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バットマン「グランド……オーダー?」
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788 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:22:56.25 ID:U2Rv23+B0
………………
リドラー『さあ、答えられる者は居ないか!? いなければ、二人の勇敢な戦士が死ぬまでだ』
職員C「……くそ、全然わかんねえ……!」ガリガリガリ
職員B「幸せな人が見たら……って一体なんなの……」
所長「……くっ……」ギリィ
ドクター「……」
ドクター(……でも、二人の命を救わなきゃ。僕は……)グッ……
レオナルド「……?」
789 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:23:28.62 ID:U2Rv23+B0
………………
アルテラ「『その文明を粉砕する』」
ブルース「マシュ! 宝具を展開しろ!」
マシュ「っ、はい!」
マシュ(一度は破られた……でも、やってみせる!)
マシュ「仮想宝具、展開!」
ブーディカ「守ってみせる……!」
マシュ「ロード・カルデアス!」
ブーディカ「チャリオット・オブ・ブディカ!」
アルテラ「フォトン・レイ」ギュィィィィィィィィィィィィッ‼
790 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:24:24.59 ID:U2Rv23+B0
ブーディカ(……ああ。こりゃ、駄目だ。受けきれない)
ブーディカ(……でも、マシュを庇えば……何とか軌道は、逸らせるかな)スッ
マシュ「……? ブーディカさ……」
ブーディカ「じゃあね、マシュ。……元気で、ね」
マシュ「……!! まっ……」
ゴォォォォォォォッ‼
791 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:24:59.34 ID:U2Rv23+B0
ブルース「!!」
ブルース(軌道が逸れた……! ローマを逸れ、海洋の方へと飛んで行く……)
マシュ「……ブーディカ、さん……」ドサッ
アルテラ「……そうか。またしても、私には破壊できなかったのか」シュウシュウシュウ……
アルテラ「……ふ……」シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……
聖杯「」カラン……
マシュ「……聖杯、確認。回収します」
792 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:25:33.81 ID:U2Rv23+B0
ブルース「……」シュウシュウ……
ブルース(……何だ? 身体が……いや、世界が……)グニャリ
マシュ「……? こ、これは……」シュウシュウ……グニャリ
マシュ「お、おかしいです、何かが……」シュウシュウ……
ブルース「……これは……」シュウシュウ……
793 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:26:11.71 ID:U2Rv23+B0
………………
ドクター「トゥー・シャル・パス」
リドラー『……』
ドクター「……彼は……彼は、家臣に指輪を持って来させた。そうして、見てみた指輪には……こう彫ってあった。トゥー・シャル・パス。全ての事は、いつか終わると」
リドラー『……見事だ』プツッ
794 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:26:45.86 ID:U2Rv23+B0
モニター『congratulations! congratulations! congratulations!』
職員C「……や……」
職員B「やった……」
職員A「喜んでる場合じゃない! 早く! 存在証明式を再稼働!」
職員B「あ、ああ! しないと!」
レオナルド「……」
ドクター「……」
レオナルド「……よくやったよ、ロマニ」
ドクター「……」
795 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:27:20.22 ID:U2Rv23+B0
職員C「……駄目です、やっぱり遅すぎた! レイシフトが強制終了へ向かってる!」カタカタカタ、カタカタカタ
レオナルド「おっと、それってかなりヤバイ状況だね」カタタタタタタタタタ
ドクター「……もしもし、もしもし! こちらカルデア! ブルースくん、マシュ! 聞こえるかい!?」
796 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:27:47.99 ID:U2Rv23+B0
………………
ドクター『もしもし、こちらカルデア! ブルースくん、マシュ! 聞こえるかい!?』
マシュ「……ドクター! はい、聞こえます!」シュウシュウ……
ドクター『これからそちらの世界へ「穴」を開く! 身体が崩壊する前にその穴へ飛び込んでくれ!』
ブルース「了解」
ブルース(……果たして、二人とも入れるか)
797 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:28:33.16 ID:U2Rv23+B0
ネロ「どうしたというのだ、そのか……」ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……
ゴゴゴ……ゴゴゴゴゴゴ……
マシュ「……消えていく……人が……世界が……」
ドクター『聞こえるかい!? 自己を強く認識して!』
ブルース「……」
穴「」グォンッ
ドクター『今開いた穴がそれだ! 飛び込んで!』
798 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:29:01.82 ID:U2Rv23+B0
マシュ「今、いきます……!?」ググググッ
マシュ(か、身体が……重い……)
ブルース「くっ……」ズシ……ズシ……
ブルース(……やはり、無理か……)
799 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:29:41.28 ID:U2Rv23+B0
ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……
マシュ「このままじゃ、先に世界が崩壊してしまう……!」
ブルース「……」ガシッ
マシュ「え……ま、マスター……?」
ブルース「さらばだ。マシュ」ブンッ
マシュ「きゃっ!?」グォンッ
穴「」シュポッ……シュゥゥゥゥゥン
ブルース(……閉じたか)
ブルース「……」
ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……
800 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:30:06.63 ID:U2Rv23+B0
………………
マシュ「っ」ガバッ
ドクター「! マシュ・キリエライトが帰還!」
所長「……!」
マシュ「……ドクター、マスターがまだ!」
801 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:30:37.30 ID:U2Rv23+B0
職員A「そ、そんな……まさか、ブルースさんはまだ、あっちに……?」
職員B「……だ、駄目です! もう穴を維持できていません! 存在救出不可!」
マシュ「……え……」
所長「……ロマニ、魔力反応は。魔力反応はどうなの」
ドクター「……駄目です、一世紀ローマからはもう……恐らく、時流に呑まれて、何処かへ……」
マシュ「……そ、それじゃ……ますたー……マスターは……」
802 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:31:21.80 ID:U2Rv23+B0
ドクター「……すまない。僕のせいだ。本当にすまない……」
レオナルド「……」
職員A「……そんな」
職員B「……うそ……」
職員C「……」
所長「……」
803 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:31:50.88 ID:U2Rv23+B0
第二章
永続狂気帝国 セプテム
生存者 マシュ・キリエライト
死者 清姫 ブルース・ウェイン
804 :
◆GmHi5G5d.E
[saga sage]:2018/01/24(水) 01:32:35.75 ID:U2Rv23+B0
今回の更新はここまでです。お付き合い有難うございました
805 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/24(水) 01:47:19.08 ID:vD5qFjgdo
乙
806 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/24(水) 08:33:02.15 ID:uZIGxZO30
面白い
807 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/24(水) 08:45:27.71 ID:LpgdSejLO
乙
これは以外
808 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/24(水) 10:58:42.36 ID:2hcrkkdS0
乙
死んだと断定されてないだけまだ希望はあるか・・・
809 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/24(水) 12:23:01.52 ID:clwzB2y/O
乙
ダレイオスとアレキサンダーと孔明の霊圧が消えた・・・?
810 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/24(水) 13:49:18.57 ID:ZXtc8foL0
相変わらずこの人のブルースはかっけぇ
ポーカーのときとかめちゃくちゃかっこよかった
乙次も期待
811 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 00:48:45.24 ID:sdblcI+t0
………………
マシュ「……」カチャカチャ……
レオナルド「……おはよう、マシュ。隣、空いてるかな?」
マシュ「……」ビクッ
マシュ「……ダヴィンチさん……ええ、空いてます。どうぞ」
レオナルド「ははは、いつも言ってるじゃないか。ダヴィンチちゃんと呼んでくれってね」
マシュ「……ごめんなさい」
レオナルド「……冗談だよ、これはキミに言うのは一回目だから」
マシュ「……ごめんなさい」
レオナルド「……」
812 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 00:49:31.23 ID:sdblcI+t0
マシュ「……」カチャカチャ……
レオナルド「……マシュ。キミ、スープはかき混ぜるだけじゃあお腹に入らないよ」
マシュ「……はい」カチャカチャ……
レオナルド「……」
所長「……」スタスタ
レオナルド「……ああ、おはよう所長」
所長「……あ……」
所長「……」クルッ、スタスタ
レオナルド「ちょ、ちょっと。……はあ……」
813 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 00:50:00.72 ID:sdblcI+t0
………………
ドクター「もしもし、もしもし。こちらカルデア。ブルースくん、聞こえるか? 返事をしてくれ。……駄目だ、この時代にチューニングしても答え無しか……」
ドクター「……いや、まだだ。今度は半年刻みで現在から……」カチカチ
職員B「あ、あの……ドクター? ご飯、ここに置いておきますから……」
ドクター「え? ああ、ありがとう」
職員B「いえ、良いんです。……あの、少しは休まないと……」
ドクター「え? いや、うん。大丈夫だ。……もしもし、もしもし。こちらカルデア。ブルースくん、聞こえるか? ……」カチカチ
職員B「……」
814 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 00:50:37.12 ID:sdblcI+t0
………………
職員A「……あの……所長?」
所長「……ブツブツ……ブルースの肉体を一から錬成して……ブツブツ……」
職員A「……床に描いてある魔法陣は一体……」
所長「……ああ、この部屋には入らないで。入ったら危ないわよ。比喩抜きで死ぬわ」
職員A「え……」
所長「出てって。今実験中だから」
職員A「……あの……」
所長「出てって。さもなきゃアンタを『使う』わよ」
職員A「……はい……」
815 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 00:59:08.38 ID:sdblcI+t0
………………
レオナルド「……さて、状況報告会議を」
職員B「……ドクターは一週間、何も食べていません。ずっと管制室に閉じこもって、時流の中からブルースさんを特定しようとしています」
職員A「……オルガマリー所長は、怪しげな魔法陣でブルースさん復活の儀式をしようとしています」
職員C「コフィン内の調整は一応、順調です。ブルースさんがいつでも戻って来れるようにしています」
レオナルド「……ふう。マシュは恐らく鬱だ。生活する気力すら消えそうになっている」
職員A「……」
職員B「……」
職員C「……」
816 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:00:05.22 ID:sdblcI+t0
レオナルド「良いかい、今のカルデアを支えていけるのは私達だけだ。空気に呑まれそうになるのは辛いけど、踏ん張りどころだぜ」
職員達「「「はい!」」」
レオナルド「うん、いい返事だ。よし、今日も一日カルデアを引っ張ろうじゃないk……」
ピーンポーンパーンポーン
ドクター『皆っ、皆聞いてくれ! ブルースくんが漂流している時代を特定した!』
レオナルド「って言おうとした途端にこれか……よし、一応管制室へ急ごう」
817 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:01:00.70 ID:sdblcI+t0
………………
所長「本当なんでしょうねロマニ!?」
マシュ「ドクター! あの放送は!」
ドクター「ああ、本当だ。ようやく見つけた。どうやら今から30年ほど前の時代を漂ってるみたいだ」
レオナルド「やあ、ロマニ……速いなキミたち」
ドクター「レオナルド、レイシフトの準備に取り掛かってくれ。ブルースくんを救出できる」
レオナルド「……」
818 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:01:39.25 ID:sdblcI+t0
レオナルド「……マシュは良いのかい?」
マシュ「はい。いつでもレイシフトできます。今からでも」
ドクター「早い方が良い。また漂流して、何処かへ消えてしまわないとも限らないんだ」
所長「レイシフトの許可は出します。早く救出を」
レオナルド「……待ってくれ。やっぱり性急に過ぎる、もう少し考える時間を置こう」
ドクター「……言いたい事は分かる、でもチャンスは少ない。少なすぎるんだ、レオナルド」
819 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:02:26.92 ID:sdblcI+t0
レオナルド「マシュの身の危険を考慮すべきだ。まともにAIに検査すらさせて無いんだろう?」
ドクター「……それは、……」
マシュ「わ、私は……私は、いくら危険でも……」
レオナルド「マシュも。いいかい、キミ達はもう少しよく考えるべきだ。私達は世界を支えなきゃならないんだ。それがこんな体たらくでどうするのさ?
……ブルースだって、きっと悲しむ。キミ達をこんな風にするために戦ったんじゃない、ってね」
ドクター「……」
マシュ「……」
所長「……」
レオナルド「……」
820 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:03:17.01 ID:sdblcI+t0
ドクター「……ごめん。軽率だった」
マシュ「……私も……急ぎ過ぎてました」
所長「……ちょっと、焦ってたかも……しれないわね。ごめんなさい」
レオナルド「……良いのさ。ただ、もう少し時間を置こう。
そうは言っても早い方が良いんだろうから、明日には協議の結果を出すようにしよう。それなら、文句は無いだろう?」
ドクター「ああ!」
マシュ「はい」
所長「そうしましょう」
821 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:03:47.01 ID:sdblcI+t0
………………
レオナルド「……」
レオナルド(……昼間、ああは言ったけど……やっぱり、ブルースは心配だ……)
レオナルド(明日の朝、マシュがレイシフトする事は決定した。……何か胸騒ぎはするが……それでも、やるしかない)
レオナルド「……はあ〜」
レオナルド(……いつの間にか、私もこんなに感化されてたなんてなぁ。ちょっと夜風に当たってくるか……)
822 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:04:15.81 ID:sdblcI+t0
レオナルド「……」スタスタ
グス……ウッ……ウゥ……
レオナルド「……?」
レオナルド(誰かの……泣き声? キッチンから? こんな夜中に?)
823 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:04:52.34 ID:sdblcI+t0
レオナルド「……」ソォ〜ッ
マシュ「……うっ……ひぐっ……うぇえ……」
レオナルド「……」
レオナルド(ああ、これは……うん。まあ、分かってたけど……)
824 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:05:36.40 ID:sdblcI+t0
レオナルド「……ごほんっ!」
マシュ「!!」ビクッ、バシャバシャ
レオナルド「あ〜夜中に急にお腹が空いて困った困った!! 何か缶詰でも無いかな〜〜ってマシュじゃないか!?」
マシュ「……こっ、こんばんは。夜食ですか? 奇遇ですね」ニコッ
レオナルド「……」
レオナルド(……咄嗟に顔を洗っても、目が真っ赤だぜ)
825 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:06:09.36 ID:sdblcI+t0
レオナルド「うん、何か食べるモノはないかと思ってね。漁りに来たという訳さ」ガサガサ
マシュ「あ、あはは。夜にお腹が空くと困りますね」
レオナルド「全くだ。……何かないかなー……おっ、豆だ! どうだいマシュ、一緒に食べる?」
マシュ「……はい、頂きます」
レオナルド「うん、そうしよう。それじゃ、そこの椅子に座ろうじゃないか」
826 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:06:37.65 ID:sdblcI+t0
マシュ「……」モグ……
レオナルド「……」モグモグ
マシュ「……」
レオナルド「……どうした、食べないのか?」
マシュ「……あ……その……」
レオナルド「……お腹、空いてなかったり?」
マシュ「……」
827 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:07:21.52 ID:sdblcI+t0
レオナルド「……私じゃ、頼りないかもしれないけどさ。ほら、ロマニはあの性格だ、人の悩みとかも抱え込んじゃうし。その点、私ならうまく処理できる」
マシュ「……」
レオナルド「……だから、なんだ。強制するワケじゃないけど、相談も時には必要だよ」
マシュ「……」
レオナルド「……」
828 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:07:50.79 ID:sdblcI+t0
マシュ「……皆」
レオナルド「……」
マシュ「皆、私のせいで死んでいくんです。マリーさんもそうだったし、清姫さんだって……荊軻さんも……ブーディカさんも……」
レオナルド「……」
マシュ「……マスター、も」
レオナルド「……」
マシュ「私が、もっと強ければ……皆、守れたのに。全部、私のせいなんです。半端な覚悟で、レイシフトに臨んで……全部、駄目になる」
レオナルド「……」
829 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:08:26.86 ID:sdblcI+t0
レオナルド「マシュ。良いかい?」
マシュ「……」
レオナルド「ブルースが居なくなって辛いのは分かる。でもね、全部の責任を自分で背負い込む事はない。皆、行動を選択して、ベストだと思った動きをしているんだ」
マシュ「……私なんかを、救う事が……ベスト、なんですか?」
レオナルド「……自分の価値を下げて見ちゃいけないな。キミはかけがえのない存在なんだ」
マシュ「……かけがえのない……」
レオナルド「そうだ。キミだって、皆に死んでほしかった訳じゃないんだろう?」
マシュ「それは! それは、当然です」
レオナルド「なら大丈夫。キミはもう一度立ち上がれるね?」
830 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:08:57.06 ID:sdblcI+t0
マシュ「……はい」
レオナルド「……なら、いいんだ。ほら、豆も食べなよ」
マシュ「……はい」モグモグ
レオナルド「……」モグモグ
レオナルド(……もう少し、普段から人に興味を持ってればな……もっと上手い激励も出来たんだろうけど)
831 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:09:24.21 ID:sdblcI+t0
レオナルド「……」モグモグ
マシュ「……あの」
レオナルド「なんだい?」
マシュ「ありがとう、ございます」
レオナルド「……良いのさ。ほら、早く豆を食べて。夜食は職員に見つかったら怒られるんだ」モグモグ
マシュ「はい」モグモグ
832 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:10:07.51 ID:sdblcI+t0
………………
ブルース「…………」
世界が流れて行く。時間が流れて行く。この場所では、物理的な概念は消えうせる。
視界が歪む。地面に足をついたまま飛ぶ。雨粒が天へ上がる。稲妻が地を走り、砂嵐が宇宙を覆う。人々は死んで活動を始め、生まれて活動を停止する。
極天の流星雨が、滝のように降り注ぐ。輝く世界は、嘘で覆われている。
清姫「嘘はいけませんわ、旦那様。嘘は忌むべきもの。心無き者の所業」
リドラー「だが何故嘘はいけない? 人々の世界を上手く回すためには必ず必要になる潤滑剤だ」
清姫「嘘はいけませんわ、旦那様。嘘はいけませんわ、旦那様。嘘はいけませんわ……」
リドラー「何故嘘はいけない? 何故嘘はいけない? 何故嘘はいけない?」
833 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:11:21.51 ID:sdblcI+t0
ブルース(……ここは、何処だ……)
荊軻「ここは何処でもない、ブルース。川の流れの途中にある、岩のようなものだ。流された者が引っかかる『淀み』だ」
ブーディカ「あちゃあ、キミもここに来ちゃったか。でも大丈夫。ここも案外心地良いよ?」
ブルース(流された……何故私はここに居る? ああ、思考が……心地良さで、染まる……)
荊軻「ここは何処でもない、ブルース。ここは何処でもない、ブルース。ここは何処でもない……」
ブーディカ「ここも案外心地良いよ? ここも案外心地良いよ? ここも案外心地良いよ……」
ブルース(……そうだ、私は……マシュを庇い、レイシフトの帰還から取り残され……)
フォウ「フォウ、フォーウ」
ブルース(……思考をクリアに保て……自分を見失うな……私はブルース・ウェイン……私はバットマン……)
834 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:12:09.59 ID:sdblcI+t0
バットマン「だが、何故お前がバットマンなんだ?」
アルフレッド「ブルース様、私はあなたに生きていて欲しかった。それだけが、私の望みだったのです」
バットマン?「私はバットマンではないのか?」
アルフレッド「貴方は死んでしまった。貴方をお守りするべきだったのに、私は死んでいた。私はきっと地獄へ堕ちるでしょうな」
???「私はバットマンだったはずだ」
アルフレッド「さようなら、ご主人様」
怪物「……私は、バットマンではなかったのか?」
835 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:12:46.67 ID:sdblcI+t0
ブルース(……)
怪物「頼む、教えてくれ。私は何だ? なぜこうなってしまった?」
ブルース(……ああ、心地いい……)
怪物「父さんと母さんは何処だ? 会わせてくれ。私を怪物にしないでくれ」
ブルース(……このまま、思考を止めてしまえば……)
フォウ「フォウ!!」ガブッ
836 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:13:23.84 ID:sdblcI+t0
ブルース(……ぐっ……)
怪物「あ……」
怪物?「……私は……」シュウシュウシュウ……
バットマン?「……私は……」シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……
マスク「」カラン
ブルース(…………)パシッ
ブルース(……)スッ
バットマン「……」スタッ
837 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:13:59.75 ID:sdblcI+t0
バットマン「……フォウ。居たのか」
フォウ「フォウ、フォーウ!」
バットマン「ここは何処か、分かるか? ……いや、答えるハズも無いか」
フォウ「フォウ……」シュン
バットマン(……地面……と、呼んでいいものか……? 土の橋が、曲がりくねって奥まで続いている……先が見えないほど奥まで……)
バットマン「……とにかく、歩くとしよう。ついて来れるか、フォウ?」
フォウ「フォウ、フォーウ!」コクリ
838 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:14:42.56 ID:sdblcI+t0
バットマン(……妙な感覚だ。歩いているのに、脚に負担を感じない……それに、道の向こうにはずっと宇宙が広がっている……)スタスタ
バットマン「……」ピリピリッ
バットマン(……それに、視線を感じる)
フォウ「……」テクテク
バットマン「……」スタスタ
839 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:15:36.92 ID:sdblcI+t0
「夢、というのは奇妙なものだ。何処から何処までを夢と定義するのか、その仕切りは結構曖昧でね」
バットマン「……誰だ!」
フォウ「フシャー!」ゾワゾワ
「いやいや、キミ達に敵意は無いんだ。むしろ味方、大ファンさ。いつも見てるからね……ほら、歩いてくれ。僕の用意した道の上を、さ」
バットマン「……」ジリッ
「……そんなに警戒したって、どうせその道しか残ってないんだからさ。ほら、キャスパリーグからも何か言ってやってくれよ」
フォウ「……」ジリジリ
「……なんでキャスパリーグが一番僕の事を警戒してるんだよ。いいよ、じゃあ好きにしなよ。時間はたっぷりあるからね……」
バットマン(……妙に軽薄な声。だが敵意は感じられない……大人しく従うか?)
840 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:16:53.39 ID:sdblcI+t0
バットマン「……」スタスタ
「……僕、最近結構暇しててね。キミ達の活躍をずっと見てたんだ。いやぁ、素晴らしいモノだった。特にブルースくん、人間なのにガッツがあって……アレ、アルトリアにも負けないくらいスゴイんじゃないかな?」
バットマン(アルトリア……冬木で戦った、黒い騎士王……)
「いや誰かと比べるつもりは無いんだけどね、ぶっちゃけ言ってキミの精神力だけで言うなら宇宙でもダントツくらいじゃないか? ハチャメチャな時流の中で全く自我を損傷してないって、どんな精神構造してるんだ」
バットマン「……」スタスタ
「あ、ごめんよ。気を悪くしたなら謝る。褒めたんだ、一応……」
841 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:18:02.73 ID:sdblcI+t0
バットマン(……? 光が、見え始めた……?)
「……ああ、そろそろ着くね。この後、ちょっとした悪意がキミを襲うだろう。でも大丈夫、きっと助けが来るよ。だからいつも通り、諦めずに立ち上がってくれ」
バットマン「……お前は誰だ?」
「……言っただろう? 僕はキミの大ファンだ。頑張ってくれよ、ヒーロー……」ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……
バットマン(気配が……消えた……)
フォウ「フォウ、フォウ」
バットマン「……ああ。行こう」スタスタ
842 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:18:51.92 ID:sdblcI+t0
ザアザア……ザアザア……
バットマン「……!」
バットマン(妙な空間を……抜けた? ここは一体……妙に既視感が……)
母親「ふふ、公演が楽しみね」
子供「……うん」
父親「それにしても、酷い雨だな……間に合うか?」
バットマン「……!!」
バットマン(いや、まさか。そんな筈はない。そんな馬鹿な)
843 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:19:20.86 ID:sdblcI+t0
子供「……今日も、仮面をつけた人達がいっぱい居るの?」
父親「ははは、ブルース。怖がることはない。それがオペラのマナーのようなものだ」
母親「ブルース、大丈夫よ。今日のオペラはね、仮面をつけた正義の味方が、悪人をやっつけるお話なの」
ピシャアッ‼
子供「!! あ、あの暗いところ……あそこに何か居たよ、父さん」
父親「全く、ブルースは臆病だな。大丈夫、闇の中には何も居ない」
バットマン「……」
バットマン(……)
ザアザア……ザアザア……
844 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:20:22.70 ID:sdblcI+t0
………………
ザアザア……ザアザア……
ギュォォォォォォォォォォッ
マシュ「……っ」ドサッ
ドクター『もしもし、マシュ? レイシフトはうまくいった?』
マシュ「っ……はい、今回のレイシフトも上手く行きました。ここは……裏、路地……?」
バットマン「……マシュ」
マシュ「え……ま、ます、たー……?」
バットマン「……こっちへ来てくれ」
マシュ「マスター、生きてたんですね……! ここは何処なんですか? いえ、それより……」
バットマン「マシュ、頼む。来てくれ」
マシュ「……わ、わかりました……」
845 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:21:11.31 ID:sdblcI+t0
ザアザア……ザアザア……
バットマン「……」
マシュ「……ここは……屋根の上?」
バットマン「……ここからなら、どこまで行ったかがよく見える」
マシュ「え……」
バットマン「……」
???「……でも、こんなに怖がるなんて思わないじゃないか」
???2「それはそうだけど、でもしょうがないじゃないの」
???3「くちゅん!」
???2「大変……あなた、ブルースが風邪をひいてしまうわ。早くタクシーでも捕まえましょう」
846 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:21:50.70 ID:sdblcI+t0
バットマン「32年前。とある家族が、雨の日にオペラを鑑賞しに行った。
まだ幼かった子供は、舞台に出て来た巨大なコウモリ、そして仮面の男を恐れ、両親に帰りたいと伝えた」
父親「そうだな、そこの裏路地を通って……」
バットマン「……両親は子供を気遣い、舞台の途中で抜け出して帰る事を決めた。
酷い雨だった。子供の体調を思い、彼らは近道を選んだ」
強盗「止まれ……財布を寄越せ」チャキッ
子供「お、お父さん……」
バットマン「……クライム・アレイ。犯罪通りを通り抜けようとしていた彼らは……」
父親「くっ、この……」ガシッ
強盗「抵抗するんじゃねえ! この……!」カチッ
パン、パン
847 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:23:56.18 ID:sdblcI+t0
父親「……ぐっ、逃げろマーサ、ブルース……」
マシュ「たっ、助けに! 行かないと!」
バットマン「……駄目だ、マシュ。これは……止めては、駄目なんだ」
母親「あ、あなた! いや! そんな!」
強盗「うるせえ! 騒ぐんじゃねえ!」カチッ、パン‼
母親「あ……」
マシュ「なんでですか!? なんで助けては……」
バットマン「……」
848 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:24:26.65 ID:sdblcI+t0
父親「……」
母親「……」
子供「おとう、さん……おかあさん……」
マシュ「……ぁ……」
バットマン「……これは、私が私になるための……必要な、時間だ」
ザアザア……ザアザア……
849 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:25:04.07 ID:sdblcI+t0
???「……ふん、つまらん。肉親の死を見せても助けにすら行かんか」
バットマン「……ソロモン。やはりお前の仕業だったのか」
ソロモン「そうだ。貴様に命のもろさをもう一度教え……あわよくば、貴様という存在を消そうとしていたのだ」
マシュ「……あなたが……!」
バットマン「よせ、マシュ……では、今回の特異点はこれで終わりだな」
ソロモン「……怪物め。お前は怪物だ、ブルース・ウェイン」
850 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:25:40.81 ID:sdblcI+t0
バットマン「……」
ソロモン「……だが、覚えておけ。怪物は、自分以上の怪物には勝てん。お前はいつか敗れ去る」
バットマン「……」
ソロモン「……さらばだ。次に会うその時こそ、貴様の答えを聞こう」シュゥゥゥゥン……
バットマン「……」
851 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:26:17.34 ID:sdblcI+t0
ピピー‼ピピー‼
ドクター『……マシュ、随分長い間通信が途切れていたが……大丈夫かい?』
マシュ「……はい、ドクター。マスターを発見しました」
ドクター『本当かい!? 良かった、それじゃ……これよりレイシフトを終了、帰還させる! ブルースくんの手を掴んでいてくれ!』
マシュ「……はい。マスター」スッ
バットマン「……ああ」パシ
ギュォォォォォォォォォォッ
852 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:26:57.24 ID:sdblcI+t0
………………
バットマン「……」ムクッ
ドクター「……! ブルース、くん……よかった、ブルースくん」
所長「ブルース! ああ、本物よね? 良かった、ブルース……ブルース?」
バットマン「……すまない。迷惑をかけた……」スタスタ
レオナルド「ちょっとブルース、皆心配してたんだ。いくらなんでもそれは……」
マシュ「ダヴィンチちゃん……」
レオナルド「……どうしたんだ?」
マシュ「……」フルフル
レオナルド「……?」
853 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:27:36.75 ID:sdblcI+t0
バットマン「……」スタスタ
バットマン「……」ピタッ
バットマン「…………っ……」ググググ……
(((おとう、さん……おかあさん……)))
バットマン(……私は、怪物だ……)グググ……
854 :
◆GmHi5G5d.E
[saga sage]:2018/01/25(木) 01:29:10.59 ID:sdblcI+t0
今日の更新はここまでです。
次のスレ立てとかしておいた方が良いんですかね……?
855 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 01:33:52.22 ID:Zj/AsbQLo
乙
いい文章を書くね
まだ150もあるし早いと思うけどキリのいい所から始めたいならアリだと思う
856 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/25(木) 08:45:40.67 ID:HJjiZt4lO
乙
このクオリティでこの更新速度とか怪物やん
857 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 09:44:12.20 ID:wHhXKPWDO
怪物だから怪物の内面も見事に書けるのか…
858 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 10:06:29.50 ID:GEfwUv/Uo
ヨイショし過ぎ
859 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 10:30:23.30 ID:sdblcI+t0
そうだぞ
860 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/25(木) 10:32:55.67 ID:VT7W7Yfdo
個人の感覚によるからなんとも言えんが
俺はそれくらいおもろいと思ってるからしゃーない
こんなにカッコいいバットマンSSはあんま見ないから期待してるのよ
861 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 10:42:41.22 ID:GEfwUv/Uo
アーカムナイト版バットマンの見た目と吹き替えをイメージして読んでるよ
日本の吹き替えもよかったけど元のケヴィン・コンロイのバットマンボイスは最高だよね
862 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 12:26:10.56 ID:JXn6vhp2O
>>860
それを此処に書く理由ないからずっと胸の内に閉まっててくれ
863 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 12:59:53.43 ID:9fRoPowqO
正直どっちでも良いからSSに関係無い事で盛り上がんないでくれ
864 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 13:25:17.03 ID:MSBtlq/AO
誉めて怒られるってのはあんまりない感覚だ
無駄に荒れても困るから良いんだが
865 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 13:29:21.76 ID:zhqOfiiFo
スカットラーとか出ないかな
あのマシンは本当にカッコよかった
866 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 13:39:09.38 ID:9fRoPowqO
レゴバットマン良かったよな・・あのジョーカーのメンヘラぶり好き
867 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/01/25(木) 17:42:39.54 ID:M7t47Hin0
バットマン「……これは、私が私になるための……必要な、時間だ」
マシュ「……違う! あなたはどう生きてもあなたになる!」
マシュ「あなたが過去に打ちのめされ! 動けぬのであれば!」
マシュ「わたしは! わたしの盾を! あなたを打ちのめす過去に!」
ブルース「マ、シュ……私、は……」
マシュ「叩きつけてやる!」
868 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/01/25(木) 17:43:09.31 ID:M7t47Hin0
強盗「うわあああああ!」ドンッ
マシュ「はやく! ここは私に任せて逃げてください!」
トーマス「だがこんな場所できみ一人で!」
マシュ「大丈夫です! それより警察を呼んでください!」
トーマス「……すまないがここは任せる! マーサ、ブルース!」
869 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/01/25(木) 17:44:01.15 ID:M7t47Hin0
ブルース「(あの日は、暗い雨の夜だった)」
ブルース「(あの夜、両親と、私を助けてくれた彼女の姿は、既に朧気なものとなっていた)」
ブルース「(だが、あの時、芽生えた憧憬は)」
ブルース「(私を常に突き動かした)」
ブルース「(両親は、放蕩息子の道楽としか言い様のない活動に気付いてはいたが、黙認してくれた)」
ブルース「(唐突に現れ、唐突に姿を消した彼女に、恩人に)」
ブルース「(何らかの形で報いたかったのだろうと、私は考えている)」
ブルース「……さて」
ブルース「デッドショットの次の計画は……」カタカタ
870 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/26(金) 01:15:52.41 ID:T0oR+bsM0
アメコミ読んでるマーリン想像した
871 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/26(金) 01:58:42.70 ID:N5jYKcwR0
………………
マシュ「…………」カチャカチャ……
レオナルド「……やあ、おはようマシュ」
マシュ「あ……ダヴィンチちゃん。おはようございます」
レオナルド「隣、いいかな?」
マシュ「はい。どうぞ」
レオナルド「ありがとう」
872 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/26(金) 01:59:45.41 ID:N5jYKcwR0
マシュ「……」モグモグ
レオナルド「……あれから、ブルースと話、したかい?」
マシュ「……」ピタッ
レオナルド「……まあ、そんな事だろうとは思ったけどさ」
マシュ「……おかしい、ですよね。会いたくて、話をしたくてたまらなかったのに……いざ会ってみると、こんな……」
873 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/26(金) 02:00:20.62 ID:N5jYKcwR0
レオナルド「あのレイシフト先で何があったのさ? 短時間すぎて、こちらでは何の情報も……」
マシュ「……それは……」
レオナルド「……言えない?」
マシュ「……ごめんなさい」
レオナルド「別に、謝る事じゃない。……でもその反応から察するに、何かは確実にあったんだろうね」
マシュ「……」
874 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/26(金) 02:00:50.39 ID:N5jYKcwR0
マシュ「……ときどき、思うんです」
レオナルド「何を?」
マシュ「人間である事をやめられたら、どれだけ楽なんだろうって」
レオナルド「……それは、キミ。どちらにしても辛いものさ」
マシュ「……そう、なんでしょうか」
レオナルド「ああ、保証するよ」
875 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/26(金) 02:01:28.49 ID:N5jYKcwR0
………………
ブルース「……」ペラ、ペラ……カタカタ
コンピュータ『マシュ・キリエライト サーヴァント
英霊の真名:未判明 弱点:未判明
長物相手の戦いだと苦戦しがちな傾向有り
精神面の弱さが目立つ それも留意』
ブルース「……」
(((お前は怪物だ)))
ブルース「……」カタカタ
コンピュータ『オルガマリー・アニムスフィア 人間
人理継続保障機関カルデアス 所長
魔法の使用が可能 格闘の才能は無し
パニックを起こしやすい 留意』
コンピュータ『レオナルド・ダ・ヴィンチ サーヴァント
発明家 頭が非常にキレる 天才型
魔法の使用が可能 格闘の才能は不明
実質カルデアの柱 負担大 留意』
876 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/26(金) 02:02:22.79 ID:N5jYKcwR0
ブルース「……」
コンピュータ『ロマニ・アーキマン 素性不明
ドクター 腕は確か 優柔不断
魔法の使用・格闘の才能:不明
カルデアの陰の柱 負担大 留意』
ブルース「……」カタカタ
コンピュータ『ロマニ・アーキマンについては不明な点が多い。今後も気を抜くべき相手ではn』
ガチャリ
所長「……こんなところに居たの、ブルース」
ブルース「……オルガマリー所長か」ピッピッ、シュゥゥゥゥン……
877 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/26(金) 02:03:08.40 ID:N5jYKcwR0
所長「何をしてたの?」
ブルース「……本を読んでいた」
所長「そう。図書室だものね」
ブルース「……ああ」
所長「……」グッ……
ブルース「……」
所長「うそ、つかないでちょうだい」キッ
ブルース「……」
878 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/26(金) 02:03:35.52 ID:N5jYKcwR0
所長「……また、死ぬ気?」
ブルース「違う」
所長「何が違うの? 全部秘密にしてるのに、なんで違うなんて言えるの?」
ブルース「……それは……」
所長「……」
ブルース「……すまない」
所長「……そう。また、何も言わないのね」
ブルース「……」
879 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/26(金) 02:04:05.21 ID:N5jYKcwR0
所長「……でも、もう、他人じゃないでしょ。私と……私達と、アンタって」
ブルース「……」
所長「いきなり、居なくなったら……辛いのよ。こっちだって」
ブルース「……」
所長「……だから……」
ブルース「……悪かった」
所長「……」
880 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/26(金) 02:04:41.85 ID:N5jYKcwR0
所長「……そう言って、何も反省してないくせに。私だって分かってる」
ブルース「……」
所長「だから、私……アンタが帰って来たら、これだけは伝えようと思ってた。
アンタのやり方、大っ嫌い。本当に大嫌い。心の底から、嫌いよ」スタスタ、ガチャッ
ブルース「……」
ブルース「……」パタン
ブルース「…………」スクッ
881 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/26(金) 02:05:38.14 ID:N5jYKcwR0
………………
ブルース「……」スタスタ
レオナルド「やあブルース! スーツをまた直しておく……どうしたんだ、眉間の谷間が凄まじいぜ?」
ブルース「……いや、何でもない」スタスタ
レオナルド「おいおい、それが何でもない奴の顔かよ……おーい、ちょっと? 聞いてるー?」
ブルース「……」スタスタ
レオナルド「……まったく、なんだってどいつもこいつも! いくら天才の私だって堪忍袋の緒が切れるぜ!」プリプリ
レオナルド「…………まったく、なんだって……」シュン
レオナルド「……は〜……」ガクッ
882 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/26(金) 02:06:11.45 ID:N5jYKcwR0
………………
ブルース「……ふっ!!」ゴズッ、ズズズズズズズズ……
ブルース「ふーっ、ふーっ……!」ズズズズズズズズ……
(((逃げろマーサ、ブルース……)))
(((お前は怪物だ)))
(((アンタのやり方、大っ嫌い)))
ブルース(私は、死ぬ言い訳が欲しかっただけなのか? 誰かを守ろうと思っていた事などあるのか?)
ブルース「……ふーっ……ふーっ……!」ズズズズズズズズ……
重り「「「」」」ズズズズズズズズ……
883 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/26(金) 02:06:55.76 ID:N5jYKcwR0
ドクター「……精が出るね、ブルースくん」
ブルース「……ドクターか」ズズズズズズズズ……
ドクター「それ、何キロの重り?」
ブルース「……450キロだ……!」ズズズズズズズズ……
ドクター「……それ、絶対サーヴァント用のトレーニング器具だよね。全く、無茶しすぎだよ」
ブルース「……」ズズ……ピタッ
ドクター「休憩するかい?」
ブルース「……ああ」
ドクター「ん」
884 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/26(金) 02:07:35.17 ID:N5jYKcwR0
ブルース「……」
ドクター「……」
ブルース「……」
ドクター「……水、いるかい?」
ブルース「……ありがとう」
ドクター「どうぞ」スッ
ブルース「……」パシ
885 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/26(金) 02:08:01.45 ID:N5jYKcwR0
ブルース「……」
ドクター「……大変みたいだね」
ブルース「……」
ドクター「カウンセリング、必要かい?」
ブルース「……何故、私なんだ」
ドクター「そりゃ、……男友達だし。何か話せる事とかあるんじゃないか?」
ブルース「……」
886 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/26(金) 02:08:28.07 ID:N5jYKcwR0
ブルース「……私のやり方は、ここでは受け入れられないのかと思ってな」
ドクター「……そうだね。いきなり消えられたら、ちょっとびっくりしたかな」
ブルース「……私にとっては、最適解だった」
ドクター「うん、分かってる。でも……でも、頼ってくれれば、何とかできたかもしれない」
ブルース「……」
887 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/26(金) 02:08:56.68 ID:N5jYKcwR0
ブルース「……できたかもしれない、というのは、理想だ。理想で世界は救えない」
ドクター「分かってる。でも、理想が無きゃ戦えないだろ?」
ブルース「……そうかも、しれない。だが私には理解できない」
ドクター「……ブルース、キミは人間なんだ。人間として人理を救わなくちゃ……そうでなくちゃ、何のためのカルデアなんだい?」
ブルース「……」
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