【ガルパン】エリカ「私は、あなたを救えなかったから」

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778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/04/22(日) 21:45:41.06 ID:utMRVvsn0
>>777
面白いレスだな
779 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:29:44.92 ID:ExbdD3940





『只今吹雪のため、試合を続行するかどうか協議しています』


オレンジペコ「もしも試合がこのまま終わったら、審判の判定になりますね……」

ダージリン「そうなったら、大洗を追い込んでいるプラウダの勝利になるでしょうね」

まほ「……」スクッ スタスタ

ダージリン「あら?どこへ行くの?」

まほ「これ以上は時間の無駄だ」

ダージリン「……あなた、随分と余裕がないのね?」

まほ「……黙れ」

ダージリン「なら、もう少し私たちのもてなしを受けてもらえる?せっかくここまで来たのだから、最後まで見るのも礼儀よ」

小梅「そうですよ隊長」

まほ「……」クルッ スタスタ ドサッ

小梅「うちの隊長がごめんなさい。いつもは冷静なんですけど、あの人の事になると…」コソッ

ダージリン「いいのよ。それよりも、あなたはずいぶんと余裕があるのね」

小梅「私ですか?」
780 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:34:00.73 ID:ExbdD3940
ダージリン「どちらが勝っても問題ないという事かしら?」

小梅「うーん……それは正しいですけど、解答としては不正解ってところですかね?」

ダージリン「あら、それは残念。それじゃあ模範解答を教えてもらえる?」

小梅「私は、大洗が勝つって信じてますから」

ダージリン「……それは、どうして?」

小梅「え?だって、大洗はあの人が隊長をしているんですから。勝ちますよ、きっと」

ダージリン「……小梅さん、あなたは」

まほ「ダージリン、あまり赤星の言葉を真に受けるな」

小梅「えー?ひどいですね」

まほ「相手を過大評価するのはお前の悪い癖だ。いいか、敵の力量を図れず必要以上に警戒する事を『臆病』というんだ」

小梅「……はーい、気を付けますよ。ごめんなさい、ダージリンさん」

ダージリン「……いえ、良いのよ。私も、大洗に肩入れしてる部分があるから」

オレンジペコ「部分も何も、ガッツリ肩入れしてると思いますよ?」
781 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:38:14.80 ID:ExbdD3940





桃「……残り一時間か……」

あや「寒い……」

桂利奈「お腹減ったなー」

ももがー「寒くて筋トレもできないもも……」

ぴよたん「熱が、カロリーが足りない……」

妙子「さすがに、つらいです……」

あけび「雪合戦でもする……?」

忍「そんな余裕、無い……」




沙織「みんな……」

桃「空気が重いな……」

エリカ「寒さと追い込まれた事による焦り……いや、諦めが士気を削いでいる」

桃「……逸見、何かみんなを元気づける事を言えないか?」

エリカ「……廃校の件はもう使えない。カンフル剤になりそうなものは無いわね……」

桃「っ……」

エリカ「それに、解決策のない状態で下手に奮起を促しても反発を招くだけよ」

桃「それは……そうかもだが」

エリカ「……」

沙織「学校、無くなっちゃうのかな……」

エリカ「……大洗が無くなったら、私は……」
782 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:42:47.64 ID:ExbdD3940





梓「……」

ねこにゃー「……」

典子「……」

エリカ「3人そろってどうしたのよ」

梓「先輩……」

ねこにゃー「いや、何かいい案無いかなって」

典子「見つかってませんが……」

エリカ「……あなた達は諦めてないのね」

梓「当たり前じゃないですか」

ねこにゃー「みんなだってただ寒さにやられてるだけで、諦めてなんかないはず……」

典子「根性が足りないな。……私が言えたことじゃないけど」

エリカ「あなた達……」
783 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:45:19.38 ID:ExbdD3940








負けたら、また全部無くなっちゃうよ







784 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:45:55.50 ID:ExbdD3940
エリカ「……」

梓「っ……」グスッ

エリカ「梓……?」

ねこにゃー「どうしたの澤さん、どこか痛いの……?」

梓「違、違います……先輩……私、悔しいですっ……先輩に頼ってばっかで、一番ピンチな今、何もできないのがっ……」

エリカ「……」

梓「私がもっと強ければ……もっと賢ければ……エリカ先輩を助けられたかもしれないのに」

典子「澤……」

ねこにゃー「澤さん……」

エリカ「……」
785 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:47:19.75 ID:ExbdD3940






『私がもっと強ければ。私がもっと賢かったら。違う選択肢を選べて違う未来があったのかもしれない』





786 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:48:26.85 ID:ExbdD3940
エリカ「……このまま終わったら、後輩に同じ轍を踏ませることになるわね」ボソッ

梓「え……?」

エリカ「………………あなた達」

梓「先輩……?」

エリカ「みんなを集めて」

典子「隊長、何かあるんですか?」

エリカ「……賭けに近いけど、手はある」

ねこにゃー「……そっか、ならいつもの事だね」

エリカ「……そうね。それじゃあ、いつものように勝ちに行きましょうか」

梓「先輩っ……!!」

エリカ「ほら、わかったならさっさと行きなさい」

梓「はいっ!!みんなーっ!!」タッタッタ
787 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:50:10.29 ID:ExbdD3940

エリカ「……」チラッ

栗毛の少女『……』








エリカ「……これで、最後よ」







788 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:54:30.96 ID:ExbdD3940




沙織「……本当にそれで行けるの?」

エリカ「相手の予想を外す。基本でしょ?」

優花里「それはそうですけど……」

華「このまま萎れるよりはマシです。せめて一華咲かせましょう」

エリカ「だけど、そのためには誰かに相手を引き付けてもらわなきゃいけないんだけど……」

杏「あーそれなら私たちがやるよ」

エリカ「会長?」

杏「たまにはカッコつけさせてよ」

エリカ「……わかったわ。お願い」

杏「おっけー。あ、山郷ちゃん、こっちで装填手してもらえる?」

山郷「え?私がですか?」

杏「どうせそっちの主砲は使えないでしょ?」

あゆみ「う……そうですね……」

杏「それじゃあお願い」

沙織「……えりりん、来たよ」
789 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 22:01:05.99 ID:ExbdD3940
ザッザッザ


カチューシャ「回答を聞かせてもらいましょうか」

エリカ「……降伏はしない。私たちは最後まで戦うわ」

カチューシャ「……そう。残念よ、大洗の隊長さん。……もっと賢いと思ってた」

エリカ「あいにく、私は愚かで不器用なのよ。だけど、それで取りこぼしたとしてもやりたいようにやる。そう決めたの」

カチューシャ「ふん、随分偉そうに。……いいわ、なら好きにしなさい。せいぜい後悔しない事ね」



ザッザッザ


エリカ「……これで、後戻りはできない。勝って先に進むか、負けて廃校になるか。みんな、覚悟はいい?」

『はいっ!!』

エリカ「それじゃあ、行きましょうっ!!」
790 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 22:01:44.36 ID:ExbdD3940
ここまでです。また来週。
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 22:17:00.22 ID:aBs5HuGUo
乙ー
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 22:29:24.00 ID:eNT0mQWFO
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 22:35:28.86 ID:DHHnJL9o0
おつ
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 22:45:25.65 ID:VjrS1ADjO
乙です
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/29(日) 12:47:40.48 ID:1dHmH2i50
乙乙
796 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:18:54.49 ID:T96Exk7M0




カチューシャ「……私の厚意を無碍にしたんだから、徹底的に叩かせてもらうわよ」

ノンナ『……来ました』

カチューシャ「……チッ、わざわざ分厚いところに突っ込んでくる?舐めるのも大概にしなさいよっ!!」





ダァンッ! ダァンッ!


杏「河嶋、すれ違いざまに撃つぞ!!砲身をもうちょっと左に向けろ!」

桃「はいっ!」

杏「…………撃てっ!!」

桃「っ!!」

ダァンッ! 

桃「っ……すみません」

杏「気にするなっ!正面の4輌このまま引き付けるよっ!!」

エリカ『カメさんチーム、お願いっ!!』

杏「おっけぇっ!!山郷あゆみwithカメさんチーム、行くよっ!!」

あゆみ「わ、私がメインですかっ!?」

柚子「わざわざ来てもらったんだからこのぐらいさせてよー」

杏「そうそう、勝ったら大々的に宣伝するからさ『勝利の立役者は山郷あゆみっ!』ってね」

あゆみ「気の使い方がおかしいですよーっ!?」

桃「山郷っ!!装填急げっ!!」

あゆみ「はいーっ!!」ガションッ
797 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:19:57.13 ID:T96Exk7M0
杏「小山っ!距離詰めろっ!ねちっこくへばりついてっ!!」

ダァンッ!!  ダァンッ!!

桃「っ……また……」

杏「河嶋っ!!落ち着いて撃てっ!38tでも0距離なら何とかなる、お前でも大丈夫だっ!!」

桃「会長……やっぱり砲手は会長がやるべきじゃ……」

杏「今さら何言ってんだ」

桃「ですが……」

杏「逸見ちゃんは私たちが囮を務めることに何も言わなかった。つまり河嶋、お前でいけるって判断したんだ」

桃「……」

杏「見せてやれ、やってやれ河嶋。お前は――――私と逸見ちゃんが見込んだ奴なんだから」

桃「っ……はいっ!!」

杏「逸見ちゃんっ!!構わず展開しちゃってっ!!」

エリカ『分かってるわっ!!』

杏「河嶋っ!!タイミング合わせろっ!!―――――撃てっ!!」

桃「っ!!」

ダァンッ!!

シュポッ!!

桃「よしっ……!」

杏「気ぃ抜くなっ!!次行くぞっ!!」

桃「はいっ!!」

あゆみ「っ!!」ガションッ
798 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:22:14.37 ID:T96Exk7M0
杏「今っ!!」

ダァンッ!! ガンッ

桃「弾かれたっ……」

杏「もう一回行くよっ!!山郷ちゃん装填もっと早くっ!!」

あゆみ「はいっ!!」

ダァンッ! ドンッ!

杏「よし、足をやったぞっ!!河嶋、その調子だっ!!」

桃「はいっ!!」

柚子「桃ちゃん頑張ってっ!!」

桃「わかってるっ!!」

杏「撃てっ!!」

ダァンッ!! 

シュポッ!

杏「よしっ!!ここらで逸見ちゃん達に合流しに―――」

桃「っ!!あいつもっ!!」

杏「いや河嶋お前じゃこの距離は――――」
799 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:25:03.60 ID:T96Exk7M0
ダァンッ  ガンッ ドォンッ!!


シュポッ!!


杏「――――え?」

あゆみ「……どういう事?」

杏「弾がさっき倒したT-34で跳弾して、命中……」

桃「こ、これは……」

杏「…………ぷふっ、あははははははっ!!かーしま、お前やっぱ凄いよっ!!」

桃「え?え?」

あゆみ「河嶋先輩凄い……」

柚子「桃ちゃん、もうここで外すー?だなんて言えないね……」

桃「ふ、ふんっ!!見たか私の実力をっ!!」

杏「……とはいえ」

柚子「あ……」





ノンナ「…………」





800 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:28:14.84 ID:T96Exk7M0

ダァンッ!

シュポッ!!




杏「つつつつ……逸見ちゃん、やられたけど3輌仕留めたよ」

エリカ『嘘っ!?桃ちゃんがっ!?』

桃「なんで意外そうなんだっ!?」

エリカ『いやだって桃ちゃんよっ!?』

桃「私だからなんなんだーっ!?」

杏「あはは、逸見ちゃん河嶋頑張ったよ。ほめてやってよ」

エリカ『ええっ!!桃ちゃんよくやったわっ!!大好きっ!!』

桃「ななっ……!?」

あゆみ「わぁ……」

杏「おぉ、情熱的だね」

エリカ『後は私たちに任せて、風邪ひかないようにしてなさいっ!!』
801 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:30:26.79 ID:T96Exk7M0





オオー!!

ガンバレー!!

オジョーッ!!




オレンジペコ「みんな大洗を応援してますね」

ダージリン「判官贔屓という事かしら」

小梅「そうかもしれませんね。……でも、あの人の実力は本物です」

まほ「……チッ、カチューシャめ余裕を見せた挙句にこれか」

小梅「隊長」

まほ「……ふん」
802 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:34:15.64 ID:T96Exk7M0





エリカ「カモさんっ!追手の中にフラッグ車はいるっ!?」

そど子『いませんっ!!』

エリカ「わかったわっ!カバさん、アリクイさん、次の坂を登ったら敵をやり過ごしてっ!!一緒にフラッグ車を叩きに行くわよっ!!」」

『了解』

エリカ「ウサギさんとカモさんはアヒルさんを守ってっ!!」

『はいっ!!』

エリカ「相手はこの暗さと塗装のせいでこちらを視認しずらいはず。できるだけ撃ち返さず暗さに紛れてっ!!」






カチューシャ「追え追えーっ!!地の果てまで追いなさいっ!!」

ノンナ『カチューシャ、2輌いや3輌ほど見当たりませんが』

カチューシャ「そんなのどうだってっ……いないのって何っ!?」

ノンナ『…………三式、V突。それと……W号です』

カチューシャ「っ!?戻るわよっ!!2輌私についてきなさいっ!!ノンナたちはそのままフラッグ車を追ってっ!!」

ノンナ『わかりました』

カチューシャ「……まったく、私がこんな単純な陽動に引っかかるだなんてっ……」
803 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:38:45.13 ID:T96Exk7M0





そど子『隊長っ!!敵が3輌そっちに向かいましたっ!!』

エリカ「っ……もうばれたか」

ねこにゃー『逸見さん、ボクたちが食い止めるよ』

エリカ「猫田さん?」

ねこにゃー『どこまでもつかわからないけど、少しは時間が稼げると思う』

エリカ「……わかった、頼むわ」

ねこにゃー『うん、任せて。それと、ボクの事はねこにゃーって呼んでね?』

エリカ「は?」

ねこにゃー『リピートアフタミー、ねこにゃー』

エリカ「…………ねこにゃー」

ねこにゃー『Good!!』

ももがー『ももがーはももがーももっ!!』

ぴよたん『ぴよたんはぴよたんだぴよー!!』

エリカ「ああもうっ!?歴女といいあなた達といい、なんなの?流行ってるのソウルネームで呼び合うの!?」

ねこにゃー『多分、逸見さんの反応が面白いからだと思うよ』

エリカ「……はぁ、時間稼ぎ頼んだわよ、ねこにゃー、ももがー、ぴよたん」

『おっけー!!』

沙織「なんだかえりりん可愛いね」コソッ

華「エリカさんも語尾に何かつけるといいかもしれませんね」コソッ

優花里「何がいいでしょうか?」コソッ

麻子「……『あんこうさんチームの隊長、えりりんだりんっ♪』」ボソッ




「「「それだっ!!」」」




エリカ「遊んでないで集中しなさいっ!!」
804 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:41:14.48 ID:T96Exk7M0






ノンナ『カチューシャ、こちらはもうすぐ敵フラッグが射程に入ります』

カチューシャ「ならさっさと仕留めちゃってっ!!」

ノンナ『わかりました。そちらは?』

カチューシャ「今追っかけてる最中よ。フラッグには見つかったら街の中で逃げ回りなさいって伝えたところっ!!」

ノンナ『……カチューシャ、あまり焦らないように』

カチューシャ「…………わかってるわよっ!!」

ダァンッ!!

ガァンッ!!

カチューシャ「っ!?砲撃っ!?」






ねこにゃー「残念、弾かれたね……」

ぴよたん「距離を取りつつ時間を稼ぐぴよ」

ももがー「ヒット&ウェイっももっ!!」
805 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:45:52.31 ID:T96Exk7M0
『隊長、相手の三式こちらを通すつもりはないようです』

カチューシャ「……上等よ。あのポンコツ潰してさっさと行くわよっ!!」





ぴよたん「ところで……さっきW号をかばった時に砲塔が……」

ねこにゃー「……うん。回んないね」

ももがー「やっぱり話しといたほうが良かったんじゃ……」

ねこにゃー「どうだろう……応急処置で何とかなるものじゃないし、これ以上逸見さんを落ち込ませたくなかったから……」

ぴよたん「後者が本音?」

ねこにゃー「……まぁね」

ぴよたん「それじゃあしょうがないね」

ももがー「後で一緒に怒られてあげるっちゃ!」

ねこにゃー「……ありがとう。なら、行こっか」

ももがー「砲塔が回らなくても、ももがーのドライビングテクで何とかしてみせるももっ!!」

ぴよたん「その意気だぴよっ!!」

ねこにゃー「逸見さん……頑張って」
806 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:48:39.68 ID:T96Exk7M0
今回はここまでで。また土曜に
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 17:09:24.78 ID:Ql3zwfJUo

えりりんかー
いいね
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 18:56:58.42 ID:w6Sy87LJO
ももがーちゃん、頑張れ!
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 23:48:18.32 ID:9NoV3yo8O
乙 毎週の楽しみだ
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/05/06(日) 00:09:18.93 ID:skVszVE+0
>>1ーチェ! >>1ーチェ!
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 11:30:23.04 ID:2Yo1OJmao
乙ー
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 13:57:01.32 ID:ai7WWfCwO
乙です!
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/12(土) 20:14:03.94 ID:jsK6L5+kO
時が来た
814 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 21:04:12.88 ID:RtJirjaw0




優花里『エリカ殿っ!!敵フラッグ車を見つけましたっ!!』

エリカ「よくやったわ。優花里を偵察に出して正解だったわね。カバさん、行くわよっ!!」

エルヴィン『ああっ!!――――っ!?隊長、あれはっ!?』

エリカ「KV-2!?ここにいたのねっ……あれの榴弾は脅威よっ!!散開してっ!!」

エルヴィン『了解っ!!』

エリカ「……来るっ!!」
815 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 21:08:01.99 ID:RtJirjaw0


ダァンッ


ドゴオオオンッ!!



沙織「うわぁ……凄い爆発」

エリカ「その分装填に時間がかかるっ!!カバさんと一緒に薄いところを狙ってっ!!」

華「っ!!!」

ダァン!ダァンッ!

シュポッ!!





エリカ「よしっ!!これで敵フラッグは丸裸よっ!!」



816 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 21:12:17.02 ID:RtJirjaw0






シュポッ!!


ねこにゃー「っ……ここまでか」

ぴよたん「見せ場あったぁ……?」

ももがー「時間は稼げたと思うけど……」







カチューシャ「……まさか、3対1でここまで粘られるなんて」

『隊長、急ぎましょうっ!!』

カチューシャ「わかってるわよっ!!」



817 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 21:21:27.10 ID:RtJirjaw0







ねこにゃー『逸見さんごめん。やられちゃった……』

エリカ「っ……いえ、ねこにゃーはよくやってくれたわ。待ってて、キッチリ決めるから」

ねこにゃー『……うんっ!』

沙織「だけど、さっきから敵に逃げられてばっかりだよ……」

エリカ「……どうする。相手は同じところを回ってるだけ。ならV突と挟み撃ちにする?いや、V突じゃ横の動きに対応しきれない。下手にやってもこっちの数を減らすだけに……」ブツブツ
  
典子『こちらアヒルさんチーム!護衛は全滅っ!』

梓『エリカ先輩、ごめんなさいっ!!』

そど子『隊長、急いでっ!!』

エリカ「っ……まずいわ」

華「……麻子さん、これ以上速度を上げることはできませんか?」

エリカ「華?」
818 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 21:27:11.51 ID:RtJirjaw0

麻子「……悪いがこれ以上は難しい。カーブでスリップしないギリギリの速度だ」

華「……わかりました。エリカさん、私に考えがあります」

エリカ「何?」

華「……次の長い直線で敵のフラッグ車を撃ち抜きます」

エリカ「……いや、それができれば苦労しな」

華「敵がすぐそこまで迫っているのであれば、これ以上時間をかけるのは得策ではありません」

エリカ「……できるの?」

華「麻子さん、次曲がったら全速力でお願いします」

麻子「言っただろ。今がスリップしないギリギリだと」

華「いいです。そのまま真っ直ぐ走ってください。その分、相手との距離が近づくはずです。相手が角を曲がり、直線に入った後ろを通り過ぎざまに撃ちます」

麻子「……マジか」
819 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 21:35:01.13 ID:RtJirjaw0


華「下手にブレーキをかけるとブレるので速度を緩めないでください」

エリカ「ちょ、流鏑馬じゃないのよ?それどころか相手は動いてる上に直前まで視認できないのに……」

華「アンツィオ戦で、私は動いているCV33に偶然命中させられました。あの偶然を……必然まで落とし込みます」

エリカ「……」

華「こちらのフラッグ車もギリギリです。これ以上、小細工をしている時間はありません」

エリカ「……そんな曲芸みたいな真似ほんとにできると思う?」

華「当てます。……当てて見せます。私にみなさんの一瞬をください」

エリカ「……わかったわ。華、あなたに賭けさせてもらう」

華「はいっ」

エリカ「麻子、お願い」

麻子「わかった」

沙織「華、頑張ってっ!!」

エリカ「……やってやりましょう」

華「……はい。任せてください」

優花里『相手の速度は変わっていません』

エリカ「了解。華、照準を合わせて」

華「はい。おそらく、この角度なら……」
820 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 21:43:05.21 ID:RtJirjaw0

エリカ「……まったく、西住流だ連携だなんて偉そうに言ったところで上手く行くものじゃないわね。結局最後は賭けに頼るんだから」

沙織「あはは、そうだね。でも、サンダースの時と同じだよ。自分たちより強い相手を倒すんだから、賭けの一つや二つやって当然だよっ」

麻子「そうだな」

華「廃校がかかってますから。ここはエリカさんの主義や流儀は後回しです」

エリカ「はぁ……なら、しょうがないわね」

華「はいっ」

エリカ「……いろんなもの背負わせて悪いわね」

華「いいんですよ。この重みが、私の震えを取ってくれます」

エリカ「……ありがとう」

華「ええ」

麻子「……行くぞ」
821 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 21:50:21.94 ID:RtJirjaw0


ギュィィィィンンッ!!



エリカ「沙織。危ないからどこかにつかまってなさい」

沙織「うんっ……」

華「……動も切り取れば静の連なり。自分の呼吸を相手の呼吸に合わせて、瞬間を射貫く……」

麻子「コーナー超えるぞっ!!」

ギュィィンンッ!!

エリカ「―――――華っ!!」

華「っ!!」

822 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 21:51:04.73 ID:RtJirjaw0



ダァンッ!  







シュポッ






823 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 21:53:55.65 ID:RtJirjaw0





『プラウダ高校フラッグ車走行不能。大洗女子学園の勝利っ!!』




824 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 21:54:48.89 ID:RtJirjaw0





『プラウダ高校フラッグ車走行不能。大洗女子学園の勝利っ!!』







優花里「すっご……」





カエサル「うっわぁ……」

左衛門座「マジでか……」

おりょう「やばいぜよ……」

エルヴィン「……シモ・ヘイヘ」

「「「それだよねー……」」」

825 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 21:57:23.84 ID:RtJirjaw0




ナカジマ「……逸見さん、やったね」

ツチヤ「帰ったらまた修理かー」

ホシノ「ああ、楽しみだな」

ツチヤ「……そうですねっ」

スズキ「EPSももっと改良しないとなー」




826 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 21:59:29.49 ID:RtJirjaw0





桃「やったあああああああああああっ!!」

あゆみ「やりましたねっ!!」

杏「……逸見ちゃん、さすがだね」

柚子「これで決勝進出だね桃ちゃんっ!!」

桃「桃ちゃん言うなっ!!」




827 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 22:03:26.39 ID:RtJirjaw0




ワーワー!!


カチューシャ「……」

ノンナ『カチューシャ……もうしわけありません』

カチューシャ「仕方ないわ。あいつらは大博打に出て、それに勝ったのだから。……残念ね、穏便に済ませたかったのに」

ノンナ『カチューシャ……』

カチューシャ「ノンナ、早く戻ってきなさい」




828 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 22:08:36.62 ID:RtJirjaw0





エリカ「……ふぅ」

華「はぁー……」

沙織「やったやった勝ったよえりりんっ!!」

優花里『さすがです華殿っ!!』

エリカ「華、よく決めたわね」

華「一時はどうなるかと思いましたが、なんとかエリカさんの期待に応えられました」

エリカ「私の期待程度で命中させられるあなたが凄いのよ」

麻子「寒さと眠さに耐えた甲斐があったな」

沙織「ほんとだよー。早くあったかい海域に戻りたいよー」

エリカ「まったく、呑気ねあなたも」
829 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 22:10:33.47 ID:RtJirjaw0





栗毛の少女『………………』








エリカ「……勝負を決めたのはあなたの力じゃないわ」ボソッ

沙織「……えりりんどうかしたの?」

エリカ「ん?……なんでもないわよ」

沙織「そう?」

エリカ「ええ。さ、優花里を拾って戻るわよ」

830 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 22:12:40.28 ID:RtJirjaw0
ここまで。次は来週土曜の21時からを予定しています。
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/12(土) 22:15:19.04 ID:acBuSUWzo


これでまほとの戦いは避けられなくなったか
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/12(土) 23:38:30.24 ID:/hQvYorso
乙ー
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/12(土) 23:58:57.22 ID:OELz4JAcO
乙です
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/13(日) 13:39:34.12 ID:ErFVha1zO
西住流は流鏑馬の流れをうんたらかんたら
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/13(日) 14:13:45.13 ID:q3F+IW9Xo
カチューシャの最後のセリフが気になる
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/13(日) 14:14:04.21 ID:jNcpIcC30

カチューシャのいう穏便が気になる
とにかく、華さんすごい
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/05/14(月) 10:10:35.12 ID:BA7HL0lfO
>>1ーチェ
まほさんカーボンすらぶち抜く実弾使ってきそうな勢いだがさて
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/14(月) 21:38:55.51 ID:Dy1Pfwq10
乙 決勝か、終わりが見えてきたな…この題材だとまほと決着したら劇場版は無さそうだしな
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/17(木) 09:29:12.66 ID:1gibHyy30
色々有るのかはてさて真相は
あ、遅くなったけど乙
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/17(木) 21:32:25.05 ID:copBDyVl0
そういえばサメさんチームは参戦するのかね
841 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 21:14:15.99 ID:ZASSsxSB0








「両校、礼っ!!」

『ありがとうございましたっ!!』





842 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 21:15:44.63 ID:ZASSsxSB0







優花里「いよいよ決勝っ……」

華「ここまできたのです、テッペン取りましょう」

沙織「うんっ!!」

麻子「……ま、私の安寧のためにもな」

梓「私ももっとエリカ先輩の役に立たないと……」

典子「そんなに気負うな澤、お前達がいたから私たちは生き残れたんだから」

ねこにゃー「そうだよ澤さん。澤さんたちがフラッグ車を守ってなかったらこの試合は勝てなかったと思うから」

梓「……はいっ」

典子「よしっ!!良い顔になったなっ!!どうだ?せっかくだからバレー部に入らないか?」

梓「あ、遠慮しときます」

典子「そうか……」ショボン

ねこにゃー「キャプテン、抜け目ないね……」

沙織「ん?……あれって、プラウダの隊長?」
843 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 21:24:31.31 ID:ZASSsxSB0





エリカ「……これで、決勝進出、か。次勝てば学園を、みんなを守れる」




あなたにそんな力も勇気もないよ。だってそれがあったなら―――――私はここにいないもの




エリカ「……それでも、私は進むしか」

カチューシャ「勝ったのに何情けない顔してるのよ」

エリカ「……生まれつきよ。ほっといて」

カチューシャ「あら?そうだったの意外ね」

エリカ「……何の用よ?」

カチューシャ「別に?私たちに勝った隊長の顔を拝みに来ただけよ」

エリカ「そう、ならもう充分でしょ。さっさと戻りなさい」

カチューシャ「ねぇ、大洗の隊長。あなたいつまでそんなことやってるつもり?」

エリカ「……何がよ」

カチューシャ「大洗の隊長、あなた見てて笑っちゃうわ」

エリカ「っ……敗将が偉そうに。……さっきから大洗の隊長大洗の隊長って、私の名前は逸見エリ――――――」

カチューシャ「違うでしょ?」

エリカ「……」

沙織「……え?何が?」
844 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 21:32:47.11 ID:ZASSsxSB0
優花里「か、カチューシャ殿それ以上は……」

カチューシャ「あんたは黙ってなさい。私は、私たちに勝った学校の隊長がこんなにも情けないのが見てられないのよ」

エリカ「みんな……」

華「……聞き捨てなりませんね」

麻子「そんなことを言われる筋合いはないぞ」

沙織「そうだよっ!!えりりんは大洗の隊長として立派にやってるもんっ!!」

カチューシャ「……呆れた。メンバーどころか自分のチームにも話してないの?」

エリカ「あなたには関係ないことよ」

カチューシャ「言ったでしょ?情けない姿を見てられないって。いいわ、なら私が教えてあげる」

エリカ「やめなさい」
845 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 21:38:16.31 ID:ZASSsxSB0






小梅「やっぱり大洗が勝ちましたね」

ダージリン「ええ、肩入れした甲斐があったわ」

まほ「……」

小梅「それじゃあ、私たちは戻りますね。ありがとうございました」

ダージリン「いいのよ。さ、私たちも撤収しましょう」

オレンジペコ「はい。……あれ?」

ダージリン「ペコ、どうかしたの?」

オレンジペコ「いえ、大洗の人たちが何か揉めて……あれってプラウダの」

小梅「え?」

ダージリン「カチューシャ……?何を――――まさかっ!?」ガタッ

まほ「……ああ、そういう事か」

オレンジペコ「え?え?どういう事ですか?」

小梅「……」
846 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 21:44:55.27 ID:ZASSsxSB0





カチューシャ「ここにいるアンタたちの隊長。偉大なる我らがプラウダ高校に勝った名将、逸見エリカ」

エリカ「ねぇ、やめて」

カチューシャ「でもね、こいつはアンタたちに重大な秘密を隠してる」

桃「秘密……?」

あや「廃校の事はもう聞いたよね?」

エリカ「やめて……黙りなさいっ!!」

カチューシャ「ノンナ」

ノンナ「はい」ガシッ

エリカ「っ!?この、離しなさい!!」

沙織「ちょっ、何してっ……」
847 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 21:50:16.06 ID:ZASSsxSB0
杏「カチューシャっ!!」

エリカ「会長……」

桃「はぁっ、はぁっ……会長、急に走り出して一体どうしたんですか」

杏「カチューシャ、頼むよ。ここは大人しく帰ってくれない?」

カチューシャ「……あなたは知ってるみたいね。……ああそうか、あなたがこいつを引き込んだってわけ」

杏「……」

カチューシャ「こんな燃えカスに頼ってただなんてよっぽど切羽詰まってたのね」

杏「……うん、そうだよ。私が無理やり引き込んだんだ。だから逸見ちゃんの事情は関係ないんだよ」

桃「会長?」

カチューシャ「……それで私が納得すると思う?」

杏「カチューシャ……お願いだからさ。悪いのは全部私なんだよ。逸見ちゃんはただ、私たちのために頑張ってくれただけなんだ」

カチューシャ「話にならないわね。……全員よく聞きなさいっ!」

杏「待っ―――――」
848 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 21:55:55.31 ID:ZASSsxSB0






カチューシャ「逸見エリカは、もうこの世にいないわ」





849 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 21:59:00.83 ID:ZASSsxSB0
華「っ!?」

沙織「……え?」

優花里「っ……」

麻子「何を言ってるんだ。逸見さんはそこに……」

梓「ふざけないでっ!!」ガシッ

カチューシャ「……」

梓「エリカ先輩が死んでるだなんて……負けた腹いせにしたって限度があるでしょっ!!?」

カチューシャ「……後輩にずいぶん慕われてるみたいね」

エリカ「梓……」
850 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:03:14.01 ID:ZASSsxSB0
梓「エリカ先輩がいたから私たちはここまでこれたっ!あなた達を倒して、決勝に進めたっ!!それをっ!!」

典子「澤の言う通りだ。……今なら撤回するだけで許してやるぞ」

ねこにゃー「……」ジッ…

カチューシャ「……逸見エリカは死んでいる。これは紛れもない事実だわ」

梓「このっ……!?」

カチューシャ「ならそこにいるのは誰か」

エリカ「……やめて」

カチューシャ「こいつはね、逸見エリカなんかじゃないわ」

エリカ「……離して。離してっ!やめろっ!!やめて、お願いだからっ!!ねぇっ!?やめてっ……やめてくださいッ!!」

カチューシャ「こいつの名前は――――――」
851 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:07:44.37 ID:ZASSsxSB0








カチューシャ「西住みほ。黒森峰の隊長西住まほの妹にして、去年の敗戦の原因を作った元副隊長よ」







852 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:12:43.93 ID:ZASSsxSB0

沙織「……何、言って、西住さんは去年の事故で亡くなったって……」

カチューシャ「あぁ、そういう事にしたかったのね。……でも、そいつの反応をみればわかるでしょ?ねぇ、偽者さん?」

エリカ「……」

華「エリカさん……」

麻子「逸見、さん」

優花里「っ……」

杏「……」

沙織「えりりん……?」

桃「……逸見?」
853 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:18:44.29 ID:ZASSsxSB0


エリカ「……みんな、こいつが言ってるのはただの戯言よ」

カチューシャ「冗談でこんな事言うと思う?」

エリカ「っ……!!」バッ

ノンナ「っ!?カチューシャっ!!」

ガッ

エリカ「取り消せっ……私は、私は逸見エリカよっ!!」ググッ

カチューシャ「……そんなに苦しそうに自分の名前を言うやつ初めて見たわ」

沙織「えりりんっ、落ち着いてっ!!」

カチューシャ「ねぇ、何も知らない人たちに偽りを語るのは楽しかった?」

エリカ「違うっ……」

カチューシャ「亡くなったあの子を騙って第2の人生でも送りたかったの?」

エリカ「違う……違うの、私は……」

カチューシャ「……いい加減、自分を見つめる時なのよ西住みほ。……逸見エリカのためにも」
854 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:22:31.90 ID:ZASSsxSB0



ピシッ


855 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:23:07.27 ID:ZASSsxSB0



エリ※「……嘘よ。そんな事あるはずないでしょ」

沙織「……えりりん?」


856 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:26:06.54 ID:ZASSsxSB0



ピシッ


857 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:27:29.61 ID:ZASSsxSB0



エ※※「だって、だって、私が、逸見エリカだからみんなと、ここまで来られて……」


858 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:28:53.39 ID:ZASSsxSB0



ピシッ


859 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:30:57.96 ID:ZASSsxSB0
※※※「違う……違うッ!!私はッ、逸見エリカでっ、西住みほは死んだのッ!!」

梓「先輩……エリカ先輩ッ!?」

※※※「……そうよ、梓。私は逸見エリカ。西住みほじゃ、あなた達とここまで来られなかった。弱くて、臆病なあいつじゃそんな事できなかった」

梓「っ……」

ねこにゃー「逸見さん、もう戻ろう……?ここは寒いから、暖かいところでゆっくりして……」

※※※「……そう。私はみんなと一緒に学園を守るために……ああでも、私なんかじゃ……」

典子「隊長っ、ほら、深呼吸して……」

※※※「……………………なんで私はここにいるの?」

典子「え?」

※※※「だって、私は……私なんかより、あの人が生きている事のほうが大事で……」

沙織「えりりん、ねぇ落ち着いてっ……」

※※※「ねぇっ!?私は逸見エリカよっ!!みんな知ってるでしょっ!?」

カチューシャ「誰も知らないわよ、あなたの事なんて」
860 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:35:14.72 ID:ZASSsxSB0
※※※「っ……沙織っ!!私は、私はエリカさんだよねっ!?」

沙織「え、えりりん……」

※※※「ねぇ、華っ!!麻子っ!!」

華「……」

麻子「っ……」

※※※「……優花里、みんなに言ってください。私が……逸見エリカだって」

優花里「…………ごめんなさい。もう、私には……」

※※※「―――――なら、私はなんでなんですか?」

杏「ねぇ、逸見ちゃん戻ろう?ほら、次は決勝なんだからさ、ゆっくり休んで英気を……」
861 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:39:12.28 ID:ZASSsxSB0
※※※「だって、西住みほは死んでるのに、あの人がいないなら……私は、私は――――なんで生きてるの?」

桃「逸、見……」

※※※「桃、ちゃん……私は、私はエリカさんだよ?わかってくれるよね……?桃ちゃんならわかってくれるよね?私は―――――」

桃「お前は………………誰、なんだ…………?」

※※※「あ……」
862 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:42:00.20 ID:ZASSsxSB0



パリンッ


863 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:42:39.00 ID:ZASSsxSB0

「……」

桃「……逸見?」

「……私は、」

沙織「えりりん?」

「…………私は逸見エリカ、私は逸見さん、私はエリカさん、私は、私は私は私は―――――――エリカさんになれないの?」

カチューシャ「……なれないわよ。人が、別の誰かになんて」

「……」
864 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:46:32.35 ID:ZASSsxSB0




色が消えていく。目の前に広がる雪原に溶け込むかのように人が、空が、真っ白になっていく

私を見つめる瞳はどんな色をしていたのだろうか

思い出せない。私の記憶に焼き付いているのはあなたの姿だけだから

月光のような銀髪、宝石のような碧眼

記憶に残る貴女の姿は何よりも美しく、輝いていて

だけど、あなたはいってしまった。私をおいて



865 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:50:58.76 ID:ZASSsxSB0




『みほ』




その言葉に感慨を抱いたことは無かった。だけどあなたの声が輝きを与えてくれた

手を取ってくれた、隣に立ってくれた、微笑みをくれた

弱くて、勇気のない私を照らしてくれた

そのあなたがいないのなら、私にはもう何の価値もない

私にとって――――エリカさん、貴女は全てだった



866 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:52:06.74 ID:ZASSsxSB0



何故

何故

何故

ずっと問い続けていた。何故、貴女を失ったのか。

答えは決まっている。私が生きていたからだ

貴女を失うぐらいなら生まれてこなければよかった。

貴女がいてくれるなら何もいらなかった。

そして、私は全てを失った


867 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:52:59.89 ID:ZASSsxSB0



だけど

だけど

だけど

私は生きてしまっている。貴女のとは似ても似つかない真っ白な髪(ニセモノ)を支えに、空っぽの中身を抱えながら

嘘と偽りで形作られた人形。それが、私なんだ


868 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:53:51.49 ID:ZASSsxSB0




沙織「――――!?」

桃「――!?――、――!?」



869 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:54:23.95 ID:ZASSsxSB0



目の前の真っ白な人たちは必死に貴女の名前を呼んでいる

貴女はもう、いないのに

空っぽの偽物がいくら貴女を真似ようと、貴女は帰ってこないのに


870 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:55:48.23 ID:ZASSsxSB0



そうしたのは私で、私は私が許せなくて

なのに死ぬことすらできなくて


871 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:57:14.80 ID:ZASSsxSB0



犯した罪はあまりにも重く

生きていることが今の私にとっての罰なのだろう、




だって



872 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 22:58:03.62 ID:ZASSsxSB0






「私は、あなたを救えなかったから」





873 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/19(土) 23:01:57.52 ID:ZASSsxSB0


えー、当初の想定よりも文量が嵩んでしまいこのスレだけでは終わらないので

ここで第一部完といったところでこのスレを終わらせようと思います。

次のスレはまた来週あたりに立てると思うので、またお知らせします。

クソ長いスレですが、もう少しお付き合いください。

読んでくれた方々ありがとうございました。

874 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/19(土) 23:07:40.21 ID:3k6cULiSO

やっぱりみほだったか...
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/19(土) 23:07:42.47 ID:tdKONcxt0
乙!色々言いたい事はあるがこの物語がどう畳まれるのか気になって仕方がないです!願わくばハッピーエンドを期待しています
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/19(土) 23:10:15.04 ID:uejfokKvo
乙です
877 : ◆eltIyP8eDQ [sage saga]:2018/05/19(土) 23:18:06.69 ID:ZASSsxSB0
埋めるついでに感想なんか頂けるとめっちゃ喜びます
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