【ミリマス】我が恋の運命に応えてあなたっ♪

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1 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/12/18(月) 23:20:00.96 ID:YUfqXVrM0
※ 独自設定が多々あります。
===

少女は部屋に飛び込むなり。

「PさんPさん!」

「なんだ、百合子か、おはようさん」

「はい、おはようさんです」

と、朝の挨拶を男と交わし。

「早速ですけど、髪型、変じゃないですか? 寝癖とかついていませんか?」

「いや別に……いつもの編み込みが無いぐらいだな」

「そりゃそうです。今から編み込むんですから」

と、彼の真横に陣取った。

「百合子、近い」

「近くないです」

「あとな、百合子、これはなんだ?」

男は少女から手渡された一本の紐ゴムを見つめてそう尋ねた。彼女が言う。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1513606800
2 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/12/18(月) 23:22:40.30 ID:YUfqXVrMo

「Pさん、髪紐知らないんですか?」

「まさか」

「なら、別に訊かなくても――よいしょ」

少女は持参した卓上ミラーをテーブルの上にちょんと乗せ、
その隣にこれまた持って来ていたハードカバーの本を置き、

小首を傾げるようにして、可愛く鏡を覗きながら自身の髪をせっせせっせと編み込んでいく。

手慣れた手つきで進むその様子を、黙って見つめている男。

渡されたゴムを手持無沙汰気に伸び縮みさせ、作業が終わるのをジッと待つ。

「Pさん」

「ん」

「今日はゴム、つけてください」

言って、ニヤリと笑う少女。言われ、ニコリと笑う男。

二人はしばし微笑み合い、男は爽やかな笑顔のまま少女に手刀を振り下ろす。

「このアホめ!」

「あ痛ーっ!? どうして突然ぶつんですか!」

「朝から下ネタかますんじゃない! ゴムなら『結んでください』だろ!!」

「ゴムはゴムでも輪ゴムですよ! ほら、"今日、わゴムつけてください"って」

「いけしゃあしゃあとこの娘は……! イントネーションから違ったろうに」
3 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/12/18(月) 23:25:16.85 ID:YUfqXVrMo

呆れ果てたように言い捨てるが、それでも男は少女の髪を言われた通りにまとめてやる。

男に頭を任せながら、少女が不貞腐れたように言う。

「はぁ〜、冗談が通じないな。乙女だったら恋人に、一度は言いたい台詞なのに」

「悪いがそんな台詞を吐く奴は、その時点で既に乙女じゃない」

「でも根強い人気がありますよ? 知りません? 処女ビッチって」

「お前のキャラ付けはそれでいいのか? ……っと、できたぞ」

「ありがとうございます!」

男は自分の方へ体重をかけ始めていた少女の体を押し戻すと、やれやれといった風に嘆息した。

少女が完成した編み込みの具合をチェックして、
「やっぱりPさんにしてもらうと、髪のまとまりが違うなぁ♪」と嬉しそうな声をあげる。

「そうか? 俺にはてんで分からんが」

「Pさん、それじゃダメダメです! 恋人なら、彼女のこういう変化にはいち早く気づけるようにならなくっちゃ」

そうして男を叱った後、からかうように目を細めたどや顔少女に彼は言う。

「そりゃあれか? 些細な変化にも気づいて欲しい乙女心」

「だけじゃないです」

「なら小さな変化に気づくぐらい、常日頃から自分を見てて欲しいって女心」

「う〜ん、それもちょっと違うなぁ……」
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