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勇者「魔王を倒しに行くぜ!」
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1 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 09:57:47.82 ID:UHCYDIotO
西暦894年、なんか世界は色々とヤバかった。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1512694667
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/08(金) 10:03:32.09 ID:E1hP3W4Lo
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
O 。
, ─ヽ
________ /,/\ヾ\ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|__|__|__|_ __((´∀`\ )< というお話だったのサ
|_|__|__|__ /ノへゝ/''' )ヽ \_________
||__| | | \´-`) / 丿/
|_|_| 从.从从 | \__ ̄ ̄⊂|丿/
|__|| 从人人从. | /\__/::::::|||
|_|_|///ヽヾ\ / ::::::::::::ゝ/||
────────(~~ヽ::::::::::::|/ = 完 =
3 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 10:12:46.08 ID:UHCYDIotO
〜どっかの町〜
テレビ「魔王軍が長距離弾道ミサイルを国境付近に配備した模様です。この報告を受け、フンチャカ国王は遺憾の意を……」
勇者「う〜ん、マジで大丈夫なのかァ? この町ィ」
勇者「ガッチリ、ミサイルの射程圏内にあるじゃねーか。ったく、命がいくつあっても足りねぇな」
勇者はポテチうすしお味を喰っていた。うすしお味はポテチそのものでなく、手についた塩に価値がある。古代の賢人ソクラテスの述べた格言である。
勇者「そろそろ脱出計画でも立てるか。この町との無理心中なんてゴメンだぜ! なぁデブ」
デブ「そうだね、ハアハア。僕も肉まんを沢山食べたいし」
この汗臭い肥満児はデブ。名前がない孤児だったので、勇者はデブと呼んでいる。
4 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 10:17:00.37 ID:UHCYDIotO
その日の夜、魔王軍がミサイルを発射した。
すぐにニュースに流れた。
午前二時のことだった。
勇者「行くぞ!!!!」
勇者は荷物をまとめ、デブの家に走って行った。
ドアをドンドンと荒々しくノックする。
それでもデェブは出てこない。
勇者「仕方ねーな、お邪魔するぜ!」
勇者は窓を剣で叩き割り、ひっそりと侵入した。
テーブルの上に、デブが食い散らかした肉まんが落ちていた。 物音を立てず、寝室に入る。
そこではデブがよだれを垂らし、馬鹿笑いしながら寝ていた。 勇者は彼をベッドから引きずり下ろした。
デブ「ん……なんだぁ……?」ムニャムニャ
勇者「荷物をまとめろ! やつら、ついにやりやがった!」
デブ「え!?」
勇者「魔王軍のミサイルがこの町を狙って飛んでくんだよ! 逃げるぞ!」
5 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 10:22:33.08 ID:UHCYDIotO
デブ「なんでだよ! ミサイルがここを狙ってピンポイントで降ってくるわけないだろ! 頭おかしいんじゃないのか!?」
勇者「うるせぇ! 良いからまとめろ!」
デブはのろのろと荷物をまとめはじめた。
数分後、荷造りが済んだらしく、デブは立ち上がった。
勇者とデブは家から出て、町の終わりまでなりふり構わず走ったのだった。
やっと関所に着いた。
町と外界は高い塀で遮断され、扉はかたく閉ざされている。
塀を乗り越えるより他に、町を出る手段はなさそうだった。
勇者「俺が塀の向こうにロープを引っかけて上に登る」
勇者「デブは後から来い。お前は運動が苦手だから俺の支援が必要だろう」
デブ「いやいやちっと待ってくれよ勇者さんよォ! 僕は家でゴロゴロ……」
警官「やいやい! テメェら何もんだゴラ! 待てぇい!」
背後からキィキィ声が聞こえた。
二人をテロリストと見間違えた警官が追いかけてきたのだ。
確かに、深夜に大人の男がたった二人で、暗がりでゴソゴソやっているのだ。 テロリストが爆弾をしかけていると勘違いしても、おかしくない。
勇者「デブ! 乗り越えるぞ! 俺についてこいッ!」
デブ「わ、わぁ〜待っちくり〜」
6 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 10:33:45.87 ID:UHCYDIotO
警官「おいクソ共、止まりやがれ! さもなければ、このマシンガンで貴様らを蜂の巣にし、城門に晒し首にしてくれるぞ!」
デブ「ひいい、勇者! ヤバいって……!」
勇者「デブ、止まるんじゃねぇぞ! 動きを止めたら終わりだ! 分かってんだろうな!」
警官がマシンガンを取り出した。 勇者は華麗な身のこなしで、あっという間に塀の上まで登っていった。
太いロープを垂らし、下にいる肥満児に呼びかける。
勇者「デブ! このロープに掴まれ!」
デブ「おう!」
デブはロープを使い、塀を登り始めた。
警官「おのれ、我が警告を無視するか! ならば良し、テメェらを銃殺刑に処す!」
パパン! パンパン!
マシンガンが火をふき、塀に無数の穴が開く。
デブ「どわあああ! おっかねぇなオイ!」
勇者「落ち着け、デブ!」
デブ「ヒエエエ! ワァワァワァワァ!!!!」
勇者「もうすぐだろ! マシンガンに怯えんな!」
デブ「あの警官、マジに僕らを殺しにかかってやがる! あれが国民の命を守る国家公務員のすることかよ! この町のやつら、みんな狂っちまってるヨォオオオオ!!!!」
チュドオオォォォォォォォォン!!!!!
勇者「ああああーーーーーーーッ!!!!!」
デブ「ギャーーーーーーーーーッ!!!!!」
ミサイルが市役所に着弾した。
爆風に勇者とデブは吹っ飛ばされたのであった。
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/08(金) 12:34:20.35 ID:jw1N/wMKO
とりあえず西暦894年にテレビとミサイルとマシンガンがあることに突っ込んでいいのかな
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/08(金) 12:35:48.47 ID:s6V+IEAF0
もう
>>3
の時点で作者特定できた
流石に今回は非安価にしたか
9 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 12:36:14.02 ID:UHCYDIotO
勇者「うぐぐ……痛ェな、コラ」
身体の節々がズキズキと痛む。腕の骨が折れたか? 脚は? 痛みはするが、自由に動かせる。別状はないようだ。
町の方を見ると、黒いキノコ雲がもくもくと上がっていた。
デブ「勇者ァ……あれって……」
勇者「間違いねェ。魔王の野郎、魔素弾頭を搭載して飛ばしやがった。魔素は人の遺伝子情報を魔族のものに書き換える、クソみてぇな元素だ」
デブ「町の人はみんな魔物になっちゃったんでしょ?」
勇者「然りだな。な? 逃げて正解だったろ? おっと、町へは近寄るんじゃねぇぞ。魔素が漂ってやがる。早くこの場から立ち去った方が正解のようだ」
デブ「でも、どこへ行けばいいんだよ。僕達、パスポート持ってないんだぜ! おまけに腹も減ってる!」
勇者「ついてきな。飯を奢ってくれる知り合いがいるんだ」
10 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 12:45:55.52 ID:UHCYDIotO
突然、背後でドドッと地の割れる音がした。
勇者達が振り向くと、そこには巨大な昆虫がいた。
勇者「なんなんだこいつは……」
その昆虫は九つの複眼を持ち、大きな二本の棘のある腕が特徴的だ。 足は四本あり、いずれも丸太のごとく太い。 喩えるならばバカでかいカマキリと言ったところか。 いや、カマキリでは複眼の説明がつかないからカマキリの進化体としておこうか。
カマキリは肉食で、この砂地を通る旅人を襲っては血をすすり、その後に肉をむさぼるのだという。
デブ「見たところ、昆虫の身長は3m54cmだね」
勇者「なんだって!? かなり大きいじゃないかッ!」
デブ「このカマキリが、君の言っていた『飯を奢ってくれる知り合い』なのかい?」
勇者「テメェのアホさ加減には、呆れを通り越して畏敬の念すら感じるな。よし、そんなテメェに敬意を表してコイツを俺の知り合いってことにしておいてやる」
デブ「うーん困ったねぇ、僕ら肝心の武器を持ってないよ。死んじゃうよ……」
勇者「なら素手で闘えばいい! いいか? 人間には知恵って武器があんだよ」
勇者はまず足を狙うことにした。
勇者「デブ、奴の足を潰して動きを抑えるぞ」
デブ「う、うう。怖いよォ」
勇者とデブはカマキリの足に、そこいらで拾った石を投げだした。
11 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 14:05:42.81 ID:UHCYDIotO
カマキリの皮が破れて青黒い血がドロリと砂地を染めた。これは敵わじと感じたか、カマキリは這う這うの体で地中へと逃げて行った。
勇者「ま、ざっとこんなもんよ」
勇者とデブが出発しようとした時、背後でまた砂の落ちる音が聞こえた。 さきほどのカマキリもどきである。 性懲りもなく二人を喰らおうとノコノコ出てきたのだ。
デブ「また出てきた! 何としても、僕達を喰らおうと必死なのですね! あの太陽はまだ輝きを失わずにいるのですね!」
勇者「おいデブ、ちょっとどけよ。勇者の力使うわ」
勇者はなんか変なパワーを解き放った。勇者の膂力が三倍にまで上昇する!
勇者「ほうれ」
石をカマキリの頭へ投げる。
見事、石はカマキリもどきの額に命中し、脳まで突き通した。
砂塵を巻き上げて斃れたカマキリもどきを、デブは食べようと提案した。
勇者「何言ってんだ。そいつの皮には魔素がある。焼いても消えねぇ魔素があるんだ」
デブ「はぁ? でも君はさっき食事を提供してくれる知り合いであると……」
勇者「悪いが、それは俺達のことじゃないぜ。砂地の生き物に対して言ったセリフなんだぜ」
デブ「ああ〜ん?」
デブには勇者の言葉がさっぱり理解不能であった。
12 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 14:47:50.52 ID:UHCYDIotO
虫から逃げた後、勇者とデブはオアシスを探していた。
しかし、一つも見当たらない。
しばらく歩くと枯れているように見える草があった。
デブ「これはミズソウという。枯れているのになぜか水分が豊富なんだ。毒もないし、飲んでみようじゃないか」
デブは飲食物のことなら何でも知っている。
だから太っているのだ。
勇者らはそこらの木を拾い草を切り、水を飲んだ。
久々に生き返ったような気がした。
数日西に歩いて、勇者達はハゲーン町に着いた。勇者の知り合いが住む町だという。
勇者「いいか? ハゲーン町の内部には至る所に赤外線センサーが張り巡らされている」
勇者「もし、センサーに触れてしまえばライフルロボットに狙撃される仕組みになっているんだ」
デブ「じゃあどうするんだよ。僕なんか格好の餌食じゃないか」
勇者「そんなことだと思ったよ。それなら四つん這いになって進めばいいのだ」
勇者とデブは四つん這いになってセンサーを潜り抜け、城までやってきた。 ハゲーン町は市町村の一つであるが、何故か城が立っている。 町長が権威を諸地域に示すため、建てさせたものだろう。
城の門をくぐり、ハゲーン町の王に謁見する時が来た。
勇者は、友人でもある王を旅の仲間に加えようと考えていた。
彼の財力があれば、きっと安心して旅を進められるからだ。
大臣「王様の、おなーーりーー!!!」
勇者「あいつが来るぞ、毅然とした態度で迎えるんだぞ」
デブ「え、偉そうな態度を取ったら首を刎ねられちゃうよ」
13 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 16:17:40.78 ID:UHCYDIotO
玉座に、つるッパゲの男が座った。
これこそが勇者の友人であり、ハゲーン町の王者でもある、ハゲである。
デブ「こんなヒョロガリのハゲが王様だって!? こんな不公平ってあるかよぉ!」
デブは驚愕し、思わず殴りかかった。
大臣「コラ! 王様に殴りかかるのは死刑と同等の罪であるぞ!」
ハゲ「まぁまぁ、大臣は下がっていなさい」
ハゲ「久しぶりですな、勇者殿。拙僧になんの用です」
勇者「俺の用件はなぁ、ハゲよ! 旅の仲間になってくれないか!? ということだぜ!」
ハゲ「いいでしょう!」
大臣「な、なんてことをおっしゃられます! そんなことをしてはこの町が……」オロオロ
ハゲ「いや、この町にはもう飽きました」
大臣「何ですとッ!?」ガビーン
ハゲ「回復はお任せあれ。勇者殿、デブ殿」
デブ「いくら何でも簡単に決めすぎだろ……」
勇者「思い切りの良さは健在ってわけか」
ハゲは群がる大臣達を押しのけ、城を出ていった。
勇者一行も彼の後を追って、城を出る。
この時、王の地位をハゲは永久に失ったのだ。
14 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 16:29:04.33 ID:UHCYDIotO
〜ハゲーン町武器店〜
勇者「デブにはハンマーがお似合いだな」
デブ「僕が太っちょだからそんなこと言ってるんだ!」
勇者「俺はこの錆びた剣にするが、ハゲはもう決めたか?」
ハゲ「ええ、決めました。拙僧は普通の剣にします」
デブ「おい、ハゲ。回復役ならステッキかメイスにしとけよ。普通の剣なんか装備してもマジックポイントは増えないぞ」
勇者「別にいいだろデブ。回復役が杖、という常識自体間違っているのかもしれんし、何を選ぼうと人の自由だ」
デブ「う……」
勇者は錆びた剣、デェブは鉄の玉、ハゲは鉄の剣を選んだ。 会計に出すと、レジの老人は目を丸くして錆びた剣を見つめた。
レジの老人「これは……伝説の剣ですぞ!」
デブ「あんだって!?」
レジの老人「い、いつから私はこんな代物を売っていたのかいやはや……」
デブ「伝染の剣って何が伝染するんだ!? 菌か!? 斬ると傷口から感染症を引き起こす剣だってのかァ!?」
勇者「待ってくれ、話がかみ合ってないぞ。二人とも落ち着けって」
15 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 16:34:19.12 ID:UHCYDIotO
レジの老人「私は本当に知らんのです。ただのくっそボロい剣とばかり……」
勇者「誰から貰ったんだ?」
レジの老人「貰ったのではありません。店の屋根に突き刺さっていたので、避雷針として使用していたのですが、どうにも使えん」
レジの老人「なので、いっちょ売っぱらってやろうと思ったのです。しかし、よくよく見ればこれはでんせ」
勇者「そうか、では買おう」チャリンチャリン
しかし、こんなボロい剣を買っていいのか。
錆びている箇所が十か所もあり、ホコリだらけである。
いつ折れてもおかしくない。
勇者「おいデブ、たらいに水をいれて持ってこい。洗ってみよう」
デブ「ケッ。こういう仕事はハゲにやらせるのが一番だよ。彼は貧弱そうだからね」
水で剣の表面を洗うと、それは立派なプラチナ製の魔剣に変貌した。 一瞬、まばゆい光が店内を包みこんだ。 光が消えた後も、魔剣はキラキラと輝いているようであった。
デブ「すげぇな!」
勇者「これが……伝説の剣! ガチでヤベー掘り出しモンじゃあねーか! ありがとよ、爺さん!」
レジの老人「伝説の剣は使い手を選ぶと聞きます。お客様、あなたは剣に選ばれたのです。誇りに思いなさい」
勇者「言われなくても存分に傲り高ぶらせて頂くぜ!」
16 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 18:17:00.09 ID:UHCYDIotO
〜1時間後・ハゲーン町の広場〜
勇者「ようし! サイゼリヤで飯も食ったことだし、ぼちぼち出発するとしようか」
ハゲ「出発といっても、どこへ参るのでしょう?」
勇者「ハゲーン町から北北西に向かって2kmの所に魔物の巣があるそうだ」
デブ「行って何をするんだよ。それより僕の胃袋はぺこぺこだ! それに乾燥している!」
勇者「あ? さっきサイゼリヤでイタリアンハンバーグ&ラージライス&シェフサラダ&ドリンクバーを頼んだのは誰だ? テメェはまだ食い足りねーのかよ!」
ハゲ「旅の途中でパンのひとつやふたつ、手に入ります。それまでの我慢ですな」
デブ「本来なら、ハゲにご馳走してもらう予定だったんだ。アンタがいきなり『平民に戻ります』なんてキチガイじみた行動を取るから……!」
勇者「落ち着け。いらだつ気持ちは分からんでもないが、興奮すれば腹が減るぞ」
デブ「ぬぐぐぐ。自分の腕でもかじって我慢するぜ」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/08(金) 18:19:28.78 ID:43d9BpgUO
狙いすぎててつまらん
18 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 18:23:52.36 ID:UHCYDIotO
勇者一行はハゲーン町を出た後、北北西に突き進んだ。 しばらくは砂と岩だらけの荒地であったが三日後、壁のような崖に道を塞がれた。
勇者「この崖を越えたら、魔物の巣だ。俺が先に行き、デブを引き上げる。ハゲはしんがりでよろしく頼む」
デブ「あのさぁ……結局さ、僕達はどうして魔物の巣に行くんだ? 行く必要ないだろ? ここ数日、食事という食事にありつけなかったし」
ハゲ「昆虫はタンパク質が豊富です。コンビニの加工食品より遥かに健康的な食事だと思いますぞ」
勇者「魔物の巣にはパンが山ほど落ちているらしい」
デブ「まーた見え透いた嘘を。僕はもう騙されないからね!」
19 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 18:27:18.78 ID:UHCYDIotO
〜魔物の巣〜
勇者「おい、用心して行けよ。武器は持ったか」
デブ「な、なんだか不気味だね。木の枝が荒ぶってるし」
勇者「木の枝くらいどうってことないぜ。ただ、デブの抱えてる鉄球が俺の足に落ちてこないかが心配だぜ」
魔物の巣は霧が大変濃く、歩いている内に三人は別々の方向へはぐれてしまった。
デブ「お〜い、勇者〜! ハゲ〜! 君達どこに行ってしまったんだよ〜う!」
デブ「……これってヤバくないか。完全に僕だけ遭難してるってことじゃないか」
デブ「所持品と言えばこの鉄球に、途中で拾った火打ち石だけ……」
デブ「勇者の嘘つきめ! やっぱり魔物の巣にパンなんて落ちてなかった!」
デブは腹立ちまぎれに、近くの草むらへ鉄球を投げつけた。
骨の砕ける鈍い音がして、草むらからヨロヨロと一匹のゴブリンが這い出してきた。 思わぬ収穫にデブは、鉄球を火打ち石代わりにして、ゴブリンのステーキを心ゆくまで堪能したのだった。
デブ「へへっ、このダンジョンもそんなに悪くないね」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/08(金) 18:30:40.87 ID:UHCYDIotO
一方、勇者とハゲは行く手を阻む魔物を斬り捨てながら奥へと進んでいた。 魔物の巣とは言っても遠くから見れば、ただの巨大な森である。 方向感覚が狂い、自分がどこを進んでいるかも分からなくなる。
勇者「まさか、こんなに魔物が隠れているとは思わなかった」ズバッ
ハゲ「魔物との激戦は免れぬと入る時点で気がつかなかったのですかな?」ドシュッ
勇者「いやね、少しは予想してたけどここまでかと。ホラ見ろよ、道を埋め尽くしちまってるぜ」バキッ
ハゲ「魔物の巣はかつて、新人兵士の修練場として用いられていたといいます」ガスッ
勇者「へぇ。そんな大人気のスポットなのに、どうして人っ子一人いないんさね?」シャシャシャシャ
ハゲ「最深部に『主』が棲み始めてから、誰も近寄らなくなった。そう拙僧は聞いておりますが」スパァン
勇者「『主』ってのがクソ強いから死を恐れて挑戦しなくなったと?」ズドドドドグワッシャーン
ハゲ「否、口車に乗せられてまんまと殺されたのがほとんどだそうです」ピシャンピシャンドンガラガッシャァァァァン
しばらく走ると、不意に視界が開けた。
最深部へと到達したのだ。
霧は晴れ渡り、中央に木製の椅子が揺れている。
そして、その椅子に鎮座するフード姿の男が一人。
勇者とハゲがフード男の放つ静かな殺気に圧倒されていると、肥満児が駆けてきた。
フード男「おっ血まみれの諸君……」
フード男の第一声を受けて、勇者は自分の服を見下ろした。
確かに服は魔物の血で赤黒く染まっていた。
デブやハゲも同じようである。
勇者「デブ、お前も魔物と闘ったのか」
デブ「そうだぞ。鉄球でブチのめしてきた」
ハゲ「やれやれ、勇者殿もデブ殿も恐ろしい方々ですな」
21 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 18:42:44.45 ID:UHCYDIotO
フード男が椅子から立ち上がり、話しかけてきた。
主「ところで、だ。私はここの森番、すなわち『主』なのだが、諸君らはどうしたいのかね?」
主「魔物の巣を通りたいのかね?」
デブ(おい勇者、魔物の巣を通るってどういうことだ? ここは独立した一個のダンジョンなのだろ?)ヒソヒソ
勇者(もしや、魔物の巣を通り抜けた先に地図には載っていない未知なる世界が広がっているのではなかろうか)ヒソヒソ
主「通りたいのか、通りたくないのかはっきりせんか!」
勇者「まぁそういうことですよ」
主「ああ〜ん? 通りたいのか?」
勇者「まぁそういうことですよ」
主「通りたいということで良いのだな? ではこれを飲みなされ」サッ
森番が取り出したのは、小さな金色の杯であった。
赤色の液体がなみなみと注がれている。
杯からこぼれた液体が地面に落ちると、白色の煙が立った。
主「塩酸の毒素を強めた塩化ピポ水だ。これを飲めたら通してやってもいいが、どうする」
森番の足元を見ると、頭骨と思しき骨が転がっている。
以前、ここを訪れた修行者のものだろう。
デブは青白い顔でブルッと震えた。
勇者「おいおい、マジかよ……」
主「ククク……さぁ飲みなさい! この液体には人間の肉を溶かす力があるのだ!」
主「魔物の巣にある樹は全て、溶けた人間の肉体で育っているのだ。バカな修行者が騙されてくれたおかげでな!」
22 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 18:47:11.44 ID:UHCYDIotO
ハゲ「では、頂戴しましょう」
勇者「ヴォイ! ハゲお前、好んで死にに行くこたねぇだろ!」
ハゲ「大丈夫です。拙僧には策がございます」
そう告げた一秒後、ハゲは目の前のフード男に塩化ピポ水を叩きつけた。
主「ぬぁにうぉしゅるッ!!!」
ハゲ「人様に飲食物を出す際は、まず調理者自身が味見をする。重要なことを忘れていましたね」
主「だからって投げ返すなど……その発想は……なかった……」
主「ぐぬぬ……この私がァァァァ!!!! ハゲなんぞにィィィ!!!!」
勇者「まだ頭が溶け切ってないな。復活したら困るし、デブ、頼むぜ。お前の出番だ」
デブ「合点承知ィ!」
デブは森番に駆け寄ると、鉄球を無表情で落とした。 グシャリと潰れる音がして、森番の呪詛は永遠に終わった。 同時に周囲を囲っていた禍々しい木々が、次々に枯れ果てていった。
デブ「こいつぁすげぇや……」
ハゲ「ふふふ、魅せてくれますなぁ。森の主、とやらも」
勇者「これで、新たな進むべき道が示されたってことだな」
青空の下、勇者の目の前には地平線まで続くヒースの原野が広がっていた。
23 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 18:54:10.72 ID:UHCYDIotO
そよ風を顔に受けながら原野を進んでいると、こんこんと地下水が湧きだしている場所についた。泉の近くに巨大なニレの樹が一本立っていた。 勇者一行は泉で小休憩を取ると、ニレの樹を見上げながら通り過ぎた。
しばらくして。
デブ「見ろよ、またニレの樹が立ってるぜ。しかもさっきと同じで一本だけだぜ」
勇者「本当だ、誰が植えたんだろうな。一里塚みたいな感じで距離の標識的な役割を果たしているのではないか?」
ハゲ「ぬぬっ、こちらにも……ああ、あちらにも! 困りましたな、勇者殿。拙僧ら……囲まれておりまする!」
デブ「樹に囲まれてる!? ば、馬鹿を言え。樹が動くかってんだよ!」
ニレの樹「ぐふふ、お前たちは逃げられない」
勇者「きッ……樹が動いているッ! それにいつの間にか木の枝が剛腕に変化しているッ!」
デブ「信じられない……僕の両目はどうかしてしまったのかい!?」
ハゲ「落ち着くのです、二人とも。これを使いましょう」
ハゲは冷静にバケツを取り出した。
中には赤い液体が入っている。
勇者は目を丸くした。
勇者「こ、これは塩化ピポ水ではないか。どこで手に入れてきたんだ」
ハゲ「魔物の森に塩化ピポ水の湖があったのです。そこから少し取ってきました。何かに使えるのではと思いまして」
デブ「バケツ、大丈夫なの?」
ハゲ「修復魔法を断続的にかけているので、多分大丈夫です」
勇者「では早速、樹にかけてみようぜ!」
24 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 18:58:55.34 ID:UHCYDIotO
ニレの樹「む……それは塩化ピポ水! まさか、何をするやめ……」
樹は次々に溶けていった。
勇者「早く包囲網を突破するぞ! こんな場所にいては、一緒に仲良く溶けちまうからな!」
勇者「ただ、デブは脂肪燃焼の意味合いもかねて残った方が良かったと思うぜ!」
デブ「変な冗談は良してくれ。僕は確かに体脂肪率50%だ。しかし、残りの50%は全部筋肉でできてるんだぜ」
ハゲ「しかし妙ですな。いつの間に拙僧らを囲んでいたとは、恐るべき気配の消し方」
勇者「ここから魔物は強くなりますよってか?」
ハゲ「然り、旅人への警告であるやもしれませぬ」
デブ「じゃ、じゃあさ。もう家に帰ろうぜ!」
勇者「あ?」
デブ「家にはパンもあればベッドもある。もう『ヘルシィ』な食べ物を口にしなくて済むんだ!」
ハゲ「昆虫は貴重なタンパク源です。食通であるなら、知っていてほしい基本知識であったのですがね」
勇者「そうだそうだ。その『ヘルシィ』な食い物があってこそ、俺達は今こうして旅を続けられるわけだ」
デブ「そもそも、僕は好きでこの旅に参加してるわけじゃない! ミサイルで家がスッ飛んで、そんで勇者の野郎に無理矢理つき合わされて」
勇者「なら帰るか? 一人トボトボと、暗い獣道をあてもなく帰っていくか? 言っとくがよ、そのちゃっちい鉄球だけじゃ魔物は狩れないぜ」
デブ「ぐ、ぐうううう!!!!」
話が終わる頃、勇者達はニレの樹の包囲網を突破した。
25 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 19:10:56.21 ID:UHCYDIotO
日が暮れる頃、パーティーは星形の奇妙な建物に着いた。人はおらず、中は暗い。 何かの研究所であるのだろうか。 玄関を過ぎるとすぐ横に、見たことのない魔物の標本があった。 それを見て、デブがハッと思いだしたように叫んだ。
デブ「おい勇者! この建物の名前を思い出したぞ!」
勇者「あんだって!?」
デブ「ここはパピプペポ実験所! 世界中から色々な魔物を集めて、自由に変形させていたんだ!」
勇者「クッ、面白ェな」
ハゲ「魔物を変形させて、どうするのです? 目的もなしに変形、というわけではないでしょうに」
デブ「それは僕も知らんぜ!!」
勇者「魔王もここで産まれてたりしてな」
デブ「ところで、ここは暗いなぁ。誰か電気つけてくれよ」
勇者「電気をつけようとしたが、ブレーカーが落ちてやがる。ブレーカーの位置が分からんから無理だ」
ハゲ「こんなことがあろうと電灯を持ってきました」
勇者「礼を言う。本当、お前がいると冒険が楽になるぜ」
透明な机の上にはガラクタが沢山あった。 そのガラクタの中には人骨とも思えるような物体があり、とても不気味に思えた。さらに進むと、看板らしき板が立っていた。
勇者「えーと……『ビャンビャン山を登山したい人はこちら』とあるぜ」
デブ「ああ〜ん? 研究所なのに登山案内だと? どういうこっちゃ?」
ハゲ「研究所と登山専門店が併設しているのではないかな。どうやら近くに拙僧らの越えねばならぬ山があるようですし」
勇者「ま、見るだけ損はないだろ。つかおいデブ! テメェ、デタラメこいてんじゃねぇ! 何がパピプペポ研究所だよ、看板にカギトレバ研究所って書いてあるじゃねーか!」
デブ「カ、カギトレバ……? ごめんよ、ここらへんのこと、あんまり知らなかったんだ」
ハゲ「デブ殿が知らないのも無理はありません。ここは多分、世界の果てから一歩外に踏み出した世界。誰も来たことのない、前人未到の地なのです」
勇者「言葉が読めるだけ、ラッキーっつーことか」
26 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 19:39:31.16 ID:UHCYDIotO
勇者は建物の反対側に繋がる扉を見つけた。冷たい風が扉の隙間を縫って中まで吹き込んでいる。
勇者「こっから外に出れんじゃね?」
ハゲ「お待ちください」
勇者「どうした、そんな眉ひそめて。いつものハゲらしくねーぞ。心配すんな、俺は勇者だぜ?」
ハゲ「扉の向こう側から、濃い魔素の気配を感じます。魔素が濃ければ濃いほど、その魔族は強いということになります」
勇者「ケッ、伝説の剣があれば余裕だろ」
ハゲ「この扉の揺れ具合、尋常ではありません。そろそろ限界を迎え、内側に弾け飛ぶでしょう。勇者殿、デブ殿、今のうちに何か風を防ぐ『盾』になるものをお持ちくだされ」
デブ「二人とも、途中で円形のテーブルを拾ったんだけど、これ楯として使えないかな!?」
勇者「うーん。中々の材質だが、問題は俺とお前とハゲ、三人収まりきるかだよ。これ明らかに無理だろ」
ハゲ「時間がありません。もうその円形のテーブルでいいです。身を寄せ合えば、何とかなるかもしれません。急いで!」
27 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 20:02:08.72 ID:UHCYDIotO
扉が乾いた音を立てて弾け飛んだ。吹雪のような凍える風が勇者、デブ、ハゲを襲う。テーブルを盾にして踏み止まっているが、そこから前へ進めない。予想以上に風の勢いは強かった。
勇者「やべッ……! なんだこれ、クッソやべェ……!」
デブ「さ、ささ寒い! 身体に力が入らないよ!」
ハゲ「消耗戦ではこちらが不利……マズイですな。勇者殿、デブ殿! 1、2で前へ進みましょう! ハイ1、2!」
勇者「1、2!」
デブ「1、2! ……うわ! なんか地面が蒼白く光ってる!」
勇者「地面が!? なんか魔法を撃ってくるだろそれ!」
ハゲ「気にしないで! 別に何かがあるわけではありません! さぁ押せ押せ! 風に負けてはなりませぬ、ここが我らの正念場! ハイ1、2! 1、2!」
三人はカギトレバ研究所の裏口から外へ躍り出た。目の前にそびえるビャンビャン山、吹きすさぶ冷たい突風。地面を蒼白く照らし出す太陽。
デブ「見えた、あの太陽が魔物か!」
ハゲ「足元注意! ここから下り坂が続きますぞ!」
勇者「クッソ、晴れてやがんのに吹雪とかツいてねぇな。あの魔物、絶対に叩ッのめしてやる!」
28 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/08(金) 20:19:32.44 ID:UHCYDIotO
やっとの思いで麓の村を訪れた勇者は、まずそこら辺をほっついている男に質問した。
勇者「ビャンビャン山について知って……」
男「んなもん知らねーよハゲ!」
勇者「俺はハゲじゃねぇッ!!!」
ハゲ「まぁまぁ、聞いた人が悪かったのです」
ハゲ「この村には見たところ、101歳になる老人が住んでいます。その方に伺うのがよいでしょう」
〜御年101歳の老人の家〜
老人「ビャンビャン山に!? もうあそこは宇宙生物に支配されて10年も経つぞ!」
デブ「へん、宇宙生物なんてどうだか。ひょっとして爺さん、ボケていませんか?」
老人「わしの頭は聡明だ! 断じて間違ったことは言ってない! その宇宙生物はバカでかいのじゃ!」
デブ「いかにも妄想って感じの内容だな」
勇者「そう疑いの目で見るな。ビャンビャン山について多くを知りたい俺にとっては神からの啓示、女神の囁きにも聞こえるね」
老人「そうじゃ! わしの頭は聡明であるから、ビャンビャン山についてこれでもかというほど知っておる!」
ハゲ「ご老人、宇宙生物の知能は高いのですか?」
老人「おう、高い高い! 水道代ガス代電気代込みで月60万くらいじゃな! わしの頭は聡明であるので、これくらいのことならバッチシじゃ!」
デブ「あ、あん? 何の話をしてるんだこの人は……」
勇者「ともかく、聞くには聞けたからレストランにでも行こうか」
デブ「よっしゃあ! やっと肉汁の溢れるステーキが食えるぜ! ハアハア!」
3人はすっかり腹ペコであった。
29 :
◆EpvVHyg9JE
[saga]:2017/12/09(土) 11:07:14.94 ID:UyOZ6uiTO
〜ファミレス〜
ウェイトレス「松阪牛のサーロインステーキでございます」
勇者「お、きたきた」
カチャカチャ、ムシャムシャ
デブ「この肉かてぇな! スジとかそういう問題じゃなくて、肉自体が石みてぇにかてぇんだ! シェフが間違って石化魔法をかけたとしか思えねェ!」
ハゲ「やはり世界の果ての向こう側となると、サイゼリヤやデニーズなど大手チェーン店が手を伸ばしにくい。それゆえ、微妙な料理しか出せない無名ファミレスがのさばっているのでしょうか……」
デブ「これ本当に松阪牛の肉かよ!」
勇者「う〜ん、俺もここまでマズいステーキを食ったことないから、何とも言えねぇな」
ハゲ「宇宙生物のせいかもしれませぬ」
デブ「おいおいハゲさんよ。まさか君、あの老人の言葉を本気にしているのかい?」
ハゲ「もし、本当に宇宙生物がいて食料の供給を妨害しているのだとしたら」
ハゲ「牛にストレスを与えて肉の質を落としているのだとしたら……」
勇者「あり得る」
デブ「ハァ!? いや有り得ないよそんなバカみたいなこと!」
勇者「ここまでステーキがマズいんだ。どう考えても肉の質が悪い」
勇者「牛が何かにストレスや恐怖を感じて、肉の質が落ちているんだ」
ハゲ「その原因を排除したら、麓の村から何か報酬が貰えるかもしれません」
勇者「ま、その時は俺たちゃ山の反対側に行ってるんだけどな」
ハゲ「がはははははは」
勇者「わはははははは」
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