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ミリP「よし、千早と初詣に行くぞ!」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:34:47.71 ID:IkrkuFooo
美咲「あ、プロデューサーさん! えへへへ、明けましておめでとうございます!」
P「明けましておめでとうございます、青羽さん。今年もよろしくお願いします」
美咲「はい、よろしくお願いします! それで早速なんですけど……。
じゃーんっ! 社長さんからお年玉を預かってます!」
P「本当ですか! おお、すごい! こんなにたくさん……!」
美咲「普段がんばってくれてるから、って言ってましたよ!」
P「あはは、ありがたいですね。あとで社長にお礼を言っておかないと。
青羽さんも、ありがとうございます」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1515065687
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:35:40.22 ID:IkrkuFooo
美咲「いえいえ、私は預かったものをお渡ししただけですから!」
P「あ、そうだ。ところで青羽さん、千早はもう事務所には来てますか?」
美咲「千早ちゃんですか? はい、少し前に来て、今はレッスンルームだと思いますよ」
P「そうですか、ありがとうございます!
それじゃ、ちょっと千早のところに行ってきますね!」
美咲「あっ、はい! いってらっしゃーい」
美咲(プロデューサーさん、千早ちゃんとお仕事の話かなぁ?
レッスンのあとは確かオフって言ってたけど……お正月から仕事熱心だなぁ。
私も頑張らなきゃ!)
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:38:17.49 ID:IkrkuFooo
・
・
・
劇場、廊下
P「……」
P(いよいよだ……遂にこの時がやってきたぞ! 念願の、千早と初詣に行く時が!
担当アイドルと一緒に初詣に行くのが俺の夢だったんだ!
そして千早の隣で、神様にお願いするんだ……。
『俺の願いはいいから、千早の願いを二倍叶えてください』ってな……!)
P「ふふふ……そのためにスケジュールはばっちり調節したし、
単純計算で少なくとも180回は初詣に行くチャンスがあるはず。
まぁ、180回も使わなくても普通に誘えば行けるだろうけど……」
P(っと、独り言が過ぎたな。いかんいかん。
さて、もうすぐレッスンルームに……)
P「……ん? あれは……」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:42:13.17 ID:IkrkuFooo
エミリー「日本の冬も寒いですが、ジュニオールさんは暖かそうですね!」
星梨花「えへへっ、そうなんです!
ジュニオールは雪の中でも元気いっぱいなんですよ!」
P「エミリーと星梨花か……。この寒い中、外で何をしているんだ?」
星梨花「こーやってぎゅーって抱きついたら、とってもふかふかなんです!」
エミリー「Wow! とっても気持ちよさそうです!」
星梨花「えへへっ。もし良かったらエミリーちゃんも……」
P「おーい、二人ともそんなところで何をしてるんだ?」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:43:30.37 ID:IkrkuFooo
エミリー「仕掛け人さま! 明けましておめでとうございます!」
星梨花「明けましておめでとうございます、プロデューサーさん!」
P「ああ、明けましておめでとう。それより、外に居たら寒くないか?
ジュニオールも一緒に中に入った方がいいと思うけど……」
星梨花「いえ、平気です! ジュニオールはとっても暖かいですから。
今から私とエミリーちゃんで、ジュニオールにぎゅーってしようとしてたんです!」
エミリー「えっ? わ、私もいいんですか?」
星梨花「もちろんです! ジュニオールはふかふかで気持ちいいって、
エミリーちゃんにも知って貰いたいですから! ジュニオールも喜んでくれます!」
エミリー「そ、そうですか? でしたら……ジュニオールさん、失礼しますね」ギュッ
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:44:31.53 ID:IkrkuFooo
エミリー「ふぁぁ……ふかふかでしゅ……」
P「おお……これは確かに気持ち良さそうだ……」
星梨花「良かったらプロデューサーさんもどうですか?
とっても気持ちいいですよ!」
P「え? いやでも俺は今から千早と……」
エミリー「ふかふかでしゅ……極楽でしゅぅ……」
P「……ごくり……」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:45:13.43 ID:IkrkuFooo
・
・
・
P「……」
P(くっ……! なんてことだ、俺としたことが小一時間も
ジュニオールのふかふかを堪能してしまった……!)
P「千早のレッスンはもう終わってるよな……。
じゃあ今はどこに……」
奈緒「あっ、プロデューサーさんや!」
P「! 奈緒じゃないか……って、どうしたんだその格好」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:46:06.28 ID:IkrkuFooo
奈緒「えへへっ、似合ってるやろ?
せっかくのお正月やから、着物着てみたんです!」
P「わざわざか? すごいな、大変だったんじゃないか?」
奈緒「そーなんです! もうメッチャ大変で!
でも、こうしてプロデューサーさんに会えたんやったら、
大変な思いした甲斐もあったかもなぁ」
P「うん? それはどういう……」
奈緒「プロデューサーさん、今から初詣行きましょう!
そのあとは屋台の食べ歩きや!」
P「え!? い、いや俺は千早と……」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:47:29.16 ID:IkrkuFooo
・
・
・
奈緒「とりゃあーっ!!」ガランガランガラン
奈緒「よっしゃ! メッチャ音鳴ったし、神様も気づいてくれたはずやんな♪」
P(結局一緒に来てしまった……)
奈緒「もっと鳴らしたいけど、今日はこのぐらいにしとこ。
今年もいいコトたくさんありますように!」
P(でもまぁ……アイドルが楽しそうな顔をしてるんだ。
それだけでもよしとしないとな)
P「……って、『今日はこのぐらいに』?」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:49:12.66 ID:IkrkuFooo
奈緒「ふー、メッチャお願いしてもうたわー。
お待たせしました、プロデューサーさん!」
P「いや、それはいいんだけど。奈緒、お前もしかして明日も……」
奈緒「さ、次は屋台や! 行くでプロデューサーさん!」
P「えっ、お、おい奈緒! そんな格好で走ったら危ないぞ!」
奈緒「ほんならプロデューサーさんが私のことエスコートしたってや♪ なーんてな!
あっ、あそこ、たこ焼きや! お好み焼きもある!」
P「こら奈緒、待てって! おーい!」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:49:54.62 ID:IkrkuFooo
・
・
・
P「……」
P(なんやかんやでめちゃくちゃ楽しんでしまった……。
本当の目的は千早との初詣だったはずなのに……)
P「くそっ、とにかく千早を探さないと!
しかしレッスンはとっくに終わってるし、一度控え室に戻って……」
響「あっ、プロデューサー! はいさーい!」
P「響!?」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:50:56.83 ID:IkrkuFooo
響「あけましておめでとう、プロデューサー! 今年もよろしくね!」
P「あ、あぁよろしくな」
響「それにしても、すごく良いタイミングだぞ!
自分、ちょうどプロデューサーを探してたんだ!」
P「え? お、俺をか?」
P(嫌な予感しかしない……!)
響「ねぇプロデューサー! 今から水族館に行こうよ!
お正月キャンペーンで、今行くと色々いいことがあるんだ!」
P「す、水族館!? いや、俺は千早と初詣に……!」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:51:45.79 ID:IkrkuFooo
・
・
・
響「見て見て、プロデューサー! この子、人懐っこくてめちゃくちゃカワイイぞ!」
P(結局断れずに来てしまった……)
響「自分のこと、すっごく見てくるんだけど……もしかして劇場に遊びに来たいのか!?
よーしよし、いつでもおいで〜、クマ作っ!」
P「いや、劇場にシロクマを呼ぶわけには……って、もう名前をつけたのか」
響「もちろんさー! 仲良くなった動物は名前で呼んであげたいしね!」
P「そうか。まぁ、響に友達ができたみたいで良かったよ」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:53:12.74 ID:IkrkuFooo
響「ちょっとー! その言い方だと、自分に友達が居ないみたいでしょ!」
P「あはは、ごめんごめん。それよりほら、他の水槽は回らなくていいのか?」
響「もちろん回るさー! 自分、今日は全部の生き物に名前を付けるんだ!
プロデューサーも手伝ってよね!」
P「えっ、俺もか?」
響「うん! 自分の友達はプロデューサーの友達だからね!」
P「そ、そうか。よし、じゃあがんばって名前考えないとな!」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:53:58.83 ID:IkrkuFooo
・
・
・
P「……」
P(普通に楽しんでしまった……こんなことしてる場合じゃないのに……。
まずいぞ。このままじゃ日が暮れてしまう)
P「夜に参拝に行くのは良くないって言うし、
流石にそろそろ千早を見つけないと明日以降になってしまうぞ……」
P(……っていうか、千早はもう春香あたりと初詣行っちゃってる気も……)
P「い、いや、でも諦めないぞ! まだまだ……」
雪歩「ひうっ!? プ、プロデューサー……!」
P「雪歩!?」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:54:52.43 ID:IkrkuFooo
雪歩「び、びっくりしました。
独り言いってると思ったら、急に大声を出したから……」
P「あ、あぁ、すまない。後ろに居たなんて全然気付かなくて……。
どうしたんだ、何か俺に用事だったか?」
雪歩「あっ、はい。えっと、その……へ、変なことを言うかもしれないんですけど……。
プ、プロデューサーに、お願いがあるんです」
P「変なこと? よく分からないけど、何だ?」
雪歩「その、わ、私と、今から……ク、クリスマスパーティをしてくださいっ!」
P「え?」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:56:24.43 ID:IkrkuFooo
P「ク、クリスマス? えっと、でも今日は……」
雪歩「うぅ、やっぱり変ですよね……お正月にクリスマスパーティなんて……」
P「変というか……まあ普通はしないよな……。
しかし一体どうしてなんだ? 何か理由があるんだよな?」
雪歩「は、はい、あの……。今年の……あっ、もう去年ですけど……。
劇場でのクリスマスパーティの時、プロデューサーが居なかったから……」
P「ああ……あの時は事務所でずっと仕事してたんだよな確か」
P(まぁ千早のスケジュール調整のためなんだけど……)
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:57:40.24 ID:IkrkuFooo
雪歩「それで、プロデューサーはきっとクリスマス気分を全然味わえなかったと思うから……。
私とプロデューサーが両方オフの時に、
ちょっとでも、クリスマス気分を味わってもらいたいなって思って……。
そ、そしたら、お正月になっちゃって……」
P「そうだったのか……」
雪歩「でも……や、やっぱり迷惑ですよね……うぅ。
私なんかがそんな、プロデューサーに楽しい気分になってもらおうだなんて、
余計なお世話っていうか、おこがましいっていうか……。
ぐすっ、私、もう、もう……穴掘って埋まってますぅ〜!」
P「うわっ! ま、待て雪歩! そんなことはないぞ! すごく嬉しい!」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:58:17.82 ID:IkrkuFooo
雪歩「ぐすっ……ほ、本当ですか?」
P「ああ本当だとも! だから劇場の床に穴を掘るのはやめよう!
そんなことより、クリスマスパーティの準備だ!」
雪歩「プロデューサー……はい!
でも実はもう準備してて……あとは私がサンタさんの格好をすれば完成なんですぅ」
P「そ、そうか。じゃあ会場まで案内してくれ。そこで雪歩の着替えを待つよ」
雪歩「えへへっ、わかりました! プロデューサー、今日は楽しんでくださいね!
クリスマスケーキと、特製のお茶でたっぷりおもてなししちゃいますぅ!」
P「ああ、ありがとうな、雪歩!」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 20:58:47.13 ID:IkrkuFooo
・
・
・
翌日
P(クリスマスパーティは普通に楽しかった……。楽しかったけど……)
P「き、今日こそリベンジだ。大丈夫、まだ元旦が終わっただけ。
今日も千早のスケジュールに十分空きはあるし、
初詣に誘うチャンスはまだまだ残っているはず……」
P(確かこの時間も千早はレッスンだったよな。
よし、今からレッスンルームに……)
ジュリア「よっ、プロデューサー。あけましておめでとう」
P「ジュリア!?」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:00:49.62 ID:IkrkuFooo
ジュリア「あん? なんだよその反応。妖怪でも出たような顔しやがって」
P「い、いや、すまん。そんなつもりはなかったんだがつい驚いて……」
ジュリア「ふーん……? ま、いいや。それより、ちょうど良かったよ。
あんたを探してたところなんだ」
P「え? お、俺を? どうしたんだ? すぐ終わる用事か?」
ジュリア「すぐ終わるかは分からないが、大事な話だよ。
今後のあたしの、アイドルとしての方向性でちょっと相談があってね」
P(めちゃくちゃ大事な話じゃないか! 絶対すぐ終わらないやつだこれ!)
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:04:01.28 ID:IkrkuFooo
・
・
・
ジュリア「ギターさえあれば、世界のすべてはあたしの足元にひざまずく……なんてな!」
P「……」
ジュリア「さあ、音楽の魔法で、みんなまとめてあたしの作った
最高の世界へ連れていくよ。……覚悟しな!」
P「……」
ジュリア「……どうだ、プロデューサー。こういう感じもいいんじゃないかって翼に言われてさ。
まぁひざまずくだとかそういうのはちょっとどうかと思うんだけど……」
P「なるほど……。いや、いいんじゃないか?
ジュリアのかっこいい部分が前面に押し出されて、悪くないと思うぞ」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:04:55.04 ID:IkrkuFooo
ジュリア「そ、そうかな?
実はあたしもさ、こういう方向性の方がいいんじゃないかって……」
P「ただ、この方向性で固定するつもりは俺にはないよ。
ジュリアは、もっと多くの可能性も持ったアイドルだと思うんだ」
ジュリア「! プロデューサー……」
P「さっきみたいなかっこいいのもジュリアだけど、
仲間のボケにツッこむコミカルな一面も持ってるだろ? それに、可愛らしさもな」
ジュリア「なっ……か、可愛いとか軽く言ってんじゃねぇよバカP!」
P「あはは、そうやって照れるところも、ジュリアの魅力の一つだよ」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:05:30.11 ID:IkrkuFooo
P「さっきチラッと言ってたけど、
ジュリアはこういう方向性で行きたいって思ってるんだよな?」
ジュリア「あ……あぁ、まぁな。これならなんていうか……結構やりやすいからさ」
P「でも、俺は、ジュリアには『やりやすさ』を理由に方向性を決めて欲しくないと思ってる。
だからさっき言ったコミカルさやキュートさも、
自分の一部分だと思って、アピールポイントに組み入れていって欲しいんだ。
どうだ、ジュリア。そういうやり方で、行ってくれるか?」
ジュリア「……ちぇっ、なんだよ。
からかってんのかと思えば、真剣な顔しちゃってさ。
そんな顔して言われたら、断れっこないだろ」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:08:00.40 ID:IkrkuFooo
P「おいおい、俺はいつだってプロデュースに関しては真剣なつもりだよ」
ジュリア「はッ……そうだな、あんたはそういう奴だ。
わかった、あんたがそう言うなら、そういうことにしといてやるよ。
コミカルもキュートも、あたしの一部なんだってな」
P「まぁでも、せっかく相談に来てくれたんだ。
次のライブは、今言ってくれた感じの演出にしてみよう」
ジュリア「おっ、いいねぇ!
よし、じゃあ早速その辺りを考えていこうぜプロデューサー!
あたしが信じて付いてくんだ。しっかり頼むぞ!」
P「ああ、もちろんだ!」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:08:36.81 ID:IkrkuFooo
・
・
・
P「……」
P(いや今のは仕方ない……。あれ真剣に応じないのはプロデューサー失格だし……。
千早のレッスンとっくに終わってても仕方ない……)
P「しかしどうする……。また千早を見失ってしまったぞ。
もうこうなったら電話をかけるしかないか……」
ピピピーピピピピ♪
P「ってうわあっ! な、なんてタイミングでかかってくるんだ! 一体誰……え?」
歩『プ、プロデューサー! ヘルプミー! 助けてー!』
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:09:27.92 ID:IkrkuFooo
・
・
・
歩『プロデューサー、本当にこっちでいいの!? 道あってる!?』
P「ああ、大丈夫だ。そのまま太陽に向かって歩いてれば森を抜けるよ」
歩『! な、なんか、今動いて……わぁっ!?
プロデューサー、ヘビ! ヘビがいるっ!』
P「ヘビ? その辺りに生息してるのはかなり小さいヘビのはずだけど。怖いのか?」
歩『い、いや、違うんだって!
怖いんじゃなくて、噛んだりしたら危ないだろって……わ、わーーーっ!!?』
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:10:18.75 ID:IkrkuFooo
・
・
・
歩『いやー、ほんっとゴメン! 頼れるのがプロデューサーしか居なくてさ!』
P「いや、頼ってくれるのはいいんだが、まさかロケ中に迷子になるとは……」
歩『だ、だってしょうがないだろ!
あんな木が多い森の中、そりゃあ逸れるって!
いつの間にか誰も居ないし、変な鳴き声は聞こえるし、めちゃくちゃ不安だったんだよ!』
P「だからって電話で何時間も道案内をさせられるとは思いも寄らなかったよ」
歩『うぅ〜、だから謝ってるじゃんかぁ!
そっちに戻ったら何か奢るからさ、ね! それで許してよ!』
P「まったく……。まぁ、何事もなくて良かったけどな」
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:11:13.16 ID:IkrkuFooo
P「改めて確認するけど、どこも怪我はしてないよな?」
歩『えっ? あ、あぁ、うん。それは大丈夫』
P「そうか。とにかく、今後はしっかりスタッフに付いていくこと。
今回は俺にすぐ連絡がついたけど、いつでも助けてやれるとは限らないんだから。
まあ、歩に付いていかなかった俺にも責任はあるけど……」
歩『い、いや、そんなことないって!
プロデューサーは千早のプロデューサーなんだから付いてこれなくてもしょうがない……
って、そうか、ごめん! もしかしてアタシ、仕事の邪魔しちゃってた!?』
P「いいや、俺も千早も今はオフだよ。だからそこは気にしなくていい。
それに、アイドルの安全が最優先だからな」
歩『プロデューサー……。あ、ありがとう。それじゃ、アタシもう切るね! また劇場で!』
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:12:08.12 ID:IkrkuFooo
・
・
・
P「……」
P(いやこれもしょうがない……。アイドルに何かあったら大変だし……)
P「し、しかしまずい、思った以上に時間を取られてしまった……。
もう日が暮れるまで時間がないぞ。
これを逃せばまた明日に持ち越しになってしまう……」
P(こうなればやっぱり千早に直接電話するしかないな。
えっと、千早の番号は……)
奈緒「あっ、プロデューサーさーん!」
P「え!?」
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:13:25.62 ID:IkrkuFooo
奈緒「もー、プロデューサーさんどこにおったんですか?
メッチャ探したんですよ!」
P「あ、あぁ、ちょっと歩と電話を……。
っていうか奈緒、どうして今日も着物を……?」
奈緒「えへへっ。せっかくやし、三が日はずっと着とこと思うて!
で、せっかくついでやから……プロデューサーさん!
今日も初詣行きましょう!」
P「ええっ!? 今日も初詣って、二回目じゃないか!
それはもう初詣とは……」
奈緒「細かいことはえぇからえぇから! ほな、行っくでー!」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:15:25.55 ID:IkrkuFooo
・
・
・
奈緒「ふー。今日もまたたくさんお祈りしてもうたわー」
P「そ、そうか。昨日と同じことをお願いしたのか?」
奈緒「はい! その方が叶う確率高いかなー思うて!
あっ、何お願いしたかは内緒ですよ! 人に喋ってしもたら叶わへんって言いますし!」
P「はは、大丈夫、無理に聞き出したりなんかしないって」
奈緒「ところでプロデューサーさんはお参りせーへんのですか?
昨日も今日も、見てただけでしたけど」
P「あ、あぁ、俺はいいよ」
奈緒「せっかくやし、何かお願いしたらえぇのに。
ま、プロデューサーさんがえぇならえぇか。
さて、この後はまた食べ歩きやでー! 行きましょ、プロデューサーさん♪」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:16:07.03 ID:IkrkuFooo
・
・
・
P「……」
P(結局また普通に楽しんでしまった……)
P「くっ……。なぜこんなことに……。
担当の千早と行かずになぜ奈緒と二回も……」
P(い、いや、まだ三が日が終わるまで一日ある。
明日行けばいいんだ、そう、明日行けば……。
明日は早起きして、レッスンが始まる前に千早に会いに行こう!)
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:17:05.75 ID:IkrkuFooo
・
・
・
翌朝
P(よし、今日はばっちり早起きしたぞ!
今から劇場に行けば、レッスン前に千早に会えるはずだ!)
P「誘うチャンスは今日の夕方まで……。
夕方以降からはもうずっと先までスケジュールが埋まってしまっている……。
だから夕方までには絶対に……ん?」
未来「……」
P「あれは……未来? あんなところで何をボーッと立ってるんだ……?」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:18:20.68 ID:IkrkuFooo
P「おーい、未来、どうしたんだ?」
未来「あっ、プロデューサーさん! あけましておめでとうございます!」
P「ああ、おめでとう。それで、何かあったのか?
そんなところで立ち止まって何を見て……」
未来「えへへっ、ちょっと懐かしい気持ちになっちゃってました」
P「これは……39プロジェクトのポスターか」
未来「はいっ! 何ヶ月か前には、アイドル募集のポスターもいっぱいあって……。
そう言えばここにも貼ってあったなって思ったら、
オーディションを受けに行くときの気持ちを思い出しちゃって」
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:19:28.33 ID:IkrkuFooo
未来「合格してアイドルになったら、きっと、
素敵なことがたくさん起こる気がするんだ、って……。
そうやって私、わくわくしてたんです」
P「そうか……。それで、素敵なことは起こったか?」
未来「はい! 初めてステージに立った時や、初めてセンターになった時……。
そのほかにもたくさん、たーっくさん!
アイドルになってから、素敵なことばっかりです!」
P「あはは、それは良かったよ」
未来「劇場のみんなに会えたことも、それに……プロデューサーさんに会えたことも。
私にとって、素敵なことです! でへへ〜♪」
P「ああ、俺もだ。アイドル達との日々は、素敵なことばっかりだ!
そう言えば未来と初めて会った時は……」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:20:07.71 ID:IkrkuFooo
・
・
・
P「……」
P(いや確かに素敵なことばっかりなんだけど……。
何をしているんだ俺は。レッスン前に間に合うよう劇場に行くんじゃなかったのか……)
P「くそっ、未来につられて思い出に浸ってしまっていた……。
千早は……今はレッスン中だよな。
ま、まぁいい、居場所は分かってるんだから、今からレッスンルームに行けば……」
環「あっ、おやぶーん!」
P「環!?」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:22:33.61 ID:IkrkuFooo
環「おやぶん、あけましておめでとーっ!」
P「あ、あぁ、おめでとう。それより環、その格好は……?」
環「レースクイーンの衣装だぞ!
すっごくカッコイイでしょ? くふふ……♪
たまきも、今からお仕事するから見てて!」
P「え? お仕事? レースクイーンの仕事なんて入ってなかったと思うけど……」
環「車のレースじゃないけど、マラソン大会の応援するんだ!
この近くでやってるんだって、美咲が言ってた!」
P「マラソン大会って……まさか、駅伝か!?」
環「環、走ってるみんなのこと一生懸命応援するぞ!
ね、おやぶんも一緒に行こ! レッツゴー!」
P「い、いや、俺は今から千早に……」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:23:40.23 ID:IkrkuFooo
・
・
・
環「みんなーがんばれー! フレー、フレー、みーんーなー!」
P(結局来てしまった……)
環「あっ、あの人すっごく苦しそうな顔してる!
がんばれー! がんばれー!」
P(……あはは。これじゃレースクイーンじゃなくてチアガールだな。
でも、選手達は環の応援を聞いて気合が入ってるようだ。
環も一生懸命でいい笑顔だし……これはこれでいいかもな)
環「ねぇおやぶん、応援するって楽しいね! あっ、もしかして、
たまき達のことを応援してくれてるファンのみんなもこんな気持ちなのかな?」
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:24:25.87 ID:IkrkuFooo
P「そうかもな。頑張ってる人は応援したくなるし、
アイドルをすごく頑張ってる環を応援するっていうのは、同じくらい楽しいことだと思うぞ」
環「そっか……じゃあたまき、これからもいーっぱい、アイドル頑張らないとだね!」
P「ああ、そういうことだ!」
環「あっ、でも応援するのも好きだから、たまき、またレースクイーンのお仕事やりたいぞ!
おやぶん、またこのお仕事させてくれる?」
P「あはは、だったら今度はチアガールか応援団の仕事でも取ってくるよ。
そうすればレースクイーンよりもいっぱい応援できるぞ」
環「本当!? わーい、ありがとうおやぶん! おやぶん大好き!」
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/04(木) 21:25:36.63 ID:IkrkuFooo
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P「……」
P(しょうがないだろこれも……。あんな無邪気な笑顔で来られたら……)
P「しかし……くそっ! また千早のレッスン時間を逃してしまった。
まさか駅伝があんなに長いとは……せっかく早起きしたのに時間が……!」
P(い、いや、大丈夫。大丈夫だ。今からでも千早に電話すれば……)
育「あっ、プロデューサーさん!」
P「育!?」
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