ルパン三世 Gifted Cinderella 魔法のトワレ

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 22:33:09.77 ID:L++U7Ja8o
新宿 アルタ前

次元「――おい、ルパン」

ルパン「いよ〜う次元! ひっさしぶりだなぁ!」

次元「そう思ってるのはお前さんだけだがね」
ルパン「おや? そうだったっけか?」
次元「お前に呼ばれた時は大抵ロクな目に合わないから印象が強いのさ」
ルパン「がく! そりゃないぜジゲ〜ン!」

次元「それで? 一体何の用だってんだ」

ルパン「決まってるだろ? 仕事だよ、し〜ご〜と」

次元「仕事ねぇ……」

ルパン「そ〜んなに嫌そうな顔すんなってぇ!」

ルパン「ほら、あの画面の子達みたく、ニ〜ッコリ笑っていこうぜ〜?」


https://www.youtube.com/watch?v=H0M1yU6uO30

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1512567189
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 22:40:02.68 ID:L++U7Ja8o
  ・  ・  ・
ルパン隠れ家

次元「――それで、今回の獲物は?」

ルパン「まぁまぁ、そう焦るなって」
次元「悪いが、こっちも暇じゃないんでね」
ルパン「そうかい? 貧乏暇無しって言葉もあるくらいだ、気楽にいこうじゃないの」
次元「俺ぁ働き者なのさ。どっかの誰かさんと違ってね」
ルパン「言ってくれるじゃあないのよ」

ルパン「そんじゃまあ……早速」

…キランッ

次元「そいつぁ……何だ?」
ルパン「何に見える?」
次元「俺にゃあ、ただの石っコロにしか見えんがね」
ルパン「張り合いがねぇなぁ、ったくよう!」
次元「良いからさっさと言えっての」
ルパン「……まぁ良いか」

ルパン「こいつはただの石っコロに見えてな……魔法がかかってるのさ」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 22:47:52.24 ID:L++U7Ja8o
次元「魔法? おいおい、そいつぁ一体何の冗談だ」
ルパン「冗談なんかじゃあねえさ」
次元「ルパン……お前さん、正気か?」
ルパン「正気も正気! おおマジさぁ!」
次元「なるほど、正気か」

次元「――ルパン。悪いが、俺は降ろさせてもらうぜ」

ルパン「ちょっとちょっとちょ〜っと待てって!」

ガシッ!

次元「離しやがれ!」
ルパン「話は最後まで聞けって〜の!」
次元「俺ぁな、石コロ集めて楽しむのはガキの頃に卒業してんだよ!」
ルパン「この石はただの石じゃねえんだってば!」

次元「……良いだろう、話してみやがれ」

ルパン「そんじゃあ、話す前に……タバコ買ってきてくんない?」

次元「…・・・あん?」

ルパン「ちょ〜ど切らしちまってさ〜あ。これじゃあ落ち着いて話も出来やしねぇぜ、あ〜あ困った!」
次元「……」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 22:58:48.32 ID:L++U7Ja8o
次元「おいルパン、人を馬鹿にしてんのか?」
ルパン「あら、怒っちゃった?」
次元「当たり前だろうが! 大体な、お前さんはいつも――」

ルパン「さぁて、お立ち会いだ」

次元「――……あん?」

ルパン「さっきの、一見何の変哲も無い石っコロに、特殊な薬品をかけてやる……」

トプトプトプ…

次元「おい、ルパン。一体何の真似だ」
ルパン「するとだ……なあ、次元。なんだか不思議な匂いがしてこねえか?」
次元「む……? 確かに、なんだか甘い匂いが……」
ルパン「次元、そうしたら俺の動きをよ〜っく見ててくれよ」
次元「だから、一体何を……」

ルパン「ほいっ! ほいっ! ほほいの、ほいっ!」ポコジャガ

次元「ルパン! 人をからかうのも大概にしやがれ!」
ルパン「わ〜りぃわりぃ」
次元「ったく! 何だってんだ!」

ルパン「それじゃまぁ――タバコ、買ってきてくれねえか?」

次元「――わかったよ。ひとっ走り行ってくる」

ガチャッ…バタンッ
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 23:07:43.74 ID:L++U7Ja8o
  ・  ・  ・

ガチャッ!

次元「――おい、ルパン!」

ルパン「いよ〜う次元、早かったなぁ!……あり、何も持ってな〜いじゃないの」
次元「テメェ! 俺に何しやがった!」

ガクガク!

ルパン「ニシシシシシ!」
次元「笑ってねえで答えやがれ!」
ルパン「言っただろう、次元? 魔法だよ、魔法」
次元「……ちっ!」
ルパン「どうやら、話を聞く気になったみてぇだな」

次元「……気付いたらお前さんのタバコを買おうとしてやがった、ありゃ一体どういう訳だ」

カチッ、シュボッ…

次元「……フーッ」
ルパン「おいおい、ちゃっかり自分のは買ってきたのかい?」
次元「どうせ、この匂いに何か理由があるんだろう? かき消さないと落ち着かねえ」
ルパン「ご明察」

カチッ、シュボッ…

ルパン「ふ〜っ。これで、ようやく落ち着いて話せるってもんさ」
次元「……自分のタバコ、あるじゃねえか」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 23:22:05.72 ID:L++U7Ja8o
ルパン「次元、催眠術はわかるよな?」
次元「馬鹿にすんじゃねえ。それくらいは常識だろうが」
ルパン「さっき、俺がやったのも催眠術の一種さ」
次元「あれが催眠術だってのか?」
ルパン「そうとも」

ルパン「――ただし、普通の催眠術とはちょ〜っとばかし違う、な」

次元「……確かに、ありゃ普通じゃねえ」
ルパン「だろう?」
次元「ルパン……お前まさか、俺を操って良いように使おうって腹じゃねえだろうな?」
ルパン「馬鹿言うなって! 見て、この澄み切った目!」
次元「きったねえ目だな」
ルパン「……」
次元「……」

ルパン・次元「アッハハハハ!」

次元「……強力な催眠術の秘密は、あの石っコロと薬品で発生した匂い」
ルパン「その通り。そして、お前さんに見せた踊りさ」
次元「あれが踊り? 俺にゃあ、ニワトリがはしゃいでるようにしか見えなかったがね」
ルパン「そりゃねえぜ! 俺だって、ひ〜っしこいて踊ったのよ?」
次元「へいへい」

ルパン「――今回の狙いは、あの石っコロに含まれた特殊な結晶」

ルパン「その、人を惑わす魔法の結晶の塊さ」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 23:32:06.33 ID:L++U7Ja8o
ルパン「人は、古来から神様って奴に、歌と、踊りと、音楽を奉納する儀式を行ってきた」

次元「まあ、そいつぁよく聞く話だな」

ルパン「だがよ次元、おかしいと思ったことはねえか?」

次元「あん? 何がだ」

ルパン「――どうして、歌、踊り、音楽を捧げてたんだ?」

次元「……」

ルパン「距離も文化も離れた場所なのに、捧げ物の共通点が似通りすぎてやしねえか」

ルパン「勿論、歌も踊りも音楽もそれぞれ違ったもんだ」

ルパン「だが……多くの古い文化には、それを捧げる習慣があった」

次元「……おいルパン、まさか」

ルパン「正確な事はわからねえぜ? ただよ、俺ぁ間違いねえと思ってる」

ルパン「捧げ物の儀式にかこつけて、この結晶を利用し、集団を催眠状態にしてた支配者が居る、ってな」

次元「……」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 23:43:19.29 ID:L++U7Ja8o
次元「歌、踊り、音楽……そして匂い、か」
ルパン「俺は歌わなかったのにアレだぜ?」
次元「そう考えるととんでもねえな、その結晶は」
ルパン「いんや、コイツはもうダメさ」

ポイッ…カコンッ

次元「おい、もったいねえじゃねえか!」
ルパン「焦るなって。あの石っコロに含まれた程度の結晶じゃ一回でオシャカなのよ、これが」
次元「なるほどな」
ルパン「だからこそ、でかい結晶を狙う」
次元「するってぇと……目星はついてるのか」
ルパン「ああ」

ルパン「先日遺跡から発掘された結晶を研究してたチームがいてな」

ルパン「俺もそこを狙ってたんだけどよ〜お、先を越されちまったんだわ」

次元「ほう? 先を越されるたぁ、ヤキが回ったな」
ルパン「あ〜んまりイジめるなってぇ。さっきの事、根に持ってんのかい?」
次元「けっ! さてね!」

ルパン「結晶を奪ったのはネームレスって言われてる革命家さ」

ルパン「俺が調べた限りじゃ、資金の全てを持って組織からトンズラ」

ルパン「そして、顔を変え、名前を偽り、この日本で――」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 23:54:48.22 ID:L++U7Ja8o
  ・  ・  ・
LiPPS 楽屋

名無「――本日の合同LIVE、よろしくお願いします」

LiPPS「よろしくお願いします!」

P「こちらこそよろしくお願いします。しかし、挨拶ならこちらから……」
名無「いえ、我が774プロは出来たばかりの事務所ですから」
P「しかし、社長自らおいでにならなくても……」
名無「はっはっは! 人手が足りませんから、私も自ら足を動かしませんと」


美嘉「……へぇ、すっごく感じの良い人じゃん」
フレデリカ「プロデューサー、困ってるね〜♪」
奏「こら、楽しそうにしないの」
周子「でも、あのプロデューサーが困るのを見られるのは……って」

志希「……」

周子「志希ちゃん、どしたの?」
志希「う〜ん、なんだか気になるというか、気になる匂いというか……」
奏「気になる?」
志希「気にしすぎなのか、う〜ん、わかんないにゃ〜」


名無「……――それでは、今日のLIVE、楽しみにしていますよ」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 00:12:10.66 ID:aR/iSXPzo
  ・  ・  ・

奏「今日のLIVE、盛り上がってるわね」
フレデリカ「んふふふー♪ やっぱり、LIVEは楽し〜よね〜♪」
美嘉「だね★ この後も、774プロの子達と一緒に『Tulip』を歌うし、もっと盛り上げよっ★」
周子「うんうん、ま、気楽にがんばろー」
美嘉「ってコラ! いきなりテンション下げないの!」
奏「あら、今は774プロの子達が歌ってるんだし、メリハリは大事よ」
フレデリカ「そうだよミカちゃん! メリハリメリハリ、ボン・キュッ・ボンッ、だよ!」
美嘉「は、はい!? 一体何の話!?」

志希「……」

奏「? どうしたの、今日は、嫌に静かじゃない」
志希「……」
フレデリカ「シキちゃ〜ん? お〜い、もしも〜し?」
周子「……って、全然聞こえてないみたいだね」
美嘉「さっきから、774プロの子達のステージを見たと思ったら、パッと目を離したりしてるけど……」

志希「……クンクン」

志希「微かに匂う……あの子達の動き……観客席に向けられたスモーク……」

奏「ほら、もうすぐ出番よ!」
志希「……奏ちゃん、もしかしたら、この後何か起こるかも」
奏「はっ?」

志希「わかんないけど……うーん、多分、きっと何か起こるから、皆気をつけて」

奏・フレデリカ・周子・美嘉「?」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 00:25:02.99 ID:aR/iSXPzo
  ・  ・  ・

フレデリカ「……わぉ」

「ひっこめー!」
「お呼びじゃないんだよー!」

美嘉「ちょっ、ちょっと、おかしくない!?」
奏「さっきまで、あんなに応援してくれてたのに……」
志希「……いやー、まさか、ここまでとは志希ちゃんも思ってなかったかなー」

774プロアイドル達「……フフフ」

「おい、アイツらをステージからひきずり下ろしちまえ!」
「そうだそうだ! 邪魔なんだよお前ら!」
「これでもくらえ!」

ブンッ!

周子「!? うわっ!?」
志希「っ!? 周子ちゃん、危なっ――」


???「きえいっ!」


――シュピンッ!……パラパラッ


五エ門「……サイリウムは投げる物ではない、振る物だ」


周子「さ……侍……?」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 00:35:22.72 ID:aR/iSXPzo
「なんだアイツ!」
「俺たちの邪魔をする気か!」


五エ門「……お怪我は」

周子「ううん、大丈夫。おかげで助かったよ」

五エ門「……///」コクリ


「あんな変な奴無視して、さっさとアイツらを引きずり下ろすぞ!」
「やっちまえ!」

五エ門「――彼女達には……ちぇいやっ!」

シュピンッ!

「……」

……ドサドサドサリ

五エ門「――周子ちゃんには、指一本振れさせんッ!」


フレデリカ「わーお! シューコちゃんのファンのお侍さん、凄いねー!」
周子「……あたしのファンなんだ」
美嘉「関心してる場合じゃないでしょ!」

P「早くこっちに! 急いで!」

奏「とにかく、ここは逃げるわよ! LIVEどころじゃないもの!」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 00:50:05.51 ID:aR/iSXPzo
  ・  ・  ・

美嘉「……はぁ……はぁ……!」
周子「一体なんなのさ、何が起こってるの?」

P「話は後。今は、ここから離れる事が先決です」

奏「プロデューサー! ちょっと待って!」
フレデリカ「シキちゃんが居ないの! どうしよー! やばいよー!」

P「……――ああもう、あの子はすぐこれなんだから!」

奏・美嘉・周子・フレデリカ「ぷ、プロデューサー……?」


黒服A「おい、いたぞ!」


P「動きが早いわね。中々訓練されてるじゃない」


黒服B「アイドル達は無傷で確保しろ! Pの方は殺して構わん!」


奏・美嘉・周子・フレデリカ「!?」


P「……あら……」

…バサッ

不二子「……――出来ると思って?」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 00:52:02.15 ID:aR/iSXPzo
寝ます
おやすみなさい
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 01:05:58.54 ID:TwbTdqaSO
乙です。
面白そうなので期待。
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 01:42:13.00 ID:ng9QlYbA0
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