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バットマン「グランド……オーダー?」
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728 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/23(火) 03:19:41.13 ID:biE0lZxz0
モニター『ハローハロー、見えるかな? ようやく捕まえたぞ、カルデアの皆』
ドクター「……なんだこれは……」
レオナルド「……緑の、巨大な、ハテナマーク……?」
モニター『これが流れるって事は、私はこっちでは死んでしまったのだろう。だがまだだ、まだまだ天才の証明は終わらない!』
所長「……ふざけてるの!? はやく通常の状態に戻して!」
職員B「そ、それが……なにこれ、ハッキング……!?」カタカタカタ、カタカタカタ、カタ
モニター『さあ……』
リドラー『なぞなぞの時間だ』
729 :
◆GmHi5G5d.E
[saga sage]:2018/01/23(火) 03:20:58.33 ID:biE0lZxz0
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました
730 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/23(火) 08:59:16.44 ID:iii508NxO
乙
更新が早くて嬉しい
トンデモ化け物相手は慣れてるとはいえアシスト少ない状況でどうなるのか
731 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/23(火) 10:29:00.72 ID:IGGylC/j0
リドラー……
732 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/23(火) 23:40:34.00 ID:y1/EH3Vlo
モービルやら無しで単身鯖相手か
それでもバッツならなんとか…
733 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 00:52:15.02 ID:U2Rv23+B0
夢以上の宝は無い。分かっていたつもりだった。
だが、私は自分を誤魔化していた。民こそ至高の宝だと言いながら夢を崇め、世界をないがしろにしながらローマの永遠の存続を願った。
矛盾だらけだった。私の隣に立っていた怜悧な男は、何度も私を笑った。
「キミは馬鹿だ、ロムルス」
「だが、私には夢があるのだ」
私の返答はいつも決まっていた。その度に、奴はくたびれたように首を振った。
夢など無駄だ。そう言いながら、奴は私に手を貸した。
……本当は、私も気付いていたのかもしれない。夢など、世界を壊すだけの凶器なのだと。
734 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 00:53:45.65 ID:U2Rv23+B0
頭脳以上の宝は無い。そんな事は分かり切っていた。
ロムルスも、結局のところは馬鹿だったのだ。浪漫などという存在しないものを追い求め、自ら命を絶つような真似をした。
……奴は、本当に馬鹿だ。熱に取りつかれ、夢の行方を見失い、敵に斬られる事を選んだ。
人間は熱無しには生きていられない。僕はその点賢いんだ。最低限の熱量だけで生きていける。いつもそうしてきた。熱など、疎ましいだけ。
……だから、奴の持つ夢は、眩し過ぎた。
「キミは馬鹿だ、ロムルス」
僕はいつも言っていた。言っていないと、いつか自分の世界が壊れてしまう。僕の世界はそうではなかった。いつも雨が降りしきる、闇の世界だったのだから。
「だが、私には夢があるのだ」
奴の返答はいつも決まっていた。その度に、僕はその愚直さから目を逸らした。
……本当は、僕も気付いていたのかもしれない。永遠とは、自分の夢でもあるのだと。
735 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 00:54:15.49 ID:U2Rv23+B0
取り返しがつかない時間の中で、彼は緑のシルクハットをかぶり直した。
「……さらばだ」
誰も聞いていない別れの言葉を呟き、彼はニヒルな笑みを口元に灯す。その身体がノイズで霞んだ。
736 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 00:54:49.14 ID:U2Rv23+B0
………………
職員A「不味いです! 存在証明式が途絶えた事により、二人の『輪郭』がどんどん時流に溶けて行く!」
ドクター「なんだ、これは……! ウィルス!? なんで急に!?」
レオナルド「……駄目だ、カルデアのAIも完全に機能停止している。早く復帰させなければ、ブルースとマシュだけの問題ではなくなる!」
所長「なんとかしなさい! 全ての機器を手動に切り替える事は!?」
ドクター「無茶な! ただでさえ人材不足も甚だしいのに!」
リドラー『チチチ……そんじょそこらのウィルスなんかと一緒にしてもらっちゃ困るなぁ。
僕は元々電脳系のサーヴァントだったんだ。キミ達の使う周波数から、カルデアを探知……そして、こうやってハッキングしてる。簡単な仕事だったよ』
737 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 00:55:21.87 ID:U2Rv23+B0
所長「電脳系の……?」
リドラー『そうとも、僕の得意分野さ。……とまあ、身の上話はここまでにしておこう。本題だ。
なぞなぞ遊びをしようじゃないか。楽しい楽しいお遊びを……な』
ドクター「冗談じゃない、お遊びだって!? こっちは人命がかかってるんだ!」
リドラー『勿論それも計算の内だ。命をかけたお遊びほど、熱中できるものも無いだろう?』
ドクター「……!」
レオナルド「……付き合うしか無さそうだ。そのなぞなぞに答えたら、カルデアは返してもらえるのかな?」
リドラー『当然だ、そこはフェアに行こうじゃないか』
職員A「……コンピューター補助無しでの存在証明式を開始します! ほんの少しの延命にしかなりませんが、やってみます!」
レオナルド「私も手伝おう。かなり大雑把な計算になるが、少しは保つハズだ」
職員A「はい!」
738 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 00:55:50.87 ID:U2Rv23+B0
リドラー『いいかな? では第一問!』
ドクター「こんな事馬鹿げてる……!」
レオナルド「ああ、そうだ。だが常識で挑んでいたら超えられない問題もある。……やるしかない」サラサラサラサラ……カタカタカタ、タン。
職員A「…………」カリカリカリカリカリカリカリカリ……
リドラー『……それは8より多い。でも9には届かない。さあ、どんな動物だ?』
739 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 00:56:26.50 ID:U2Rv23+B0
所長「8……より多い、9には届かない!?」
職員B「ええーと、えーっと……8,5……8,6……」ブツブツ
職員C「……うーん……」
ドクター「……9には届かない……9には……」ブツブツ
リドラー『さあ急げ、制限時間付きだ! チクタクチクタク……あと一分!』
ドクター「馬鹿な、あと一分だって……!?」
職員C「……9……9には届かない……」
740 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 00:56:57.20 ID:U2Rv23+B0
職員C「……ああ、成程。クジャクだ」
ドクター「へ?」
職員C「九弱で、クジャクです」
ドクター「……ああ!!」
リドラー『大正解だ! だがまだまだここからだぞ、次の問題!』
職員A「……不味いです、そろそろレイシフト先の二人の存在に矛盾が……」サラサラサラサラ……
レオナルド「分かってる。存在証明式を取り戻すためにも、手早く終わる事を祈ろう」カタカタカタ、カタン
741 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 00:57:32.96 ID:U2Rv23+B0
………………
ブーディカ「……」
ブーディカ(もう、戻れないよね。分かってる……ここで、どうする事もできずに、傍観者のまま……居るしかない)
???「フォウ」ピョコ
ブーディカ「……アンタ……ここで何してんのさ。……さっさとご主人様達のところへ帰りなよ」
フォウ「フォウ、フォーウ……」スリ
ブーディカ「……」
ブーディカ(……ごめんね、マシュ……ごめんね、ブルース……)
ドッサァァァァァァァン‼
ブーディカ「!?」バッ
フォウ「フォーウ!?」
742 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 00:58:03.24 ID:U2Rv23+B0
スパルタクス「……完全復活! 強大な圧政の下、一度は敗れ去ったが! そんなものは過去の事である!」ドスドス
ブーディカ「スパルタクス……アンタ、生きてたの……」
スパルタクス「何、自分で引き起こした爆発のせいで土の下へ埋まっていただけである! ……キミはそこで何をしている?」
ブーディカ「……別に。行きなよ、アンタ。マッシリアで皆待ってるよ」
スパルタクス「何故来ない? 仲間に何も伝えない沈黙は時に圧政足りうる……」
ブーディカ「……アタシはもう、戻れないから……」
フォウ「……」
743 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 00:58:36.96 ID:U2Rv23+B0
スパルタクス「……ふむ……何かしらの致命的な過ちを犯した後と見る!」
ブーディカ「……そーだよ、そうなの。もう戻れないって……あんだけ自分勝手な事したらさ」
スパルタクス「しかし! 反抗者は時に道を違える事もあろう! だがそれでも、立ち上がるからこそ反抗者なのである!」
ブーディカ「……アタシ、もう反抗者じゃないよ。それに……アンタみたいに、反抗が上手く行けば良かったけど……反抗して、事態悪化させた馬鹿なんだから……」
スパルタクス「……」
744 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 00:59:04.70 ID:U2Rv23+B0
スパルタクス「……初めから全てが分かっている者など居ない」
ブーディカ「……」
スパルタクス「圧政の下、もがき苦しみ、世界を変えようと動くのは素晴らしい事だ。反抗と反撃、そして結果。残酷ながら、世界には常に結果が付いて回る」
ブーディカ「……」
スパルタクス「だがだからこそ! まだ今、その結果は出ていないと見える!」
ブーディカ「……うるさいな……! アンタに何が……!」
スパルタクス「分かるとも、我が同盟者! 反抗者よ、成功する反乱など一握りだ!」
745 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 00:59:34.32 ID:U2Rv23+B0
スパルタクス「だが、勝てる戦いにのみ挑む者を、果たして我々は反抗者と呼べるのか!? いや、人間とも呼べまい!」
スパルタクス「それは機械だ! まごう事無き圧政の業! 我々は違う! 証明してみせよう! 我らは圧政者ではなく、人間なのだと!」
ブーディカ「だって! アタシ……アタシ、世界が大変な時に、自分の欲を……」
スパルタクス「自分のために戦えない者が! 世界など救えるものか!!」
ブーディカ「……!」
746 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:00:17.99 ID:U2Rv23+B0
スパルタクス「立つがいい、女王よ! 世界はまだ終わっていない!」
ブーディカ「……はは。アンタの勢い、本当に羨ましいよ……」
スパルタクス「……行くぞ!」
ブーディカ「……分かった。行こう」カチャリ
747 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:00:56.80 ID:U2Rv23+B0
………………
呂布「■■■■■■■――――!!!」シュウシュウシュウ……
カエサル「ふ、私にかかれば……む?」シュウシュウシュウ……
呂布「……」シュゥゥゥゥゥゥゥ……
カエサル「……何故私まで消え始めて……ああ、そうか。もう『奥の手』を出したのか、奴は……」シュウシュウシュウ……
敵兵A「か、カエサル様!?」
カエサル「うるさい、騒ぐな。……良いか、この後に怪物が来るが、決して立ち向かうな。ここから逃げ出せ」シュウシュウシュウ……
敵兵A「は、はい……?」
カエサル「……全軍撤退。家族の元へと帰るがいい。世界は終わった」シュゥゥゥゥゥゥ……
748 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:01:27.65 ID:U2Rv23+B0
キャット「……なんだ? 敵が……退いて行く……?」
エリザベート「やったんじゃない? ふー、ようやく休めるわ!」
キャット「馬鹿、もう少し空気を感じ取るのダ。先程からやけにピリピリした殺気が伝わってくる……」
エリザベート「そんなワケ……な……い……何よ、この魔力……」
キャット「……アレは……」
749 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:02:06.32 ID:U2Rv23+B0
アルテラ「……」ズバッ
敵兵A「あぎゃ……」ドシャッ
敵兵B「あ……」ゴシャッ
キャット「……撤退する兵の波の向こう。何か来る」
エリザベート「これ……これ、ソイツの魔力なの? 異常すぎて、鳥肌が……」
キャット「……この嫌な魔力。聖杯を取り込んでいるようだワン」
アルテラ「……」スタスタ
キャット「……やれるか、ドラゴン娘」
エリザベート「……死ぬ気なら、数分は足止めできるかもね」
キャット「GOOD。ならばぶちかますとしよう」
750 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:02:36.86 ID:U2Rv23+B0
………………
バットマン「……」ダッダッダッダッ
バットマン(あれから恐らく十分ほど。全力疾走のまま追っているが、追いつけるか……)
バットマン(……!)
バットマン「これは……」
751 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:03:03.34 ID:U2Rv23+B0
敵兵A「う……うぐ……」
敵兵B「……たすけて、たすけてぇ……」
バットマン「……」
バットマン(連合ローマの兵士達か……本当に見境なく襲っているようだな)
バットマン(……やはり放ってはおけない。このままでは、マッシリアも危ない)
ドッゴォォォォォォォォォォォン……
バットマン「!!」
バットマン(あれは……)
752 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:03:29.78 ID:U2Rv23+B0
キャット「ぐぬ……やはり、力及ばずか……」シュウシュウシュウ……
エリザベート「……」シュウシュウシュウ……
アルテラ「……」
アルテラ「……私の、行く手を阻むからだ」クルッ
753 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:03:58.65 ID:U2Rv23+B0
アルテラ「……」スタスタ
アルテラ「……」スタスタ……ピタッ
バットマン「……」
アルテラ「……お前も行く手を阻むのか」チャキリ
754 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:04:24.38 ID:U2Rv23+B0
バットマン(……周囲の地形は観測済み。そして目の前の敵の弱点も把握済み。準備も済んでいる)
バットマン(あとはどれだけ上手く立ち回れるか……)
アルテラ「私は、フンヌの戦士である。そして、大王である。西方世界を滅ぼす、破壊の大王である」
バットマン「……」スッ
バットマン(アルテラ。フン族の王。西欧世界に巨大な帝国を築き上げ、大王を自称し……)
アルテラ「……それでもなお、立ち塞がるか」
バットマン(……ローマ帝政末期のキリスト教信者からは、神の災い、神の鞭と呼ばれた。成程、彼女ほどこの世界を滅ぼすのに適した英霊も居まい)
バットマン「……それが役目なら、そうするまでだ」
755 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:04:53.50 ID:U2Rv23+B0
アルテラ「人間は、機械にはなりえない。貴様は、怪物にはなれん」
バットマン「……試してやる。来い」
アルテラ「……哀れな男だ」ヒュォンッ
ゴガァァァァァァァァァァァァァァァッ‼
バットマン「!!!」ギャギャギャギャギャギャ……バガァァァァァァァッ
バットマン(馬鹿な……ブレーサーが、一発で……!?)
756 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:05:23.54 ID:U2Rv23+B0
アルテラ「次は首だ」ヒュオッ
バットマン「くっ」バッ
バットマン(まだ右腕のブレーサーは残っている……立て直しを、)
アルテラ「……」ドゴッ
バットマン「うっぐぉ……!?」ドドドドドドドドド……
バットマン(この、馬鹿げた、膂力……!)ゴロゴロ……
757 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:05:49.59 ID:U2Rv23+B0
アルテラ「……」スタスタ
バットマン(今だ!)ピッピッ
地面「」ドッゴォォォォォォォォォォォン‼
バットマン「……どうだ」
バットマン(リドラーの地雷の一時停止を解除……少しは効いたか?)
煙「」モクモク……ユラッ
アルテラ「……」スタスタ
バットマン(やはり無理か)
758 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:06:17.92 ID:U2Rv23+B0
バットマン「ふっ!」ヒュッ
アルテラ「……」パシッ
バットマン「……くっ!」グッ、グッ‼
アルテラ「フン」ブォンッ‼
バットマン「うっ……ぐあ!?」ドッサァァァァァァァン
アルテラ「そろそろ決着を付けてやる」カチャリ
バットマン「ごほっ、ごほ……」
759 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:06:47.40 ID:U2Rv23+B0
アルテラ「死ね」ブンッ
バットマン「……!!」プシューッ、ゴロゴロッ
アルテラ「!?」ガッシャァァァァァン‼
バットマン「……どうだ。効いたか」ムクッ
アルテラ「何だ……なにを、噴射した……」ヨロ
バットマン「……さあ、何だろうな」
760 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:07:18.00 ID:U2Rv23+B0
バットマン(アルテラ。453年、急死……死因は……)
(((この酒はこの店で一番上等なものです、よろしければ)))
バットマン(……死因は酒。こればかりは荊軻に礼を言わなければな)カチャリ
アルテラ「……こんな……これは……」ヨロヨロ
バットマン「……そろそろ反撃させてもらうぞ」
761 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:07:53.05 ID:U2Rv23+B0
………………
マシュ「……」ユラユラ
マシュ(……気を、失ってた……? 誰かに、運ばれて……)
荊軻「ああ、目を覚ましたか。おはよう、マシュ」
マシュ「……荊軻、さん」
762 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:08:21.60 ID:U2Rv23+B0
荊軻「はは、友に置いて行かれる辛さは分かっている。動けないなりに、少しでも……追いつきたくてな……」ズル、ズル……
マシュ「……! 荊軻さん、脚が……」
荊軻「……全く、生前と同じじゃないか、これじゃあ。目的を一歩前にして、死にそうとは」シュウシュウシュウ……
マシュ「……」
763 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:08:52.90 ID:U2Rv23+B0
荊軻「……マシュ。最後に、私の魔力を持って行ってくれ」
マシュ「……それは……」
荊軻「キミと共に、戦わせてくれ。……あの不器用な男は、放っておけない」
マシュ「……」
荊軻「……頼む。私を、二度も失敗した女にさせないで欲しいのだ」
マシュ「……」
764 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:09:18.97 ID:U2Rv23+B0
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
マシュ「……」
マシュ「……」スクッ
マシュ(……いける。走り出せる。間に合う)
マシュ「今行きます、マスター……!」ダッ
765 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:09:44.97 ID:U2Rv23+B0
………………
職員A「……」カリカリカリカリカリカリカリカリ
レオナルド「……」サラサラサラサラ……カタカタカタ、タン
リドラー『三問目だ! キミは家を飛び出し、3回左折して帰ってくる。そこにはマスクを被った二人の男が待っていた。さあ、キミの職業は何だ?』
ドクター「……家を飛び出して……」
所長「……三回左折……」
職員B「……マスク二人……」
職員C「……」
766 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:10:16.84 ID:U2Rv23+B0
リドラー『チクタクチクタク、あと40秒だ』
職員C「……」
ドクター「家……ホーム……野球だ! 野球選手だな!?」
リドラー『ぴんぽーん、正解だ。賢いな、だが次の問題からはもっと厳しくなるぞ』
ドクター「まだあるのか……いい加減にしてくれ!」
767 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:10:48.52 ID:U2Rv23+B0
職員A「……」カリカリカリカリカリカリカリカリ……ツー
職員B「ちょ、ちょっと! 鼻血が……」
レオナルド「……無理をしちゃ駄目だ。脳は大切にしなよ、倒れられたら困るんだ」サラサラサラサラ……
職員A「……ブルースさん達も命懸けで戦ってるんです、俺達が命を懸けない理由が無い……!」カリカリカリカリカリカリカリカリ
職員B「だからって……!」
職員A「……鼻血で済んでる内は可愛いものさ……!」カリカリカリカリカリカリカリカリ
リドラー『ふふふ、らしくなってきたな? 命のぶつかり合いだ。もっとも、僕のは命ではなく存在意義だが……』
ドクター「……」
リドラー『……では、五問目だ』
768 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:11:19.71 ID:U2Rv23+B0
………………
バットマン「ふっ!」シュドッ‼
アルテラ「うっぐ……」フラフラ……ブンッ
バットマン「っ……」バッ、ドゴォ‼
アルテラ「かはっ……」ドサッ
バットマン「……」ガシッ、シュドッ
アルテラ「っぶ……」
バットマン「……」シュドッ、シュドッ、シュドッ、シュドッ……
アルテラ「が……かは……」
769 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:11:58.25 ID:U2Rv23+B0
バットマン「……」シュドッ、シュドッ、シュドッ……
アルテラ「……」パシッ
バットマン「……!」グッ
アルテラ「……ふっ!!」ブォンッ‼
バットマン「うっぐ……」ドシャァァァァァァン……
アルテラ「……」ムクリ
バットマン「……!」ムクッ
バットマン(まだ噴射の効果は続いている……ここでケリをつけなければ!)ダッ
770 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:12:43.40 ID:U2Rv23+B0
夕暮れを受け、輝く剣が振り抜かれた。紙一重でそれを躱しながら、バットマンはアルテラの懐へと滑り込む。
「ちっ」
アルテラは未だに身体のコントロールを全て取り戻せない。隙だらけの胴体へ、小ぶりなフックが叩き込まれた。
振りに見合わず身体が浮くほどの衝撃に、彼女は目を見開く。黒い騎士は身体を回転させ、肘打ちで腹部を叩く。くの字に折れ曲がる体、ダメージに呻き声が漏れる。
バットマンは流れるように蹴りを繰り出した。だがその足首が掴まれる。
「嘗めるな」
アルテラ。そのまま渾身の力で振り回し、騎士を地面へと叩き付ける。内臓が爆発するような感触。白く眩む視界。バットマンは歯を食い縛って意識を保つ。
破壊の大王が剣を振り上げる。しかし彼はその顎を蹴り上げ、遠く森の木へ向けてグラップネルガンを発射した。
巻き上げ機構が作動、コウモリが飛んで行く。しかしその足は掴まれたままだ。アルテラはバットマンの脚にしがみついたまま、剣を振り上げ、振り下ろした。火花が散り、神の鞭と黒い騎士が落ちて行く。
地面に墜落。バットマンはいちはやく起き上がり、倒れたままのアルテラへ向かって行く。だが彼女も立ち上がり、剣で迎え討つ。ブレーサーと剣がぶつかり、甲高い音が鳴り響く。
「諦めろ」
アルテラは冷たく言い放つ。小細工の効果もそろそろ切れる。目の前の男は死ぬ。それはどちらも、分かっているハズだ。
だというのに、何故この男は表情を崩さない?
「……この位置は、計算通りだ」
コンピューター操作音の直後、彼らの足元の地面が爆発した。
771 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:13:46.31 ID:U2Rv23+B0
ドガァァァァァァァァ……
バットマン「っぐあ……」ドサァッ‼
マスク「」パキ、ボロッ……
ブルース「はあ、はあ……」ツー……
ブルース(どうだ……やったか?)
772 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:14:14.03 ID:U2Rv23+B0
煙「」モクモク……
スタスタ
アルテラ「……」スタスタ
ブルース「……!」
773 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:14:41.99 ID:U2Rv23+B0
アルテラ「よく戦った。だが、所詮はこの程度」
アルテラ「私は破壊の大王だ。ただの人間が、私に歯向かう。それ自体が愚かな事」
アルテラ「……もう、策もあるまい。たとえ貴様が億の策を用意していようと、全て破壊する」
アルテラ「……さあ、顔を上げろ。たった一人で立ち向かってきた勇者よ。貴様の顔は覚えておいてや……」
「一人ではないっ!!!」
774 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:15:10.40 ID:U2Rv23+B0
アルテラ「……?」
「その者は! 一人ではない!」
ブルース「……」
「ここに居るぞ、そやつの仲間が! 余を忘れたとは言うまいな!」
アルテラ「……何者だ。名乗れ」
ネロ「余こそは! ネロ・クラウディウスである!」
775 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:15:36.08 ID:U2Rv23+B0
アルテラ「……貴様か、皇帝よ。いずれ世界に不要とされる者よ」
ネロ「ふっ、その台詞には慣れたぞ! 余はどれだけ打ちのめされようが、絶対に皇帝である事をやめん!」
アルテラ「貴様が何者であろうと、誰が立ち塞がろうと、世界は破壊する。それが私の役目だ」
ネロ「そうはさせん。世界には花が、歌が、美が満ち溢れている! 護るべき美だ!」
アルテラ「……私はフンヌの戦士である。大王である。破壊の、大王である……!」
ネロ「これより先は、余のローマである! 退かんぞ!!」
776 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:16:05.48 ID:U2Rv23+B0
アルテラ「ならば、破壊する。貴様も……!」ブォンッ‼
ネロ「ふっ! ……その言葉には、まるでお前の意思が感じられんぞ、アルテラ! 本音を聞かせるがいい!」ギャリィン‼
アルテラ「……本音……私は、フンヌの戦士であり……」
ネロ「そらっ!」ヒュンッ
アルテラ「っく……私は……破壊の大王である……!」ズサァァァッ
ネロ「……お前の中には矛盾がある。きっと止めてみせるぞ、アルテラ」チャキリ
アルテラ「……矛盾など、無い。私は、破壊する。それだけの存在だ……!」グォォォォォォォォォォォッ
ブルース(不味い、アレは……マシュの宝具を破った、アルテラの……!)
ブルース(だが、対抗策が無い……!)
777 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:16:38.30 ID:U2Rv23+B0
アルテラ「『その文明を粉砕する』……!」キィィィィィィィィィ……!
ネロ「……!」
ネロ(……今、背にはマッシリア! 幾百もの民の命! 避ければそれが消える! そんな事は許されぬ!)
ネロ(余が、受け切る! 必ず!)
ブルース「ネロ! 避けろ! 無茶だ!」
ネロ「……無茶は百も承知だ、ブルース。だが、余は皇帝なのだ。ここで避ければ、その権利を失うだろう」
ネロ「……さらばだ」ニコリ
ブルース(馬鹿な! 何か手はないのか……!?)
アルテラ「フォトン・レイ!!」グォォォォォォォォォォォッ
「……『チャリオット・オブ・ブディカ』!!!」ドッガァァァァガガガガガガガガガガガガガガガギギギギギギギギギ‼
778 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:17:23.88 ID:U2Rv23+B0
ネロ「なっ……」
ブーディカ「…………!!!」ギャギギギギギギギギギギィィィィィィィィィ‼
ネロ「ぶ、ブーディカ!?」
ブーディカ「……勝手に死なれちゃ、困るんだよ……! 一発くらい殴らせて欲しいしさ!」ガガガガガガガガガガガガガガッ‼
ネロ「な、殴る……!? 余を!?」
ブーディカ「……あーもぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!」ギギギギギギギギギギ……シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……
アルテラ「……馬鹿な。私の宝具が……」
ブーディカ「代わりにアンタをぶん殴る。良いよね、やるよ」ツカツカ
アルテラ「くっ……」ガシャリ
スパルタクス「圧!! 政!!」ドゴォ‼
アルテラ「!?」ドシャアアアアア‼
779 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:17:59.52 ID:U2Rv23+B0
スパルタクス「ははは、大王とは圧政の象徴。我が反抗の矛先に相応しい」
アルテラ「……何を……!」
ブーディカ「やああっ!」ヒュオンッ‼
アルテラ「くっ」ガキィン‼
スパルタクス「フ ン !」ゴガァァッ‼
アルテラ「っぐ……!」ドシュゥゥゥゥ
ネロ「……なんだかよく分からんが、勝機に違いなし! 一気に攻める!」ダッ
780 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:18:25.09 ID:U2Rv23+B0
アルテラ「……まだだ……!」ギュオッ‼
スパルタクス「むぐっ!?」ドシャァッ
アルテラ「はあっ!」
ネロ「くっ!?」ガギッ、ドサァァァァァァ
アルテラ「潰れろ!」ブン‼
ブーディカ「ぐぅっ!?」ガギ、ギリギリギリ……
781 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:18:52.63 ID:U2Rv23+B0
アルテラ「私は……破壊の大王である。それ以外の役目などありえない」ギリギリギリギリギリッ
ブーディカ「……なら、アタシは守る側だ。ローマの巻き添えでブリタニアまでやられるのは御免だからね」ギリギリギリギリギリッ
アルテラ「誰も、何も、守れはしない。美しき蝶も、楽しき調べも、愛しい人さえ。全てはいずれ、無に帰る。私は時期を早めるだけだ」
ブーディカ「…………ならその美しさに触れなよ、破壊の大王サマ! その美しさの、楽しさの、愛しさの裏にある汚い部分に触れろってんだ! 全部知った気になって、世界を滅ぼすなんてそんな事……させるか!」
アルテラ「……すべては、無駄だ!」ググッ‼
ブーディカ「うっ……」グググググ……
ブーディカ(重い……! 支えきれない……)
782 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:19:38.71 ID:U2Rv23+B0
パシッ
グググググッ‼
ブーディカ(……なんだ? 急に、軽く……)
ネロ「むうぐぐぐぐぐぐ……」ギリギリギリ……
ブーディカ「アンタ……」
ネロ「……お前は一人ではない、ブーディカ……余も、共に戦っているのだ」
ブーディカ「……!」
783 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:20:09.24 ID:U2Rv23+B0
ブーディカ(…………)
ブーディカ「……フン、ならせいぜい足手まといにならないようにね!」グググググッ
ネロ「無論である!」ググググググ……
アルテラ「おのれ……」ギリギリギリギリ……
アルテラ(……!)
アルテラ「っ」ギャリィン、ババッ
「たああっ!!」ドシャアアアア‼
ブーディカ「!! アンタ……」
ネロ「おお! 来たか!」
マシュ「遅くなりました!」
784 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:20:36.32 ID:U2Rv23+B0
………………
リドラー『……いやはや、正直ここまでやるとは思っていなかった。驚いてるよ』
職員A「……っ……」カリカリカリカリカリカリカリカリ……
レオナルド「……そろそろ無理だ。あちらの世界での存在矛盾が致命的になってくる」サラサラサラサラ……カタカタカタ、タンッ
リドラー『では、最後の問題といこうじゃないか』
所長「ようやく……」
職員C「……」
ドクター「最後の問題……」
785 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:21:17.35 ID:U2Rv23+B0
リドラー『……むかし、むかーしのお話だ。ソロモン王が、忠実なる家臣へ命令を下した。
「幸せな男が見れば悲しくなり、悲しむ男が見れば幸せになる」そういう指輪を持ってこいと。
数か月後、その家臣は見事言われた通りの指輪を持って帰った。……さあ、問題だ。その指輪には何と書かれていたでしょう?』
ドクター「……、……」
所長「……ソロモン王……指輪……何と書かれていたか?」
786 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:21:55.45 ID:U2Rv23+B0
リドラー『制限時間は三十秒だ。よく考えるがいい』
所長「こんなの分かる訳ないじゃない! ソロモン王に直接聞きなさいよ!」
職員C「落ち着いて下さい所長! よく考えて!」
所長「落ち着いてるわよ! ……いえ、ごめんなさい。考えるわ……ああもう、なんで……!」
職員B「……幸せな男が見れば悲しくなり、悲しむ男が見れば幸せになれる……?」
ドクター「……」
リドラー『25、24、23……』
787 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:22:25.62 ID:U2Rv23+B0
………………
アルテラ「……」
アルテラ(……この数。負ける)
アルテラ「……ならば。ここから全魔力を込めて撃ちだすまで」スッ
ネロ「……? なんだ、奴は……何処へ剣を向けている??」
ブーディカ「……海?」
ブルース(……この、角度は……!!)
ブルース「注意しろ! アルテラは……海峡を隔てて、首都ローマへ宝具を放つつもりだ!」
マシュ「な……!?」
アルテラ「『命は壊さない』」グォォォォォォォォォッ……
788 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:22:56.25 ID:U2Rv23+B0
………………
リドラー『さあ、答えられる者は居ないか!? いなければ、二人の勇敢な戦士が死ぬまでだ』
職員C「……くそ、全然わかんねえ……!」ガリガリガリ
職員B「幸せな人が見たら……って一体なんなの……」
所長「……くっ……」ギリィ
ドクター「……」
ドクター(……でも、二人の命を救わなきゃ。僕は……)グッ……
レオナルド「……?」
789 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:23:28.62 ID:U2Rv23+B0
………………
アルテラ「『その文明を粉砕する』」
ブルース「マシュ! 宝具を展開しろ!」
マシュ「っ、はい!」
マシュ(一度は破られた……でも、やってみせる!)
マシュ「仮想宝具、展開!」
ブーディカ「守ってみせる……!」
マシュ「ロード・カルデアス!」
ブーディカ「チャリオット・オブ・ブディカ!」
アルテラ「フォトン・レイ」ギュィィィィィィィィィィィィッ‼
790 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:24:24.59 ID:U2Rv23+B0
ブーディカ(……ああ。こりゃ、駄目だ。受けきれない)
ブーディカ(……でも、マシュを庇えば……何とか軌道は、逸らせるかな)スッ
マシュ「……? ブーディカさ……」
ブーディカ「じゃあね、マシュ。……元気で、ね」
マシュ「……!! まっ……」
ゴォォォォォォォッ‼
791 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:24:59.34 ID:U2Rv23+B0
ブルース「!!」
ブルース(軌道が逸れた……! ローマを逸れ、海洋の方へと飛んで行く……)
マシュ「……ブーディカ、さん……」ドサッ
アルテラ「……そうか。またしても、私には破壊できなかったのか」シュウシュウシュウ……
アルテラ「……ふ……」シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……
聖杯「」カラン……
マシュ「……聖杯、確認。回収します」
792 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:25:33.81 ID:U2Rv23+B0
ブルース「……」シュウシュウ……
ブルース(……何だ? 身体が……いや、世界が……)グニャリ
マシュ「……? こ、これは……」シュウシュウ……グニャリ
マシュ「お、おかしいです、何かが……」シュウシュウ……
ブルース「……これは……」シュウシュウ……
793 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:26:11.71 ID:U2Rv23+B0
………………
ドクター「トゥー・シャル・パス」
リドラー『……』
ドクター「……彼は……彼は、家臣に指輪を持って来させた。そうして、見てみた指輪には……こう彫ってあった。トゥー・シャル・パス。全ての事は、いつか終わると」
リドラー『……見事だ』プツッ
794 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:26:45.86 ID:U2Rv23+B0
モニター『congratulations! congratulations! congratulations!』
職員C「……や……」
職員B「やった……」
職員A「喜んでる場合じゃない! 早く! 存在証明式を再稼働!」
職員B「あ、ああ! しないと!」
レオナルド「……」
ドクター「……」
レオナルド「……よくやったよ、ロマニ」
ドクター「……」
795 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:27:20.22 ID:U2Rv23+B0
職員C「……駄目です、やっぱり遅すぎた! レイシフトが強制終了へ向かってる!」カタカタカタ、カタカタカタ
レオナルド「おっと、それってかなりヤバイ状況だね」カタタタタタタタタタ
ドクター「……もしもし、もしもし! こちらカルデア! ブルースくん、マシュ! 聞こえるかい!?」
796 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:27:47.99 ID:U2Rv23+B0
………………
ドクター『もしもし、こちらカルデア! ブルースくん、マシュ! 聞こえるかい!?』
マシュ「……ドクター! はい、聞こえます!」シュウシュウ……
ドクター『これからそちらの世界へ「穴」を開く! 身体が崩壊する前にその穴へ飛び込んでくれ!』
ブルース「了解」
ブルース(……果たして、二人とも入れるか)
797 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:28:33.16 ID:U2Rv23+B0
ネロ「どうしたというのだ、そのか……」ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……
ゴゴゴ……ゴゴゴゴゴゴ……
マシュ「……消えていく……人が……世界が……」
ドクター『聞こえるかい!? 自己を強く認識して!』
ブルース「……」
穴「」グォンッ
ドクター『今開いた穴がそれだ! 飛び込んで!』
798 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:29:01.82 ID:U2Rv23+B0
マシュ「今、いきます……!?」ググググッ
マシュ(か、身体が……重い……)
ブルース「くっ……」ズシ……ズシ……
ブルース(……やはり、無理か……)
799 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:29:41.28 ID:U2Rv23+B0
ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……
マシュ「このままじゃ、先に世界が崩壊してしまう……!」
ブルース「……」ガシッ
マシュ「え……ま、マスター……?」
ブルース「さらばだ。マシュ」ブンッ
マシュ「きゃっ!?」グォンッ
穴「」シュポッ……シュゥゥゥゥゥン
ブルース(……閉じたか)
ブルース「……」
ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……
800 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:30:06.63 ID:U2Rv23+B0
………………
マシュ「っ」ガバッ
ドクター「! マシュ・キリエライトが帰還!」
所長「……!」
マシュ「……ドクター、マスターがまだ!」
801 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:30:37.30 ID:U2Rv23+B0
職員A「そ、そんな……まさか、ブルースさんはまだ、あっちに……?」
職員B「……だ、駄目です! もう穴を維持できていません! 存在救出不可!」
マシュ「……え……」
所長「……ロマニ、魔力反応は。魔力反応はどうなの」
ドクター「……駄目です、一世紀ローマからはもう……恐らく、時流に呑まれて、何処かへ……」
マシュ「……そ、それじゃ……ますたー……マスターは……」
802 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:31:21.80 ID:U2Rv23+B0
ドクター「……すまない。僕のせいだ。本当にすまない……」
レオナルド「……」
職員A「……そんな」
職員B「……うそ……」
職員C「……」
所長「……」
803 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/24(水) 01:31:50.88 ID:U2Rv23+B0
第二章
永続狂気帝国 セプテム
生存者 マシュ・キリエライト
死者 清姫 ブルース・ウェイン
804 :
◆GmHi5G5d.E
[saga sage]:2018/01/24(水) 01:32:35.75 ID:U2Rv23+B0
今回の更新はここまでです。お付き合い有難うございました
805 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/24(水) 01:47:19.08 ID:vD5qFjgdo
乙
806 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/24(水) 08:33:02.15 ID:uZIGxZO30
面白い
807 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/24(水) 08:45:27.71 ID:LpgdSejLO
乙
これは以外
808 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/24(水) 10:58:42.36 ID:2hcrkkdS0
乙
死んだと断定されてないだけまだ希望はあるか・・・
809 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/24(水) 12:23:01.52 ID:clwzB2y/O
乙
ダレイオスとアレキサンダーと孔明の霊圧が消えた・・・?
810 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/24(水) 13:49:18.57 ID:ZXtc8foL0
相変わらずこの人のブルースはかっけぇ
ポーカーのときとかめちゃくちゃかっこよかった
乙次も期待
811 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 00:48:45.24 ID:sdblcI+t0
………………
マシュ「……」カチャカチャ……
レオナルド「……おはよう、マシュ。隣、空いてるかな?」
マシュ「……」ビクッ
マシュ「……ダヴィンチさん……ええ、空いてます。どうぞ」
レオナルド「ははは、いつも言ってるじゃないか。ダヴィンチちゃんと呼んでくれってね」
マシュ「……ごめんなさい」
レオナルド「……冗談だよ、これはキミに言うのは一回目だから」
マシュ「……ごめんなさい」
レオナルド「……」
812 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 00:49:31.23 ID:sdblcI+t0
マシュ「……」カチャカチャ……
レオナルド「……マシュ。キミ、スープはかき混ぜるだけじゃあお腹に入らないよ」
マシュ「……はい」カチャカチャ……
レオナルド「……」
所長「……」スタスタ
レオナルド「……ああ、おはよう所長」
所長「……あ……」
所長「……」クルッ、スタスタ
レオナルド「ちょ、ちょっと。……はあ……」
813 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 00:50:00.72 ID:sdblcI+t0
………………
ドクター「もしもし、もしもし。こちらカルデア。ブルースくん、聞こえるか? 返事をしてくれ。……駄目だ、この時代にチューニングしても答え無しか……」
ドクター「……いや、まだだ。今度は半年刻みで現在から……」カチカチ
職員B「あ、あの……ドクター? ご飯、ここに置いておきますから……」
ドクター「え? ああ、ありがとう」
職員B「いえ、良いんです。……あの、少しは休まないと……」
ドクター「え? いや、うん。大丈夫だ。……もしもし、もしもし。こちらカルデア。ブルースくん、聞こえるか? ……」カチカチ
職員B「……」
814 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 00:50:37.12 ID:sdblcI+t0
………………
職員A「……あの……所長?」
所長「……ブツブツ……ブルースの肉体を一から錬成して……ブツブツ……」
職員A「……床に描いてある魔法陣は一体……」
所長「……ああ、この部屋には入らないで。入ったら危ないわよ。比喩抜きで死ぬわ」
職員A「え……」
所長「出てって。今実験中だから」
職員A「……あの……」
所長「出てって。さもなきゃアンタを『使う』わよ」
職員A「……はい……」
815 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 00:59:08.38 ID:sdblcI+t0
………………
レオナルド「……さて、状況報告会議を」
職員B「……ドクターは一週間、何も食べていません。ずっと管制室に閉じこもって、時流の中からブルースさんを特定しようとしています」
職員A「……オルガマリー所長は、怪しげな魔法陣でブルースさん復活の儀式をしようとしています」
職員C「コフィン内の調整は一応、順調です。ブルースさんがいつでも戻って来れるようにしています」
レオナルド「……ふう。マシュは恐らく鬱だ。生活する気力すら消えそうになっている」
職員A「……」
職員B「……」
職員C「……」
816 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:00:05.22 ID:sdblcI+t0
レオナルド「良いかい、今のカルデアを支えていけるのは私達だけだ。空気に呑まれそうになるのは辛いけど、踏ん張りどころだぜ」
職員達「「「はい!」」」
レオナルド「うん、いい返事だ。よし、今日も一日カルデアを引っ張ろうじゃないk……」
ピーンポーンパーンポーン
ドクター『皆っ、皆聞いてくれ! ブルースくんが漂流している時代を特定した!』
レオナルド「って言おうとした途端にこれか……よし、一応管制室へ急ごう」
817 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:01:00.70 ID:sdblcI+t0
………………
所長「本当なんでしょうねロマニ!?」
マシュ「ドクター! あの放送は!」
ドクター「ああ、本当だ。ようやく見つけた。どうやら今から30年ほど前の時代を漂ってるみたいだ」
レオナルド「やあ、ロマニ……速いなキミたち」
ドクター「レオナルド、レイシフトの準備に取り掛かってくれ。ブルースくんを救出できる」
レオナルド「……」
818 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:01:39.25 ID:sdblcI+t0
レオナルド「……マシュは良いのかい?」
マシュ「はい。いつでもレイシフトできます。今からでも」
ドクター「早い方が良い。また漂流して、何処かへ消えてしまわないとも限らないんだ」
所長「レイシフトの許可は出します。早く救出を」
レオナルド「……待ってくれ。やっぱり性急に過ぎる、もう少し考える時間を置こう」
ドクター「……言いたい事は分かる、でもチャンスは少ない。少なすぎるんだ、レオナルド」
819 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:02:26.92 ID:sdblcI+t0
レオナルド「マシュの身の危険を考慮すべきだ。まともにAIに検査すらさせて無いんだろう?」
ドクター「……それは、……」
マシュ「わ、私は……私は、いくら危険でも……」
レオナルド「マシュも。いいかい、キミ達はもう少しよく考えるべきだ。私達は世界を支えなきゃならないんだ。それがこんな体たらくでどうするのさ?
……ブルースだって、きっと悲しむ。キミ達をこんな風にするために戦ったんじゃない、ってね」
ドクター「……」
マシュ「……」
所長「……」
レオナルド「……」
820 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:03:17.01 ID:sdblcI+t0
ドクター「……ごめん。軽率だった」
マシュ「……私も……急ぎ過ぎてました」
所長「……ちょっと、焦ってたかも……しれないわね。ごめんなさい」
レオナルド「……良いのさ。ただ、もう少し時間を置こう。
そうは言っても早い方が良いんだろうから、明日には協議の結果を出すようにしよう。それなら、文句は無いだろう?」
ドクター「ああ!」
マシュ「はい」
所長「そうしましょう」
821 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:03:47.01 ID:sdblcI+t0
………………
レオナルド「……」
レオナルド(……昼間、ああは言ったけど……やっぱり、ブルースは心配だ……)
レオナルド(明日の朝、マシュがレイシフトする事は決定した。……何か胸騒ぎはするが……それでも、やるしかない)
レオナルド「……はあ〜」
レオナルド(……いつの間にか、私もこんなに感化されてたなんてなぁ。ちょっと夜風に当たってくるか……)
822 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:04:15.81 ID:sdblcI+t0
レオナルド「……」スタスタ
グス……ウッ……ウゥ……
レオナルド「……?」
レオナルド(誰かの……泣き声? キッチンから? こんな夜中に?)
823 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:04:52.34 ID:sdblcI+t0
レオナルド「……」ソォ〜ッ
マシュ「……うっ……ひぐっ……うぇえ……」
レオナルド「……」
レオナルド(ああ、これは……うん。まあ、分かってたけど……)
824 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:05:36.40 ID:sdblcI+t0
レオナルド「……ごほんっ!」
マシュ「!!」ビクッ、バシャバシャ
レオナルド「あ〜夜中に急にお腹が空いて困った困った!! 何か缶詰でも無いかな〜〜ってマシュじゃないか!?」
マシュ「……こっ、こんばんは。夜食ですか? 奇遇ですね」ニコッ
レオナルド「……」
レオナルド(……咄嗟に顔を洗っても、目が真っ赤だぜ)
825 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:06:09.36 ID:sdblcI+t0
レオナルド「うん、何か食べるモノはないかと思ってね。漁りに来たという訳さ」ガサガサ
マシュ「あ、あはは。夜にお腹が空くと困りますね」
レオナルド「全くだ。……何かないかなー……おっ、豆だ! どうだいマシュ、一緒に食べる?」
マシュ「……はい、頂きます」
レオナルド「うん、そうしよう。それじゃ、そこの椅子に座ろうじゃないか」
826 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:06:37.65 ID:sdblcI+t0
マシュ「……」モグ……
レオナルド「……」モグモグ
マシュ「……」
レオナルド「……どうした、食べないのか?」
マシュ「……あ……その……」
レオナルド「……お腹、空いてなかったり?」
マシュ「……」
827 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/01/25(木) 01:07:21.52 ID:sdblcI+t0
レオナルド「……私じゃ、頼りないかもしれないけどさ。ほら、ロマニはあの性格だ、人の悩みとかも抱え込んじゃうし。その点、私ならうまく処理できる」
マシュ「……」
レオナルド「……だから、なんだ。強制するワケじゃないけど、相談も時には必要だよ」
マシュ「……」
レオナルド「……」
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