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バットマン「グランド……オーダー?」
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75 :
◆GmHi5G5d.E
[saga sage]:2017/11/25(土) 00:23:56.21 ID:UG/IDuW70
>>73
すまん、正直初スレでどうしたらいいやら分かってない。なんか助言あったら頼む
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 00:26:06.46 ID:r4HIKOhU0
やりたいようにやったらええ
SSさえ面白けりゃ文句はない
77 :
◆GmHi5G5d.E
[saga sage]:2017/11/25(土) 00:27:11.81 ID:UG/IDuW70
>>76
そうなんか……サンクス。それでも一応気を付けるわ、どっちもありがとう
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 00:27:28.06 ID:m0lB8SiXO
>>75
少なくとも黙々と投下だけしてりゃ叩かれはしない
後は答えた方がいい質問だけ答えてりゃブルースのように見かけはスマートになれる
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 00:28:02.34 ID:cwvvG6Y+o
(あ、こりゃ真性ですわ)
80 :
◆GmHi5G5d.E
[saga sage]:2017/11/25(土) 00:29:22.66 ID:UG/IDuW70
>>78
おっけ、黙って投下な。取り敢えず当面の目標はブルースで頑張るわ……とかやってたら全レスになっちゃうからこの話ここまでで。ありがとう
81 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 00:34:32.95 ID:UG/IDuW70
レオナルド「それで、どうやってオルガマリーをこちらに転送させたのかな?」
ブルース「……」
レオナルド「彼女が死んだのは彼女自身でよーく分かっていた。それを覆すとなると……」
ブルース「……」
レオナルド「……キミ、使ったね? レイシフト先で入手したあの聖杯を」
ブルース「ああ、そうだ」
レオナルド「おおう、即答か。躊躇いとか無かったのかな?」
ブルース「……何に対する躊躇いだ?」
レオナルド「例えば、それは……命を軽々しく復活させる事へのためらいだよ、ブルースくん」
ブルース「…………」
82 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 00:40:43.98 ID:UG/IDuW70
レオナルド「常人ならば躊躇う。その決断は、願望器を手渡されて僅か数秒で下せるものじゃない」
レオナルド「常人ならば狼狽える。その重責は、一人の精神で抱え込めるものじゃない」
レオナルド「常人ならば放棄する。あの場にはマシュも居た。彼女に押し付ける事も出来ただろう」
レオナルド「……この全てをクリアして、素早く聖杯に願いをかける? いやいや、少し信じがたい」
ブルース「ならどうした。信じがたい事が起こらないとでも?」
レオナルド「……いや、そうは言ってないが……」ジッ
83 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 00:44:21.36 ID:UG/IDuW70
ブルース「……」
レオナルド「……キミは……」
ブルース「……」
レオナルド「……キミは、狂っているのかい?」
ブルース「……」
レオナルド「……これには即答してもらえないんだね、ブルースくん」
ブルース「……」
レオナルド「いや、良い。別に答えが欲しかったわけじゃないんだ。
ともかく、寝起きに不躾な質疑応答を強いて悪かった、ブルースくん。こっちに来たまえ、食堂にご飯が出来てるよ」
ブルース「…………」
84 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 00:49:45.67 ID:UG/IDuW70
ブルース「……」スタスタ
レオナルド「いやあ、それにしても今日も照明の調子がいい! 私の発明した発電機が上手く稼働しているようで何よりだ!」スタスタ
マシュ「あ、マスター。それにダ・ヴィンチさん、おはようございます」
レオナルド「おはようマシュ、よく眠れたかな?」
マシュ「ええ、今から朝ご飯ですか? 私もご一緒しても?」
レオナルド「構わないとも、いいよねブルースくん?」
ブルース「……ああ」スタスタ
マシュ「…………」チラッ
ブルース「…………?」クル
マシュ「!」スタスタスタスタスタスタ
レオナルド「お、おーいマシュくん。ちょっと……一緒に食べるならもうちょっとゆっくり歩いてほしいんだけど」スタスタ
85 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 00:54:00.47 ID:UG/IDuW70
ドクター「あ、ブルースくん。マシュ、それにダ・ヴィンチちゃんも。おはよう、ここ空いてるよ」
マシュ「おはようございます、ドクター。失礼しますね」
レオナルド「おはようロマニ、今日もくせ毛がすごいぞぅ〜??」チョンチョン
ドクター「やめてくれ、触らないでくれ。これは僕のチャームポイントなんだ」
レオナルド「どうだか……おっと」ガシッ
ブルース「……放してもらえるか」ググググ
レオナルド「なーに一人だけ向こうの席に行こうとしてるのかな? 皆で一緒に食べなきゃ駄目だぜ?」ググググ
86 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 00:57:07.53 ID:UG/IDuW70
ブルース「……」
レオナルド「イェーイ、粘り勝ち」
ドクター「あ、あははは。そういえばブルース、体調に変化はないかな? 変な夢を見たり、頭がふらついたりは?」
ブルース「……」
『逃げろマーサ、ブルース……』
ブルース「いや、無い。健康だ」
マシュ「…………」
87 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 01:03:49.83 ID:UG/IDuW70
ドクター「そうか、それは何よりだ! なにしろ急なデミ・サーヴァントとの契約だったわけだし、キミは三日間眠りっぱなしだったんだ!体調に未知の変化をきたす可能性も否定できないからね!」
ブルース「ああ。これからも重々気を付ける」
ドクター「うん、そうしてくれ。……それじゃ、マシュはどうかな?」
マシュ「えっ、わたし……いえ、私も平気です。いつも通り」
ドクター「ふむ、良かった。レイシフト要員は全員準備万端だね」
職員A「ドクター、カルデアの残エネルギー量の事で少し話が……」コソコソ
ドクター「……ごめんよ、ご飯の時に。三人で食べててくれ、少し離れる」スクッ
レオナルド「いや、エネルギーの話なら私も行こう。役に立てるよ」ガタッ
ドクター「そうかな、ごめんよ……じゃあマシュ、ブルースは朝ご飯を食べ終わったら自由に過ごしてね」
ブルース「…………」
マシュ「…………」
88 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 01:08:30.34 ID:UG/IDuW70
ブルース「……」カチャカチャ
マシュ「……」モグモグ
ブルース(……マシュ・キリエライト。盾のサーヴァント。技術的に今は稚拙だが、成長すれば恐ろしい使い手になる……)
ブルース(……敵に回った時、どう戦う? 弱点は何だ?)ジッ
マシュ「……???」
マシュ(な、何かすごく視線を感じます……)
マシュ「……あっ、そうだ、マスター」
所長「ちょっと失礼するわよ、ここ空いてるわよね?」ガタガタガタッ
ブルース「……」
マシュ「あ、オルガマリー所長。おはようございます」
89 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 01:13:55.40 ID:UG/IDuW70
所長「……」
マシュ(え、無言で距離を取られました……何故でしょうか)
所長「……ごほん。ええ、おはようマシュ」
マシュ「??? は、はい……」
ブルース「…………」
ブルース(オルガマリー・アニムスフィア。情報不足。戦えないわけでは無さそうだが……)
ブルース(……調査を続け、弱点を探っておくべきか)ジッ
所長「……その、ブルース。そんなに見られると食べにくいんだけど」
ブルース「悪かった」カチャカチャ
所長「いえ、別に悪くは……良いんだけど……」
90 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 01:16:41.34 ID:UG/IDuW70
ブルース「……身体に異常は無いか、所長」
所長「何よそれ。アンタまでロマニみたいな事訊いてくるのね……平気よ、おかげさまで」
ブルース「……そうか」
所長「…………」
ブルース「…………」
マシュ「…………」
マシュ(……誰も自分から喋り出さない!!!!)ドーン
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 01:24:20.32 ID:s1xYt3N10
おもしろい。期待してる。
92 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 01:27:48.81 ID:UG/IDuW70
ブルース「…………」
所長「…………」
マシュ「あ、あのですねマスター!?」(裏声)
ブルース「なんだ」カチャカチャ
マシュ「今日、この後、お暇でしたら……訓練に付き合っていただけませんか!?」
ブルース「……」ピタッ
ブルース(何が狙いだ? 本当にただの訓練か? 訓練に乗じて伝えたい事でもあるのか? それとも……)ザワリ
マシュ(なんで訓練のお付き合いをお願いしただけで殺気立つんですか!?)ビクビク
ブルース「……」
マシュ「……えっ、えっと……」
所長「良いじゃない、訓練。付き合ってやったら?」モグモグ
ブルース「人間では力不足だ」
マシュ「! い、いえ! マスターの動きは、その、何と言うか……人間離れしてるので! とても参考になります!」
ブルース「……」
93 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 01:36:09.19 ID:UG/IDuW70
マシュ「……駄目、でしょうか」
ブルース「……分かった。手加減はできないが」
マシュ「はっ、はい! よろしくお願いします!」パァァァァァ
所長「あぁ、二人とも。カルデアのエネルギー残量に不安があるから、しばらく戦闘シミュレーターは稼働停止よ」
マシュ「わ、分かりました! つまり、ブルースさんと直接組手……になるんですかね?」
ブルース「……」
所長「……頼むから、死人を出さないように気を付けてね。責任を負いかねるわ」
94 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 01:39:19.22 ID:UG/IDuW70
……………………
ブルース「…………」ガチャガチャ、ガチャリ
ブルース「……」ガチャッ、ガチ
マスク「」
ブルース「……」スッ
バットマン「……」
マシュ「……よろしくお願いします、マスター!」バッ
マシュ(あの猫のコスプレしないと戦えないのかな……)
95 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 01:44:54.29 ID:UG/IDuW70
バットマン「構えろ。まずは構えから見る」
マシュ「は、はい!」ガシャリ
バットマン「……」
バットマン(盾に力が入り過ぎだ。これでは振り回される)
バットマン「良いか、…………、…………」
――――
マシュ「こ、こうですか!」ガシャッ
バットマン「……かなり良くなった」
バットマン(実際、飲み込みがかなり早い。あと数か月もあれば教える事がなくなる)
マシュ(構えだけでこんなに苦労するなんて……やっぱり、まだまだ私は弱いんだ……)
バットマン「……次はこの『バットラング』を投げる。徐々に枚数を多くする。全て防いでみせろ」
マシュ「は、はいっ!」ガシャッ
バットマン「……行くぞ……」ググッ……シュパッ‼
96 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 02:13:39.59 ID:UG/IDuW70
………………
マシュ「ハァーッ……ハァーッ……」ドサリ
バットマン「……」
バットマン(投擲したバットラングの8割を防いだ。見込み以上だ。恐ろしいほどの学習能力)
バットマン(遠からず、驚異的な戦士になることは明白……やはり、弱点は調べておくべきか)
バットマン「立て、マシュ。まだ終わっていない。次は組手だ」
マシュ「くっ……わ、分かりました……!」ヨロヨロ
バットマン「盾を使って戦うのなら、その重さを利用しない手はない。ただし振り回されるのは違う。良いか……」
――――
バットマン「シィッ!!」シュガガッ
マシュ「くっ……」ドドッ
バットマン「……!」ゴォッ
マシュ「え? きゃっ……」ドサッ
バットマン「遅い。盾が地面に付いていた。力任せに戦うな……もう一度だ」
マシュ「……はい!」スクッ
――――
バットマン「盾だけに頼るな。盾を奪われても、まだ武器は残っている」
マシュ「はい!」ハアハア
バットマン「もう一度だ」
――――
バットマン「動きに無駄が多い。敵はそれを見逃さない、もっと限られた時間の中に身体をねじ込め」
マシュ「はいっ!」ハア、ハア
バットマン「もう一度だ」
――――
バットマン「敵の考えを読め。今の手に掛かるのは思考が安易すぎる証拠だ、もっと敵を恐れろ」
マシュ「は、いっ……!」ゼイゼイ
バットマン「もう一度だ」
――――
バットマン「足元を見ろ。敵の動きはそれで大方の予測が……」
マシュ「…………はぃ……」ゼーヒュー、ゼーヒュー
バットマン「……そろそろ休みを入れよう」
97 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 02:21:30.70 ID:UG/IDuW70
バットマン(……熱くなり過ぎた。まるでロビンを相棒にしていた時のような……)
バットマン(……ロビン……)
バットマン(……ロビンも、あの炎に巻き込まれたのだろうか。ゴッサムシティの他の悪党と同じように、燃やされてしまったのだろうか)
バットマン(……何故、私だけが助かった)
マシュ「あの、ブルースさん」ハア、ハア
バットマン「どうした」
マシュ「いえ、あの……あれだけ動いても、息が全く乱れていないので……そのスーツに秘密があったりするんですか?」
バットマン「……このスーツに身体能力の促進効果はない。ただ、着ていると落ち着くだけだ」
マシュ「は、はあ……」
マシュ(猫耳のコスプレで落ち着く人……少し普通ではないのかもしれません)
バットマン「……」
マシュ「……あの」
バットマン「何だ」
マシュ「ブルースさんって……一体、何者なんですか?」
バットマン「……」
98 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 02:28:28.01 ID:UG/IDuW70
バットマン「……知りたいのか」
『おとう、さん……おかあさん……』
マシュ「……っ……はい」
バットマン「…………私は……」
『あー、あー! 緊急呼び出しだ、マシュくん、ブルースくん! 至急管制室に来てくれたまえ! 繰り返す、マシュくん、ブルースくん! 至急管制室へ!』
バットマン「! 行くぞ、マシュ」スクッ
マシュ「あっ、はい!!」バッ
マシュ(……結局、聞きそびれてしまった。あの夢で泣いてた少年は、誰なのかを……)
99 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 02:38:45.40 ID:UG/IDuW70
レオナルド「早速集まってくれてありがとう、猫のコスプレがイカすね!」
バットマン「…………」
ドクター「冗談言ってる場合じゃないって。ブルースくん、マシュくん、レイシフトだ。過去に設置された聖杯の時代が特定できた」
マシュ「ほ、本当ですか!」
所長「嘘は言わないわよ。次の目的地は中世のフランスよ、そこに聖杯の存在が確認されたわ」
マシュ「ちゅ、中世と言うと……」
バットマン「宗教的にかなり立て込んでいた時期か。あちらでの発言には気を付けた方が良さそうだ」
ドクター「そうだね、その通り。迂闊な発言一つで火あぶり、そんな事が本当に行われてる時代だ」
レオナルド「本当、うっかり変な事は言えないよね。宗教関連で敵を作ると馬鹿を見るよ」
所長「えー、ごほん。二人を呼んだけど、これは今すぐレイシフトしようっていう事じゃないわ」
バットマン「……?」
100 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 02:43:00.03 ID:UG/IDuW70
バットマン「なら何だ、用件は」
所長「話を聞きなさい。実は、カルデアの残エネルギー量がかなり落ち込んでて……レイシフトを維持するのにはかなり電力が必要なの」
バットマン「足りないのか」
所長「そうね、足りないわ。あと一歩というところなんだけど、どうしても足りない。そこで、レイシフトする人数を減らして……」
ドクター「……ブルースくんとマシュ、どちらかはこっちに残ってもらおうっていう案が出たんだ」
バットマン「不可能だ」
マシュ「無理です!」
レオナルド「だよねー。ほら言ったじゃん、私言ったじゃん」
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 02:47:18.90 ID:18WfjhOx0
誰も言わないが今の所長の状態はどうなってるんだ?ゾンビ?
102 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 02:48:29.94 ID:UG/IDuW70
バットマン「……電力量が足りないんだな?」
レオナルド「うん、こっちとしても資材さえあれば発電機も作るんだけどその資材がね……」
バットマン「ならウェインテックから少し運んで来る。あそこには小型リアクターもあったはずだ」
ドクター「ちょ、ちょっとブルースくん……世界的な大企業相手に盗みを働く宣言なんて、キミも肝が据わってるなぁ」
バットマン「……自分の企業だ。盗みにはならない」
ドクター「ははは、ジョークがきつ……え?」
バットマン「私がウェインテックの社長だ。資材なら補給できる」
マシュ「……え?」
ドクター「……え?」
所長「……え?」
レオナルド「あはは、皆して口開けちゃって。見ろよブルース、あの絵面ちょっと面白くないか?
……ところで、ウェインテックって何?」
バットマン「…………」
103 :
◆GmHi5G5d.E
[saga sage]:2017/11/25(土) 02:49:32.98 ID:UG/IDuW70
>>101
一応完全体での復活を果たしたという事にしておいてくれさい
104 :
◆GmHi5G5d.E
[saga sage]:2017/11/25(土) 03:01:29.72 ID:UG/IDuW70
ドクター「……うぇうぇうぇウェインテックの社長って言ったら、あのプレイボーイで億万長者の……」
所長「ああああああの、世界の企業が束になっても敵わない財力の……」
マシュ「どどどどどもりすぎデスヨ皆さん、素数を数えて落ち着いて……1,2,3,4,5,6……」
バットマン「……」
――――
バットマン「……落ち着いたか」
ドクター「うん、ようやく落ち着いた。コップの水を5杯くらい飲み干しちゃったけど」
レオナルド「水もタダじゃないんだぞ〜、気を付けたまえ」
ドクター「分かってる、分かってるけどこんな事って……」
所長「……」(復旧作業中)
バットマン「…………名前で気付かなかったのか」
ドクター「いや、社長の名前なんていちいち覚えてないし……あっ、ごめんよ! 傷付ける意図はないんだ!」
マシュ「でも、そうですね……何処かで聞いた事がある名前だな、とは思ってたのに……」
所長「……」(復旧作業中)
バットマン「そんな事はどうでもいい。問題は、ウェインテックに資材を取りに行くとして……バットウィングの飛行可能距離だ」
レオナルド「ほうほう、バットウィング……」
105 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 03:09:11.62 ID:UG/IDuW70
バットマン「積載可能重量はおよそ5トン。おそらく一度の往復で十分な資材は入手できる」
バットマン「……だが、問題は燃料、そして機体のメンテナンスだ。ゴッサムシティからここまでの飛行はかなり無理をおしてきた」
バットマン「優秀なメカニックがここに居るなら……」
レオナルド「………………」キラキラキラキラキラキラキラキラ
バットマン「…………」
レオナルド「………………」キラキラキラキラキラキラキラキラ
バットマン「……………………レオナルd」
レオナルド「はいはーいはーーーーい!!! もっちろん、そんな面白そうな改造はダ・ヴィンチちゃんにお任せに決まってる!
いやあキミは賢い選択をしたよブルース!! やっぱり天才の輝きってのは表に出てしまうものなんだね!!」
バットマン「…………」
106 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 03:15:44.79 ID:UG/IDuW70
バットマン「改造しろとは言ってn……」
レオナルド「で、そのバットウィング? は何処にあるんだい!? 早速修理に行かなきゃね!」ワクワクワクワク
バットマン「……カルデアのすぐ近く、出口から40メートルの地点に自動着陸したらしい。いいか、改造するなら先にエンジンを抜いてから……」
レオナルド「出口から40メートルだね、了解! じゃあちょっと行ってくるよ、晩御飯までには戻ると思うから!!」
バットマン「……」
ドクター「……い、いやぁ、うん。彼女、魔改造の腕は超一流だから」
マシュ「……心中お察しします、マスター」
所長「……はっ!?(復旧完了)
ぶ、ブルースが億万長者になった夢を見てたわ、ごめんなさい……」
バットマン「………………」
107 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 03:27:00.10 ID:UG/IDuW70
バットマン「この時間に不足電力量の話を詳しく聴いておきたい。ドクター、所長。構わないか」
ドクター「ああ、勿論だ。座って話そう、詳しくなると長いしね」
所長「ええ、話しておくわ。レイシフト一回につきどれほどの電力が消費されるかも話しておかないと駄目ですし」
マシュ「あ、じゃあ私はお茶を!」タッタッ
所長「……わ、わたしは要らないから二人の分だけ……」ビクビク
マシュ「……?? わ、分かりました……?」
――1時間後――
ドクター「……だから、どうしてもここで余剰電力が必要になって来る」
所長「本来なら必要ないかもしれないけど、この電力が無ければ保険が利かなくなるの。つまり、少しでも存在証明を失敗すると、貴方達が戻って来れなくなってしまう」
バットマン「成程、つまりここでバッファをもたせて……」
ドクター「そうだ、余裕は大事だからね。命と電力は秤にかけられないし」
バットマン「分かった」
タッタッタッ
バターン‼
レオナルド「改造が完成したよ、見てくれ! 最高にイカすデザインに仕上がったぜ!」キラキラキラキラキラキラキラキラ
バットマン「…………早いな」
ドクター(マスク越しでも分かるくらい露骨に嫌そうな顔になった……気の毒になぁ)ヤレヤレ
108 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 03:37:54.23 ID:UG/IDuW70
レオナルド「見ろよ、この黄金の羽を! そしてこの動力が完全に電力に代替されたクリーンなエンジン部分を!」
レオナルド「出力が落ちる? ノンノン、そんな懸念は天才にとっては全くナンセンスだね! 見たまえ、この機動力! むしろ前のエンジンより良くなってるぜ! わずかな光で即充電も可能!」
レオナルド「宙を翔ける金色の機体、名付けるならそう、『黄金バッt』
バットマン「バットウィングだ」
レオナルド「えぇ〜? でも『黄金バッt』
マシュ「ばっ、バットウィングにしておきましょう! ダ・ヴィンチさんのその名前は何か不味い気がします!」
レオナルド「うーん、天才のセンスは凡人には理解しがたいという事かな……残念だが仕方ない、バットウィングにしておこう」
バットマン「では早速行ってくる。ここからなら東南アジア支部が近い」
マシュ「わ、私も行って良いですか?」
バットマン「……いや、残ってここを守っていろ。何かが無いとも限らない」
マシュ「っ……わかりました、では……気を付けて下さい、マスター」
バットマン「ああ」
バットウィング「」ウィーン
ガタガタッ
ドサッ
バットマン(成程、コックピットも改良してある)
コンピューター『お帰りなさいませ』
バットマン「手動操縦」
コンピューター『了解、手動操縦』
109 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 03:45:57.65 ID:UG/IDuW70
ゴォォォォォォォォ……キィィィィィィィィン……
バットマン(垂直離陸、そこからの発進もスムーズ……メカニックとしての腕は確かだな)
レオナルド『やっほーブルース! 快適な旅を送れているかな?』
バットマン「……何をしている」ポチッポチッ
レオナルド『バットウィングの電脳基盤部分を少しいじってカルデアとの無線を繋げておいたよ! いやいや感謝はしなくても良いのさ、天才からのサービスだと思ってくれ!』
バットマン「そうか」カチャカチャ、グイッ
レオナルド『……本当につれないなぁキミは! 今回、キミが一人旅だから少しでも不安を和らげようとしてるんだぜ?』
バットマン「……面白そうな装置があるからいじってしまえ、と」ポチポチ……カチャッ
レオナルド『ギクッ』
バットマン「……別に構わないが、操縦の邪魔はやめてくれ」
レオナルド『も、勿論だとも! その辺は弁えてるさ!』
バットマン「……怪しいものだ」ハァ
…………
110 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 03:50:41.52 ID:UG/IDuW70
…………
バットマン(……どこもかしこも変わらない。火の海が地上を飲み込んでいる……)
バットマン(果たしてウェインテックにどれほど使える資材があるか……)
レオナルド『おっ、そろそろ目的地の周辺かな? 降下の準備はOK?』
バットマン「いける。……いや、待て……」
レオナルド『どうしたんだい、ブルース』
バットマン「地上に人が居る。降下する」
レオナルド『えぇっ!? ちょちょ、ちょっと待ちなよ、こっちからは確認できない……』
バットマン「自動操縦」
コンピューター『了解、自動操縦モード。お気を付けて』ウィーン
バットマン「……フッ!」バッ、バサササササササ
111 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/25(土) 04:00:56.80 ID:UG/IDuW70
真っ赤な景色の中心に、黒い騎士は降り立った。着地の風が周囲の炎を薙ぐ。
うずくまった姿勢から立ち上がり、騎士は前方、燃え盛る風景の中の背中を見る。
(見られている)
その人物がこちらを向いていないにも関わらず、バットマンには確信があった。見られている。今、ではない。昨日今日、という話でもない。
ただ、人類が生まれた時から見られていた……奇妙な、悪寒にも似た錯覚が彼を包んでいた。
「何者だ」
バットマンの声を聞き、その人物は身体を震わせた。笑ったようにも、驚いて震えたようにも見えた。
そして、真っ白な髪を揺らしながら、その人物は振り向いた。真っ赤な目が、何も映していない目が、バットマンを見た。
勝てない。戦意を持つ前から、バットマンは察した。警戒など無意味だと。『アレ』は……人間から遠く離れた場所にいる。
「何者だ」
だが、彼は問うた。炎の中、『それ』は笑みで頬を引き裂き、口を開いた。
「我が名はソロモン」
パチリ。炎が爆ぜた。
112 :
◆GmHi5G5d.E
[saga sage]:2017/11/25(土) 04:02:15.02 ID:UG/IDuW70
今日はここまでです、寝ますね()
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 08:36:10.22 ID:Fmbru/h+0
面白いぞ
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 10:11:52.31 ID:nEpG7DYi0
(アニメのジャスティスリーグでもあったけど)
ウェインが大金持ちの正体ばらすエピ話好き
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 10:48:27.38 ID:FpWeRG5j0
昨日ジャスティスリーグ(映画)見てきたけど、
戦い慣れてるようでワンパンダウンしたバットマンに草生えた
116 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 13:18:46.05 ID:UG/IDuW70
バットマン「……ソロモンだと? 古代イスラエルの、あのソロモンか」ジリッ
ソロモン「ククク、見苦しいぞブルース。警戒など無意味だ、分かっているだろう……ああ、そのソロモンだとも。魔術王、ソロモンだ」
バットマン「……その魔術王が何故ここに居る」
ソロモン「無論、貴様と話をするために、だ」
バットマン「私と……話?」
ソロモン「クク……そうだ、話だ。この惨劇についての説明と……貴様が何故生き残ったか、その説明をしてやろうというのだ」
バットマン「……!!」
117 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 13:26:53.95 ID:UG/IDuW70
バットマン「お前がこの事態を引き起こした犯人か!」
ソロモン「つまらん言い方をするな、興が覚めるぞ。犯人ではない。創造主だ」
バットマン「何が創造主だ、世界を破壊しつくすのが創造だとでも!?」
ソロモン「ハハハハハハ! 創造の前に破壊有り、当然だ! 人間などという愚かな出来損ないの生き物は破壊されて当然だ!」
バットマン「出来損ないだと……!?」
ソロモン「出来損ないだ! ……その事実は貴様自身、よく分かっているハズだ」
バットマン「…………」
ソロモン「なあ、そうだろう? 貴様の両親が死んだのも、人間という存在のせいじゃないか」
バットマン「……っ!」
ソロモン「限りある命! 苦しみ抜いて果てる狂気! 人生は美しい、限りがあるからこそ……などと美辞麗句で飾り付けてはいるが。貴様の両親は薄汚い路地裏で、コソ泥に殺されたじゃないか」
バットマン「黙れ……!」
ソロモン「美しい死にざま? 違うな、ただ弾丸に腹を貫かれて死んだだけだ! 命乞いして財布を渡していれば良かったのに、無駄死にだ!」
バットマン「黙れ!!」
ソロモン「これはすべて貴様の心の内にある真実だ!」
バットマン「違う!!」
ソロモン「何が違うものか!!」
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 13:27:18.30 ID:8qZYt9m5o
ボブ・ケインはバットマンを産み出す時にダ・ヴィンチの飛行翼も参考にしたと聞いたけど実際どうなんだろうな
119 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 13:34:39.84 ID:UG/IDuW70
バットマン「……」ヨロッ
ソロモン「ブルース。世界は狂っている……貴様は狂っていない。分かるだろう? 貴様と私はよく似ている」
バットマン「似ている……だと?」
ソロモン「死は恐ろしい。死は苦しい。死は認めたくない。私達は、死を恐れている」
バットマン「!!」
ソロモン「だからこそだ。ゴッサムシティで腐った犯罪者を相手に、それでも殺人を犯そうとしない貴様を見て……私を理解できる、と直感した。
だからこそ、貴様は生かされた。人理焼却の際、貴様だけを生かすように……苦労したのだ」
バットマン「…………」
ソロモン「こちらへ来い、ブルース。共に新たな人類を作り出そう。無限の命を生み出そうではないか。二度と貴様の両親の二の舞は起こらない」
バットマン「……私は……」
ソロモン「…………」
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 13:37:06.26 ID:8qZYt9m5o
ソロモン・グランディかと
121 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 13:43:27.80 ID:UG/IDuW70
バットマン「…………私は」
ソロモン「……」
バットマン「……私は……」
バットマン(……)ピッピッ
ソロモン「…………」
バットマン「……お断りだ!」
バットウィング『武装展開、標的直下』バババババババババ
ソロモン「……それが貴様の答えか」ズドドドドドドド
バットマン(ガトリング砲が通用していない……!?)
ソロモン「ククク、良いだろう。今回は見逃してやる……だが、そういつまでも私の問いから逃げられるとは思わない事だ」ニヤリ
ソロモン「また会おう、ブルース・ウェイン」ブゥン
バットマン「……」
122 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 13:49:38.12 ID:UG/IDuW70
バットウィング「」ウィーン
バットマン「……」バッ
ドサッ
コンピューター『お帰りなさいませ』
レオナルド『無事だったのかい、ブルース!? どうしたのさ、飛び降りたと思ったら急に武装を展開させて……一体何があったんだい!?』
バットマン「……何もない。敵と遭遇、交戦していた」
レオナルド『そ、そうか……まあ無事なら良かったんだ。さっき言ってた人影は?』
バットマン「……目の錯覚だった。このままウェインテックへ直行する」ポチッポチッ、グイッ
バットウィング「」キィィィィィィィィン
123 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 14:00:20.06 ID:UG/IDuW70
…………
マシュ「ま、マスターが敵と交戦!? そ、それで無事だったんですか!?」
レオナルド「ああ、無事じゃないなら無線連絡はできないからね。全く、いつも冷静沈着で何を考えているのやら」
所長「……」バシッ
レオナルド「あっ、ちょっと、その無線機は壊れやすいんだからもっと丁重に……」
所長「ブルース! アンタ何やってんのよこの馬鹿! 敵と交戦するなら生身は最悪の条件でしょう!!」グワッ
ドクター「うわわわ……」キーン
マシュ「ひえっ……」キーン
レオナルド「うおう、ワイルド……」キーン
バットマン『……生身ではない。バットウィングを使った』
所長「そんな屁理屈が通ると思ってるの!? 貴方はカルデア最後のレイシフト要員なの、人類最後の希望なのよ!? もっと自分を重く扱いなさい!」
バットマン『……』
所長「……スーッ、ハーッ……。こちらの予測も甘かったわ。次からはマシュを連れて行かせます。絶対に。いいわね?」
バットマン『……了解した』ブツッ
所長「フン、分かってないだろうけど次からは連れて行かせるわ」
ドクター「ひょえぇ……所長ってあんなに顔を真っ赤にして怒鳴るのか……」
マシュ「ちょ、ちょっと怖すぎましたね……あんなに怒るなんて」
レオナルド「無線機のマイク、壊れてないかなぁこれ……」カチャカチャ
124 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 14:10:28.67 ID:UG/IDuW70
…………
バットマン(人類最後の希望……人類を救う最後の手段)
バットマン(……だが、ソロモンの言葉も否定できない。命が無限になれば、悲劇は二度と起こらない……)
バットマン(……トーマス、マーサ……)
バットマン(その選択を迫られた時、私に決断が下せるのだろうか)
バットマン(何が間違っていて、何が正解なのか……)
バットマン(見分ける事が、できるのか?)
コンピューター『到着しました。ホバリングに切り替えます』
バットマン「…………」ガチャッ
バットマン「……」バッ、バサササササササ
125 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 14:21:57.97 ID:UG/IDuW70
…………
マシュ「……遅いですね、マスター」
レオナルド「うーん、時間的にはそろそろ帰って来てもいいくらいの時間なんだけどね」
ドクター「ひょっとしたら、怒られて帰りにくくなってたり……」アハハ
所長「……」ピクッガチャン
マシュ「お、オルガマリー所長!? ふ、服がコーヒーまみれに……」
所長「……そうなのかしら。私のせい? そうかも……怒鳴っちゃったし……」ブツブツ
ドクター「い、いやだなぁ冗談ですよ冗談……」
所長「……」ブツブツブツブツ
ドクター(うわーわわー、なんか押しちゃ駄目なスイッチ押したかもしれないぞぅ……ブルースくん、早く帰って来てくれ〜!!)
職員B「! 周辺レーダーに感あり! これは……バットウィングです、ネコミ……ブルースさんだ!」
マシュ「む、迎えに行きます!」ダッ
所長「わっ、私も!!」ダダッ
126 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 14:30:11.49 ID:UG/IDuW70
バットウィング「」ゴォォォォォォォォ……
バットマン「……」ガチャッ、スタッ
バットマン(大型リアクター1つ、小型リアクター3つ、資材はまんべんなく大量に……これで当分は保つはずだ)
マシュ「お帰りなさい、マスター!」タッタッタッ
バットマン「マシュ。このコンテナを運ぶ必要がある、手伝いを頼みたい」
マシュ「りょ、了解です!(本当に5トン一杯持って帰って来てる……)」
所長「……お、おかえり」
バットマン「……ああ。勝手な行動を取ってすまない」
所長「あ、そ、そう……いや、反省してるなら良いわ! ……わ、わたしもちょっと、言い過ぎたから……」ボソボソ
バットマン「手を借りたい。所員を集めてくれ、このコンテナを運ぶのにはもう少し人数が必要だ」
所長「あ、え? に、人数? すぐに集めて来るわ!」タッタッ
マシュ「うぅぅぅぅぅぅぅぅ……お、重いいぃぃ……!!」ジリジリジリ
バットマン(一人で押せている……サーヴァントというのはつくづく……)
バットマン(……しかし、手伝うか……)ガシッ
127 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 14:42:16.71 ID:UG/IDuW70
職員達「「「せーのっ!」」」グッ‼‼
コンテナ「」ズリズリズリ
職員A「もう一回!」
職員達「「「せーのっ!」」」グググッ‼‼
コンテナ「」ズリズリズリ
マシュ「うぅぅぅぅぅぅ……!!」ググググググググ
コンテナ「」ズズズズズズズズ
ドクター「力仕事は苦手なんだけどなあ!! 重いし手は痛いし!!」クッ
コンテナ「」シーン
ドクター「ちょっとは動いてよ!」ガーン
バットマン「……」グググッ
コンテナ「」ズズ……ズズ……
所長「うぅん……! くぅっ……う、動きなさいよ!」ダンダン
コンテナ「」シーン
レオナルド「ここで我が発明品、『引き寄せクレーンくん』の出番だ! これをこうして……」ポチポチ
コンテナ「」ズズズズズズズズッ‼
レオナルド「うわっあぶなっ!!」
コンテナ「」ゴォン!
レオナルド「あははは、勢いが良すぎたな。改良の余地ありだね」
バットマン「……運搬完了だ」
128 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 14:51:00.62 ID:UG/IDuW70
…………
職員B「……後は、ここをこうして……」ガチャガチャ、カチリ
リアクター「」グゥゥゥゥゥゥゥゥン……
職員B「やった、やりました!! カルデア内の貯蓄エネルギー量が跳ね上がりました、これならレイシフト可能です!」
ドクター「やった! これでようやく解決に乗り出せるぞぅ!」
レオナルド「まあ元はと言えば私の発明のお陰みたいなところもあるし、感謝はいつでも受け付けているよ!」
バットマン「で、レイシフトはいつだ。今すぐに行くのか」
所長「いいえ、マスターである貴方に多少の疲労が認められる以上、明日に持ち越しよ。カルデアとしても今回が初の能動的特異点サポートになるから、職員ともミーティングをし直しておきたいし」
ドクター「うん、そうなるね。ブルース、マシュ、キミはもう休んでいてくれ。レイシフトの日程はまた追って連絡する」
マシュ「は、はいっ!」
バットマン「……分かった」
129 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 14:55:57.15 ID:UG/IDuW70
バットマン「……」スタスタ
レオナルド「あっ、ちょっと待ったブルース。そのスーツ、ちょっと私に預けてみないかい?」
バットマン「……これを? 何故?」
レオナルド「ほら、前回のレイシフトでボロボロになってるじゃないか。補修ついでに改良とかもしてあげるけど、どうだい?」
バットマン「カラーリングを決して変えないと誓えるなら頼もう」
レオナルド「うっ……か、変えないよ、勿論さ! 天才であるダ・ヴィンチちゃんが、デザインはそのままに素晴らしい機能をつけてあげよう!」
バットマン「……」スッ
ブルース「なら頼む。ただし、あまり妙な機能はつけないでくれ」
レオナルド「もちろん! 出来上がったらキミのところへ持って行くから、是非審査してくれたまえ!」
ブルース(……ルーシャスと一緒に居たころを思い出す)
ブルース「……」フッ
130 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 15:04:47.81 ID:UG/IDuW70
…………
ブルース「……300……301……302……303……」グッ……グッ……
ブルース(モンスターとの戦い。シャドウサーヴァントとの戦い。アルトリアとの戦い)
ブルース(全て、及第点未満の戦いぶりだ。鍛え直すしかない。連中は全員、ウブーより……ベインより強い)
ブルース「……400……401……」グッ……グッ……
ブルース(マシュだけには頼れない。次のレイシフト先で裏切られないとも限らない)
ブルース「……554……555……」グッ……グッ……
………………
ブルース「……中世フランスにおいては、様々な王朝が現れ……」ペラリ、ペラリ
ブルース「……宗教対立が国外との戦争を引き起こす事も……」ペラリ、ペラリ
ブルース「……」チラッ
『03:12』
ブルース(もうこんな時間か……)
ブルース(そろそろ休むとしよう。根を詰めすぎて体調を崩しては元も子もない)
131 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 15:17:13.63 ID:UG/IDuW70
ピピピピ‼ ピピピピ‼
ブルース「……」ムクリ
ブルース「……」チラッ
『07:00』
ピーンポーンパーンポーン
レオナルド『おはようカルデア、お目覚めかな? 朝から館内放送で爽やかな目覚めを邪魔してすまないが、職員、レイシフト要員はみんな管制室に集まってもらいたい。朝食を取りながらミーティングを行うよ』
ブルース「……」スクッ
ブルース「……」スタスタ
…………
マシュ「あ、マスター。おはようございます」スタスタ
ブルース「ああ、おはよう」スタスタ
マシュ「……」
ブルース「……?」チラッ
マシュ「あ、ご、ごめんなさい。なんでもないんです」
ブルース「……怖いのか、マシュ」
マシュ「っ!」ビクッ
ブルース「安心しろ。お前の腕は確かだ。それに一人じゃない」
マシュ「え、えぇ……ありがとう、ございます」
ブルース「……」
132 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 15:20:57.05 ID:UG/IDuW70
ウィーン
レオナルド「おはよう諸君! 今日も寡黙な顔立ちで何より!」
ブルース「……」
マシュ「おはようございます、ダ・ヴィンチさん」
ドクター「おはよう、ブルースくん、マシュ。今日も体調に異常はないかな?」
ブルース「ああ。万全だ」
マシュ「はいっ、いつでもレイシフトできます!」
スタスタ
所長「集まってもらってありがとう。これから第一回レイシフト前、最後のミーティングを開こうと思います。全員居るわね? ……よし」
133 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 15:29:23.18 ID:UG/IDuW70
マシュ「……」モグモグ
ドクター「……」パクパク
レオナルド「あっそうだブルース、スーツは完成したから持って行ってくれ」モグモグ
ブルース「そうか、ありがとう」
所長「そこ! 無駄話をしない!」
レオナルド「ごめんなさい!」
ブルース「すまない」
所長「まったく……それで、この令呪システムだけど。今回運び込まれた三つの小型リアクター分を消費すれば、最大で三つは使えるわ。だから、ブルース」
ブルース「……?」
所長「聞いてなかったの!? だ・か・ら!! サーヴァントの宝具を即解放させたい時、傷を癒してやりたい時! その令呪が使えるって言ったの!!」
ブルース「……令呪?」
所長「…………」プルプルプルプル
職員A(あー……)
職員B(ネコミミさん……)
職員C(やっちまったよ……)
ドクター「……」(素早く机の下に隠れる)
マシュ「……」(頭を抱えて対ショック体勢を取る)
レオナルド「……」(耳栓を耳に詰める)
所長「ミーティングは!! 何のために!! あると思ってんの!!!」ドッガァァァァァァァアン
134 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 15:41:40.03 ID:UG/IDuW70
所長「ハァーッ……ハァーッ……いい、使う時は……『令呪を以て命ずる』……こうよ……ハァーッ……ハァーッ……」ゼイゼイ
ブルース「……分かった」
所長「……ふぅ。マスターの身体強化ができる使い方もあるけど、基本はサーヴァントに使う事。分かってるわね? 生身は……」
ブルース「分かってる、生身での戦闘はできるだけ避ける」
所長「……なら良いわ。次はサポート班!」
職員達「「「はい!」」」
レオナルド「ま、令呪なんて奥の手もいいとこだからね。あんまり使う機会は無いだろうけど、念のためさ」
ブルース「……」
マシュ「多分、このミーティングの後、右手の甲に刻印を投影されます。それが令呪の目安になるので、参考にはなるかと」
ブルース「……分かった」
所長「……以上が、今回のレイシフトにおける概要となります! 何か質問がある者は!?」
シーン……
所長「……よし、それじゃあレイシフト要員の準備に移るわよ。目標時刻は09:00! それまでに準備を整え、コフィンにスタンバイする事!」
ブルース「分かった」
マシュ「分かりました!」
135 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 15:46:19.54 ID:UG/IDuW70
レオナルド「見たまえブルース、スーツは完璧に直しておいた!」
ブルース「……」スッ
レオナルド「防御力も多少上げた。特にブレーサーは多少の衝撃じゃあ壊れないよ、シャドウサーヴァントの一撃くらいじゃとてもじゃないが無理だね」
ブルース「……礼を言う、レオナルド。完璧だ」
レオナルド「! 良いのさ、また帰って来た時に補修と改善をさせてくれればね!」
ブルース「ああ……また頼む」フッ
136 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 15:47:30.35 ID:UG/IDuW70
ブルース「……」ガチャガチャ、ガチャリ。ガチッ
ブルース「……」ガチ、ガチャ。カチャッ、シュッ
マスク「」
ブルース「……」スッ
バットマン「……」
137 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 15:53:38.01 ID:UG/IDuW70
ドクター「時刻は08:57。ブルース・ウェイン、マシュ・キリエライトの両名ともにコフィンにスタンバイ完了」
職員A「存在証明式を走らせ始めました! 両名の肉体を観測開始!」
職員B「電子機器類に異常無し! 稼働式、全て正常に作動!」
職員C「シバによる時代特定、良好! いつでもレイシフトできます!」
ドクター「所長、あとは貴女の決断だけです」
所長「……レイシフトへのカウントダウンを開始しなさい!」
職員達「「「了解、カウントダウン開始!」」」
ドクター「さーて、ここからだぞ……」ガチガチ
レオナルド「ほら、肩の力を抜いて……キミが一番緊張してどうするのさ」カタカタカタカタ、カタカタ。タンッ
138 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 15:58:04.15 ID:UG/IDuW70
コフィン内「」シーン……
バットマン「……」
ドクター『レイシフト10秒前! 9! 8! 7! 6! ……』
バットマン「……」
ドクター『3! 2! 1!』
バットマン「……」グッ
『0!』
139 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2017/11/25(土) 15:58:45.46 ID:UG/IDuW70
第一章
邪竜百年戦争 オルレアン
140 :
◆GmHi5G5d.E
[saga sage]:2017/11/25(土) 16:00:19.41 ID:UG/IDuW70
今日はこれで終わりです……お付き合い有難うございました。
コメント返してないけど全部見てるし有難いです、あとバッメンはJLでも脆い人間だから良いんだ間違いない。俺は詳しいんだ
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 16:03:49.56 ID:18WfjhOx0
ものすごく長くなりそうだな。
荒らしが沸いたりスランプになったり大変そうだけど、最後までがんばって。
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 16:31:02.62 ID:vyGAza2gO
乙
>>141
俺が気に入らないから荒らしって思考はとっとと直した方がいいぞ
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 17:15:31.98 ID:18WfjhOx0
>>142
あ、とか連射したり、わざとageる輩の事言ってるんだけど?
具体例出さないと理解できなかったか、ごめんな?
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 17:23:59.31 ID:vyGAza2gO
どうやら彼には我々には見えない物が見えているようだ
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 19:35:13.77 ID:qmaUacO5O
お?うんこ合戦か?
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 20:18:38.00 ID:txfiPC3+O
水差し合戦やめーや
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 20:57:53.53 ID:18WfjhOx0
>>144
うん。見えるわけないじゃんだってお前目が節穴だろ。
俺が気に入らないから荒らしって何をどう解釈してそんな茶々いれてくるんだ?
正義感ぶって変ないちゃもんつけるなよ。
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/25(土) 21:29:34.12 ID:uaEc4/1kO
半年ROMれ
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/26(日) 00:36:39.06 ID:a1rVQp8Qo
乙
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/26(日) 01:32:09.75 ID:NmnnRVoSo
スーパーマンかグリーンランタンを召喚出来れば勝ち確
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/26(日) 01:43:25.37 ID:Gx9CYht1o
フェイト呼ぼうぜ
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/26(日) 02:38:44.24 ID:67SIq/oy0
PS3のバットマンのゲームしかやったことないけど
面白いから頑張って欲しい
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/26(日) 03:00:16.49 ID:FYJewJ9m0
乙 これからの楽しみが増えた
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/26(日) 08:32:22.97 ID:ln08NOGS0
エミヤアサシンと相性良さそう。
あ、銃嫌いだからダメかな。
155 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 08:56:57.76 ID:HrKXx+5N0
サワサワ……チュン、チュンチュン……サワサワ……
バットマン「…………」ムクリ
マシュ「ここは……レイシフトが完了したのでしょうか」ムクリ
バットマン「そのようだ。身体に異常はないか」
マシュ「は、はい! 私は大丈夫です!」
バットマン「ドクター、念のためバイタルサインのチェックを頼む」
ドクター『今やってる……うん、異常なしだ。二人とも無事にレイシフトできたようだね。年代特定も進んでる、少しそこで待機してくれ』
バットマン「了解した」
マシュ「……あ……ま、マスター……」
バットマン「どうした」
マシュ「上を……空を見て下さい!」
バットマン「……? ……!!」
156 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 09:07:19.10 ID:HrKXx+5N0
マシュ「ドクター、ドクター!! 上空に謎の光帯が……!」
ドクター『……なんだアレは……巨大な光の輪……? いや、大きすぎるぞアレ! 下手をすれば北米大陸くらいはある!』
バットマン「アレは……」
ドクター『いや、ともかく、アレの解析はこちらに任せてくれ。キミたちは現地の調査に専念してくれ』
バットマン「了解。まずやるべき事は……」
マシュ「霊脈の探索、この時代の人間との接触、周囲の探索……山ほどあります。一つずつこなしましょう」
バットマン「ああ。……いや、警戒しろマシュ」
マシュ「……?」
バットマン「向こうの丘の中腹、何かが動いている。あれは……」
マシュ「兵士……ですね。どうしますか? 接触しますか?」
バットマン「……慎重に行こう」
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/26(日) 09:08:06.49 ID:fFr4elZF0
舞ってた
158 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 09:14:24.58 ID:HrKXx+5N0
兵士A「くそ、魔女の連中め……滅茶苦茶にやりやがって……」
兵士B「ぐっ……もう無理だ、あんな化け物に勝てるわけがねえよ……ぐっ」ドサッ
兵士C「おい、しっかりしろ、おい! もう少しで砦だ、治療を受けられる!」ガシッ
マシュ「ヘイ、エクスキューズミー。こんにちは。わたしたちは旅の者ですが――」
兵士D「……」
マシュ「? あの、すみません……?」
バットマン「すまないが、話を……」
兵士D「ヒッ……敵襲! 敵襲ーーーー!!」
バットマン「……」
兵士A「化け物め、こんなところまで追ってきやがって!」
兵士C「やっちまえ!」
兵士達「「「おう!!」」」
ドクター『ヤッホー、手が空いたから様子を見に……って、なんでまわりを武装集団に取り囲まれてるんだい!?』
マシュ「き、気を落とさないで下さい!」
バットマン「……落ち着かせるために、少しだけショックを与える。殺しは無しだ」スッ
マシュ「りょ、了解です!」ガシャッ
159 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 09:19:07.52 ID:HrKXx+5N0
バットマン「……」ガシッドゴキィ
兵士A「ウッ」ドサッ
バットマン「……」ガッベキィ
兵士D「グエッ……」ドシャア
マシュ「フッ!」ドッ
兵士C「ギャアッ!?」ドドッ
マシュ「やあっ!」ヒュンッ
兵士E「いぎゃ!?」ドムッ
兵士B「も、もう駄目だぁ!! にげろぉぉぉ!!」
兵士達「「「うわああああああああ!!!」」」ダダダダ
バットマン「……少しだけやり過ぎた」
マシュ「お、追いましょう! 次は刺激しないように!」
160 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 09:23:35.51 ID:HrKXx+5N0
マシュ「兵士達が逃げて行く先には……あれは砦でしょうか? ぼろぼろですが……」
ドクター『キミたちが大立ち回りしている間に年代特定が済んだよ! そっちは1431年のフランスだ、休戦中の!』
マシュ「休戦中? ですが、あの砦はどう見ても大戦真っ只中の……」
バットマン「……恐らく、それが特異点の原因だ。今、この国は何かと戦っている。負傷兵を抱えて砦に逃げ帰るなど、休戦中の振る舞いではない」
マシュ「えぇっ!? という事は、この特異点は国同士の戦争に巻き込まれると……?」
バットマン「決めつけるには時期尚早だ。話を聞きに行くぞ」スタスタ
マシュ「あっ、待って下さい! せめてマスクは脱いで……」タッタッ
161 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 09:28:32.12 ID:HrKXx+5N0
バットマン「……」スッ
ブルース「少し話を聞きたい、ムシュー。構わないか」スタスタ
兵士A「ひっ!? あ、アンタは……さっきの化け物か! よ、寄るな!」
マシュ「お、落ち着いて下さい! 危害を加えるつもりはありません!」
兵士A「敵じゃ……ないのか……?」ドサッ
ドクター『……随分簡単に信用するね。理性を取り戻したのか、あるいは……戦う気力もないほど萎え切っているのか』
マシュ「この砦の有様……シャルル七世は休戦条約を結ばなかったのですか?」
兵士B「シャルル王? 知らんのか、アンタ」
兵士B「王なら死んだよ。魔女の炎に焼かれた」
162 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 09:36:38.15 ID:HrKXx+5N0
…………
???「ジル。彼を連れて来て頂戴」
ジル「はい、畏まりました」
???「手は出してないでしょうね、ジル?」
ジル「もちろんですとも。ですが、どうするかはお考えですかな?」
???「……フン、決まってるわ。考えるまでもない些末事です」
――――
???A「……な、なんだ!? 此処は、どこで、お前達は一体……!? 答えろ、答えないか! そこの……ヒィッ!?」ガタガタ
???「ああ、ピエール! ピエール・コーション司教! お会いしとうございました! 貴方の顔を忘れた日は、このジャンヌ・ダルク一日とてございません!」
ピエール「バカな。バカな、バカな、バカな、バカな……!」
ピエール「お、お、お、お前は……ジャンヌ・ダルク!? 有り得ない! 有り得るハズがない!」
ピエール「三日前に死んだハズだ! 殺したハズだ! じ……」
ジャンヌ・ダルク?「地獄に堕ちたハズだ、と?」
163 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 09:41:11.44 ID:HrKXx+5N0
ジャンヌ・ダルク?「かもしれませんね、司教」
ピエール「これは、夢だ。悪夢だ。悪夢以外の何だというのだ……!」
ジル「おやおや、現実から逃避し始めましたぞ。これはいけない。気付けをしなくては」ゴッ
ピエール「ぎゃあああああ!? ひっ、ひっ、ひぃっ……!」
ジャンヌ・ダルク?「さあ、どうします司教? 十字架を握り、天に祈りを捧げなくて良いのですか? 私を罵り、嘲り、踏み付け、蹂躙したくてよいのですか!? 勇敢な獅子のように吼えなくても良いのですか!?」
ピエール「た……」
ジャンヌ・ダルク?「た?」
ピエール「たす、けて。助けてください」ボロボロ
ピエール「何でもします。助けてください、お願いします……!」
164 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 09:48:12.86 ID:HrKXx+5N0
ジャンヌ・ダルク?「あ――アハハハハハ!! ねえ、聞いたジル!? 助けて下さい、助けて下さいですって!!」
ジャンヌ・ダルク?「私を縛り、私を嗤い、私を焼いたこの司教様が!」
ジャンヌ・ダルク?「私は虫のように殺されるのだと、慈愛に満ちた眼差しで語った司教様が、命乞いをしてるなんて!」
ジャンヌ・ダルク?「ああ……悲しみで泣いてしまいそう。だって、それでは何も救われない」
ジャンヌ・ダルク?「そんな紙のような信仰では天の主には届かない。そんな羽のような信念では大地には芽吹かない」
ジャンヌ・ダルク?「神に縋ることすら忘れ、魔女へ貶めた私に命乞いするなど、信徒の風上にも置けません」
ジャンヌ・ダルク?「わかりますか、司教? 貴方は今、自分のことを異端者だと証言してしまったのです」
ジャンヌ・ダルク?「……ほら、思い出して司教。異端をどういう刑に処すか、貴方は知っているでしょう?」ニヤリ
ピエール「……!? 嫌……嫌だ、嫌だ、嫌だ!! 助け……たすけ、てっ……!」
ジャンヌ・ダルク?「残念。救いは品切れです。この時代にはまだ……」
???「まあ待てよ、魔女サマ……」
165 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 09:53:37.18 ID:HrKXx+5N0
ジャンヌ・ダルク?「……チッ。また貴方の面倒な性格が出てるみたいね」
???「面倒かどうかじゃねえ、問題はフェアかどうかだ……コイツは命乞いをしてる。生きたいと言ってる。なら、チャンスをやらねえとな……」
ジャンヌ・ダルク?「……フン、良いわ。せいぜいそのケチなコインでその屑の命運を決めてあげれば?」
ピエール「あ……ああ、ありがとう、ありがとう!! 感謝するよ、お前は恩人だ……」ガシッ
???「おっとぉ、まだ生存と決まったワケじゃねえぞ。見ろ……このコインを」スッ
ピエール「……?」
???「ニブい野郎だな? 焼け焦げてる方……こっちが死で、この綺麗な女神サマが見えてる方が生だ。いいか、これからコイントスしてやる……」
ピエール「……そ、そんな! 待ってくれ! 死にたくない!」
???「オイ、俺はチャンスをやってんだぜ? このコインでテメエの命を五分五分まで持って行ってやってるのに……そんなに嫌なら、魔女サマに譲るが?」
ジャンヌ・ダルク?「……」ニヤリ
ピエール「ひっ……わ、分かった! こ、コインだ、コインにする!!」
???「あぁ、賢明だぜ司教サマ……」
166 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 09:59:27.81 ID:HrKXx+5N0
???「ではジャッジだ! テメエの罪はここで決まる!! 生存か、死刑か! 陪審員の皆さんはどうぞ静粛に! 公平な……裁きの時間だ」
ピエール「…………すまなかった、ゆるしてくれ、私がわるかった……」ガタガタガタガタ
???「…………」キィン
???「……」パシッ
ピエール「…………ど、どうなんだ!?」ガタガタガタガタ
???「……ああ、おめでとう司教サマ」ニヤリ
ピエール「ほ、本当か!? た、たすかっ」
ドォン
???「ここで人生とはお別れだ」カチャリ
ピエール「」ドサッ
ジャンヌ・ダルク?「終わったかしら?」
???「ああ、満足だ」
ジャンヌ・ダルク?「なんでこんな厄介なものが召喚されてしまったのかしら……次の戦場からは貴方も出てもらうわよ、トゥーフェイス」
トゥーフェイス「……ああ、勿論だ」
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/26(日) 10:09:49.32 ID:tGYcAE48O
バッツのヴィランがたくさん出るのかな?
それとも、DC系が沢山かな。
続きが楽しみです
168 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 10:11:43.42 ID:HrKXx+5N0
…………
バットマン「だが、1431年には既にジャンヌ・ダルクは焼かれ、死んでいたハズだ」
兵士A「ああ、だけど生き返ったんだ! 悪魔と取引して!」
マシュ「悪魔……?」
バットマン「それを見たのか?」
兵士B「……俺はオルレアン包囲戦と式典に参加した。だからよく覚えてる」
兵士B「髪や肌の色は異なるが、アレは紛れもなくかつての聖女様だ」
兵士B「イングランドに捕らえられ、火刑に処されたと聞いて俺達は憤りに震えたものさ……ゲホッ、ゲホ」
兵士A「おい、もう喋るな……」
マシュ「……先程言っていた、悪魔とは一体」
ドクター『……待った! 何かが近付いてる、超高速で……この反応は……!!』
バットマン(羽ばたきの音が聞こえる。有翼だ)
ドクター『ワイバーンだ! 群れだぞ……!』
マシュ「行きましょう、マスター!」
バットマン「目視した。対処を始める」ダッ
ワイバーン達「「「ゴギャアアアアアアアア!!!」」」
169 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 10:22:20.84 ID:HrKXx+5N0
ワイバーンA「ガアアアアアアッ!!」
兵士C「くそ、やれ、やれぇ!! 突っ込め!!」
バットマン(あれに肉体での攻撃は悪手。まずは地面に引きずりおろす……グラップネルガンを使う)
バットマン「フッ!」バシュッ
ワイバーンB「グゲッ!?」ズドッ
バットマン「オォォォォォ!!!」グググイッ
ワイバーンB「グギャアアアアア!!!」ドッサァァァアン
バットマン「今だ! マシュ!」
マシュ「やああっ!!」ガガッ
ワイバーンB「ぐげ……」シュウシュウシュウ
170 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 10:22:57.13 ID:HrKXx+5N0
兵士A「お前は逃げてろ!! 戦えないだろ!」
兵士B「ちくしょう……ちくしょう……」ズリズリ
ワイバーンC「ゴギャアアアアアアアア!!」バサッ
兵士B「しまっ……」
ワイバーンC「ガアアアアアアッ!!」ブワァァァァァッ
兵士B(ちくしょう、炎が……)
兵士A「ぐっ!!」ガバッ
兵士B「なっ……お前何やってんだ!!」
兵士A「ぐ、ぐわあああああああああ!!」
ワイバーンC「ギャアアアアアアス!!」
バットマン「フッ」バサササササササッ、ドゴォ
ワイバーンC「ギッ……」グラリ
バットマン「まだだ」クルッドドッ
ワイバーンC「……」ドサッ
バットマン「無事か」
兵士A「あ、ああ、恩に着る……」
兵士B「無事じゃねえだろ馬鹿! 何やってんだ!」
171 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 10:31:06.72 ID:HrKXx+5N0
ワイバーン「ゴギャアアアアアアアア!!」
兵士B「ちくしょう、ちくしょうアイツら何体来やがる……無理だ! 勝てっこねえ! アンタらだけでも逃げろ!」
バットマン「……」
???「そこの御方! 武器を取って!」
兵士B「……!?」
???「私と共に! 戦いましょう!」
マシュ「あ、あの方は……?」
ドクター『おおう、サーヴァントだ! しかし反応が弱いな……彼女は一体』
バットマン「何者かは知らんが、やれるのか」
???「もちろんです!」
バットマン「行くぞ」
???「ええ!」
ワイバーン達「「「ギャアアアアアアス!!」」」
172 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 10:36:38.88 ID:HrKXx+5N0
マシュ「はぁっ、はぁっ……やりました、全敵性体を撃破!」
???「ふぅ……怪我はありませんか?」
兵士C「えぇ、有難う御座います。あの、よろしければ名前……!?」
兵士C「そんな、貴女は……いや、お前は! 逃げろ! 魔女が出たぞ!!」ダダダッ
マシュ「え、魔女……?」
バットマン「……」
173 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 10:40:11.21 ID:HrKXx+5N0
バットマン「あの兵士の反応から察するに、お前がジャンヌ・ダルクか」
ジャンヌ「……えぇ。先程は助けて頂き、ありがとうございます」
ジャンヌ「私はサーヴァント。ルーラー、真名をジャンヌ・ダルクと言います」
マシュ「で、ですが貴女は、魔女になったと……」
ジャンヌ「……その話は、後で。彼らの前で話すことでもありません」
兵士達「「「……」」」
ジャンヌ「こちらへ。お願いします」
マシュ「……マスター」
バットマン「行くぞ、貴重な手掛かりだ」
174 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2017/11/26(日) 10:49:14.07 ID:HrKXx+5N0
………………
スタスタ……スタスタ……ザッザッ、ザッザッザッ
バットマン「森の中にもモンスターが居た事を考えると、かなり侵略は進んでいるようだな」
ジャンヌ「えぇ。見た通り、兵士の士気は最低レベルです。長く続く、一方的な苦しい蹂躙……もはや、事は一刻を争います」
バットマン「……」
ジャンヌ「この辺りで、落ち着きましょう」
ドクター『周囲に敵性体反応なし。安全だね』
――――
マシュ「貴女は、正規の英霊ではないのですか?」
ジャンヌ「……そうですね。まずはその事からはっきりさせましょう」
ジャンヌ「私は確かにサーヴァントです。クラスもルーラー、そのことは理解できています」
ジャンヌ「しかし、本来与えられるべき聖杯戦争に関する知識が、大部分存在していません。知識だけではなく、ステータスも……対サーヴァント用の令呪も、真名看破もできません」
バットマン「お前はいつこちらに来た? サーヴァントなら……召喚、というのを通すものなのだろう」
ジャンヌ「私も、つい数時間前にこちらに現界しました。そして、事情を探るうちにはっきりしたのが……どうやら、この世界にはもう一人、ジャンヌ・ダルクがいるという事」
ジャンヌ「あのフランス王シャルル七世を殺し、オルレアンにて大虐殺を行ったというジャンヌが……」
バットマン「……」
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