キャプテン・アメリカ「ハンター試験……?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 13:39:06.24 ID:VScXlaJ10
MCUキャプテン・アメリカとhunter×hunterのコラボSSです。

チラ裏気分でさくっと読んでいってください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1514349545
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 13:39:35.35 ID:VScXlaJ10
チュンチュン……


キャプテン・アメリカ(以下キャップ)「う……。……ここは……?」

ウィンターソルジャー戦後--ヘリキャリアをすべて破壊し、
ウィンター・ソルジャーとの激闘の果てに川に落ちたスティーブ・ロジャースことキャプテン・アメリカ。
彼は着水の瞬間に全身が奇妙な感覚に包まれるのを感じた。
そして、目覚めると奇怪な森の中にいた。
彼の盾はすぐそばに転がっており、着衣はなぜかステルススーツとなっている。
キャップの近くには『371』の番号のついた丸い札が転がっていた。

キャップ(僕は……バッキーと戦って川に落ちたはずだ。それなのになぜ森の中に?)

キャップ(奇妙な場所だ……顔のついた鳥や人語を喋る獣を見かけた。ここは本当に地球なのか?)

キャップ(考えにくいことだが……コールソンの話では宇宙にはまだまだアベンジャーズすら知りえない不思議な現象やパワーが存在すると聞く。
もしかしたらあのときコズミックキューブのような異空間に通じる力が発生したのかもしれない)

キャップ(道行く人にこの土地のことを聞いた。この世界にはハンターというものが存在するらしい。そしてその試験会場がこの近くだとも……)

キャップ「ステーキ。弱火でじっくり」

店主「……あいよ」

キャップ「……」もぐもぐ

キャップ(僕はあの札を持っていたことで受験資格があると見なされたようだ。なにかの罠かもしれないが……)
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 13:40:55.16 ID:VScXlaJ10
キャップ(ここが会場か) (屈強な男たちばかりだ。中には変わった格好をしたものもちらほらいる。おかげで僕も悪目立ちせず済むわけだが) (……ステルススーツならマスクをとれば軍装ぽく見えるからね)

キャップ(柄の悪いのが目立つが……中には善良そうな人もいる)

「オレの名前はゴン」「私の名はクラピカ」「レオリオというものだ」

キャップ「! まさか、子供がいる?」

キャップ(ハンター試験とは子供でも参加できるものなのか?)

「ねえそこのお兄さん!あんた試験には初参加かい?」

キャップ「?ああ、あなたは?」

トンパ「俺の名はトンパ。今年で35回目になるベテランだ。聞きたいことがあれば何でも聞きな」

キャップ「35回……チャレンジャーだね。相応に難しい試験と聞くが」

トンパ「まあこいつはお近づきの印だ。受け取ってくれ」

キャップ「ふむ……ありがとう、でも遠慮しておくよ」

トンパ「え、飲まないのか?」

キャップ「あいにく喉が渇いていないんだ。それに缶を入れておくウェストポーチの類は持っていないからね」

トンパ (チッ…) 「そうか、じゃあ頑張れよ」スタスタ

キャップ (……罠を仕掛ける者もいる、か)
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 13:42:31.91 ID:VScXlaJ10
ゴン「おじさん! もらったジュース飲まない方がいいよ。それ下剤入ってるから」

キャップ (さっきの子か)「ああ、ありがとう。僕は受け取らなかったよ」

クラピカ「よく気付いたな」

キャップ「というより兵士の習慣なんだ。戦場で送られた塩は舐めない」

クラピカ「ふむ、兵か……」(どことなく威厳を感じさせる佇まいだが…ハンター試験なら隊長格の兵士がいてもおかしくはないか)(胸の星のマークといい違和感はあるが)

ゴン「おじさんはどこから来たの?」

キャップ「ブルックリンだ」

レオリオ「ブルックリン……?聞いたこともない土地だな」

ゴン「俺は試験に合格して同じハンターの父さんに逢いにいくんだ。よろしくね」「おじさんの名前は?」

キャップ「僕の名前はスティーブ・ロジャース。試験についてわからないことも多いからよろしく頼むよ」


ジリリリ

サトツ「それでは第287期ハンター試験、一次試験を開始いたします」

サトツ「私は一次試験官のサトツと申します。二次試験会場までついてくること、それが一次試験となります」

キャップ「このスピードで長丁場となれば脱落する者も少なくない」「なるほど。マラソンなら得意だ」

レオリオ「おいおい、初めからそんなスピードで走ってたらスタミナ切れするぞ」

キャップ「大丈夫、根気と根性が取り柄なんでね」

レオリオ「てかその盾重くねえのかよ?亀の甲羅みたいだぜ」

クラピカ「あまり喋っていると喉が渇くぞ、レオリオ」

レオリオ「へっ、たかがマラソンなんざ……」「あっ!あそこのガキ、あいつ走ってすらいねえじゃねえか!反則だ反則!」

キャップ「あれは確かスケートボードとかいう乗り物だな」

レオリオ「んなこた知ってんだよ!あれはいいのかよ?」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 13:43:42.57 ID:VScXlaJ10
キルア「おいおっさん、誰が反則だって?」シャー

キャップ「レオリオ、子供相手にやめるんだ」「そして君も試験は公正に受けるべきだよ」

キルア「ちぇ、説教くさいおっさんだな」

キャップ「これでもまだ26なんだがね」

レオリオ「26ぅ? 俺の七つも上じゃねえか」

キャップ「……君は未成年なのか?」

キルア「見えねーよおっさん」

レオリオ「るせぇ!」

キャップ(……見えない)

クラピカ(見えない)

キルア「ま、いいや。走ろっと」

ゴン「君、年いくつ?名前は?」



数時間後

レオリオ「ゼェ……ゼェ……」

キャップ「大丈夫か?レオリオ」

レオリオ「す、スティーブ……なにか飲み物持ってないか?」

キャップ「もっと後ろのほうにトンパが走っているが」

レオリオ「この状態で腹下したら即脱落だろうが!ちくしょう……」

クラピカ「冗談を言い合えるとは大したものだ」

レオリオ「すげーのはスティーブだよ!どういう体力してやがんだ……」ゼェゼェ

キャップ「君の根性も大したものだよ」
キャップ (しかし真に驚嘆すべきは残っている者の数だ……これだけのスピードで走り続けても息切れ一つしないものが複数人いる。
ゴンとキルアのような子供さえ。この世界では普通のことなのか?それとも彼らがずば抜けた能力を持つメタヒューマンなのか……)
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 13:44:48.51 ID:VScXlaJ10
サトツ「ここが中間地点になります。引き続き私の後についてきてください」「ここの生き物はありとあらゆる手段で人を欺きます。騙されると死にますよ」

「ウソだ!そいつはウソをついている!本物の試験官は俺だ!」
試験官を名乗る男が出現する。脇には巨大な猿の死体を抱えている。
「そいつはヌメーレ湿原に生息する人面猿だ。お前らを皆殺しにして食うつもりなんだ!」
猿の死体を投げる男。

キャップ「……この世界では信じがたいことばかり起きるな」

レオリオ「スティーブ、あんたもうわかったのか?」

キャップ「死体の猿を見たまえ。傷を見るに真正面から撲殺されたものだ。もしサトツが猿だとしたら、向き合って倒せる程度の相手ということになる。ならばなぜ彼は襲い掛からない? 相手にしていないサトツの方が実力的には上だろう」

クラピカ「……同意だな。サトツが本物の試験官だ」

レオリオ「そ、そうか。俺はてっきり……」

その瞬間、トランプが飛んできて男の頭に刺さる。崩れ落ち、猿に変化する死体。

キャップ「!!」



ヒソカ「ククク……♣」「この程度の攻撃も避けられないようじゃ試験官の資格はないね♦」

サトツ「……よろしい。しかしつぎ私を攻撃した場合は反逆行為と見做しますよ」

ヒソカ「はいはい♦」

キャップ「……(あの男は……)」

レオリオ「あいつはヒソカっつって以前から他の受験生を殺しまくってるんだ。関わらないのが吉だぜ」

キャップ「法的にはどうなっている。やつを拘束する機関はないのか?」

クラピカ「……一応警察とクライムハンターがその役割を果たしているようだが」
「社会にはプロハンターでも拘束不可能な戦闘能力を持つ犯罪者も多い。ヒソカもその一人だ」
「またハンター試験は他の受験生への殺傷行為を明確に禁じてはいない。試験そのものがバトルロイヤルの性質を持つためだろう」

キャップ「……わかった、ありがとう」

キルア「……(こいつ……)」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 13:46:50.55 ID:VScXlaJ10
キャップ「……(著しく倫理の破壊された世界だ。ここではどんな殺人行為も是正されることはないのか?)
(……しかし)(考えてみればそれは元の世界でも変わらなかった。正義と平和を信念とした組織は形骸化し悪に乗っ取られた)
(……バッキー)」

キルア「おい、おっさん」

キャップ「?なんだい、キルア」

キルア「あんたさっきヒソカのトランプ見えてただろ」

キャップ「ああ、確かに彼の技術には超越したものがあるね」

キルア「そうじゃなくてさ。おっさんどこで鍛えたの?兵隊やってるとか言ってたけど」

キャップ「どこで、というより僕の力は半分もらったようなものだよ。僕の尊敬するある人からね……」

キルア「もらった?修行じゃなくて?」

キャップ「もちろんトレーニングは欠かさないさ。だが力自体は授かったものだ」

キルア「ふーん。よくわかんないけどさ」



ゴン「キルアの家はゾルディック家っていって暗殺で有名らしいよ」

キャップ「暗殺?驚きだな……傭兵のようなものか?」

キルア「まあ完全にフリーでやってるからそうかもね。毎日毎日修行と拷問ばっかでさ、退屈したから出てきたんだ」

キャップ (とてもじゃないが……まだ子供だぞ……?)(ナターシャも幼い頃から訓練を受けていたそうだが…)

キルア「なんだよ、暗い顔すんなよ」

キャップ「すまない。少し考えることがあって……」

キルア「そろそろ霧が出てきたな。おっさん達も急いだ方がいいぜ」「ヒソカのやつ、霧に乗じてかなり[ピーーー]よ」「あいつも俺の同類だからな」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 13:48:11.49 ID:VScXlaJ10
クラピカ「しまった……前の連中とはぐれてしまったぞ」

レオリオ「おいやべえよ、霧で見えねえけど後ろのやつらとんでもないことになってるぞ……!」

数枚のトランプが飛んでくる。
木刀で弾くクラピカ。腕を切るレオリオ

レオリオ「ぐあっ……!」

キャップ、盾を構えてトランプを叩き落とす。

キャップ「先に行くんだ。奴を止める!」ダッ

レオリオ「おいスティーブ!?死ぬぞ!」

クラピカ「止まるなレオリオ!もうそこまで来ている!」

ゴン「……!」



ヒソカ「ククク……♦ 楽しめそうなおもちゃが一つ❤」

キャップ、盾を構えたままヒソカに向かって走る。盾で弾かれるトランプ。

盾にヒソカの拳が当たる。

ゴォオオオオーーーン……‼

反響音とともにすべての衝撃を吸収するヴィブラニウム。
ヒソカ「!!」

キャップ、さらに盾でヒソカを殴る。
体を回転させ、
よろめくヒソカに全力で蹴りを入れる。

キャップ「フンッ!」

吹き飛ぶヒソカ。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 13:51:14.49 ID:VScXlaJ10
キャップ(……飛ばした!が、奴は体勢を維持している……効いてない!)

ヒソカ「……♡」ニィィ……

飛び上がり、体を三回転させ盾を投げ飛ばす。
キャップ「フッ」ダンッ
盾は猛烈に回転しヒソカに迫る。

ヒソカ「……♢」ガシッ
ゴォオオーーン……

キャップ「!」

やすやすと盾を受け止めたヒソカ。

ヒソカ「凄い盾だ♧ただの金属じゃないよね?」「でも…これがなきゃなにもできない♤」

キャップ、ヒソカに向かって走る。盾とトランプを同時に投げるヒソカ。

キャップ(盾を取った瞬間トランプにやられる寸法か)(接近戦に持ち込む!)
どちらも避けてそのままヒソカに迫り、拳打を打ち込む。
ヒソカ、拳で応戦する。

ヒソカ「なかなかやるね♡」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 13:52:19.52 ID:VScXlaJ10
キャップ(物凄いパワーとスピード……アイアンマンにも匹敵するほどだ) (だが)
キャップ、ヒソカの攻撃を的確に避けつつヒソカに拳を当てる。

キャップ「トレーニング不足のようだな」「(トニーと同じだ。格闘術ではこちらがやや上……!)」
ボディに渾身の一撃をぶつけ、よろめくヒソカを回転蹴りで数メートル吹き飛ばす。

ヒソカ「……ぐっ」ズザザザ……

さらなる追撃を食らわせようと迫るキャップ。
ヒソカの顔面に拳が当たる……が。

キャップ「!?」ガシィッ

微動だにせずキャップの腕を掴み、口が裂けるような笑みを浮かべるヒソカ。

ヒソカ「♡」ニィ

キャップ「…!」ゾク
(一瞬……彼の体をなにかが覆った!膜のようなものが……)(ダメだ、衝撃が通っていない……目には見えないゴムかなにかを殴ったような……)

ヒソカ、キャップの腕を捻り上げもう片手で首をつかむ。

キャップ「ぐっ……!!(桁外れのパワーさっきとまるで別人だ……)」

ヒソカ「まさか念を使うことになるとはねえ♡ 大したものだけど……もう終わりかな?」
首を締め上げるヒソカ。キャップの腕に爪が食い込み血が流れる。



キャップ「ぐ……」

ヒソカ「言い残すこととかないかな?♦」

キャップ「……まだ足が残ってるぞ」
膝をふりかざし、ヒソカのみぞおちを蹴り上げるキャップ。

ヒソカ「!」

キャップ「フンッ!!」
一瞬緩んだ腕を引き剥がし、全力で顎を蹴り上げる。

ヒソカ「グッ……」

ヒソカから距離を取り、ファイティングポーズをとるキャップ。

ヒソカ「……クク」「ククククク……!」ゾクゾクゾク

キャップ「……」ゼェゼェ
キャップ「……来い」「i can do this oll day(朝まで付き合ってやる).」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 13:54:09.27 ID:VScXlaJ10
ヒソカが一歩踏み出す。
その瞬間、赤い球が飛んできてヒソカの頬に当たる。

ヒソカ(……釣り糸!?)ガッ

キャップ「!」「これは……!」
球体は地面に転がっている盾を捉え、キャップの手に放り投げる。
盾を掴むと体を回転させ、全力でヒソカに投げるキャップ。

ヒソカ「!!」

ガードが遅れ、盾が顔面に直撃する。吹きとばされるヒソカ。
吹っとびながらキャップの背後の茂みを見る。

ゴン「……やった!」

ヒソカ「……!!」
ヒソカ (完璧に気配を消して……機を伺っていたのか……!最初から!)
ヒソカ(素晴らしい……!!)ズギュウウウゥゥゥゥン

ズザザザザッ!
空中で体勢を整え、立ち上がるヒソカ。

キャップ(回復が早い。やはりこいつは……!)
キャップ、跳ね返ってきた盾を取り、構える。

ヒソカ「……ククククク」「素晴らしい……」「君たち二人とも、合格♡」

キャップ「……なんだと?」

ヒソカ「試験官ごっこはもう終わり♦ ほとんどの受験生は大したことなかったけど……君たちは素晴らしい収穫だ♡」「あと、そこに隠れてる二人も合格で♡」

クラピカ「……」

レオリオ「……(気づいてやがった…)」ゾワッ

ヒソカ「君たちはもっともっと強くなる♦ それが実った時……ボクが食べる♡」

ゴン「……」ゾクッ

ヒソカ「それじゃまた♦ みんないいハンターになりなよ♣」スッ
音もなく消えるヒソカ。

キャップ、しばらく警戒した後、気配が完全に消えたのを悟り盾をおろす。
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 13:55:24.82 ID:VScXlaJ10
キャップ「……」「(強敵だった……。ウィンターソルジャーのメタルアーム並みの握力。アイアンマン並みの膂力。途轍もない強敵)」「(だが、いまはそれよりも)」

キャップ「ゴン、ありがとう。君のおかげで救われたよ」手を差し出し、握手するキャップ。

ゴン「ううん、スティーブさんを置いてオレたちだけ逃げるなんてできないよ!それに、あいつすごく強かったし……」「あれが精一杯だった」

レオリオ「なにもできなくて悪かったな……あんた一人に任せちまって」

キャップ「構わないさ。こういう時体を張るのがヒーローの役割だ」

クラピカ (……ヒーロー?)

キャップ「だが僕一人で倒せる相手ではなかった。実際見逃される形になってしまったからね。君たちには感謝している」

レオリオ「い、いいよ別に、ていうか俺はなにもしてないけどな」

キャップ「とりあえず先を急ごう。あの試験官はだいぶ先まで行ってしまった」「ヒソカにはいつか借りを返すことにしよう。それまでは試験に集中だ」

走り出す三人。キャップ、落ちているヒソカのトランプを一枚手に取り、走り出す。
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 13:56:25.98 ID:VScXlaJ10
二次試験会場

メンチ「二次試験は料理よ!あたしたちに美味しいと言わせたら合格!」

ブハラ「まずは俺の指定する料理を作ってもらい、その合格者にメンチの指定する料理をつくってもらう」

ブハラ「俺の指定する料理は『豚の丸焼き』だ!森に住む豚をハントしてもらう。豚の種類は自由!」

キャップ「ハンター試験は戦闘能力のみを競う試験ではないのか」

クラピカ「ハンターには様々な種類があり、彼らはグルメハンターと呼ばれる部類だ。文武両道、料理のような文化にも精通してこそ一流のハンターとなれるのだろう」

レオリオ「だったら俺もその口だ。俺は医者を目指してるからな」

ゴン「レオリオがお医者さん?へー」

クラピカ「……(あまりかかりたくないタイプの医者だな)」

キャップ「なるほど。レオリオはメディカルハンターか。……僕がなるのであれば……イラストハンター、とかかな?」
キャップ「しかし料理か。食事は自分で作っていたし一通りできるが……野生の豚は見たことがないな」

1時間後

ジュージュー
クラピカ「この辺に生息するグレートスタンプという豚らしいが……」「これほど巨大な豚を丸ごと食べられるのだろうか」

キャップ「見ろ。あのブハラという男、あっさりと平らげてしまった……まるでハルクの食事だ」

ゴン「ハルク?誰それ?」

キャップ「ああ、僕の仲間なんだが、全身緑色で巨体の持ち主なんだ」「といっても彼が(あの状態で)食事している様子を見たことがないが」
サラサラ
キャップ「こういう人だよ」
メモにハルクとバナーを描いてゴンに渡す。

レオリオ「うわっ、あんた絵うまいな!本当にイラストハンターなれるんじゃないか?」

ゴン「この人が怒るとこの人になるの?全然違うね」

クラピカ「……というよりこれは人なのか?」

キルア「そんなこと言ったらあの[ピザ]だって人間じゃないだろー」モグモグ (←つまみ食いしてる)

キャップ「(確かに。身体に見合わない質量を収納しているという意味ではハルクと同じだな。あれも特殊な力なのか?)」

ブハラ「これもうまい、うまい……全部うまい」「うん、豚をとってきた71名は全員合格!」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 13:57:19.38 ID:VScXlaJ10
メンチ「後半は厳しく行くわよ!あたしが指定する料理は……スシ!」「スシはスシでも握り寿司よ!道具や材料からヒントを得て作ってちょうだい!」

レオリオ「スシって……見たことも聞いたこともねーよ」

ハンゾー(スシか!知ってるのは俺だけ……こいつは勝ったぜ)

キャップ「スシ、か。トニーに連れられて高級なスシ屋に行ったことがある。ある程度なら再現できそうだ」「たしかビネガーで味付けしたライスに魚の切り身を乗せた料理だった気がする。ソイソースにつけて食べるものだ」

ハンゾー「(オレより詳しい!?)」

クラピカ「なるほど。そして握り寿司という名称から察するに……コメと魚を手で握るのだな」
クラピカ、コメを酢であえたものに魚の切り身を乗せ、両手ではさんで叩き潰す。
ガチョッ
クラピカ「仕上げにショウユを霧で吹く!できた!」ドベ……

メンチ「酢の匂いがきょうれ……ウォエッ!」

クラピカ「食べる前からなぜえづく!?」

キャップ「君は賢いか馬鹿かわからないな」

キャップ、スシを見よう見まねで作る。
キャップ「どうかな」

メンチ「んー……見た目と包丁さばきはそこそこだけど……あまり美味しくないわね」

キャップ「そうか……」(そういえばレジスタンスの仲間だったジム・モリタがスシを好きな料理だと言っていたが…)モグモグ(確かにこれはあまり美味しくない)(……懐かしい)
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 13:58:21.71 ID:VScXlaJ10
結局合格者はゼロ。
しかし会長の計らいで急遽臨時の試験が行われることに。
クモワシの卵をハントし、キャップたちは見事合格する。

キャップ「これは美味しい。ニワトリとは全然違うね」モグモグ

クラピカ「濃厚でとろけるような舌触り……」

レオリオ「オレこんなうまい目玉焼きはじめて食ったぜ」

ゴン「でもこれだけでっかいと食べきれないよ。キルア、半分こしようよ」

キルア「えー?オレは修行してたからこれくらい余裕だぜ」モグモグ

クラピカ「なにを自慢しているんだ」モグモグ

キャップ「これにソイソースをかけてみよう」「うん、これは美味しい。そういえばトニーとクリントと行ったスシもタマゴが一番美味しかったな」

ハンゾー「いやそれはおかしい……」

キャップ「?」モグモグ
キャップ「いよいよ3次試験か」ゴクン
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 13:59:27.48 ID:VScXlaJ10
トリックタワー屋上

「一流のロッククライマーならこの程度の壁面があれば楽勝だぜ……」
「うわああああ!!鳥がああ!」
怪鳥に襲われるクライマー。

キャップ「フンッ!」ブン
盾が鳥に直撃する。落ちていく怪鳥。
腰のパックからワイヤーを取り出し男の足に引っ掛ける。
男を引きずり上げるキャップ。

キャップ「鳥にやられて足を怪我している。受験はまたの機会にした方がいい」

クライマー「あ、ありがとう……。足がダメになってる…座業でできる漫画家にでもなろうかな……」
運ばれていく男。

クラピカ「あの鳥を一撃で……」

キャップ「鳥の骨は軽量化されていて脆いんだ。あれくらいの衝撃を与えれば粉砕する」盾を回収する

ゴン「スティーブさんえらいね。あの人がやられそうになったらすぐに助けに行った」

キャップ「彼は悪人には見えなかった。というよりも……(なぜ皆見過ごすのか理解できないが)」
キャップ 「(それがこの世界の倫理観なのだろう。所変われば品変わるということか。しかし受け入れて流されるわけにもいかない)」

キルア「……」

レオリオ「今更だけどよー、あんた本当にいいヤツなんだな。ヒソカの時といい」「そのうちあんたの話も聞きたいもんだ」

キャップ「ああ、僕も君たちのことを知りたいさ。ではまた会ったときに話し合おう」

「「「1、2の、3!」」」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 14:01:09.35 ID:VScXlaJ10
数秒後

ゴン「なんだ、行き先は同じだったね」

クラピカ「短い別れだ。だが話す時間はないな」

レオリオ「ま、このメンツなら安心だし一緒にいるに越したことはないぜ」

キャップ「彼の言う通りだ」

キルア「真面目くさいおっさんだなあ…」

アナウンス『ようこそトリックタワーへ。君たちの道は多数決の道。互いの協力が必要となるコースだ』

キャップ「……チームか……」

クラピカ「思うところあるようだな」

キャップ「いや、僕が組んでいたチームがあってね」「……いまも気まぐれに結成して敵と戦っているんだが」

レオリオ「いまは俺たちでやるしかないがな」

キャップ「異論はないよ。協力してクリアしよう」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 14:02:23.92 ID:VScXlaJ10
『どっちに行く?右→○ 左→×』

キャップ「ずいぶんと漠然とした問題だ。心理テストか?」

クラピカ「それに近いものだろうな」

レオリオ「なら簡単だ」

○=4(他四人)
×=1(レオリオ)

レオリオ「おっ俺だけかよ!」

クラピカ「人はこういう場合左を選びやすい傾向にあるとされている。左の法則だ」「だが試験官はそれを逆手に取り難しい道を左に用意しているだろう。だからこそ裏をかいて右だ」

レオリオ「へいへい。で、スティーブはどうなんだよ?」

キャップ「左の法則は知らないが……」
キャップ「これだけ抽象的な問題だと答えなど突き詰めても存在しない。が、これはボタン式だ。人が手を使った問題で少し裏をかこうとおもった場合まず利き手と逆を選ぶだろうね。それが原始的な思考だ」
キャップ「この問題はその裏をかいての右だったわけだ。といっても確証などまったくないが」

レオリオ「おもったよりちゃんと考えていた……」

キルア「オレは知ってたけどね、左の法則」

ゴン「オレは適当に押したよ!」

クラピカ「ゴンが正しい。突き詰めれば、運だな」

レオリオ「なら俺だけ運無しかよ……」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 14:03:55.54 ID:VScXlaJ10
トリックタワー リング

ベンドット「我々は貴様らを試すため雇われた囚人だ。ここから先、一対一に勝負で我々五人を倒さなければ先には進めない」
「一人につき一度しか戦えない。受けるなら○、受けないなら×だ」

レオリオ「当然○だ!」

ベンドット「なるほど、一番手は俺だ。そっちは?」

キャップ「……あんな巨漢を子供と戦わせるわけにはいかない。僕が行こう」

レオリオ「大丈夫かよ?」

クラピカ「彼なら大丈夫だろう。とはいえあの囚人も手強そうだ」「ベンドット。強盗殺人犯で収監中…」

ベンドット「方法はデスマッチだ。相手が負けを認めるか、死ぬか」

キャップ「……条件に『気絶』を入れてくれ。相手が気絶した時点で勝利だ」「殺したくはない」

ベンドット「……いいだろう。代わりに追加条件だ」「『気絶させた相手に勝利宣言するまでどう嬲ってもいい』という条件だ。異論は認めない」

キャップ「……いいだろう」「決して負けはしない」盾をレオリオに渡すキャップ。

ベンドット「ほざけ……!」
跳躍するベンドット。
キャップ、一歩引くと体を回転させ、ベンドット以上に飛ぶ。
脳天にかかと落としを喰らった囚人の意識は一瞬で飛んだ。

ドサッ……

キャップ「僕の勝ちだ」

レオリオ「すげえ……」

クラピカ「妥当な戦い方だ」「あの囚人は腕力を自慢としていた。掴み合いになれば面倒だ」

キルア「……甘い」ボソ

レオリオ「あんた強いのなー……」

キャップ「ありがとう、レオリオ。しかし僕の出番は終わってしまった。君たちにも戦ってもらうことになる」

ゴン「大丈夫だよ。それにオレ戦うの好きだからさ」「次はオレがいく!」
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