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御子柴実琴「ついにダブルキャストをクリアしたぜ!!」
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1 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:01:31.95 ID:CIB6gjW40
御子柴「達成率100%……ここまで来るのに長い月日を費やした甲斐があった!!」
御子柴「ギャルゲーというよりはアドベンチャーだけど……ヒロインが可愛くて思わず買ったんだよな……何ヶ月経ったかな……」
御子柴「けどやっぱ……どんなに古いゲームでも……面白え物は面白えな!!」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1512216091
2 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:02:44.89 ID:CIB6gjW40
※このSSは月刊少女野崎くんとダブルキャストのクロスSSです。
また、ダブルキャストのネタバレ、月刊少女野崎くんのネタバレを含みます。
3 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:03:43.26 ID:CIB6gjW40
御子柴「やっぱ美月……いや、志穂はすげー可愛いな」
御子柴「本物の美月はちょっと病んでるからな……俺は苦手だな」
御子柴「それにしてもバッドエンドの中にあんなこえーやつがあるとは思わなかったぜ……」
御子柴「……!!」ゾクッ
御子柴「やべえ、あのシーンはもう思い出したくもねぇ……」
御子柴「……つーかもうこんな時間か」
御子柴「明日は朝早くから野崎ん家に行ってアシスタントするんだったな……もう寝るか」
御子柴「……ふあーあ」
御子柴「……寝すぎたな」
御子柴「……!!」
御子柴「やべっ!! もうこんな時間じゃねえか!! 早く起きねえと!!」
御子柴「……ん?」
御子柴「……あれ、変だな。 なんでスマホの時間、1998年になってるんだ?」
御子柴「俺、いじった覚えねぇけどな……」
御子柴「……まぁいいや、直しておくか」
4 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:04:21.30 ID:CIB6gjW40
御子柴「母さん、朝ごはんは……」
シーン……
御子柴「……?」
御子柴「あれ……父さんも母さんも……ノアもいねえ」
御子柴「……」
御子柴「俺が寝てる間に出かけたのか?」
御子柴「……まあいいや、取り敢えず早く着替えて野崎ん家に行かねーとな」
御子柴「野崎わりい、遅れ……」
??「ベタできたよー!!」
野崎「ああ、ありがとう」
御子柴「!!!!!!?」
5 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:05:02.79 ID:CIB6gjW40
御子柴(おいちょっと待て、誰だ今の女の声!?)
御子柴(……けどこの声、どっかで聞いたことがある気がするな……)
野崎「美月、次はここにベタしてくれ」
御子柴「!!!!!!!!?」
御子柴(おい……嘘だろ?)
御子柴(……いや、兎に角まずはリビングの扉開けねえと何も分かんねえ!!)
ガチャッ
御子柴「野崎!!」
御子柴「……!!!」
??「あれ、誰?」
野崎「! 御子柴か、おはよう」
御子柴「……」
6 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:05:47.58 ID:CIB6gjW40
御子柴(今、俺の目の前にいる女……)
御子柴(赤い髪の毛……あの眼……あのスタイル……この声……)
御子柴(間違いねえ……ダブルキャストのヒロイン、赤坂美月!!)
御子柴(なんでだよ……なんで空想の女の子が現実にいるんだよ……)
御子柴(なんで野崎のアシスタントやってるんだよ!!!?)
野崎「紹介する美月、俺のアシスタントをしてる御子柴だ」
美月「よろしくねー!」
御子柴「……」
7 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:06:25.58 ID:CIB6gjW40
御子柴「……なぁ野崎、その子とはいつ会ったんだ?」
野崎「ついこの間だ。 俺が漫画の作業で徹夜し過ぎた所為で外で倒れてしまったところを彼女に助けてもらったんだ」
御子柴「!!」
野崎「信じられないかもしれないが彼女は記憶喪失でな……唯一名前だけ覚えてたんだ」
野崎「どこに帰ればいいのかも分からないから暫くの間、俺の家でアシスタントをする事を条件に俺の家に居候する事になったんだ」
野崎「しかし美月がこんなにベタが上手いとは思わなかった」
美月「もしかしたらボク、漫画家だったのかもねー」
御子柴「……」
8 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:07:09.62 ID:CIB6gjW40
御子柴「……なぁ野崎」
野崎「なんだ?」
御子柴「お前が倒れてた場所ってよ……ゴミの中か?」
野崎「!! よく分かったな……」
御子柴「そんでよ……その後にコーヒー奢ったろ?」
野崎「!!!? な、なんでそこまで分かったんだ?」
御子柴「か、勘だよ勘……」
美月「すごーい!! もしかしてキミ、エスパー!?」
御子柴「い、いや……そういうんじゃ……」
御子柴「……」
御子柴(ゴミの中で倒れたのも……その後にコーヒー奢ったのも……)
御子柴(……ダブルキャストの主人公と一緒じゃねえか!!)
9 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:07:53.75 ID:CIB6gjW40
御子柴(なんだよこれ……一体どういうことなんだよ!?)
御子柴(もしかしてアレか!? 俺をはめる為のドッキリか!?)
御子柴(美月そっくりの人を見つけて……それで境遇までまんま同じの設定にして……)
御子柴(そうだ!! そうに違いねぇ!!)
御子柴「……おい野崎、俺はもうドッキリだって分かってるぜ?」
野崎「ドッキリ……?」
御子柴「とぼけんなよ、もしもゲームのヒロインが現実にいたらっていうドッキリだろ?」
野崎「ゲームのヒロイン……?」
美月「えっ、何。 ボク、二次元の人扱いされてるの?」
野崎「そうらしいな」
美月「やっだなー、いくらボクが美人だからって……」
御子柴「……いや、もう演技はいいからよ……そろそろ種明かししてくれよ」
野崎「種明かしも何もドッキリなんてやってないんだが……」
御子柴「……!!」
10 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:08:28.35 ID:CIB6gjW40
御子柴(待てよ……よく考えたら俺……野崎にダブルキャストやってるなんて一言も教えたことねぇ)
御子柴(いつも野崎ん家に泊まる時は違うギャルゲーやってたからな……)
御子柴(……)
御子柴(……いや!! だとしてもこの状況はあり得ねえだろ!!)
佐倉「お邪魔しまーす!!」
美月「あ! 千代ちゃんの声だ!!」
御子柴「!」
11 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:09:26.56 ID:CIB6gjW40
野崎「おはよう佐倉」
佐倉「おはよう野崎くん!!……あっ!! 美月さんとみこりんもおはよう!!」
美月「おはよー」
御子柴「!!?」
佐倉「……みこりん?」
御子柴「さ、佐倉……初対面じゃねえのか?」
佐倉「違うよ?」
野崎「美月のことを知ってるアシスタントは佐倉だけだ。 背景の人とトーンの人は美月がうちに来てからはまだアシスタントに来てないからな」
御子柴「……」
12 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:10:00.44 ID:CIB6gjW40
御子柴「な、なぁ美月さん」
美月「?」
御子柴「……本当に赤坂美月なのか?」
美月「うん、名前だけは覚えてるよ」
御子柴「……志穂」
美月「へ?」
御子柴「本当の名前は……赤坂志穂じゃねえのか?」
佐倉「みこりん……?」
13 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:10:37.90 ID:CIB6gjW40
御子柴「あんたの身体には……赤坂志穂の人格が抑えられて……赤坂美月の人格と空想の赤坂美月の人格しかねぇんじゃねえのか?」
御子柴「それで本物の赤坂美月の人格になって……いつか野崎を殺す気じゃねえのか?」
佐倉「ちょ、ちょっとみこりん!? 何言ってるの!? 失礼だよ!?」
御子柴「俺だってこんなこと言いたくねぇよ!! けどよ……」
御子柴「目の前にいるのは……俺がやったゲームのヒロインそのものなんだよ!!」
美月「ベラベラと……」
御子柴「……!!!」
美月「喋りすぎなのよ!!!」
グサッ!!!
14 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:11:20.31 ID:CIB6gjW40
宮前「ネタバレは良くないですね」
前野「うん!! その通り!!」
御子柴「……っは!!!」
御子柴「……」
御子柴「……ここは俺の家……」
御子柴「……なんだよ夢か」
15 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:12:52.14 ID:CIB6gjW40
御子柴「そうだよな、よくよく考えてみたらあんなことが現実にある訳がねぇ」
御子柴「きっとダブルキャストのやり過ぎで変な夢見ちまったんだな」
御子柴「……!!」
御子柴「……スマホがまた1998年になってる……」
御子柴「……夢と同じじゃねえか」
御子柴「……正夢か?」
16 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:13:58.09 ID:CIB6gjW40
御子柴「まぁいいや、起きるか……」
シーン……
御子柴「……ここも夢と同じだ、誰もいねぇ」
御子柴「……」
御子柴「……こええ」
17 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:14:32.09 ID:CIB6gjW40
御子柴「なんでだよ……なんでここまで夢とほぼ同じ光景なんだよ……こええよ……」
御子柴「……って、んなこと言ってる場合じゃねぇ……早く野崎ん家に行かねえとな」ダッ
御子柴「おーっすのざ……」
美月「ベタできたよー!!」
野崎「ああ、ありがとう」
御子柴「!!!!!!?」
18 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:15:14.53 ID:CIB6gjW40
美月「あれ、誰?」
野崎「! 御子柴か、おはよう」
野崎「紹介する美月、俺のアシスタントをしてる御子柴だ」
美月「よろしくねー!」
御子柴「……」
御子柴(あり得ねえ……あり得ねえ……)
御子柴(あり得ねえあり得ねえあり得ねえあり得ねえあり得ねえ!!)
御子柴(なんだよこれ……なんだよこれ!!)
ピタッ
野崎「……」
美月「……」
御子柴「!? 何止まってんだお前ら……?」
??「いい加減現実を認めた方がいいよ!!」
御子柴「!!!? だ、誰だ!!?」
前野「どーもー!! 前野でっす!!☆」
宮前「宮前です」
御子柴「!!!?」
19 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:15:54.22 ID:CIB6gjW40
御子柴「あ、あんたらは確か野崎の……」
前野「君はダブルキャストの世界に入っちゃったんだよ!!」
御子柴「は!!!!?」
宮前「グッドエンディングを迎えないと元の世界に戻れません」
御子柴「は!!!!!!?」
前野「あれ、まだ疑ってるのかな? 夢野先生が目の前で急に止まったのに? 僕達がいきなり現れたのに?」
御子柴「そ、それは……」
宮前「とりあえず自分達は君が死んだら助言するぐらいならできます」
御子柴「助言……」
御子柴「……そうだ。 俺、さっき美月に刺された時にあんたらが現れて……」
前野「という訳で頑張って!! あ!! 因みにこの世界に来たのは君だけだから!! 夢野先生達は悪魔でこの世界のキャラだからね!!」
前野「それじゃあ仕切り直し!! 最初から!!」
パァァァァァァァ……
御子柴「!!! 光が……」
20 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:16:42.26 ID:CIB6gjW40
御子柴「……!!」
御子柴「……また俺の家……」
御子柴「……」
御子柴「俺がゲームの世界に入ったなんて信じたくねぇよ……」
御子柴「けどよ……あんなん見たら……信じるしかねぇだろ……」
御子柴「こええよぉ……野崎ぃ……佐倉ぁ……」
21 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:17:47.51 ID:CIB6gjW40
御子柴「……」
御子柴「……いや待て」
御子柴「俺はダブルキャストをクリアしてるから……展開を知ってる……もしこれからこの世界がゲームと同じ展開になるんだったら……」
御子柴「……」
御子柴「これって……所謂強くてニューゲームみたいなもんか?」
御子柴「だったらこれ……楽勝じゃねえか?」
御子柴「……」
御子柴「……おっしゃ!!」
御子柴「そうと決まれば早速野崎ん家に行くぜ!!」
御子柴「待ってろよ美月……お前を必ず俺のもんにしてやるからな」
御子柴「この俺に……御子柴実琴に……」
御子柴「攻略できねえ女はいねえ!!」
22 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/02(土) 21:18:26.94 ID:CIB6gjW40
今日はここまで
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 21:30:12.52 ID:0uZd13Lq0
おつ
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 22:20:14.80 ID:4sEWzv7dO
おうはよ季節を抱きしめてとサンパギータもやれよ
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/03(日) 00:27:36.53 ID:tpQkUFu3o
>>24
雪割とbloodとサーヴィランスも忘れなさんな
26 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 20:59:11.79 ID:SuI0rGV+0
御子柴「……」チラッ
御子柴「なんで1998年なのか分かったぜ……」
御子柴「1998年……これはダブルキャストが発売された年だ」
御子柴「そんでなんでうちに俺しかいねーのか……」
御子柴「恐らく俺がこの世界のダブルキャストの主人公ポジションだからだろうな」
御子柴「実際のゲームでも主人公は一人暮らし……まぁ厳密に言えば伯父の家なんだけどな」
御子柴「確かその伯父夫婦は旅行中なんだよな」
御子柴「……よし、取り敢えずまずは野崎の家に行かねえとな」
27 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:00:12.85 ID:SuI0rGV+0
道中
御子柴「ダブルキャストの世界ではあるけど……この辺りは現実の世界と同じなんだな」
御子柴「……あれ」
御子柴「病院の廃墟……こんな所に廃墟なんて現実じゃなかったけどな……」
御子柴「……!!」
御子柴「そうだ、廃墟はあの時に……」
御子柴「……何れは寄るってことか。 場所をちゃんと覚えておかねえとな」
28 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:00:57.53 ID:SuI0rGV+0
野崎の家
御子柴「おーっす野崎」
美月「あれ、誰?」
野崎「御子柴か、おはよう」
御子柴(……やっぱりいるな)
御子柴(……さっきは美月の正体をバラそうとしたら殺されたんだよな)
御子柴(主人公が美月の正体をつきとめるのは物語の後半……)
御子柴(あの人達はネタバレは良くないって言ってた……つまり俺も後半でつきとめれば殺されずにすむってことかもな)
野崎「紹介する美月、アシスタントの御子柴だ」
美月「よろしくねー」
御子柴「お、おう……」
29 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:01:36.88 ID:SuI0rGV+0
野崎「……という経緯で美月が俺の家にいることになったんだ」
御子柴「な、なるほどなぁ……」
美月「ねぇねぇ、キミもベタするの?」
御子柴「……気安く話しかけるんじゃねえよ」
美月「?」
御子柴「俺はな……薔薇のように尖ってるんだ」
御子柴「馴れ馴れしくすると……痛い目見るぜ?」
美月「あっはははははは!! 面白いねキミ!!」
御子柴「///」
野崎「御子柴は花担当なんだ」
30 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:02:16.77 ID:SuI0rGV+0
御子柴「……つーか野崎、いつも人を苗字で呼ぶお前が下の名前で呼ぶなんて珍しいな」
野崎「ああ、それは美月がそう呼んでくれって言ってな……会ったばかりの時は敬語で話してかつ苗字で呼んでたんだが……」
美月「いやーだってさ、そういう堅苦しいの苦手なんだよねボク」
御子柴「ああ……そういうことか」
佐倉「お邪魔しまーす!!」
美月「あ! 千代ちゃんの声だ!!」
野崎「おはよう佐倉」
佐倉「おはよう野崎くん!!……あっ!! 美月さんとみこりんもおはよう!!」
美月「おはよー」
御子柴「おっす」
御子柴(ここまではさっきと一緒だ……俺は何も美月に関することを言わなければいいんだな)
野崎「よし御子柴、お前はここに花を頼む」
御子柴「おう」
野崎「佐倉はここにベタを」
佐倉「任せて!!」
31 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:02:53.94 ID:SuI0rGV+0
佐倉「ベタ終わったよ!!」
野崎「ありがとう」
美月「ボクも終わったよ!!」
野崎「ありがとう……二人がベタをやってくれて本当に助かる」
御子柴「……」
御子柴(すげえな美月……佐倉に負けず劣らずのベタだ)
御子柴(こりゃ佐倉……お前のライバルになるんじゃねえか?)
32 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:03:32.49 ID:SuI0rGV+0
野崎「……よし、今日はここまでにしよう」
美月「あー疲れたー」
御子柴(花描いてたらあっという間に時間が過ぎた……)
御子柴「……」
御子柴(……待てよ。 俺、この後どうしたらいいんだ?)
御子柴(ゲームだと確か主人公と美月はこのまま二人で過ごしてて……数日後に映研の撮影に美月が参加するって流れだよな……)
御子柴(……映研?)
御子柴「な、なぁ野崎。 変なこと聞くんだけどよ」
野崎「なんだ」
御子柴「……浪漫学園に映画研究部ってあるか?」
野崎「いや、ないけど」
佐倉「どうしたのみこりん?」
御子柴「い、いや……なんでもねぇ」
御子柴「……」
33 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:04:16.73 ID:SuI0rGV+0
御子柴(何が強くてニューゲームだよ俺……全然話がちげえじゃねえかよ)
御子柴(……いや落ち着け。 何か代わりの存在になる物があるはずだ)
佐倉「お邪魔しました!! みこりん、早く帰ろう!!」
御子柴「えっ」
佐倉「『えっ』じゃないよ!! もう夜だしずっといたら迷惑でしょ!!」
御子柴「お、おう……」
佐倉「じゃあね野崎くん!! 美月さん!!」
野崎「気をつけて」
美月「じゃあねー」
バタン!!
御子柴「……」
34 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:04:59.74 ID:SuI0rGV+0
帰り道
御子柴(そういや……いつものクセで泊まろうとしてたけど……そうなるといつもと違って美月もいるんだよな)
佐倉「……みこりん」
御子柴「? なんだよ?」
佐倉「美月さんって……凄い可愛いよね」
御子柴「……? ああ……まぁな」
佐倉「ベタも私より上手いし……スタイルもいいし……元気いっぱいで優しいし……」
佐倉「それで今……美月さんは野崎くんと二人きりでいられるんだよね」
御子柴「……佐倉?」
佐倉「……辛い」
佐倉「私……辛いよ……」
御子柴「!!」
35 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:05:35.59 ID:SuI0rGV+0
御子柴(そうだ……野崎が好きな佐倉にとっては……ほかの女の子といるってだけで苦痛だろうな)
御子柴「お、落ち込むなよ佐倉……その……あれだ……」
佐倉「……?」
御子柴「……俺がいるぜ☆」
佐倉「……」
御子柴(佐倉を攻略しようとしてどうすんだよ俺は!!///)
御子柴(くそ……元気づけようとしたら空回りした……)
佐倉「……ふふ」
御子柴「!」
36 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:06:37.62 ID:SuI0rGV+0
佐倉「ありがとうみこりん……私、ちょっと元気出てきた!」
御子柴「佐倉……」
佐倉「いつまでもくよくよしちゃいられないよね……私も頑張らなきゃ!!」
御子柴「……そうだな」
佐倉「……あっ!! じゃあ私こっちだから!! じゃあねみこりん!!」ダッ
御子柴「おう、また明日な」
佐倉「……」タッタッタッ
御子柴「……」
御子柴(そうだよな……佐倉は野崎といるのが一番だよな……)
御子柴「……」
御子柴(取り敢えず家に帰って考えよう)
37 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:07:27.90 ID:SuI0rGV+0
御子柴の家
御子柴「さて……これから俺はどうやって行動すればいいんだ?」
御子柴「……つーかダブルキャストの世界つっても……始まりから全然ちげえじゃねえかよ……」
御子柴「ゴミの中で倒れてたところを美月に助けれられて……そんでその美月は記憶喪失だからどこに帰ればいいのかも分からないから主人公の家に居候するってのが本来の始まりなんだけどな……」
御子柴「……!!」
野崎『信じられないかもしれないが彼女は記憶喪失でな……唯一名前だけ覚えてたんだ』
野崎『どこに帰ればいいのかも分からないから暫くの間、俺の家でアシスタントをする事を条件に俺の家に居候する事になったんだ』
御子柴「……」
御子柴「もしかして……この世界の主人公は……」
御子柴「……野崎?」
38 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:08:11.54 ID:SuI0rGV+0
御子柴「あいつは主人公と同じで家に一人……それにゴミの中で倒れてたのも……コーヒーを奢ったのも一緒……」
御子柴「グッドエンディングは主人公と美月が結ばれる訳だから……」
御子柴「……つーことは……野崎と美月が結ばれればグッドエンディングになるのか?」
御子柴「……いや待て、だったらなんで俺は一人暮らしになってるんだ?」
御子柴「……いや、これは俺が主人公だと思わせるミスリードか?」
御子柴「……」
御子柴「……考えてもしょうがねえ。 明日も野崎ん家に行くんだ。 その時に考えるか」
御子柴「……兎に角寝ねえと」
朝
御子柴「……寝れなかった」
39 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:09:26.51 ID:SuI0rGV+0
御子柴「……いや、これが普通だ。 こんな状況で寝れる方がおかしいよな」
御子柴「……約束の時間になる前に野崎ん家に行こう」
御子柴「おーっす野崎」
佐倉「みこりん」
御子柴「おっ、佐倉も来てたのか」
野崎「二人とも来たか」
御子柴「おう、さっさと始めようぜ」
野崎「いや……その前に大事な話がある」
御子柴「大事な話……?」
美月「じ、実はボク達……」
野崎「付き合うことにした」
御子柴「!!!」
佐倉「!!!!!!!!!!????????」
40 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:10:01.16 ID:SuI0rGV+0
美月「ボク……ずっと一緒にいて分かったんだ。 好きだって///」
野崎「……俺も美月と一緒にいる内に……美月のことが好きになった。 美月のことが知りたくなった」
御子柴「そ、そうか……おめでとう……」
御子柴(……ちょっと待て、こんな早い段階で付き合うのか?)
御子柴(これでもう……グッドエンディングなのか?)
佐倉「……」
御子柴「!!!」
41 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:10:48.02 ID:SuI0rGV+0
御子柴(そうだ……この事実は佐倉にとってはショック以外のなんでもねぇ!!)
御子柴(……けど許せ佐倉。 お前の事は嫌いじゃねえ……けど俺がこの世界から出る為なんだ)
御子柴(それにこっちの世界でダメだったからって現実でも付き合えないとも限らないしな)
佐倉「お、おめでとう……お、お似合いだよ二人とも!!」
御子柴「!」
美月「ほ、本当に!?」
野崎「ありがとう佐倉」
佐倉「わ、私が今まで見たカップルの中で一番お似合いだよ!! あはは……あはははは……」
御子柴「……」
御子柴(……辛えよな)
御子柴(……本当にごめんな佐倉……俺がこんな世界に来なけりゃこんな思いもしなかったのに……)
御子柴(……現実もこうじゃねえといいけどな……)
42 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:11:22.85 ID:SuI0rGV+0
佐倉「……あっ!! 野崎くん!! 本当にごめん!!」
野崎「?」
佐倉「今日大事な用事があったの!! だからごめん!! 私もう行くね!!」ダッ
野崎「! さ、佐倉……ちょっとまっ……」
バタン!!
美月「行っちゃった……用事に間に合うかな」
野崎「だといいが……」
御子柴「……」ダッ!!
野崎「御子柴!?」
御子柴「悪い!! 俺も用事があるのを思い出した!! じゃあな!!」
バタン!!
43 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:12:17.10 ID:SuI0rGV+0
御子柴「……」タッタッタッ
御子柴(佐倉……)
御子柴(今のあいつは……誰かが側にいねぇと!!……俺がいねぇと!!)
御子柴「……!!」
佐倉「……」
御子柴「佐倉!!!」
佐倉「……みこりん?……アシスタントは?」
御子柴「そんなんどうだっていいんだよ!!! ……嘘なんだろ!? 用事があるってのは!!」
佐倉「……やっぱりみこりんにはバレちゃったか」
御子柴「……なぁ佐倉」
佐倉「……?」
御子柴「……今お前が思ってることを俺にぶつけろ」
佐倉「みこりん……?」
御子柴「今お前が抱えてる辛い思いも!! 怒りも!! 悲しみも!! 全部俺にぶつけろって言ってんだよ!!」
御子柴「一人で抱えてんじゃねえよ!! 友達だろ!!!」
佐倉「……」
御子柴「……」
佐倉「……う」
御子柴「!」
佐倉「うわあああああああああああん!!!」
44 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:13:08.33 ID:SuI0rGV+0
宮前「主人公は夢野さんじゃありません、君です。 家に来させましょう」
前野「うん! その通り!!」
御子柴「……はっ!!」
御子柴「……」
御子柴「……俺の家……」
御子柴「俺は……バッドエンドを選んじゃったってことか?」
45 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:13:46.01 ID:SuI0rGV+0
御子柴「……スマホの日付が昨日になってる……また最初からってことか」
御子柴「……あの人達は俺が主人公だって……家に来させろって言ってた……」
御子柴「……やっぱり俺が……美月と一緒に暮らさないといけねえってことか?」
御子柴「……つまり野崎と美月との距離を離さないといけねえのか……」
御子柴「くそ……どうすれば……」
御子柴「……」
御子柴「兎に角……なんでもいいからやるしかねえ」
御子柴「それに……佐倉のあんな顔は……もう見たくねえ!!」
46 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/03(日) 21:15:00.56 ID:SuI0rGV+0
今日はここまで
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/03(日) 21:38:23.18 ID:KKDX+NfUo
面白い。期待
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/04(月) 10:12:54.44 ID:iOEn1zZmo
ダブルキャスト知ってても面白く変化させてくれて嬉しい
49 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/04(月) 21:02:30.83 ID:Opxr/4UV0
御子柴「この初日……まずは俺が美月と一緒にいねえとさっきみたいに野崎と付き合うバッドエンドになるな」
御子柴「つーことは……美月が野崎ん家じゃなくて俺ん家に泊まらせるようにすればいいわけか」
御子柴「……」
御子柴「……ちょっと強引かもしれねえけど……あの方法で行くか」
数時間後
野崎「……よし、今日はここまでにしよう」
美月「あー疲れたー」
御子柴(やっとここまで来たぜ……)
50 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/04(月) 21:03:33.25 ID:Opxr/4UV0
御子柴「……なぁ野崎、今日お前ん家に泊まってもいいか?」
野崎「ああ、別に構わないが……美月は?」
美月「ボクもいいよ」
野崎「そうか」
佐倉「……いいなーお泊まり」
御子柴(俺が先に泊まるって言ったからか、佐倉が俺を強引に連れて行こうとしないな)
御子柴(悪いな佐倉、これもお前の為だ)
御子柴(それでこの後だ……)
御子柴(野崎が納得してくれりゃあいいけどな……)
51 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/04(月) 21:04:08.91 ID:Opxr/4UV0
野崎「風呂できたぞ、先に入ってくれ」
美月「ありがとう!! ……覗くなよ?」
野崎「ああ」
御子柴(そういえばこんなシーンあったな……)
御子柴(……ってそんなこと思ってる場合じゃねえ、兎に角ここまで計算通りだ。美月がいない状況を作れた)
御子柴(……野崎に聞かねえとな)
御子柴「……なぁ野崎、聞きたいことがあるんだけどよ」
野崎「なんだ?」
御子柴「……お前ってさ、美月のこと好きなのか?」
野崎「……いや、好きではないが」
御子柴「!!」
御子柴(バッドエンドの時点では相思相愛……けど今はちげえのか……)
御子柴「……」
野崎「……御子柴?」
御子柴「……俺さ、美月のことが好きかもしれねえ」
野崎「!!?」
52 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/04(月) 21:04:40.51 ID:Opxr/4UV0
御子柴「いや、だってその……可愛いじゃねえか」
野崎「御子柴……」
御子柴「それでよ……俺ん家一人暮らしだろ?」
野崎「ああ……確か伯父さん夫婦は旅行に行ってるんだったな」
御子柴「だから……その……下心丸出しの動機なんだけどよ……」
御子柴「俺ん家に……泊まらせちゃダメか?」
野崎「御子柴……」
御子柴(これは……無理があるか?)
53 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/04(月) 21:05:30.85 ID:Opxr/4UV0
野崎「……御子柴」
御子柴「な、なんだ?」
野崎「……恋愛話、沢山聞かせてくれ」
御子柴「……!! じゃあ……いいのか?」
野崎「ああ」
御子柴「……サンキュ!!」
御子柴(よし、これで野崎は納得してくれた……後は美月だな)
54 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/04(月) 21:06:06.25 ID:Opxr/4UV0
美月「はーいい湯だったー」
野崎「美月、急ですまないが……今日は御子柴の家に泊まってくれないか?」
美月「えっ!? なんで?」
野崎「実はな……」
御子柴(ま、まさか……そのまんま言うのか!?)
野崎「……俺が一人暮らしだと言うのは嘘なんだ」
御子柴「!!!」
55 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/04(月) 21:06:40.47 ID:Opxr/4UV0
美月「えっ!? そうだったの!?」
野崎「ああ……そろそろ両親や弟、妹が旅行から帰ってくる時間だ。 きっとみんな怒るだろう」
野崎「本当にすまない……一人暮らしと嘘をついたのは……ほっとくわけにもいかないと思ってしまってな」
美月「じゃ、じゃあ……ボクはどうすればいいの?」
野崎「だから御子柴の家に泊まるんだ。 御子柴は一人暮らしだからな」
御子柴(野崎……)
美月「……キミの家にボクが泊まるの?」
御子柴「お、おう……」
美月「……そっか」
56 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/04(月) 21:07:19.57 ID:Opxr/4UV0
御子柴「い、いやか……?」
美月「……ううん! そんなことないよ!!」
美月「だってボク、泊まらせてもらってる側なのにワガママなんて言えないよ!! 泊めてもらえるだけでも有難いのにさ!!」
美月「それにキミ、凄い面白いし退屈せずに済みそうだしね!!」
御子柴「……退屈なんてさせねえよ。 これからはお前に……俺という名の刺激をお前にくれてやるぜ☆」
美月「あはははは!! そうそう!! そういうところ!!」
御子柴「///」
野崎「……しかしこれはマミコがレズビアンになるんじゃないだろうか」
御子柴「お前は何わけの分かんねえこと言ってんだよ」
御子柴「……」
57 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/04(月) 21:08:00.37 ID:Opxr/4UV0
御子柴(よし!! これでなんとか野崎×美月エンドは回避したぜ!!)
御子柴(……つーか馬鹿真面目な野崎のことだから美月見つけたら警察に預けようとしそうだけどな)
御子柴(……まぁそれだとバッドエンドになるからな)
パッ
御子柴「!!!」
御子柴(な、なんだ……急に周りが真っ暗に……)
『その後、俺と美月の同居生活が始まった』
御子柴「!!! 俺の目の前にテキストが……」
御子柴「……そういや美月が主人公の家に泊まるのが決まってからもこんな感じで数日間は省略されたよな」
御子柴「……成る程、そこまで再現してるっつーわけか」
御子柴「……!! そうだ……確かその後は……」
御子柴「……映画観に行くんだったな」
ピカッ
御子柴「!!! 光が……」
58 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/04(月) 21:08:50.74 ID:Opxr/4UV0
御子柴「……!!」
御子柴「どこだここ……野崎の家じゃねえ。 それにさっきまで夜だったのに昼になってる」
美月「おーい!! こっちこっちーー!!」
御子柴「!!!」
御子柴(よく見たらここ……映画館じゃねえか!!)
御子柴(……そういうことか)
御子柴「おう! 今行く!!」
御子柴(確か映画のシーンはバッドエンドになるようなことはなかったはずだ……けど油断しちゃいけねえ)
御子柴(……最初の関門はクリアしたんだ……次もこの調子で行くぜ!!)
59 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/04(月) 21:09:29.54 ID:Opxr/4UV0
今日はここまで
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/05(火) 00:49:10.84 ID:r+G6+7mao
乙
結構前のゲームだから細かい所忘れてて面白い
映画なんて見てたのすっかり忘れてた
61 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/07(木) 21:03:21.25 ID:JQc/0Qec0
美月「あー映画面白かったー!!」
御子柴「お、おう……そうだな」
御子柴(やっぱ美月の台詞、ゲームとまんま同じだったな)
御子柴(それに……ジュースを飲むシーンもな)
御子柴(主人公の気持ちもよく分かるぜ……間接キスなんてできるわけねぇだろ///)
御子柴「……!!!」
美月「? どうしたの?」
御子柴「なんで……あいつらがここに……?」
瀬尾「いやー面白かったな『BLOOD』」
若松「めちゃくちゃグロかったですね……」
62 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/07(木) 21:03:55.14 ID:JQc/0Qec0
若松「ていうか先輩、よくあんなに血が飛ぶシーンで笑えましたね……」
瀬尾「だってめちゃくちゃ面白いじゃん!! 首飛んでケチャップみたいにドバーッて!!!」ニコニコ
若松「笑顔で言わないでくださいよ!!」
瀬尾「こうやってさ!! 刀ブンブン振り回してさ!! マジかっけーの!!」
若松「確かにカッコよかったですけど……」
瀬尾「……あっ」
若松「? どうしたんですか、向こう見た途端止まって……」
御子柴「……」
若松「……!! 御子柴先輩!!」
63 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/07(木) 21:04:27.11 ID:JQc/0Qec0
瀬尾「イケメンじゃん、ここで会うなんて偶然」
若松「こ、こんにちは!!……御子柴先輩も『BLOOD』観てたんですか?」
御子柴「い、いや……違う映画だ」
御子柴(この二人はストーリーにどう絡んで来るんだ……?)
美月「友達?」
御子柴「お、おう」
瀬尾「!!!!」
若松「……瀬尾先輩?」
御子柴(なんだ……瀬尾がすげえ驚いてる……)
瀬尾「お姉さんじゃん!! 久しぶり!!!」
御子柴・若松「!!!!?」
64 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/07(木) 21:05:03.95 ID:JQc/0Qec0
美月「ひ、久しぶり……? ボク達、会うの初めてじゃ……」
瀬尾「初めてじゃねえって!! よく私ん家来てたじゃん!! 忘れたの?」
美月「う、うーん……」
若松「ちょっと瀬尾先輩!! 初対面の人に何言ってんですか!!」
瀬尾「お前が何言ってんだよ、初対面じゃねーっつーの」
若松「でも困惑してるじゃないですかこの人!! ほら、行きますよ!!」
瀬尾「えっなんでそんな急いでんの」
若松「御子柴先輩達のデートの邪魔になっちゃうじゃないですか。 どう見ても彼女ですよ」ボソボソ
瀬尾「そっかー。今はお姉さん、イケメンと付き合ってるのかー」ボソボソ
若松「す、すいません!! 俺達これで失礼します!!」
瀬尾「じゃーねーお姉さん」
美月「……行っちゃったね」
御子柴「ああ……」
65 :
◆LYNKFR8PTk
[saga]:2017/12/07(木) 21:05:44.49 ID:JQc/0Qec0
御子柴「な、なぁ美月……お前はあの女のこと、全然覚えてねぇのか?」
美月「うん」
御子柴「そっか……」
御子柴「……」
御子柴(なんでだ……なんで瀬尾は美月と面識があるような台詞を言ったんだ?)
御子柴(記憶を失う前に美月は瀬尾と何かあったってことなのか?)
美月「……記憶を失う前のボクの事を知ってるのかな……」
御子柴「ああ……かもしれねぇな」
御子柴(どうする? 今からでも遅くない、瀬尾を追いかけるべきか?)
美月「……それにしてもお腹減ったなー」
御子柴「!!」
御子柴(そうだ、確かこの後はラーメン屋に行かねえと……)
御子柴(瀬尾のことは考えてもしょうがねえ、まずは物語を進めねえとな)
御子柴「なぁ美月。 俺、美味しいラーメン屋知ってんだよ。 そこに行かねえか?」
美月「……ボクの手作りじゃダメ?」
御子柴「!!?」
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