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友「ハーレムエンドっていいよな」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/02(土) 14:46:46.72 ID:4PaP6UcR0
・・
男(――高校からの帰り道……。他愛もない話をしながら歩いていると友人のソイツは唐突にソレについて話を始めた)
男「いきなり何を言い出すのお前」
友「昨日やったやつがハーレムモノだったんがな……エロ目的で買ったんだが、予想以上にストーリーも良かったんで」
友「誰も不幸にならずにみんなハッピーとか現実ではありえないだろ?そんな優しい世界をエロゲの中では作れちゃうんだよ」
友「お前にも布教をって思ったんだけど……どう?」
男「んーいいんじゃない? というか、むしろやりたい」
男「でも、俺そういう系のゲームとかほとんどやったこと無いんだけど」
友「確かにお前は漫画やアニメしか見てこなかったしなー。まぁこの機会にいいんじゃないか? パソコン持ってないわけでもないだろ」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1512193606
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 14:47:39.72 ID:4PaP6UcR0
男「まぁ……そうだな」
男(家でやるには色んな危険性を孕んでるからあんまり進んでやれたもんじゃなんだけど)
友「なら今日貸してやるよ! 俺はもう5週はしたからよ〜」
男「いくら何でもやりすぎじゃないか……」
友「いいやこれでもまだ甘いな。好きな作品は何週クリアしても足りないなっ!」
男「……そういう熱意を勉強にも出せよ」
友「うぐっ! と、とにかく! 貸してやるか俺ん家よってけよ!」
男「……あいよ」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 14:48:22.33 ID:4PaP6UcR0
〜〜〜〜〜〜〜〜
男「……これねぇ」
男(部屋の椅子に座ってパソコンの電源を入れた後、友人に借りたいかがわしい絵に包まれた箱を眺める)
男(うん! 実にエッチいね! こんなのを見続けてたら息子も元気になってしまうよ!)ムスコ「ヤァ」
男(そんでもってこれを持ってる姿を女性に見られたら軽蔑されるよね! ソフトだけ出してさっさとパッケージはタンスの奥にでも隠しておこう……)ササッ
男(これでいいか……。あの人にこれを見られたら、ホントに俺の人生どうなるか分かったもんじゃないしな……)
男(まぁ、あの人も節操なく俺の家とかに来ないし大丈夫か。だいたいはアポとってからだし)
男(前置きはさておき、ディスクを入れよう……よしっ)
男「これで俺もエロゲデ「……入るわよ」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 14:50:42.43 ID:4PaP6UcR0
男「ビューッ!!!! ……って、えっ?」
?「……?」
男(ノックも無しに入ってきた人物の顔は俺が驚いてる様子をまるで疑問視するような顔をしている)
男(そして数秒経った頃、腰にまで届こうとしている艶のある綺麗な黒髪をなびかせながら彼女は、ある言って一定の答えを導き出したようだ)
?「……もしかして今、オn「はいそれ以上言わない! そんでもって、やってない!」
男(彼女は今盛大な勘違いをしている。いや、それに準ずるやましいことはやろうとしていたけども!)
?「あら、残念……。もし、あなたが望むのであれば私の”手”で……」
男「してねぇって言ってんだろ!」
?「……まったくもってあなたは臆病で意気地なしで度胸もへったくれもないヘタレね。こんなに魅力的な私の提案を断るなんて」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 14:51:35.43 ID:4PaP6UcR0
?「学校中の男共ならこの提案を断る人なんていないでしょうね。それこそあなたの友人のヘンタイ君だって……ね?」
男「ヘタレで結構。別に他がどうでも俺には関係ねーし」
?「ふぅん……本当に?」ボソッ
男(俺の耳元に口を近づけ、そう囁く彼女。その動作に距離の近さを感じてしまい不意に緊張してしまう)
男「だ、だからやってないって……!」
?「……じゃあ、この画面に出ているのは何かしら」
男「……?」
男(彼女の指差した先にはパソコンの画面。そこに映し出されていたのは……)
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 14:52:17.57 ID:4PaP6UcR0
・・
?「『幼馴染も姉妹もクラスメイトも学園長も全員○ましてやる! おっぱいハーレムカーニバル!』……って、これであなたはナニをしようとしていたの?」
男「――――」
男(――これが、俺のエロゲデビューの瞬間であった)
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 14:53:19.28 ID:4PaP6UcR0
「ハーレムエンドっていいよな」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 14:53:53.05 ID:4PaP6UcR0
〜〜〜〜〜〜〜〜
男「もうエロゲはやらねぇ」
友「おいおい友よ、朝からいきなりそんなやさぐれた声出してどうしたんだ? もちろんアレ、やったんだろう」
友「……そうか。お前にはあの甘美な世界はまだ早かったか――」
男「勝手に悟ってんじゃねぇよ」
男(……今、俺と会話をしている奴は友。見ての通り、エロゲオタクである)
男(ちなみに中学からの付き合い。顔もそんなに悪くないし、気さくでいいやつなんだが現実では出会いは無い)
男(友いわく『女と出会う前にエロゲと出会ってしまった』との事だ。なお未成年の彼がどこでエロゲを入手しているかは不明だ)
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 14:54:29.74 ID:4PaP6UcR0
友「なーんてな。しっかし、不思議だなぁ。普通の人間のプレイ時間から考えてそこまで酷い内容が出てくるようなシナリオではなかった気がするぞ?」
男「見つかった」
友「え? まさか親に?」
男「いや、アレに」クイッ
男(俺の指した方にいる女性……。校門で挨拶をしている黒髪がトレードマークの彼女だ)
友「マジかよ……。それなら親に見つかってた方がマシだったな」
男「あぁ……」
?「……♪」ニコッ
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 14:55:35.88 ID:4PaP6UcR0
男「げっ、やべっ……」
?「あら、おはよう友君」
?「――そして、見境なしに女の子を○ませようとしていた男君」ボソッ
男「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!」
男(悪魔的な笑みを見せながら挨拶をしてきた彼女、その人こそ俺のエロゲデビューを邪魔をした、黒髪。俺の1つ上の三年生)
男(端正な顔立ちに抜群のスタイル。男女共に学校中の憧れの的だ)
男(そんな彼女と俺は昔に色々あり……今でもこうして親しくしている。……腐れ縁の様なものだと俺は思っている)
友「はぁー……。相変わらず黒髪先輩は凄く綺麗だなぁ……」
友「それに目をつけられてるお前も羨ましいよな。いや、弄ばれてるって方が正しいのか」
男「うるせえよ……」
男(ここ何週間は、その事をずっとイジられ続けるのではないか。そう思案させる秋風の吹く朝の出来事だった)
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 14:56:04.23 ID:4PaP6UcR0
オハヨー ウッス オイッスー
友「――よりにもよってまさかあの人に見つかるとはお前も災難だったな……」
友「……それで、ソフトは没収とか?」
男「されてない。友からの借り物だってハッキリと言っといたから」
友「ごっそり好感度落としていくなお前」
男「仕方ないだろ、その時は頭回らなくて適当な理由を考えられなかったし」
友「へいへい……。どうせ元々好感度なんぞミリも無いから減りもすることなんて無いだろう」
男「いや、そんなことはないと思うが……」
友「えっ、マジ!?」ガタッ
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 14:56:38.58 ID:4PaP6UcR0
?「はーい、そこまでだよ二人共ー。ホームルーム始まるから友君は自分の席に戻ってね〜」
友「お、委員長か。すまんな」
?「ん、よろしい。よいっしょっと」
男(委員長と呼ばれた隣の席の彼女の名は女。友が言ったようにこのクラスのクラス委員をしている)
男(1年生の頃から同じクラスだったり、今はこうして隣の席って事で多少は仲良くしてもらっている感じだ)
男(肩ぐらいまで伸びた明るい茶髪、そして大きくパッチリと開いた目から快活な印象を受ける。実際にその通りで、男女分け隔てなく明るく接する姿はまさしく彼女らしいと言うべきか)
男(制服の着こなし方や、喋りといい……雰囲気は今時の女子高生といった感じだ)
男(そして、彼女の一番の魅力。それは……)
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 14:57:49.32 ID:4PaP6UcR0
女「――おはよっ」ニコッ
男「お、おう……おはよう」
男(不意にされると緊張してしまう……曇りの一点もない、透き通った笑顔だ)
女「ちゃんと数学の宿題やってきた? あの先生結構当てられるとめんどくさいからねー」
男「大丈夫。ほんと心配性だよな、女は」
女「いや、そういう訳じゃないよー。今の内に男君と答え合わせしようかなって。男君って無駄に頭良いし」
男「無駄は余計。日頃からちゃんと復習してる成果なんだよ……ほい、これ」
女「ありがとー! やっぱり持つべきは友だねぇ〜。……そういえば、あの黒髪先輩が勉強教えてくれるんだっけ?」
男「たまになー。余計なお世話なんだよな……」
男(そのお陰で昨日もいきなり家に来て大変な事になったんだけど……)
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