バットマン「グランド……オーダー?」

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1 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:27:01.20 ID:a6BvGIkT0
ブルース「デッドショットの次の計画は……」カタカタ

ブルース「……やはりジョーカーか。今回の裏にも……」カタカタ

ブルース「……」カタカタ、タンッ

アルフレッド「どうぞ」コトッ

ブルース「……コーヒーか、ありがとう」チラッ

アルフレッド「午前三時です。今夜『バットマン』になる予定がおありでないのなら、もうお休みになっては?」

ブルース「そういう訳にもいかない。情報を集めるところから戦いだ、悪党は休んでない」

アルフレッド「……」ハア

ブルース「キミこそ休んでくれ、アルフレッド。毎日付き合わせてすまない」

アルフレッド「ご主人様がお休みになられれば、私も休みましょう」

ブルース「……」ハア


カタカタ、カタ。カタカタ。カタ……

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1511494020
2 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:27:56.71 ID:a6BvGIkT0
…………

ブルース「……? 何か言ったか?」

アルフレッド「? いえ、何も……」

ブルース「そうか……」グラリ

ブルース「…………!?」グラグラグラッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ブルース「これは……!!」

アルフレッド「ブルース様!! 地震です!!」

ブルース「いや、違う、これは……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!

ブルース「爆発!? 核か!?」グラグラ

ガラス「」パリィィィィン

アルフレッド「ブルース様危ない!!」ガバッ、グサ

ブルース「なっ、アルフレッド……」ドサッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!! ドゥゥゥゥゥゥゥム!! ドゥゥゥゥゥゥゥム!!

ブルース「くっ、瓦礫が……アルフレッド!! アルフレッド!!」

アルフレッド「……どうか、お逃げ下さい、ブルース様」バタッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ガラガラガラ……
3 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:28:30.96 ID:a6BvGIkT0
…………


どれほどの間、意識を失っていたのだろうか。気が付けば、瓦礫の下でうずくまっていた。

全身を鈍い痛みが走っていた。何故自分が倒れているのか、思い出すのにしばらくかかった。

ブルース「……アルフレッド、アルフレッド……」

ブルース(重い……身体にのしかかっているこれは……バットウィングの片翼か。破壊されてる……くっ)


ブルース「……うおおおお……」ドサッ、ムクリ

ブルース(やったのは誰だ? ジョーカー? ベイン? それともリドラ―か? いや、そんな事よりアルフレッドは……)

ブルース(……とにかく見晴らしの良い場所に出て……)ヨロヨロ

ブルース(……)ピタッ

ブルース「…………何……」
4 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:29:46.31 ID:a6BvGIkT0
見慣れたゴッサムシティは消えていた。猥雑なネオンも、光を振りまく中華街も、ゴードンが居た警察署も、何一つ残っていない。

見渡す限り、一面の焼け野原だ。赤黒い景色にざあざあと雨が降りしきる。信じられない光景だった。

ブルース(馬鹿な)ザアザア

ブルース(そんな、馬鹿な。一瞬にして? 恐怖ガスの幻覚か?)

ブルース(それとも夢か? いや、この雨の冷たさは夢ではない……)ザアザア

ブルース(……こんな焼け野原では、もはや生存者は……)

ブルース「……そうだ、アルフレッド……アルフレッド」ヨロ、ヨロ

――――

ブルース「アルフレッド……アルフレッド!! 何処だ!!」ガシ、ガラガラ、ガラガラ

ブルース(くっ、瓦礫が重い……やはりさっきの崩壊のダメージが響いている……)

ブルース「アルフレッド! 返事をしてくれ! アルフレッド!」

ブルース「アルフ……」ガラガラ、……ピタッ


ブルース「……アルフ、レッド」


ブルース「……アルフレッド、目を覚ましてくれ。街がこんな……キミの力を借りたいんだ、アルフレッド」

ブルース「………………アルフレッド」

ブルース「……………」

ブルース「……」


――――


ブルース「……」ガリ、ガリ、ガリ

ブルース「……」ポスッ

『我が生涯の友、アルフレッド。ここに眠る』

ブルース「……」
5 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:31:15.81 ID:a6BvGIkT0
ブルース「……」ガチャガチャ、ガチャ。スチャ、スッ

ブルース「……」ガシ、ガシリ。カチャッ

ブルース「…………」スッ

バットマン「……」

バットマン(希望は未だに潰えていないハズだ。生存者を……犯人を捜す)
6 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:32:20.25 ID:a6BvGIkT0
バットマン「……」スタ、スタ

バットマン(どこもかしこも焼け野原だ。建物の面影すらない……一体誰が、何のために?)

バットマン「ここは時計塔だったはず……だが、もはや瓦礫すら……」

バットマン「オラクル! どこだ!! ロビン!! 居ないのか!?」

バットマン「……」

バットマン「……応答は無しか」

――――

バットマン「ゴードン! 何処に居る!?」

バットマン「……」

バットマン(駄目だ、警察署にも誰一人居ない。ペンギンも、ブラックマスクも……見る限りゴッサムシティの向こうも同じか)

バットマン(……諦めるな、希望はまだ……)スタスタ

パトカー内の無線「……ザザ……」

バットマン「!」

無線「……もしもし、もしもし! 聞こえていたら返事をしてくれ! 繰り返す、こちらは人理継続保障機関『フィニス・カルデア』! 生存者が居たら返事をしてくれ!!」

バットマン「……」パリン、ガシッ、スチャ

バットマン「こちらゴッサムシティ。生き残りだ。そちらも生存者か?」

無線「なんだって!? 待ってくれ、ゴッサムシティ……と、遠い……いや、とにかくこちらに来てくれ! 座標は……」

バットマン「待て。そちらは何者だ? 同じ被害者なのか、それともこの事態を引き起こした犯人なのか」

無線「……」

バットマン「答えろ。こちらは既に逆探知している、黙秘は立場の悪化を招くだけだ」

無線「……こちらは人理保障機関、フィニス・カルデア。突拍子も無い話をするかもしれないが、聞いてもらえるだろうか」

バットマン「……」
7 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:33:59.90 ID:a6BvGIkT0
………………

バットマン「……つまり、人理が焼かれ……この惨状が?」

無線「そうだ、いやまだ焼かれては居ないが!……常識から外れすぎてて取り合ってもらえないかもしれないが、とにかくそういう事なんだ! 信じてくれ!」

バットマン「……」

バットマン「……いや、信じる。そちらの座標を教えてくれ」

無線「えっ……でも、さっき逆探知……」

バットマン「真実を聞くための嘘だ。座標を送ってくれ」

無線「……いや、それが……キミの国とカルデアは海を隔てて存在してる。来るのは非常に……」

バットマン「問題無い。バットウィングを修理してそちらへ向かう。座標を」

無線「バット……なに?」

バットマン「座標を。くれ。早く」
8 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:34:35.91 ID:a6BvGIkT0
バットマン「……」ガチャガチャ、ガチッ

バットマン「よし……」

バットマン(完成だ。エンジンと燃料に若干の不安はあるが、この飛行距離なら何とか保つハズ)

バットマン「……ゴッサムシティ……」

バットマン(必ず救う。どんな困難が立ち塞がろうとも。アルフレッドのためにも)

――――

バットマン「……」

バットマン(空の上から見ても分かる。生存者など望めない、最悪の焼け野原だけが広がっている)

バットマン「……」

バットマン(この陸地は……二ホンか。ここも形無しか……ともかく急ぐしかない)
9 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:35:35.74 ID:a6BvGIkT0
バットマン(二ホン上空を通過し、4時間ほど……ここが目的地のハズだ……雪山にしか見えないが。着陸スペースは見えず……降下するしかない)

バットマン「自動操縦モード」カチャカチャ

コンピューター『了解、自動操縦モード。お気を付けて』カチャッ、ウィーン

バットマン「……フッ!」バッ、バサササササササ

バットマン「……」スタッ、スクッ

雪山「」ビュオオオオオオオオ

バットマン(激しい吹雪だ。いくら多機能のバットスーツと言え、ここに長時間留まれば凍死は免れない……カルデアとやらは何処だ?)

??「おーい!! こっちだ、こっち!」

バットマン「……誰だ!!」

??「うわっ、わわっ!? キミ、ずいぶん変わった格好してるなぁ……いや、そんな事は今はどうでもいい! こっちに来てくれ! カルデアへの入り口はこっちだ!」

バットマン「……分かった」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/24(金) 12:36:31.15 ID:v5E4uxBGO
期待
11 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:36:32.04 ID:a6BvGIkT0
バットマン「こんなところに入り口が……」

??「さあ、早く! 入ってくれ!」

バットマン「……」スタスタ

??「ふう、キミを発見できてよかった。レーダーに映った飛行体を見てもしや、と思ったんだ。会えて光栄だよ、ボクはロマニ・アーキマン。Dr.ロマンと呼んでくれ」

バットマン(偽名か……いや、言っている場合ではないか)

バットマン「……私は……」スッ

ブルース「私はブルース・ウェイン。よろしく頼む、ドクター」

ロマニ「へえ、キミはそんな顔だったんだね! マスクをしてたら怖かったけど、外したら普通に接していけそうだ……って、そんな和んでる場合じゃなかった! 緊急事態なんだ、こっちへ来てくれ!」タッタッタッ

ブルース「……」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/24(金) 12:37:28.60 ID:FlKNkuptO
どのブルースだろうか
感じ的にダークナイトシリーズかな
13 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:37:35.89 ID:a6BvGIkT0
ブルース「……随分ボロボロの施設だな」スタスタ

ロマニ「……それについても説明するよ。ここ、本来は人理の継続を確かなものにするための機関っていうのは説明したよね?」スタスタ

ブルース「ああ、聞いた。巨大な地球儀を観測し続けて、その証明で世界の維持を助けるとか……」スタスタ

ロマニ「うん。そこで問題が発生した。どうやら人類は来年の七月に滅びるらしく、それを防ぐにはどうやら過去の世界を変えなければならないようだ、と」

ブルース「……そんな事が可能なのか?」

ロマニ「うん。自然な流れなら人類は繁栄の一途だったからね、その流れを変えた『誰か』もまた、過去の因果を変えたんだ。川の流れを、ずっと上流でせき止めたみたいにね……」

ブルース「……」

ロマニ「そして、ボクたちはその対策に『レイシフト』を生み出した。過去へ飛び、因果を乱す原因を正し、そして戻って来る! シンプルかつ合理的だ!」

ブルース「信じられない」

ロマニ「あ、うん……だよなぁ、普通はそうなるよね。でも、ここは信じてくれ。何故ならこのバカでかい施設がそのまま、今はレイシフトのために存在するんだから」

ブルース「……そんなに大がかりな計画なら、もっと大人数でやるハズだ。他のメンバーは?」

ロマニ「……あぁ、その事についても、話す。これはこの施設がボロボロな事にも関係するんだけどね」


ロマニ「他のメンバーは全員死んだ。レイシフトの装置……霊子筐体に仕掛けられた爆弾によって」

ロマニ「僅かに残ったのは十数名のカルデア職員、そしてボクだけだ」

ブルース「……そうか」

ロマニ「ああ。……疑わないのかい?」

ブルース「……死を疑うほど無神経ではない。それに、それほど沈痛な面持ちの男など疑えない」

ロマニ「……うん、ありがとう。こっちだよ」スタスタ

ブルース「……」スタスタ

ブルース(……嘘だ。疑いはある。だが、外の惨劇とこの男の話は噛み合っている……信じるしかない)

ブルース(……それに、レイシフトの話が本当なら。解決策も有りそうだ)
14 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:39:00.24 ID:a6BvGIkT0
ロマニ「ようこそ、カルデアの管制室へ!」

ブルース(……広く、大きい。破壊の痕跡の中、数名が活動しているか……)

職員A「ドクター、そちらの方は……」

ロマニ「ブルース・ウェインさん。適性は分からないが、外に居て生き残った数少ない人間だから可能性はあると思う」

職員B(変わったスーツに……手に持ってるのはマスク? ネコミミが生えてるのかなぁ、あれ)

職員C「それよりもドクター、そろそろレイシフト先に誤送された職員の存在証明が難しくなっています! 生存報告も無く、時間が惜しい……!」

ロマニ「そ、それってヤバいなぁ! よし分かった、説明を早めに済ませるとしよう! ブルース、キミをここに呼んだのは他でもない、キミにレイシフトをしてほしいからだ!」

ブルース「過去に飛ぶというアレか。分かった、やろう」

ロマニ「戸惑う気持ちも分かる! けどこれは……え?」

ブルース「何をぼんやりしている。どうすればレイシフトできるんだ?」

ロマニ「い、いや……待ってくれ、インフォームド・コンセントというモノがあるだろう!?」

ブルース「人命が懸かっているのだろう。早くしろ」

職員達「「「……」」」(呆然)

ロマニ「き、キミ……悪くすれば死ぬんだ、分かってるのかい?」
15 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2017/11/24(金) 12:41:01.54 ID:a6BvGIkT0
>>10 期待サンクス、面白いSS目指して頑張る

>>12 自分のイメージ的にはダークナイトシリーズだけどずれるかもだから先に謝罪をしておきます

ご都合主義のクソSSだからあんまり期待しないでね……
16 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:41:41.75 ID:a6BvGIkT0
ブルース「分かっている。ノーリスクでそんな試行ができるハズもない。だがやるしかないんだろう?」

ロマニ「……分かった。まずはこの霊子筐体(コフィン)に入ってくれ」

ブルース「……」スタスタ、スチャッ

ロマニ「いいかい、時間が惜しいんでキミの覚悟に便乗して任務だけ伝える。
まず、レイシフトが完了したら、あちらに居ると思われる職員とコンタクトを取ってくれ。会えばそうと分かるハズだ、我々と同じような白衣を着ている。

そして何より大事なのは……『聖杯』と呼ばれる魔力の塊を持って帰還する事!」

ブルース「聖杯?」

ロマニ「ああ、レイシフト先に巨大な魔力が観測されている。恐らく、この事件を引き起こした犯人が所持しているハズ……
それと、これが一番大事なんだけど! 一般人のキミは向こうで強大な敵に出会うかもだけど、絶対に直接戦闘はしない事! 人間じゃ相手にならないから!」

ブルース「……分かった。尽力する」

ロマニ「頼むよ! それじゃあ閉じる! レイシフト先でも適宜指示を出すから、そこで会おう!」ガチャッ


コフィン内「」シーン……


ブルース「……」チラッ

マスク「」

ブルース「……」スッ

バットマン「……コフィン(棺)か。皮肉だな」

ロマニ『レイシフト10秒前! 9! 8! 7! 6! ……』

バットマン「……」

『3! 2! 1!』

バットマン「……!!」グッ

『0』
17 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:43:21.61 ID:a6BvGIkT0
マシュ(痛い……熱い)

マシュ(瓦礫にのしかかられてる……重い。それに、何か燃えてる……世界が……燃えてる……)

マシュ(ああ、身体の感覚が……死ぬのかな)

マシュ(……何も、残せなかった)ツー

マシュ(ああ、駄目だな。泣くなんて……覚悟してた、ハズなのに)

マシュ(熱さが増して……痛みも……ああ、息も、だんだん……)

マシュ(……楽になって、きてる?)


???「無事か」ゴバッ、ガラガラ
18 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:44:21.89 ID:a6BvGIkT0
バットマン(ひどい傷だ。もう助からない)

???「か、はっ……あ、貴方は……」

バットマン「ブルース。ブルース・ウェインだ。
……もしもしドクター、レイシフト先にて職員と思われる女性を発見。しかしこの傷ではもう……」

ドクター『……ま、マシュかい!? 待って、それなら……ブルース、キミと魔力回路を繋げてデミ・サーヴァントとして覚醒させれば……』

バットマン「ドクター、落ち着け。まずは手順を説明してくれ」

ドクター『あ、ああ。まずは魔術回路の確認から……』

バットマン「……マシュ。少し手荒な真似になるかもしれない。先に謝っておく」

マシュ「ごほっ……ええ、構いません……」

バットマン「……」
19 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:45:18.48 ID:a6BvGIkT0
マシュ「……」

バットマン「……安定したようだが、目を覚まさない。ドクター、何が原因か分かるか」

ドクター『これは……回復に回す分の魔力まで供給できてない。生存で手一杯か……ブルース、キミの近くに霊脈はあるかい?』

バットマン「霊脈……と、言うと」

ドクター『ああいや、それはこっちの仕事だね。検索するよ……! 待って、敵生体反応多数! 周囲を警戒してくれ!』

バットマン「!」

???「グルルルル……!」

???「グルァァァァ……」

バットマン「……」

ドクター『太刀打ちできない! ブルース、すまないがマシュを抱えて逃走できるかい!? 分が悪すぎる……ブルース?』


バットマン「……」
20 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:46:04.33 ID:a6BvGIkT0
???「グルォアアアアッ!!」シュバッ

ドクター『うわああああああ!! ブルースくん!!』


バットマン「フン!!」ガキィ

ドクター『ええええええええええ!?』

バットマン(重い……だが想定内)

バットマン「シッ」グルッドゴォ

???「ゴギャアアアアアア!!」バタッ

バットマン(次だ)

???「グガアアアアアアア!!!」バババッ

バットマン「……」スッ

???「グ……エッ?」

バットマン「フンッ!!」ドッゴォ

???「ギャアッ!!」バタッ

バットマン(次……)

………………
21 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:46:58.73 ID:a6BvGIkT0
……………

バットマン(負傷は軽微。敵は撤退……上々だ)

ドクター『……ブルースくん、キミって一体何者なんだい? 確かにあの敵は弱かったとはいえ、生身の人間が撃退できるような連中じゃ……』

バットマン「私の事より、霊脈は見つかったのかドクター。移動可能になったぞ」

ドクター『あ、ああ。そこから二キロほど西に歩いた場所に発見できた。もう一つ反応があるのを考えると、恐らくそこにも生き残りの職員が居るハズだ』

バットマン「了解。合流を試みる」

ドクター『頼んだよ! あと、さっきの勝ちはどう考えたって幸運で拾ったんだから、さっきみたいな無茶しない事! いいね!」

バットマン「……保証はしかねる」

ドクター『ブルースくん!』

バットマン「……」

マシュ「……ぐ……貴方は、一体……」

バットマン「……無理はせず、寝ておけ。すぐに霊脈へ連れて行ってやる」スタスタ、ガシッ

マシュ「……う……」ガクッ
22 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:47:41.36 ID:a6BvGIkT0
バットマン(……ひどい焼け野原だ。ゴッサムシティと同じか、それ以上の)

バットマン(……こんな荒れ地を作って、何がしたいんだ。犯人の真意を推測しかねる……)

バットマン(ジョーカーのように楽しんで破壊をしただけか? それとも、何かに絶望した末の破壊行動か?)

バットマン(……いずれにせよ、まともな神経の持ち主ではない。何処かで狂ってしまった者がやる事だ)

マシュ「……うっ……先輩……」

バットマン「もうすぐだ。踏ん張れ」スタスタ

マシュ「……」


???「……止まりなさい!」

バットマン「……」ピタッ

???「マシュを抱えて何処へいくつもり? 貴方は何者ですか? 答えなさい!」

バットマン(敵意有り。距離三十メートル。鉄バットを所持……やれる)

ドクター『ま、待った! 所長、ボクがレイシフトさせたんです!』

所長「……その声、ロマニ? ああ良かった、ようやく味方が来たのね……じゃなくて!!
アンタ、レイシフトされたんですって? 状況を全て説明しなさい! なんでこんな焼け野原になってるの!? どうして私までレイシフトに巻き込まれたわけ!?」

バットマン「……ドクター。説明は頼んだ」スタスタ

所長「ちょ、まちなさ……ちょっと! そもそも何なのよその悪趣味極まりないスーツとマスクは! ネコミミ!? ネコミミなの!?」タッタッ
23 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:48:38.60 ID:a6BvGIkT0
バットマン「……つまり、私達三人がここでの最後の生存者か」

ドクター『そのようだね。残念だけど……他に生命反応はない。あるのは蠢く魔力反応、そして敵性反応だけだ』

所長「待って、レフは? さっきから気になってたんだけど、なんでロマニが仕切ってるのよ!?」

ドクター『いや、何故と言われても……』

バットマン「死んだ。爆発に巻き込まれて」

所長「……え? 爆発?」

バットマン「そうだ。何者かによって仕掛けられた爆弾によって過半数が吹き飛び、生き残った職員、レイシフト要員は十数名。そうだな、ドクター」

ドクター『ぶ、ブルースくん、こういう事はもうちょっとオブラートに……いや、そうだな。今言った通りです、所長』

所長「……レフも死んだのね。そう。うちじゃ一番優秀だったけど仕方ないわね」

バットマン「……」

所長「何よ」

バットマン「ヒステリーを起こすものとばかり思っていた」

所長「あのねえ、私だって解決に繋がる興奮とそうでない興奮くらいは弁えてるわ。それより、これからの行動指揮は私が取るけど異議無いわね?」

バットマン「無い。好きに指示を出してくれ」

ドクター『こちらも、霊脈とのつながりを得た事でいつでも通信可能になりました! 助けが必要になったら遠慮なく通信を!』

所長「……何にしても、マシュが目覚めない限りはどうしようもないけど。早く目覚めてくれないかしら……」

バットマン「……」

所長「……ところで、その耳は本当に何なの? 猫なの?」

バットマン「………………」
24 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:50:33.33 ID:a6BvGIkT0
マシュ「……う……」

バットマン「……!」

バットマン(本当に生き返った……!?)

所長「あのダメージから蘇生するなんてなかなか……ね。動けるようになるまであとどれくらい掛かるか分からないけど、それまでキャンプを……」

バットマン「ああ、動かずに守る。……それよりも、マシュは何故蘇生できた? あの傷じゃあ、人間は生存不可能なはずだ。デミ・サーヴァントとは何だ? 魔力とは? 何故『聖杯』とやらはこんな事をする?」

所長「……そうね。部外者を引っ捕まえて協力させてるんだから、まずはそもそもの説明からしなきゃ駄目よね」

バットマン「……」

所長「……長くなる話だから丁度良いわ。ただ、駆け足気味になるけど」

バットマン「構わない。理解する」

所長「頼もしいわね。それじゃあ、まずはサーヴァントから……」
25 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:51:59.01 ID:a6BvGIkT0
所長「……これがサーヴァント。歴史から生まれた、人間の影よ」

バットマン「……つまり英霊というのは、過去の英雄たちを呼び出して使役する際の呼び名で……聖杯という願望器をめぐって争うためのコマだと」

所長「大雑把に言えばそんな感じね。それで、デミ・サーヴァントっていうのは……」

マシュ「……うっ……」ムクリ

マシュ「……」キョロキョロ

マシュ「ここは……私、死んでない……」

所長「っと、起きたわね。悪いけど、後の説明は帰ってからで良いわね?」

バットマン「……分かった」

所長「マシュ、起きたばかりで悪いけど状況の説明をするわ。のんびりしている時間は無いから納得できなくても納得して頂戴。いいわね」

マシュ「え、え……」

バットマン「……大丈夫だ」

マシュ「……は、はいっ」

マシュ(誰だろう……ネコミミが可愛いけど……)
26 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:52:35.88 ID:a6BvGIkT0
所長「……ていう事。話は通じたわね?」

マシュ「はい。任務、特異点の元となった聖杯を回収し、無事にカルデアへ帰還を果たす事。了解しました」

所長「それじゃ……ロマニ! 聖杯の位置は割り出せた!?」

ドクター『いえ、それが頑張ってるんですけど、方角くらいしか割り出せなくて……』

バットマン「それだけ分かれば十分だ。すぐに向かう」

所長「ちょ、ちょっと! 私が指揮するって言ったじゃない!」

バットマン「…………」

所長「う……そ、そうね。それ以外に選択肢も無いし、向かうわよ!」

マシュ「行きましょう、マスター」

バットマン「……」

バットマン(マスター……アルフレッドを思い出す)

バットマン(……必ず解決してみせる。アルフレッド)
27 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:53:12.59 ID:a6BvGIkT0
バットマン「……」スタスタ

所長「……」スタスタ

マシュ「……」スタスタ

ドクター『……』


バットマン「…………」ピタッ

ドクター『止まって! 敵性反応!!』


???「グルアアアアア!!!」


所長「きゃあああああああ!! マシュ! 戦闘体勢!!」

マシュ「了解! マスター、下がってください!」

バットマン「断る」

マシュ「えっ……」

所長「ちょ、ちょっと!! 頭おかしくなったんじゃないの!?」

バットマン「やれる。行くぞ」

マシュ「えっ、えっ……」

???「グルアアアアアオォォォォォ!!!」

バットマン「……フン!」シュバッシィィンン

???「グエッ……」


マシュ「!?」

バットマン「ぼうっとするな! マシュ! 後ろだ!」

マシュ「え……」

???「グオオオオオオオオオ!!」

マシュ「あ……ま、マシュ・キリエライト、戦います!」

???「シャアッ!!」シュバッ

マシュ「くっ……」ガキィ


ドクター『……待て、戦場に高速で反応が近付いてる!!』
28 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:53:44.93 ID:a6BvGIkT0
ドクター『こ、この反応……冗談じゃないぞ! 覚醒したてのマシュじゃ無理だ、ブルースくんにも! 逃げろ!』

所長「ちょっと、なんだって言うのよ! そんなに騒ぎ立てて、訳くらい話しなさい……よ……」

バットマン「……あれは……」


マシュ「これで……終わりです!」ドゴォ

???「グギャアアアアア……」ドサッ

マシュ「はあ……はあ……やりました、マスター! 敵性体を撃破し……まし……」


影「……」


ドクター『シャドウサーヴァントだ……! これまでのとは比べ物にならない! 撤退しろ、ブルースくん!』
29 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:54:34.63 ID:a6BvGIkT0
バットマン(シャドウ……サーヴァント)

バットマン(見れば分かる。自分よりも遥かに強い。まるでメタヒューマンのような……無策に飛び掛かっていっても返り討ちが関の山だ)

バットマン「くっ……」グワッ

所長「きゃ、ちょ、ちょっと! 下ろしなさい! 無礼よ!」ジタバタ

バットマン「マシュ! 撤退だ、後方へ……」タッタッタッ……ピタッ


影2「ニガサヌ。 タタカウ マエカラ トウボウ トハ ワラワセル」


マシュ「挟まれました、マスター。逃亡は不可能と判断します……!」

バットマン「……くっ……」ドサッ

所長「いたっ、落とすならもうちょっと優しく……」

バットマン「逃げていろ! 時間を稼ぐ!」ダッ

影「……」バッ

影2「ハハハハ!! ソノ イキヤ ヨシ!!」

マシュ「私も……私だって!!」ダダッ
30 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:57:20.18 ID:a6BvGIkT0
 蹂躙、という言葉がある。

 黒いスーツで覆われた腹部に蹴りが入り、彼は転がって血を吐いた。痛みをこらえて起き上がる彼の目の前に、影は既に立っている。

 速い。バットマンは咄嗟に右拳に爆破ジェルをスプレーし、前方目掛けて拳を繰り出した。

「ノロイ」

 掌底と拳がかち合い、爆発。バットマンだけが吹き飛び、瓦礫に背中を打ち付けた。更に吐血。右腕の激痛をこらえ、彼は歯を食い縛って顔を上げ、前を見る。
 
 マシュが盾で必死に攻撃を防ぎつつ、二人のシャドウサーヴァントを相手に立ち回っている。それも長くは持たず、彼女は殴られて吹き飛んだ。

「マシュ」

 彼は震える手を伸ばした。燃える瓦礫の向こうに少女が突っ込み、破砕音と粉塵を散らして止まる。

 バットマンは唸りながら立ち上がり、影の前に立ちはだかった。

「……ムダナコト ヲ。ミスミス シヌ カ」
「……」

 彼は実際死ぬつもりだった。隠れる場所もない広所での戦闘、相手は数段格上だ。だが戦いをやめるつもりはない。

 世界を救うという目的のため……死ねばアルフレッドや両親と同じ場所へ行けるのではないかという、微かな希望のため。

「……ナラバ、シネ」

 振り上げられた黒い腕を見上げ、バットマンは不屈の防御姿勢を取った。だがその腕が振り下ろされる事は無かった。

「アンサズ!!」

 誰かが叫んだ。男の声だった。バットマンは咄嗟にそちらを見た。飛来する火の玉を。それはあやまたず、シャドウサーヴァントの頭部に直撃した。
31 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:58:03.78 ID:a6BvGIkT0
???「おう、間に合ったみてえだな。兄さんよぉ、自殺願望は頂けねえなァ」

バットマン「……お前は」

???「さあなあ、少なくとも敵じゃねえんじゃねえの? そこの影野郎を攻撃したわけだし」

マシュ「……くっ……そちらのかたは」

???「お、いいねえ。可愛い嬢ちゃんだ、役得役得……って言ってる場合じゃねえな」

影「……」ムクリ

影2「フン、キカヌ ワ」

???「ともかく、まだやれるな嬢ちゃん? いっちょ俺と共同戦線と行こうや」

マシュ「……マスター、指示を……」

バットマン「……共に戦う以外に無い。やれるか、マシュ」

マシュ「はい! マシュ・キリエライト、いきます!」

影「……!」

影2「ナメルナ……!!」
32 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:58:53.13 ID:a6BvGIkT0
???「オラッ、くたばりな!!」ゴッ

影「…………ぐっ……」ドサッ

マシュ「ここ!」ガゴッ

影2「オノレ……ここ、までか……」ドッ

???「よぉっし、なかなかやるじゃねえの嬢ちゃん。でも宝具解放はしねえんだな?」

マシュ「は、はい。まだデミ・サーヴァントとして覚醒したてで……」

???「……フーン、よく分かんねえけどそんなモンか。おい、そっちの兄さんは平気か?」

バットマン「……ああ。助かった」

???「いーっていーって、俺もボランティアで動いてた訳じゃねえし。アンタら、ここの聖杯が狙いだろ?」

バットマン「……何故知っている」

???「サーヴァントってのは耳も良いんだぜ、知っとくべきだったな。ま、俺もアレだ、この聖杯戦争をさっさと終わらせてえってワケ……」

バットマン「……つまり、敵対意志は無いと」

???「かてえ言い方だなぁ、アンタらの味方だっての。俺の名はクー・フーリン、そっちは?」

バットマン「……ブルース。ブルース・ウェイン」

バットマン(クー・フーリン……槍の名手。ゲイ・ボルグの使い手。伝説の人物だ。敵に回れば厄介この上無い……コイツが裏切った時、どう動くのが正解だ?)

クー・フーリン「……目の険しさが変わんねー……おう、そっちの嬢ちゃんは名前何てんだい?」

マシュ「マシュ・キリエライトです! よろしくお願いします!」

クー・フーリン「おう、こっちはもう警戒無しか……なんだか両極端だなぁ」


所長「……戻って来たけど、何、これ……どうなってるの……味方? 味方なの?」
33 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:59:24.41 ID:a6BvGIkT0
ドクター『……成程。どうも複雑な事情が絡んでいると見た』

クー・フーリン「そうそう、複雑な事情。便利な言葉だよなぁ!」スタスタ

バットマン「……」スタスタ

クー・フーリン「……なあブルースさんよ、いい加減俺の後方5メートルを確保して歩くのやめねえ? 殺気が気になって仕方ねえ……」

バットマン「……」スタスタ

クー・フーリン「無視かよ」

マシュ「す、すみません。マスターは……その……警戒しがちみたいで」

所長「妥当だと思うけど? 真名以外に分かってることもないし」

クー・フーリン「だーっ、だから俺は味方だっての! こうやって聖杯に導いて……」

バットマン「……」

クー・フーリン(信用ねえなあマジで……あ、いや待てよ?)


クー・フーリン「……クックックック……ハァーッハッハッハ!!」

マシュ「ど、どうしたのでしょう。急にベタな悪役じみた笑い声をあげ始めました、クー・フーリンさん……」

バットマン「……」スッ

所長「あの、ブルース。何かある度に私を抱え上げようとするのはやめて」


クー・フーリン「ふふふ……そこまで疑われちゃあ仕方ねえ! 正体を表すとしようじゃねえか! 俺はてめえを殺すために来たんだ、ブルース!!」


マシュ「そ、そうだったのですか!!! 妙にフレンドリーで疑えませんでした!」

バットマン「……」

所長「いや、あの……マシュ?」

クー・フーリン「行くぞマシュ!! せいぜいてめえのマスターを護ってみせろや!!」

マシュ「マスター、指示を! 敵キャスター、来ます!」

バットマン「…………」
34 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 13:00:22.59 ID:a6BvGIkT0
マシュ「くっ……」

マシュ(ふざけた空気だと思ってたのに、強い……! この炎、防ぎ切れるものじゃない!)

クー・フーリン「ほらほらどうしたァ! もっと強い守りを見せてみろ、そんな盾じゃあマスターは守り切れねえぞ!」

マシュ「ッ!」ガガッ

クー・フーリン「アンサズ! オラァ!」ボボボッ、ドッガァ

マシュ「うっぐ……」ドガガッ、ズシャア

マシュ(パワーが圧倒的に不足してる! さっきの戦いはブルースさんも戦ってたからあんまり実感しなかったけど……

護るのが、こんなに難しいなんて!)


クー・フーリン「そうとも! 護る戦いってのは苦しいモンだ、マシュ! 今のまんま腑抜けてちゃあ、サーヴァントでもねえブルースに負けっぱなしだぞ!」



バットマン「……」

所長「ね、ねえ。アレ、助けに行かないの?」

バットマン「さっきの戦いの傷が深刻だ。支援には行けない」ギュウウウウ……

所長「そ、そう……(ならなんでそんなに拳握り締めてるのよ……)」


マシュ「ぐぅっ!!」ゴロゴロッ

クー・フーリン「そろそろ決着と行くかァ、くたばりな!! 『ウィッカーマン』!!」キィィィィィィィィイイイイイイ

マシュ「!!!!」ガバッ
35 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 13:01:06.03 ID:a6BvGIkT0
マシュ(避けたらブルースさん達に当たる! 回避という選択肢は無い!)

マシュ(だからと言ってまともに受ければ消し炭! あの爆発は受け切れない!)

マシュ(……どうすれば……!)

盾「」カッ

マシュ「! 盾が……」


マシュ(そうだ、私には盾がある。何かを護り、生かすのに最適な盾が)

マシュ(……命を受けたんだ。たとえ偽物でも……なら、ここで負ける訳にはいかない!)

マシュ「いきます! 疑似宝具、展開!! 『人理の礎(ロード・カルデアス)』!!」


盾「」キィィィィィィィィン

ドドォォォォォォォォォォン‼ ドゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン‼




クー・フーリン「……やっべ、ついつい魔力を注ぎ過ぎちまった。やっちまったかも……」


クー・フーリン「……いや……待て、これは……」


クー・フーリン「これは……!!」
36 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 13:01:58.02 ID:a6BvGIkT0
マシュ「…………敵宝具、受け切りました……」シュゥゥゥゥゥ

クー・フーリン「……やるじゃねえの。全開じゃ無かったとはいえ、流石に無傷で受け止められるとは思ってなかったぜ。ちょっとショックだな」ポリポリ

マシュ「クー・フーリンさん……じゃあやっぱり、最初から」

クー・フーリン「トーゼン。本気でやる訳ねえだろ、お前さんの力を引き出すためだよ。狙い以上にやってくれやがって、将来有望だな」

マシュ「……」パァァァァァ

マシュ「あっ、ありがとうございます! 見ていてくれましたか、マスター!!」


バットマン「……」(逃走準備万端)
所長「ちょ、ちょっとブルース、これ本当に空気読めてないから……」ジタバタ


マシュ「……マスター、その手に構えたものは」

バットマン「……グラップネル・ガンだ。これでロープ付きアンカーを射出し、巻き上げ機構で移動する」

マシュ「つまり、逃げる気満々だったと」

バットマン「……」

マシュ「全然信用してくれてないじゃないですか!!!!!!!!!!」

バットマン「…………悪かった」


クー・フーリン「……」ハア
所長「……」ハア
37 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 13:03:02.97 ID:a6BvGIkT0
クー・フーリン「……ともかく移動しようぜ、な」

マシュ「むぅ……分かりました」

バットマン「……」

所長(なんで山場を越えたのにこんな空気なのよ……ブルース!! 空気を読みなさい!!)ヒソヒソ

バットマン(……)

クー・フーリン「……あ、そうだ。ブルースさんよ、ちょいと言っとく事がある」

バットマン「何だ」

クー・フーリン「魔術師ってのは、術式の発動中に攻撃受けりゃあ意識が逸れて魔法が途切れる事が大半だ。だからアンタ、こっから先で魔術師に会ったら……」

バットマン「……成程、実践してみよう」

クー・フーリン「おう。まあ精々アンタに敵として会わねえ事を期待しとくぜ」

バットマン「……こちらとしても、そう祈る」

クー・フーリン「……へっ、素直じゃねえヤツ」
38 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 13:03:45.65 ID:a6BvGIkT0
クー・フーリン「さて、この洞窟を抜けりゃあ聖杯だ。勿論タダじゃあ手に入らねえ、護り手ってのがある……」

バットマン「どんなヤツだ」

クー・フーリン「正直言ってこれまでのシャドウサーヴァントなどとは比べ物にならねえ。剣の一振りで腑抜けのサーヴァントなら上半身とおさらば」

マシュ「……」ゴクリ

クー・フーリン「……まあそう深刻な顔をしなさんな。俺も居るし、お前さんだって実戦経験も積んできたろ」

ドクター『ちょっと待った! その洞窟の奥、何か居るぞ!』

クー・フーリン「あー、まあ無駄話もここまでに。いわゆる護り手の護り手が居てだな……いや、信奉者と言うべきか」

影「……」

クー・フーリン「おう、相変わらず聖剣使いを護ってんのか、テメエは」

影「……ふん。信奉者になった覚えは無いがね。つまらん来客を追い返す程度の仕事はするさ」

クー・フーリン「け、言ってくれるぜ。おう兄さん達、もうちょい気張りなよ。コイツも一筋縄じゃ行かねえんだ、守りが必要だぜ」

バットマン「マシュ」

マシュ「いけます」

クー・フーリン「行くぜ、アンサズ!!」ボボゥ‼

影「ッ!!」ガッ
39 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 13:04:18.55 ID:a6BvGIkT0
クー・フーリン(ち、洞窟内が暗くて影のアイツが見にくくてしょうがねえ……! つうか炎の魔術を発射したら洞窟内が照らされんのに、終わったら途端に見えなくなりやがる!)

クー・フーリン(撃った後だけ標的が見える銃にどんな意味があんだよチクショー!!)

影「キャスターは向いてないんじゃないか?」

クー・フーリン「やかましい野郎だ、燃え尽きてから撤回しやがれ」


バットマン(クー・フーリン)ヒソヒソ

クー・フーリン(うおっ、なんだよ!? 急に背後に出てくんな!)

バットマン(暫く炎の魔術は打ち止めにしてくれ。考えがある)

クー・フーリン(ちっ……三十秒だけだぞ!)

バットマン(十分だ)

影「……どうした、撃ってこないのか」

クー・フーリン「テメエ相手に魔術なんざ必要ねえんだよ、掛かって来いや」クイクイ
40 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 13:05:27.75 ID:a6BvGIkT0
影「……口がデカいのはクラスが変わっても治らないか!」ババッ

クー・フーリン「チィッ」ガガガッ

マシュ「させません!」バッ

影「まだまだ動きが甘い!」ヒュドッ

マシュ「あぐっ……!?」ドサッ


クー・フーリン「おいおい峰打ちかよ、女には甘ったるい野郎だな!」

影「キミには容赦しないようにしよう!」バババッ

クー・フーリン「ああそうかい!」ガッガッガギン

影「そこ!」シュバッ

クー・フーリン「!! しまっ……!?」ガィン


ドシュッ


影「……? なんだ、この……ぐっ!?」シュルルルルルルル

影「ま、巻き上げられ……!? まさか!?」

影(あのマスターが後ろに……暗くて、視認できなかった……!? サーヴァントの視力でも!?)


バットマン「今だ! クー・フーリン!」


クー・フーリン「……! オウ! 『焼き尽くせ、木々の巨人』……」


クー・フーリン「『ウィッカーマン』!!」
41 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 13:06:00.93 ID:a6BvGIkT0
ドォォォォォォォォォ……
42 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 13:06:36.63 ID:a6BvGIkT0
バットマン「……無事か、マシュ」

マシュ「は、はい……平気です」

マシュ(宝具が使えるようになったからって、舞い上がってた。自分の戦闘能力が急に上がる訳じゃない……分かってたハズなのに)

バットマン「……」

所長「どう、ドクター? この辺りの反応は?」

ドクター『……もう確認できない。そこは安全だ』

所長「そう、なら良かった。休憩にしましょう」

バットマン「いや、必要ない。このまま聖杯を回収に行く」

所長「このまま……ってあなたねえ、今の自分の顔色見てみたらどうなのよ」

バットマン「……」

マシュ「……私も、休息を提案します、マスター。真っ青ですよ」

クー・フーリン「ま、多数決だ。休めよ、ブルース」

バットマン「……分かった」
43 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 13:07:10.62 ID:a6BvGIkT0
ブルース「……」

クー・フーリン「……アンタ、マスク外したらそんな顔してたのか」

ブルース「……ああ」

クー・フーリン「そっちの方が好感持てるぜ、青年。俺はもっと殺伐とした顔してると思ってたぜ」

ブルース「……」

マシュ(……まままマスクを取ったら普通にイケメンでした……なんでモノローグでも敬語になってるのか分かりませんが多分混乱してるのだと思います)

マシュ(えーっと、えーっと、今までどうやって話してましたっけ……マスクを着け直して欲しい……)

マシュ「あ、蜂蜜たっぷりの紅茶が沸きました」スッ

ブルース「ああ、有難う」パシ

マシュ「いえ」

マシュ(あれ? こんな感じでしたっけ?)


所長「……生きたまま帰れるのかしら、カルデアに」

ブルース「必ず生きて帰らせる。それが第一歩の任務だ」

所長「……ええ。そうね、これが最後の一歩じゃないものね」

ブルース「当然だ。世界を救うまでは戦いが続く。覚悟は済んでいる」

所長「……」

所長(……初めて会った時から思ってたけど、コイツの精神はどうなってるのよ……狂ってるの? 猫のコスプレしてる奴がまともとは思ってないけど……)


クー・フーリン「……」

マシュ「……」

所長「……」

ブルース「……」スッ


バットマン「そろそろ出発しよう。休憩は十分だ」スクッ
44 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 13:07:45.02 ID:a6BvGIkT0
???「……ほう、これは」

バットマン「ドクター、目の前に黒い騎士が居る。コイツが聖杯を持っているのか」

ドクター『待って、サーチしてる……うん、合ってる。今、ブルースくんの目の目に居るのが、この特異点を終わらせるカギを持つ存在だ』

バットマン「……」

バットマン(話が通用……するなら、クー・フーリンがとっくに奪っているか。武力行使しかありえない)


???「我が名はアルトリア。アルトリア・ペンドラゴン。そこの娘、名前は何という」

マシュ「え……わ、私ですか? 私はマシュ・キリエライトです」

アルトリア「マシュ。面白い奴だ。そしてそこの……猫のコスプレの男」

バットマン「……ブルース・ウェインだ」

アルトリア「ふむ、覚えた。地獄行きの前に面白いものが見れた、良い余興だ。構えろ」

クー・フーリン「……言っとくが、アイツの剣はまともに食らうなよ。勢いを逸らして直撃をさける、それが命だ」ギシッ

マシュ「了解……!」ザシッ


アルトリア「行くぞ!」バッ

バットマン「……!」
45 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 13:08:16.18 ID:a6BvGIkT0
 黒い騎士が剣を振り上げ、振り下ろす。盾を頭上に構えながら、マシュはゾクリとした予感に身を任せ、身体を僅かに横にずらした。

 そして、直撃。火花。マシュは歯を食い縛る。腕がガクガクと震え、痺れを伝える。剣はそのまま振り下ろされ、地面を砕く。

「上手い」

 アルトリアの口から賛辞が漏れる。その手に握られた剣が跳ね上がり、マシュの喉を狙う。防御直後のマシュは体勢を立て直せない……

 だがその瞬間、アルトリアの剣は跳ね返り、背後から迫っていた炎の玉を切り裂いた。

「ちっ、無詠唱ならやれると思ったんだけどなァ!」
「甘い」

 興奮で僅かに口元を緩めながら、アルトリアは剣を振り回す。マシュは盾でそれを防ぎ、数メートル弾き飛ばされる。

「がら空きだぞ、キャスター!」
「やべっ……」

 そのまま凄まじい勢いでこちらに駆け出すアルトリアを見、キャスターのこめかみに冷や汗が伝う。

 だがまたしても、アルトリアは素早く剣を打ち振り、虚空を薙ぎ払った。火花が散り、小さな何かが宙を舞う。

「……なんだこれは」

 アルトリアはそれを見た。コウモリの形をした手裏剣だ。それの投擲元を見た。自分と同じ、黒い騎士だ。

「フン……」

 アルトリアは鼻を鳴らし、魔力を集中させた。そして詠唱を開始する。

「『卑王鉄槌』」

ざわり。空気がゆらぐ。
46 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 13:09:12.78 ID:a6BvGIkT0
「おいおいチクショウ、消し炭は御免だぜ!」

 キャスターはバットマンを庇うように回り込み、魔力を練り上げる。アルトリアは口元を歪めたまま、詠唱を続ける。

「『極光は反転する』」
「クッソ、間に合わねえ……!」

 キャスターは歯を食い縛る。その目の前、マシュが立った。

 マシュとアルトリアの視線がかち合った。上等だ。二人の目が光った。

「『光を飲め』!」
「『宝具、展開』!!」

 マシュは見ていた。相手が宝具を打ち込むそのポイントを。アルトリアの目の光は、闇の奔流に飲まれて行った。

「『エクスカリバー・モルガーン』!!」
「『ロード・カルデアス』!!」

 輝く盾が顕現した。闇の奔流が直撃した。

「直撃を……直撃を、逸らす!」

 マシュは叫んだ。闇の津波は僅かに盾の中心から逸れ、虚空へと流れ始める。アルトリアが目を見開く。

「……!!」

 盾が火花を散らす。アルトリアの魔力が尽きて行く。マシュはまっすぐに相手を見据える。真っ直ぐに!

 そして……そして、やがて奔流が止まった。アルトリアは皮肉の笑みを浮かべた。
47 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 13:09:59.78 ID:a6BvGIkT0
  マシュの後方、魔術を完成させたキャスターは笑う。燃え盛る木の巨人が立ち上がる。

「……見事」

 アルトリアは、再度、賛辞を送った。マシュは煙を上げる盾を構えたまま、アルトリアを見据えていた。

「ウィッカーマン!」

 魔術師の叫びの直後、大爆発が巻き起こった。
48 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 13:10:28.79 ID:a6BvGIkT0
クー・フーリン「……おっし、これで終わりだな。ったく、長いお役目だったぜ」シュウシュウシュウ……

バットマン「……何故お前まで消える。ダメージは受けていなかったように思うが」

クー・フーリン「役目を終えた英霊は消えるのさ、当然だろ。今回の役目はゲームへの参加……俺以外の最後の参加者が消えて、ようやくゲームオーバーってワケだ」

バットマン「……そうか」

クー・フーリン「……そうだ」

バットマン「……色々と、助かった。礼を言う」

クー・フーリン「……おう、また何かあったら呼べや。アンタの猫のコスプレだけは理解しかねるが、肝の座りっぷりは嫌いじゃねえからよ」

バットマン「……ああ。またな」

クー・フーリン「おう、またな……」シュゥゥゥゥゥ……

バットマン「……」
49 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 13:11:01.19 ID:a6BvGIkT0
所長「……よし、見つけたわ。アレが今回の聖杯ね」

バットマン「……待て。嫌な予感がする」

所長「はあ? ここまで来てどんな嫌な……予感が……」



???「……まさか猫のコスプレをしただけの部外者がここまでやるとはね。想定外であり、私の寛容さの許容外だ」



マシュ「……れ、レフ教授!?」
50 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2017/11/24(金) 13:11:27.69 ID:a6BvGIkT0
ちょっと離脱。
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/24(金) 14:39:45.84 ID:36pZxvls0
おつ、楽しみ
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/24(金) 15:58:07.82 ID:M11pvXZDO
バッツは神とか化け物とか異世界人や異星人との
戦闘経験がハンパないからなぁ
53 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2017/11/24(金) 18:21:17.96 ID:a6BvGIkT0
すまん、ちょっと休眠しようと思ったらガチ寝してこんな時間だ。残りの書き溜めを投下する。
54 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 18:22:30.41 ID:a6BvGIkT0
ドクター『レフ!? レフ教授だって、彼がそこに!?』

レフ「うん? その声はロマニ君かな? キミも生き残ってしまったのか。

すぐに管制室に来て欲しいと言ったのに、私の指示を聞かなかったんだね。まったく……」


レフ「どいつもこいつも統率のとれていないクズばかりで吐き気が止まらないな」

バットマン「――――!!」
55 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 18:23:32.36 ID:a6BvGIkT0
バットマン「……全員、下がれ。あれは危険だ」

所長「レフ……ああ、レフ、レフ、生きていたのねレフ!」

所長「良かった、あなたがいなくなったらわたし、この先どうやってカルデアを守ればいいか分からなかった!」タッタッ

バットマン「やめろ! 戻れ! そいつは……」


レフ「ああオルガマリー、オルガマリー。キミも大変だったようだね、同情するよ……」

所長「そう、そうなの! 予想外の事ばかりで……でもいいの、あなたがいれば何とかなるわよね?」

わよね? だって今までだって……」

レフ「ああ、もちろん。予想外の事ばかりで頭にくるよ。特に……」

レフ「キミの生存がね。まったく、爆弾はキミの足元に設置したのに、生きているなんて」


オルガマリー「……え?」

レフ「いや、もう肉体は死んでるのかな? 成程、肉体のくびきから解放されたキミの魂だけが、この地にレイシフトされたのか。全く」

レフ「全く、皮肉だな。キミは死んだ事ではじめて、あれほど切望した適性を手に入れたんだ」

オルガマリー「……え……」
56 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 18:24:20.92 ID:a6BvGIkT0
レフ「さて、キミをこのまま殺すのは簡単だが、それではあまりに芸がない。死ぬ前にキミの生涯をかけたカルデアが……

どうなっているのか、見せてあげよう」ブゥン

所長「え……カルデアスが、真っ赤に……嘘、でしょ。ただの虚像よね?」

レフ「無論、本物だとも。人類の生存を示す青色は絶え、球体全てが真っ赤に染まる。あれが今回のミッションが引き起こした結果だよ」

バットマン(……この角度……やれるか。いや、やるしかない)
57 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 18:36:22.17 ID:a6BvGIkT0
レフ「良かったねえマリー? 今回もまた、キミのいたらなさが悲劇を呼び起こしたわけだ!」

所長「ふ……ふざけないで! 私の責任じゃない、わたしは失敗してない、わたしはしんでなんかいない……!

あんた、どこの誰なのよ!? わたしのカルデアスに何をしたっていうのよぉ……!」

レフ「アレはキミの、ではない。まったく……最期まで耳障りな小娘だったなぁ、キミは」

オルガマリー「なっ……身体が、宙に……何かに引っ張られて……」

レフ「言っただろう、そこはいまカルデアに繋がっていると。

このまま殺すのは簡単だが、それでは芸がない。最後にキミの望みをかなえてあげよう」


レフ「キミの宝物とやらに触れるといい。なに、私からの慈悲だと思ってくれたまえ」


レフ「……ま、分子レベルで分解される地獄の具現だがね。遠慮なく、無限の死を味わいたまえ」


所長「いや……いや、いや、助けて、誰か助けて! わた、わたし、こんなところで死にたくない!」

所長「だってまだ……」シュポッガシッ


所長「いった……え?」


バットマン「踏ん張れ……グラップネルガンのアンカーは痛いが強力だ……!」ググググググググ……
58 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 18:37:37.66 ID:a6BvGIkT0
所長「いた、いだだだだ、いだだだだだだ!! ちょっ、ちょっと!! 胸が!! 胸が外れる!」ギギギギギギギギ……

バットマン「(引き込む力が予想以上に強い!)マシュ! 手伝ってくれ!」ググググググググ……

マシュ「は、はいっ!!」ガシッ、ググッ



レフ「……虫けらがよく足掻く。ならばその命綱を、ちょいっと切って……」ストッ

レフ「っつ……なんだこれは、コウモリの……手裏剣?」


バットマン「爆破ジェル付きだ」ポチッ


ドドォォォォォォォォォォン‼

レフ「ぐわあああああああ!?」

所長「げぶっ」ドサッ

聖杯「」カラン


マシュ「……! マシュ・キリエライト、聖杯を確認! 回収します!」ダダッ


レフ「おのれ虫けら……!」クワッ

バットマン「通さんぞ」バササッ
59 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 18:38:56.39 ID:a6BvGIkT0
レフ「コケに……しやがって……!」

バットマン「…………」

レフ「…………」

バットマン「……」


所長「ごほっ、ごほっ……た、たすかった、の……?」ムクッ

マシュ「オルガマリー所長!!」タッタッ

バットマン「……三対一だが、まだやるか」

レフ「……フン、何が三対一だ。こんなもの、物の数にも……」

バットマン「……」ジリッ

レフ「……チッ、興が覚めた」


レフ「オルガマリー所長、この空間が崩壊するまでの短い余生をどうぞお楽しみあれ!」ブゥン
60 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 18:39:58.03 ID:a6BvGIkT0
バットマン「……消えたか。レフ・ライノール」

マシュ「……はい。今回の特異点は任務完了です。しかしマスター、所長が……」

バットマン「……」

所長「……そっか、私……あっちで死んじゃったから、もう戻れないんだ……」

バットマン「……」

マシュ「オルガマリー所長……」

バットマン「……必ず生きて連れて帰る。約束だ」

所長「……そんな事、言ったって」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

マシュ「……! 空間が崩壊を開始! ドクター! 帰還を!」

ドクター『今全速力で進めてる! 進めてるけど……空間の崩壊が早いかも! 二人とも、自我を強く保って!』

バットマン「マシュ、聖杯を渡してくれ」

マシュ「え、これ……でも、マスター」

バットマン「大丈夫だ」

マシュ「……はい!」スッ

バットマン「よし」パシ

所長「……」

バットマン「所長、自我を強く保て。帰るんだ」

所長「帰るって……どこに?」

バットマン「カルデアに。戦う為に」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ゴゥン……
61 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 18:44:37.01 ID:a6BvGIkT0
特異点F 炎上汚染都市 冬木 

生存者 ブルース・ウェイン マシュ・キリエライト オルガマリー・アニムスフィア

死者  多数
62 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2017/11/24(金) 18:45:53.16 ID:a6BvGIkT0
序章は一応、これで終わりです。始まったばかりのクソSSですがどうぞよろしく……
63 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2017/11/24(金) 18:47:20.74 ID:a6BvGIkT0
あ、今日はこれで打ち止めです。再開はまた今度です
64 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2017/11/24(金) 18:53:23.55 ID:a6BvGIkT0
>>51 あんまり過度な期待はしないでプリーズ(懇願)
>>52 人間が一番人間離れしてるっていう矛盾大好きです
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/24(金) 19:05:15.66 ID:efY3E2bC0
バットマンがサーヴァントかと思ったらマスターだった。
サーヴァントならライダー辺りだろうか
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/24(金) 19:05:41.96 ID:sRVNq3xAo
ヴィランだけじゃなくヒーローにも対抗策常備してる位だしな、特にクリプトナイト
GOだと割と同鯖と二戦三戦する機会あるし楽しみ
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/24(金) 21:01:58.11 ID:R43AeSzho
JLは結成されていたのかとか、スーパーマンはいたのかとか、ウェイン社の認知度が低すぎるとか色々気になるところがあるので続きに期待
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/24(金) 21:02:51.46 ID:Js55EzlQo


理性を保つバーサーカーの土方
人殺しをしないアサシンのバットマン的な
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