ウェイバー「なんだよこいつ…」ガッシュ「ウヌ?」

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202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/24(日) 22:39:41.83 ID:5vhQRfF00
ウェイバー「もう記憶が戻るのは諦めたほうが良さそうだな…」

ガッシュ「ウヌ!?それは困るのだ!」

ウェイバー「お前がいつ人間界で戦ったか分かるなら何か資料が残ってるかもしれないけど…ここ最近雷の災害とか起きてないしな…」

ガッシュ「ウヌ…しかし私は確かにこの世界で」

ガッシュ(いや…ここが別の世界というのもあり得るのだ。そういえばカマキリジョーの姿もちょっとしぶくなっていたような…)

ウェイバー「しっかしそれにしても、人間でお前と上手くやれる奴なんて、よっぽど頭が良いか、相当なバカなんだろうな」

ガッシュ「ウェイバーはどっちなのだ?」

ウェイバー「前者だ!…疲れたな今日も…」

ガッシュ「ウヌ!今日もご飯が楽しみなのだ!」

ウェイバー「お前そればっかかよ!」
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/24(日) 22:52:40.78 ID:5vhQRfF00
雁夜「ぐ…あ……」

アサシン「他愛なし…」

綺礼「よくやったアサシン。見事だったぞ?」

アサシン「光栄です…しかしマスター、何故この者を?」

綺礼「お前も見ていただろう?あの夜の出来事を」

アサシン「はい…ですが、マスターがこの件は内密にと申しつけられましたので」

綺礼「ああ。幻惑の類いではないかと、私も目を疑ったからな」

雁夜「あ…う…あ…」

綺礼「だが、何か聞き出せる様子ではあるまい。始末しろアサシン」

アサシン「宜しいのですか?」

綺礼「構わんさ。別段、我々の脅威に成りうるとは思えん」

綺礼(衛宮切嗣への手がかりにはならなかったか…)

アサシン「では…」

「それは困りますね」

綺礼「!!」

アサシン「貴様…!」

キャスター「フフ…」
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/24(日) 23:09:27.39 ID:5vhQRfF00
キャスター「ここでに見殺しにしたら、ゾウケンとの関係も気まずくなります…それにカリヤにもまだ踊ってもらわないと」

綺礼「丁度いい…貴様に問い質すとしよう!」

キャスター「図に乗るなよゴミが。…さあ来い、こいつらを倒せ!」

ゼオン「……!」

アサシン「なっ…いいだろう!おあつらえ向きな戦いだ、此方も全力でいかせてもらおうではないか!」

アサシンが影より何体もの姿を現す。だがキャスターとゼオンは、静かにその様子を見ていた。

綺礼「では此方も全力でいかせてもらうぞ、悪魔のサーヴァント」

キャスター「フフフ…それが私の通り名ですか?見ればわかるでしょう、私はキャスターですよ」

綺礼「聖杯戦争でのキャスターは既に脱落した!貴様がキャスターだとは断じて認めん!」

キャスター「貴方の目に見える物は紛れもない真実だ、それを証明する必要などはないですが…」

キャスター「ここで消えろ!クソ神父!」

???「ーーー!」

綺礼「な…」
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/24(日) 23:21:54.93 ID:2S2h5fTz0
ゼオンが操られてる?
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/24(日) 23:25:24.50 ID:5vhQRfF00
キャスター「もう終いですか、つまらないですねぇ」

綺礼「…く」

アサシン「う…あ…」

ゼオン「……」

キャスター「では、これで終わりにしましょうか。…やれ」

ゼオンがアサシン共々手を下すその時、周りの空気が変わった。

綺礼(なっ…どうなっている?あのサーヴァントやはり…)

ゼオン「……!」

キャスター「誰だろうと、雷帝に逆らうことはできない…」

アサシン(馬鹿な…我らがたった一人の童子に…)

綺礼「…っ、令呪をもって…」



「ーーー風よ、荒れ狂え!」
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/24(日) 23:37:11.43 ID:8MVj3VnRO
キャスターだからゼオンを召喚してる?
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/24(日) 23:38:12.72 ID:5vhQRfF00
セイバー「風王…鉄槌!」

キャスター「なんだと!?どうしてセイバーがここに…」

キャスター「ぐうううう!!」

綺礼「か…セイバー…だと?」

セイバー「…!貴方はガッシュ!!何故貴方が…」

ゼオン「……」

セイバー「…いや、違うな。誰だ、貴様は」

ゼオン「…ア…」

セイバー「……?」

キャスター「…!不味い、撤退だ!おい、呪文だ!早くしろ!」

???「ーーーーーー!」

キャスターは魔術で砂埃を巻き上げ、視界が良くなるころには消えていた。

セイバー「おのれ…小癪な!」

綺礼「……」
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/24(日) 23:49:40.37 ID:5vhQRfF00
アサシン「…マスター、我らも撤退を」

綺礼(衛宮切嗣への繋がり…それを易々と逃すわけには…)

アサシン「マスター?」

セイバー「貴殿達も、ここで消えてもらおうか」

綺礼「やはり、そうなるか」

セイバー「まさかあの者のように逃げれるとは思っていまい」

アサシン「侮るなよ…我らとてサーヴァント、貴様に一矢報いるぐらいは…」

綺礼(…背に腹は代えられん)

綺礼「令呪をもって命ず。アサシンよ、死力を尽くしてこの場を切り抜けよ」

アサシン「マスター!…承知致しました。このアサシン、必ずやその命を遂げてみせましょう」

セイバー「…そちらも相応の覚悟は出来ているようだな。分かりました、騎士として貴方に向かい合おう」

綺礼「……」

綺礼(念には念を入れておくとするか…)
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 00:20:11.01 ID:V4+WBzRz0
切嗣(…始まったか。あのキャスターには使い魔をつけたが…いつバレてもおかしくない。当分は奴と、あの子供の英霊を…)

切嗣(…全く、聖杯とやらも、どうしてあんな子供を戦場に駆り出すのか。理解に苦しむな)

切嗣(…さて、余計な思考は捨てるか。今の状況のみを思索する。まずセイバーが競り負ける可能性は微塵もない。…が、言峰綺礼…奴が危険要素だ。いい機会だ、ここで始末する…)

ケイネス「見つけたぞ、衛宮切嗣」

切嗣「何!?」

ケイネス「如何にしてここにいると分かったか…とでも言いたげだな。まあ答える義理はないが」

切嗣「…」


即座にコンテンダーを取り出す。切嗣の辺り一帯は結界を張っているとはいえ、数秒もすればケイネスの領域と変わるだろう。相手より先にこの起源弾で勝負をつけるというのが、今考えうる戦略であった。


ケイネス「いざ尋常に…とは言うまい。悪いが死んでもらおうか、魔術師殺し」

切嗣(起源弾を打ち込む…その一点に集中する…)
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 00:26:51.15 ID:V4+WBzRz0
キャスター「ちっ…全く不愉快だ!セイバーが乱入してくるなんて予想できるかよ!」

キャスター「…落ち着け。あくまで第一目標は達成したのですから、焦ることはない」

キャスター「既に計画は始まっている。私がしくじらないようにするだけ…」

雁夜「…あ…う…あ…」

キャスター「安心しなさいカリヤ…貴方の望みも満たされるでしょう。そう…私に従ってさえいればね」

雁夜「…お…い…ふ……」

キャスター「フフフ…ハハハハハハ!」
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 00:28:44.71 ID:V4+WBzRz0
ここまで
ちなみにクリスマスは何もありませんでした…(自分語り)
さすがにssも年越すのはいやだなあ、終わらせたいなあ
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 07:20:02.00 ID:RsBL+CgmO
ゾフィス……にしては……うーん

とりあえず乙
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 17:54:08.61 ID:V4+WBzRz0
アサシン「はあっ!」

暗殺者らしからぬ真っ向勝負を選んだアサシンは、令呪による力か、セイバーを押していた。

セイバー「ふっ!…アサシンにしては悪くない。やはり令呪のブーストのおかげでしょうか?」

アサシン「ほざけ!」

綺礼(端から見ればアサシンが優勢だが…最優のサーヴァント、隙がない)

セイバー「甘い!数だけで私に敵うと思うな!」

アサシン「く…」

綺礼(アサシンには荷が重いか…別に期待はしていなかったが、ここでサーヴァントを失うというのは愚の骨頂だ。後々の戦いにも支障が出てくる)

綺礼「…仕方あるまい。重ねて令呪をもって命ずる!アサシン!」

綺礼「この場を切り抜けられぬならば、全力でセイバーより撤退しろ!無論私を連れてだ!」

アサシン「…御意!」

セイバー「逃がすか!」

綺礼「はっ!」

セイバー「なっ…眩し…」

綺礼「魔術の初歩だが…役に立ったか」

セイバー「ぐぅ…ま、待て!」

綺礼(また不用意にアサシンの数を減らしたか…師に何と言うか…)
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 18:11:43.31 ID:V4+WBzRz0
アイリ「セイバー…」

セイバー「アイリスフィール!出てはいけないとあれほど…」

アイリ「私だけじっとしているなんて出来ないわ…それにほら、私も貴女がいないと何もできないの」

セイバー「む…」

アイリ「状況はあまり良いとは言えないわね…キャスターにも言峰綺礼にも逃げられてしまった」

セイバー「申し訳ありません。私が不甲斐ないからこのような事態を…」

アイリ「当分の標的はあのキャスターと間桐って決まったけど…ねえセイバー、切嗣から何も連絡がないの。貴方は知らない?」

セイバー「いえ、私も何も…まさか、敵マスターからの襲撃を受けたのでは!?」

アイリ「それは無いわ。私もここ一帯に結界を張って警戒していたもの」

セイバー「しかし貴方は疲弊している、隙をついて気づかれずに結界を破る事も可能なのでは…」

アイリ「それほどの魔術師が…あっ…」

セイバー「アイリスフィール!…ここで待っていてください!」

アイリ「…ええ…」

セイバー「切嗣…!頼む、間に合え…!」
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 18:36:18.67 ID:V4+WBzRz0
切嗣「か…は…」

ケイネス「どうした?自慢の名が泣くぞ?魔術師殺しが」

切嗣(何故だ…確かに撃ち込んだはず…)

ケイネス「何やら奇っ怪な銃弾を持ち合わせているようだな…以前の私ならば窮地に陥っていたかもしれんが、今の私に通じると思うなよ!」

ケイネス「Scalp!」

切嗣「ーtime alterー」

切嗣「ーdouble accelー」

ケイネス「それは見飽きたぞ!」

ケイネス(奴の魔術は体内に固有結界を生み出し、身体能力を底上げする…速さで勝てないならば質と量で圧倒するのみ)

ケイネス「ire:sanctio!」

ケイネス「そこだ!」

切嗣「ーtime alterー」

切嗣「ーtriple accelー」

ケイネス「なっ!?まだ速度を上げるというのか!」

切嗣「…チェックメイトだ」

完全に後ろをとり、コンテンダーに装填した起源弾を放つ。その弾丸は、即座に魔術礼装に身を包んだケイネスに確かに命中した。

ケイネス「…ぐっ…やるじゃあないか。一度でなく二度までも、この私に傷をつけるとは…」  

切嗣「…化物か、お前は」

切嗣(よりによって対魔術師用の装備が、生粋の魔術師に歯も立たないとは…かくなる上は…)

まだ三画ある令呪に目を向ける。だがそれは奥の手、しかもマスターを相手に使いたくはない、そしてなにより英雄などに助けを求めるものかという奥底の思いが、それを使うのを邪魔した。

「ほう?雑種の戯れにしては面白いではないか」
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 18:48:40.98 ID:V4+WBzRz0
ケイネス「貴様は…あの時の」

切嗣(アーチャーだと…?やれやれ、随分と向こうに戦況が傾いてきたな…)

アーチャー「特に貴様だ。…その魔力、何処より手に入れた?」

ケイネス「……」

アーチャー「どうした?発言を許すと言っておるのだ、下郎」

ケイネス「英雄王…貴様に用はない!消えろ!」

アーチャー「王を前にしてその振舞い…疾く失せよ、不敬であろう!」

切嗣「これは…奴の宝具!」
 
憤慨したアーチャーは、王の財宝で二人共々葬ろうとしていた。

切嗣「ぐっ…」

切嗣(固有時制御の反動が…ここまでなのか、僕は)


セイバー「……マスターー!」
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 19:02:16.27 ID:V4+WBzRz0
切嗣「な…」

セイバー「並々ならぬ魔力から、ここに来ることが出来ました。マスター、下がって!」

切嗣「…ちっ」

セイバー(舌打ちしましたか今…?)

アーチャー「セイバーか、あの時以来だな」

セイバー「勝負だ!アーチャー!」

アーチャー「ふん、それも良いが、今はこの阿呆を消すほうが先決だ。貴様は後回しだセイバー」

セイバー「何…?…あれは確か、ライダーのマスターではないですか?どうして彼がここにいるのですか切嗣」

切嗣「…」

セイバー「聞こえているはずです!答えなさい切嗣!」

切嗣「…よく喋るな。英雄様はさっさと戦って、己の血を相手の血で洗ったらどうだ?」

セイバー「貴様、私を愚弄するか!」

切嗣「どうだか。さあ、アーチャーの攻撃が来るぞ」

セイバー「…っ…」
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 19:22:36.44 ID:V4+WBzRz0
アーチャー「貴様らには見せるのも惜しい至高の物だ…心して味わい、そして我を散り様で興じさせよ」

ケイネス「ここで倒れるわけにはいかない…誇りのために、そしてなによりソラウのためにな!」

ケイネス「Fervor,mei Sanguis」

切嗣「馬鹿な、あの宝具とまともにやり合う気か!?」

セイバー「耐えられる訳がない…自殺行為だ!」

ケイネス「舐めるなよ、ロードの名は伊達ではない…」

ケイネス(そしてこの力があれば…)

アーチャー「ふはははは!自ら道化となるか!」

ケイネスの礼装の外観が、今までよりどす黒い姿へと変わる。もはや影のようにも見える水銀は、月の光でどうにか視認できるほどだった。

切嗣「あの形態は…あれが奴の本気か?」

アーチャー「ならば潔く散れ、雑種!」

アーチャーの倉より、宝具が打ち出される。しかしケイネスは、その魔術礼装で防御体制をとるだけであった。

ケイネス「…受けてたとう、金色のサーヴァント。私の全身全霊を持ってな!」
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 19:23:22.30 ID:V4+WBzRz0
ここまで
切嗣ちょっと優しすぎたかな?
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/25(月) 20:27:34.36 ID:Cr7lAUjl0
嫌いだからって無視するのは大人のやることではない
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/25(月) 20:41:26.06 ID:HuhaIQHRo
乙〜
ただの子供だな
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/25(月) 20:45:05.16 ID:ENG88W62O
>>221
でも本編では実際にやってるんだけどね
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/25(月) 21:03:21.25 ID:z75/6IOyO
ゼオンを止める為の抑止力的存在としてガッシュは呼び出されたんだろうか
ウェイバーが使った触媒にもよるけど…
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/26(火) 17:39:31.16 ID:i9Moiw940
バオウ使えるんかな
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/26(火) 21:25:55.13 ID:BQFAQiAv0
ガッシュ本編のお手軽強化要素と言ったら月の石かゴデュファぐらいか
月の石は純粋な強化というよりは常時MP回復だけど心の力の消費を考えずに最大級の術連発できるから同じようなもんか
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/26(火) 21:40:06.45 ID:i9Moiw940
後は頭のツボ押しだな
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/26(火) 21:46:43.76 ID:3/k+IyS10
強化じゃなくて回復だがファウード汁とか
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 00:12:59.83 ID:43SwYFkd0
セイバー「くっ…おおおおお!」

セイバーの意地で、英雄王の宝具を耐えしのぐ。しかし驚くべきなのは、人間でありながら王の財宝であっても敗れないケイネスの礼装の力だった。

切嗣「ありえない…人間がサーヴァントの攻撃を受けきれるだと!?」

ケイネス「…負けて…たまるものか!」

アーチャー「ふはは、魅せるではないか!」

ケイネス「…ぐおおお…!」

アーチャー「だがこれで終幕だ!」

アーチャーの背後に、さらに大量の武具が展開される。

セイバー「まだ余力を残していたというのか!?切嗣!指示を!」

切嗣「…奴の魔力源に秘密があるのか?」

セイバー「切嗣…!!」

アーチャー「ふはははははは!有象無象の雑種共、ここで朽ち果てるがよい!」

ケイネス「…令呪をもって…」 
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 00:21:38.11 ID:43SwYFkd0
 時臣邸

綺礼「…只今、戻りました」

時臣「遅かったね、綺礼」

綺礼「師よ、伝えなければならないことが…」

時臣「すべて把握しているよ」

綺礼「…っ、弁明の余地もありません」

時臣「ふっ…アサシンが何体敗れようが構わないし、許しを請う必要はない」

時臣「計画に余計なことはしてくれたがね」

綺礼「……」

綺礼(この妙な違和感は何だというのだ…?私は確かに時臣師と対話を…)

時臣「だがもういい…なぜなら」

時臣「君たちはここで終わりだからな」

綺礼「……!?」

アサシン「…謀ったか、キャスター!」

時臣「ふふ…くくく…」
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 00:32:53.06 ID:43SwYFkd0
キャスター「そういえばカリヤ…貴方に大事な事を伝え忘れていましたね」

雁夜「う…」

キャスター「遠坂時臣は私が始末しました。…これで、貴方の復讐は完了ですね」

雁夜「…あ?お…お…?」

キャスター「よかったですねぇ、今の貴方じゃあ手も足も出ない相手を、私が直々に手を下したのですから」

雁夜「お…」

キャスター「…これじゃあ会話にならねぇな、一方的な独り言に近い」

キャスター「まあいい…ほら、もうすぐ着きますよカリヤ」

キャスター「貴方でも…いいや、貴方にしかできない仕事だ」

キャスター(時臣には暗示をかけた…もう目覚めているはずだ…!そうなれば…フフフ、すべて私の計画通りだ!)

キャスターの目線の先には、マッケンジーの家が建っていた。

キャスター「さあ…ガッシュ、オマエの安息の場所を消し去ってやる」
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 00:47:53.80 ID:43SwYFkd0
時臣「く…ははは…」

アサシンと共に時臣を正気に戻そうと試みた綺礼だが、強敵との連戦に加え、時臣の力は圧倒的であった。

綺礼(強い…いや、それは分かりきっていた事だが…それでも尚、私の上を行くというのか!)

アサシン「マスター、このままでは…」

時臣「逃げ切れると思ったのか!」

綺礼「がああああ!」

時臣は、リミッターが外れたようにありったけの宝石魔術で綺礼達を燃やし尽くそうとした。

マスターの危機から、アサシンが時臣に襲いかかる。

アサシン「おおお!」

時臣「…他愛なし、といったところか、な!」

アサシン「がっ…」

冷静に対応し、反撃する。サーヴァントであろうと本気の時臣には敵わないと錯覚させるほど、今の時臣は彼らと互角以上に戦っていた。

時臣「はははは!優雅な結末など要らん!滅びろ!滅びろぉ!」 

綺礼「貴様…やはり師では…」

《そこまでです、時臣》
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 00:54:26.28 ID:43SwYFkd0
《貴方の役目はクズをいたぶる事ではないでしょう?》

時臣「はっ!申し訳ありません、ロードよ」

綺礼「ロード…?アーチボルトとは別の…?」

アサシン「恐らくあのキャスターでは…」

《分かれば良いのですよ。さあ、頼みますよ時臣》

時臣「仰せのままに!」

綺礼「何をするつもりだ!」

時臣「なぁに、自分のサーヴァントに命令を下すだけだよ!」

綺礼「ギルガメッシュに…?」


アサシン(この魔力…キャスター以外にもどこかで…)
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 00:54:54.14 ID:43SwYFkd0
ここまで
短いな
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/27(水) 00:57:32.85 ID:ji5pDOAa0
人を洗脳したりするのはあいつの能力だな
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/27(水) 14:00:09.54 ID:5mu51LYHO
やっぱりあいつか
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/28(木) 10:15:17.73 ID:Oq4rONZm0
ロードって言っちゃってるしモロだな
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 10:59:10.03 ID:gBnT9Qmk0
アーチャー「ふははははは!」

アーチャーが数多の宝具をケイネスに向けて放出する。ギルガメッシュを含め、ここにいる誰もが、アーチャーの勝利を確信するほかなかった。

《英雄王…令呪をもって奉る…》

アーチャー「…時臣?貴様の出る幕では…」

《我らが命に従う忠実な僕となれ…!》

アーチャー「な…貴様…!ふん、その程度、我がはね除けてくれるわ!」

ケイネス「くっ…令呪をもって…何だ?何を狼狽えている?」

《重ねて令呪をもって奉る》

《我らが王…ロードの傀儡となれ!》

《さらに重ねて…》

《続けて…》

アーチャー「おのれ貴様、我を正気でなくする気か…!?ぐ…頭が…!」

セイバー「アーチャーの様子がおかしい…」

切嗣「攻撃を止めただけじゃない…奴は何に苦しんでいる?」

アーチャー「おのれ…雑種の分際で…貴様、どこでそれだけの令呪を…!ぐッ…あああああ!おのれおのれおのれおのれ!」

アーチャー「セイバーよ…悪いが貴様との決着はつけれそうもない!…雑種に従うぐらいならここで我は…」

《令呪をもって奉る。傀儡よ、自害は禁ず》

アーチャー「おの…れ…」

アーチャー「……」

切嗣(殺気が完全に消えた…?助かったと思っていいのか…?今、一体何が起こったというんだ…)
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 11:19:00.82 ID:gBnT9Qmk0
時臣「ふふ…どうだ英雄王!貴様となれど、令呪には逆らえなかったようだな!滑稽きわまりない!はははははは!」

綺礼「…あれほどの令呪をどこから…まさか」

時臣「そのまさかだよ綺礼。…心配ない、命までは奪っていない。長い付き合いだからね。しかし令呪を強制的に剥ぎ取った上にあの老体…もう長くはないだろう」

綺礼「やはり貴方はもう…私の知っている遠坂時臣ではないようだな」

綺礼「…殺す…確実に殺してやる…!」

師である時臣の裏切り。綺礼にとってそれはあまりにも衝撃的な出来事であったが、その事実よりも敬愛する父親を痛めつけられた怒りが上回っていた。

アサシン「マスター…」

綺礼「うああああ!」

ただ目の前の敵を殺す。綺礼の中の理性はもはやそれのみしか残っていなかった。

時臣「青二才が…」

眼前の仇敵に拳を繰り出す。だが、一時の感情により実力を越えたとしても、現実はそう甘くない。綺礼の渾身の一発も、時臣の魔術の前には無力に等しかった。

時臣「君の力じゃ、私に土をつけることなんかできはしない」

綺礼「…くそっ!くそぉっ!」

アサシン「…これしか手はありませんね」
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 11:36:10.03 ID:gBnT9Qmk0
アサシン「マスター…令呪を私に」

綺礼「何…?」

アサシン「倒すまではいかずとも、時間を稼ぐ事は可能です」

影より残り少ないアサシンを呼び出す。何十もの数存在した人格の残りは、今は十人ほどしかいなかった。

アサシン「これより我らの総力を尽くして貴方を守り、ここから逃がします。…どうか、ご武運を」

綺礼「待てアサシン!それではお前が…」

アサシン「構いませぬ。もとよりサーヴァントとして呼ばれた身…覚悟は出来ております。それに、今までの失態を取り返さねばなりません」

綺礼「アサシン…」

アサシン「さあ、どうかこのアサシンに、最後の晴れ舞台を!」

綺礼「…分かった。それがお前…いやお前達の覚悟ならば、それに答えよう」

綺礼「…令呪をもって命ずる」

綺礼「アサシンよ…たとえその身が果てても、私と共に最後まで戦い抜け!負けることは許さぬ!」

アサシン「御意。…貴方のような主をもてて良かった。これで我らは遺憾なく命を全うできる」

綺礼「…っ…!必ず私のもとに戻ってこい!いいな!」

時臣「なっ…待て!君を逃がすわけには…」

アサシン「行かせん」
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 11:54:28.60 ID:gBnT9Qmk0
時臣「ちっ…屑サーヴァントが。貧弱な身をすり寄せあって私に歯向かうか。全く、見るに耐えんな」

アサシン「…最後に残す言葉はあるか?」

時臣「何?貴様まさか、私に勝つ可能性が、万のひとつでもあると考えているのか?」

アサシン「確かにこの身はサーヴァントという枠組みでは強いとは言えん。だが貴様が相手ならば話は別だ。…先程までの我らと思うなよ?」

時臣「令呪を使いきってなお、サーヴァント一人も倒せない貴様に何を言われようが…」

アサシン「そうだな…お喋りもここまでだ。では殺すとしよう」

時臣「ほざ……ガッ!?」

アサシンは鮮やかな手際で、時臣の首を切り落とした。その一連の動作は、相手が切られたことに気づかないほどの美しい手捌きであった。

アサシン「隙がありすぎだ…余裕をもってだか知らないが、戦いの間に悠長にもほどがあろうよ」

時臣「馬鹿…な…」

242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 12:06:20.96 ID:gBnT9Qmk0
アサシン「他愛なし。…マスター、今貴方のもとへ」

時臣「…甘いのはそちらのようだな」

アサシン「え…?…ぐはっ!?」

一瞬だった。理解できない。思考が止まる。

確かに殺した。そう確信し、一瞬でも油断した。その隙を時臣はついてきた。

アサシン「な…ぜ…?」

時臣の首は切り落とされている。しかし発せられた言葉とは別に、その身体は魔術を唱えていたのだ。

時臣「…私の勝ちだ!」

アサシン「何がだ…貴様はもうじき死に絶える。精々痛み分けといったところだろう」

時臣「私の役目はこれで終わりだからな。邪魔なアサシンは排除でき、サーヴァント共も我々の手の中…ロードもさぞお喜びになる」

アサシン「貴様ら…何を企んで…!」

時臣「さらばだ…名も無き暗殺者」

アサシン「…逝ったか。我らも…マスターの元に戻らなくては…戻らなくて…は…」
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 12:22:57.34 ID:gBnT9Qmk0
綺礼「……!アサシン…!…考えてもどうしようもない!」

綺礼「ここか…?」

璃正「……」

綺礼「父上!父上!」

璃正「…綺…礼…か」

綺礼「父上!今治療を…」

璃正「…いらん。…それより、よく聞け…我が息子よ」

綺礼「…なんでしょう」

璃正「令呪のストックは時臣君の偽者に奪われたが…万が一の為に、さらに予備を用意しておいた。何しろ、お前にしか分からない詠唱であったからな」

綺礼「…これを、私に?」

璃正「私無き今、お前が、新たな監督役だ。そしてマスター全員に伝えよ」

璃正「今、聖杯を奪い合っている場合ではない。聖杯戦争を完全に停止し、これより全力で、あやつらの手から聖杯を守り抜け、とな。…ごほっ!…以上だ」

綺礼「…我々で聖杯を守る。あの者たちより…」

璃正「お前ならば、きっと出来る。お前は正しい心を持つ者だ。お前ならば…かなら…ず…」

綺礼「……」

綺礼(また、大切な人を失った。だがあの時の…妻の時に感じたモノとは違う…これは…この気持ちは…?)
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 12:30:32.44 ID:gBnT9Qmk0
 マッケンジー宅

ウェイバー「ああー!?ガッシュ、お前食い過ぎだ!」

ガッシュ「ウヌ!?みんなの分であったか!?ぜんぶ食べてしまったのだー!」

グレン「はは、食べ盛りか。いいじゃないか、なあばあさん」

マーサ「ええ、いっぱい食べなさい二人とも」

ガッシュ「ありがとうなのだー!」

ウェイバー「ガッシュには甘いんだよなあ…まあいいか。…うん、旨い。ガッシュ、それもらうぞ」

ガッシュ「ナアア!自分の分があるではないか!」

ウェイバー「僕だっておなかすいてんだよ!」

マーサ「こらこら、落ち着いて食べなさい」

グレン「ははははは」



キャスター「…さあ、始めましょうか。呪文を唱えなさい」

???「ーーー!」
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 12:31:04.27 ID:gBnT9Qmk0
ここまで
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/28(木) 17:18:56.37 ID:umqNPghhO
ええやん
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/29(金) 13:10:21.39 ID:A0vlNPFt0
ガッシュ「ウヌ…?ウェイバー」

ガッシュが突然箸を止める。何か異変を感じたのだろうか。

ウェイバー「どうしたガッシュ…まさか敵か!?」

ガッシュ「わからぬ。わからぬが、嫌な予感がするのだ…」

マーサ「敵って…嫌ねえ、物騒な」

ウェイバー「まずいな…ふざけてる場合じゃ…!」

本を持ち、外に飛び出す。しかし、その判断は遅かった。

???「ーーー!」

ウェイバー「あ…」

マッケンジーの家に、魔術…いや呪文が放たれた。幸い、もしくはわざとなのか庭に命中したので夫婦に被害はなかった。

248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/29(金) 13:30:17.92 ID:A0vlNPFt0
ウェイバー「…宣戦布告ってことか?やってやろうじゃないか!行くぞガッシュ!」

ガッシュ「ウヌ!!」

ウェイバー「そこの奴!戦ってやるからこっちに…」

キャスター「さて…上手く誘き寄せましたね。奴らを狙う必要はない。私たちは奴らを絶望させに来たのですから」

???「ーーーーーー!」

ウェイバー「おい…どこ狙って…」

ガッシュ「ウェイバー!!ラウザルクなのだ!!」

ウェイバー「あ…ああ、ラウザルク!」

ガッシュ「オオオオオオ!」

キャスター「ほお…」

ガッシュ「ウッ…ヌアアアアアアア!」

ガッシュたちが眼中にないようにマッケンジー宅を狙う攻撃は、ガッシュの体をはった防御でなんとか防がれた。

ウェイバー「ガッシュ!」

キャスター「貴方が本の持ち主ですか…」

ウェイバー「なっ…」

ウェイバー(いつの間に背後に…)

キャスター「そんなものなら…どうやら警戒しなくて良さそうだ。どうです?本をこちらに渡してくれるなら、貴方を見逃してあげてもいいですが」

ウェイバー「じょーだん!こっちがお前を倒してやるよ!ガッシュ!」

キャスター「ふ…ガッシュなら今の攻撃を受けて…」

「ヌオオオオオ!」
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/29(金) 13:43:01.39 ID:A0vlNPFt0
ガッシュ「ウヌア!!」

キャスター「な…ぐほぉっ!」

気を抜いていたキャスターに、ガッシュの全力の頭突きが決まった。

ウェイバー「これで決めてやる!ザケルガ!」

ガッシュ「」

キャスター「クソが…舐めんじゃねえぞ!おい、呪文だぁ!」

???「ーーーーー!」

ウェイバーに対抗し、キャスターも速さを重視した呪文で、術同士を相殺する。

ウェイバー「呪文!?ってことは、まさかお前がゼオン…?」

キャスター「いいや違いますよ。私の名はロ…」

ガッシュ「…ゾフィス?」
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/29(金) 13:51:34.82 ID:A0vlNPFt0
ガッシュ「ゾフィス…お主がなぜ…」

キャスター「驚きました…まさかその記憶が残っているとは…」

ゾフィス「そうです…私の名はゾフィス。いや、この世界ではロードで通しましょうかね?」

ガッシュ「お主も魔界からこちらに来たということなのか!?」

ゾフィス「ええまあ…しかし厄介なことになりましたね。これではサプライズもできそうもない…」

ウェイバー「おい!ゾフィスとやら!なんでおじいさんとおばあさんに攻撃しようとした!相手は僕たちのはずじゃないか!」

ゾフィス「フフ…そんなこと決まってるじゃないですか」

ゾフィス「テメェらの絶望した顔が見たかったからだよ!」

ウェイバー「な…」
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/29(金) 14:04:46.60 ID:A0vlNPFt0
ゾフィス「ガッシュ…テメエやブラゴのせいで、オレがどれだけ惨めな思いで過ごしていたか…テメエには分からねえだろうさ」

ゾフィス「これはテメエに対するのオレの復讐でもある!思う存分叩き潰してから、魔界に帰してやるよ!」

ゾフィス「いくら王様になったからって、本来の力を出せないテメエと、本来の力以上を出せるオレとじゃあただの弱いものいじめになるだろうがな!」

???「ギガノ・ラドム!」

ウェイバー「早い…ラシルド!」

ゾフィス「そんなもんで防げるかよ!」

ゾフィスの呪文はあっさりと盾を貫通し、ウェイバーたちを攻撃する。

ウェイバー「そんな…うわあああ!」

ガッシュ「ウェイバー!ぐぬう…やめるのだゾフィス!」

ゾフィス「まだだ…いたぶっていたぶっていたぶって!オレの受けた屈辱はこんなもんじゃねえぞ!」

???「ディガン・テオラドム!」

ガッシュ「や…やらせぬ…」

ウェイバー「く…ラシルド!」

ゾフィス「無駄だ!」

「「グアアアアアアア!」」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/29(金) 14:06:31.08 ID:axsnraWd0
やっぱこいつか
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/29(金) 14:26:04.99 ID:A0vlNPFt0
ガッシュ「ヌ…ア…」

ウェイバー「次元が…違いすぎる…!」

ゾフィス「おや…存外つまらないものですね。やはり私の予想していたよりも、貴方たちは弱すぎたのでしょうか」

ゾフィス「フフ…もう終わらせるとしましょうか」

ウェイバー「ヤバイ…呪文…何か使える呪文を…」

ガッシュ「ゾフィス…私がお主に一体何をしたというのだ!私は分からぬ!悪いことをしたなら謝るのだ!だからもうやめてくれ!」

ゾフィス「…そうですね。それでは…私の奴隷、もとい実験材料になるというのなら、あの本の持ち主は傷つけないでやってもいいでしょう」

ウェイバー「ふざけんな!そんなことさせるかよ!」

ガッシュ「ウェイバー…」

ゾフィス「…交渉決裂と。じゃあ木っ端微塵に消し去ってやるよ!」

???「ディオガ・テオラドム!」

ウェイバー(考えろ…この状況を打開する策を…)

何を出すか考えると同時に、全力で本に心の力を溜める。そしてウェイバーが読めなかったページに、新たな呪文が浮かび出した。

ウェイバー(これは…今の今まで読めなかった呪文…バオウ・ザケルガか!やってやるよ…ここで勝つために、こいつに全てを託す!)

ウェイバー「おおおおおお!」
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/29(金) 14:33:40.74 ID:A0vlNPFt0
ゾフィス「…!なんだ、あの光は…!」

ガッシュ「今まで見たことないほどに…」

ウェイバー「行くぞ!ガーーーッシュ!!!」

ゾフィス「チッ…悪足掻きしやがって!これで終わりだぁ!」

ウェイバー「バオウ!!!」

視界を覆いつくすようなゾフィスの術が、ガッシュたちに向かってくる。しかしウェイバーは、逃げずに、これに迎え撃とうとしていた。

ガッシュ「お主…!ウヌ!やってやるのだ!!」

ゾフィス「消え失せろ!!」

ウェイバー「ザケルガァァァァァ!」


〔バオオオオオオオオオオオオオ!〕
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/29(金) 14:49:30.93 ID:A0vlNPFt0
ガッシュから出された雷竜は、けたたましい叫び声と共に、爆炎にも怯まず立ち向かった。

ゾフィス「く…バオウだと!?だが…グオオオオ!」

ゾフィスも跳ね返してやろうと力を込める。力の差は歴然。ならば勝てない道理などない。

ウェイバー「おおおおおお!」

ゾフィス「グッ…アアアアアア!」

ウェイバーの思いとゾフィスの執念はぶつかり合い、結果お互いの呪文は相殺しあった。

ゾフィス「ハァ…ハァ…」

ウェイバー「…そんな…」

ゾフィス「手間をかけさせやがって…貴方のソレがまだ完全なモノでなくて助かりましたよ。どうやら、私の勝ちのようだ」

ウェイバー「…僕を殺すのか」

ゾフィス「パートナーのゴミなどに用はありませんが…驚きました。貴方は戦略で相手と戦う部類と思っていましたからね」

ウェイバー「…普段ならそうしてただろうけどな」

ウェイバー(ほんと…なにやってんだ僕は)

ゾフィス「では、死になさい」

ガッシュ「………」

ウェイバー(ガッシュ…悪い…僕は…)


「AAAALaLaLaLaLaie!!」
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/29(金) 15:01:27.62 ID:f9IUXHS00
バオウのレベルは引き継いでないのか
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/29(金) 15:04:04.96 ID:A0vlNPFt0
空から雷が落ちてきたかのように、その王は現れ、ゾフィスに牙をむいた。

ゾフィス「なっ…お前、まだ息があったのか!」

ライダー「詰めが甘いのだ貴様は!」

ゾフィス「確実に仕留めきれていないとは感じていたが…まさかそれほどまで持ち直すとは、な!」

ウェイバー「ラ…イダー…?」

ライダー「おお坊主。時はそれほど過ぎておらんが何故か久しい気分だな。貴様の戦いぶりは少しだが見ておった。…うむ、悪くなかったぞ」

ウェイバー「な…に言ってんだよこのヤロ…」

ライダー「…坊主、そこの子童を連れて逃げよ。余はそう長く持たん」

ウェイバー「お前ならあれぐらい余裕で…」

ライダー「いいからはよう行かんか!」

ウェイバー「うっ…ライダー!」

ライダー「なんだ!」

ウェイバー「一応言ってやる…ありがとな!!」

ライダー「おうとも!さあ行け!!」

ボロボロの体でガッシュをおぶって、その場から急いで逃げる。あの男がそう長くないといったならば、本当なのだろう。

ゾフィス「……」
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/29(金) 15:13:49.34 ID:A0vlNPFt0
ライダー「追わんのか?執念深そうな貴様が」

ゾフィス「…どれだけオレの計画の邪魔をすれば気がすむんだテメエ!」

ライダー「がはははは!貴様の計画とやらは知るよしもないが…我がマスターに対する侮辱、そしてなにより我ら英霊そのものを辱しめる行為…余が許さぬと思え!!」

ライダー「さあ集え我が同胞達よ!」

ライダー「王の軍勢!!」

辺りがライダーの固有結界に包まれていく。

ゾフィス「フ…いい機会だ。こちらも本気でいかせてもらうとしましょうか…」

ゾフィス「来い!!我が傀儡よ!」

ゼオン「……」

ライダー「貴様…」

ゾフィス「そして…もう一人…」
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/29(金) 15:27:44.13 ID:A0vlNPFt0
アーチャー「……」

ケイネス(動きを止めた…)

切嗣「…よし。セイバー、奴を殺せ」

セイバー「…なりません!正気を失った敵を討つなど…」

切嗣「お前の目は節穴か?アレを倒す時は正に今しかない」

セイバー「しかし…!」

切嗣「騎士道精神とやらは聞きたくもない。…セイバー。君は聖杯と、戦場で何の役にも立たない騎士道、どちらを選ぶ?」

セイバー「…ッ!どこまで私たち英霊を…」

アーチャー「……!」

「「「!!」」」

切嗣「何をしてくる…」

ケイネス「来るか…!」

アーチャー「……」

セイバー「なっ!?」

警戒していたアーチャーはその場から消えさった。まるであの夜のバーサーカーのように。

セイバー「アーチャーのマスターでしょうか?」

切嗣「…恐らくな」

ケイネス「ちっ…どうなっているんだ全く!」

切嗣「……」

切嗣(まさか…これもあのキャスターの仕業か…?)
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/29(金) 15:37:32.12 ID:A0vlNPFt0
ゾフィス「叩き潰してやりなさい!」

ゾフィスはまたもその魔方陣から何者かを召喚した。

ライダー「貴様…やりおったな」

アーチャー「……」

ライダー「手に落ちたか…アーチャー」

ゾフィス「ハハハハハハ!これでテメエも終わりだ!」

ライダー「…どうやら、本当にそうなりそうだわい」

ライダー「だが…いざ征かん!彼方にこそ栄えあり!!今、余の前に立ちはだかる最強の敵を、見事打ち崩し勝鬨をあげようぞ!」

「然り!」「然り!」

ライダー「AAAALaLaLaLaLaie!!」

ゾフィス「愚かな。さあ、やりなさいアーチャー」

アーチャー「……」

王の財宝をライダー目掛けて放つ。その宝具の輝きは、たとえどこであろうと失うことはなかった。

ライダー「蹂躙せよ!!」
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/29(金) 15:42:08.07 ID:A0vlNPFt0
ウェイバー「…ライダー…」

よろめきながらついさっきまで戦っていた場所を振り返る。

ウェイバー「帰る…んだ…僕たちの居場所に…帰…」

意識が遠のく。呪文により、体力を全部もっていかれたようだ。

ウェイバー「ちく…しょ…」

限界で倒れかかっていたその時、僕を誰かが支えてくれた。

綺礼「…」

ウェイバー「あんた…は…」

綺礼「……」
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/29(金) 15:42:49.12 ID:A0vlNPFt0
ここまで
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/29(金) 21:35:51.67 ID:Jqj8GtOX0
おつ
アーチャーとの絡みがあまりなかったせいか
綺麗な綺礼になりつつあるな
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/29(金) 22:27:10.22 ID:A0vlNPFt0
すみません今日は更新できそうにないです。

本当にいまさらなのですが、この話は元祖zeroとは分岐したルートです。(なんで偉そうな言い方してんだお前は)
なので、多少のキャラ設定崩壊(セイバーと会話する切嗣、言峰綺麗など)があるので不快になるかもしれませんが、ご了承下さい。

ssもどうやら来年を迎えざるをえなくなりそうなので、どうか温かい目で見守ってくれるとありがたいです。
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/30(土) 00:41:33.74 ID:3zCGpjPmo
おつおつ
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/30(土) 23:26:28.25 ID:9CpKgkoh0
再開します
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/30(土) 23:48:57.05 ID:9CpKgkoh0
ケイネス「…さて、ならばこちらも仕切り直しといこうかね?」

切嗣「おいおい、こちらにはサーヴァントがいるんだぞ?いくら優秀なロードといっても、英雄様を前にしたらたかが知れるってもんだ」

ケイネス「君達も先程の攻防を見ていたであろう?今の私には生半可な力では通用しないと理解した上でその発言を述べるというのなら…私は貴様を嘲笑するぞ、衛宮切嗣」

切嗣(これでは駄目か…)

セイバー「侮るなよ下郎!私を誰だと心得るか!セイバー、ブリテンの…」

切嗣「口を開くな」

セイバー「……」

切嗣(ケイネスが言っていることも事実だ…一対一では勝ち目がなかった僕は戦力外として、アーチャーの宝具を耐えしのぐあの礼装…)

切嗣(たとえ杞憂であろうと、万が一があってはならない。僕はどんな手を使おうと聖杯を手にしなければならないんだ…!)

切嗣「…ならば、これしかないな」

切嗣の手が赤く光りだす。行使することを渋っていた三画ある令呪を、彼は今使おうとしていた。

セイバー「切嗣!令呪に頼らずとも私は…!」

切嗣「…我が傀儡、セイバーよ。衛宮切嗣が令呪をもって…」

ケイネス「やらせるものか!Scalp!」

切嗣「…!」

ケイネス「…!!何だ…?」

月霊髄液が切嗣を切り裂こうとするその時、マスター二人の動きが止まった。
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/31(日) 00:03:00.66 ID:ppMb2bns0
切嗣「…どうやら、ここまでのようだな」

ケイネス「命拾いしたな、魔術師殺し」

捨て台詞を吐くと、ケイネスはその場から立ち去った。

セイバー「切嗣…一体何が…」

切嗣「異常事態だ。事が重大なものだったから、戦闘している場合でないと互いに判断し、休戦した。以上だ」

セイバー「ちゃんと説明してください!」

切嗣「…監督役、言峰璃正が、あのキャスターに殺された。これより聖杯戦争を完全停止、新キャスター討伐を僕達マスターに命じる…とね」

セイバー「そんな…では聖杯はどうなる!」

切嗣「キャスターを倒せば、また通常の聖杯戦争は続行されるとある。その点は問題ないが…」

切嗣(あの男が何故…何を考えている…?)

切嗣「とりあえずは向こうの決定に従う。…アイリが心配だ、戻るとしよう」

セイバー「はい…」

セイバー「…」
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/31(日) 00:18:23.23 ID:ppMb2bns0
ゾフィス「無様ですね、虫けらが」

ライダー「…自分の力ではないくせ、口だけはいっぱしときたか」

ゾフィス「貴方こそ、ずいぶんとしぶとい…降伏すれば楽になるというのに」

猛攻もむなしく固有結界…王の軍勢は解けてしまった。荒野を駆け抜けた愛馬は消え去り、ライダーはゾフィスに足蹴にされていた。

ゾフィス「テメエさえいなけりゃガッシュも始末できたってのに…!」

???「ラドム!」

ライダー「ぐあああ!」

ゾフィス「ハハハハ!いい気味だ!」

アーチャー「……」

ゼオン「……」

ゾフィス「私のパートナーも貴方になにか言いたげでしたが…まあいい。さあ、貴方も楽にしてあげましょう」

ライダー「…まさか貴様、余を…」

ゾフィス「ええ、勿論…ではいきますよ」

ライダー「…ッ…」
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/31(日) 00:32:26.05 ID:ppMb2bns0
ライダー(ふん…今まで生きておったが、よもや余が征服されることがあろうとは…)

ライダー(すまんなケイネス…余は貴様と相容れることはなかった…いや、あの男とも酒を酌み交わせば、少しばかりは理解しあえたのであろうか…)

ライダー(もう力も出せぬか…奴め、反逆させぬように少しずつ力を抜いておる…)

意識だけでなく、記憶、感情までもが薄れていく。抵抗させないために、ゾフィスは用心深く、入念に手を打っていたのだ。

ライダー(そういえば…ウェイバー…あやつ、あの時と違い、なかなかよい目付きをしておったな…あやつがマスターならば…余も…)

ライダー(…ああ…)

ライダー(余の野望、ここで潰えるか…)

ライダー(……)



ゾフィス「フハハハハハ!これで私の勝利は確実だ!そして私の復讐も果たすことができる…」

ゾフィス「では…駆逐していくとしましょうか」

???「…」
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/31(日) 01:03:18.17 ID:ppMb2bns0
『……!』

『…ウヌ!…』

ウェイバー『なんだこれ…夢でもみてんのか僕は』

『どれだけ…変え…と思ってる…!』

『ガッシュ…お…は…!』

ウェイバー『誰だ…?顔に靄がかかってて、よく分かんない…』

『こんな……しなくて…のかな』

『その…は…オレ…やる!教えてやる!なんとか…やる!』

ウェイバー『これが…ガッシュが言ってた…?でも記憶がないせいか?全然見えない』

『ガッシュ!』

『ガッシュ…』

『メ…』

ウェイバー『分かんないけど…なんだか温かい…これが、ガッシュの友達…?』

ガッシュ『やさしい…王…様…』

ウェイバー『やさしい王様…それがガッシュの…』

ウェイバー『…』
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/31(日) 01:05:22.56 ID:ppMb2bns0
ここまで
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/31(日) 01:37:26.66 ID:UjHFeBmxO
コルルとのあのシーンかな?
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/02(火) 23:06:22.52 ID:zLRBiXZA0
すみませんまだリアルのほうが忙しく書けません
明日には更新できると思います
ていうかこんなss見るよりみんな正月楽しんだほうが…(バイト並感)
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/03(水) 02:45:08.87 ID:tR3MJz8A0
あけましておめでとう
冬入ってからストレスすごすぎて年明けたって感じがあんましないわ俺
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/03(水) 18:38:13.20 ID:sc1stXMm0
a
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/05(金) 15:19:53.39 ID:mHO03zWW0
おまたせしました
再開します
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/05(金) 15:35:14.14 ID:mHO03zWW0
 教会

ウェイバー「…んん……」

ガッシュ「…ヌ…」

綺礼「…二人とも、まだ目覚めそうにないか」

父との約束を果たすため、綺礼は満身創痍のウェイバー達を教会に匿っていた。

綺礼「起きるまでに、残りのマスターにも伝えておかねばな」

《マスター並びにサーヴァントに告げる。監督役、言峰璃正は殺され、私へと監督役は受け継がれた。これより聖杯戦争を一時停止させ、キャスター討伐を本格的に開始する。聖杯の有無は保証しよう。もし参加しなければその時点で失格とする》

綺礼「これで良し、と」

綺礼「衛宮切嗣…いや、今はあの悪を倒すことが先決だ」

ウェイバー「…ぐう……あああ…」

綺礼「お前達にも手を貸してもらう。…問いはまたその後でだな」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/05(金) 15:44:02.68 ID:mHO03zWW0
アイリ「…そう。それは…良かったのかしら。私には分からないけど」

セイバー「アイリスフィール…もう限界でしょう。後はわた…我々に任せてください」

アイリ「…ええ、そうね。じゃあ切嗣、少し話があるの。その後でセイバーもね」

切嗣「!…ああ、分かったよ」

アイリ「…」

セイバー「…?何か?」

アイリ「い、いえ何でも…」

切嗣「行こうアイリ」

セイバー(直感で何か隠していると感じたのですが…一体なんなのでしょうか)
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/05(金) 15:58:06.66 ID:mHO03zWW0
ウェイバー『しかしすごいなこの夢は…』

『鉄の……無敵…』

『ベリー…!ブルァァ!』

『ピッポッパ…』

ウェイバー『あいつ…ろくなこと覚えてないじゃないか。そりゃ言えないわな…』

ウェイバー(しかし魔物と戦った記憶はないけど、その魔物の最後なんかは残ってるのか…それは辛いかもな)

ウェイバー(だからゾフィスの時も謝ろうと…でもあれ絶対クソ野郎だと思うんだけど…)

『NO!ウンコティンティン!!』

ウェイバー『だからなんでこんなとこ鮮明に覚えてんだよ!』
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/05(金) 16:08:38.24 ID:mHO03zWW0
 間桐邸

臓硯「カカ…上手くいったようじゃなあゾフィスや」

ゾフィス「ええ…完璧、パーフェクトですよ」

???「……」

臓硯「ではそろそろ…頃合いか?」

ゾフィス「計画は上々…そうですね、三日後には全てが終わっていることでしょう」

アーチャー「……」

ライダー「……」

臓硯「それより貴様、其奴を如何に処分する気じゃ?」

ゼオン「……」

ゾフィス「コレはもう役に立ちそうもないですしね…最後に盛大にネタばらしでもしますよ」

臓硯「ククク、まだ何か企んでおったか」

ゾフィス「フフ…大したことではありませんよ。お気になさらず」

雁夜「…オオ……」

ゾフィス(これ以上念を入れる必要もない…彼は護りで使わせてもらいましょう)
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/05(金) 22:15:49.96 ID:4DabXdCM0
そこだけは覚えてるのか
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/06(土) 00:31:24.23 ID:rMqJNrTf0
あまりの畜生加減に恐怖を超えてキレたキャンチョメが「お前なんかウンコティンティンだ!」ってニュアンスで言ったのに正解だったのホント面白すぎる
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/06(土) 11:14:43.76 ID:huj/UfeA0
 衛宮邸

アイリ「切嗣…これを」

自分の身体から全て遠き理想郷を抜き出す。

切嗣「…いいのかい?」

アイリ「貴方が持っていたほうが貴方のためになるわ。私はもう…大丈夫だから」

切嗣「…そうか」

アイリから未だ輝きを放つ全て遠き理想郷を、自分の体内に取り込む。

切嗣「…」

アイリ「切嗣…約束して。私がいなくなってもあの子は…イリヤは…」

切嗣「ああ…そのために僕は…」

アイリ「貴方はいつも無理する人だから…頼んだわよ…」

切嗣「…ああ、ああ分かっているとも」

アイリ「それじゃあ、セイバーを…」

切嗣「…」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/06(土) 11:33:47.15 ID:huj/UfeA0
セイバー「アイリスフィール、話とは…」

アイリ「…セイバー?切嗣とは上手くやれていないみたいだけど」

セイバー「…っ…それは」

アイリ「切嗣は、貴女の事は理解しているわ。理解しているからこそ、貴女のような人が英霊として戦わされる事実が気に入らないだけなの」

セイバー「しかしあの者は私を…英雄そのものを侮辱している。私のマスターがあれでは、とても友好関係を築けるなど…」

セイバー(私の気持ちなど何も汲み取ってはくれない…サーヴァントなのに、私は切嗣が分からない)

セイバー「なのに何故貴女は…」

アイリ「…そうかもね。セイバーのことそんな風に言えないかも。私だって、切嗣のことぜーんぶは知らないし」

セイバー「え…?」

アイリ「…戦いの事だったら、きっと舞弥さんのほうが詳しいわ。私も嫉妬しちゃうわよ?妻の私が知らない切嗣を知ってるなんて」

セイバー「…アイリスフィールにも、彼の知らない一面があったのですか」

アイリ「それはそうよ!切嗣は私に外の世界を教えてくれた。聞かせてくれた。見せてくれた。とても嬉しかったわ!私の知らない世界がいーっぱいあって、こーんなに沢山のものが溢れているなんて!」

アイリ「…でもね、切嗣の理想だけは…どうしても分からなかったの」
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/06(土) 11:49:43.20 ID:huj/UfeA0
アイリ「切嗣の理想は…空っぽの私にはとても…」

セイバー「理想…」

アイリ「だからこそあの人は、奇跡に…聖杯に頼ろうとしたの。私がまだ見ていない、この世界の地獄を終わらせるために…人間を救うために」

アイリ「私も力になりたかったけど、この有り様じゃあね…」

床に寝そべっていたアイリが起き上がってセイバーの手を握ろうとするが、力は全く入っていなかった。

アイリ「私も舞弥さんもいない今、頼れるのは貴女しかいない。あの人は不安なの。支えてくれる人がいなくなるから…だから今は駄目でも少し…ほんの少しでいいから、切嗣の事を…うっ…」

セイバー「アイリスフィール!横になっていたほうが…」

アイリ「…セイバー」

力なく、セイバーの手を包む。アイリの手は冷えきってまるで氷のようだった。

アイリ「…お願いね?」

セイバー「…私は…」

セイバーが返答に悩んでいる中、外側から勢い良く襖が開けられた。

そこには心配になりアイリの様子を見に来た切嗣がいた。切嗣はその表情を察して彼女に駆け寄った。

切嗣「アイリ!」

アイリ「切嗣…」
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/06(土) 11:57:42.84 ID:huj/UfeA0
切嗣「アイリ…やはり僕の…」

涙目にも見えるその男の頬を、軽く撫でる。

アイリ「大丈夫だから…安心して?」

切嗣「…よかった。本当に…」

セイバー「…」

アイリ「後の事は貴方達に懸かっているわ。切嗣…そしてセイバー?よろしくね?」

切嗣「ああ…」

セイバー「…ええ」

セイバー(衛宮切嗣…貴方は一体何を見ている?何故そのように生きている?私には理解できない…)
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/06(土) 12:17:25.73 ID:huj/UfeA0
切嗣「さて、作戦をたてる前に…手始めに教会に行く」

セイバー「教会…ですか?」

切嗣「恐らくそこに全ての答えがあるはずだ」

セイバー「…」

セイバー(この男を見定めるにはやはりもっと近くにいないと駄目なのか…?)

切嗣「…どうしてジリジリ近づいて来ているんだお前は。そんなに僕を殺したいのか?」

セイバー「…はっ!そ、そんなつもりは毛頭ありません!私は…えっと」

切嗣「アイリに何を吹き込まれたかは知らないが…英霊と仲良くする気などない。ましてや騎士王様なら尚更にね」

セイバー「む…!」

切嗣「…いいか、僕は戦いはあくまでも手段としてしか考えていない。それをお前達英雄共は、血みどろのいくさぶりを、嬉々として後生にまで崇め奉る。同じ人種とは到底思えないね」

切嗣「僕とお前は理解しあえない…それは君が一番理解しているだろう、セイバー」

セイバー「それでも貴方は…」

切嗣「お前は僕の気持ちなんか考えなくてもいい。だからお前も、もう余計なことは考えるな」

切嗣「もう一度言ってやる…君は僕のサーヴァント…駒だ。その名に恥じることなく、僕のために上手く立ち回ってくれ」

セイバー「…っ〜!!」
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/06(土) 12:45:00.08 ID:huj/UfeA0
セイバー「いい加減にし…!」

切嗣「僕は明日に備えて睡眠をとる。…無駄に魔力を使うなよ?」

切嗣はセイバーと目を合わせることもなく、自分の部屋に戻った。

セイバー「…怒る気力すら失せました」

セイバー「アイリスフィール…私のマスターは…」

切嗣《よし、一緒に戦おう!セイバー!》

切嗣《よく頑張ったな!すごいぞセイバー!》

セイバー「うう…私は…」

セイバー「…なんて言ってる暇もありません。休息をとらねば…」

セイバー(ですが、本当に私が切嗣を支えてあげられるのでしょうか。まったく、一国の王でもありながら、私はなんという…)
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/06(土) 12:45:29.65 ID:huj/UfeA0
ここまで
セイバーがキャラ違うって言われても仕方ないなこれ
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/06(土) 16:50:00.63 ID:KbEdR9ii0
原作だと失言しただけで殺してくるような人だし
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/06(土) 23:36:03.15 ID:huj/UfeA0
 教会

ガッシュ「ヌ…」

ガッシュ「…ここは…どこなのだ」

「ようやく目覚めたか」

ガッシュ「お…お主は…!」

綺礼『いいから来い』

ガッシュ『ヌァァァァ!!』

ガッシュ「あ…あ…あ……」

綺礼「そう怯えるな。危害を加える気はない」

ガッシュ「ウヌ…そうか。…ウェイバー!ウェイバーは…!」

ウェイバー「…うう……」

綺礼「安心しろ。一応だが治療を施しておいた」

ガッシュ「ホッ…それで、なんでお主が…」

綺礼「…お前達にはまだ伝えていなかったか」
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/06(土) 23:48:36.90 ID:huj/UfeA0
ガッシュ「ウヌ…なるほどのう」

綺礼「力を貸してもらう。マスターが二流のお前が、こちらの戦力になるかどうかは分からんが…それよりも、お前に尋ねたいことがあってな」

ガッシュ「ウヌ?」

綺礼「お前に瓜二つの、あの白い奴の事だ」

ガッシュ「…ゼオンのことかの?」

綺礼「ゼオン…それが奴の名前か」

ガッシュ「ゼオンは私の兄なのだ。それで…」

綺礼「重要なのはそこではない」

ガッシュ「ヌ?では何を話せば…」

綺礼「私がお前に聞きたいことは山ほどあるが…何故お前やお前の兄…あの自称キャスターが、この戦いに参加しているのか。お前達は英霊ではないのか。そして…」

綺礼は、ウェイバーが抱えて放さない赤色の魔本を指さした。

綺礼「この本のことだ」

ガッシュ「ウヌ…」
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/07(日) 01:01:54.52 ID:VGMs6mjj0
綺礼「見たところ、私が解読できる言語ではない…これはなんだ?」

ガッシュ「…それは…」

ガッシュ(言っていいものなのかの…しかし、この者がまだ本当にいいやつだと決めつけるのはよくないのだ…)

ガッシュ「…」

綺礼「これも答えられない…それほどまで隠す事なのかね?」

ガッシュ「私はお主のことをまだ信用してはおらぬ。ウェイバーの事は感謝しているが、あの時の事は忘れてはおらぬぞ」

綺礼「…記憶喪失のわりには物覚えがいいらしいな。分かった、非礼を詫びよう、ガッシュ・ベル。そしてそのマスターよ」

ガッシュ「ウヌ!」

綺礼(ちょろいな)
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/07(日) 01:02:27.14 ID:VGMs6mjj0
ここまで
なーんか微妙っすねすみません
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/07(日) 11:38:42.04 ID:x4AcI+u2O
おつ
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/07(日) 18:43:48.02 ID:KLvJTsb+0
綺麗な綺礼だと
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/07(日) 18:58:09.77 ID:VGMs6mjj0
ガッシュ「この本は、魔物の力を引き出す本なのだ。これがあれば、術を唱えることができる」

綺礼「ほぉ…だが術とやらを唱えるためには…」

ガッシュ「ウヌ。ウェイバーでなければダメ…」

綺礼は強引にウェイバーから本を奪い取り、近くにあった蝋燭に火をつけ、本に近づけた。

綺礼「では本が消えればどうなる?」

ガッシュ「ナアアア!やめるのだー!!」

本を燃やされないように綺礼に飛び込む。その様子を見て綺礼はひとつ確信し、不敵な笑みを浮かべる。

綺礼「どうやらこの本が弱点のようだな」

ガッシュ「…ハッ!しまったのだー!!すまないのだウェイバー…」

ウェイバー《バカバカバカ!!ガッシュの大バカ!!僕たちの秘密をばらすなんて、どうしてくれんのさ!明日からご飯抜きだからな!》

ガッシュ「よよ…およよ……」

綺礼(泣くまでは予想していなかったな…)

綺礼「号泣中に悪いが、本についての質問はこれからだ。…いや、むしろこちらのほうが本題だな」

ガッシュ「ウッ…なんなのだ…」
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/07(日) 19:07:47.61 ID:XCgXgBpho
たまに愉悦とまではいかないがSになるな綺麗綺礼
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/07(日) 19:12:17.60 ID:KLvJTsb+0
キレイキレイって石鹸かよ
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/07(日) 19:15:54.36 ID:VGMs6mjj0
綺礼「私が出会ったゼオンとやら…そしてあのキャスターを名乗る者…双方とも、私が対面していたその場に、本人は本を持ち合わせていなかった。…言い換えると」

綺礼「本の持ち主などその場にはいなかった。ということだ」

ガッシュ「ウヌ!?そんなはずはないのだ!本がなければ呪文を唱える方法はない!きっとどこかにいたはずなのだ!」

綺礼「アサシンが見つけられないのなら、我々に見つけることはほぼ不可能だが…ああ、あの自称キャスターは、何か魔術の一種を発していたな」

ガッシュ「それは…ラドム、という言葉ではないか?」

綺礼「…把握していたのか。そうだ、確かそのような言葉を口に出していた。とするならば、あの場には本の持ち主がいたというのか?」

ガッシュ「ウヌ。多分そうなのだ。しかしゼオンの本の持ち主は…」

綺礼「あの場にいた敵はキャスターと間桐雁夜…だが、魔術書などは手にしていない」

ガッシュ「誰かが本を持っていることには間違いないのだがのう…」

ガッシュ・綺礼「……」
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