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【ゼノブレイド2】マルベーニ「こっちの翠玉色の方にしよう」ペカー
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 21:46:41.99 ID:LHbJa/9Ho
最終話 出逢い
〜 雲海探査船ウズシオ 〜
レックス(サルベージャーとなって早数年、突然舞い込んできた報酬20万Gもの大仕事)
レックス(しかもあのバーン会長直々の指名で、内容が未探査地域での雲海調査ってサルベージャー冥利に尽きるモンと来た)
レックス(金の大きさや仕事へのワクワク感、ようやく名が売れてきたってので、じっちゃんを振り切って喜び勇んだ訳だけど――)
ニア(サルベージャーばっかで落ち着かないなぁ……)
シン「…………」
ヒカリ「……フン」
レックス(うーん、何か変な感じなんだよなぁ、この依頼人のメンツ……)
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1514810801
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 21:49:28.06 ID:LHbJa/9Ho
ビャッコ「おや、どうなさいましたか、レックス様。何やら妙な顔をして」
レックス「あ、あぁ。何でもないよ、多分気のせい……かな」
ニア「ちょっとそんなんで大丈夫なの? ちゃんと仕事やってくれるんだろうね」
レックス「そこは任せろって。結構やるんだからさ、俺」
ニア「ホントかなぁ〜……」
ビャッコ「まぁまぁお嬢様。それよりヒカリ様の方を見ていましたが、彼女が何か?」
ニア「ま、最初に斬りかかられたしね。ビックリしたよ、あの時は」
レックス「いや……それもそうなんだけどさ。何だろう、何か気になるっていうか――」
ニア「となると……ははーん、やっぱ子供には刺激が強すぎるよねぇ〜、あのカッコ」
レックス「え? そ、そんなんじゃないって! っていうか子供って言うなっての!」
ニア「照れるな照れるな、しょうがないってあの谷間はさ〜」
レックス「たにっ……あ、あぁそうだ俺モネルさんに呼ばれてるから、じゃあな!」
ニア「あ、逃げた。……後でからかいに行ってやろ」
ビャッコ「お嬢様……」
ヒカリ(……サルベージャーね、何てくだらない連中)
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 21:54:31.95 ID:LHbJa/9Ho
〜 未探査地域 〜
古代船「ザパァァァ…」
ニア「うわぁ、おっきぃ……」
レックス「おぅ。どうだった、俺達の腕はさ」
ニア「見事な手際だった。中々やるじゃん」
レックス「へへ、だろ? 俺一人の力じゃないけど、それだって――」
ヒカリ「ちょっと、何2人でサボってんの? これから船内の調査なんだから、早く来る!」
ニア「わ、わかったよ! 相変わらずキッツイなぁ……」
ヒカリ「それからそこの青いの、あなたも一緒に来なさい」
レックス「え? 俺も?」
ニア「ちょ、何でこいつも――」
ヒカリ「シンの意思よ。良いから早くする!」スタスタ
ニア「ぐむむむ……」
ビャッコ「お嬢様、どうか冷静に……」
レックス「ま、まぁとりあえず行ってみようぜ。頼りにしてるからさ、ドライバーさん」
ニア「……ふんっ」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 21:56:50.23 ID:LHbJa/9Ho
〜 古代船 〜
ディブロ「グオォォォ!」
レックス「うわぁっ!?」ドガッ
ニア「レックス!」
ヒカリ「何よそ見してんの! ザンテツ!」
ザンテツ「あいよッ!」
シン「…………ッ」
ザシュッ ズバッ
ディブロ「グギャァァァァァ……!」ドサッ
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 21:57:40.91 ID:LHbJa/9Ho
ビャッコ「……ふぅ、ようやく倒したようですね」
レックス「いっててて……いきなり突っ込んでくるとか反則だろ」
ヒカリ「油断してるからそうなるのよ。それより……」
扉「――――――」
レックス「……随分でかい扉だな。こんなモンスターだらけの所でまだ閉まったままなのか」
ニア「かなり丈夫そうだからね。モンスターもぶち破れなかったんだ、きっと」
ヒカリ「……シン、これ」
シン「あぁ――アデルの紋章だ」
レックス(アデルの紋章……?)
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 21:59:47.64 ID:LHbJa/9Ho
ヒカリ「さ、開けて」
レックス「え?」
ヒカリ「え、じゃないわよ。何のためにあなたみたいな足手まといを連れてきたと思ってるの?」
シン「……この扉はお前達でないと開かん」
ヒカリ「そういう事。高いお金出してるんだから、早くして」
レックス「わ、わかったよ」
レックス(客だからって、何だかなぁ……)
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:03:31.63 ID:LHbJa/9Ho
ゴゴゴゴゴゴ……
レックス「よし、開いた――けど、何だここ……」
レックス「光ってて、台座みたいのと……」
黒モナド「――――――」
レックス「……剣? それとあそこにあるのは――」
メツ「――――――」
レックス「男……の子……?」
レックス「…………」
レックス(いや、どう見てもオッサンだろ。何言ってんだ俺……)
レックス(というか、それより)
黒モナド「――――――」ゴゴゴゴ
レックス(何だろうこの剣。凄く、引き込まれる――)
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:06:37.07 ID:LHbJa/9Ho
ニア「うわ、何あのイカツイ奴……」
ヒカリ「……天の聖杯よ、やっと見つけたわ」
ニア「天の、聖杯……?」
シン「…………」
レックス「――――」フラフラ
黒モナド「――――――」
ヒカリ「っ! ちょっと! それに触らないでッ!」
レックス「ッ!?」パキィン
シン「……ッ」シュバッ
ドスッ
レックス「っぐ……?」
ニア「え……?」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:09:13.62 ID:LHbJa/9Ho
シン「……せめてもの情けだ。この先の世界を見ずとも済むようにな」ズッ…
レックス「な、何で――あがっ……!」ドサッ
シン「…………」ブン
黒モナド「」バキャァン
ニア「あ、ぁ……っ」
ヒカリ「はぁ、まったく余計な手間を」
ニア「シン! 何でレックスを殺した!? シン!?」
シン「…………」スタスタ
ヒカリ「ニア、モノケロスを呼んで。天の聖杯を運び出すわよ」
ニア「…………ッ!」ギュッ
…………
……
…
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:11:46.35 ID:LHbJa/9Ho
〜 楽園? 〜
ゴーン……ゴーン……
レックス「……、……はっ」パチッ
レックス「あ、あれ。俺なんで寝て……ていうか、どこだ、ここ」
レックス「凄く綺麗な景色だけど――ん? 丘の上に、誰か居る……?」
レックス「……とりあえず、行ってみるか」スタスタ
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:13:59.80 ID:LHbJa/9Ho
ゴーン……ゴーン……
メツ「…………」
レックス「あ、あの……?」
メツ「――ウゼェ、音だ」
レックス「え?」
メツ「止まねぇんだ、ずっとな」
レックス「……この鐘の事? アーケディアでも近くに来てるのかな……」
レックス「なぁ、ここって一体……」
メツ「――楽園。昔々、神と人が共に暮らしていた場所――俺の故郷だ」
レックス「楽園……え、楽園!? こ、ここが!?」キョロキョロ
メツ「はっ、お上りさんかよ。みっともねぇ」
レックス「べ、別に良いだろ。こんなの誰でも――って」
レックス「その胸の……コアクリスタル? もしかしてあんた、ブレイド……?」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:17:09.19 ID:LHbJa/9Ho
メツ「――俺はメツ。小僧、レックスってんだろ」
レックス「……何で俺の名前を」
メツ「さっき俺に……ああメンドクセェ。とにかく死んだんだよお前は、シンの奴に胸を刺し貫かれてな」
レックス「え? シン、胸……?」
レックス(…………あ、あぁ。そうだ俺、あの時……!)
メツ「思い出したか」
レックス「あああああ、た、大変だ! このままじゃ商会の皆が――ぐえっ!」
メツ「死んだっつってんだろうが、落ち着け」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:20:21.69 ID:LHbJa/9Ho
レックス「げほ……く、くそぉ……! 俺は、俺は……!」
メツ「…………」
メツ「小僧――お前、楽園に行きてぇのか」
レックス「……何だよ、いきなり」
メツ「答えろ」
レックス「ま、まぁ、そりゃそうだろ。っていうか来てるだろ、今」
メツ「フン、ここは俺の記憶の世界だ。本物は小僧の世界、アルストの中心に立つ世界樹の上にある」
レックス「……幻って事か? そうか……いや、でも無理だよ。だって俺、もう……」
メツ「ま、だろうな……」
メツ「……死にたくなかったか、小僧」
レックス「……当たり前なこと、聞くなよ」
メツ「そうかい。なら――俺の命を半分やってもいいぜ」
レックス「え……い、命?」
メツ「そうだ。それでお前は天の聖杯のドライバーとして生き返り、世界樹へ登れる」
レックス「天の聖杯のドライバー……? それって」
メツ「生き返って俺と楽園を目指すか、それともこのままくたばって死ぬか。どっちか選べって言ってんだよ、メンドクセェ」
レックス「生き返る……楽園……」
レックス(…………)
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:25:51.61 ID:LHbJa/9Ho
レックス「……なぁ、メツって言ったか。ここは、あんたの故郷なんだよな?」
メツ「ああ」
レックス「本当に、ある……?」
メツ「無かったら、俺の頭にこんな景色はねぇだろうな」
メツ「まぁ、実際のここに何があるのかは俺も知らんが……この様子を見る限り、今のアルストよりは大分マシなんじゃねぇのか」
レックス「ここに来れば、アルストは救われるのか? 皆未来に怯えなくて、済む……?」
メツ「さぁな。或いは……かもしれねぇが」
レックス「……行ってみるまで分からないって事か。なら、答えは決まってる」
レックス「行きたくて、行ける力があるって言うなら、いいよ。行こう! 楽園へ!」
レックス「俺が、あんたと一緒に行ってやる!」
メツ「――フン。小僧如きが言いやがる」
メツ「なら、俺の胸に手を置け」
レックス「えぇ!? い、いいの……?」
レックス「…………」
レックス(いや、良いに決まってるだろ。何言ってるんだ、俺……)ピトッ
メツ「よし、吹き飛ばされんじゃあねぇぞ……!」
カッ!
レックス(な、何だこれ……すごい、力が――)
パァァァァァァァ……!
…………
……
…
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:30:54.62 ID:LHbJa/9Ho
〜 古代船 〜
メツ「…………」
ザンテツ(くっそ、重いなこの天の聖杯……)
ニア(……レックス……)トボトボ
ヒカリ「ニア、殺って」
ニア「……え?」
ヒカリ「探査船の連中。もう用済みだから、口封じ」
ニア「で、出来ないよ! あの人達、何も関係ないじゃないか!」
ヒカリ「関係ないって、あなたねぇ……」
ヒカリ「……はぁ、まぁいいわ。じゃあザンテツ、あなたが代わりに――」
メツ「――――――」ゴッ
ザンテツ「おぉ!? うおぉっ!?」ガシャァン
ヒカリ「ザンテツ!? これは……!」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:35:09.35 ID:LHbJa/9Ho
レックス「――ぉぉぉぉぉおおおおおああああァ!」ドカァン!
ニア「レックス!?」
シン「…………」
レックス「ぜーっ、ぜーっ……後ろから不意打ちとは卑怯じゃないか。それが大人のする事かよぉ!」
ヒカリ「くっ……あなた……!」
レックス「メツ! 行くぞ!」ダッ
メツ「チッ、小僧ごときが指図してんじゃねぇッ!」ダッ
シン「…………」チャキッ
ヒカリ「いい。私がやるから無理しないで」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:37:36.59 ID:LHbJa/9Ho
レックス「うおおおおおおお!」
ヒカリ「はぁっ!」ガキィン!
レックス「このっ……そこをどけぇっ!」
ヒカリ「無理! ったく、あのまま死んどけばよかったのに……悪いけど、もう一回死んで貰うからっ!」
ザンテツ「オラ、来いよ天の聖杯! テメェ無駄に重くてムカついてんだよオラァ!」
メツ「あぁ? 雑魚がイキってんじゃねぇよ!」
ガキィン! ガシャン! キン! ズガン!
ニア(ど、どうしよう……アタシ、アタシは……)
ビャッコ「お嬢様……」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:40:48.43 ID:LHbJa/9Ho
レックス「皆! 今のうちに逃げろ! 早く!!」
ウズシオ船員「レ、レックス? 何でやりあってんだ、あいつら」
ウズシオ船ノポン「よく分からないけどヤバイも! ガチのマジで殺し合ってるも! 逃げるも!」タタタタ
ヒカリ「だから口封じするんだってば! ザンテツ、武器!」バッ
ザンテツ「あいよ、受け取れ!」
メツ「小僧!」
レックス「ああ、やらせるかぁ!」ゴオッ
ヒカリ「くっ、ああもう、ほんと鬱陶しい――、ッ!」ハッ
黒モナド「斬」
レックス&メツ「モナドォ――バスタァァァァァ!!」
ドカァァァン……!
レックス「やったか!?」
メツ「……チッ、ダメだ躱しやがった」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:43:36.30 ID:LHbJa/9Ho
ヒカリ「まったく……危ないわ、ねッ!」ザン!
メツ「オラァ!」ガキィン!
ヒカリ「……寝起きにしては良い太刀筋じゃない。思い出すわ、500年前を」
メツ「ああ、俺もだよ。クソッタレが」
ヒカリ「でも――それだけね。肝心の【あの力】が全然なってない」
ヒカリ「というか、満足に使えないの? ……もしかして、自分で制限か何かをかけてる?」
メツ「…………」
レックス(500年前? あの力? 何の事だ……?)
ヒカリ「呆れた、そんなので私と戦おうっていうの? ちょっと舐めすぎ」
メツ「そうかい? どうやらお前も本調子じゃねぇみてぇじゃねぇか。なぁ、シン?」
シン「…………」ピク
ヒカリ「……ま、それは否定しないわ。でもね――今のあなたなら、それで十分よ」ダッ
メツ「チッ! 小僧、構え――」
ザンテツ「ヒャッハァ! 後ろがお留守だぜぇ!」ザシュッ!
メツ「ああくそ、メンドクセェ!!」ガキン!
レックス「メツ!?」
ヒカリ「よそ見しない!」
レックス「ぐ、うわぁ!?」ドカッ
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:45:51.53 ID:LHbJa/9Ho
ヒカリ「パートナーがこれだと大変ねぇ、メツ!」
メツ「言われてんぞ! ちったぁシャキッとしやがれ、小僧!」
レックス「そんな事言われても……! くそっ、まるで動きが読まれてるみたいで――ぐああッ!」ザシュッ
ヒカリ「貰った! バニッシュメント――」
ニア「――ビャッコ!!」
ビャッコ「承知! ワイルドロアアァァァッ!」ゴォ!
ヒカリ「きゃあ!? ニア、あなた……!」
ニア「ヒカリ、もうやめろよ! 相手は子供じゃないか!」
レックス「に、ニア……?」
ヒカリ「……本気で言ってるの? その子、既に天の聖杯のドライバーよ」
ニア「だとしてもさ、もっと他の方法がある筈だろ!?」
ヒカリ「はぁ……あなたって子は、本当に……」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:49:27.51 ID:LHbJa/9Ho
メツ「オラァ!」
ザンテツ「うおッ!?」ドカッ
メツ「小僧、ここは一旦退くぞ! 船の奴らはもう居ねぇんだろ!?」
レックス「あ、あぁ、多分!」
メツ「なら掴まっとけ! チャクラバースト!」
ヒカリ「させないわよ! モノケロス!」
モノケロス「――――――」ガシャン ガシャン
レックス「港に居た黒い船! こいつらのだったのか!」
メツ(クソッ、エーテルがまだ……ッ!)
ニア「だから、やめろぉ!」ガバッ
ビャッコ「盾よ!」パキーン
ドガガガガガガ……
ビャッコ「ぐ、うううぅぅぅ……!」
ニア「きゃああああああ!」パリーン
レックス「! ニアがッ!」ダッ
メツ「馬鹿野郎! 離れるんじゃねぇ!」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:52:17.62 ID:LHbJa/9Ho
レックス「おいっ、大丈夫かニア! ニア!?」ガシッ
ニア「……ぅ……」
レックス「くそ、気を失ってるのか! 起きてくれ、ニア!」
ヒカリ「なかなかしぶとかったわね、君。でもそれもここまでよ!」
モノケロス「――――――」ガシャン
レックス「ぐ……!」
ドガン! ドガン! ドガン!
ヒカリ「なっ!? モノケロスに砲撃!? 一体どこから……!」
レックス「あ、あれは……!」
じっちゃん「無事か、レックス!」ゴォォォォ
レックス「じ、じっちゃん!?」
シン「セイリュウ……」
ヒカリ「くっ、こんな時に……!」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:55:02.40 ID:LHbJa/9Ho
じっちゃん(あれは――シン。それに、ヒカリか!)
じっちゃん「ええい、どうなってるのかは分からんが――とにかくレックス! 早く乗るんじゃ!」
メツ「おい! そこの虎!」ガバッ
ビャッコ「承知!」ダッ
メツ「小僧! 掴まれぇぇぇ!」
レックス「お、おう!」ガシッ
じっちゃん「よし! 全員、落ちるなよ!」バサァッ
ヒカリ「逃がさない! モノケロス、撃ち続けて!」
ドガガガガガガ……
じっちゃん「ぐ、ぬぅぅぅぅ!」ゴォォォォ
ヒカリ「効いてる! 船首回して、主砲用意――」
シン「無駄だ、もう射程外だ」
ヒカリ「……逃げ切ったっていうの? この私達から」
シン「そのようだな」
ヒカリ「……ッ」ギリィッ
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 22:56:12.35 ID:LHbJa/9Ho
ヒカリ「……ごめんなさい。私のせいだわ、すぐに追う」
シン「いや、いい。目覚めたのならばそれで十分だ。あとはヨシツネに探らせる」スタスタ
ヒカリ「…………」
ヒカリ「……そういう、事なら――」
……………………
…………
……
…
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 23:18:23.33 ID:LHbJa/9Ho
レックス(これが、俺と天の聖杯、メツとの出逢いだった)
レックス(正直、何がなんだか分からない散々な始まりだったけど……今となってはとても大切な思い出だって、自信を持って言える)
レックス(いや、それだけじゃない。グーラ、インヴィディア、スペルビア……これから先、俺達は色んな場所を冒険して、色々なことを経験した)
レックス(どれもみんな、決して忘れる事はない。目を閉じれば、全てが色鮮やかに思い出せる――)
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 23:20:09.24 ID:LHbJa/9Ho
〜〜〜〜
レックス『う、うぅ……』パチ
メツ『――よぉ、やっと起きたか。小僧』
レックス『……うひゃああああああああ!?』ガバーッ
メツ『フン、もう少し起きるのが遅けりゃ、頭を踏み潰してる所だったぜ』
レックス『ぶ、物騒な事言うなぁ……』
レックス《目を開けたら、いきなりこいつの足裏と股間が見えて超ビックリした――って》
レックス『違う、そんな事言ってる場合じゃない! じっちゃんは!? ニアとビャッコは!?』
メツ『さぁな。ここに来るまでアチコチに相当ぶち当たったからなぁ、途中で振り落とされたんだろ』
レックス『振り落とされた……な、なら探さなきゃ! 行こう、メツ!』ダッ
メツ『おい待て! 一人で……チッ、これだからガキは!』ダッ
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 23:26:53.60 ID:LHbJa/9Ho
〜〜〜〜
〜 トラの隠れ家・ニア救出前 〜
メツ『で、どうすんだ。ニアを助け出すんだろ?』ムシャムシャ
レックス『ああ、でもどこに捕まってるのかサッパリ分からないよ……』モグモグ
トラ『うーん、なら街で聞き込みか何かしなくちゃダメも?』パクパク
レックス『やっぱそれしか無いかぁ……でもそうなると、メツが目立つよなぁ』モグモグ
メツ『ま、こんな色のコアクリスタルなんて、他にねぇからな』ムシャムシャ
トラ『なら、これ着るも? フード被れば、胸元までぜ〜んぶ隠れるも!』パクパク
メツ『……こんな猫耳付いたの着れってのか。俺に……?』ムシャムシャ
レックス『ぷ、っくく……似合うと思うぜ〜? 着てみろよ、メツゥ〜』モグモグ
メツ『小僧、てめぇ……!』ピキピキ
トラ『う〜ん、でも他にメツが着られるサイズのもの無いも?』パクパク
メツ『……チッ! 胸元まで隠れりゃ良いんだ、だったらこうすりゃいいだろ!』ブチブチ
トラ『あぁ〜! フードの部分千切っちゃダメも〜〜〜!!』
レックス『乱暴だなぁ、全く』モグモグ
メツ『……よし。ちぃと見栄えは悪いが、これでいいだろ。お前らもいつまでも飯食ってねぇで行くぞ!』バサッ
トラ『ももも……あれが出来たら、コスプレさせようと思ってたのに……』
レックス『こす……? まぁ後でお詫びはするからさ、今は行こうぜ。トラ!』
トラ『は〜いも〜……』トコトコ
レックス『にしても、侘しい飯だったなぁ……』
トラ『オトコばっかりだし、そこはしょうがないも……』
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 23:29:59.56 ID:LHbJa/9Ho
〜〜〜〜
トラ『では、目覚めるも! 人工ブレイ――』
メツ『おい、ちょっと待て』
トラ『も、も? 何だも?』
メツ『人工ブレイド、ってぇだけじゃ、あんまりにも味気無さ過ぎやしねぇか』
メツ『決めてやれよ。お前の名付けた、こいつだけの名前をよ』
トラ『そうかも……?』
レックス『……何だよ。俺の事は名前で呼ばないくせに』ボソッ
メツ『あん? どうした小僧。何か言ったか小僧。聞こえねぇぞ小僧。不満顔だな小僧。おい小僧』
レックス『俺あんたのそういう所すっげぇ嫌い!!』
ヤイノヤイノ
トラ《二人共、仲良しで羨ましいも〜。トラも、ハナとそういう関係になれるかも……?》
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 23:33:28.58 ID:LHbJa/9Ho
〜〜〜〜
〜 樹梢の小径 〜
レックス『お、重い……!』ギリギリ
メツ『おいおい随分と貧弱だなぁ最近のサルベージャー様は、人一人引き上げられなくてやってけんのかよ。ええ?』
トラ『でも、どうするも? 上がれなくっちゃ、ニアって子を助けに行けないも』
ハナ『それならハナに任せますも。ゴンザレスだって引き上げられますも』スルスル
メツ『ほぅ、やるな。どっかの貧弱サルベージャー様に見習わせたいくらいだぜ、なぁ?』
レックス『く、くっそぉ〜……!』
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 23:35:16.90 ID:LHbJa/9Ho
〜〜〜〜
〜 スペルビア船・独房 〜
ニア『…………』
――『俺と共に、来い』――
ニア『……シン……』
ガタン
ニア『っ! 何だ? 外で何か物音が……』
ニア『……まさか、シン――』
オレダッテ! オレダッテ! オトナシクシロッテンダ! オレダッテ! ウワアアアアー! オレダッテ! オトナシクシロッテンダ! オレダッテ――
ニア《……いや違う、こんな手際が悪いのシンじゃない。だったら……》
バァン!
レックス『無事か、ニア!』
ビャッコ『お嬢様!』
ニア『ビャッコ! レックス!? アンタなんで……』
レックス『俺達を助けてくれたってのに、放ってはおけないだろ。助けられたら助け返せ、サルベージャーの心得その――いてぇ!』ゲシッ
メツ『お前のそれ長ぇんだよ、良いからさっさと行くぞ小僧』
トラ『そうだも! 早く脱出するも!』
ハナ『ですも。兵士がすぐにきちゃうですも』
ニア『メツ……それと、誰?』
ビャッコ『お嬢様の救出に協力してくださった方々です。ともかく、積もる話は後にして早く行きましょう』
レックス『あーもう、分かったよ! ほら、ニア』スッ
ニア『――……』
ニア『……う、うん』キュッ
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 23:38:26.05 ID:LHbJa/9Ho
〜〜〜〜
レックス『500年前に、アルス三つを沈めた……? メツが?』
メレフ『知らなかったのか? 全て歴史が語る真実だ』
メツ『フン……思い出したくもねぇ話だ』
レックス『……メツ……』
レックス『……分かったぞ。お前、メツを戦争の道具にする気だな!』
メレフ『野放しには出来ない、と言っている』
レックス『メツには行きたい所があるんだ……! その気持ちを、お前に閉じ込められてたまるかぁッ!』
メツ『小僧……』
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 23:42:11.18 ID:LHbJa/9Ho
〜〜〜〜
パチ パチ…
レックス『……綺麗だな、焚き火』
メツ『ああ……この揺らめきだけは、500年前から変わらねぇ』
パチ パチ…
レックス『へぇ……今も昔も、炎は同じって事か……』
メツ『ある意味では、どの大型アルスより年寄りだわなぁ。火ってなァ……』
レックス『そう考えると、凄いな。何か……』
メツ『ああ……』
パチ パチ…
レックス『…………』
メツ『…………』
パチ パチ…
ニューツ《ひ、火を点けたの、不味かったでありましょうか……》
ニア《気にすんなよ。時々ああなるんだ、あいつら》
ビャッコ《何とも渋い空気ですな……》
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 23:43:30.34 ID:fZUW+j9A0
くだらない
ノイズだらけじゃない
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 23:45:00.06 ID:LHbJa/9Ho
〜〜〜〜
〜 インヴィディア・ジェノバス大空洞 〜
ヴァンダム『オラオラどうしたぁ! それでも天の聖杯のドライバーかぁ!』
レックス『くっそぉ……! これならどうだぁ!』
メツ『待て、小僧! 力を送るのが追いつかねぇ……!!』
レックス『うおおおおおおおおお――って、あれ!?』プスン…
ヴァンダム『隙ありぃ!』グワァッ!
レックス『う、うわああああっ!?』ドサッ
ヴァンダム『……小僧、お前ドライバーになりたてだろう?』
レックス『え、あ、あぁ……』
ヴァンダム『ドライバーってのはな、独りよがりで戦っちゃいけねぇんだ』
ヴァンダム『ブレイドとは一心同体。共に戦い、守られ、時にはブレイドを守る。それがドライバーってもんだ』
レックス『……あんた、一体――』
メツ『はぁッ……はぁッ……!』ゼェゼェ
ユウ《全身タイツの筋肉が喘いでいる……》
ズオ《あらぁ〜》ドキドキ
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 23:49:36.01 ID:LHbJa/9Ho
〜〜〜〜
レックス『ほらメツ、こっち来いよ。傷の手当してやるからさ』
メツ『気色悪い事言ってんなよ、小僧。俺は天の聖杯だぜ、んなもん必要ねぇよ』
レックス『そんな事言うなよ。メレフの時の事で知ってるんだぜ、俺と同じ場所に傷ができるんだろ』
レックス『俺のせいで出来た傷なら、俺に診させてくれよ』
メツ『……チッ、包帯だけ貸せ。全部自分でやる』ヌギヌギ
レックス『えぇ……しょうがないな、それでいいよ。もう』
ヴァンダム『……あれ、いいのか?』チラ
ニア『……何がだよ。いや、そういうのじゃないし……』
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 23:54:08.93 ID:LHbJa/9Ho
〜〜〜〜
ドメニコ『つ、強え……!』
メツ『ハ、テメェが弱すぎんだよ。もうちっと勉強しろや』
ドメニコ『なんだと……、うっ!? そのコアクリスタル、まさか天の……う、うわあああああ!』ダダダダ
メツ『チッ、情けねぇったらねぇぜ、オイ』
レックス『……あの人、多分罪悪感とか持ってたよな』
じっちゃん『うむ……やはり世知辛いのぅ、戦争とは』
メツ『……フン。それよりアレを相手に引かねぇとはやるじゃねぇか。見どころあるぜ、お前』
イオン『う、うん。えへへ……』
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/01(月) 23:57:01.81 ID:LHbJa/9Ho
〜〜〜〜
〜 精神世界 〜
メツ『……ここは、お前が来ていい所じゃないぜ。ヒカリ』
ヒカリ『仲間外れにしないでよ。良くはなくても、私にもその資格はあるでしょう?』
メツ『フン……で、何のようだ。昔話をしに来たって訳じゃねぇんだろう?』
ヒカリ『ええ――ミノチの所の子、預かったわ』
メツ『っ! イオンをか、テメェ……!』
ヒカリ『別に私は何もする気無いけど……ほら、会ったでしょ、ヨシツネ。あいつ下衆だからさ、何するか分かんないかも』
メツ『……ッ』ギリィ
ヒカリ『私達が目覚めた場所。覚えてるでしょ、そこまで来なさい』
ヒカリ『勿論、一人でね』ニィ…
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/02(火) 00:00:55.24 ID:WmwHZ++Bo
〜〜〜〜
〜 カラムの遺跡 〜
ヒカリ『鬱陶しかったけど、これでお終いよ!』
ヴァンダム『レックス……! お前の戦を、戦え――ッ!!』
ザシュッ……!
ヴァンダム『――……』ドサッ
レックス『ヴァンダムさぁぁぁん!』
ヨシツネ『あーあ……下らない茶番だ』
レックス『お前ら……よくも! よくもヴァンダムさんをッ!!』ダッ
メツ『よせ、小僧!』
ヒカリ『フン、これで終わりよ!』
レックス『うわあああああああああああッ――!!』
メツ『小僧ぉぉぉーーーーッ!!』
黒モナド『――――』カッ!
ヨシツネ『ッ! これは……!?』
レックス『な、何だ、剣の形が……!』
黒モナドII『』ガシャガシャガシャ
黒モナドII『鎖』ガシャン
メツ『モナド……ジェイル……!』パキィン
ヨシツネ『ぐぅっ!? これは、僕と同じ力!?』
カムイ『ヨシツネ! このぉ!』ブン
メツ『――オラアアアァァァァ!!』ゴッ
カムイ『あぐっ! ぁ――ヨシツ、』
ドゴォォォン!
メツ『…………』
ヨシツネ『あぁ……か、カムイ? カムイィィィィ!!』
ザンテツ『嘘だろ、空間ごと消し飛びやがった……!』
ヒカリ『ふ、フフ……そう、これよ! 待ってたのよこの時をずっと!』
ヒカリ『ねぇ、メツ――!』
メツ『チィ……!』
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/02(火) 00:04:05.88 ID:WmwHZ++Bo
〜〜〜〜
〜 インヴィディア首都フォンスマイム・宿屋 〜
レックス『ねぇ、前にヒカリの奴が言ってた制限した力って、あれの事……?』
メツ『……あぁ。天の聖杯の本当の力――何もかもを破壊する、糞みてぇな力だ』
レックス『……そんな事、言うなよ』
メツ『あん? お前も聞いただろうが。500年前、この力はアルス三体を沈めた上、今に至るまで災いを――』
レックス『でも、その力で俺達を守ってくれたじゃないか……!』
メツ『!』
レックス『メツの力は凄いよ! 天の聖杯の噂はホントなんだって、実感した』
レックス『ヴァンダムさんが言ってただろ。力は、それを振るうものの心の形……。破壊だけじゃない、守られた人はみんな笑顔になる。あれは、そんなメツらしい力だ』
メツ『小僧……』
レックス『だからさ、そんな悪い事ばっかり言って、自分を責めないでくれよ』
メツ『…………』
トラ『アニキー! ちょっとハナの修理手伝ってほしいもー!』
レックス『あ、あぁ、分かったー!』
レックス『って事で……ちょっと手伝ってくるよ。それじゃ!』タタタタ
メツ『…………』
じっちゃん『……あの子は、ああいう子じゃ』
じっちゃん『悲しみを笑顔に変えて、明日への力とする……似とるじゃろう? アデルに』
メツ『……似てねぇよ、まだまだな……』
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/02(火) 00:08:01.46 ID:WmwHZ++Bo
〜〜〜〜
〜 スペルヴィア・温泉 〜
レックス『いやー、極楽極楽』
じっちゃん『おっほー、ええもんじゃの〜、温泉とやらは……』
トラ『すっごいも〜! 憧れだった背中の流しっこするも〜!』バシャバシャ
ガラッ
メツ『遅れたな、邪魔すんぜ』
レックス『ああ、温泉お先して……る、ぞ……』
トラ『どうしたも、アニキ? そんな固まって……も、ももも……』
じっちゃん『ほぅ、これは立派なアルスじゃのぅ……』
メツ『あん? 何だよ、ジロジロ見やがって』ブラブラ
レックス『す、すげぇよ……アヴァリティア、いや、グーラか……?』
トラ『いやいや、インヴィディア、スペルビアよりも……!』
ビャッコ『なるほど、あれが世界樹。つまりは楽園……!』
メツ『のぼせてんのか、お前ら……?』
クビラ『み、認めん……! 認めんぞ、王よりも王だなどと……!』ワナワナ
ユウオウ《珍しく滾っているな……》
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/02(火) 00:16:01.75 ID:WmwHZ++Bo
〜〜〜〜
レックス&メツ『モナドォ、バスタァァァァァ!!』
メレフ『ぐぅっ――!?』
ドゴォォォン……!
レックス『……あれ? メツ?』
メツ『ハ、当てる必要はねぇってんだろ?』
レックス『さっすが、よく分かってらっしゃる!』
メレフ『……またも侮られるとはな。屈辱だ』
レックス『戦う理由がないだけだよ。剣を引けって』
カグツチ『……良いだろう。ひとまずは、な』チャキ…
メツ『…………』
カグツチ『……何かしら? 天の聖杯』
メレフ『私のパートナーに、あまり不躾な視線は向けて貰いたくはないのだが』
カグツチ『メレフ様……!』
メツ『……ハン。何でもねぇよ』スタスタ
レックス《メツ……?》
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/02(火) 00:17:49.72 ID:WmwHZ++Bo
〜〜〜〜
〜 スペルビア・荒野 〜
ジーク『何や、ワイらの気迫にビビってチビッたんかぁ? ネコ女ァ』
ニア『誰がチビるかい! この亀頭《かめあたま》!』
レックス『!』
メツ『!』
ビャッコ『!』
レックス『に、ニア? かめあたまってのはちょっと……』
ニア『は? 何でよ』
レックス『え、いや、それは……』
メツ『はっはっはっは! なら教えてやるがなぁ、かめあたまってのは――』
レックス『わーっ! やめろってメツ! 何教えるつもりだよ!?』
メツ『あぁ? なるほど、自分で教えたいってかァ! おいニア、今晩小僧の部屋に行けば「かめあたま」をみっちり教え込んでくれるぜぇ? ハハハハハ!!』
レックス『メツゥゥゥゥゥゥ!!』
ニア『?』
ジーク《……なんや、めっちゃ疎外感……》
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/02(火) 00:22:35.46 ID:WmwHZ++Bo
〜〜〜〜
〜 イヤサキ村 〜
コルレル『……あんたはさ、レックスの事が好きかい?』
メツ『……さぁな』
コルレル『ふふ、そうかい。じゃあ頼んだよ、あの子の事……』
メツ『…………』
メツ『…………本当に』
コルレル『ん?』
メツ『本当に小僧を想えば。お前は俺に頼むべきじゃねぇよ』
コルレル『……あんたは……』
メツ『変な事を言った。忘れてくれ』
コルレル『……何を抱えてるのかは分からないけど、無理はするんじゃないよ。あんたも』
メツ『…………フン』
カグツチ『……メツ……』
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/02(火) 00:26:23.26 ID:WmwHZ++Bo
〜〜〜〜
〜 アーケディア・大聖堂 〜
レックス『……なぁメツ。英雄アデルってどんな人だったんだ?』
メツ『どうした、いきなり』
レックス『いや、ここの人たち皆アデルアデル言うからさ、ちょっと気になって』
メツ『フン……まぁ、そうだな。一言で言やぁ、すげぇメンドクセェ奴だった』
レックス『め、めんどくさい?』
メツ『ああ。ウンザリする程優しく、呆れ返るほど強く。どんな時でもしぶとく抗い、幾度も困難に打ち勝ってきた』
メツ『付き合わされる方は堪ったもんじゃなかったが……しかし、退屈はしなかったな』
レックス『褒めてんの? それ』
メツ『さぁな。……だが、そうだな。手のかかる面倒臭さに関しちゃ、小僧とそっくりだ。なぁジジィ?』
じっちゃん『うーむ、言われてみれば、そこもそうじゃのう……』
レックス『えぇ、何だよそれ!』
メツ『ほら、英雄とそっくりで嬉しいだろ? はっはっはっは!』
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/02(火) 00:29:59.42 ID:WmwHZ++Bo
〜〜〜〜
メツ『シン、何でテメェがヒカリと共に居る。500年前、俺達と一緒に奴と戦ったお前が』
シン『奴の中に真理があった。それだけだ』
メツ『……女の色香に絆された、ってのはあり得ねぇな。お前に限っては尚更』
メツ『いいぜ、素直に話さねぇってんなら力づくで聞いてやる。来いよ、イーラ最強!』
シン『やってみろ……!』ダッ
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/02(火) 00:31:10.15 ID:WmwHZ++Bo
〜〜〜〜
ファン『――――』
マルベーニ『――よって、彼女の魂は神の導きにより、世界樹の枝葉の先へと……』
レックス『…………』
ニア『……ねぇ、メツ。レックスの奴、ほっといていいの?』
メツ『ふん、アイツも男にベタベタされたって嬉しかねぇだろうよ。ほっとけほっとけ』
ニア『う、うーん。そっかぁ――』
メツ『…………』
ニア『…………』ソワソワ
メツ『…………チッ』ゲシッ
ニア『にゃあ!? 何で蹴るんだよ!』
メツ『その貧相な胸に聞けや、メンドクセェ』
ニア『うぅ〜……』
ニア『……い、行ってきマス……』ソソクサ
メツ『ったく、ウザってぇ』
メツ『にしても……カスミのコアの形に、ブレイドの死。マルベーニの野郎、一体アイツに何しやがった……?』
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/02(火) 00:34:18.07 ID:WmwHZ++Bo
〜〜〜〜
〜 ルクスリア 〜
レックス『うぅ……ルクスリアって寒いんだな。歩いているだけで凍えそうだ』
ジーク『ま、それが土地柄やからな。街に行けば少しは暖こうなるやろうから、それまで気張りぃ』
トラ『ぶ、ぶるぶるだも〜……』
カグツチ『ねぇニア、ちょっと歩きづらいんだけど』
ニア『だってカグツチ暖かいんだもん、いいじゃんちょっとくらい』
カグツチ『だからってねぇ……暖めるならメレフ様を暖めたいのに』
メレフ『フ……気持ちはありがたいが、私は遠慮――』
ニア『じゃあメレフも一緒に来ればいいじゃん、ほら!』グイーッ
メレフ『な、やめ……ぬうっ!?』
カグツチ『ああ、嬉しいけど更に歩きづらく……!』
ジーク『はー……何や羨ましいのう。見てるだけでええ香りしよるわ』
トラ『なら、こっちもするも? 押しくらまんじゅうでポカポカだも!』
レックス『いや、俺らはいいよ。トラはともかく、俺達はむさ苦しいだけだし』
メツ『そうかい。じゃあ行ってこいや、あっちによ』ゲシッ
レックス『え゛――わあああああ!?』ガバー
ニア『えちょ、何でレックにゃあああ!?』
ギャースギャース
ハナ『レックス、ボコボコですも』
メツ『はっはっは。見ろよ、暖かそうじゃあねぇか、なぁおい』
ジーク『鬼やなコイツ』ゾッ
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/02(火) 03:10:16.35 ID:u046/MmHO
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