人と関わることが殆ど無かったため、本音を語り合える相手が欲しい今日この頃。妖艶な見た目に反し、意外とお茶目。
ガンダム
【名前】サムサラン
【外見】メトロイドのサムス。カラーリングも同じだが、顔はしっかりとガンダムってる。
【搭載人格】怖いもの知らずの無邪気な子供
【メインウェポン】腕部物質透過型ビーム・電撃弾投射砲『マウジャ&ケラウノス』
【サブウェポン】
・ツインアイ内蔵型小口径ビーム砲『カルナ』
・小型クラスター爆弾『グラウンド・ブレイカー』×8
・攪乱用閃光手榴弾『ブリッツ』×6
【来歴】
ハリティさんの親父が、とある技術者を脅迫して造らせた『ガンダム』。搭載人格はボクっ娘。萌え上がるガンダム。
遮蔽物無視ビームやクラスター爆弾、目からビーム、フラッシュバンと、搦め手ばっかり。
ビームの性質は威力を持ったγ線のようなもの。物質をすり抜けて襲ってくるが、威力は低い。人体への影響はアカンで。
厳密には、荷電重金属粒子を大量にγ崩壊させ、圧縮して放っている。物理法則的に大丈夫なのかは知りません(投げやり)。
電撃弾は比較的に安定して使え、機械のショートを起こして優位に立つための装備。機体はガラクタ、パイロットは黒焦げになってもらう!
299 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/15(月) 00:28:55.97 ID:wMQAOB2/0
乙でした!またいつかよろしく〜!
300 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 22:29:23.23 ID:YYlUTvbS0
よっしゃ!投稿出来るくらいには完成しましたで!ってなわけで今から始めます!
301 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 22:31:06.85 ID:YYlUTvbS0
機動戦士ガンダムLoD 第三話
――その邂逅は開戦の狼煙――
302 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 22:32:18.14 ID:YYlUTvbS0
目的地の『ニュージュエラー』は、南アメリカ大陸に存在している。
アルの現在位置は旧ゴビ砂漠。
かつては礫が転がっていた砂漠は、岩肌が露出している部分と土が露出している部分に分かれ、昔の姿が嘘のようにも思える。
「…で、指示通りに進んでるんだが、この先にあるのって…アレ、だよな…?」
モニターにポップアップしたのは、輸送機のデータ。
テール一機を載せるのが限界の、元旅客機である。
災害によって、殆どの戦力が喪失した。
戦艦や戦闘機といった設備に格納するのが困難な物がその多くを占めており、比較的多く格納出来るMSは、半分以上が失われてもなお現役であった。
喪失した分を取り戻すべく、世界で実行された苦肉の策が、民間企業等で使われていた物を改造、再利用することであった――。
――新たに資源を採掘する余裕など、持ち合わせている筈も無かったので仕方のないことではあるのだが。
閑話休題。
アルが疑問に思っているのは『どうして、輸送機がある基地へ向かっているのか』だ。
補給自体は、幾つか存在する都市でも行える――。
――『ガンダム』の基本的な燃料は現行のMSと変わらないが、変換効率が桁違いな上、動力システムの理論が根本的に違う。
そのため、時間を掛けても辿り着くことは可能である――。
――どちらにせよ、輸送機を利用するのに変わりはないが、民間の物でも事足りる。
303 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 22:33:10.34 ID:YYlUTvbS0
【返答。『Life or Death』の開催を控えている以上、『ガンダム』の保護は優先されると考えたまでです】
「…つまり、『ガンダム』であるテールを軍が放置するわけがないから、そこに付け込んで輸送してもらおう、と」
人間みたいな考え方をするなぁ、とアルは関心を抱く。
弱みに付け込んだり、強みを徹底的に利用するのは、人間の十八番だ。
それを、機械に搭載された人格(もしくはAI)が、当たり前のように行っている。
そんな高度なプログラムを組み立てた、開発者の顔が見たくなったアルであった。
ピピッ、とMSを認識した音が鳴り、アルは視線をレーダーに向ける。
「…レーダーに反応。アイアン・トマホークが二機か。武装は解除しているようだな」
念のために狙撃用のスコープを下ろしておき、いつでも対応出来るように備える。
こちらの姿を確認したアイアン・トマホークは、光通信を行った。
「『我に攻撃の意思無し。同行願う』か。従った方がいいかな?」
アルはテールの意見を聞こうと、発言を促す。
すると、モニターには『従っても問題ない』という旨を記した文章が映される。
「…了解」
テールに従うのはともかく、赤の他人に従うのに嫌悪感を抱くアルだった。
304 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 22:35:39.59 ID:YYlUTvbS0
『初めまして。貴方が『ガンダム』のパイロットなのですね。お若いのに立派なことで』
「…立派じゃない。選んだのは俺の意志だが、テールと出会ったのは偶然だしな」
アルがテールと出会うまでに、沢山の命が消えた、消えすぎた。
故に、出会えたことを嬉しく思えても、自分が凄い存在だとは、立派だとは思えなかった。
その犠牲が無ければ、アルがパイロットになることは無かっただろうから。
そのことを理解しているから。
声色から何かを感じ取ったのか、責任者と思われる女性は、話を変えるために切り込む。
『…つかぬ事を訊きますが、貴方の目的はこの基地の襲撃ではないでしょう?』
こちらの指示に従ったのだから、と女性は付け加える。
「…まあ、な。『ニュージュエラー』まで輸送してもらいたいんだが」
『構いませんが、無償ですることは出来ません。何分、燃料も貴重なので』
――当然か。メリットが無けりゃあ、動かないよな。
予想していた言葉を聞き、眉をひそめる。
こちらが提示出来るメリットは『ガンダム』の技術しかない。
どうしたものか、とリニアシートに身体を預ける。
305 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 22:36:45.88 ID:YYlUTvbS0
どうするか悩んでいると、モニターに別のウインドウが展開される。
【提案。情報収集をさせるのはどうでしょうか?】
ふむ、とアルは腕を組む。
『ガンダム』の情報を保有しているのは『ガンダム』だけだ。
世界で利用されているデータベースと『ガンダム』が利用しているデータベースは別物で、テールら『ガンダム』のデータベースには、他の『ガンダム』の情報も保管されている。
逆に言えば、世界で利用されているデータベースに『ガンダム』の情報は存在しないのだ――。
――厳密には一部が存在しており、補充する必要がある武装のみがそれに当たる。
また、ガサランに搭載されている廉価版反重力システムは『ニュートン』を模倣したものであるが、『ニュートン』自身の情報は一切利用されていない――。
――直接見た科学者が自力で同じようなシステムを作ったものなので、厳密には模倣ではなく再現の方が正しいのだろうが、廉価版のため、悪いイメージがある模倣という表現を使った。
閑話休題(二回目)。
つまり、相手側に情報を手渡すのではなく、相手側を動かせることで情報を渡すのだ。
送られるデータよりも、自力で入手したデータの方が信頼性は高いだろう。
アルは、これ以上に有効的な代案を思いつかなかったため、テールの提案を採用する。
「…じゃあ、この『ガンダム』の調査をしていい、と言ったら?」
ピクリ、と女性の身体が動く。
「悪い話じゃないと思うぜ?都市で情報は集められてるだろうが、色々な『ガンダム』の情報が取れれば、それだけ他の奴らからイニシアティブが取れる」
『………』
女性が黙った。
そして、どこかに電話を掛けた後に返答する。
『…分かりました。輸送機の格納庫を開けてますので、移動をお願いします』
「交渉成立、だな」
『ああ、忘れていました。あなたの名前を教えていただけますか?』
「ん?俺はアルファルド。『アルファルド・スターリット』だ」
『スターリット…』
思い当たる節があるのか、意味あり気にアルの名を女性は呟く。
これ以上話す必要も無いのでアルは通信を切断し、静寂が広がったコックピット内で、アルは嬉し気に右手を握りしめた。
306 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 22:37:53.87 ID:YYlUTvbS0
『周囲に反応無し。発進の許可、出ました』
『了解。離陸を開始します。屋外の従業員は速やかに退避してください』
けたたましいサイレンが鳴り、地面に設置された滑走路灯に光が灯る。
管制塔の指示に従い、輸送機はエンジンの稼働率を上げる。
『3、2、1。発進、どうぞ』
そして、強烈なGが掛かる。
「ぐぅ…。こんな中で寝ていられるとか、お嬢様は流石だねぇ…」
しかめっ面のまま、独り言ちるアル。
その言葉は、誰にも聞かれることは無く。
テールがスリープモードに入ったためモニターも消え、コックピットは暗闇に包まれる。
念のためにハッチをロックし、そのまま眠りに付いた。
新たな街で何が待っているのか、心の底から楽しみにしながら。
307 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 22:38:39.12 ID:YYlUTvbS0
「スターリット…。聞いたことがある名ですね」
離陸から四時間後。
技術班から送られてきた書類に目を通しながら、女性は別のことで思考していた。
気になってしょうがない女性は、殉職者リストをチェックし、抽出を行う。
「…あった。やはり、軍人でしたか」
PC画面には、まだ年若い男女が映し出されている。
死亡時期は災害と一致しており、それぞれの殉職地は遠く離れていた。
「どちらも機体はワイルドハント…。皮肉ですね。名も知らぬ誰かを守るために、侵略者である機体を使ったなど」
殉職理由の欄に記載されているものに目を通して、苦笑する女性であった。
「…装甲の材質は今と変わっていないのですか。意外」
「しかし、武装が一癖も二癖もありますね。特に、主砲が特殊です」
トラップ・シューターの弾を解析するが、弾自体はただの榴弾だった――。
――榴弾と言っても、炸薬量が多く爆弾のようなものだったが。
しかし、主砲の機構が異常過ぎた。
異常過ぎるおかげで、主砲のデータを取ることが出来ないほどに。
「『ガンダム』…。どうして、過去の遺物にこのような技術が…」
開発者の意図が読めない女性は、諦めたように書類を机に置いた。
308 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 22:39:43.74 ID:YYlUTvbS0
更に三時間後。
ようやく、アルらは『ニュージュエラー』へと到着した。
「っはぁ〜!活気付いてるなぁ!こんな大きな都市に来たのは初めてだぜ!」
格納庫に運ばれたテールとは通信機を使ってやり取り出来る。
なので、心置きなく街に出ることが出来た。
――あの人たちは信用出来る。契約を反故にしなかった上に、補給もしてくれたからな。
コックピット内にずっといたことで、凝り固まった身体を伸ばして解しながらアルは思う――。
――補給したのは『Life or Death』に関わる機体だからに過ぎないのだが、その意図をアルは知らない。
「ディア。ぜーったいに、俺から離れるなよ?」
「…はい」
未だに落ち込んでいるディアだが、仕方がない、とアルも納得していた。
忌み嫌っていたとはいえ、父が、家族が死んだのだ。
一朝一夕で切り替えることは容易ではないことなど、アルも理解している。
「…まあ、俺はこの街に来たかっただけだし?ディアの好きにしていいぜ?」
「アルに一任します」
――せっかく気を遣ったのに…。だが、文句は言えねぇわな。
賑やかな大通りを見物しながら、アルはこれからの行動を考えた。
309 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 22:40:16.99 ID:YYlUTvbS0
行動安価です。↓2でお願いします。
1:やっぱこれだね、ニュジュエのカジノ。
2:腹が減っては戦は出来ぬ。飯にしようぞ。
3:基地とか見学したい…したくない…?
4:レディがいるならお買い物っしょ!
5:面白そうだしスラムに突撃あるのみ!
6:自由安価でごぜーますよ!番号を書かないでも大丈夫ですよ!
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/15(月) 22:47:49.44 ID:xwMW2E990
2
311 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/15(月) 22:48:30.03 ID:3kVmWjeQ0
4
312 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 23:17:33.22 ID:YYlUTvbS0
これからも落ち込んでもらっては困る、とアルはお嬢様の機嫌を直すことにした。
――ディアだって女だし、興味がないわけじゃないだろ。
「じゃあ、買い物でもするか。レーションを買うためにスーパー寄って、後は服とかアクセサリーとか…」
「………」
ピクリ、とディアが反応したのを、アルは見逃さなかった。
「偶には、同乗者さんを労わないとな?ってわけで、俺の奢りだ」
「いえ、私の方がお金を持ってますし…」
「拒否権は無し。断るんなら、旅はこれでおしまいだ」
「…分かりました」
渋々、といった感じで了承したディア。
その心は、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
対するアルは、女性が好きな物なんか分かるわけがないので、頭を悩ませていた。
313 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 23:18:23.11 ID:YYlUTvbS0
「飯はこんなもんだろ。次は、お嬢様の欲しいものを買う番だ。どこに行く?」
袋いっぱいに保存食を買い溜め、片手で持ちながらアルは問う。
「えっと…」
ディアは顎に手を当てて黙考した後おそるおそる、といった感じで口を開く。
「…差し出がましいようですが、服を色々と見たいですね」
「了解。では、参りましょうか。お嬢様」
その態度が気に障ったのか、不機嫌な顔をする。
「もう…。すぐに茶化すんですから…。…でも、ありがとうございます」
最後の呟きだけは、喧騒の中に溶けていった。
――どういたしまして。
それに応えたアルの呟きも、同じく消える。
314 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 23:19:31.04 ID:YYlUTvbS0
チンピラを片手間にあしらいながら、ブティックに辿り着いたアル一行。
到着した頃には、ディアも笑顔を浮かべていた。
「わぁ…!」
様々な装飾が施された服に、目を輝かせるディア。
「あー…。奢りとは言ったが、あまり高いのは勘弁な?俺が死ぬ」
「大丈夫ですわ。その辺りは弁えていますので」
「ならいいが…」
ウキウキしているのが一目で分かるほど、今のディアははしゃいでいる。
完全に、とはいかないがそれでも、充分なほどに精神状態は回復したようだ。
今回の行動が功を奏したことを嬉しく思ったアルだった。
315 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 23:21:14.58 ID:YYlUTvbS0
「…ん。分かった。今から戻る」
「っし。ディア、帰るぞ」
「分かりました」
沢山の荷物を抱えて、テールの元に戻ろうと踵を返す。
「んぶ!?」
「あら、ごめんなさい」
すると、女性にぶつかってしまった――。
――正確には、その女性の胸に。
「んー!んー!」
「ごめんなさいね。急に体が固まっちゃって」
すかさず女性はアルの頭を抱え込んで、胸から離さない。
ジタバタするアルを見て、ディアは怨嗟の声を漏らす。
「…私だって、それなりにはありますのよ…。アレですか?大きい方がいいのですか?大人の方が好きなのですか?」
言葉の割にオーラはどす黒いわけではなく、ぷんすか!という擬音が似合っていそうなディアを見て、楽しそうに女性は手を離す。
「ボーイフレンドをからかってごめんなさい。お嬢ちゃん」
「ボ、ボーイフ…!?」
「ないない。散々働かされてるんだぜ、俺」
慌てるディアと、冷静に否定するアル。
その対比がツボに嵌ったのか、女性は腹を抱えて笑う。
「あはははは!面白いわねぇ!あなたたち」
「…うん。ようやく決心が付いたわ。私も頑張らないと。…死にたくないし、殺したくないもの」
最後に小さく呟き、女性は去っていった。
その顔はどこか、哀しくも見えた。
「…何だったんだ」
「…ボーイフレンド…。アルが…?無…くはないですが…でも…」
「呟いてないで行くぞ」
ブツブツ、と呟くディアを片手で背負い、アルは歩いていく。
テールからの連絡に、内心頭を抱えながら。
316 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 23:22:16.98 ID:YYlUTvbS0
「はぁ…。どうして距離を取らないといけないかねぇ」
機体に戻り、最高速度で『ニュージュエラー』から離れる。
何となくだが分かる、これから始まることに警戒しながら。
【理由。都市から出てくる『ガンダム』たちへの対処のためです】
待機中にテールは、突然発信された電波を受信した。
その内容が、これから戦闘が始まる、とのことだったので至急、アルたちを呼び戻したのだ。
「そういえば、他の『ガンダム』の情報を見てないな。どれどれ…」
アルはデータベースにアクセスし、ガンダムパイロットの欄を確認する。
色々な人が映されていく中、見知った顔が表れた。
「…アル、この人って…」
「パイロットだったのか。…ってことは、これから戦り合うのは…!」
そう言うと同時に都市の防壁が開放されて、中から数機のMSが出てきた。
悪趣味な金色塗装のMSが三機。
そして『ガンダム』。
「護衛付きとか卑怯だなぁオイ…!」
『ごめんなさい。だけど、ルールに則ってるから…。そう文句は言わないでほしいわね』
「だよなぁ!」
『ガンダム』間連絡用回線でされた返答wp、アルは声を荒らげながらも肯定する。
実際、護衛機を付けてないアルが悪くもある――。
――彼のような風来坊に同行する人など、普通はいるわけがないのだが。
『Life or Death』は今、幕を開けた。
317 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 23:27:44.82 ID:YYlUTvbS0
直下コンマ判定です。ファンブルさえ起こさなければ大丈夫…なはず。
1:ファンブル。不味いですよ!
2〜4:失敗。大丈夫だ、問題ない。
5〜7:成功。ナカナカヤルジャナイ
8、9:クリティカル。次回判定時に補正+。
0:BGM【TRANS AM RAISER】
00:BGM【明鏡止水〜されどこの掌は烈火の如く】
318 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/15(月) 23:28:23.94 ID:FV1bzBJF0
あ
319 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/15(月) 23:28:48.34 ID:usqvDgumO
てい
320 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/15(月) 23:29:10.40 ID:32B3sbXj0
Oh…
321 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 23:40:13.62 ID:YYlUTvbS0
世界に生中継されているこの戦闘だが、大会というには味気ない。
実況がいるわけでも、解説がいるわけでもない――。
――色々なものの生き残りを懸けた戦いなので、華々しさなど不要なのだ。
あるのは、一定範囲を囲んだビームのバリアだけである。
「まずはこっちからだ」
遠距離から時雨を連射する。
ビームであるそれは、離れていても威力が高い。
ましてや、軽装甲の機体相手なら尚更だ。
『正確な射撃ね…。でも、これだけ離れていたら回避出来るわ』
『私が先頭に立ちます。姉さんとリアンは援護をお願い』
『ああ』
『わ、分かりました』
一機のウィルスタードを前衛に、その後ろに三機が並び、陣形を作る。
後衛はウィルスタード二機に挟まれ、サムサランが中央にいる形だ。
『…大丈夫。あれだけ頑張ったんだもの。訓練したんだもの。皆と一緒なら、大丈夫』
右腕のビーム砲に、粒子を充填する。
【ボクたちならやれるよ!ささ、張り切って行ってみよー!】
『…ええ。そうね…!』
そして、それをテールに向け、放った。
322 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 23:55:13.92 ID:YYlUTvbS0
【警告。サムサランがビームを発射して来ました。回避を】
「ああ!」
射撃を止め、砲塔を向けたまま下部のキャタピラを横に動かし、加速。
直後に、藍色のビームが先ほどいた場所を通り抜けた。
「おぉう…。実物はやっぱり違うな…」
ビームは障害物をすり抜け、遥か彼方の岩山に当たる前に霧散した。
「ってオイ。人体への影響は凄いんじゃなかったか」
モニターにポップアップする調査書。
そこには、霧散後はイオン化するので問題ない、と書かれていた。
「重金属イオンとか洒落にならねぇよ!」
問題ない?なわけ。
環境破壊がマッハですよマッハ。
「一発でも受けるわけにゃあいかねぇな…。当たったら死ぬ」
サムサランの挙動一つ一つを、アルは注意深く観察する。
【外れたね。じゃあ、一気に突っ込もう!】
『…それはダメね。いつトラップを仕込まれてるか分からない』
アルらが情報を見ているように、ハリティたちも情報を確認している。
そのため、テールの厄介さを知っている。
『この武器もあまり使いたくはないし…。どうしたものかしら…』
最善策が思い浮かばず、少し焦りを覚えたハリティたち。
その焦りは吉と出るか、凶と出るか。
323 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/15(月) 23:55:59.67 ID:YYlUTvbS0
直下コンマ判定です。条件は先ほどと同じです。
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/15(月) 23:57:14.29 ID:xNVZT+u30
や
325 :
◆Ljj.rtZBFM
[saga]:2018/01/16(火) 00:02:34.41 ID:UcDcJIiE0
『当たれ!』
前衛のウィルスタードが、岩を遮蔽物に利用しながら接近してくる。
スナイパーライフルでの狙撃を織り交ぜての移動は、かなりの脅威になるだろう――。
――あくまで、一般兵を相手にした場合、だが。
気にも留めていないようにひらりひらり、と躱すアル。
追撃に発射したミサイルも、砲塔を向けて放たれた、ビームマシンガンとフィン・ファンネル(待機形態)に悉くを撃ち落とされる。
――まずは一つ。
迫り来るミサイルも、ライフルも、冷静にアルは対処していく。
『くっ…!接近すれば…!』
一発も当たらないのに痺れを切らした一人が、陣形から突出する。
『ダメ!前に出ないで!』
ハリティの制止も虚しく、護衛機はビーム・ナギナタを展開、急加速する。
「…前に出てくるから。だから死ぬんだ」
アルはフィン・ファンネルを二基射出、残りの六基を開口し、護衛機へと向ける。
――残念だがあんたは、もう逃げられない。
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