友「ハーレムエンドっていいよな」

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107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 23:42:41.37 ID:9qscI95E0

男(……なんかこの時点で作るメニューが分かってきた気がするな)

女「ねぇ、男君……なんだかこうやって買い物してると……夫婦みたいだね」

男「   」

女「私達、今新婚さんみたいにアツアツだもんね♪」

男「お、俺はこんな子に育てた覚えはないぞっ……!」

女「……?」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 23:43:08.70 ID:9qscI95E0

女「ごめんね、荷物持たせちゃって。重かったら持つよ?」

男「これぐらい大した事ないって。女はこれから料理作るんだから、それに備えてもらわないと」

女「そう言われたら仕方ないなぁー。よーっし! 気合い入れて作るよ―っ!」


男(彼女の手料理か……。今まで黒髪に作ってもらってはいたけど、それとはまた別だよな……)

男(やっぱ、雰囲気とか違うもんですよ。それだけに彼女の手料理というのは魔翌力を持っているはず)

男(くぅー! 楽しみだな……!)


「あら」


男「え」

女「あっ」
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 23:44:09.51 ID:9qscI95E0

黒髪「これは奇遇ね。男に……女さんでよかったかしら」


男(ラスボスktkr)


女「あ、はい。私、女って言いますっ。その男君とは……」

黒髪「聞いてるわ。付き合ってるんでしょ、あなた達」

女「そ、そうです」

黒髪「そんなに堅くならないで。別に取って食おうってわけじゃないのよ?」

女「いえ、そのぉ……あの黒先輩と話してるってだけでなんだか萎縮しちゃいますよぉ……」
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 23:44:55.80 ID:9qscI95E0

黒髪「……私ってそんなに怖い?」

女「い、いえ! そういうわけじゃないんです」

女「私達女子の間でも黒先輩は、憧れの人なんで」

黒髪「こんな可愛い子に慕ってもらえるなんて私も幸せ者ね」

黒髪「その彼女の男なんてもっと幸せものね」フフ…

女「と、とんでもないですっ!」

黒髪「……ホントに可愛い子ね」








黒髪「”で” そこでさっさと家に帰ろうとしている買い物袋を持った男君?」
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 23:46:02.70 ID:9qscI95E0

男「」ビクッ


黒髪「その買い物袋の中身、気になるのだけれども」

男「い、いやぁ……。これは……」

女「私が今日、男君に夕飯をつくるんです」

黒髪「そうだったのね……」

黒髪「……」


男(……なんでだろう。すごく不穏な気配がするのですが……)






黒髪「私も、ご一緒させてもらおうかしら」ニッコリ
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 23:47:41.10 ID:9qscI95E0
今回はここまでです。 次回はほっこりまったり食卓回です(白目)
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 17:33:58.51 ID:Pm1DvBu30
乙です

俺バカだからよお、女ルートが確定した時の英語が何言ってるのか全然わかんなくてよぉ、誰か和訳を教えてくれねぇか
114 : [sage]:2017/12/07(木) 23:23:17.00 ID:aavfjXzq0
>>113
僕の方から教えると少し野暮な気もするので……『<英文> 和訳』で調べるとすこしハッピーになります(白目)
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/07(木) 23:24:06.00 ID:aavfjXzq0

男(買い物をしていた時の女の”新婚”という表現はあながち間違っていなかった)


女「……っ」

黒髪「……」ニコニコ


男(一生懸命夕飯を作ってくれている女。その様子を遠巻きに微笑みながら”観察”している黒髪)

男(早くも嫁姑問題の様な形相を描き出している我が家の食は果たして大丈夫だろうか)

男(結婚とかしてないけどね! あくまでそれっぽいってだけあって、決して他意は無いからなっ!)
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 23:25:02.83 ID:aavfjXzq0

黒髪「……こうしてると、本当に弟を送り出す姉の様な気持ちになるわね」

男「”姉”じゃないけどな。どちらかと言えば姑みたいな感じ」

黒髪「いつから私はあなたの母親になったの? それとも姉を否定して母親を肯定するって事は私が年老いてるとでも言いたいのかしら?」

男「すみませんお姉様。これからは言動に気をつけます」アセアセ

黒髪「よろしい」
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 23:27:05.38 ID:aavfjXzq0

黒髪「……ところで男。あなたはどうして女さんを好きになったの?」

男「え、やだよ……。何でそんな恥ずかしい事を言わなきゃならんのよ」

黒髪「いいじゃない……。お姉さんからのお願いよ」

黒髪「言わないと……イタズラしちゃうかも」ボソッ

男「わ、わかったよ……」


男(確かに、今までそういう所を考えてこなかったな……。俺が女を好きになった理由か)

男(いつも明るくて、誰に対しても優しい。誰からも慕われる女)

男(だけど、二人きりなると俺の為に一生懸命尽くしてくれたり、少しワガママになったり、他の女子に嫉妬したりする可愛い一面もある)

男(彼女の隠された一面を知っているのは多分、俺だけ。……きっとそんな性格を好きになったのだろうな)

男(理由としてはこうだと思う。けれど、そんな事考えていた時間なんて一度も無かったんだ。だから俺の答えは……)
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 23:27:57.23 ID:aavfjXzq0

男「――気づいたら彼女を好きになっていた。ただ、それだけ」


黒髪「……ふぅん」

男「……なんだよ、興味なさそうに」

黒髪「別に? 考えた結果がそんなものかなんて思ってないわよ?」

男「絶対思ってんだろ……」

黒髪「じゃあ、ここでお姉さんからワンポイントアドバイス」

男「姉を訂正しろ姉を」

黒髪「……ノリが悪いわね。あなた気づいたら好きになってたなんて言ってたけれど」




黒髪「彼女の事、ちゃんと分かってる?」
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 23:29:26.54 ID:aavfjXzq0

男「当たり前だろ……。」

黒髪「じゃあ、彼女の好きな食べ物は?」

男「それは……」

男(あれ……? なんだっけ……? この間デートした時はパスタを美味しそうに食べてはいたが……)

黒髪「彼女の趣味、得意な事。逆に苦手な物や不得意な事……。あなたはそれが今、全て言えるの?」

男「……言えない」

黒髪「はぁ……。これだからあなたは」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 23:31:22.42 ID:aavfjXzq0

黒髪「女さんが好きなら、彼女の事をもっと見て、もっと知りなさい」

黒髪「浮ついた気持ちじゃなくて、本当に好きになった相手なんでしょう?」

男「……ああ」

黒髪「だったら尚更よ。……女の子は好きになった相手には自分を理解してほしい生き物なの」

黒髪「彼女もきっとそれを望んでいるはず。だから、男。あなたはそれを肝に命じて置きなさい」

男「……分かった」


男(黒髪の言ったことに何も反論できなかった。そんな自分に腹が立つ)

男(女の事、何も理解しないまま彼氏面して……。ダセえな、俺)

男(もっと彼女の事を理解していかなければ、そうしてもっと近づいていける様に)

男(そしたらきっと――)


女『……』


男(あんなにも寂しく、虚しい顔をしていた女さえも理解する事ができるはずだ)
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 23:32:16.32 ID:aavfjXzq0


女「出来ましたーっ!」


男「おぉ……!」黒髪「へぇ……」


男(明るい声と共に料理を持ってくる女。その手にあったのは俺の予想通り……肉じゃがだった)

男「やっぱり肉じゃがだったんだな」

女「あれだけ材料見られたらさすがにバレちゃうよ」

男「野菜を買っている時はまだカレーの線をまだ捨てられなかったけどな……しらたきの時点でピンときた」

女「しらたきをカレーに入れることなんて絶対無いもんね」クスッ

男「それ以外にも煮浸しとか、酢の物、これは……」

女「ほうれん草の胡麻和え。お母さんが好きだからよく作るんだ」

男「へぇ……。料理できるって言ってもまさかここまでとは思ってなかった」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 23:33:28.92 ID:aavfjXzq0

男「じゃあ……いただきます」

黒髪「……頂きます」

女「どうぞ、召し上がれ」ニコニコ

男「んー! んまい、って熱っ!」ホフホフ

女「あっ、大丈夫?」パクパク

男「大丈夫……。いきなり一口大のじゃがいも頬張ろうとしたから……」

女「んもー……。量は多目に作ったつもりだからどんどん食べてね?」

黒髪「……」

女「黒先輩も私に遠慮しないで食べてくださいっ」

黒髪「ええ。そうさせてもらうわ」ニコ

黒髪「……ところで、これは隠し味でも入れてるのかしら。少し風味が違うように感じるわ」

女「あっ、それは味噌を――」


男(この様子だと黒髪と女の心配をする必要もないみたいだな。主に黒髪が何をしでかすか分かったもんじゃないし)
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 23:34:20.45 ID:aavfjXzq0

男「……本当に大丈夫か?」

黒髪「大丈夫よ。まだ9時も回ってないし、駅までの道も明るくて人通りも多いでしょ」

男「いや、やっぱり俺も送りに行くよ」

黒髪「たまには”女の子”だけで話したい事だってあるの。そうでしょ、女さん」

女「は、はい……」

黒髪「変な事があったらすぐ電話するから」

男「わかったよ。女、今日はありがとう」

男「よかったら……また作ってくれ」
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 23:35:22.43 ID:aavfjXzq0

女「うんっ、またその内にね」

男「じゃあ黒髪、女の事頼む」

黒髪「ええ。……では、失礼するわね」

女「男君、じゃあね〜」フリフリ

男「……」フリフリ


バタン……


男(女の肉じゃが美味かったな……。次はまた違うメニューを作って欲しいな)

男(彼女の手料理……ん〜! いい響きだなぁ〜)
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 23:36:48.22 ID:aavfjXzq0




スタスタ……




黒髪「……」

女「……」


女「……あ、あのっ」

黒髪「?」

女「話したい事があるって聞いたので何だろうと思いまして……」

黒髪「そうね……私、口下手だからあまり話題浮かばないのよねぇ……」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 23:37:26.65 ID:aavfjXzq0

女「あ、あはは……」

黒髪「……ということでいきなり聞くけど、女さんは男のどこを気に入ったのかしら」

女「えっ、ええと……優しい所です」

黒髪「分かるわ。男は変に細かい所まで気を遣ってくるから」

女「そうですよねっ」

黒髪「男ったら小さい時なんて……これは、やめておくわ」

女「男君の小さい頃の話ですかぁ……。気になりますね」
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 23:38:41.17 ID:aavfjXzq0

黒髪「この話はまた今度でいいかしら。そろそろ駅に着くでしょう?」

女「そうですね、また機会があればその時に是非……」

黒髪「じゃあ、私から最後に一つだけ……」


黒髪「――あなたが何を目的として男に近づいたかは私は別に興味無いし、男にも言うつもりも無いわ」


女「……!!」


黒髪「ただし……」
























黒髪「男に何か危害を加えるような事をしたら、私はあなたを絶対に許さない」ギリッ



女「……」
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 23:39:44.09 ID:aavfjXzq0

黒髪「……なーんて。冗談よ」



女「……ふ、ふ……」

女「ふはあぁぁぁぁ…………息が詰まるかと思いましたよぉ……」


黒髪「ごめんなさいね。ちょっとこういう事するのに憧れがあったの」

女「黒先輩、すっごく怖かったです……」

黒髪「女さんをここまで怖がらせる事ができたってことは私の演技も板に付いてきたってことかしらね」

女「今後はこういう事をしないでくださいね……。心臓いくらあっても足りません」
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 23:40:31.60 ID:aavfjXzq0

黒髪「ふふっ……。あなたも反応が可愛いわね……」

女「あ、私ここまでで大丈夫ですっ」

黒髪「そう? ……では、女さん。またいつかこうしてお話しましょ?」

女「はい……。おやすみなさい!」

黒髪「ええ。おやすみなさい……」
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 23:41:42.60 ID:aavfjXzq0





































黒髪「……もしかしてと思ってカマをかけてみたけど、あの顔――」


女『……』


黒髪「……残念ながら、”クロ”ね……」







































131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/07(木) 23:42:30.27 ID:aavfjXzq0
今回はここまでですん
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/08(金) 08:55:59.51 ID:H5ZQKYqzO
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/08(金) 21:18:07.59 ID:kHwrHMN+0
〜〜〜〜〜〜


男(夏の気配は鳴りを潜め、いよいよ秋も深まってきた。文化祭も近づき、本格的に校内が文化祭ムードに染まりつつある)

男(それは俺の周りも例外ではなく、クラスの準備等でこれからは忙しくなりそうだ)

男(中でも女は実行委員なだけあって多忙を極めている。その為、ここ最近は放課後に共に過ごす事も少ない)


男「はぁ……」


男(そして今は部活に来て、女の仕事が終わるのを待っている。……待っている事は女に伝えてないけど)

男(サプライズの様なもんだし、作業で疲れている彼女を少しでも元気づけられる……と思う)
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/08(金) 21:19:14.06 ID:kHwrHMN+0

後輩「先輩、珍しくため息なんて溜め息ついてどうしたんですか?」

男「あっ、悪い。無意識に……」

後輩「何か悩みがあるのであれば、私が聞きましょうか……? 解決は、できないかもしれないですけど」

男「いや、大丈夫。別に大したことじゃないから」

後輩「そう、ですか……」シュン

男「あっ、気を悪くしないでくれ。本当に大した事じゃないんだ。これは自分で考えるべきことだから」

後輩「いえ、私が勝手な考えで先輩のお役に立とうとしただけです」

後輩「……これぐらいで、恩を返すとは程遠いことですが……」

男「いや、後輩の気遣いのお陰で少しは楽になった。ありがとな」ニコ
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/08(金) 21:19:41.87 ID:kHwrHMN+0

後輩「ぁ……は、はい」

男「それにあの時の事はもういいって。俺が勝手に出しゃばっただけだし」

後輩「い、いえっ! そんな事はないですっ!」

後輩「あそこで先輩がいなかったら、私はっ……!」

男「お、落ち着け後輩……」 

後輩「あ……すみません」

男「いや、謝る必要はない。ただ、後輩がそこまで声を出すなんて少し珍しいから驚いた」

後輩「〜〜〜っ!!」セキメン


男(後輩は手に持っていた本で顔を隠す。よっぽど恥ずかしかったのか……)
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/08(金) 21:20:08.96 ID:kHwrHMN+0

後輩「わ、忘れてくださいっ……」

男「いーや、覚えとく。こんな姿の後輩なんて二度と見れないからな」

後輩「うぅ……」

男「……まーとにかく、あれは俺が勝手に恩を投げ売りしていっただけ。それに返すも何もない。それでいいな?」

後輩「……じゃ、じゃあ私からも1ついいですか?」

男「ん?」

後輩「また先輩が困っている様なことがあったら、その時は私が勝手に恩を投げ売ります」

後輩「そこに貸し借りは無い……。そういう事でよろしいですか?」ニコ

男「……まいったな。こいつは一本取られた」

男「わかったよ。ただ勝手に無茶するような事だけはしないでくれよ?」

後輩「……はいっ」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/09(土) 21:26:01.68 ID:2nDqKBGbO
きたい
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/13(水) 23:14:37.86 ID:EoEKSGPbO
きたい
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/16(土) 09:35:57.13 ID:xmnHQospO
きたい
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/17(日) 14:07:34.32 ID:XKiWq6/hO
おもしろい
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/24(日) 14:19:26.59 ID:4EFiHtD/O
きたい
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/29(金) 13:21:14.64 ID:aS3arioD0

〜〜〜〜




男「……」


男(時間も頃合いになったので、後輩に別れを告げて校門に向かい、女の下校を待つ)

男(前ほどの暑さは感じられなくなり、程よく心地の良い気温なので、女が来るのを待つのも苦じゃない)

男(……女はどんな反応してくるのだろうか。少しワクワクする)

男(遠目に昇降口を見ると、下校してくる人の中に女の姿を見つける。……内心、いなかったらどうしようかと思っていた所なので、ほっとする)
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/29(金) 13:21:57.57 ID:aS3arioD0

男(……さーてと。そろそろ姿を出そう)


男「よっ、お仕事おつかれ――」

男(女が校門近くまで来たのを確認し、声をかけたその瞬間)



女「――――え?」



男(女の顔は、心底驚いたような顔をしていた。それは喜ぶ類の感情ではなく……まるで凍りつくような冷たい表情だった)
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/29(金) 13:22:36.16 ID:aS3arioD0

男「……あっ、ちょっとしたサプライズで……その、最近あんまり一緒に帰ってなかったし……」

女「そ、そんな……私のせいで男君に負担をかけさせたくないって前に言ったはず」

男「大丈夫だって。今日は部活に出てきたから、負担も何もかかってないから」

女「で、でも……」

男「……最近、仕事の忙しさで大分疲れていたのを見てて、俺も何か出来ないかって考えたんだ」

男「仕事を手伝おうにも女は断るから、せめて少しでも話を聞いて、疲れを癒せればと」

女「……う、ううん。大丈夫だから」
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/29(金) 13:23:06.50 ID:aS3arioD0

男「……そ、そうか」

女「……」

男「……ご、ごめんなっ。俺の勘違いで返って女に負担かけさせて」

女「そんなことないよ。男君の気持ちはすごく嬉しいから……」

男「あ、うん……」

女「……」


男(女の気持ちを考えないで自分勝手な行動をしていた事に恥じなければならない)

男(そして、彼女の気持ちを第一に考え……自分の気持ちを”押し殺せばいい”)

男(少し待てば、きっとまた女と触れ合う時間は増えるはず……)
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/29(金) 13:23:48.76 ID:aS3arioD0

男(――しかし、本当にそれでいいのか?)


男(女の状態は明らかにいつもと違う。いつもの明るい表情は鳴りを潜め、曇った表情をしている彼女を俺は野放しにしている事が彼女の為になる?)

男(彼女を支える立場にいる俺が、今何もしないことは本当に正しいことか?)



男(……違う。それは正しい”選択”ではない。俺が成すべきことは……)




男「……女」


女「……?」
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/29(金) 13:25:27.34 ID:aS3arioD0

男「俺は、女を支える立場にいる人間だと思っている」


男「だから辛いことがあれば、遠慮なく言ってほしいし、それを解決する為の手助けをしたい」

男「……彼女が暗い顔するのは、俺は嫌だから。女は笑顔の方が絶対似合っていると思うし……」


男(映画館で見た表情。そして、さっき見せた表情だって……。俺はまだ、彼女という存在を理解していない)

男(彼女には俺の知らない面が隠されている……。そう思ったから)


女「……」

男「俺の自己満足かもしれない。おこがましい事を言ってるのかもしれない……。それでも、俺は女の力になりたい」

男「悩みがあるならいくらでも聞く。何かしてほしい事があるならいくらでもやってやる」


男「……だから、手を貸してほしい時は声をかけてくれ。その時まで、俺は待つから」


男(今言っている事は、彼女に負担をかけさせてしまうかもしれない。けれど、そうしてでも言わなきゃならない)

男(彼女の様に身近な人が困っているのなら手を差し伸べなければならない)



『おれといっしょにあそぼうっ!』



男(俺がそうされた様に。手を差し伸べることが、いつかはその人を救う事になると信じているから)
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/29(金) 13:29:25.04 ID:aS3arioD0

男「急に色々言ってごめん。でもこれが俺の気持ちだから。迷惑だと思ったのなら聞き流してくれ」

男「……それじゃあ、また明日」

男(ちょうどいつも別れている付近まで来たので、一言入れてさっさとと行くことにした)

男(……だって、少し恥ずかしい事言ったしなぁ……ちょっと離れたい気分もある……)

男(女も考える時間が必要だろう。だから、今はこれいいはずだ)






女「……」
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/29(金) 13:30:59.77 ID:aS3arioD0

――――




「……今日で終わりだ。今までご苦労だったな」

「問題ないです。……今までに無かった体験ができましたから」

「へぇ……興味深いな。計画が終わった際には色々と聞かせてもらおうか」

「……大した事ではありません。”持った”同士で行動すると何が起きるか想定ができないというだけです」

「なるほど。”再生<ロード>”を繰り返してきたお前にとって、同じ行動を取らない対象は扱いにくいと?」
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/29(金) 13:31:56.14 ID:aS3arioD0

「……そのような解釈です。第一に今回は”再生”が許可されていません」 

「持っている者同士だと互いに”再生”を繰り返して行動パターンが読めなくなると説明を受けてましたから」

「そうだったな。まぁ、研究対象についてはまだアレを自覚していない点からしても、”再生”を行う可能性は極めて低いのだがな。念には念を入れとかないとな」

「……」

「だからヤツが選ばれたと言っても過言ではない。っと、他愛もない話はここまでにしとこうか」

「次に向けての準備をしなければな……」

「お前は、役目からしても少し疲れてはいるだろうから休暇を一日ほど取っても構わないが、どうする?」

「大丈夫です。私はいつでも”再生”してもらっても構いません」

「そうか。なら日付が変わる前に”再生”を実行する。三時間後、またここに来るように」

「……はい」
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/29(金) 13:34:20.57 ID:aS3arioD0

〜〜〜〜



(……)

(幾度となく世界を繰り返してきた)

(何度も同じ言葉を聞いた。何度も同じ行動を見てきた。そして、私の望む展開にする為に何度も繰り返した)

(そうして、望む物全てを手に入れてきた……はず……)

(なのに……どうして、私は今こんなに動揺しているのだろう)

(行動が予測できなかったから? 再生ができなかったから? 選択を選べなかったから?)
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/29(金) 13:34:53.20 ID:aS3arioD0

男『……だから、手を貸してほしい時は声をかけてくれ。その時まで、俺は待つから』


「……」

「こんな事を言われたのは、初めて」

「だから、少し動揺しているんだ私」

「でも、これでもうお終い。あなたが私を気遣うことは二度と無い」

「もうすぐあなたは、違う誰かを愛さなければならない」

「それが”計画”の中に組み込まれている、ストーリーの一つなのだから」
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/29(金) 13:36:38.98 ID:aS3arioD0








































女「さようなら、男君。”100人目”の偽りの彼氏」







































154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/29(金) 13:56:19.26 ID:aS3arioD0









































"There is no coincidence in fate. Before meeting a fate, a human being is making it."
『序章』 完






































155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/29(金) 13:58:40.28 ID:aS3arioD0
うわスペースミスってるうううう 真ん中にあるもんだと思ってくださいというかそうしてくださいお願いします

生存報告程度にこの程度ですが、とりあえずここまでで。
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/29(金) 14:15:47.35 ID:ld96jtqSo
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/30(土) 08:06:38.99 ID:H3m9n/NJO
きたい
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 00:03:25.96 ID:un9q2faZo
なにか似た題材を昔見た気がする
それはエナったはずだから……このスレは完走してほちい期待
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/11(木) 12:35:31.72 ID:p3DuBpBz0
>>1さん過去にss深夜で書いたことあります?
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/11(木) 18:30:02.00 ID:M+zU9tuPO
>>159
ありませんss夕方になら投稿者したことありますよ
深夜はさすがに寝てます

161 :1 [sage]:2018/01/13(土) 01:19:33.91 ID:pwtL4Xxz0
>>159
え、エスパーですかね……
結構前にかいてました 
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/13(土) 20:32:33.91 ID:pwtL4Xxz0
(……酷く、気持ちが悪い)


(頭の中を得体の知れない”何か”が蠢いている……そんな感触がする)

(その”何か”は実際に物体として動いてるわけではなくて……なんとなく、違う物をどうにかしようとしている)

(そう、これは……多分、俺の記憶に何かしようとしているんだ)

(現に今、夕方に出会った”彼女”の顔がもう誰なのか分からないぐらい薄れてきている)

(今日、大切な誰かに伝えた事があるんだ。だから、俺は待たなきゃいけないんだ)

(……待つ? 何を? そもそも伝えたってなんだ……?)

(分からない。何も思い出せない……。俺は一体何を考えているんだ……)

(……ああ。わかったぞ。これは夢の中の出来事だ。きっと夢の中で起きた事を現実の事と勘違いしているだけだ)

(そうでないと、忘れるはずがないだろう? こんなに考えても忘れるような事を)


(……もう、目を覚まそうぜ? こんなくだらないことしてたって意味なんて無い……。目を開くだけでいいんだ)



(あれ、俺は誰かを助けなきゃいけない――――)
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:33:22.91 ID:pwtL4Xxz0

男「――」


男「っ!……いって……」

男(起きた途端に頭がズキズキと痛む。……不思議と寝起きに起きる頭痛には慣れているからあまり驚くことはないけど)

男(月に1.2回程だったか……。最近は無かったもんだから油断してたな)

男「えーと、今日は何曜日だっけ……」

男(確か文化祭が近かったような気がするが……)
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:34:12.85 ID:pwtL4Xxz0



男「……え?」



男(俺ってこんなにボケてたか……?)

男(日付を見ると文化祭の約一ヶ月前を指している。文化祭の一ヶ月前……つまり、兄の命日の近くってことか)

男(……)


男(俺の単なる勘違いか。さてと、こんなアホみたいな事してないでさっさと制服に着替えてしまおう)
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:35:26.59 ID:pwtL4Xxz0

アリガトウゴザイマシター

男「……」ゴクッ

男(はぁーっ。やっぱ朝一に飲む牛乳ってやっぱ最高だな。)

男(どうせならサンドイッチも食べるか。早い時間だし、そんなに人が通る事もないし)

男(委員長あたりに見つかったらめんどくさそうだけど……たとえば)


『あー、食べ歩きはいけないよー!』


男(みたいな感じに近づいてきて、軽く注意してきそうだ)






男(……ま、そんな事起きるわけないんだけどなー)
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:37:03.09 ID:pwtL4Xxz0




友「ふぅー食った食った〜」

男「……ごちそうさま」ボソッ

友「そういえば、昨日は俺の貸したやつはやった?」

男「昨日は部活から帰ってから色々あってやる時間がなかったんだよ。今日にでも――」

ブブブブブブブブブ

男(右ポケットから振動を感じる。この振動の感じからして、おそらくメールでも来たのだろう)

男(携帯を画面を見るとそこには『黒髪』の名前が表示されていた)

男「……っわり。ちょっとメール返す」

友「んー」
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:37:48.76 ID:pwtL4Xxz0

男(黒髪からのメールは少なく、大体が重要な連絡事項がほとんどなので確認は早めにしといた方がいい)

男(早速メールを確認する。そこに記さていた内容は……)


男「……すまん友。今日も例のゲームできない」

友「どうした? まさか、お前女子でも連れ込んで――」

男「んなわけあるか。飯作りにくるんだよ、黒髪が」

友「それはそれでなんかムカつくんだけど」
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:38:28.33 ID:pwtL4Xxz0

男「飯作りにくるだけ。それ以上も何もないだろ。それはお前だって分かっているはずだぞ」

友「まぁな……。でも俺も黒髪先輩の手料理食いてえよ!!」

男「なら今度余りでも持ってくるか? 日が経ってすこしアレかもしれないけど」

友「大歓迎だよ!! なんなら今日のやつを明日持ってきてほしいね!!」

男「……あいよ」
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:39:21.58 ID:pwtL4Xxz0

〜〜〜〜



男「……ごちそうさま」

黒髪「お粗末さまでした」

男「皿は俺が洗っておくから、置いといて」

黒髪「あら、変に気が利くじゃない? どうしたの? 病気? 薬飲む?」

男「病気じゃねーよ……。いつもやってることだろうが」

黒髪「いつも私が先に洗い始めるから、自分の分だけでしょ?」

男「うぐっ……。まぁ、いつもやらせてばっかだし……たまにはって」
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:40:15.76 ID:pwtL4Xxz0

黒髪「……ふーん」

男「な、なんだよ……」

黒髪「なーんでも。少し思う所があっただけ」

男「少し思う所って……気になるから是非教えて欲しいもんだな」

黒髪「些細なことよ。前よりも……」

男「……?」
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:40:58.59 ID:pwtL4Xxz0

黒髪「――やっぱりなんでもないわ。さっさと洗って私を見送りなさい」

男「言わないんかい! いや、別にいいけど」

黒髪「ホントは気になるくせに」

男「はいはい。そちらは帰る準備でもしといてくれ」


男「……」ジャー



黒髪(本当に、些細なこと)


黒髪(ほんの少しだけど……あの人に似てきたって。それだけ)



黒髪「……ふふっ」
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:42:04.26 ID:pwtL4Xxz0
〜〜〜〜



男(――それは突発的に襲い掛かってきた)

アザシター

男「……」


男(今日も面倒くさくてコンビニで朝飯を済ませる事にしてしまった。不摂生であるのは分かっているのだが)

男(もうちょっと早寝早起きを心がけて、朝飯を作る余裕を確保しなきゃ――)




「――先輩?」
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:42:46.22 ID:pwtL4Xxz0

男「――っとと、あれ? 後輩?」

後輩「はい。おはようございます、先輩」

男「おはよう。……朝に会うなんて珍しいな」

後輩「そうですね。そのパンは……もしかして昼食を?」

男「いや、これは朝飯。作るの面倒くさくてこういうので済ませちゃうんだ」

後輩「そうなんですね。……先輩って一人暮らしですか?」

男「一応親と暮らしてるけど、親はほとんど帰ってこないし実質一人暮らしみたいなもん」

後輩「……大変じゃないですか? その、家事だったり全部一人でやった上で、勉強する時間も確保しなければいけないでしょうし……」
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:43:33.69 ID:pwtL4Xxz0

男「んーたしかに大変だけど、慣れたかな。勉強とかも記憶力とか変にいいからあんまり時間もかからないから」

後輩「……」

男「ん? どうした後輩……」

後輩「そ、尊敬しちゃいます! そんなに大変な環境に置かれた中で成績の順位も高くて、家事もこなしちゃうなんて……!」

後輩「私なんてやること成すこといつも時間かけてばかりで……」

男「いや、ほんとそんな言われるほど大変じゃないから! 男一人の洗濯なんてすぐ終わる!」

男「洗うもんなんてパンツと肌着とYシャツぐらいだし……」

後輩「……せ、先輩のパンツ……?」

後輩「」プシュー
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:44:12.16 ID:pwtL4Xxz0

男「お、おい後輩っ! し、しっかりしろ!」

後輩「……っ。 こ、これはお恥ずかしい所を……」

男「いや、いきなり立ち止まるからどうしたもんかと思って。病気で倒れたりしたら怖いからな」

後輩「ご、ごめんなさい。ちょっと感情の制御が……」ゴニョゴニョ

男「……? とりあえず大丈夫か?」

後輩「は、はいっ。身体はこの通り健康です……」

男「ならよしっ。だったら早く学校行こうぜ。時間に余裕はあるにしろ何があるかわからないからな」
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:44:41.57 ID:pwtL4Xxz0

後輩「……」

男「後輩?」

後輩「……それは一緒に登校するということでいいんですか?」

男「当たり前だろ。ここで会ったのも何かの縁だ……なんて大層な事は言わないけど」

後輩「あ、ありがとうございますっ」

男「ど、どういたしまして……?」
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:45:43.03 ID:pwtL4Xxz0




後輩「……先輩と部室以外で話すのも、すごく久しぶりな気がします」

男「そりゃあ、学年違うからそんなに会うこともないしな」

後輩「前に話したのは……たまたま食堂で会った時でしょうか」

男「そうだったか? 廊下とかで会ったような……」

後輩「もしかしたらそうかもしれませんね。……そういえば、先輩の家はこの近くなんですか? 駅は反対側ですし……」

男「ああ。わりとうちの高校頭良いし、ここいらに住んでて頭がそれなりに良いやつだったら大抵目指すからなー」
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:46:20.43 ID:pwtL4Xxz0

後輩「実は私もここの近くに住んでるんです。……すこし歩きはしますけど」

男「へぇー。中学はたしか、私立だったっけ」

後輩「はい。と言ってもここから4駅ぐらいのところですけどね」

男「なら、そのままエスカレーターで高校行かなかったのには理由があるのか?」

後輩「……はい」




後輩「――とても、大事な理由があります」
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 20:47:13.96 ID:pwtL4Xxz0

男「おお……。そこまではっきり言われると、理由が知りたくなるな」

後輩「……先輩には、内緒です」

男「だよなあ……。ただの先輩の俺なんかに教えるのは無理って分かってた」

後輩「い、いえっ。あのっ、その……」

男「いや、いいよ。そんな気を遣わなくたって。人には言いたくないことなんて1つや2つあるもんだからな」

後輩「す、すいません……」




後輩「……先輩だから、言えないんです」ボソッ
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 21:07:26.70 ID:pwtL4Xxz0





後輩「……では、また気が向いたときにでも部室に来てくださいね」

男「ああ。じゃ、また今度」


男(後輩と話しながら学校に向かっていたらあっという間に昇降口まで来ていた。なので、後輩とは別れ自分のクラスへ向かう)

男(部室以外で後輩と長く話すのも初めてかもしれないけど楽しかったな。後輩は話してみると意外と口数多かったりするし)

男(また今度部室行った時にちょっと色々と誘ってみるかー)

男(一緒に本買いに行くのとか良さそうだな。本は後輩も好きだし)
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 21:09:20.92 ID:pwtL4Xxz0


男(……いつもは物静かな後輩。本当は明るい性格を持ってるのかもしれない)

男(俺もよく分かっていない……。でも、今日話していてそう感じた)





『……わたしはっ……もうなにもかもなくした……!』






男(――あの日。後輩と初めて出会った。その時俺は一つの事以外、何もすることができなかった)

男(何も知らなかった。だからその時、彼女の背中を追うこともせず、見送った)



男(彼女は稀に陰のある表情を見せる。……その表情、理由を知っている人間は数少ない)



男(後輩は今も心を傷つけながら、生きている)
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 21:11:27.03 ID:pwtL4Xxz0







































"A life is pain and fear. So the man is unfortunate. But man is loving a life in now. That’s because pain and fear are loved."
                            『後輩』ルート








































183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 21:12:33.63 ID:pwtL4Xxz0
本日は以上です。更新頻度は……がんばりまっする
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/15(月) 17:33:12.96 ID:4TdE1Mh90
リアルタイムとは言わないけど、当時サイト徘徊して更新翌日には最新分読んでたもののなかに
前置きから個別ルート、最後にハーレムルートの流れで完結した話が
約6年前に
185 : [sage]:2018/01/19(金) 22:53:09.40 ID:isaEaBNA0
>>184
その作品は別の方の作品かと……。私自身、ハーレム物のSSは書いたことがありませんので……
期待させてしまったのなら申し訳ありません。
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/19(金) 22:53:53.83 ID:isaEaBNA0



男「……」

後輩「……」


男(朝に後輩と偶然会った日から数日後の放課後。現在、俺は後輩と二人で街へ買い物に来ている)

男(まさかこんなにも早くこんな機会が来るとは思っていなかったが……しかし、俺達はある重要な用事を済まさなければいけない)


後輩「……先輩?」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 22:54:47.36 ID:isaEaBNA0

男「――おっと……悪い、少し考え事をしてた。んで、どうした?」

後輩「あ、いや……先輩の顔が少し困っているようでしたので……」

男「そうだな……。心配をかけて悪いとは思うがこればっかりはな……」

後輩「いきなりあんな事を言われても、少し無理難題な気がしますからね……」

男「だよなあ……」


男「まさか、幽霊部員の巣窟になっている文芸部が文化祭で喫茶店をやろうなんて無理があるよなあ……」


男(……事の発端は今から一時間前である)
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 23:00:30.23 ID:isaEaBNA0

〜〜〜〜





男「……」コンコン


シーン……


男(……あれ、珍しいな。今日は後輩は来ていないのか)

男(仕方がない。また明日にでも顔を出そう――)


ガチャ


男「……ん?」

「お……?」


男(こ、この声はっ……!)
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 23:01:26.24 ID:isaEaBNA0

「あっ、男クンじゃーん!! ひっさしぶりー!!」

男「お久しぶりです……部長」


男(文芸部に似つかわない騒が……明るい性格。……そして金色に輝かく髪を持った彼女こそ俺らの所属する文芸部の代表である部長だ)

男(なぜ文芸部に所属しているか、なぜ部長になっているかはささやかに噂されている高校の七不思議の1つである)


部長「どう?最近黒とはうまくやれてる?」

男「それなりにやってますよ」

部長「そうかー! なら良し!」


男(……そして中学生から黒髪の親友であるが為に割と付き合いがある)
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 23:01:55.04 ID:isaEaBNA0

後輩「あっ……」

男「……おっす」

後輩「……」ニコ


部長「う〜ん?」ジロジロ

男「……どうしたんすか先輩」

部長「へぇ〜?」

部長「……別に私は君が誰を選んでも何も言わないけどね〜?」

男「……は?」
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 23:02:25.94 ID:isaEaBNA0

部長「ま、そんなことはどうでもいい!」

部長「今日は部長として部員に伝える事があって来たんだよねぇ〜」

男「は、はあ……」

部長「そこのおそらく勤労賞の後輩ちゃん!」

後輩「は、はいっ」

部長「メイドは好きかね?」

後輩「好きか嫌いかで言われれば、好きですが……」

部長「うんうん、なるほどね〜」
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 23:04:08.10 ID:isaEaBNA0

部長「男クンはどうかなー?」

男「別になんとも」

男(メイド服は好きですけど)

部長「……そっかー」

男「その質問は今日伝える事と関係があるんですか」

部長「あるかないかで言うと、超あるね」

部長「何を隠そう、我々文芸部は来る文化祭にて――」



部長「メイド喫茶を出店することに決定したからね!!」

193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 23:04:44.96 ID:isaEaBNA0



後輩「……えっ」

男「……は?」


部長「クラスで提案して、あと一歩で決まる所だったのに……。ずばり男クン、君のせいだぞ!」

男「それはいくら何でも暴論っすね」

部長「いーや、違うね。だってあの黒の一声がメイド喫茶を陥れる原因だしねー」

部長「あの黒が頑なに反対するもんだから理由聞いたらさー」
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 23:05:41.79 ID:isaEaBNA0


黒髪『メイド服なんて着たくないもの……。それに、私のメイド服姿を見せてあげるのは一人しかいないわ』


部長「なーんて事言ってねえ……」

男「……」

部長「絶対君だろぉ!! 返せよぉ私のメイド喫茶ぁ!! そして黒のメイド服すがたぁ!!」

男「そんな事俺に言われましても……」

部長「……という事で悔しいので部長特権で文芸部はメイド喫茶の開催を決定いたしました。この決定は絶対に覆りません」

部長「うちの所、わりと可愛い娘いるじゃん? 絶対メイド服着せたら可愛いじゃん? 燃えるじゃん?」

男「ほぼ幽霊部員ですけどね」

部長「そこは私がうまくやるから大丈V!! とりあえず、そこの後輩ちゃんがメイド第一号だっ!」

後輩「……え?」
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 23:06:13.98 ID:isaEaBNA0

男(いや、後輩は無理だろう。接客とかに向いてなさそうだし、第一本人もメイド服を着るのは嫌だろう)

男(しかし後輩のメイド服姿か。あの綺麗な艶のある黒髪にカチューシャが足される事でほのかに可憐な雰囲気を――)

後輩「せ、せんぱい……?」

男「……」

男「大丈夫だ、問題ない」

部長「それで? 後輩ちゃんはメイドになってくれるのかなあ?」

後輩「わ、私は……人と上手く話せないので、それに私にメイド服なんて……」

男「そんなことはないと思うぞ」

部長「ないね。超合うね」

後輩「は、はう……」カァァ
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 23:07:17.83 ID:isaEaBNA0

後輩「……で、でも私はやりません。迷惑はかけられませんから」

部長「絶対いいと思うけどなあ……でも、人の嫌なこと無理やりやらすわけにはいかないしね」

男(確かに非常に残念ではある。しかし、後輩がそう言うのなら仕方がない)

男(……ところで部長。俺達は既にメイド喫茶を無理やりやろうとしている点については何か考慮しないのか)

部長「じゃあ後輩ちゃんには調理の方の担当を任せるね」

後輩「わかりました」

部長「男クンは……メイド喫茶だし男性陣にも調理に入ってもらうか」

男「まだ参加できるとは限らないですけどね!!」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 23:07:43.26 ID:isaEaBNA0

部長「君は強制参加だ」

部長「……参加しないなら黒に色々と」ブツブツ

男「やはりメイド喫茶のいろはを教えるのは俺しかいないようですね、部長」

部長「よろしい」


後輩「……」ジトー


部長「……ということで。早速調理班に任命された二人には一緒に街の喫茶店に視察に行ってもらおうか」ニヤニヤ

男「……なっ」  後輩「――!」
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 23:08:17.83 ID:isaEaBNA0

男「それは部長、後輩に迷惑が――」

部長「シャラップ! 男クンの意見は聞き入れられないよっ! 後輩ちゃんがどうしても嫌って言うなら別々でもいいけど……」チラッ

後輩「……」


後輩「いえ、大丈夫です」

男「そうだよなー。やっぱり俺みたいなのと一緒なんて……え?」

部長「なら、よろしくねー! 私は他の部員に連絡するからーっ!」

後輩「わかりました」

男「……えっ?」


後輩「……それでは早速向かいましょう、先輩」
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 23:09:00.40 ID:isaEaBNA0
今回は以上。すっごくSSに不向きなストーリーな気がしてきました
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 12:28:08.69 ID:iXtcTKAI0
構成が似てるんだけど、違ったか。

内容は全く違うので、完結まで続けてください。
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