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みほ「麻雀部チームとフリースタイルMCバトル?」【ガルパン×咲】
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102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:35:56.47 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
ペパロニ「ああー!姐さんが!」
カルパッチョ「4対1……ですか」
ミカ「なかなか今までいなかったタイプだね」
千代「……ライムは所々に織り込まれていて、フロウでわかりやすくする時もあれば自然に流すような場合もある。とはいえ、ライム自体は量、質ともにそれほどでは無い…」
千代「でも言葉の表現が一味違うわね……ディスも少し捻っていてわかりづらいけれど、明快でないこと自体が彼女のキャラクターとマッチしていて、意味がわからないからお客さんが沸かないという流れにならなかった」
杏「そうっすね。逆にこっちが普通すぎて退屈だと思われちゃうかも。早いとこ止めないと危険かなぁ」
千代「ええ。なので……逸見さん」
エリカ「!は、はい!」
千代「出番です。お願いしますね」
エリカ「わかりました!」
まほ「相手に合わせず、エリカらしく行くんだぞ」
エリカ「は、はい!勝って見せます!」ダッ!
杏(お客さんが宮永照のスタイルに引き込まれる前に、バイブスでガツーンと倒しちゃおうって作戦か。納得)
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:36:27.91 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
照「………………」
エリカ(すました顔してるわね……私をナメてるのかしら?絶対勝ってやるわ)ギラリ
役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
エリカ「……先攻!」
エリカ(今の気持ちをぶつけてやる!その上で会場の空気もかっさらう!)
役人「OK!先攻、戦車道チーム エリカ!後攻、麻雀部チーム TELU−Biscuits!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:37:05.55 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=xI9-Bk0X_lQ
2:52
<第14戦 先攻 エリカ VS 後攻 TELU−Biscuits>
エリカ「1勝おめでとう TELU−Biscuits」
エリカ「でも言ってること なんかくどくど しつけーぞ!」ワァァ
エリカ「インハイで活躍 名門の 白糸台」
エリカ「でもこのステージ あんたの幸せ 今以上無い!」ワァァ!
エリカ「冷めた態度で クールぶってる 痛い女!」
エリカ「審査員もお客さんも そんな人間 見たいのか?」ワァァ
エリカ「ここで私が熱くさせる 会場全体」
エリカ「燃やす炎! あんたを焼き尽くす 内容展開」ワァァ!
照「炎上するエリカ 今の時代 叩かれて泣きを見る」ワァァア!
照「その落差 ビフォーアフター 幸不幸を客も見たがってる」ワァァァ!
照「冷静をクール 騒音を熱さ 誤変換の不味さ」
照「ボタンの掛け違い 固定観念の暖簾(のれん)だ」ワァァ
照「他校のあんた 今のワンバース 最後の多幸感」ワァァ!
照「燃えかすになり気付く 360度 いないサポーター」ワァァァ!
照「白糸台 黒森峰 明暗くっきり分かれた 白黒」ワァ
照「めくる時刻表 数分後 開けた視界を進むのみ」ワァァァ!
エリカ「その時刻表は古いのよ! 今すぐ出す改訂版!」ワァ
エリカ「あんたは敗北して 次のダイヤは無くなる 最低だ!」ワァァ
エリカ「多幸感は これから高まっていく そんな野望だ!」ワァァ
エリカ「楽しそうに見えないあんたの方がアホだ!この雑魚が!」ワァ
エリカ「炎上したら巻き込んで 一緒に燃え上がってやる!」
エリカ「熱さに弱いあんたはくたばる それで勝ってやる!」ワァァ
エリカ「炎のように 赤い薔薇の トゲを突き刺す」
エリカ「そんなディスをかまして勝つ それも悔いなく!」ワァァ!
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:37:32.82 ID:Veh8rIUF0
照「悔いなくという言葉 『ここで負けても』 と括弧(かっこ)されてる」ワァァ
照「先、越されてると 本能が察知 理性が無視 帰結」ワァァァ!
照「エリカ トゲのみ 華が無い薔薇 それはただの剣山」ワァァァ!
照「研鑽(けんさん) 見えず 怒鳴るだけでは 花言葉すら貰えない」ワァァァ!
照「空 願い 込めて 強がり吐き出したが 徒労」
照「トロフィー は星の彼方 相反する フィロソフィー」ワァ ※哲学、ものの考え方
照「現時点 私は オッズ1.2倍の勝ち馬」
照「称号は金(きん) エリカは鈍色に世界映すシルバー」ワァァァ!
エリカ「シルバー? そんなの知るか!バカ!」ワアァァ!
エリカ「てめぇのシナリオなんか読んでられねぇよ クソアマ!」ワァァア!
エリカ「悔いなくっつーのは 遺恨残さないためって意味だよ!」
エリカ「そんなこともわかんないなら 今すぐ 死になよ!」ワァァ
エリカ「花言葉 なんていらないから! バカのまま だろうと」
エリカ「あんたをブチのめす それが私のやり方だから!」ワァァ
エリカ「花が無くても トゲを突き刺して与える 致命傷」
エリカ「自明の理ってやつで勝利 ここで上げるわ 知名度!」ワァァァ!
照「キンキンと鼓膜打つ 金切り声 で話聞こえない」ワァァ!
照「ハウリングのモノマネ 不快感を 表現 何故?」ワァァァ!
照「知名度に こびりつく汚名 落とさず浸かる湯船」
照「落とすのは品格 バカを認知 行き先は ただのピンチ」ワァァァ!
照「シナリオ 相手次第 この場合 ワンサイドゲーム」ワァァ!
照「助演に非難集中 閉鎖続く ファンサイト」ワァァァ!
照「自明の理 既成の死 市井の人 変わらぬ日常」ワァァァ!
照「虚しく去る エリカと砂煙 願う 無垢な眠り」ワァァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァ!
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:38:10.07 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、エリカが勝ったと思う人!」
ワァァ!
役人「……後攻、TELU−Biscuitsが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!
役人「まずはTELU−Biscuitsに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「TELU−Biscuits」
理事長「TELU−Biscuits」
トシ「TELU−Biscuits」
秋一郎「TELU−Biscuits」
南浦「TELU−Biscuits」
役人「勝者!麻雀部チーム、TELU−Biscuits〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
照「…………」
エリカ「くっ!」
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:38:47.79 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
千代「2人抜き……」
杏「んー、逸見ちゃん、気合入ってたんだけど……すかされた感じかな?」
まほ「……若干、圧力に押されたようにも見えた」
杏「強いよねぇ。逸見ちゃんのディスに全く動じず、淡々と返してくる」
オレンジペコ「……というか、さっきのバトルより調子良くなってきてませんか?」
ナオミ「言えてるね。相性の問題かな?」
ダージリン「そういえば」
アッサム「どうしました?ダージリン」
ダージリン「宮永さんの麻雀でのスタイルは、連続で和了ることだったわよね?」
みほ「ずっと親を続けちゃうんですよね。周りの人、大変そう……」
華「夕ご飯までに帰してもらえないとなると困りますね」
沙織「夕飯はともかく。え、待って。連続で和了るということは…」
愛里寿「……フリースタイルバトルにその特性が反映されているとしたら、戦うほどに調子を上げてくる」
華「アグレッシブですわね」
麻子「それ、意外と便利な言葉だな。割と色々当てはまる」
沙織「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!ど、どうするの!?次は今よりもっと強くなっちゃうってことだよ!?」
優花里「となると、ここらで止めなければ手の付けようがなくなる可能性がありますぅ」
千代「………………」
桃「か、監督……」
杏(重要な局面だねぃ。冷泉ちゃんのライミングで押すか、バイブス繋がりでカチューシャか、それとも西住まほか…)
カチューシャ「ここはもう私が行くしかないわね!」
ノンナ「カチューシャ。秘密兵器はもう少し後ろに控えるべきですよ?」
カチューシャ「ひ、秘密兵器!じゃあしょうがないわね!」フフン
千代「……決めました」
全員「………………」ゴクリ
千代「…………ケイさん」
ケイ「お、私?」ニヤ
千代「ええ。お願いします」
ケイ「オッケー!3人抜きなんてさせないから!」
杏(おケイ……うん、相手を翻弄しつつもアンサーの上手いおケイならなんとかなるかも)
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:39:21.32 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
照「………………」
ケイ「あなた強いわねー!でも負けないわよ〜♪」
照「………………」
役人「じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
照「…………後攻で」
ケイ「えー!?私、先攻なの?後攻が良かったんだけど。ま、いっか」
役人「ではよろしいですか?」
ケイ「オッケー!」
照「………………」コクリ
役人「先攻、戦車道チーム ケイ!後攻、麻雀部チーム TELU−Biscuits!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:39:52.07 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=YJRVbyFMP9I
3:30
<第15戦 先攻 ケイ VS 後攻 TELU−Biscuits>
ケイ「3人抜きなんて ゼッタイゼッタイさせないよ〜?」
ケイ「ハテナな言葉ばっか 疑問が晴れないよ」ワァァ
ケイ「お客さん 興味あるのかな この子の 朗読劇」ワァァ!
ケイ「消毒液 かけちゃおうかな? って 冒涜的〜!」ワァァァ!
ケイ「もっと声張ってこうよ 若さが足りないよ?」ワァァ
ケイ「根暗っぽく過ごしてる? お肌のハリないよ?」ワァァァ!
ケイ「いつも最高 そう言えるくらいのアゲアゲな気分だわ」
ケイ「あなたもそれぐらいハッピーなら みんなも話 聞くんじゃない?」ワァァア!
照「ハテナばかりなのはケイ 語尾 基本 疑問形」ワァァ!
照「自論展開 演説 低レベル ノリ(糊)で穴を塗り ツギハギ」ワァァ
照「弱者の遠吠え 本音 ふと目を向ける 元気よく三振するケイ(K)」
照「声量 責める傾向 参加する気は皆無 大声コンテスト」ワァァァ!
照「セルフプロデュースの未来地図 客観視で描(えが)くように」ワァァァ!
照「根暗がステージへ それこそ シンデレラストーリー」ワァァァァ!
照「ケイ 若さ 肌のハリ ノリ 手荷物は立派に でも一般人」ワァァ!
照「私の出世街道 見送る 将来 後悔と懐古」ワァァ!
ケイ「出世街道とか意味わからない キミバカじゃない?」ワァァァ!
ケイ「シンデレラ なるのは無理 次々ガックリ てか 韻練れば?」ワァァァァ!
ケイ「声量いるのよ最低限 じゃなきゃ聞こえない全然」ワァァ!
ケイ「依然変なことばっかり 頭良いアピールって嫌い〜」ワァァ!
ケイ「私は懐古しない 今を見てます」
ケイ「毎日努力して 少しずつ伸びてます」ワァァ
ケイ「麻雀界では なんかあるっぽく見せてる カリスマ性」
ケイ「でもここで私に食われちゃうんだよ 家畜だね〜」ワァァ
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:40:20.14 ID:Veh8rIUF0
照「カリスマ性 有無 興味ないが 本質 シンプル」
照「ふと振り向き 画角 変わる 映る 知る 背中を追ってきていた人数」ワァァァァ!
照「努力自慢 まるで インスタ映え 気にする女子」ワァ
照「否定はしないが その自己主張 私にとって 禁句なだけ」ワァァァ!
照「狼を家畜 勘違い 目の劣化 遠回しのアピール」ワァァ!
照「シンメトリーの価値観 反転の 醍醐味も無しだ」ワァ
照「最後にもがき出す 分針の音 時すでに遅し」ワァァ!
照「背後に伸ばした 影 惨敗 狂う イデオロギー」ワァァ!
ケイ「最後に、ってまだワンバース残ってる焦りすぎ」
ケイ「フライング気味 今の状況が辛いんですねキミ」ワァァ
ケイ「私はやらないんだよね インスタグラム」
ケイ「そんなのより私はこの場 韻上手くやる」ワァァァァ!
ケイ「努力を語る気分 だっただけ 別に感じてないからカタルシス」ワァァ
ケイ「自己満足じゃないわ あなたのディスこそ三振 空振りする」ワァァァァ!
ケイ「なんか難しいこと言ってるけど この人 ホントにカッコいい?」ワァァ
ケイ「聴いてて楽しくない ディスも痛くないと思われてる 自覚も無〜い!」ワァァァ!
照「ケイ 確かに楽しそう 眩しく思う 優雅と」
照「ただ内容は虚無 闇夜 ポツリと立つ誘蛾灯」ワァァァ!
照「一晩経てば忘れる 暗記すらされない参考書」ワァ
照「目で愛でる 鑑賞用 のみの用途 価値はノミのようと 言える」ワァァァ!
照「ディスの効果報告 副作用 状況 何も言うまいよ」
照「そういうマインド 毎夜 努力、アピール 止めはしない」ワァァ
照「生き方 道のりも 人それぞれ 無駄 効率も隣り合わせ」
照「でもケイのスタイルのこと 好むのは 一定数のマニアだけ」ワァァァ
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァ!
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:40:51.79 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、ケイが勝ったと思う人!」
ワァァ!
役人「……後攻、TELU−Biscuitsが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「まずはTELU−Biscuitsに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「TELU−Biscuits」
理事長「TELU−Biscuits」
トシ「TELU−Biscuits」
秋一郎「ケイ」
南浦「TELU−Biscuits」
役人「勝者!麻雀部チーム、TELU−Biscuits〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
照「………………」
ケイ「うーーー……悔しいけど負けたわ!あなた強いわね!」
照「……ありがとう」
ケイ「勝ったんだからもっと喜ばないと!ほらほら、笑って笑って!」
照「……充分喜んでるから、その……大丈夫」
ケイ「えー!すっごい笑顔になってるの見たい!」
照「そう言われても……」
ケイ「あ、試合後の握手忘れてた。はい」スッ
照「ん……」ガシッ
ケイ「…それと」
照「?」
ケイ「健闘を称えるハグ!」ダキッ
照「っ!?」ビクン
ケイ「んー♪ツンケンしてる感じだけど柔らかくて抱き心地がいいわね〜」
照「……っ……その……困る……」
ケイ「えー、なんでー?あ、エッチな気分になっちゃうとか?」
照「ならない。絶対ならない」
ケイ「あっはは!ムキになっちゃって可愛い〜♪」
役人「あ、あの……そろそろ次の試合に移りたいのでその辺で……」
ケイ「えー」
照「」ホッ
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:41:33.20 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
ケイ「ただいま!負けちゃったわ。すっごく悔しいわ!」
アリサ「いや、そのあと相手に抱きついて生き生きとはしゃいでたじゃないですか……」
ケイ「それはそれ」
杏「なんかノリきれない感じだったっぽいけど?ビートがやりにくかった?」
ケイ「それよりもテルと相対して呑まれちゃった、って言うのが正しいかな?」
みほ「呑まれた?ケイさんが、ですか?」
ケイ「そ。テルの淡々としたラップに対抗するように明るく攻めようとしたんだけど、気付いたらテルの土俵に引きずり込まれてて、そこでもがいてたら終わってたようなイメージね」
ナオミ「隊長の長所を潰し、自分の長所を生かすような空気を作り出しているように思えるね」
アッサム「決してバトル向きな派手なスタイルではないけれど、声質や雰囲気、そして彼女の麻雀で培ってきた存在感が説得力とカッコよさをもたらしているような気がします」
ダージリン「一語一句、アッサムと同意見よ。というか、わたくしが先に思ったわ」
オレンジペコ「思っただけじゃ権利は得られませんよ?」
千代「……それと今の試合を観て確信したのだけど、麻雀での彼女のスタイル同様、右肩上がりに調子を上げてきているわね。1戦ごとに強さが増しているわ」
麻子「ライムに関しては顕著だな。『遠吠え 本音 ふと』と『大声コンテスト』であったり、フロウで『(客観)視で描(えが)くように』、『シンデレラストーリー』や、『醍醐味も無しだ』『最後にもがき出す』『背後に伸ばした』と質、量ともに前の試合以上に上乗せしてきている」
愛里寿「このままだと危険……」
千代「……そうね」
エリカ「こうなったら確実に勝つために、まほ先輩が出るしか……」
ポロロン..
優花里「この音は一体!?誰だ!隠れてないで出てこい!」
ミカ「右隣にジャストさ」フフ
優花里「ミカさん!」
沙織「……というかゆかりん、わかってて言ったでしょ」
優花里「えへへ……『隠れてないで出てこい』って言ってみたかったんですよぅ」
華「……優花里さん?年上にタメグチを聞くとムナグラを掴まれてウラミチに連れてかれてシメラレてしまいますよ?」
優花里「はっ!?も、申し訳ありませんでしたミカさん!」ペコペコ!
ミカ「大丈夫。カンテレを持っていると胸倉は掴みにくい。カンテレを落としちゃうからね」ニコリ
優花里「ありがとうございます!」
エリカ「……で?なんで音鳴らしたのよ?まほ先輩の前で音鳴らすとか、ケンカ売ってるわけ?」
まほ「やめろエリカ。わかりやすく感じ悪いぞ」
エリカ「す、すみません!」
まほ「……何か言いたいことがあるのだろう?」
ミカ「…………まぁね」
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:42:02.44 ID:Veh8rIUF0
まほ「一体なんだ?」
ミカ「次は私が行く」
まほ「!」
ミカ「……宮永照は強い。これ以上勝たせたら全員負けてしまうかもしれない。だからここで私が出るべきだと思ってね」
カチューシャ「何よあんた。自分なら勝てるって言いたいわけ?」
ミカ「いや、私は負けるだろう」
カチューシャ「え……?」
ミカ「ただ、少しは雰囲気を戦車道側に寄せるつもりさ。彼女のパワーアップ以上に、こちらに流れをもたらす。そうすれば次で勝てるからね」
アンチョビ「そんなことしなくてもいいんじゃないか?負けるとわかっているなら、勝てる人間を出せばいい」
杏「それが落とし穴なんじゃないかな?」
アンチョビ「……なんで」ム
杏「ぶっちゃけさ、逸見さんもおケイも、宮永照に勝てると思ったから送り出したわけっしょ?でも結果は負けた。それは宮永照が戦うほど強くなるからってのもあるけど、それよりも会場の雰囲気や空気を巧みにコントロールしてるからって感じがするんだよね」
アンチョビ「??」
杏「なんて言うのかな、お客さん、審査員、相手選手全てをコントロールして『宮永照が勝つ流れ』を作り上げたって感じ?麻雀みたいな運の要素が強く絡む競技で戦って磨かれた力なんだろうけど……極端に言えば、今は誰が出ても負ける気がする」
アンチョビ「そんなバカな!」
杏「会場の空気を一気に変えるおケイでも本領発揮することが出来なかったのは、そういう空間の中だったからだと思う。だから宮永照の本当の特性ってのはさ、1戦ごとに強くなる以上に、その場を宮永照を頂点とする空間に塗り替えることじゃないかな」
アンチョビ「………………」
杏「で、そんな雰囲気を察したからこそ、負けると確信しつつも、その流れを乱して……いや、思いきり断ち切って、次の選手で勝てるようにと、ミカさんが名乗りを上げてくれたんだと思うよ?って、違ってたらカッコわりーけど」アハハ
ミカ「……ふふ、さすが角谷さんだね。見透かされて気持ちがいいなんて初めてだよ」クス
ミッコ「つまり……初体験!」
アキ「なんでそのワードチョイスで強調するの!?」
優花里「??どこかで聞いたフレーズですねぇ」
ミッコ「麻雀部の研究のために観たテレビでね」
優花里「なるほど」クス
ミカ「……とにかく行ってくる」
ミカ「………………」
ミカ「カチューシャ」
カチューシャ「な、なによ」
ミカ「私が負けた後は頼んだよ」ザッ!
カチューシャ「!あんた……!」
カチューシャ「〜〜〜〜っ!」
カチューシャ(何よ!カッコつけて!わかったわよ!あんたがもし負けたら私が宮永照を倒してやるわ!)
千代「………………」
千代(監督の私をほっぽって勝手に決め、そして行ってしまったわね。人選に反論は無いけれど、本来なら監督に一言くらい言わせるのが筋なはず……やはり怖いわね、イマドキの子って)フ..
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:42:30.24 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
照「………………」
ミカ「……………」
ミカ(やはり……ステージに立った瞬間、ものすごい圧と違和感を覚える。ここは自分の居場所で無いと勝手に思わされるような)
役人「それでは始めましょう。先攻後攻を決めてください」
ジャンケンポン
ミカ「後攻にするよ」
役人「OK!先攻、麻雀部チーム TELU−Biscuits!後攻、戦車道チーム ミカ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:43:01.70 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=ppv-GRImruw
3:00
<第16戦 先攻 TELU−Biscuits VS 後攻 ミカ>
照「フィンランドの楽器持つ 昼行燈(ひるあんどん)」
照「装い 余所余所しい いつ何時 も飄々と行動」ワァァ!
照「一方 戦車道 バトル 見せる ひたむきさ 磨く牙」ワァァ
照「ここで砕く 飛散するカケラ 美観 勝利損なう 悲惨さ」ワァァァ!
照「継続高校 エースも 制御不能の 私は止められない」ワァァァ!
照「と警告 早々と 隷属 願望に気付く時だ」ワァァァ!
照「舞台袖の者たちに告ぐ 準備しろ5人目」ワァァ
照「勝ちに次ぐ勝ち 睨み終わらせる バジリスク」ワァァァ!
ミカ「制御不能な ら 自滅するまで 待つよ」ワァァ!
ミカ「止めない ご勝手に 座っテい〜〜い?」ワァァァ!
ミカ「い(っ)ぱいこトば ペラペラ と 疲レた〜ぁ」ワァァ
ミカ「そゆこと言うためにマイク持つなんて意味がわからないホントわからないよモウ」ワァァァ!
ミカ「バジリ〜スク ほん とならリス クある ケど」ワァ
ミカ「違う・あなた・人間・でしょ」ワァァァァ!
ミカ「言葉ババババ 嘘 つき 次 々 と ぉ 〜」ワァァ!
ミカ「3人抜きだけホントのことー!」ワァァァァ!
照「ミカは勝利 捨てた うたうたい たゆたい 遊び」
照「過去の功績 帳消し どうせ消える道化師」ワァァァ!
照「壇上 賛同もイマイチ 得られず 落とす肩 ひどく孤独」ワァ
照「感情 置き場 無くし ラップしたことも後悔を呼ぶ」ワァァ!
照「異常なまでに 言葉足らず それを二乗」
照「フロウで逆手に 無駄 見せかけ 奇行 情けない」ワァァ!
照「間の無駄遣い 得るモノが無じゃ辛い」ワアァ!
照「2度目のバース 敗北必至と 教え込む ヒトゲノム」ワァァ!
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:43:29.76 ID:Veh8rIUF0
ミカ「コト バた らず でも 楽しくない?」ワァァァ!
ミカ「間がムダとか 音楽〜をわかってない!」ワァァァァ!
ミカ「お客さんは ここに何シに来たの?」
ミカ「あなたの講演会 見に来たわけジャナいんだよ〜!?」ワァァァァァ!
ミカ「あーだ こーだと全 部を説明」
ミカ「しちゃ 蛇足だ〜 即イヤにな る」ワァァ!
ミカ「あなたは照様 私 は道化師」ワァァ
ミカ「それでもいい みんな楽しませたいぃ〜!」ワァァァァァ!
照「全部説明 していない 残してる 想像の余地」
照「言葉の余韻 規定外 ノーマルも提示し パッケージ」ワァァ!
照「内から沸く言葉 飽くことなく 堂々説く」ワァ
照「声 リズム ライム 聞き手が引き出す想像力」ワァァァ!
照「講演会では当然ない ただ1人 表現者がいるだけだ」ワァァァ!
照「道筋と結果で証明 だから 発足する 後援会」ワァァ!
照「フロウで誤魔化すのは恥ずべき行為 わかるか?」
照「今度はうちの舞台袖に告げる 勝者が 座る席、用意 しろ」ワァァァ!
ミカ「♪ラララ ララララ ララ ララ ララ〜」
ミカ「これこそ聞き手に与える想像力」ワァァァァァァ!
ミカ「各々(おのおの)の 思う ところの」
ミカ「言葉を浮かべ てくれ りゃいーのーさ」ワァァァ!
ミカ「大事な のは インスピレ〜〜〜ション」ワァァ!
ミカ「直感が 一番 大事 じゃないのか〜な?」ワァァァ!
ミカ「こ のフロウは キミのコトバを超える」ワァァァァ!
ミカ「日本語わからなくても 脳がヨロコぶ〜!」ワァァァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァァ!
照「………………」
ミカ「………………」
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:44:00.23 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、TELU−Biscuitsが勝ったと思う人!」
ワァァァ!
役人「……後攻、ミカが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!
役人「まずはミカに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「ミカ」
理事長「TELU−Biscuits」
トシ「ミカ」
秋一郎「TELU−Biscuits」
南浦「ミカ」
役人「勝者!戦車道チーム、ミカ〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァァァ!
照「………………」
ミカ「ふふっ」
照「……前の大会とスタイルが違う」
ミカ「そうだね。前のやり方では勝てないからね」
照「……策士」
ミカ「褒め言葉かな?」
照「一応」スッ
ミカ「ありがとう」ガシッ
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:44:42.82 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
アキ「やったーー!ミカが勝ったーーー!」
ミッコ「すっげーー!!」
カチューシャ「あ、あいつ……!負けるつもりなんか最初っから無かったんだわ!そのくせあんなこと言って……!」ワナワナ..
まほ「ふふっ、彼女らしいではないか」
みほ「練習ではあんなフロウ、一度も見せなかったのに……」
オレンジペコ「奥の手というわけですね」
千代「……むしろあれが彼女の本来のフロウなのかもしれないわね。今までは、フロウとはこういうものであるという先入観に縛られていたけれど、その考えを捨て、自分自身の自然なスタイルを表現したように感じるわ」
アキ「あ、それわかります。今のってすっごくミカっぽいですから!」
千代「それにしても……見事の一言に尽きるわね。宮永照さんの作り上げた流れを変えるほどのフロウ、そして天性のリズム感と音感……底が知れないわ」
ケイ「テルを倒したことで会場の空気もミカがかっさらって味方に付けたみたいだし、このまま勝ち抜いていってほしいわね」ニコニコ
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:45:19.38 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側】
照「ただいま」
淡「おかえりー♪テルー」
誠子「お疲れ様サマです」
菫「あそこまで流れを作った照が負けるとは思わなかった」
照「……バトルの前までは私も勝てると思ったんだけど」
智葉「ヤツのフロウが奇抜すぎた。まともにやるのがバカらしくなるほどにな」
照「うん、まったくもって」
淡「ああー!それ私の『まったくもって』だよ〜!」
照「うん、使っちゃった」
淡「あ!でもお揃いだからいっか!」
照「まったくもって」
智葉「やれやれ……試合時の緊張感はどこへやらだな」
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:45:47.57 ID:Veh8rIUF0
照「そうだ。菫、お菓子……」
菫「試合前に食べただろう?やめておけ」
照「……本当に心の底から、製造・販売している全てのメーカーに感謝をしている」
菫「だからなんだ」
照「おかし食べたい」
菫「ダメだ」
照「……………………」
菫「……………………」
穏乃「……あ、あの!」
照「?」
穏乃「わ、私……意外と知られてないんですけど、和菓子屋の娘で……」
照「!」
穏乃「宮永さんさえよければ食べますか?これ、どっかの銘菓です」
智美「どこのか判明してないのか」ワハハ
照「ありがとう。いただきます」モグモグ
憧「………………」
照「…………美味しい」
穏乃「よ、よかった」ホッ
照「東鳩さん、ありがとう」
穏乃「ち、違います。高鴨です。鳩と鴨は鳥ですけど…」
照「ジョーク」
穏乃「え?そうだったんですか?あっはは!意外とお茶目なんですね〜」
照「まったくもって」
穏乃「あははは」
照「」モグモグ..
穏乃「…………あ、あのっ!」
照「?」
穏乃「……その……このタイミングで言いにくいんですけど……」
照「…………お菓子の代金?」
穏乃「いえ!違います!質問があって……試合後にすぐってのも悪いと思ったんですけど気になって……」
照「別にいい。何?」
穏乃「ありがとうございます!その……宮永さんって、相手のことをすぐわかっちゃうんですよね?」
照「菫が怒りっぽいとか?」
菫「おい」
穏乃「そういうのではなくて……」
菫「鏡のことを言っているんだろう」ヒソ
照「あ……」
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:46:23.84 ID:Veh8rIUF0
菫「……ここは上手くはぐらかしておけ。今後、麻雀を打つ時に不利になるような情報は…」
照「うん。鏡でばっちり」
菫「おい照!」
穏乃「鏡?」
照「そう。その鏡でその人を見ると、結構色々なことがわかる仕組み」
穏乃「やっぱり!すごいです宮永さん!」
照「……そうでもない。でも…………追加でお菓子を貰えるくらいの芸ではあるかもしれない」
穏乃「じゃあこれ、東か西の地方の銘菓です」
照「催促したみたいで申し訳ない。いただきます」
穏乃「あ、すみません。話が終わってから渡しますので」
照「………………」
穏乃「う!あの、宮永さんが貰っておいて話さない人だなんて心配してないんです!でも、東京の人ってそういう人多いって聞くので……」
智葉「偏見がひどいな。鹿せんべいが主食の奈良県民はこれだから困る」
灼「それのがひどい偏見だと思…」
智葉「ふっ、戯れだ」
灼(わずらわし…)
照「……じゃあ教えたらお菓子ください」
穏乃「もちろんです!」
照「それで、質問は?」
穏乃「……なんでフリースタイルバトルでは鏡を使わないんですか?使ってたらミカさんの情報が事前にわかったはずですよね?」
照「確かに。でも理由がある」
穏乃「理由?」
照「うん。鏡を使うには、麻雀で言えば1局を見(けん)に回らなければいけない。それはフリースタイルバトルでも同じ。ただ、バトルの場合だと、1バース丸々潰さないと鏡を使えない」
穏乃「あー……なるほど」
照「1バースずっと無言だと絶対負ける」
久「般若の『小節の無駄遣い』をサンプリングしたという風にしても無理がある長さよね」
照「それに、ある事件があってからは鏡を使うのを少し躊躇うようになった」
穏乃「事件!?」
照「」コクリ
穏乃「事件って一体…………」
照「……………………」
穏乃「…………あのー?」
照「鏡について話した。この続きはまた別」
穏乃「あ、お菓子……はい、どうぞ」
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:46:50.63 ID:Veh8rIUF0
照「ありがとう。その事件と言うのは……」チラ
哩・姫子「」
穏乃「?白水さんと鶴田さんがどうかしましたか?」
照「……鏡を使った時に見えた光景が忘れられない」
穏乃「どんな光景だったんですか?」
照「…………言いづらい。1つ言えるとすれば、喉が渇きそうなことしてた」
穏乃「???」
照「とにかく、そんな姿を見せつけられてからは、それっぽい人の時には覚悟して鏡を使ってる。これは内緒の話だけど、準決勝で園城寺さんに使った時はちょっと警戒してた。清水谷さんと浪速の感じでアレコレしてる可能性大だったから」
穏乃「浪速?????」
菫「まとめると、フリースタイルバトルでは不向きだったというわけだ。そうだろう?照」
照「うん」
菫「わかってくれたか?わかってくれたよな?もう質問は無いな?」
穏乃「は、はい……色々ありがとうございました」
照「こちらこそ。お菓子、美味しい。またあとで質問してほしいくらい」モグモグ
穏乃「本当ですか?わー、嬉しい。聞きたいこと結構あるんですよ!まだお菓子あるので、また後でお願いします!」
照「うん」モグモグ
玄「ぅわわ……穏乃ちゃん、宮永さん相手に堂々としててすごいなぁ。私、宮永さんの前に立つだけで怖くて震えちゃいそうになるのに」
宥「あんな風に楽しそうにお喋り出来る穏乃ちゃんが羨ましい……」
憧「………………」ム
晴絵「確かにしずは物怖じしないよね。誰とでもすぐ仲良くなれる感じ。宮永照もすんなり心を許してるっぽいし」
憧「………………」ムムム
照「」モグモグ
穏乃「」アハハ
憧「…………こほんっ!」
照「?」
穏乃「?」
憧「あ、ああ〜、なんか私お腹減ったなぁ〜」チラ
穏乃「?」
憧「我慢できないから、何か食べたいなー。このままじゃお腹空きすぎて倒れちゃうかも〜。でも何も持ってきてないやー。誰かに貰うしかないかもねー」
やえ「ふっ、心配しなさんな。豆パンを買ってあるから食べるといい」バァァァン!
憧「グギギ……」ギリギリギリ..
やえ「えっ!?な、何故そんな顔をされる!?私が何かしたか!?」
煌「すばらです」
やえ「どっちに対してだ!?」
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:47:17.70 ID:Veh8rIUF0
白望「………………」
白望(宮永照が負けたことに関して、チーム内のショックはさほどでは無い、か。宮永照が率先してそうなるよう振る舞った……という感じでもないけど……というか、なんかあの人、性格が丸くなった?まぁ……よく知ってるわけではないけど)
エイスリン「カントク!」
晴絵「ん?どうしたのエイスリンさん」
エイスリン「メガネ!」
晴絵「え?」
エイスリン「ヨンデル!」
晴絵「ああー!役人さんが早く選手出せって言ってるのね!いっけない。すっかり和んじゃってたわ〜」
洋榎「選手と一緒になって雑談に聞き耳を立てる監督……」
胡桃「職務怠慢!」
洋榎「いや、めっちゃええやん!フレンドリーでええわ〜!ジュースとかすぐおごってくれそうやし」
豊音「そ、それより、メガネさんちょー困ってるよー?ミカさん、微笑みながら待ってるだけで、メガネさんが場を繋いでるけどー…」
由子「クソぐだぐだよー」
美穂子「監督。誰が向かうのですか?」
晴絵「え?ああ、それは決まってるんだ」
優希「仕方ない……真打ちは遅れて…」
晴絵「竹井さん、お願い」
優希「じょ!?」
久「私ですか?」
晴絵「そ。頼むね」
久「……わかりました」
久(ここで私か……正直予想外)
美穂子「あの、久……これ、良かったらステージ上で飲んでください。ノドにいい成分が入ってます」
久「お、美穂子お手製のドリンク?ありがと、いただくわ」
美穂子「頑張ってください。帰りを待っています」ニコリ
久「……うん。じゃあ行ってくる」ザッ
照「…………」モグモグ
菫「どうした照。竹井久をじっと見て。何かあるのか?」
照「……彼女も危険」
菫「危険!?どういう意味だ?」
照「鏡で見たら、結構色々としてそう……」
菫「??」
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:47:52.69 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
久「お待たせしました!」
ミカ「気にすることはないよ。私は待っていない。それどころか、ステージに1人佇むことを本心で望んでいたのかと思うほど心穏やかだったからね」
久「……そっか」クス
久(相変わらず不思議な雰囲気の子ね)
久(……しっかし、ここで私……監督は何を思って起用したのかしら?)
久(私のスタイルはオーソドックス。なんなら、補欠かもと思ってたんだけどね)
役人「よかった……っ!何かトラブルがあったのかと思いましたよ」ホッ
久「申し訳ありません。諸事情で遅れました。以後気を付けます」ペコリ
久(諸事情っていうか宮永照と高鴨さんのやりとりを見て、ほんわかしてただけなんだけど)
役人「い、いえ!問題なければ結構ですから!準備はよろしいですか?」
久「はい」
ミカ「準備……どこまでを準備と言うのだろう?勝利に対する準備なら、相手の実力やバックボーンを知らなければ準備をしようがないけれど」
役人「あ、その…………じゃんけんしてください!」
久(相手するのをやめた……でも正解ね。というか、私もこの子のペースに呑まれないようにしないと)
ジャンケンポン
久「!後攻にします」
久(とりあえず後攻ゲット。彼女のフロウで会場を支配されないように対抗しないと……やれるだけやってみますか!)
役人「では先攻、戦車道チーム ミカ!後攻、麻雀部チーム ミーホヒーサー!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:48:19.95 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=Y6cLPSN85gE
2:10
<第17戦 先攻 ミカ VS 後攻 ミーホヒーサー>
ミカ「打って 変わ って って ってな感じって」ワァァ
ミカ「ノリノリの地の利 生かすように」ワァァ!
ミカ「楽し げ じゃなくて楽しい」ワァァ
ミカ「さっきの余韻 がポイン ト」ワァァァ!
ミカ「ミーホヒーサー 時間が か か か か った」
ミカ「もしかして キンチョウし〜た〜?」ワァァァ!
ミカ「私は ここが ご近所〜みたい」
ミカ「そんな、ショーし た〜〜い です」ワアァァ!
久「♪ずんずんずんずんずんずんたった」ワァ!
久「♪ずんずんずんずんずんずんたった」ワァア!
久「フロウがダメならリズムで勝負」ワァァ!
久「プラス、ライムとパンチラインで勝負」ワァァ!
久「時間かかった お待たせしました」
久「リラックスしすぎた ご近所な気分」ワァァ!
久「身分はイーブン 気楽にもう一度」
久「♪ずんずんずんずんずんずんたった」ワァァァ!
ミカ「ずんずん しすぎてどこ行くの?」
ミカ「通りすぎチャッてるんじゃなイのかな?」ワァァ
ミカ「私はず っと立ったまんま〜」
ミカ「たった ワンバ〜 スで勝っちゃう」ワァァァ!
ミカ「キミ なんだ か奇抜 な印象」
ミカ「注・意 ギャンブル依存症」ワァァ!
ミカ「わたし音に合わせまくり盛り上げてくこの場かなり」ワァァ!
ミカ「熱くさせて軽く上げて必ずもらう価値ある勝ち」ワァァァ!
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:48:46.25 ID:Veh8rIUF0
久「ずんずん通り過ぎた先で 待ってます」ワァァ!
久「振り向き 止まってます」ワァァ!
久「追いついてから せーので差を付ける」
久「ギリギリの勝負 バトル依存症!」ワァァァ!
久「フロウ特化 その他は 超特価」ワァァ!
久「尖りすぎて 横殴りで折れそうだ」ワァァ!
久「だけど別に私もその早めフロウ出来るからさ」ワァァァ!
久「あなただけのモノでないことをここで見せつける!」ワァァァ!
ミカ「見せつけたと見せかけて間違いだとバレてしまう」ワァァア!
ミカ「い まか ら そうする」ワァァ!
ミカ「こやって イケる とこ 行く」ワァァァ1
ミカ「キミは モノマネ 似てない」ワァァ!
ミカ「このフロウ 横殴り 無理 熱さ」
ミカ「常夏 そっくり モノマネ女王」ワァァァ!
ミカ「折れそ で折れない のね これ」ワァァ!
ミカ「ごめん とゆ ことで シユーアゲイン」ワァァァ!
久「また会ったわね お久しぶり」
久「さよならの向こう側から来ました」ワァァァ!
久「勝ち逃げ以前の言い逃げにゲッと」
久「なるけど 持ってるよ 後攻のチケット」ワァァァ!
久「審査員と観客票もゲット」ワァァ!
久「下馬評を覆し 飛び立つよジェット」ワァァァ!
久「優勝したい だから倒す」ワァァ!
久「ミカさん個性派 でも ガラパゴス」ワァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァ!
ミカ「………………」
久「………………」
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:49:19.34 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、ミカが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「……後攻、ミーホヒーサーが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!
久「!」
役人「まずはミーホヒーサーに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「ミカ」
理事長「ミーホヒーサー」
トシ「ミーホヒーサー」
秋一郎「ミーホヒーサー」
南浦「ミカ」
役人「勝者!麻雀部チーム、ミーホヒーサ〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
久「勝っ……た?」
ミカ「そうだね。キミの勝ちさ」
久「ミカさん……」
ミカ「素直に認められる負けだよ」スッ
久「あ、ありがとう」ガシッ
ミカ「それでは、敗者は去るとしようか。だが覚えておくといい」
久「え?」
ミカ「風は移りゆくもの……そしてその風には強弱だけではなく、色や匂いもある。五感をすり抜けてしまう類のモノもね」
久「………………そうね!わかるわ!」
ミカ「うん、それでいい」テクテク..
久「………………」
久(天江さんみたいな感じなのね、きっと。うん)
久(……それにしても……今になってやっと気付いたわ)
久(今のバトルが始まる前は、宮永照が負けたこと、そして破った相手が奇抜なフロウのミカさんだったことで、会場の空気は一気に戦車道チームに寄った…)
久(つまり、麻雀部チームにとってアウェイも同然だった。もっとミカさんのバトルが見たいという雰囲気になっていた…)
久(その場に出ていき、ミカさんと戦うということは圧倒的な不利を意味する。でもそれは、言い換えれば…………悪待ちと似ている!)
久(だから監督は私を選んだ。そして、私はその期待にちゃんと応えられた)チラ
ワァァァァ!
久「〜〜〜〜っ!」ブルルッ!
久(この感じ!負けると思われてた状況からひっくり返してお客さんに支持されること!自分の仕事を全うしたこと!気持ち良すぎる!!脳からなんか出てる〜!)ゾクゾクゾクッ!
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:49:52.66 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側】
晴絵「竹井さんがやってくれたね」ニコリ
憧「ハルエの狙い通りバッチリって感じ?」
塞「智将と呼ばれる監督だけあってお見事でした」
晴絵「まぁね」アハハ
竜華「?智将なんて呼ばれとった?」
セーラ「知らん」
白望「塞は、たまに心にもないこと言う……」
塞「い、言わないわよ!雑誌に書いてあったの!それに本心!」
灼「もし雑誌に載ってなくても、智将という評価は間違ってない。ハルちゃんは頭いい。普通免許だって持ってる」
智美「ワハハ。免許なら私も持ってるぞー」
灼「………………」
智美「何故黙るのか」
煌「車を買わない若者が増えている昨今において、高校生でありながら免許を取得するとは、まさにすばらです」
智美「…………褒められた」
佳織「良かったね」ニコリ
晴絵(……竹井さんはバランスがいいし、器用だから相手に合わせて戦える。ここで3人抜きくらいしてくれればかなり後が楽だけど……さて、相手はどう出るか)
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:50:19.66 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
ミカ「ただいま。勝利というのは難しいね。手中にしたと思っても、隙間からサラサラと砂のように零れ落ちてしまった」
ペパロニ「えー!なんでギュッて握ってなかったんすかぁ?簡単っすよ?ホラ」ギュッ
ミカ「それは……まぁ…………そういう表現というか」
ペパロニ「握力足んないんすか?それならトレーニングするっすよ。こうやって手をグーパーするんす」
ミカ「……ありがとう。今度やってみるよ」
ペパロニ「そうやって後回しにしてるからダメなんすよ〜!今すぐやるっす!はい、グーパーグーパー」
ミカ「…………アキ、ミッコ」
アキ「ごめんなさいペパロニさん。ミカ、試合後で疲れてるみたいで…」サッ
ミッコ「ペパロニさん!こっちで遊びましょうよ!折り紙でハンドスピナーみたいなの作ったんです!」
ペパロニ「マジっすか!折り紙ハンパねーっすね!今すぐ行くっす!」タタタタ
ミカ「………ふう……例え1つでここまで巻き込まれるとは」ハァ..
アキ「ミカの回りくどさも原因だよ?」
ミカ「……人生は回り道の連続だ。最短距離が心に豊かさをもたらしてくれるとは限らないよ」
ケイ「そうなの?最短距離ってどういうルート?」??
ミカ「………………」
アキ(深く考えずに言っちゃったんだろうなぁ。困ってる……でも今度は助けないからね)
ケイ「人生の回り道っていうのも教えてよー!」
ミカ「……今がその状態さ」
ケイ「?もっと具体的にプリーズ!」
ミカ「……………アキ……」チラ
アキ(すぐ思わせぶりなこと言うからだよ。ちょっと反省してもらうからね)
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:50:51.56 ID:Veh8rIUF0
エリカ「ったく……バトル終わってすぐ雑談なんて大したものですよね」
まほ「試合での労をねぎらおうと機会を待っていたが……不要のようだ」
エリカ「それにしても、あいつが負けるとは思いませんでした。すごくいい流れだったのに……」
まほ「そうだな。だが相手もなかなかやる。アンサーが出来ているし、フロウも標準以上。ユーモアの効いたパンチラインもあった」
エリカ「『シーユーアゲイン』に対する『さよならの向こう側から来ました』とかですか……確かにアンサーは結構上手いみたいですね」
まほ「ちなみに『フロウがダメならリズムで勝負』の部分はライムスターの『K.U.F.U』の『声が無いならリズムで勝負』のサンプリングでもある」
エリカ「気付かなかったです……ちなみに次の試合、誰をぶつけると思いますか?」
まほ「そうだな……ミーホヒーサーは、なんでもそつなくこなせる器用なタイプ。となると…」
まほ「角谷杏」
千代「角谷さん」
杏「ふぁい」モグモグ
千代「その干し芋を食べ終わったら出番よ」
杏「もぐもぐ……ごくん。がってん承知!」
エリカ「まほ先輩!当たりましたね!」
まほ「うむ。総合力ではかなり優れている上に適応力が高いからな。別のスタイルをぶつけてスタイルウォーズで返り討ちに遭う危険性を避けたのだろう」
エリカ「……あの人なら、と信頼されてるってことですね」
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:51:18.36 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
久「お」
杏「どもー」ザッ
久(この子かぁ〜……なるほどね)
杏「よろしくぅ」
久「ええ、よろしく」
役人「それではじゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
杏「後攻〜」
久「…………」
久(DVDで観た時もそうだったけど、あいこにすら持ち込めないのね……なんなのかしら?この強さは)
役人「OK!先攻、麻雀部チーム ミーホヒーサー!後攻、戦車道チーム アンジー!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:51:48.20 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=7292oxSQZ4Y
2:45
<第18戦 先攻 ミーホヒーサー VS 後攻 アンジー>
久「じゃんけん強いんだもの 後攻とるわよね」
久「でもそれを 卑怯・卑劣・愚か・愚策・恥とは思わない」ワァアァァァ!
久「だからここで先攻 落ち着いた戦法で勝つ」
久「遠慮しない 謙虚でもない ただただ連勝」ワァァ!
久「私と同じ髪を二つ結び でも印象違う」
久「『幼さと あどけなさと 法に触れたさ?』」ワァァア!
久「髪型が相まって 小学生みたいよ?」ワァァ
久「私はシンプル 問題ない そんな 学生議会長」ワァァァア!
杏「え? なんだって? ごちゃごちゃ言ってる 学生議会長」
杏「よく聞こえない 拡声器無いと ダメっぽいね」ワァァァ!
杏「学生の模範の真逆 アイタタな異常行動」
杏「大会で牌を叩き付けてた 牌が可哀想よ〜?」ワァァァァ!
杏「法に触れる? そんなん よく言えるなぁ でも」ワァ
杏「今はお好きにどうぞ 20年後たっぷり味わうよ 優越感」ワァァ!
杏「MCネーム ミーホヒーサーだっけ?」ワァァ
杏「センス疑っちゃう ひーどいーなーまえ」ワァァ!
久「そういう意見 まぁわかるわ でも 君の名は?」
久「身体入れ替わって 理由聞いて回りたいくらいの 意味の無さ」ワァァァ!
久「新海さん よりも信頼が 無くて ニンマリわ らってる」ワァァ
久「その笑顔似合ってる でも 遠慮せずに勝ってく」ワァァ
久「幼さと若さは別物 ですのよ? 奥様」ワァァ
久「年とれば老ける マンガみたいにならない ご苦労様」ワァァ!
久「叩き付けた牌 確かにそう でもあの牌たち」
久「私に叩かれて悦んでた ドMだから大丈夫〜」ワァァァ
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:52:15.63 ID:Veh8rIUF0
杏「全国大会で なんですんの SMプレイ」ワァァ
杏「チームメイトのみなさん 早く 決別すればいい」ワァァァ!
杏「一索(イーソー)なら いっそ 欠けても いいっしょ? とか言いそう」ワァァァ
杏「物は大切に 解説しなくてもわかるっしょ と言いましょう」ワァァァァ!
杏「シーソー のように傾く勝敗の行方 厳しそうと」ワァァ
杏「思ったけど なんか勝ち目ありそう 叶いそう理想」ワァァァ!
杏「牌を叩いた 今度は 私に叩かれる番」ワァァ
杏「でも実は隠れドMだから 大丈夫かぁ!」ワァァァ!
久「そう言いつつ逆転されるの望んでそう この子」
久「追い詰めて 閉じ込めちゃおうか 倉庫の方」ワァァ
久「でも喜んでそう アンジーの方が 隠れドM」
久「理想は裏切られる 期待外れのゲーム」ワァァァ!
久「叩かれてもいい でもそれは意味が違う」
久「叩かれて伸びるタイプってこと わかります?」ワァァァ!
久「アンジー 干し芋ばかり食べて 高カロリー」
久「私 女の子にモテるタイプ 超カッコいい〜」ワァァァ!
杏「高カロリーをエネルギーに変えて こんなノリ 貫く」ワァ
杏「冗談を言い つつも 本歌取り(ほんかどり) しない オリジナル」ワァァ ※本歌取り・・・有名な古歌(本歌)の1句もしくは2句を取り入れて作歌を行う方法。
杏「あんたって メンタル弱そうだから 叩かれて」
杏「伸びるのは 精神的なリハビリ期間ぐらいでしょ」ワァァァァ!
杏「お腹空いてるから 物に当たるんじゃないっすか〜?」ワァァ
杏「干し芋が嫌なら 黒糖 モグモグと食べてればいいよ」ワァァァ!
杏「あと最後に一言 お願いを聞いてね?」
杏「負けても マイクだけは 叩き付けないでね?」ワァァァアァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァ!
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:52:43.37 ID:Veh8rIUF0
役人「それでは判定に入ります!先攻、ミーホヒーサーが勝ったと思う人!」
ワァァァ!
役人「……後攻、アンジーが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「まずはアンジーに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「アンジー」
理事長「アンジー」
トシ「アンジー」
秋一郎「アンジー」
南浦「ミーホヒーサー」
役人「勝者!戦車道チーム、アンジ〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
久(……負けちゃったか……)フー..
杏「お疲れ。ほい」スッ
久「え?この袋は……干し芋?」
杏「そ。負けた相手に貰うのも微妙かもしれないけどさ、お近づきの印にって思ってね」
久「美味しそう。ありがたくいただくわ」ニコッ
杏「よかった。あとで渡してもよかったんだけど、なんかあんたとは気が合いそうだからさ、出来れば直接渡したいな、って」
久「あ、実は私もそんな気がしてたの。なんとなくの感覚だけど」
杏「やっぱり?」ニヒヒ
久「……だからペットボトルに立てかけるように置いてあったのね。延長になったら食べるの?って不思議に思ってたのよ」
杏「やー、バトル後の給水はしても、さすがに食べはしないって〜」アハハ
久「それもそうよね」アハハハ
杏「あ、そうそう、干し芋も美味いけど、大洗には他にも結構色々食べ物があってさ〜」
久「そうなの?教えて教えて?」
杏「うちの近くの店だと…――――」
久「うわー、食べたい!でもうちも結構隠れスポット的なお店もあるんだけど、あ、そういえばウチの学食にはタコスもあってね…―――」
役人「………………」
役人(試合後の多少のやりとりは構わないが、いくらなんでも長すぎるのではないだろうか?主婦同士の会話のようだ……しかし、矢継ぎ早に言葉が飛び交っていて、止めるタイミングが掴めない……)
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:54:10.77 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側】
久「ただいま〜!ごめんなさい、負けちゃった」
咲「でも可愛かったです」
久「お、可愛いかぁ」
咲「はい!」
まこ「負けた直後のそれは褒めとるんか?」
洋榎「あの子強いなぁ。あんたも悪なかってんけど」
久「そうね。負けて悔しいけど、なんだか楽しかったわ。そうそう、あとで連絡先交換する約束したのよ」ニコニコ
美穂子「……」ピクン
久「なんだかいい友達になれそう」
ゆみ「ひ、久。もっと『友達』という部分を強調するんだ」
久「え?なんで?」
ゆみ「それは……」チラ
美穂子「心配しなくても平気です。私は久をずっと待ち続けるから。例えどんな姿になっても」ニコリ
ゆみ「そ、そうか……」
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:54:55.12 ID:Veh8rIUF0
久「ま、それはそれとして……監督、すみませんでした。ご期待に応えられず」ペコリ
晴絵「そんなことないって。充分期待に応えてくれたよ」ニコリ
久「…そう言ってもらえるとありがたいです。2人抜き3人抜きを狙ってたから正直悔しいんですけどね」
照「仕方ない。アンジーさんは強い。そして優しいから」
久「優しい?」
照「自分の右手を見て」
久「右手?あぁ、干し芋くれたわね」
照「………………」
久「…………1ついる?」
照「うん」
久「じゃあほら、あーん」
久(なんてね。ちょっとからかってから普通にあげ…)
照「…………あー……」
久「!!」
久(宮永照があーんした!?)
久「ど、どうぞー」スッ
照「んむ。もぐもぐ…………美味」
久「………………」
久(こういうの、ギャップ萌えっていうのかしら?怪物じみた強さのイメージが強かった分、今の姿はなんか可愛く見えるわ)
美穂子「………………華菜」
華菜「は、はい!」
美穂子「干し芋のレシピをその手の平メカで調べてもらえるかしら?」
華菜「手の平メカ?あぁ、スマホですね?わかりました」
ゆみ「ほ、干し芋を作るのか?」
美穂子「……久の胃袋を支配するためには頑張らないといけませんから」
ゆみ(胃袋を掴むとは言うが、支配とは物騒な……)
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:55:21.22 ID:Veh8rIUF0
揺杏「ウケる。マジラブコメじゃね?」
爽「うん。でも上手くバランスがとれている。傍から見ていると、とても楽しい」
誓子「悪趣味…」
成香「そういえば、こういう合同チームでの試合にありがちな、負けたあとのギスギス感が無いですね。ホッとします」
由暉子「確かに短期間だけの即席チームでは言い争いがデフォな感じがしますね」
爽「でも私たちは勝利を目指して一丸となってる。理想的だな」
揺杏「一丸、かな?あっち寝てる子いるし」
爽「小瀬川さんはいいんだよ。寝顔可愛いし。口元の緩さ加減がはしたないまでいかないのが絶妙!」
誓子「なんで寝てる子の口元とか見てるの……」
成香(……私も寝てる時に見られてたのでしょうか……//)ドキドキ
晴絵「獅子原さん」
爽「!おっと」
揺杏「これは…」
成香「出番ですか?」
爽「みたいだね。手招きしてる」
由暉子「ついに、ですね」
爽「うん」
爽「……………………」
爽「…………ユキ」
由暉子「はい」
爽「……『家は香油の香りでいっぱいになった』」 ※新約聖書『ヨハネによる福音書』12章3節
由暉子「『夕べがあり、朝があった』」※旧約聖書『創世記』 1章5節
誓子「チョイス間違えてるよね?」
揺杏「他にもあるだろねー」パタパタ
成香「……どころで、このMCネームはどういう意味ですか?」
誓子「『爽P(さわやぴー)』のPって何?」
爽「プロデューサーのPだよ!ユキのな!」
由暉子「ステージに立つ爽先輩が主役なんですから、その名前は変なのでは?」
爽「いやいや!私が活躍することで『誰をプロデュースしてるんですか?』、『実はね、ウチにいい子がいるんですよ』って会話になるだろ?」
誓子「ならないと思うけど」
爽「そうかな?ま、とにかく!出来るだけのことはやってみるよ」ザッ!
由暉子「お気を付けて」
揺杏「いってら〜」パタパタ
成香「応援してます」
誓子「頑張ってね」
爽「おう!」ザッ
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:56:04.37 ID:Veh8rIUF0
爽「…………」テクテク..
爽(連れて来れたカムイは数体……でも実際にバトルで活かせるのは3体かな。1体はライムとフロウ、そしてもう1体はパンチラインに繋がる発想力を私の実力に上乗せ出来る…)
爽(そしてホヤウで相手のディスを無効化。冷静さを保てる)
爽(カムイの力が使えるのは4試合ってところか。延長戦まで決着が長びいたとしても2試合はもつ。2人抜きはしたいね)
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:56:48.24 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
爽「………………」
杏「!…………」
杏(この子、選ばれたんだ。秋山ちゃんたちの情報では、実力はそこそこって話だったけど……偵察中は手の内を隠してたっぽいね)
役人「それでは先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケン..
爽「ポン」(パー)
杏「ポン」(グー)
爽「勝った」ニコ
杏「!!!」
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:57:32.39 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
柚子「うそっ!?」
桃「そんな!!」
沙織「角谷先輩がじゃんけん負けるの初めて見た」
柚子「私も初めてだよ……」
桃「引き分けすら滅多にないというのに……何者なんだあいつは……」
麻子(Tokiさんと同様、未来予知か?いや、まさかな)
【ステージ】
杏「………………」
爽「お?ずいぶん驚いてるみたいだね」
杏「……まぁね。私、じゃんけん強いから」
爽「うん、なんとなくわかる。でも残念だったね」
杏「………………」
爽「私って、なんか見えないモノに守られてるからさ」フフ
杏「………………」
爽(……思いがけないダメージを与えたみたい。意図的ではないにせよ、これで冷静さを欠いてくれれば戦いやす…)
杏「……へぇ。じゃあ…」
爽「?」
杏「キミの力で勝ったんじゃないんだね」クス
爽「――――」
杏「…………」ニッ
爽「……ははっ。言ってくれるね」ニヤ
役人「爽Pはどちらを選びますか?」
爽「後攻っ!」
爽(そして……カムイを使う!最初から全力だ!)ゴッ!
役人「OK!先攻、戦車道チーム アンジー!後攻、麻雀部チーム 爽P!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:58:20.90 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=33N0_SX_kXI
3:25
<第19戦 先攻 アンジー VS 後攻 爽P>
杏「負けるために 出てきちゃった 爽P」
杏「私の方が歓声上がる いい意味で 騒がしい」ワァァ!
杏「キミの見せ場は もう終わった さっき勝った じゃんけんだけ」ワァ
杏「実力発揮しても いかんせん 不完全な出来」ワァァ!
杏「未完成 未成熟 全然無いね 芸術性」ワァァ
杏「すっげー うっせータイプか 静かなタイプか イマイチわかんないけど」
杏「そもそも この子の 名前、爽やかって字が全部物語ってる」
杏「×(ばつ)が4つも入ってる時点で勝てるはずないじゃん?」ワァァァァ!
爽「バツなはずがないよ これはX(エックス)です 4XL」ワァァ!
爽「くらいの器 万能性は マイクロソフトの Excel」ワァァァ!
爽「しかもX以外に『大きい』って字も入ってる」
爽「この1文字でわかる ハンパないデカさ 気合いも増してく」ワァァ!
爽「歓声が騒がしい のは そろそろ 打ち止め」
爽「この試合 差はガチ で開き 私はすぐに次のフェイズ」ワァァァ!
爽「マグダラのマリアの出番は無い アンジーの復活祭」
爽「なんて行われない 言葉が出ない 屈託ない 笑顔もう見れない」ワァァ!
杏「何言ってんのキミ? マグダラのマリア?」
杏「Pを名乗る アイドル好きの グダグダのマニアがさぁ」ワァァァ!
杏「器がデカくても モノ言うのは 内容量だから」ワァァ!
杏「私みたくちっこくても 味があれば 大好評につき再登場」ワァァァ!
杏「Excelも使いこなせてるか 怪しいもんだー」
杏「関数なんて ちんぷんかんぷん 的な 悲しい女だったり?」ワァァ!
杏「歓声が打ち止めって言ったね 全然沸いてるけど?」ワァァァ!
杏「確変状態だよ あーあ、この子 適当な言葉 吐いてる外道〜」ワァァァ!
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:59:07.96 ID:Veh8rIUF0
爽「確変状態 勘違い 大ぼら吹き 隠せん正体」ワァァ
爽「しょうもなすぎ 正午は過ぎ もう寝ぼけてる時間じゃないよな?」ワァァ!
爽「再登場はいいけど それって 一度負けてるよな?」ワァァ!
爽「そんな才覚、無くて どうすんの? 勝てないよ 敗者復活戦」ワァァァ!
爽「私は別に否定しないよ 確かに グダグダのマニア」
爽「でもアンジーにはノセられない 嘘スレスレの 迂闊な冗談には」ワァァァ!
爽「外道っての 言いがかりでしょ 押し付けの超エゴ」ワァァ
爽「でも 気にしねぇよ だって へのつっぱりは いらねぇもん」ワァァ!
杏「おお!言葉の意味はわからんが とにかくすごい自信だ!」
杏「でも負けちゃうんだから 人生上手くいかないね 悲しスグル」
杏「ってお客さん意味が通じてない 今のやりとりは キン肉マン」
杏「信じるか 信じないかはあなた次第 でも私の勝ちは 真実だ」ワァァァァ!
杏「それと再登場は負けたわけじゃない 単なるお色直し」ワァァ!
杏「わかる? 坊ちゃん その決め付け 視界が狭いぞなもし」ワァァァ!
杏「そもそも プロデューサーが表に出て 制服がステージ衣装」
杏「なんなの? 担当いないの? プロデューサーって もしかして〜自称?」ワァァァア!
爽「プロデュースしてる子はいる でもそれは麻雀界での話」
爽「見ても可愛い 声だって可愛い すぐそばで匂いを 嗅いでも可愛い」ワァァァ!
爽「そんな子を磨いてる だから私はマジで プロデューサーだ」
爽「でもそれに加えて 表舞台でも戦う余裕あんだ」ワァァ!
爽「視界は広い なんたって正真正銘の道民」ワァ!
爽「アンジー 調子ん乗ってる 押韻で 放心状態にする方針」ワァァァ!
爽「変化 効いた 言葉の連打 浴びせる 元気消耗」ワァァ
爽「そしてKO後 爽Pの世界観 作り上げる 天地創造」ワァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァ!
爽「………………」
杏「………………」
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 19:59:50.48 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、アンジーが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「……後攻、爽Pが勝ったと思う人!」
ワァァァ!
役人「まずはアンジーに1ポイント入ります」
爽(っ!1ポイント取られたか)
役人「それでは審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「爽P」
理事長「アンジー」
トシ「アンジー」
秋一郎「爽P」
南浦「アンジー」
役人「3対2!勝者!戦車道チーム、アンジ〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
杏「………ふぃ〜、あっぶなかった」
爽「!!」
爽(後攻で、しかもカムイを持ってしても勝てなかった……それほどの実力差があるってーの?いや、そうは思えない……でも負けは事実か……はぁぁ……)
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:00:32.13 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
柚子「やった!勝った!」
桃「じゃんけんに負けても挫けずに倒し切る!さすが会長!」
桂利奈「そこにシビれる!あこがれるゥ!」
あや「ど、どうしたの急に?」
桂利奈「あ、ううん、なんでもない……」
桂利奈(元ネタを知らない人の反応、冷たすぎ……?)
千代「相当拮抗した試合だったけれど、アンジーさんのアンサーとユーモアが勝利の決め手になったわね」
優花里「ユーモアと言いますと?」
千代「爽Pさんの『へのつっぱりは いらねぇもん』というセリフに対し『おお!言葉の意味はわからんが とにかくすごい自信だ!』と返したのは、キン肉マンに出てきたやりとりなの。相手の最後のワードに一瞬で反応して返した上に『人生上手くいかないね 悲しスグル』と、キン肉マンの主人公、キン肉スグルの名前をもじったもの…」
千代「しかもそれに無反応のお客さんに対して説明しつつ、『信じるか 信じないかはあなた次第』とテレビ番組のフレーズを用いながらライミングも絡めて、繋がりのあるラインを決めた」
千代「細かいところでは、そのあとの『坊ちゃん その決め付け 視界が狭いぞなもし』は、言葉として聞くことの少ない『ぞなもし』を使っていて、さらにその『ぞなもし』がよく出てくる、夏目漱石の『坊っちゃん』から来ていて、わかる人はニヤリとしてしまう感じね」
優花里「なるほど……色々と仕掛けがあったのですね」
ミカ「それに、フロウも心地よく決まっていたよ。相手もかなり上手にビートにハメてきていたけれどね」
桃「これで2人抜き!いや、会長ならさらなる活躍が望める!」
柚子「桃ちゃん。さっきも言ってたけど、今の会長は五十鈴さんだよ?」
桃「わ、わかってる!だが急に呼び方を変えるのは難しいんだ!というか、会長は会長!五十鈴は新会長でいいだろう!」
沙織「なんかややこしいような……」
華「わたくしは気にしません。カスとかクズとか呼ばれるのでなければ」
沙織「極端な例すぎるよ!」
そど子「……もう結構な数の試合をやったけれど、現状はどうなってるのかしら?ゴモヨ、パゾ美!」
ゴモヨ「えっとね…」
パゾ美「こんな感じだよ」
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:01:00.02 ID:Veh8rIUF0
<ここまでの試合>
アッサム VS AWA−AWA(大星 淡)○
○ノンナ VS AWA−AWA(大星 淡)
ノンナ VS ATARA(新子 憧)○
○ナオミ VS ATARA(新子 憧)
ナオミ VS Toki(園城寺 怜)○
アリサ VS Toki(園城寺 怜)○
○ロサ・カリーナ(阪口 桂利奈) VS Toki(園城寺 怜)
ロサ・カリーナ(阪口 桂利奈) VS HERO−Se(弘世 菫)○
○カルパッチョ VS HERO−Se(弘世 菫)
○カルパッチョ VS 白鶴(白水 哩)
カルパッチョ VS 舞姫(鶴田 姫子)○
○アンチョビ VS 舞姫(鶴田 姫子)
アンチョビ VS TELU−Biscuits(宮永 照)○
エリカ VS TELU−Biscuits(宮永 照)○
ケイ VS TELU−Biscuits(宮永 照)○
○ミカ VS TELU−Biscuits(宮永 照)
ミカ VS ミーホヒーサー(竹井 久)○
○アンジー(角谷 杏) VS ミーホヒーサー(竹井 久)
○アンジー(角谷 杏) VS 爽P(獅子原 爽)
戦車道チーム 9勝
麻雀部チーム 10勝
パゾ美「……といった感じ」
そど子「現時点ではリードされてるのね」
麻子「だが差は1勝だ。次勝てば同点になる」
千代(うちは残り7人。向こうは8人……さて、どう戦っていこうかしらね)フム
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:01:37.87 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側】
爽「……すいません、負けましたー」
由暉子「惜しかったです」
揺杏「そうそう。きわどかったと思うよ」
晴絵「そうだね。勝っててもおかしくなかった」
爽「……ありがとうございます」
ネリー「……ねぇ、獅子原」
爽「ん?何?」
ネリー「あの隠してるやつ、どうして使わなかった?使ってれば勝てたでしょ」
爽「…………まぁ、確かにね。でも相手を妨害するのは卑怯だと思ったから」
ネリー「………ふーん」
菫「……淡、気にするなよ?人それぞれ生き方が違うんだからな」
淡「べ、別に私のはズルじゃないですもん!」
菫「だが相手の思考に影響するではないか」
淡「むぅぅ……テルー!菫先輩がいじめるー!」
菫「やれやれ……」
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:02:22.17 ID:Veh8rIUF0
晴絵「…………」
晴絵(相手への妨害は抜きにしても、獅子原さんならアンジーさんに勝てると思ったんだけど……上手くかわされたみたいだ)
晴絵(……何を話したのかわからないけど、バトル前の会話で、獅子原さんはほんの少し顔を強張らせた。おそらく、挑発か獅子原さんのプライドに関わるような話と思うけど…)
晴絵(その会話によって迷いが生まれたんだろうね。完全には力を発揮出来ていなかった。そのせいで、わずかな差ながら負けてしまった)
晴絵(……バトルの前から勝負は始まってる。アンジーさんは大洗を廃校の危機から守るために奮闘したみたいだし、大人との腹の探り合いで駆け引きは慣れてるみたいだ)
智葉「……次負けたら3人抜きだ。チームとしての成績ではイーブンになるだけだが、これ以上勢いをつけさせるわけにはいくまい」
ネリー「サトハが出ればいいんじゃない?そしたら止められるよ」
智葉「監督が望むならそうするつもりだが」チラ
晴絵「………その提案も悪くないんだけど、今回は別の子に出てもらうよ」
ネリー「へぇ……確実なチャンスを逃すんだ?スポンサーがいたら切られちゃうよ?」
灼「だ、だめっ!」
ネリー「え?」
晴絵「灼?」
灼「ハルちゃんは実業団リーグの時に、親会社の不振で解散という辛い目に遭ってる!もしスポンサーがいたらなんとかなってた!でも現実はダメだった!責めないで!」
晴絵「い、いや、それは……間違ってないけど……うん、でもそうやってかばわれると辛いから、ね?」
灼「私はエバーグリーンを忘れない!タオルとか今でも使ってる!確かに色落ちしやすいのは納得出来ません!でも落ちないよう気を付けてる!」
玄「あ、灼ちゃん。その辺にしておこう?赤土さん困ってるから」グイグイ
灼「いきなりエバーグリーンが解散した時は困ったと思う。その時のハルちゃんの心情は想像するに…」ズルズル..
智葉「………………」
ネリー「………………」
晴絵「……し、仕切り直すね」
ネリー「うん。で、誰を出すの?サトハより強い子なんて…」
晴絵「辻垣内さんよりどうこうじゃなくて、私が思う最善の人選だよ……………和!」
和「!私、ですか?」
晴絵「そ。アンジーさんを止めてきてよ」
和「…………私に務まるかはわかりませんが……精一杯戦います」キリッ!
智葉「……ふっ、絶対に勝てよ?」
和「そのような約束はできませんが、私自身はできるだけがんばるつもりです」
智葉「ならいい」クス
ネリー「……ま、サトハがいいなら文句ないけど」
和「咲さん、行ってきます。あの……エトペンを預ってもらっていいですか?」
咲「うん、もちろん。和ちゃん、応援してるね。頑張って!」
和「はいっ!」
灼「ハルちゃんも頑張って!人生!」
晴絵「う、うん。ありがと」
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:03:26.16 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
和「………………」ザッ
杏「ほへ〜、すっごいフリフリだねぇ〜。ていうか、おっぱいデカイね♪」
和「………………」
杏「んー……無反応。寂しいねぃ」アッハハ
和「………………」
和『私、バトルに向いてないと思います』
久『あら、どうして?』
和『相手を攻撃とか、あまり好きじゃないんです』
久『またまたぁ。和の場合、そこにいるだけで貧乳の子にショックを与えてるじゃない』
まこ『わりゃあ、何言うとるんじゃ』
和『……そういうことではありません。言葉で相手を責めるのは苦手で……』
久『うん……和は優しいからそう思うのはわかるわ。でも和の頭の回転の早さと声質、そして冷静さはかなりの武器になる。だから参加して欲しいのよね』
和『しかし……』
久『それにね?絶対に相手を攻撃しなきゃいけないわけじゃないわ。相手の言葉を訂正したり、感想を言うようなアンサーの仕方もあるのよ?』
和『……ですが……』
久『……ねぇ、咲。和がフリースタイルで相手をガンガン倒しまくったら可愛いし、もっと好きになるわよね?』
咲『はい、確かに。私はフリースタイルで相手を倒す人を可愛いと思うのでもっと好きになるでしょう』
和『フリースタイルの申し子になります』キリッ
久『決まりっ!』パチン!
まこ(間違いなく事前に仕込んどったな。情報番組の専門家のような口ぶりじゃったし。咲も巻き込まれて可哀想じゃのう。いや、和もじゃが…)
和「………………」
和(始めたきっかけは、部長に乗せられたからだとしても、今では即興で言葉を操るフリースタイルをとても楽しいと感じています…)
和(音に乗せてリズミカルに韻を踏み、そして内容を組み立てながら相手と対話する……麻雀とは違った楽しさがあります)
和(普段と違う言葉遣いをするのも最初は違和感がありましたが、違う自分がいるかのようでワクワクもしますし)
和(相手を攻撃するのが苦手なのは変わりありませんが、無理矢理攻撃しなくてもいい。人によって戦い方が違うのもまたフリースタイル……)
和(!いけません。もう試合が始まるのにボーっと考え事してました。今、この瞬間も咲さんが見ている。であれば、情けない姿は見せられません!全力で戦います!)ギラッ!
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:04:05.02 ID:Veh8rIUF0
杏「!やる気は充分ってわけね」クス
役人「では、先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
杏「後攻にしまーす」
和「………………」
和(アンジーさんは獅子原さん以外にはじゃんけんで全部勝っている……)
和(……偶然極まりないですね)
役人「OK!先攻、麻雀部チーム のNODOCCI(のどっち)!後攻、戦車道チーム アンジー!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:04:32.82 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=F1GhkoUID9g
2:46
<第20戦 先攻 NODOCCI VS 後攻 アンジー>
和「これが記念すべき 20戦目」
和「NODOCCI の勝利を 知る天命」ワァァァ!
和「3人抜き阻止 して ランキングに載り」ワァァ!
和「祈り のように紡ぐ ライミング命」ワァァァ!
和「爽Pの輝き に負けぬよう 働き」ワァ!
和「負けたならば悲しい 悔しさ 禍々しい」ワァァア!
和「勝利なら僅差 でもいい だから審査員ら」
和「みんな『韻が品があっていいな』と言わせて勝ちます」ワァァァ!
杏「♪ど・ど・ど・どうしたんですか?」ワァァ! ♪DON’T TEST DA MASTER / BUDDHA BRAND
杏「ペンギンを忘れてきたんですか?」ワァァァ!
杏「自分の相棒すらも 置いてきぼり」
杏「その年齢にして早くも 老いてきとりますね」ワァァァ!
杏「品はあるかもね でも品で勝つのかね?」ワアァ!
杏「てか煮込んだら意外と出そう アクとかね」ワァァァ!
杏「ライミングなら うちにもっとすごいの揃っちまってる」
杏「だから 魅力感じないよ NODOCCIさん」ワァァァ
和「ここは戦場 だから 相棒は待機」
和「愛情深いし 安全圏での 対応が大事」ワァァァ!
和「煮込むのはワード そして 1つのパワーを」ワァァ!
和「韻に昇華して浴びせる 魅力のシャワーを」ワァァァ!
和「そうすれば勝つはず バスタブに浸かる芍薬(しゃくやく)」ワァァ!
和「カツカツの脳内から消える 煩悩 108つ(ひゃくやっつ)」ワァァァ!
和「悪態つく より大事 洗練された技術」
和「ディスに囚われない NODOCCI 名言だけ焼き付く」ワァァァ!
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:05:04.20 ID:Veh8rIUF0
杏「焼き付く より遊びたい 野球(やきゅ)つく」ワァァ
杏「芍薬のバスタブに入って 余裕シャクシャク」ワァァァ!
杏「それがアンジー 煩悩まみれだよ」
杏「でも煩悩ゼロになったら人間じゃないよ」ワァァァァ!
杏「ディスらないスタイル いいね 大歓迎」
杏「でもその胸が私ディスってんだよ 許さんぜ?」ワァァァ!
杏「バストはくれてやる だから勝ちをくれ」
杏「ちっぱいの恨み 炎上中に 薪をくべる」ワァァ!
和「炎上中 でも無理 これを献上する のは」ワァァァ!
和「コツを掴もうと 不可能と 返答する」ワァァァ!
和「余裕シャクシャク で 呼吸が深く」ワァァア!
和「リラックス 私もそうなり楽する」ワァァ!
和「立ち遅れ ても勝ちをくれ はダメ」ワァァ
和「常に 足を即 出し踊る 勝ち残る」ワァァァ!
和「人は いつも求める ないものねだり」
和「でも 必死すぎたら 叶わないその願い」ワァァァ!
杏「そんなことなくね? 叶う人いるって」
杏「あ、別に胸デカくなりたいからじゃなくってね?」ワァァ
杏「てか踊るんじゃなくてキミ 踊らされてる」
杏「気付いてない 器の 底が透けてる」ワァァ!
杏「服も透けてるようなもん 体型っちゅうの?」
杏「一目でわかるね ボンキュッボン」ワァァ!
杏「で、ないものねだりは 叶わない?」
杏「ならキミの勝利も 叶わないってことだね〜」ワァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァ!
和(……部長と同様、胸のことを言われましたね。やはりお二人は結構似た者同士なのでしょうか?)
杏(色々攻めてみたけど、まったく顔色変えないね……弱点を探そうにもやりにくい)
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:05:31.30 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、NODOCCIが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「……後攻、アンジーが勝ったと思う人!」
ワァァァ!
役人「まずはNODOCCIにポイントが入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「アンジー」
理事長「NODOCCI」
トシ「NODOCCI」
秋一郎「アンジー」
南浦「NODOCCI」
役人「勝者!麻雀部チーム、NODOCCI〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
杏「あー……」
杏(延長いけっかなって思ったけど……うーん、いまいち攻めきれなかったか)
和「…………」
和(とりあえず勝てました……一安心……です……///)ポーッ..
杏「ん?なんか顔赤くない?」
和「そう、ですか?でも大丈夫です。いつもこうなりますので」
杏「へー」
杏(勝負熱、ってやつかね?冷静なようで芯は熱い子なのかもね。冷泉ちゃんとちょっと似てるかも)
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:06:01.71 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側】
まこ「お。顔が赤うなっとる」
久「いつものモードが入ったわね」
優希「のどちゃんが赤くなる。相手は死ぬ!」ジョ!
美穂子「死っ!?あの……そんなことをさせるわけには……」アセアセ
華菜「キャプテン!冗談ですよ!大丈夫だし!」
美穂子「死!?や、やっぱりそんなことは……!」
ゆみ「違う。今のは池田さんの口癖だ」
未春「というか華菜ちゃんが紛らわしいよ」
華菜「わ、私が悪いの!?い、いや!キャプテンを戸惑わせるのは罪だ……罪であります!」
ゆみ(口癖を封じられると普通に喋れないのか……?)
穏乃「戦車道チーム強い!アンジーさん強い!そんなのわかってる!」
憧「わ、急になに?」
穏乃「でも和が勝ってくれた!和すごいよ!」
玄「うん。カッコよかったよね」
灼「ハルちゃんもカッコいいってこと、忘れないでほし…」
玄「う、うん」
晴絵「灼、もう私を無理に持ち上げないでいいから。そうでもしないと誰からも褒められないのかなって逆に落ち込むからさ」
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:06:32.05 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
杏「やーらーれーたー!ごめんねぇ、みんな」
桃「いえ、会長は勝ちました!」
柚子「それは無理あるよ桃ちゃん。せめて『勝ってました』でしょ?」
桃「いや、勝ちったら勝ちだ!」
柚子「もう……」
杏「あのフリフリちゃん、思ったより強かったよ。戦うならそれなりの…」
麻子「問題ない。ねじ伏せる」ザッ
杏「ん?もう冷泉ちゃんが出るって決まったんだ?」
みほ「いえ、監督はまだ何も言っていませんが……」チラ
千代「………………」
麻子「…………監督」
千代「ふふっ、わかったわ。冷泉さん、お願いします」
麻子「!……了解」ザッ!
沙織「頑張って!麻子!」
華「いっぱい踏んでください!」
みほ「い、韻をね?ちゃんと言わないと変にとられちゃうよ」
優花里「あああぁ……!?に、西住殿に変なところを……そんな……///」
そど子「べ、別に冷泉さんに勝ってほしくないわけじゃないんだからねっ!」
カチューシャ「……それにしても、マコーシャったら、ずいぶん気合い入ってるみたいね」
ノンナ「同系統のスタイルでの戦いです。ライミングでのぶつかり合いがしたいのでしょう」
クラーラ「私はカチューシャ様と裸でぶつかり合いたいです(ロシア語)」
カチューシャ「い、今なんて言ったの?」
ノンナ「楽しいな試合になりそうです、と」
カチューシャ「そうなの?クラーラ、日本語で喋りなさいよ!」
クラーラ「はい」
カチューシャ「……『はい』はちゃんと言うのよね……」ハァ..
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:07:06.78 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
和「………………」
麻子「………………」ザッ
役人「では次のバトルを始めたいと思います!先攻後攻じゃんけんをしてください」
ジャンケンポン
麻子「先攻だ」
和「!」
和(麻雀では先制リーチはけん制になりますが、バトルにおいて不利と言われる先攻ですか。意外と血気盛んな方なのですね)
役人「OK!先攻、戦車道チーム REZE!後攻、麻雀部チーム NODOCCI!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:07:40.12 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=nCL3hufJdkg
2:34
<第21戦 先攻 REZE VS 後攻 NODOCCI>
麻子「先制攻撃 こいつ 全然強敵 じゃない宣言」ワァァ!
麻子「上出来な ライム投擲 どちらが上か 問う敵だ」ワァァァ!
麻子「真っ赤な顔 経験不足 やっぱ若造」ワァァ!
麻子「REZE ライムの女神を 永遠口説く」ワァァ!
麻子「毒々しいディスも続々言い つつ」ワァァ!
麻子「ゾクゾクし ながら 地獄送り」ワァァァ!
麻子「全て奪う 残らない 余命すらも」
麻子「誰が何をしようと 蘇生不可能」ワァァァ!
和「蘇生不可能 のケースなど 打破」ワァ
和「前人未踏 NODOCCIが 先陣切ろう」ワァァァァ!
和「ペース落とさず 前進しよう その結果」
和「賢人思考へ 変身し豹変し頂点にGO」ワァァァァ!
和「ライムの数、質 そこに確執 隠しつつ」ワァァ
和「客室 を沸かす 策士風 埋める 白地図」ワァァァ!
和「攻撃されて 困るの始めだけ」
和「私の負け そんなオカルトありえません」ワァァァァ!
麻子「逆だ逆 その頭脳は 役立たず」ワァアァ!
麻子「お前と私じゃ 互角とは言えません」ワァァァァ!
麻子「書き込まれた白地図 各地区から駆逐」ワァァ!
麻子「確実に 白日に晒す まるで アダム、イヴ」ワァァァ!
麻子「オカルト 科学 どうなるとヤバく なるか」ワァァ
麻子「ここで検証しよう そしてこのまま 決勝行こう」ワァァ!
麻子「韻のレベル数値化したら お前が一番ケツ」
麻子「REZEはライムと 一致団結」ワァァァ!
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:08:17.31 ID:Veh8rIUF0
和「一致団結なんですか 私はとにかく 初志貫徹」
和「REZEさん 退場の お時間です」ワァァァ!
和「急な数値化 お遊戯な 稚拙さ に切ない」ワァァァ!
和「最下位が 倍々アップ で新境地 再開発」ワァァァ!
和「大体まず 急に何故 アダムとイヴ?」
和「なんか凄い風 ですが 絡むノイズ」ワァァァァ!
和「デジタルで満たす デミタスより大きくてリアル」ワァァ!
和「そんな的確 ライム 敵かく乱 する積乱雲」ワァァァァ!
麻子「積乱雲 切り裂く ジェット機 乗り」
麻子「劇団風 より自然な Let It be」ワァァァ!
麻子「デッドヒートに なってきたがZ(ゼット)、E(イー)とT(ティー)」
麻子「T.A.I(てぃーえーあい) 勝つ位置へポジショニング」ワァァァ!
麻子「REZEとNODOCCIの どっちの料理ショー」ワァァァ!
麻子「超理想な ライム量、競う ある意味 相思相愛」ワァァァ!
麻子「判定どうしようか 迷うようなら こっちが頂上だから」ワァァァ!
麻子「好評のオーラ 出てるREZEに上げとこうか」ワァァァァ!
和「好評のオーラ 出てない 状況を網羅」ワァァァ!
和「籠城のような 守備も 飄々と踏破」ワァァァァ!
和「強化して 上り詰める 使命を 今日課してく」ワァァ
和「そのように 五感楽しませる まるで京菓子です」ワァァァ!
和「どうかしてる REZEの強すぎる 自己愛 まず」ワァァ!
和「そこを抑えてからが真の 喜怒哀楽」ワァァァ!
和「人がいます ステージの外 もっと客観視」
和「でなければ 簡単に シャットダウン、死」ワァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァ!
麻子「………………」
麻子(こいつ……やはりかなりデキる)
和「……………///」ポーッ..
和(どうしてでしょうか……?この人に対しては、やたらと攻撃的になってしまいます)
和(バトルが続くと熱っぽくなるとはいえ、ディスは苦手なはずですが……)
和(…………私の中に、ライミングでは負けたくないという気持ちが芽生えているのでしょうか?)
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:08:44.69 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、REZEが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「……後攻、NODOCCIが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!
役人「まずはNODOCCIに1ポイントが入ります」
麻子「っ……!」
和「…………」
役人「続きまして、審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「NODOCCI」
理事長「REZE」
トシ「REZE」
秋一郎「REZE」
南浦「NODOCCI」
役人「3対2でREZE!ということは……延長戦です!」
ワァァァァ!
麻子「…………」ホッ
和「……………」
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:09:12.69 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
沙織「あ……っぶなかったぁあああ……」
優花里「心臓が止まるかと思いましたぁ!」
みほ「私も……」ハァァ..
そど子「………………」
華「あら。そど子さん、白目になっていますわ」
ペパロニ「器用っすね〜」
アンチョビ「緊張しすぎて気絶してるんだよ!芸じゃない!」
オレンジペコ「助かりましたが……審査員の判定の決め手はなんだったのでしょうか?」
千代「NODOCCIさんの『オカルトありえません』に対するアンサーと、あとはワードチョイスが良かったことでしょうね。『絶対』をZETTAIと読んで踏んだり、『白日に晒す』の例えとして『アダムとイヴ』を使ったり。そういうところが良かったわね」
ケイ「ソドコが白目を晒してるのもポイントになったのかな?」
アリサ「なるわけないでしょう」
ナオミ「しかしきわどいな。実力が拮抗してる分、どっちが勝ってもおかしくない」
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:09:44.48 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
役人「延長戦の先攻後攻を決めてください」
麻子「…………」
和「……………」
ジャンケンポン
和「後攻お願いします」
役人「OK!先攻、戦車道チーム REZE!後攻、麻雀部チーム NODOCCI!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:10:12.14 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=2L_o1VlZwT0
3:34
<第21戦 先攻 REZE VS 後攻 NODOCCI 延長戦>
麻子「延長 謙虚無し 限度振りきり ライム専属」ワァァ!
麻子「めんどくなるよう 全力出すよ それが 面目躍如」ワァァァァ!
麻子「芯が一層 強くなる 死んじゃいそう なほどに」
麻子「みんな印象 変わる 加わる 審査員票」ワァァァ
麻子「先攻 立場ワリィ でもこれ足がかり にして成りあがり」ワァァァ!
麻子「成功先回り 抵抗、断ちワナビー じゃないと証明の上」ワァァ!
麻子「大笑いで手にする王冠 高難度の技を何個も決め」ワァァ!
麻子「冗談 じゃなく 表紙を飾ってみせる 大洗ウォーカー」ワァァァ!
和「その大洗ウォーカー 読まず このまま行こうか」ワァァァ!
和「また私情 入った 果たし状 返り討ち 降らせます 旗は白」ワァァ
和「死んじゃいそう 大げさ REZE株 もう値下げ」ワァァ!
和「でも人気ありそう 教祖のよう だからここで 信者一掃」ワァァァァ!
和「韻が吉報 もたらす アドレナリンを 脳垂らす」ワァァ
和「つまりジョーカー枠 試合支配しハイになる クォーターバック」ワァァァ! ※クォーターバック・・・アメフトの司令塔的なポジション
和「勝算無く 戦うのでは 妙案湧く ことはありえません」ワァァ!
和「等間隔 で訪れる敗北 REZEのお嬢さん泣く」ワァァァ!
麻子「お嬢さんなのは 見た目的にNODOCCI」ワァァ!
麻子「勝算あるが 教団は無い 量産型じゃない ライマーの総本山だ」ワァァァァ!
麻子「韻が吉報 なら 進化しそう REZE ライムマシンが疾走」ワァァァ!
麻子「ハードなライマーがドライなトライは終わりだ と開花し ハートが湧いた」ワァァァ!
麻子「アメフト 知らず適当言うと 評価下げるぞ? まるで鍋奉行」ワァァァ!
麻子「試合支配 するのはREZE 期待に対して 理解しライム」ワァァァ!
麻子「NODOCCI 見てる 違うとこ ポトポトこぼす ティアドロップ」ワァァァ!
麻子「私に涙は似合わない というか負けて 恥はかきたかない」ワァァァ!
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:10:38.96 ID:Veh8rIUF0
和「恥かきたかない のは 涙が汚いから この意見が忌憚ない」ワァァァ!
和「時間内に 至高のライム 詰め込んで REZEを肥満体 にします」ワァァ!
和「内臓脂肪 たっぷりで ガックリして 退場しよう とする姿」ワァ!
和「一体どうしよう?と 毎秒後ろ 振り返る 次は無い」ワァァ!
和「ライマーの座はNODOCCIの元に でも冷静 ほどほどに驚き」ワァ
和「私がいた場所 空いた隙間 には王座から ライム配達します」ワァァァ!
和「改革には 時間いりません 誰もが抱く 悲観視に負けず」ワァァ!
和「期間気にはせず ひたすらライムし 異端児 見分ける」ワァァ
麻子「文脈崩壊 状態 そんな異端児 見分ける」ワァァァ!
麻子「そっと近付いて 膝、ついでに 他のところも 痴漢しニヤける」ワァァアァ!
麻子「嗅ぎ分ける 偽者と本物 根性より本能で落とす どん底」ワァァ!
麻子「肥満体 コレステロール 気にしない 秘めてる 情熱で勝負」ワァァァ!
麻子「玉座ならすぐ取り戻す 隠れ家 で計画練る 革命家」ワァァ!
麻子「極秘の任務や 食事の人数 品物もこだわる 各メーカー」ワァァァ!
麻子「そしてNODOCCI撃破 こいつがどいたらスッ といただく」
麻子「王座 そんなもんだ 問いただす 価値も無いな 遊んどけ トイザらス」ワァァァ!
和「トイザらス より恋焦がす 私は個性の濃い子が好き です」ワァァ
和「このビート 上手に乗りこなす 語彙も豊富に織り込ます」ワァァ!
和「革命家 の策は 楽に撒く計画 確定前に 砕く学生だ」ワァァァァ!
和「悪性は 躊躇なく制圧 REZEの企みレベルは 学芸会」ワァァァ!
和「常に自分を高め 牌の道 のように進みたいオリジン」
和「それがマイノリティ でも気にしない これが等身大の意志」ワァァ!
和「相乗りし てくれる人たちと過ごす人生 すごく新鮮」
和「だから 打ち抜くライムで急所 手にするマイクで優勝」ワァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァ!
麻子「………………」
和「………………//」ポーッ..
麻子(NODOCCI……ボーっとしてるようで相変わらずライムは固い。しかもあれだけの早口なのに聞き取りやすい。滑舌も声の通りもいい、か)
和(……DVDで観た通りの人ですね。ここまでライミングに特化した人とのバトルは楽しいです)ポーッ
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:11:05.95 ID:Veh8rIUF0
役人「延長戦の判定に入ります!それではまず先攻、REZEが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!
役人「……後攻、NODOCCIが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「まずはREZEに1ポイント入ります」
麻子(よし……!)
和「……………」
役人「……審査員のみなさんの判定はどうでしょうか…………お願いします!」
ババン!
亜美「REZE」
理事長「REZE」
トシ「NODOCCI」
秋一郎「NODOCCI」
南浦「REZE」
役人「3対2!勝者!戦車道チーム、REZE〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
麻子「……よしっ!」グッ!
麻子(あ……喜びのあまりガッツポーズしてしまった……私らしくない)ポリポリ
和「………………」
麻子「……ずいぶん落ち着いているな」
和「……そう見えますか」
麻子「ああ」
和「…………私自身、そうあろうとはしています。ただ……」
和(麻雀は運の要素が強く、最適打を選択してもどうにもならないことがある分、冷静に受け止められるのですが……)
和(フリースタイルバトルは運の要素も多少はあるにせよ、基本は実力勝負。そしてこの延長戦は私が後攻を選んだ上で負けています……つまり、私の全力が通用しなかったということで……)
和(この悔しさは……咲さんと出会った当初に味わったものと同類の……)ググッ..
麻子「あー、すまん。試合後にデリカシーの無いことを言った」
和「え?」
麻子「とりあえず……握手」スッ
和「あ、はい……ありがとうございました」ガシッ
麻子「ん、どうも」
麻子(私もステージで初めて負けた時は悔しかった。私と同じ気持ちかはわからんが、心情を聞くのは野暮だったな)
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:11:39.14 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
そど子「べ、別に冷泉さんが勝って嬉しいとか、そういう姿を見るのが好きとか言うわけじゃないんだからねっ!」
みほ「あの、誰も何も言ってないですけど……」
沙織「でも麻子が勝ってくれてよかったよ〜」
華「ええ。安心しすぎてお腹が空いてきました」
沙織「それは単に華がお腹空いてるだけでしょ」
ペパロニ「腹減ってんすか?ならこの鉄板パスタを食うといいっすよ!」サッ!
華「まあ!ありがとうございます!」
みほ「試合中にジュージュー鳴ってると思ったら…」
沙織「というか舞台袖でパスタ作っちゃダメだよ!」
ペパロニ「そっすよね〜。カセットコンロじゃ火力が足りないっす」
沙織「そういう意味じゃなくて!」
華「おかわりお願いします!」
沙織「食べるの早い!」
千代「………………」
千代(かなりきわどい勝負だったわ。どちらが勝ちでもおかしくない試合……まさに紙一重と言えるわね)
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:12:07.50 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側】
和「負けてしまいました。すみませんでした」
久「ううん、上出来よ。勝っててもおかしくない勝負だったわ」
和「しかし…………悔しいです」
咲「和ちゃん……」
爽「悔しい気持ちはよくわかるよ。だからとりあえずさ、そのエートーペンとかいう人形を抱きしめて、負けた悔しさを慰めるといいよ」
和「エトペンです。ベートーベンみたいに言わないでください」
爽「ありゃ、そうだったのか」アハハ
和「でも……そうですね。獅子原さんの言う通りにしてみます……」ギュッ..
咲「の、和ちゃん?その……エトペンをっていうより、私ごと抱きしめてるけど……//」
和「それが……いいんです///」
咲「そ、そっか……」
和・咲「…………///」
優希「………………じょ」
煌「すばらです」
穏乃「うーん……なんかよくわかんないけど……和は頑張った!」
憧「そだね」
灼「ハルちゃんも頑張った」
晴絵「灼、もういいから。で、次の選手だけど、池田さんにお願いするわ」
華菜「にゃっ!?」
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:12:35.13 ID:Veh8rIUF0
美穂子「出番ね、華菜」
華菜「は、はい……うわ、なんか急に緊張してきたし」ドキドキ
貴子「池田ァッ!!」
華菜「ひぃ!?」
貴子「てめぇ、ここに来て日和ってんじゃねぇぞクソ生徒がッ!!学費払えや!」
華菜「こ、コーチ!?いたんですか!?それと学費は払ってます」
貴子「池田ァッ!の出番が来るまで息を潜めて隠れてたんだよダボがァ!」
華菜「な、何故そんなことを……」
未春「実は見えてましたけどね」
美穂子「そうね」クス
貴子「てめぇが気合い入らねぇようならビンタしてやろうと思ってな!右手の準備は出来てっぞ!」
晴絵「ちょ、久保さん。このご時世にそんな……あとで問題になりますって」
貴子「私は今を生きてる!今しか見えねェ!!」
晴絵「バトルマンガの主人公のようなこと言わずに、落ち着いてください」
貴子「……ちっ、わかりました。命拾いしたな池田ァッ!だがその左頬、予約しとくからな!」
華菜「…………ぷっ」
美穂子「華菜?」
華菜「あははは!なんかコーチがいつも通りすぎて、部室にいるみたいだし!」
貴子「ここは部室じゃねェぞ!わかってンのかコラァ!」
華菜「はい、わかってます」
貴子「……だったらいい。というか……マジで勝てよテメェ。もし負けたら口に金平糖含ませて腹パンすっからな」
華菜「は、はい!!」
未春(金平糖が効いてない気がするけど……)
美穂子「頑張ってね、華菜。これ、飲み物よ」
華菜「ありがとうございますキャプテン」
貴子「ぶちのめしてこい!髪の毛むしりとる気合いで行け!」
華菜「ふ、普通に頑張るし」
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:13:02.18 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
麻子「………………」
華菜「………………」
役人「さあ、それでは始めます。先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
華菜「後攻にするし!」
役人「OK!先攻、戦車道チーム REZE!後攻、麻雀部チーム EKda(イーケーダ)黒ねこ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:13:37.90 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=WRSJrTOylgo
2:18
<第22戦 先攻 REZE VS 後攻 EKda黒ねこ>
麻子「EKda黒ねこ 今日すぐ解雇」
麻子「温室に戻りな 動物愛護」ワァァ!
麻子「少ないよ 黒ねこへの愛情」
麻子「でも大丈夫 最後まで飛ばしとく」ワァァァ!
麻子「2人目の相手 お前じゃ 物足りねー」ワァ!
麻子「NODOCCIクラスの敵 ほど会いてぇ」ワァァ
麻子「パッと見でわかる きっと 単細胞」
麻子「強敵前の繋ぎ ただの 案内所」ワァァ!
華菜「聞いてて普通に 違和感だし」
華菜「ライムだけしか 取り柄無いし」ワァァ!
華菜「だったら私は 真っ直ぐに潰すのみ!」
華菜「舐めるなし 背負う 風越女子!」ワァァァ!
華菜「単細胞でも REZEみたくなんないよ」ワァ!
華菜「散々ライミング で何も残んないもん」ワァァ!
華菜「強敵への案内所? それは間違い」
華菜「実は惨敗への案内所だし!」ワァァァ!
麻子「惨敗 よりも乾杯 合わせるグラス」
麻子「黒ねこはただ 重ねるブラフ」ワァァ!
麻子「風越女子 勝つための祈り」ワァァ!
麻子「それは通用しない 賭けも実り はせず」
麻子「ここで落ちぶれ 時すでに遅し」
麻子「だって足りてないよ 腕に重み」ワァァ
麻子「常に心地 いいライム を届ける」
麻子「だから観客も素直に 驚ける」ワァァ!
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:14:15.58 ID:Veh8rIUF0
華菜「別に客は驚くために来てないし!」ワァァァ!
華菜「熱い戦いが見たいから来てるし!」ワァァ!
華菜「その期待 ちゃんと理解してる?」ワァァ!
華菜「ブラフばっかりなのは REZEの方だし!」ワァァァ!
華菜「爽快なライムよりも 内容重視!」ワァァ!
華菜「思ったこと 言葉にして言うし!」ワァァ!
華菜「風越 勝つために祈りはしないし」
華菜「自分の力で勝つし! この試合に!」ワァァァ!
麻子「内容重視 そんなものは培養済み」ワァ
麻子「懐古趣味 も最新も 最高風味」ワァ
麻子「で味付け きっちりと 話しつける」
麻子「そしてスッキリ 悩みの無い 肌質へ」ワァァ
麻子「またしつけー ヤツの言葉は雰囲気」
麻子「不人気 な教師が 赴任し たよう」ワァ
麻子「漂う さまよう 黒ねこの魂」ワァ
麻子「話にならない 猫だまし のがマシ」ワアァ!
華菜「だから 騙さないって言ってるし!」ワァァ!
華菜「話 単語でしか聞いてないし!」ワァァァァ!
華菜「どこ拾ってライミング出来るかだけ!」ワァァ!
華菜「っていうか 培養されたなら作り物だし!」ワァァァア!
華菜「何も関係ない 突然の 懐古趣味」
華菜「最高風味? 何それどういう意味?」ワァァァ!
華菜「適当すぎ 本当に しょうもない」
華菜「さまよってるのは REZEの方だし!」ワァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァ!
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:14:46.30 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、REZEが勝ったと思う人!」
ワァァ!
役人「……後攻、EKda黒ねこが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
華菜(よしっ!)
麻子「っ……」
役人「まずはEKda黒ねこに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「REZE」
理事長「EKda黒ねこ」
トシ「EKda黒ねこ」
秋一郎「EKda黒ねこ」
南浦「EKda黒ねこ」
役人「勝者!麻雀部チーム、EKda黒ねこ〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
華菜「にゃーーーーーーー!!!」
麻子「………………っ」
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:15:13.86 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側】
未春「やった!」
星夏「勝ちましたよキャプテン!」
美穂子「ええ。すごいわ、華菜……」ホロリ
貴子「池田てめェ!調子ノんじゃねェぞ!あぁ!?コラァ!」ニヤリ
胡桃「…………」ソワソワ
塞「久保さんの言葉遣いを注意したいんだろうけど、やめておいた方がいいよ?」
豊音「私もそう思うよー。あのひとちょーこわいよー」
洋榎「せやな。そもそも金髪にまともなヤツはおらんしな」
由子「古臭い偏見はクソダサよー」
灼「っ!」ビクン
憧「灼さん、反応しなくても大丈夫。あの人は灼さんの私服がダサいことを指摘してるわけじゃないから」
灼「そ、そんな心配、してない……//」
172 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:15:41.83 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
カルパッチョ「REZEさん……」
桃「何ぃ!?冷泉の負けなのか!?納得できん!」
優花里「監督殿。今の試合は……」
千代「……REZEさんのライミングは相変わらず固く決まっていました。けれど、相手に的確なダメージを与えるには至らなかった。対するEKda黒ねこさんは、高いバイブスと終始ブレない姿勢で戦い、さらにアンサーもきちんと返していた……その差でしょうね」
優花里「そう、ですか……」
麻子「…………戻った」
沙織「あ……おかえり麻子」
みほ「麻子さん、お疲れ様」
麻子「ああ。しかし……NODOCCIに勝った勢いで押し切るつもりだったが……どうもやりにくい相手だった」
みほ「とにかくバイブスが高い人だね」
麻子「隙はあるんだが、そこを攻めきれなかった……」
まほ「……彼女が負けるとはな」
エリカ「ここから観てる限りだとそう強い相手とも思えないですけどね。なんか普通に勝てそうな気がします」
まほ「エリカにとっては噛み合うスタイルかもしれないな」
エリカ「負けてなければ私が出たのに……監督は誰を選ぶんでしょうか?」
まほ「似たタイプをぶつけての真っ向勝負か、相手の勢いをすかすタイプにするか、作戦によるな」
エリカ「監督次第というわけですね」
千代「お疲れ様でした、REZEさん。では次は………カチューシャさん、お願いします」
カチューシャ「!とうとうカチューシャの出番が来たのね!まちわびたわ!」
まほ「……どうやら、監督は前者を選んだようだな」
エリカ「ですね」
173 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:16:09.91 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
華菜「………………」
カチューシャ「ふふん」
華菜(ちっこくて可愛い……けど年上なんだよな)
役人「それでは、先攻後攻を決めるじゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
カチューシャ「先攻に決まってるじゃない!むちなしかいしゃね!」
役人「お、OK!先攻、戦車道チーム カチューシャ!後攻、麻雀部チーム EKda黒ねこ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:16:37.42 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=VzNxpdaIb0s
2:48
<第23戦 先攻 カチューシャ VS 後攻 EKda黒ねこ>
カチューシャ「あのREZEに勝利 素直に驚き」
カチューシャ「でもこの子、『し』って言いすぎだし!」ワァァァ!
カチューシャ「そんなに好きなら プレゼントあげる」
カチューシャ「圧死 憤死 壊死 瀕死 可哀想だけど 阻止は無し!」ワァァァァ!
カチューシャ「もしもし猫さん 楽勝ムード」
カチューシャ「せめてもの情けに キャットフード」ワァァァ!
カチューシャ「食べたら とっとと あっち行けと 指・示!」
カチューシャ「水入りペットボトルを置いて シッシッ!」ワァァァ!
華菜「猫よけに ペットボトルは迷信だし」
華菜「楽勝じゃないし 空回り丸出し」ワァァ
華菜「あんたの方が よっぽど子猫っぽいし」
華菜「親猫のところに とっととお行き!」ワァァ!
華菜「自分の口癖 把握してるし」
華菜「でも それを誇るのが私だし!」ワァァァ!
華菜「確かに 不利な部分もある 自覚ある」
華菜「ただそれでも貫く自我 それがリアル!!」ワァァァ!
カチューシャ「最後に吠えるにゃんて にゃんとも可愛い」ワァ!
カチューシャ「とは言え それ 結局 エゴにゃんじゃにゃい?」ワァァ
カチューシャ「今のバース にゃがにゃが(長々)屁理屈」
カチューシャ「言ってるだけだにゃ カット! テイク2」ワァァ!
カチューシャ「口癖 誇るんじゃなくて 開き直ってるんでしょ?」ワァァ!
カチューシャ「普通にバトル出来ない言い訳 つまりはブラフ」ワァァ!
カチューシャ「何を言っても叫べばいいと思ってる バカ猫」ワァァ!
カチューシャ「相手にならない だって所詮 Sucker(サッカー)でしょ」ワァアァァ! ※未熟者
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:17:04.75 ID:Veh8rIUF0
華菜「途中で 猫しゃべり やめる方が未熟だし!」ワァ
華菜「偉そうにしてるけど お前 年 いくつだし!」ワァァ!
華菜「というか年齢よりも 見た目に貫録無し!」
華菜「私は風越女子 背負って来てるし!」ワァァ!
華菜「エゴとは正反対 ブラフなんかじゃないし!」
華菜「覚悟決めて戦ってるし! 意志 ハンパじゃないし!」ワァァア!
華菜「あんたなんか絶対 意地でも ぶっ倒すし!」
華菜「そして自分にも勝つし! 獅子奮迅!」ワァァァ!
カチューシャ「私はプラウダの学園艦を背負ってるのよ!」ワァァ!
カチューシャ「規模が違う 二度と間違うんじゃないわよ!」ワァァァ!
カチューシャ「そもそも学校背負って戦うなら 不利になるような」
カチューシャ「口癖 直さない 意味不明!風越より自分が大事なの!?」ワァァァァ!
カチューシャ「相変わらず叫ぶだけな上に 『しーしー』やかましいし!」ワァァ
カチューシャ「奥歯に何か挟まってんの!? 使いなさい つまようじ!」ワァァア!
カチューシャ「まったくもって話にならない 何が獅子奮迅!」
カチューシャ「それこそが空回り 全然出来てない危機管理!」ワァァァ!
華菜「危機管理と獅子奮迅 踏み外してるし!」
華菜「風越 重荷じゃないし 固い意識 で攻めるし!」
華菜「あんたの小さい背中じゃ 学園艦は乗せられないし!」
華菜「つまりEKda黒ねこの勢いは 止められないし!」ワァァ
華菜「逃れられない運命だし ここで決めるだけだし!」
華菜「逆境もくじけないし それが私の武器だし!」ワァ!
華菜「空回り後の 力強さを見せつけるし!」
華菜「カチューシャ 延長戦で必ず沈めるし!!」ワァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァ!
カチューシャ「………………」
華菜「………………」
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:17:47.47 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、カチューシャが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「……後攻、EKda黒ねこが勝ったと思う人!」
ワァァ!
役人「まずはカチューシャに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「カチューシャ」
理事長「カチューシャ」
トシ「EKda黒ねこ」
秋一郎「カチューシャ」
南浦「カチューシャ」
役人「勝者!戦車道チーム、カチューシャ〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
カチューシャ「ふふん!とうぜんのきけつよ!」
華菜「………………」ガックリ..
華菜(せっかくキャプテンやみんなが応援してくれたのに……くっ!)
華菜「……こんどは」
華菜「今度はこっちがぶちのめしてののしる番だし!」
カチューシャ「受けて立つわ!カチューシャのむてきさにひれふすことになるでしょうね!」
華菜「ふんっ!」
華菜(この悔しさは絶対リベンジで晴らすし!)
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:18:15.83 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側】
美穂子「華菜!」
華菜「……負けちゃいました」
美穂子「でもすっごく頑張ってたわね。私は華菜を誇りに思うわ」ニコリ
華菜「きゃ、キャプテ…」
貴子「池田ァッ!」
華菜「は、はい!」
貴子「てめェ……試合後のアレはなんだ」
華菜「え?試合後……?」
貴子「試合中は仕方ねェ。けどなぁ…………相手の選手は先輩だろうが!タメグチきいてんじゃねェ!」
華菜「す、すみませんでした!」
貴子「だからてめェは殴られる運命なんだよォ!」
華菜「!!」
貴子「地獄の底で寝ぼけな!オラァッ!」ブンッ!
華菜「っ!」
美穂子「コーチ!」
コツン
華菜「…………え?」
貴子「………………」
華菜「コーチ?今の、頭にコツンって軽く当たっただけですけど……」
貴子「……今は全然痛くなくてもよォ……今夜激痛で眠れねェんだよ。そういうテクだ」
華菜「…………」
貴子「……先輩にタメグチは万死に値するが……てめェがクソ頑張ったことはわかってる……風越の名に泥を塗るような真似はしてねェ」
華菜「コーチ……!」
貴子「勘違いするんじゃねェぞ!私はいつだっててめェをビンタするつもりで部室にいるんだ!その気持ちは今日も変わらねェ!少しでも気を抜いたらいくからな!」
華菜「は、はいっ!」
美穂子「華菜……コーチ……よかった……」ホロリ
胡桃(きもちわるい……全然いい話じゃない!)
ネリー「………………」
智葉「どうしたネリー?急に黙り込んで」
ネリー「……あの人、私がサトハにタメグチしたら怒るかもと思って」
智葉「他校に対して手は出さないだろう」
ネリー「でも金髪だし……常識では測れないよ」
由子「金髪へのヘイト反対なのよー」
淡「ほんとだよ!そんなこと言ったら亦野先輩なんてもっと派手な色だよ!」
誠子「淡!?」
菫「しかも短髪だ……名門・白糸台で一番パンクな髪色をしている人間が文化系の部に所属しているのは常識破りだな」
誠子「弘世先輩まで!」
照「2人とも言い過ぎ。趣味である釣りにかけて、沖縄にいるカラフルな魚であるイラブチャーをイメージした色にしてるだけ。むしろキャラクターを立たせようと頑張ってると褒めるべき」
誠子「違いますしフォローになってないです!美容院で『イラブチャーみたいな色にしてください』って言う人がいるわけないでしょう!」
178 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:18:52.91 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
ノンナ「…………」ボタボタボタ..
アッサム「ああっ!?ノンナさん!鼻血出ています!大変ですクラーラさん!ノンナさんが…」
クラーラ「落ち着いてください。私も出ています」ボタボタボタ..
アッサム「落ち着けませんよ!それに何故!?」
ノンナ「カチューシャの猫語がキュートすぎて鼻血を誘発しました」ボタボタボタ..
オレンジペコ「せ、説明はいいですから!ティッシュで拭いてください!」サッ
ダージリン「聖グロリアーナでは鼻血を見ることなんて滅多にないわ。こんな風に言ったら申し訳ないけれど、新鮮でワクワクしてくるわね」
ローズヒップ「わたくしもですわー!血がたぎりますわー!」
ニーナ(…………聖グロの隊長さん、優しそうな人だと思ってたけんど、やっぱ一癖ある人だっただぁ……)
沙織「それにしても、今のバトルのEKda黒ねこさん、麻子の時みたいに勢いはあったし、大きなミスをしたって感じはしなかったんですけど、お客さんの沸き方とか全然違ってたのはどうしてですか?」
千代「カチューシャさんの的確な攻撃が大きいわね。語尾に『し』をつける口癖を指摘したカチューシャさんに対し、『そんな口癖の自分を誇る。自我を貫いている』と返したのは良かったけれど、それに対してカチューシャさんは『口癖 誇るんじゃなくて 開き直ってるんでしょ?』とアンサーしたわ。これによって、今まではフロウに心地よさを生んでいた語尾の『し』が違和感として聴こえるようになっていったんだと思うわ」
沙織「なるほど……」
千代「それにカチューシャさんのバイブスが高まって声を張り上げているけれど、内容があるから『叫んでるだけ』とは返せない。EKda黒ねこさんの『風越女子を背負ってる』もREZEさんの時に使っているからインパクトは弱まっていて、そこをカチューシャさんがアンサーで『学園艦を背負ってる』という言葉で一気に空気を自分のモノにした印象ね」
杏「あとさ、ノンナさんたちが鼻血出した原因にもなった猫語?あの『にゃ』を使ったアンサー。あれも効果的だったよね」
沙織「そうなんですか?」
杏「もちろん。相手が口癖あるところを拾って、『黒ねこ』ってゆーMCネームとかけて猫の鳴き声を語尾に付けるおちょくりだよ。それによって相手のバイブスをいなして自分のペースに持って行った感じだね。しかも途中の『カット! テイク2』の後は普通のスタイルに戻すとことか、構成力があって面白かったしねー」
アンチョビ「だが、その辺りはカチューシャっぽくなかった気がするな。どちらかと言えばアンジーやケイのスタイルに似ていた」
千代「戦車道チームでの練習によって成長したのでしょうね。自分に足りない戦い方を身に付けたのよ」
杏「カチューシャ、からかわれるのが苦手だったもんなぁ。自分にとって嫌な戦法だからこそ印象に残ってて、バトルで活かせたわけか。なるほどなるほど」
みほ「すごいなぁカチューシャさん。最初の時よりずっと成長してる……いいなぁ」
まほ「それはみほも、だろ?」
みほ「お姉ちゃん……」
まほ「みほも前以上に強くなってる。だから自信を持っていい」ナデナデ
みほ「う、うん……///」
エリカ「……っ!」ギリッ
エリカ(私にはわかる!あの子、まほ先輩が近くで聞いてるってわかって自信が無いような言葉を口にした!そういう風に言えば褒めてもらった上に撫でてもらえると思って!ズルい!ズルいわ!)キィーッ!
179 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:19:22.08 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側】
晴絵「……さて、じゃあカチューシャさんの相手は……鹿倉さんにお願いします」
胡桃「!はい」
塞「ついに出番ね。大丈夫?緊張してない?」
胡桃「平気」
白望「頑張って……」
胡桃「うん、ありがと」
エイスリン「ハンカチモッタ?」
胡桃「バトル中はいらない」
豊音「えーと……あのー……」
胡桃「豊音?」
豊音「うぅー……みんなに言いたいこと言われちゃったよー!」
胡桃「あはは。そういうとこ、豊音らしいね。ありがと、元気出たよ」クス
豊音「えー、でもでも、せっかくだから励ましの言葉を言わないとー……」
胡桃「見守ってくれるだけで充分だよ。じゃあ行ってきます」タタッ
豊音「あっ、いってらっしゃいー!」
塞「胡桃……大丈夫かしら」ハラハラ
エイスリン「シンパイシスギ」
豊音「でもわかるよー。私もちょーきんちょーするよー」
塞「そうよね?私たちが緊張してもしょうがないってわかってるんだけどね」
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:20:02.46 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
カチューシャ「次の相手はあんたなのね!いいわ!かかってきなさい!カチューシャが相手してあげる」
胡桃「………………」
カチューシャ「ちょっと、なんとか言ったらどう?もうせんいそうしつしたのかしら?」
胡桃(めんどくさい!)
役人「先攻後攻のじゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
胡桃「後攻」
役人「OK!先攻、戦車道チーム カチューシャ!後攻、麻雀部チーム クRUMI!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
181 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:20:29.62 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=gYI-iNPOlJM
3:13
<第24戦 先攻 カチューシャ VS 後攻 クRUMI>
カチューシャ「まずのっけから クRUMIとDJルミがややこしいわ!」ワァァァ!
カチューシャ「それとじゃんけん勝って後攻とかダサいのよアンタ!」ワァァ!
カチューシャ「試合前の会話 ほうきするコミュニケーション なってない」
カチューシャ「どうせ こじつけの ディスに こぎつける だけでしょ?」ワァァァ!
カチューシャ「このステージ あんたにはない 心 落ち着ける場所」ワァァ!
カチューシャ「ここから勝って勝って 麻雀部のなきがら 盛りつける!」ワァァァ!
カチューシャ「そうなれば 審査員の判定こっち お客さん上げる歓声」ワアァア!
カチューシャ「ようするに 勝ち星くれる そういうちゃんとしたオチつける!」ワァァァァ!
胡桃「じゃんけん勝って後攻ダサいって言う方がダサい!」ワァァ
胡桃「さっき楽しそうに先攻とってたから 譲ってあげただけじゃない!」ワァァ!
胡桃「今日は記念日 カチューシャ 会うのも戦うのも初めて」
胡桃「そして私より背の小さい 同学年を見るのも初めて!」ワァァァァ!
胡桃「でもテレビでは見たことある 肩車されてた」
胡桃「背を高く見せようとしてダサかった 土台の子もグルだ」ワァァ
胡桃「今まで 夢に見たセリフが 1つだけある」
胡桃「いい? ちゃんと聞いててよカチューシャ 『このチビ!』」ワァァァ!
カチューシャ「肩車してたのはチームメイト グルも何も味方」ワァァ
カチューシャ「何も知らない ヤツがごちゃごちゃ勘繰る 結果しくじる!」ワァァ!
カチューシャ「今日は思い出作りどころか 敗北の事件に なる記念日」ワァァ
カチューシャ「プレゼントあげる さっきのとカブるけど 憤死か瀕死」ワァァァ!
カチューシャ「出口は同じ 残りのバース 全部 クRUMI割り人形」ワァァ!
カチューシャ「カチューシャ ステージ上 はっちゃけちゃう まるでパリピーポー」ワァァァ!
カチューシャ「あんた おかっぱで 真面目でも小遣い少ない イメージ」
カチューシャ「初めてが好きなら見てなさいよ はじめてのおつかい」ワァァ!
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:21:02.75 ID:Veh8rIUF0
胡桃「チビにノーアンサー コミュニケーション放棄してる!」
胡桃「自分で言ったタブー 自分で体現してる きもちわるい!」ワァァ!
胡桃「真面目でも小遣い少ない 謎 どこ情報?」
胡桃「ネタのストックとっくに期限切れ 日持ち悪い!」ワァァァ!
胡桃「クRUMIより小さいカチューシャじゃ くるみ割りは無理」ワァァ!
胡桃「遠回しに自分でダメージ受けてる マイク持つとこ 紙やすり」ワァァァ!
胡桃「未来予想 お客さん こっちに歓声 勝利祝ってた」
胡桃「カチューシャじゃ登れない 越えさせない 岩手山」ワァァ!
カチューシャ「チビにチビって ちびちび言われて日に日に増す怒り」ワァァァ!
カチューシャ「ギリギリでピチピチの堪忍袋の緒 引きちぎってやるわ!」ワァァァ!
カチューシャ「私じきじき 手を下す 岩手山頂に旗を立てる!」ワァァ!
カチューシャ「悔しがる こいつのおでこに貼ってやるわ 『バカ』のラベル!」ワァァア!
カチューシャ「こんなのと比べられる なんてホント 気持ち悪い!」
カチューシャ「やっぱり変更する プレゼントは この2文字だ『無理』」ワァァァ!
カチューシャ「私を倒すの無理 こいつ認められるの無理」
カチューシャ「無理無理無理無理 次々グチグチ言うけど 無知すぎ!」ワァァァ!
胡桃「バカのラベルって発想が そもそもバカみたい!」ワァァ
胡桃「こんなヤツに連勝は許せない だから 阻みたい!」ワァァァ!
胡桃「体型も言葉にも 幅がない 幼稚な語彙 刺さらない」ワァァ!
胡桃「カチューシャ 私には敵わない あんたの夢は 叶わない」ワァァァ!
胡桃「無知なのはどっち? NODOCCIより私よりこっち」ワァ
胡桃「つむじに貼ってあげる『チビ』ってラベル」ワァァ
胡桃「多分文句言うはず そのクチもラベルで 塞いどこう」ワァァ
胡桃「それでも騒ぐなら 一言怒鳴る うるさいそこ!」ワァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァ!
カチューシャ「………………」
胡桃「………………」
カチューシャ(この子……やるじゃない)
胡桃(簡単にはいかない!強い!)
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:21:28.59 ID:Veh8rIUF0
役人「さあ、それでは判定に入ります!先攻、カチューシャが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「……次に後攻、クRUMIが勝ったと思う人!」
ワァァァ!
役人「まずは1ポイント、カチューシャに入ります」
カチューシャ(やった!)グッ
胡桃「…………っ」
役人「残るは審査員のみなさんです。では、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「カチューシャ」
理事長「クRUMI」
トシ「カチューシャ」
秋一郎「カチューシャ」
南浦「クRUMI」
役人「勝者!戦車道チーム、カチューシャ〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
カチューシャ「やっ…………ふ、ふん!おもわくどおりだわ!」
胡桃「負けた……」
胡桃(出来は悪くなかったはず…………悔しい!)
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:21:58.13 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側】
豊音「えっ」
塞「胡桃……」
白望「………………」
豊音「えー!?絶対勝ってたよー!ちょーおかしいよー!」
エイスリン「ッ!」カキカキカキ!
エイスリン「コレ!」
塞「……マラドーナの神の手ゴール?」
エイスリン「ゴシン!」
白望「いや、それは無いよ。それにフリースタイルバトルで誤審っていう言葉は正しくないと思う……審査員が持ってる判定基準がそれぞれ違うわけだから、同じ試合でも、誰が見ても勝敗が明らかな試合以外は判定が割れることもあるだろうし」
塞「……確かに」
白望「あとは八百長の可能性だけど……これも無い。熊倉監督がそんなことに関与するのはありえないから」
豊音「……うん、そうだねー……それに相手選手も、大会に関わってる人たちもみんな真剣にやってるんだもんね…………絶対勝ってたとか、おかしいとか、すっごく悪いこと言っちゃったよー……」
エイスリン「…………ゴメンナサイデシタ……」
白望「……ううん……胡桃が負けて悔しいのは私も一緒。みんな同じ気持ちだから…………塞以外は」
塞「私も同じだよ!?」ウォイ!
185 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:22:28.22 ID:Veh8rIUF0
晴絵「………………」
晴絵(それにしても、前大会でもその兆候は現れてたとはいえ、カチューシャさんは厄介な選手に成長したみたいだね……さて、どうするか)
晴絵(これ以上調子に乗せるわけにもいかない。確実に止めないとね……となると……)
晴絵「……辻垣内さん」
智葉「はい」
晴絵「……辻垣内さんならカチューシャさんを止められる?」
智葉「誰が相手でも止めるつもりです」
晴絵「ふふっ……そうよね。じゃあ、お願いするわ」
智葉「了解しました」ザッ!
晴絵(さすがというか……圧倒的な自信ね。でもそれだけの実力を持っている)
明華「出番ですか。では出立の歌を……」
智葉「遠慮しておく」
ネリー「あんなのに負けないでよ?」
智葉「カチューシャはかなり強い。あんなのなどと呼ぶな」
ネリー「……ま、確かに思ったよりやるけどさ」
ダヴァン「合格祈願系のカップラーメンがあれば食べながら見送ったもノヲ……残念デス」
智葉「本人に食わせないのか……ま、いい。気持ちだけ受け取っておく」
慧宇「私は心配していませんから」
智葉「ああ、それでいい……っと、すまんがメガネと髪ゴムを預っててくれ」
慧宇「はい。普段の格好のまま出るんですね」
智葉「ああ」
ネリー「サラシは私が預かるよ」
智葉「いや、いい。サラシは外さないからな」
ネリー「ちぇー」
ダヴァン「何故悔しそうなんでスカ」
智葉「さて、と。では勝ってくる」ザッ
慧宇・明華・ダヴァン・ネリー「いってらっしゃい」
穏乃「おぉぉ……なんかすごい自信満々でカッコいい!辻垣内さんこそが私の倒すべき相手かも!」
憧「はいはいそうかもね」
玄「サラシ……!?もしかして辻垣内さんって、隠れおもち……!?」ガーン!
宥「玄ちゃん落ち着いて?お姉ちゃんがギュッてしてあげるから」ギュ..
玄「おねえちゃーん……」
灼「なんでサラシしてると取り乱すの……」ハァ..
186 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:22:59.57 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
カチューシャ「む」
智葉「」ザッ
カチューシャ「今度はあんたが相手なのね!らくしょうそうだわ!」
智葉「そうか」フッ
カチューシャ「!………………」
カチューシャ(……この雰囲気……)
カチューシャ(ふん、強敵ってわけね。だったら油断せずに勝ちに行くだけよ!)ギラリ
役人「先攻後攻を決めるじゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
智葉「後攻」
カチューシャ「また先攻……!」
役人「OK!先攻、戦車道チーム カチューシャ!後攻、麻雀部チーム 凱屠(がいと)!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:23:26.74 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=inuEzDNqQOc
2:44
<第25戦 先攻 カチューシャ VS 後攻 凱屠>
カチューシャ「見た目 強そうなくせに ビビッて後攻」
カチューシャ「それってどう思う? すでにしてるでしょ 動揺!」ワァァ!
カチューシャ「麻雀の時と違って髪の毛ほどいて不良気取り」
カチューシャ「でも意味ない こいつなんかより私の フロウに酔いなさい」ワァァ!
カチューシャ「じっとこっち見て どっしり構えて余裕って表情ね」
カチューシャ「でもそれ大物ぶって 緊張を誤魔化す作戦のようね」ワァァ
カチューシャ「そんなの通用しない 戦車道チーム優勝したい」ワァ
カチューシャ「だからあんたも次の相手も その次も叩き潰してやるわよ!!」ワァァァ!
智葉「そんなことさせはしない この先は絶対に通せん」
智葉「だから後攻とった 確実に仕留める 後の先」ワァァ!
智葉「学園艦 背負うなら むしろ困難を喜べよ」
智葉「作戦なんか 関係ない ただ一言 そこどけよ」ワァァァ!
智葉「フロウで勝とうが好きにしろ そこは私の土俵じゃない」
智葉「度胸が無い 小者のお前 睨んだだけで 鼓動早い」ワァァァ!
智葉「冷静さを失ったところ切り捨て 命散るさ」
智葉「お前じゃ 私に勝てないんだよ この猪武者」ワァァァァ!
カチューシャ「猪武者の突破力 どっしり構える凱屠 貫く」ワァァ!
カチューシャ「後の先とか言ってても 失敗して つまづく」ワァァ!
カチューシャ「負け認めて フロウを捨てちゃった 諦めた」
カチューシャ「でも納得 ただ喋るようなフロウじゃ 飽きられちゃう」ワァァァ!
カチューシャ「ただ他でも あんたは私に勝てないこと教えたげるわ」
カチューシャ「バイブスも私のが上 あんたのトーンじゃ 盛り下げるわ」ワァァ!
カチューシャ「負けるわけない! こいつ結局子供だまし」
カチューシャ「わかる? 熱いバイブスをぶつけてこその魂!」ワァァ!
188 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:23:54.28 ID:Veh8rIUF0
智葉「バイブスをクチに出すな 温度が下がる」ワアァ!
智葉「不言実行するもんだ 得とか 損とかじゃなく」ワァァァ!
智葉「適当言うな 私のどこが 子供だましだ?」
智葉「その場しのぎの言葉 虚しいほど木霊(こだま)したな」ワァァァァ!
智葉「声がデカイだけで 内容が薄いことに困惑だ」
智葉「お前が勝ち取れるのは ロリコン枠だけだ」ワァァァァ!
智葉「2勝して 立派に伸びた 天狗の鼻」
智葉「折って終わらす お前は消える 青い臀部(でんぶ)のまま」ワァァァ!
カチューシャ「とっくに消えたもうこはん 家帰りなさい もうご飯」
カチューシャ「ロリコン枠なんて知らないわよ わけわかんないわ 状況が」ワァァ
カチューシャ「天狗になんてなってない 全部が自信になってるだけ」ワァァ!
カチューシャ「ズレた感性を恥じなさい あんたはただのクレーマー」ワァァ!
カチューシャ「上から目線 同じ学年なのに何故か 先輩面」
カチューシャ「この怒りは 1000倍くらい にして返してやるわ!」ワァァァ!
カチューシャ「人を小バカにした生意気な あんたは廃棄!」ワァァ
カチューシャ「改心しても遅い ぶちのめす このライミング!」ワァァ!
智葉「ぶちのめされるのは 自分だと 気付こうと」
智葉「しない愚か者 尻目にいただく 紫綬褒章」ワァァァ!
智葉「ラストバースで1000倍返し 延長に期待感」
智葉「勝ち目無いと気付きながら まだ戦場にいたいか?」ワァァァァ!
智葉「目線のことなら 悪いが勘弁してくれ」
智葉「見てくれ的に しゃがんでバトルは 出来ないからな」ワァァァ!
智葉「ここらで始末 お前は 産業廃棄物」
智葉「不安定な 感情が行き来する 雑魚は消えとけ」ワァァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァ!
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:24:21.37 ID:Veh8rIUF0
役人「それでは判定に入ります!先攻、カチューシャが勝ったと思う人!」
ワァァァ!
役人「……後攻、凱屠が勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!
カチューシャ「っ……!」
役人「まずは凱屠に1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「凱屠」
理事長「凱屠」
トシ「凱屠」
秋一郎「凱屠」
南浦「カチューシャ」
役人「勝者!麻雀部チーム、凱屠〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
智葉「………………」
智葉(まずは1つ)
カチューシャ(勝って当然みたいな顔がムカつくわ!)
カチューシャ(でも……ムカつくけど……負けを認めるしか……!)ギリッ..
190 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:24:49.06 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側】
明華「さすがサトハですね」
ネリー「ここで勝ったのは大きいね。お金とか貰えるんじゃないかな?」チラ
晴絵「ははは……それはムリだけど、確かにこの勝利は大きいよ」
久「実際、うちのエース候補だもんね」
和「ライミングの数では負けるつもりはありませんが、一つ一つの破壊力では敵いません」
咲「それでいてちゃんと対話出来てるから……やっぱり強いよね」
優希「敵の時は怖かったけど、味方になったら頼もしいじょ!」
191 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:25:38.34 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
ノンナ(カチューシャ……敗れはしましたが、あなたは立派でした。我々プラウダの誇りですよ)
千代「………………」
みほ「あのカチューシャさんをあっさり倒しちゃうなんて……」
麻子「淡々と、だが確実にライミングを決めてきたな」
カルパッチョ「脚韻で字余りも気にせず……それと、韻を踏んだことを際立たせないあっさりとしたフロウですね」
ケイ「そこがクールでカッコいいわよね。ていうか、あの子かなり強くない?」
ナオミ「強いね。今の試合のみのデータだけど、ライミング、アンサー、パンチラインの三拍子が揃ってる」
杏「んー……小山ぁ。うちのチームって残ってるの誰だっけ?」
柚子「えーと、西住まほさん、オレンジペコさん、島田愛里寿さん、西住みほさんの4人ですね」
杏「ありがと。なるほどね……」ウーン..
愛里寿「お母様、どうしますか?」
千代「……ここは正念場ね」
千代「西住さん」
まほ「はい」
みほ「ふぇっ!?」
千代「あ、まほさんの方ね」
みほ「そ、そうですか」ホッ
千代「凱屠さんはあなたに任せます」
まほ「わかりました」
エリカ「ま、まほ先輩!頑張ってください!」
まほ「ああ。ありがとう」ザッ
優花里「……なんだか、最初から呼ばれるとわかっていたような反応でしたねぇ」
沙織「そう?いつもあんな感じでクールだと思うけど」
みほ「ううん、多分優花里さんの言う通りの気がする。凱屠さんとカチューシャさんの試合を観ながら、どう戦うかをシミュレーションしてたんだと思う」
麻子「西住さんの姉はこのチームのエースだ。残ってるメンバー全員に勝っているし、本来なら最後まで残したいはず。それをここで出すということは……」
オレンジペコ「凱屠さんがそれだけ強敵、ということですね」
愛里寿「………………」
192 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:26:39.10 ID:Veh8rIUF0
カチューシャ「…………」トボトボ
まほ「カチューシャ」
カチューシャ「あっ……マホーシャ……」
まほ「お疲れ様」
カチューシャ「…………うん」
カチューシャ「……あんた」
まほ「?」
カチューシャ「私の分まで頑張るとか、そんな気持ちで戦うんじゃないわよ?」
まほ「…………」
カチューシャ「私は私で戦って負けただけなんだから」
まほ「ふっ、わかっているよ。そんなつもりは無いさ」
カチューシャ「……ならいいけど」
まほ「あ、ただ1ついいか?」
カチューシャ「何よ」
まほ「バトンタッチだけはさせてくれ」
カチューシャ「え?」
まほ「少し気合いをいれたくてな」
カチューシャ「そう。それじゃあ……」スッ
パチン..
まほ「ありがとう。では行ってくる」フフッ
カチューシャ「……いってらっしゃい」
カチューシャ(笑顔……)
カチューシャ(マホーシャのことだから心配いらないと思うけど、あの凱屠ってヤツを少しでも侮ったら、マホーシャでもあっさり負ける可能性あるわよ?大丈夫、よね?)ハラハラ
193 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:27:06.63 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
まほ「」ザッ
智葉「!」
智葉(西住まほ……これほど早く会えるとは!)
智葉(DVDを観て、お前と戦いたいと思った。そして全力をぶつけ合った上で勝ちたい、とな!)ギラリ
まほ「………………」
まほ(凱屠……こうして目の前に立つとかなりの迫力だ。戦車道、タンカスロンでもこれほどの存在感を持つ者は多くないだろうな……)
まほ(だからこそ思う。その強い相手に勝ちたい、と)ギラリ
役人「両選手が揃いました。では先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
智葉「先攻」
役人「OK!先攻、麻雀部チーム 凱屠!後攻、戦車道チーム 西住まほ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
194 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:27:34.40 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=IAB8jgCyquc
2:55
<第26戦 先攻 凱屠 VS 後攻 西住まほ>
智葉「お前が ラストかと思っていたから 驚いた」
智葉「おめでとう 二度目の敗北 とうとう来たな この時が」ワァァァ!
智葉「後頭部が熱を持つほど頭回転 そして 好勝負」ワァァ!
智葉「相当ドープ 常套句なライムは 吐かないスタイルだ」ワァァァ!
智葉「意外と凱屠がヤバイいと気付く 私の時代到来」ワァァ!
智葉「癪に障るだろうが お前は知らされるんだ 該当外だと」ワァァァ!
智葉「シングル戦 勝てたのは 私がいなかったからだ」ワァァ!
智葉「実際物足りなくて やりがいなかったんじゃないか?」ワァァァ!
まほ「……とうとう来たな? おいやめてくれよ」
まほ「こんな公の場で 生理の話なんてするなよ」ワァァァァ!
まほ「アレを貸してやろうにも 私の手持ちは気合いと」
まほ「覚悟 信念ぐらいしかないんだ 悪いな」ワァァァァ!
まほ「名前 凱屠?なんだそれ? 仮面ライダーか?」ワァァ!
まほ「シャボ待ちのバッタとかけてるのか ご苦労なこった」ワァァァ!
まほ「ダブルミーニングってやつだな あ、いや違うか」
まほ「こいつのスキル バッタもんだから トリプルだったな」ワァァァァァ!
智葉「前々回大会 MIHOが姉 目がけ投げた」
智葉「変化球の 下ネタで負けた なのに何故だ」ワァァ
智葉「生理? くだらない 羽根突きよりもマイクラリーがしたい」
智葉「のらりくらり やるつもりはない こちとら 都会暮らし」ワァァァァ!
智葉「気合い 覚悟 信念 トリプルで斬り落とす」ワァァ!
智葉「吐く言葉 ライムに 意味を通す そして最後に打つ ピリオド」ワァァァ!
智葉「私の押韻は希少品 つまり 量より質だ」
智葉「鈍いヤツは焼き尽くされてから 周りの 焦土に気付く」ワァァァ!
195 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:28:00.96 ID:Veh8rIUF0
まほ「1人相手に 周りを燃やし尽くす?そうか すごいな」
まほ「だがそれは実際 ライムと小節の無駄遣い」ワァァァァ!
まほ「希少品は少ないから価値があるのに お前は自分で」ワァァ!
まほ「値打ち落としてる一人遊び 私もマイクラリーがしたいのになぁ」ワァァァァ!
まほ「斬り落としたり 焼き尽くしたり物騒だな 都会もん」ワァァ!
まほ「MCネームもそう 表現が いちいち厨二病」ワァァァ!
まほ「疲れるが のらりくらり相手してやろう それと一言」
まほ「ピリオドをキャタピラで乗り越えるのが戦車道なんだよ」ワァァァァ!
智葉「ピリオド 乗り越えた先で振りかぶる 斬鉄剣」
智葉「真っ二つの車体 謝罪はしない 文句は受け付けん」ワァァァ!
智葉「祝砲 驚くほど轟く 仲間は 寿(ことほ)ぐ」ワァ! ※お祝いの言葉を述べる
智葉「ジワジワと血沸き肉躍る 五臓六腑」ワァァァ!
智葉「燃やし尽くすのは無駄ではない お前に対する敬意だよ」
智葉「手づかみ・生肉 ではなくて ナイフ・ステーキだろ?」ワァァァ!
智葉「食材にはふさわしい振る舞いがあるってことだ」
智葉「素材の味を活かすために 塩も振っておこうか」ワァァァ!
まほ「そこまでキ チンとしてくれたら肉の私も本望」ワァァ
まほ「でも食材 振る舞うってことは やっぱりお前 厨房じゃないか」ワァァァァ!
まほ「よくわからんな凱屠 認めはしないよ」
まほ「そんな態度 調味料はいらない 塩対応で塩分は充分」ワァァァ!
まほ「それよりも足りてないのは お前の手だ」
まほ「斬鉄剣・ナイフ・包丁 持てないだろ マイクだけでも置いとけ」ワァァァ!
まほ「もう気付いたはずだろう? レベルが違うことに」ワァァ!
まほ「こいつ 肉に食われてしまう ライムばかり扱う料理人」ワァァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァァ!
196 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:28:28.71 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、凱屠が勝ったと思う人!」
ワァァァ!
役人「……後攻、西住まほが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!
役人「まずは西住まほに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「西住まほ」
理事長「西住まほ」
トシ「西住まほ」
秋一郎「西住まほ」
南浦「西住まほ」
役人「勝者!戦車道チーム、西住まほ〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
まほ「」フゥ..
智葉「………………」
智葉(まさかこうまでやられるとはな……)ギリ..
197 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:28:56.16 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側】
ネリー「サトハがあんなに圧倒されるなんて!」
ダヴァン「信じられませンネ……」
慧宇「それだけ西住まほが強者だということでしょうか?」
晴絵「西住まほが強いのは間違いないけど、辻垣内さんより圧倒的に強い、ということではないと思う。相性で言ったらお互い悪くはないし、今回はたまたまそういう流れで差がついただけで」
憧「先攻後攻でも変わってくるもんね」
晴絵「そうだね。やっぱり西住まほ相手に先攻で勝つのはかなり難しい」
穏乃「でも辻垣内さん、どうしてじゃんけん勝ったのに先攻とったんだろ?」
恭子「そういや、練習中にDVD観てた時、西住まほと戦ってみたい言うてたな」
明華「気合いが入り過ぎて焦ってしまったのでしょうか」
浩子「その可能性は無くはないでしょうけど、そう一概に悪いとは言えませんよ。確かに練習中の辻垣内さんとちょっとちゃう感じでしたけど、今のバトルの方が気合いが乗っててええと思いますけどね」
泉「でも西住まほも前の大会の時と変わってません?生理とかそんなん言うタイプちゃうイメージですもん」
怜「ムッツリなだけちゃうん?」
泉「いやいや、そんなことない思いますけど」
竜華「お互いを強敵と思てるからこそ、普段とちゃう角度からぶつかり合ったって感じするなぁ」
セーラ「それわかるわー」
久「にしても……厄介ね、西住まほは」
まこ「そうじゃのう。辻垣内さんの『とうとう来たな、この時が』のサンプリングに対するアンサーもそうじゃし、『ライムと小節の無駄遣い』で般若のサンプリングを使ったり」
和「食材、素材の話を受けての『キチンとしてくれたら肉の私も本望』という返しはキッチンともかかっていますし……的確なアンサーですね」
ネリー「次に出る人にはニシズミを確実に仕留めてほしいんだけど、誰が出るの?」
晴絵「加治木さんに行ってもらうつもり」
ゆみ「私ですか?」
晴絵「うん。大丈夫?」
ゆみ「はい、問題ありません」
桃子「先輩!私もステージに立つっす。先輩のすぐ横で見守りたいっす!」
佳織「そ、それはいいのかな……?」
睦月「いや、よくないと思うけど……」
智美「確かにモモは気付かれないだろうけどなー」ワハハ
ゆみ「モモはここで観ていてくれ。自分だけセコンドが付くのは相手に悪い」
桃子「……わかったっす」
智美「頼んだぞユミちん」
ゆみ「ああ。では、行ってきます」
晴絵「うん、お願い」
ネリー「……カジキか……ま、妥当かな」
明華「ずいぶん評価していますね」
ネリー「まぁ……アンサー力のあるヤツだし……勝てる可能性はあるからね」
明華「なるほど……確かに彼女も夏の高校生だった時期がありましたし」
ダヴァン「ここにいる全員がその時期ありましタヨ?」
198 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:29:26.71 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
まほ「…………」
ゆみ「…………」
ゆみ(なるほど……こうして目の前に立つと迫力がある)
ゆみ(だが……麻雀部の代表である以上、退くつもりはない。モモも見ているしな)
役人「それでは、先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
ゆみ「後攻お願いします」
役人「OK!先攻、戦車道チーム 西住まほ!後攻、麻雀部チーム KAJU−MC(カジュエムシー)!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
199 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:29:53.52 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=OBVQme6-B3E
3:10
<第27戦 先攻 西住まほ VS 後攻 KAJU−MC>
まほ「MC付けなきゃ MCと思ってもらえないから付けた」
まほ「KAJU−MC わかりきったことを省かないのは無駄だ」ワァァ!
まほ「余分な脂肪は邪魔 凱屠に切り取ってもらってこい」ワァァァ!
まほ「バラバラになったプライドが油まみれは 醜すぎる」ワァァァァ!
まほ「もっとさっぱりとヘルシーになってくれよ 何故なら」
まほ「わんこそばみたいに おかわりして 全部平らげるから」ワァァァ!
まほ「その目 落ち着いてるな だが余裕ぶると 即 死ぬぞ」ワァァ!
まほ「どこからでも仕留める 13面待ち 国士無双」ワァァァ!
ゆみ「戦車道が国士無双 それもう 本末転倒」ワァァ!
ゆみ「13面待ちでも 通る牌は 山ほどあるよ」ワァァ!
ゆみ「私を 侮るとあっさり やられる 形になる」
ゆみ「わんこそば 完食阻止 KAJU−MC 鼻にくる わさび」ワァァァ!
ゆみ「プライドは壊れないよ 常に形状記憶」ワァァ!
ゆみ「一癖ある キミに迫る 足元すくって勝つ 落とす地獄」ワァァ!
ゆみ「本名そのままの 個人情報 放りだしとく 無防備の子」
ゆみ「堂々としてる様相 でもそれは愚かな方向 向いてるぞ」ワァァァ!
まほ「私が向いている方向に 道を作るために行動」ワァァァァ!
まほ「誰かの後ろ歩くのに慣れた お前とはステージが違う」ワァァァ!
まほ「戦車道 放送されたから そのまま名乗ってるだけ」
まほ「ラップに費やさず MCネーム考える時間がもったいねぇ」ワァァァ!
まほ「わさびが鼻にきても そば食えないほどのダメージなど無い」ワァァ
まほ「むしろ飽きずに 完食出来る もしかして お前味方か?」ワァァァ!
まほ「大したことないヤツだと知れてる 形状記憶?」
まほ「変化を恐れて 進むのをやめちまってる 生ける屍だ お前は」ワァァァ!
200 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:30:21.08 ID:Veh8rIUF0
ゆみ「たとえプライド ガタガタ崩れても 必ず再生する」
ゆみ「簡単に元通り だから成長はする わからず屋だな」ワァァ
ゆみ「MCネームは 名刺代わり 軽視するな 全員で」
ゆみ「一丸となって 戦うと決まった日に考えた あの時間は無駄じゃない」ワァァァ!
ゆみ「残念だが あんたの味方じゃない 私は長野の代表」ワァ!
ゆみ「内容濃いアンサーで戦って 腹を満腹にさせて倒すさ」ワァァ
ゆみ「奥歯噛みしめて 相当辛いと 思わせて ここから退場」ワァァ!
ゆみ「そういう結末を与える ほうほうの体(てい)で逃亡する状況!」ワァァァ!
まほ「頭韻ばかりのこの子 その頭を踏ん付ける」
まほ「私はスーパーマリオばりのアクション お前 ドン亀 ノコノコだ」ワァァ!
まほ「高校生だけど 高ラ(甲羅)のレベルにも まったく達してない」
まほ「落ち着いてるが 私と実力が拮抗(亀甲)してるつもりか?」ワァァァ!
まほ「信州 長野代表 だから そばの話持ち出したのに」
まほ「一向に触れない 掛け合いにならない 万年愚鈍だな」ワァァァ!
まほ「凱屠の方が会話出来た 何故ならあいつは実力者」ワァァ!
まほ「でもまぁいい 横にタバコがあれば 私の大きさがわかるからな」ワァァァァ!
ゆみ「わんこそば 岩手の名物 長野じゃない 残念」ワァ!
ゆみ「間違い 指摘しない優しさ たまには 敵にも 与えていいか」ワァ!
ゆみ「何を勝ち誇った顔で アクションがスーパーマリオ?」
ゆみ「私がノコノコ それでもいい 亀は長生き 最後生き残る」ワァァァ!
ゆみ「これが会話 すでにしてるじゃないか 毎回 言いきりで好き勝手な」ワァァ!
ゆみ「ことキミが言い放って決め付ける 仕組みに嫌気がさすね」ワァァァ!
ゆみ「そうやってドヤ顔で ほとほと呆れるほど もろもろ煙に巻く」ワァァ!
ゆみ「ケツに火が点いたような ヤニ臭い タバコはそっちだろう」ワァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァ!
まほ「…………」
ゆみ「…………」
201 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:30:48.07 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、西住まほが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「……後攻、KAJU−MCが勝ったと思う人!」
ワァァァ!
役人「まずは西住まほに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「西住まほ」
理事長「KAJU−MC」
トシ「西住まほ」
秋一郎「西住まほ」
南浦「西住まほ」
役人「勝者!戦車道チーム、西住まほ〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
まほ「」フゥ
ゆみ(力及ばず、か……)
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:31:17.63 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側 付近】
ゆみ「…………」テクテク..
智美「ワハハ。おつかれ、ユミちん」
ゆみ「蒲原……」
智美「惜しかったなぁ〜、もう少しだったのに」
ゆみ「励ましてくれるのは嬉しいが、私は敗北に納得しているし受け入れている。だから気を遣わなくてもいい」
智美「そうかー。さすがだなー、ユミちんは」
ゆみ「全力を出した上で負けたんだ。仕方ないさ。それより…」
智美「ん?」
ゆみ「次は蒲原が出るんだよな?」
智美「ワハハ。その通り。だからここですれ違うのだよ」
ゆみ「だよな。ではあとは任せた」
智美「ユミちんもなー。モモがユミちん以上に落ち込んでるから慰めてやってくれ」
ゆみ「負けて帰る私が慰める側なのか……ふふっ、わかったよ」
智美「ワハハ。じゃあ頼んだぞー。行ってきます」ザッ..
ゆみ「ああ、いってらっしゃい」
ゆみ「……………………」
ゆみ(頼むぞ蒲原……)
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:31:46.82 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
智美「………………」ワハハ
まほ「………………」
まほ(笑顔……まったく緊張していないようだな。肝が据わっている)
役人「さあ!先攻後攻を決めるじゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
まほ「……後攻で」
智美「ワハハ」
役人「OK!先攻、麻雀部チーム 蒲(かん) a.k.a BARA!後攻、戦車道チーム 西住まほ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
204 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:32:16.72 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=0I9glinQGys
2:38
<第28戦 先攻 蒲 a.k.a BARA VS 後攻 西住まほ>
智美「とうとう来たな!この時が!」ワァァ!
智美「そう、生理なんだ 袖で聞いててビックリした」ワァァァ!
智美「マイク通して 公にアピールする女子」
智美「そんな新しい道 作るため行動していくよ」ワァァ!
智美「今の試合 そばのくだり 偉そうに言うほどかな〜?」
智美「ちゃんと見てる人、意外とホラ そばにいるよ?」ワァァァ!
智美「というか この人 韻踏まないから聴いてて面白くない」
智美「もう胸をひたすら見るしか 楽しみがなーい!」ワァァァァ!
まほ「好きにしろ 見たきゃ見ればいい」
まほ「目を見るのが怖いから おどけてる 可愛いもんだ」ワァァァ!
まほ「ちゃんと見てるからなんだ? 偉そうに言うな」
まほ「半端な傍観者なんざ 邪魔でしかないんだよ」ワァァァァ!
まほ「アンジーの方が 遥かに強くて面白い」ワァァ!
まほ「お前は韻も胸も夢も無い 一体何がある?」ワァァァァ!
まほ「私から楽しませるつもり さらさらない」
まほ「その笑顔 ディスで潰しにきてる 気付け」ワァァァ!
智美「うん、知ってる だってみんなそうだから」ワァァァ!
智美「おっぱいがディスってくる なんか不思議体験〜!」ワァァァ!
智美「なんて言いつつ そろそろ目を見よう」
智美「そして耳で楽しもう メロディーを」ワァァ
智美「夢が無いなんて いつどこで誰が言ったの?」
智美「あ!卒業文集がどっかいったの あんたのしわざ?」ワァァァ!
智美「嫌だなぁ もう泥棒なのかなぁ この子」ワァァ!
智美「もしかして その胸も 誰かから奪ったのか?」ワァァ
205 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:32:44.06 ID:Veh8rIUF0
まほ「それなら 胸見て楽しんでた お前も共犯者」ワァァァ!
まほ「って 2バース目まで 引っ張る話じゃないよな〜?」ワァァァァ!
まほ「卒業文集 盗むほど興味持たれてないよ」
まほ「とうとう来たな 部屋 整理する時が」ワァァァァ!
まほ「むしろ 全部捨てろ いらないものだらけだろ」
まほ「お前のラップの内容と同じ 中身も価値も無い」ワァァァ!
まほ「ザコの相手 退屈 お前こそ 時間泥棒」ワァァァ!
まほ「そんなザマで私に勝つのは 夢のまた夢だ」ワァァァァ!
智美「夢のまた夢 なんということでしょう」
智美「1勝で2つも夢を叶えられる ラッキーだね!」ワァァァ!
智美「時間泥棒に負けて あんたは徒労」
智美「ボロボロで 破れた服 色っぽいよ〜!」ワァァ!
智美「ラップの内容で言ったら あんたも変わらない」
智美「だって人間だもの。 そんな感じ」
智美「調子がいいから すぐカマすぜ」
智美「レペゼン 信州の鶴賀学園!」ワァァ!
まほ「こいつ 1バース目だけの一発屋」ワァァァ!
まほ「予告だけ面白い クソな映画」ワァァァ!
まほ「不意に食らう 危険性あるラッキーパンチを」
まほ「避けた今 このバース ウイニングラン」ワァァァァ!
まほ「調子いいなら 生理じゃないだろ ペテン師が」
まほ「バトルなら 嘘もありと思ったか? 世間知らず」ワァァァ!
まほ「♪笑ってる けど悲しい目」ワァァァ! ♪Fate / ANARCHY
まほ「最後の悪あがき 小賢しいね」ワァァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァ!
智美「………………」
まほ「………………」
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:33:11.40 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、蒲 a.k.a BARAが勝ったと思う人!」
ワァァ!
役人「……後攻、西住まほが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「まずは西住まほに1ポイントが入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「西住まほ」
理事長「西住まほ」
トシ「西住まほ」
秋一郎「西住まほ」
南浦「西住まほ」
役人「勝者!戦車道チーム、西住まほ〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
智美「………………」
智美(最初はイケるかと思ったけど……そのあとは全っ然上手くいかなくて……あったまくるなー)ワハハ
207 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:33:38.99 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
みほ「やった!お姉ちゃんが勝った!」
沙織「3人抜きだよ!すごい!」
エリカ「さすがまほ先輩……///」
千代「劣勢の中でも笑顔を崩さない蒲 a.k.a BARAさんを『笑ってるけど悲しい目』と、ANARCHYのサンプリングで表現し、さらにライミングで締めたのはさすがと言ったところね」
ペパロニ「これで麻雀部チームで残ってるのは1人っすよ!」
華「それに比べ、こちらは……みほさん、愛里寿さん、オレンジペコさんが残っています」
ケイ「ワオ!超有利ね!」
アンチョビ「さすがに1人でその4人を全員倒すのは難しいだろうからな!」
ペパロニ「姐さんの言う通りっすよ!で、麻雀部のラスボスは誰なんすかね?」
沙織「ゆかりん、わかる?」
優花里「いえ、私たちが見学していた時に強いと感じた人たちはすでに出てきてますので予想付かないです……他に目ぼしい人がいた記憶が無くて…」
麻子「手の内を見せないようにしていたんだろうな」
優花里「おそらくは。一体誰が出てくるのでしょうか……」
208 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:34:48.03 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
役人「さあ、そろそろ次の試合ですが、麻雀部の選手は…………あ、来ました」
まほ「…………む」
ザッ..
咲「」
まほ(宮永咲、か……)
【舞台袖 戦車道側】
オレンジペコ「宮永咲さん……宮永照さんの妹ですよね?」
優花里「はい。でも……意外ですぅ。バトルの練習を見たことがあるのですが、相手をディスれてない上に、まともにラップ出来てない感じだったので……」
沙織「お姉さんも物静かな人っぽいけど意外と強かったし、そういうタイプなのかな?」
優花里「いえ、お姉さんの場合、練習の時点で上手でした。割り切れてると言いますか、いつもの自分とラップする自分を演じ分けている感じで……」
みほ「それが宮永咲さんにはなかったの?」
優花里「はい。練習の時の実力で言いますと、ここまで出てきた麻雀部の人たちの中で一番下だと思います。手の内を隠していたにしても……わざとやっていたようには見えなかったのですが……」
みほ「なるほど。でもここで出てくるということは……」
麻子「何かしら持ってるというわけか。思い出作りに出場させるはずもないしな」
愛里寿「……ここから見てもわかる」
みほ「え?何が?」
愛里寿「宮永咲、すごいオーラが出てる感じ。あの子、かなり強い」
みほ「…………」ゴクリ
209 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:35:14.23 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
咲「」ゴゴゴゴゴ..
まほ(全国大会はテレビで観た。試合後のインタビューでは大人しい人物というイメージだった…………しかし、こうして目の前に立つと雰囲気が違うな)
まほ(フリースタイルバトルだから気合いが入っているというのもあるだろうが……いや、それ以外にどこか違いが……)
咲「………………」
咲(まさか私がこのステージに立つなんて思わなかった)
咲(それもこれも全部……)
210 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:35:45.36 ID:Veh8rIUF0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
咲「うぅ……やっぱり私、ダメです……全然ディスれません……」
久「無理にディスしなくてもいいんだけど……うーん」
晴絵「………………」
晴絵(相手をディスろうとする度に躊躇してる感じね。自分で自分を抑えつけているみたい……読書好きだから、言葉を色々知ってて、面白い表現なんかもするんだけど……)
晴絵(バトルにあまり乗り気じゃないのかもしれない。相手を攻撃するタイプにも見えないし)
久「あ、そうだ。麻雀の時に靴下を脱いで裸足になるじゃない?あんな感じで気持ちを切り替えるスイッチを作ればいいんじゃないかしら?」
咲「スイッチ……ですか?」
久「ええ、そのスイッチを入れたら攻撃的になれるようにって感じで。そうね…………制服のスカーフなんかどうかしら?」
咲「え?」
久「スカーフを脱いだらスイッチ入るようにするのよ」
咲「そう簡単に言われても……」
久「まぁ、いきなりは無理よね。だから今からスイッチを作りましょう」
咲「……どうやってですか?」
久「まず、スカーフをギュッと握ります。はい、やって」
咲「は、はい」ギュッ
久「そして、嫌なこと、イラッとしたこと、辛かったことなど、怒りや悲しみの感情を浮かべながら思い出すの」
咲「……あの、それってどういう意味が……」
久「いいから。やってみてよ。まずは目を閉じて。ちゃんとその時の場面と感情を思い浮かべながらスカーフをギュッと握るのよ?」
咲「は、はい……」
咲(イラッとしたこと……辛かったこと……うーん……)
咲(そういえば……借りてた本、返却日だから読み終わらせようとしてた時、レディースランチを注文するだけのために京ちゃんに食堂まで連れていかれたの、ちょっとイラッとしたなぁ……)ギュッ
咲(あ、その時に私を京ちゃんの嫁扱いした人、去り際の笑い方が『クックックッ』で、これもちょっとイラッとした)ギュッ
咲(優希ちゃん……初対面で急に背後から『どーん!』って言われてビックリさせられた)ギュッ
咲(優希ちゃんが、和ちゃんは男子にもモテモテ、って言った後、京ちゃんの『誰かさんとは大違いだな!』の一言)ギュッ
咲(麻雀部に初めて行って打った時、半荘3回目で京ちゃんが『咲の麻雀はパッとしませんなー』。優希ちゃんが『点数計算はできるみたいだけどねい』)ギュッ
咲(お年玉を巻き上げられてた時期の家族麻雀)ギュッ!ギュッ!
咲(学校での麻雀で初めて勝った日の夜、家で雀卓にカバーをかけようとしたタイミングで、お父さんが邪魔するように雑誌を放り投げてきた……普通に渡せばいいのに)ギュッ!ギュッ!
咲(家族麻雀で勝ったら怒られるからプラマイゼロにしてたことを京ちゃんが『くだらねー理由』と言ったこと)ギュッ!ギュッ!
咲(和ちゃんと指切りした日の夜、お風呂に入ってた時に気付いた。前に入ったお父さんが窓を開けっぱなしにしたままだったことに。年頃の娘がいるのに考えられないよ!)ギュゥゥゥゥ!
咲(頼んでもないのに衣さんに海の底に連れていかれた)ギュゥゥゥゥ!
咲(夢乃マホちゃんに嶺上開花をされたこと)ギュゥゥゥゥ!
咲(抽選会の日、私を起こさずにみんなだけ準備万端だった……)ギュゥゥゥゥ!
咲(色んな施設のわかりにくい内部構造。何度も迷子にさせられた……)ギュゥゥゥゥ!ギュゥゥゥゥ!
咲(他にも色々……)ギュゥゥゥゥ!ギュゥゥゥゥ!ギュゥゥゥゥ!
久「……どう?」
咲「……の……ぁ……も……に……」ブツブツブツ..
久「も、もういいわよ咲。とりあえず今は考えるのをやめて私の話を聞いて。目は閉じたまま。スカーフも握ったままでね」
咲「はい……」
211 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:36:14.33 ID:Veh8rIUF0
久「いい?そのスカーフは咲が溜め込んでた負のエネルギーを外に出さないよう邪魔していたの」
咲「………はい……」
久「でも今、負のエネルギーが加わったことでその封印は解けそうになってるわ」
咲「はい……」
久「だからそのスカーフを脱いだら、これまで抑えてた感情や他人への怒り、不満も素直に吐き出せるわ。もう抑えつける物は何も無い。あなたは自由になっていいのよ」
咲「自由……私は……自由……」
久「そう。自分を解放するの。今から3つ数を数えます。ゼロになったらスカーフを脱いで、目を開けるのよ?いい?」
咲「はい……」
久「今まで咲を抑え込んでたスカーフに別れを告げましょう。3……少しずつ怒りがこみ上げてきた。2……弱気な自分もスカーフと共にいなくなるわ。1……さあ、スカーフをもう一度強く握って………………ゼロ!スカーフを脱いで!」
咲「っ!」シュルッ!
久「………………ゆっくりと目を開けて」
咲「………………」パチクリ
久「……どう?テレビでやってたのをマネしてみたんだけど」
咲「なんか…………スッキリしました。自分じゃないみたい……いえ、自分なんですけど、なんか……今までの抑圧されてたモノが消えた感じです。今ならちゃんと戦えそうな気がします」
久「ホント?大成功ね!」
咲「はい」ニコリ
久「それじゃあ早速…」
晴絵「あー、ちょっと待って宮永さん。参加したくなかったらそう言っていいんだからね?ラップが上手くても別に強制参加じゃないからさ」
久「あ、それもそうですね。ごめん、咲。ちょっと強引だったわね」
咲「いえ、私は最初からやる気あります」
久「おろ」
晴絵「そうなの?」
咲「はい。西住さんたち姉妹は、フリースタイルバトルをすることで前より仲良くなったと聞いて……」チラ
照「」
咲「私も……そうなりたいと思ってます。だから参加したいです」
晴絵「そっか。わかった。じゃあ頑張ろうか」
咲「はい!部長、練習相手お願いします!」ニコッ
久「オッケー!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
212 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:36:42.52 ID:Veh8rIUF0
咲「………………」
咲(あの日、スカーフを脱いだ状態でバトルをした時の興奮、開放感はたまらなかった。次々に言葉が浮かんで、今まで全然戦えなかった自分が嘘のようだった)
咲(でも、見学してる偵察の人に気付かれないように、スカーフをしたまま練習するようになったのは残念だった……自力の底上げにはなったと思うけど)
役人「それでは準備はよろしいでしょうか」
咲「あ、はい」
咲(いけない。今はバトルに集中しないと)
役人「先攻後攻のじゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
咲「!後攻でお願いします」
役人「OK!先攻、戦車道チーム 西住まほ!後攻、麻雀部チーム Saki!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
213 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:37:12.21 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=-zYheeYiINw&t=5s
3:14
<第29戦 先攻 西住まほ VS 後攻 Saki>
まほ「真面目で大人しそうなヤツが バトルでは変貌」
まほ「そして どぎついディスで ギャップ狙い見え見え」ワァァ
まほ「それは すでにうちの妹 MIHOがやってる」
まほ「味の落ちる 二番煎じを 客に出すんじゃねぇよ」ワァァァ!
まほ「スカーフ脱いでキャラ作り 目立つために必死だな」ワァァ
まほ「でもきっと スカーフしてなかったってだけの印象になる」ワァァァ!
まほ「見てくれで誤魔化そうとする時点で 補欠って感じだよ」
まほ「私の前に立つ資格が無い どけっつってんだよ」ワァァァ!
咲「見てくれだけで邪推するその価値観 看過出来ない」ワァァ!
咲「考えが浅い その感性に 賛成少数 残念賞」ワァァァ!
咲「二番煎じ? 違う あんたの妹が未完成品」ワァァァ!
咲「悲観的 に見ずとも おそらく当たりと 睨んでいる」ワァァァ!
咲「バトル相手をどかす方法 ただ1つ 勝つのみ」
咲「それが凄味 どけと命令するんじゃ 情けない カスゴミ」ワァァァ!
咲「この人 韻踏めるけど踏まない感じを装う ペテン師」
咲「今までのアンサー全部言い訳 それって センスいいわけ?」ワァァァァ!
まほ「踏めるけど踏まない ちゃんと知ってるじゃないか」ワァァ
まほ「知ってて難癖つける こんな輩ばかりか?」ワァァ!
まほ「さっきの試合観てて言ってるなら もう 対象外」
まほ「最後踏んだろうが いくつ踏むとかあるのか? ガイドライン」ワァァァ!
まほ「お前の希望を押し付けるんじゃねぇよ カスゴミ」ワァァ!
まほ「対戦相手にスタイル指定するな これはマイク使った格闘技」ワァァァ!
まほ「と言いつつ こうやって応えてやるのが年上の優しさだ」ワァァ!
まほ「あとは痛くないように 潰してやるから目を閉じてろよ」ワァァァ!
214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:37:45.25 ID:Veh8rIUF0
咲「数回だけで 踏んでますアピールなんて 計算しようと」
咲「いい加減もう騙されない そんな霊感商法 みたいな手口」ワァァァ!
咲「こっちは韻踏んだ上でのパンチライン 生産工場」ワァァァ!
咲「ハッタリが通じなくなったら お姉さん逃亡」ワァァァァ!
咲「年上の優しさっていうより なんか姑(しゅうとめ)?」
咲「弾丸シュートめりこませたい あんたぐうの音 も出ない」ワァァァ!
咲「年下に論破されちゃって 併呑のパターン」ワァ!
咲「そうならないよう 頑張りましょう 正論おばさん!」ワァァァァ!
まほ「どこがパンチライン? ハッタリはどっちだよ」
まほ「品質データ偽装してるじゃないか その生産工場」ワァァァァァ!
まほ「お前の姉さんほど 強さを感じないぞ Saki」ワァァ!
まほ「アンサー返さないうちに論破? ぐうの音出しようがねぇなぁ」ワァァァ!
まほ「でもしょうがねぇか まだ1年生 上ばかり見てる」
まほ「よく転ぶらしいが それが原因だ わかっただろ」ワァァ!
まほ「韻を踏むために 『併呑のパターン?』 意味繋がらない」
まほ「韻のために間違った言葉を使うのが敗因だ わかっただろ」ワァァァ!
咲「意味繋がらない?違う 発想を飛ばす ギミックだからさ」ワァァ!
咲「想像力無い人 お断り ごめんなさい でも 事実語らないと」ワァァァ!
咲「確かに私は よく転ぶ でも必ず起き上がる」ワァァ
咲「不注意なだけなのに 変な理由付ける ヤツを嫌がる」ワァァァ!
咲「お姉ちゃんより強くない? 別にかまわない」
咲「お姉ちゃんより弱い私より弱い 西住まほってだけ」ワァァァ!
咲「この先も次々に言葉放つ 勝ち星を得るため」
咲「そしてピリオド乗り越えた戦車をも 飛び越えるだけ」ワァァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァ!
まほ「……………」
咲「………………」
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:38:12.07 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、西住まほが勝ったと思う人!」
ワァァァ!
役人「……後攻、Sakiが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「まずはSakiに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「西住まほ」
理事長「Saki」
トシ「西住まほ」
秋一郎「Saki」
南浦「Saki」
役人「勝者!麻雀部チーム、Saki〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
咲「よし……!」
まほ「………………」
まほ(強いな……みほと戦った時と同様の圧力を感じた……いや、もしかするとそれ以上か?)
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:38:40.23 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
みほ「お姉ちゃんが……!」
エリカ「まほ先輩……!くっ……!」
杏「んー……こりゃ難敵だねぇ」
柚子「バトルが始まった瞬間に、表情が引き締まって別人みたいになりましたね……」
麻子「バランス型だが、全方位でレベルが高いな」
ミカ「ただ、西住まほさんが後攻だったら勝負はわからなかったと思うけれどね」ポロロン
カチューシャ「そうよ。まだ1戦目で手の内がわからないから勝てただけで、ワンパターンな攻め方しか出来ない相手かもしれないじゃない」
千代「その通りです。確かに今の試合は見事だったけれど、憶することはありません。オレンジペコさん」
オレンジペコ「はい」
千代「お願いします」
オレンジペコ「わかりました」ザッ..
ダージリン「優雅に、そして煌びやかに勝ってくるのよ?」
オレンジペコ「煌びやか……出来るかわかりませんが、頑張ってみます」
ダージリン「いってらっしゃい」ニコリ
オレンジペコ「はい」
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:39:56.90 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
咲「…………」
オレンジペコ「」ザッ
咲(オレンジペコさん……アンサーが特に得意な人……)
オレンジペコ(愛里寿さんの言う通り、こうして対峙するとオーラがあるように感じますね)
オレンジペコ(戦車道の時のダージリン様にも引けをとらないほどの……)
役人「先攻後攻を決めてください」
ジャンケンポン
オレンジペコ「!後攻でお願いします」
役人「OK!先攻、麻雀部チーム Saki!後攻、戦車道チーム オレンジペコ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
218 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:41:41.95 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=zu6RMiPnWhs
2:45
<第30戦 先攻 Saki VS 後攻 オレンジペコ>
咲「上級生から 同じ学年が相手」
咲「気も楽だ タコ殴り 上中下段」ワァァァ!
咲「ダージリンさんのそば 常駐してた」ワァァ!
咲「紅茶係に対し 起こすクーデター」ワァァァ!
咲「つまりは聖グロのグロの意味を グロテスクに」
咲「変える 惨状 圧倒的な ストレスフリー」ワァァァ!
咲「手作りのお菓子 テーブル上 風化」
咲「満場一致で会場中 制する少数派」ワァァァァ!
オレンジペコ「マイク持たせてる場合じゃないよまず」
オレンジペコ「真顔でタコ殴りとか サイコパス」ワァァ!
オレンジペコ「クーデター フランス語で 『国家に対する一撃』」
オレンジペコ「聖グロを 国と認めてくれてありがとう」ワァァァ!
オレンジペコ「さっきの霊感商法 どうこうなんかより」
オレンジペコ「Sakiの凶暴性にみんな 諦観のようだ」ワァァァ!
オレンジペコ「完全に危ない人 だからちゃんと 封じよう」
オレンジペコ「ほどけないよう スカーフを首に かた結びしよう」ワァァァ!
咲「かた結び 一瞬で斬り 作る 英雄伝説を」
咲「それはまるで関羽 青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)」ワァァァァ!
咲「またがる赤兎馬 あるいは汗血場(かんけつば)」
咲「簡潔に言って 酸欠になる前に あっさり完結だ」ワァァァ!
咲「Sakiの凶暴性 コメント無しの方向で」ワァァ!
咲「行動で示す コールドゲーム」ワァァァァ!
咲「『ゴメン』しても 許さず片付ける」
咲「オレンジペコ その辺に寝ろ」ワァァァ!
219 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:42:09.13 ID:Veh8rIUF0
オレンジペコ「『ゴメンしても』 どんな日本語?」ワァァ!
オレンジペコ「酸欠か産気づいてて 息切れですかぁ!?」ワァァァ!
オレンジペコ「自分の首に巻かれたマフラー切るために」
オレンジペコ「青龍偃月刀 使う武将は 知力1でしょ」ワァァァァ!
オレンジペコ「そもそも英雄伝説 自分で言い出しちゃダメ」ワァァ
オレンジペコ「はた迷惑ですよ 自我強すぎるおバカさんて」ワァァ!
オレンジペコ「誤魔化さず 私はありのまま アナ雪」
オレンジペコ「Sakiとは 桃園で誰も交わしやしない 盃(さかずき)」ワァァァ!
咲「知力1 という 恥辱に死を贈る」ワァァ!
咲「一口に 飲み込む そして 地獄行き」ワァァァ!
咲「盃 交わす気無し Sucker(サッカー)好き じゃない」ワァァァ!
咲「さっさと平らげる さよなら 赤ずきん」ワァァァ!
咲「今さら アナ雪 古すぎて 凍えそう」
咲「死語テスト存在したら問題として ここ出そう」ワァァァ!
咲「こんな人とは どこも行きたくない 桃園にもです」
咲「そう思ってしまう 24/7(トゥエンティフォー・セブン)」ワァァァァァ!
オレンジペコ「そんなこと言われても 何も怖くないわ」ワァァァ!
オレンジペコ「私もあなたとは どこも行きたくないわ」ワァァ!
オレンジペコ「赤ずきん食べられても この過労死しそうな猟師役の」
オレンジペコ「役人さんが狼のお腹 さばいて救出 助かる」ワァァ!
オレンジペコ「24時間ずっと私とどこも行きたくないって考える」
オレンジペコ「…それ、逆に私のこと好きなんじゃない?」ワァァァ!
オレンジペコ「素直になれない ツンデレ女子」
オレンジペコ「ありのままで 進んでってよし」ワァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァ!
咲「………………」
オレンジペコ「………………」
220 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:44:07.94 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、Sakiが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「……後攻、オレンジペコが勝ったと思う人!」
ワァァァ!
役人「まずはSakiに1ポイントが入ります」
オレンジペコ「…………っ」
役人「では審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「オレンジペコ」
理事長「Saki」
トシ「オレンジペコ」
秋一郎「Saki」
南浦「Saki」
役人「勝者!麻雀部チーム、オレンジペコ〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
咲「」フゥ
オレンジペコ(後攻をとったのに……延長にすら持ち込めませんでしたか……)
221 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:44:34.54 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側】
優希「やったじぇ!咲ちゃんがまた勝ったじょ!」
久「これで残るは2人ね!」
和「咲さん……///」
和(普段と違って攻撃的な口調で罵る咲さんも素敵です///)ポー..
照「あとは島田愛里寿……ばりぼり…………と西住…………ぼりっばりっ…………みほだけだな」モグモグ
菫「照。堅あげポテトを食べながら喋るな。噛み損なうと歯ぐきを痛めるから集中して食べろ……それと」
照「?」パクパク ポロポロ
菫「お前が取り損ねて床に落とし、誤って踏んづけてしまったじゃがりこを福路さんが掃除してくれたところだろう?早速ポロポロとこぼすんじゃない」
美穂子「いえ、私はお掃除が好きですから大丈夫です」ニッコリ
華菜「……なあ文堂」
星夏「は、はい」
華菜「私たちが『あーあ、じゃがりこって踏んじゃうと超粉々になって掃除機とかちり取りじゃないと片付けるの大変なんだよなぁ』とか言って棒立ちで見てるだけだった時、掃除してくれたのは誰だ?」
星夏「キャプテンです!」
華菜「な?キャプテンはお人よしすぎるんだ」
星夏「はい……まったくです」
智葉「いや、後輩が突っ立ってるんじゃない。お前らが動け」
華菜「…………っす」
智葉「『っす』じゃない。謝ったような感じだがそれは何の返事にもなってないからな」
ネリー「もー!サトハうるさい。黙って膝枕やってて。約束でしょ」
智葉「……確かに負けたらしてやると言ったが……まぁいい」
照「………………」モグモグ
照(咲……)
222 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:45:04.20 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
みほ「オレンジペコさん……!」
アンチョビ「お、おいおい。先攻でオレンジペコに勝つのはかなり難しいはずだろ?」
カルパッチョ「はい。練習では、後攻時の勝率は高かったです」
桂利奈「そのオレンジペコさんを相手に……さすがラスボス……」ゴクリ
ケイ「うーん……確かにあの子、すっごく強いんだけど……ちょっと違和感があるのよね」
ナオミ「違和感?」
アリサ「どの部分がですか?」
ケイ「むーー……どこって言われても困るのよねー……なんとなくだから」
アリサ「……それは隊長の勘違いでは?」
まほ「そうでもない。戦った時、私も若干違和感を覚えたからな」
アンチョビ「ど、どんなんだ?」
まほ「1バース目の途中から力強さというか、圧力を増したように感じた。しかし……」
アンチョビ「しかし?」
まほ「今のバトルで、わずかだが圧力が弱まったように見えた。ただ、少しして再び増したがな」
アンチョビ「うーむ、つまり……調子に波がある、ということか?」
まほ「細かい部分はわからない。ただ、何かがあるという気はする」
アッサム「何故何かがあると思われるのですか?」
まほ「勘だ」
アッサム「…………なるほど。ダージリンはどう思いますか?」
ダージリン「うふふふ」
アッサム「……またわかってるフリですか」ハァ
ダージリン「違うわ。今のまほさんの言葉で全てのピースが埋まったの」
アッサム「え?」
223 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:45:31.41 ID:Veh8rIUF0
まほ「どういうことだ?」
ダージリン「宮永咲さん……彼女の麻雀での武器と言えば?」
杏「嶺上開花(リンシャンカイホウ)だね」
ダージリン「そう。そしてその嶺上開花を和了るために必要なのは……」
まほ「!カン(槓)か!」
ダージリン「ええ」ニッコリ
まほ「なるほどな……だから1バース目の頭であれだけ……」
沙織「ちょ、ちょっと!あのー、意味がまだわからないんですけど……」
ダージリン「では説明しましょう。Sakiさんは麻雀の時と同様に、カンをするほど手が進む……つまり有利になっていくの」
沙織「…………え!じゃあ……」
ダージリン「シンプルすぎて拍子抜けだけれど、『カン』の付く言葉……例えば『漢字』や『感動』ね。これらを使うと力を増すのだと思うわ」
まほ「私とのバトルで急に圧力が増したのは、序盤でカンの付く言葉を連呼してパワーアップしたから、というわけだ」
優花里「ど、どういう仕組みでそうなっているのでしょう?」
まほ「彼女にとって、麻雀でカンは大きな武器だ。有効牌を引き入れる以外にも色々と戦いの中で重要な位置にあることは想像に難くない。その強い想いがフリースタイルバトルにも反映されたんだろう」
沙織「そ、そんなことってありえるんですか?」
ケイ「アンジーがじゃんけん強すぎるのと似た感じじゃない?運だけで片付けられないでしょ?理由も説明できない。アンジー以外はね」
桃「た、確かに……」
杏「んー、私はなんとなくやってるだけなんだけどねー。でもそうだね、理屈で説明できないのは同じかも」
アキ「あれ?じゃあ途中で圧力が弱まった、っていうのはどういうことなんですか?」
ダージリン「オレンジペコが『カン』の付く言葉を使ったからよ」
アキ「え?」
ダージリン「おそらく、相手がカンを含む言葉を使うと、Sakiさんの強化された分が失われるのだと思うわ。そのあとで勢いを取り戻したのは、Sakiさんがカンの付く言葉を使ったからね」
まほ「そうか……だから今のバトルの2バース目の頭、Sakiは力が弱まった。オレンジペコさんが1バース目でカンを使ったからだ」
ダージリン「ええ。だから力を強めるため、アンサーとしては効果の薄い『関羽』、『簡潔』、『汗血場』などを使って力を取り戻しにかかった…」
まほ「最初の方は力を強めることを重視したわけか……なるほどな」
ダージリン「まほさん。Sakiさんの力の上限、下限についてはどう思います?」
まほ「そうだな。あくまで予想だが、私とのバトルでは1バース目でパワーアップして以降、ほとんどカンが無かった気がする。上限はある程度決まっているんじゃないだろか」
ダージリン「下限はどうかしら?相手がカンを付ければ、上乗せした力の分は下げられるというのは正しい気がするけれど」
まほ「……こちらがどれだけカンを使おうと、最初よりマイナスにはならない気がするな。それと上限だが、単純に数が多ければいいならもっと連呼して強化するはずだ。やみくもに使って気付かれるのを警戒したとも考えられるが、あらかじめカンの付く言葉を片っ端から暗記すれば数で押し切れるだろうから、上限は決まっていると思う」
ダージリン「ふむ……何故上限を決めたのかしら。上限を無しにしてしまうと、自分の中でバランスを取るために下限もマイナスになるように適用されてしまうから?」
まほ「というよりは麻雀のルールが根底にあるからだろう。『カンをマイナス2回』というルールはないからな」
ダージリン「確かにそうね」
まほ「回数はどうだ?最大何回まで強化出来ると思う?」
ダージリン「……麻雀のルールから考えると、4か5ではないかしら?」
まほ「やはりそうか」
ダージリン「ええ。麻雀では2人以上が4回カンをすると流局になる。ただ四槓子という役満があるから、1人が4回カンした場合は流局にならず、そのあとに誰かがカンした時に流局になる。つまり5回ね」
224 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:46:02.04 ID:Veh8rIUF0
まほ「……うん、それは納得だ。ということは…」
桂利奈「あいーーー!!!!」
まほ「な、なんだ?急に叫んでどうした?」
桂利奈「全然話についていけません!」
沙織「わ、私も……何がなんだか」
まほ「そうか?では説明を…」
愛里寿「大丈夫」
沙織「え?」
まほ「む?」
愛里寿「Sakiがカンという言葉を言うと強化される。相手が言うと弱体化。強化段階は4から5回。最低は0。バースや試合をまたいで効果は継続する……でしょ?」
まほ「ああ。今の試合は、私とのバトルの勢いそのままだったからな。継続するだろう」
ダージリン「その辺は麻雀のルールと少し齟齬があるわね。もっとも、麻雀には流れがあるとするならば前局の流れを引っ張るという考え方が出来るけれど」
沙織「え、ええと……?」
愛里寿「彼女と戦う場合、バース毎に最大5回、カンが付く言葉を使えばいい……先攻をとって前の試合の強化分を打ち消す必要もある。理解した」
桂利奈「よ、よくわかるね。すごく難しいのに……」
愛里寿「エヴァの設定とかの方が難しい」
桂利奈「そうだけど!」
愛里寿「お母様。私、行っていい?」
千代「ふふ、そのつもりよ」ニコリ
愛里寿「ありがとう」
みほ「えっ?あ、あの!私が最後なんですか?」
千代「信頼しているのよ。私も、みんなもね」
みほ「!…………」
愛里寿「みほさん」スッ
みほ「愛里寿さん……?」
愛里寿「これ、ボコ。預っててもらっていい?」
みほ「う、うん」
愛里寿「じゃあ行ってきます」
みほ「愛里寿さん……頑張って!」
愛里寿「……うん」ニコッ
225 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:46:31.81 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
愛里寿「………………」ザッ
咲「……………………」
咲(島田愛里寿さん。前回大会のシングル戦では西住まほさんと互角の勝負をしてた。間違いない強敵。そして……)
咲(ヒラヒラのゴスロリ……和ちゃんが好きそう……)
咲「!」ハッ
咲(気を緩めちゃダメだ……引き締めて、全力で……)ギュッ..
役人「先攻後攻をじゃんけんで決めてください」
ジャンケンポン
愛里寿「先攻」
咲「む」
愛里寿「……………」
咲「…………」
役人「OK!先攻、戦車道チーム 愛里寿!後攻、麻雀部チーム Saki!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
226 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:47:00.50 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=OqwvMiti9a0
2:56
<第31戦 先攻 愛里寿 VS 後攻 Saki>
愛里寿「先攻で簡単に完封 時間使わず」
愛里寿「間髪入れず 棺桶に入れる 感覚秀でる」ワァァ!
愛里寿「1から9 オールマイティ 歩く一気通貫(いっきつうかん)」
愛里寿「狼 兼 ライム狂いの ビッチ食う番」ワァァァァ!
愛里寿「清澄の 濁る水のようなディスに食指 動かない」ワァァ!
愛里寿「清くて澄んでる 嘘じゃない? 相手の傷 ひどくえぐってる」ワァァァ!
愛里寿「しかも 追撃とばかり傷口に 塗りたくる塩」
愛里寿「そんなSakiに 愛里寿が与える 悔い悩む死を」ワァァァ!
咲「勘弁してほしいほどの 勧善懲悪」
咲「愛里寿の描く価値観 完全懲罰もの」ワァァ!
咲「一気通貫とか麻雀の トピック用いた」
咲「お勉強済みらしい 偉いね このゴシックロリィタ」ワァァァ!
咲「ホントに冗談 に見えるほど お人形さんっぽいくせに」ワァァ!
咲「牙は鋭い だけど無駄になる 臥薪嘗胆」ワァァァ!
咲「ガキんちょなんか 指の先っちょタンってやれば」ワァァ
咲「ひっくり返って転がる そんな印象だ!」ワァァァ!
愛里寿「倒れない 立ち続ける 永久機関の完成だ」
愛里寿「いかんともしがたい程の 三半規管と安定感」ワァァァ!
愛里寿「難しそうな 四字熟語で 取り繕うの やめなさい」ワァァ!
愛里寿「賢く見せようと必死か その気持ちは ポリ袋へ」ワァァァ!
愛里寿「あんた 見た目は 文学少女 運無く頂上 前に」
愛里寿「脱落 愛里寿が勝つ 韻踏んだ玄人」ワァァァ!
愛里寿「ばりに勝利ふんだくろうと戦う 覚悟」ワァァ!
愛里寿「Sakiは本の虫 でも愛里寿は 本物のMC!」ワァァァァ!
227 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:47:27.32 ID:Veh8rIUF0
咲「果敢なほどの過干渉 鬱陶しい感情」ワァァ!
咲「韻が何小節も続く 森羅万象 ばりに みんな感動」ワァァァ!
咲「させる Sakiに反し 愛里寿 ゴスロリ着てる」
咲「ワックMC 今すぐ すくいあげる 北斗七星」ワァ!
咲「そう つまり柄杓(ひしゃく) 起こすミラクルな美学」ワァァ!
咲「自覚無いし悪態に足すライム すぐさま 爆砕」ワァァァ!
咲「それでもなお 撃ち続ける弾丸 ずば抜けた連射速度 リロード」
咲「文学少女に 読み解かれる ゴスロリ幼女」ワァァ!
愛里寿「意味不明な文脈 その小説(小節)は不採用」ワァァァ!
愛里寿「ゴスロリ『幼女』じゃない だから 告訴しようと思う」ワァァァァ!
愛里寿「Saki 8小節の前半『カン』ばっかなのはどうして?」
愛里寿「好きなら今からたっぷりあげる それじゃあ行こうか」
愛里寿「カンカン照り、観客、喚起、管轄、管楽器、鑑みる、カンガルー」ワァァァ!
愛里寿「関係、歓喜、緩急、環境、観察眼、この辺で お勘定」ワァァァァ!
愛里寿「それと 最後に言わせてほしい この 一言」
愛里寿「♪ゴスロリ服 着るのもHIPHOP」ワァァァァァ! ♪My life / ZORN
咲「どうしてカンばっか? 好きな言葉 音感 快感だから」
咲「なんだかんだ 第六感 働かせながらも 頑張った」ワァァ!
咲「今 劣勢 でもディス徹底的に 言うし決定的 な差じゃない」ワァァ!
咲「勝機見込みつつ 包み込む 有刺鉄線」ワァァ!
咲「ゆうに接戦 越えて点 を稼ぎまくる オーラス逆転劇」
咲「ボーナス100円でいい とにかく立場 昇格かつ完璧」ワァァァ!
咲「この先も Sakiが 咲き誇り さっきみたいに 勝つらしい」
咲「愛里寿は枯れちゃう 寒椿(かんつばき)」ワァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァ!
愛里寿「………………」
咲「……………………」
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:47:55.71 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、愛里寿が勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「……後攻、Sakiが勝ったと思う人!」
ワァァァ!
役人「まずは愛里寿に1ポイント入ります」
愛里寿「…………」
咲「………………」
役人「……それでは審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「愛里寿」
理事長「愛里寿」
トシ「愛里寿」
秋一郎「Saki」
南浦「愛里寿」
役人「勝者!戦車道チーム、愛里寿〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
愛里寿「………………」ホッ
咲「負け……た……?」
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:48:24.60 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側】
和「咲さん……!」
久「島田愛里寿……完全に咲の特性を見抜いていたわね」
照「そのせいで少し焦ってた。そしてその焦りに加えて、北斗七星のラインでの歓声が少なかったことに動揺して崩れた」
淡「北斗七星のライン?あったっけ?」
菫「あっただろう」
照「『ワックMC 今すぐ すくいあげる 北斗七星』ってところ。北斗七星が柄杓の形をしてるから、それで島田愛里寿をすくいあげるという意味と、北斗七星を道具として使えるくらい自分はすごい、というセルフボースティングだったけど……わかりにくいから伝わらなかった」※セルフボースティング・・・自画自賛、自分の凄さを他者に誇示する
菫「すぐに『つまり柄杓』と言ってはいたが…」
照「そのまま行くか説明するかで後者をとったんだろうね。どちらも正解だろうけど。でも結局愛里寿さんが一枚上手だった」
照「8小節の前半にカンばかりと指摘されたけど、咲はそのアンサーを返す余裕もなく、劣勢を立て直すことしか見えてなかった」
菫「ラストバースでカンの付く言葉をひたすら並べてきたのもプレッシャーになっただろうな」
照「間違いなく。冷静でいられたら互角以上に戦えただろうけど……戦車道で勝負慣れしてるせいか、冷静でいられなくなるような攻め方をしてきた」
淡「ふーん、色々考えてるんだね〜」
照「………………」
菫「その、なんだ…………残念だったな」
照「…………うん」
230 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:48:56.56 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
沙織「か、勝ったーーーー!!」
優花里「やりましたねぇ!西住殿ぉ!」
みほ「うん」ニコリ
みほ(愛里寿さん、すごい)
ペパロニ「いやぁ〜!めでたく優勝出来てよかったすよ〜!」
華「これはもう食べ放題ですね」ウフフ
ケイ「パーティーの準備しなきゃ!」
ワイワイガヤガヤ..
みほ「………………」
沙織「あれ?みぽりんどうしたの?せっかく優勝したんだからもっと楽しまないと!」
みほ「え、でも」
沙織「?」
みほ「まだ……終わってないし」
沙織「…………へ?」
ペパロニ「…………ほ?」
ケイ「…………は?」
みほ「麻雀部チームはまだ1人残ってるよ?」
沙織・ペパロニ・ケイ「………………」
華「…………やっぱりですか」
沙織「ちょっと!華ずるい!絶対知らなかったじゃん!食べ放題とか、打ち上げの話してたし!」
華「いえ、わたくしはいつも食べ放題のつもりですから」
ペパロニ「あ、それは私もっす!」
ケイ「えー!?カロリーとか糖質とかちょっとは考えた方がいいよ〜?」
沙織「食べ放題の話で引っ張らなくていいから!ていうかみぽりんも知ってたなら早く教えてよ!」
231 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:49:26.88 ID:Veh8rIUF0
みほ「ごめんね?でもSakiさんがラスボスっぽいオーラっていうのには同意見だったから」
ダージリン「それとみほさん、1つ忘れてるみたいだから教えてあげるわ。アンチョビさんもSakiさんが最後の1人だと思ってたわよ」
アンチョビ「お、おい!こっそりとしてたのにバラすなぁ!」
ペパロニ「姐さん……後輩3人とケイさんを犠牲にして自分だけ助かろうとか、クソダサくないっすか?」
アンチョビ「う、うるさい!この話はもういいとして!最後は誰なんだろうなァー!?」
ミッコ「完全に勢いで押し切ろうとしてる……」
杏「まぁまぁ。その辺にしといたげよーよ。で、実際誰なんだろね?」
優花里「わかりません……偵察に行った人間として情けない限りですが……」
おりょう「目ぼしい人間は出場済みぜよ」ハァ
エルヴィン「となると……練習に参加してない人物かもしれないな」
カエサル「しかし、そんなヤツいるのか?」
左衛門佐「!わかったぞ!」
エルヴィン「本当か、左衛門佐!?」
左衛門佐「ああ!最後に出てくるのはおそらく……宮永照だ!」
おりょう「は?」
エルヴィン「もう出ただろう」
左衛門佐「違う」
カエサル「?」
左衛門佐「さっき出ていた宮永照は…………影武者だ!」
エルヴィン・カエサル・おりょう「な、なんだってーーーー!!!」ガガーン
千代(しまった!ノリ遅れたわ!)チッ..
アッサム「監督?」
千代「はっ……こほん。なんでもないわ」
みほ「………………」
みほ(影武者は無いとして……でも本当に誰なんだろう……)ウーン
232 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:49:53.93 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側】
咲「ごめんなさい……負けちゃいました……」
まこ「お疲れじゃ」
久「すごかったわよ!頑張ったわね、咲」ニコリ
和「咲さん……好きです///」
優希「のどちゃん、それは今じゃないじぇ」
咲「愛里寿さんには私のスタイルが完全に見抜かれてました……」
久「ちょっと予想外ね。録音なり文字起こししてみれば多少わかるかもしれないけど、2戦で気付くなんてね」
ゆみ「砲弾飛び交う戦場で磨かれたものだろうな。福路並の洞察力だ」
晴絵「……みんないい?大会もいよいよ大詰め。残るはうちらが1人で戦車道チームが2人…」
晴絵「相手は島田愛里寿、そして間違いなく西住みほ。どちらも強敵」
晴絵「でも、この子ならなんとかしてくれると私は思ってる。バトル前にこんな風にプレッシャーをかけられても……ううん、むしろこのプレッシャーを力に変えてくれると思う」
晴絵「…………じゃあ、あとは頼んだよ」ザッ
やえ「………………」バン!
やえ「……ふっ、仕方がない。私がこの状況をなんとかしてみせよう!」
晴絵「…………いや、小走さんじゃなくてね」
やえ「なっ……なんですって!?」
憧「もったいぶったハルエも悪いよ。しずもそう思うでしょ?」
穏乃「え?私は別に……ラーメン食べたいなって思ってたところだし」
憧「それ今思うこと?まぁ……しずらしくていいけど」
晴絵「じゃあ仕切り直して」コホン
晴絵「……あとは任せたわよ!愛宕洋榎さん!」
233 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:50:25.87 ID:Veh8rIUF0
洋榎「…………よっしゃ」ニッ
やえ「わ、私の無念を晴らすのよ!」
智葉「油断するなよ?普段のお前の調子を出せるなら何も心配はない」
照「………気を付けて」
菫「我々麻雀部の命運はお前が握っている。頼んだ」
胡桃「絶対勝って!」
久「大トリは任せたわよ?」クス
智美「ワハハ」
ゆみ「強敵が2人残っているが、愛宕さんなら大丈夫だ」
咲「あの……お願いします」
淡「負けたらダメだからね」
爽「『何事も愛をもって行いなさい』……って感じで」※新約聖書 コリントの信徒への手紙 16章14節
憧「ここで応援してますから!」
華菜「私たちの無念を晴らしてほしいし!」
和「よろしくお願いします」
姫子「私が部長んこつば大切に思うように」
哩「愛宕洋榎の力ば信頼しよる」
怜「負けたらジュースおごってもらうで?」
洋榎「…………ふふん」ニヤリ
絹恵「ファイトやで!お姉ちゃん!」
洋榎「おう!全部まとめて面倒みたるわ。ほなな」ザッ!
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:50:52.59 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
愛里寿「………………」
愛里寿(最後の相手は誰なんだろう?)
洋榎「すまんすまん。遅なってもうた」
愛里寿「…………!」
愛里寿(愛宕洋榎……大阪の姫松高校だったっけ)
愛里寿(確か……この人の妹がぬいぐるみを蹴ったんだよね。ということは姉であるこの人もぬいぐるみを蹴る派の人間…)
愛里寿(ボコをみほさんに預けておいて良かった)ホッ
235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:51:18.91 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
みほ「愛宕さんが最後の1人……」
麻子「どんなスタイルなんだ?」
優花里「それが……愛宕さんがバトルしてるところを見たことがないんです」
桃「どういうことだ?練習に参加してなかったのか?」
優花里「いえ、その場にはいたのですが、バトルを見ていることがほとんどでした。あとはサイファーには加わってましたけど、割とダラっとした感じで……あまりデータが無いのです」
おりょう「まったくバトルをしてないわけではないんだが……どうも全力で取り掛かっていないようだった」
エルヴィン「選ばれない、あるいは選手として参加しないから、そういう行動をとったと思っていたが……」
左衛門佐「大トリとして出てくるということは、何か理由があってのことだったのかもしれない」
カエサル「あるいは練習なんていらないと考えるタイプか、だな」
みほ「…………」
みほ(いきなりバトルを練習するんじゃなく、見ることから始めたのは、バトルの全体図……戦うMC2人を客観的に見ることと、周りの人の表情や反応を知るため?)
みほ(バトルに本腰を入れてないように見えたのは、何か試行錯誤しながら戦っていたから?)
みほ(そうでもなければ、強敵揃いの麻雀部チームで最後の1人に選ばれるはずがないよね……)ゴクリ
みほ(愛里寿さんには勝ってほしいけど、いつ出番が来ても大丈夫なように、愛宕さんを研究しよう)ジッ..
236 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:51:46.63 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
洋榎「……おっしゃ、気合い入れてこか」
愛里寿「………………」
愛里寿(この人もSakiさんみたいに何かしらの特殊なモノを持っているのかな)ジー
洋榎「ん?なんやその目ぇは…………あ、なるほど。うちが他のヤツらみたいな特徴あるんちゃうかって考えてるんやろ?」
愛里寿「!」
洋榎「やっぱ図星か。安心せえ、うちはオーソドックスや。変わった特技もなんも無いで」
愛里寿(……嘘、はついてない感じ)
洋榎「ただ……」
愛里寿(!やっぱり何かある?)
洋榎「シンプルにめっちゃ強いで?」ニヤリ
愛里寿「……………………」
愛里寿(何かしらあるかもしれないと思わせておけば私の集中を乱せて有利なのに、わざわざ自分で明かすなんて……)クスッ
洋榎「お?なんで笑たん?」
愛里寿「いえ、なんでも」
愛里寿(自分が負けたら終わりの状況でこうまで落ち着いていて、正々堂々と戦おうとする姿勢……嫌いじゃない)
愛里寿(当然、負けるつもりはないけど)
洋榎「なんでも言われたら余計気になるやんかー。ま、ええけど」
役人「ではそろそろ始めましょう。先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
洋榎「お、勝った。ほな先攻で」
役人「OK!先攻、麻雀部チーム ヒロエ!後攻、戦車道チーム 愛里寿!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
237 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:52:15.95 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=U1udf8ZfhCk
2:42
<第32戦 先攻 ヒロエ VS 後攻 愛里寿>
洋榎「ゴスロリ服 着るのも HIPHOPなら うちは」
洋榎「♪一点突破 行くでHIP HOPPER」ワァァァ! ♪MR.DYNAMITE / ZEEBRA
洋榎「羨ましいわ 金持ち ええとこ育ち」
洋榎「♪島田流の関係者 大体友達」ワァァァ! ♪Grateful Days / Dragon Ash feat.ZEEBRA
洋榎「うちも2世やけど ニセちゃう 変な扱い大概にせぇや」ワァァ!
洋榎「親に似せる気ない 第一線や 毎日変化」ワァァァ!
洋榎「おちゃらけて 騒動起こす 弥次喜多さんに?」
洋榎「あるいは女版の やしきたかじん」ワァァァ!
愛里寿「♪星の数ほどいる ワックMC 即」ワァァ ♪公開処刑 / キングギドラ feat.BOY−KEN
愛里寿「溶かす ヘドロと化す 灼熱地獄」ワァァァ!
愛里寿「何故か 目指してるらしい やしきたかじん」
愛里寿「そんな人に対して 何したらいい?」ワァァァ!
愛里寿「ラップより歌、毒舌? ならどっかいけ」
愛里寿「麻雀の人すら目指さない もったいねぇ」ワァァァ!
愛里寿「今の一言で ヒロエの脳に走る」
愛里寿「♪雷 稲光 降り注ぐ雷鳴」ワァァァ! ♪イカヅチ / 雷
洋榎「その通り ♪電光石火 かっ飛んできた」ワァァァ! ♪証言 / LAMP EYE
洋榎「♪仲間と常に 魂」ワァァ!
洋榎「♪燃やし 焦がし 笑い」ワァァァ!
洋榎「♪力となってく うちの肥やし」ワァァァァ!
洋榎「おかんも言うはず 『うちの子やし』」ワァァァ!
洋榎「愛宕家は別名 ばくち打ちの小屋に」ワァァ!
洋榎「歌も毒舌もラップで 表現できるで?」
洋榎「発想が貧困 愛里寿を『証言』で斬るで」ワァァァァ!
238 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:52:46.58 ID:Veh8rIUF0
愛里寿「♪貧困なんて気にしなーい」ワァァァ! ♪貧乏なんて気にしない / KOHH
愛里寿「♪絶対ヒロエに負けなーい」ワァァ
愛里寿「貧乏くさいのはヒロエの方」
愛里寿「ばくち打ち というより マッチ売り」ワァァァ!
愛里寿「2世として よく言われた 七光り」
愛里寿「でもそれが間違い だと証明するから」ワァァ
愛里寿「♪なんて言われてもいい」ワァァァ! ♪WHATEVER / ANARCHY
愛里寿「痛くもかゆくも無いから 斬られてもいい」ワァァア!
洋榎「ならもう一度 斬っとこ〜かな〜?」
洋榎「麻雀と戦車 クロスオーバー斬」ワァァァ! ♪KROSSOVA’〈斬〉 / S−WORD
洋榎「サンプリング 予言済み KOHHとANARCHY」
洋榎「去年の冬頃 すでに うちのコート穴あき」ワァァァ!
洋榎「そんなヒラヒラ 今 着替え」
洋榎「♪関西から はるばる殺しに来た来た」ワァァァァ! ♪人間発電所 / BUDDHABRAND
洋榎「監督 ♪赤土の晴絵の姉貴 と」ワァァ ♪大怪我 / BUDDHABRAND
洋榎「♪ヒロエの危ない手の動き を見ろ」ワァァァ! ♪Don’t test da master / BUDDHABRAND
愛里寿「疲れそうなほど 危ない手の動き」
愛里寿「酸素足りないなら頑張れ ヘモグロビン」ワァァ!
愛里寿「サンプリング対決 楽しめた 屈託なく」
愛里寿「でも ♪バトルは愛里寿が完全に食った」ワァァァ! ♪来たぜ / K DUB SHINE
愛里寿「大正解に なるよう 改正開始」
愛里寿「頭脳旅行中 高める 需要と供給」ワァァァ!
愛里寿「このバトルのハイライト こう書いとけ」
愛里寿「愛里寿がヒロエを 公開処刑」ワァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァ!
洋榎「さすがやな。やるやん」
愛里寿「…………あなたも」
239 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:53:13.53 ID:Veh8rIUF0
役人「これより判定に入ります!先攻、ヒロエが勝ったと思う人!」
ワァァァ!
役人「……後攻、愛里寿が勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「まずは愛里寿に1ポイント入ります」
洋榎「む、とられてもうたか」
愛里寿「………………」
役人「……それでは、審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「愛里寿」
理事長「ヒロエ」
トシ「ヒロエ」
秋一郎「ヒロエ」
南浦「愛里寿」
役人「3対2でヒロエ!延長戦に入ります!」
ワァァァァ!
洋榎「あっぶな。ヒヤヒヤしたわ」
愛里寿「…………」
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:53:41.90 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
みほ「………………」
優花里「延長ですね……手に汗握る戦いとはこのようなことを言うのでしょうねぇ、西住殿」
みほ「………………」
優花里「……西住殿?」
みほ(愛里寿さんの前の大会や、SakiさんとのバトルでZORNをサンプリングしたことから、サンプリング合戦を挑んだヒロエさん)
みほ(ブッダの『赤目のダルマのオジキ』を『赤土の晴絵の姉貴』に変えたりとか、後半の畳みかけるようなサンプリングはストックの可能性もあるけど、雷のサンプリングを『証言』の電光石火に繋げたり、KOHHとANARCHYを『コート穴あき』で返す瞬発力はすごかった。それにフロウも心地いいし、ライムも上手い)
みほ(でも愛里寿さんが3バース目に、ヒロエさんのブッダのサンプリングを、ビーフがあったK DUB SHINEのサンプリングで返すのはかなり鋭い切り返しだったし、今までと変化を付けて『改正開始』、『頭脳旅行』、『公開処刑』と、曲名でライミングしたのは面白い試みだったから、審査員の評価に繋がると思ったけど、むしろ観客票で勝って審査員票で負けた…)
みほ(……ヒロエさんが『証言』のサンプリングで4小節使い、しかも内容が本人とリンクしていて、なおかつそのバースの最後を『証言で斬る』とライミングで決めた……そのインパクトを上回れなかったのかな)
優花里「………………」
沙織「すごい集中力だね、みぽりん。周りの声が全然耳に入ってないみたい」
優花里「はい。そんな西住殿も素敵ですぅ……///」
華「ボコのぬいぐるみを抱えながら真剣な顔をしているのが可愛らしいですね」ウフフ
沙織「確かに」クスッ
みほ(延長戦はどう戦うつもりなんだろう?サンプリング合戦の続きをするのかな?それとも普通に戦う?)ウーン
241 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:54:11.29 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
役人「延長戦の先攻後攻を決めてください」
ジャンケンポン
洋榎「今度は後攻や。あんたじゃんけん弱いな」
愛里寿「……たまたま」
役人「では行きましょう!延長戦、先攻 愛里寿!後攻 ヒロエ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
242 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:54:37.70 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=Fi1V0e499yc
2:25
<第33戦 先攻 愛里寿 VS 後攻 ヒロエ 延長戦>
愛里寿「今度こそ 懐 深めに入る」
愛里寿「さっきのは前哨戦 つばぜり合い」ワァァ!
愛里寿「栄光の1日 ならないんだ今日も」
愛里寿「未来永劫 着てろ 穴あいたコート」ワァァァ!
愛里寿「華やいだ舞台上 負けて退場」ワァァ!
愛里寿「麻雀部代表 さよならしよう」ワァァァ!
愛里寿「それでこの大会 幕らしいよ」
愛里寿「涙落とすのは 枕にしよう」ワァァァ
洋榎「まずは緊張 なくし楽にしよう」ワァァ
洋榎「まくし立てましょう 上手く仕上げましょう」ワァァァ!
洋榎「様子見は用済み コートの穴から」
洋榎「刃が今 垣間見えた かいな?」ワァァァ!
洋榎「キミの番は 仕舞い ここは 死地となるわ」
洋榎「ちっこい すばしっこい おい 七五三か?」ワァァァ!
洋榎「枕濡らす? 何がおもろいねん!」
洋榎「お前を 泣かして流したるわ 涙ごとトイレ!」ワァァァァ!
愛里寿「そんなんじゃ辛い でも don’t wanna cry」ワァァァ!
愛里寿「真っ暗 な場所から飛び立つ バタフライ」ワァァァ!
愛里寿「超いきり立つ 禍津神(マガツカミ) すら触れられない」
愛里寿「今日キミに勝つ ことでその 領域に立つ」ワァァァ!
愛里寿「現在認識 した潜在意識」
愛里寿「もはや手の付けられない 天才につき」ワァァ
愛里寿「決着付ける 真剣勝負やろう」
愛里寿「結果 愛宕家で独りきり ホームアローン」ワァァァ!
243 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:55:05.97 ID:Veh8rIUF0
洋榎「何寝ぼけとんねん ワックちゅうかルーザーが」
洋榎「未来変えたろか? バック・トゥ・ザ・フューチャー」ワアァァァ!
洋榎「ホンマは 察してるんやろ? ほんの うっすら」
洋榎「敵ながらあっぱれ 騙し切っとるな 本能すら」ワァァァ!
洋榎「けど逃がさへんで まるで猛禽類」
洋榎「♪ぜってえ なってやるぞキングに」ワァァァ! ♪ヤバスギルスキル・パート3 / ラッパ我リヤ feat.ARK
洋榎「クイーンと兼任 牝馬でダービー勝つ」
洋榎「そんな負けん気 祝杯 みんなでパーティーや!」ワァァァァ!
愛里寿「猛禽類 ってことは もう人類 卒業」ワァァ!
愛里寿「後戻りは出来ない メール 一斉送信済み」ワァァ!
愛里寿「パーティーしても集まるのは フクロウかハゲワシ」
愛里寿「大阪代表の立場だったのに 嘆かわしい」ワァァァ!
愛里寿「牝馬でダービー すでに前例あるし」
愛里寿「知らないなら 差が付く ヒエラルキー」ワァァ!
愛里寿「私が目指すは ♪ビッグなGT(ジーワン)レース」ワァァ! ♪ライムダービー / ラッパ我リヤ feat.ZEEBRA
愛里寿「マイクラシック ラッパ我リヤ ライムダービー」ワァァァ!
洋榎「問1『まるで』の意味を答えよ」ワァァ!
洋榎「家で辞書引いて 身もだえろ アホ!」ワァァァ!
洋榎「ライムダービー出れん 賞金 足りてへん」ワァァ
洋榎「あれ?枕が濡れ……お前泣いてへん!?」ワァァァ!
洋榎「ほならカタキとったる 魂、背負(しょ)ったる」ワァァ!
洋榎「そんで勝つ 残す ディープインパクト!」ワァァァ!
洋榎「品格も人格も輪郭も 関係ない」
洋榎「明確な強さと結果に 飼育員泣くぞ!」ワァァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァ!
愛里寿「……………」
洋榎「………………」
244 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:55:32.45 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、愛里寿が勝ったと思う人!」
ワァァァ!
役人「……後攻、ヒロエが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「まずはヒロエに1ポイント入ります」
洋榎「………………」
愛里寿「………………」
役人「次は審査員の判定です!みなさん、お願いします!」
ババン!
亜美「ヒロエ」
理事長「愛里寿」
トシ「ヒロエ」
秋一郎「ヒロエ」
南浦「愛里寿」
役人「勝者!麻雀部チーム、ヒロエ〜〜〜〜〜!!!」
ワァァァァ!
洋榎「……おし」グッ
愛里寿「………………」
愛里寿(負けた……)
役人「この結果、次の試合は両チームとも最後の一人……17人目同士の対決!正真正銘、最後の戦いとなりました!」
ワァァァァ!
245 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:55:59.64 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
沙織「愛里寿ちゃんが負けちゃった!」
華「……勝っていてもおかしくない気がしましたけれど?」
千代「愛里寿の出来は悪くなかったわ。安定したライミングにアンサーも返せていた……でも」
華「でも?」
千代「ヒロエさんのフロウが喋り口調や早口、テンポの上下など、細かい部分で変化を付けていたこと。そしてヒロエさんのラッパ我リヤのサンプリングに対し、愛里寿が競馬の話題を含めたアンサーとして、ラッパ我リヤの『ライムダービー』をサンプリングした…」
千代「これは愛里寿のカウンターが見事に決まった、と思ったところで、ヒロエさんは『ディープインパクト』というワードを使った。これはお見事でした」
沙織「でぃーぷいんぱくと?どういう意味なの?」
杏「ディープインパクトっていう、ダービーを勝った馬がいるんだよ」
沙織「なるほど。競馬繋がりってことですか」
麻子「それだけじゃない。ラッパ我リヤがfeaturingした曲に『Deep Impact』というのがある。島田愛里寿がサンプリングしたラッパ我リヤで再び返しているわけだ」
千代「そしてディープインパクトは『深い衝撃』という意味なのだけど、それもきちんと含まれている内容で筋が通っている…………残念だけれど、この試合では愛里寿を上回っていたわね」
沙織「な、なるほど……難しいことしてたんだ」
華「本当ですね……カロリーを使いそうです」
千代「……というわけで……みほさん」
みほ「はい」
千代「愛里寿が敗れた今、残っているのは1人。みほさんだけです」
みほ「………………」
千代「私たちの命運は、あなたにかかっています」
みほ「…………はい」
沙織「そ、そんなプレッシャーかかる言い方…」
まほ「みほ」ザッ
みほ「お姉ちゃん……」
まほ「いけるな?」
みほ「うん、ちゃんとみんなの分まで背負うつもり」
沙織「みぽりん……」
246 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:56:26.93 ID:Veh8rIUF0
みほ「心配してくれてありがとう沙織さん。でも大丈夫」ニッコリ
優花里「西住殿……」
千代(開き直ったわけではなく、きちんと受け止めた上での笑顔…)
千代(背水の陣と自覚させ、緊張感を与えることによる発奮を狙う必要はないみたい。さすがしぽりんの娘…………いえ、みほさんね)クスッ
麻子「西住さんなら勝つだろう。私は寝るから勝ったら起こしてくれ」
沙織「ちょっと麻子!ちゃんと観ようよ!」
麻子「冗談だ。見逃せないだろう、この試合は」
アッサム「普段通り、平常心で頑張ってください」
オレンジペコ「美味しい紅茶を用意して待ってますね」ニコリ
ペパロニ「だったらうちはパスタを作って待ってるっす!」
アンチョビ「対抗しなくていい!みほ!みほなら絶対勝てるぞぉ!」
ナオミ「その顔を見る限り、心配は無用そうだな」フフ
アリサ「まぁ……その……あんまり気負うんじゃないわよ?いつものあんたならなんとかなるから」
エリカ「気負おうがなんだろうが絶対勝ちなさいよ!戦車道だって、私や周りに何を言われても勝ったんだから!」
ケイ「ヒロエは強いわ!だからバトルしたらすっごく楽しいと思う!ミホ、レッツエンジョイ♪」
杏「ほーほー。にひずみひゃんはらはいひょふはいひょふ」モグモグ
カチューシャ「食べながら喋るじゃないわよ!まったく……ミホーシャ、負けたらシベリア送り25ルーブルよ!」
ノンナ「さっきまでどう励ますか悩んでいたのに素直じゃないですね……みほさん、今回のシベリア送り25ルーブルとは、『カチューシャと25回遊びに行こう』という意味です」
カチューシャ「の、ノンナ!バラすんじゃないわよ!」
カルパッチョ「その時は是非アンツィオに遊びに来てほしかったですけど……みほさんは勝ってくれるでしょうから、普通に遊びに来てくださいね」
ミカ「今日という日がどういう日になるかは、このバトルで決まるかもしれない。ただ、あくまでそれを決めるのは人の心さ」ポロロン
桂利奈「わ、私は西住隊長に勝ってほしいです!でもプレッシャーはかけたくないです!え、ええと…………ぱ、パンツァー・フォー!」
みほ「みんな……ありがとうございます」ニコッ
まほ「自分のやりたいように戦えばいい」
みほ「うん。じゃあいってきます」
まほ「ああ。いってらっしゃい」
247 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:56:54.85 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
洋榎「来たか」ニヤ
みほ「…………」ザッ
役人「さあ、それでは最終戦を始めましょう!」
ワァァァ!
役人「先攻後攻のじゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
洋榎「先攻や」
みほ「!……」
洋榎「一発で終わらせたるで」
みほ「そうは……させません」
洋榎「へえ……ほなら楽しみにしとくわ」
役人「OK!先攻、麻雀部チーム ヒロエ!後攻、戦車道チーム MIHO!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
248 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:57:21.64 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=wFeXBOVZVXU&t=13s
3:20
<第34戦 先攻 ヒロエ VS 後攻 MIHO>
洋榎「MIHO 片付けたるわ うちが大阪の代表」
洋榎「見たらわかる 聞いたらわかる 感じたらわかる オーラが最強」ワァァァ!
洋榎「ディスは豪華な愛情 8億小節 ずっと このまま快調」ワァァァ!
洋榎「ちゃんとアンサーせえよ? そのクチ閉じてもうたら最後 やから」ワァァァ!
洋榎「姉のカタキ 誰の話 なんでもええ かかってこい」ワァァ
洋榎「大阪人 今日までの会話量 格が違うわ! なんでも返す!」ワァァァ!
洋榎「スタイルは 王道 邪道 どれでもない 別の角度や」ワァァ
洋榎「そんなうちとお前で 作り上げるのが 今大会 ベストバウトじゃ!」ワァァァ!
みほ「大阪代表 相手でもクチは閉じず回る モーターは最速」ワァァァ!
みほ「会話量とラップは別物 話の筋 初っ端迷子」ワァァァ!
みほ「出だしからビッグマウス 姉の世迷言 妹かわいそう」
みほ「どこ行っても姉のネタでいじられて 『死のう』とかなりそう」ワァァァ!
みほ「それが嫌なら バイブス下げるな 避けろ 低体温症」
みほ「このバトル ベストバウトにならないなら ヒロエが停滞の温床」ワァァァ!
みほ「本来なら 仲良く過ごしていたい本性 でも容赦しない」ワァァ!
みほ「ディスで開ける 冥界の門を 扉塞いでとる 閉会の音頭」ワァァァァ!
洋榎「次から次 クチが悪い 妹は平気 ネガティブな 栗原類」ワアァァ!
洋榎「ちゃうから 無理なら無理 言うわ 教えたる 無知なカスに」ワァァァア!
洋榎「お前 今のライムだけやぞ? ちゃんと返せや 芯食うアンサー」
洋榎「冥界?なんやお前ケルベロス? とっととどかす 珍獣ハンター」ワァァァ!
洋榎「容赦せえへんのは当たり前 今頃そんな宣言せんでええねん」ワァァァ!
洋榎「マジ メか 説 明 書全 部読 むタイ プやろ どうせ お前は」ワァァァ!
洋榎「うちは 即決 そんなんばっかして 直感 反射神経」ワァァァ!
洋榎「鍛えた 速度制限、越す 経験則 ついてこれるんか オイ!?」ワァァァァ!
249 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:57:50.71 ID:Veh8rIUF0
みほ「法定速度 守らないなら ほっとく どうせ急ぐほどじゃない」ワァァァ!
みほ「それに昔から言われてた 『怪しい人についていっちゃいけません』」ワァァァァ!
みほ「説明書 読まないヤツほど 何も内容わかってないよ」ワァァァ!
みほ「挙句の果て 困り 嘆くの何故? ホント世迷言だよ」ワァァァ!
みほ「わかってないから教える 冥界の『中に』いるのが ケルベロス」
みほ「外に出ようとして襲われる 頑張れ逃げろ 走れメロス」ワァァァ!
みほ「容赦しない宣言の理由 関西はクレーマー多そうに 思うから」
みほ「ホント面倒 無視しようかな どうせ 暮れは大掃除」ワァァァァ!
洋榎「もしもダイソンのサイクロンで吸われても 残すマイク痕」ワァァァ!
洋榎「吸引力を利用して パイプ通って排気口から 抜け出す」ワァァ!
洋榎「バッチリ(塵) 誇り(ホコリ)まみれや 微動だに(ダニ) せえへん 勝つのみ(ノミ)」ワァァァ!
洋榎「場内 歓喜(換気)させることを放棄(ホウキ)せず かますプレー(スプレー)」ワァァァァ!
洋榎「こうやって笑点ばりに 上手いことに挑戦」ワァァ!
洋榎「几帳面で真面目なヤツ 起承転結 キチキチで おもんない」
洋榎「枠はみ出す 度量も度胸もしょうもない 同じ土俵立てん」ワァァ!
洋榎「この言葉が置き土産 忘れんな そこのキミやで?」ワァァァ!
みほ「掃除機から脱出 速度も枠も はみ出たがるヤツ」
みほ「正直 同じ土俵 立ちたくない 人生に 真面目じゃなくなる」ワァァァ!
みほ「直感頼りじゃ 行き当たりばったり 進むべき時に」
みほ「道端に立ったり 明らかにハッタリ で 亡骸になったり」ワァァァ!
みほ「少々捻って 起承転結の承承承で 創造しようと」ワァァ!
みほ「想像以上 に不発な状況証拠 貰えない表彰状」ワァァァ!
みほ「回り回って 育ってない クリエイティビティ」
みほ「説明書 全部読んだ私は とっくにね生き字引」ワァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァ!
洋榎「…………やるやんけ」
みほ「………………」
250 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:58:18.77 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、ヒロエが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「……後攻、MIHOが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!
役人「MIHOが1ポイント獲得です」
みほ「っ……」ゴクリ
洋榎「………………」
役人「……それでは審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「MIHO」
理事長「ヒロエ」
トシ「ヒロエ」
秋一郎「MIHO」
南浦「ヒロエ」
役人「審査員票は3対2でヒロエ!延長戦です!!」
ワァァァァ!
洋榎「ま、そんなとこやろな」
みほ「………………」
みほ(残念だったけど、落ち着こう。ここで気持ちを乱したら一気に負ける。それだけヒロエさんは強い)
251 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:58:45.78 ID:Veh8rIUF0
役人「では、先攻後攻じゃんけんをお願いします」
ジャンケンポン
みほ「!」
みほ(勝った……普通なら後攻をとるところだけど、ペースを作るために……)
みほ「先攻お願いします」
役人「OK!先攻、戦車道チーム MIHO!後攻、麻雀部チーム ヒロエ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
252 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:59:16.99 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=oJSx_HwGrd0&t=7s
2:37
<第34戦 先攻 MIHO VS 後攻 ヒロエ 延長戦>
みほ「これで決める 戦車道チーム 見事にトップ」
みほ「祝福してくれる 水戸ホーリーホック」ワァァ!
みほ「ヒロエは 過大評価だ 帰りな 南大阪」ワァァァ!
みほ「チームメイトも思ってるはず 『見限ろうかな』って」ワァァァ!
みほ「見せつけるスキル ディスと 押韻が過激」
みほ「確実にヒットさせる 行進間射撃」ワァァァァ!
みほ「こいつのディス アホらしい小言にヤジ」
みほ「ソース無しの薄味 たこ焼きお好み焼き」ワァァァァ!
洋榎「ソース(情報源)あれへんなら 決め付けんな」ワァァァ!
洋榎「妄想と予想ばかりで 最後は 自滅でんなぁ」ワァァァ!
洋榎「あとお前、車長 砲手ちゃうなぁ」
洋榎「これはソースあるで? 認めてや社長さん」ワァァァ!
洋榎「ライムばかり盛り込みすぎ ラーメン二郎か?」ワァァ!
洋榎「西住まほの 爪の垢、煎じろ!飲め!」ワァァァ!
洋榎「お好み焼きばりに 板(舞台)の上でジュージュー熱ぅなる」ワァァ!
洋榎「暑苦しい 重々承知 うちは 押韻より気持ち!」ワァァァァ!
みほ「その気持ちを へし折る言霊(ことだま)」
みほ「耳塞ぐ代わりに 咳き込むとこだな」ワァァァ!
みほ「板の上で熱くなっても 最後ひっくり返される」ワァァァ!
みほ「その瞬間が来ると知ってて じっくり耐えられる?」ワァァァァ!
みほ「ラーメンMIHOは大盛り ライム、野菜マシマシ」ワァァ!
みほ「少量を 騙し騙し よりよっぽどマシだし」ワァァァ!
みほ「最後に勝ち残るのは MIHOなんで」
みほ「酒飲みも よく言う『シメはラーメン』」ワァァァ!
253 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 20:59:46.14 ID:Veh8rIUF0
洋榎「お前そこは茨城 あんこうマシマシやろ!」ワァァァ!
洋榎「もったいない 発想が 半歩足りないアホ!」ワァァァ!
洋榎「ラーメンMIHO 大盛りでも 高カロリー そんなのいい」ワァァァ
洋榎「騙し騙し てかアレ もやしもやし やしなもう」ワァァァァ!
洋榎「うちは どうひっくり返されても負けへん」
洋榎「無防備にクチ放り込んだら火傷する お好み焼きやけど」ワァァァ!
洋榎「文句ある? そういう魂をこの身焼き付けてる!」ワァァァ!
洋榎「それが うちの好みや気ぃ付けろや!」ワァァァァ!
みほ「その減らず口 ヘラで叩いてペラペラに」ワァァ
みほ「熱いだけじゃ 夢、描(えが)けない 芽が出ない」ワァァァ!
みほ「あんこうは マシマシ 無理な高級魚」
みほ「まじまじ見れば 納得 うちらのムード」ワァァァ!
みほ「次はどう言うの? 粉もの談義 続ける?」
みほ「ぶっちゃけ 本心では そんなもの関心なし」ワァァァ!
みほ「素直に敗北 認めろここに」ワァァ!
みほ「ついでに言っとく 興味ない ヒロエの好み」ワァァァァ!
洋榎「粉もの談義 お前が言い出したんや」
洋榎「自作自演やん ドゥユーアンダースタン?」ワァァァ!
洋榎「MIHOらのムード あんこう踊りか」ワァァ!
洋榎「♪ア・ア・アン ア・ア・アン 簡単やん」ワァァァァ!
洋榎「うちの夢 芽が出るかは 確かに わからん」
洋榎「けど描けへんってのは見当違い ニワカやな」ワァァ!
洋榎「敗北認めろって 降伏勧告ちゃうんけ?」
洋榎「ギブアップされて優勝 満足なん?ねえ?」ワァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァ!
254 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:00:23.65 ID:Veh8rIUF0
役人「それでは判定に入ります!先攻、MIHOが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「……後攻、ヒロエが勝ったと思う人!」
ワァァァ!
役人「MIHOに1ポイント入ります」
みほ「!」
洋榎「……………」
役人「それでは……審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「MIHO」
理事長「ヒロエ」
トシ「ヒロエ」
秋一郎「ヒロエ」
南浦「MIHO」
役人「3対2で……ヒロエ!再延長です!」
ワァァァァ!
みほ(また延長……)
洋榎「……ふー……」
役人「では再延長に入ります!先攻後攻を決めてください」
ジャンケンポン
洋榎「先攻」
みほ「!」
みほ(あくまで先攻……自分の流れに持って行こうとしてる)
役人「OK!先攻、麻雀部チーム ヒロエ!後攻、戦車道チーム MIHO!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
255 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:00:52.60 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=_z1noQGCV-8&t=26s
3:03
<第34戦 先攻 ヒロエ VS 後攻 MIHO 再延長>
洋榎「また延長かい けどこのまま眠たいこと」
洋榎「言ってられへん 仲間の期待こそパワーや」ワァァァ!
洋榎「うちは このSakiも 腕、み凱屠(がいと)く」ワァァ!
洋榎「ガイドいらん KAJUう(果汁)の甘さもいらん」ワァァ!
洋榎「AWAただしくも ストイックにスキル HERO−Se(披露せえ)」ワァァ!
洋榎「でもお前は ここで果TELU(てる) Toki(時)迎える」ワァァ!
洋榎「全員分 やりたいけど ごめん無理やねん」
洋榎「それでも勝てるけど すでに MIHOエンプティーやで」ワァァ!
みほ「なんか注釈(カチューシャ)無いと わからない系(ケイ)」ワァァ!
みほ「人より自分の身を案じ(アンジー)れば?」ワァァ!
みほ「リングに沈み魔法(西住まほ)のように消えろ 調子乗んな(ノンナ)」ワァァ!
みほ「見限って(ミカ)食べる アンチョビとカルパッチョに カプレーゼ(REZE)」ワァァァ!
みほ「これのどこがエンプティー? むしろ満タン」
みほ「ここから物語 作るし浪漫譚(ろまんたん)」ワァァ!
みほ「『仲間の期待がパワー』には 同意する」
みほ「頑張れるのは みんなが喜ぶ顔 見たいからだ」ワァァァ!
洋榎「おいおいおい 途中のアンチョビ・カルパッチョ卑怯やろ!」ワァァ!
洋榎「ジローラモかて 言うやろな 『イジョウダヨ』て」ワァァ!
洋榎「クRUMIは料理入れにくいし 爽PはPが邪魔やし」ワァァ!
洋榎「お前らもっとやりやすい名前付けてぇや もうホンマに!」ワァァ!
洋榎「こんなんじゃ 毛根が痛んで ハゲてまいそうや」ワァァ
洋榎「ストレスに 慣れてないお嬢さん 的な一面もあんねんから」ワァァ!
洋榎「ま、髪の毛 怪しなっても使わん 育・毛・剤!」ワァァ!
洋榎「うちはストレスも力に変える It’s Show Time!」ワァァァ!
256 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:01:21.44 ID:Veh8rIUF0
みほ「It’s Show Time オーライオーライ」
みほ「フライ軽く捕球して 状態をハイに」ワァァ!
みほ「ここでそのノリですか ギャグラップ」
みほ「なら私は厳しすぎる追い込み JASRAC(ジャスラック)」ワァァ!
みほ「これじゃ5lack(スラック)のサンプリングも 徴収対象」ワァァ!
みほ「甲州街道に 逃げても捕まえる 無いよ救済も」ワァァ!
みほ「ハゲネタとか精神年齢 ガキすぎ中1」
みほ「でも本当に困ったら 発毛すれば? リーブ21」ワァァ!
洋榎「もうええ加減ライム重視は ガタきとるなぁ」
洋榎「言葉探しとるから 文脈めちゃめちゃなんねん」ワァァァ!
洋榎「大阪・茨城 甲州街道なんて関係ないぞ!」ワァァァ!
洋榎「てかお前のアンサー 対話やない はぐらかしてるだけじゃ」ワァァァ!
洋榎「救済無い 言うときながらリーブ21?」ワァァ!
洋榎「助けてくれるんかい 前言撤回 しょうもないわい」ワァァァ!
洋榎「どう凌ぐかしか考えてへん輩に 負けへんわ」ワァァ!
洋榎「その程度のヤツこそ 夢は描(えが)けへんな!」ワァァァァ!
みほ「夢 目がけ点火 時には 業煮やしてく」
みほ「普段は冷静だけど そういうのも 性に合ってる」ワァァ..
みほ「……どう凌ぐか考えるのは後攻なら当然」
みほ「でもそこまで言うなら ここから魂の勝負しようか!」ワァァァ!
みほ「お前『負けへん』って言っても『勝つねん』とは言わないね」ワァァァ!
みほ「腰引けてる守備重視 イケイケに見えて実は臆病者!」ワァァァ!
みほ「何思って戦ってるか いまいち見えてこない!」ワァァァ!
みほ「もう一度言う 私が必ず最後に勝ち残る!」ワァァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァ!
洋榎「………………」
みほ「………………」
257 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:01:51.40 ID:Veh8rIUF0
役人「さあ、判定に入ります!先攻、ヒロエが勝ったと思う人!」
ワァァァァ!
役人「……後攻、MIHOが勝ったと思う人!」
ワァァァ!
役人「まずはヒロエに1ポイント入ります」
みほ「っ……」
洋榎「………………」
役人「では審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「MIHO」
理事長「ヒロエ」
トシ「MIHO」
秋一郎「MIHO」
南浦「ヒロエ」
役人「審査員はMIHO!再度、延長戦です!」
ワァァァァァ!
みほ「」フゥゥ..
洋榎「……っ、アカンか」
258 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:02:19.50 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側】
穏乃「え、ええと……最初から数えて3回目だから……」
憧「再々延長!」
灼「ここまで長引くとは思わなかっ…」
晴絵「そうね」
恭子「………………」
絹恵「どうしました?」
恭子「いや…」
恭子(西住みほ……洋榎の本質的な部分に気付いとるんか?)
恭子(洋榎は麻雀では、意外に思われるけど守備寄りのタイプや。それがバトルでも垣間見えとったのは事実)
恭子(練習でもバトルを積極的にやりたがれへんかったのは、偵察に実力がバレたない言うよりは、フリースタイルバトルがそういうモノとはいえ、仲間や知り合いをディスしたないって気持ちの表れ…)
恭子(全国大会での竹井久に対しては、期待してた分だけキツめな言葉吐いとったらしいけど、瞬間的にモノ言うタイプにしては人のこと悪く言わへんし)
恭子(見た目的に真逆言うたら失礼やけど、園城寺さんの方がよっぽどディスがキツいしなぁ)
恭子(西住みほも同じや。あない大人しそうな見た目のくせに、えげつない攻め方をしてきよる。おそらく戦車道で培った洞察力が、相手の弱い部分を見抜いてまうからやろうけど)
恭子(……いや、それだけちゃうか。西住流で育った経緯も関係しとるな。今の西住みほの戦車道は西住流の本流とは違っとるようやけど、容赦の無さは西住流譲りや)
恭子(ホンマ、厄介な相手やなぁ……)
恭子(…………けど)
恭子(そんな相手でも、最後には勝ってまうんやろ?私はそう信じてるで、洋榎)
259 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:02:47.45 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
まほ「また延長か」
エリカ「なかなか決着つきませんね」
麻子「西住さんが勝ったと思った試合もあったんだが」
カルパッチョ「そうですね……ライミングも安定してます」
杏「ぃやぁ、でもその辺はヒロエちゃんも上手いからねぇ」
千代「そうね。MIHOさんはライミングで上回っているけれど、ヒロエさんのフロウとユーモアはMIHOさん以上です。アンサーは両者とも上手く決めているものの、確実に勝敗を分けるような差が付かない好勝負が続いている……こう着状態ね」
ミカ「会場の雰囲気も少し変わってきているように感じるよ」
アキ「え?どういうこと?」
ミカ「固いライムよりも、相手に本気でぶつかっている言葉を求めている気がするね」
ミッコ「なんでそんなことがわかるの?」
華「わたくしも感じました」
沙織「華?」
アキ「え、ほんとですか?」
華「ええ。みほさんの試合中の表情を見てピンときました。今の試合の最後の8小節、みほさんは途中から韻を踏まずに言葉を重視しました」
ミッコ「そう……でしたっけ?」
華「はい。最初の2小節で脚韻を決めたのですが、その時に歓声がそれほど上がらなかったんです。そこでみほさんは少し間を空けてから、韻にこだわらなくなったみたいです」
ミカ「よく見ているね」フフ
華「お腹が空いているので神経が研ぎ澄まされています」ニッコリ
まほ「……キミの洞察力も大したモノだな」
沙織「まほさん……?」
まほ「厳密に言えば、ヒロエのラストバースの時点でその傾向はあった。ライミングやフロウよりも、バイブスや内容に重きを置いたラップを聞きたいと観客が思い始めたのだろう、沸き方に変化があった。それを測るために、みほも最初にライミングをして、その反応から戦い方を変えていったのだろう。その結果、審査員票を得て、延長に持ち込めた」
ミカ「もちろん、完全にライミングを捨てたわけではないだろうけどね」
愛里寿「ただ……みほさんがあのあとも最後までライミングで決めにいってたら多分負けてた」
まほ「そうだな」
沙織「で、でもどうしてお客さんは急にそんな感じになったんですか?」
まほ「おそらくだが、2人のレベルの高さ、そしてこの試合が最終戦であることから、技術的な部分ではない、人間としての言葉を聞きたくなったんだと思う」
ケイ「その気持ち、わかるわ。2人ともセルフボースティングは上手だし、ウソは言ってないけど、本音で戦うって感じでもないもんね。これだけ強い2人なんだから、その心の深い部分に興味を持たれるのは当たり前ね!」
沙織「でも、そういう熱血みたいなバトルになったら、みぽりんは不利なんじゃ…」
まほ「大丈夫だ」
沙織「え」
まほ(最初のフリースタイルバトル大会の決勝、私と戦った時のみほのバイブス……熱さを内に秘めているからこそ生まれる爆発力、それを私は肌で知っている)
まほ(だから何も心配していないよ、みほ)クスッ
沙織「……なんか、なんの説明もしてくれないまま笑顔でステージを見つめてるけど……」ヒソヒソ
麻子「色々思うところがあるんだろう。察してやれ」
260 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:03:16.90 ID:Veh8rIUF0
【ステージ】
みほ「………………」
みほ(再々延長になった……ううん、再々延長になんとか持ち込めたって感じかな)
みほ(もうライミングで戦っても勝ち目が無い。ヒロエさんも、最初の時から戦い方を少しずつシフトしてきてる)
みほ(こうなったら、もう全てを吐き出すくらいの気持ちで戦うしかない!)ギラリ
洋榎「………………」
洋榎(『勝つねん』とは言わない、か)
洋榎(勝つ気はめっちゃある。けど、心のどこかで『勝ちたい』より『負けたない』って思いが強かったのかもしれん。MIHO、お前の指摘は痛いとこ突きよったわ)
洋榎(けどな)
洋榎(そのおかげで今、お前に勝ちたい気持ちがめっちゃ湧いてきてるわ)
洋榎(お前も感じてるやろうけど、ここから先は武器を使た技術合戦やない。殴り合いや)
洋榎(もし気付いてへんようなら……ここであっさり勝負は決まるで?)チラ
みほ「………………」ジッ..
洋榎(……ははっ、そない鈍ないか。まぁええ。とにかく愛宕洋榎の全てをぶつけたるわ!)ギラリ!
役人「では両者、じゃんけんで先攻後攻を決めてください」
ジャンケンポン
みほ「先攻でお願いします」
洋榎「ほぅ」
役人「OK!先攻、戦車道チーム MIHO!後攻、麻雀部チーム ヒロエ!DJルミ、かまーせー!」
ルミ「っ!」
261 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:03:52.85 ID:Veh8rIUF0
http://www.youtube.com/watch?v=oGs12SmPjfU
3:08
<第34戦 先攻 MIHO VS 後攻 ヒロエ 再々延長>
みほ「延長が続いても 勝利への執念は全然尽きない」ワァァ!
みほ「戦車で指示を出し 叫び続けてきた このノドも音を上げはしない」ワァァァ!
みほ「ヒロエ 好敵手 でも負けるわけにはいかない」
みほ「かつての敵たちと 力合わせて戦う 集大成だから!」ワァァァ!
みほ「その代表として戦える喜び もっと味わっていたくもあるけど」
みほ「永遠の幸せは幸せじゃない だから終わらせるために戦う」ワァァァ!
みほ「ベストバウトになるって あんたは最初に言ったけど」
みほ「一番レベル低い試合になったとしても 私は勝ちたいんだ!!」ワァァァァ!
洋榎「その執念 さっきまでの うちには足らんかったのかもな」
洋榎「うちが『勝ちたいと言わん』っての 正直突き刺さったわ」ワァァ!
洋榎「けどな その気持ちは うちの中にあった 押さえこんどった」
洋榎「変に がっついたらアカンてな けどそんな見栄 いらんわ!放り投げたる!」ワァァァァ!
洋榎「カッコ悪くてもええ! 仲間、妹に負ける姿は見せられへん!」ワァァァ!
洋榎「ただでさえデカない姉の背中 ここで猫背なってたらアカンやろ」ワァァァ!
洋榎「ここで勝つためのマイク! 勝つための声! 勝つための意地!」ワァァァ!
洋榎「今までの人生で培ったもの全部 勝つために ぶつけたるわ!!」ワァァァァァ!
みほ「すごいと素直に思う そんな姉を 妹は誇らしく思う」ワァァ
みほ「追いつきたい 隣に並びたい だから辛いことでも頑張れる」ワァァァ!
みほ「その気持ちは 姉が負けたって何も変わらない」ワァァ!
みほ「ミーハーじゃないんだ 姉を慕って憧れる妹をあんまり舐めないでくれるかな!?」ワァァァァ!
みほ「それに私だって自分の人生 ぶつける気持ちで立ってる!」ワァァ!
みほ「戦車道チーム最後の選手 私の負けは戦車道の負けだ!」ワァァァァ!
みほ「大洗 聖グロ 黒森峰 プラウダ アンツィオ サンダース 継続」
みほ「他の学校も! レペゼン戦車道 敗北の二文字は踏みつぶす!!」ワァァァァ!
262 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:04:20.20 ID:Veh8rIUF0
洋榎「うちかて同じや わかるやろ! 麻雀部の代表のつもりや!」ワァァァ!
洋榎「激しいしのぎ合い続けてきた 極限の戦いなら慣れっこなんじゃ!」ワァァァァ!
洋榎「1打のミスもせんよう 瞬間の判断の連続で鍛え上げてきた!」ワァァ!
洋榎「喋りまくってきた関西人 べしゃりのバトルで勝てる思うな!!」ワァァァァ!
洋榎「うるさい やかましい言われながらも ここまで楽しいやってきた」
洋榎「大会負けて辛い時かて 明るくしようとアホなこと言うたり」
洋榎「どんな時も 喋りまくって来た この状況でも平常運転」ワァァァ!
洋榎「誰のサンプリングでも無い うちの生き方 このスタイルで勝ち残るで!!」ワァァァァ!
みほ「私の生き方 振り返ってみれば 情けなくて落ち込むよ」
みほ「自分が正しいと思った行為を 貫けずに逃げたから」
みほ「そして背を向けたら戻るのが怖くなった だから目をつぶってた」
みほ「でもそんな私を友達が 先輩が 戦車道が救ってくれた!」ワァァァァァァ!
みほ「その流れで参加したバトル 優勝して拍手を浴びた」ワァァァ!
みほ「姉ともぶつかり合い 言い合って さらに絆が深まった 嬉しかった!」ワァァァァ!
みほ「もう私の中でフリースタイルバトルは戦車道の隣に並んだ!」ワァァァァァァ!
みほ「二足のワラジじゃない 2本の足で優勝まで走り続ける!!」ワァァァァァ!
洋榎「紆余曲折 濃い人生を送って来たようやな けど」
洋榎「バトルはドキュメンタリーや フツウがドラマチックを負かしたるわ!」ワァァァァ!
洋榎「親の七光り言われんよう でも肩肘張らず自然体でやってきた」ワァァ!
洋榎「だからお前がどんな尊敬できるヤツでも 真っ向から戦えるんや!」ワァァァ!
洋榎「うちかて前に進み続ける 笑顔で仲間と一緒になぁ!」ワァァァ!
洋榎「そして妹を引っ張ってく いや、この観客も連れてったるわ!」ワァァァァァ!
洋榎「麻雀部を舐めんなや!? 大阪人の誇り 侮るんやないで!」ワァァァ!
洋榎「ここで決着や! そしてやっぱこれが今大会のベストバウトや!!」ワァァァァァ!
役人「終了ーーーーーー!!!」
ワァァァァァ!
みほ「はぁ……はぁ……」
洋榎「はぁ……っ……はぁぁ……」
263 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:04:52.40 ID:Veh8rIUF0
役人「では判定に入ります!先攻、MIHOが勝ったと思う人!」
ワァァァァァァ!
役人「……後攻、ヒロエが勝ったと思う人!」
ワァァァァァ!
役人「MIHOに1ポイントが入ります!」
みほ「………………」
洋榎「………………」
役人「……では、審査員のみなさん、判定をお願いします!」
ババン!
亜美「ヒロエ」
理事長「MIHO」
トシ「ヒロエ」
秋一郎「MIHO」
南浦「MIHO」
みほ・洋榎「!!」
役人「さ、再々延長にしてついに決着!!勝者、MIHO〜〜〜〜!!!」
ワァァァァァ!
役人「そして……戦車道チームVS麻雀部チームのフリースタイルMCバトル、勝者は……戦車道チームです!!!」
ワァァァァァァ!
みほ「………………」
洋榎「………………」
みほ「…………か」
みほ「勝っ…………た?」
みほ「………………」
みほ(私……勝った…………勝てたんだ!)
洋榎「……………………」
洋榎「………………」
洋榎「……おめでとう」
みほ「あ……ヒロエさん」
洋榎「お前、めっちゃ強かったわ。ほれ、握手しようや」サッ
みほ「は、はい」ギュッ
洋榎「……すまんな。ホンマは笑顔で健闘を称えるのがええんやろうけど……すぐは笑えんわ」
みほ「ヒロエさん……」
洋榎「ここまで悔しいのは久々やなぁ……」
みほ「………………」
洋榎「……ほな、敗者は去るのが決まりや。うちは戻るわ」サッ
みほ「あ、はい……」
みほ「………………」
洋榎「………………」ザッ..
みほ(ヒロエさん……本当に強かった……)
264 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:05:19.52 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 麻雀部側】
洋榎「………………」
恭子「お疲れ様」
洋榎「!なんや恭子……こない近くで見てたんかいな」
恭子「いや、洋榎が戻って来るやろ思たから来てん」
洋榎「そっか」
恭子「はい」
洋榎「………………」
恭子「………………」
洋榎「……どやった?」
恭子「さすが洋榎やなって思った」
洋榎「うち負けてんで?どういう意味や」
恭子「負けてもカッコええ。全然情けなないのが洋榎らしいねん」
洋榎「…………なんやそれ。嬉しないわそんなん」
恭子「ま、勝てへんかったのにそんなん言われても嬉しないやろな。けど……本心やからしゃあない」
洋榎「……ふん」
セーラ「洋榎」
洋榎「ん?なんやセーラか」
セーラ「……お前、落ち込んでる場合ちゃうぞ」
洋榎「……あん?」
セーラ「このあと、戦車道の連中と親睦会を兼ねてホテルバイキングや。そんな顔してたらその……あかんわ」
洋榎「……うっさいわアホ」
セーラ「う、うっさいてお前……」
怜「……セーラ、励ますの下手やなぁ」
竜華「ホンマや」
洋榎「園城谷……」
怜「混ぜんといて」
竜華「セーラな、全国大会で愛宕さんに心配されたことがきっかけで元気出たから、今度は自分が励ましたらないとって言うてたんやで?」
洋榎「!セーラ……」
セーラ「ばっ……ち、ちゃうわ!そんなん言うてない!」
浩子「録音したんで、再生しましょうか?」
セーラ「やめぇや!」
洋榎「……ありがとな」ボソッ
セーラ「な、なんや?今なんか文句言うたんか?」
洋榎「なんでもない」クス
由子「お疲れなのよー」
絹恵「お姉ちゃん……」
洋榎「ゆーこ、絹…………うち、負けてもうた」
由子「……うん。でも惜しかったのよー」
265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:05:46.53 ID:Veh8rIUF0
絹恵「そやで!お姉ちゃん、もう少しで勝ってた!ちゅうか、うちの中ではお姉ちゃんが勝った!」
洋榎「……なんやそれ。事実捻じ曲げてるやん」クス
照「負けたのは残念だけど、責任を感じ過ぎなくてもいい。悲しい時はお菓子を食べれば全て解決できる。だからこれあげる」スッ
洋榎「タマゴボーロ……バトル終わったばっかでめっちゃノド乾いてんねんけど……ありがたくもろとくわ」
照「」コクリ
ダヴァン「ではこちらもどウゾ。カップラーメンデス」
洋榎「いらん。これからホテルバイキングやろ。っちゅうか、なんでこない人数が集まって来てんねん」
怜「へこんだ愛宕洋榎ちゃんを慰める会、ってことやろ」
洋榎「っ……アホか!うちがそない引きずるわけないやろ!バイキングでめっちゃ食うたるからな!見とけよ」ザッ!ザッ!
漫「え?どこ行くんですか?」
洋榎「監督に負けた報告や!」
ネリー「結果は知ってるんだから、別にいらないのに」
智葉「いや、形式を重んじているんだろう。筋を通すのは大切なことだ」
穏乃「うぅ……励まそうにも、宮永照さんの時は実家の和菓子でいい感じに出来たけど……愛宕さんの場合はムリっぽい……ねぇ、憧の実家の力でなんとかならないかな?」
憧「別に実家とか関係ないでしょ。神社で何をどうするのよ。お守りでも渡せっての?」
穏乃「そうだよね……じゃあ灼さ………ううん、なんでもないです」
灼「なんでやめるの。ボウリング場だって元気出るよ。楽しい遊戯だと思…」
玄「じゃ、じゃあ私の家に来て温泉に浸かってもらうとか!」
宥「あったか〜い」
恭子「あの、気を遣てくれるのはありがたいねんけど、洋榎ならもう大丈夫や思うわ。みんなが色々言うてくれて元気出たみたいやから」
玄「えっ、すごい……私ならお姉ちゃんにギュッてしてもらわなかったら落ち込んだままだよ……」
宥「く、玄ちゃん……///」
やえ「ハッ!そんなこともわからなかったとは、ニワカは相手に…」
ゆみ「とにかく、我々は精一杯やった。負けたのは残念だが、誰が責められる謂れも無い」
やえ「いや、だからニワカは…」
智美「ワハハ。とにかくバイキングが楽しみだ」
咲「………………」
咲(みんな優しいな……この人たちと同じチームで良かった)
やえ「だからニワ…」
晴絵「みんな!前に説明したけど、段取りはわかってる?戦車道チームの表彰式が終わったら、奥の部屋でちょっとした取材とかインタビューに答えてもらって、そのあとホテルに出発だからねー!」
全員「はい!」
晴絵「………………」
晴絵(これだけ豪華な面子が集まったんだ……ジャンル違いの大会とはいえ、優勝させてあげたかったな)
晴絵(私がもう少し工夫出来てたら結果も違ったはず……)
晴絵(……あー……もう!悔しいなぁ……)
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:06:22.10 ID:Veh8rIUF0
【舞台袖 戦車道側】
沙織「や、やったーー!みぽりんが勝ったよ!」
華「さすがみほさんですね」ニッコリ
優花里「う……『さすが』を五十鈴殿に先に言われてしまいましたぁ……でもあえて言います!さすがです西住殿ぉ!」
桂利奈「さすが西住隊長ーーーー!」
そど子「み、3つもカブせるわけ?違う言葉で褒めなさいよもう」
麻子「さすがあんこうチームの車長だな」フッ
そど子「冷泉さんまで!?」
エルヴィン「再々延長まで長引いた戦い……まさに2人はライバル、好敵手、宿敵と言えよう!」
おりょう「まるで坂本龍馬と中岡慎太郎ぜよ」
カエサル「さながらハンニバルとスキピオだ」
左衛門佐「武田信玄と上杉謙信のような」
エルヴィン・おりょう・カエサル「それだーーーーー!」
ケイ「今夜はパーティーね!思いきり盛り上がらなくっちゃ!」
アリサ「麻雀部の人たちとの交流会ですから、あまりはしゃぐのは……」
ナオミ「確かにそうだけど、隊長は元々こういうノリだからね。仮に負けてても…」
杏「『悔しさを楽しさで上書きしちゃいましょ!』とか言いそうだよねぇ」アハハ
ケイ「さっすがアンジー。私のことよくわかってるわね♪」
ペパロニ「ノリならアンツィオも負けてないっすよ!ドゥーチェ!ノリをお願いするっす!」
アンチョビ「の、ノリをお願いって……そんな言い方されて出来るか!恥ずかしい……//」
カルパッチョ「ペパロニさん。本番になればドゥーチェは勝手に盛り上がってくれますから、張り合わなくても大丈夫ですよ」ニコリ
アンチョビ「……なんか軽くディスられてる気がするが……まぁいいか!」
カチューシャ「なかなかやるじゃないミホーシャ!今度美味しいピロシキをおごってあげようかしら!」
ノンナ「そうですね。皆さんをプラウダに招待して食事会を催すのもいいかもしれません」
クラーラ「カチューシャ様のほっぺについたソースを舐めとり、そのままカチューシャ様のお口に運ぶ役割は私に任せてください(ロシア語)」
カチューシャ「???ノンナ!」
ノンナ「『善哉(よきかな)、善哉』と言いました」
カチューシャ「そんな古い感じのことをクラーラが!?それに長さが全然合ってないじゃない!」
ノンナ「善哉、善哉」
カチューシャ「よくないわよ!」キーッ!
ダージリン「……こんな言葉を知ってる?」
オレンジペコ「はい?」
ダージリン「『孤独では精神は満足に働かない』」
ミカ「あぁ、その言葉なら知っているよ」ポロロン
ダージリン「………………」
ミカ「ジョージ・オーウェルだね。私も気に入っ…」ポロロン
オレンジペコ「すみませんミカさん」
ミカ「なんだい?」
オレンジペコ「今からダージリン様にテイク2をお願いしますので、今度は『知らない』か無言でお願いします」
267 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:06:56.02 ID:Veh8rIUF0
ミカ「?その行為に意味が…」
オレンジペコ「あります」ズイ
ミカ「…………そうなのか。それが聖グロリアーナの流儀ならば従うよ」
アッサム「ではもう一度始めから。こほん」
ダージリン「………………」
アッサム「ダージリン。『孤独では……』なんでしたっけ?」
ダージリン「孤独では精神は満足に働かない、よ。この言葉を知ってるかしら?」
ミカ「」チラ
アッサム・オレンジペコ「………………」ジーーーーー..
ミカ「きいたことがないな。いったいどういういみなのだい?」
アキ(棒読みすぎるよミカ……)
ダージリン「ふふっ。では私が説明しましょう。『孤独では精神は満足に働かない』。これは、どれほど強い人間であろうと当てはまるであろう言葉よ」
ダージリン「強靭な精神力であっても、孤独であれば、その力を活かすことは出来ない」
アッサム「確かに」
ダージリン「一見すると、1対1の形式であるこのフリースタイルバトルは、そばに味方はおらず、孤独な戦いに見えるかもしれないわ」
ダージリン「けれど、今日ステージで戦った子たちの中で孤独だった者は誰もいない。心の中には家族や友人などの想いがあり、発せられる言葉には今まで過ごしてきた日々や経験が根付いている…」
ダージリン「だからこそ、みなが精一杯の力を出し切り、ぶつかり合うことが出来た…………自分自身を表現し合うかのようなバトルは、私の胸を熱くさせてくれたわ」ウフフ
ミカ「……確かに、音と言葉の融合だけでなく、そこに人の意志が混ざり、まさに十人十色の音色だった」ポロロン
ダージリン「そうね」ウフフ
アッサム「……ご協力、ありがとうございました」ヒソヒソ
ミカ「いや、いいさ。むしろ口を挟んだのは無粋だったよ」ポロロン
ミカ(自由奔放なイメージのダージリンだったが、さすが聖グロリアーナの隊長を務めるだけのことはあるね)クス
オレンジペコ「さすがダージリン様。ここぞという場面では、わりといいことおっしゃってくれます」
ダージリン「あら。わりとはいらないわよ、ペコ」ニッコリ
まほ「………………」
エリカ「………………まほ先輩」
まほ「ん?なんだ」
エリカ「……あの子、やりましたね」
まほ「あぁ、そうだな……」フフ
エリカ「……まったく」クス
エリカ(普段はポヤーッとしてるくせに、決めるところは決めるんだから)
まほ「………………」
まほ(みほ。フリースタイルバトルだけじゃない。戦車道も、精神力も……前よりずっと強くなったな)
まほ(そしてその中に、昔の活発だった頃の思い切りの良さが垣間見えて、なんだか嬉しかった)
まほ(どんどん進化しているんだな……私も負けていられない)フフッ
スタッフ「これから表彰式を行いますので、出場された選手の方々はステージへ移動をお願いします」
千代「わかりました。さあ皆さん。ステージに向かいましょう」ニッコリ
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:07:29.03 ID:Veh8rIUF0
【客席】
役人「勝利した戦車道チームの選手たちです!」
ワァァァァ!
しほ「………………」
しほ(まほ……みほ……とてもいい顔をしているわね。優勝を成し遂げた充実感がありありと感じられるわ)
しほ(表立って応援は出来なかったけれど……あなたたちのその表情を見られただけで私は満足よ)フッ
恵「立派な娘さんたちですね」
しほ「!あなたは……確か……麻雀部チームのコーチを務められた、K RAM SHINEこと原村恵さん?」
恵「ええ、そうです」
しほ「てっきり麻雀部チームに帯同していると思っておりましたが」
恵「最初はそのつもりでしたが……父親がそばにいては娘も集中できないのではないかと思いましてね」
しほ「……なるほど。確かに」
しほ(原村和なら動じない気もするけれど…………それでも身内がいては多少やりにくいかもしれないわね)
恵「それにしても」
しほ「?」
恵「麻雀部の練習を見ている時に、このチームならば勝てると確信をもっていましたが………戦車道チームの素晴らしさには驚かされてばかりでした。前回大会よりもさらに成長していた」
しほ「それを言うならキャリアの浅さを感じさせない強さを見せた麻雀部チームです。まさかここまでもつれる戦いになるとは……底知れない才能を感じました」
恵「やはり1つのモノを突き詰めることで磨かれた感性が土台として大きく作用しているのでしょうね」
しほ「ええ、そうですね」
269 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:07:55.66 ID:Veh8rIUF0
ワァァァ!
恵「む。トロフィーの授与ですね。西住みほさんが受け取るようです」
しほ「みほ……」
みほ「」ニッコリ
しほ「………………」
しほ(照れながらも、堂々と受け取っている……そう、それでいいのよ。あなたは頑張った、誇っていいわ)
千代「……!ふふ」
しほ「!」
しほ(ちよきち……私に気付いたようね。意味ありげな笑みを浮かべて……)
しほ(……長い付き合いだもの。わかっているのでしょうね……)
しほ(今の私が、喜びの表情を隠そうと必死で我慢している、と)
しほ(……また1つ、ちよきちにからかわれる材料を与えてしまったわ)
しほ(でも……)
みほ「」ニコニコ
まほ「」フフ
しほ「ふふっ……」
しほ(仕方ないわよね…………娘たちがあんなに嬉しそうにしているのだから――――)
表彰式のあと、龍門渕グループ系列のホテルにて、戦車道・麻雀部関係者による親睦会が開かれた。
出場選手以外も揃った大人数での催しは盛り下がることを知らず、
日をまたぐ手前でようやくお開きとなり、
部屋へ戻った面々は、様々な想いを胸に、眠りについたのだった――――
270 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:08:55.42 ID:Veh8rIUF0
≪ 戦車道チームVS麻雀部チーム フリースタイルMCバトル大会 結果 ≫
アッサム VS AWA−AWA(大星 淡)○
○ノンナ VS AWA−AWA(大星 淡)
ノンナ VS ATARA(新子 憧)○
○ナオミ VS ATARA(新子 憧)
ナオミ VS Toki(園城寺 怜)○
アリサ VS Toki(園城寺 怜)○
○ロサ・カリーナ(阪口 桂利奈) VS Toki(園城寺 怜)
ロサ・カリーナ(阪口 桂利奈) VS HERO−Se(弘世 菫)○
○カルパッチョ VS HERO−Se(弘世 菫)
○カルパッチョ VS 白鶴(白水 哩)
カルパッチョ VS 舞姫(鶴田 姫子)○
○アンチョビ VS 舞姫(鶴田 姫子)
アンチョビ VS TELU−Biscuits(宮永 照)○
エリカ VS TELU−Biscuits(宮永 照)○
ケイ VS TELU−Biscuits(宮永 照)○
○ミカ VS TELU−Biscuits(宮永 照)
ミカ VS ミーホヒーサー(竹井 久)○
○アンジー(角谷 杏) VS ミーホヒーサー(竹井 久)
○アンジー(角谷 杏) VS 爽P(獅子原 爽)
アンジー(角谷 杏) VS NODOCCI(原村 和)○
○REZE(冷泉 麻子) VS NODOCCI(原村 和)
REZE(冷泉 麻子) VS EKda黒ねこ(池田 華菜)○
○カチューシャ VS EKda黒ねこ(池田 華菜)
○カチューシャ VS クRUMI(鹿倉 胡桃)
カチューシャ VS 凱屠(辻垣内 智葉)○
○西住 まほ VS 凱屠(辻垣内 智葉)
○西住 まほ VS KAJU−MC
○西住 まほ VS 蒲 a.k.a BARA
西住 まほ VS Saki(宮永 咲)○
オレンジペコ VS Saki(宮永 咲) ○
○愛里寿(島田 愛里寿) VS Saki(宮永 咲)
愛里寿(島田 愛里寿) VS ヒロエ(愛宕 洋榎)○
○MIHO(西住 みほ) VS ヒロエ(愛宕 洋榎)
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:09:22.88 ID:Veh8rIUF0
翌朝
【ホテル前】
そど子「戦車道チーム!全員揃ってるか確認して!」
みほ「ふぁ……ぁ……」
沙織「みぽりん眠そうだね〜……って私もだけど」
華「わたくしもまだ目がシパシパしています」
麻子「ZZZ……」ユラユラ
優花里「冷泉殿は立ったまま寝ちゃってますぅ!」
華「アグレッシブですね」
沙織「むしろ逆でしょ。ほら麻子〜、起きなって。他の学校の人はちゃんとしてるよ?」ユサユサ
麻子「うぅ……眠い。何故こんなに早く起きなければならないんだ…」
沙織「しょうがないじゃん。出発時間が決まってるんだから」
麻子「……麻雀部の連中はいいな。うちらより遅く帰るから、まだまだ寝てられる……」
みほ「あはは。確かにもうちょっと寝てたいかも」
カチューシャ「ふふん!マコーシャもミホーシャも情けないわね!私なんてこんなに目が覚めてるのに!」
ノンナ「さすがです同志カチューシャ。昨夜は親睦会の最中に一足先に眠ってしまっただけのことはあります」
カチューシャ「べ、別に寝たかったわけじゃ…」
ノンナ「ええ、わかっています。皆さんともっとお話ししたかったのに寝てしまったのが悔しいからこそ、みほさんたちに威張ってみせただけですよね」
カチューシャ「ノンナ!」カァァ..
沙織「そういえば、カチューシャさん、龍門渕高校の人と仲良さそうに喋ってましたよね」
カチューシャ「そうよ!コロモーシャとは深い絆で結ばれたんだから!」エッヘン!
みほ「天江衣さん……だったっけ?確か大会自体には関わってないけど、親睦会に参加してた人だ」
華「ええ。タルタルソースを山盛りにしていた姿に感銘を受けました」
麻子「そんなことで感銘を受けるな」
沙織「……でもなんで仲良くなったんだろ?」
ノンナ「カチューシャと天江さんは身長が同じなのです。ひゃくにじゅ…」
カチューシャ「わー!わーー!!言うんじゃないわよ!」
みほ「なるほど。カチューシャさんにとっては親近感の沸く相手だね」
華「普段会わない方々とお喋りするのはとても楽しいですね。わたくしも昨日は高鴨さん、ダヴァンさんと3人でラーメンについて語り合いました」
沙織「私も福路さんとお料理の話で盛り上がったよ!楽しかった〜」
麻子「……本内成香と睡眠について話を……した……」
優花里「凄腕潜入捜査官と噂の、ステルスモモさんとお話出来て光栄でしたぁ!歌って踊ったりしない限りバレないとか、神技ですぅ!」
272 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:09:52.34 ID:Veh8rIUF0
みほ「私も色んな人とお喋りできて楽しかったなぁ………次に会えるのはいつなんだろう?」
ケイ「すぐじゃない?」
杏「すぐだろねぇ」
みほ「え?」
ケイ「ほら、後ろ後ろ♪」
みほ「?」クルッ
みほ「あ……」
穏乃「みなさーーん!おはようございまーーーす!」
華「高鴨さん……だけではなく…」
沙織「麻雀部の人たち、全員いるよ!?」
優花里「我々より遅く出発するはずなのに……見送りに来てくれるなんて!嬉しいですぅ!」
晴絵「すみません、忙しい時に押しかけて。でもこの子たちがもう少し話したいって言い出しまして」クス
千代「ふふ、そうですか。それはこの子たちも同じのようですから、嬉しい限りです。みなさん、出発までまだ多少ありますから、ここで自由時間をとります」
梓「やった!」
ミカ「いいね。朝の見送りには、人生で大切なことが9割方、詰まっているのさ」ポロロン
アキ「そ、そんなに?見送りは嬉しいけどさ」
ミッコ「おっしゃ!高鴨さんとサバイバル談義の続きだ!」タタタッ!
ダージリン「…………」
ダージリン(出発時間がやけに早いと思っていたけれど、この事態を想定してのことかしら?粋なことをするわね)クス
アッサム「ダージリン。せっかくですから私たちも行きましょう」
ダージリン「そうね。ペコ、ティーテーブルをあの辺りにセットしてちょうだい」
オレンジペコ「はい」ニッコリ
273 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:10:23.69 ID:Veh8rIUF0
爽「いやー!キミにはずいぶん前から目を付けてたんだよね」
愛里寿「はぁ……」
揺杏「いや、マジで。可愛い服に興味ない?たっくさん着せてあげるからさ」
愛里寿「興味は……ある」
爽「おっ、いいね!島田さんは大学生だから内地だよね?じゃあ近いうちに会いに行っていいかな?」
愛里寿「……うん」コクリ
揺杏「可愛さとキレイさを両方持ってる……いい素材だねマジ。ゴスロリもいいけど、キャミとかも着せたいなー」
爽「マイクを両手で持って首をかしげながら歌うとか似合うだろうね!アイデアがどんどん出てくる!ユキとユニット組むのもいいなぁ!」
誓子「……あの2人、とことん可愛い子好きよね」
成香「会話内容だけ聞いてたらすごく怪しいです」
桂利奈「鷺森さんがインターハイで付けてたグローブ、ちょうイカしてます!」
灼「え?あぁ、あれはボウリングの…」
由暉子「右手に封じられし闇の力……かっこいいですね」
灼「いや、だから違…」
桂利奈「あれ外したらどうなるのかなー?」ワクワク
由暉子「おそらくですが……手の甲に光輝く紋章があるはずです」
桂利奈「かっこいーーー!!!」
由暉子「それだけじゃありません。あのネクタイにもきっと秘密があります」
桂利奈「ひ、秘密?どんな?」
由暉子「あのネクタイを解く時、鷺森さんが抑えていた力が溢れ……」
桂利奈「あ、あふれ……?」
由暉子「とても言葉では言い表せないような神秘的なことが起こるでしょう」
桂利奈「引き続きかっこいーーーー!!!」
灼「………………」
灼(どうしよう……ありえない期待をされてる……ハルちゃん、助けて)
274 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:10:50.89 ID:Veh8rIUF0
まほ「…………」ジー
泉「……あ、あの?何か?」
まほ「む、すまない。つい凝視してしまった。キミからは学ぶことが多かったから」
泉「え……学ぶこと、ですか?」
まほ「ああ。我々黒森峰はキミに比べ、少し甘さが残っていたと反省していた」
泉「??」
まほ「制服の袖を切り、少しでも身軽に動けるよう心がけるその姿勢は素晴らしい。我々ももっと無駄をそぎ落とし、最短で最大の効果を得られるよう努力しなければと考えさせられたよ」
泉「い、いえ、これはその……ただなんとなく…」
怜「そこに気付くとはさすが西住さんやな」
泉「お、園城寺先輩!?」
まほ「やはり意図したものだったか」
怜「そや。名門言われとる学校で、しかも1年やのに制服にハサミを入れる根性。これが千里山の二条泉や。覚えとき」
まほ「ああ」
泉「ちょ、ちょっと先輩!何勝手なこと言うてるんですか!」ヒソヒソ
怜「泉を買ってくれてるんやからええやん」
泉「良くないです!大体園城寺先輩、私のこの格好見て『ない袖は振れないを可視化したんか。ええなぁ、そのカッコやったら奢ってもらいやすそうやな』とか言うてたやないですか!」ヒソヒソ
怜「まぁまぁ、こう言うやんか。袖すり合うも…」
泉「その袖が無いんです!」
まほ「?」
275 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:11:19.35 ID:Veh8rIUF0
ペパロニ「ドゥーチェ!ドゥーチェ!」
友香「でー!」
煌「すばらっ!」
智美「ワハハ」
華菜「にゃーー!!」
貴子「池田ァッ!!」
ダージリン「あちらは大きな声を上げて楽しそうね」
まこ「騒がしい、の方が表現として合う気はするがのう」クスクス
美幸「やだあれもー。このアーリーモーニング、私たちは優雅にお茶を楽しみましょう」
尭深「…………」コクリ
アッサム「そうですね」
オレンジペコ「お菓子もありますので、お召し上がりください」
美幸「どうもありがとう」ニコリ
まこ「わしは煎餅を持ってきたんじゃ。煎餅と紅茶も意外と合うから食べてみ」
ダージリン「あら、ありがとう。いただくわ」
バリボリバリボリ..
オレンジペコ(あぁ……ダージリン様とお煎餅……ギャップがあってこれはこれでまた……///)
ダージリン「美味しいわ、ありがとう」ニッコリ
まこ「どういたしまして」
優希「タコスに合う紅茶はどれだじょ?」
オレンジペコ「タコス……ですか?それは難題ですね……」
ケイ「ユッキー!タコスに合うのは間違いなくこれ!コーラよ!」
優希「ごくごくごく…………っかぁー!シュワシュワがノドに染みて気持ちいいじぇ!」
ケイ「ナイスな飲みっぷりね!」
優希「おかわりだじぇ!」
ケイ「オッケー!何本でもあげるわよー!」ニコニコ
ダージリン「ティーテーブルに紅茶、緑茶、お煎餅、タコス、コーラ。聖グロにはない彩りでなかなか面白いわ」ウフフ
オレンジペコ「ですね」クス
まこ「それにしても……」
ダージリン「?」
まこ「ダージリンさん、あんたええなぁ」
ダージリン「私?」
まこ「その外見、メイド服が似合いそうじゃ。気が向いたら今度うちの店でバイトせんか?」
ダージリン「あらあら。考えておきますわ」
オレンジペコ(ダージリン様がメイド!?そのお店に行ったら、私がダージリン様のご主人さまに……!?そんな大それたこと……//)ゴクリ
アッサム「……何を考えているか見当は付くけれど……残念ながら、染谷さんのお店は雀荘よ」
276 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:11:46.25 ID:Veh8rIUF0
姫子「仲を深めるコツ……ですか」
優花里「は、はい!是非お聞きしたく…」
ノンナ「成功者に話を聞くのが一番の近道と考えます」
クラーラ「私たちとカチューシャ様の肉体同士の接触を果たすため、ノウハウをご教授いただきたいのです(ロシア語)」
アリサ「わ、私はちょっと興味があるだけってだけで……その……//」
哩「難しいことはなんもいらん」
優花里「と、言いますと?」
哩「大事なもんただ1つ。積み重ねだ」
アリサ「積み重ね……」
哩「2人の時間ば積み重ねることで、自然に愛は育まれる」
ノンナ「なるほど…」
優花里「西住殿と積み重ねる……西住殿と重なる……はぁぁ……///」
哩「そうすれば、鎖と太いのも勝手についてくる」
優花里「く、鎖……?」
ノンナ・クラーラ・アリサ「?」
姫子「部長……っ!アドバイスも素敵です……///」
穏乃「うおおおおおおおおおお!!!!」ダダダダダダダ!
ミッコ「へへっ!早いなぁ高鴨さん!」ダダダダダダ!
ねこにゃー「ま、って……!」タタッ
ももがー「置いて、かないで……」タタタッ
ぴよたん「もう……限界……」タタッ
穏乃「大丈夫です!限界は、もう無理だと思ったそのずっと先にありますから!うおおおお!!!!」
ミッコ「あっはは!確かに!いいこと言う!」
ねこにゃー(サバイバルの話から、体力を付ける方法を教えてもらったところまではよかったけど)ゼェ..ハァ
ももがー(急に実技はキツイ……ナリ)ゼェゼェ
ぴよたん(朝からあの体力……怪物っちゃ)ゼェゼェ
277 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:12:15.43 ID:Veh8rIUF0
ミカ「♪」ズンチャッ..ズンチャッ..
明華「♪LAAAAAAA〜〜」
アキ「…………いいなぁ」
恭子「雀明華の歌はテレビ画面越しのアカペラでは聴いたことあんねんけど、こうして楽器と合わさるとさらに良く聴こえるなぁ……カンテレ、やったか?ミカさんの演奏もええ感じや」
漫「わかります。ただ…」
ローズヒップ「♪FUWA FUWAっ! ♪ですわ すわっ!」
漫「あの合いの手がちょっと……」
由子「クソジャマよー」
セーラ「もぐもぐ……あ〜、この弁当、めっちゃウマいわー!」
美穂子「ありがとうございます」ニッコリ
浩子「……朝食はこれからですからお腹空くのはわかりますけど、人様にたかるのは問題や思いますよ?」
セーラ「たかるってなんやねん。腹減った言うてたら福路さんがくれたんやんか」
美穂子「私なら大丈夫です」ニコッ
セーラ「いやー、しっかし福路さんは優しくて料理も出来て麻雀も強いとか、完璧やな。うちに欲しいわ」
美穂子「え……っと」
久「あげないわよー」
美穂子「久……?」
セーラ「へっ、わかっとるわかっとる。冗談や」アハハ
久「だったらいいけどね」クス
美穂子「…………///」
未春(………そもそもキャプテンは風越なんだけどなぁ……でも竹井さんが言うのもある意味合ってる気もするし……うーん)
278 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:12:45.57 ID:Veh8rIUF0
アスパラガス「……しかし、選考に漏れて観戦に回ってしまった大会だったが、なんだかんだ楽しめたざます」
ムール「ですね」
ボルドー「そうだな」
透華「…………」ジーッ
アスパラガス「……龍門渕さん?何か用ざますか?」
透華「い、いえ!なんでもありませんわ!」ササッ
アスパラガス・ムール・ボルドー「??」
透華「………………」
一「透華?どうしたの?」
透華「私が原村和より目立つ方法を思い付きましたわ!」
一「そ、そうなんだ?どんな方法なの?」
透華「……今までの私は、語尾を『ですわ』で生きてきましたわ。でももうそれでは原村和に対抗できませんわ!」
一「な、なるほど。それで?」
透華「BC自由学園のアスパラガスさんからヒントを得ました。私は今後、語尾を『ザマス』にするザマスわ!」
一(『わ』がハミ出ちゃってるけど……)
透華「そうすればホラ!たちまち目立ちまくりザマスわ!原村和を置いてきぼり!オーッホッホッホ!」
一(うーん……『ですわ』は透華の自然な喋り方だから、そこを変えるのはどうなんだろう?ザマスも透華のキャラに合ってなくもないけど……)
一(……ボクはいつもの透華の方がいいな)
ゆみ「1つ、いいか?龍門渕さん」
透華「あら?加治木さん?どうぞ、おっしゃってくださいザマス」
ゆみ「もし今後ザマスを多用していくつもりなら、クリアしなければならない問題が複数ある。まずメガネ選びだ」
透華「裸眼ではダメザマスの?」
ゆみ「ダメだ。裸眼で、しかも中途半端にザマスを使っていると……」
透華「つ、使っていると?」
ゆみ「……ザマされるぞ」
透華「!?」
ゆみ「その覚悟があるなら、使うといい」
透華「ザマされる……?何をされるのかがハッキリしていない分、怖いですわ……リスクが大きすぎるので、ザマスはやめますわ」
一「う、うん!それでいいと思うよ!ボクは普段の透華がすごく魅力的だし、好きだよ!」
透華「あ、ありがとう……///」
一(加治木さん……もしかしてボクの気持ちを察してくれて……?)チラ
ゆみ「………………」フッ
一(ありがとう!)
アスパラガス「………………なぁ」
ボルドー「ん?」
アスパラガス「私もいつかザマされてしまうざますか?」
ボルドー「知らん」
279 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:13:13.92 ID:Veh8rIUF0
和「昨日の夜、ウサギさんチームのみなさんから聞きました」
杏「んぁ?」
桃子「角谷さんと河嶋さんは主従関係にあるらしいっすね!」
桃「な……なんだと!?ウサギさんチームの連中め……適当なことを言いふらしおって……!」
和「嘘なのですか?デタラメを話しているようには思えませんでしたが……」
桃「デタラメに決まってるだろう!信じるんじゃない!」
桃子「えー……じゃあ角谷さんが戦車に乗る時、河嶋さんが踏み台になったってのも嘘っすかー……」
桃「…………い、いや、それは事実だが」
和「!ではその際、角谷さんが土足だったというのは?」
桃「……事実だ」
和「…………自供しましたね」
桃子「そうっすね。恥ずかしがってただけみたいっす」
桃「ち、違うぞ!確かに踏み台になったのは事実だが、別に主従関係では……」
和「普通なら靴のまま乗られたら怒るか注意するのでは?」
桃「それは……そうだが……しかし会長は軽いし……その……だから……違うったら違うんだ!」
和「落ち着いてください。私たちは河嶋さんたちを尊敬しているのです」
桃「な、何?尊敬だと?」
桃子「そうっす!」
和「私たちには大切に思う人がいます。そしてその人と距離を縮めたいと毎秒思っています」
桃子「目指すは恋人……それがダメなら主従関係を!っす!」
桃「そうか……私を……尊敬……ふふふ」
桃子「……聞いてないっすね」
柚子「桃ちゃん、尊敬されるのに慣れてないから。原村さんたちの言葉が嬉しすぎて、頭がいっぱいになってるんだと思う」
和「意外ですね。生徒会に所属しつつも戦車道で活躍していると聞きましたが」
桃子「ま、いずれにせよ、正気に戻ったらアドバイスしてもらうっすよ」
柚子「2人は……じゅ、従属したい人がいるの?」
桃子「それぐらい好きな先輩がいるっす!」
和「そうですね……従属願望と言うよりは、距離感を限りなくゼロにしたいという想いが強いです」
杏「情熱的だねぇ。ちなみに、距離感を縮めるためにどゆことしたの?」
和「至って普通です。見つめる時間を増やしたり、添い寝したり…」
杏「わっは、ピュアだねー」
和「あ、他にも指切りしたあと、自分の指を登校中に舐めたりしましたね」
杏・柚子「………………」
和「どうしました?」
杏「いやぁ、ちょっとそれは……無いかなー」
柚子「そう、ですね。されて嬉しいことではないかもしれません」
桃子「わ、私はなんとなくわからないでもないっすよ……うん」
和「……3人中2人が否定的な意見……」
和「偶然極まりないですね」
柚子「偶然とかじゃないよ!?運の問題じゃないし!」
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:13:43.54 ID:Veh8rIUF0
カチューシャ「むー……ノンナったら、カチューシャを放ってあんなところで楽しそうにして……シベリア送り10ルーブルに処してやろうかしら。しゅくせーよ」
ネリー「?カチューシャって誰?お金?」
カチューシャ「違うわよ!私のことに決まってるじゃない!大体、『誰』って言っておいてお金なわけ…!」
ネリー「冗談だよカチューシャ。そんなに怒るな」クスス
カチューシャ「まったく!」フン
智葉「カチューシャ」
カチューシャ「今度はあんた?なによ」
智葉「今、シベリア送りがどうとか言っていたな」
カチューシャ「ええ、そうね。カチューシャを寂しがら……じゃなくて、放って遊んでるなんてつみぶかいもの」
智葉「……お前はプラウダの隊長だ。自分の言葉には責任を負わなければならないことは理解しているな?」
カチューシャ「え、ま、まぁ……」
智葉「隊長ならば何を言ってもいいわけではない。お前はノンナを粛清すると言ったが……それはお前自身が粛清される覚悟があって口に出したのだろうな?」ジロリ
カチューシャ「ひぅっ!」ビクッ!
智葉「………………」
カチューシャ「あ、あの……そ、それは……」
ニーナ「ち、違うんです!」
カチューシャ「に、ニーナ……」
ニーナ「カチューシャ隊長の粛清っちゅうのは口癖みだいなもんで!それにシベリア送り10ルーブルってのは10日間補習を受けるってことで……実際にシベリアに行かせるわけじゃねぇんです!」
智葉「……そうか。早とちりして悪かった。この2日間で、ノンナが普段からカチューシャを慕い、尽くしているであろうことはわかった。そんな人間を軽々しく粛清すると聞いて少し腹立たしく思ってしまってな。すまなかった」
カチューシャ「べ、別に……私も……その……そんなつもりないのに、ついしゅくせーとか言っちゃったから……」
ナオミ「でも、辻垣内さんの言い分は正しいね。自分の発言に責任を持つ覚悟は大事だよ。私はいつも気を付けてる。本気で付き合うつもりがない子を相手にする時は曖昧な言葉を使い、断言はせず、期待を持たせないようにしながらも、上手い具合に遊べる距離感を保つようにしてるからね」
智葉・カチューシャ・ニーナ「………………」
ナオミ「……ん?何か間違ってたかな?」
ネリー「いつか訴えられて、お金いっぱい取られちゃうかもね」
智葉「それもまた責任だ」
ナオミ「…………耳が痛いな」ハハ..
281 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:14:10.54 ID:Veh8rIUF0
ナカジマ「…………」
ツチヤ「……………」
スズキ「……………」
ホシノ「……………」
ナカジマ「なんかさ」
ツチヤ「んー?」
ナカジマ「私たち、客席で応援してたけど、全然喋ってない雰囲気じゃないか?」
スズキ「あー……なんかそんな気がするなー」
ホシノ「割と声上げてたんだけど……」
ツチヤ「ま、楽しめたんだから、気にしないでいいよな。キミたちもそんなに落ち込まなくていいよ」
音子「落ち込んでねーよ。っていうか、俺ら喋ってない感じなのかよ?」
ナカジマ「多分ね」
エミ「……………」
音子「マジか……いや、俺はいいとしても、こいつは西住みほの幼馴染なんだぜ?なのに全然存在感ないとか……可哀想じゃねぇかよ……」
エミ「ち、ちょっと待って。同情みたいなのやめて?普通に『目立ってなかった』でいいじゃない」
やえ「お前ら!肩を落とすのはニワカのすることだ!元気出しなさいよ!」
ナカジマ・スズキ・ホシノ・ツチヤ・エミ・音子「………………」
やえ「……な、なによ、その目は」
ナカジマ「……小走さんに慰められるのってなんか……」
スズキ「うん……」
ツチヤ「3軍の選手が2軍の控えに励まされてるみたいで……」
ホシノ「切ないな……」
音子「あぁ……」
エミ「その……お互い頑張りましょう」
やえ「なんでよ!」
282 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:14:38.29 ID:Veh8rIUF0
豊音「はー……みんなすっごく上手にラップしてたよねー。私も出てみたかったよー」
白望「トヨネはディスるの向いてないと思う…」
エイスリン「ソノトオリ!」
塞「練習の時、試しにやってみたじゃない。その時も相手のディスで泣きそうになってたし……」
胡桃「あと絶妙にビートに乗り遅れてた」
豊音「うぅ……でもみんなカッコよくて輝いてたよー。ちょーうらやましいよー」
桂利奈「それは私のセリフです!」ザッ!
豊音「へ!?」
塞「阪口、さん?さっきまであっちにいたと思ったらいつの間に……」
桂利奈「姉帯さん、背が高くてスラッとしてて羨ましい!灼さんのアイテムも良かったですけど、姉帯さんは天然でカッコいいです!」
豊音「そ、そんなことないよー。私なんか……」
桂利奈「エヴァみたいです!憧れます!」
豊音「えば…………って知らないんだけど、どういう意味ー?」
塞「そ、それは……」
白望「……モデル体型のこと」
豊音「そうなの?うぅー、恥ずかしいけど……ちょーうれしいよー」
梓「姉帯さんだけではありません!私は小瀬川さんも羨ましいです!」
白望「…………私?なんで」
梓「だって……物憂げでクールだし……なんか……ミステリアスで素敵ですから!」
白望「……ダルいからだらけてるだけ」
梓「そういう返しがまた素敵です!」
白望「………………」チラ
塞「む」ピク
塞(『どう返したらいいかわかんないからフォローして』って顔ね。まったく仕方ない……)
塞「シロは見た目がいいから気持ちはわかるけど、意外とこう見えてだらしない部分も…」
あゆみ「部分と言えば!」ズイッ!
塞「わ、ビックリした」
283 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:15:06.58 ID:Veh8rIUF0
あゆみ「臼沢さんの太もも……どうなってるんですか?」
塞「ど、どうって何が?」
あゆみ「肉付きは良さそうなのに、なんか細いし……理想的な太ももです!」
塞「……そ、そう?ありがと」
紗希「……………………」
あゆみ「紗希もそう言ってます!」
塞「そうは見えないけど……ありがと」
エイスリン「サエ、フトモモエロイ!」
塞「ちょ、エロくないから!」
白望「エロいって」
塞「シロまで!」
優季「私はぁ〜、臼沢さんもキレイだと思いますけど〜、エイスリンさんの小悪魔っぽさに憧れるな〜♪」
エイスリン「コアクマ?」キョトン
豊音「エイスリンさんは天使っぽいよー?」
塞「うーん……でもエイスリンさ、落とした消しゴム拾ってもらったくらいのことでも、あのキラキラした笑顔を向けるじゃない?勘違いする子も多そうだからなぁ……小悪魔っぽくもある」
エイスリン「???」
優季「ん〜♪この無垢な感じが可愛い〜」
ワイワイキャッキャ
胡桃「………………」
胡桃「……うーむ」
桂利奈「鹿倉さん!」
胡桃「っ!な、なに?」
桂利奈「えーと……その……鹿倉さんは……なんか親しみが持てます!それに……そういう趣味の人は多いと聞きます!」
胡桃(嬉しくない!)
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:15:39.04 ID:Veh8rIUF0
穏乃「ふぃ〜、ただいまー」
玄「おかえりなさい」
憧「あんたねー、見送りの時まで走り回ってどうすんのよ」
穏乃「盛り上がっちゃったんだからしょうがないじゃん」エッヘヘ
宥「あ、あのね?穏乃ちゃん、私たちに話を聞きたいっていう人たちが来てて……」
穏乃「え?あっ、その人たちは……」
典子「おはようございます!」
妙子「私たちは!」
忍「大洗女子学園の!」
あけび「バレー部です!」
典子「阿知賀女子学院のみなさんに聞きたいことがあります!」
穏乃「聞きたいこと?」
典子「はい!私はバレー部を復活させるべく、毎日を必死で生きています……ですが!未だ復活への道は遠く…」
妙子「そんなキャプテンを支えるのが私たちの役目!」
忍「いつか必ず陽の目を見る!」
あけび「その日を夢見て……頑張ります!」
典子「みんな……ありがとう!」
妙子・忍・あけび「はい!」
憧「途中から質問じゃないし」
穏乃「えーと……それで聞きたいことって?」
典子「あわわ、そうでした!阿知賀女子学院のみなさんは、麻雀部が無い状態から部を復活させ、全国大会の決勝まで進んだんですよね!?」
憧「まぁ、そうね」
典子「私たちもバレー部を復活させて全国を狙いたいんです!今は部員の数も足りなくて、部そのものも存在していない状態ですけど……どうしたらいいのでしょうか!」
玄「うーん……地道に待ち続けるのがいいと思う」
妙子「ま、待ち続けるんですか?うー……体がウズウズしそう」
妙子「カビとか生えちゃうかも……」
灼「まったく動かずにって意味じゃないから…」
玄「憧ちゃんはどう思う?」
憧「んー……全国狙うために何が必要かっていう問いの答えは……やっぱり指導者かな?練習メニューとか練習試合のアポとか大事なことがたくさんあるし。全部自分たちでやるのは相当キツイからね。でもそれ以前に部員が足りないのよね……人を集めるには…………宥姉ならどうする?」
宥「えっ?わ、私?うぅ……その……」
典子・妙子・忍・あけび「」ジィィィィ..
宥「ぁう……えと…………おこたでお鍋……とか?」
典子「鍋……」
宥「みんなで囲んで食べたら……仲良くなれる……かなって」
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:16:06.89 ID:Veh8rIUF0
憧「宥姉っぽいなぁ〜。でも実際問題…」
典子「それいいな!なんといっても大洗にはあんこう鍋がある!」
妙子「はい!キャプテン!」
憧「いやいやいやいや!今のはちょっと無し!灼さんは部員をどう集める?」
灼「ん……地道にチラシ撒いたりとかポスターで募集を告知して……それでも集まらなかったら、助っ人を使ってでも、とりあえず練習試合をする。それを見学してもらって、興味を持った子を誘ってみるとか…」
憧「さすが灼さん」
典子「な、なるほど……地道に……」
あけび「高鴨さんはどうしたらいいと思いますか?」
穏乃「うーーーーん…………やっぱり…」
あけび「やっぱり?」
穏乃「根性かな!」
憧「しず〜?精神論じゃ部員は…」
典子「根性!」
憧「へ?」
妙子「やっぱり根性でしたね!キャプテン!」
典子「ああ!根性が全てを救う!」
憧「いや、あのー……」
典子「みんな!これからも根性で行くぞ!」
妙子・忍・あけび「はい!!」
典子「アドバイスありがとうございました!根性ーーーーー!!!」ダダダダッ!
妙子・忍・あけび「根性ーーーー!!」ダダダダッ!
穏乃「元気いいなー!私もまた走りたくなってきた!」
宥「………………」
玄「す、すごい人たちだったね」
灼「穏乃が4人いるみたい……」
憧「えっ、それ天国じゃん」
灼「………………」
憧「あ…………い、今のナシ///」
286 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:16:34.28 ID:Veh8rIUF0
おりょう「お!?忠勝ではないか!」
淡「んぁ?」
誠子「?」
エルヴィン「帰り際に再会できるとは!」
カエサル「やはり名は体を表すというか…」
左衛門佐「主君ではない者に対してもちゃんと見送りをする……やはり出来た人物だ」
淡「ただかつ?え、私?」
カエサル「違う。隣にいるのが忠勝だ」
淡「隣……って」チラ
照「………………」
淡「?テルはテルだよ?ただかつじゃないよ?」
左衛門佐「ソウルネームというやつだ」
淡「変なの」
エルヴィン「何を言う。決して変ではない」
おりょう「本人も気に入ってくれたぜよ」
左衛門佐「だから我々は忠勝と呼ぶのだ!」
誠子「宮永先輩が気に入った?…………そうなんですか?」
照「…………強引に押し切られる形で、最終的に納得せざるを得なくて」
誠子「……なるほど」
誠子(宮永先輩って、物静かな雰囲気と端正なルックスが相まって、あまり気安く話しかけられないタイプだけど……そこを乗り越えてグイグイこられると意外に弱いところあるよなぁ。淡と同じパターンだ)
左衛門佐「その角のように見える髪型も、忠勝の兜と一致している」
淡「……それでただかつって何?揚げ物?」
左衛門佐「忠勝を知らないだと!?」
エルヴィン「戦場で傷一つ負わなかった男を揚げる!?そうやすやすと揚げられると思うな!」
カエサル「一般の人は見たい現実しか見ない、ということか……!」
おりょう「この先の日本はどうなってしまうぜよ……」
淡「??亦野先輩、忠勝って知ってます?」
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:17:02.16 ID:Veh8rIUF0
誠子「ああ。本多忠勝。徳川家康の家臣で、すごく強い武将だよ」
エルヴィン「おお!」
左衛門佐「パンクな見た目に反してなんと日本人的な教養を持っている人だ!」
誠子「いや、だから、短髪で染めてるだけでパンクってわけじゃ……それに大河ドラマでやってたから知ってる程度ですよ」
おりょう「だとしても見事ぜよ」
カエサル「そして釣り好きでもあるキミは、今日から太公望・呂尚だ!」
誠子(宮永先輩もこの流れで名付けられたのか……というか今さらだけど、年下なのに宮永先輩にタメグチってすごいなぁ)
エルヴィン「忠勝も異論はあるまい?」
照「……特には」
カエサル「さすが忠勝!私たちの気持ちを察してくれてるな!」
淡「ねえねえ!私もなんか名前ちょうだい!」
左衛門佐「大星さんか…」
おりょう「なかなか難しいぜよ」
カエサル「!思い付いた!」
淡「ホント!?」
カエサル「ああ!キミはレオナルド・ダ・ヴィンチだ!」
淡「あ、なんか聞いたことある!テルー、わかる?」
照「うん。万能の天才と呼ばれたイタリアの芸術家。モナ・リザの作者でもある」
淡「天才!?やったー!」
エルヴィン「なぜダ・ヴィンチなんだ?」ヒソヒソ
カエサル「……大星さんはロン毛だろう?毛と言えば、と連想していったんだ」ヒソヒソ
エルヴィン「ダ・ヴィンチ……確かに髪は長いが頭頂部はハゲてただろう?他にいなかったのか?」ヒソヒソ
カエサル「そうなんだが……カエサルには薄毛のエピソードがあってな。その繋がりでついポンと浮かんでしまい、つい……」ヒソヒソ
淡「私のことをちゃんと理解してるねっ!ありがとー!」ダキッ
カエサル「わわっ!?」
淡「見る目あるよー!」
カエサル「ちょ、わかったから抱きつかないでくれ!」
エルヴィン(喜んでいるからいいか)フッ
おりょう「しかし昨日も思ったが、忠勝は歴史に造詣が深いぜよ」
左衛門佐「本名は宮永照だったな。まさか農学者、宮永正運の子孫か?」
照「全然違う。ただ、たまに歴史系の本も読むから知ってただけ」
おりょう「素晴らしいぜよ!」
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:17:33.82 ID:Veh8rIUF0
左衛門佐「それなら今度おすすめの本を貸そう!保管場所に困っ…じゃない、大切にしまっておいた本が大量にある!郵送するから住所を教えてくれ!」
照「……別にそこまで読みたいわけではな…」
おりょう「なるほど。本多忠勝が戦国時代より幕末の方が好みとは面白いぜよ。それなら私が貸そう」
照「あ、いや、だから私は…」
おりょう「おっと!住所を教えることを心配してるのは百も承知。居所を隠すのは、闇討ちを避けるためにも必須。わかっているぜよ」
照「そういうわけでは……ただ…」
左衛門佐「なるほど。用心深さも兼ね備えているとは!それならば白糸台に送れば解決だ」
照「あの、本当に…」
おりょう「それがいいぜよ」フフ
照「その…」
左衛門佐「おりょうは興味深い本を揃えているから、きっと忠勝も満足してくれるはずだ」ニコッ
おりょう「到着を楽しみに待っているぜよ」ニコッ
照「………………うん……ありがとう」
誠子(諦めた…………)
誠子(でも、そんなに嫌そうに見えないというか……いつも接する人たちと違う距離感に戸惑ってる感じっぽい)
誠子(宮永先輩に有無を言わさず詰め寄る人なんて、淡以外いないもんなぁ)
淡「えっへへ〜!あ、このマントいいなー!」
カエサル「こら、勝手にピラピラさせるな!それにそろそろ抱きつくのをやめてくれ!」
淡「じゃあマント貸して〜♪」
カエサル「わかったから!」
淡「やた!」
カエサル「……マントは貸すが、将軍の座は譲らないからな!」
淡「いーよ。いらないから。ほぉー、マントかっこいーなー♪どう?似合う?」ヒラヒラ
カエサル「む。意外と似合う……」
淡「えっへへ〜♪でっしょー?」
カルパッチョ「………浮気者」ギリッ..
アンチョビ「お、おい。歯を食いしばってるがどうした?その顔でパスタレードルを握りしめてるのは画的に怖いぞ」※パスタレードル・・・細長い木の突起が複数ついてるパスタをすくうための道具
カルパッチョ「私でさえマントを羽織らせてもらったことないのに……!」ギ..ギ..ギリッ..
アンチョビ「そ、そうか!だったら私のマントをやろう!1日ドゥーチェもやっていい!だから落ち着け!な!?」アセアセ
289 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:18:02.08 ID:Veh8rIUF0
メグミ「はぁぁ……」
ルミ「どしたのメグミ」
アズミ「年とると早起き辛いってやつ?」
メグミ「違うわよ!寝起きの愛里寿隊長、可愛かったなぁって思い出してただけ!私の年齢でそんなこと言ってたら蝶野さんとか家元とかどうすんのよ」
千代「本当に、どうすればいいのかしらね?」
亜美「是非知りたいわ」
メグミ・ルミ・アズミ「ひッ!」ビクン
亜美「シンキングタイム!テンセカンズ!カッチ、カッチ、カッチ、カッチ…」
メグミ「ち、違います違います!そういう意味じゃないんです!それに諸悪の根源はアズミで…」
アズミ「ちょっと!あんた人のせいにするんじゃないわよ!」
晴絵「あはは。仲がいいんですね」
ルミ「あなたは……麻雀部チームの監督の……」
アズミ「高校時代にインハイで惨敗した…」
晴絵「そこまで遡らずに思い出せないかな?」
メグミ「赤土晴絵さん……昨日は家元とお話していたようですけど、前からのお知り合いだったんですか?」
晴絵「いえ、昨日初めてお会いしたんですけど、島田流の家元だけあって知識は幅広いし、物事の分析も鋭い。戦車道と麻雀でジャンルは違うけど、勉強になることばかりですね」
千代「それは赤土さんも同様ですわ。その若さにして、阿知賀女子学院を全国に導いた手腕、そして戦局を見極める眼力は並外れていますもの」
晴絵「ありがとうございます。でも今回はその戦略を見誤ってしまい、麻雀部チームのみんなには申し訳なく思っていますよ。チーム力では決して劣ってないですから」
千代「そうね。実力のある子ばかりです。キャリアの差を感じさせない強さを見せられました。アッと驚く為五郎という言葉がぴったんこかんかんですわね」
晴絵「…………え?」
千代「あ、いえ、なんでもありませんわ」オホホ..
千代(いけないわ。イマドキを終えた赤土さんでもわからない単語を口に出してしまうとは。もっと気を付けなくてはね)フゥ
晴絵「そういえば、お聞きしたいことがあるんですけれど、実は前に―――」
千代「なるほど。その場合は―――」
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:18:32.92 ID:Veh8rIUF0
アズミ「……………」
アズミ(指導者としての相談トークが始まっちゃった……口を挟める感じじゃないわね)
亜美「ゼロ」
アズミ「え?」
亜美「タイムアップ!あんたたち3人はこのあと居酒屋に付き合ってもらうわよ!」
アズミ「え、ちょっと!?そんな……!メグミ!ルミ!なんでちゃんと謝らなかったのよ!」
メグミ「謝ったわよ!」
ルミ「でも何を言っても蝶野さんが『パードゥン?』しか言わないの!」
亜美「スタンドバイミー!楽しい夜になりそうね!」アッハハハ!
南浦「……やれやれ。ずいぶん騒がしいな」
秋一郎「若者の特権だからな。そう言ってやるな、ポナンザ」
南浦「そのあだ名はやめてほしいと言ったはずです。ヌマシュウ」
秋一郎「ふっ」
トシ「相変わらず仲がよろしいことで」フフ
理事長「蝶野さんたちも盛り上がっているようですが、我々も居酒屋に繰り出すのはどうでしょう?私の方はスケジュールが空いておりますが」
秋一郎「ふむ…………ではそうしよう」
南浦「馴染みの店があります。美味い酒を出す店でね。きっと気に入ってもらえると思いますよ」
理事長「それはそれは。楽しみですなあ。熊倉さんはどうなさいますか?」
トシ「私は生徒たちと一緒に帰るさ」
理事長「そうですか……残念ですな」
トシ「ただその前に、話しておかなければならない子がいるけどね」ボソ
理事長「?」
トシ(大洗女子の河嶋桃…………カッコいいというだけの理由でモノクルを付けているあんたにはきちんと話をつけてやらないとねぇ)
トシ(モノクルを甘く見ると痛い目に合う。そう気付けばモノクルのありがたみがわかるってもんさ)クク
291 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:19:06.82 ID:Veh8rIUF0
みほ「………………」
みほ(気付いたら、みんな麻雀部の人たちとお話しに行っちゃった)
みほ(私はどうしよう?せっかくだから誰かと…)
咲「あの……」
みほ「え?あ、宮永さん……」
咲「………………」
みほ「?」
みほ(なんだろう?話しかけてきたのに黙っちゃった。何か言いづらいことなのかな?)
咲「私……」
みほ「はい」
咲「しばらくの間、お姉ちゃんとその……話せない時期があって……」
みほ「………………」
咲「そんな関係をどうにかしたくて、頑張って全国大会まで行ったんです……」
みほ「その……それで、結果は?」
咲「……前よりはずっと良くなったんですけど……でもやっぱりまだ気まずくて。今回のバトルに向けた練習でも、模擬戦も出来なくて……」
みほ「……その気持ち、わかります。私、お姉ちゃんと会うのが怖かった時期がありましたから。嫌われたと思ってたし……」
咲「でも西住さんは今、お姉さんとすごく仲良くなったって聞いて」
みほ「そうなんです!すっごく仲良くなって!えへへ……//」
咲「……一体、どういうトリックを使ったんですか?」
みほ「トリックとかそういう手品的なものじゃないんですけど……」
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:19:35.71 ID:Veh8rIUF0
咲「じゃあどうやって……?」
みほ「大きかったのは戦車道大会の決勝で戦ったことですね。ここで全力でぶつかり合うことで、わだかまりが解けました」
咲「そうですか………じゃあインハイを終えて仲良くなれてない私はもう……」
みほ「そんなことないですよ。私がお姉ちゃんと、決定的に太く強く、決して断ち切れない絆で結ばれるきっかけを作ってくれたのは、フリースタイルバトルですから」
咲「!」
みほ「大学選抜戦での共闘でもお姉ちゃんとの仲は深まりましたけど、フリースタイルバトルはそれ以上に大きかったです」
咲「!!」
みほ「普通に話してたら絶対思っても言えないことでも、音が流れるステージの上で、マイクを握ったら自然と口に出せるんですよね。そうやってお互い言葉を交わし合った結果、今までよりずっと濃い関係性を築けました」
咲「すごい……じゃあ私もお姉ちゃんとバトルをしたら……」
みほ「必ず上手くいくと簡単には言いきれないですけど、少なくとも思ってることを言い合えると思います。そうすれば、今よりもっといい関係になれるんじゃないでしょうか?」
咲「………………」
みほ「あ、偉そうなこと言っちゃってすみません!」アセアセ
咲「いえ、そんな!私の方が年下ですし!それに、すっごくいい話を教えてもらいました!ありがとうございます!」
みほ「そ、そうですか?」ホッ
咲「私、お姉ちゃんと本気でバトルするためにどうしたらいいか、考えてみようと思います」
みほ「少しでも力になれたならよかったです」ニッコリ
咲「アドバイス、どうもありがとうございました。では失礼します。あ、またお会い出来る日を楽しみにしてます」ペコリ
みほ「私もです」ニッコリ
咲「」テクテクテク
みほ「………………」
みほ(やっぱり、どこの世界もお姉ちゃんっていうのはツンデレなんだなぁ……)
293 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:20:08.46 ID:Veh8rIUF0
洋榎「おい、みほ」
みほ「え?あ、ヒロエさん……」
洋榎「なんや呆けた顔して。うちが話しかけるんがそない変か?」
みほ「いえ、そういうわけじゃ」
みほ(私のお姉ちゃんや宮永照さんとまったく違うタイプの姉が来たから驚いただけで)
洋榎「ホンマは昨日の夜に話そ思ててんけど、そういう気分になれへんかって。けど、一晩明けてスッキリしたから帰る前に話しとかんとなぁ、ってな感じでな」
みほ「……私もお話したいと思ってました」
洋榎「そうか。そらちょうどええな」ニカッ
みほ「…………ふふっ」
洋榎「なんで笑うねん」
みほ「いえ、気持ちのいい笑い方というか……素直な人だなぁと思いまして」
洋榎「なんやそれ。ええけど。んで、昨日のバトルはうち負けてもうたけど、あれで終わりちゃうからな?」
みほ「……と言いますと?」
洋榎「勝ち逃げせんといてな、って話や。うちは麻雀、みほは戦車道が本業や。けどフリースタイルバトル大会があったら参加してぇや、ってこと」
みほ「……今後、FSR(フリースタイルロード)の履修者ではなく、私たちに声がかかることがあるんでしょうか?」
洋榎「知らん。けどその時は出ぇや。もっぺんみほと戦いたいねん」
みほ「そうですね……私もヒロエさんとバトルしたいです」
洋榎「おっしゃ、決まりや。これを伝えたかってん。ほな、うちは戻るわ」クルッ
みほ「あっ!あの、ヒロエさん!」
洋榎「ん?なんや」
みほ「……妹さんのこと、好きですか?」
洋榎「あん?絹のこと?」
みほ「はい」
洋榎「好きに決まってるやん。家族やし」
みほ「そうですよね!」ニッコリ
洋榎「?何を当たり前のこと聞いてんねん……ええけど。ほな行くから。またな」
みほ「はい!」
みほ(やっぱりお姉ちゃんっていうのは妹のことが大好きなんだ……うんうん!)
みほ(大会では勝てたし、知り合いもいっぱい増えて、美味しいご飯も食べれた。帰り際にいい話を聞けたし……充実した2日間だった)
みほ(ヒロエさんはああ言ったけど、フリースタイルバトル関係の大会はしばらくないだろうし、これからは戦車道に専念かな)
みほ(3年生が抜けることで、編成とか諸々大幅な修正が必要だし、時間がかかる分、頑張らないと!)
優花里「西住殿。秋山優花里、ただいま戻りましたぁ!」ビシッ
みほ「おかえりなさい」
沙織「そろそろ出発だって」
麻子「そうか」
華「それにしても……これから忙しくなりそうですね」
沙織「うん。華は生徒会長、私とゆかりんは生徒会として頑張らないといけないもんね。みぽりんも隊長としてみんなを引っ張っていかないとだし」
麻子「私も朝起きるのを頑張らないといけない……」
294 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:20:35.41 ID:Veh8rIUF0
華「ええ。本当に大変です。それに生徒会長として最初のお仕事がまた大変そうで……」
沙織「……最初のお仕事って?」
華「あら?聞いていませんか?」
優花里「前会長や小山殿、河嶋殿からは何も言付かっておりませんが……」
華「ではわたくしにだけおっしゃったのでしょうか?龍門渕さんからお話をいただいたのです」
みほ「龍門渕さんから?どんな話?」
華「今回の大会でフリースタイルバトルに興味をお持ちになったらしく、龍門渕グループと大洗を含む各校の生徒会で協力して、ネット配信のフリースタイルバトルの番組を制作するという企画が動き出しているようです」
沙織「ええっ!?」
麻子「企画がある、ではなく動き出しているのか?」
優花里「なんという行動力ですかぁ!」
華「内容も大方決まっているようです。仮タイトルは『フリースタイルラビリンス』。挑戦者は3人1組のチームでラビリンスに挑み、道を阻むゲートキーパー4人をフリースタイルバトルで倒し、最奥にいるラスボスに勝てば賞金を獲得できるシステムです」
みほ「それ、挑戦者の人数は違うけど、完全にフリースタイルダンジョンじゃ…」
華「龍門渕グループの力か、KODAMAさん(戦車道連盟理事長)の人脈かわかりませんが、その辺りの認可は得ているそうです。挑戦者に年齢制限を設けるなどして差別化を図り、姉妹番組のような形にするとか」
沙織「そ、その番組に私たち生徒会が関わっていくの?」
華「はい」
沙織「……そんなことになったら……」
優花里「はい。責任重大…」
沙織「モテ期が来ちゃうかも〜♪一瞬映った私を見てファンになった子から手紙とか送られてきて〜!」
麻子「ないだろう」
華「とにかく忙しくなりそうです。頑張りましょう」
優花里「はいっ!職務とあらば全身全霊で取り組む所存でありますぅ!」
沙織「うん、頑張る〜♪」
みほ「大変そうだけど、頑張ってね。応援してる」
華「ありがとうございます。あ、そうでした。1つ言い忘れてました……みほさん」
みほ「なに?」
華「みほさんはゲートキーパー役が決まっていますので、頑張ってくださいね」ニコリ
みほ「………………え?」
沙織「すごい!大抜擢じゃん!みぽりんならイケるよ!」
優花里「さすがです西住殿ぉ!」
麻子「む、私にはオファーは無いのか……しかし早起きせずにすむからよしとする」
みほ「ちょ、ちょっと待って?なんか勝手に決められちゃってる気が…」
華「みほさんなら出来ます!」
みほ「後押しが欲しいんじゃなくてね!?私の意見とか…」
華「パンツァー・フォー!!」
みほ「わぁあ!強引!私のセリフ!今期の生徒会は前以上に強引だよぉ〜!」
みほ(…………どうやら……)
みほ(これからの日々は、前以上に忙しくなりそう……――――)
おわり
295 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/24(金) 21:21:13.87 ID:Veh8rIUF0
以上です。読んでくれた方、ありがとうございました
エスカマリさん、海月さん、DJ 海藻さん、DJ ペプシコーラさん、Puni23PPKさん、so was Redさん、
バトル用ビート動画のリンクを貼らせてもらいました。ありがとうございました
296 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 07:32:30.62 ID:xALbx+pjo
今年最も謎なSS
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