【艦これ】 外地鎮守府管理番号 88

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/17(金) 22:54:15.54 ID:ngMkegDN0
通貨の単位はドルを想定しております
値段は適当だったりしますのでご容赦下さい・・・

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1510926855
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/17(金) 22:55:33.13 ID:ngMkegDN0

「ご愁傷様、残念だったね。」


ボシュボシュボシュ


背中の艤装に取り付けたボックスから飛び出た砲身、対潜迫撃砲ことスキッドの弾頭が発射されていく。

発射された弾体は40mの三角形に集束し・・・・。

ドゴン。

予め設定された水深で弾頭が爆発し圧力波で敵を完全に殴り倒す。


(これだけ爆発が酷いと助かる見込みは零だろうね。)


しばらく後に大量の油の様な物と深海棲艦の潜水艦がつけるシュノーケルの様な物が浮かび上がる。


「こちら時雨、鎮守府戦闘指揮所どうぞ。」

「こちら鎮守府指揮所不知火。どうされました?」

「潜水艦の掃討が完了したよ。エリア1〜6までオールグリーン。帰投するよ。」

「こちら不知火。了解しました。」

「雪風から同じく鎮守府戦闘指揮所へ。」

「不知火です。」

「エリア7〜12まで同じくオールグリーンです。帰投します!」

「了解しました、お疲れ様です。」

3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/17(金) 22:56:12.58 ID:ngMkegDN0

鎮守府ドック

不知火「お二人ともお疲れ様です。」

不知火「お疲れとは思いますが戦果確認の為カメラのデータ提出と報告書の提出をお願いします。」

不知火「それと、何か気づいた事は有りますか?」

時雨「潜水艦の数が多くなってきているね。」

雪風「後、固い敵が増えてきている気もします。」

不知火が二人の意見を手元の用箋挟みのメモ紙に書き込んでいる所に彼女がやって来た。

明石「お二人ともお帰りなさい。新型のソナーの調子はどうですか?」

時雨「流石にソナーだけで20万もしただけ有るね。」

明石「そうでしょうとも、スキャンニングソナーを入手するの大変だったんですよ!」

時雨「それにスキッド。今まで潜水艦対策として使用していた装備がガラクタに思えるよ。」

時雨「ソナーとリンクして勝手に敵のいる方向へ砲身が向くのはありがたいね。」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/17(金) 22:57:13.01 ID:ngMkegDN0

明石「そうでしょうとも。イギリスの高官を下ネタスキャンダルで脅して入手した甲斐がありました!」

時雨「サーチライトソナーと3種セットで40万、いい商売だね。本当。3ヶ月の稼ぎがパーだよ。」

雪風「ですが、潜水艦の撃破率が見違えるほどに上がりました。」

雪風「支払った分をペイするのも簡単ですよ。」

雪風「いちいちソナーの使用を止めたり爆雷の投射に自身の進行方向を変えなくて良いのはありがたいですね。」

時雨「雪風も買っていたのかい?」

雪風「えぇ、ですが、ソナー自体はシリーズを含めて太平洋戦争後のロールアウトのはずですが?」

明石「まっ、そこは米軍が艦娘用へ転換する為に色々やっていたのをですね。」チョイチョイ

時雨「なかなかの悪党だね。」

雪風「地獄に落ちてろくな死に方しませんよ?」

明石「お二人とも何を言ってるんですか。」

明石「ここを何処だと思ってるんです?」

明石「ここは地獄の一丁目。これ以上落ちる所なんかないですよ。」

不知火「確かにそうですね。」

明石「まっ、お二人が撃沈したら装備を剥いで使えそうなら他の方へ売るんで装備が残るような死に方してくださいよ。」

明石「棺おけ代くらいは持ちますよ。」



そういうと明石は手をひらひらとさせ伝票を眺めながら自身の工廠へと去っていったのだった。

5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/17(金) 22:58:14.99 ID:ngMkegDN0

ここは日本番外地。

所属する艦娘は何がしかの訳あり。

命令拒否なんかは可愛い物で上官殺し、味方艦隊殲滅等々。

ありとあらゆる問題児たちを突っ込んだ掃き溜め。

軍法会議で軽い者は最低でも刑期が10年。

重い者になると解体処分という名の死刑判決を受けた死刑囚。

或いは戦争以外に生きる能の無い戦争狂い。

自分の命を金に換算してまで金を稼ごうとする。

訳ありの艦娘。

なんにせよ、脛に傷持つ奴か金を敵として稼ぐ事に執着を燃やす奴か。

そんな奴らが集まる所。

それが此処、外地鎮守府管理番号88。

通称 88鎮守府。地獄の一丁目だ。

6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/17(金) 22:58:48.39 ID:ngMkegDN0

第一話 仕事と任務
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/17(金) 22:59:43.68 ID:ngMkegDN0

摩耶「おーい、時雨―!」

時雨「なんだい?」



鎮守府内の任務カウンターに貼り出された軍令部外、簡単に言うと民間からの依頼。

請負幾らの任務が貼り出された掲示板を眺めて居た所に同じ鎮守府の仲間。

重巡摩耶が声をかけて来る。



摩耶「稼げる仕事があるんだ、時雨も一口乗らないかい?」

8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/17(金) 23:00:31.79 ID:ngMkegDN0

この鎮守府の任務の仕組みは簡単に分けて二つ。

軍令部を通して正式に作戦として受理されたものは『 任務 』と呼ばれ。

民間からの依頼の任務は『 仕事 』と呼び分けられる。

所属している艦娘で自分の任期、

詰まるところの刑期を金で縮めたい連中は『 仕事 』を受け『 任務 』以外での報酬を稼ぐ。

それ以外にも金を稼ぎたい奴等は仕事を積極的に請ける。

自分の錬度と所持している装備、受け取れる報酬金、あるいは資材。

それらを天秤にかけ割がいいか良くないか。

その計算に長けたものだけがこの鎮守府では生き残れる。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/17(金) 23:01:54.90 ID:ngMkegDN0

時雨「話だけなら聞こうか。」

摩耶「そうこなくっちゃ。」



摩耶が簡単に説明をする。

中東からの石油精製品、それを運ぶタンカーの護衛。

簡単な仕事に聴こえるが・・・・。



摩耶「このタンカーは外洋を突っ切るつもりだ。」



なるほど、深海棲艦に襲撃される事を恐れて沿岸に航路を取るのではなく

日数短縮重視で外洋の航路を走るということらしい。

日本政府の庇護を受けるつもりのタンカーなら護衛の交代がしやすい海岸沿いに航路をとるだろう。

だが、日本政府へ警備、護衛を頼めば協力費という圧力で結構な量の積荷を持っていかれる。

それが今や高価で売れることが確定的な石油関連製品なら?

海岸沿いに日数をかけて輸送しても襲撃にあうことがあるなら?

日本政府への多大なピンハネを払うくらいなら安く済む、

腕っこきの警備員を雇うということなのだろう。

そして他の会社を出し抜きさっさと売りさばく為の航海日数の短縮。

もっとも相手の眼鏡にかなわなければ荷主にしたって積荷を失うことよりピンハネされる方を選ぶのであろうが。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/17(金) 23:02:59.14 ID:ngMkegDN0

時雨「報酬金額、拘束日数、申し分ないね。乗った。」



うしっとガッツポーズを決める摩耶。

そう、僕は稼がなければならない。

稼いで稼いで稼ぎまくって。

ここにいることを定められた刑期を縮めて生き抜いてやる。

そして、僕を罠に嵌めたその理由を彼女から聞くまでは死ぬ訳にはいかない。

沈んでなんてやるもんか。



摩耶「さてと、後、もう一人か二人誘いたいんだよね。」

時雨「他に誰が来るんだい?」

摩耶「んー?いつもつるんでる川内だろ?後、雪風にも声かけておいた。」



鎮守府内での仲間同士の繋がりは重要だ。

特に金になる話は。

お互いの装備、錬度、そして、艦種の相性。

それら全てをひっくるめて仕事を請けないと沈む羽目になる。

11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/17(金) 23:03:48.18 ID:ngMkegDN0

摩耶「予定されてる航路だけどトラックの連中が下手こいた後だからさー。」

摩耶「空母か戦艦が欲しいんだよねー。」

時雨「長門は?」

摩耶「燃料は向こう持ちだけどさ、弾代がね。」



戦艦の様に高火力ともなると弾の消費も莫迦にならない。

その為、支払われる報酬によっては金になる話でも見送るのがつねなのだ。



摩耶「まぁ、殴り合いが好きな長門からしてみれば対潜哨戒が主になる護衛は退屈なんだろ。」

時雨「違いない。」

摩耶「んっ、まっ、心辺りがあるから。そっちいってみるわ。」

時雨「じゃ、1時間後に出撃ドッグで。」

摩耶「あぁ、受任の手続きもこっちでやっておくよ。」

時雨「分かった。」



伯爵は暇してるかなぁと言いながら何処かへ向かう摩耶。

それぞれが稼ぐ理由があり、稼ぐ為にこの島へやってくる。

或る者は故郷への仕送り、或る者は贖罪の為。

そして、僕は僕を裏切って此処へ売り飛ばした彼女に理由を聞く為に。

今日も金を稼ぐ。生き残る為に。

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