バットマン「グランド……オーダー?」

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1 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:27:01.20 ID:a6BvGIkT0
ブルース「デッドショットの次の計画は……」カタカタ

ブルース「……やはりジョーカーか。今回の裏にも……」カタカタ

ブルース「……」カタカタ、タンッ

アルフレッド「どうぞ」コトッ

ブルース「……コーヒーか、ありがとう」チラッ

アルフレッド「午前三時です。今夜『バットマン』になる予定がおありでないのなら、もうお休みになっては?」

ブルース「そういう訳にもいかない。情報を集めるところから戦いだ、悪党は休んでない」

アルフレッド「……」ハア

ブルース「キミこそ休んでくれ、アルフレッド。毎日付き合わせてすまない」

アルフレッド「ご主人様がお休みになられれば、私も休みましょう」

ブルース「……」ハア


カタカタ、カタ。カタカタ。カタ……

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1511494020
2 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:27:56.71 ID:a6BvGIkT0
…………

ブルース「……? 何か言ったか?」

アルフレッド「? いえ、何も……」

ブルース「そうか……」グラリ

ブルース「…………!?」グラグラグラッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ブルース「これは……!!」

アルフレッド「ブルース様!! 地震です!!」

ブルース「いや、違う、これは……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!

ブルース「爆発!? 核か!?」グラグラ

ガラス「」パリィィィィン

アルフレッド「ブルース様危ない!!」ガバッ、グサ

ブルース「なっ、アルフレッド……」ドサッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!! ドゥゥゥゥゥゥゥム!! ドゥゥゥゥゥゥゥム!!

ブルース「くっ、瓦礫が……アルフレッド!! アルフレッド!!」

アルフレッド「……どうか、お逃げ下さい、ブルース様」バタッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ガラガラガラ……
3 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:28:30.96 ID:a6BvGIkT0
…………


どれほどの間、意識を失っていたのだろうか。気が付けば、瓦礫の下でうずくまっていた。

全身を鈍い痛みが走っていた。何故自分が倒れているのか、思い出すのにしばらくかかった。

ブルース「……アルフレッド、アルフレッド……」

ブルース(重い……身体にのしかかっているこれは……バットウィングの片翼か。破壊されてる……くっ)


ブルース「……うおおおお……」ドサッ、ムクリ

ブルース(やったのは誰だ? ジョーカー? ベイン? それともリドラ―か? いや、そんな事よりアルフレッドは……)

ブルース(……とにかく見晴らしの良い場所に出て……)ヨロヨロ

ブルース(……)ピタッ

ブルース「…………何……」
4 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:29:46.31 ID:a6BvGIkT0
見慣れたゴッサムシティは消えていた。猥雑なネオンも、光を振りまく中華街も、ゴードンが居た警察署も、何一つ残っていない。

見渡す限り、一面の焼け野原だ。赤黒い景色にざあざあと雨が降りしきる。信じられない光景だった。

ブルース(馬鹿な)ザアザア

ブルース(そんな、馬鹿な。一瞬にして? 恐怖ガスの幻覚か?)

ブルース(それとも夢か? いや、この雨の冷たさは夢ではない……)ザアザア

ブルース(……こんな焼け野原では、もはや生存者は……)

ブルース「……そうだ、アルフレッド……アルフレッド」ヨロ、ヨロ

――――

ブルース「アルフレッド……アルフレッド!! 何処だ!!」ガシ、ガラガラ、ガラガラ

ブルース(くっ、瓦礫が重い……やはりさっきの崩壊のダメージが響いている……)

ブルース「アルフレッド! 返事をしてくれ! アルフレッド!」

ブルース「アルフ……」ガラガラ、……ピタッ


ブルース「……アルフ、レッド」


ブルース「……アルフレッド、目を覚ましてくれ。街がこんな……キミの力を借りたいんだ、アルフレッド」

ブルース「………………アルフレッド」

ブルース「……………」

ブルース「……」


――――


ブルース「……」ガリ、ガリ、ガリ

ブルース「……」ポスッ

『我が生涯の友、アルフレッド。ここに眠る』

ブルース「……」
5 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:31:15.81 ID:a6BvGIkT0
ブルース「……」ガチャガチャ、ガチャ。スチャ、スッ

ブルース「……」ガシ、ガシリ。カチャッ

ブルース「…………」スッ

バットマン「……」

バットマン(希望は未だに潰えていないハズだ。生存者を……犯人を捜す)
6 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:32:20.25 ID:a6BvGIkT0
バットマン「……」スタ、スタ

バットマン(どこもかしこも焼け野原だ。建物の面影すらない……一体誰が、何のために?)

バットマン「ここは時計塔だったはず……だが、もはや瓦礫すら……」

バットマン「オラクル! どこだ!! ロビン!! 居ないのか!?」

バットマン「……」

バットマン「……応答は無しか」

――――

バットマン「ゴードン! 何処に居る!?」

バットマン「……」

バットマン(駄目だ、警察署にも誰一人居ない。ペンギンも、ブラックマスクも……見る限りゴッサムシティの向こうも同じか)

バットマン(……諦めるな、希望はまだ……)スタスタ

パトカー内の無線「……ザザ……」

バットマン「!」

無線「……もしもし、もしもし! 聞こえていたら返事をしてくれ! 繰り返す、こちらは人理継続保障機関『フィニス・カルデア』! 生存者が居たら返事をしてくれ!!」

バットマン「……」パリン、ガシッ、スチャ

バットマン「こちらゴッサムシティ。生き残りだ。そちらも生存者か?」

無線「なんだって!? 待ってくれ、ゴッサムシティ……と、遠い……いや、とにかくこちらに来てくれ! 座標は……」

バットマン「待て。そちらは何者だ? 同じ被害者なのか、それともこの事態を引き起こした犯人なのか」

無線「……」

バットマン「答えろ。こちらは既に逆探知している、黙秘は立場の悪化を招くだけだ」

無線「……こちらは人理保障機関、フィニス・カルデア。突拍子も無い話をするかもしれないが、聞いてもらえるだろうか」

バットマン「……」
7 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:33:59.90 ID:a6BvGIkT0
………………

バットマン「……つまり、人理が焼かれ……この惨状が?」

無線「そうだ、いやまだ焼かれては居ないが!……常識から外れすぎてて取り合ってもらえないかもしれないが、とにかくそういう事なんだ! 信じてくれ!」

バットマン「……」

バットマン「……いや、信じる。そちらの座標を教えてくれ」

無線「えっ……でも、さっき逆探知……」

バットマン「真実を聞くための嘘だ。座標を送ってくれ」

無線「……いや、それが……キミの国とカルデアは海を隔てて存在してる。来るのは非常に……」

バットマン「問題無い。バットウィングを修理してそちらへ向かう。座標を」

無線「バット……なに?」

バットマン「座標を。くれ。早く」
8 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:34:35.91 ID:a6BvGIkT0
バットマン「……」ガチャガチャ、ガチッ

バットマン「よし……」

バットマン(完成だ。エンジンと燃料に若干の不安はあるが、この飛行距離なら何とか保つハズ)

バットマン「……ゴッサムシティ……」

バットマン(必ず救う。どんな困難が立ち塞がろうとも。アルフレッドのためにも)

――――

バットマン「……」

バットマン(空の上から見ても分かる。生存者など望めない、最悪の焼け野原だけが広がっている)

バットマン「……」

バットマン(この陸地は……二ホンか。ここも形無しか……ともかく急ぐしかない)
9 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:35:35.74 ID:a6BvGIkT0
バットマン(二ホン上空を通過し、4時間ほど……ここが目的地のハズだ……雪山にしか見えないが。着陸スペースは見えず……降下するしかない)

バットマン「自動操縦モード」カチャカチャ

コンピューター『了解、自動操縦モード。お気を付けて』カチャッ、ウィーン

バットマン「……フッ!」バッ、バサササササササ

バットマン「……」スタッ、スクッ

雪山「」ビュオオオオオオオオ

バットマン(激しい吹雪だ。いくら多機能のバットスーツと言え、ここに長時間留まれば凍死は免れない……カルデアとやらは何処だ?)

??「おーい!! こっちだ、こっち!」

バットマン「……誰だ!!」

??「うわっ、わわっ!? キミ、ずいぶん変わった格好してるなぁ……いや、そんな事は今はどうでもいい! こっちに来てくれ! カルデアへの入り口はこっちだ!」

バットマン「……分かった」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/24(金) 12:36:31.15 ID:v5E4uxBGO
期待
11 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:36:32.04 ID:a6BvGIkT0
バットマン「こんなところに入り口が……」

??「さあ、早く! 入ってくれ!」

バットマン「……」スタスタ

??「ふう、キミを発見できてよかった。レーダーに映った飛行体を見てもしや、と思ったんだ。会えて光栄だよ、ボクはロマニ・アーキマン。Dr.ロマンと呼んでくれ」

バットマン(偽名か……いや、言っている場合ではないか)

バットマン「……私は……」スッ

ブルース「私はブルース・ウェイン。よろしく頼む、ドクター」

ロマニ「へえ、キミはそんな顔だったんだね! マスクをしてたら怖かったけど、外したら普通に接していけそうだ……って、そんな和んでる場合じゃなかった! 緊急事態なんだ、こっちへ来てくれ!」タッタッタッ

ブルース「……」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/24(金) 12:37:28.60 ID:FlKNkuptO
どのブルースだろうか
感じ的にダークナイトシリーズかな
13 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:37:35.89 ID:a6BvGIkT0
ブルース「……随分ボロボロの施設だな」スタスタ

ロマニ「……それについても説明するよ。ここ、本来は人理の継続を確かなものにするための機関っていうのは説明したよね?」スタスタ

ブルース「ああ、聞いた。巨大な地球儀を観測し続けて、その証明で世界の維持を助けるとか……」スタスタ

ロマニ「うん。そこで問題が発生した。どうやら人類は来年の七月に滅びるらしく、それを防ぐにはどうやら過去の世界を変えなければならないようだ、と」

ブルース「……そんな事が可能なのか?」

ロマニ「うん。自然な流れなら人類は繁栄の一途だったからね、その流れを変えた『誰か』もまた、過去の因果を変えたんだ。川の流れを、ずっと上流でせき止めたみたいにね……」

ブルース「……」

ロマニ「そして、ボクたちはその対策に『レイシフト』を生み出した。過去へ飛び、因果を乱す原因を正し、そして戻って来る! シンプルかつ合理的だ!」

ブルース「信じられない」

ロマニ「あ、うん……だよなぁ、普通はそうなるよね。でも、ここは信じてくれ。何故ならこのバカでかい施設がそのまま、今はレイシフトのために存在するんだから」

ブルース「……そんなに大がかりな計画なら、もっと大人数でやるハズだ。他のメンバーは?」

ロマニ「……あぁ、その事についても、話す。これはこの施設がボロボロな事にも関係するんだけどね」


ロマニ「他のメンバーは全員死んだ。レイシフトの装置……霊子筐体に仕掛けられた爆弾によって」

ロマニ「僅かに残ったのは十数名のカルデア職員、そしてボクだけだ」

ブルース「……そうか」

ロマニ「ああ。……疑わないのかい?」

ブルース「……死を疑うほど無神経ではない。それに、それほど沈痛な面持ちの男など疑えない」

ロマニ「……うん、ありがとう。こっちだよ」スタスタ

ブルース「……」スタスタ

ブルース(……嘘だ。疑いはある。だが、外の惨劇とこの男の話は噛み合っている……信じるしかない)

ブルース(……それに、レイシフトの話が本当なら。解決策も有りそうだ)
14 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:39:00.24 ID:a6BvGIkT0
ロマニ「ようこそ、カルデアの管制室へ!」

ブルース(……広く、大きい。破壊の痕跡の中、数名が活動しているか……)

職員A「ドクター、そちらの方は……」

ロマニ「ブルース・ウェインさん。適性は分からないが、外に居て生き残った数少ない人間だから可能性はあると思う」

職員B(変わったスーツに……手に持ってるのはマスク? ネコミミが生えてるのかなぁ、あれ)

職員C「それよりもドクター、そろそろレイシフト先に誤送された職員の存在証明が難しくなっています! 生存報告も無く、時間が惜しい……!」

ロマニ「そ、それってヤバいなぁ! よし分かった、説明を早めに済ませるとしよう! ブルース、キミをここに呼んだのは他でもない、キミにレイシフトをしてほしいからだ!」

ブルース「過去に飛ぶというアレか。分かった、やろう」

ロマニ「戸惑う気持ちも分かる! けどこれは……え?」

ブルース「何をぼんやりしている。どうすればレイシフトできるんだ?」

ロマニ「い、いや……待ってくれ、インフォームド・コンセントというモノがあるだろう!?」

ブルース「人命が懸かっているのだろう。早くしろ」

職員達「「「……」」」(呆然)

ロマニ「き、キミ……悪くすれば死ぬんだ、分かってるのかい?」
15 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2017/11/24(金) 12:41:01.54 ID:a6BvGIkT0
>>10 期待サンクス、面白いSS目指して頑張る

>>12 自分のイメージ的にはダークナイトシリーズだけどずれるかもだから先に謝罪をしておきます

ご都合主義のクソSSだからあんまり期待しないでね……
16 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:41:41.75 ID:a6BvGIkT0
ブルース「分かっている。ノーリスクでそんな試行ができるハズもない。だがやるしかないんだろう?」

ロマニ「……分かった。まずはこの霊子筐体(コフィン)に入ってくれ」

ブルース「……」スタスタ、スチャッ

ロマニ「いいかい、時間が惜しいんでキミの覚悟に便乗して任務だけ伝える。
まず、レイシフトが完了したら、あちらに居ると思われる職員とコンタクトを取ってくれ。会えばそうと分かるハズだ、我々と同じような白衣を着ている。

そして何より大事なのは……『聖杯』と呼ばれる魔力の塊を持って帰還する事!」

ブルース「聖杯?」

ロマニ「ああ、レイシフト先に巨大な魔力が観測されている。恐らく、この事件を引き起こした犯人が所持しているハズ……
それと、これが一番大事なんだけど! 一般人のキミは向こうで強大な敵に出会うかもだけど、絶対に直接戦闘はしない事! 人間じゃ相手にならないから!」

ブルース「……分かった。尽力する」

ロマニ「頼むよ! それじゃあ閉じる! レイシフト先でも適宜指示を出すから、そこで会おう!」ガチャッ


コフィン内「」シーン……


ブルース「……」チラッ

マスク「」

ブルース「……」スッ

バットマン「……コフィン(棺)か。皮肉だな」

ロマニ『レイシフト10秒前! 9! 8! 7! 6! ……』

バットマン「……」

『3! 2! 1!』

バットマン「……!!」グッ

『0』
17 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:43:21.61 ID:a6BvGIkT0
マシュ(痛い……熱い)

マシュ(瓦礫にのしかかられてる……重い。それに、何か燃えてる……世界が……燃えてる……)

マシュ(ああ、身体の感覚が……死ぬのかな)

マシュ(……何も、残せなかった)ツー

マシュ(ああ、駄目だな。泣くなんて……覚悟してた、ハズなのに)

マシュ(熱さが増して……痛みも……ああ、息も、だんだん……)

マシュ(……楽になって、きてる?)


???「無事か」ゴバッ、ガラガラ
18 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:44:21.89 ID:a6BvGIkT0
バットマン(ひどい傷だ。もう助からない)

???「か、はっ……あ、貴方は……」

バットマン「ブルース。ブルース・ウェインだ。
……もしもしドクター、レイシフト先にて職員と思われる女性を発見。しかしこの傷ではもう……」

ドクター『……ま、マシュかい!? 待って、それなら……ブルース、キミと魔力回路を繋げてデミ・サーヴァントとして覚醒させれば……』

バットマン「ドクター、落ち着け。まずは手順を説明してくれ」

ドクター『あ、ああ。まずは魔術回路の確認から……』

バットマン「……マシュ。少し手荒な真似になるかもしれない。先に謝っておく」

マシュ「ごほっ……ええ、構いません……」

バットマン「……」
19 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:45:18.48 ID:a6BvGIkT0
マシュ「……」

バットマン「……安定したようだが、目を覚まさない。ドクター、何が原因か分かるか」

ドクター『これは……回復に回す分の魔力まで供給できてない。生存で手一杯か……ブルース、キミの近くに霊脈はあるかい?』

バットマン「霊脈……と、言うと」

ドクター『ああいや、それはこっちの仕事だね。検索するよ……! 待って、敵生体反応多数! 周囲を警戒してくれ!』

バットマン「!」

???「グルルルル……!」

???「グルァァァァ……」

バットマン「……」

ドクター『太刀打ちできない! ブルース、すまないがマシュを抱えて逃走できるかい!? 分が悪すぎる……ブルース?』


バットマン「……」
20 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:46:04.33 ID:a6BvGIkT0
???「グルォアアアアッ!!」シュバッ

ドクター『うわああああああ!! ブルースくん!!』


バットマン「フン!!」ガキィ

ドクター『ええええええええええ!?』

バットマン(重い……だが想定内)

バットマン「シッ」グルッドゴォ

???「ゴギャアアアアアア!!」バタッ

バットマン(次だ)

???「グガアアアアアアア!!!」バババッ

バットマン「……」スッ

???「グ……エッ?」

バットマン「フンッ!!」ドッゴォ

???「ギャアッ!!」バタッ

バットマン(次……)

………………
21 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:46:58.73 ID:a6BvGIkT0
……………

バットマン(負傷は軽微。敵は撤退……上々だ)

ドクター『……ブルースくん、キミって一体何者なんだい? 確かにあの敵は弱かったとはいえ、生身の人間が撃退できるような連中じゃ……』

バットマン「私の事より、霊脈は見つかったのかドクター。移動可能になったぞ」

ドクター『あ、ああ。そこから二キロほど西に歩いた場所に発見できた。もう一つ反応があるのを考えると、恐らくそこにも生き残りの職員が居るハズだ』

バットマン「了解。合流を試みる」

ドクター『頼んだよ! あと、さっきの勝ちはどう考えたって幸運で拾ったんだから、さっきみたいな無茶しない事! いいね!」

バットマン「……保証はしかねる」

ドクター『ブルースくん!』

バットマン「……」

マシュ「……ぐ……貴方は、一体……」

バットマン「……無理はせず、寝ておけ。すぐに霊脈へ連れて行ってやる」スタスタ、ガシッ

マシュ「……う……」ガクッ
22 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:47:41.36 ID:a6BvGIkT0
バットマン(……ひどい焼け野原だ。ゴッサムシティと同じか、それ以上の)

バットマン(……こんな荒れ地を作って、何がしたいんだ。犯人の真意を推測しかねる……)

バットマン(ジョーカーのように楽しんで破壊をしただけか? それとも、何かに絶望した末の破壊行動か?)

バットマン(……いずれにせよ、まともな神経の持ち主ではない。何処かで狂ってしまった者がやる事だ)

マシュ「……うっ……先輩……」

バットマン「もうすぐだ。踏ん張れ」スタスタ

マシュ「……」


???「……止まりなさい!」

バットマン「……」ピタッ

???「マシュを抱えて何処へいくつもり? 貴方は何者ですか? 答えなさい!」

バットマン(敵意有り。距離三十メートル。鉄バットを所持……やれる)

ドクター『ま、待った! 所長、ボクがレイシフトさせたんです!』

所長「……その声、ロマニ? ああ良かった、ようやく味方が来たのね……じゃなくて!!
アンタ、レイシフトされたんですって? 状況を全て説明しなさい! なんでこんな焼け野原になってるの!? どうして私までレイシフトに巻き込まれたわけ!?」

バットマン「……ドクター。説明は頼んだ」スタスタ

所長「ちょ、まちなさ……ちょっと! そもそも何なのよその悪趣味極まりないスーツとマスクは! ネコミミ!? ネコミミなの!?」タッタッ
23 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:48:38.60 ID:a6BvGIkT0
バットマン「……つまり、私達三人がここでの最後の生存者か」

ドクター『そのようだね。残念だけど……他に生命反応はない。あるのは蠢く魔力反応、そして敵性反応だけだ』

所長「待って、レフは? さっきから気になってたんだけど、なんでロマニが仕切ってるのよ!?」

ドクター『いや、何故と言われても……』

バットマン「死んだ。爆発に巻き込まれて」

所長「……え? 爆発?」

バットマン「そうだ。何者かによって仕掛けられた爆弾によって過半数が吹き飛び、生き残った職員、レイシフト要員は十数名。そうだな、ドクター」

ドクター『ぶ、ブルースくん、こういう事はもうちょっとオブラートに……いや、そうだな。今言った通りです、所長』

所長「……レフも死んだのね。そう。うちじゃ一番優秀だったけど仕方ないわね」

バットマン「……」

所長「何よ」

バットマン「ヒステリーを起こすものとばかり思っていた」

所長「あのねえ、私だって解決に繋がる興奮とそうでない興奮くらいは弁えてるわ。それより、これからの行動指揮は私が取るけど異議無いわね?」

バットマン「無い。好きに指示を出してくれ」

ドクター『こちらも、霊脈とのつながりを得た事でいつでも通信可能になりました! 助けが必要になったら遠慮なく通信を!』

所長「……何にしても、マシュが目覚めない限りはどうしようもないけど。早く目覚めてくれないかしら……」

バットマン「……」

所長「……ところで、その耳は本当に何なの? 猫なの?」

バットマン「………………」
24 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:50:33.33 ID:a6BvGIkT0
マシュ「……う……」

バットマン「……!」

バットマン(本当に生き返った……!?)

所長「あのダメージから蘇生するなんてなかなか……ね。動けるようになるまであとどれくらい掛かるか分からないけど、それまでキャンプを……」

バットマン「ああ、動かずに守る。……それよりも、マシュは何故蘇生できた? あの傷じゃあ、人間は生存不可能なはずだ。デミ・サーヴァントとは何だ? 魔力とは? 何故『聖杯』とやらはこんな事をする?」

所長「……そうね。部外者を引っ捕まえて協力させてるんだから、まずはそもそもの説明からしなきゃ駄目よね」

バットマン「……」

所長「……長くなる話だから丁度良いわ。ただ、駆け足気味になるけど」

バットマン「構わない。理解する」

所長「頼もしいわね。それじゃあ、まずはサーヴァントから……」
25 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:51:59.01 ID:a6BvGIkT0
所長「……これがサーヴァント。歴史から生まれた、人間の影よ」

バットマン「……つまり英霊というのは、過去の英雄たちを呼び出して使役する際の呼び名で……聖杯という願望器をめぐって争うためのコマだと」

所長「大雑把に言えばそんな感じね。それで、デミ・サーヴァントっていうのは……」

マシュ「……うっ……」ムクリ

マシュ「……」キョロキョロ

マシュ「ここは……私、死んでない……」

所長「っと、起きたわね。悪いけど、後の説明は帰ってからで良いわね?」

バットマン「……分かった」

所長「マシュ、起きたばかりで悪いけど状況の説明をするわ。のんびりしている時間は無いから納得できなくても納得して頂戴。いいわね」

マシュ「え、え……」

バットマン「……大丈夫だ」

マシュ「……は、はいっ」

マシュ(誰だろう……ネコミミが可愛いけど……)
26 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/24(金) 12:52:35.88 ID:a6BvGIkT0
所長「……ていう事。話は通じたわね?」

マシュ「はい。任務、特異点の元となった聖杯を回収し、無事にカルデアへ帰還を果たす事。了解しました」

所長「それじゃ……ロマニ! 聖杯の位置は割り出せた!?」

ドクター『いえ、それが頑張ってるんですけど、方角くらいしか割り出せなくて……』

バットマン「それだけ分かれば十分だ。すぐに向かう」

所長「ちょ、ちょっと! 私が指揮するって言ったじゃない!」

バットマン「…………」

所長「う……そ、そうね。それ以外に選択肢も無いし、向かうわよ!」

マシュ「行きましょう、マスター」

バットマン「……」

バットマン(マスター……アルフレッドを思い出す)

バットマン(……必ず解決してみせる。アルフレッド)
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