【ガルパン】エリカ「私は、あなたを救えなかったから」

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97 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/07(日) 17:37:37.01 ID:tONnNcnB0
エリカ「遅いわ!!」


ダンッ!

シュポッ


優花里「やりました!!まずは1両撃破です!!」

エリカ「ならこのまま相手が下がってくるのを待って!沙織、装填急いで!」

麻子「わかった」

沙織「了解!!」

エリカ「優花里!外さないでね!!」

優花里「はいっ!!」

華「……ん」

沙織「あ、華起きた?」

華「あ、私……すみません」

エリカ「華起きたの?なら、無理せずそのまま休んでなさいっ!」




典子「うーん、V突が邪魔で狙えない……仕方ない下がって!!」

忍「はいっ!!」
98 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/07(日) 17:41:24.66 ID:tONnNcnB0
エリカ「来るわよ!!……今っ!!」

優花里「っ!!」



ダンッ!!  

シュポッ


優花里「やりましたぁ!!2両撃破です!!」

エリカ「よくやったわ!!」

華「今のジンジンする衝撃……なんだか、気持ちいい……」

沙織「華?」
99 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/07(日) 17:44:20.76 ID:tONnNcnB0
桃「よしっ!森を抜けたぞってああっ!!?もう2両やられてるー!!?」

杏「逸見ちゃんやるねー」


梓「あの戦車って……逸見先輩の!」






優花里「橋の向こう、38tとM3です!!あちらも協力してこっちを狙ってるみたいです!!」

エリカ「ちっ!とんだ人気者ねっ!!」

麻子「どうする?」

エリカ「……冷泉さん。あの橋渡れそう?」

麻子「任せておけ」

エリカ「……わかったわ。なら、橋を渡って!!」

沙織「危ないんじゃっ!?」

エリカ「冷泉さんの運転技術を信じるわっ!みんな、衝撃に気をつけて!!」

沙織「それ落ちるかもってこと!?」

エリカ「特殊なカーボンを信じなさいっ!!」

沙織「いやー!?」

麻子「……うるさい」
100 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/07(日) 17:46:45.43 ID:tONnNcnB0
エリカ「優花里、橋に入る直前で先頭の38tに向けて撃って!」

優花里「ええっ!?動きながら当てるのは難しいです!!」

エリカ「当てなくてもいい!とにかくひるませるのよ!!」

優花里「わ、わかりました!」

麻子「行くぞ」







桃「っ!!W号橋を渡ってくる!?撃て撃てー!!」

柚子「いや、撃つの桃ちゃんでしょ?」





梓「……撃って!!」

あゆみ「わかった!」

あや「おっけー!」
101 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/07(日) 17:52:28.32 ID:tONnNcnB0
ダンダンダンッ!!


沙織「向こうも撃ってきたー!?」

エリカ「優花里っ!!」

優花里「はいっ!!」


ダンッ!


桃「うわあっ!?撃ってきたぞ!?」

柚子「そりゃそうだよー」

桃「さ、下がって!!」

柚子「はいはい」
102 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/07(日) 17:57:44.81 ID:tONnNcnB0
エリカ「よし、38tが怯んだ!今のうちに渡って!」

麻子「了解」


ガタガタガタ


沙織「麻子凄い!?なんでこんなに早く進めるの!?」

麻子「なんでって……やればできるだろ」

エリカ「……掘り出し物ってところかしら?」


ガタガタガタ


杏「かーしま。逸見ちゃんたちこっち来るぞ」

桃「くっ!当たれええええ!!」


ダンッ スカッ


柚子「この距離で外すのー……?」
103 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/07(日) 18:00:09.52 ID:tONnNcnB0
エリカ「どうやら38tの砲手は精度が悪いようねっ!沙織、眼鏡と頭の交換をしなさいって相手砲手に伝えなさいっ!!」

沙織「えりりん生徒会には当たり強いね……」

華「恨みつらみを吸い取って彼岸花のように咲き誇っていますね」

エリカ「優花里!冷泉さん!3秒後に一旦停止して砲撃。その後即前進で!」

麻子「ん」

エリカ「2、1……撃てっ!!」


キッ ダァン!!


シュポッ


柚子「やられちゃったね桃ちゃん」

桃「桃ちゃん言うなっ!」

杏「……さすが逸見ちゃん」







沙織「やったっ!!」

エリカ「このまま橋を渡ったら次はM3よ!これだけプレッシャーかけたのだから下がるはずっ!そこを狙うわっ!」

優花里「はいっ!!」






あや「こっちくる!?逃げよ逃げよっ!?」

梓「……駄目っ!!」

あや「ええっ!?」

梓「真正面から迎え撃ちたい!!桂利奈、前進っ!!」

桂利奈「う、うん!!」
104 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/07(日) 18:03:36.92 ID:tONnNcnB0
優花里「ッ!M3前進してきます!!」

エリカ「……へぇ?」ニヤッ

優花里「どうします!?」

エリカ「そのケンカ買ったわっ!!こちらも前進して、真っ正面貫いてやりなさい!!」

優花里「っはい!!」


ダァン!ダァン!!


あや「うぇええ撃っても撃っても止まらないよー!?」

あゆみ「っ!?」

梓「くっ!!」

ダァンダァン!!



エリカ「…………撃てっ!!」

優花里「っ!」



ダァン!


シュポッ








蝶野『DチームM3、Eチーム38t、CチームV号突撃砲、Bチーム八九式。いずれも行動不能。よって、AチームW号の勝利!!』







105 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/07(日) 18:04:20.54 ID:tONnNcnB0
今日はここまでで。
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/07(日) 18:43:30.28 ID:1PE6OzuU0
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/07(日) 22:30:51.63 ID:janVulVv0
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/08(月) 00:54:10.31 ID:SBR6HKnno
乙ー
109 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/08(月) 18:14:31.88 ID:bimZF+EN0
エリカ「……はぁ」

沙織「やったねえりりん!私達勝ったよ!!」

エリカ「ええ、なんとかなったわ」

華「お見事でした」

優花里「さすがですっ!」

エリカ「……あなた達もね。特に冷泉さん、ありがとう。おかげで助かったわ」

麻子「借りを返しただけだ」

エリカ「……そう。っと、ちょっと私出るわね」

沙織「え?えりりんどこ行くの?」

エリカ「すぐ戻るわよ!」
110 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/08(月) 18:23:16.55 ID:bimZF+EN0
あや「やっぱり負けちゃったじゃーん!」

あゆみ「とはいえ、逃げても勝てたかどうか……」

桂利奈「でも、楽しかったね!」

紗希「……」ボー

梓「やっぱり、逸見先輩は凄い……」

エリカ「Dチームの車長は誰?」

あや「逸見先輩っ!?」

梓「しゃ、車長は私です!」

エリカ「あら、澤さんだったのね」

梓「覚えててくれたんですか!?」

エリカ「え、ええ。名乗ってくれたし。それにしても、最後なんで前進してきたの?あの状況なら下がると思ったんだけど」

梓「あっ、そ、それは……」

エリカ「どうして?」

梓「そ、その……わ、私、逸見先輩と戦いたかったんですっ!」

エリカ「わ、私と?」

梓「は、はい。私……ていうか私戦車道を取ったのは単位とか色々特典があったからで……」

エリカ「そうなの?まぁ、モテるから取った。なんて子もいるしね」

梓「だ、だけど、エリカさんが生徒会の方たちに怒ってるのを見て、ああこの人は本気なんだって。中途半端は失礼だって思って……」

エリカ「……恥ずかしいところを見せたわね」

梓「そんなことありませんっ!!それで、私達がM3を使いたいって言った時、愛着を持ってくれるならいいって」
111 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/08(月) 18:29:30.37 ID:bimZF+EN0
エリカ「そうね、何事もまず愛着を持つところから。自分たちが見つけたっていうのがきっかけになるなら、それに越したことはないわ」

梓「だから、私この戦車で逸見先輩と戦いたかったんです!!」

エリカ「……」

梓「結局負けちゃいましたけど……」

エリカ「……あなた達は怖くなかったの?」

あや「そりゃあ怖かったですし、逃げようって言いましたよ」

桂利奈「でも、梓ちゃんが前にって言うならって……」

優希「まぁ、付き合ってあげよっかなーって」

あゆみ「ねっ」

紗希「……」コクリ

エリカ「……そう。良いわ、あなた達」

梓「え?」

エリカ「敵を前にして前進する勇気。怖くても車長を信頼してそれを実行する乗員。あなた達、良いチームね」

梓「わぁ……」

桂利奈「褒められちゃったっ!」

あや「うんっ!」

エリカ「とはいえ、実際の試合ではちゃんと指示通りにしてよ?突撃だけが作戦じゃないんだから。時には退くことも覚えなさい」

『はいっ!!』

エリカ「ん。それじゃあ戻りましょうか―――――期待しているわよ、新兵さん♪」
112 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/08(月) 18:35:44.99 ID:bimZF+EN0





蝶野「みんなグッジョブ!初めてとは思えなかったわっ!特にAチーム、よくやったわね!」

優花里「わぁ……」

沙織「やったっ」

華「ええっ」

エリカ「まぁ、このぐらいはね」

蝶野「これからも訓練励むように!わからないことがあったらメールしてね」

桃「一同、礼!」





『ありがとうございましたー!!』









113 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/08(月) 18:45:09.07 ID:bimZF+EN0
沙織「さーってお風呂行こー♪」

華「そうですね」

優花里「流石に疲れましたぁー」

麻子「疲れた……眠い……」









エリカ「……」

蝶野「逸見さん、ちょっといいかしら?」

エリカ「なんでしょうか?」

蝶野「いえ、ちょっと気になってね」

エリカ「……ナンパならお断りですよ?」

蝶野「それは残念ね。……その、あなたがまた戦車道をしているとは思わなかったわ」

エリカ「……ええ、私もこのチャンスを活かしたいと思っています。転校こそ不本意でしたが、どうやら私と戦車道は切っても切れないようですね」

蝶野「……そう。私はあなたの事情を理解しきれていないけど、それでも去年の事は……」

沙織「えりりん何してるのー?お風呂行こーよー!」

エリカ「……すみません、そういうことなのでもういいでしょうか?」

蝶野「……ええ。ごめんなさいね呼び止めちゃって」
114 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/08(月) 18:49:11.05 ID:bimZF+EN0











蝶野「……こればっかりは即撃破って訳にはいかないわね……」









115 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/08(月) 18:52:47.57 ID:bimZF+EN0




カポーン


沙織「なんか告白されるよりドキドキしちゃったー♪」

エリカ「された事あるの?」

華「沙織さんの脳内での話です」

エリカ「そう……」

沙織「冗談だからっ!?そんな哀れみの目でみないで!?」

華「しかし、今日は後半役に立てなくて申し訳ありません……」

エリカ「しょうがないわよ。むしろ初めてにしてはよくやったほうよ」

優花里「そうですっ!最初の挟撃から逃げられたのも華殿のおかげですからっ!」

華「ありがとうございます……あと、その……私に砲手をやらせていただけないでしょうか!?」

エリカ「え?」

華「あの、撃った瞬間のジンジンとした快感が忘れられなくて……」

エリカ「そ、そう?まぁ、いいんじゃない?華集中力ありそうだし」

優花里「それでしたら私が装填手をやらせていただきますっ!」

沙織「じゃあ私は通信手かなー」

エリカ「それじゃあ操縦手は……」
116 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/08(月) 18:55:39.20 ID:bimZF+EN0
麻子「……」ザバァ

エリカ「……冷泉さん。操縦手やってくれない?」

沙織「あっ!それいい!麻子、運転すごく上手かったし!」

麻子「断る。それに、もう書道を選択している」

エリカ「……お願い。あなたの力が必要よ」

麻子「借りはもう返した」

エリカ「なら、私への貸しでっ!!」

麻子「人に貸しを作るつもりはない」

エリカ「っ……」

華「なんとか、お願いできないでしょうか!」

優花里「冷泉殿の運転なら安心して任せられます!!」

麻子「悪いが他をあたってくれ」

沙織「っ!単位3倍だよ!!遅刻200日分免除だよ!?どうするのっ!このままじゃ留年して、私達を先輩って呼ぶ羽目になるんだよっ!?
  
   私、実は上下関係には厳しいタイプだから後輩になった瞬間徹底的にこき使うからねっ!それに、おばあちゃんになんて説明するのっ!?」

麻子「っ…………………わかった、やろう」

優花里「やったっ!よろしくお願いします!」

華「よろしくお願いします」

エリカ「よろしく」

麻子「……ん」
117 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/08(月) 19:01:34.01 ID:bimZF+EN0





沙織「それじゃあえりりんまた明日ー!」

華「エリカさんまた明日」

エリカ「ええ、明日もよろしくね」

優花里「……」











エリカ「……」スタスタ

優花里「あ、あのっエリカ殿!!」

エリカ「優花里?どうしたのよ」

優花里「その、聞きたいことがありまして……」

エリカ「聞きたいこと?さっき聞けばよかったのに」

優花里「その、二人っきりじゃないと聞けなくて……」

エリカ「そう。で、何?」

優花里「その、私ずっと前から戦車道に興味があって……でも、大洗女子学園は戦車道は廃止されてて……

   だから、雑誌や試合を見に行って楽しんでたんです」

エリカ「そういう楽しみ方もあるわね。それで?」

優花里「それで……その……」

エリカ「聞きたいことがあるならはっきり言いなさい」

優花里「その、私去年の全国大会の決勝見てたんです。……現地で」

エリカ「……それが?」

優花里「だから、その、あの事故が気になって調べたんです。それで……っ!エリカ殿っ!あなたはっ!!」
118 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/08(月) 19:05:35.22 ID:bimZF+EN0


ガッ




優花里「ぐっ!?」


ギリッギリ


優花里「え、エリカ殿、く、苦しい………っ」

エリカ「――――あなた、そこまで知っているのね。よく調べたわ」

優花里「エリカ、殿……」

エリカ「でも私言ったわよね?無遠慮な子にはそれなりの態度を取るって」グッ

優花里「ぐぅっ!?」

エリカ「だから、それはあなたの胸に秘めておきなさい。うちのチームにはあなたが必要だから」バッ

優花里「っ!げほっ、えほっ!?」

エリカ「……あなたが何も言わない限り、私は何もしないわ。……せっかく戦車に乗れたんだもの。まだ楽しみたいわよね?」ジッ……

優花里「ひっ……」

エリカ「わかった?」

優花里「は、はいっ!!」

エリカ「それでいいわ。……それじゃあね、また明日」スタスタ
119 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/08(月) 19:09:14.98 ID:bimZF+EN0










優花里「エリカ殿、あなたは……あなたは何故……」








120 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/08(月) 19:09:50.31 ID:bimZF+EN0
今日はここまでです。
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/08(月) 19:53:53.71 ID:jxUdDINC0
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/08(月) 20:04:16.31 ID:NCz8xSPro
乙です
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/09(火) 01:03:24.37 ID:k7a4Jua5O
おつ
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/09(火) 03:44:47.42 ID:xv7qMolFo
乙ー
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/09(火) 11:52:04.45 ID:/cdLP4d50
ぉぅぉぅぉぅ・・・乙
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/09(火) 15:12:55.47 ID:lH35QP7Ho

不穏だ...
127 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/13(土) 17:15:01.47 ID:Tgqt0tZH0




エリカ「……」テクテク

優花里「あっ……」

エリカ「優花里、おはよう」

優花里「お、おはようございますエリカ殿……」

エリカ「……そんなに怖がらないでよ。昨日はちょっとやりすぎたって思ってるんだから」

優花里「い、いえ……こちらこそ配慮が足りず申し訳ありませんでした……」

エリカ「……」

優花里「……」

エリカ「……今日の戦車道の授業は私が指揮を取るわ」

優花里「え?」

エリカ「まずは戦車を思い通りに動かせるようにしてもらわないと。その後は射撃訓練ね。

    練習だから装填速度は求めないけど、一発一発を効率よく装填できるように考えながらやりなさい」

優花里「……はい」

エリカ「頑張りましょう」

優花里「はい…………エリカ殿」
128 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/13(土) 17:19:40.53 ID:Tgqt0tZH0






エリカ「………何、これ」







八九式『バレー部復活!』

典子「うんうん!意気込み充分っ!」






おりょう「V突、かっこよくなったぜよ」

カエサル「支配者の風格だな」






杏「おほー、ド派手だねぇ」

桃「会長の威光を世に知らしめましょうっ!」

柚子「ちょっと目に痛いかな……」





あや「やっぱ私達もピンクとかに塗り替えようよー」

梓「だめっ!このままで行くのっ!!」
129 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/13(土) 17:23:18.16 ID:Tgqt0tZH0
エリカ「……ねぇ優花里。私が知らないだけで実は凄いタクティカルアドバンテージがあるのかしら?」

優花里「ああぁぁぁ……なんてことを………」

エリカ「……無いわよね」

沙織「私達も塗り替えれば良かったっ!!」

エリカ「……そうねぇ」

優花里「エリカ殿っ!?」

沙織「えりりんもそう思う!?」

エリカ「私だったら……そうね、月光をそのまま閉じ込めたような美しい銀色にするからしら」

沙織「えー?えりりん生徒会とセンス変わんないね」

エリカ「……まぁ、色はそのうち戻るでしょう」

沙織「そうなの?」

エリカ「とにかく、今日は基礎訓練よ。基礎を固めないことには上昇は見込めないわ」
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 17:23:24.20 ID:MZeD01qgO
続きマダー?(・∀・)
131 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/13(土) 17:27:15.24 ID:Tgqt0tZH0





桃「今日の訓練ご苦労だった。基礎固めは戦力の向上において絶対に避けられないことだ。各自自主練に励むように!」

『はーいっ!』

桃「それと突然だが今度の日曜日練習試合を行うことになった」

エリカ「え?」

沙織「練習試合?」

優花里「どことやるんですか?」

エリカ「いや、そのうちどこかとやらせようとは思ってたけど……私何も聞いてないわよ?」

桃「相手は聖グロリアーナ女学院」

エリカ「聖グロっ!?全国大会で準優勝したこともある強豪じゃないっ!?こんな無名校との試合、どうやって取り付けたのよっ!?」

杏「え?なんか、練習試合したいからよろしくーって頼んだらOKもらった」

エリカ「そんな適当な……」

桃「とにかくっ!これは全国のレベルを知る絶好の機会だ。全員気を引き締めて望むようにっ!解散っ!」
132 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/13(土) 17:33:05.36 ID:Tgqt0tZH0





エリカ「さて、リーダーは全員揃った?」

杏「いるよー」

典子「はいっ!」

カエサル「うむっ」

梓「はいっ!!」

エリカ「ん、それでは作戦会議を始めるわ。聖グロリアーナの特徴は一言で言うと、強固な装甲と連携ってとこね」

典子「それだけですか?」

エリカ「それだけって……正直、戦車道においてこれ以上の強力な特徴は無いわ。こちらのスパイクはいくら打ってもブロックされるのに、

    相手のスパイクはバンバン入る……こう言うとわかってもらえるかしら?」

典子「は、はいっ!それは強力ですっ!」

エリカ「それに対して私達の戦車は装甲は貧弱。砲撃も100メートル以内じゃ無いと通用しない。おまけに連携もろくに取れないでしょうね」

桃「そっ、それでは勝てないではないか!?」

エリカ「落ち着きなさい桃ちゃん」

桃「桃ちゃん言うなっ!」
133 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/13(土) 17:41:21.14 ID:Tgqt0tZH0
エリカ「確かに勝ち目は薄いわ。でも、だからこそ作戦が重要になってくるの」

カエサル「何か策があるのか?」

エリカ「私たちと相手で私たちが勝ってる部分それは、試合会場がホームということよ」

典子「勝手知ったる土地。落ち着いて戦えますっ!!」

エリカ「その通り。地の利というのはそれだけで戦況をひっくり返せるアドバンテージになるわ」

梓「でも、今の私たちじゃ落ち着いて戦えても……」

エリカ「もちろんそれだけじゃないわ」

桃「ほかに何かあるのか?」

エリカ「ええ、試合会場のこの地点。この高台に敵をおびき寄せて上から全車両で攻撃。戦車は上の装甲が弱いからこれなら私達の車両でもチャーチルを撃破できるわ」

梓「どうやっておびき寄せるんですか?」

エリカ「私達のW号が囮になるわ」

梓「だ、大丈夫なんですか!?」

エリカ「現状、一番戦車を動かせるのは私達だからね」

カエサル「なら、任せよう!」

典子「スパイクはきっちり決めるから!」

エリカ「……でも、こんな安直な作戦聖グロに通用するとは……」ボソッ

杏「逸見ちゃんどうしたの?」

エリカ「……いえ、なんでもないわ。リーダーは今言ったことをちゃんと乗員に伝えてね。それじゃあ、解散」



『はいっ!』




エリカ「……素人集団にあれ以上を求めても難しいだろうし……決着はすぐに付きそうね」

杏「あ、逸見ちゃん。負けたらあんこう踊りだから」

エリカ「は?」
134 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/13(土) 17:48:21.06 ID:Tgqt0tZH0




沙織・華。優花里『あ、あんこう踊りーーーーーーーーー!!?』

エリカ「あなた達も他の子とおんなじリアクションするのね……」

沙織「あんなの見られたらお嫁に行けなくなっちゃうよっ!?」

優花里「一生ネットの晒し者……」

華「かくなる上は聖グロの隊長に薬でも盛って……」

エリカ「一名物騒なこと考えてるわね……」

沙織「こうなったら勝つしか無いよ!!」

優花里「はいっ!」

華「命、咲かせてみせましょう」

エリカ「……まぁ、士気が上がったならいいか」
135 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/13(土) 17:56:43.40 ID:Tgqt0tZH0





キュラキュラ

エリカ「……まさか戦車で送迎する日が来るとは思わなかったわ」

麻子「うぁ……」

沙織「ほら麻子、顔洗って歯磨きして、ご飯食べて着替えちゃって」

麻子「無理だ……人は、寝なくてはいけない……」

エリカ「この駆動音の中でよく寝ぼけてられるわね……。まぁ、現地に着くまでは寝かせておいてあげなさい」

麻子「か、感謝する……ぐぅ」

沙織「ああ麻子!?もう、せめて着替えてってば!!」
136 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/13(土) 17:58:00.24 ID:Tgqt0tZH0





桃「本日は急な申込みにも関わらず、試合を受けて頂き感謝する」

ダージリン「構いませんことよ。それにしても、随分個性的な戦車ですこと」

エリカ「この日本でそんな佇まいのあなた達も体外だと思いますよ?まぁ、戦車については同感ですけど」

ダージリン「あら?あなたは確か……逸見、エリカさんでよかったかしら?」

エリカ「……聖グロの隊長に名を知られてるなんて有名になったものですね」

ダージリン「ええ、それなりには。……黒森峰から転校したとは聞いていましたが、まさかこんなところで戦車道を再開しているとは思わなかったわ」

エリカ「……私もそう思っています」

ダージリン「それは喜ばしいことだけれど勝負は勝負。私たちは例え戦車道が復活したばかりの学校相手でも手加減はしないわ」

エリカ「望むところです」

ダージリン「サンダースやプラウダの様な下品な戦い方はいたしませんわ。優雅に余裕を持って美しく。……楽しい試合にしましょう?」

エリカ「……ええ、胸を借りる気持ちでやらせていただきます」
137 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/13(土) 18:00:18.01 ID:Tgqt0tZH0





エリカ「みんな、聞こえてる?」

優希『Dチーム、聞こえていまーす』

妙子『Bチーム、オッケーですっ!!』

エルヴィン『Cチーム、聞こえているぞ』

杏『Eチーム、オッケーだよ』

エリカ「よし、それじゃあ確認しておくけど、今回の試合は5対5の殲滅戦。どちらかが全滅したら負けになるわ。作戦は事前に説明した通り私達のW号が前に出て相手をおびき寄せて、

    その間にあなた達は高台に移動。私達が敵を引き連れてくるのを待ってて。敵がキルゾーンまで来たら一斉砲撃。……なにか質問はある?」

梓『あの……』

エリカ「澤さん?どうしたの?」

梓『もし高台で敵を仕留められなかったら……』

桃『貴様っ!そんな弱腰でどうするっ!絶対に仕留めるんだっ!!』

エリカ「桃ちゃん黙ってて」

桃『だから桃ちゃんと言いうなー!!』

エリカ「そうね、確かにその可能性は充分にあるわ。……だけど、今のあなた達に必要なのは勝つことじゃなくて自分たちの現状を知ること。

    今言った作戦に集中しなさい。……一応、策は考えてあるから必要になったら指示するわ」

梓『わかりましたっ!』

エリカ「それじゃあ試合開始と共に作戦開始よ」








『試合開始っ!!』













エリカ「作戦開始っ!!W号が先行して偵察、その後囮になるわ。冷泉さんお願い」

麻子「わかった」

沙織「絶対に勝つよっ!!」

華「ええ」

優花里「あんこう踊りは絶対に避けましょうっ!!」

エリカ(……そんなに嫌がられるってどんな踊りなのよ……)
138 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/13(土) 18:01:10.18 ID:Tgqt0tZH0
今日はここまでで。
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/13(土) 19:57:56.66 ID:KOTp1Y310
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:25:36.72 ID:DFROt4n1o
乙です
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/14(日) 00:24:54.57 ID:hd4iv6rI0
乙 澤ちゃんの成長が既に楽しみである。エリカと親和性高いよね・・・
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/14(日) 04:54:27.00 ID:g7n7EIi8o
乙ー 楽しみ
143 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/16(火) 18:22:08.32 ID:6cwHzaKC0

誤字訂正

>>20および>>68  黒森峰女学院→黒森峰女学園 


>>94 エリカ「華っ!超信地旋廻よっ!こうなったら真っ向―――」→エリカ「華っ!信地旋廻よっ!こうなったら真っ向―――」


上記のように訂正いたします。W号戦車は超信地旋回できなかった……

たぶん今後もこういうのが出てくると思いますが、見つけ次第訂正するようにします。
144 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/16(火) 18:23:36.38 ID:6cwHzaKC0




エリカ「マチルダU4輌、チャーチル1輌前進中」

優花里「さすが、綺麗な隊列ですね!」

エリカ「ええ。正直この時点で相手との実力差を思い知らされるわ。その上戦車の性能も相手が上。勝ち目は薄いわね」

優花里「そんなこと言わないでくださぃぃ……」

エリカ「わかってるわよ。負けることも勉強だけど、勝ちを目指さない敗北は無意味よ」

優花里「その通りですっ!」

エリカ「勝負は戦術と腕……それと運で決まるわ。今回は運がこちらに傾くことを祈りましょう」

優花里「運頼みですかぁ……」

エリカ「運が転がってきた時に取りこぼさないのも実力よ。ほら、そろそろ行くわよ」

優花里「はいっ」






ダァン!

オレンジペコ「仕掛けてきましたね」

ダージリン「こちらもお相手しますか」


ダァンダァン!!


エリカ「よしっ、釣られてくれたわっ!!冷泉さん移動してっ!!」

麻子「了解だ」

エリカ「こちらの装甲は薄いから射線を取られないように注意してねっ!」
145 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/16(火) 18:30:47.59 ID:6cwHzaKC0





桃「っ……逸見はまだ来ないのかっ!?」イライラ

杏「落ち着けって。待つのも仕事の内でしょ」

柚子「だからってバレー部はバレーの練習始めてるし、一年生チームは大富豪してるし……緊張感無いなぁ」

あや「梓は混ざんないのー?」

梓「逸見先輩たちがいつ来ても良いようにしておかないと……」

優希「梓真面目ー」

梓「みんなもそろそろ準備してよー!」

エリカ『こちらW号、敵の引きつけに成功。あと3分でそっちに到着するわ。準備お願い』

桃「っ!W号が戻ってきたぞっ!全員戦車に乗れーっ!!」
146 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/16(火) 18:35:11.80 ID:6cwHzaKC0

エリカ「……もうすぐね。冷泉さん、スピード上げて!ここで引き離すわよっ!!」

麻子「わかった」

沙織「えりりん、そんなところから体出してたら危ないよっ!?」

エリカ「え?……ああ、大丈夫よ。戦車は特殊なカーボンで守られてるんだから」

沙織「えりりんはカーボン製じゃないでしょっ!?せめてもうちょっと頭下げてってばっ!!」

エリカ「こっちのほうが見やすくて良いんだけどね。まぁ、そう言うなら……はい、これでいいでしょ?」

沙織「もー……見てて危なっかしいんだからぁ……怪我はさせないって言ってるえりりんが怪我したらどうするのっ!」

エリカ「そう当たるものじゃ無いわよ……っと、そうこう言ってるうちに着いたわよ。冷泉さん、そのまま高台に――――――」




ダァンダァン!!



エリカ「なっ!?」





桃「撃て撃て撃て―!!撃って撃って撃ちまくれーっ!!」

梓「河嶋先輩っ!!あれは逸見先輩たちの戦車ですってっ!?」









ダァンダァンダァン!!



沙織「味方を撃ってどうするのよーっ!?」

エリカ「……戦場での死亡理由って結構な数が味方からの誤射なんだっけ?」

優花里「今その話必要ですか―!?」

エリカ「……沙織、38tに繋いで」
147 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/16(火) 18:38:04.81 ID:6cwHzaKC0
桃「撃て撃て撃て―!!」

エリカ『すぅーっ……河嶋桃ぉぉぉぉー!!!!!!!!!!!』

桃「ひぃっ!?」ビクゥッ

エリカ『あなた、味方を撃ってどうするのっ!?』

桃「い、いや私だけじゃ……」

エリカ『あなたの乗ってるピッカピカの下っ品な金色38tから撃ちだしたの見えてたわよっ!!』

桃「そ、その……」

エリカ『……良いから落ち着きなさい。破れかぶれに撃っても弾は当たってくれないわ、冷静に、心を落ち着けて。

    今回は見逃してあげるから。いい?狙うのは敵戦車よ。わかった桃ちゃん?』

桃「も、桃ちゃん言う……」

エリカ『返事はっ!!?』

桃「は、はいっ!!」

エリカ『ならよしっ!!』

桃「……うぅ」

杏「怒られちゃったね」

柚子「あれは桃ちゃんが悪いよぉ」

桃「桃ちゃん言うなぁ……」
148 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/16(火) 18:43:00.96 ID:6cwHzaKC0
ダージリン「あちらの練度は低いようね。それに加えて、こんな安直な囮作戦が通用すると思っているの?」

桃「き、来たっ!?今度こそ撃て撃てー!!」



ダァンダァンダァン!!



エリカ「バラバラに撃ってもダメッ!!上部装甲なら私達の戦車でも倒せるわっ!!」


ダァンダァンダァン!!


ダージリン「このまま挟み撃ちにしてやりましょう」


ダァンダァンッ!!


沙織「全然当たってないよぉー!?」

エリカ「っ……やっぱりまだ練習試合には早かったかしら……」

優花里「挟み撃ちされますっ!?」

エリカ「っ!八九式とV突は左側、38tとM3は右側の先頭車両の履帯を狙ってっ!1輌でも動きを止めなさい!!」
149 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/16(火) 18:45:57.63 ID:6cwHzaKC0
ダージリン「……攻撃」

ドォンドォン!!

典子「凄いアタックッ!!」

あや「ありえなーいっ!!」

エリカ「落ち着いてっ!攻撃を止めないで!!」




あゆみ「無理ですぅーっ!!」

優希「もう嫌ぁああっ!!」

梓「っ……落ち着いてっ!!!!砲弾の中、外に出たらもっと危ないよ!?戦車はちゃんとカーボンで守られてるから安全だって!!」

優希「梓ちゃん……」

梓「わ、私だって怖いよ……でも、私達が決めたんだよ。M3<この子>に乗るって。だからっ!!」

あや「梓、なんだかバレー部の人達みたい……」

桂利奈「私はまだやれるよっ!」

紗希「……」コクリ

あや「紗希もぉ?なら、やるしか無いじゃん!」

あゆみ「……うんっ!」





ズドォン!ズドォン!!

柚子「あれ?あれれっ?」

杏「あー履帯が外れちゃったね。38tは外れやすいからなぁ」
150 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/16(火) 18:50:04.11 ID:6cwHzaKC0
ズドォン!ズドォン!!


エリカ「っ……なんとか全員生きてるけど、このままじゃ……」









栗毛の少女『……』









エリカ「っ!?あなた、なんで……」

沙織「え?えりりんどうしたの?」

エリカ「っ!?なんでもないわ!!」
151 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/16(火) 18:52:51.12 ID:6cwHzaKC0


栗毛の少女『……』スッ






エリカ「町……?私だって考えたわ。でも、相手の方が練度も性能も上なのにゲリラ戦を仕掛けたところで各個撃破されるのがオチよっ……」


ドォンドォンッ!


沙織「えりりんっ早く指示をっ!!このままじゃ皆やられちゃうっ!!」

エリカ「ッ……私は、あなたの作戦なんかっ……」

梓『逸見先輩っ!!』

エリカ「澤さん……?」

梓『私達逃げませんっ!!練習だからって、このまま終わるなんて嫌ですっ!!」

エリカ「……」

梓『だからっ!指示お願いしますっ!!私たちは―――――まだ戦えますっ!!』
152 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/16(火) 18:56:50.81 ID:6cwHzaKC0

エリカ「……わかったわ。動ける車両は私達の後に付いてきてっ!」

桃『何っ!?逃げるのか!?許さんぞ!!』

梓『っはい!!』

典子『わかりましたっ!!』

エルヴィン『心得たっ!!』




エリカ「……」





栗毛の少女『……』スゥ―






エリカ「……あなたの策に乗るわけじゃないわよ。ただ、あの女王様のドヤ顔がイラつくだけ……だからっ!」




153 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/16(火) 18:57:39.31 ID:6cwHzaKC0








エリカ「みんなっ!ここからが第二ラウンドよっ!!気合い入れていきなさいっ!!」








『はいっ!!』



154 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/16(火) 18:58:13.39 ID:6cwHzaKC0
ここまでで。
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 19:08:44.33 ID:KITvahMmO
ぉぅっ・・・どうなるんやこれ乙
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 00:43:28.75 ID:/ufBt37Ao
スタンドになってしまわれたか
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 02:54:43.27 ID:bzv9wsdEo
乙です
158 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 18:15:50.62 ID:ALG66guy0
ダージリン「逃げ出したの?追撃するわよっ!」

オレンジペコ「履帯の外れた38tはどうします?」

ダージリン「放っておきなさい。そちらにかまって時間稼ぎをされると厄介だわ。

      ……それに、これはあくまで練習試合。勝利だけを求めて、動けなくなった相手を撃つのは騎士道精神に反するわ」

アッサム「ダージリンらしいですね」
159 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 18:21:55.81 ID:ALG66guy0






エリカ「これから市街地に入るわっ!あなた達、土地勘はある!?」

エルヴィン『古書類は陸じゃないと見つからないからな。寄港の度にカエサル達と手分けして探してるぞ』

妙子『バレー用品店によく……』

優希『彼氏とのデートでよく来てまーす♪』

エリカ「どいつもこいつも色気のない話ね……約一名はただの惚気だったけど。

    まぁいいわ。これより各チームは各々の意志で行動してっ!」



エルヴィン「高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変にというわけか」

おりょう「要するに、行き当たりばったりということぜよ……」

エリカ『違うわよっ!』



エリカ「V突の狭い射角も待ち伏せがしやすい町中ならデメリットが小さくなるわっ!
   
    八九式は例えゼロ距離で撃っても相手の装甲を貫くのは難しいわよ。油断しないでっ!!

    M3も同じ!この際、建物の事は気にせず逃げるため隠れるためどんどんぶっ壊しなさいっ!どうせ補償は国が払ってくれるわっ!!」

麻子「外部に流れたら叩かれそうな発言だな」

エリカ「はっきり言ってこの作戦、最後にものを言うのは各員の腕よっ!あなた達の実力、見せてみなさいっ!!」




『了解っ!!』



160 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 18:29:06.00 ID:ALG66guy0
ダージリン「ん?消えた……」

オレンジペコ「土地勘を活かしてゲリラ戦術ってことですかね」

ダージリン「ふっ舐められたものね。『獅子は兎を捕らえるにも全力を尽くす』
 
      相手が兎さんでも私達のすることは変わらないわ。紅茶の一滴も零さず狩り尽くすまでよ」

オレンジペコ「はい。ダージリン様」

ダージリン「各車散開。誘いに乗ってあげましょう」
161 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 18:36:46.42 ID:ALG66guy0




エルヴィン「……マチルダUこちらに接近中」

左衛門佐「今度こそ初首を……」

カエサル「焦るな。この距離なら一撃で仕留められる」



エルヴィン「…………今っ!!」

左衛門佐「っ!!」


ドォン!! 


シュポッ



エルヴィン「よっしっ!!」

左衛門佐「初首だーっ!!」

カエサル「次行くぞっ!!」

おりょう「おうっ!」


ドォンドォン!!


エルヴィン「くっ、見つかったか。路地裏に逃げ込めいっ!!」

おりょう「おうっ」

エルヴィン「入り組んだ道に入ってしまえば良い。V突は車高が低いからな」

左衛門佐「このまま闇討ちで大将首だーっ!!」

カエサル「……あっ、旗」

エルヴィン・左衛門佐・おりょう『あっ』


ドォンッ!!


シュポッ





162 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 18:48:56.00 ID:ALG66guy0




―立体駐車場内―


妙子「キャプテン、これ本当に大丈夫ですか……?」

忍「気づかれたら逃げようが無いですよ?」

典子「八九式の主砲じゃこの距離じゃないと仕留められない。じっと待つんだっ!」

あけび「……来ましたっ!」

典子「よしっ!………………今だっ!!」

あけび「っ!!」

ダァンッ!

バァンッ!!

妙子「やったぁ!」

典子「油断するなっ!……っ!?燃えてるのは表面だけだっ!!まだ相手は生きてるっ!!撃ち続けろっ!!」

あけび「っ!!」

ダァンッ!カンッ!

あけび「弾かれるっ!?」

典子「怯むなっ!!どんどん撃てーっ!!根性見せるんだっ!!」

忍「砲塔がこっちを向きますっ!!」

ダァンッ!カンッ!

典子「この距離でもっ……くっそおおおおおっ!!」

あけび「っ!!!!」


ダァン!

ドォンッ!!



シュポッ




典子「……隊長、すみません。セット、取れませんでしたっ…!!」




163 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 18:57:02.64 ID:ALG66guy0





ドォンッ!!

あや「うわあああ見つかったあああっ!?」

梓「とにかく逃げてっ!路地裏に逃げて後ろを取れればっ!!」

桂利奈「あいっ!!」

梓「っ!まだ追ってくるっ!!」

桂利奈「怪獣映画みたいー!!」

あゆみ「言ってる場合っ!?」

梓「っ!?まずいっこの道はっ!?」

あゆみ「真っ直ぐじゃんっ!?どーするの!?逃げ場無いよ!っ!?」

あや「追いつかれるよっ!?」

梓「……こうなったらっ!家主さんごめんなさいっ!!桂利奈ちゃんっ!右の家に突っ込んで!!ショートカットだよっ!!」

桂利奈「あいっ!!!」

優希「ええ!?乱暴ー!?」

梓「行っけー!!」


ドォォォン! 



梓「そのまま突っ切ってっ!」



ドォォン!
164 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 19:03:18.97 ID:ALG66guy0
あゆみ「道に出たっ!」

あや「相手の後ろ取れたよっ!!」

梓「撃ってっ!!」


ダァンダァン!

あや「駄目っ!固くて通らないっ!!」

梓「もっと近づいてっ!薄いところなら通るはずっ!!砲塔旋回される前にっ!!あゆみしっかり狙ってっ!!」


ダァンダァン!!


シュポッ


梓「……やった」

あゆみ「うん……」

あや「私達……」

優希「勝ったのね……」

桂利奈「やったあああああああああ!!」

紗希「……」ボー……
165 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 19:08:46.68 ID:ALG66guy0




『攻撃を受け走行不能っ!!』

『こちらもですっ!!』


ダージリン「なっ!?」ポロッ


パリンッ!!


ダージリン「お、おやりになるのねっ……!」

アッサム「2輌も撃破されるとは……」

ダージリン「でも、ここまでよっ、残った2輌は集合して。W号を討つわよ」










エリカ「マチルダ2輌撃破……まさかホントにできるとはね。これならっ……澤さん」

梓『はいっ!』

エリカ「あなた達に頼みがあるわ。……難しいけれど、私はあなた達に頼みたい―――――やってくれる?」

梓『任せてくださいっ!!』
166 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 19:14:40.75 ID:ALG66guy0






沙織「うわああ!?えりりん来てる来てるー!?」

優花里「マチルダ2輌にチャーチル1輌、残存戦力で私達を叩きにきましたっ!!」

エリカ「聖グロの女王様に追いかけられるだなんて光栄な話ね」

麻子「どうする?」

エリカ「囲まれたらまずいわ。とにかく振り切って」

麻子「わかった」

エリカ「華、当たらなくていいから追手を撃って。一瞬でも足止めできれば充分よ」

華「はいっ」


ドォン!ドォン!!



麻子「……しまった」
167 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 19:18:30.07 ID:ALG66guy0






『全面通行止』






エリカ「これを知ってて……ッ!下がって横の道に……っ!!」

沙織「来たっ!?」

優花里「追い詰められましたっ!?」

ダージリン「……こんな格言を知ってる?『イギリス人は恋愛と戦争では手段を選ばない』」

エリカ「っ……こうなったら刺し違えてでもあと1輌――――」


ギュイイイン!

杏「さんじょー!!」




エリカ「生徒会チームっ!?」

優花里「履帯直ったんですねっ!」






杏「かーしまっ!!」

桃「は、はいっ!!」
168 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 19:22:48.12 ID:ALG66guy0








『……良いから落ち着きなさい。破れかぶれに撃っても弾は当たってくれないわ、冷静に、心を落ち着けて』







桃「っ!!」

ダァンッ!!


シュポッ

柚子「桃ちゃん当たったよっ!!」

桃「や、やったっ……」

杏「でも、残りの砲塔こっちむいてるね」


ドォンドォンッ!


シュポッ
169 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 19:32:10.25 ID:ALG66guy0
エリカ「っ!!今のうちに左に入ってっ!!」

麻子「わかった」

エリカ「華っ!!」

華「はいっ!!」

ドォンッ!


シュポッ





エリカ「……桃ちゃん」

桃『も、桃ちゃん言―――』

エリカ「よくやったわ。……ありがとう」

桃『え?』





アッサム「残ったのは私たちだけです」

ダージリン「……まさか私たちがここまで追いつめられるとはね」

オレンジペコ「油断しすぎです」

アッサム「ですね」

ダージリン「……そうね、勉強になったわ」
170 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 19:38:07.89 ID:ALG66guy0





優花里「チャーチル追いかけてきてますっ!!」

エリカ「そりゃそうよねっ!冷泉さん、こちらのほうが足は速いけど引き離しすぎず、ぎりぎり追いつかれそうな距離を保ってっ!」

麻子「わかった」

華「でも、一年生チームのことは……」

エリカ「気づいているでしょうねっ!!でも、私達を逃したらそれこそ挟み撃ちにされるから見逃すことはできないわっ!!」

沙織「これ、ほんとに勝てるかもっ!!」

優花里「エリカ殿、そろそろ!!」

エリカ「ええっ!冷泉さんっ!そのまま反転!側面に突っ込んでっ!!」

麻子「ん」

エリカ「華はさっき話した通りにお願いっ!!」

華「わかりました」

エリカ「行くわよっ!!」
171 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 19:43:04.37 ID:ALG66guy0
アッサム「突っ込んできます」

ダージリン「側面を取るつもりね。アッサム、速度は相手のほうが上よ、落ち着いて狙って」

アッサム「はい」



エリカ「っ撃てっ!!」

ダージリン「撃て」


ダァン! ダァン!


シュポッ



エリカ「っ……華ッ!?」

華「こちらはやられたようです。……ですが、目的は果たせました」

エリカ「よしっ!」
172 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 19:47:54.85 ID:ALG66guy0
ダージリン「履帯をやられた?」

オレンジペコ「狙いが外れたんでしょうか?」

ダージリン「いえ、違うわ……彼女たちの目的は―――――」




ドォォォン!!







アッサム「M3!?住宅の中に隠れてたのっ!?」

ダージリン「最初からこのつもりだったのねっ!!」

オレンジペコ「囮作戦っ……」





エリカ「女王様、確かにあなた達は強いわ。だからこそ胸を貸してもらおうと思ったんだもの」

   ――――でも、ちょっと余裕かましすぎたわね?同じ作戦に2度も引っかかるなんて」
173 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 19:50:01.06 ID:ALG66guy0
オレンジペコ「履帯がっ……旋回できないっ!後ろを取られましたっ!!」









エリカ「だから潔く買ってやりなさい―――――あの子達のケンカを!!」







梓「行くよみんなっ!!」

『おーっ!!』
174 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 19:54:40.66 ID:ALG66guy0
オレンジペコ「ダージリン様っ!アッサム様!どうしましょうっ!?」

アッサム「落ち着きなさいペコ」

ダージリン「そうよペコ。履帯をやられても、もう片方あれば角度をつけることはできるわ。――――アッサム、撃ち抜いてやりなさい」






梓「相手は動けないわっ!!砲塔がこちらに向く前にとにかく撃ってっ!!」

あゆみ・あや「「オッケー!!」」

ダァンダァン!!

カンッ!ダンッ!

あゆみ「弾かれたっ!?」

紗季「……来る」

桂利奈「ん゛っ!!」

キュラキュラ

ドォンッ!!

ガンッ!!






アッサム「避けられたっ!?」

ダージリン「でも、掠ってバランスを崩したわ。ペコ装填急いで」

オレンジペコ「はいっ!」
175 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 19:58:48.48 ID:ALG66guy0
梓「早く向き直ってっ!次が来るっ!!」

桂利奈「ん゛ん゛っーーーー!!」









梓「撃てっ!!」







ダージリン「撃て」







ダァンダァン!!

ガンッガンッ!!


ドォンッ!!



シュポッ!




176 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 19:59:29.77 ID:ALG66guy0








『大洗女子学園、全車両走行不能!よって、聖グロリアーナ女学院の勝利!』








177 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/20(土) 19:59:59.35 ID:ALG66guy0
ここまでで
178 :以下、名無しのかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 20:20:07.90 ID:YXZWjC7U0
エリカの遠慮のない発言が良い方向に向いてるな
179 : ◆eltIyP8eDQ [sage saga]:2018/01/20(土) 22:49:10.95 ID:ALG66guy0
誤字訂正


>>111>>145>>149>>163>>164

優希→優季

>>174

紗季→紗希


以上のように訂正いたします。
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/21(日) 02:29:18.42 ID:nglVoiePO
桃ちゃんやればできる子
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/21(日) 07:46:55.47 ID:V2/iLM100
教育?矯正?指導?して統率を取ろうとするこのエリカは、原作の、あるがまんまの皆をなんだかんだ優勝に導いたみほとは対照的だな。
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/21(日) 08:38:46.07 ID:Gvd6lasNo
乙です
183 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/21(日) 21:57:20.02 ID:gLlWNoZC0





エリカ「……負けた、か」

梓「あの……」

エリカ「澤さん?」

梓「逸見先輩すみませんでしたっ!!せっかくのチャンスを活かせなくて……」

エリカ「良いのよ、むしろ聖グロ相手にあそこまで肉薄できたのだもの。上出来よ」

梓「でも……」

エリカ「……確かにM3の主砲でもあの距離ならなんとかなったかもしれないわ。

    でも、それは結果論よ。それに納得出来ないならもっと上を目指しなさい」

梓「は、はいっ!!」

エリカ「今回の敢闘賞は間違いなくあなた達よ。期待してるわ。梓……って呼んでいいかしら?」

梓「は、はいっ!はいっ!!わ、私もエリカ先輩って!!」

エリカ「ええ、これからもよろしくね……そこのみんなもね」
184 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/21(日) 22:01:24.07 ID:gLlWNoZC0
梓「えっ?」

優季「ばれちゃったぁー」

あゆみ「やっぱり一箇所に隠れるのは無理だったね」

あや「まぁいいじゃん」

桂利奈「私もよろしくお願いしますっ!!」

紗希「……」

梓「みんないたのっ!?」

優季「梓だけが怒られたら可哀想だなって思ったからね」

あや「その時は一緒に怒られようって」

梓「みんな……」

エリカ「ほら、言ったでしょ?」

梓「え?」

エリカ「あなた達、いいチームねって」

梓「……はいっ!」
185 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/21(日) 22:07:18.23 ID:gLlWNoZC0





エリカ「……」

ダージリン「随分と後輩に慕われているようね」

エリカ「ダージリンさん?」

ダージリン「私も、情報収集の一環で調べた程度だけれど……黒森峰の時とは随分変わったみたいね」

エリカ「……人のプライベートに口を出すのはあまりいい趣味とは言えませんね」

ダージリン「それは失礼。なら話を変えるわね。……まさかここまで追い詰められるとは思わなかったわ」

エリカ「……私もそう思います。正直、あの子たちが……大洗がここまでやれるとは思いませんでした」

ダージリン「なら、それを引き出したのはあなたよ」

エリカ「聖グロの隊長にそう言ってもらえるだなんて光栄です」

ダージリン「あのM3の子たちはあなたを信頼していたからこそあれほどの力を見せたのだから。

      部下の失敗は上司の責任だというけれど、部下の成功にも自身がそれの一助になった程度の功績は誇ってもいいと思うわよ?」

エリカ「ふふっ、ありがとうございます」

ダージリン「……ねぇ、こんな格言を知ってる?『何があっても人生には続きがある』」

エリカ「え?」

ダージリン「ロバート・フロストという詩人の言葉よ。あなたがどれだけの困難に直面したか、私には想像もつかないわ。……それでも、自分の人生を諦めないで」

エリカ「……聖グロリアーナでは生徒にカウンセラーの真似事もさせるんですか?」

ダージリン「……ごめんなさい。出過ぎたことを言ってしまったわ」
186 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/21(日) 22:13:33.45 ID:gLlWNoZC0
オレンジペコ「ダージリン様こんなとこにいたんですか」

ダージリン「あらペコ。遅かったじゃない」

アッサム「居場所も言わずにいなくなったのはあなたですよ」

ダージリン「そうだったかしら?」

沙織「えりりん見つけたっ!」

エリカ「あなた達……」

華「私たちも探してたんですよ?」

優花里「エリカ殿、そろそろ戻りましょう?」

エリカ「……そうね。聖グロのみなさん、そういうわけだからそろそろ戻らせてもらうわ。今日は、ありがとうございました」

ダージリン「ええ、こちらこそ。とても楽しかったわ――――白雪姫さん」

エリカ「は?なんですかそれ」
187 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/21(日) 22:17:13.97 ID:gLlWNoZC0
ダージリン「だって、雪のような髪を持ったあなたにぴったりじゃない?とっても素敵な髪だと思うのだけれど」

エリカ「白雪姫は肌が雪のように白いのであって、髪は黒だったと思いますが……」

ダージリン「あら、そうだったかしら?」

オレンジペコ「ダージリン様。よその学校の生徒に変な名前付けるのは止めましょうよ」

沙織「ええー!良いじゃん白雪姫っ!!私もえりりんにぴったりだと思うよっ!」

ダージリン「ほらぁ」

アッサム「またそんな得意げな……」

華「私も、良いと思います」

優花里「わ、私もですっ!」

ダージリン「ほらぁ!」ドヤァ

アッサム「……大洗の皆さん。あまりダージリンを甘やかさないでください」

エリカ「私もいい迷惑なんだけど……」
188 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/21(日) 22:21:37.74 ID:gLlWNoZC0
ダージリン「今日の試合、とても楽しかったわ。友好の印に後で紅茶を送らせるわね」

エリカ「あまり紅茶を嗜む習慣はありませんけど」

ダージリン「なら、これを機に。ね?」

エリカ「……考えておきます」

優花里「エリカ殿、聖グロから紅茶を送られるのはとても名誉なことなんですよっ!」

エリカ「そうなの?」

優花里「知らなかったんですかっ!?」

ダージリン「……エリカさん」

エリカ「まだ何か?」

ダージリン「戦車道、楽しんでね」

エリカ「……行くわよみんな」

沙織「あ、えりりん待ってってばっ!」

華「失礼します」ペコリ

優花里「今日はありがとうございましたっ!」ペコッ
189 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/21(日) 22:27:43.83 ID:gLlWNoZC0
アッサム「なんだか慌ただしい人たちでしたね」

ダージリン「良いことよ。泣いてばかりよりずっと」

オレンジペコ「え?」

ダージリン「エリカさん、あなたを白雪姫と呼んだ理由はもう一つあるのよ?」










ダージリン「眠り続けるあなたがいつか目覚めるようにって。だって、あなたはまだ生きているんだもの」








190 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/21(日) 22:31:21.53 ID:gLlWNoZC0






麻子「お前たち遅いぞ」ツルッ ペタッ

エリカ「え……冷泉さん何その格好……」

麻子「何って、負けたんだからこれからあんこう踊りだぞ」

エリカ「……え?あんこう踊りってそんなの着るの?……え?」

麻子「……」コクッ

エリカ「……私、ちょっと用事を思い出したから」

ガシッ

沙織「どこ行くの?白雪姫様」

華「一緒に咲いて散りましょう」

優花里「自分だけ逃げるだなんて許さないですよ!」

エリカ「……ダメ?」







『ダメ♪』






191 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/21(日) 22:32:25.71 ID:gLlWNoZC0
アアアン アアアン アン アン アン♪

あの子 会いたや あの海越えて〜♪






沙織「お嫁に行けないよーっ!!」クネクネ

華「エリカさん、もっと伸びやかに、恥を捨ててくださいっ!!」クネクネ

優花里「恥ずかしがってる方がもっと恥ずかしいですよっ!」クネクネ

エリカ「っ〜〜〜〜〜!なんなのよこの踊りっ!!?」クネクネ

麻子「受けたのは逸見さんだろ」クネクネ
192 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/21(日) 22:32:53.18 ID:gLlWNoZC0
筆が進んだんで投稿。

今日はここまでで。
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/21(日) 23:38:26.60 ID:WSlZDRF/0
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/22(月) 02:01:50.44 ID:/EacH1mFO
乙 白雪姫には王子様が必要ですがさて…
195 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/22(月) 18:10:30.68 ID:ct1FtJg/0




エリカ「本当になんだったのよあの踊り……もう二度と御免よ……」

麻子「逸見さんにトラウマが刻まれたようだな」

華「仕方がありません……」

優花里「おいたわしやエリカ殿……」

沙織「あれ?あなた達……」

妙子「あの、すみませんっキャプテンを見ませんでした?」

エリカ「キャプテンって磯辺さんのこと?」

さけび「はい。学園艦に戻ってから見てなくて……」

忍「今日の試合が終わった後、元気が無かったみたいで……」

華「あの元気の塊のような磯部さんが……」

沙織「それで探してるの?」

妙子「はい、体育館や寮は探したんですけど……」

エリカ「元気がなくなったのは試合の後なのよね?」

妙子「はい」

エリカ「……なら、あそこにいるかも」

妙子「知っているんですか!?」

エリカ「ええ。たぶんだけどね」

あけび「どこですか!?」

エリカ「……まず私に行かせて」
196 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/22(月) 18:16:40.79 ID:ct1FtJg/0




―車庫―


典子「……」

エリカ「やっぱりここにいたのね」

典子「隊長……」

エリカ「そんなところにいたって八九式は直らないわよ」

典子「……隊長、教えてほしいことがあります」

エリカ「何?」

典子「この子は……八九式は、弱いんですか……?」

エリカ「……あなたがそれを聞くってことは、それなりの理由があるのね」

典子「今日の試合、この子の砲撃は相手の戦車に傷一つ付けることができませんでした」

エリカ「……そう」

典子「何度も至近距離でのアタックをしても、ダメでした」

エリカ「……やっぱり、そうなったのね」

典子「っ!」
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