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ウェイバー「なんだよこいつ…」ガッシュ「ウヌ?」
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46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 02:58:30.01 ID:N3UauEEgO
おもしろいから頑張って欲しい
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 02:58:43.52 ID:S2DOz/heo
連投すまん
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 05:15:32.22 ID:LStmVWA9O
うーん…えらい微妙だな
まあ頑張って完結したら全部読むよ
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 05:30:11.09 ID:f20u674bo
まだまだ共通だからな
ここからどう分岐するのか楽しみ
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 07:44:20.05 ID:PGYJ6odl0
心の力は体力みたいに休んだら増えて疲れたら減るもの
術のパワーは心の力を注ぐだけ大きくなるが、その量の加減はつまり呪文を唱える際の感情コントロールなので訓練が必要
とかじゃなかったっけ
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/11(月) 17:09:30.95 ID:JJ/x3wve0
バーサーカー「Aーーurrrr!」
セイバー「くっ……はっ!」
ライダー「どうしたセイバー?そんなものか?剣の英霊ともあろうものが、小賢しい狂戦士に遅れをとるとは…」
アイリ「…貴方は戦わないの?」
ライダー「余は見定めておるのだ!どちらが上かな…まあ、どちらとも我が軍勢に加わるに相応しい逸材ではあるが…」
ライダー(ケイネスめ…余への魔力供給を最低限に減らしておるな…全く、小賢しい抵抗よな)
バーサーカー「ーーー?」
セイバー(なんだ…急に動きを止めた…?)
バーサーカー「ーーー」
バーサーカーは突然姿を消した。それは高速移動と呼べるものでもなく、その場にいるものはこう察した。
アイリ「セイバー…あのバーサーカー、恐らく令呪で…」
セイバー「ええ、間違いありません。マスターが何らかの危機に陥り、令呪で呼び出さざるをえなくなったのでしょう」
ライダー「ふん…今宵は随分とつまらん決着の着き方であったな」
セイバー「…待てライダー!」
ライダー「覚えておけセイバー。貴様ら全員余の軍勢に加えて見せよう」
そう言い放つと、ライダーは神威の車輪で帰っていった。
セイバー「おのれ…くっ!」
アイリ「セイバー!…不本意ですが、私たちも帰りましょう?」
セイバー「はい…」
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/11(月) 17:20:42.85 ID:JJ/x3wve0
倉庫
ウェイバー「はあ…はあ…なんとか、撤退させれたようだな…」
ウェイバーとガッシュは、アサシンをどうにか退け、壁にもたれ掛かっていた。
ガッシュ「ウヌ…しかし、私もまだまだだのう。王になった今でも、術を撃つときは気絶してしまうとは…」
ウェイバー「そうだよ!それを早く言えよ!狙いが定まらないから、術が打てても明後日の方向に行ってたじゃんか!」
ガッシュ「うぬう…こればっかりはどうしようもないのだ…ウヌ?」
ウェイバー「どうした?」
ガッシュ「おなかが空いたのだ!」
ウェイバー「今かよ!ああもう…帰るぞ、ほら」
ゆっくり立ち上がり、ガッシュに手をさしのべる。
ガッシュ「ウヌ!マーサ殿のご飯が楽しみだのう…!」
ウェイバー「…ああ、そうだな」
能天気なこのサーヴァントに、少しは元気を貰えた気がした。しかし、その安息の時間も、一瞬で消え去った。
ウェイバー「ーーー! 嘘だろ…」
セイバー「アイリスフィール、治癒魔法を」
アイリ「ええ、分かってる」
セイバー達が、まだその場に残っていたのだから。
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/11(月) 17:30:52.72 ID:JJ/x3wve0
ウェイバー(どうする…!?いくら相手が手負いだといえども、こちらが戦えるわけがない!かといってやり過ごせるほど相手も甘くは…)
「おぬし、凄かったのう!」
セイバー「え?」
「私もあれほどの剣さばきは見たことがない!お願いだ、もう一度見せてはくれぬかの!?」
アイリ「ボウヤ…どなた?」
ウェイバー「…?……?………!」
ウェイバー「ちょっと待てガーーーッシュ!!…あっ」
セイバー「…」
アイリ「…」
ウェイバー(終わった…)
ガッシュ「ウヌ?どうしたのだ?ウェイバーよ」
ウェイバー「このバカーー!ああもう…ガッシュのバカ!アホ!ドジ!マヌケ!」
ガッシュ「うぬう!?な、何もそこまで言うことはないではないか!」
ウェイバー「黙れ黙れ黙れ!このチビ!」
ガッシュ「なっ…そんな…そこまで…そこまで言わずともよいではないか…」
アイリ(著しい語彙力の低下が見られるわね…)
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/11(月) 17:40:19.23 ID:JJ/x3wve0
アイリ「えっと…貴方達は?」
ガッシュ「ウヌ!私はガッシュ、ガッシュ・ベルなのだ!こっちは私のパートナーのウェイバーなのだ!」
ウェイバー「」
セイバー「ほう…そちらが名乗りを上げたからには、こちらも返すのが礼儀というもの。私はセイバー、アルトリア・ペンドラゴン。此方は私のマスターのアイリスフィールです」
アイリ「」
ウェイバー「嘘だろお前…真名とか素性とか、普通隠すって僕言ったよな!」
アイリ「セイバーもよ!」
ガッシュ「うぬう…しかしウェイバー、挨拶の時には元気よく、はっきり自分の名前を言わないと、相手に失礼なのだ」
ウェイバー「それとこれとは話が別だー!」
アイリ「ウェイバー…?…!何処かで見た顔だと思ったわ!貴方、マスターの一人ね!」
ウェイバー「わわっ!?早速バレた!?」
アイリ「隙を見て、私たちを不意討ちしようとしたのね…許せないわ!」
ガッシュ「ま、待つのだ!そんなつもりではないのだ!」
アイリ「問答無用よ!GO!セイバー!」
セイバー「…アイリスフィール、少し待っていただきたい」
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/11(月) 17:48:43.22 ID:JJ/x3wve0
セイバー「その傷…他のサーヴァントと戦闘した故についたものだと推測するが…違いますか?」
ガッシュ「ウヌ、その通りなのだ!おぬしはやっぱりすごいのう!」
セイバー「そ、そうですか?…それで、お互いに傷ついている。今のこの状態、私もアイリスフィールの治療を受けなければ、まともには戦えない」
アイリ「セイバー…?」
セイバー「そこで提案だ、ここはお互いに退かないか?私の目では、貴殿方は不意討ちをするような悪い英霊には見えない。ならば今、ここで戦う理由はない。正々堂々と決着をつけようではないか」
ウェイバー「なっ…」
アイリ「セイバー…」
ガッシュ「ウヌ、わかったのだ!ではまた会える日を楽しみにしておくのだ!えっと…」
セイバー「セイバー…アルトリアでも構いませんよ」
ガッシュ「ウヌ!ではセイバー殿、また会おうぞ!」
セイバー「…ふふ、また会いましょう、ガッシュ」
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/11(月) 17:53:02.74 ID:JJ/x3wve0
ウェイバー「…ぶはー!」
ガッシュ「なんだ、緊張していたのか?ウェイバー」
ウェイバー「当たり前だ!下手したら殺されかけてたんだからな!」
ガッシュ「うぬう、しかしセイバーは悪い者には見えなかったのだ。だから私も安心して声をかけられたのだぞ?」
ウェイバー「…後半部分は絶対嘘だろそれ。…にしても、まさかセイバーがアーサー王だなんて…はあ、この先が思いやられるなあ…」
ガッシュ「…大丈夫なのだ。力を合わせて、私とウェイバーで、必ず聖杯を手に入れようぞ」
ウェイバー「…ああ」
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/11(月) 18:02:30.76 ID:JJ/x3wve0
アイリ「ぷはー!」
セイバー「…アイリスフィール、申し訳ありません。私の独断であのような事を…」
アイリ「ううん、いいの。…切嗣だったら有無を言わさずその場で殺していただろうけど…私は私。貴方もまた英霊なのだから、自分に絶対の自信を持っていて当然だもの」
セイバー「…そう言ってくれると有難いのですが…?アイリスフィール、何か音が鳴っていますよ?」
アイリ「えっと…ああこれね!切嗣がね、私に持たせてくれたの!これさえあれば何時でも切嗣と連絡がとれるからって…もしもし切嗣?」
切嗣《アイリ…落ち着いて聞いてくれ》
アイリ「どうかしたの?」
切嗣《僕たちはサーヴァントに襲撃され、そして舞弥を失ってしまった…相手は…》
アイリ「……!」
セイバー「アイリスフィール?如何なさいましたか?」
アイリ「セイバー…」
アイリ「ーーーー」
セイバー「…そんな馬鹿な!あり得ない!」
アイリ「ええ、私もそう思うわ。でも取り敢えずは切嗣と合流しないと…」
セイバー「……」
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/11(月) 18:03:10.82 ID:JJ/x3wve0
一旦ここまで
ここに来てキャスター組の存在を忘れてた…どうしよう…
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/11(月) 19:42:53.42 ID:YMm1hFsh0
他にまものはいないのか
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 20:40:18.77 ID:SWZN2ZawO
そういやガッシュのクラスは一体···
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/11(月) 22:26:09.07 ID:JJ/x3wve0
朝 マッケンジー宅
ウェイバー「ふぁ〜…」
ガッシュ「カマキリジョー!頑張るのだ!うぬ、かっこいいのだカマキリジョー!」
ウェイバー「…朝からうるさいな、お前は」
グレン「おお、おはようウェイバー」
ガッシュ「うぬ?おはようなのだウェイバー!」
ウェイバー「…おじいさん、テレビ変えていい?」
ガッシュ「なっ…駄目なのだ!今いいところなのだ!勝つか負けるかの…」
『ニュースをお伝えします。近日、冬木にスーパースター…』
ガッシュ「ぬああああ!ウェイバァァァァ!」
ウェイバー「ふん」
マーサ「…ウェイバーちゃん?ガッシュちゃんに優しくね?」
ウェイバー「してるさいつも…むしろ甘やかしすぎなぐらいだね!」
ガッシュ「うぬう、おぬしまださっきの事を怒っておるのか!?仕方ないではないか!おぬしの元気がなさそうだから、私が起こしてやったのだぞ!?」
ウェイバー「百歩譲って勝手に起こしたのは許すとして、なんで僕の部屋をぐちゃぐちゃにするんだよ!一応あれでもここは僕の工房なんだぞ!?魔術師は工房が命なんだ、むしろ怒らないほうがおかしいんだ!」
早口で捲し立てる。こうすればもはや反論の余地はあるまい。
ガッシュ「う、う、うう…」
ウェイバー「お、おい…何も泣くことはないだろ…?」
マーサ「駄目じゃないウェイバーちゃん!ガッシュちゃんを泣かせたら!」
ウェイバー「そ、そんな…ったくなんで僕が…」
『次のニュースです』
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 22:27:25.82 ID:OC+bqBaeO
アースの事も忘れてるっぽい?
ちゃんとマントまで使いこなせるようになるのかな
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/11(月) 22:35:26.69 ID:JJ/x3wve0
『昨夜未明、冬木でまたも殺人が…』
グレン「…またこのニュースか、物騒な世の中だな、ウェイバー」
ウェイバー「うん…」
どうやら、冬木に連続殺人犯がいるらしい。被害者を襲ったのはまた同じ手口らしいが…気になるところが一つある。
ウェイバー「…気をつけろよガッシュ。この連続殺人犯、子供をターゲットにしてるらしいからな」
ガッシュ「何!?許せぬのだ…子供を襲うなど…私がこらしめてやろうかの!」
ウェイバー「何馬鹿な事言ってんだお前。僕は被害に遭わないように気をつけろって言ってんの!…っておい!聞いてるのか!?」
ガッシュ「出かけてくるのだ!夕飯までには戻ってくるのだー!」
ガッシュが家を飛び出していった。これはまずい。非常にまずい。止めなければ、今すぐに!
ウェイバー「やっぱり話聞いてないじゃんかぁ!おい待てガッシュ!止まれー!」
マーサ「…あの子たち、朝から元気ねぇ」
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/11(月) 22:44:20.53 ID:JJ/x3wve0
公園
ガッシュ「サークラちゃーん!いっしょに遊ぼうぞー!」
桜「あ、ガッシュ君…おはよう、今日も元気だね」
ガッシュ「ウヌ!毎日元気なのだ!」
桜「ふふ…今日は何して遊ぶ?」
ガッシュ「うぬう…そうだのう…バルカンは持ってきておるか?」
桜「はい隊長。バルカン4000、ここに見参!」
ガッシュ「ウヌ!では私のバルカンと勝負だ!チュドーン!バババババ!」
桜「えい、えい、やあ!」
ウェイバー「はあ…はあ…いたぞ!…あれ?誰かと遊んでるのか?」
ガッシュ「ウヌ、なかなかやるではないかバルカン4000、そしてサクラ!」
桜「いえいえ、隊長もさすが…」
「「ふふふ…」」
ウェイバー(何やってんだこいつら…)
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/11(月) 22:57:24.94 ID:JJ/x3wve0
桜「でもこれでとどめ…びしっ」
ガッシュ「ぬああ!負けたのだー!」
桜「ふふ…これで、私の五勝一敗だね」
ガッシュ「うぬう、サクラは強いのだ!でも次は絶対私が勝つのだ!」
桜「次も負けない…」
「…桜、何をしておる」
桜「!! お、お爺様…ごめんなさい、勝手に抜け出して…」
臓硯「ふむ…まあ良いわい。少しの休息ぐらい許す」
桜「あ、ありがとうございます…」
臓硯「では帰るぞ」
桜「はい…またね、ガッシュ君」
ガッシュ「ウヌ、またなのだサクラ!」
臓硯「…」
ウェイバー(なんだあのじいさん…痩せ細って気味が悪い)
臓硯「…ほう」
ウェイバー(こっち見てきた!?)
臓硯「ふむ…見たところ…貴様があやつのマスターのようじゃな」
ウェイバー「な、何!?」
臓硯「心配するな、手を出すつもりはない。ただ一応、儂も忠告しておこうかの」
ウェイバー「何を…」
臓硯「あのサーヴァント、貴様が手を負えるような代物ではない。早急に手放すことを薦めるぞ。クックックッ…ではの。」
桜「…」
ウェイバー「……」
手に負える代物ではない?どういう事だ…
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/11(月) 23:05:42.77 ID:JJ/x3wve0
ウェイバー「……」
ガッシュ「…ウェイバー」
ウェイバー「うわあ!お、脅かすなよ!」
ガッシュ「おぬし、いつからそこにいたのだ?覗き見とは、あまりいいものではないぞ?」
ウェイバー「なっ…お前が心配で仕方ないから、必死についてきたんだろうが!」
ガッシュ「うぬ…そうか。すまんの心配かけて」
ウェイバー「うっ…」
素直に謝られると逆に困る。こういうところが子供らしいというかなんというか。
ガッシュ「では別の公園に遊びにいってくるのだ!」
ウェイバー「待てこらぁ!」
ガッシュ「リンという子と遊んでくるのだー!ご飯の時間には戻ってくるのだー!」
マスターの注意を無視したバカを、またも全速力で追いかける。だが悲しいことに、いくら子供とはいえサーヴァントに勝てるはずもなく、その姿を見失っていた。
ウェイバー「ぜい…はあ…わき腹が痛い…」
ウェイバー「ああもう…なんでサーヴァントと追いかけっこしてるんだ僕はー!」
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/11(月) 23:14:48.04 ID:JJ/x3wve0
公園
凛「あ!こんにちは、ガッシュ!約束どおり来てくれたのね!」
ガッシュ「ウヌ!前の約束どおり、いっしょにこの街を探検しようぞ!」
凛「お父様とお母様には内緒で来ちゃったんだから…ちゃんとエスコートしてよ?ガッシュ」
ガッシュ「うぬ?エスコート?よく分からないけど、頑張るのだ!では出発なのだー!」
凛「うん!」
ウェイバー「ひっ…ふっ…どこ…ガッシュ…」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 23:24:41.74 ID:8w83XPLGO
内股になって電信柱に寄りかかってプルプル震えながらひいフゥ言ってるウェイバーが見える
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/11(月) 23:32:18.05 ID:JJ/x3wve0
綺礼「…というわけで、連続殺人及び連続誘拐事件の真相は、恐らくキャスターとそのマスターが握っていると思われます」
時臣「なるほど…この冬木でそのような不祥事を野放しにしておくのは、遠坂として許すわけにもいかないな」
璃正「…では」
時臣「ええ。聖杯戦争を一時中止し、まずはキャスター及びそのマスター討伐を、各マスターに命じよう」
綺礼「なるほど…」
時臣「報酬は令呪一画とする。こうすれば、慎重なマスターも重い腰を上げるだろう。しかし、その令呪は我々が頂く。遠坂が、確実な勝利を手にするために」
璃正「確かに…アサシンが確認した、クラス不明の謎のサーヴァント…更には厄介なバーサーカー…どうやらこの聖杯戦争、一筋縄ではいきそうもないですしな…」
綺礼「前者は心配するほどではないでしょう。そのサーヴァントのマスターはせいぜい二流魔術師。問題はありません。今我々が危惧すべきなのは、バーサーカーのほうではないかと」
時臣「ふむ…そうか、ありがとう綺礼。しかし私が最も危惧しているのは謎のサーヴァントでも、況してや、バーサーカーでもない」
時臣「英雄王の機嫌だよ」
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/11(月) 23:45:06.60 ID:JJ/x3wve0
綺礼の部屋
綺礼「…」
「随分と顔が沈んでいるな、綺礼よ」
綺礼「…アーチャーか」
アーチャー「聖職者のくせして悩める子羊のような顔をしおって…貴様が気にしていたあのマスター…衛宮切嗣のことを考えていたのか?」
綺礼「…まさか、私が考えていたのは別のことだ」
アーチャー「ほう…話してみるがよい」
綺礼「…これはまだ時臣師にも話してはおらんが…各々のマスターを偵察に向かわせたアサシン共が、軒並み倒されていてな。その数が少々無視できないほどでな」
アーチャー「…それで?よもやそれで終わりではあるまい」
綺礼「アサシンが言うには、どうやらーーー」
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 23:48:14.47 ID:SWZN2ZawO
ガッシュはランサーになるのか
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/11(月) 23:53:46.13 ID:JJ/x3wve0
アーチャー「…なるほどな、それはまた、珍妙な話よな」
綺礼「私もまだこの件に確信が持てていない。よって師に報告するまでもないと思っていたのだが…」
アーチャー「…ふん、まあ良いわ。それより綺礼よ、まだすべてのサーヴァントとマスターの素性が知れておらんのか?」
綺礼「正体不明のサーヴァントについては現在調査中だ。何せ、アサシンの半数が偵察に行って返り討ちにあっている。本来の目的も達成していないのに、これ以上不用意に犠牲の数を出すわけにもいかんからな」
アーチャー「…そうか」
アーチャー(言峰…綺礼。はたして我の見立てどおりの男か…今しばらくは泳がせておいてやる)
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/11(月) 23:54:39.72 ID:JJ/x3wve0
今日はここまでです。
そろそろ話を動かせるかな…?
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/11(月) 23:55:51.67 ID:YMm1hFsh0
バオウは使えるのかな
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/12(火) 05:05:56.24 ID:7nttoO/eO
乙
うっかり誘拐されて大変な事になりそう(ジルが
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/12(火) 17:52:58.12 ID:VO0VlWB3O
なんでいきなり真名を教えてるのこのセイバーはバカなのか?
他に敵がいないともかぎらない場所で真名教えるとかねーよ
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/12(火) 21:26:55.54 ID:7IGwW6RH0
>>76
原作では敵がいるかもしれないどころか敵の目の前で教えたからまだましなほうだぞ
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/12(火) 21:42:42.77 ID:o3pxT8rZ0
そもそも真名分かっても弱点にならないから困らないんじゃ?
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/12(火) 22:16:00.76 ID:3w23aOvVo
真名は宝具に直結するから切り札がバレるんよ
ただFateのアーサー王は真名を言ったら真名教えてくるだろうなぁ
真名偽造してもある程度の嘘は見抜けるだろうし
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/12(火) 23:51:00.34 ID:58DPrs9p0
すみません…今日は更新できません…バイトきつすぎ…
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/12(火) 23:56:16.11 ID:58DPrs9p0
一応補足しておくと、真名言いやがったセイバーに関しては、zeroセイバーの騎士道精神マシマシ感からありえるかな〜…と思った結果です。相手側が名乗りを上げたのだから、騎士として応じない訳にはいかない…みたいな。
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/13(水) 01:28:14.39 ID:B2fIo6yI0
実際Zeroの原作からしてこんな感じだったし問題ないだろ
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/13(水) 01:56:09.42 ID:Y9qvP7pXo
期待してる
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/13(水) 23:41:10.21 ID:mv3wc7jy0
再開します
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/14(木) 00:03:12.12 ID:2coCGm0T0
商店街
ウェイバー「…これだけ休めば、ちょっとは落ち着いたな…」
ウェイバー「でもまだ見つからないなんて…まあいざとなったら令呪使えば大丈夫か…」
半分投げやりな気持ちで近くの本屋に立ち寄る。本棚に陳列された分厚い辞書を見たとき、自分の赤い本の事をふと思い出した。
ウェイバー(そういえばこの本の力…心の力…だったか?魔力の消費がほとんどないなんて、ずいぶん燃費がいいんだな…)
ウェイバー「ま、逆に言えばこれがなかったらあいつは何もできないも同然なんだけどな!はははははは…」
「何をぶつぶつ言っておるのだ、坊主よ」
ウェイバー「…え?」
あの夜セイバー達と出くわした時のような、血の気が引く感覚だった。野太い声の主は、そのセイバーと戦闘していた大男、ライダーだったのだから。
ウェイバー「…お、お前!ライダー!」
ライダー「…む?…貴様、何故その名を…」
ウェイバー「あっ!」
終わった。今度こそ終わった。我ながら情けない。ガッシュに注意しろといった自分は、眼前のサーヴァントに何一つ抵抗する手段がない。
ライダー「…まあよいわ、今はいささか興が乗らん。見逃してや…いや、待てよ…」
僕が手に持っていた本を凝視した後、ライダーは僕を、まるで叱られた猫がされるようにして掴んだ。
ウェイバー「は、放せよこの筋肉ダルマ!」
ライダー「丁度よいわ。付き合え、坊主」
ウェイバー「な、なんだよ!何が目的だ!?」
ライダー「まあそう邪険にするな。殺さぬ代わりに、黙って余に付き合えばよいのだ」
ウェイバー「くっ…」
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/14(木) 00:07:59.33 ID:2coCGm0T0
凛「♪♪」
ガッシュ「リン…エスコートしろと言ったわりには、ずいぶんと歩いていくのだな」
凛「えっ…それは…いいでしょ!いいから黙ってついてくるの!約束でしょ!?私とあなたの!」
ガッシュ「う、うぬ。別によいのだが…」
ガッシュ「行きたいところがあるなら、最初から行きたいと言えばよいではないか?」
凛「うるさいわね!いいから私についてくる!」
ガッシュ「うぬう…」(立場逆転なのだ…)
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/14(木) 00:27:17.36 ID:2coCGm0T0
アインツベルン城
アイリ「…それで、これからどうするの切嗣?」
切嗣「ああ…これから作戦を立てていく上で、僕の右腕だった舞弥を失ったのは痛い。だが…失ったものはもう取り返せない、先のことを考えなければいけないが…」
セイバー「…切嗣、貴方が言っていたサーヴァントの情報は真なのですか?」
切嗣「…事実だ。使い魔も記録している」
セイバー「そうですか…」
アイリ(切嗣…かなり疲弊している。あれほど毛嫌いしていた英雄の意見を聞くなんて…)
セイバー「しかし信じられません。そのようなことが起きるとは…」
切嗣「ああ…信じられないが、もはやこうとしか考えられない。もう一度確認しておこうか」
切嗣「僕らが確認していたキャスターはマスター共々自滅。そして新たなサーヴァントとして別のキャスターが生まれ、僕らに攻撃した…」
アイリ「そしてその新しいキャスターのマスターは、今までバーサーカーのマスターと思われた…」
「間桐雁夜」
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/14(木) 00:29:24.40 ID:2coCGm0T0
キャスター?「ふふふ…」
キャスター?「感謝しますよ聖杯とやら。まさかこのようなチャンスが私に巡ってくるとは…」
キャスター?「…いいでしょう。それが世界の望みというのなら、喜んでそれを受け入れましょう…」
キャスター?「ふふふ…ハッハッハッハッハッハ!」
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/14(木) 00:30:00.13 ID:2coCGm0T0
ここまでだ!すまん明日朝早いし、眠いからもうねる!
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/14(木) 00:56:36.13 ID:6ud7jy/Lo
おつおつ
他の魔物も追加か…
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/14(木) 02:29:44.88 ID:lh4vFoAY0
ゾフィスかな?
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/14(木) 12:29:52.43 ID:nYfxxfwSO
ゾフィスの一人称は俺のはずだから違うのでは?
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/14(木) 13:03:24.57 ID:0cX01UJBo
キレたら俺だけど普段は私だった気がする
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/14(木) 17:30:21.20 ID:D1hvxY+30
ビクトリームかな
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/14(木) 17:39:27.25 ID:sRkF6u7z0
なんだかんだガッシュのssは面白くなる期待あげ
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/14(木) 18:51:31.09 ID:EYjJ1XM5O
クリアや映画のワイズマン、あとゲームに出てくるソーマ当たりなら出てくるに足り得るだろうけど
それ以外はあんまり出てくる理由が無いような・・・
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/14(木) 22:45:33.72 ID:2coCGm0T0
ウェイバー「……」
ライダー「…何をふて腐れておるのだ、坊主」
ウェイバー「あまりにも予想外だったからな!お前みたいなゴリラがどんな要求してくるかと思ったら、まさか僕がサーヴァントの財布とはな!」
ライダーの両手には世界地図や大量の世界史についての書誌、さらにはゲームまであった。
ウェイバー「…僕が必死に貯めてた貯金が…」
ライダー「今この場で殺されないだけ有り難いと思うがいい!だがこれには感謝しているぞ坊主!わはははは!」
ウェイバー「ちぇっ…にしてもライダー?」
ライダー「む、なんだ?」
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/14(木) 23:52:39.44 ID:2coCGm0T0
ウェイバー「いや…お前は、そんなにこの世界に興味があるのか?」
ライダー「おうともさ。聖杯がこの世界の知識とやらをちと知ったが…いやなに、余の目指した最果ての海が、よもやこのようなちっぽけな物とは思いもせんかったわい」
ウェイバー「…お前は聖杯が手に入ったら、世界征服でも望むのか?」
ライダー「いいや!…余が望むのは受肉だ!受肉しこの大地を思うがままに蹂躙する!それが征服王、イスカンダルの第二の生の在り方よ!」
ウェイバー「…」
開いた口が塞がらなかった。この英霊、聖杯を自分の望みを叶えるためでなく、あくまで手段としか考えていなかったとは。
ウェイバー「…随分と立派だな、征服王様は」
ライダー「そういう貴様こそどうなのだ。貴様の望みはなんだ?」
ウェイバー「僕は…」
ウェイバー「…お前に比べたら大したこと無いさ」
そう呟くと、ライダーはまた大声で笑った。
ライダー「何も余のような大望を言えとはいっておらんではないか。そう憶さず言ってみよ」
ウェイバー「…認めさせたいんだよ」
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/15(金) 00:12:44.48 ID:2RpIkIWY0
ウェイバー「世の中に!この僕の努力と才能の成果が何をもたらすか!血統だけで優劣を決める魔術師共に!!…どうだ、満足かライダー!」
自分でも思ってもみなかったほどの声で叫んだ。しかしライダーは眉ひとつ動かさず、うむ、と頷いた。
ライダー「貴様の望みは確かにつまらんものだ。…だがまあ、貴様らしいと言えばそうであるのかもしれんなぁ」
ウェイバー「なっ…どういうことだよ!」
ライダー「おのれの沽券を示したいならば、我武者羅に足掻いてみろ。さすれば、何か見えてくるかもしれんな」
ウェイバー「見えてくるだって…?」
ライダー「それでもまあ、余のマスターに遠く及ばぬその力で、よくほざいたと称賛してやろう。…次会うときは敵同士だ、容赦はせんぞ?」
ウェイバー「…当たり前だ!お前なんか、ちっとも怖くなんかないからな!」
ライダー「抜かせ。…そういえば貴様のサーヴァントはどこだ?霊体化させ近くに侍らせてもおらんが…貴様、本当にマスターか?」
ウェイバー「…あ」
ウェイバー「こんなことしてる場合じゃなかったー!じゃあなライダー!次会うときは覚えてろよー!」
ライダー「ふん」
捨て台詞を吐くと、僕はまた走り出した。
ライダー「…行ったか。あやつ…ウェイバーだったか。どうやら余も酔狂だったようだな」
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/15(金) 00:25:13.81 ID:2RpIkIWY0
遠坂邸
凛「…ここよ」
ガッシュ「うぬう…大きな屋敷なのだ…」
凛「すごいでしょ!ここにはお父様と…一応綺礼も居るわね。それでねガッシュ、お父様の都合で、私お父様と離ればなれになっちゃって…でも…」
ガッシュ「ウヌ、父上殿に会いたかったのだな?」
凛「…うん。ごめんねガッシュ?こんなことに付き合わせちゃって」
ガッシュ「いいや、そんなことはないのだ!自分の父上に会いたいのは当たり前のことではないか!」
凛「ガッシュ…」
ガッシュ「おぬしの気持ち、私には、その気持ちが痛いほど分かるのだ」
ガッシュ(きっと居たはずなのだ…この世界にも、私の友が。私の父上や母上のような人が。今は記憶の奥底に埋もれてわからぬが…)
凛「? どうしたのガッシュ?」
ガッシュ「う、うぬ!なんでもないのだ!さ、行こうぞ!」
凛「うん!」
アサシン「…」
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/15(金) 00:27:03.56 ID:2RpIkIWY0
ここまで。あまり更新できずすまない…
大まかな構想は決まっているのですが、いざ書こうとすると自分の文才がなさすぎて辛い…
今回のライダーパート微妙すぎるわ(自己評価)
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/15(金) 00:33:29.69 ID:vILcwS/Qo
おつ
原作でも何気にたらしなガッシュ
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/16(土) 00:15:48.96 ID:t2L8Q/ow0
すみません今日も更新できません…
期待してる方本当に申し訳ないです。少しずつですが、必ず完結させるので、どうかよろしくお願いいたします。
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/16(土) 12:29:17.05 ID:t2L8Q/ow0
再開します
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/16(土) 12:36:33.51 ID:t2L8Q/ow0
アサシン「マスター…」
綺礼「どうしたアサシン…何?」
時臣「どうやら侵入者のようだね。魔術結界が発動している」
綺礼「それが…ここに来たのはどうやらご息女と…」
璃生「なんと、葵君の目を盗んで、この地に来てしまったのか!」
綺礼「それだけではありません、師よ…」
時臣「ほう?…それは、思ってもみない好機だ。…綺礼よ、この事は英雄王には…」
「我に…なんだ?時臣」
時臣「英雄王!」
アーチャー「そう爪弾きせずともよかろう?…何か不都合でもあるのか?」
時臣「いえ…滅相もございません!」
綺礼「…」
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/16(土) 12:42:47.47 ID:t2L8Q/ow0
ガッシュ「なんだか、体がムズムズするのだ…」
凛「そう?私はなんともないけど…」
ガッシュ「うぬ…誰かに見られているような…」
「その悪寒は当たっているぞ?少年」
凛「げっ…まさかあんたがお出迎えとはね」
綺礼「まあそういうな、凛。私としては今すぐ君をこの危険な地から遠ざけたいところだが…時臣師が呼んでいる、早く上がりなさい」
凛「…言われなくたって、私はそのつもりなんだから!…って綺礼、あなたガッシュを知ってるの?」
綺礼「少し縁があってな。さあ…ガッシュ君、こちらに」
ガッシュ「うぬう、私はおぬしの事は知らないのだ!」
綺礼「いいから早く来い」
ガッシュ「ぬ、なああああ!リン!助けてくれなのだー!」
凛「…ご愁傷さま」
ガッシュ「リーーーーーーーーン!」
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/16(土) 12:55:05.32 ID:t2L8Q/ow0
綺礼「…連れてきてやったぞ」
アーチャー「ふん…こいつがお前の言っていたサーヴァントか」
ガッシュ「ぬ!?おぬしもサーヴァントなのか!?」
アーチャー「軽々しく口を開くな雑種。子供とはいえ無礼は許さぬぞ?」
ガッシュ「雑種ではない!私はガッシュ、ガッシュ・ベルなのだ!」
綺礼「な…」
アーチャー「…くく、はははははははは!まさかそちらから真名を名乗ろうとは!だがそれも、子供であるがゆえの純真さともいえよう」
ガッシュ「では、おぬしもセイバーと同じサーヴァント…つまりは英雄なのだな」
アーチャー「然り。我を知らぬとは並の英霊ならばこの場で八つ裂きにしていたが…子供ならば致し方あるまい。我こそが英雄の頂点に立つ王…英雄王、ギルガメッシュ王よ」
ガッシュ「…うぬ…」
綺礼「…?」
ガッシュ「カッコいいのだー!ギルガメッシュ、おぬしは本当にカッコいいのう!」
アーチャー「む?…ふははははははは!そうか、分かっておるではないかガッシュよ!そうら、見るがいい!貴様ら雑種では到底目にもかかれない宝物の原点だ!」
ガッシュ「ぬおおおおお!すごいのだ!」
綺礼(…馬鹿か、こいつらは)
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/16(土) 13:09:25.34 ID:t2L8Q/ow0
綺礼「…英雄王、そこまでにしておけ」
アーチャー「…む、我としたことが…少々舞い上がってしまったようだ」
ガッシュ「ウヌ?もう終わりなのか?」
アーチャー「そう落ち込むな、ガッシュよ!貴様ならばまた何時でも謁見してよい、我が許す!」
ガッシュ「本当か!?ありがとうなのだ、ギルガメッシュ!」
アーチャー「…それでだガッシュよ。…貴様、何者だ?」
ガッシュ「!?」
綺礼(ようやく本題に入ったか…)
アーチャー「我の目を誤魔化せると思うなよ?貴様から、微かに異質な魔力を感じる…貴様自身と、その装束からな」
ガッシュ「……」
アーチャー「さあ話せ、ガッシュよ。今の我は気分がいい…先程と違い、多少の無礼は許してやるぞ?」
綺礼(このような者を英霊として呼び出された理由…必ず、何かあるに違いあるまい)
ガッシュ「私は…」
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/16(土) 13:23:39.08 ID:t2L8Q/ow0
ガッシュ「…だめだ、話せないのだ」
綺礼「何?」
ガッシュ「今の私に、おぬしらに話せることはないのだ。…すまぬ」
アーチャー「…そうか」
ギルガメッシュが綺礼に合図すると、意識を失い、アサシンに拘束されているウェイバーが姿を表した。
ガッシュ「ウェイバー!…おぬしら、何を…」
綺礼「どのようなイレギュラーな英霊であろうと、その弱点はマスターだからな…」
アサシンの短刀が、ウェイバーの首に迫る。
ガッシュ「止めるのだ!ウェイバーを離せ!」
アサシン「貴様に選択権はない」
アーチャー「さあ、我を苛立たせるなよ?ガッシュ」
ガッシュ「…私は、記憶喪失で…」
アーチャー「…それで?それだけか?」
ガッシュ「だから、自分のことも良く分かっておらぬのだ!分かっておるのは自分が魔界の王様だということと、この聖杯戦争についてのことだけなのだ!」
アサシン「…」
それが答えか?と、少し血が出る程度に、ウェイバーの肌を傷つける。
綺礼「ならば問おう。貴様のクラスはなんだ?召喚されている以上、それは理解しているはずだ」
ガッシュ「うぬ…それも…」
アーチャー「もう良い」
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/16(土) 13:33:39.45 ID:t2L8Q/ow0
綺礼「アーチャー…」
アーチャー「…ガッシュよ、貴様のマスターが持っていたこの本、そして貴様自身…やはりこの世界のものではあるまい?」
ガッシュ「…その通りなのだ」
アーチャー「やはりか…では魔界とはなんだ?冥界の類いの物か?」
ガッシュ「うぬう…魔界はそれとはまた違う物だ。私のような魔物が、たくさん暮らしておる」
綺礼(魔物だと…!?)
アーチャー「…ふん、そうか。おいアサシン、そこな雑種から手を引け」
アサシン「何?何故貴様に命令されなければならない…こちらは、こいつにやられている者も」
アーチャー「たわけ!貴様の下らん事情など聞いておらぬわ!」
綺礼「…アサシン」
アサシン「ちっ…」
痺れを切らした英霊王の一喝により、ウェイバーはアサシンの手から解放された。
ガッシュ「ウェイバー!無事か!?」
ウェイバー「…うう…」
ガッシュ「良かったのだ…」
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/16(土) 13:47:17.61 ID:t2L8Q/ow0
時臣「英雄王!いったい何をお考えなのですか!」
アーチャー「慎め時臣。王の御前であるぞ?」
時臣「はっ!…しかし、何故あのサーヴァントを仕留めなかったのですか!?綺礼がマスターまで連れてきたというのに…」
アーチャー「あやつらが我の目にかなった。其だけにすぎん」
時臣「そのようなことが…」
綺礼「…師よ、まだ奴らにアサシンを付けております。どうかご安心を」
時臣「…ああ、すまないね」
アーチャー(ガッシュ…我の宝物庫にない宝物…精々、我を興じさせよ)
綺礼(英雄王…貴様、何を考えている?)
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/16(土) 13:54:25.48 ID:t2L8Q/ow0
ガッシュ「大丈夫かの?ウェイバー」
ウェイバー「ああ…まだちょっと頭がくらくらするな…」
ガッシュ「ウヌ、…すまぬ、私のせいなのだ。おぬしの忠告を聞かなかったから、巻き込んでしまった」
ウェイバー「…いいよ、むしろお前が居なかったら、今ごろ僕は殺されてた。…凄いなお前は」
ガッシュ「? 何がなのだ?」
ウェイバー「…」
『己の沽券を示したいならば、足掻いてみろ。さすれば、何か見えてくるかもしれんな』
ウェイバー「…僕は、お前に頼ってばっかだな」
ガッシュ「うぬ?何と言ったのだ?聞こえなかったのだ」
ウェイバー「…なんでもない!さ、帰るぞガッシュ」
ガッシュ「ウヌ!今日のご飯も楽しみなのだ!」
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/16(土) 13:59:31.91 ID:t2L8Q/ow0
一旦ここまで
時臣ってこれでいいのか…?
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/16(土) 14:10:52.77 ID:GmZIwRhlO
乙
ウェイバーとガッシュの組み合わせは幸運EXと言っても過言ではないな
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/16(土) 14:20:34.41 ID:dFP31cmoO
おもしろい
がんばって完結させてね
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/16(土) 15:34:51.55 ID:t2L8Q/ow0
ケイネスホテル
ライダー「おう、只今戻ったぞ!」
ケイネス「よくもおめおめと…貴様、今まで我々の拠点に戻らず、一体何処で何をしていた!それ相応の罰を受ける覚悟は…その袋は何だ?」
ライダー「これか?ほれ」
ケイネス「…呆れて物も言えんな」
ソラウ「ま、まあケイネス。聖杯戦争はこれからでしょう?そう気を落とさずに…」
ケイネス「ソラウ…全く君だけだよ、私の事を分かってくれるのは…」
ライダー「だがマスターよ、余もひとつ言いたいことがあってな。…貴様、余への魔力供給をもはや微弱に等しいほどしかしておらぬな?」
ケイネス「…何のことかね?」
ライダー「惚けるなよ。貴様程度の小物がやりそうなことを、余が見抜けぬと思っていたのか?」
ソラウ「やめなさいライダー!」
ケイネス「知らんな…だがライダー、所詮私の使い魔に過ぎない貴様が、私を小物呼ばわりとは…どうやら貴様は忠誠心というものが欠如しているようだな」
ライダー「慎重になるのも良いが、貴様はそれを通り越して臆病だ、と言ったのだ」
ケイネス「何…?」
ソラウ「む〜…もう私知らない!下のケーキバイキングに行ってくるから!」
ケイネス「なっ…待ってくれソラウ!ちっ…」
ライダー「ふん…いざとなれば令呪で呼べ。余はこの空間は窮屈でたまらん」
ケイネス「…勝手にしろ」
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/16(土) 15:45:28.22 ID:t2L8Q/ow0
ライダー「…少し走れば、頭も冷えたか」
ライダーは自分のマスターについて考えていた。自分への魔力供給は十分と言えるものではなく、現界することすら自前の魔力で補っていた。
マスターに忠実ではない自分への下らない仕打ちか、と放っておいたが最早無視できるものではなくケイネスに問い質したのだが、その返答は虚偽の物とは思えなかった。
ライダー(ならば何故…まさかあやつ、一人で聖杯戦争を勝ち抜く気であったか?だがそのような危うい道を、あの男は選ぶだろうか)
「…答えは得ましたか、ライダー」
ライダー「!!」
ライダー「…貴様は…ふはははは!なるほどそういうことか…一気に謎が解けたわい!」
「…何やら上機嫌のようだ…眉間の皺もなくなって…では心置き無くやれそうです。では、ライダー?」
「さようなら」
「ーーーーー!」
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/16(土) 15:54:57.27 ID:t2L8Q/ow0
アインツベルン城
切嗣「…さて、そろそろ行くか」
アイリ「ええ。…っ…!」
切嗣「アイリ!」
アイリ「…どうやら、またサーヴァントが脱落したようね」
切嗣「そうか…恐らくあのキャスターか?」
アイリ「さあ…そこまでは…でも切嗣、気負いすぎないで。舞弥さんの為にも、この戦いは勝たなくちゃ行けないけど…貴方は貴方のままで…」
切嗣「分かっているよ。さ、君はここに…」
イリヤ「あ、キリツグ!うそ、もういっちゃうのー!?」
切嗣「ごめんなイリヤ、僕もまだ忙しくてね…」
イリヤ「むー…せっかくかえってきたとおもったのにまたいっちゃうなんてー…」
アイリ「イリヤ、お父さんを困らせたらダメよ?」
イリヤ「はーい…じゃ、キリツグまたね!胡桃探し、次は絶対私が勝つんだから!」
切嗣「ああ…行ってくるよ、イリヤ」
セイバー「仕度はできましたか?」
切嗣「…」
セイバー(また口きいてくれなくなりましたね…)
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/16(土) 16:06:48.28 ID:t2L8Q/ow0
冬木
切嗣(舞弥という助手が居なくなった今…頼れる手駒はセイバーだけ…か。…うん?)
切嗣「これは…」
セイバー「如何しました切嗣?」
切嗣「…」
セイバー「…」
アイリ「…はあ…どうしたの、切嗣?」
切嗣「教会からだ。これより聖杯戦争を一時中断し、我々の総力を尽くして、キャスターを討伐する…功績を成した者には報酬として令呪一画…とね」
切嗣「だがここにあるキャスターは、恐らくあのキャスターの事ではない」
アイリ「貴方の言う、新しいキャスターの事ね?」
切嗣「そうだ。僕達を襲ったあのキャスター…そしてバーサーカーのマスターだった間桐雁夜。この二つが鍵を握っているが…」
アイリ「そのバーサーカーも、間桐雁夜の姿も見当たらない…」
セイバー「ではやはり、その行方不明のマスターから探したほうが良いのではありませんか?」
アイリ「…そうね、早くしないと、他の人に先越されちゃうものね」
切嗣(おかしい…何故雁夜が、あのキャスターを使役している?そしてバーサーカーをどうしたというんだ…)
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/16(土) 16:16:54.96 ID:t2L8Q/ow0
ここまで
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/16(土) 17:02:07.13 ID:iptKsD+b0
そろそろマントの使い方思い出すかな
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/16(土) 21:28:09.35 ID:C2HN6WeIo
ガッシュが騒動起こしてウェイバーが頭にアイアンクローしたら偶然ツボ刺激されて強くなったりしたら笑う
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/18(月) 00:57:04.45 ID:8EBr6l7m0
マッケンジー宅
ウェイバー「……」
ガッシュ「ウェイバー、何をやっておるのだ?」
ウェイバー「ちょっと調べものをな…出たか!」
すぐに地図を取りだし、赤丸でポイントをチェックする。
ウェイバー「…うん、間違いない、ここだな」
数あるポイントから、一番核心的な物を絞り出す。
ガッシュ「ウヌ?何が分かったのだ?私には分からないのだ…」
ウェイバー「僕がマークしたのはキャスターの居場所さ…ほら、最近の連続誘拐事件があったろ?その周辺の水質を調べたら一発だったってわけ!」
ガッシュ「おお…やるではないかウェイバー!」
ウェイバー「…こんなの、魔術と呼べるか怪しいものなんだけどな…」
ウェイバー(僕がこいつの為に出来ること…それはサポートだ。なら、せめてどんなやり方でも力にならないとな)
ウェイバー「よし!じゃ、早速明日の朝出発するぞ!僕たちでキャスター討伐して、他のマスターに勝つんだ!」
ガッシュ「ウヌ、頑張ろうぞ!」
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/18(月) 01:12:59.26 ID:8EBr6l7m0
地下道
ウェイバー「あれ…?この辺だと思ったんだけど…」
ガッシュ「うぬう、おぬしの見立てが外れたのではないか?」
ウェイバー「そんな…収穫なしかよ〜…」
そこには何もなかった。魔術師の工房と呼べるものはなく、不自然なほどに跡形もなかった。…しかし、その痕は完全には消せていなかった。
ウェイバー「! これは…おい、見ろよガッシュ」
ガッシュ「ウヌ?」
ウェイバー「僅かに血痕が残ってる。やれやれ…消したはいいけど、やり方がちょっと杜撰だったみたいだな」
ウェイバー「多分やったのはキャスター以外のやつだけど…自分の工房がないキャスターなんて、僕に言わせれば…」
ガッシュ「! この気配…!ウェイバー!」
「…気づかれたか。よく鼻が利く…まるで野生の獣だな」
ウェイバー「アサシン…まだ僕たちを付け狙っていたのか!」
アサシン「同胞の雪辱…果たさせてもらうぞ!」
ガッシュ「来るぞ!」
ウェイバー「ああ!リベンジマッチだ!前の僕たちと違うところ…あいつに見せてやろうぜ!」
ガッシュ「うぬ!負けないのだ!」
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/18(月) 01:24:10.86 ID:8EBr6l7m0
ウェイバー『いいかガッシュ?お前の攻撃は三騎士はともかく、その他のサーヴァントにはなんとか通じるはずだ。で、問題は…』
ガッシュ『呪文が当たらないことであるな?』
ウェイバー『ああ…お前の術は口から発射されるから融通が効かないからな。だから僕が考えたのは…これだ』
微弱な魔力を光に変え、手から放出する。
ウェイバー『これを目印にするんだ。勿論、相手のいる方向にお前が向いていなかったら意味がないからな。…ほら、よーく光の形を見てみろ?』
ガッシュ『…おおお!ブリなのだー!あれは間違いなくブリなのだー!』
ウェイバー『お前があれだけ好き好き言ってたからな…これでやる気が出たか?』
ガッシュ『うぬ!…ほおお…!すごいのだ!泳いでおるのだー!』
ウェイバー『…ったく…』
子供だな、と言いかける。しかし今は、ガッシュのその顔に、素直に満たされていた。
ウェイバー『気づいたらこの本、読める所増えてたし…これ、どういう仕組みなんだろうな。ま、使える術が増えたってことでいいか』
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/18(月) 01:33:33.53 ID:8EBr6l7m0
アサシン「確実に殺してやろう…ふっ!」
ウェイバー(向かってくる…この距離ならザケルで十分だけど…)
ウェイバー「…よし!実践訓練だ!ガッシュ!」
ガッシュ「うぬ!」
ウェイバー「第二の術…ラシルド!」
ウェイバー(唱えたぞ!さあどうなる!?)
呪文の力で、突如ガッシュの前方に巨大な盾が現れた。
アサシン「何!?ぐっ…」
ガッシュの実力を舐めていたのか、正面突破しようとしたアサシンを、ラシルドが行く手を阻む。
ウェイバー「防御呪文か…!これなら使いやすそうだ!」
アサシン「ちっ…それがどうしたぁ!」
しかし、その壁は何秒と持たず破られてしまった。
ウェイバー「嘘だろ!?アサシンに破られるとか…いいや、落ち込んでる暇はない!次はこれだ!」
ウェイバー「第三の術!ジケルド!」
ガッシュ「」
ウェイバー(よし!狙い通り!…っておい)
アサシン「…何?」
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/18(月) 01:44:43.44 ID:8EBr6l7m0
遅い。ガッシュから放たれたそれは、自分でも視認できるほどの遅さの球体だった。
アサシン「…相手を舐めていたのは、どうやら貴様らのほうらしいな…」
当然のようにアサシンは呪文を避け、ガッシュたちに襲いかかる。
ウェイバー「くううう…!なんなんだよこの呪文どもは!ガッシュ!僕にどうしろってんだよ!」
ガッシュ「う、うぬ!?今言われても…ぬわあ!」
ウェイバー「頼むから僕をがっかりさせないでくれよ!…うわあ!」
ガッシュ「ナアア!避けるのだウェイバー!」
ウェイバー「ヌオオオオオ!ちくしょおおおお!」
アサシン「ふざけて…いるのか貴様らぁぁ!」
ウェイバー「残念ながら大真面目だぁぁぁ!」
アサシン「なら逃げるなぁ!」
ガッシュ「ウヌウ!どうすれば…」
ウェイバー(いや待てよ…もしかしたらあの術、僕が見落としているだけで、まだ別の効果が…)
ウェイバー「もう一発だ!ジケルド!」
アサシン「!? しまっ!」
ウェイバー「当たった!これでどうなる…」
アサシン「…何も起きないぞ」
ウェイバー「オオオオオオ!」
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/18(月) 01:49:41.19 ID:dzZDWfn/0
当たらなくても効果あるからチート術なんだけどな
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/18(月) 01:51:43.08 ID:TzylTymvo
使い方難しい術だと思う
自分の後ろに金属あったら後頭部に激突する可能性あるし
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/18(月) 01:54:24.86 ID:FTJoNYCLO
ウェイバーとガッシュがマンガのあの走り方して逃げ回ってるのを容易に想像できてしまった
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/18(月) 02:00:33.04 ID:8EBr6l7m0
ガッシュ「落ち着くのだウェイバー!ここは普通に戦うのだ!一度退かせた相手、負けるはずがない!」
ウェイバー「ぐっ…そうだな!行くぞガッシュ!」
アサシン「一度…だと?貴様…白々しい事を…」
ウェイバー「え?」
アサシン「貴様らは絶対に許さぬ!我ら影の群れ、死力を尽くして貴様らをなぶり殺してやる!」
ウェイバー「本気か…!いいかガッシュ!今使える術は実質二つだが、攻撃呪文は一つだけだ!その一発に全ての力を込める!」
ガッシュ「うぬ!」
アサシン「まずはその、忌々しいサーヴァントからだ!」
アサシンは影より何体もの暗殺者を呼び出した。
ウェイバー「な…アサシンはこんなにいたのか!?じゃあこいつらはアーチャーに殺されたアサシンや、倉庫であったアサシンとは別の…」
アサシン「今更気づいても遅い…これを言うのも二度目になる」
アサシン「さあ、音もたてずとは言うまい!じっくり苦しみ、辱しめ、そして息の根を止めてやる!」
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/18(月) 02:12:10.71 ID:DeV+NgwM0
そういやサーヴァントの武器って一応鉄なんかな
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/18(月) 02:20:10.02 ID:8EBr6l7m0
ウェイバー「駄目だ…的が絞れない!」
アサシン「無駄だ…」
ガッシュ「ぬっ…ぬわあああ!」
ウェイバー「ガッシュ!くっ…何も出来ないのか!」
赤い本に恨みをぶつける。しかし何も状況が変わることはない。
ウェイバー「くそっ…僕のせいで…またガッシュが傷ついて…」
ガッシュ「む…まだまだぁ!」
『死に物狂いで足掻け。貴様に出来ることは、最早それのみであろう?』
ウェイバー「…! 諦めるな、考えろ!僕に出来るのはそれだけ…」
アサシン「…こうもあっさりだと虚しいものだな。貴様、その程度ではなかろう?」
ガッシュ「ぐぬ…何を言っておるのだ?」
アサシン「まだ惚けるか…ならば貴様を拷問にかけてでも…」
ウェイバー「…!ガッシュ、こっちだ!」
ガッシュ「ぬおお!?」
満身創痍のガッシュを強引に引っ張り出す。上手くいくか分からないが、もうこれしか手はない。
アサシン「ふっ…我らに敏捷性で勝てると思うのか!?」
ウェイバー「ぐあああ!」
地面に転がされる。だがすぐに立ち上がる。諦めたらそこで終わりだ。
ウェイバー「う…うおおおおお!」
ガッシュ「ウ…ウェイバー…」
ウェイバー(なんだよ…そんな悲しい顔すんなよ…僕はまだ、諦めてなんかないぞ!)
ウェイバー「心配なんかするなよ!僕たちは勝つ…必ず勝つんだ!」
ガッシュ「! ウヌ!」
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/18(月) 02:33:57.21 ID:8EBr6l7m0
ウェイバー「はあ…はあ…」
アサシン「くっ…無意味な抵抗を…」
ウェイバー「それは…どうかな!ガッシュ、構えろ!」
ガッシュ「ウヌ!」
ウェイバー「ラシルド!」
アサシン「なっ…」
アサシン(この狭い空間では、盾の役目は果たせずとも、足止めにはなるということか…)
アサシン「だが数秒に過ぎぬ!貴様も理解した上でて…」
ウェイバー「ああそうさ!持つのはほんの僅かな数秒!だがその数秒が、お前の命運を分けるのさ!」
ウェイバー「…足下をよーく見てみやがれ!」
アサシン「何…?…!」
アサシンの足下は、一面水浸しになっていた。
ウェイバー「水質を研究したときに、ここが一番水辺に近いって分かってたんだよ!」
アサシン「なっ…それで貴様は…」
ウェイバー「今更気づいても遅い…ってな!」
ウェイバー「ザケル!!!」
アサシン「ぐっ…あああああ!」
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/18(月) 02:51:00.87 ID:8EBr6l7m0
アサシン「馬鹿な…」
ウェイバー「敗因は分かってるだろ?僕たちを舐めすぎたことと…」
アサシン「ふん…それは問題外の事だ。だが腑に落ちぬ!貴様の力はこのようなものではないはずだ!」
ウェイバー「何だって?…さっきから気になってたんだけど、お前の言ってることがどうも噛み合わないんだが…ガッシュに何かあるのか?」
アサシン「ガッシュ…?いいや違う!違うぞ!あれだけの仕打ちをしておいて、我らが忘れるわけがなかろう!」
ウェイバー「…お前、僕がいないところでなにしたんだよ」
ガッシュ「ウヌ…?私がおぬしに会ったのはあの倉庫の時だけのはずだがのう…」
アサシン「まだしらを切るか!マスターやアーチャーには気づかれなかっただろうが、我らにそう易々とまかり通ると思うな!」
ウェイバー「おい…お前一体何と勘違いを…」
アサシン「忘れぬぞ…貴様は我らが必ずこの手で殺す…」
アサシン「雷帝ゼオン!」
ガッシュ「…な…」
ウェイバー「に…?」
そう言い残すと、アサシンは姿を消した。
…僕らはまだ気づいていなかった。僕らの他にも、魔界から襲来してきたものが、既にこの聖杯戦争を壊そうとしていたことを。
そしてこれをきっかけに、さらに苦しい戦いが始まろうとしていたことを。
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/18(月) 02:52:18.67 ID:8EBr6l7m0
いったんここまでです。
うん…これちゃんと風呂敷畳めるか心配だな…まあ頑張ります。
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/18(月) 02:57:14.86 ID:kKnMCG9mo
ゼオンもいるのか
というか王の後だよな...?
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/18(月) 06:12:30.87 ID:0NauVKqk0
ゼオンも記憶吹っ飛んでるんじゃなかろうか
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/18(月) 10:22:22.49 ID:c865CUHD0
バオウ・ザケルガ!!!
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/18(月) 12:54:53.83 ID:X+HEmUiOO
ガッシュが弱くてニューゲームか…
CCC序盤の皇帝と正義の味方と狐を思い出すな
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/18(月) 15:54:40.93 ID:/17rz1jd0
乙
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/18(月) 20:02:18.52 ID:dzZDWfn/0
明らかに色違いと雰囲気と声でわかるだろ
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/18(月) 20:14:17.68 ID:e65pPMGbo
原作者に言え
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/18(月) 22:51:34.03 ID:yY6w8D5g0
>>140
ネロ「うむ!」←金髪&元気&皇帝 ガッシュ「うぬ!」←金髪&元気&王様
こう見ると似てる所あるな
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/18(月) 23:38:29.65 ID:8EBr6l7m0
マッケンジー宅
グレン「おお、お帰りウェイバー、ガッシュ」
ウェイバー「ただいま」
ガッシュ「…うぬ」
ウェイバー「…」
マーサ「どうしたのガッシュちゃん?どこか具合でも悪いの?」
ガッシュ「ぬ…そ、そういうわけではないのだ!大丈夫なのだ!」
ウェイバー「…」
戦いが終わってから、ガッシュはずっとこんな調子だった。なにも言わず一人で考え込んでいるのなら僕に話してほしいんだけど…やはりあのゼオンという名を聞いてから様子がおかしい。
ガッシュ「…ウェイバー、話があるのだ」
ウェイバー「…ああ」
ウェイバー「おじいさんおばあさん、悪いけど今日は一緒にご飯食べれないや」
マーサ「あらそうなの?でも、お腹が空いたらいつでも言ってね。用意するから」
ガッシュ「ウヌ、ありがとうなのだ」
グレン「……」
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